(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025140574
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】衣類処理機
(51)【国際特許分類】
D06F 33/32 20200101AFI20250919BHJP
D06F 33/52 20200101ALI20250919BHJP
【FI】
D06F33/32
D06F33/52
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024040058
(22)【出願日】2024-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】杉本 哲也
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AA12
3B167AA32
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB32
3B167AE02
3B167AE03
3B167AE04
3B167AE05
3B167BA47
3B167BA48
3B167KA32
3B167KA78
3B167KA84
3B167KB16
3B167LC25
3B167LC30
3B167LE10
3B167LG02
3B167MA03
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる衣類処理機を提供することである。
【解決手段】実施形態の衣類処理機は、筐体と、閉塞部材と、ロック機構と、通信部と、制御部とを備える。前記筐体は、衣類を投入可能な開口部を有する。前記閉塞部材は、前記開口部を開閉可能に閉塞する。前記ロック機構は、前記閉塞部材が閉じ状態から開き状態になることを許容する開放状態と、前記閉塞部材を前記閉じ状態に規制する規制状態とで遷移可能である。前記通信部は、前記衣類処理機の外部と通信可能である。前記制御部は、前記ロック機構および前記通信部を制御する。前記制限部は、前記ロック機構が前記規制状態にある場合に前記通信部を介して外部から所定操作を受け付けることを許容し、前記ロック機構が前記開放状態にある場合に前記通信部を介して前記所定操作を受け付けることを制限する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣類処理機であって、
衣類を投入可能な開口部を有した筐体と、
前記開口部を開閉可能に閉塞する閉塞部材と、
前記閉塞部材が閉じ状態から開き状態になることを許容する開放状態と、前記閉塞部材を前記閉じ状態に規制する規制状態とで遷移可能なロック機構と、
前記衣類処理機の外部と通信可能な通信部と、
前記ロック機構および前記通信部を制御する制御部と、
前記ロック機構が前記規制状態にある場合に前記通信部を介して外部から所定操作を受け付けることを許容し、前記ロック機構が前記開放状態にある場合に前記通信部を介して外部から前記所定操作を受け付けることを制限する制限部と、
を備えた衣類処理機。
【請求項2】
前記制限部は、前記ロック機構が前記規制状態から前記開放状態になることに連動して前記通信部を介して外部から前記所定操作を受け付けることを制限する、
請求項1に記載の衣類処理機。
【請求項3】
前記制限部は、前記ロック機構が前記開放状態である場合と前記規制状態である場合とで物理的または電気的な状態が変化する切替部を有する、
請求項1または請求項2に記載の衣類処理機。
【請求項4】
前記制限部により前記通信部を介して外部から前記所定操作を受け付けることを制限することは、前記通信部による通信を規制することで、前記所定操作を受け付けることを制限することである、
請求項1または請求項2に記載の衣類処理機。
【請求項5】
前記筐体に設けられた電源操作部をさらに備え、
前記制御部は、前記電源操作部に対して電源を切る態様の操作が行われた場合、前記ロック機構を前記規制状態に遷移させるとともに、前記通信部の通信機能を維持する、
請求項1または請求項2に記載の衣類処理機。
【請求項6】
前記閉塞部材の開閉状態を検知する検知部をさらに備え、
前記制御部は、前記電源操作部に対して電源を切る態様の操作が行われたときに前記検知部により前記閉塞部材が開き状態にあると検知された場合、前記電源を切る操作を受け付けず、異常を報知する、
請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項7】
前記制御部は、前記電源操作部に対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、前記ロック機構を前記開放状態に遷移させる、
請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項8】
前記所定操作は、前記通信部を介して外部から電源を入れる態様の操作であり、
前記制御部は、
前記電源操作部に対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、前記ロック機構を前記開放状態に遷移させ、
前記制限部により前記所定操作を受け付けることが制限された状態で前記所定操作が行われた場合、前記ロック機構を前記開放状態に遷移させない、
請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項9】
前記所定操作は、前記通信部を介して外部から電源を入れる態様の操作であり、
前記制御部は、前記制限部により前記所定操作を受け付けることが制限された状態で前記所定操作が行われた場合であって、前記衣類処理機から所定距離内にユーザが存在することに関連する所定条件が満たされる場合、前記ロック機構を前記開放状態に遷移させる、
請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項10】
前記制御部は、
前記通信部により外部と通信を行う設定が行われている場合において、前記電源操作部に対して電源を切る態様の操作が行われた場合、前記通信部の通信機能を維持するとともに、前記ロック機構を前記規制状態に遷移させ、
前記通信部により外部と通信を行う設定が行われていない場合において、前記電源操作部に対して電源を切る態様の操作が行われた場合、前記ロック機構を前記規制状態に遷移させずに前記衣類処理機を電源切状態にする、
請求項5に記載の衣類処理機。
【請求項11】
前記筐体に設けられた操作部をさらに備え、
前記制御部は、
前記操作部に対する入力を受け付けず、前記通信部を介した外部からの操作を受け付ける特別状態に遷移可能であり、
前記特別状態では、前記ロック機構が前記規制状態にある場合に、前記通信部を介した外部からの操作を受け付ける、
請求項1または請求項2に記載の衣類処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、衣類処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
端末装置を用いて離れた場所から設定操作が可能な洗濯機が知られている。このような衣類処理機は、さらなる利便性の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる衣類処理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の衣類処理機は、筐体と、閉塞部材と、ロック機構と、通信部と、制御部とを備える。前記筐体は、衣類を投入可能な開口部を有する。前記閉塞部材は、前記開口部を開閉可能に閉塞する。前記ロック機構は、前記閉塞部材が閉じ状態から開き状態になることを許容する開放状態と、前記閉塞部材を前記閉じ状態に規制する規制状態とで遷移可能である。前記通信部は、前記衣類処理機の外部と通信可能である。前記制御部は、前記ロック機構および前記通信部を制御する。前記制限部は、前記ロック機構が前記規制状態にある場合に前記通信部を介して外部から所定操作を受け付けることを許容し、前記ロック機構が前記開放状態にある場合に前記通信部を介して前記所定操作を受け付けることを制限する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】実施形態の衣類処理システムの全体構成を示す図。
