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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025141338
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】車載機器の支持装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20250919BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
B60R16/02 610J
B60R11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041224
(22)【出願日】2024-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100117662
【弁理士】
【氏名又は名称】竹下 明男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】福市 朋弘
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大弥
(72)【発明者】
【氏名】曽根 康介
(72)【発明者】
【氏名】志田 友香
(72)【発明者】
【氏名】大野 真実
【テーマコード(参考)】
3D020
【Fターム(参考)】
3D020BA01
3D020BB01
3D020BC01
3D020BD02
3D020BD11
(57)【要約】
【課題】車載機器の取付作業性を向上させる。
【解決手段】車載機器の支持装置20は、車載機器を含む被支持体40を支持する。支持装置20は、被支持体40を一方から支持する第1支持部材21と、被支持体40を他方から支持する第2支持部材22と、第2支持部材22を、被支持体40を支持する支持位置P1と、支持位置P1よりも第1支持部材21から離れる退避位置P2との間で、移動可能に支持する第1ブラケット23と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器を含む被支持体を支持する車載機器の支持装置であって、
前記被支持体を一方から支持する第1支持部材と、
前記被支持体を他方から支持する第2支持部材と、
前記第2支持部材を、前記被支持体を支持する支持位置と、前記支持位置よりも前記第1支持部材から離れる退避位置との間で、移動可能に支持する可動支持部材と、
を備える、車載機器の支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第2支持部材は長尺状であり、
前記可動支持部材は、前記第2支持部材の長手方向の一端部を回動可能に支持する回転支軸を、含む、車載機器の支持装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記退避位置から前記支持位置に向かう方向に前記第2支持部材を付勢する付勢部材をさらに備える、車載機器の支持装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第2支持部材が前記支持位置に位置する前記第2支持部材と係合する係合部を有する係合部材をさらに備える、車載機器の支持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第2支持部材は、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記係合部は、前記被係合部が挿入される溝部と、前記溝部の一部に形成される突起部と、を備え、
前記支持位置において、前記突起部が前記被係合部を抜け止めする方向から前記係合部と接触する、車載機器の支持装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第1支持部材および前記第2支持部材は、前記車載機器を含む前記被支持体をガイドするガイドレールである、車載機器の支持装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第1支持部材および前記第2支持部材の少なくとも一方に、複数の固定部が形成される、車載機器の支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載機器を含む被ガイド体を支持する車載機器の支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、車両の天井とルーフライナとの間に配置されるワイヤハーネス組付体を開示している。特許文献1のワイヤハーネス組付体は、防音材と、保護材と、複数のワイヤハーネスとを備えている。複数のワイヤハーネスは、防音材と保護材との間に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-90229号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の機能を追加したいという要望に応えるため、車載機器が後付け可能であることが望まれている。このように車載機器が後付けされる場合、狭い車内での作業が想定される。このため、できるだけ簡単に取付作業が行えることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本開示は、車載機器の取付作業性を向上させることを目的とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示の車載機器の支持装置は、車載機器の取付作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は車載機器の支持装置が取り付けられる車両の一例を示す概略斜視図である。
