(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025141641
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】シート処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 9/14 20060101AFI20250919BHJP
B65H 37/04 20060101ALI20250919BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20250919BHJP
【FI】
B65H9/14
B65H37/04 Z
B65H5/06 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024041661
(22)【出願日】2024-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000208743
【氏名又は名称】キヤノンファインテックニスカ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 康平
(72)【発明者】
【氏名】近藤 司
(72)【発明者】
【氏名】秋山 洋人
【テーマコード(参考)】
3F049
3F102
3F108
【Fターム(参考)】
3F049DA12
3F049DA19
3F049LA14
3F049LB03
3F102AA01
3F102AA09
3F102AB01
3F102BA02
3F102DA08
3F102EA03
3F102FA02
3F108GA01
3F108GB07
(57)【要約】
【課題】画像形成装置から排出されたシートに対してパンチ穴の穿孔処理を行う場合の斜行補正精度をより向上させるシート処理装置を提供する。
【解決手段】シート処理装置は、搬送経路に設けられ、シートが突き当たることにより当該シートを所定の位置に位置決めする突き当て部と、突き当て部により位置決めされたシートに穿孔する穿孔部と、穿孔部および突き当て部の下流側に設けられ、搬送経路に沿ってシートを搬送する第1搬送ローラ対と、第1搬送ローラ対よりも下流側に設けられた第2搬送ローラ対と、第1搬送ローラ対を離間させ、もしくはニップさせるローラ対離間制御部と、第1搬送ローラ対と第2搬送ローラ対のそれぞれの回転を制御する回転制御部とを備える。
【選択図】
図30
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置から送られたシートに穿孔処理を施すシート処理装置であって、
搬送経路に設けられ、前記シートが突き当たることにより当該シートを所定の位置に位置決めする突き当て部と、
前記突き当て部により位置決めされた前記シートに穿孔する穿孔部と、
前記穿孔部および前記突き当て部の下流側に設けられ、前記搬送経路に沿って前記シートを搬送する第1搬送ローラ対と、前記第1搬送ローラ対よりも下流側に設けられた第2搬送ローラ対と、
前記第1搬送ローラ対を離間させ、もしくはニップさせるローラ対離間制御部と、
前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対のそれぞれの回転を制御する回転制御部と、
を備え、
前記回転制御部は、前記ローラ対離間制御部が前記第1搬送ローラ対を離間させた状態で、前記シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対の回転を制御し、
前記第1搬送ローラ対が離間した空間において、前記突き当て部に前記シートが突き当たることによって当該シートにたわみを生じさせる、
ことを特徴とするシート処理装置。
【請求項2】
前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対との間の空間と、前記第1搬送ローラ対を離間させた空間とに跨って、前記シートにたわみが生じることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項3】
前記シートが前記搬送経路の下流側に向かって搬送された後、前記回転制御部は、当該シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対を逆転させることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項4】
前記シートの後端が前記穿孔部に対応する位置まで搬送されると、前記回転制御部は、当該シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対を逆転させることを特徴とする請求項3に記載のシート処理装置。