【
図5】実施形態のロック機構を模式的に示す平面図。
【
図6】実施形態のロック機構を模式的に示す平面図。
【
図10】実施形態の操作の流れを示すフローチャート。
【
図11】実施形態の電源オンの操作の流れを示すフローチャート。
【
図12】実施形態の電源オフの操作の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の衣類処理機を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本出願で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本出願で「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。XXおよびYYは、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0008】
本出願で「取得」とは、送信要求を送信して能動的に取得する場合に限定されず、他の装置から送信される情報を受動的に受信することで取得する場合も含み得る。また「取得」とは、外部から得られた情報に対して演算または加工などを行い、目的の情報を生成することで目的の情報を得る場合も含み得る。
【0009】
(実施形態)
<1.衣類処理システムの全体構成>
図1は、第1実施形態の衣類処理システム1の全体構成を示す図である。衣類処理システム1は、例えば、洗濯機100、サーバ200、および端末装置300の家電管理アプリAPを含む。後述するネットワークNWは、例えば、インターネット、セルラー網、Wi-Fi網、LPWA(Low Power Wide Area)、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、またはその他の公衆回線や専用回線などを状況に応じて利用すればよい。
【0010】
洗濯機100は、ユーザUの住居内で使用される電気機器である。洗濯機100は、「衣類処理機」の一例である。「衣類処理機」とは、衣類に対して何らかの処理(例えば、洗濯、乾燥、しわ取り、折り目の強化、脱臭、花粉除去、埃除去、または除菌などのうち1つ以上の処理)を行う装置を広く意味する。衣類処理機は、例えば洗濯機であるが、クローゼット型クリーニング機なども該当する。また本出願において「洗濯機」とは、乾燥機能を有した洗濯乾燥機でもよく、乾燥機能を有しない洗濯機でもよい。また以下では、洗濯機100の一例として、ドラム式の洗濯機について説明する。ただし、洗濯機100は、ドラム式の洗濯機に限定されず、縦型式の洗濯機でもよく、二槽式の洗濯機などでもよい。
【0011】
洗濯機100は、ユーザUの住居内に設置される無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWと接続される。洗濯機100は、ネットワークNWを介して、サーバ200または端末装置300と通信可能である。なお、洗濯機100は、ネットワークNWを介して、またはBluetooth(登録商標)のような近距離無線通信を利用して端末装置300と直接に通信可能でもよい。
【0012】
サーバ200は、洗濯機100を管理する管理サーバである。サーバ200は、1つまたは複数のサーバ装置(例えばクラウドサーバ)により構成される。サーバ200は、ネットワークNWを介して、洗濯機100または端末装置300と通信可能である。サーバ200は、ネットワークNW中のルータに含まれる情報処理部など、エッジコンピューティングやフォグコンピューティングを行う情報処理部を含んでもよい。サーバ200は、クラウドサーバに限定されず、ユーザUの住居にあるコンピュータでもよく、家庭内ルータ(例えば無線ルータWR)などでもよい。
【0013】
端末装置300は、ユーザUが使用する電子機器である。端末装置300は、例えば、スマートフォンまたはタブレット端末装置のような携帯端末装置である。ただし、端末装置300は、携帯端末装置に限定されず、パーソナルコンピュータなどでもよい。端末装置300は、例えば、表示装置301と、入力装置302と、通信部303とを有する。
【0014】
表示装置301は、種々の情報を表示可能な表示画面301aを有する。入力装置302は、ユーザUの入力を受け付け可能である。入力装置302は、例えば表示装置301の表示画面301aと重ねて設けられたタッチパネルである。入力装置302は、端末装置300に設けられたカメラやマイクなどを含み得る。通信部303は、無線通信可能な通信モジュールである。通信部303は、無線ルータWRおよびモデムMを介してまたは直接にネットワークNWと接続される。通信部303は、ネットワークNWを介して、洗濯機100またはサーバ200と通信可能である。なお、通信部303は、上述したように、ネットワークNWを介して、またはBluetoothのような近距離無線通信を利用して洗濯機100と直接に通信可能でもよい。
【0015】
端末装置300には、アプリケーションプログラムPがインストールされ、以下に説明する機能がサポートされる。アプリケーションプログラムPは、例えば、洗濯機100を管理するためのアプリケーションプログラムである。以下では、アプリケーションプログラムPが実行されることで起動されるアプリケーションソフトウェアを「家電管理アプリAP」と称する。アプリケーションプログラムPは、「プログラム」の一例である。
【0016】
<2.洗濯機の全体構成>
次に、洗濯機100の全体構成について説明する。
図2および
図3は、洗濯機100を示す正面図である。
図2および
図3に示すように、洗濯機100の筐体11の前面には、開閉自在の扉12が設けられる。
図2は、後述する筐体11の開口部11aに対して扉12が閉じている状態(閉じ状態)を示す。一方で、
図3は、筐体11の開口部11aに対して扉12が開いている状態(開き状態)を示す。扉12は、「閉塞部材」の一例である。
【0017】
洗濯機100には、表示・入力ユニット41が設けられる。表示・入力ユニット41は、表示部41aと、操作部41bとを含む。表示部41aは、各種情報を表示する表示装置である。表示部41aは、表示画面を有した液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどでもよいし、複数の発光ダイオードを有した点灯部などでもよい。操作部41bは、洗濯機100の運転または予約などに関するユーザUの操作を受け付ける機能部である。操作部41bは、表示部41a上に重ねて配置されたタッチパネルであってもよいし、筐体11に設けられた物理的なボタンやダイヤルなどでもよい。
【0018】
洗濯機100には、例えば操作部41bの一部として、電源ボタン45aが設けられる。電源ボタン45aは、洗濯機100を電源入状態(電源オン状態)から電源切状態(電源オフ状態)に遷移させる、または、洗濯機100を電源切状態から電源入状態に遷移させるユーザUの操作を受け付け可能である。本出願で「電源入状態」とは、洗濯機100の主機能(例えば洗濯運転)を実行可能な状態を意味する。一方で、本出願で「電源切状態」とは、通信部44の通信機能を含む全ての機能が停止される状態を意味する。
【0019】
本実施形態では、電源ボタン45aは、後述する通信部44により外部と通信を行う設定が行われている場合(例えばオンラインモードに設定されている場合)、洗濯機100を電源入状態から省電力状態(遠隔操作の待機状態)に遷移させるユーザUの操作を受け付け可能である。また、電源ボタン45aは、洗濯機100を省電力状態から電源入状態に遷移させるユーザUの操作を受け付け可能である。省電力状態は、洗濯機100の主機能(例えば洗濯運転)は実行できないが、通信部44の通信機能など一部の機能は維持される状態である。電源ボタン45aは、「電源操作部」の一例である。
【0020】
また、洗濯機100には、例えば操作部41bの一部として、スタート・一時停止ボタン45bが設けられる。スタート・一時停止ボタン45bは、洗濯機100の運転を開始させる、または一時停止させるユーザUの操作を受け付け可能である。
【0021】
図3に示すように、扉12の裏面には、凸部71が設けられる。また、筐体11には、凸部71と対応する位置に、ロック機構13が設けられる。扉12が閉じ状態にある場合において、凸部71とロック機構13とが係合すると、扉12が閉じ状態に規制される。
