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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001403
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】縫製装置
(51)【国際特許分類】
   D05B 1/18 20060101AFI20241225BHJP
【FI】
D05B1/18
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023100965
(22)【出願日】2023-06-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】504415186
【氏名又は名称】株式会社エスポアール
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】杉山 元巳
【テーマコード(参考)】
3B150
【Fターム(参考)】
3B150AA08
3B150CB02
3B150CB06
3B150CE23
3B150DF08
(57)【要約】
【課題】縫製作業の負担を軽減しつつ、縫製強度を保つ縫製装置を提供する。
【解決手段】縫製装置は、上ルーパー10が布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記上ルーパー10の本体と前記上ルーパー10の先端部から出る第一の糸20が撓むことにより生じた前記第一の糸20と上ルーパー10との隙間の内側を前記第一の針12が第二の糸21を保持しながら降下し、前記第二の針13は、前記隙間の外側を降下すると共に、前記上ルーパー10は後退を開始し、縫製作業が完了した状態において、表面のかがり幅が前記第一の針12の位置に、裏面のかがり幅が前記第二の針13の位置となるオーバーロック縫いを形成しつつ、本縫いを同時に行うように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布が進行する縫製方向に沿う布縁側の外側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する上ルーパーと、
前記布縁側の内側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する下ルーパーと、
前記縫製方向に対して水平面内で前記縫製方向と略直交する方向に並列に配置され、上下方向に往復移動する2本の針を有し、前記2本の針の内、一方が前記布縁側に配置された第一の針と、他方が前記第一の針より前記布縁側の外側に配置された第二の針と、
前記上ルーパーの先端付近で保持された第一の糸と、前記下ルーパーの先端付近で保持された第二の糸と、前記第一の針に保持された第三の糸と、前記第二の針に保持された第四の糸と、を備え、
前記上ルーパーが前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記上ルーパーの本体と前記上ルーパーの先端部から出る前記第一の糸が撓むことにより生じた前記第一の糸と前記上ルーパーとの隙間の内側を前記第一の針が前記第二の糸を保持しながら降下し、前記第二の針は、前記隙間の外側を降下すると共に、前記上ルーパーは後退を開始し、
縫製作業が完了した状態において、表面のかがり幅が前記第一の針の位置に、裏面のかがり幅が前記第二の針の位置となるオーバーロック縫いを形成しつつ、本縫いを同時に行うように構成したことを特徴とする縫製装置。
【請求項2】
表面のオーバーロック縫いのかがり幅が5~6mm、裏面のオーバーロック縫いのかがり幅が9mmであることを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーロック縫い目を形成する縫製装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、布端の始末及び解れ防止としてオーバーロック縫いが施されることがある。このオーバーロック縫いは、主軸に連動して上下動する縫針と、主軸に連動して往復運動する上ルーパー及び下ルーパーとを有する公知のオーバーロックミシンを用いて、前記縫針に通される縫い糸と、ルーパーへ通されるルーパー糸を用いて行われ、縫い目を形成する(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3699094号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の2本針オーバーロック縫いは、4本の糸の内いずれか1つの糸が切れることで、他の3本の糸も抜けやすくなる。