(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025140235
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】撮像装置およびその制御方法、プログラム、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 23/63 20230101AFI20250919BHJP
H04N 23/745 20230101ALI20250919BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20250919BHJP
H04N 23/73 20230101ALI20250919BHJP
G03B 7/091 20210101ALI20250919BHJP
G03B 17/18 20210101ALI20250919BHJP
【FI】
H04N23/63 100
H04N23/745
H04N23/60 500
H04N23/73
G03B7/091
G03B17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024039478
(22)【出願日】2024-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】▲柳▼橋 健
(72)【発明者】
【氏名】畑 航平
(72)【発明者】
【氏名】冨澤 皐月
(72)【発明者】
【氏名】伊勢 利道
(72)【発明者】
【氏名】小林 尊志
【テーマコード(参考)】
2H002
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H002GA35
2H102AA02
2H102BB08
2H102BB15
5C122EA13
5C122EA42
5C122FF09
5C122FH11
5C122FK08
5C122FK35
5C122FK37
5C122FK41
5C122GA01
5C122GA23
5C122GA30
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】 スライダー操作によるシャッター速度の調整の状況を容易に認識し、調整の手間を軽減する。
【解決手段】 画像を撮像する撮像手段と、前記画像からフリッカーを検出する検出手段と、情報を表示する表示手段と、前記撮像手段の露光時間を設定する設定手段と、フリッカーを抑制する露光時間を算出する算出手段と、前記設定手段にて設定可能な露光時間の少なくとも一部の範囲を表示した操作オブジェクトを前記表示手段に表示させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間が操作オブジェクトの表示範囲にある場合に、前記表示手段に該算出された露光時間に関する指標を表示することを特徴とする撮像装置。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を撮像する撮像手段と、
前記画像からフリッカーを検出する検出手段と、
情報を表示する表示手段と、
前記撮像手段の露光時間を設定する設定手段と、
フリッカーを抑制する露光時間を算出する算出手段と、
前記設定手段にて設定可能な露光時間の少なくとも一部の範囲を表示した操作オブジェクトを前記表示手段に表示させる制御手段と、を有し、
前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間が操作オブジェクトの表示範囲にある場合に、前記表示手段に該算出された露光時間に関する指標を表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記操作オブジェクトはスライダー状の操作オブジェクトであることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記設定手段で設定した前記撮像手段の露光時間に関する指標をさらに表示することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標が、前記設定手段にて設定された露光時間と同じ位置に表示される場合に、前記設定手段にて設定された露光時間に関する指標のみを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標が、前記設定手段にて設定された露光時間と同じ位置に表示される場合に、前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標のみを、前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記算出手段は、前記算出した露光時間に基づき、前記露光時間とは別に前記撮像手段で撮像された画像のフリッカーを抑制する露光時間の候補をさらに算出し、
前記制御手段は、前記算出手段で算出された露光時間、及び前記候補に関する指標の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は前記候補に関する指標を、前記設定手段にて設定された露光時間に関する指標、及び前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標とは異なる形態で前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記算出手段にて算出された露光時間および前記候補が、前記操作オブジェクトの表示範囲から外れた場合、前記制御手段は前記算出手段にて算出された露光時間、及び前記候補が、前記操作オブジェクトの表示範囲から外れたことを示す指標を前記操作オブジェクトの端に表示させることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記設定手段にて設定された露光時間と、前記算出手段にて算出された露光時間、及び前記候補との差に応じて、前記操作オブジェクトの表示範囲から外れたことを示す指標の表示の位置を変更することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記操作オブジェクトに対する操作が所定の速度以下の場合、前記算出手段にて算出された露光時間、及び前記候補に到達した時点で前記露光時間に関する指標の更新を停止することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記設定手段は、
前記撮像手段の露光時間を第1の変化量で変更する第1の操作手段と、
前記撮像手段の露光時間を前記第1の変化量とは異なる第2の変化量で変更する第2の操作手段と、を備え、
前記第2の操作手段は前記撮像手段の露光時間を前記算出手段で算出された露光時間、及び前記候補に変更する際に用いられることを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記第2の変化量は前記第1の変化量よりも大きいことを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が第1の状態であるかを判定する判定手段と、
前記第1の変化量、及び前記第2の変化量を調整する調整手段と、をさらに有し、
前記調整手段は、前記判定手段が前記第1の操作手段が前記第1の状態であると判定した場合、前記第1の変化量を第3の変化量に変更し、
前記判定手段が前記第2の操作手段が前記第1の状態であると判定した場合、前記撮像手段の露光時間の変更を停止するか、前記第2の変化量を第4の変化量で変更することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記第1の状態とは前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が操作され続けている状態であることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記第3の変化量および前記第4の変化量は、前記第1の状態が継続された時間に応じて大きくなることを特徴とする請求項13に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記制御手段は、前記設定手段の前記表示手段における表示を制御し、
前記第1の操作手段と前記第2の操作手段を、それぞれ異なる表示の形態で表示することを特徴とする請求項11に記載の撮像装置。
【請求項17】
画像を撮像する撮像ステップと、
前記画像からフリッカーを検出する検出ステップと、
情報を表示する表示ステップと、
露光時間を設定する設定ステップと、
フリッカーを抑制する露光時間を算出する算出ステップと、
前記設定ステップにて設定可能な露光時間の少なくとも一部の範囲を表示した操作オブジェクトを表示させる制御ステップと、を有し、
前記制御ステップにおいて、前記算出ステップにて算出された露光時間が前記操作オブジェクトの表示範囲にある場合に、前記表示手段に該算出された露光時間に関する指標を表示することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項18】
コンピュータを、請求項1乃至16のいずれか1項に記載されたの撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項19】