【0022】
図4は、洗濯機100を示す断面図である。洗濯機100は、例えば、筐体11、扉12、ロック機構13,水槽14、ドラム15、モータ16、給水弁21、注水ケース22、排水管25、排水弁26、メインダクト31、前ダクト32、ファンケーシング33、送風機34、後ダクト35、ヒートポンプ36、表示・入力ユニット41、振動センサユニット42、ヒートポンプ制御ユニット43、通信部44、および主制御ユニット50を有する。
【0023】
筐体11は、中空状の筐体である。筐体11の前板には貫通孔状の開口部11aが形成されている。洗濯機100を使用するユーザUは、開口部11aから洗濯対象物である衣類を筐体11の内部に投入可能である。筐体11の前板には、扉12が装着されている。扉12は、開口部11aを開閉可能に閉塞する。扉12は、「閉塞部材」の一例である。なお、縦型式の洗濯機の場合は、筐体11の上部の開口部11aを開閉可能に閉塞する蓋部材が「閉塞部材」の一例に該当する。
【0024】
ロック機構13は、扉12に関連して設けられている。ロック機構13は、扉12が閉じ状態から開き状態になることを許容するアンロック状態(開放状態)と、扉12を閉じ状態に規制するロック状態(規制状態)とで遷移可能である。ユーザUは、ロック機構13がアンロック状態(開放状態)にある場合、例えば手動で自由に扉12を開閉可能である。一方で、ユーザUは、ロック機構13がロック状態(規制状態)にある場合、扉12を開閉することができない。
【0025】
筐体11の内部には、水槽14が固定されている。水槽14の内部には、回転槽であるドラム15が収容されている。水槽14の後板には、ドラム15を回転させるモータ16が固定されている。
【0026】
筐体11の内部には、給水弁21が固定されている。給水弁21の入口は水道の蛇口に接続される。給水弁21は、給水弁21が有するモータの回転量に応じて開放状態および閉鎖状態が切り換えられる。給水弁21の出口は、注水ケース22に接続されている。注水ケース22は、筒状の注水口22aを有する。注水口22aは、水槽14の内部に挿入されている。給水弁21から注水ケース22に注入された水道水は、注水口22aから水槽14の内部に注入される。
【0027】
水槽14には、排水管25の上端部が接続されている。排水管25には、排水弁26が設けられている。排水弁26は、排水弁26が有するモータの回転量に応じて開放状態および閉鎖状態が切り換えられる。
【0028】
筐体11の底板には、メインダクト31が固定されている。メインダクト31の前端部には、前ダクト32の下端部が接続されている。前ダクト32の上端部は、水槽14の内部に接続されている。メインダクト31の後端部には、ファンケーシング33が固定されている。ファンケーシング33には、送風機34が配置されている。ファンケーシング33の排気口には、後ダクト35の下端部が接続されている。後ダクト35の上端部は、水槽14に接続されている。
【0029】
筐体11の内部には、ヒートポンプ36が設けられている。ヒートポンプ36は、コンプレッサ36aを有し、メインダクト31に設けられた加熱装置である。ヒートポンプ36は、メインダクト31を通る乾燥風を加熱する。なお、洗濯機100は、ヒートポンプ36に代えて、乾燥風を加熱するヒータを有してもよい。
【0030】
表示・入力ユニット41は、筐体11に設けられている。表示・入力ユニット41は、上述した表示部41aおよび操作部41bを含む。
【0031】
振動センサユニット42は、水槽14に設けられ、水槽14の振動を検出するセンサユニットである。振動センサユニット42は、例えば、水槽14に作用する加速度を検出する。ヒートポンプ制御ユニット43は、ヒートポンプ36と関連して設けられ、ヒートポンプ36を制御する制御ユニットである。ヒートポンプ制御ユニット43は、メインダクト31を通過する乾燥風の温度の検出結果に基づき、ヒートポンプ36の動作(例えばコンプレッサ36aの動作)を制御する。
【0032】
通信部44は、洗濯機100の外部と通信可能である。例えば、通信部44は、外部のサーバ200と通信するための通信モジュール(例えばネットワーク接続アダプタ)である。通信部44は、洗濯機100に関する情報をサーバ200との間で送受信する。通信部44は、例えば、洗濯機100と同じユーザUの住居内に設置された無線ルータWRおよびモデムMを介してネットワークNWと接続され、ネットワークNWを介してサーバ200と通信可能となる。
【0033】
通信部44は、サーバ200との間で所定の情報を送受信する。通信部44からサーバ200に送信される情報は、洗濯機100の状態、動作履歴、または異常情報などである。一方で、サーバ200から通信部44に送信される情報は、例えば、端末装置300を用いてユーザUが行う操作に関する情報である。例えば、サーバ200から通信部44に送信される情報、洗濯機100の予約運転の設定、洗濯機100の電源を入れる態様の操作、または洗濯機100の運転を開始させる操作などである。
【0034】
なお本出願で「電源を入れる態様の操作」とは、ユーザUから見て電源が入ったように見える操作を広く意味する。例えば、本出願で「電源を入れる態様の操作」とは、洗濯機100を電源切状態(電源オフ状態)から電源入状態(電源オン状態)に遷移させる操作に限定されず、省電力状態(待機状態)である場合から、通常状態(通常の電源入状態)に復帰させる操作も該当し得る。別観点で述べると、本出願で「電源を入れる態様の操作」とは、洗濯機100の複数の機能のなかで省電力状態(待機状態)において電源が切状態になる少なくとも一部の機能(例えば洗濯運転を実行するための機能)について、当該機能に関する電源供給を行うことを意味する。
【0035】
同様に、本出願で「電源を切る態様の操作」とは、ユーザUから見て電源が切れたように見える操作を広く意味する。例えば、本出願で「電源を切る態様の操作」とは、洗濯機100を電源入状態(電源オン状態)から電源切状態(電源オフ状態)に遷移させる操作に限定されず、通常状態(通常の電源入状態)から省電力状態(待機状態)に移行させるための操作も該当し得る。別観点で述べると、本出願で「電源を切る態様の操作」とは、洗濯機100の複数の機能のなかで省電力状態(待機状態)において電源が切状態になる少なくとも一部の機能(例えば洗濯運転を実行するための機能)について、当該機能に関する電源供給を停止することを意味する。
【0036】
通信部44は、洗濯機100の主機能の電源(例えばメインマイコン52の電源)とは独立して、電源制御が可能(電源を切状態に遷移可能)な部品である。例えば、洗濯機100は、ユーザUの操作に基づき、サーバ200と通信を行わないモード(オフラインモード)に設定可能である。洗濯機100がオフラインモードに設定された場合、メインマイコン52は、通信部44の電源を切状態に遷移させるための信号を通信部44に送信する。通信部44は、上記信号を受信した場合、通信部44の電源を切状態に遷移させる。これにより、洗濯機100の主機能の電源が入状態のまま、通信部44の電源が切状態になる。
【0037】
主制御ユニット50は、洗濯機100の全体を統括的に制御する制御部である。主制御ユニット50は、回路基板51と、メインマイコン52とを含む。メインマイコン52は、回路基板51に実装されている。メインマイコン52は、洗濯機100の全体を統括的に制御する。メインマイコン52は、ロック機構13、モータ16、給水弁21、排水弁26、送風機34、表示・入力ユニット41、ヒートポンプ制御ユニット43、および通信部44などを制御する。
【0038】
<3.ロック機構>
次に、ロック機構13について説明する。
図5および
図6は、ロック機構13を模式的に示す平面図である。
図5は、アンロック状態を示す。
図6は、ロック状態を示す。
【0039】
図5および
図6に示すように、ロック機構13は、例えば、開閉検出スイッチ80と、係合部81と、ソレノイド82と、作用子83と、スプリング84と、ロック爪85と、ロック爪可動機構86と、ロック検出スイッチ87と、スプリング88とを有する。
【0040】
開閉検出スイッチ80は、扉12の開閉状態を検知する検知部である。例えば、扉12が閉じられた場合、開閉検出スイッチ80の突起80aが扉12に当接し、開閉検出スイッチ80がオン状態に遷移する(
