IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 福一漁業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-水産イミテーション食品の製造方法 図1
  • 特開-水産イミテーション食品の製造方法 図2
  • 特開-水産イミテーション食品の製造方法 図3
  • 特開-水産イミテーション食品の製造方法 図4
  • 特開-水産イミテーション食品の製造方法 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014148
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】水産イミテーション食品の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 17/00 20160101AFI20250123BHJP
   A23L 29/206 20160101ALI20250123BHJP
   A23L 29/00 20160101ALI20250123BHJP
   A23L 5/44 20160101ALI20250123BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20250123BHJP
【FI】
A23L17/00 Z
A23L29/206
A23L29/00
A23L5/44
A23L5/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116426
(22)【出願日】2023-07-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-05-09
(71)【出願人】
【識別番号】592205919
【氏名又は名称】福一漁業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150142
【弁理士】
【氏名又は名称】相原 礼路
(72)【発明者】
【氏名】近藤 太一郎
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大輔
(72)【発明者】
【氏名】近藤 洋
(72)【発明者】
【氏名】小林 明人
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4B041
4B042
【Fターム(参考)】
4B018LB05
4B018LE01
4B018MA01
4B018MC01
4B035LC16
4B035LE05
4B035LG01
4B035LG02
4B035LG04
4B035LG19
4B035LG21
4B035LG23
4B035LG24
4B035LG25
4B035LG27
4B035LG32
4B035LG57
4B035LK19
4B035LP01
4B035LP21
4B035LP34
4B035LP43
4B035LP45
4B041LC02
4B041LC10
4B041LD01
4B041LE10
4B041LH02
4B041LH04
4B041LH07
4B041LH08
4B041LH10
4B041LH16
4B041LK02
4B041LK03
4B041LK05
4B041LK10
4B041LK11
4B041LK27
4B041LK31
4B041LP01
4B041LP13
4B041LP16
4B041LP18
4B041LP25
4B042AC02
4B042AC10
4B042AD36
4B042AD39
4B042AE03
4B042AK01
4B042AK02
4B042AK08
4B042AK09
4B042AK11
4B042AK20
4B042AP02
4B042AP18
4B042AP23
(57)【要約】
【課題】本発明の課題は、従来よりも再現性よく水産食品の身を再現できる、水産イミテーション食品の製造方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の水産イミテーション食品の製造方法を提供する。本発明は、食物繊維を含む水産イミテーション食品の製造方法であって、食物繊維と、タピオカ粉末と、増粘剤と、水とを加熱混合して、身溶液を得ることと、前記身溶液を固化して、固化体を得ることと、前記固化体を凍結することと、を含む、水産イミテーション食品の製造方法である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物繊維を含む水産イミテーション食品の製造方法であって、
食物繊維と、タピオカ粉末と、増粘剤と、水とを混合して、身溶液を得ることと、
前記身溶液を固化して、固化体を得ることと、
前記固化体を凍結することと、
を含む、水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項2】
前記身溶液は、さらに前記タピオカ粉末とは別の発色剤と共に混合することにより調製される、請求項1に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項3】
前記発色剤は、リコピン色素であり、
