(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025140565
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】印刷制御装置、印刷制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20250919BHJP
【FI】
G06F3/12 357
G06F3/12 305
G06F3/12 328
G06F3/12 353
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040045
(22)【出願日】2024-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】松田 将一
(57)【要約】
【課題】 ユーザーにより好適なお気に入り設定を提供する。
【解決手段】 本発明の一態様のアプリケーションのプログラムは、複数のメーカーが提供する印刷装置で印刷可能な印刷データを生成するソフトウェアの機能をサポートするアプリケーションのプログラムであって、コンピュータに、印刷設定項目の設定値の組を保存させ、前記組を選択可能な印刷設定画面を表示させ、ユーザーから前記組の選択を受け付けさせ、前記印刷設定画面において、前記選択された前記組に含まれる印刷設定項目の設定値を選択された状態にさせ、前記組は、前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含む場合と含まない場合とで異なる表示方法で前記印刷設定画面に表示されることを特徴とする。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメーカーが提供する印刷装置で印刷可能な印刷データを生成するソフトウェアの機能をサポートするアプリケーションのプログラムであって、
コンピュータに、
印刷設定項目の設定値の組を保存させ、
前記組を選択可能な印刷設定画面を表示させ、
ユーザーから前記組の選択を受け付けさせ、
前記印刷設定画面において、前記選択された前記組に含まれる印刷設定項目の設定値を選択された状態にさせ、
前記組は、前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含む場合と含まない場合とで異なる表示方法で前記印刷設定画面に表示されることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記印刷設定画面に前記組の名称を表示させ、
前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含むことを通知するオブジェクトを、前記組の名称に付与することで、前記印刷設定画面における前記組の表示方法を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記印刷設定画面に前記組の名称を表示させ、
前記組の名称の背景色を異ならせることで前記印刷設定画面における前記組の表示方法を異ならせることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記印刷設定画面における設定内容を、前記組として前記保存させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置の種別と対応付けて、前記組を前記保存させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置の種別と、前記組に対応付けられた種別とがと異なる場合、前記印刷設定画面における前記組の表示方法を異ならせることを特徴とする請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置の名称と対応付けて、前記組を前記保存させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記組を前記保存させる指示を受け付けるボタンを前記印刷設定画面に表示させ、
前記ボタンが押下されたことに応じて、前記組の名称を受け付けさせる画面を表示させ、
前記ボタンが押下されたときの前記印刷設定画面における設定値の内容を、前記名称と対応付けて前記組として前記保存させることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を前記選択された前記組が含むとき、当該実行できない設定値が属する設定項目の初期値を選択された状態にさせることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
印刷装置ごとに利用可能とする前記組の情報を保存させ、
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で利用可能とされている前記組を選択可能に前記印刷設定画面に表示することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項11】
前記組の情報を出力させ、
前記アプリケーションとは異なる、前記ソフトウェアの機能をサポートする他のアプリケーションにより、前記出力された前記組を読み込むことで、前記他のアプリケーションが表示させる印刷設定画面において前記組を選択可能に表示されることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項12】
印刷対象となる画像を出力する描画アプリケーションから前記ソフトウェアに印刷指示が発行されたとき、前記アプリケーションが起動され、
前記コンピュータに、前記組の選択を受け付けた場合であっても前記描画アプリケーションで選択された設定値を優先させる指示を受け付けさせることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
複数のメーカーが提供する印刷装置で印刷可能な印刷データを生成するソフトウェアと、前記ソフトウェアの機能をサポートするアプリケーションを有する情報処理装置の制御方法であって、
印刷設定項目の設定値の組を保存させ、
前記組を選択可能な印刷設定画面を表示させ、
ユーザーから前記組の選択を受け付けさせ、
前記印刷設定画面において、前記選択された前記組に含まれる印刷設定項目の設定値を選択された状態にさせ、
前記組は、前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含む場合と含まない場合とで異なる表示方法で前記印刷設定画面に表示されることを特徴とする制御方法。
【請求項14】
前記印刷設定画面に前記組の名称を表示させ、
前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含むことを通知するオブジェクトを、前記組の名称に付与することで、前記印刷設定画面における前記組の表示方法を異ならせることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項15】
前記印刷設定画面に前記組の名称を表示させ、
前記組の名称の背景色を異ならせることで前記印刷設定画面における前記組の表示方法を異ならせることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項16】
前記印刷設定画面における設定内容を、前記組として前記保存させることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項17】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置の種別と対応付けて、前記組を前記保存させることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項18】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置の種別と、前記組に対応付けられた種別とがと異なる場合、前記印刷設定画面における前記組の表示方法を異ならせることを特徴とする請求項17に記載の制御方法。
【請求項19】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置の名称と対応付けて、前記組を前記保存させることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項20】
前記組を前記保存させる指示を受け付けるボタンを前記印刷設定画面に表示させ、
前記ボタンが押下されたことに応じて、前記組の名称を受け付けさせる画面を表示させ、
前記ボタンが押下されたときの前記印刷設定画面における設定値の内容を、前記名称と対応付けて前記組として前記保存させることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項21】
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を前記選択された前記組が含むとき、当該実行できない設定値が属する設定項目の初期値を選択された状態にさせることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項22】
印刷装置ごとに利用可能とする前記組の情報を保存させ、
前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で利用可能とされている前記組を選択可能に前記印刷設定画面に表示することを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項23】
前記組の情報を出力させ、
前記アプリケーションとは異なる、前記ソフトウェアの機能をサポートする他のアプリケーションにより、前記出力された前記組を読み込むことで、前記他のアプリケーションが表示させる印刷設定画面において前記組を選択可能に表示されることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項24】
前記情報処理装置は印刷対象となる画像を出力する描画アプリケーションを有し、
前記描画アプリケーションから前記ソフトウェアに印刷指示が発行されたとき、前記アプリケーションが起動され、
前記組の選択を受け付けた場合であっても前記描画アプリケーションで選択された設定値を優先させる指示を受け付けさせることを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【請求項25】
複数のメーカーが提供する印刷装置で印刷可能な印刷データを生成するソフトウェアと、前記ソフトウェアの機能をサポートするアプリケーションを有する情報処理装置であって、
印刷設定項目の設定値の組を保存し、
前記組を選択可能な印刷設定画面を表示し、
ユーザーから前記組の選択を受け付け、
前記印刷設定画面において、前記選択された前記組に含まれる印刷設定項目の設定値を選択された状態にし、
前記組は、前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含む場合と含まない場合とで異なる表示方法で前記印刷設定画面に表示することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷制御装置、その印刷制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
印刷装置の制御用ソフトウェアとしてホストコンピュータにインストールされたプリンタドライバを利用し、ホストコンピュータに接続された印刷装置に対して印刷指示を行う構成が知られている。ホストコンピュータには、基本ソフトウェアであるオペレーティングシステム(OS)がインストールされており、プリンタドライバはそのOSの規定する仕様に従って構成され、OSから呼び出されて動作する。印刷装置を提供するベンダは、OSの仕様に適合するプリンタドライバを提供することにより、そのOSを用いて印刷装置に印刷を指示する手段を提供することができる。
【0003】
近年、Windows(登録商標)において、複数のベンダの提供する印刷装置で共通して利用可能な標準的なクラスドライバ(以下、「標準ドライバ」とも呼ぶ)が提供されている。このような標準ドライバは、OSのパッケージの中に同梱されており、ホストコンピュータに任意の印刷装置を接続することにより簡易に利用可能となる。よって、印刷装置に適した機種固有のプリンタドライバを別途インストールする必要が無く、利便性が高い。
