(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014053
(43)【公開日】2025-01-28
(54)【発明の名称】電子アセンブリのための工学材料
(51)【国際特許分類】
B23K 35/14 20060101AFI20250121BHJP
H01L 23/36 20060101ALI20250121BHJP
B23K 35/26 20060101ALI20250121BHJP
H05K 3/34 20060101ALI20250121BHJP
H01L 21/52 20060101ALI20250121BHJP
C22C 12/00 20060101ALN20250121BHJP
C22C 13/00 20060101ALN20250121BHJP
C22C 13/02 20060101ALN20250121BHJP
C22C 28/00 20060101ALN20250121BHJP
【FI】
B23K35/14 F
H01L23/36 D
B23K35/26 310A
B23K35/26 310D
B23K35/26 310C
H05K3/34 512C
H01L21/52 E
C22C12/00
C22C13/00
C22C13/02
C22C28/00 B
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024192593
(22)【出願日】2024-11-01
(62)【分割の表示】P 2022518770の分割
【原出願日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】62/924,741
(32)【優先日】2019-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】598085065
【氏名又は名称】アルファ・アセンブリー・ソリューションズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALPHA ASSEMBLY SOLUTIONS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(72)【発明者】
【氏名】パンダー、ランジット
(72)【発明者】
【氏名】ナガラジャン、ニヴィディータ
(72)【発明者】
【氏名】シドン、ジラール
(72)【発明者】
【氏名】ビルグリエン、カール
(57)【要約】
【課題】本発明により、電子アセンブリにおいて使用するためのはんだ材料の先行技術に関連する問題の少なくとも一部に取り組むこと、又は少なくとも、それに対して商業的に許容可能な代替策を提供しようとするものである。
【解決手段】本発明は、電子アセンブリにおいて使用するためのはんだ材料であって、はんだ材料が、はんだ層と、コア材料を含むコア層であって、はんだ層の間に挟まれている、コア層と、を含み、コア材料の熱伝導率が、はんだの熱伝導率よりも大きい、はんだ材料に関する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子アセンブリにおいて使用するためのはんだ材料であって、
はんだ層と、
コア材料を含むコア層であって、前記はんだ層の間に挟まれている、コア層と、を含み、
前記コア材料の熱伝導率が、前記はんだの熱伝導率よりも大きい、はんだ材料。
【請求項2】
前記コア材料が、65W/m.K以上、好ましくは65w/m.K超、より好ましくは70W/m.k超、更により好ましくは75W/m.K超の熱伝導率を有する、請求項1に記載のはんだ材料。
【請求項3】
前記コア材料の融点が、前記はんだ、及びのリフロー温度よりも高い、請求項1又は2に記載のはんだ材料。
【請求項4】
前記コア層の厚さが、100~500μm、好ましくは200~400μm、より好ましくは150~300μmである、請求項1~3のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項5】
各はんだ層の厚さが、25~150μm、好ましくは50~100μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項6】
前記コア材料が、金属及び/又は合金を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項7】
前記コア材料が、銅、銀、ニッケル、モリブデン、ベリリウム、コバルト、鉄、銅-タングステン合金、ニッケル-銀合金、銅-亜鉛合金、及び銅-ニッケル-亜鉛合金のうちの1つ以上を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項8】
前記はんだが、鉛を含んでいない、請求項1~7のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項9】
前記はんだが、In、SnIn合金(例えば、5~58%Sn、42~95%In)、SnBi合金(例えば、42~60%Sn、40~58%Bi)、BiIn合金(例えば、5~67%Bi、33~95%In)、AgIn合金(例えば、3%Ag、97%In)、SnAg合金(例えば、90~97.5%Sn、2.5~10%Ag)、SnCu合金(例えば、99.3~99.6%Sn、0.4~0.7%Cu)、InGa合金(例えば、99.3~99.5%In、0.5~0.7%Ga)、SnBiAgCu合金(例えば、50%Sn、47%Bi、1%Ag、2%Cu)、SnBiZn合金(例えば、65.5%Sn、31.5%Bi、3%Zn)、SnInAg合金(例えば、77.2%Sn、20%In、2.8%Ag)、SnBiAgCuIn合金(例えば、82.3%Sn、2.2%Bi、3%Ag、0.5%Cu、12%In)、SnZn合金(例えば、91%Sn、9%Zn)、SnCuInGa合金(例えば、92.8%Sn、0.7%Cu、6%In、0.5%Ga)、SnCuAg合金(例えば、95.5%Sn、3.8%Ag、0.7%Cu)、SnAgSb合金(例えば、95%Sn、3.5%Ag、1.5%Sb)、及びSnCuSb合金(例えば、4~95%Sn、1~2%Cu、4%Sb)のうちの1つ以上を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項10】