図6参照)。一方で、扉12が開かれた場合、開閉検出スイッチ80の突起80aと扉12とが離れ、開閉検出スイッチ80がオフ状態に遷移する(
図5参照)。開閉検出スイッチ80は、扉12の開閉状態に応じて状態が変化することで、扉12の開閉状態を検知可能である。なお、開閉検出スイッチ80は、ロック機構13の外部の構成として設けられてもよい。
【0041】
係合部81は、閉じ状態で扉12の凸部71(
図3参照)と係合する。係合部81内には、ロック爪85が設けられる。ロック爪85は、スプリング88により矢印Q1方向に付勢されている。ロック機構13がアンロック状態(
図5参照)にあるときには、ロック爪85は係合部81から外れた位置にある。ロック爪85は、ロック爪可動機構86により、作用子83の移動に連動して、上下に移動する。
【0042】
ソレノイド82の可動片82aは、作用子83と接続され、作用子83を矢印P1方向に移動させる。作用子83はノックカム機構を備えている。ノックカム機構は、作用子83に力が加えられた後に戻る位置を、第1位置L1と第2位置L2とで交互に変えられる機構である。作用子83は、スプリング84により、矢印P2方向に付勢されている。
【0043】
ロック機構13がアンロック状態(
図5参照)のときには、スプリング88の張力により、ロック爪85は係合部81から外れた位置にある。この状態から、ソレノイド82の可動片82aにより作用子83を矢印P1方向に移動させ、作用子83が第2位置L2に移動すると、
図6に示すように、ロック爪可動機構86によりロック爪85が矢印Q2方向に移動する。これにより、ロック爪85が係合部81内に突出し、ロック機構13がロック状態に遷移する。
【0044】
一方で、ソレノイド82の駆動が停止されると、スプリング84の張力により、作用子83は矢印P2方向に戻ろうとする。このとき、ノックカム機構により、ソレノイド82が駆動される毎に、作用子83が戻る位置は、第1位置L1と第2位置L2とで交互に遷移する。ロック機構13がアンロック状態(
図5参照)からロック状態(
図6参照)に遷移した場合には、作用子83の戻る位置は、第2位置L2に規制される。この場合、ロック爪85が係合部81内に突出した状態が続き、この時点でロック機構13に対する電源供給(例えばソレノイド82に対する電源供給)が停止された場合でも、ロック機構13がロック状態に維持される。
【0045】
図6に示すロック状態から、ソレノイド82の可動片82aにより作用子83を矢印P1方向に移動させ、ソレノイド82の駆動を停止させると、スプリング84の張力により、作用子83は矢印P2方向に戻ろうとする。ロック状態(
図6参照)からアンロック状態(
図5参照)に遷移する場合には、作用子83は第1位置L1まで戻る。この場合、
図5に示すように、ロック爪85は係合部81から外れた状態となり、ロック機構13がアンロック状態に遷移する。ロック機構13がロック状態(
図6参照)からアンロック状態(
図5参照)に遷移した場合には、作用子83の戻る位置は、第1位置L1に規制される。この場合、ロック爪85が係合部81から外れた状態が続き、この時点でロック機構13に対する電源供給(例えばソレノイド82に対する電源供給)が停止された場合でも、ロック機構13がアンロック状態に維持される。
【0046】
このように、ロック機構13は、ソレノイド82を駆動する毎に、ロック爪85が係合部81内に突出するロック状態と、ロック爪85が係合部81内から外れるアンロック状態とに交互に遷移する。また、ロック状態またはアンロック状態は、ソレノイド82の電源が遮断された後でも維持される。
【0047】
ロック検出スイッチ87は、ロック機構13の状態(例えば作用子83の位置)に応じてオン状態とオフ状態とで遷移する。
図5に示すように、ロック機構13がアンロック状態のときには、作用子83は第1位置L1にあり、このときにはロック検出スイッチ87はオフ状態になる。一方で、ロック機構13がロック状態になると、作用子83は第2位置L2の位置になり、ロック検出スイッチ87はオン状態になる。これにより、ロック検出スイッチ87の状態に基づき、ロック機構13がロック状態であるか、アンロック状態であるかを判定することができる。
【0048】
<4.表示および入力系>
次に、表示および入力系について説明する。
本実施形態では、洗濯機100の筐体11に、表示・入力ユニット41が設けられる。また、洗濯機100の筐体11には、電源ボタン45aと、スタート・一時停止ボタン45bとが設けられる。
【0049】
図7は、洗濯機100本体に配置される表示および入力系を示す図である。
図7に示すように、表示・入力ユニット41には、複数の操作部として、複数の操作ボタンBが配置される。例えば、表示・入力ユニット41には、複数の操作ボタンBの一部として、風呂水の設定ボタンB1、温水の設定ボタンB2、洗剤の使用量の設定ボタンB3、柔軟剤の使用量の設定ボタンB4、および予約設定ボタンB5が配置される。また、表示・入力ユニット41には、複数の操作ボタンBの一部としてとして、洗い行程の設定ボタンB6、すすぎ行程の設定ボタンB7、脱水行程の設定ボタンB8、乾燥行程の設定ボタンB9、洗濯運転の選択ボタンB10、洗濯乾燥運転の選択ボタンB11、および乾燥運転の選択ボタンB12が配置される。
【0050】
さらに、表示・入力ユニット41には、操作ボタンBの一部として、遠隔待機ボタンB13が配置される。遠隔待機ボタンB13は、洗濯機100を、遠隔操作を行うための特別状態(特別待機状態)に遷移させるためのボタンである。上記特別状態は、洗濯機100の筐体11に設けられた操作部(操作部41b、電源ボタン45a、およびスタート・一時停止ボタン45b)に対するユーザUの入力を受け付けず、通信部44を介した外部からの操作を受け付ける状態である。
【0051】
また、表示・入力ユニット41には、表示領域Dが設けられる。表示領域Dには、各種の設定状態および運転状態が表示される。また、表示領域Dには、予約設定時間、洗濯や乾燥の終了時間などが表示される。また、表示領域Dには、各種の警告が表示される。
【0052】
また、洗濯機100は、例えばサーバ200を介して端末装置300と通信を行うことで、端末装置300を使用して操作を行うことができる。
図8は、端末装置300の表示画面301aを示す図である。端末装置300の家電管理アプリAPを起動すると、
図8に示すような表示画面301aが表示される。なお以下に説明する操作部の表示と、表示させた操作部に対するユーザUの操作の受け付けは、家電管理アプリAPにより実行される。
【0053】
図8に示すように、端末装置300の画面には、ユーザUの操作を受け付けるための操作部として、洗濯コースの設定ボタン311a、予約設定ボタン311b、洗濯・柔軟剤の設定ボタン311c、電源ボタン311d、およびスタート・一時停止ボタン311eが表示される。なお、洗濯コースの設定ボタン311a、予約設定ボタン311b、洗濯・柔軟剤の設定ボタン311cは、階層構造となっており、各ボタン311a~311cを押すと、更に詳細な設定画面が表示される。
【0054】
電源ボタン311dは、洗濯機100の電源ボタン45aと同様の操作を受け付け可能なボタンである。例えば、電源ボタン311dは、通信部44により外部と通信を行う設定が行われている場合(例えば無線ルータWRの利用設定がされている場合)、洗濯機100を電源入状態から省電力状態(遠隔操作の待機状態)に遷移させるユーザUの操作を受け付け可能である。また、電源ボタン311dは、洗濯機100を省電力状態(待機状態)から電源入状態に遷移させるユーザUの操作を受け付け可能である。
【0055】
スタート・一時停止ボタン311eは、スタート・一時停止ボタン45bと同様の操作を受け付け可能なボタンである。例えば、スタート・一時停止ボタン311eは、スタート・一時停止ボタン45bは、洗濯機100の運転を開始させる、または一時停止させるユーザUの操作を受け付け可能である。
【0056】
このように、本実施形態では、洗濯機100の電源オン/オフの操作や運転の開始/一時停止の操作は、洗濯機100本体の電源ボタン45aおよびスタート・一時停止ボタン45bで行うことができるとともに、端末装置300の電源ボタン311dおよびスタート・一時停止ボタン311eを用いて行うことができる。