【請求項5】
前記回転制御部は、前記シートが前記突き当て部に到達するまで第1の所定量、当該シートを搬送し、その後、第2の所定量、当該シートをさらに前記突き当て部の方向に搬送することを特徴とする請求項4に記載のシート処理装置。
【請求項6】
前記回転制御部が前記第2の所定量、前記シートを搬送した場合に、前記シートにたわみが生じることを特徴とする請求項5に記載のシート処理装置。
【請求項7】
前記突き当て部は、
前記シートの先端が前記搬送経路の上流側から下流側に向かって前記突き当て部に進む場合には、当該シートは搬送され続け、前記シートの先端が前記搬送経路の下流側から上流側に向かって前記突き当て部に進む場合には、当該シートは前記突き当て部に突き当たることにより停止する、
ように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項8】
前記穿孔部は、前記シートにたわみが生じることにより位置決めされたシートに穿孔することを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項9】
前記穿孔部による穿孔が行われた後、前記回転制御部は、前記シートが前記搬送経路の下流側に向かって搬送されるよう前記第2搬送ローラ対を回転させることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項10】
前記穿孔部による穿孔が行われた後、前記シートが前記搬送経路の下流側に向かって搬送されると、前記第1搬送ローラ対がニップ状態となることを特徴とする請求項9に記載のシート処理装置。
【請求項11】
前記穿孔部による穿孔が行われた後、前記シートに対する後処理を行う後処理部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のシート処理装置。
【請求項12】
画像形成装置から送られたシートに処理を施すシート処理装置であって、
搬送経路に設けられ、前記シートが突き当たることにより当該シートを所定の位置に位置決めする突き当て部と、
前記突き当て部により位置決めされた前記シートに処理を施す処理部と、
前記処理部および前記突き当て部に向けて、前記搬送経路に沿って前記シートを搬送する、前記突き当て部に近い第1搬送ローラ対と、前記第1搬送ローラ対よりも前記突き当て部からの距離が遠い第2搬送ローラ対と、
前記第1搬送ローラ対を離間させ、もしくはニップさせるローラ対離間制御部と、
前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対のそれぞれの回転を制御する回転制御部と、
を備え、
前記回転制御部は、前記ローラ対離間制御部が前記第1搬送ローラ対を離間させた状態で、前記シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対の回転を制御し、
前記第1搬送ローラ対が離間した空間において、前記突き当て部に前記シートが突き当たることによって当該シートにたわみを生じさせる、
ことを特徴とするシート処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成されたシートに対して後処理を実行可能なシート処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置Aで画像形成されたシートに対して、パンチユニットによりパンチ穴を穿孔する処理が行われる場合がある。その処理においては、シートの後端にパンチ穴を正確に穿孔するため、シートの後端を基準にして位置決めと斜行補正が行われる。具体的には、シートをスイッチバックさせて突き当て部に突き当ててシートにループを形成することで位置決めと斜行補正が行われる。一般的には、パンチユニットはシートの後端に穴あけをするものであるため、シート処理装置の上流側に設けられ、パンチユニットの下流側で且つ最もパンチユニットに近いローラを逆転させることで、シートをスイッチバックさせて突き当て部に突き当てることが行われる。これは突き当て部に最も近いローラでスイッチバック移動させることで、搬送駆動ロスを減らすためである。
【0003】
近年、シート処理装置の省スペース化が望まれているが、装置の小型化のためにシート処理装置の最上流側にパンチユニットを設けると、画像形成装置の最下流ローラとシート処理装置の最上流ローラとの最小サイズシートに合わせたローラピッチの間にパンチユニットが設置されるため、シート処理装置の最上流ローラとその上流側のパンチユニットを近くに配置せざるを得なくなる。
【0004】