前記コア材料が、銅を含み、前記はんだが、Sn-20In-2Ag合金を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項11】
箔、ストリップ、フィルム、リボン、又はプリフォームの形態の、請求項1~10のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項12】
前記コアが、前記はんだで完全にコーティングされている、請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項13】
65W/m.K超、好ましくは80W/m.K超、より好ましくは100W/m.K超、更により好ましくは130W/m.K超の有効熱伝導率を有する、請求項1~12のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料を含むはんだ接合部。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料を含む相互接続部。
【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料、請求項14に記載のはんだ接合部、又は請求項15に記載の相互接続部を含む、IGBT、MOSFET、LED、又はマイクロプロセッサ。
【請求項17】
表面実装技術(SMT)はんだ付け、ダイ取り付けはんだ付け、熱界面はんだ付け、手はんだ付け、レーザー及びRF誘導はんだ付け、並びにサーモソニックはんだ付けから選択されるはんだ付け方法における請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料の使用。
【請求項18】
ダイ取り付け(レベルI)、基板取り付け(レベルII)又はパッケージからヒートシンクへの取り付け(レベルIII)のための、請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料の使用。
【請求項19】
はんだ接合部を形成する方法であって、
接合される2つ以上の工作物の近くに請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料を提供することと、
前記はんだ材料を加熱して、はんだ付けされた接合部を形成することと、を含む、方法。
【請求項20】
前記接合される2つ以上の工作物が、
デバイス若しくはダイ及び基板、又は
基板及びプリント回路板(PCB)、又は
プリント回路板及びヒートシンク、を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
はんだの2つ以上の層を提供することと、
コア材料の層を提供することと、
前記コア材料の層のいずれかの側に前記はんだの層を積層することと、を含む、方法。
【請求項22】
前記コア材料の層が、リボンの形態であり、かつ/又は前記はんだの層が、リボンの形態である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記リボンが、鋳造、押出、又は延伸によって提供される、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記層が、共延伸プロセス、好ましくは高圧共延伸プロセスで積層される、請求項21~23のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記積層された層が、ダイシング及び/又は打ち抜きされる、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
請求項1~13のいずれか一項に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
コア材料の層を提供することと、
前記コア材料をはんだでコーティングすることと、を含む、方法。
【請求項27】
前記コア材料の層の表面が、前記はんだでコーティングされる前に洗浄される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記コア材料をはんだでコーティングすることが、前記コア材料を溶融はんだ浴と接触させることを含む、請求項26又は27に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子アセンブリにおいて使用するためのはんだ材料に関する。
【背景技術】
【0002】
IGBT、MOSFET、高出力LED、高出力マイクロプロセッサ、及び通常の作動中に大量の熱を発生する他の大面積デバイスなどの高出力電子デバイスのパッケージング及び組み立てに関連して2つの主要な課題がある。第1の課題は、通常の作動温度を維持するために発生した熱の効率的な放散を保証する方法である。第2の課題は、はんだ又は他の接着剤材料によって取り付けられた隣接層の材料間の熱膨張係数(CTE)の不一致による剪断応力を低減する方法である。
【0003】