前記身溶液を固化する前に、前記身溶液を加熱することをさらに含む、請求項2に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項4】
前記固化体の凍結を0℃以下で行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項5】
前記身溶液は、さらに野菜成分と共に混合することにより調製される、請求項1~3のいずれか1項に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項6】
食物繊維を含む水産イミテーション食品の製造方法であって、
水に食物繊維とリコピン色素とを混合して、身溶液を得ることと、
前記身溶液を加熱することと、
前記身溶液を固化して、固化体を得ることと、
を含む、水産イミテーション食品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水産イミテーション食品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人の多様性が声高に叫ばれている今日、食においても、様々な主義及び趣向がある。たとえば、肉等を摂取しない菜食主義者が存在するが、一概に菜食主義者と言っても、卵や牛乳等は摂取するベジタリアンだけでなく、動物由来の食品を一切摂取しない、完全菜食主義者(いわゆる、ヴィーガン)も存在する。
【0003】
ヴィーガンであっても、たまには野菜等以外の食物を摂取したいこともある。そのような欲求を満足すべく、たとえば特許文献1に記載されているような、動物由来の食品に似せているが動物由来の材料を用いていないイミテーション食品が開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-159076号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
イミテーション食品は数多く開発されている。しかし、魚介類等に似せた水産イミテーション食品は、今まで、水産食品の身を十分に再現できていない。そのため、従来の水産イミテーション食品は、摂食者の食欲を満たすものではなかった。
【0006】
本発明は、従来よりも再現性よく水産食品の身を再現できる、水産イミテーション食品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、食物繊維とタピオカ粉末とを混合して得た身溶液を固化し、この固化体を凍結すると、水産食品特有の身の濁りを再現した水産イミテーション食品を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
また、本発明者は、水に、食物繊維とリコピン色素とを混合して得た身溶液を固化して、固化体を得ることで、水産食品、特にマグロの特有の色味を再現した水産イミテーション食品を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
従って、本発明は、食物繊維を含む水産イミテーション食品の製造方法であって、
食物繊維と、タピオカ粉末と、増粘剤と、水とを混合して、身溶液を得ることと、
前記身溶液を固化して、固化体を得ることと、
前記固化体を凍結することと、
を含む、水産イミテーション食品の製造方法を提供する。
【0010】
また、 前記身溶液は、さらに前記タピオカ粉末とは別の発色剤と共に混合することにより調製される、上記水産イミテーション食品の製造方法を提供する。
【0011】
また、本発明は、前記発色剤はリコピン色素であり、
前記身溶液を固化する前に、前記身溶液を加熱することをさらに含む、上記水産イミテーション食品の製造方法を提供する。
【0012】
また、本発明は、前記固化体凍結を、0℃以下で行う、上記水産イミテーション食品の製造方法を提供する。
【0013】
また、本発明は、前記身溶液は、さらに野菜成分と共に混合することにより調製される、、上記水産イミテーション食品の製造方法を提供する。
【0014】
あるいは、本発明は、食物繊維を含む水産イミテーション食品の製造方法であって、
水に食物繊維とリコピン色素とを混合して、身溶液を得ることと、
前記身溶液を加熱することと、
前記身溶液を固化して、固化体を得ることと、
を含む、水産イミテーション食品の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
食物繊維とタピオカ粉末とを混合して得られた身溶液を固化し、この固化体を凍結すると、タピオカ粉末を添加しなかった場合には発現できない、水産食品特有の身の濁りを再現することができる。さらには、水産食品の食感も再現できる。さらに、タピオカとは別の発色剤、たとえばリコピン色素やパプリカ色素を混合すると、マグロやサーモンなどの赤身を再現することができる。身溶液には様々なものを含ませてもよく、風味の増す成分を入れることができる。
【0016】
また、水に食物繊維とリコピン色素とを混合して身溶液を得、この身溶液を加熱し、次いでこの身溶液を固化して固化体を得ることで、マグロの特有の赤の色味を再現した水産イミテーション食品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の一例のフロー図。
図2】第1実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の他の一例のフロー図。