また、商業印刷分野においては、小さなサイズのシートを扱うことも増加しており、このようなシートに合わせて搬送ローラと搬送ローラの間隔(ローラピッチ)を設定すると、その狭いローラピッチの間にパンチユニット等の突き当て補正が必要なユニットを配置せざるを得なくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような背景の中で、シートを突き当てて斜行補正を行うユニットに、最も近いローラで搬送すると、突き当て部とローラが接近しすぎてしまい、シートにループを形成させるための距離が不足してしまうことがある。
【0007】
本発明は、画像形成装置から排出されたシートに処理を行う場合のシート斜行補正精度をより向上させるシート処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明に係るシート処理装置は、画像形成装置から送られたシートに穿孔処理を施すシート処理装置であって、搬送経路に設けられ、前記シートが突き当たることにより当該シートを所定の位置に位置決めする突き当て部と、前記突き当て部により位置決めされた前記シートに穿孔する穿孔部と、前記穿孔部および前記突き当て部の下流側に設けられ、前記搬送経路に沿って前記シートを搬送する第1搬送ローラ対と、前記第1搬送ローラ対よりも下流側に設けられた第2搬送ローラ対と、前記第1搬送ローラ対を離間させ、もしくはニップさせるローラ対制御部と、前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対のそれぞれの回転を制御する回転制御部と、を備え、前記回転制御部は、前記ローラ対制御部が前記第1搬送ローラ対を離間させた状態で、前記シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対の回転を制御し、前記第1搬送ローラ対が離間した空間において、前記突き当て部に前記シートが突き当たることによって当該シートにたわみを生じさせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、画像形成装置から排出されたシートに処理を行う場合のシートの斜行補正精度をより向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図6】搬送ローラのシフト機構を説明するための図である。
【
図7】搬送ローラのシフト機構を説明するための図である。
【
図11】トレイの昇降機構を説明するための図である。
【
図12】シートの搬出機構を説明するための図である。
【
図13】ステープルユニットの構成を示す図である。
【
図14】第1搬送ローラの離間機構を説明するための図である。
【
図16】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図17】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図18】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図19】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図20】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図21】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図22】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図23】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図24】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図25】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図26】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図27】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図28】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図29】シートの搬送制御の動作を説明するための図である。
【
図30】シートの搬送制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0012】
[画像形成装置]