【0057】
<5.制御系>
次に、制御系について説明する。
図9は、洗濯機100の制御系の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、制御部52には、通信部44が接続される。通信部44は、制御部52からの送信データTXDを端末装置300に向けて送信する。また、通信部44は、外部の端末装置300から受信した受信データRXDを制御部52に送る。更に、通信部44は、省電力状態解除信号Wake_UPを制御部52に送ることができる。制御部52は、省電力状態解除信号Wake_UPを受信すると、省電力状態(遠隔操作の待機状態)から通常状態に遷移する。
【0058】
また、制御部52には、表示・入力ユニット41が接続される。表示・入力ユニット41は表示部41aと操作部41bとを含む。制御部52には、操作部41bから操作入力信号が送られる。また、制御部52は、表示部41aに表示信号を送信する。
【0059】
また、制御部52には、電源ボタン45aから、電源オンおよび電源オフに関連した操作信号が送られる。また、制御部52には、スタート・一時停止ボタン45bから、スタートおよび一時停止に関連した操作信号が送られる。
【0060】
また、制御部52には、ロック機構13の開閉検出スイッチ80、ロック検出スイッチ87、およびソレノイド82が接続される。制御部52は、開閉検出スイッチ80の状態に基づき、扉12の開閉状態を判定する。制御部52は、ロック検出スイッチ87の状態に基づき、ロック機構13がアンロック状態であるかロック状態であるかを判定する。制御部52は、ソレノイド82を駆動して、ロック機構13をロック状態またはアンロック状態に遷移させる。
【0061】
本実施形態では、ロック検出スイッチ87は、通信電源部92と通信部44との間の電源経路中に配置されている。これは、ロック機構13がアンロック状態である場合に、通信部44の動作を制限するためである。この内容については、後に説明する。
【0062】
また、制御部52は、洗濯・乾燥処理部95の制御を行う。洗濯・乾燥処理部95は、運転モードおよび予約設定などに応じて、モータ16、ヒートポンプ36、給水弁21、排水弁26などを制御して、洗濯運転や乾燥運転を行う際の各種の処理を行う。
【0063】
また、制御部52は、電源部90の制御を行う。電源部90は、メイン電源部91と通信電源部92とを含む。メイン電源部91は、商用電源96から洗濯機100の主機能の動作に必要な各部の電源を生成する。通信電源部92は、通信部44に必要な電源を生成する。通信電源部92は、メイン電源部91とは独立して、電源のオン/オフを設定できる。通信電源部92は、例えばロック検出スイッチ87を介して、通信部44に電力を供給可能である。また、通信電源部92は、制御部52(メインマイコン52)のなかで、通信に関連する機能部に電力を供給可能である。通信電源部92としては、バッテリを用いてもよい。
【0064】
洗濯機100の省電力状態(遠隔操作の待機状態)では、洗濯機100の各部(モータ16、ヒートポンプ36など)への電源供給が停止されるとともに、表示部41aおよび操作部41bへの電力供給も停止される。また、洗濯機100の省電力状態(遠隔操作の待機状態)では、メインマイコン52の制御に用いられるクロック発振回路などの関連機能への電力供給も停止される。
【0065】
洗濯機100の電源入状態では、洗濯機100の各部への電源の供給が可能になるとともに、表示部41a、操作部41bにも電力が供給される。また、洗濯機100の電源入状態では、クロック発振回路では通常の周波数でクロックが生成される。
【0066】
また、制御部52では、以下の機能を実現するための処理が行われる。
(1)制御部52は、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合、ロック機構13をロック状態に遷移させるとともに、通信部44の通信機能を維持する。例えば、制御部52は、通信部44により外部と通信を行う設定が行われている場合(例えばオンラインモードの設定がされている場合)において、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合、ソレノイド82を駆動してロック機構13をロック状態に遷移させるとともに、洗濯機100を電源入状態から省電力状態に遷移させる。一方で、制御部52は、通信部44により外部と通信を行う設定が行われていない場合(例えばオフラインモードに設定されている場合)において、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合、ロック機構13をアンロック状態に維持したまま、洗濯機100を電源入状態から電源切状態に遷移させる。
【0067】
(2)制御部52は、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合において、開閉検出スイッチ80により扉12が開き状態にあると検知される場合、電源を切る態様の操作を受け付けず、異常を報知する。例えば、制御部52は、異常の報知の一例として、扉12が開かれていることを示す警告を表示部41aに表示させる、扉12が開かれていることを示す警告を洗濯機100に設けられたスピーカ(または別体として設けられた音声対話装置)から音声により出力させる。
【0068】
(3)制御部52は、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、ロック機構13をロック状態からアンロック状態に遷移させる。
【0069】
(4)制御部52は、ロック機構13がロック状態にある場合において、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、ロック機構13をロック状態からアンロック状態に遷移させる。一方で、制御部52は、ロック機構13がロック状態にある場合であって、上記特別待機状態にある場合において、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、当該操作を受け付けず、ロック機構13をロック状態に維持する。
【0070】
(5)制御部52は、ロック機構13がロック状態にある場合において、洗濯機100の電源ボタン45aに対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、ロック機構13をロック状態からアンロック態に遷移させる。一方で、制御部52は、通信部44を介して外部から所定操作(例えば、端末装置300を用いて洗濯機100を電源入状態に遷移させる操作)を受け付けることが制限部60(後述)により制限された状態において上記所定操作が行われた場合、ロック機構13をロック状態に維持する。
【0071】
(6)制御部52は、通信部44を介して外部から所定操作(例えば、端末装置300を用いて洗濯機100を電源入状態に遷移させる操作)を受け付けることが制限部60(後述)により制限された状態において上記所定操作が行われた場合であって、洗濯機100から所定距離内(例えば一定距離内)にユーザUが存在することに関連する所定条件が満たされる場合、ロック機構13をロック状態からアンロック状態に遷移させてもよい。洗濯機100から所定距離内にユーザUが存在することに関連する所定条件は、例えば、端末装置300の通信が無線ルータWRを利用したユーザUの住居内の通信で完結している場合、端末装置300の位置情報(例えばGNSS(Global Navigation Satellite System)を用いた位置情報)がユーザUの自宅に対応する場合などに満たされる。また、洗濯機100から所定距離内にユーザUが存在することに関連する所定条件は、洗濯機100または他の家電機器に設けられた人感センサによりユーザUが検知される場合、同じ住居に配置された他の家電機器に対する使用が所定時間内である直近の時間帯に検出されたことなどでもよい。
【0072】
(7)制御部52は、洗濯機100の操作部(操作部41b、電源ボタン45a、またはスタート・一時停止ボタン45b)に対する入力を受け付けず、通信部44を介した外部からの操作を受け付ける特別状態(特別待機状態)に遷移可能である。上記特別状態では、ロック機構13がロック状態にある場合に、端末装置300から通信部44を介した外部からの操作を受け付ける。
