(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014153
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】呼吸用マスク及び呼吸用マスク設備
(51)【国際特許分類】
A61M 16/06 20060101AFI20250123BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20250123BHJP
A61M 16/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A61M16/06 A
A41D13/11 K
A61M16/00 305A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116433
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】523271251
【氏名又は名称】下田 優作
(74)【代理人】
【識別番号】100149836
【弁理士】
【氏名又は名称】森定 勇二
(72)【発明者】
【氏名】下田 優作
【テーマコード(参考)】
3B211
【Fターム(参考)】
3B211CC01
3B211CC05
3B211CC06
(57)【要約】
【課題】睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク、非侵聾的陽圧換気療法に使用するNPPVマスクであって、マスク接触部から顔面に掛かる圧力を低減もしくはそのレベルをコントロールすることのできる呼吸用マスクおよび呼吸用マスク設備を提供すること。
【解決手段】呼吸用マスク1は、顔面に直接接触する部分である顔面接触部10と顔面接触部10よりも上方位置に積層して設けるマスク支持体20との間に挟設する外形寸法が変形する所定の外寸変形体30と、マスク支持体20に接続するストラップ40と、を備える。また、呼吸用マスク設備2は、呼吸用マスク1を構成する外寸変形体30に圧力調節制御用チューブ60を介して接続する所定の圧力調節制御手段50と、マスク支持体20に接続する呼吸器用チューブ70と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
睡眠時無呼吸症候群の治療や非侵襲的陽圧換気療法などに使用する呼吸用マスクであって、
マスクを装着する際に人の顔面に接触する部分である顔面接触部(10)と、
前記顔面接触部よりも上方の顔面から離れた位置に配置するマスク支持体(20)と、
前記顔面接触部と前記マスク支持体との間に挟設する外形の寸法が変形する所定の外寸変形体(30)と、を少なくとも包含し、
前記外寸変形体を、内部に気体を密封し維持する機能を有する1又は複数の気体包囲成形部(31)と、前記気体包囲成形部上に配設する気体入出口(32)と、で構成し、
前記気体包囲成形部が、その内部空間に気体を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなりかつその内部空間から気体を出すことによりその外形寸法が収縮して小さくなる呼吸用マスク。
【請求項2】
さらに、前記気体包囲成形部(31)が、その内部空間に気体を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなりかつマスクベルトを引張する請求項1の呼吸用マスク。
【請求項3】
前記気体入出口(32)を、外寸変形体上に1つのみ設けた請求項1の呼吸用マスク。
【請求項4】
前記気体入出口(32)を、外寸変形体上に1つのみ設けた請求項2の呼吸用マスク。
【請求項5】
さらに、請求項1から請求項4のいずれかの呼吸用マスクを構成する前記気体入出口に気体を入れ又は出し、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を一時的にあるいは継続的に調節又は制御する圧力調節制御手段(50)を付加設置するとともに、前記圧力調節制御手段と前記気体入出口との間を圧力調節制御用チューブ(60)で接続し、請求項1から請求項4のいずれかの呼吸用マスクを構成する前記マスク支持体に吸呼気用チューブ(70)を挿通した呼吸用マスク設備。
【請求項6】
前記圧力調節制御手段(50)を、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を継続的に圧力制御が可能な圧力制御機器(51)とした請求項5の呼吸用マスク設備。
【請求項7】