図2図2は支持装置を上方から示す概略斜視図である。
図3図3は支持装置を下方から示す概略斜視図である。
図4図4は第2支持部材が支持位置に位置する状態の支持装置の平面図である。
図5図5は第2支持部材が支持位置に位置し、かつ被支持体が支持されない状態の支持装置を示す正面図である。
図6図6は第2支持部材が退避位置に位置する状態の支持装置を示す平面図である。
図7図7は第2支持部材が支持位置に位置し、かつ被支持体が支持される状態の支持装置を示す正面図である。
図8図8は被支持体を上方から示す斜視図である。
図9図9は被支持体を下方から示す斜視図である。
図10図10は係合部と被係合部とが係合する様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態を列記して説明する。
【0009】
本開示の車載機器の支持装置は、次の通りである。
【0010】
(1)車載機器を含む被支持体を支持する車載機器の支持装置であって、前記被支持体を一方から支持する第1支持部材と、前記被支持体を他方から支持する第2支持部材と、前記第2支持部材を、前記被支持体を支持する支持位置と、前記支持位置よりも前記第1支持部材から離れる退避位置との間で、移動可能に支持する可動支持部材と、を備える。これにより、第2支持部材を移動させれば被支持体の取り付けができる。被支持体が取り付けられやすい。
【0011】
(2)(1)の車載機器の支持装置であって、前記第2支持部材は長尺状であり、前記可動支持部材は、前記第2支持部材の長手方向の一端部を回動可能に支持する回転支軸を、含む。これにより、第2支持部材の他端部側を移動させれば被支持体の取り付けができる。
【0012】
(3)(1)または(2)の車載機器の支持装置であって、前記退避位置から前記支持位置に向かう方向に前記第2支持部材を付勢する付勢部材をさらに備える。これにより、付勢部材の付勢力により第2支持部材が自動的に退避位置から支持位置に戻る。
【0013】
(4)(1)から(3)のいずれか1つの車載機器の支持装置であって、前記第2支持部材が前記支持位置に位置する前記第2支持部材と係合する係合部を有する係合部材をさらに備える。これにより、支持位置において第2支持部材が固定される。
【0014】
(5)(4)の車載機器の支持装置であって、前記第2支持部材は、前記係合部に係合される被係合部を有し、前記係合部は、前記被係合部が挿入される溝部と、前記溝部の一部に形成される突起部と、を備え、前記支持位置において、前記突起部が前記被係合部を抜け止めする方向から前記被係合部と接触する。これにより、突起部が係合の離脱の阻止を行い、第2支持部材が支持位置に留まることができる。
【0015】
(6)(1)から(5)のいずれか1つの車載機器の支持装置であって、前記第1支持部材および前記第2支持部材は、前記車載機器を含む前記被支持体をガイドするガイドレールである。これにより、被支持体の支持位置の調整が容易である。
【0016】
(7)(1)から(6)のいずれか1つの車載機器の支持装置であって、前記第1支持部材および前記第2支持部材の少なくとも一方に、複数の固定部が形成される。これにより、被支持体を支持装置に固定できる。
【0017】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の車載機器を含む被ガイド体を支持する車載機器の支持装置の具体例を、以下の図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0018】
以下、本開示にかかる車載機器の支持装置について説明する。
【0019】
<車載機器の支持装置が取り付けられる車両全体の説明>
図1は、車載機器50(図9参照)の支持装置20が取り付けられる車両10の一例を示す概略斜視図である。本開示において、X方向が車両10の幅方向とされ、Y方向が車両10の前後方向とされ、Z方向が鉛直方向とされるものとする。
【0020】
車両10は、ボディ12を備える。ボディ12は、車両10の外形をなす部分である。ボディ12はモノコックボディであってもよいし、ラダーフレーム上に搭載されるボディであってもよい。ここでは、ボディ12は、車室を囲む側方パネル、ルーフパネル13、さらには、乗員が乗り降りするための乗降用ドアパネル14、荷物を出し入れするためのリアドアパネル等を含む。乗降用ドアパネル14が開けられたとき、ボディ12においてドア開口部17が開放状態となる。ボディ12のうち車室の上方を覆う板状の部分がルーフパネル13である。つまり、ルーフパネル13は、車両10の屋根部分11を形成する。ルーフパネル13および乗降用ドアパネル14は、ボディ12の外観形状を形作るべく一部又は全体的に湾曲していてもよい。ルーフパネル13および乗降用ドアパネル14は、金属で形成されていても、樹脂で形成されていても、金属と樹脂との組み合わせによって構成されていてもよい。ルーフパネル13は、車両前後方向(Y方向)に間隔をあけて配置される複数のリインフォース15で補強されている。このリインフォース15は、車両幅方向(X方向)に延在する。
【0021】