図3】第1実施形態に係水産イミテーション食品の製造方法の一例における身溶液の層の形成工程を示す概略図。
図4】第1実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の一例で得ることができる固化体および水産イミテーション食品の概略断面図。
図5】第2実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の一例のフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の幾つかの例を図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の水産イミテーション食品の製造方法は、以下に説明する例に限定されるものではない。
【0019】
[第1実施形態]
図1図3を参照しながら、本発明の第1実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の一例を説明する。
【0020】
<身溶液の調整>
まず、食物繊維と、タピオカ粉末と、増粘剤と、水とを混合して、混合物を得る。この混合物を身溶液と呼ぶ。
【0021】
混合するための容器は、特に限定されない。たとえば、温度調節可能な電気釜などの釜を用いることで、混合およびその後の加熱を同じ容器で行うことができる。
【0022】
食物繊維は、たとえば水溶性食物繊維であることができる。本明細書において、水溶性食物繊維は、水溶液中に溶解する食物繊維であり、水溶液中に溶解することによって水溶液の粘度を増大させる性質を有する食物繊維を含む。本発明に使用される水溶性食物繊維は、たとえばグルコマンナン(たとえば、コンニャクイモ)、海藻由来の食物繊維(たとえば、寒天)および化学修飾多糖類(たとえば、加工でんぷん)などであることができるが、特に限定されない。グルコマンナンは、コンニャクイモに存在する多糖類である。グルコマンナンは、たとえばコンニャクイモを乾燥して粉砕し、不純物を分離して、コンニャク粉として得ることができる。コンニャク粉には、グルコマンナンが約75~85質量%程度含まれている。グルコマンナンは、市販の製品を使用することができる。
【0023】
食物繊維の量は、本発明の水産イミテーション食品において所望の固さおよび粘度が得られるように調整することができ、たとえば身溶液100質量部に対し、0.3質量部以上10質量部以下の量であることができ、0.5質量部以上7質量部以下の量であることが好ましい。
【0024】
タピオカ粉末は、キャッサバの根茎から製造した澱粉の粉末である。タピオカ粉末は、本発明の水産イミテーション食品に含有することにより、水産物の白色を再現することができるだけでなく、他の発色剤と併用することによって、水産物の身の色を再現することができる。本発明のタピオカ粉末を含む水産イミテーション食品は、固化後に凍結することによって白色を発色させることができる。
【0025】
タピオカ粉末の量は、本発明の水産イミテーション食品において所望の白さ、固さおよび粘度が得られるように調整することができ、たとえば、身溶液100質量部に対し、1質量部以上10質量部以下の量であることができ、2質量部以上8質量部以下の量であることが好ましい。また、タピオカ粉末は、当該粉末を水などの溶液中に混合して溶液として提供されてもよく、またタピオカ粉末は、溶液中で加熱溶解されて提供されてもよい。
【0026】
本発明の水産イミテーション食品に使用される増粘剤は、食品用の増粘剤であれば、限定されない。増粘剤は、たとえばメチルセルロース、ローカストビーンガム、グァーガム、ジェランガム、カルボキシルメチルセルロース、アラビアガム、キサンタンガム、コーンスターチ、カラギナンおよびペクチンであることができる。増粘剤の量は、本発明の水産イミテーション食品において所望の固さおよび粘度が得られるように調整することができ、たとえば身溶液100質量部に対し、0.3質量部以上5質量部以下の量であることができ、0.5質量部以上3質量部以下の量であることが好ましい。
【0027】
身溶液を調整する際に、任意の温度で各成分を混合することができる。しかし、単に材料を水中で混合するだけでは、十分に材料が溶解されずにダマが生じてしまう。材料のダマが生じるのを防ぐために、混合する温度を1℃以上30℃以下とすることができる。または、材料のダマが生じるのを防ぐために、高速攪拌機によって原材料を水中で攪拌しながら混合液を製造してもよい。また、身溶液を調整する際に、混合後に加熱することが好ましい。加熱は、混合した身溶液の成分が溶解する温度、たとえば85℃以上100℃以下の温度になるように行うことが好ましい。身溶液の加熱を行うことにより、模したい水産食品の色合いをより近く再現できる。加熱混合することが好ましい。加熱混合する温度は、60℃以上であることが好ましく、75℃以上100℃以下であることがより好ましい。
【0028】
加熱後の身溶液は、流動性をもつ粘度を有する。身溶液は、温度によりその粘度が変化する。身溶液は、加熱により各成分が溶解していることにより、温度が高いほど粘度が低い。身溶液の粘度は、たとえば溶液温度が60℃~100℃であるときに、10dPa・s~500dPa・s、たとえば50dPa・s~200dPa・s、たとえば60dPa・s以上150dPa・sであることができる。また、身溶液の粘度は、たとえば溶液温度が70℃~85℃であるときに、10dPa・s~500dPa・s、たとえば50dPa・s~200dPa・s、たとえば60dPa・s~150dPa・sであることができる。