前記圧力制御機器(51)を操作するためのリモコンを付加した請求項6の呼吸用マスク設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、睡眠時無呼吸症候群の治療に使用するCPAPマスク、非侵聾的陽圧換気療法に使用するNPPVマスクなどの呼吸用マスクとそれらを使用した呼吸用マスク設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
CPAPマスク、NPPVマスクなどの呼吸用マスクを鼻又は口に装着した際に、接顔部分の皮膚に圧力がかかり、マスク使用者の顔面皮膚の発赤や痛みといった副作用が起きることがあった。また、マスク装着に伴う不快感やストレスを生じさせることもあった(例えば、特許文献1など)。
【0003】
ところで、CPAPマスク、NPPVマスクなどの呼吸用マスクの装着状態が適正であるかどうかを試験するのに適した圧力の決定方法及び適正なマスク装着の決定方法の発明が公開されている(特許文献2)。
【0004】
また、圧力調節注射器に関する発明も公開されている(特許文献3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2007/111374号
【特許文献2】特開2011-36700号公報
【特許文献3】特表2014-528813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の様な副作用が生ずる問題あるいは不快感やストレスが生ずる問題を解消させるために、創傷被覆材などをマスクと顔面皮膚との間に貼り付け、圧力を低減させることも提案されてきたが、顔面皮膚との間の隙間が増加してガスのリークが増えるためストラップをより強く締めることとなり不快感が上昇してしまったり、創傷被覆材はがす際に皮膚を剥離してしまったりといったあらたな問題が生じていた。
【0007】
上述したように、呼吸用マスク装着に伴い副作用が生ずる問題あるいは不快感やストレスが生ずる問題に対しては、各々の医療機関やマスク使用者あるいはその介助者により工夫がなされてはいるもののすべてを解決する手段は未だに存在はせず、医療関係者やマスク使用者などがそれぞれ工夫をこらしている対応をしている。
【0008】
そこで、第1に、呼吸用マスクの適正な装着を目的とし、マスク装着時の顔面への圧力を介助者又はマスク使用者(患者)の感覚に頼らず、所定の機器や器具の設定で決定できる呼吸用マスク及び呼吸用マスク設備を提供することを課題とする。
【0009】
また、第2に、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスを軽減することを目的とした呼吸用マスク及び呼吸用マスク設備を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本願発明では、睡眠時無呼吸症候群の治療や非侵襲的陽圧換気療法などに使用する呼吸用マスクであって、マスクを装着する際に人の顔面に接触する部分である顔面接触部と、前記顔面接触部よりも上方の顔面から離れた位置に配置するマスク支持体と、前記顔面接触部と前記マスク支持体との間に挟設する外形の寸法が変形する所定の外寸変形体と、を少なくとも包含し、前記外寸変形体を、内部に気体を密封し維持する機能を有する1又は複数の気体包囲成形部と、前記気体包囲成形部上に配設する気体入出口と、で構成し、前記気体包囲成形部が、その内部空間に気体を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなりかつその内部空間から気体を出すことによりその外形寸法が収縮して小さくなる呼吸用マスクを提供する。
【0011】
また、上記の課題を解決するために、本願発明では、さらに、前記気体包囲成形部が、その内部空間に気体を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなりかつマスクベルトを引張する呼吸用マスクを提供する。
【0012】
また、上記の課題を解決するために、本願発明では、さらに、前記気体入出口を、外寸変形体上に1つのみ設けた呼吸用マスクを提供する。
【0013】
また、上記の課題を解決するために、本願発明では、さらに、前記呼吸用マスクを構成する前記気体入出口に気体を入れ又は出し、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を一時的にあるいは継続的に調節又は制御する圧力調節制御手段を付加設置するとともに、前記圧力調節制御手段と前記気体入出口との間を圧力調節制御用チューブで接続し、前記呼吸用マスクを構成する前記マスク支持体に吸呼気用チューブを挿通した呼吸用マスク設備を提供する。