その為、可動域が広いワークウェア等に使用する際は、オーバーロック縫いとは別に本縫いをする必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決するため、請求項1に係る発明は、布が進行する縫製方向に沿う布縁側の外側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する上ルーパーと、前記布縁側の内側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する下ルーパーと、前記縫製方向に対して水平面内で前記縫製方向と略直交する方向に並列に配置され、上下方向に往復運動する2本の針を有し、前記2本の針の内、一方が前記布2縁側に配置された第一の針と、他方が前記前記第一の針より前記布縁側の外側に配置された第二の針と、前記上ルーパーの先端付近で保持された第一の糸と、前記下ルーパーの先端付近で保持された第二の糸と、前記第一の針に保持された第三の糸と、前記第二の針に保持された第四の糸と、を備え、前記上ルーパーが前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記上ルーパーの本体と前記上ルーパーの先端部から出る前記第一の糸が撓むことにより生じた前記第一の糸と前記上ルーパーとの隙間の内側を前記第一の針が前記第二の糸を保持しながら降下し、前記第二の針は、前記隙間の外側を降下すると共に、前記上ルーパーは後退を開始し、縫製作業が完了した状態において、表面のかがり幅が前記第一の針の位置に、裏面のかがり幅が前記第二の針の位置となるオーバーロック縫いを形成しつつ、本縫いを同時に行うように構成したことを特徴とする。
【0006】
請求項2に係る発明は、表面のオーバーロック縫いのかがり幅が5~6mm、裏面のオーバーロック縫いのかがり幅が9mmであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、縫製作業を工程に短縮することができ、解れにくい縫製が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図3】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図5】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図6】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図7】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図8】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図9】本発明の実施形態に係る縫製装置の作動を拡大して示す概略図である。
図10】本発明の実施形態に係る縫製装置によって施された縫い目の状態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。
【0010】
図1に示すように、布2が進行する縫製方向に沿う布縁側の外側(以降、「手前側」と称す。)に配置され、縫製方向に対して直交する方向を往復移動する上ルーパー10と、布縁側の内側(以降、「奥側」と称す。)に配置され、縫製方向に対して直交する方向を往復移動する下ルーパー11と、縫製方向に対して水平面内で縫製方向と略直交する方向に並列に配置され、上下方向に往復移動する2本の針を有し、2本の針の内、一方が布縁側に配置された第一の針12と、他方が第一の針12より奥側に配置された第二の針13を有し、
上ルーパー10の先端付近で保持される糸を第一の糸20、第一の針12に保持される糸を第二の糸21、第二の針13に保持される糸を第三の糸22、下ルーパー11の先端付近で保持される糸を第四の糸23が設けられている。
【0011】
以下に、本発明の縫い目が形成されるまでの各部品の動作について図1乃至図10を用いて説明する。
【0012】
図1に示す状態から、上ルーパー10が上ルーパー10の先端付近で第一の糸20を保持した状態で手前側から奥側に向かって移動する(以降、上ルーパー10が手前側から奥側に向かって移動することを「前進」と称する。)。
【0013】
その後、図2に示すように、上ルーパー10が、前進することで上ルーパー10の本体と上ルーパー10の先端部から出る第一の糸20が撓むことにより生じた第一の糸20と上ルーパー10との第一の隙間30の内側を第一の針12が第二の糸21を保持しながら降下し、第二の針13は、第一の隙間30の外側を降下する。
【0014】
その後、図3に示すように、上ルーパー10は、第一の針12に第一の糸20を引掛けながら奥側から手前側に移動し(以降、上ルーパー10が奥側から手前側に移動することを、後退と称する。)、第一の針12は、図3に示す第一の引掛箇所40のように第一の糸20を引掛かけられた状態で、第二の糸21を保持しながら布2を貫通し下死点まで降下する。一方、第二の針13は、第一の隙間30の外側を下降する為、第一の糸20を引掛けられることなく、第三の糸22を保持しながら布2を貫通し下死点まで降下する。
【0015】
その後、図4に示すように、第一の針12と第二の針13が、下死点から上昇し始めることで第二の糸21と第三の糸22が撓み、この撓みにより生じる第一の針12と第二の糸21との第二の隙間31と、第二の針13と第三の糸22との第三の隙間32の内側を下ルーパー11が奥側から手前側に向かって下ルーパー11の先端付近で保持された第四の糸23を引っ掛けながら移動する(以降、下ルーパー11が、奥側から手前側に向かって移動することを、「前進」と称する。)。
【0016】