【0029】
この際、図2に示すように、タピオカとは別の発色剤を添加することができる。別の発色剤は、所望の色を発色する発色剤であることができ、たとえばリコピン色素およびパプリカ色素を含むが、限定されない。
【0030】
身溶液にリコピン色素を添加すると、最終的にマグロの赤身の風合いを再現できる。最終的にマグロの赤身の風合いを再現することができる。リコピン色素は、身溶液100質量部に対し0.01質量部以上3.0質量部以下、たとえば0.05質量部以上0.5質量部以下の量で添加することができる。このような量でリコピン色素を含有することにより、タピオカ粉末による白色とリコピン色素による赤色の効果によって、マグロの赤身の色および質感を再現することができる。
【0031】
リコピン色素は、たとえばトマト色素であることができる。リコピン色素は、その他の成分との混合物として添加してもよい。たとえば、リコピン色素は、グリセリン、食品素材(たとえば、水)、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンおよびリコピン色素としてのトマト色素の混合物として添加することができる。
【0032】
身溶液にリコピン色素およびパプリカ色素を添加すると、水産イミテーション食品においてサーモントラウトの身の風合いを再現することができる。パプリカ色素は、所望の身色を再現する量で使用することができ、たとえば身溶液100質量部に対し0.01質量部以上3.0質量部以下、たとえば0.05質量部以上0.5質量部以下の量で添加することができる。このような量でリコピン色素およびパプリカ色素を含有することにより、タピオカ粉末による白色とリコピン色素による赤色とパプリカ色素のオレンジ色の効果によって、サーモントラウトの身の色および質感を再現することができる。さらに、混合液に、二酸化チタンを添加すると、水産イミテーション食品におけるサーモントラウトの身の風合いをより再現することができる。
【0033】
パプリカ色素は、たとえばトウガラシ色素であってもよい。パプリカ色素は、その他の成分との混合物として添加してもよい。たとえば、パプリカ色素は、食品素材(たとえば、水)、ミックストコフェロールおよびパプリカ色素としてのトウガラシ色素の混合物として添加することができる。
【0034】
タピオカ粉末とは別の発色剤を添加した場合、発色剤を加熱後に混合すると思い通りの色にならない。したがって、タピオカ粉末とは別の発色剤を添加する場合、他の材料と発色剤を共に混合して得られた身溶液を加熱することが好ましい。加熱をするときは、身溶液の温度が85℃~100℃間であるように加熱することが好ましい。タピオカ粉末、リコピン色素およびパプリカ色素などの発色剤は、身溶液中において加熱することにより、発色を良くすることができ、模したい水産食品の色合いをより再現することができる。
【0035】
タピオカ粉末とは別の発色剤は、添加しなくてもよい。別の発色剤を添加しない場合、タピオカ粉末の効果によって凍結解凍した後にイカの身の白い風合いを再現できる。
【0036】
身溶液は、食物繊維、タピオカ粉末、増粘剤および発色剤の各原材料の融点以上に加熱してもよい。身溶液が各原材料の融点以上に加熱されていないと、後の工程において水産イミテーション食品を凍結解凍したときに離水が生じてしまう。したがって、本発明の水産イミテーション食品の製造方法は、身溶液を調整したあとに、当該身溶液を加熱することをさらに含んでいてもよい。
【0037】
身溶液は、水産イミテーション食品に目的の風味を与えるために、任意の添加剤をさらに含むことができる。特に、野菜成分を添加することにより、食感は水産食品を模しながら、野菜スープの味によって水産イミテーション食品の味をよくすることができる。本発明者らは、驚くべきことに、魚とは異なる野菜成分を添加することによって水産イミテーション食品の風味を改善できることを見出した。
【0038】
野菜成分は、液体状でもよく、顆粒状でもよい。液状、すなわち野菜スープの場合、ブイヨンのような動物由来のスープでもよく、ヴィーガン用に動物由来のものを含まないスープであってもよい。
【0039】
野菜スープは、たとえば水、醤油、砂糖、食塩、発酵調味料、野菜(玉ねぎ、セロリ、人参など)および酵母エキスを成分として含むことができるが、特に限定されない。
【0040】
身溶液は、他の成分を含むこともできる。身溶液は、たとえば保存安定性を高めるために、ヒドロキシプロピル澱粉を含むこともできる。身溶液は、固結防止成分として、たとえば塩化カリウムを含むこともできる。固結防止剤は、粉末製剤を保管する際に必要であり、原材料に混合されていている。本発明の水産イミテーション食品を製造するための原料に固結防止剤を含んでいてもよく、したがって水産イミテーション食品に固結防止剤が含まれていてもよい。また、身溶液は、水産イミテーション食品にモチモチ感と歯ごたえを与えるため、ブドウ糖およびデキストリンなどを添加することもできる。また、身溶液は、所望の色を再現するためのさらなる成分を含むことができる。
【0041】