コンピュータを、請求項1乃至16のいずれか1項に記載されたの撮像装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置およびその制御方法、プログラム、記憶媒体に関し、特に周期的な光量変化(フリッカーと称す)に対する露出制御の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、LED(Light Emitting Diode)照明やLEDディスプレイを採用した現場での撮影が進んでいる。LEDは一定周期で明滅を繰り返すため、撮影される画像にはフリッカーが発生することがある。そのため、撮像装置のシャッター速度をLED光源の明滅周期に合わせ、フリッカーを低減させることが重要となっている。
【0003】
撮像装置の中にはシャッター速度を設定する手段として、設定可能なシャッター速度の一部の範囲を撮影画像と併せてスライダー(スライドバー)として表示するGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)がある。ユーザはフリッカーの有無を確認しながらこのGUIを操作してシャッター速度を調整することができる。
【0004】
一方、撮像装置の中にはフリッカーを低減させるための機能として、撮像した画像に発生しているフリッカーを検出し、フリッカーを抑制可能なシャッター速度を自動的に算出する、いわゆるフリッカー自動検出機能を搭載しているものがある。
【0005】
ただし前述のフリッカー自動検出機能で検出したシャッター速度を設定しても、撮影環境や検出精度の問題で撮影される画像にフリッカーが残ってしまうことがある。その場合、ユーザはより適切なシャッター速度に設定の調整を行う必要がある。
【0006】
特許文献1では、スライダー上にシャッター速度の設定値と固定値を表示し、その設定値と固定値の差異情報をスライダー上に表示するという点について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、撮像した画像から検出されるフリッカーを抑制可能なシャッター速度は撮影環境によって変化するため、特許文献1に記載の方法ではスライダー上にフリッカーを抑制可能なシャッター速度を適切に表示することは難しい。また、設定可能なシャッター速度の一部の範囲を表示するスライダーについては考慮されていない。そのため、ユーザは適切なシャッター速度に調整するためスライダー操作を実施しているうちに、どちらの方向に、どの程度の調整を行うべきかを認識することが困難となり、調整に手間がかかってしまう場合がある。
【0009】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、スライダー操作によるシャッター速度の調整の状況を容易に認識し、調整の手間を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、画像を撮像する撮像手段と、前記画像からフリッカーを検出する検出手段と、情報を表示する表示手段と、前記撮像手段の露光時間を設定する設定手段と、フリッカーを抑制する露光時間を算出する算出手段と、前記設定手段にて設定可能な露光時間の少なくとも一部の範囲を表示した操作オブジェクトを前記表示手段に表示させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間が操作オブジェクトの表示範囲にある場合に、前記表示手段に該算出された露光時間に関する指標を表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スライダー操作によるシャッター速度の調整の状況を容易に認識し、調整の手間を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3】微調整ボタンを操作した際に設定可能なシャッター速度のテーブルの一例を示す図
【
図4】粗調整ボタンを操作した際に設定可能なシャッター速度のテーブルの一例を示す図
【
図5】フリッカーの影響を低減するシャッター速度の指標をスライダー上に表示する処理の一例を示すフローチャート
【
図6】現在設定されているシャッター速度の指標と、フリッカーの影響を低減するシャッター速度の指標をスライダー上に表示している画面の一例
【
図7】検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が表示範囲外であることを示す指標をスライダー端に表示している画面の一例
【
図8】現在設定されているシャッター速度と検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度の関係を示すグラフ
【
図9】優先した指標をスライダー上に表示している画面の一例
【
図10】シャッター速度設定処理を示すフローチャート
【
図11】粗調整ボタン表示更新処理を示すフローチャート
【
図12】粗調整ボタン表示更新処理を行ったシャッター速度設定画面の一例を示す図
【
図14】実施形態3のユーザが操作した部材および部材の状態によって、シャッター速度を変更する速度を変更するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0014】
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、第1の実施形態に係るデジタルビデオカメラ(カメラ)である、カメラ10の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
図1において、ブロックとして表現されている構成は、ASICやFPGAのような集積回路(IC)によって、ディスクリート回路によって、あるいはメモリと、メモリに格納されたプログラムを実行するプロセッサとの組み合わせによって実現されうる。また、1つのブロックが複数の集積回路パッケージによって実現されてもよいし、複数のブロックが1つの集積回路パッケージによって実現されてもよい。また、同一のブロックが動作環境や要求される能力等に応じて異なる構成で実施されてもよい。
【0017】
また、以下の実施形態では、本発明をデジタルビデオカメラ等の撮像装置で実施する場合について説明するが、本発明は撮像機能を有する任意の電子機器でも実施可能である。このような電子機器には、撮像装置のほか、コンピュータ機器(パーソナルコンピュータ、タブレットコンピュータ、メディアプレーヤ、PDA等)、携帯電話機、スマートフォン等が含まれる。なお、これらは例示であり、本発明は他の電子機器でも実施可能である。
【0018】
バリア101は、カメラ10の撮影レンズ106を含む撮像系を覆うことにより撮像系の汚れや破損を防止する保護部材である。
【0019】
撮影レンズ106は、ズームレンズ、フォーカスレンズを含むレンズ群である。このズームレンズは、焦点距離を変化させることによってズーム倍率を変化させる。ズームレンズは、ズーム制御部102によって制御される。フォーカスレンズはピント合わせを行うレンズである。フォーカスレンズは、測距制御部103によって制御される。
【0020】
撮像部104は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮 像素子である。また、撮像部104に係る露出制御値として設定可能なシャッター速度に従って、撮像部104の露光時間を制御することができる。
【0021】
A/D変換部105は、撮像部104から出力されるアナログ画像信号に対して、サンプリング、ゲイン調整、A/D変換等を行い、得られたデジタル画像信号を出力する。
【0022】
画像処理部107は、A/D変換部105から出力されたデジタル画像信号に対して各種の画像処理を行い、処理済みのデジタル画像信号(画像データ)を出力する。例えば、画像処理部107は、A/D変換部105から出力されたデジタル画像信号に対し、所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行ってもよい。画像処理部107はメモリ制御部108からの画像データに対しても同様の処理を行うこともできる。また、画像処理部107は、画像データを用いて所定の演算処理を行う。画像処理部107にて得られた演算結果に基づいて、システム制御部50はフリッカーの検出、露光制御、測距制御を行うことができる。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。
【0023】
A/D変換部105が出力した画像データは、画像処理部107やメモリ制御部108を介してメモリ109に書き込まれる。
【0024】
メモリ109は、撮像部104によって得られA/D変換部105によりデジタルデータに変換された画像データや、後述する表示部110に表示するための画像データを格納する。メモリ109は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備える。また、メモリ109は記録媒体20から読み出した画像データやOSD(On Screen Display)データを表示部110に表示するときの画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。
【0025】
D/A変換部123は、メモリ109に格納されている画像表示用のデジタル画像信号(画像データ)をアナログ画像信号に変換して表示部110に供給する。したがって、メモリ109に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換部123を介して表示部110により表示される。
【0026】