【0014】
また、上記の課題を解決するために、本願発明では、さらに、前記圧力調節制御手段を、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を継続的に圧力制御が可能な圧力制御機器とした呼吸用マスク設備を提供する。
【0015】
また、上記の課題を解決するために、本願発明では、さらに、前記圧力制御機器を操作するためのリモコンを付加設置した前記呼吸用マスク設備を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本願発明の呼吸用マスクは、睡眠時無呼吸症候群の治療や非侵襲的陽圧換気療法などに使用する呼吸用マスクであって、マスクを装着する際に人の顔面に接触する部分である顔面接触部と、前記顔面接触部よりも上方の顔面から離れた位置に配置するマスク支持体と、前記顔面接触部と前記マスク支持体との間に挟設する外形の寸法が変形する所定の外寸変形体と、を少なくとも包含し、前記外寸変形体を、内部に気体を密封し維持する機能を有する1又は複数の気体包囲成形部と、前記気体包囲成形部上に配設する気体入出口と、で構成し、前記気体包囲成形部が、その内部空間に気体を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなりかつその内部空間から気体を出すことによりその外形寸法が収縮して小さくなるため、呼吸用マスクの適正な装着を補助するとともに、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスを軽減することも可能となる。
【0017】
本願発明の呼吸用マスクは、さらに、前記気体包囲成形部が、その内部空間に気体を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなりかつマスクベルトを引張する呼吸用マスクとしたため、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスをより軽減することを可能とするものと考える。
【0018】
本願発明の呼吸用マスクは、さらに、前記気体入出口を、外寸変形体上に1つのみ設けたため、比較的簡易な構造となり製造コストも低減できるものと考える。
【0019】
本願発明の呼吸用マスク設備は、さらに、前記呼吸用マスクを構成する前記気体入出口に気体を入れ又は出し、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を一時的にあるいは継続的に調節又は制御する圧力調節制御手段を付加設置するとともに、前記圧力調節制御手段と前記気体入出口との間を圧力調節制御用チューブで接続し、前記呼吸用マスクを構成する前記マスク支持体に吸呼気用チューブを挿通したため、呼吸用マスクの適正な装着を実現するとともに、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスを軽減することも可能となる。なお、前記圧力調節制御用チューブを、部屋間をまたぐ程度長距離のものを使用することにより、遠隔操作(制御)も可能となり、これにより、呼吸用マスク装着者の呼気に由来する感染症のリスクも低減することもできる。
【0020】
本願発明の呼吸用マスク設備は、さらに、前記圧力調節制御手段を、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を継続的に圧力制御が可能な圧力制御機器としたため、継続的により安定した圧力制御をすることが可能となり、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスを軽減することを可能とする。
【0021】
本願発明の呼吸用マスク設備は、さらに、前記圧力制御機器を操作するためのリモコンを付加設置したため、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスが生じた際に前記圧力制御機器を操作して不快感を解消することも可能となる。また、呼吸用マスクから離れた位置(患者のいる病室から離れた位置)から前記圧力調節制御手段を操作することも可能となり、これにより、呼吸用マスク装着者の呼気に由来する感染症のリスクを低減することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は実施例1の呼吸用マスクの側面図である。
【
図2】
図2は実施例1の呼吸用マスク設備の全体構成を示す斜視図である。
【
図3】
図3は実施例1の呼吸用マスク設備(遠隔操作時)の斜視図である。