【0004】
また、標準ドライバは、接続した印刷装置から取得した情報に基づき生成されたPrintCapabilitiesに応じて印刷機能を指定可能に構成される。これにより、標準ドライバを利用するユーザーは、1つの標準ドライバを利用しているにも関わらず、接続した印刷装置の能力に応じた印刷機能を指定することができる。
【0005】
標準ドライバには機能を拡張ないしサポートするアプリケーション(以下、「拡張アプリケーション」とも呼ぶ)を関連付けることができる。拡張アプリケーションは、印刷装置を提供するベンダが提供することができる。ベンダ(メーカー)はこの拡張アプリケーションを提供することにより、標準ドライバのみでは実現できない機能(拡張機能)を提供することができる。
【0006】
特許文献1には、複数の印刷設定画面にて印刷設定の組み合わせを保存したお気に入り設定を共有する技術が開示されている。ここで、特許文献1に記載された共有手法は同一の印刷装置における共有手法であり、異なる印刷装置間でお気に入り設定を共有できるものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、複数の印刷装置で印刷可能な印刷データを生成する標準ドライバの機能を拡張・サポートするアプリケーションにより、ユーザーにより好適なお気に入り設定を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様のアプリケーションのプログラムは、複数のメーカーが提供する印刷装置で印刷可能な印刷データを生成するソフトウェアの機能をサポートするアプリケーションのプログラムであって、コンピュータに、印刷設定項目の設定値の組を保存させ、前記組を選択可能な印刷設定画面を表示させ、ユーザーから前記組の選択を受け付けさせ、前記印刷設定画面において、前記選択された前記組に含まれる印刷設定項目の設定値を選択された状態にさせ、前記組は、前記組に含まれる印刷設定項目の設定値に前記印刷設定画面に関連付けられた印刷装置で実行できない設定値を含む場合と含まない場合とで異なる表示方法で前記印刷設定画面に表示されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様により、拡張アプリケーションにてお気に入り設定を提供し、ユーザビリティを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図。
【
図3】拡張アプリケーションの印刷設定画面の一例。
【
図6】拡張アプリケーションのお気に入り追加画面の一例。
【
図7】拡張アプリケーションのお気に入り登録処理フロー図。
【
図9】プリンターBに関連付いた拡張アプリケーションの印刷設定画面の一例。
【
図11】拡張アプリケーションの印刷設定画面のお気に入り一覧表示処理フロー図。
【
図12】拡張アプリケーションの印刷設定画面のお気に入り選択処理フロー図。
【
図13】拡張アプリケーションのお気に入り反映確認画面の一例。
【
図14】拡張アプリケーションのお気に入り編集画面の一例。
【
図15】拡張アプリケーションのお気に入り編集画面のお気に入り一覧表示処理フロー図。
【
図16】拡張アプリケーションのお気に入り編集画面のお気に入り設定表示処理フロー図。
【
図17】第2の実施形態における拡張アプリケーションの印刷設定画面起動処理フロー図。
【
図18】第2の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入りサポート管理データの一例。
【
図19】第2の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入り選択画面の一例。
【
図20】第2の実施形態における拡張アプリケーションの印刷設定画面の一例。
【
図21】第2の実施形態における拡張アプリケーションの印刷設定画面のお気に入り一覧表示処理フロー図。
【
図22】第3の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入り登録処理フロー図。
【
図23】第3の実施形態における拡張アプリケーションの印刷設定画面のお気に入り一覧表示処理フロー図。
【
図24】第3の実施形態における拡張アプリケーションの印刷設定画面の一例。
【
図25】第4の実施形態における印刷システムの構成図。
【
図26】第4の実施形態における拡張アプリケーションの印刷設定画面の一例。
【
図27】第4の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入り編集画面の一例。
【
図28】第4の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入りファイル読み込み処理フロー図。
【
図29】第4の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入りファイル読み込み後の印刷設定画面の一例。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0013】
<<第1の実施形態>>
図1は、印刷システムのハードウェア構成を示すブロック図である。本図において、ホストコンピュータ101は、情報処理装置の一例であり、入力インタフェース110、CPU111、ROM112、RAM113、外部記憶装置114、出力インタフェース115、及び入出力インタフェース116を有する。
【0014】
また、入力インタフェース110には、キーボード118、ポインティングデバイス117などの入力デバイスが接続され、出力インタフェース115には、表示部119などの表示デバイスが接続されている。NETIF120は、ネットワークインタフェイスであり、ネットワークを介して外部機器との間でデータ転送を行うための制御を行う。
【0015】
ROM112には、初期化プログラムが格納されている。外部記憶装置114には、アプリケーションプログラム群、オペレーティングシステム(OS)、印刷データ生成ソフトウェア、その他の各種のデータが格納されている。RAM113は、外部記憶装置114にストアされる各種のプログラムの実行の際のワークメモリ等として使用され、各種プログラムがホストコンピュータ101内で動作可能となっている。
【0016】
なお、本実施形態では、CPU111が、ROM112に格納されたプログラムの手順に従って処理を行うことによって、ホストコンピュータ101における後述の機能及び後述するフローチャートに係る処理を実行する。デバイスである印刷装置102は、入出力インタフェース116を介して、ホストコンピュータ101と接続されている。
【0017】
ここでは、ホストコンピュータ101と印刷装置102が分かれて構成されているが、これらが一つの情報処理装置として構成されていても良い。また、ホストコンピュータ101は、デスクトップパソコンでも、スマートフォンでも、ノートパソコンでも構わない。
【0018】
図2は、印刷システムの構成を模式的に示す図である。ここでは、OSとしてMicrosoft(登録商標)のWindows(登録商標)11を搭載したホストコンピュータ101を用いた印刷システムを前提として説明する。
図2(a)は、拡張アプリケーション210が、印刷データ生成ソフトウェア202および印刷装置102と関連付けられていない場合の一般的な構成を示す図である。
【0019】
描画アプリケーション201は印刷されるコンテンツ(描画データ)を作成し、印刷対象となる画像を出力するソフトウェアである。例えば、文書作成アプリケーションや表計算アプリケーション等が相当する。
【0020】
描画アプリケーション201は、ユーザーから印刷要求を受けると、印刷指示をOSに発行する。印刷指示には、印刷データ生成ソフトウェア202及び印刷装置102の動作を指示するための印刷設定情報が含まれる。印刷設定情報はPrintTicket(以下、「PT」)とも呼ばれる。
【0021】
描画アプリケーション201は、印刷設定情報を出力するために、印刷データ生成ソフトウェア202、OS、もしくは描画アプリケーション201、のうちいずれかが提供する印刷設定画面を表示させる事ができる。印刷設定画面は、印刷データ生成ソフトウェア202から取得する能力情報(印刷設定として設定可能な情報)に従い、設定可能な印刷機能を示す設定アイテム(以下、「コントロールアイテム」とも呼ぶ)と、その設定値を示すコントロールアイテムを含む。
【0022】
能力情報は、PrintCapabilities(以下、「PC」)とも呼ばれる。印刷データ生成ソフトウェア202は、印刷機能情報203に基づき、PCを決定する。印刷機能情報203は、設定可能なすべての印刷機能とその設定値、並びに、設定値同士の排他関係が記載されている印刷機能を示すデータである。
【0023】
印刷機能情報203は、PDC(Print Device Capabilities)とも呼ばれる。印刷機能情報203は、印刷データ生成ソフトウェア202の構成ファイルに含まれ、変更不可能なファイルとして外部記憶装置114に配置される。もしくは、印刷データ生成ソフトウェア202により、印刷機能情報203は動的に生成されることもできる。具体的には、印刷データ生成ソフトウェア202もしくはOSは、印刷装置102から印刷装置の属性データを取得し、取得した属性データ内の属性情報に応じて印刷機能情報203を生成するよう構成することができる。
【0024】
なお、動的に印刷機能情報203が生成される場合、生成された印刷機能情報203は編集可能である。なお、印刷装置102から取得される印刷装置の属性データとは、印刷装置に対してIPP(Internet Print Protocol)のGet-Printer-Attributesオペレーションを発行することにより取得するレスポンスである。レスポンスの中には、印刷装置102で指定可能な機能(印刷装置の能力)を示す属性情報とその属性情報に関連する設定値を含む。このレスポンスはRAM113に保存される。
【0025】
このように構成することで、印刷データ生成ソフトウェア202は、接続された印刷装置102に応じて、それぞれの印刷装置102で利用可能な印刷機能をユーザーが指定可能に構成する事ができる。すなわち、異なる機能を持つ印刷装置や、異なるベンダ(メーカー)が開発・提供等した印刷装置を接続した場合であっても、印刷データ生成ソフトウェア202は、接続した印刷装置に応じて利用可能な印刷機能をユーザーが指定可能に構成することができる。
【0026】
なお、ここでは、印刷データ生成ソフトウェア202として、Windows(登録商標)11に搭載されている、IPP Class Driverを利用した構成について説明する。IPP Class Driverは、IPP(Internet Print Protocol)と呼ばれる標準的な印刷プロトコルの仕様に従って印刷処理を実行するプリンタドライバであり、OSのパッケージの中に同梱されている。
【0027】
IPP Class Driverは、印刷装置102の機種に応じた固有のプリンタドライバではなく、複数のベンダ(メーカー)が提供する印刷装置で共通して利用可能な標準的なクラスドライバである。また、IPP Class Driverは、接続した印刷装置102でサポートする印刷機能をユーザーが指定できるように、接続した印刷装置102の能力情報を取得し、その情報を元に印刷機能情報203を生成する。
【0028】
以上のように、印刷データ生成ソフトウェア202とOSによりホストコンピュータ101の印刷機能が提供される。したがって、印刷データ生成ソフトウェア202とOSは、本発明における、複数のベンダ(メーカー)が提供する印刷装置で印刷可能な印刷データを生成するソフトウェアの一例である。
【0029】
図2(b)は、拡張アプリケーション210が、印刷データ生成ソフトウェア202および印刷装置102と関連付けられている場合の構成を示す図である。なお、以下において特に言及しない構成や処理については、
図2(a)と同等の構成となる。
【0030】
拡張アプリケーション210は、印刷データ生成ソフトウェア202の機能を拡張・サポートするためのソフトウェアであり、OSに予め含まれていない(同梱されていない)ソフトウェアである。そのためユーザーがホストコンピュータ101を操作して拡張アプリケーション210を、インターネットを介してサーバーからダウンロードして、インストールする必要がある。若しくは、ホストコンピュータ101に印刷装置102が接続されたことに基づき、自動的にインストールされてもよい。
【0031】