表示部110は、液晶ディスプレイ(LCD)等により構成され、D/A変換部123から供給されたアナログ画像信号に応じた表示を行う。例えば、D/A変換部123から供給されたアナログ画像信号が表示部110に逐次転送、表示されることで、電子ビューファインダ(EVF)としての機能が実現され、ライブビュー画像が表示される。表示部110は有機EL(Organic Electroluminescence)ディスプレイ等の他の方式のディスプレイであってもよい。また、表示部110は、電子ビューファインダであるが、小型(例えば3.5インチ)の液晶モニタであってもよく、HDMI(登録商標)やSDI等の外部出力であってもよい。更に、表示部110は、これらの表示出力を複数備えていてもよい。
【0027】
不揮発性メモリ111は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等である。不揮発性メモリ111には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。このプログラムは、後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムを含む。
【0028】
システムメモリ113には、例えばRAMが用いられる。システムメモリ113には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ111から読み出したプログラム等が記憶される。
【0029】
システム制御部50はカメラ10全体を制御する。システム制御部50が不揮発性メモリ111に記憶されたプログラムを読み出し、システムメモリ113に展開して実行することで、後述する各処理が実現される。また、システム制御部50は、メモリ109、D/A変換部123、表示部110等を制御することにより表示制御も行う。
【0030】
システムタイマ114は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する。
【0031】
操作部115は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作部である。操作部115は、SETキー、十字キー(上方向キー、下方向キー、左方向キー、右方向キー)のほか、メニューボタン、キャンセルボタン、AF/MF、といったボタンを含む。例えば、メニューボタンが押下されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部110に表示される。ユーザは表示部110に表示されたメニュー画面と、十字キーやSETキー等を用いて各種設定を直感的に行うことができる。また、操作部115は、ボタンに限らずメインダイヤルやサブダイヤルといったダイヤルを含んでもよい。例えば、ダイヤルを用いてシャッター速度の設定操作を行うことができる。
【0032】
タッチパネル116は、表示部110の表示面(タッチパネル116の操作面)への各種タッチ操作を検出するタッチセンサである。タッチパネル116と表示部110とは一体的に構成することができる。例えば、タッチパネル116は、光の透過率が表示部110の表示を妨げないように構成され、表示部110の表示面の上層に取り付けられる。そして、タッチパネル116における入力座標と、表示部110の表示面上の表示座標とが対応付けられる。これにより、ユーザが表示部110上に表示された画面をあたかも直接的に操作可能であるかのようなGUI(グラフィカルユーザインターフェース)を提供できる。
【0033】
モード切替スイッチ117は、例えばカメラ10の動作モードを切り替えるスイッチである。モード切替スイッチ117が操作されることで、システム制御部50の動作モードを動画記録モード、再生モード等の何れかのモードに切り替えることができる。
【0034】
電源スイッチ118は、電源オンと電源オフとを切替えるためのボタンである。
【0035】
電源制御部119は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部119は、検出結果およびシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間だけ、記録媒体20を含む各部に供給する。
【0036】
電源部120は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプタ等からなり、電源制御部119に電力を供給する。
【0037】
記録媒体I/F121は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体20とのインターフェースである。
【0038】
記録媒体20は撮像された画像データを記録するための記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
【0039】
以上が、第1の実施形態に係るカメラ10の基本構成の一例である。
【0040】
図2は、カメラ10においてシャッター速度を設定する画面の一例を示す図である。シャッター速度は、例えばユーザが操作部115またはタッチパネル116を介して設定することが可能である。システム制御部50はユーザのシャッター速度の設定画面(シャッター速度設定画面)200を表示部110に表示するように制御する。シャッター速度設定画面200は、撮像部104において撮影時の露光時間を制御するシャッター速度をユーザが設定するための画面である。
【0041】
シャッター速度設定画面200には、記録可能時間201a、記録状態201b、記録タイムコード201c、シャッター速度設定メニュー202、画像データ203等が表示される。記録可能時間201a、記録状態201b、記録タイムコード201cおよびシャッター速度設定メニュー202は、OSD(On Screen Display)データであって、画像データ203に重畳して表示される。表示部110に表示する画像データ203は、例えばライブビュー画像である。
【0042】
シャッター速度設定メニュー202には、メニュー終了ボタン204、現在シャッター速度表示205、スライダー206、微調整ボタン207aおよび207b、粗調整ボタン208aおよび208b、フリッカーレス自動検出ボタン209が含まれる。メニュー終了ボタン204はシャッター速度設定メニュー202の表示を終了するためのボタンである。現在シャッター速度表示205は、カメラ10に現在設定されているシャッター速度の値が表示される。
図2においては、例として120.0Hzが設定されている。
【0043】
スライダー206は、スライダー状の操作オブジェクトとして表示されている。スライダー206の表示では、中央部分はカメラ10に現在設定されているシャッター速度となっており、その両側にカメラ10に設定可能なシャッター速度の一部の範囲が表示されている。また、スライダー206には現在設定されているシャッター速度がわかるよう、中央に指標210が表示されている。本実施例ではカメラ10に現在設定されているシャッター速度から±5.5Hzまでの範囲をスライダー206上に表示している。本実施例では現在カメラ10に設定されているシャッター速度である120.0Hzの位置に指標210が表示されているほか、±5.0Hzの位置である115.0Hzと125.0Hzの位置に副指標211がそれぞれ表示されている。また、さらに細かな指標として補助指標212が所定の間隔で表示されている。
【0044】
ユーザは表示部110に表示されたスライダー206に対してフリック操作を行うことでシャッター速度を設定することができる。微調整ボタン207aおよび207bは、シャッター速度を微調整するためのボタンであり、ユーザがタッチするなどして操作可能である。本実施例では微調整ボタン207aおよび207bを操作することで、カメラ10に設定可能なシャッター速度の調整を行うことができる。
【0045】
図3は微調整ボタンを操作した際に設定可能なシャッター速度のテーブル(微調用のテーブル)の例を示す図である。本実施例では23.0Hzから250.0Hzまで0.5Hz刻みでシャッター速度を設定可能として説明する。例えば、微調整ボタン207aを1回操作するとシャッター速度は現在の値からテーブルの左隣の値に変更される。現在の設定値が120.0Hzであれば、微調整ボタン207aの1回のタッチで119.5Hzにシャッター速度が変更されることになる。また、微調整ボタン207bを1回操作するとシャッター速度は現在の値からテーブルの右隣の値に変更される。現在の設定値が120.0Hzであれば、微調整ボタン207bの1回のタッチで120.5Hzにシャッター速度が変更されることになる。また、スライダー206のフリック操作においてもこのテーブル内でシャッター速度が設定される。
【0046】
粗調整ボタン208aおよび208bは、フリッカーの影響を低減するシャッター速度を微調整ボタン207a、207bよりも粗い間隔で調整するためのボタンである。本実施例では粗調整ボタン208a、208bを操作することで、後述するフリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度のN倍および1/N倍(Nは自然数)に設定できるものとしている。フリッカーの特性上、フリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度だけでなく、その1/N倍のシャッター速度にすることでもフリッカーの影響を低減することができる。したがって、フリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度以外をフリッカーの影響を低減するシャッター速度の候補(推奨値)とすることができる。