車載機器50の支持装置20は、車両10において外観をなすボディ12と、車室内を向く内装部材16との間の配置空間に配置される。本実施形態の車載機器50の支持装置20は、車載機器50を含む被支持体40(図8および図9参照)を支持する。本実施形態においては、支持装置20が、リインフォース15に固定される例が説明される。支持装置20に形成される固定部21d,23d,24d(図2参照)がリインフォース15に対して粘着テープ(図示しない)により貼着されることにより、車載機器50の支持装置20がリインフォース15に固定される。なお、車載機器50の支持装置20のリインフォース15への固定は、粘着テープによる貼着に限られず、ネジによる固定、結束バンドによる固定など種々の固定構造が採用されてもよい。例えば、粘着テープ又は結束バンドによる固定であれば、リインフォース15に支持装置20を固定するための形状を予め形成しておかなくても、支持装置20をリインフォース15に固定できる。なお、支持装置20に形成されるリインフォース15との固定部21d,23d,24dは、後に説明する第1支持部材21,第1ブラケット23,第2ブラケット24にそれぞれ形成される。可動する第2支持部材22には固定部が形成されない。
【0022】
屋根部分11における車室内側には、内装部材(図示しない)が備えられる。内装部材は、樹脂等で形成された板状部材である。内装部材は、車室内に露出する部分である。屋根部分11における内装部材は、ルーフパネル13に対して下側に取り付けられる。屋根部分11における内装部材は、車室内の天井形状を形作る部分である。屋根部分11における内装部材は、ルーフライナ(rооf liner)と呼ばれることもある。支持装置20に支持される後付けの車載機器50において、車室内に露出することが望まれる機器以外の部分は、内装部材によって、車室内から隠されていても良い。
【0023】
図1に示すように、車両10のドア開口領域R1は、車両10の前後方向(Y方向)においてドア開口部17の範囲内である。スライドドアによって開閉されるドア開口部17の外側空間は、ヒンジを中心として開閉する開口の外側空間と比べて、ドアに邪魔されることなく大きく開く。このため、車載機器50を車室内に持ち込むための開口として適している。支持装置20の前後方向の両端は、ドア開口領域R1に配置されてもよいし、ドア開口領域R1から前又は後ろにはみ出てもよい。
【0024】
<車載機器の支持装置の構成>
図2は、本開示の支持装置20を上方から示す概略斜視図である。図3は、本開示の支持装置20を下方から示す概略斜視図である。図4は、第2支持部材22が支持位置に位置する状態の支持装置20の平面図である。図5は、第2支持部材22が支持位置に位置し、かつ被支持体40が支持されない状態の支持装置20を示す正面図である。図6は、第2支持部材22が退避位置に位置する状態の支持装置20を示す平面図である。図7は、第2支持部材22が支持位置に位置し、かつ被支持体49が支持される状態の支持装置20を示す正面図である。なお、図2において、車載機器50の支持装置20はリインフォース15とともに図示される。
【0025】
支持装置20は、被支持体40を支持する。支持装置20は、第1支持部材21と、第2支持部材22と、第1ブラケット23と、を備える。また、支持装置20は、第2ブラケット24をさらに備える。第1ブラケット23の一端部は第1支持部材21に固定される。また、第1ブラケット23の他端部は、第2支持部材22を回動可能に支持する。このような構成から、第1ブラケット23は、可動支持部材であると把握できる。また、第2ブラケット24の一端部は第1支持部材21に固定される。また、第2ブラケット24の他端部は、第2支持部材と係合可能である。このような構成から、第2ブラケット24は、係合部材であると把握できる。
【0026】
第2支持部材22が支持位置から退避位置に向けて回転移動では無く、平行移動する場合、可動支持部材は、第2支持部材22の一端又は両端を直線軌道又は曲線軌道に沿って移動可能に支持するレールであってもよい。
【0027】
第1支持部材21は、被支持体40を一方から支持する(図7参照)。第1支持部材21は、長尺状である。第1支持部材21の長手方向が車両10の幅方向(X方向)になるように、第1支持部材21が配置される。第1支持部材21は、長尺状の基板21aと、基板21aの幅方向に対向する側面のうちの一方から上方に延出する側壁21bと、側壁21bからさらに上方に延出してZ方向に垂直な平面を有する固定部21dと、基板21aの長手方向の両側面から上方に延出する一対の側壁21cと、基板21aの下方に配置される第1ガイドレール21eと、基板21aと第1ガイドレール21eとを連結する連結部21fと備える。
【0028】
基板21aは、長手方向が車両10の幅方向(X方向)になるように配置される。側壁21bは、後述する第2支持部材22側の側面から長手方向全域に亘って上方に延出する。固定部21dは、リインフォース15に対して貼着テープにより貼り付けられる。これにより、第1支持部材21が車両に対して固定される。連結部21fは、基板21aの側壁21bの延出される側面と対向する側面から下方に延出する。連結部21fは、第1ガイドレール21eの幅方向に対向する側面のうち支持装置20の外側空間に面する側面に連結される。
【0029】
第1ガイドレール21eは、基板21aに平行な平面を有する。この平面は第1ガイド面21hである。本実施形態においては、第1ガイドレール21eは、Z方向の平面視において、基板21aと同位置で同形状である。第1ガイドレール21eは、第2支持部材22の第2ガイドレール22eとともに被支持体40をガイドする。
【0030】
第1支持部材21の第1ガイドレール21eに、複数の固定部21gが形成される。複数の固定部21gはネジを挿通するためのネジ穴である。これらの複数の固定部21gは定間隔で形成される。固定部21gは、被支持体40の固定穴42cと共にネジなどの固定部材(図示しない)により固定される(図6図8および図9参照)。なお、各固定部21gは、複数のネジ穴を有していてもよい。
【0031】