図1に示す画像形成システムにおける画像形成装置Aを説明する。図示の画像形成装置Aは静電式印刷機構を示し、画像形成ユニットA1とスキャナユニットA2とフィーダユニットA3を含んで構成されている。装置ハウジング1には、設置面(例えば床面)に設置する据付脚25が設けられている。また装置ハウジング1内部には、給紙部2と画像形成部3と排紙部4とデータ処理部5が内蔵されている。
【0013】
給紙部2は、画像形成する複数サイズのシートを収納するカセット機構2a~2cを含んで構成され、
図14に示す本体制御部90から指定されたサイズのシートを給紙経路6に繰り出す。このため装置ハウジング1には複数のカセット2a~2cが着脱可能に配置され、各カセットには内部のシートを1枚ずつ分離する分離機構と、シートを繰り出す給紙機構とが内蔵されている。給紙経路6には複数のカセット2a~2cから供給されるシートを下流側に給送する搬送ローラ7が設けられ、経路端部には各シートを先端揃えするレジストローラ対8が設けられている。
【0014】
尚、給紙経路6には、大容量カセット2dと手差しトレイ2eが連結しており、大容量カセット2dは大量に消費するサイズのシートを収納するオプションユニットを含んで構成され、手差しトレイ2eは分離給送が困難な厚紙シート、コーティングシート、フィルムシートなどの特殊シートを供給可能に構成される。
【0015】
画像形成部3は、静電印刷機構の一例として示され、感光体9(ドラム、ベルト)と、この感光体9に光学ビームを発光する発光器10と、現像器11(ディベロッパー)と、クリーナ(不図示)とが回転する感光体の周囲に配置されている。図示のものはモノクロ印刷機構を示し、感光ドラム9に発光器10で光学的に潜像を形成し、この潜像に現像器11でトナーインクを付着する。そして、感光体9に画像形成するタイミングに合わせて給紙経路6からシートを画像形成部3に送り、転写チャージャ12でシート上に画像を転写し、排紙経路14に配置されている定着ユニット(ローラ)13で定着する。排紙経路14には、排紙ローラ15と排紙口16とが配置され、後述するシート後処理装置Bにシートを搬送する。
【0016】
スキャナユニットA2は、画像原稿を載置するプラテン17と、プラテン17に沿って往復移動するキャリッジ18と、キャリッジ18に搭載された光源と、プラテン17上の原稿からの反射光を光電変換部19に案内する縮小光学系20(ミラー、レンズの組み合わせ)とを含んで構成されている。図示21は第2プラテン(走行プラテン)であり、フィーダユニットA3から送られたシートに対して、キャリッジ18と縮小光学系20とにより画像読み取りを行う。光電変換部19は、光電変換した画像データを画像形成部3に転送する。
【0017】
フィーダユニットA3は、給紙トレイ22と、給紙トレイから送り出したシートを走行プラテン21に案内する給紙経路23と、プラテンで画像読取が行われた原稿を収納する排紙トレイ24とを含んで構成されている。
【0018】
画像形成装置Aは、上記の機構に限られず、オフセット印刷機構、インクジェット印刷機構、インクリボン転写印刷機構(熱転写リボン印刷、昇華型リボン印刷など)の印刷機構が採用可能である。
【0019】
[シート後処理装置]
シート後処理装置B(シート処理装置)は、画像形成装置Aの排紙口16から排出されたシートを後処理する装置として例えば、(1)画像形成されたシートを積載収容する機能(プリントアウトモード)と、(2)画像形成されたシートを部分け収納する機能(ジョグ仕分モード)と、(3)画像形成されたシートを部揃え集積して綴じ処理する機能(綴じ処理モード)と、(4)画像形成されたシートを部揃えして綴じ処理した後に折り処理して製本仕上げする機能(製本処理モード)とを備える。
【0020】
なお、本実施形態にあってシート後処理装置Bは上記の全ての機能を備える必要はなく、装置仕様(設計仕様)に応じて適宜構成される。
【0021】
図2は、シート後処理装置Bの構成を示し、
図3は、ストレートパス28周辺の構成を示す。シート後処理装置Bは、画像形成装置Aの排紙口16に連なるストレートパス入口26から搬入したシートを後処理した後に、収納部(後述の第1スタックトレイ49、第2スタックトレイ61、第3スタックトレイ71)に収納する。図示の装置は、ストレートパス28に送られたシートを、綴じユニット47を含む処理部B1から第1スタックトレイ49(以下「第1トレイ」と云う)と第3スタックトレイ71(以下「第3トレイ」と云う)に移送する。また、ストレートパス28に送られたシートを、サドル部B2から第2スタックトレイ61(以下「第2トレイ」と云う)に移送する。なお、ストレートパス28は、略直線状に形成されているので、厚紙等でも搬送可能である。
【0022】