【0047】
本実施例ではユーザ操作の利便性のため、フリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度だけでなく、そのN倍のシャッター速度も候補として調整できるものとしている。
【0048】
図4は粗調整ボタンを操作した際に設定可能なシャッター速度のテーブル(粗調用のテーブル)の例を示す図である。
図4(a)、(b)はフリッカーレス自動検出によりそれぞれ60.0Hz、50.0Hzが算出されている場合に、粗調整ボタンを操作すると設定可能なシャッター速度のテーブルの一例である。
図4(a)、(b)はそれぞれ60.0Hz、50.0HzをN倍および1/N倍(Nは自然数)した値である。
【0049】
粗調整ボタン208aを1回操作するとシャッター速度は
図4に示すシャッター速度の中で現在設定されているシャッター速度よりも低速のシャッター速度のうち、最も近いシャッター速度に変更される。例えば
図4(a)において現在の設定値が60.0Hzであれば、粗調整ボタン208aの1回のタッチで30.0Hzにシャッター速度が変更されることになる。
【0050】
一方、粗調整ボタン208bを1回操作するとシャッター速度は
図4に示すシャッター速度の中で現在設定されているシャッター速度よりも高速のシャッター速度のうち、最も近いシャッター速度に変更される。例えば
図4(a)において現在の設定値が60.0Hzであれば、粗調整ボタン208bの1回のタッチで120.0Hzにシャッター速度が変更されることになる。
【0051】
フリッカーレス自動検出ボタン209は、フリッカーの影響を低減するシャッター速度を自動で検出するためのボタンである。本実施例では連続した撮像により得られた複数枚の画像における光量の差(明暗)を検出してフリッカーの影響を低減するシャッター速度を算出するが、フリッカーの影響を低減するシャッター速度を算出する方法についてはこれに限らない。また、本実施例ではフリッカーレス自動検出ボタン209を実行した際は算出されたシャッター速度に自動で設定を行う。また、フリッカーレス自動検出ボタン209はタッチパネル116上に表示するだけでなく、カメラ10上に別途ボタン等を設けてもよい。
【0052】
図5は、フリッカーの影響を低減するシャッター速度の指標をスライダー上に表示する処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートの各ステップの処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ111に格納されたプログラムを読み出しシステムメモリ113に展開して実行することにより実現される。まず、表示部110などに表示されたメニューに基づくユーザの操作など、所定の操作に応じてスライダーの表示処理がタッチパネル116の表示面である表示部110にて開始される。
【0053】
まずS501で、システム制御部50は、現在設定されているシャッター速度から一定範囲のシャッター速度を、スライダーに表示する。その後、ステップS502へ進む。
【0054】
次に、S502で、システム制御部50は、現在設定されているシャッター速度を示す指標を、スライダーに表示する。その後、ステップS503へ進む。
【0055】
次に、S503で、システム制御部50は、フリッカーの自動検出が実行されたかどうかを判定する。具体的にはフリッカーレス自動検出ボタン209が操作され、フリッカーの自動検出が実行されたかどうかを判定することになる。フリッカーの自動検出が実行されたと判定された場合、S504へ進む。実行されていないと判定された場合、S506へ進む。
【0056】
次に、S504で、システム制御部50は、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が、S501でスライダーに表示したシャッター速度に含まれているかを判定する。検出されたシャッター速度が現在の表示範囲内と判定された場合、S505へ進む。一方、フリッカーの自動検出が表示範囲外と判定された場合、S506へ進む。後述する
図6においては、現在設定されているシャッター速度である120.0Hzから±5.5Hzまでの範囲にある場合に表示範囲内と判定したものとして説明する。これとは別に、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が表示範囲外の場合、表示範囲外であることを示す指標を、スライダー端に表示してもよい。
【0057】
図7(a)は、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が表示範囲外であることを示す指標を、スライダー端に表示している画面の一例である。指標701は、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が表示範囲外であることを示す指標である。
【0058】
領域702aは、現在設定されているシャッター速度に対して、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が小さく、かつスライダーの表示範囲外の場合、指標701が表示される領域を示している。領域702bは、現在設定されているシャッター速度に対して、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が大きく、かつスライダーの表示範囲外の場合、指標701が表示される領域を示している。
【0059】
指標701を表示する位置は、
図8に示される現在設定されているシャッター速度と検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度の関係を示すグラフに従って、領域702a、領域702bの範囲内で変更してもよい。
図7(b)は、現在設定されているシャッター速度に対して、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度が小さく、かつ差分が
図7(a)の時より大きい場合の指標701の画面での表示例である。ここでは、
図7(a)の時よりフリッカーの影響を低減するシャッター速度が現在設定されているシャッター速度から離れていることを示すために、指標701の表示を
図7(a)の時より外側(左側)に表示している。
【0060】
次に、ステップS505で、システム制御部50は、検出されたフリッカーの影響を低減するシャッター速度の指標を、スライダー上に表示する。その後、ステップS506へ進む。
【0061】
図6は、フリッカーの影響を低減するシャッター速度の指標をスライダー上に表示したシャッター速度設定画面の一例を示す図である。
図6(a)のシャッター速度設定画面600aは、現在設定されているシャッター速度が120.0Hzで、フリッカーの影響を低減するシャッター速度が115.0Hzの場合に指標を表示する例である。この時、スライダー206の表示範囲内にフリッカーの影響を低減するシャッター速度が存在するので、スライダー上の115.0Hzの位置に点線で指標602を表示している。
【0062】
図6(b)のシャッター速度設定画面600bは、フリッカーの影響を低減するシャッター速度が230.0Hzの場合に指標を表示する例である。フリッカーの影響を低減するシャッター速度が230.0Hzの場合には粗調整ボタンを操作した際に遷移するシャッター速度の一つは115.0Hzとなる。そこで、現在のスライダーの表示範囲に対応するように、スライダー上の115.0Hzの位置に指標603を表示している。
【0063】
以上、指標210、指標602、指標603について説明したが、それぞれが同じシャッター速度を示す場合、いずれかの指標を優先して表示してもよい。
図9(a)は、指標210を優先して表示した画面の一例である。
図9(b)は、指標602を優先して表示した画面の一例である。
図9(c)は、指標603を優先して表示した画面の一例である。
【0064】
次に、ステップS506で、システム制御部50は、表示部110などに表示されたメニュー表示に基づくユーザの手動操作など、所定の操作に応じてスライダーの表示処理を終了する操作がされたかどうかを判定する。終了する操作がされたと判定された場合、スライダーの表示処理を終了する。終了する操作がされていないと判定された場合、S501へ進む。
【0065】
以上説明したように、本実施例ではフリッカーの影響を低減するシャッター速度を示す指標をスライダー上に表示する。これにより、ユーザはスライダー操作によるシャッター速度の調整において、検出されたシャッター速度が、どちらの方向に、どの程度離れているのかを容易に認識することができる。
【0066】
なお、本実施例ではフリッカーの影響を低減するシャッター速度をスライダー上の指標として表示する例を説明したが、本実施例での表示方法に限らずない。例えばスライダー上にシャッター速度を示す数値を表示し、その文字色を変えて指標の代わりとしても良い。また、アイコンを表示する形式でユーザに検出されたシャッター速度が現在設定されているシャッター速度に対してどちらの方向に、どの程度離れているのかを表示しても構わない。
【0067】
また、本フローチャートで実行されるユーザのスライダー操作において、スライダー操作がある一定速度以下で行われる場合、フリッカーの影響を低減するシャッター速度に到達した時点でスライダー操作を停止してもよい。これにより、ユーザがスライダー操作を使用してフリッカーの影響を低減するシャッター速度に調整する場合、所望のシャッター速度を通り過ぎることなく設定することが可能になる。