[身溶液の層の形成]
次に、身溶液の層を形成する。身溶液の層は、任意の手段によって形成することができ、たとえば単に容器内に身溶液を注ぐことによって形成することができる。たとえば、図3に示すように、身溶液を型100に流し込むことによって身溶液の層3を形成することができる。上記のとおり、身溶液は、加熱後の温度により粘度が変化する。したがって、身溶液を容器に注ぐことができる粘度であれば、容易に身溶液の層を形成することができる。また、一旦固化した身溶液を容器内において再度加熱することによって身溶液の層を形成してもよい。
【0042】
<固化>
次に、身溶液を固化固化する。本明細書において、固化するとは、溶液である身溶液を、溶液ではなく、かつ流動性を有していない状態に固化することを含み、たとえばゼリー状に固化したゲルを形成することを含む。
【0043】
固化体は、身溶液の成分に応じた方法によって身溶液を固化することによって、たとえば身溶液の粘度を高めること、および流動性をなくすことによって得ることができる。
【0044】
身溶液は、たとえば冷却することによって固化することができる。身溶液は、たとえばエアブラストによるブラストチラーなどの急速冷却器を使用して身溶液を20℃以下に冷却することによって固化することができる。また、身溶液は、0℃~4℃に急速に冷却することによって固化させることができる。ただし、冷却時における安全性、品質および効率を高めるために、急速冷却して固化することが好ましい。あるいは、身溶液は、たとえば食物繊維としてグルコマンナンを用いる場合、灰汁と呼ばれる食用水酸化カルシウムを身溶液に添加し、混ぜ合わせることによって身溶液の固化(凝固)を行うことができる。身溶液を固化したあと、固化した身溶液を任意の形状に成形してもよい。
【0045】
<凍結>
次いで、固化した身溶液を凍結する。凍結の温度は特に限定されないが、たとえば0℃以下で行うことができ、-18℃以下の温度、たとえば-20℃~-40℃に冷却することができる。凍結の手段は、特に限定されないが、急速冷凍が好ましい。凍結は、たとえばエアブラストによるブラストチラーまたはブラインによって急速冷凍することができる。また、冷却および凍結の工程は、連続して冷却することによって実施してもよく、0℃以下に直接凍結させてもよい。
【0046】
本発明者らは、タピオカを含んだ上記身溶液を固化することによって得た固化体を凍結することで、固化体にあたかも水産食品のような濁りを付与できることを見出した。また、凍結することにより、イミテーション食品をカットするのが容易となる。本発明の水産イミテーション食品のように固化体に濁りを与えないと、イミテーション食品の透明度が高くなり過ぎ、水産食品には見えないゼリー状の風合いの食品になってしまう。
【0047】
凍結の後、解凍を行なって、水産イミテーション食品を製造してもよい。あるいは、凍結状態を完成品とし、解凍を行わなくてもよい。
【0048】
図3に、第1実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の一例で得ることができる固化体および水産イミテーション食品の概略断面図を示す。
【0049】
凍結前の固化体1は、濁りがないか濁りが少ない風合いである。そのため、水産食品特有の身の濁りを十分に再現できていない。一方、凍結後の水産イミテーション食品2は、あたかも水産食品特有の濁りを呈する。
【0050】
つまり、本発明の水産イミテーション食品によれば、水産食品特有の身の濁りを再現することができる。さらには、水産食品の食感も再現できる。さらに、タピオカとは別の発色剤、たとえばリコピン色素やパプリカ色素を混合し、身溶液を加熱したものを用いると、マグロやサーモンなどの赤身を再現することができる。身溶液には様々なものを含ませても良く、風味の増す成分を入れることができる。
【0051】
[第2実施形態]
次に、図4を参照しながら、本発明の第2実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法の一例を説明する。
【0052】
<身溶液の調整>
まず、水に、食物繊維とリコピン色素とを混合して、身溶液を得る。
【0053】
食物繊維としては、たとえば第1の実施形態で挙げたものを用いることができる。
【0054】
混合の際、材料にダマが生じるのを防ぐために、混合する温度を1℃~30℃とするか、または高速攪拌機を利用することが好ましい。
【0055】
加熱は、身溶液が85℃~100℃の間の温度になるように行うことが好ましい。身溶液の加熱を行うことにより、模したい水産食品の色合いをより近く再現できる。
【0056】
食物繊維100質量部に対し、リコピン色素は、身溶液100質量部に対し0.01質量部以上3.0質量部以下、たとえば0.05質量部以上0.5質量部以下の量で添加することができる。
【0057】
身溶液には、第1の実施形態と同様に、目的物の水産イミテーション食品に目的の風味を与えるために、任意の添加剤をさらに含めることができる。特に、野菜成分を添加することにより、食感は水産食品を模しながら、野菜の味を呈する水産イミテーション食品を製造できる。
【0058】
また、身溶液は、第1の実施形態と同様に、他の成分を含むこともできる。他の成分としては、第1の実施形態で挙げたものを用いることができる。
【0059】
<固化>