図1は、相互接続部3(レベルI)を介して基板4に接続されたデバイス2を含む、典型的な電子デバイス1のアセンブリを示している。基板4は、相互接続部5(レベルII)を介してプリント回路板(PCB)6に接続されている。PCB6は、相互接続部7(レベルIII)を介してヒートシンク8に接続されている。高出力電子デバイスのための最も重要な相互接続部は、デバイス/ダイを基板に、基板をプリント回路板(PCB)に、PCBをヒートシンクに接続する相互接続部である(すなわち、
図1の3、5、及び7)。そのような相互接続部は、放熱の経路にある。したがって、相互接続材料の熱伝導率は高いことが望ましい。半導体ダイ、基板、及びPCB材料は、異なるCTEを有し、それによって、高温作動中に、界面に応力が発生する。その応力を最小限に抑えるために、設計者は、通常は、相互接続部の界面厚さを増加させるが、これは、界面の耐熱性を増加させる。
【0004】
はんだは、電子産業で使用される最も一般的な相互接続材料の1つである。殆どのはんだの熱伝導率は、65W/m.K未満である。放熱を助けるように、より高い熱伝導率を有する相互接続材料を使用できることが有利であろう。厚いはんだ相互接続部に関する別の問題は、リフロープロセス中に、はんだが液相であるとき、ダイ又は基板が、はんだの凍結温度よりも低い温度に冷却される前に、液体材料上に浮遊することである。これにより、全ての方向(いわゆる「ティルト」)においてダイ/基板の移動がもたらされ、それは、デバイスの性能及び信頼性に関わる問題である。このダイの移動を制御することが課題である。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、先行技術に関連する問題の少なくとも一部に取り組むこと、又は少なくとも、それに対して商業的に許容可能な代替策を提供しようとするものである。
【0006】
第1の態様では、本発明は、電子アセンブリで使用するためのはんだ材料を提供し、
はんだ材料は、
はんだ層と、
コア材料を含むコア層であって、はんだ層の間に挟まれている、コア層と、を含み、
コア材料の熱伝導率は、はんだの熱伝導率よりも大きい。
【0007】
本明細書で定義される各態様又は実施形態は、別途明確に示されない限り、任意の他の態様又は実施形態と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利であると示される任意の特徴は、好ましい又は有利であると示される任意の他の特徴と組み合わされ得る。
【0008】
本発明者らは、驚くべきことに、高温で作動する電子デバイスの構成要素を接続するために使用されるとき、そのようなはんだ材料には、接続された構成要素のCTE値の不一致によって引き起こされる応力を低減できる可能性があることを発見した。理論に束縛されるものではないが、コア材料の存在は、接続された構成要素間の接合部を「増粘」し、それによって応力を減少させるように機能すると考えられる。有利には、そのような応力の低減は、接続された構成要素からの放熱を有意に低減することなく、提供され得る。理論に束縛されるものではないが、これは、コア材料の熱伝導率が、はんだの熱伝導率よりも大きいためであると考えられる。言い換えれば、はんだの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有するコア材料を使用することによって、放熱を低減することなく、接合部を増粘させて、熱応力を低減することが可能である。結果として、IGBT、MOSFET、高出力LED、高出力マイクロプロセッサ、又は他の大きな面積デバイスなどの高出力電子デバイスは、通常の作動中に多くの熱を発生し、その構成要素は、はんだ材料を使用して接続され、改善された性能及び/又は信頼性を示し得る。そのような性能及び信頼性は、高温で、及び/又はオン/オフの切り替え中に改善され得る。
【0009】
はんだ材料を使用して形成された接合部又は相互接続部は、SnCu、SAC、SnAg及びSnBiなどの典型的なPbを含まないはんだと比較して、より良好な熱機械的信頼性を有し得る。
【0010】
本明細書で使用される「電子アセンブリ」という用語は、例えば、電子パッケージとデバイスとのアセンブリを包含し、例えば、基板へのデバイス若しくはダイの取り付け、プリント回路板への基板の取り付け、又はヒートシンクへのプリント回路板取り付けを含み得る。
【0011】
本明細書で使用される「はんだ」という用語は、90~400℃の範囲の融点を有する可融性の金属又は金属合金を包含する。
【0012】
はんだ材料は、はんだ層及びコア層を含む。はんだ材料は、はんだ層及びコア層から本質的になり得る、又はそれらからなり得る。「から本質的になる」とは、はんだ材料が、はんだ材料の特性に実質的に影響を及ぼさない限り、他の非特定の構成要素を含み得ることを意味する。
【0013】
はんだ材料は、典型的には2つのはんだ層を含むが、3つ以上のはんだ層を含み得る。はんだ層は、同じはんだ又は異なるはんだで形成され得る。典型的には、はんだ層は、同じはんだ、又は、少なくとも、同様のリフロー温度を有する、すなわち、20℃以下だけ、典型的には10℃以下だけ、より典型的には5℃以下だけ異なる液体温度を有するはんだで形成される。
【0014】
はんだ及びコアは、層の形態である。そのような層は、典型的には、2つの対向する表面(主表面)が他の表面よりも有意に大きな表面積を有するシートの形態であろう。はんだ層は、同じサイズ及び形状であってもよく、又は異なるサイズ及び/又は形状であってもよい。コア層は、はんだ層のうちの1つ以上と同様なサイズ及び形状を有していてもよく、又は異なるサイズ及び/又は形状を有していてもよい。
【0015】
コア層は、コア材料を含む。コア層は、コア材料から本質的になり得る、又はコア材料からなり得る。
【0016】