【0068】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態では、粗調整ボタンを操作した際に変更されるシャッター速度の表示について説明する。なお、第2の実施形態におけるカメラ10の機能構成は
図1と同じものとして説明する。
【0069】
図10は、第2の実施形態におけるシャッター速度の設定処理を示すフローチャートである。この処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ111に格納されたプログラムを読み出しシステムメモリ113に展開して実行することにより実現される。
【0070】
S1001で、システム制御部50は、
図2のシャッター速度設定画面200を表示部110に表示するよう制御する。
【0071】
S1002で、システム制御部50は、ユーザからタッチパネル116を介してフリッカーレス自動検出ボタン209による操作が行われたか否かを判別する。なお、フリッカーレス自動検出ボタン209に相当する操作部材をカメラ10が別途設けるような構成としてもよい。その場合、システム制御部50は当該操作部材への操作が行われたか否かを判別してもよい。システム制御部50は、フリッカーレス自動検出ボタン209への操作があったと判定した場合はS1003に遷移し、そうでない場合はS1006に遷移するよう制御する。
【0072】
S1003で、システム制御部50は、フリッカーの影響を低減するシャッター速度の自動検出を実行する。
【0073】
S1004で、システム制御部50は、S1003にて検出したシャッター速度から第1の実施形態における
図4(b)のような粗調整ボタンにより遷移するシャッター速度のテーブルを作成するよう制御する。
【0074】
S1005で、システム制御部50は、S1003にて検出したシャッター速度にシャッター速度を変更するよう制御する。
【0075】
S1006で、システム制御部50は、ユーザからタッチパネル116等を介して微調整ボタン207への操作が行われたか否かを判別する。微調整ボタン207への操作が行われたと判定した場合はS1007に遷移し、そうでない場合はS1008に遷移するよう制御する。
【0076】
S1007で、システム制御部50は、第1の実施形態における
図3の微調用のテーブルに、基づいてシャッター速度を変更するよう制御する。
【0077】
S1008で、システム制御部50は、ユーザからタッチパネル116を介した粗調整ボタン208もしくは後述する粗調整ボタン1201による操作が行われたか否かを判別する。システム制御部50は、粗調整ボタン208もしくは粗調整ボタン1201による操作が行われたと判定した場合はS1009に遷移し、そうでない場合はS1015に遷移するよう制御する。
【0078】
S1009で、システム制御部50は、シャッター速度メニュー202の表示中に一度でもS1003のフリッカーの影響を低減するシャッター速度の自動検出が実行されたか否かを判別する。システム制御部50は、フリッカーの影響を低減するシャッター速度の自動検出が実行されたと判定した場合はS510に遷移し、そうでない場合はS1015に遷移するよう制御する。
【0079】
S1010で、システム制御部50は、
図3のテーブルをもとにカメラ10のシャッター速度を変更するよう制御する。具体的には、後述する粗調整ボタン表示更新処理にて決定される
図12の粗調値1201aおよび1201bのシャッター速度に設定される。
【0080】
S1011で、システム制御部50は、スライダー206の表示を更新するよう制御する。本実施例では、カメラ10にて現在設定されているシャッター速度を中央に、プラスマイナス5.5Hzの範囲をスライダー206に表示する。
【0081】
S1012で、システム制御部50は、カメラ10に現在設定されているシャッター速度の値を現在シャッター速度表示205として表示するよう制御する。
【0082】
S1013で、システム制御部50は、シャッター速度メニュー202の表示中に一度でもS1003のフリッカーの影響を低減するシャッター速度の自動検出が実行されたか否かを判別する。システム制御部50は、フリッカーの影響を低減するシャッター速度の自動検出が実行されたと判定した場合はS1014に遷移し、そうでない場合はS1015に遷移するよう制御する。
【0083】
S1014で、システム制御部50は、粗調整ボタンの表示を更新する処理(表示更新処理)を行うよう制御する。粗調整ボタンの表示更新処理の詳細については後述する。
【0084】
図12は、表示部116において表示する粗調整ボタンの表示更新処理を行ったシャッター速度設定画面の一例を示す図である。シャッター速度設定画面1200には、シャッター速度設定メニュー1202が表示される。シャッター速度設定メニュー1202は、粗調値1201aおよび1201bが表示される。
【0085】
粗調値1201aおよび1201bは、粗調整ボタン208aおよび208bをそれぞれ操作した際に変更されるシャッター速度をそれぞれ表示する。
図12では事前にフリッカーレス自動検出により60.0Hzが検出され、
図4(a)のテーブルが作成されている。さらに、カメラ10に現在設定されているシャッター速度は120.0Hzであり、この状態において粗調整ボタン208aを操作するとカメラ10のシャッター速度は60.0Hzに変更されるため、粗調値1201aには60.0と表示している。同様に、粗調整ボタン208bを実行するとカメラ10のシャッター速度は180.0Hzに変更されるため粗調値1201bには180.0と表示している。
【0086】
S1015で、システム制御部50は、ユーザからタッチパネル116を介したメニュー終了ボタン204への操作が行われたか否かを判別する。システム制御部50は、メニュー終了ボタン204への操作が行われたと判定した場合はS1016に遷移し、そうでない場合はS1002に戻るよう制御する。
【0087】
S1016で、システム制御部50は、S1004で作成した粗調整テーブルをクリアし、シャッター速度設定画面1200を終了するよう制御する。以上が第2の実施形態における、粗調整ボタンを操作した際に変更されるシャッター速度の表示のフローについての概要である。
【0088】
図11は、第2の実施形態における粗調整ボタンの表示更新処理を示すフローチャートである。この処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ111に格納されたプログラムを読み出しシステムメモリ113に展開して実行することにより実現される。
【0089】
S1101で、システム制御部50は、
図10のS1004で作成した粗調整テーブルのうちから粗調整値を参照するテーブル番号iの初期化処理を実行し、i=1とするよう制御する。ここでは、iの値が大きくなるにつれてテーブルのうち高いシャッター速度が参照される。例えば、
図4(a)の粗調整テーブルでは、i=1の場合は30.0Hzが参照され、このテーブル番号での最大値であるi=5では240.0Hzが参照される。
【0090】
S1102で、システム制御部50は、カメラ10の現在のシャッター速度が粗調整テーブル[i]のシャッター速度よりも小さい(低速)か否かを判別する。システム制御部50は、カメラ10の現在のシャッター速度が粗調整テーブル[i]のシャッター速度よりも小さいと判定した場合はS1103に遷移し、そうでない場合はS1104に遷移するよう制御する。
【0091】
S1103で、システム制御部50は、粗調整ボタン208bを実行した際に変更される、カメラ10の現在のシャッター速度よりも高い(高速)シャッター速度である高速側の粗調値を粗調整テーブル[i]に設定するよう制御する。
【0092】
S1104で、システム制御部50は、カメラ10の現在のシャッター速度が粗調整テーブル[i]に対応するシャッター速度よりも大きい(高速)か否かを判別する。システム制御部50は、カメラ10の現在のシャッター速度が粗調整テーブル[i]のシャッター速度よりも大きい場合はS1105に遷移し、そうでない場合はS1106に遷移するよう制御する。
【0093】
S1105で、システム制御部50は、粗調整ボタン208aを実行した際に変更される、カメラ10の現在のシャッター速度よりも低いシャッター速度である低速側の粗調値を粗調整テーブル[i]に設定するよう制御する。
【0094】
S1106で、システム制御部50は、テーブル番号iをインクリメントするよう制御する。
【0095】
S1107で、システム制御部50は、テーブル番号iがテーブル番号最大値よりも大きいか否かを判別する。システム制御部50は、テーブル番号iがテーブル番号最大値よりも大きいと判定された場合はS1108に遷移し、そうでない場合はS1102に戻るよう制御する。
【0096】
S1108で、システム制御部50は、S1103で設定した高速側の粗調値を
図12のシャッター速度設定画面1200の粗調値1201bに表示するよう制御する。例えば粗調整テーブルが
図4(a)である場合、カメラ10の現在のシャッター速度が120.0Hzであれば180.0Hzを表示する。また、カメラ10の現在のシャッター速度が241.0Hzであれば高速側の粗調値が設定されないため、粗調値1201bを表示しない。
【0097】
S1109で、システム制御部50は、S1105で設定した低速側の粗調値を
図12のシャッター速度設定画面1200の粗調値1201aに表示し、粗調整ボタンの表示更新処理を終了するよう制御する。例えば粗調整テーブルが