第2支持部材22は、被支持体40を他方から支持する(図7参照)。ここで、他方とは、被支持体40において、第1支持部材21に支持される側と対向する側である。第2支持部材22は、長尺状である。第2支持部材22の長手方向が車両10の幅方向(X方向)になるように、第2支持部材22が配置される。第2支持部材22は第1支持部材21と平行になるように配置される。第2支持部材22は、長尺状の基板22aと、基板22aの幅方向に対向する側面のうち一方から上方に延出する側壁22bと、基板22aの長手方向の両側面から上方に延出する一対の側壁22cと、基板22aの下方に配置される第2ガイドレール22eと、基板22aと第2ガイドレール22eとを連結する連結部22fとを備える。連結部22fは、基板22aの側面から下方に垂直に延設される。
【0032】
基板22aには、後に説明する回転支軸25を挿通するための貫通穴22hが形成される。同様に、第2ガイドレール22eにも、回転支軸25を挿通するための貫通穴22iが形成される。貫通穴22hと貫通穴22iとはZ方向の平面視において同位置に同形状に形成される(図4参照)。貫通穴22hと貫通穴22iとは、第2支持部材22の長手方向において第1ブラケット23側の端部に形成される。
【0033】
基板22aは、長手方向が車両10の幅方向(X方向)になるように配置される。側壁22bは、第1支持部材21側の側面から長手方向全域に亘って上方に延出する。連結部22fは、基板22aの側壁22bの延出される側面と対向する側面から下方に延出する。連結部22fは、第2ガイドレール22eの幅方向に対向する側面のうち支持装置20の外側空間に面する側面に連結される。
【0034】
第2ガイドレール22eは、基板22aに平行な平面を有する。この平面は第2ガイド面22jである。本実施形態においては、第2ガイドレール22eは、Z方向の平面視において、基板22aと同位置で同形状である。第2ガイドレール22eは、第1支持部材21の第1ガイドレール21eとともに被支持体40をガイドする。
【0035】
第2支持部材22の第2ガイドレール22eに、複数の固定部22gが形成される。複数の固定部22gはネジを挿通するためのネジ穴である。これらの複数の固定部21gは定間隔で形成される。固定部22gは、被支持体40の固定穴42cと共にネジなどの固定部材(図示しない)により固定される(図6図8および図9参照)。なお、各固定部22gは、複数のネジ穴を有していてもよい。
【0036】
第2支持部材22は、貫通穴22hと貫通穴22iとに挿通される回転支軸25(後に説明する)の周りに回動可能に軸支される(回転支軸25は後述する第1ブラケット23の基板23aに固定される)。第2支持部材22は、支持位置P1と退避位置P2との間で、回転支軸25周りに回動する。なお、支持位置P1は、第2支持部材22が第1支持部材21と並列する位置である(図2図5)。退避位置P2は、支持位置P1よりも第1支持部材21から離れる位置である。なお、第2支持部材22の少なくとも一部が、支持位置P1よりも退避位置P2において、第2支持部材22から離れればよい。第2支持部材22の少なくとも一部は、例えば、第2支持部材22のうち被支持体40を固定する部分であり固定部22gが形成される部分である。よって、退避位置P2には、第1支持部材21と第2支持部材22との間の一部のみが第1支持部材21から離れる場合も含まれる。つまり、本実施形態のように、第2支持部材22が回動により移動する場合など、回転支軸25周辺での第1支持部材21と第2支持部材22との距離が変動しない場合も含まれる。本実施形態において、第2支持部材22の回動範囲は、車両10内での可動スペースが限定されているため、第1支持部材21と離れる方向であって支持位置P1における第2支持部材22とのなす角が90°までの範囲であることが好ましい。本実施形態においては、第2支持部材22がXY平面上の水平方向に移動する構成が採用されるが、この構成に限定されない。第2支持部材22は上下方向や斜め方向に移動する構成でも良い。
【0037】
また、本実施形態においては、第2支持部材22は、後述する第2ブラケット24に固定される係合部27に係合される被係合部28を有する。被係合部28は、例えば、樹脂製である。被係合部28は、側壁22bに固定される。側壁22bへの固定構造は、ネジ止固定、接着剤による接着や粘着テープによる貼付けなど、いずれの固定構造でも良い。なお、被係合部28は、第2支持部材22と同一部材でもよく、また第2支持部材22と一体形成されてもよい。第2支持部材22は、支持位置P1において、係合部27に形成される突起部27bが被係合部28の挿入部28aを抜け止めする方向から被係合部28の凹部28bと接触する。この突起部27bが係合の離脱の阻止を行う。これにより第2支持部材22が支持位置P1に留まることができる。なお、係合部27および被係合部28の係合動作について、後に詳細に説明する。
【0038】
可動支持部材として把握される第1ブラケット23は、長尺状である。第1ブラケット23の長手方向が車両10の前後方向(Y方向)になるように、第1ブラケット23が配置される。第1ブラケット23は、長尺状の基板23aと、基板23aの幅方向に対向する両側面から上方に延出する一対の側壁23bと、一対の側壁23bの一方(第2ブラケット24側の側壁23b)からさらに上方に延出してZ方向に垂直な平面を有する固定部23dと、基板23aの長手方向の側面のうち第2支持部材22側に位置する側面から上方に延出する側壁23cと、一対の側壁23bから延出されて第1支持部材21の側壁21bに固定される固着部23eと、を備える。また、第1ブラケット23は、第2支持部材22の長手方向の一端部を回動可能に支持する回転支軸25を含む。第1ブラケット23の基板23aの基板23aに形成される嵌合穴23fに対して回転支軸25が例えばネジ止固定されるか、圧入される。これにより、基板23aが回転支軸25を固定する。回転支軸25は、その軸心がZ方向に沿うように配置される。嵌合穴23fと上述の貫通穴22hおよび貫通穴22iは、Z方向の平面視において、同位置に形成される。回転支軸25は、基板23aの長手方向において、第2支持部材22側の端部に位置する。