コア層は、はんだ層の間に挟まれている。典型的には、はんだ層は、コア層の少なくとも2つの対向する表面の実質的に全体、典型的には主要な(すなわち最大の表面積)表面を覆うことになる。コア層は、コア材料が露出されないように、はんだ内に完全に封入され得る。このような状態では、第1のはんだシートは、シートの主表面を覆うと考えられ、第2のはんだ層は、シートの対向する主表面を覆い、2つのはんだ層は、主表面に「垂れ下がり」、その結果、コア層の残りの表面を覆う。あるいは、コア層は、表面の一部のみを、典型的には2つの対向する表面のみを、より典型的には主表面を、はんだ層によって覆われ得る。
【0017】
はんだ層は、典型的には、コア層と直接接触している。はんだ層は、典型的には外層である。
【0018】
コア材料の熱伝導率は、はんだの熱伝導率よりも大きい。典型的には、そのような熱伝導率は、ナノフラッシュ過渡測定技術(nano-flash transient measurement technique)によって測定される。
【0019】
コア材料は、好ましくは65W/m.K以上、好ましくは65w/m.K超、より好ましくは70W/m.k超、更により好ましくは75W/m.K超の熱伝導率を有する。そのような熱伝導率は、ナノフラッシュ過渡測定技術によって測定され得る。電子アセンブリに用いられる典型的なはんだは、65w/m.K未満の熱伝導率を有するため、熱伝導率が高いコア材料の存在は、はんだ材料の総熱伝導率を増加させる。
【0020】
コア材料の融点は、好ましくは、はんだのリフロー温度よりも高い。例えば、コア材料は、はんだのリフロー温度よりも少なくとも50℃高い、典型的には少なくとも75℃高い、より典型的には少なくとも100℃高い溶融温度を有し得る。「リフロー温度」という用語は、本明細書では、はんだの固体塊が(単に軟化するとは全く異なって)確実に溶融する温度を超える温度を指すために使用される。この温度を下回ると、はんだは流動しない。その温度を超えてもう一度温めると、はんだは再び流れる、すなわち「リフロー」である。はんだのリフロー温度よりも高い溶融温度を有するコア材料を有することによって、ダイ/パッケージの移動及び/又はティルトが実質的に増加することなく、接合部/相互接続部の厚さが増加する場合があり、それは、はんだが液体状態にあるときに液体はんだの上に浮遊するダイ/パッケージから生じる。これは、はんだ材料を使用して接続された構成要素を有する電子デバイスの性能又は信頼性を改善し得る。
【0021】
コア層の厚さは、好ましくは100~500μm、より好ましくは200~400μm、更により好ましくは150~300μmである。そのような厚さは、電子デバイスのサイズを過度に増加させることなく、構成要素のCTEの不一致によって引き起こされる応力を低減するのに特に好適であり得る。厚みが増すと、耐熱性は増大し得る。比較的厚さが厚いと、耐熱性が増大し得るが、横方向応力は低下する。
【0022】
各はんだ層の厚さは、好ましくは25~150μm、より好ましくは50~100μmである。そのような厚さは、はんだ材料の総熱伝導率を有意に減少させることなく、又はデバイスのサイズを過度に増加させることなく、構成要素間に適切な接着を提供するのに特に好適であり得る。厚さが薄くなると、温度サイクルの高温作動中により高い横方向の応力をもたらし得る。
【0023】
コア及びはんだ層の厚さは、パッケージ設計によって所望されるように、かつ相互接続部の所望の厚さを達成するように、選択され得る。
【0024】
コア材料は、好ましくは、金属及び/又は合金を含む(又はそれからなるか、又は本質的にそれからなる)。金属及び金属合金は、はんだ付け材料によって接合された構成要素間に高レベルの電気接続を提供するのに十分な導電率を提供し得る。
【0025】
コア材料は、好ましくは、銅、銀、ニッケル、モリブデン、ベリリウム、コバルト、鉄、銅-タングステン合金、ニッケル-銀合金、銅-亜鉛合金、及び銅-ニッケル-亜鉛合金のうちの1つ以上、より好ましくは銅及び銀のうちの1つ以上を含む(又はからなる、又はから実質的になる)。そのような材料は、高い導電率と高い熱伝導率との好ましい組み合わせを提供し得る。
【0026】
コア材料のCTEは、界面における応力に影響を及ぼす。この応力は、適切なコア材料を選択することによって低減することができる。例えば、ニッケルのCTEは13ppm/Kであり、銅のCTEは17ppm/Kであり、CuW合金のCTEは組成に依存し、デバイス設計のニーズを満たすように調整することができる。
【0027】
コア材料は、好ましくは、20℃で少なくとも1×105S/m、より好ましくは少なくとも1×106S/m、より好ましくは少なくとも1×107S/m、更により好ましくは少なくとも4×107S/m、更により好ましくは少なくとも5×107S/mの導電率を有する。そのような導電率は、はんだ付け材料によって接合された構成要素間に高レベルの電気接続を提供し得る。
【0028】
はんだは、好ましくは鉛を含まない。これは、意図的に鉛が添加されないことを意味する。したがって、鉛の含有量は、ゼロであるか、又は偶発的不純物レベル以下である。鉛を含まないはんだは、健康の懸念及び規制要件の観点から好ましい可能性がある。
【0029】