図4(a)である場合、カメラ10の現在のシャッター速度が120.0Hzであれば60.0Hzを表示する。また、カメラ10の現在のシャッター速度が29.0Hzであれば低速側の粗調値が設定されないため、粗調値1201aを表示しない。
【0098】
以上説明したように、
図10のフローチャートでは粗調値の表示を、カメラ10の現在のシャッター速度が粗調整テーブルに設定されている値と同じになったタイミング、粗調整テーブルに設定されている値と異なったタイミングで更新することができる。
【0099】
このように、粗調整ボタンを操作した際に変更されるシャッター速度を表示することで、ユーザはフリッカーの影響を低減するシャッター速度を設定する際に粗調整ボタンの操作でシャッター速度がどう変更されるのかを事前に視認することができる。
【0100】
なお、本実施例では、粗調整ボタンを操作した際に変更されるシャッター速度を粗調値として常に表示しているが、粗調整ボタンを操作した際に変更されるシャッター速度がスライダーの表示範囲外である場合のみ表示しても良い。これは、微調整ボタン同様に実行した際に変更されるシャッター速度がスライダーの表示範囲内であればユーザも変更後の値に想像がつくためである。このような仕様とすることで、シャッター速度設定画面1200上のOSD(On Screen Display)データの表示領域が減り、一方で画像データの表示領域が増えることでユーザが撮影を行いやすくなるという利点がある。
【0101】
また、本実施例ではフリッカーの影響を低減するシャッター速度の自動検出が実行済みではない場合には粗調整ボタン208aおよび208bを操作してもシャッター速度が変更されないものとしている。ただし、これに限らず自動検出が実行済みではない場合でも粗調整ボタン208aおよび208bを操作すると、カメラ10に設定されている現在のシャッター速度のそれぞれ1/2倍と2倍に変更するような仕様としてもよい。
【0102】
また、自動検出が実行済みではない場合や、自動検出が実行済みでも粗調値1101が表示されない場合、粗調整ボタン208を操作してもシャッター速度が変更されないが、粗調整ボタン208の表示を変更してもよい。また、粗調整ボタン208を実行して現在のシャッター速度の2倍や1/2倍などに変更するようにしてもよい。
【0103】
図13は粗調整ボタンの表示を変更したシャッター速度設定画面の一例を示す図である。
【0104】
図13(a)はボタンが非表示になっている例である。シャッター速度設定画面1300aには、シャッター速度設定メニュー1301aが表示される。シャッター速度設定メニュー1301aは、
図12のシャッター速度設定メニュー1202に対し、粗調整ボタン208aおよび208b、粗調値1201aおよび1201bが非表示になっている。
【0105】
図13(b)は低速側の粗調整ボタンがグレーアウト表示になっている例である。シャッター速度設定画面1300bには、シャッター速度設定メニュー1301bが表示される。シャッター速度設定メニュー1301bは、現在シャッター速度1302、スライダー1303、粗調整ボタン1304、粗調値1305が表示されている。
図13(b)では
図4(a)の粗調整テーブルが作成されており、現在シャッター速度は25.0Hzとなっている。この場合、粗調整ボタン1304を実行しても表示するシャッター速度が変更されないため、粗調整ボタン1304はグレーアウトされており、対応する粗調値は表示されていない。
【0106】
また、本実施例では、粗調整テーブルの最低速または最高速のシャッター速度よりもカメラ10に設定されている現在のシャッター速度がそれぞれ低いまたは高い場合は、粗調整ボタン208を実行してもシャッター速度が変更されない。なお、このような場合は粗調整ボタン208の操作に対応して設定可能なシャッター速度のテーブルをループするようにしてもよい。具体的には、
図4(a)の例において、カメラ10に設定されている現在のシャッター速度がテーブルの最高速である240.0Hzよりも速い250.0Hzの場合、テーブルの最低速である30.0Hzに設定できてもよい。同様に、
図4(a)の例において、カメラ10に設定されている現在のシャッター速度がテーブルの最低速である30.0Hzよりも低い25.0Hzの場合、テーブルの最高速である240.0Hzに設定できてもよい。
【0107】
また、本実施例ではシャッター速度設定画面での操作がタッチパネルによる操作である例を説明したが、これに限らず操作部115に備えられたボタンやダイヤルで同様の操作をしてもよい。
【0108】
図13(c)は2つのダイヤル操作で微調整および粗調整ができる画面における粗調整値の表示例である。シャッター速度設定画面1300cには、記録可能時間201a、記録状態201b、記録タイムコード201c、画像データ203、シャッター速度設定メニュー1301cが表示されている。シャッター速度設定メニュー1301cには、メニュー終了ボタン204、現在シャッター速度表示205、微調整ダイヤルアイコン1306、粗調整ダイヤルアイコン1308、粗調値1307aおよび1307b、フリッカーレス自動検出ボタン209が表示されている。
【0109】
シャッター速度設定画面1300cでは、微調整ダイヤルアイコン1306に対応する操作部115に備え付けられたダイヤルを時計回りに操作するとシャッター速度は現在の値から
図3に示すテーブルの右側の値に変更される。同様に、ダイヤルを反時計回りに操作するとシャッター速度は現在の値から
図3に示すテーブルの左側の値に変更される。また、粗調整ダイヤルアイコン1308に対応する操作部115に備え付けられたダイヤルを時計回りに操作するとシャッター速度は粗調値1307aの値に変更される。同様に、ダイヤルを反時計回りに操作するとシャッター速度は粗調値1307bの値に変更される。
【0110】
本実施例では
図13(c)において微調整ダイヤルアイコン1306と粗調整ダイヤルアイコン1308は同様の表示の形態(ダイヤル型のアイコン)としているが、これに限らない。例えば、微調整ダイヤルアイコン1306と粗調整ダイヤルアイコン1308をそれぞれ異なる表示の形態のアイコンとして、判別しやすくしてもよい。
【0111】
また、本実施例では粗調値を粗調整ボタンと隣接する位置に表示する例を説明したが、これに限らず、例えば粗調整ボタンの上に表示してもよい。
【0112】
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、シャッター速度を変更する際の変形例について説明する。なお、第3の実施形態におけるカメラ10の機能構成は
図1と同じものとして説明する。
【0113】
第3の実施形態では、システム制御部50が
図2のシャッター速度設定画面200を表示部110に表示している時、ユーザが操作部115またはタッチパネル116を介してシャッター速度の設定を選択する際の動作の変形例である。第3の実施形態ではユーザが操作した部材および部材の操作状態によって、シャッター速度を変更する速度を変更することで、ユーザビリティの向上を図る。
【0114】
カメラ10のような撮像装置には、シャッター速度などの撮影パラメータをユーザ操作によって変更する際、操作方法によって撮影パラメータを次々に変更する動作を行う機能が備えられていることがある。例えば、シャッター速度を撮像装置に備えられているボタンを押すことで変更可能な場合、ボタンを一定時間長押しするとシャッター速度を次々と変更することができるものがある。他にも、撮像装置に備えられているダイヤルによって変更可能な場合、ダイヤルを数周回すとシャッター速度が自動で次々と変更できるものがある。また、ボタンへの長押し操作等を継続している時間に応じて、パラメータの変更を徐々に早送りすることが出来るものがある。このような機能が備えられることにより、ユーザはボタンを何度も押したりダイヤルを何周も回したりしなくても、撮影パラメータを次々と変更することができ、また所望の撮影パラメータに素早く変更することが可能となる。
【0115】
上述のような機能を備えた状態で、例えば微調整ボタン207を長押し操作すると、シャッター速度の値が
図3のような微調用のテーブルに基づいて連続的に変更される。また、長押し操作の時間に応じて、微調用のテーブルの隣の値に変更されるまでの時間を徐々に短くする。これにより、ユーザは微調整ボタン207を複数回操作しなくとも、シャッター速度を所望の値に素早く変更することができる。また、
図3の微調用のテーブルは隣り合うシャッター速度の間隔を一定(設定可能なシャッタースピードの最小の分解能)としている。そこで、所望のシャッター速度の周辺まで微調整ボタン207を長押し操作してシャッター速度を変更し、その後は所望のシャッター速度に合うように微調整ボタン207を操作することができる。
【0116】
一方、粗調整ボタン208に同様の機能が備えられている場合は、
図4のような粗調用のテーブルに基づいて連続的に変更される。基本的に粗調用のテーブルでは微調用のテーブルに比べて隣り合うシャッター速度の間隔が一定ではなく、かつその差が大きいものとなっている。すなわち、粗調整ボタン208の長押し操作時に、シャッター速度を微調整ボタン207を長押し操作したときと同様の制御で変更すると、値が急激に変化するなどしてユーザの意図しないシャッター速度に変更されてしまう可能性がある。
【0117】
そこで、本実施形態では、カメラ10にて微調整ボタン207を操作する場合と、粗調整ボタン208を操作する場合とで、シャッター速度を変更する速度を変えるように制御する。具体的にはカメラ10にて粗調整ボタン208を長押し操作などする場合は、微調整ボタン207を長押し操作などする場合に比べてシャッター速度をよりゆっくりと変更させる、もしくは現在設定されているシャッター速度から変更させないようにする。