具体的には、ホストコンピュータ101に印刷装置102が接続された場合、OSは印刷装置102からデバイス識別情報を取得する。OSは、取得されたデバイス識別情報に対応する拡張アプリケーション210を、インターネットを介してサーバーからダウンロードし、インストールしても良い。つまり、印刷データ生成ソフトウェア202と、拡張アプリケーション210は別ファイルとしてホストコンピュータ101に保持される。
【0032】
図2(a)に示すような印刷装置102と印刷データ生成ソフトウェア202が関連付いている状態で、拡張アプリケーション210がインストールされると、OSが拡張アプリケーション210を印刷データ生成ソフトウェア202に関連付ける。また、OSが拡張アプリケーション210を印刷装置102に関連付ける。このような処理により、ホストコンピュータ101のソフトウェア構成は
図2(b)の構成となる。
【0033】
なお、印刷データ生成ソフトウェア202および拡張アプリケーション210は、更新されてバージョンアップされることもあるが、この更新処理も別々のタイミングで行われる。つまり、ホストコンピュータ101により印刷データ生成ソフトウェア202が取得されるタイミングと、拡張アプリケーション210が取得されるタイミングは異なる。また、ホストコンピュータ101により印刷データ生成ソフトウェア202が取得されるトリガーと、拡張アプリケーション210が取得されるトリガーも異なる。
【0034】
本実施形態で説明する拡張アプリケーション210は、印刷設定画面拡張ユニット211とスキップ制御ユニット212と印刷機能拡張ユニット213と印刷データ編集ユニット214と通知ユニット215を備える。また、拡張アプリケーション210は、各ユニットから共通してアクセス可能な共有情報210を備える。共有情報210の実態は、外部記憶装置114に保存されたファイル、もしくはRAM113上に格納された情報である。拡張アプリケーション210は、OSが提供するAPI(Application Program Interface)を利用することで、共有情報210への情報の書き込みや読み出しを行う。
【0035】
なお、拡張アプリケーション210は、各ユニットの処理が終わるたびに動作を終了しても良い。その場合、各ユニットを使う要求を受ける度にOSが拡張アプリケーション210を起動することになる。また、別の形態も考えられる。例えば印刷設定画面拡張ユニット211の処理が終了するとOSは拡張アプリケーション210の動作を終了させるが、スキップ制御ユニット212の処理が終了してもOSは拡張アプリケーション210を起動させたままにしても良い。
【0036】
さらに、拡張アプリケーション210は、各ユニットの処理の中で、処理をキャンセルしても良い。キャンセルした場合、印刷キュー上の処理中のジョブがOSにより削除される。
【0037】
描画アプリケーション201は、ユーザーから印刷要求を受けると、印刷指示をOSに発行する。本構成下でも、
図2(a)の構成と同様、描画アプリケーション201は、印刷設定画面を表示させることができる。本構成下では、拡張アプリケーション210が提供する印刷設定画面が表示される。具体的には、拡張アプリケーション210が備える印刷設定画面拡張ユニット211が提供する印刷設定画面が表示される。なお、印刷設定画面拡張ユニット211により提供される印刷設定画面が表示されるか否かはユーザーの操作に依存する。
【0038】
また、描画アプリケーション201がユーザーから印刷要求を受けつけ、印刷指示がOSに発行されると、OSはスキップ制御ユニット212を起動する。スキップ制御ユニット212は、印刷データ生成ソフトウェア202の処理をスキップするか否かの制御を行う。スキップ制御ユニット212のスキップ制御処理の後、OSは、描画アプリケーション201から出力された印刷指示に基づき中間データを生成し、中間データが印刷データ生成ソフトウェア202に渡される。
【0039】
ここで、スキップ制御ユニット212でスキップ制御が行われない場合、中間データは印刷データ生成ソフトウェア202で印刷装置102が解釈可能な印刷データへ処理され、印刷データ編集ユニット214へ渡される。一方、印刷データ生成ソフトウェア202のスキップが行われる場合は、中間データは印刷データ生成ソフトウェア202で処理されずに、印刷データ編集ユニット214に渡される。これにより、中間データを印刷データ編集ユニット214で処理することが可能となる。
【0040】
印刷データ編集ユニット214は、印刷データ生成ソフトウェア202から渡される中間データもしくは印刷データ生成ソフトウェア202により処理された印刷データの編集を行う。編集内容として、割り付け印刷を例にとると、印刷データ編集ユニット214は、OSから受け取った割り付け印刷の印刷設定情報に基づいて、中間データもしくは印刷データのレイアウトを変更する。
【0041】
また、印刷データ編集ユニット214は表示部119にUI画面を表示することが可能であり、中間データもしくは印刷データのレイアウト結果をプレビュー画面として表示することができる。なお、印刷データ編集ユニット214では、画面を開いたままの状態では印刷データは印刷装置102に送信されず、画面を閉じることで印刷データの送信処理が動作する。
【0042】
印刷データ編集ユニット214が印刷データを編集した後、印刷データは印刷装置102へ渡される。印刷装置102は、受け付けた印刷データに基づき紙面への印刷を行う。なお、スキップ制御ユニット212で印刷データ生成ソフトウェア202がスキップされた場合、印刷データ編集ユニット214が、受け取った中間データを印刷装置102が解釈可能な印刷データへ変換しても良い。また、中間データを印刷データへ変換するために、OSが提供する機能を利用しても良い。
【0043】
拡張アプリケーション210は、印刷機能拡張ユニット213を有する。印刷機能拡張ユニット213は、印刷データ生成ソフトウェア202もしくはOSが生成した印刷機能情報203(PDC)を編集することができる。
【0044】
これにより、印刷機能拡張ユニット213は、拡張アプリケーション210が提供する機能の追加を行うことができる。さらに印刷機能拡張ユニット213は、印刷装置102はサポートしているが印刷データ生成ソフトウェア202がサポートしていない機能の追加、印刷機能の設定値同士の排他関係の追加、等も行うことができる。OSは、拡張アプリケーション210が印刷装置102と印刷データ生成ソフトウェア202に最初に関連付けられた時に、印刷機能拡張ユニット213を起動する。
【0045】
さらに、OSは、OS起動時等、それ以外のタイミングで印刷機能拡張ユニット213を起動してもよい。印刷装置102に対して後からオプション装置(例えば、フィニッシャー等)が追加され、印刷に関わる機能が拡張されるようなケースにおいて、印刷機能拡張ユニット213は、拡張機能を検知し、印刷機能情報203に追加することができる。
【0046】
また、拡張アプリケーション210は通知ユニット215を有する。通知ユニット215は、印刷装置102のエラー発生に呼応してユーザーに対して通知を表示することが可能である。例えば、印刷装置102で用紙なしエラーが発生すると、それを印刷データソフトウェア202が検知し、OSは、OSの機能であるトースト通知と呼ばれる通知機能を使って、メッセージを表示部119に表示させる。
【0047】
ユーザーがこのトースト通知を押下すると、拡張アプリケーション210の通知ユニット215がOSにより呼び出され、通知ユニット215のUI画面が表示される。通知ユニット215のUI画面では、例えば用紙なしエラーの詳細メッセージや用紙充填方法などの表示を行うことができる。
【0048】
なお、拡張アプリケーション210は一度印刷装置102へ印刷データを送信してしまうと、各ユニットの処理途中で印刷データに紐づくガイドなどの画面表示は行うことができない。
【0049】
また、本実施形態を実現するための拡張アプリケーション210の構成は、前述の機能(ユニット)を全て備えるものに限定されず、機能の一部のみを持つものや、他の機能を有するものでもよい。また、拡張アプリケーション210は、単に印刷ソフトウェアと呼ばれることもある。
【0050】
<印刷設定画面の表示>
図3は、印刷装置102としてプリンターAが接続されている場合の印刷設定画面拡張ユニット211が表示する画面の一例である。印刷設定画面拡張ユニット211は、描画アプリケーション201上でユーザーがプリンターAの印刷設定画面の表示を指示した場合に、OSから呼び出される。印刷設定画面拡張ユニット211は、OSから取得できるプリンターAのPCに基づき、印刷データ生成ソフトウェア202で指定可能な印刷機能の設定値をユーザーが指定可能な画面を表示する。
【0051】
ここで、PCはOSがPDCに基づいて生成するものであり、プリンターAのPDCの例を
図4(a)のPDC401に、PCの一例を
図4(b)のPC403に示す。PDC401内のpsftype=“Feature”の情報は、印刷装置がサポートする機能を示し、PageMediaSize402の情報は、用紙サイズの機能が設定可能であることを示している。psftype=“Option”の項目は、各機能で設定可能な設定値を示し、用紙サイズ(PageMediaSize402)として、ISOA4サイズなどが設定できることを示している。
【0052】
各設定値(Option)内のScoredPropertyは、各設定値の詳細なパラメータを示している。例えば用紙サイズ(PageMediaSize402)では、各サイズの幅(MediaSizeWidth)や高さ(MediaSizeHeight)の情報を備えている。PC403は、PDC401に基づき生成されたものであり、PDC401のPageMediaSize402の情報が、PC403のPageMediaSize404として生成され、ISOA4などの各設定値もそれぞれ生成されている。
【0053】
図3(a)は、ユーザーの指示により印刷設定画面301が表示された直後の状態を示しており、各種印刷設定は初期設定となっている。お気に入り302は、任意の印刷設定値の組み合わせであるお気に入り設定を選択するための項目であり、任意のお気に入り設定を選択すると、そのお気に入り設定に保存されている印刷設定値の組み合わせを印刷設定画面に反映する。
【0054】
拡張アプリケーション201は、OSによりインストールされた時、各設定値をインストール直後の値に戻す標準設定のお気に入り設定を共有情報216に保存する。拡張アプリケーション201が、共有情報216に保存したお気に入り設定の管理データの例を
図5(a)に示す。
図5(a)は、拡張アプリケーション201がインストールされた直後の状態を示しており、標準設定のみ登録されている状態である。
【0055】
お気に入り設定の管理データとしては、管理するためのID、登録したお気に入り名、コメント、お気に入りを保存した印刷装置の種別、お気に入り設定として保存されている設定値を対応付けて格納している。管理データとして格納する情報は、これらの一部としても他の情報を含めてもよい。
【0056】
ここで、標準設定は、全ての機種に共通したお気に入り設定であるため、種別としては全ての印刷装置で使えることを示すALLという情報を保存する。標準設定は、インストール直後の初期値に戻すためのお気に入り設定であるため、設定値としては特定の値を保存せず、PDCに記載されている各設定の初期値(
図4(a)のdefault=“true”のOption)を読み込み反映する。なお、本実施例では、標準設定のみが拡張アプリケーション201がインストールされた時に登録(プリインストール)されるお気に入り設定として説明するが、他の設定値の組み合わせを予め登録しても良い。
【0057】
コメントは、ユーザーにどのような設定値の組み合わせであるか任意の文字列で伝えるためのものであり、本実施形態では、後述するお気に入りの編集画面1501のコメント1504に表示するために使用する。
【0058】
追加ボタン303は、現在設定されている印刷設定の組み合わせをお気に入り設定として保存するためのボタンである。編集ボタン304は、保存されているお気に入り設定を編集するためのボタンである。
【0059】
アプリケーションの設定を優先させるチェックボックス305は、チェックオンの状態でお気に入り設定を反映させた場合、アプリケーションの設定を優先させる機能である。すなわちチェックボックス305は、用紙サイズや印刷の向きなど、描画アプリケーション201からユーザーがプリンターAの印刷設定画面を開かずとも設定可能な印刷設定については、お気に入り設定を反映させないようにする機能である。