その後、図5に示すように、下ルーパー11が、更に第二の糸21と第三の糸22を引掛けながら前進すると、上ルーパー10も前進し始め、図5に示す第四の隙間33の内側を、上ルーパー10が、下ルーパー11の先端付近で保持された第四の糸23の下側から第四の糸23を掬い上げるように上ルーパー10の上に引掛けながら前進する。また、2本の針が上昇して布2を貫通すると、上ルーパー10が前進し始め、布2が縫製方向と反対の方向に所定の距離Lを移動する。
【0017】
その後、図6に示すように、更に上ルーパー10が前進すると、第四の糸23が上ルーパー10の上から第一の糸20の上へ引掛けながら前進する。
【0018】
その後、上ルーパー10は、更に前進すると図2のように、第一の糸20と上ルーパー10との第一の隙間30が生じさせながら前進し、下ルーパー11は、第一の隙間30が生じたタイミングで後退を始める。
【0019】
その後、図7に示すように、第一の針12が降下すると上ルーパー10は、第一の針12に第一の糸20を引掛けながら後退する。この際、下ルーパー11は、下ルーパー11に引掛かけていた第二の糸21と第三の糸22を外すと共に、下ルーパー11の先端付近に保持された第四の糸23を第二の隙間31と第三の隙間32に引掛けながら後退する。
【0020】
その後、図8に示すように、下ルーパー11から外された第二の糸21と第三の糸22は、第一の針12及び第二の針13が布2を貫通しながら降下することで第二の隙間31と第三の隙間32の内側に引掛けられた第四の糸23と共に上に引張られ、上ルーパー10は、図8に示す第五の隙間34の内側を通りながら引掛かけていた第四の糸23を外すと共に、第四の糸23の下側に第一の糸20が引掛けながら後退する。
【0021】
その後、図9に示すように、第一の針12及び第二の針13が降下することで生じた第二の隙間31と第三の隙間32の内側を下ルーパー11が引っ掛けながら前進し、下ルーパー11が前進することで第四の糸23が引張られることにより図8で示した第五の隙間34が無くなり、これと同時に上ルーパーが後退することで第一の糸20が引張られる。
【0022】
上述で説明した工程を繰り返すことで図10に示すように、表面のオーバーロック縫いは、第一の糸20のかかり幅が第一の針12の縫い代(A)で形成され、その外側で第三の糸22で本縫いが、第二の針13の縫い代(B)で形成される。裏面のオーバーロック縫いは、第四の糸23のかがり幅が第二の針13の縫い代(A)で形成されるオーバーロック縫いを形成する。
【0023】
なお、表面のオーバーロック縫いと、裏面のオーバーロック縫いの縫い代は、夫々5~6mm、9mmと規定してもよい。
【0024】
本発明によれば、2本の針の内、第一の針12のみに第一の糸を引っ掛けるようにすることで、1工程でオーバーロック縫いと本縫いを同時に行うことができるとともに、表面はオーバーロック縫いと本縫いが独立して縫製されている為、本縫い又はオーバーロック縫いのどちらか一方が解れても、もう一方が独立して縫製されている為、連鎖的に解れる危険性がなく解れにくくなる。
【符号の説明】
【0025】
1 オーバーロックミシン
2 布
10 上ルーパー
11 下ルーパー
12 第一の針
13 第二の針
20 第一の糸
21 第二の糸
22 第三の糸
23 第四の糸
30 第一の隙間
31 第二の隙間
32 第三の隙間
33 第四の隙間
34 第五の隙間
40 第一の引掛箇所
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2023-10-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布が進行する縫製方向に沿う布縁側の外側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する上ルーパーと、
前記布縁側の内側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する下ルーパーと、
前記縫製方向に対して水平面内で前記縫製方向と略直交する方向に並列に配置され、上下方向に往復移動する2本の針を有し、前記2本の針の内、一方が前記布縁側に配置された第一の針と、他方が前記第一の針より前記布縁側の側に配置された第二の針と、
前記上ルーパーの先端付近で保持された第一の糸と、前記第一の針に保持された第二の糸と、前記第二の針に保持された第三の糸と、前記下ルーパーの先端付近で保持された第四の糸とを備え、
前記上ルーパーが前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記上ルーパーの本体と前記上ルーパーの先端部から出る前記第一の糸が撓むことにより生じた前記第一の糸と前記上ルーパーとの第一の隙間の内側を前記第一の針が前記第二の糸を保持しながら降下し、前記第二の針は、前記第一の隙間の外側を降下し、
前記上ルーパーが、前記第一の針のみに前記第一の糸を引っ掛けながら前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退していく際に、前記第一の針は、前記第一の糸に引掛けられた状態で、更に前記第二の糸を保持しながら前記布を貫通し下死点まで下降し、前記第二の針は、前記第一の糸に引掛けられない状態で、前記第三の糸を保持しながら前記布を貫通し下死点まで下降し、