処理部B1は、ストレートパス28の経路出口(ストレートパス排紙口35)に配置され、順次送られたシートを部揃え集積して綴じ処理した後に第1トレイ49に収納する。サドル部B2は、ストレートパス28から分岐したサドルパス32の経路出口(サドルパス排紙口)に配置され、順次送られるシートを部揃え集積して中綴じ後(中綴じしない場合もある)に折り処理して第2トレイ61に収納する後処理部である。以下、各構成について詳述する。
【0023】
<装置ハウジング>
図2に示すように、シート後処理装置Bは、装置ハウジング27と、この装置ハウジング内部に内蔵され、ストレートパス入口26とストレートパス排紙口35を有するストレートパス28と、ストレートパス28から送られたシートを後処理する処理部B1とサドル部B2と、各後処理部から送られたシートを収納する第1トレイ49、第2トレイ61、第3トレイ71を備えている。図示の装置ハウジング27は、上流側に位置する画像形成装置Aのハウジング1と略同一高さ寸法に配置され、設置面上で画像形成装置Aの排紙口16とシート後処理装置Bのストレートパス入口26とが連結される。
【0024】
シート後処理装置のハウジング27は、装置フレーム70を含んで構成されている。装置フレーム70は、例えば
図6に示すようなボックス型の装置の骨組みを形成し、
図1の状態で正面に位置するフロント側の側枠フレーム70fと、背面に位置するリヤ側の側枠フレーム70rと、両側枠フレーム間を連結するステー部材(連結補強部材)とを含んで構成されている。この左右の側枠フレーム間に、後述するストレートパス28、処理部B1、サドル部B2などが取り付けられる。装置ハウジング27は、図示の形状に制限されることなくデザイン上好適な形態とすることは勿論、装置フレーム70も左右側枠と連結ステー構造に限らず、モノコック構造など種々のフレーム構造が採用可能である。
【0025】
<シート搬入経路>
図3に示すように、ストレートパス28は、装置ハウジング27を略水平方向に横断する略直線状の経路で構成され、画像形成装置Aの排紙口(本体排紙口)16と連なるストレートパス入口26と、この搬入口(ストレートパス入口26)から装置を横断して反対側に位置するストレートパス排紙口35とを備えている。ストレートパス28には、ストレートパス入口26からストレートパス排紙口35に向けてシート搬送が可能で、且つストレートパス排紙口35からストレートパス入口26に向けて搬送が可能な搬送機構として、ストレートパス入口26側から順に入口ローラ29、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202、第3搬送ローラ203が配置されている。また、ストレートパス排紙口35には、搬送機構として、排紙ローラ36(ベルトなどのシート搬送機構を含む)が配置されている。また、ストレートパス入口26近傍には、受け入れるシートの先後端を検出する入口センサS1と、シートの搬送方向に平行な端面位置(側端)を検出する横レジ検知センサS0(検出部)とが配置されている。また、ストレートパス排紙口35近傍には、シートの先後端を検出する排紙センサS2が配置されている。ストレートパス排紙口35から排出されたシートは、ストレートパス排紙口35に連結されている第1排紙パス31を経由して第1トレイ49へと排出されるか、又は処理部B1へと案内される。また、ストレートパス28には、シートにパンチ穴を穿孔するパンチユニット100(穿孔部)が配置されている。
【0026】
<シート搬入経路のレイアウト>
ストレートパス28には、
図2、
図3に示すようにストレートパス入口26からストレートパス排紙口35に向かって、「サドルパス32」「サドルバッファパスP2」「処理部バッファパスP1」「上搬送パス30」の順に配置され、上記の各パスとの分岐部には搬送されたシートの搬送切替機構(分岐機構)として、サドルパスフラッパー33b、サドルバッファパスフラッパー33a、処理部バッファパスフラッパー200、上搬送パスフラッパー34が配置されている。本実施形態では、サドルバッファパスP2と上搬送パス30は、シートを退避させる退避経路として構成されている。また、
図2に示すように、ストレートパス28を挟んで一方側にサドル部B2が設けられ、その反対側(他方側)にサドルバッファパスP2と上搬送パス30が設けられている。これにより、退避経路に位置するシートのサドル部B2への搬送効率をより向上させることができる。
【0027】
上記の各パスの中で、サドルパス32とサドルバッファパスP2と処理部バッファパスP1は、ストレートパス入口26からストレートパス排紙口35への搬送方向とは逆方向にシートを搬送して上記の各パスへと搬入するスイッチバックパスとして構成される。また、上搬送パス30は、ストレートパス入口26からストレートパス排紙口35への搬送方向と同じ方向にシートを搬送することで搬入されるよう構成されている。