【0060】
用紙の種類306、用紙サイズ307、印刷の向き308、給紙口309、印刷品質310、カラーモード311、レイアウト312、両面印刷313は、OSから取得できるPCに基づき印刷装置がサポートしている各種選択肢を決定している。ユーザーは、表示された選択肢の中から任意の選択肢を選択することで、任意の印刷設定を行うことができる。
【0061】
OKボタン314は、現在選択されている各種設定値を印刷設定(PT)に保存し、印刷設定画面301を閉じるためのボタンである。キャンセルボタン315は、印刷設定を保存せずに印刷設定画面301を閉じるためのボタンである。
【0062】
<お気に入り設定の保存>
次にお気に入り設定の保存例について説明する。
【0063】
図3(b)は、
図3(a)の状態から、ユーザーが給紙口309をカセット2に、レイアウト312を2 in 1に、両面印刷313をする(長辺とじ)に変更した状態を示している。本状態の設定値の組み合わせをお気に入り設定として保存したい時、ユーザーはお気に入りの追加ボタン303を押下する。お気に入りの追加ボタン303を押下されると、お気に入りの追加画面が表示される。
【0064】
図6(a)に、お気に入りの追加ボタン303を押下した時に表示されるお気に入りの追加画面の一例を示す。
図6(a)に示すお気に入りの追加画面601では、ユーザーが、名称602に任意のお気に入り設定の名称(お気に入り名)、コメント603に任意のテキストを入力する。そして、OKボタン604を押下することで、お気に入りの追加ボタン303を押下した時の印刷設定の設定値の組み合わせをお気に入り設定として保存することができる。
【0065】
図7(a)に、ユーザーがOKボタン604を押下した際に実行される処理フローを示す。
【0066】
ユーザーがOKボタン604を押下すると、印刷設定画面拡張ユニット211は、S701の処理を実行する。S701では、印刷設定画面拡張ユニット211は、お気に入りの追加画面601の名称602に入力されたお気に入り名称をチェックし、何も入力されていない空白の状態、またはプリインストールされているお気に入り設定と同じ名称であるか判断する。名称602が空白、またはプリインストールされているお気に入り設定である「標準設定」という名称である場合、S702にて警告ダイアログボックスを表示し、処理を終了する。
【0067】
S702にて印刷設定画面拡張ユニット211が表示する警告ダイアログボックスの一例を
図6(b)に示す。警告ダイアログボックス611は、入力した名称では保存できない旨を伝えるメッセージ612、および警告ダイアログボックス611を閉じるためのボタン613を備える。ユーザーがボタン613を押下すると、印刷設定画面拡張ユニット211は、警告ダイアログボックス611を閉じ、お気に入りの追加画面601に戻る。
【0068】
S701にて、印刷設定画面拡張ユニット211により、名称602が空白ではない、かつプリインストールされているお気に入り設定である標準設定という名称とは違うと判断された場合、S703に進む。
【0069】
S703では、印刷設定画面拡張ユニット211は、お気に入りの追加画面601の名称602に入力されたお気に入り名称が、共有情報216に保存されているお気に入り管理データの中に存在するかチェックする。S703にて同じ名称が存在すると判断された場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、S704にて既存の同名のお気に入り設定を上書きするか確認するための確認ダイアログボックスを表示する。
【0070】
S704にて表示する確認ダイアログボックスの一例を
図6(c)に示す。確認ダイアログボックス621では、同名のお気に入り設定を上書きするかを確認するメッセージ622、同名のお気に入り設定の上書きを指示するOKボタン623、同名のお気に入り設定の上書きを指示しないキャンセルボタン624を備える。
【0071】
確認ダイアログボックス621にて、ユーザーがOKボタン623を押下した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、S705にてYesと判断し、S706の処理に進む。確認ダイアログボックス621にて、ユーザーがキャンセルボタン624を押下した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、確認ダイアログボックス621を閉じ、S705にてNoと判断し、処理を終了してお気に入りの追加画面601に戻る。
【0072】
お気に入り保存データに同じ名称のお気に入りが存在しなかった場合(S703:No)、または、お気に入り保存データに同じ名称のお気に入りが存在し上書きを指示した場合(S705:Yes)、印刷設定画面拡張ユニット211は処理をS706へ進める。S706にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、現在開いている印刷設定画面に関連付いた印刷装置の種別を取得する。印刷装置の種別の判定処理の詳細は、
図7(b)に示す。
【0073】
図7(b)は、印刷設定画面拡張ユニット211によるS706の処理の詳細フローを示すフローチャートである。なお、
図7(b)のフローは、S706で取得する情報が、印刷装置102のIPPのGet-Printer-Attributesオペレーションのレスポンスによって得られる情報であることを前提としている。しかし、
図7(b)のフローは、その他の方法で得られる情報を用いてデバイス種別の判断を行うフローであってもよい。
【0074】
S711で、印刷設定画面拡張ユニット211は、IPPのGet-Printer-Attributesオペレーションに対する印刷装置102からのレスポンスにmarker-types属性が含まれるかを確認する。
【0075】
S711でYesと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット205は、S712で、当該marker-types属性値がink-cartridgeであるかを確認する。
【0076】
S712でYesと判断された場合、印刷設定画面拡張ユニット205は、S713で印刷装置102のデバイス種別をインクジェットデバイス(IJ)と判断する。ここで、marker-types属性及びink-cartridge属性値は、IPPで定義された属性及び属性値である。
【0077】
S711でNoと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット205は、S715で印刷装置102のIPPのGet-Printer-Attributesオペレーションのレスポンスにprinter-supply属性が含まれるかを確認する。ここで、printer-supply属性は、IPPで定義された属性である。
【0078】
S715でYesと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、S716で、当該printer-supply属性値にtype=tonerが含まれているかを確認する。
【0079】
S806でYesと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、S717で印刷装置102のデバイス種別を電子写真デバイス(EP)と判断する。ここで、printer-supply属性及びtype=toner属性値は、IPPで定義された属性及び属性値である。
【0080】
印刷設定画面拡張ユニット211は、S712、S715、またはS716でNoと判断した場合、S714で印刷装置102のデバイス種別をその他であると判断する。
【0081】
なお、
図7(b)では、印刷設定画面拡張ユニット205は、印刷装置102のIPPのGet-Printer-Attributesオペレーションのレスポンスによって得られる情報に基づきデバイス種別を判断する。しかし、印刷設定画面拡張ユニット205は、それ以外の情報に基づき判断しても良い。例えば、印刷装置102から別の方法で取得した情報に基づきデバイス種別を判断しても良い。
【0082】
また、印刷装置102から取得した印刷装置102の名称やサポートしている設定等の情報と、拡張アプリケーション204が有するテーブル情報に基づき判断しても良い。また、テーブル情報は、不図示のサーバーから取得するように構成しても良い。また、デバイス種別をEPとIJとしているが、サポートしている機能情報から、家庭向けプリンター、オフィス向けプリンター、写真印刷向けプリンターなど、プリンターの用途を種別としても良い。
【0083】
図7(a)のフローの説明に戻る。次に、S707にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、現在の印刷設定(PT)をOSから取得する。S707にて取得したPTの例を
図8に示す。
【0084】
図8のPT801は、お気に入りの追加ボタン303を押下した時の
図3(c)の設定を表しており、給紙方法(JobInputBin)802にカセット2(Cassette2)が設定されている。また、両面印刷(JobDuplexAllDocumentsCotiguously)803に長辺とじ(TwoSideLongEdge)が設定される。そして、レイアウト(JobNupAllDocumentsCotiguously)804に2 in 1(2)が設定される。
【0085】
最後に、印刷設定画面拡張ユニット211は、S708にて、S706で取得した印刷装置の種別、およびS707で取得した印刷設定を、共有情報216のお気に入り管理データとして保存する。
図5(b)に、新たなお気に入り設定を保存(追加)した後のお気に入り管理データの一例を示す。
【0086】
図5(b)では、プリインストールされている標準設定のお気に入り設定の次のお気に入り設定として、
図6(a)の名称で指定した2 in 1(両面)のお気に入り設定が登録されている。
【0087】
お気に入り設定の種別は、S706にて取得した種別であり、本実施例のプリンターAは、EPデバイスである例を示しており、2 in 1(両面)の種別としては、EPデバイスを示すEPの文字列が保存されている。本実施例では種別を文字列で保存しているが、種別を特定できる任意の値で保存しても良い。追加した2 in 1(両面)の設定値は、
図3(b)の設定であり、本例ではPTに記述されたすべての設定値を保存している。
【0088】
図5(b)の設定値に示している設定の保存形式は一例であり、独自のバイナリ形式で保存してもよい。また、PTに記述されるすべての印刷設定項目の設定値を保存するのではなく、初期値から変更のあった印刷設定項目の設定値のみ保存し、変更箇所していない印刷設定は初期値を反映する仕組みにしても良い。
【0089】
2 in 1(両面)のお気に入り設定が保存された後、印刷設定画面拡張ユニット211が表示する印刷設定画面において、お気に入り302として2 in 1(両面)のお気に入り設定を選択した画面を
図3(c)に示す。
図3(c)では、
図3(b)の設定値をそのままに、お気に入り302として、
図6(a)で保存したお気に入り名称が表示されている。
【0090】
<異なる種別の印刷装置の印刷設定画面>
次に、拡張アプリケーション201が
図5(b)に示すお気に入り管理データを共有情報216に保存している状態で、印刷装置102として
図3とは異なるプリンターBの印刷設定画面を開いた時の状態を説明する。なお、プリンターBは、インクジェットデバイス(IJ)であり、プリンターAの種別(EP)とは異なるものとする。
【0091】
図9(a)は、印刷装置102としてプリンターBが接続されている場合の印刷設定画面拡張ユニット211が表示する画面の一例である。印刷設定画面拡張ユニット211は、描画アプリケーション201上でユーザーがプリンターBの印刷設定画面の表示を指示した場合に、OSから呼び出される。
【0092】
印刷設定画面拡張ユニット211は、OSから取得できるプリンターBのPCに基づき、印刷データ生成ソフトウェア202で指定可能な印刷機能の設定値をユーザーが指定可能な画面を表示する。ここで、PCはOSがPDCに基づいて生成するものであり、プリンターBのPDCの例を
図10(a)のPDC1101に、PCの一例を
図10(b)のPC1103に示す。
【0093】