はんだは、好ましくは、In、SnIn合金(例えば、5~58%Sn、42~95%In)、SnBi合金(例えば、42~60%Sn、40~58%Bi)、BiIn合金(例えば、5~67%Bi、33~95%In)、AgIn合金(例えば、1~5%Ag、95~99%In、例えば、3%Ag、97%In)、SnAg合金(例えば、90~97.5%Sn、2.5~10%Ag)、SnCu合金(例えば、99.3~99.6%Sn、0.4~0.7%Cu)、InGa合金(例えば、99.3~99.5%In、0.5~0.7%Ga)、SnBiAgCu合金(例えば、50%Sn、47%Bi、1%Ag、2%Cu)、SnBiZn合金(例えば、65.5%Sn、31.5%Bi、3%Zn)、SnInAg合金(例えば、77.2%Sn、20%In、2.8%Ag)、SnBiAgCuIn合金(例えば、82.3%Sn、2.2%Bi、3%Ag、0.5%Cu、12%In)、SnZn合金(例えば、91%Sn、9%Zn)、SnCuInGa合金(例えば、92.8%Sn、0.7%Cu、6%In、0.5%Ga)、SnCuAg合金(例えば、95.5%Sn、3.8%Ag、0.7%Cu)、SnAgSb合金(例えば、95%Sn、3.5%Ag、1.5%Sb)、及びSnCuSb合金(例えば、4~95%Sn、1~2%Cu、4%Sb)のうちの1つ以上を含む。%値は、重量%を指す。合金は、任意の不可避な不純物と共に、列挙された元素を含み得る。そのような合金は、電気デバイスの構成要素を接続するのに特に好適であり得る。
【0030】
好ましい例では、コア材料は銅を含み、はんだはSn-20In-2Ag合金を含む。
【0031】
はんだ材料は、好ましくは、箔、ストリップ、フィルム、リボン又はプリフォームの形態である。そのような形態は、電子デバイスの構成要素を接続するのに特に好適であることができ、かつ/又は好ましい取り扱い適正を示し得る。
【0032】
好ましい実施形態では、コアは、はんだで完全にコーティングされている。言い換えれば、コアは、はんだによって完全に囲まれ、コアの一部は露出されない。この場合、コア材料の一部は、空気又は他の作動環境に晒されない。この設計は、例えば、Cu又はNiなどの酸素及び/又は湿度に晒されたときに酸化される傾向があるコア材料のために好ましい場合がある。
【0033】
代替の好ましい実施形態では、コアは、2つの大きな対向する表面のみ、典型的には2つの最大の対向する表面(主表面)で、はんだでコーティングされる。この設計は、大きなサイズのシート又はリボンをはんだでコーティングすることができ、そこからプリフォームを高速スタンピングプロセスで切断できるため、大量生産にとって比較的簡単であり得る。
【0034】
はんだ材料は、好ましくは、65W/m.K超、より好ましくは80W/m.K超、更により好ましくは100W/m.K超、更により好ましくは130W/m.K超の有効熱伝導率を有する。「有効熱伝導率」とは、はんだ材料の総熱伝導率を意味しており、すなわち、はんだ(より低い熱伝導率を有する)及びコア(より高い熱伝導率を有する)の両方を含む。そのような有効熱伝導率は、はんだ材料からの放熱を改善し得る。
【0035】
本発明の第1の態様は、はんだ材料に関する。「はんだ材料」という用語は、「多層構造」という用語と同義であり得る。更に、「はんだ層」という用語は、「2つ以上のはんだ層」という用語と同義である。更に、疑義を避けるために、はんだ層は、はんだ材料を含む。はんだ層は、典型的には外層である。
【0036】
したがって、本発明の第1の態様は、代わりに、電子アセンブリで使用するための多層材料と呼ばれ、多層材料は、
2つ以上の(例えば、外側の)はんだ層であって、各はんだ層がはんだ材料を含む、はんだ層と、
コア材料を含むコア層であって、2つ以上のはんだ層の間に挟まれている、コア層と、を含み、
コア材料の熱伝導率は、はんだ材料の熱伝導率よりも大きい。
【0037】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のはんだ材料を含むはんだ接合部を提供する。疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。そのような接合部は、接合された構成要素のCTE不一致によって引き起こされる低応力と、高い放熱との好ましい組み合わせを示し得る。したがって、そのような接合部を含有する電子デバイスは、従来の電子デバイスと比較して、改善された性能及び信頼性を示し得る。はんだ接合部の厚さは、コア層とはんだ層との厚さの合計に相当する。典型的には、厚さは、リフロー中に変化しない。
【0038】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のはんだ材料を含む相互接続部を提供する。疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。そのような相互接続部は、接合された構成要素のCTE不一致によって引き起こされる低応力と、高い放熱との好ましい組み合わせを示し得る。したがって、そのような相互接続部を含有する電子デバイスは、従来の電子デバイスと比較して、改善された性能及び信頼性を示し得る。
【0039】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のはんだ材料、はんだ接合部、又は相互接続部を含む電子デバイスを提供する。疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。そのような電子デバイスは、従来の電子デバイスと比較して、改善された性能及び信頼性を示し得る。
【0040】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のはんだ材料、はんだ接合部、又は相互接続部を含む、IGBT、MOSFET、LED、又はマイクロプロセッサを提供する。疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。そのような電子デバイスは、従来の電子デバイスと比較して、改善された性能及び信頼性を示し得る。
【0041】