【0073】
<6.制限部>
次に、制限部60について説明する。
図9に示したように、ロック検出スイッチ87は、通信電源部92と通信部44との間の電源経路中に配置されている。これにより、制限部60の一例が実現される。
【0074】
制限部60は、ロック機構13がロック状態にある場合に通信部44を介して外部から所定操作を受け付けることを許容し、ロック機構13がアンロック状態にある場合に通信部44を介して所定操作を受け付けることを制限する。例えば、制限部60は、ロック機構13がロック状態からアンロック状態になることに連動して通信部44を介して所定操作を受け付けることを制限する。ここで、上記所定操作は、例えば、端末装置300を用いて洗濯機100を電源入状態に遷移させる操作、または、端末装置300を用いて洗濯機100の運転を開始させる操作などである。
【0075】
本実施形態では、通信電源部92は、メイン電源部91とは独立して制御可能である。メイン電源部91から電力が供給されない状態(上述した省電力状態)でも、通信電源部92は可動できる。
【0076】
ロック機構13がロック状態にあるときには、ロック検出スイッチ87はオン状態となる。このため、通信部44には通信電源部92から電源Vddが供給される。これにより、通信部44が可動状態となり、端末装置300からの通信部44を介して入力される操作信号を受け付けることができる。
【0077】
一方で、ロック機構13がロック状態からアンロック状態に遷移すると、ロック検出スイッチ87はオフ状態となる。このため、通信部44には電源が供給されなくなる。これにより、通信部44は可動されなくなり、端末装置300から通信部44を介して入力される操作信号を受け付けることが制限される。
【0078】
このように、制限部60は、ロック機構13がアンロック状態である場合とロック状態である場合とで物理的または電気的な状態が変化するロック検出スイッチ87(切替部)を含む。そして、通信部44は、ロック検出スイッチ87の状態に応じて、上記所定操作を受け付けることを許容する第1状態と、上記所定操作を受け付けることを制限する第2状態とで遷移する。なお、ロック検出スイッチ87(切替部)は、ロック機構13がアンロック状態である場合とロック状態である場合とで、物理的な状態と電気的な状態とのうち少なくとも一方が変化する部品であればよい。また、上記切替部は、ロック機構13の外部に設けられる部品でもよい。
【0079】
本実施形態では、上記第2状態は、通信部44による通信を規制することで、上記所定操作が行われることを制限する状態である。本実施形態では、上記第2状態は、通信部44に対する電力供給を遮断することで、通信部44による通信を規制する状態である。
【0080】
なお、通信電源部92は、メイン電源部91とは独立して制御可能であり、上述した省電力状態(遠隔操作の待機状態)でも、動作させることができる。また、ロック機構13は、ロック機構13に対する電力供給が停止された後でも、ロック状態またはアンロック状態に維持される。したがって、制限部60は、上述した省電力状態(遠隔操作の待機状態)でも、通信部44の動作制御が行える。
【0081】
<7.制御の流れ>
次に、本実施形態の制御の流れについて説明する。
本実施形態では、洗濯機100の電源を入れる態様の操作、洗濯機100の電源を切る態様の操作、洗濯機100の運転を開始する操作、および洗濯機100の運転を一時停止させる操作は、洗濯機100の電源ボタン45aおよびスタート・一時停止ボタン45bで行うことができるとともに、端末装置300の電源ボタン311dおよびスタート・一時停止ボタン311eを用いて行うことができる。
【0082】
図10は、本実施形態において端末装置300で操作を行った場合の制御の流れを示すフローチャートである。洗濯機100は、端末装置300からの上記所定操作を受け付ける場合、省電力状態(遠隔操作の待機状態)にある(ステップS1)。待機状態では、メイン電源部91はオフになっている。
【0083】
洗濯機100を使用するユーザUは、洗濯機100を電源入状態に遷移させるために、端末装置300の電源ボタン311dを操作する(ステップS2)。端末装置300の電源ボタン311dが操作されると、端末装置300からサーバ200を経由して洗濯機100に、電源オンを実行する操作信号(洗濯機100を電源入状態に遷移させるための操作信号)が送信される。
【0084】
端末装置300の電源ボタン311dを操作して電源オンを指示した場合、ロック機構13がロック状態であるか否かに応じて、処理が分岐される(ステップS3)。すなわち、洗濯機100のロック機構13がロック状態であるならば(ステップS3:YES)、ロック検出スイッチ87はオン状態であり、通信電源部92から通信部44に電力が供給されている。これに対して、洗濯機100のロック機構13がアンロック状態であるならば(ステップS3:NO)、ロック検出スイッチ87はオフ状態にあり、通信電源部92から通信部44に電力は供給されない。
【0085】
このことから、ロック機構13がロック状態であるならば(ステップS3:YES)、通信部44により電源オンの操作信号を受信することができ、洗濯機100を電源入状態に遷移させる動作が行われる(ステップS4)。この動作では、例えば、通信部44は制御部52に省電力状態解除信号Wake_UPを送信する。制御部52は、この省電力状態解除信号Wake_UPにより、省電力状態から通常状態に遷移する。そして、通信部44は電源オンの操作信号を制御部52に送り、洗濯機100を電源入状態に遷移させる。電源オンの操作が終了すると、メイン電源部91が起動され、各部に電源が供給される。
【0086】
一方で、ロック機構13がアンロック状態であるならば(ステップS3:NO)、通信部44では電源オンの操作信号を受信できない(ステップS5)。このため、処理は終了となる。
【0087】
次に、洗濯機100を使用するユーザUは、端末装置300のスタート・一時停止ボタン311eを操作して、洗濯機100の運転を開始させる(ステップS6)。端末装置300のスタート・一時停止ボタン311eが操作されると、端末装置300からサーバ200を経由して洗濯機100に向けて、運転開始を実行する操作信号が送信される。
【0088】
端末装置300のスタート・一時停止ボタン311eを操作して運転開始を指示した場合、ロック機構13がロック状態であるか否かに応じて、処理が分岐される(ステップS7)。例えば、洗濯機100のロック機構13がロック状態であるならば(ステップS7:YES)、ロック検出スイッチ87はオン状態であり、通信電源部92から通信部44に電力が供給されている。これに対して、洗濯機100のロック機構13がアンロック状態であるならば(ステップS7:NO)、ロック検出スイッチ87はオフ状態であり、通信電源部92から通信部44に電力は供給されない。
【0089】
このことから、ロック機構13がロック状態なら(ステップS7:YES)、通信部44は運転開始を実行する操作信号を受信することができ、洗濯機100の運転開始が行われる(ステップS9)。
【0090】
一方で、ロック機構13がアンロック状態であるならば(ステップS7:NO)、ステップS5で、通信部44は運転開始を実行する操作信号が受信できない(ステップS8)。このため、処理は終了となる。
【0091】
このように、本実施形態では、ロック機構13がロック状態(開放状態)のときには、通信部44への電力供給が停止され、通信部44は外部からの操作信号が受信できなくなる。これにより、洗濯機100を使用するユーザUが洗濯機100の周辺を確認できない環境下でも、安全性を確保できる。
【0092】
次に、電源オンの操作が行われたときの制御部52の処理について説明する。
図11は、電源オンの操作が行われたときの制御部52の処理の流れを示すフローチャートである。
【0093】
洗濯機100は、端末装置300からの上記所定操作を受け付ける場合、省電力状態(遠隔操作の待機状態)にある(ステップS101)。待機状態では、メイン電源部91はオフになっている。
【0094】
制御部52は、電源オンの操作が行われたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、電源オンの操作は、洗濯機100本体の電源ボタン45aで行われる場合と、端末装置300の電源ボタン311dで行われる場合とがある。