本実施形態では、プリンターBは、プリンターAとの差として、給紙口の設定としてカセット2をサポートしていないものとする。よって、給紙口の機能を示すJobInputBin1102及びJobInputBin1104に、カセット2(Cassette2)の設定値(Option)が存在しない。また、プリンターBは、プリンターAとの差として、両面印刷もサポートしていないため、PDC1101及びPC1103に両面印刷を示すJobDuplexAllDocumentsCotiguouslyが存在しない。
図9にて
図3と同じ機能については同じ番号で記載し、詳細は省略する。
【0094】
図9(b)は、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の一例を示しており、選択可能なお気に入り設定の一覧1002が表示された状態を示している。
図9(b)では、プリンターAの印刷設定にて保存した2 in 1(両面)のお気に入り設定は、種別が異なるお気に入り設定として通知アイコン1003を表示している。ユーザーがポインティングデバイス117にて、カーソルを2 in 1(両面)に重ねると、ツールチップ1004にて異なる印刷装置で保存されたお気に入り設定である旨のメッセージを表示する。
【0095】
お気に入り302のコンボボックス内のデータを作成する処理を、
図11に示す。本処理は、印刷設定画面拡張ユニット211がOSから呼び出される際に実行される処理である。印刷設定画面拡張ユニット211はOSから呼び出されると、S1201にて現在開いている印刷設定画面に関連付いた印刷装置の種別を取得する。S1201の処理の詳細は、
図7(b)と同一であり詳細の説明は省略する。なお、本実施例では、
図9の印刷設定に関連付いたプリンターBは、印刷装置の種別としてIJと判定されるものとする。
【0096】
次にS1202にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、
図5(b)に示すお気に入り管理データからお気に入りデータを一つ取得する。
【0097】
その後、S1203にて印刷設定画面拡張ユニット211は、S1202にて取得したお気に入りデータの種別が、S1201にて取得したプリンターBの種別と一致するか比較する。具体的には、
図5(b)のお気に入り管理データでは、一つ目のお気に入り設定として標準設定のデータが取得される。標準設定は、全ての印刷装置に対応するお気に入り設定であるため、種別としてはALLとしており、その場合は、S1201にて取得した印刷装置の種別がいかなるものでもS1203の判定では一致するものとする。
【0098】
S1203にて一致と判断された場合、印刷設定画面拡張ユニット211はS1204にて、お気に入り302のコンボボックスのアイテムとして、S1202に取得したお気に入り名を追加する。つまり、一つ目のデータが標準設定の場合、標準設定が追加される。
【0099】
その後、印刷設定画面拡張ユニット211はS1205にてお気に入り管理データから全てのお気に入りを取得したか判断する。
図5(b)に示すお気に入り管理データの場合、一つ目の標準設定を取得後、2 in 1(両面)のお気に入りデータが残っているため、Noと判断され、再度S1202にて次のデータである2 in 1(両面)が読み込まれる。
【0100】
S1201にて取得した
図9の印刷設定に関連付いているプリンターBの種別はIJで、S1202にて取得した2 in 1(両面)の種別はEPであるため、S1203にて、Noと判断されS1205の処理が実行される。
【0101】
S1205では、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1202にて取得したお気に入り名をお気に入り302のコンボボックスのアイテムとして追加する際、通知用のオブジェクト1003を付与し追加する。よって、2 in 1(両面)のお気に入り名が通知用オブジェクト1003付きでコンボボックスに追加されることになる。なお、ユーザーが違いを認識できれば、オブジェクト1003に替えて、お気に入り名の背景色を変えて表示する等、任意の表示方法を採用してよい。
【0102】
その後、S1206にて
図5(b)の全てのお気に入りを取得したか判定し、標準設定、2 in 1(両面)と全てのお気に入りを取得したためYesと判断され、S1207にてお気に入りのコンボボックスを表示する。
【0103】
<お気に入り設定の反映>
選択可能なお気に入り設定の一覧1002の中から任意のお気に入り設定をユーザーが選択すると、選択したお気に入り設定に保存されている設定値の組み合わせを印刷設定に反映する。
【0104】
図12にユーザーが任意のお気に入り設定を選択した時に、印刷設定画面拡張ユニット211が実行する処理のフローを示す。
【0105】
ユーザーが任意のお気に入り設定を選択すると、印刷設定画面拡張ユニット211はS1301にて印刷設定画面に関連付いた(印刷出力先として選択された)印刷装置の種別を取得する。S1301の処理詳細は、
図7(b)と同様であり、詳細は割愛する。
図9の印刷設定画面に関連付いたプリンターBの種別はIJと判断されるものとする。
【0106】
次にS1302にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1301にて取得した印刷設定の種別と、選択可能なお気に入り設定の一覧1002の中から選択したお気に入り設定の種別が一致するか判定する。S1302にて、種別が一致すると判定された場合、S1305の処理に進む。S1302にて、種別が不一致であると判定された場合、S1303の処理へ進み、印刷設定画面拡張ユニット211はお気に入り設定を反映させるか、ユーザーに選択させる画面を表示する。
図13に、S1303にて、印刷設定画面拡張ユニット211が表示する反映確認画面の例を示す。
【0107】
図13の反映確認画面1401は、お気に入り設定の反映を確認する旨のメッセージ1402、反映を許可するOKボタン1403、反映をキャンセルするキャンセルボタン1404を備える。ユーザーが、OKボタン1403を押下すると、S1304で印刷設定画面拡張ユニット211は反映を許可したと判断し、S1305に進む。ユーザーが、キャンセルボタン1404を押下した場合は、S1304で印刷設定画面拡張ユニット211は反映を拒否したと判断し、何も行わずに処理を終了する。
【0108】
S1302にて印刷装置とお気に入りの種別が一致した場合、またはS1304にて異なる種別のお気に入り設定の反映を許可した場合、S1305にて印刷設定画面拡張ユニット211は、選択したお気に入り設定の設定値を取得する。
【0109】
次に、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1306にて印刷出力先として選択されている印刷装置102に対応する(ここではプリンターBの)PCをOSから取得する。
【0110】
その後、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1307にて、S1305に取得した選択したお気に入り設定の設定値の中から一つを読み込む。
【0111】
S1308にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1307にて読み込んだお気に入り設定の設定値が、S1306で取得した印刷装置のPCにてサポートしている機能(Feature)か判断する。S1308にてお気に入り設定の設定値がサポートしていない機能と判断された場合、S1315の処理に進む。S1308にてお気に入り設定の設定値がサポートしていると判断された場合、S1309の処理に進む。
【0112】
S1309では、印刷設定画面拡張ユニット211は、
図9に示す(描画)アプリケーションの設定を優先させるチェックボックス305の設定がONになっているかを判断する。チェックボックス305がONになっている場合、S1310にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1307に読み込んだ設定値の機能が、アプリケーションの設定を優先させる機能であるか判断する。
【0113】
具体的には印刷設定画面拡張ユニット211は、S1307に読み込んだ設定値の機能が、用紙サイズ、印刷の向きであるのか判定し、該当する設定である場合、S1314へ進む。S1314にて、印刷設定画面拡張ユニット211はアプリケーションで設定された設定値を印刷設定画面の該当機能に反映させ、処理をS1315へ進める。なお、アプリケーションの設定を優先させる機能として、用紙サイズ、印刷の向き以外にも該当する機能があれば、それらも判定に加えて良い。
【0114】
S1309にて、アプリケーションの設定を優先させるチェックボックス305がOFFと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット211はS1311へ処理を進める。また、S1310にて、S1307で読み込んだ設定値がアプリケーションの設定を優先させる機能でないと判断した場合、印刷設定画面拡張ユニット211はS1311へ処理を進める。
【0115】
S1311では、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1307にて読み込んだお気に入りの設定値が、S1306で取得したPCにてサポートしている設定値(Option)であるか判定する。S1311にて、S1307で読み込んだお気に入りの設定値が、サポートしている設定値であると判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は処理をS1312へ進める。S1312にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1307にて読み込んだお気に入りの設定値を印刷設定画面の該当機能に反映させる。
【0116】
S1311にて、S1307にて読み込んだお気に入りの設定値が、サポートしていない設定値であると判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は処理をS1313へ進める。S1313にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、PDC1101から該当する機能の設定値の初期値を、印刷設定画面の該当する機能に反映させる。
【0117】
具体的には、
図9のプリンターBの印刷設定画面において、ユーザーが、2 in 1(両面)のお気に入り設定を選択した場合、2 in 1(両面)のお気に入り設定としては、給紙口にカセット2が設定されている。しかし、プリンターBとしては給紙口の設定値としてカセット2をサポートしていない(PDC1101のJobInputBin1102に、Cassette2のOptionが存在しない)。
【0118】
そのため、2 in 1(両面)のお気に入り設定を選択した場合、給紙口の設定値は、PDC1101の給紙口1102の設定値の初期値(default=“true”のOption)である自動(AutoSelect)が設定されることになる。
【0119】
S1308にてNoと判断された、またはS1312、S1313、S1314を実行後に、S1315にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1305で取得したお気に入り設定の設定値をすべて読み込んだかチェックする。全てのお気に入り設定を読み込んでいない場合、S1307に戻り、次のお気に入り設定を読み込み、読み込んだ設定値に関してその後の処理を行う。
【0120】
S1315にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1305で取得したお気に入り設定の設定値をすべて読み込んだと判定した場合、処理を終了する。
【0121】
図9(c)の印刷設定画面は、
図9(b)の選択可能なお気に入り設定の一覧1002の中から、2 in 1(両面)のお気に入り設定を反映させた状態を示している。
図9(b)の選択可能なお気に入り設定の一覧1002の中から、ユーザーが2 in 1(両面)を選択すると、
図13のお気に入り設定反映確認画面1401が表示される。設定反映確認画面1401にて、ユーザーがOKボタン1403を押下すると、
図9(c)の印刷設定画面の状態になる。
【0122】
具体的には、
図9(a)の印刷設定から、給紙口309に初期値である自動、レイアウト312に2 in 1が設定されている。その他の設定は、