【0039】
回転支軸25の周りには、付勢部材としてのトーションスプリング26が装着される。トーションスプリング26は一対のアーム26a、26bを備える。トーションスプリング26の一方のアーム26aは例えば第2支持部材22の連結部22fに支持装置20の外側から当接する。また、トーションスプリング26の他方のアーム26bは例えば第1ブラケット23の側壁23bに支持装置20の外側から当接する。つまり、アーム26a、アーム26bは、それぞれ、第2支持部材22の連結部22fと第1ブラケット23の側壁23bとに対して、トーションスプリング26が付勢する方向から当接している。このトーションスプリング26は、第2支持部材22を第1支持部材21に近付ける方向に、第2支持部材22を付勢する。これにより、トーションスプリング26は、退避位置P2から支持位置P1に向かう方向に第2支持部材22を付勢する。
【0040】
このような構成により、例えば、図4および図5に示すように、第2支持部材22に対して矢印F1方向の力が作用すると、第2支持部材22がトーションスプリング26の付勢力に抗して矢印M1の方向へ回動する。このようにして、第2支持部材22が退避位置P2へ移動する。
【0041】
そして、例えば、図6に示すように、矢印F1方向の力の作用がなくなると、第2支持部材22はトーションスプリング26の付勢力により矢印F2方向へ付勢される。そして、第2支持部材22は矢印M2の方向へ回動する。そして再び、第2支持部材22は支持位置P1に移動する。
【0042】
なお、本実施形態においては、退避位置P2から支持位置P1に向かう方向に第2支持部材22を付勢する付勢部材が備えられるが、付勢部材が備えられない構成であっても良い。ただし、第2支持部材22が自動的に退避位置P2から支持位置P1に移動するので、付勢部材が備えられることが好ましい。また、付勢部材はトーションスプリング26に限定されない。第2支持部材22を退避位置P2から支持位置P1に付勢する付勢部材であれば、他の部材も採用可能である。
【0043】
係合部材として把握される第2ブラケット24は、第2支持部材22が支持位置P1に配置されるときに第2支持部材22と係合する。第2ブラケット24は、長尺状である。第2ブラケット24は、第1ブラケット23と同程度の長さである。第2ブラケット24の長手方向が車両10の前後方向(Y方向)になるように、第2ブラケット24が配置される。つまり、第2ブラケット24は、第1ブラケット23に並列する。第2ブラケット24は、長尺状の基板24aと、基板24aの幅方向に対向する両側面から上方に延出する一対の側壁24bと、一対の側壁24bの一方(第1ブラケット23側の側壁24b)からさらに上方に延出してZ方向に垂直な平面を有する固定部24dと、一対の側壁23bから延出されて第1支持部材21の側壁21bに固定される固着部24eと、基板23aおよび側壁23bに固定される係合部27とを備える。係合部27は、基板23aの長手方向において第2支持部材22側に位置する。係合部27は、基板24aおよび一対の側壁23bに対して、例えばネジ、接着剤、または、粘着テープで固定される。係合部27が上述の被係合部28と係合することにより、支持位置P1において第2ブラケット24と第2支持部材とが互いに固定される。
【0044】
図7に示すように、係合部27は、被係合部28の一部が挿入される溝部27aと、溝部27aの一部に形成される突起部27bと、を備える。係合部27は、弾性変形可能な部材で形成される。係合部27は、例えば、樹脂製である。係合部27は、第2ブラケット24と同一部材でもよく、また第2ブラケット24と一体形成されてもよい。
【0045】
また、被係合部28は、係合部27の溝部27aに挿入される挿入部28aと、挿入部28aの一部に形成される凹部28bと、を備える。被係合部28は、例えば樹脂製である。また、被係合部28は、例えば、係合部27と同一素材で形成される。
【0046】
<被支持体40>
図8は、被支持体40を上方から示す斜視図である。図9は、被支持体40を下方から示す斜視図である。なお、図8においては被支持体40に固定される車載機器50を固定するためのネジとナットが共に図示され、図9においては被支持体40に固定される車載機器50が共に図示されている。
【0047】
本実施形態においては、被支持体40は、板状体41と、スライド部材42と、板状体41とスライド部材42とを固定する固定部材43とを有する。なお、被支持体40は、スライド部材42の代わりにガイドレール上をスライドしない支持部を備えても良い。
【0048】
板状体41は矩形状に形成される。板状体41の平面には、厚み方向に貫通する複数のネジ穴41aが形成される。ネジ穴41aは、板状体41の平面の縦方向(X方向)と横方向(Y方向)とに等間隔に形成される。ネジ穴41aと車載機器50(本実施形態において、より詳細には、車載機器50を取り付けている固定板51(図9参照))の固定部とがネジ71とナット72により固定される(図8および図9参照)。このように複数のネジ穴41aが形成されることにより、車載機器50の配置が選択可能である。また、様々な大きさの車載機器50にも対応可能となる。
【0049】