更なる態様では、本発明は、表面実装技術(SMT)はんだ付け、ダイ取り付けはんだ付け、熱界面はんだ付け、手はんだ付け、レーザー及びRF誘導はんだ付け、並びにサーモソニックはんだ付けから選択されるはんだ付け方法における本明細書に記載のはんだ材料の使用を提供する。疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。本明細書に記載のはんだ材料は、そのような用途に特に好適である。
【0042】
更なる態様では、本発明は、ダイ取り付け(レベルI)、基板取り付け(レベルII)又はパッケージからヒートシンクへの取り付け(レベルIII)のための本明細書に記載のはんだ材料の使用を提供する。疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。
【0043】
本明細書に記載のはんだ材料は、そのような用途に特に好適である。
【0044】
更なる態様では、本発明は、はんだ接合部を形成する方法を提供し、この方法は、
接合される2つ以上の工作物の近くに本明細書に記載のはんだ材料を提供することと、
はんだ材料を加熱して、はんだ付けされた接合部を形成することと、を含む、方法。
【0045】
疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。得られた接合部は、接合された構成要素のCTE不一致によって引き起こされる低応力と、高い放熱との好ましい組み合わせを示し得る。したがって、そのような接合部を含有する電子デバイスは、従来の電子デバイスと比較して、改善された性能及び信頼性を示し得る。
【0046】
接合される2つ以上の工作物は、好ましくは、
デバイス若しくはダイ及び基板、又は
基板及びプリント回路板(PCB)、又は
プリント回路板及びヒートシンク、を含む。
【0047】
そのような工作物は、はんだ材料によって接合するのに特に好適である。それは、それらは高い放熱を有することが要求され、それらが、CTE不一致から生じる低い応力を示すことが有益であるためである。
【0048】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
2つ以上のはんだ層を提供することと、
コア材料の層を提供することと、
コア材料の層のいずれかの側にはんだの層を積層することと、を含む、方法。
【0049】
疑義を避けるために、第1の態様の利点及び好ましい特徴は、この態様に等しく適用される。はんだ及びコア材料、並びに加工条件に応じて、積層後の構造の厚さが低減する。目標寸法を達成するには、その低減係数を考慮する必要がある。
【0050】
コア材料の層は、好ましくはリボンの形態であり、かつ/又ははんだの層は、リボンの形態である。
【0051】
リボンは、好ましくは、鋳造、押出、又は延伸によって提供される。
【0052】
層は、好ましくは、共延伸プロセス、好ましくは高圧共延伸プロセスで積層される。
【0053】
積層された層は、好ましくはダイシング及び/又は打ち抜きされる。
【0054】
更なる態様では、本発明は、本明細書に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
コア材料の層を提供することと、
コア材料をはんだでコーティングすることと、を含む、方法。
【0055】
コア材料の層の表面は、好ましくは、はんだでコーティングされる前に、洗浄される。これにより、コアとはんだの間の接着が強化され、それによって層間剥離の発生が減少し、はんだ材料を使用して形成された接合部を含有するデバイスの信頼性の損失が低減され得る。
【0056】
はんだでコア材料をコーティングすることは、好ましくは、例えば、コア材料を溶融はんだ浴に浸漬することによって、コア材料を溶融はんだ浴と接触させることを含む。
【0057】
はんだ浴温度、はんだ浴などを通過するリボン速度などの様々なプロセスパラメータを変化させて、はんだコーティングの厚さを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明を、これより、以下の非限定的な図面に関連して説明する。
【
図1】典型的な電子デバイスのアセンブリの概略図を示している。
【
図2】本発明によるはんだ材料の代替配列の断面概略図を示している。
【
図3】本発明によるはんだ材料の断面の顕微鏡画像を示している。
【0059】
図2は、本発明による2種類のはんだ材料の断面図を示している。はんだ材料は、はんだ層10の間に挟まれたコア層9を含む。上の絵に示されているはんだ材料は、上部及び底部側にのみはんだを有する。側面にはんだは存在しない。他のはんだ材料は、コアのすべての側面にはんだを有する。
【発明を実施するための形態】
【0060】
本発明は、これより、以下の非限定的な実施例に関連して説明する。
【0061】
実施例1
はんだ材料(プリフォーム)を高圧積層プロセスによって調製した。
図3は、プリフォームの断面の顕微鏡画像を示している。中心コアは、厚さ300μmであり、銅から形成されている。両側のはんだは、Sn20%In2%Agである。はんだ厚は、50~100μmで変化する。この試料の有効熱伝導率は、ナノフラッシュ過渡測定技術によって測定すると、約130W/m.Kである。
【0062】
実施例2
実施例1と同様の方法で、いくつかのプリフォームを調製したが、コア(Keff=400W/m.K)及びはんだ層(Keff=54W/m.K)の厚さが変わっている。プリフォームの熱性能を評価した。表1は、推定熱抵抗及び等価熱伝導率を示している。はんだのみと比較して、厚い界面の耐熱性は、はるかに低い(等価Keffははるかに高い)。
【0063】
【0064】
本発明は、これより、以下の番号を付した条項によって更に説明される。
条項1.