図9(a)と同一の設定が反映され、または、アプリケーションの設定を優先させる305の設定によりそのままの状態となっている状態を示している。ユーザーは、OKボタン314を押下することで、印刷設定画面1001の印刷設定をPTに反映し、印刷データの生成時に使用される。
【0123】
<お気に入り設定の編集>
図14(a)は、
図9にて、お気に入りの編集ボタン304を押下した時に、印刷設定画面拡張ユニット211が表示するお気に入りの編集画面の一例である。お気に入り編集画面1501は、保存されているお気に入り一覧1502、お気に入り一覧1502にて選択しているお気に入り設定の名称1503、コメント1504、設定内容1505を表示する。また、お気に入り一覧1502にて選択しているお気に入り設定を削除するボタン1506、最終的な変更内容を反映するOKボタン1507、何も行わずにお気に入り編集画面1501を閉じるキャンセルボタン1508を備える。
【0124】
図14は、お気に入り一覧1502にて、2 in 1(両面)のお気に入り設定が選択されている状態を示しており、2 in 1(両面)の名称、コメント、設定内容が表示されている状態を示している。
【0125】
お気に入り編集画面1501が表示されると、お気に入り一覧1502に保存されているお気に入りの一覧を表示する。お気に入り一覧1502に保存されているお気に入りの一覧を表示する際の処理フローを
図15に示す。
図11と同様の処理については同じ番号で示し、詳細の説明は省略する。
【0126】
ユーザーが、お気に入りの編集ボタン304を押下すると、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1203にて、取得した印刷装置の種別と取得したお気に入りの種別が一致するか判定する。
【0127】
S1203にて、一致すると判断された場合、S1601にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、取得したお気に入りの名称をお気に入り一覧のリストボックスのアイテムに追加する。S1203にて、一致しないと判断された場合、S1601にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、取得したお気に入りの名称に通知用オブジェクトを付与してお気に入り一覧のリストボックスのアイテムに追加する。
【0128】
S1206にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、全てのお気に入りを取得したと判定した場合、S1603にてお気に入り一覧のリストボックスを表示する。
【0129】
図14(a)では、2 in 1(両面)のお気に入り設定が、
図9の印刷設定に関連付いているプリンターBの種別と異なると判断された場合の例であり、通知用オブジェクト1509が付与されて表示されている。なお、ユーザーが違いを認識できれば、オブジェクト1509に替えて、お気に入り名の背景色を変えて表示する等、任意の表示方法を採用してよい。
【0130】
お気に入り一覧1502にて任意のお気に入り設定を選択した時の処理フローを、
図16に示す。ユーザーが、お気に入り一覧1502にて、任意のお気に入り設定を選択すると、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1701にて選択したお気に入り設定のデータを取得する。次に、S1702にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1701で取得したお気に入り設定のデータ内のお気に入り名を名称1503に表示する。その後、S1703にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1701で取得したお気に入り設定データ内のコメントをコメント1504に表示する。
【0131】
次に、S1704にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、印刷出力先として選択されている印刷装置102に対応する(ここではプリンターBの)PCをOSから取得する。その後、S1705にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1701で取得したお気に入り設定のデータの中から印刷設定の一つを読み込みS1706の処理を行う。
【0132】
S1706では、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1705で読み込んだお気に入りの設定値が、S1704で取得したPCにてサポートしている機能(Feature)であるか判定する。S1706にて、S1705で読み込んだお気に入りの設定値が、サポートしている機能であると印刷設定画面拡張ユニット211により判定された場合、S1707の処理に進む。
【0133】
S1707では、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1705にて読み込んだお気に入りの設定値が、S1704で取得したPCにてサポートしている設定値(Option)であるか判定する。S1707にて、お気に入りの設定値がPCでサポートされている設定値と印刷設定画面拡張ユニット211により判定された場合、印刷設定画面拡張ユニット211はS1708に処理を進める。S1708にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1705で読み込んだお気に入りの設定値を、お気に入りの編集画面1501の設定内容のリストボックスに追加する。
【0134】
S1707にて、S1705にて読み込んだお気に入りの設定値が、PCでサポートされていない設定値と印刷設定画面拡張ユニット211により判定された場合、印刷設定画面拡張ユニット211はS1709に処理を進める。S1709にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、PDC1101から該当する機能の設定値の初期値を、通知用オブジェクト1510を付与してお気に入りの編集画面1501の設定内容のリストボックス1505に追加する。
【0135】
具体的には、
図14のプリンターBのお気に入りの編集画面において、ユーザーが、2 in 1(両面)のお気に入り設定を選択した場合、当該お気に入り設定では給紙口にカセット2が設定されている。しかし、プリンターBとしてはカセット2の設定値をサポートしていない(PC1103の給紙口1104に、Cassette2のOptionが存在しない)。
【0136】
そのため、2 in 1(両面)のお気に入り設定を選択した場合、給紙口の設定値は、PDC1101の給紙口1102の設定値の初期値(default=“true”のOption)が設定される。すなわち、給紙口の設定値は、自動(AutoSelect)が通知用オブジェクト1510が付与された状態で表示されることになる。なお、ユーザーが違いを認識できれば、オブジェクト1510に替えて、お気に入り名の背景色を変えて表示する等、任意の表示方法を採用してよい。
【0137】
なお、ユーザーがポインティングデバイス117で、通知用オブジェクト1509が付与されたお気に入り設定、または通知用オブジェクト1510が付与された設定値にカーソルを重ねると、ツールチップでメッセージ表示するようにしても良い。
図14(b)に、ユーザーがポインティングデバイス117で、通知用オブジェクト1510が付与された設定値にカーソルを重ねた場合に、メッセージ1511をツールチップで表示した場合の例を示す。
【0138】
S1706にてNoと判断された、またはS1708、S1709の実行後に、S1710にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1701で取得したお気に入り設定の設定値をすべて読み込んだかチェックする。S1701で取得したお気に入り設定の設定値をすべて読み込んでいないと判定した場合、S1705に戻り、次のお気に入り設定の設定値を読み込み、読み込んだ設定値に関してその後の処理を行う。
【0139】
S1710にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1701で取得したお気に入り設定の設定値をすべて読み込んだと判定した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は処理をS1711に進める。S1711で、印刷設定画面拡張ユニット211は、お気に入り設定内容1505のリストボックスの表示を更新し処理を終了する。
【0140】
お気に入りの編集画面1501の名称1503及びコメント1504には、お気に入り一覧1502にて選択したお気に入りに登録されている名称及びコメントが表示されるが、任意の名称及びコメントに変更することが可能である。ユーザーが名称1503及びコメント1504を変更し、OKボタン1507を押下した場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、共有情報216のお気に入り管理データ中の情報を変更後の名称及びコメントに変更する。
【0141】
また、お気に入りの編集画面1501のお気に入り設定の名称1503、コメント1504を変更した場合は、一時領域内のデータが編集される。また、削除ボタン1506を押下すると、お気に入り一覧1502にて選択しているお気に入り設定を削除することが可能であるが、削除ボタン1506を押下した段階では一時領域内のデータから対象のお気に入りを削除する。ユーザーがOKボタン1507を押下したとき、印刷設定画面拡張ユニット211が、変更された一時領域内のデータを共有情報216のお気に入り管理データに反映する。
【0142】
また、標準設定などプリインストールされているお気に入りを選択した時は、変更できないように名称1503、コメント1504及び削除ボタン1506はグレーアウトする。
【0143】
以上のように、本実施形態における印刷システムでは、拡張アプリケーションより、ユーザーが任意の印刷設定の組み合わせを複数登録することができ、登録した印刷設定の組み合わせを設定して印刷可能となる。
【0144】
<<第2の実施形態>>
以下では、第2の実施形態について説明する。本実施形態は、拡張アプリケーションに新しく関連付けられた印刷装置の印刷設定画面を起動したときに、他の印刷装置の印刷設定で保存したお気に入り設定の中から、使用するお気に入り設定を選択させる実施例である。なお、以下、説明において言及がない構成や処理については第1の実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0145】
本実施形態では、「お気に入りサポート管理データ」が共有情報216に保存される。お気に入りサポート管理データは、各印刷装置102がサポートしているお気に入り設定を管理(保存)したものである。ここで、各印刷装置102がサポートしているお気に入り設定とは、各印刷装置102で利用するお気に入り設定を表し、必ずしもお気に入り設定に含まれるすべての機能や設定値を印刷装置102で実行可能でなくてもよい。本実施形態では、各印刷装置102で利用する(サポートする)お気に入り設定をユーザーが選択する場合を説明する。
【0146】
図17は、本実施形態において、印刷設定画面拡張ユニット211が、OSの指示により起動される時に実行される処理フローである。印刷設定画面拡張ユニット211が、OSの指示により起動されると、印刷設定画面拡張ユニット211はS1801を実行する。すなわち、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1801にて、共有情報216に保存しているお気に入りサポート管理データに、現在起動しようとしている印刷設定画面に関連付いた印刷装置102のデータが存在するか確認する。
【0147】
第2の実施形態における拡張アプリケーションのお気に入り管理データの一例を
図5(c)に示す。また、お気に入りサポート管理データの例を
図18に示す。本実施例では、プリンターAの種別はEP、プリンターBの種別はIJとし、それぞれの機種の印刷設定でお気に入り設定を登録した状態を
図18(a)として示している。サポートお気に入りの番号は、お気に入り管理データのIDを示しており、
図5(c)のお気に入り管理データに対応しているものとする。
【0148】