スライド部材42は、矩形状の板状体41の4隅にそれぞれ配置される。スライド部材42は、固定部材43に固定される固定部42aと、スライド部42bと、スライド部42bに形成される固定穴42cとを有する。なお、本実施形態においては、固定部42aとスライド部42bとが一枚の金属板で形成されている。固定部42a(本実施形態においては、ネジ部材の貫通孔)と板状体41とが固定部材43(本実施形態においてはネジ部材とナット)により結合されることにより、スライド部材42と板状体41とが固定される。スライド部42bは、第1ガイド面21h上および第2ガイド面22j上をスライドする。より詳細には、板状体41の第1支持部材21側に位置するスライド部42bが第1ガイド面21h上をスライドし、板状体41の第2支持部材22側に位置するスライド部42bが第2ガイド面21j上をスライドする。スライド部42bが第1ガイド面21h上および第2ガイド面22j上でスライド移動することにより、被支持体40の支持装置20におけるX方向の位置が調整可能である。なお、被支持体40のガイドされる方向の大きさが図4および図6で図示する大きさよりも小さい場合には、第1ガイドレール21e(または第2ガイドレール22e)での移動可能範囲も広がる。このため、被支持体40の第1ガイドレール21e(または第2ガイドレール22e)での位置調整の幅も広がる。
【0050】
固定穴42cは、スライド部42bに形成されるネジを挿通するための穴である。固定穴42cは、第1支持部材21の固定部21gおよび第2支持部材22の固定部22gに対応した形状に形成される。例えば、各固定部21gや各固定部22gが複数のネジ穴を有する場合には、固定穴42cも複数のネジ穴を有する。板状体41の第1支持部材21側に位置する固定穴42cは、上述の第1ガイドレール21eの固定部21gとともにネジにより固定される。板状体41の第2支持部材22側に位置する固定穴42cは、上述の第2ガイドレール22eの固定部22gとともにネジにより固定される。なお、被支持体40と第1支持部材21または第2支持部材22との固定構造は、ネジに限定されない。例えば、粘着テープ、接着剤、または結束バンドによる固定構造が採用されても良い。
【0051】
<支持装置20への被支持体40の取付方法>
図10は、係合部27と被係合部28とが係合する様子(係合部27と被係合部28との係合が解放される様子)を示す説明図である。
【0052】
被支持体40が支持装置20へ取り付けられる時には、まず、図4および図5に示すように、第2ガイドレール22eに第2支持部材22側に位置するスライド部材42を引っ掛ける。このとき、第1ガイドレール21eには第1支持部材21側に位置するスライド部材42が引っ掛かっていない。つまり、図5に示すように、板状体41が、第1支持部材21側から第2支持部材22側に向かって、上向きに傾斜して配置される。そして、図4および図5において矢印F1方向に被支持体40が力を受ける。具体的には、被支持体40を支持する作業者が矢印F1方向に被支持体40に力を加える。被支持体40に対する矢印F1方向の力を受けて、第2支持部材22が矢印F1の力を受ける。
【0053】
このとき、第2支持部材22が矢印F1方向の力を受けて、図10に示すように、係合部27と係合していた被係合部28が矢印A方向に引き抜かれる。被係合部28が係合部27から引き抜かれるとき、被係合部28の凹部28bの移動に伴って突起部27bが凹部28bの面によって上向きに押される。そして、係合部27の弾性変形により、係合部27の突起部27bが凹部28bから離脱する矢印C方向へ移動する。これにより、突起部27bが凹部28bを離脱し、被係合部28が係合部27から解放される。
【0054】
被係合部28が係合部27から解放されると、図4および図5に示すように、第2支持部材が被支持体40を下から支持しつつ、矢印M1方向へ回転支軸25を中心に回動する。なお、トーションスプリング26の付勢力よりも矢印F1の力が大きい場合に、第2支持部材22が回動する。トーションスプリング26の付勢力よりも矢印F1の力が小さい場合には、第2支持部材22は回動しない。第2支持部材22が回動し、第2支持部材22は支持位置P1から退避位置P2に移動する。
【0055】
このように第2支持部材22が退避位置P2に移動した状態で、矢印F1方向の力の作用がなくなると、トーションスプリング26の付勢力によって、第2支持部材22が矢印M2方向へ回動する。例えば、作業者が被支持体40を第2支持部材22側に押す力を解除すると、第2支持部材22が支持位置P1に戻る方向に回転する。第2支持部材22が矢印M2方向へ回動するとき、板状体41がXY平面に水平になるように、第1支持部材21側の板状体41が作業者により上方に押し上げられる。これに伴い、第1支持部材21側のスライド部材42が第1ガイドレール21eの第1ガイド面21hと同一平面上又は第1ガイド面21hよりも上側に押し上げられる。この状態で、第2支持部材22が支持位置P1へと移動する。図6に示すように、第1支持部材21側のスライド部材42において、前方のスライド部材42は点線矢印S1方向へ移動し、後方のスライド部材42は点線矢印S2方向へ移動する。
【0056】
第2支持部材が支持位置P1へ移動するとき、被係合部28の挿入部28aが係合部27の溝部27aに挿入される。このとき、係合部27の溝部27aの突起部27bに挿入部28aが接触する。その後、図10に示すように、挿入部28aが矢印B方向に挿入される。被係合部28が係合部27に挿入されるとき、係合部27の突起部27bが被係合部28に押されて矢印C方向へ移動する。このとき、作業者が第2支持部材22に対してF2方向への力をさらに加えてもよい。このようにして、凹部28bが突起部27bを乗り越えて、被係合部28が係合部27と再び係合する。つまり、図7に示すように、第1支持部材21と第2支持部材22とにより被支持体40が支持される。
【0057】