【0095】
制御部52は、電源オンの操作が行われたと判定すると、電源オンの操作は、洗濯機100の電源ボタン45aで行われたか、または端末装置300の操作ボタン311dによる遠隔操作で行われたかを判定する(ステップS103)。電源オンの操作が洗濯機100の電源ボタン45aで行われた場合には(ステップS103:YES)、制御部52は、ロック機構13をアンロック状態に遷移させて(ステップS106)、洗濯機100を電源入状態に遷移させる(ステップS107)。
【0096】
電源オンの操作が端末装置300の電源ボタン311dで行われた場合(ステップS103:NO)、制御部52は、洗濯機100から所定距離内にユーザUがいるか否かを判定する(ステップS104)。上記所定距離内にユーザUがいる場合には(ステップS104:YES)、制御部52は、ロック機構13をアンロック状態に遷移させて(ステップS106)、洗濯機100を電源入状態に遷移させる(ステップS107)。
【0097】
一方で、上記所定距離内にユーザUがいないと場合には(ステップS104:NO)、制御部52は、ロック機構13をロック状態に維持して(ステップS105)、洗濯機100を電源入状態に遷移させる(ステップS107)。
【0098】
このように、制御部52は、電源オンの操作が洗濯機100本体の電源ボタン45aで行われた場合には(ステップS102、ステップS103:YES)、ロック機構13はアンロック状態に遷移される(ステップS106)。これにより、ユーザUは、電源オンの操作を行ったら、扉12を開き、洗濯、乾燥作業を直ちに行える。
【0099】
また、電源オンの操作が端末装置300の電源ボタン311dで行われる場合には(ステップS103:No)、ロック機構13をロック状態に維持することで(ステップS105)、安全性を確保できる。
【0100】
なお、端末装置300での操作により電源オンの操作が行われたとしても、ユーザUが洗濯機100の近傍にいれば、ユーザUは洗濯機100の周辺の状況は確認できる。このため、制御部52は、端末装置300の操作により電源オンの操作が行われたとしても、ユーザUが洗濯機100の近傍にいれば(ステップS104:Yes)、ロック機構13をアンロック状態としている(ステップS105)。
【0101】
次に、電源オフの操作が行われたときの制御部52の処理について説明する。
図12は、電源オフの操作が行われたときの制御部52の処理の流れを示すフローチャートである。
【0102】
制御部52は、電源オフの操作が行われたか否かを判定する(ステップS201)。
【0103】
制御部52は、電源オフの操作が行われたと判定すると(ステップS201:Yes)、通信設定オン状態であるか否か(すなわち、オンラインモードであるか、オフラインモードでるか)を判定する(ステップS202)。通信状態がオフの場合(オフラインモードである場合)には(ステップS202:NO)、制御部52は、電源オフの処理を行い、洗濯機100を電源切状態に遷移させる(ステップS208)。
【0104】
通信状態がオンの場合(オンラインモードの場合)には(ステップS202:YES)、制御部52は、電源オフの操作が洗濯機100の電源ボタン45aで行われたか、端末装置300の操作ボタン311dによる遠隔操作で行われたかを判定する(ステップS203)。電源オフの操作が端末装置300の操作ボタン311dによる遠隔操作で行われた場合(ステップS203:NO)、制御部52は、ロック機構13をロック状態に維持し(ステップS206)、電源オフの処理を行い、洗濯機100を省電力状態(遠隔操作の待機状態)に遷移させる(ステップS207)。
【0105】
電源オフの操作が洗濯機100本体の電源ボタン45aで行われた場合(ステップS203:YES)、制御部52は、開閉検出スイッチ80の状態に基づき、扉12が開状態か否かを判定する(ステップS204)。
【0106】
制御部52は、扉12が開状態であると判定すると(ステップS204:YES)、表示部41aに、扉12が開いていることを示す異常を表示部41aに表示して、ユーザUに報知する(ステップS205)。
【0107】
制御部52は、扉12が閉状態であると判定すると(ステップS204:NO)、ロック機構13をロック状態に遷移させて(ステップS206)、電源オフの処理を行い、洗濯機100を省電力状態(遠隔操作の待機状態)に遷移させる(ステップS207)。
【0108】
このように、電源オフの操作が洗濯機100の電源ボタン45aで行われたときに、扉12が開状態なら(ステップS204:YES)、扉12が開状態であることを示す表示が表示部41aに表示される(ステップS205)。ユーザUは、このような表示を見ることで、扉12を閉めることが促される。
【0109】
また、電源オフの操作が洗濯機100の電源ボタン45aで行われた場合には(ステップS203:YES)、ロック機構13はロック状態に遷移される(ステップS206)。また、端末装置300の操作ボタン311dにより電源オフの操作を行った場合には(ステップS203:NO)、ロック状態に維持される。これにより、電源オフの待機状態では、ロック機構13がロック状態となり、安全性が確保される。
【0110】
なお、通信設定がオフの場合(オフラインモードである場合)には(ステップS202:Yes)、ユーザUは、洗濯機100を遠隔操作することはないので、ロック機構13はロック状態に設定しない。
【0111】
図13は、ステップS205で、扉12が開いている状態で、電源をオフしたときに表示される報知の一例である。扉12を開いたままで電源オフの操作を行うと、
図13に示すように、扉12を閉じることを促すような報知D1が表示・入力ユニット41の表示部41aの表示領域Dに表示される。
【0112】
なお、扉12がロック状態のときに、扉12を開ける必要がある場合には、例えば操作部41bに対する特定操作により、ロック機構13をロック状態からアンロック状態に遷移させることができる。この場合には、
図14に示すように、扉12を開くことを確認するような報知D2が表示・入力ユニット41の表示部41aの表示領域Dに表示される。また、子供のいたずら等を考慮して、ロック解除は、複数のボタンを同時に押したり、ボタンを押す回数を設定したりなど、特別の操作方法とすることが考えられる。操作部41bに対する特定操作は、「電源を入れる態様の操作とは異なる操作」の一例である。また、扉12を開くことを確認するような報知D2は、表示・入力ユニット41の表示部41aに代えて/加えて、端末装置300の表示画面301aに表示されてもよい。この場合、ユーザUは、扉12を開くことを許可する操作信号を、端末装置300からサーバ200を介して洗濯機100に送信してもよい。
【0113】
<8.遠隔待機>
ユーザUの使用形態によっては、端末装置300で洗濯機100の操作を優先して行うことが考えられる。そこで、この実施形態では、洗濯機100本体からの入力を受け付けず、端末装置300から通信部44を介した入力を受け付ける特別状態に遷移させるようにしている。
【0114】
すなわち、
図7に示したように、表示・入力ユニット41には、遠隔待機ボタンB13が配置されている。遠隔待機ボタンB13により、特別状態(特別待機状態)に遷移できる。特別状態では、ロック機構13がロック状態にある場合に、端末装置300から通信部44を介した外部からの操作信号を受け付ける。
【0115】
<8.変形例>
【0116】
なお、制限部60の構成は、上述の構成では、ロック検出スイッチ87の状態に応じて、通信部44へ電源を供給または遮断することで、通信部44を所定操作を受け付けることを許容する第1状態と、所定操作を受け付けることを制限する第2状態とに遷移しているようにしているが、このような構成に限定されない。例えば、通信部44には電源の待機状態でも常に電源を供給しておき、ロック検出スイッチ87の状態に応じて、通信部44によるデータの通信を可能又は規制状態とすることで、所定操作を受け付けることを許容する第1状態と、所定操作を受け付けることを制限する第2状態とに遷移できるようにしても良い。また、ロック検出スイッチ87の状態に応じて、通信部44と制御部52との間の通信線を接続または遮断するようにしても良い。例えば、上記第2状態は、通信部44への電力供給を遮断するに代えて、制御部52と通信部44との間の通信を規制すること(例えば通信部44からの信号を制御部52では受け付けないようにすること)で、通信部44による通信を規制してもよい。