図5(c)のお気に入り管理データでは、標準設定は、全機種共通のプリインストールされるお気に入り設定であり、ALLの種別で保存されている。2 in 1(両面)は第一の実施形態同様に、プリンターAの印刷設定にて保存したお気に入り設定であり、EPの種別として保存されている。また、お気に入り1とお気に入り2は、プリンターBの印刷設定にて保存したお気に入り設定であり、IJの種別として保存されている。本実施形態では、お気に入り1とお気に入り2の設定値については記載を省略するが、実際は何らかの設定値の組が保存されている状態である。
【0149】
図17の処理に説明を戻す。S1801にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、お気に入りサポート管理データ内に、現在起動しようとしている印刷設定画面に関連付いた印刷装置102のデータが存在するか確認する。
【0150】
お気に入りサポート管理データに、現在起動しようとしている印刷設定画面に関連付いた印刷装置102のデータが存在する場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、処理をS1806へ進める。S1806において、印刷設定画面拡張ユニット211は、当該印刷装置102に対応するサポートお気に入りが示すお気に入り設定を印刷設定画面で選択可能に表示する。
【0151】
お気に入りサポート管理データに、現在起動しようとしている印刷設定画面に関連付いた印刷装置102のデータが存在しない場合、印刷設定画面拡張ユニット211は、処理をS1802の処理に進める。S1802では、印刷設定画面拡張ユニット211は、お気に入り管理データにプリインストールされている標準設定以外のお気に入り設定が存在するか確認する。S1802にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、お気に入り管理データにプリインストールされている標準設定以外のお気に入り設定が存在すると判断した場合、S1803にてお気に入り選択画面を表示する。
【0152】
具体的には、
図18(a)のお気に入りサポート管理データが保存された状態にて、プリンターCの印刷設定画面をユーザーが初めて起動した場合、
図18(a)のお気に入りサポート管理データにプリンターCの情報がない。したがって、S1801でNoと判断されS1802が実行される。次にS1802にて、
図5(c)のお気に入り管理データに標準設定以外のお気に入り設定が存在すると判断されるため、S1803の処理へ進む。
【0153】
図19に、S1803で印刷設定画面拡張ユニット211が表示するお気に入りの選択画面の一例を示す。お気に入り選択画面2101は、保存されているお気に入り一覧2102、お気に入り一覧2102にて選択しているお気に入り設定のコメント2103、設定内容2104を表示する。また、お気に入り一覧2102にて選択しているお気に入り設定を登録し本画面を閉じるOKボタン2105を備える。
【0154】
図19は、お気に入り一覧2102にて、2 in 1(両面)のお気に入り設定が選択されている状態を示しており、2 in 1(両面)の名称、コメント、設定内容が表示されている状態を示している。お気に入り一覧2102は、
図5(c)のお気に入り管理データに登録されているお気に入り設定の一覧を表示するが、標準設定は、お気に入り一覧2102には表示せず、どの機種でも選択できる状態にするため無条件でサポート対象とする。
【0155】
現在起動しようとしている印刷設定画面拡張ユニット211に関連付いた印刷装置102の種別とは異なる種別の印刷装置の印刷設定で保存されたお気に入り設定については通知用オブジェクト2106を付与する。また、サポートしていない設定内容については、通知用オブジェクト2107を付与する。なお、同じ種別の印刷装置の印刷設定で保存されたお気に入り設定についても、サポートしていない設定内容(機能、設定値)が含まれる場合に通知用オブジェクト2106を付与することとしてもよい。
【0156】
なお、ユーザーが違いを認識できれば、オブジェクト2106、2107に替えて、お気に入り名の背景色を変えて表示する等、任意の表示方法を採用してよい。ユーザーがポインティングデバイス117にて、カーソルを通知用オブジェクト2106に重ねると、ツールチップにて異なる種別の印刷装置で保存されたお気に入り設定である旨のメッセージが表示されても良い。また、ユーザーがポインティングデバイス117にて、カーソルを通知用オブジェクト2107に重ねると、ツールチップにて対象の設定値が初期値に変更された旨のメッセージが表示されても良い。
【0157】
図19では、プリンターCの印刷設定で使用するお気に入り設定として、2 in 1(両面)とお気に入り2をユーザーがチェックONにした状態である。ユーザーが、お気に入り選択画面2101のOKボタン2105を押下するとS1804の処理に進む。S1804では、印刷設定画面拡張ユニット211が、プリインストールのお気に入りである標準設定と、お気に入り一覧2102にて選択(チェックON)されたお気に入り設定を、
図18(a)のお気に入りサポート管理データに登録する。
【0158】
登録後のお気に入りサポート管理データを
図18(b)に示す。
図18(b)のお気に入りサポート管理データでは、現在起動しようとしている印刷設定画面拡張ユニット211に関連付いたプリンターCに、次のお気に入り設定がサポートお気に入りとして関連付けられていることを示す。すなわち、標準設定のIDである1、お気に入り選択画面2101にて選択した2 in 1(両面)のIDの2、およびお気に入り2のIDの4がプリンターCのサポートお気に入りとして関連付けられていることを示す。
【0159】
そして、印刷設定画面拡張ユニット211は、S1806にて、サポートお気に入りとして関連付けられているお気に入り設定を選択可能な印刷設定画面を表示し処理を終了する。
【0160】
S1806にて表示する印刷設定画面の一例を
図20(a)に示す。
図3と同一の機能については同一の番号で示し、説明は省略する。
図20(b)は、プリンターCの印刷設定画面2201のお気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックし、選択可能なお気に入り設定の一覧2202が表示された状態の一例を示している。お気に入り設定の一覧2202は、
図18(b)のお気に入りサポート管理データにて、プリンターCがサポートしているお気に入り設定を表示している状態である。
【0161】
お気に入り302のコンボボックスを表示する際の処理の詳細を
図21のフローに示す。
図11と同一の処理については同一の番号で記載し、説明は省略する。
【0162】
まず、S2301において、印刷設定画面拡張ユニット211は、
図18(b)に示すお気に入りサポート管理データから、印刷設定に関連付いた印刷装置であるプリンターCのお気に入りサポート管理データを取得する。その後、S2302にて、S1202にて取得した
図5(c)のお気に入り管理データ内のお気に入りの一つが、S2301にて取得したお気に入りサポート管理データにて、プリンターCがサポートしているお気に入りであるかチェックする。
【0163】
S2302にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、対象のお気に入りが存在すると判断した場合、S1202にて取得したお気に入りをコンボボックス302のアイテムに追加する。S2302にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、対象のお気に入りをサポートしていないと判断した場合、何も行わない。
【0164】
S1206にて、印刷設定画面拡張ユニット211は、全てのお気に入り設定を取得したと判断した場合、S1207にてお気に入りコンボボックスを表示する。本実施形態では、
図19のお気に入りの選択画面ではユーザーが使用すると選択したお気に入り設定を表示するため、異なる種別のお気に入りに対して通知用オブジェクトやメッセージの表示は行わない。
【0165】
また、ユーザーがお気に入りの追加ボタン303を押下し、
図6(a)のお気に入りの追加画面601にて新たなお気に入り設定を追加した際は、印刷設定画面拡張ユニット211は、
図5(c)のお気に入り管理データに新たなお気に入り設定を追加する。さらに印刷設定画面拡張ユニット211は、
図18(b)のお気に入りサポート管理データの対象機種に、登録されたお気に入り設定のIDを追加する。
【0166】
以上のように、本実施形態における印刷システムでは、拡張アプリケーションより、ユーザーが使用する任意の印刷設定の組み合わせを選択することができ、ユーザビリティを向上することができる。
【0167】
<<第3の実施形態>>
以下では、第3の実施形態について説明する。本実施形態は、お気に入り管理データに印刷装置名を関連付けることで、印刷装置ごとにお気に入り設定を管理する実施例である。なお、以下、説明において言及がない構成や処理については第1または第2の実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0168】
図5(d)は、本実施形態におけるお気に入り管理データの一例である。
図5(d)のお気に入り管理データでは、種別としてお気に入り設定を保存した印刷設定画面に関連付いた印刷装置の名称を保存している。
【0169】
図5(d)のお気に入り管理データを登録する際の処理を
図22に示す。
図7の処理と同一の処理については同じ番号で示し、詳細の説明は省略する。
図22の処理は、お気に入りの追加画面601にて任意のお気に入り設定を追加した際に実行される。
【0170】
S703にて同じ名称のお気に入りが存在しない、またはS705にて既存の同名のお気に入りを上書き指示した場合、S2501にて印刷設定画面拡張ユニット211は、印刷設定画面に関連付いた印刷装置の名称を取得する。ここで印刷装置の名称は、IPPのGet-Printer-Attributesオペレーションに対する印刷装置102からのレスポンスによって得られる情報であることを前提としているが、その他の方法で得られる情報でも良い。
【0171】
その後、S707にて、印刷設定画面拡張ユニット211はPTをOSから取得し、S2502にて、S2501で取得した印刷装置の名称と、S707にて取得したPTが示す印刷設定をお気に入り管理データに保存する。
【0172】
また、
図23は、本実施形態における印刷設定画面を表示する際の処理フローである。刷設定画面拡張ユニット211はOSから呼び出されると、S2601にて現在開いている印刷設定画面に関連付いた印刷装置の名称を取得する。S2601の処理は、S2501と同一とする。
【0173】
次に、刷設定画面拡張ユニット211は、S1202にて
図5(d)のお気に入り管理データからお気に入りデータを一つ取得する。その後、刷設定画面拡張ユニット211は、S2602にて、S1202で取得したお気に入りデータの種別が、S2601にて取得した印刷装置の名称と一致するか判定する。
【0174】
S2602にて一致すると判定した場合、刷設定画面拡張ユニット211は、S1202で取得したお気に入りデータの名称をお気に入りのコンボボックスに追加する。ここで、プリインストールされる標準設定の種別はALLとしており、いずれの印刷装置の名称とも一致すると判定するものとする。全てのお気に入りデータに関して処理が終わると、設定画面拡張ユニット211は、S1207にて、S2602にて一致すると判定されたお気に入り設定を選択可能なコンボボックスを表示する。
【0175】
図24に、印刷装置102として、プリンターA、プリンターB、プリンターCそれぞれの印刷装置が関連付いた時の印刷設定画面拡張ユニット211が表示する印刷設定画面の一例を示す。
【0176】
図24(a)は、プリンターAに関連付いた印刷設定画面にて、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の例である。お気に入り設定の一覧2701には、
図5(d)に示すお気に入り管理データの中で、プリンターAに関連付いた標準設定、2 in 1(両面)が表示されている。
【0177】
図24(b)は、プリンターBに関連付いた印刷設定画面にて、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の例である。お気に入り設定の一覧2702には、
図5(d)に示すお気に入り管理データの中で、プリンターBに関連付いた標準設定、お気に入り1、お気に入り2が表示されている。
【0178】