【
図4】
図4は実施例1の呼吸用マスク設備(チューブ延長ユニットを使用した遠隔操作時)の斜視図である。
【
図5】
図5は実施例1の呼吸用マスク設備(無線リモコン使用時)の斜視図である。
【
図6】
図6は実施例1の呼吸用マスクの装着時の作動イメージをあらわした図である。
【
図7】
図7は実施例1の呼吸用マスク設備の接続作動イメージをあらわした図である。
【
図8】
図8は実施例1の呼吸用マスクの装着及び呼吸用マスク設備の作動イメージ(気体包囲成形部を膨張させた状態)をあらわした図である。
【
図9】
図9は実施例2の呼吸用マスクの側面図である。
【
図10】
図10は実施例2の外寸変形体の作動イメージ(気体包囲成形部の鼻梁部分のみを膨張させた状態)をあらわした図である。
【
図11】
図11は実施例2の外寸変形体の作動イメージ(気体包囲成形部の顎部分のみを膨張させた状態)をあらわした図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
睡眠時無呼吸症候群又は非侵襲的陽圧換気療法の治療患者に使用する呼吸用マスク及び呼吸用マスク設備として使用する。
【実施例0024】
まずは、呼吸用マスクの構成について、
図1及び
図2に従い説明する。
【0025】
呼吸用マスク(1)は、マスクを装着する際に人の顔面に直接接触する部分である顔面接触部(10)と、前記顔面接触部よりも上方の顔面から離れた位置に積層して設けるマスク支持体(20)と、前記顔面接触部と前記マスク支持体との間に挟設する外形寸法が変形する所定の外寸変形体(30)と、前記顔面接触部の接顔状態を維持するために前記マスク支持体に接続するストラップ(40)と、で構成する(
図1及び
図2)。
【0026】
なお、前記顔面接触部(10)が覆う範囲に関して、鼻及び口を覆いかつ目に掛からないタイプで図示しているが、鼻だけを覆うタイプ、口を覆いかつ鼻下に穴が開いているタイプあるいは目鼻口のすべてを覆うタイプのものも許容するものとする。
【0027】
また、前記顔面接触部(10)の材質について、皺が出来づらく、クッション性があり硬すぎず、柔らかすぎない、生体適合性の良い材質が好ましい。
【0028】
前記マスク支持体(20)は、前記顔面接触部(10)の上方位置に積層して設けるマスク支持体基礎部(21)と、前記マスク支持体基礎部の最も突出した部分に配設する呼吸器用チューブ接続口(22)と、で構成する(
図1)。
【0029】
マスク支持体基礎部(21)について、硬化材質で透明のタイプで図示しているが、軟化タイプ、不透明タイプあるいは息を吐く穴(呼気ポート)を備えたタイプであっても良いものとする。
【0030】
前記外寸変形体(30)は、その内部に気体を密封し維持する機能を有する1つの気体包囲成形部(31)と、前記気体包囲成形部上に配設する1つの気体入出口(32)と、で構成する(
図1)。
【0031】
前記気体包囲成形部(31)について、その内部に気体を密封し維持する機能を有し、内部空間に空気を入れることによりその外形寸法が膨張して大きくなり、かつ、その内部空間から空気を出すことによりその外形寸法が収縮して小さくなる作動をする構造であれば良く、本実施例では全体を薄膜でふうせん状あるいは袋状に成形することによりその内部に気体を密封し維持する機能及び前記の作動を実現させている(
図1)。
【0032】
前記気体入出口(32)について、前記気体包囲成形部(31)の内部に空気を入れる入口であり、また、前記気体包囲成形部の内部から空気を出す排出口でもある。
【0033】
前記ストラップ(40)について、本願の呼吸用マスク(1)の装着時も装着後も継続的に接顔させて使用することを考慮すると、伸縮性を有していることを要する。
【0034】
次に、呼吸用マスク設備の構成について、
図2から
図5に従い説明する。
【0035】
呼吸用マスク設備(2)は、前記気体入出口(32)に気体を入れ又は出し、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を一時的にあるいは継続的に調節又は制御する圧力調節制御手段(50)と、前記圧力調節制御手段と前記気体入出口との間を接続する圧力調節制御用チューブ(60)と、前記マスク支持体(20)を構成する前記呼吸器用チューブ接続口(22)に挿通する吸呼気用チューブ(70)と、を少なくとも備える(
図2)。
【0036】
前記圧力調節制御手段(50)について、前記気体包囲成形部(31)の内部空間圧力を一時的にあるいは継続的に調節又は制御する機能を有していれば良く、本実施例では、前記気体包囲成形部の内部空間圧力を継続的に圧力制御が可能な圧力制御機器(51)を付加接続している(