コア材料を含むコアと、
コアを少なくとも部分的にコーティングしているはんだと、
を含む、はんだ材料。
条項2.電子アセンブリにおいて使用するための、条項1に記載のはんだ材料。
条項3.コアが、層の形態である、条項1又は条項2に記載のはんだ材料。
条項4.コア層の厚さが、100~500μm、好ましくは200~400μm、より好ましくは150~300μmである、条項3に記載のはんだ材料。
条項5.はんだが、層の形態であり、コアが、2つのはんだ層の間に挟まれている、条項3又は条項4に記載のはんだ材料。
条項6.はんだ層の厚さが、25~150μm、好ましくは50~100μmである、条項6に記載のはんだ材料。
条項7.箔、ストリップ、フィルム、リボン、又はプリフォームの形態の、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項8.コア材料の融点が、はんだのリフロー温度よりも高い、先行請求項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項9.コア材料の熱伝導率が、はんだの熱伝導率よりも大きい、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項10.コア材料が、65W/m.K以上、好ましくは65w/m.K超、より好ましくは70W/m.k超、更により好ましくは75W/m.K超の熱伝導率を有する、条項9に記載のはんだ材料。
条項11.コア材料が、金属及び/又は合金を含む、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項12.コア材料が、銅、銀、ニッケル、モリブデン、ベリリウム、コバルト、鉄
、銅-タングステン合金、ニッケル-銀合金、銅-亜鉛合金、及び銅-ニッケル-亜鉛合金のうちの1つ以上を含む、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項13.はんだが、鉛を含んでいない、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項14.はんだが、In、SnIn合金(例えば、5~58%Sn、42~95%In)、SnBi合金(例えば、42~60%Sn、40~58%Bi)、BiIn合金(例えば、5~67%Bi、33~95%In)、AgIn合金(例えば、3%Ag、97%In)、SnAg合金(例えば、90~97.5%Sn、2.5~10%Ag)、SnCu合金(例えば、99.3~99.6%Sn、0.4~0.7%Cu)、InGa合金(例えば、99.3~99.5%In、0.5~0.7%Ga)、SnBiAgCu合金(例えば、50%Sn、47%Bi、1%Ag、2%Cu)、SnBiZn合金(例えば、65.5%Sn、31.5%Bi、3%Zn)、SnInAg合金(例えば、77.2%Sn、20%In、2.8%Ag)、SnBiAgCuIn合金(例えば、82.3%Sn、2.2%Bi、3%Ag、0.5%Cu、12%In)、SnZn合金(例えば、91%Sn、9%Zn)、SnCuInGa合金(例えば、92.8%Sn、0.7%Cu、6%In、0.5%Ga)、SnCuAg合金(例えば、95.5%Sn、3.8%Ag、0.7%Cu)、SnAgSb合金(例えば、95%Sn、3.5%Ag、1.5%Sb)、及びSnCuSb合金(例えば、4~95%Sn、1~2%Cu、4%Sb)のうちの1つ以上を含む、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項15.コア材料が、銅を含み、はんだが、Sn-20In-2Ag合金を含む、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項16.コア及びはんだが、層の形態であり、はんだ層が、コア層のいずれかの側にコーティングされている、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項17.コア層の厚さが、100~500μm、好ましくは200~400μm、より好ましくは150~300μmである、条項16に記載のはんだ材料。
条項18.はんだ層の厚さが、25~150μm、好ましくは50~100μmである、条項16又は条項17に記載のはんだ材料。
条項19.コアが、はんだで完全にコーティングされている、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項20.65W/m.K超、好ましくは80W/m.K超、より好ましくは100W/m.K超、更により好ましくは130W/m.K超の有効熱伝導率を有する、先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料。
条項21.表面実装技術(SMT)はんだ付け、ダイ取り付けはんだ付け、熱界面はんだ付け、手はんだ付け、レーザー及びRF誘導はんだ付け、並びにサーモソニックはんだ付けから選択されるはんだ付け方法における先行条項のいずれか一項に記載のはんだ材料の使用。
条項22.ダイ取り付け(レベルI)、基板取り付け(レベルII)又はパッケージからヒートシンクへの取り付け(レベルIII)のための、条項1~20のいずれか一項に記載のはんだ材料の使用。
条項23.条項1~20のいずれか一項に記載のはんだ材料を含む相互接続部。
条項24.条項1~20のいずれか一項に記載のはんだ材料、又は条項23に記載の相互接続部を含む、IGBT、MOSFET、LED、又はマイクロプロセッサ。
条項25.はんだ接合部を形成する方法であって、
接合される2つ以上の工作物の近くに条項1~20のいずれか一項に記載のはんだ材料を提供することと、
はんだ材料を加熱して、はんだ付けされた接合部を形成することと、を含む、方法。
条項26.条項1~20のいずれか一項に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
はんだの2つ以上の層を提供することと、
コア材料の層を提供することと、
コア材料の層のいずれかの側にはんだの層を積層することと、を含む、方法。
条項27.コア材料の層が、好ましくはリボンの形態であり、かつ/又ははんだの層が、リボンの形態である、条項26に記載の方法。
条項28.リボンが、鋳造、押出、又は延伸によって提供される、条項27に記載の方法。
条項29.層が、共延伸プロセス、好ましくは高圧共延伸プロセスで積層される、条項26~28のいずれか一項に記載の方法。
条項30.積層された層が、ダイシング及び/又は打ち抜きされる、条項26~29のいずれか一項に記載の方法。
条項31.条項1~20のいずれか一項に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
コア材料の層を提供することと、
コア材料をはんだでコーティングすることと、を含む、方法。
条項32.コア材料の層の表面が、はんだでコーティングされる前に洗浄される、条項31に記載の方法。
条項33.コア材料をはんだでコーティングすることが、溶融はんだ浴にコア材料を通過させることを含む、条項31又は条項33に記載の方法。