固化は、第1の実施形態で説明したように、食物繊維の種類に応じて適時行うことができる。
【0060】
このような第2の実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法によれば、マグロの特有の赤身の色味を再現した水産イミテーション食品を製造できる。
【実施例0061】
イカを模した水産イミテーション食品を製造した。
[身溶液の調製]
まず、イカを模した水産イミテーション食品を製造するために、表1に示す成分の原材料を準備した。表1において、配合量は、kgにて示し、最終的な身溶液における配合比を重量/%として示す。
【0062】
【表1】
【0063】
原材料1に示した成分を、外寸:幅1850mm×奥行1090mm×高さ1160mm、内釜内径:1000mm、内釜深さ:560mm、満水量:約380リットルの釜に入れ、攪拌機で混合した。温度は、30℃以下に管理した。
【0064】
一方で、原材料2に示したタピオカ澱粉の溶液を調製した。4kgの水(最終的な身溶液において4.63重量/%)に、4kgのタピオカ澱粉(最終的な身溶液において4.63重量/%)を投入し、混合した。混合は、30℃以下で行った。調製した原材料2のコーンスターチおよびタピオカ溶液を、上記原材料1の混合液に投入した。
【0065】
原材料3の野菜スープは、表2に示す配合である。
【0066】
【表2】
【0067】
次に、釜の内容物の加熱を開始した。加熱中に、5kgの野菜スープ(最終的な身溶液の5.79重量/%)を原材料1および原材料2を含む釜に投入した。
【0068】
釜の内容物が85℃を超えた時点で、加熱を停止した。これにより、身溶液を得た。
【0069】
このときの身溶液の粘度を測定した。粘度は、リオン株式会社 ビスコメータVT-06を使用して、手順に従って測定した。身溶液の温度が80℃~85℃のとき、粘度は、70dPa・s~80dPa・sであった。
【0070】
また、Brix計により中心芯温85℃の時点で身溶液のBrix値を溶液の粘度としてを測定した。身溶液の濃度は、15%~18%であった。なお、本明細書において、「Brix値」とは、糖の含有量を測るために糖度として用いられる物理量である。ショ糖1gのみを溶質として含む水溶液100gをBrix屈折計で測定したとき、その示度であるBrix値が1%である。たとえば、100gの溶液中に10gのショ糖が溶解した溶液(水は90g)は、Brix値が10%となる。身溶液は、たとえばBrix値1%~40%、12%~20%または15%~18%であることができる。
【0071】
[身溶液の層の形成]
80℃~85℃の身溶液を型に入れて、身溶液の層を形成した。
【0072】
[固化]
この状態で、身溶液をそれぞれ固化した。ブラストチラーで容器を0℃~4℃に冷却することにより、身溶液を固化し、固化体を得た。
【0073】
[凍結]
固化体を、-40℃の冷凍庫において急速冷却して身溶液の固化体を凍結した。
【0074】
[解凍]
凍結した固化体を、袋に入れ、袋の封をした。袋を50℃以下の温水に入れ、0.5時間放置した。これによって解凍を行い、実施例1の水産イミテーション食品を得た。
【0075】
[評価]
上記方法によって製造した水産イミテーション食品の官能検査を行った。評価は、以下の手順で行った。
【0076】
1.官能検査手順の実施
官能検査を実施するパネリストは、製品の検品工程の経験を積み、マグロの肉色、腐敗臭および異臭を判断することができる者である。加えて、官能検査を実施するパネリストは、味の識別テストに合格したものを選出した。
【0077】
パネリストは、細菌検査担当者、鮪加工品および水産イミテーション食品のパネリストを5名選出した。官能検査は、以下の条件にて実施した。
・官能検査は、パネリストが空腹でも満腹でもない時間に行う
・検査試料は、通常喫食するときの温度で検査を行う。
・検査試料は、パネリストが噛み応え・舌触りが感じられる量を用意する。
・官能検査を行ったパネリストは、色・臭い・味を判断して結果を記録する。
・官能検査を行ったパネリストは、食感・離水を含めて判断し、結果を記録する。
・検査前および各製品を喫食する間に、水を含むなど次製品検査への影響を抑える。
【0078】
官能検査における適否の判断は、以下の色、臭い、食感および離水の4項目について実施した。各項目の判断基準は、下記のとおりである。
色:マグロ・サーモン・イカと比較し、同様または近しい色合いを有していること
臭い:腐敗臭・異臭がしないこと
食感:マグロ・サーモン・イカに近しい食感で、イミテーション食品特有の味を有していること
離水:解凍時に明らかな離水が生じないこと。
【0079】
2.官能検査結果
上記の手順により、水産イミテーション食品を5回製造し、検査を実施した。5回の全ての水産イミテーション食品について、5人のパネリストの全てが色、臭い、食感および離水の項目の全てについて適格であると判断した。
【0080】
また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は、イカの刺身様の食感を有していた。また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は、タピオカ澱粉による白色の発色により、イカ様の外見を有していた。
【実施例0081】
マグロを模した水産イミテーション食品を製造した。