【0028】
<パスの分岐機構>
上記のシートの分岐機構であるサドルパスフラッパー33b、サドルバッファパスフラッパー33a、処理部バッファパスフラッパー200は、ストレートパス入口26から搬入されたシートの搬送経路を切替可能なように可動するフラッパガイドで構成され、電磁ソレノイド、ミニモータなどの駆動機構(不図示)に連結されている。上記のサドルパスフラッパー33bは、ストレートパス入口26から送られたシートをサドルパス32に案内する。サドルバッファフラッパー33aは、ストレートパス入口26から送られたシートをサドルバッファパスP2に案内する。処理部バッファフラッパー200は、ストレートパス入口26から送られたシートを処理部バッファローラ301a、301bを介して処理部バッファパスP1に案内する。上搬送パスフラッパー34は、ストレートパス入口26から送られたシートをストレートパス排紙口35と上搬送パス30のいずれかに搬送するように搬送経路を切り替えるように可動するフラッパガイドを含んで構成され、電磁ソレノイド、ミニモータなどの駆動機構(不図示)に連結されている。
【0029】
<上搬送パス>
ストレートパス28には、ストレートパス排紙口35へ排出するシート以外を搬入する上搬送パス30(プリントアウト排紙パス)が連結され、パス分岐部には、上搬送パス30にシートを案内するための上搬送パスフラッパー34が備えられている。また、上搬送パス30には、シートを第3トレイ71へと案内する上搬送ローラ303(303a、303b)が備えられている。これらにより、上搬送パス30へと案内されたシートは上搬送パス排紙口40より第3トレイ71(オーバフロートレイ)へと排出される。なお、本実施形態では、上搬送パス30は、シートの退避経路としても用いられる。
【0030】
<サドルパス>
ストレートパス28には、サドル部B2に搬入させるためのサドルパス32が連結され、パス分岐部には、サドルパス32にシートを案内するためのサドルパスフラッパー33bが備えられている。サドルパス32からサドルパス排紙口を経由してサドル部B2へと案内されたシートは中綴じ処理、折り処理された後に略水平方向のサドル排出パス68を経由して第2トレイ61へと排出される。
【0031】
<サドルバッファパス>
ストレートパス28には、サドル部B2で中綴じ処理、折り処理を施すシートを一時的に搬入させて待機させるためのサドルバッファパスP2が連結され、このサドルバッファパスP2にシートを案内するためのサドルバッファパスフラッパー33aが構成されている。また、サドルバッファパスP2には、シートを搬入して一時的に待機させる搬送ローラ302(302a、302b)が備えられている。
【0032】
サドルバッファパスP2の下流延長上には第4トレイ排紙口305が設けられており、そのため、サドルバッファパスP2に搬入したシートを第4トレイ310上へ排出して積載することが可能である。この場合、第4トレイ310は、サドルバッファパスP2の鉛直上方に配置される。なお、第4トレイ310は、シート後処理装置Bの天面の外装部品と共有してもよく、装置ハウジングに固定してあってもよいし、駆動機構を備えて略鉛直方向に昇降可能に構成されてもよい。
【0033】
尚、サドルバッファパスP2をパンチユニット100の鉛直上方で重なる位置に配置されることで装置をよりコンパクトにできる。但し、パンチユニット100に滞留したシートを取り除く為にパンチユニット100を上方に跳ね上げるスペースが必要な場合は、サドルバッファパスP2をパンチユニット100の鉛直上方で重ならない位置に配置してもよい。
【0034】
<搬入経路における搬送ローラシフト機構>
ここで、上記の搬送経路上の搬送ローラが備えている搬送シフト機構について
図6、
図7を用いて説明する。第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202、第3搬送ローラ203、搬送ローラ302a、302bは、左右の側枠フレーム70f、70rに回転可能に軸受支持された駆動ローラ111と従動ローラ112を含んで構成されている。駆動ローラ軸113には、駆動回転軸が伝動機構116(図示のものは歯車伝動)で連結され、駆動回転軸115には、排紙ローラ36と共通の駆動モータ(不図示)が連結されている。また従動ローラ軸114は、左右の側枠フレーム70f、70rに遊動可能に軸受け支持されている。
【0035】