前記上ルーパーが、更に前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退していく際に、前記第一の針と前記第二の針が前記下死点から上昇し始めると、前記第二の糸と前記第三の糸が撓み、前記撓みにより、前記第一の針と前記第二の糸の間に第二の隙間、前記第二の針と前記第三の糸との間に第三の隙間が生じ、前記下ルーパーが前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって前進すると共に、前記第二の隙間及び前記第三の隙間の内側を前記下ルーパーの先端部で保持された前記第四の糸が挿通させ、
前記下ルーパーは、前記第二の隙間と前記第三の隙間に挿通した状態で、更に前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって前進して行く際に、前記第一の針と前記第二の針は、更に上昇し続け、前記布を貫通し、前記上ルーパーは、前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進し始め、前記下ルーパーと前記第四の糸との間に生じた第四の隙間の内側に挿通され、前記布が前記縫製方向と反対方向に所定の距離を移動し、
前記上ルーパーが、更に前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記第一の隙間の内側を前記第一の針が前記第二の糸を保持しながら降下し、前記第二の針は、前記第一の隙間の外側を降下し、
前記上ルーパーは、前記第一の針のみに前記第一の糸を引っ掛けながら前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退していく際に、前記第一の針は、前記第一の糸を引掛けられた状態で、更に前記第二の糸を保持しながら前記布を貫通すると共に下降し続け、前記第二の針は、前記第一の糸が引掛けられない状態で、前記第三の糸を保持しながら前記布を貫通すると共に下降し続け、前記下ルーパーは、前記第一の針と前記第二の針が下降する途中で前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって後退し、
前記第一の針と前記第二の針が下降する際に、前記上ルーパーが前記第一の針のみに前記第一の糸を引っ掛けながら前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退し、前記下ルーパーは、前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって後退し、前記第二の隙間と前記第三の隙間を通過すると共に、前記下ルーパーの先端部に保持された前記第四の糸が前記第二の隙間と前記第三の隙間の内側を通り抜け、
前記第一の針と前記第二の針が前記布を貫通しながら下降する途中で、前記第二の糸と前記第三の糸が引張られることで、前記第二の隙間と前記第三の隙間が収縮し、前記下ルーパーが、前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって後退することで保持された前記第四の糸が撓み、前記撓みにより、第五の隙間が生じ、前記上ルーパーは、前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退し、前記上ルーパーの先端部に保持された前記第一の糸を前記第五の隙間の内側に引っ掛けながら通過し、
前記第一の針と前記第二の針が再び前記下死点から上昇し始める際に、前記下ルーパーが再び前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって前進し、前記第四の糸が引張られることで前記第五の隙間が収縮し、前記上ルーパーが、更に前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退することで前記第一の糸が引張られるように構成されるようになることで、
表面のかがり幅が前記第一の針の位置に、裏面のかがり幅が前記第二の針の位置となるオーバーロック縫いを形成しつつ、前記表面の縫い代が前記第二の針の位置の本縫いを同時に行うように構成し
前記表面のかがりは、前記第一の糸で形成され、前記表面のかがりから離間した位置に前記第三の糸で本縫いが形成され、前記裏面のかがりは、前記第四の糸で形成され、前記第二の糸は前記第一の針の位置で縫われるように構成したことを特徴とする縫製装置。
【請求項2】
表面のオーバーロック縫いのかがり幅が5~6mm、裏面のオーバーロック縫いのかがり幅が9mmであることを特徴とする請求項1に記載の縫製装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