図2)。
【0037】
なお、前記圧力調節制御手段(50)に関して、前記気体包囲成形部(31)の内部空間圧力を一時的に圧力調節が可能な器具(52)とは、例えば、手動で空気を供給できる器具を指すものとする(図示せず)。
【0038】
前記圧力調節制御用チューブ(60)について、前記気体入出口(32)を介して前記気体包囲成形部(31)の内部空間に空気を入れる又は前記気体包囲成形部の内部空間から空気を排出する(抜く)ために、前記圧力調節制御手段(50)と前記気体入出口との間を接続するチューブを指す(
図2)。
【0039】
前記圧力調節制御用チューブ(60)の長さについて、使用環境や用途により様々な長さのチューブを使用することも可能であるが、患者の病室内に前記圧力調節制御手段(50)を配置する場合には5メートル未満程度で足りるものと想定する。一方で、患者の病室外に前記圧力調節制御手段を配置する場合(遠隔操作の場合)には、部屋をまたぐ程度の長さ(10メートル以上)が必要となるものと想定する(
図2及び
図3)。
【0040】
なお、患者の病室外に前記圧力調節制御手段を配置する場合(遠隔操作の場合)において、前記圧力調節制御用チューブ(60)の長さが足りない場合には、2本の前記圧力調節制御用チューブをチューブ延長ユニット(61)でジョイント接続をして、1本の圧力調節制御用チューブとして使用することも許容し得るものとする(
図4)。
【0041】
前記呼吸器用チューブ(70)について、前記呼吸器用チューブ接続口(22)を介し前記呼吸用マスクを装着した者(患者)に吸呼気を供給するためのチューブを指す(
図2)。
【0042】
前記圧力制御機器(51)を操作するためのリモコン(80)を付加することにより、呼吸用マスク装着後の装着状態変動による不快感やストレスが生じた際に前記圧力制御機器を操作して不快感を解消することも可能となり、操作性が向上するものと考える(
図5)。
【0043】
前記リモコン(80)に関し、前記呼吸用マスクの装着者が握りやすい様な形態や押しやすい様なボタン、あるいは当該リモコン操作者が操作しやすくなる工夫(例えば、加圧操作用ボタンを「+」表示、減圧ボタンを「-」表示、色分け、凹凸などで区別する)を施す方が好ましい(
図5)。
【0044】
前記リモコン(80)と前記圧力制御機器(51)とのインタフェースについて、有線であっても無線であっても許容するが、無線インタフェースを選択した方がより操作性は向上するものと考える(
図5)。
【0045】
なお、前記リモコンを付加していない構成の場合、前記ストラップ(40)の長さ調節操作により装着の強さを変更して対応している。
【0046】
次に、呼吸用マスク装着の流れ及び呼吸用マスク設備の作動について、
図6から
図8並びに
図3から
図5に従い説明する。
【0047】
気体包囲成形部(31)が一定程度収縮した状態で顔面接触部(10)を患者の顔面に接顔し、ストラップで(40)で固定して呼吸用マスクを装着する(
図6)。
【0048】
その後、気体入出口(32)へ前記気体包囲成形部の内部空間圧力を継続的に圧力制御が可能な圧力制御機器(51)を接続し、また、前記呼吸器用チューブ接続口(22)へ呼吸器用チューブ(70)を接続する(
図7)。
【0049】
前記圧力制御機器(51)を作動させて、前記気体包囲成形部(31)を膨張させることにより、間接的に前記顔面接触部の圧力が強くなる。また、前記ストラップ(40)も引張され伸びる(
図8に示した矢印)。
【0050】
上記のような作動がなされることよって、呼吸用マスク装着後のマスク位置の著しい変動が抑制され、装着状態変動による不快感やストレスをより軽減されることを期待する。
【0051】
なお、前記患者(マスク装着者)の病室外で前記圧力制御機器(51)の操作を欲する場合は、部屋をまたぐ程度の長さの1本の圧力調節制御用チューブ(60)を使用する方法(
図3)、2本の圧力調節制御用チューブをチューブ延長ユニット(61)でジョイント接続をして1本の圧力調節制御用チューブとして使用する方法(
図4)もしくは、無線リモコン(53)を使用する方法(
図5)などで操作が可能となる。
【0052】
また、マスク使用者の座位と仰臥位の体位変化によって生じる顔面に掛かる圧力増減の変化を抑制すること(例えば、仰臥位の時に掛かるマスクの重さでかかる圧力を前記気体包囲形成体内部の圧力を減らすことで相殺できる。)も可能であると考える。
圧力制御機器(51)を作動させて、前記気体包囲成形部(31)を膨張させる際に、鼻梁部分又は顎部分のいずれかあるいはその両方を膨張させるかを設定することが可能である。