上記の各搬送ローラは、駆動ローラ軸113と従動ローラ軸114を連結するシフト部材117に回転可能に取り付けられている。シフト部材117により、駆動ローラ軸113と従動ローラ軸114は、軸方向(スラスト方向)に一体的に移動するように連結し、ラジアル方向に独立して回転可能である。そして、駆動ローラ軸113は、左右の側枠フレーム70f、70rに軸受け支持され、駆動ローラ軸113の端部は、側枠フレーム70fのフロント側にある搬送ローラの軸方向移動領域で示される範囲に位置し、他方の端部は側枠フレーム70rのリヤ側に位置し、シフト部材117(例えば合成樹脂のブロック部材)は、駆動ローラ軸113、従動ローラ軸114に支持され、両ローラ軸を一体的に連結している。
【0036】
シフト部材117にはラック117aが一体形成され、側枠フレーム70r(装置フレーム;以下同様)に取り付けたシフトモータM8と伝動ピニオン117bに噛合されている。このような構成で、シフトモータM8(図示のものは正逆転可能なステッピングモータ)の回転でシフト部材117を搬送ローラの軸方向に位置移動(シフト移動)することが可能となる。
【0037】
駆動回転軸115には受動歯車118が一体形成され、受動歯車118に駆動モータの回転が伝達される。また、従動回転軸119は、駆動回転軸115の回転で従動回転するように、搬送ローラ対(駆動ローラと従動ローラ)が圧接されている。
【0038】
本実施形態では、駆動回転軸115と従動回転軸119は、互いに連結されその一方の軸方向移動で他方が従動するように構成されている。この他、駆動ローラ111と従動ローラ112の一方を軸方向にスライド移動(摺動)可能に回転軸に取付け、他方のローラを軸方向に位置移動させ、その移動に連動するように構成しても良い。
【0039】
<搬送シフト動作>
ここで、シート後処理装置B内へ搬入されたシートのシフト動作(ジョグ仕分モード)について説明する。画像形成装置Aから送り込まれたシートは、ストレートパス入口26、入口ローラ29、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202、第3搬送ローラ203の順に搬送される。このとき、入口センサS1によりシートの受渡しタイミングも同時に検知される。入口ローラ29により搬入されたシートは、ストレートパス28を通過しながらシートの端部位置を横レジ検知センサS0により検知される。横レジ検知センサS0は、センタ(中央)位置に対してどの程度、シートの横レジ誤差Xが生じているかを検知する。
【0040】
横レジ検知センサS0による横レジ誤差Xが検知されると、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202、第3搬送ローラ203の各ローラが順に搬送しながら手前と奥との方向に所定量移動することによるシートのシフト動作(「横レジ検知処理」ともいう)が行われる。その後、シートは、分岐機構の上搬送パスフラッパー34によってストレートパス排紙口35か、または上搬送パス30に振り分けられて搬送され、第1トレイ49上か、または第3トレイ71へ排出される。
【0041】
<処理部>
処理部B1は、ストレートパス28の下流側に配置されストレートパス排紙口35から送られたシートを部揃え集積する処理トレイ37と、集積されたシート束を綴じ処理する綴じ処理機構とを含んで構成される後処理部である。
図3に示すように、ストレートパス28のストレートパス排紙口35には、段差を形成してその下方に処理トレイ37が配置され、ストレートパス排紙口35と処理トレイ37との間には排紙口から搬送方向を反転させてシートをトレイ上に案内する第1排紙パス(第1スイッチバックパス)31が形成されている。
【0042】
ストレートパス排紙口35と処理トレイ37との間には、シートを排紙口からトレイ上に搬入するシート搬入機構が配置され、処理トレイ37には、所定の綴位置にシートを位置決めする位置決め機構と、綴じ処理したシート束を下流側の第1トレイ49に排出するシート束搬出機構とが配置されている。各構成については後述する。
【0043】
なお、
図3に示す処理トレイ37は、下流側の第1トレイ49との間でストレートパス排紙口35から送られたシートをブリッジ支持する。つまり、ストレートパス排紙口35から送られたシートが、その先端部を下流側の第1トレイ49の最上部のシートの上に、後端部を処理トレイ37上に、ブリッジして支持されるように構成される。
【0044】
<サドル部>
サドル部B2はストレートパス28から送られたシートを部揃え集積して、中央部を綴じ処理して内折り処理する(以下「マガジン仕上げ」と云う)後処理部である。そして、サドル部B2の下流側には第2トレイ61が配置され、製本処理されたシート束を収納する。尚、シート1枚又は複数枚のシートを部揃え集積して、中綴じ処理をせず中央部を内折り処理のみを施すように構成されても良い。
【0045】