【0065】
前述の詳細な記載は、説明及び図解によって提供されたものであり、添付の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に示される現時点で好ましい実施形態の多くの変形例は、当業者に明らかであり、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の範囲内に留まる。
【手続補正書】
【提出日】2024-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子アセンブリにおいて使用するためのはんだ材料であって、
はんだ層と、
コア材料を含むコア層であって、前記はんだ層の間に挟まれている、コア層と、を含み、
前記コア材料の熱伝導率が、前記はんだの熱伝導率よりも大きく、
各はんだ層の厚さが、50~100μmであり、
前記コア材料が、銅を含み、前記はんだが、SnInAg合金を含む、はんだ材料。
【請求項2】
前記はんだが、Sn-20In-2Ag合金かつ/又はSn-20In-2.8Ag合金を含む、請求項1に記載のはんだ材料。
【請求項3】
前記コア材料が、65W/m.K以上の熱伝導率を有し、かつ/又は
前記コア材料の融点が、前記はんだのリフロー温度よりも高い、請求項1又は2に記載のはんだ材料。
【請求項4】
前記コア材料が、75W/m.K以上の熱伝導率を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項5】
前記コア層の厚さが、100~500μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項6】
前記コア層の厚さが、200~400μmである、請求項1~5のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項7】
前記コア層の厚さが、150~300μmである、請求項1~6のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項8】
前記コア材料が、銀、ニッケル、モリブデン、ベリリウム、コバルト、鉄、銅-タングステン合金、ニッケル-銀合金、銅-亜鉛合金、及び銅-ニッケル-亜鉛合金のうちの1つ以上を更に含み、かつ/又は
前記はんだが、鉛を含んでいない、請求項1~7のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項9】
前記はんだが、In、SnIn合金(例えば、5~58%Sn、42~95%In)、SnBi合金(例えば、42~60%Sn、40~58%Bi)、BiIn合金(例えば、5~67%Bi、33~95%In)、AgIn合金(例えば、3%Ag、97%In)、SnAg合金(例えば、90~97.5%Sn、2.5~10%Ag)、SnCu合金(例えば、99.3~99.6%Sn、0.4~0.7%Cu)、InGa合金(例えば、99.3~99.5%In、0.5~0.7%Ga)、SnBiAgCu合金(例えば、50%Sn、47%Bi、1%Ag、2%Cu)、SnBiZn合金(例えば、65.5%Sn、31.5%Bi、3%Zn)、SnBiAgCuIn合金(例えば、82.3%Sn、2.2%Bi、3%Ag、0.5%Cu、12%In)、SnZn合金(例えば、91%Sn、9%Zn)、SnCuInGa合金(例えば、92.8%Sn、0.7%Cu、6%In、0.5%Ga)、SnCuAg合金(例えば、95.5%Sn、3.8%Ag、0.7%Cu)、SnAgSb合金(例えば、95%Sn、3.5%Ag、1.5%Sb)、及びSnCuSb合金(例えば、4~95%Sn、1~2%Cu、4%Sb)のうちの1つ以上を更に含む、請求項1~8のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項10】
前記はんだ材料が、箔、ストリップ、フィルム、リボン若しくはプリフォームの形態であり、かつ/又は
前記コアが、前記はんだで完全にコーティングされており、かつ/又は
前記はんだ材料が、65W/m.K超の有効熱伝導率を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項11】
前記はんだ材料が、80W/m.K超の有効熱伝導率を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のはんだ材料。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料を含むはんだ接合部。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料を含む相互接続部。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料、請求項12に記載のはんだ接合部、又は請求項13に記載の相互接続部を含む、IGBT、MOSFET、LED、又はマイクロプロセッサ。
【請求項15】
表面実装技術(SMT)はんだ付け、ダイ取り付けはんだ付け、熱界面はんだ付け、手はんだ付け、レーザー及びRF誘導はんだ付け、並びにサーモソニックはんだ付けから選択されるはんだ付け方法における、又は、
ダイ取り付け(レベルI)、基板取り付け(レベルII)若しくはパッケージからヒートシンクへの取り付け(レベルIII)のための、請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料の使用。
【請求項16】
はんだ接合部を形成する方法であって、
接合される2つ以上の工作物の近くに請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料を提供することと、
前記はんだ材料を加熱してはんだ付けされた接合部を形成することと、を含む、方法。
【請求項17】
前記接合される2つ以上の工作物が、
デバイス若しくはダイ及び基板、又は
基板及びプリント回路板(PCB)、又は
プリント回路板及びヒートシンク、を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
はんだの2つ以上の層を提供することと、
コア材料の層を提供することと、
前記コア材料の層のいずれかの側に前記はんだの層を積層することと、を含む、方法。
【請求項19】
前記コア材料の層が、リボンの形態であり、かつ/又は前記はんだの層が、リボンの形態であり、かつ/又は
前記層が、共延伸プロセスで積層され、かつ/又は
前記積層された層が、ダイシング及び/又は打ち抜きされる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項1~11のいずれか一項に記載のはんだ材料を製造する方法であって、
コア材料の層を提供することと、
前記コア材料をはんだでコーティングすることと、を含む、方法。
【請求項21】
前記コア材料の層の表面が、前記はんだでコーティングされる前に洗浄され、かつ/又は
前記コア材料をはんだでコーティングすることが、前記コア材料を溶融はんだ浴と接触させることを含む、請求項20に記載の方法。