【0118】
図14は、ユーザがシャッター速度を変更する際にタッチしたボタンが微調整ボタン207aおよび207b、粗調整ボタン208aおよび208bのいずれかの時、押下時間によってシャッター速度を変更する動作のフローチャートである。本フローチャートは、カメラ10が起動し、システム制御部50がシャッター速度設定画面200を表示するための操作をされた状態から開始する。なお、本実施形態ではタッチ操作によって微調整ボタン207aおよび207b、粗調整ボタン208aおよび208bを実行する場合について説明するが、タッチ操作に限らず、操作部115に含まれるボタンやダイヤルによる操作によって実行されても良い。
【0119】
この処理は、システム制御部50が不揮発性メモリ111に格納されたプログラムを読み出しシステムメモリ113に展開して実行することにより実現される。なお、
図14のフローチャートの処理の全てがハードウェア構成により実現されても良い。一部の処理がハードウェア構成により行われ、残りの処理がプログラムによるソフトウェア構成により実行されてもよい。
【0120】
S1401で、ユーザの操作に応じて、システム制御部50がシャッター速度設定画面200を表示部110に表示する。なお、ここで表示するシャッター速度設定画面200は一例である。シャッター速度設定画面200を表示部110に表示されると、S1402へと進む。
【0121】
S1402で、システム制御部50はタッチパネル116が操作されたかどうかを判定する。なお、タッチパネル116以外の操作部材によって操作ができる場合、システム制御50は当該操作部材への操作の有無に基づいて判定してもよい。例えば操作部115への操作の有無をシステム制御部50が判定するようにしてもよい。
【0122】
システム制御部50がタッチパネル116をタッチ操作されていると判定した場合はS1403に進み、操作されていないと判定した場合は、ある一定の時間経過後、再度S1402の判定処理を実行する。
【0123】
S1403で、システム制御部50はタッチパネル116上にて微調整ボタン(微調整ボタン207aまたは微調整ボタン207b)がタッチ操作されたかを判定する。なお、タッチパネル116以外の操作部材によって微調整ボタンの操作が実行できる場合、システム制御部50は当該操作部材への操作の有無に基づいて判定しても良い。例えば、操作部115に微調整ボタンの機能をアサインすることが可能である。システム制御部50にて微調整ボタンが操作されたと判定した場合、S1404に進み、微調整ボタンが操作されていないと判定した場合はS1408に進む。
【0124】
S1404で、システム制御部50は微調整ボタンのうち、シャッター速度を増やす微調整ボタン207bが操作されたかどうかを判定する。システム制御部50にて微調整ボタン207bが操作されたと判定した場合、S1405に進み、微調整ボタン207bが操作されていないと判定した場合、シャッター速度を減らす微調整ボタン207aが操作されたと判定し、S1406に進む。
【0125】
S1405で、システム制御部50はカメラ10に設定されている現在のシャッター速度を次に選択可能な値のうちより大きい値に変更する。本実施形態では、
図3にて説明したように、カメラ10に備わっている微調整ボタンを操作するとシャッター速度を0.5Hz刻みで変更可能として説明する。そのため、このステップではシャッター速度の変化量をxとし、このステップを実行するたびに0.5Hzずつ増やす。変化量xを増やした後、現在のシャッター速度に変化量xを足し、その値にシャッター速度を変更する。変更後、S1407を実行する。
【0126】
S1406で、システム制御部50はカメラ10に設定されている現在のシャッター速度を次に選択可能な値のうちより小さい値に変更する。S1405と同様0.5Hz刻みで設定可能であるため、このステップではシャッター速度の変化量をxとし、このステップを実行するたびに0.5Hzずつ減らす。変化量xを減らした後、現在のシャッター速度に変化量xを足し、その値にシャッター速度を変更する。変更後、S1407を実行する。
【0127】
S1407で、システム制御部50はシステムタイマ114を用いて時間の計測を開始する。本実施例では、時間の計測の開始に合わせ、後のステップで使用する待ち時間nを100msecとしてシステムメモリ113に保存する。その後、S1413に進む。
【0128】
S1408で、システム制御部50はタッチパネル116上にて粗調整ボタン(粗調整ボタン208aまたは粗調整ボタン208b)が操作されたかを判定する。なお、タッチパネル116以外の操作部材によって粗調整ボタンの操作が実行できる場合、システム制御部50は当該操作部材への操作の有無に基づいて判定しても良い。例えば、操作部115に粗調整ボタンの機能をアサインすることが可能である。システム制御部50にて粗調整ボタンが操作されたと判定した場合、S1409に進み、粗調整ボタンが操作されていないと判定した場合はS1416に進む。
【0129】
S1409で、システム制御部50は粗調整ボタンのうちシャッター速度を増やす粗調整ボタン208bが操作されたかどうかを判定する。システム制御部50にて粗調整ボタン208bが操作されたと判定した場合、S1409に進み、粗調整ボタン208bが操作されていないと判定した場合、シャッター速度を減らす粗調整ボタン208aが操作されたと判定し、S1411に進む。
【0130】
S1410で、システム制御部50はカメラ10に設定されている現在のシャッター速度を次に選択可能な値のうち、より大きい値に変更する。本実施形態では、カメラ10に備わっている粗調整ボタンを操作すると、シャッター速度を前述のフリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度のN倍および1/N倍(Nは自然数)の値に設定可能としている。そのため、このステップでは変化量xを、現在のシャッター速度がフリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度のN倍になるような値とする。変数Nは、変更後のシャッター速度が
図4に示すシャッター速度の中で現在の値よりも高いシャッター速度のうち、現在の値に最も近いシャッター速度になるような値とする。変化量xを決定後、シャッター速度に変化量xを足し、その値にシャッター速度を変更する。変更後、S1412を実行する。
【0131】
S1411では、システム制御部50はカメラ10に設定されている現在のシャッター速度を次に選択可能な値のうち、より小さい値に変更する。S1410同様、シャッター速度を前述のフリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度のN倍および1/N倍(Nは自然数)の値に設定可能としている。そのため、ここのステップでは変化量xを、現在のシャッター速度がフリッカーレス自動検出により算出されたシャッター速度のN倍になるような値とする。変数Nは、変更後のシャッター速度が
図4に示すシャッター速度の中で現在の値よりも低いシャッター速度のうち、現在の値に最も近いシャッター速度になるような値とする。変化量xを決定後、シャッター速度に変化量xを足し、その値にシャッター速度を変更する。変更後、S1412を実行する。
【0132】
S1412では、システム制御部50はシステムタイマ114を用いて時間の計測を開始する。本実施例では、時間の計測の開始に合わせ、後のステップで使用する待ち時間nを300msecとしてシステムメモリ113に保存する。保存後、S1413を実行する。
【0133】
S1413で、システム制御部50はシステムタイマ114にて待ち時間nが経過し、その間、タッチパネル116にて微調整ボタンや粗調整ボタンに対するタッチ状態が続いていたかを判定する。なお、微調整ボタンおよび粗調整ボタンが別の操作部材にアサインされている場合、システム制御部50は当該操作部材への操作が続いたかどうかを判定しても良い。具体的には当該操作部材(ボタン)への押下状態が所定の時間、継続して行われていたか、もしくは当該操作部材(ボタン)が一定の時間押下されているなどが相当する。
【0134】
また、ダイヤルなどの操作部材によって、押下以外の操作によって微調整ボタンおよび粗調整ボタンの操作を実行する場合、シャッター速度を変更するための操作が待ち時間nの間、継続して行われたかをシステム制御部50が判定しても良い。タッチ状態が続いているとシステム制御部50が判定した場合、S1414に進み、続いていないと判定した場合は、S1402へと遷移する。
【0135】
S1414で、S1405、1406、1410、1411によって決定された変化量xを現在のシャッター速度に足し、その値にシャッター速度を変更する。変更後、S1415を実行する。なお、S1410、1411を実行後にこのステップを実行する場合、変化量xを0とし、シャッター速度を変更しなくても良い。その場合、変化量xを0に設定した後S1415を実行する。また、S1410、1411を実行後にこのステップを実行する場合、システム制御部50は変化量xを表示部110に表示させても良い。これにより、ユーザは粗調整ボタン208aおよび208bを操作することでどれくらいシャッター速度が変化するのか一見して理解することができ、より快適にシャッター速度を変更することができる。
【0136】
S1415で、システム制御部50がS1407およびS1412にて開始したシステムタイマ114をリスタートさせる。この時、待ち時間nは変更しない。リスタート後、再度S1413を実行する。