【0117】
<9.利点>
本実施形態では、洗濯機100は、筐体11と、扉12と、ロック機構13と、通信部44と、制御部52と、制限部60とを備える。筐体11は、衣類を投入可能な開口部11aを有する。扉12は、開口部11aを開閉可能に閉塞する。ロック機構13は、扉12が閉じ状態から開き状態になることを許容する開放状態と、扉12を閉じ状態に規制する規制状態とで遷移可能である。通信部44は、洗濯機100の外部と通信可能である。制御部52は、ロック機構13および通信部44を制御する。制限部60は、ロック機構13が規制状態にある場合に通信部44を介して外部から所定操作を受け付けることを許容し、ロック機構13が規制状態から開放状態になることに応じて通信部44を介して所定操作を受け付けることを制限する。このような構成によれば、ロック機構13が開放状態のときには、通信部44を介して外部から所定操作を受け付けることが規制される。このため、洗濯機100を使用するユーザUが洗濯機100の周辺を確認できない環境下でも安全性を確保して外部から所定操作を行うことができ、洗濯機100の利便性の向上を図ることができる。
【0118】
本実施形態では、制限部60は、ロック機構13が規制状態から開放状態になることに連動して通信部44を介して所定操作を受け付けることを制限する。このような構成によれば、洗濯機100は、ロック機構13が開放状態になる場合に、通信部44を介して外部から所定操作を受け付けることをより確実に規制することができる。
【0119】
本実施形態では、制限部60は、ロック機構13が開放状態である場合と規制状態である場合とで物理的または電気的な状態が変化するロック検出スイッチ87(切替部)を含む。制限部60は、ロック検出スイッチ87の状態に基づいて、所定操作を受け付けることを許容する第1状態と、所定操作を受け付けることを制限する第2状態とで遷移する。このような構成によれば、洗濯機100が電源オフの待機状態のときにも、扉12が規制状態にあるか否かを確実に判定して、第1の状態と第2の状態とに遷移できる。
【0120】
本実施形態では、上記第2状態は、通信部44による通信を規制することで、所定操作を受け付けることを制限する状態である。このような構成によれば、端末装置300を使用して洗濯機100の操作を行った場合にも、安全性を確保できる。
【0121】
本実施形態では、洗濯機100は、筐体に設けられた電源ボタン45aを備える。制御部52は、電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合、ロック機構13を規制状態に遷移させるとともに、通信部44の通信機能を維持する。このような構成によれば、洗濯機100の操作部41bで電源を切る態様の操作が行われた場合に、扉12が規制状態になる。このため、電源オフの待機状態にある間、扉12はロック状態になり、端末装置300の操作が行われても、安全性が確保できる。
【0122】
本実施形態では、洗濯機100は、扉12の開閉状態を検知する開閉検出スイッチ80を備える。制御部52は、電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合において、開閉検出スイッチ80により扉12(閉塞部材)が開き状態にあると検知される場合、電源を切る操作を受け付けず、異常を報知する。このような構成によれば、電源を切る態様の操作が行われた場合に、洗濯機100の扉12が開き状態にあると検知される場合には、ユーザUに扉12を閉じるように促すことができる。
【0123】
本実施形態では、制御部52は、電源ボタン45aに対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、ロック機構13を開放状態に遷移させる。このような構成によれば、洗濯機100の操作部41bで電源オンの操作が行われた場合には、ロック機構13が開放状態に遷移されるので、ユーザUは扉12を開状態として、洗濯、乾燥作業を円滑に行える。
【0124】
本実施形態では、上記所定操作は、通信部44を介して外部から電源を入れる態様の操作である。制御部52は、電源ボタン45aに対して電源を入れる態様の操作が行われた場合、ロック機構13を開放状態に遷移させ、制限部60により所定操作を受け付けることが制限された状態で所定操作が行われた場合、ロック機構13を開放状態に遷移させない。このような構成によれば、洗濯機100の前で作業を行うユーザUは、扉12を開状態として、洗濯、乾燥作業を円滑に行える。また、端末装置300を使用して洗濯機100を操作する場合には、ロック機構13を規制状態に保つことで、安全性を確保できる。
【0125】
本実施形態では、上記所定操作は、通信部44を介して外部から電源を入れる態様の操作である。制御部52は、制限部60により所定操作を受け付けることが制限された状態で所定操作が行われた場合であって、洗濯機100から一定距離内にユーザUが存在するに関連する所定条件が満たされる場合、ロック機構13を開放状態に遷移させる。端末装置300での操作により電源オンの操作が行われたとしても、ユーザUが洗濯機100の近傍にいれば、利用者は洗濯機100の周辺の状況は確認できる。このような構成によれば、ユーザUが洗濯機100の近傍で端末装置300を操作する場合には、扉12を開状態として、洗濯、乾燥作業を行うことを許容できる。
【0126】
本実施形態では、制御部52は、通信部44により外部と通信を行う設定が行われている場合において、電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合、通信部44の通信機能を維持するとともに、ロック機構13を規制状態に遷移させる。制御部52は、通信部44により外部と通信を行う設定が行われていない場合において、電源ボタン45aに対して電源を切る態様の操作が行われた場合、ロック機構13を規制状態に遷移させずに洗濯機100を電源切状態にする。このような構成によれば、通信部44により外部と通信を行う設定が行われていない場合には、電源待機時に扉12を開けることができるので、洗濯、乾燥作業が円滑に行える。
【0127】
本実施形態では、洗濯機100は、筐体11に設けられた操作部(操作部41b、電源ボタン45a、スタート・一時停止ボタン45b)を備える。制御部52は、操作部に対する入力を受け付けず、通信部44を介した外部からの操作を受け付ける特別状態に遷移可能であり、上記特別状態では、制御部52は、ロック機構13が規制状態にある場合に、通信部44を介した外部からの操作を受け付ける。このような構成によれば、端末装置300で洗濯機100の操作を優先して作業を行うことができる。
【0128】
以上、実施形態および変形例について説明した。ただし、実施形態および変形例は、上記例に限定されない。
【0129】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、実施形態の衣類処理機は、筐体と、閉塞部材と、ロック機構と、通信部と、制御部とを備える。前記筐体は、衣類を投入可能な開口部を有する。前記閉塞部材は、前記開口部を開閉可能に閉塞する。前記ロック機構は、前記閉塞部材が閉じ状態から開き状態になることを許容する開放状態と、前記閉塞部材を前記閉じ状態に規制する規制状態とで遷移可能である。前記通信部は、前記衣類処理機の外部と通信可能である。前記制御部は、前記ロック機構および前記通信部を制御する。前記制限部は、前記ロック機構が前記規制状態にある場合に前記通信部を介して外部から所定操作を受け付けることを許容し、前記ロック機構が前記開放状態にある場合に前記通信部を介して前記所定操作を受け付けることを制限する。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
【0130】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0131】
11…筐体、11a…開口部、扉…12、13…ロック機構、44…通信部、52…制御部、60…制限部、80…開閉検出スイッチ、82…ソレノイド、87…ロック検出スイッチ、91…メイン電源部、92…通信電源部