図23(c)は、プリンターCに関連付いた印刷設定画面にて、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の例である。お気に入り設定の一覧2703には、
図5(d)に示すお気に入り管理データの中で、プリンターCに関連付いた標準設定、お気に入り3が表示されている。
【0179】
以上のように、本実施形態における印刷システムでは、印刷装置に対応したお気に入り設定のみ使用可能にすることで、ユーザーが意図しないお気に入り設定を使用することを防ぐことができ、ユーザビリティを向上することができる。
【0180】
なお、第1の実施形態において
図15(S1602)等を用いて説明したのと同様に、S2601にてNoと判定された場合に、通知用オブジェクト付きで表示するようにしてもよい。この場合も、ユーザーは選択することで不都合があり得ることを認識でき、ユーザビリティを向上することができる。
【0181】
<<第4の実施形態>>
以下では、第4に実施形態について説明する。本実施形態は、印刷装置の機種ごとに異なる拡張アプリケーションを使用し、ある拡張アプリケーションで保存してお気に入り設定を別の拡張アプリケーションでも利用可能とする実施例である。なお、以下、説明において言及がない構成や処理については第1、第2または第3の実施形態と同等であるため、説明を省略する。
【0182】
本実施形態におけるシステム構成を
図25に示す。
図25(a)は印刷装置A2802が、印刷装置Aに対応する拡張アプリケーションA2810に関連付けられた例であり、
図25(b)は印刷装置B2804が、印刷装置Bに対応する拡張アプリケーションB2813に関連付けられた例である。本実施形態では、印刷装置Aと印刷装置Bは異なる機種であるものとする。
【0183】
図25に示すように印刷機能情報(PDC)もそれぞれ印刷装置の機種ごとに作成される(印刷機能情報A2803及び印刷機能情報A2805)。また、拡張アプリケーション内の共有情報もそれぞれの機種で別のもの(共有情報A2812及び共有情報B2815)になる。
【0184】
図5(e)、
図5(f)に、本実施形態におけるお気に入り管理データの一例を示す。
図5(e)は、印刷装置A2802に対応した拡張アプリケーションA2810の共有情報2812に保存されたお気に入り管理データである。
図5(f)は、印刷装置B2804に対応した拡張アプリケーションB2813の共有情報2815に保存されたお気に入り管理データである。
【0185】
図26(a)は、印刷装置A2802としてプリンターAに関連付いた印刷設定画面拡張ユニット2811が表示する印刷設定画面にて、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の例である。お気に入り設定の一覧3001には、
図5(e)に示すお気に入り管理データのお気に入り名が表示されている。
【0186】
図26(b)は、印刷装置B2804としてプリンターBに関連付いた印刷設定画面拡張ユニット2814が表示する印刷設定画面にて、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の例である。お気に入り設定の一覧3002には、
図5(f)に示すお気に入り管理データのお気に入り名が表示されている。
【0187】
図26(a)のお気に入り編集ボタン304が押下された時に表示するお気に入り編集画面の例を
図27(a)に示す。
図27(a)では、お気に入り一覧1502には、
図5(e)に示すお気に入り管理データのお気に入り名が表示されており、2 in 1(両面)のお気に入り設定が、ユーザーによって選択されている状態を示す。
図14と同一番号のコントロールについては、説明を詳細する。
【0188】
本実施形態では、お気に入り設定一覧1502で選択したお気に入り設定をファイルへ保存するボタン3101、及び保存したお気に入り設定のファイルから読み込むボタン3102を備える。
【0189】
ユーザーが、ファイルへ保存ボタン3101を押下すると、印刷設定拡張ユニット2811は
図27(b)に示すお気に入りの保存画面3111を表示する。お気に入り保存画面3111では、ユーザーが保存ボタン3114を押下すると、印刷設定拡張ユニット2811は、お気に入り一覧1502で選択したお気に入り設定を保存する。お気に入り一覧1502で選択したお気に入り設定は、任意のファイルの場所3112に指定した保存ファイル名3113で保存される。そして、印刷設定拡張ユニット2811はお気に入り保存画面3111を閉じる。
【0190】
お気に入り保存画面3111にて、ユーザーがキャンセルボタン3115を押下すると、印刷設定拡張ユニット2811は何も行わずにお気に入り保存画面3111を閉じ、お気に入りの編集画面1501に戻る。
【0191】
ユーザーが、ファイルから読み込みボタン3102を押下すると、印刷設定拡張ユニット2811は
図27(c)に示す、お気に入りの読み込み画面3121を表示する。お気に入り読み込み画面3121では、開くボタン3124を押下すると、印刷設定拡張ユニット2811は任意のファイルの場所3122に存在するファイルを開き、保存されているお気に入り設定を共有情報Aのお気に入り管理データに追加する。
【0192】
お気に入りの読み込み画面3121にて、ユーザーがキャンセルボタン3125を押下すると、印刷設定拡張ユニット2811は何も行わずにお気に入りの読み込み画面3121を閉じ、お気に入りの編集画面1501に戻る。
【0193】
なお、
図27の説明を
図25(a)の拡張アプリケーションA2810を例に説明したが、
図25(b)の拡張アプリケーションB2813も同様の動作を行うものとする。
【0194】
図28は、
図27(c)のお気に入りの読み込み画面3121にて、ユーザーが開くボタン3124を押下した時に、印刷設定拡張ユニット2811または印刷設定拡張ユニット2814が実行する処理のフローである。
図7及び
図16と同じ処理については同じ番号で示し、説明を省略する。詳細の説明については、拡張アプリケーションB2813にて処理が行われた場合を例に説明する。
【0195】
お気に入りの読み込み画面3121にて、ユーザーが開くボタン3124を押下すると、印刷設定拡張ユニット2814は、S3201にて、お気に入りの読み込み画面3121で指定したお気に入り設定の名称を取得する。なお、お気に入り設定の名称は、指定したお気に入り設定のファイル名とするが、設定値と一緒に予め保存し取得するようにしても良い。
【0196】
次に、S703にて、印刷設定拡張ユニット2814は、S3201で取得したお気に入り設定の名称が、共有情報B2815に保存されているお気に入り管理データに存在するかチェックし、存在する場合S704にて上書き確認ダイアログ621を表示する。
【0197】
ユーザーが上書き確認ダイアログ621にてキャンセルボタン624を押下した場合、印刷設定拡張ユニット2814は、S705にてNoと判断し、処理を終了する。ユーザーが上書き確認ダイアログ621にてOKボタン623を押下して上書きを指示した場合、または、S704にて同じ名称のお気に入り設定がお気に入り管理データに存在しない場合、印刷設定拡張ユニット2814は、S3202の処理へ進む。
【0198】
S3202にて、印刷設定拡張ユニット2814は、お気に入りの読み込み画面3121で指定したファイルから、お気に入り設定のデータを取得する。その後、印刷設定拡張ユニット2814は、S3203にて、S3202で取得したお気に入り設定のデータ内に登録されている印刷設定の一つを読み込む。
【0199】
その後、印刷設定拡張ユニット2814は、S3204にて、S3203で取得したお気に入り設定の設定が、S1704で取得したPCにてサポートしている機能(Feature)であるか判定する。S3204にて当該PCにサポートされている機能と判定した場合、印刷設定拡張ユニット2814は処理をS3205に進める。
【0200】
S3205にて、印刷設定拡張ユニット2814は、S3203で取得したお気に入り設定の設定値が当該PCによりサポートされている設定値(Option)であるか判定する。S3203で取得したお気に入り設定の設定値が当該PCによりサポートされている設定値と判定した場合、印刷設定拡張ユニット2814は処理をS3206に進める。S3206にて、S3204で取得したお気に入り設定の設定値を新たなお気に入りのデータとして一時領域に保存する。
【0201】
印刷設定拡張ユニット2814は、S3205にてS3203で取得したお気に入り設定の設定値がS1704で取得したPCによりサポートされていない設定値と判断した場合、処理をS3207に進める。印刷設定拡張ユニット2814はS3207にてPDCから読み込んだ設定値の初期値を新たなお気に入りのデータとして一時領域に保存する。
【0202】
S3204にて当該PCによりサポートされていない機能と判定した、またはS3206、S3207の処理後、印刷設定拡張ユニット2814は処理をS3208に進める。S3208にて印刷設定拡張ユニット2814は、S3202で取得したお気に入り設定のデータ内に登録されている印刷設定をすべて読み込んだか判断し、全ての設定を読み込んでいない場合、S3203の処理へ戻る。
【0203】
S3208にて、S3202で取得したお気に入り設定のデータ内に登録されている印刷設定をすべて読み込んだと判断した場合、印刷設定拡張ユニット2814は、S3209にて一時領域に保存したお気に入り設定をお気に入り管理データに保存する。
【0204】
図5(f)のお気に入り管理データを持つ拡張アプリケーションB2813が、お気に入り設定の読み込みを行い、お気に入り設定を追加した後のお気に入り管理データの例を
図5(g)に示す。
【0205】
図5(g)の2 in 1(両面)のお気に入り設定は、次のような処理で追加されたものである。すなわち、拡張アプリケーションA2810のお気に入りの保存画面3111から、
図5(e)に示す2 in 1(両面)のお気に入り設定をファイルへ保存する。そして、保存した2 in 1(両面)のお気に入り設定ファイルを拡張アプリケーションB2813のお気に入りの読み込み画面3121にて読み込んだデータである。
【0206】
本実施形態では、拡張アプリケーションB2813がサポートしている機能は、プリンターBで実行可能な機能であり、
図10(b)のPCでサポートしている機能とする。
図5(g)に保存されている2 in 1(両面)の設定のうち、
図5(e)に保存されていた給紙口(JobInputBin)のカセット2(Cassette2)の設定は拡張アプリケーションB2813ではサポートしていない。
【0207】
したがって、拡張アプリケーションB2813の給紙口の初期値である自動(AutoSelect)に変換され、サポートしていない両面印刷(JobDuplexAllDocumentsContiguously)の設定は保存されていない。
【0208】
図29は、印刷装置B2804としてプリンターBに関連付いた拡張アプリケーションB2813の印刷設定画面にて、お気に入り302のコンボボックスを、ユーザーがポインティングデバイス117でクリックした状態の例である。
【0209】
お気に入り設定の一覧3401には、
図5(g)に示すお気に入り管理データのお気に入り設定が表示されている。
図28を用いて説明した処理により追加された2 in 1(両面)のお気に入り設定が、
図26(b)の拡張アプリケーションB2813の印刷設定画面から追加で表示されている。
【0210】
また、
図29は、お気に入り302として追加した2 in 1(両面)を選択した状態の印刷設定画面を示しており、給紙口309として自動、レイアウト312として2 in 1が設定されている。
【0211】
なお、本実施形態で説明しているお気に入り設定の保存及び読み込みは、他の実施形態で実施しても良い。
【0212】
以上のように、本実施形態における印刷システムでは、拡張アプリケーションを印刷装置ごとに対応させることで、印刷装置ごとのお気に入り設定を使用可能にする。したがって、ユーザーが意図しないお気に入り設定を使用することを防ぐことができ、ユーザビリティを向上することができる。また、お気に入り設定の保存、読み込みを可能にすることで他の印刷装置でも同じお気に入り設定を使用することができる。
【0213】
<その他の実施形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0214】
102 印刷装置
201 描画アプリケーション
202 印刷データ生成ソフトウェア
203 印刷機能情報
210 拡張アプリケーション