上述のように第1支持部材21と第2支持部材22とにより被支持体40が支持されたのち、第1ガイドレール21eおよび第2ガイドレール22eでのスライド部42bによる位置調整が行われる。第1支持部材21側のスライド部材42の固定穴42cは固定部21gと対応する位置でネジにより固定される。また、第2支持部材22側のスライド部材42の固定穴42cは固定部22gと対応する位置でネジにより固定される。これにより、支持装置20に対して被支持体40が固定される。
【0058】
このように、本実施形態の支持装置20は、被支持体40を支持装置20に固定するときに、一旦第1支持部材21と第2支持部材とに支持される。そして、被支持体40が第1支持部材21の第1ガイドレール21e上と第2支持部材2の第2ガイドレール22e上とで位置調整される。その後、被支持体40が第1支持部材21と第2支持部材22とに固定される。つまり、被支持体40は、支持装置20に仮保持された状態で固定される。このため、本実施形態の支持装置20の被支持体40の固定の作業性は、支持装置20に仮保持されない支持装置の被支持体の固定の作業性よりも高い。
【0059】
<効果等>
以上のように構成された車載機器50の支持装置20によると、被支持体40を一方から支持する第1支持部材21と、被支持体40を他方から支持する第2支持部材22と、第2支持部材22を、被支持体40を支持する支持位置P1と、支持位置P1よりも第1支持部材21から離れる退避位置P2との間で、移動可能に支持する可動支持部材(第1ブラケット23)と、を備えるので、第2支持部材22だけを移動させれば被支持体40の取り付けができる。例えば、被支持体40によって第2支持部材22を押すことで、第2支持部材22を退避位置P2に移動させることもできる。このため、作業者が被支持体40を支持しつつ、被支持体40を支持装置20に取り付けることが容易である。
【0060】
また、第2支持部材22は長尺状であり、第1ブラケット23は、第2支持部材22の長手方向の一端部を回動可能に支持する回転支軸25を含むので、第2支持部材22が回転支軸25周りに回動することにより移動する。このため、第2支持部材22が水平移動する場合よりも第2支持部材22の移動スペースが縮小する。これにより、車両10内の狭小な作業スペースでも支持装置20による被支持体40の取り付けが可能である。また、仮に第2支持部材22が水平移動する場合には、作業者が第2支持部材22全体を支持して移動させることが想定される。これに対し、第2支持部材22が回転支軸25周りに回動するので、作業者が回転支軸25側と異なる側のみを移動させれば良い。これにより、第2支持部材22の移動の作業性が高まる。
【0061】
また、退避位置P2から支持位置P1に向かう方向に第2支持部材22を付勢する付勢部材(トーションスプリング26)をさらに備えるので、トーションスプリング26の付勢力により第2支持部材22が自動的に退避位置P2から支持位置P1に戻る。これにより、被支持体40の第1支持部材21側のスライド部材42を第1支持部材21に支持させる方向に被支持体40を移動させることにより、被支持体40が支持装置20に支持される。また、このように、第2支持部材22が自動的に退避位置P2から支持位置P1に戻るので、例えば、支持装置20がドア開口領域R1に配置されていなくても、被支持体40の取り付けを簡易に行うことができる。
【0062】
また、第2支持部材22と係合する係合部27を有する第2ブラケット24をさらに備えるので、支持位置P1において第2支持部材22の固定が確実となる。
【0063】
また、第2支持部材22は、係合部27に係合される被係合部28を有する。また、係合部27は、被係合部28が挿入される溝部27aと、溝部27aの一部に形成される突起部27bとを備える。また、支持位置P1において、突起部27bが被係合部28を抜け止めする方向から被係合部28と接触する。例えば、被係合部28は、係合部27の溝部27aに挿入される挿入部28aと、挿入部28aの一部に形成される凹部28bとを備える。これにより、突起部27bが凹部28bとの係合の離脱の阻止を行い、第2支持部材が支持位置に留まることができる。また、例えば、係合部27は、弾性変形可能な材料により形成される。これにより、被係合部28が離脱方向に力を加えられると、係合部27が弾性変形して、被係合部28を係合部27から離脱させることもできる。また、被係合部28が係合方向に力を加えられると、係合部27が弾性変形して、係合部27と被係合部28とを係合させることもできる。
【0064】
また、第1支持部材21および第2支持部材22は、車載機器50を含む被支持体40をガイドするガイドレール(第1ガイドレール21eおよび第2ガイドレール22e)である。このため、第2支持部材22が支持位置P1に位置するとき、第1支持部材21および第2支持部材22に支持された被支持体40が第1ガイドレール21eおよび第2ガイドレール22eをスライド移動することができる。これにより、被支持体40の支持位置の調整が容易である。
【0065】
また、第1支持部材21および第2支持部材22の少なくとも一方に、複数の固定部(21gまたは22g)が形成される。例えば、第1支持部材21および第2支持部材22の両方に複数の固定部21gおよび固定部22gが形成される。被支持体40の、第1支持部材21および第2支持部材22での固定位置が選択可能である。つまり、第1支持部材21または第2支持部材22での複数の固定部(固定部21gまたは固定部22g)の中から、被支持体40が固定される固定部(固定部21gまたは固定部22g)が選択される。これにより、被支持体40の第1支持部材21上および第2支持部材22上での取付位置の自由度が向上する。特に、第1支持部材21が第1ガイドレール21eを備え、第2支持部材22が第2ガイドレール22eを備える場合には、被支持体40の取付位置の自由度が高いうえに、取付位置への位置調整も容易である。
【0066】
<変形例>