[身溶液の調製]
まず、マグロを模した水産イミテーション食品を製造するために、表1に示す成分の原材料を準備した。表3において、配合量は、kgにて示し、最終的な身溶液における配合比を重量/%として示す。
【0082】
【表3】
【0083】
原材料1に示した成分を、外寸:幅1850mm×奥行1090mm×高さ1160mm、内釜内径:1000mm、内釜深さ:560mm、満水量:約380リットルの釜に入れ、攪拌機で混合した。温度は、30℃以下に管理した。
【0084】
一方で、原材料2に示したコーンスターチおよびタピオカ澱粉の溶液を調製した。4kgの水(最終的な身溶液において4.63重量/%)に、2.4kgのコーンスターチ(最終的な身溶液において2.78重量/%)および1.6kgのタピオカ澱粉(最終的な身溶液において1.85重量/%)を投入し、混合した。混合は、30℃以下で行った。調製した原材料2のコーンスターチおよびタピオカ溶液を、上記原材料1の混合液に投入した。
【0085】
原材料3の野菜スープは、上記表2に示す配合である。
【0086】
次に、釜の内容物の加熱を開始した。加熱中に、5kgの野菜スープ(最終的な身溶液の5.79重量/%)を原材料1および原材料2を含む釜に投入した。
【0087】
釜の内容物が85℃を超えた時点で、加熱を停止した。これにより、身溶液を得た。
【0088】
このときの身溶液の粘度を測定した。粘度は、リオン株式会社 ビスコメータVT-06を使用して、手順に従って測定した。身溶液の温度が80℃~85℃のとき、粘度は、70dPa・s~80dPa・sであった。
【0089】
また、Brix計により中心芯温85℃の時点で身溶液のBrix値を溶液の粘度としてを測定した。身溶液の濃度は、15%~18%であった。なお、本明細書において、「Brix値」とは、糖の含有量を測るために糖度として用いられる物理量である。ショ糖1gのみを溶質として含む水溶液100gをBrix屈折計で測定したとき、その示度であるBrix値が1%である。たとえば、100gの溶液中に10gのショ糖が溶解した溶液(水は90g)は、Brix値が10%となる。身溶液は、たとえばBrix値1%~40%、12%~20%または15%~18%であることができる。
【0090】
[筋液の調製]
以下の原料を準備した。
【0091】
【表4】
【0092】
これらの原料を混合し、筋液を調製した。
【0093】
このときの筋溶液の粘度を測定した。粘度は、リオン株式会社 ビスコメータVT-06を使用して、手順に従って測定した。筋液の温度が80℃~85℃のとき、粘度は、0.3dPa・s~0.6dPa・sであり、粘度の低い水に近い溶液であった。
【0094】
[身溶液の層の形成および筋液の層の形成]
80℃~85℃の身溶液を型に入れて、身溶液の層を形成した。次いで、身溶液の層の上に、80℃~85℃の筋液を流し込み、筋液の層を形成した。身溶液1の層の厚さに対して、筋液2の層の厚さを30mmとした。
【0095】
[切り込みの形成]
次に、筋液の層の上から5mmのステンレス板の刃を入れて、刃によって筋液の層を通過して身溶液の層に切り込みを入れた。その後、刃を上方に抜いた。これにより、身溶液の層の切り込みに筋液が入り込んだ。
【0096】
[固化]
この状態で、身溶液および筋液をそれぞれ固化した。ブラストチラーで容器を0℃~4℃に冷却することにより、身溶液および筋液を固化し、固化体を得た。
【0097】
[凍結]
固化体を、-40℃の冷凍庫において急速冷却して身溶液および筋溶液の固化体を凍結した。凍結した固化体から、身溶液の層に入り込んでいない筋液の層を削り取った。
【0098】
[解凍]
凍結した固化体を、袋に入れ、袋の封をした。袋を50℃以下の温水に入れ、0.5時間放置した。これによって解凍を行い、実施例2の水産イミテーション食品を得た。
【0099】
[評価]
実施例1と同様に、実施例2の水産イミテーション食品の評価を行った。
【0100】
官能検査結果
上記の手順により、水産イミテーション食品を10回製造し、検査を実施した。10回の全ての水産イミテーション食品について、5人のパネリストの全てが色、臭い、食感および離水の項目の全てについて適格であると判断した。
【0101】
また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は、筋部分と身の部分が一体となり、筋部分において剥がれることなかった。また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は刺身様の食感を有していた。また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は、タピオカ澱粉による白色およびリコピンによる赤色の発色により、マグロの赤身様の外見を有していた。
【実施例0102】
サーモンを模した水産イミテーション食品を製造した。
[身溶液の調製]
まず、サーモンを模した水産イミテーション食品を製造するために、表2に示す成分の原材料を準備した。表において、配合量は、kgにて示し、最終的な身溶液における配合比を重量/%として示す。
【0103】
【表5】
【0104】
原材料1に示した成分を、実施例1で用いたのと同様の外寸:幅1850mm×奥行1090mm×高さ1160mm、内釜内径:1000mm、内釜深さ:560mm、満水量:約380リットルの釜に入れ、攪拌機で混合した。温度は、30℃以下に管理した。