【0137】
S1416では、ユーザによってシャッター速度設定画面200を閉じる操作がされたかどうか、システム制御部50が判定する。本実施形態では、
図2のメニュー終了ボタン204をタッチする操作を、シャッター速度設定画面200を閉じる操作とする。なお、操作部115を用いてタッチ操作以外の操作によってシャッター速度設定画面200を閉じても良い。閉じる操作がされたと判定した場合S1417を実行する。されていないと判定した場合再度S1402を実行する。
【0138】
S1417では、システム制御部50は表示部110に表示しているシャッター速度設定画面200を非表示にする。非表示にした後、フローチャートを終了する。
【0139】
以上の構成によれば、シャッター速度設定画面200において微調整ボタン207aおよび207bに対して長押しなどの操作をする際、ユーザは次々とシャッター速度を変更でき、容易に素早く任意のシャッター速度を設定することができる。一方、粗調整ボタン208aおよび208bを長押しなどの操作をする際、ユーザはよりゆっくりとシャッター速度を変更できる。これにより、粗調整ボタンを操作する際に、所望するシャッター速度の値により快適に変更することができる。
【0140】
<その他の実施形態>
上述の実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムを、記録媒体から直接、或いは有線/無線通信を用いてプログラムを実行可能なコンピュータを有するシステム又は装置に供給し、そのプログラムを実行する場合も本発明に含む。
【0141】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
【0142】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0143】
プログラムを供給するための記録媒体としては、例えば、ハードディスク、磁気テープ等の磁気記録媒体、光/光磁気記憶媒体、不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0144】
また、プログラムの供給方法としては、コンピュータネットワーク上のサーバに本発明を形成するコンピュータプログラムを記憶し、接続のあったクライアントコンピュータがコンピュータプログラムをダウンロードしてプログラムするような方法も考えられる。
【0145】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【0146】
本実施形態の開示は、以下の構成、方法、プログラム並びに記憶媒体を含む。
【0147】
(構成1)
画像を撮像する撮像手段と、前記画像からフリッカーを検出する検出手段と、情報を表示する表示手段と、前記撮像手段の露光時間を設定する設定手段と、フリッカーを抑制する露光時間を算出する算出手段と、前記設定手段にて設定可能な露光時間の少なくとも一部の範囲を表示した操作オブジェクトを前記表示手段に表示させる制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間が操作オブジェクトの表示範囲にある場合に、前記表示手段に該算出された露光時間に関する指標を表示することを特徴とする撮像装置。
【0148】
(構成2)
前記操作オブジェクトはスライダー状の操作オブジェクトであることを特徴とする構成1に記載の撮像装置。
【0149】
(構成3)
前記制御手段は、前記設定手段で設定した前記撮像手段の露光時間に関する指標をさらに表示することを特徴とする構成1または2に記載の撮像装置。
【0150】
(構成4)
前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標が、前記設定手段にて設定された露光時間と同じ位置に表示される場合に、前記設定手段にて設定された露光時間に関する指標のみを前記表示手段に表示させることを特徴とする構成3に記載の撮像装置。
【0151】
(構成5)
前記制御手段は、前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標が、前記設定手段にて設定された露光時間と同じ位置に表示される場合に、前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標のみを、前記表示手段に表示させることを特徴とする構成3に記載の撮像装置。
【0152】
(構成6)
前記算出手段は、前記算出した露光時間に基づき、前記露光時間とは別に前記撮像手段で撮像された画像のフリッカーを抑制する露光時間の候補をさらに算出し、前記制御手段は、前記算出手段で算出された露光時間、及び前記候補に関する指標の表示を制御することを特徴とする構成1乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0153】
(構成7)
前記制御手段は前記候補に関する指標を、前記設定手段にて設定された露光時間に関する指標、及び前記算出手段にて算出された露光時間に関する指標とは異なる形態で前記表示手段に表示させることを特徴とする構成6に記載の撮像装置。
【0154】
(構成8)
前記算出手段にて算出された露光時間および前記候補が、前記操作オブジェクトの表示範囲から外れた場合、前記制御手段は前記算出手段にて算出された露光時間、及び前記候補が、前記操作オブジェクトの表示範囲から外れたことを示す指標を前記操作オブジェクトの端に表示させることを特徴とする構成6に記載の撮像装置。
【0155】
(構成9)
前記制御手段は、前記設定手段にて設定された露光時間と、前記算出手段にて算出された露光時間、及び前記候補との差に応じて、前記操作オブジェクトの表示範囲から外れたことを示す指標の表示の位置を変更することを特徴とする構成8に記載の撮像装置。
【0156】
(構成10)
前記制御手段は、前記操作オブジェクトに対する操作が所定の速度以下の場合、前記算出手段にて算出された露光時間、及び前記候補に到達した時点で前記露光時間に関する指標の更新を停止することを特徴とする構成6乃至9のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0157】
(構成11)
前記設定手段は、前記撮像手段の露光時間を第1の変化量で変更する第1の操作手段と、前記撮像手段の露光時間を前記第1の変化量とは異なる第2の変化量で変更する第2の操作手段と、を備え、前記第2の操作手段は前記撮像手段の露光時間を前記算出手段で算出された露光時間、及び前記候補に変更する際に用いられることを特徴とする構成6乃至10のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0158】
(構成12)
前記第2の変化量は前記第1の変化量よりも大きいことを特徴とする構成11に記載の撮像装置。
【0159】
(構成13)
前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が第1の状態であるかを判定する判定手段と、前記第1の変化量、及び前記第2の変化量を調整する調整手段と、をさらに有し、前記調整手段は、前記判定手段が前記第1の操作手段が前記第1の状態であると判定した場合、前記第1の変化量を第3の変化量に変更し、前記判定手段が前記第2の操作手段が前記第1の状態であると判定した場合、前記撮像手段の露光時間の変更を停止するか、前記第2の変化量を第4の変化量で変更することを特徴とする構成11または12に記載の撮像装置。
【0160】
(構成14)
前記第1の状態とは前記第1の操作手段または前記第2の操作手段が操作され続けている状態であることを特徴とする構成13に記載の撮像装置。
【0161】
(構成15)
前記第3の変化量および前記第4の変化量は、前記第1の状態が継続された時間に応じて大きくなることを特徴とする構成13または14に記載の撮像装置。
【0162】
(構成16)
前記制御手段は、前記設定手段の前記表示手段における表示を制御し、前記第1の操作手段と前記第2の操作手段を、それぞれ異なる表示の形態で表示することを特徴とする構成11乃至15のいずれか1つに記載の撮像装置。
【0163】
(方法1)
画像を撮像する撮像ステップと、前記画像からフリッカーを検出する検出ステップと、情報を表示する表示ステップと、露光時間を設定する設定ステップと、フリッカーを抑制する露光時間を算出する算出ステップと、前記設定ステップにて設定可能な露光時間の少なくとも一部の範囲を表示した操作オブジェクトを表示させる制御ステップと、を有し、前記制御ステップにおいて、前記算出ステップにて算出された露光時間が前記操作オブジェクトの表示範囲にある場合に、前記表示手段に該算出された露光時間に関する指標を表示することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【0164】
(プログラム1)
コンピュータを、構成1乃至16のいずれか1つに記載されたの撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【0165】
(記憶媒体1)
コンピュータを、構成1乃至16のいずれか1項に記載されたの撮像装置の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記憶媒体。
【符号の説明】
【0166】
10 カメラ
50 システム制御部
104 撮像部
106 撮影レンズ
107 画像処理部
115 操作部
116 タッチパネル