上述した実施形態において、第1支持部材21は第1ガイドレール21eを備え、第2支持部材22が第2ガイドレール22eを備える構成が採用されるが、これに限定されない。被支持体40が第1ガイドレール21eまたは第2ガイドレール22eによりガイドされず、単に第1支持部材21と第2支持部材22とに支持される構成が採用されてもよい。その場合は、退避位置P2において被支持体40の取付位置が調整される。
【0067】
また、さらに、上述した実施形態において、4つのスライド部材42が備えられる被支持体40が採用されるが、これに限定されない。1つのスライド部材42が備えられる構成でも良い。ただし、2つ以上のスライド部材42が備えられる方が、被支持体40が安定した姿勢で移送される。
【0068】
また、上述した実施形態において、第1支持部材21および第2支持部材22の両方に固定部(固定部21gおよび固定部22g)が形成される構成が採用されるが、これに限定されない。第1支持部材21と第2支持部材22とのいずれか一方に、固定部21gまたは固定部22gが形成されても良い。ただし、固定部21gおよび固定部22gによる両側からの被支持体40の固定により、被支持体40の固定の確実性が高まる。
【0069】
なお、上記実施形態および変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜変更されることができる。
【符号の説明】
【0070】
10 車両
11 屋根部分
12 ボディ
13 ルーフパネル
14 乗降用ドアパネル
15 リインフォース
16 内装部材
17 ドア開口部
20 支持装置
21 第1支持部材
21a,22a,23a,24a 基板
21b,21c,22b,22c,23b,23c,24b 側壁
21d,23d,24d 固定部
21e 第1ガイドレール
21f,22f 連結部
21g,22g 固定部
21h 第1ガイド面
21j 第2ガイド面
22 第2支持部材
22e 第2ガイドレール
22h,22i 貫通穴
22j 第2ガイド面
23 第1ブラケット
23e,24e 固着部
23f 嵌合穴
24 第2ブラケット
25 回転支軸
26 トーションスプリング
26a,26b アーム
27 係合部
27a 溝部
27b 突起部
28 被係合部
28a 挿入部
28b 凹部
40 被支持体
41 板状体
41a ネジ穴
42 スライド部材
42a 固定部
42b スライド部
42c 固定穴
43 固定部材
49 被支持体
50 車載機器
51 固定板
71 ネジ
72 ナット
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2025-04-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載機器を含む被支持体を支持する車載機器の支持装置であって、
前記被支持体を一方から支持する第1支持部材と、
前記被支持体を他方から支持する第2支持部材と、
前記第2支持部材を、前記被支持体を支持する支持位置と、前記支持位置よりも前記第1支持部材から離れる退避位置との間で、移動可能に支持する可動支持部材と、
を備える、車載機器の支持装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第2支持部材は長尺状であり、
前記可動支持部材は、前記第2支持部材の長手方向の一端部を回動可能に支持する回転支軸を、含む、車載機器の支持装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記退避位置から前記支持位置に向かう方向に前記第2支持部材を付勢する付勢部材をさらに備える、車載機器の支持装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第2支持部材が前記支持位置に位置する前記第2支持部材と係合する係合部を有する係合部材をさらに備える、車載機器の支持装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第2支持部材は、前記係合部に係合される被係合部を有し、
前記係合部は、前記被係合部が挿入される溝部と、前記溝部の一部に形成される突起部と、を備え、
前記支持位置において、前記突起部が前記被係合部を抜け止めする方向から前記係合部と接触する、車載機器の支持装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第1支持部材および前記第2支持部材は、前記車載機器を含む前記被支持体をガイドするガイドレールである、車載機器の支持装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の車載機器の支持装置であって、
前記第1支持部材および前記第2支持部材の少なくとも一方に、複数の固定部が形成される、車載機器の支持装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
車両の機能を追加したいという要望に応えるため、車載機器が後付け可能であることが望まれている。このように車載機器が後付けされる場合、狭い車内での作業が想定される。このため、できるだけ簡単に取付作業が行えることが望まれている。
そこで、本開示は、車載機器の取付作業性を向上させることを目的とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
車載機器の支持装置は、車載機器を含む被支持体を支持する車載機器の支持装置であって、前記被支持体を一方から支持する第1支持部材と、前記被支持体を他方から支持する第2支持部材と、前記第2支持部材を、前記被支持体を支持する支持位置と、前記支持位置よりも前記第1支持部材から離れる退避位置との間で、移動可能に支持する可動支持部材と、を備える。