【0105】
一方で、原材料2に示したコーンスターチおよびタピオカ澱粉の溶液を調製した。4kgの水(最終的な身溶液において4.63重量/%)に、2.4kgのコーンスターチ(最終的な身溶液において2.78重量/%)および1.6kgのタピオカ澱粉(最終的な身溶液において1.85重量/%)を投入し、混合した。混合は、30℃以下で行った。調製した原材料2のコーンスターチおよびタピオカ溶液を、上記原材料1の混合液に投入した。
【0106】
原材料3の野菜スープは、蒸気表2に示す配合である。
【0107】
次に、実施例1と同様に釜の内容物の加熱を開始した。加熱中に、5kgの野菜スープ(最終的な身溶液の5.79重量/%)を原材料1および原材料2を含む釜に投入した。
【0108】
釜の内容物が85℃を超えた時点で、加熱を停止した。これにより、身溶液を得た。
【0109】
このときの身溶液の粘度を測定した。粘度は、リオン株式会社 ビスコメータVT-06を使用して、手順に従って測定した。身溶液の温度が80℃~85℃のとき、粘度は、70dPa・s~80dPa・sであった。
【0110】
また、Brix計により中心芯温85℃の時点で身溶液のBrix値を溶液の粘度としてを測定した。身溶液の濃度は、15%~18%であった。
【0111】
[筋液の調製]
実施例2と同じ手順で筋液を調製した。
【0112】
[身溶液の層の形成および筋液の層の形成]
実施例2と同じ手順で身溶液の層および筋液の層を形成した。
【0113】
[切り込みの形成]
実施例2と同じ手順で切り込みを形成し、身溶液の層の切り込みに筋液が入り込んだ。
【0114】
[固化]
実施例2と同じ手順で固化体を得た。
【0115】
[凍結]
実施例2と同じ手順で固化体を凍結し、凍結した固化体から、身溶液の層に入り込んでいない筋液の層を削り取った。
【0116】
[評価]
実施例1と同様に、実施例3の水産イミテーション食品の評価を行った。
【0117】
官能検査結果
上記の手順により、水産イミテーション食品を10回製造し、検査を実施した。10回の全ての水産イミテーション食品について、5人のパネリストの全てが色、臭い、食感および離水の項目の全てについて適格であると判断した。
【0118】
また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は、筋部分と身の部分が一体となり、筋部分において剥がれることなかった。また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は刺身様の食感を有していた。また、上記方法によって製造した水産イミテーション食品は、タピオカ澱粉による白色、パプリカ色素およびリコピンによる赤色の発色により、サーモンの赤身様の外見を有していた。
【産業上の利用可能性】
【0119】
以上に説明した本発明の第1実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法は、食物繊維とタピオカ粉末とを加熱混合して得られた身溶液を固化し、この固化体を凍結することにより、タピオカ粉末を添加しなかった場合には発現できない、水産食品特有の身の濁りを再現することができる。また、水産食品特有の食感も再現することができる。
【0120】
また、身溶液にタピオカ粉末、パプリカ色素およびリコピン色素等を含ませ、固化させ、凍結することにより、マグロおよびサーモンの赤身の色味、白濁および食感も再現することができる。
【0121】
また、以上に説明した本発明の第2実施形態に係る水産イミテーション食品の製造方法は、水に、食物繊維とリコピン色素とを、加熱混合して、身溶液を得て、この身溶液を固化して、固化体を得ることで、マグロの特有の赤の色味を再現した水産イミテーション食品を製造できる。
【符号の説明】
【0122】
1…固化体、2…水産イミテーション食品、3…身溶液の層
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物繊維を含む水産イミテーション食品の製造方法であって、
食物繊維と、タピオカ粉末と、前記食物繊維および前記タピオカ粉末以外の増粘剤と、水とを混合して、身溶液を得ることと、
前記身溶液を固化して、固化体を得ることと、
前記固化体を凍結することによって白色を発色することと
を含む、水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項2】
前記身溶液は、さらに前記タピオカ粉末とは別の発色剤と共に混合することにより調製される、請求項1に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項3】
前記発色剤は、リコピン色素であり、
前記身溶液を固化する前に、前記身溶液を加熱することをさらに含む、請求項2に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項4】
前記固化体の凍結を0℃以下で行う、請求項1~3のいずれか1項に記載の水産イミテーション食品の製造方法。
【請求項5】
前記身溶液は、さらに野菜スープと共に混合することにより調製される、請求項1~3のいずれか1項に記載の水産イミテーション食品の製造方法。