かかる課題を解決するため、請求項1に係る発明は、布が進行する縫製方向に沿う布縁側の外側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する上ルーパーと、 前記布縁側の内側に配置され、前記縫製方向に対して直交する方向を往復移動する下ルーパーと、前記縫製方向に対して水平面内で前記縫製方向と略直交する方向に並列に配置され、上下方向に往復移動する2本の針を有し、前記2本の針の内、一方が前記布縁側に配置された第一の針と、他方が前記第一の針より前記布縁側の側に配置された第二の針と、前記上ルーパーの先端付近で保持された第一の糸と、前記第一の針に保持された第二の糸と、前記第二の針に保持された第三の糸と、前記下ルーパーの先端付近で保持された第四の糸とを備え、前記上ルーパーが前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記上ルーパーの本体と前記上ルーパーの先端部から出る前記第一の糸が撓むことにより生じた前記第一の糸と前記上ルーパーとの第一の隙間の内側を前記第一の針が前記第二の糸を保持しながら降下し、前記第二の針は、前記第一の隙間の外側を降下し、前記上ルーパーが、前記第一の針のみに前記第一の糸を引っ掛けながら前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退していく際に、前記第一の針は、前記第一の糸に引掛けられた状態で、更に前記第二の糸を保持しながら前記布を貫通し下死点まで下降し、前記第二の針は、前記第一の糸に引掛けられない状態で、前記第三の糸を保持しながら前記布を貫通し下死点まで下降し、前記上ルーパーが、更に前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退していく際に、前記第一の針と前記第二の針が前記下死点から上昇し始めると、前記第二の糸と前記第三の糸が撓み、前記撓みにより、前記第一の針と前記第二の糸の間に第二の隙間、前記第二の針と前記第三の糸との間に第三の隙間が生じ、前記下ルーパーが前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって前進すると共に、前記第二の隙間及び前記第三の隙間の内側を前記下ルーパーの先端部で保持された前記第四の糸が挿通させ、前記下ルーパーは、前記第二の隙間と前記第三の隙間に挿通した状態で、更に前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって前進して行く際に、前記第一の針と前記第二の針は、更に上昇し続け、前記布を貫通し、前記上ルーパーは、前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進し始め、前記下ルーパーと前記第四の糸との間に生じた第四の隙間の内側に挿通され、前記布が前記縫製方向と反対方向に所定の距離を移動し、前記上ルーパーが、更に前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって前進して行く際に、前記第一の隙間の内側を前記第一の針が前記第二の糸を保持しながら降下し、前記第二の針は、前記第一の隙間の外側を降下し、前記上ルーパーは、前記第一の針のみに前記第一の糸を引っ掛けながら前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退していく際に、前記第一の針は、前記第一の糸を引掛けられた状態で、更に前記第二の糸を保持しながら前記布を貫通すると共に下降し続け、前記第二の針は、前記第一の糸が引掛けられない状態で、前記第三の糸を保持しながら前記布を貫通すると共に下降し続け、前記下ルーパーは、前記第一の針と前記第二の針が下降する途中で前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって後退し、前記第一の針と前記第二の針が下降する際に、前記上ルーパーが前記第一の針のみに前記第一の糸を引っ掛けながら前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退し、前記下ルーパーは、前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって後退し、前記第二の隙間と前記第三の隙間を通過すると共に、前記下ルーパーの先端部に保持された前記第四の糸が前記第二の隙間と前記第三の隙間の内側を通り抜け、前記第一の針と前記第二の針が前記布を貫通しながら下降する途中で、前記第二の糸と前記第三の糸が引張られることで、前記第二の隙間と前記第三の隙間が収縮し、前記下ルーパーが、前記布縁側の外側から前記布縁側の内側に向かって後退することで保持された前記第四の糸が撓み、前記撓みにより、第五の隙間が生じ、前記上ルーパーは、前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退し、前記上ルーパーの先端部に保持された前記第一の糸を前記第五の隙間の内側に引っ掛けながら通過し、前記第一の針と前記第二の針が再び前記下死点から上昇し始める際に、前記下ルーパーが再び前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって前進し、前記第四の糸が引張られることで前記第五の隙間が収縮し、前記上ルーパーが、更に前記布縁側の内側から前記布縁側の外側に向かって後退することで前記第一の糸が引張られるように構成されるようになることで、表面のかがり幅が前記第一の針の位置に、裏面のかがり幅が前記第二の針の位置となるオーバーロック縫いを形成しつつ、前記表面の縫い代が前記第二の針の位置の本縫いを同時に行うように構成し、前記表面のかがりは、前記第一の糸で形成され、前記表面のかがりから離間した位置に前記第三の糸で本縫いが形成され、前記裏面のかがりは、前記第四の糸で形成され、前記第二の糸は前記第一の針の位置で縫われるように構成したことを特徴とする。