サドル部B2は、シートを束状に集積するガイド部材66と、ガイド部材66上の所定位置にシートを位置決めする先端規制ストッパ67と、先端規制ストッパ67で位置決めされたシートの中央部を綴じ処理するステープル装置63(中綴じステープルユニット)と、綴じ処理後にシート束を中央部で折り合わせる折り処理機構(折りロール対64と折りブレード65)とを含んで構成されている。
【0046】
中綴じステープルユニット63は、一般的に知られている、ヘッドユニットとアンビルユニットでシート束を挟んだ状態でシート中央部(線)に沿って位置移動させて綴じ処理する機構が採用されている。また、折り処理機構は、
図2に示すように、互いに圧接した折りロール対64にシート束の折り目を折りブレード65で挿入してロール対の転動で折り合わせるように構成されている。
【0047】
図示の処理部B1及び、ストレートパス28は略水平方向に配置され、サドル部B2にシートを案内するサドルパス32は鉛直方向に配置され、シートを部揃え集積するガイド部材66は略鉛直方向に配置されている。このように装置ハウジング27を横断する方向にストレートパス28を配置し、サドルパス32、サドル部B2を鉛直方向に配置することによって装置のスリム化が可能となる。
【0048】
サドル部B2の下流側には第2トレイ61が配置され、マガジン状に折り合わされたシート束を収納可能である。第2トレイ61は、第1トレイ49の下方に配置されている。これは、第1トレイ49の使用頻度が第2トレイ61の使用頻度より高いことを想定されているためであり、トレイ上のシートを取り出し易い高さとして第1トレイ49の位置が設定されている。
【0049】
<パンチユニット>
ストレートパス28に配置され、ストレートパス入口26から送られたシートにパンチ穴を穿孔するパンチユニット100が設けられており、送られたシートにパンチ穴を穿孔する構成として、高精度モードと高生産モードを備える。ここでは、高精度モードの詳細の一例を説明する。
図3に示す、入口センサS1をシート搬送方向後端部が抜けて、所定パルス分、搬送方向に搬送し、第1搬送ローラ201及び第2搬送ローラ202にシートが挟持された状態で、第1搬送ローラ201及び第2搬送ローラ202は同タイミングで逆転動作し、シートがスイッチバックする。第1搬送ローラ201はローラ圧接の離間機構を有しており、シート搬送方向へのシート搬送を正転動作で行い、逆転動作でローラ圧接の離間動作を行う同一の駆動で圧接の離間を可能としている。なお、シート搬送と離間とを別駆動で行ってもよい。シートがスイッチバックすると、第1搬送ローラ201はローラ圧接の離間を開始し、第2搬送ローラ202のみでパンチユニット100へ送り込まれる形となり、送り込まれたシートはパンチユニット100内の突き当て部1501へシート搬送方向後端部が突き当てられる。シート搬送方向後端部が突き当て部1501へ突き当てられるまでに、第1搬送ローラ201はローラ圧接の離間は完了している。突き当て部1501へ突き当てられたシートは、そこから、さらに所定量(所定パルス分)搬送され、第1搬送ローラ201と第2搬送ローラ202間でループ(湾曲状)を形成し、形成されたループによってスキュー補正がされる。突き当て部1501へ突き当てられたシートをさらに搬送させる量は、シートの坪量及び表面情報によって異なってもよい。その後、パンチユニット100によってシートの所定の位置にパンチ穴を穿孔し、シートは搬送方向へ搬送される。ここで、第1搬送ローラ201を正転動作させる際、離間が解除され、ローラが圧接される。
【0050】
図14に示す、第1搬送ローラ201の離間機構について説明する。不図示の搬送モータに接続された搬送ローラ軸1404及び離間軸1403と、搬送ローラ軸1404に不図示のバネの弾性力により圧接される、ピンチコロ1405と、そのピンチコロ1405を保持する、ピニオンラック1402と、そのピニオンラック1402に接続され、離間軸1403の軸上に保持されたピニオンギア1401があり、不図示の搬送モータが搬送ローラ軸1404をシート搬送方向に回転する時は、離間軸1403への離間モータM9の駆動が断たれ、不図示の搬送モータが搬送ローラ軸1404をシート搬送方向とは逆方向へ回転する時に、離間モータM9の駆動が離間軸1403へ伝わり、ピニオンラック1402がシートパスから離れる方向へ移動する。それにより、ピニオンラック1402に保持されたピンチコロ1405は圧接から解除される。なお、圧接の離間機構は、カムや、レバー機構で行ってもよい。
図14に示す第1搬送ローラ201の離間機構は、ローラ対制御部の一例であり、他の構成により第1搬送ローラ201の離間機構が実現されても良い。
【0051】
次に、パンチユニット100について説明する。パンチユニット100は、ストレートパス28のシート搬送方向に対して直交する方向に複数のパンチ部材101a~101eを所定の間隔で配列して、選択された穴数をシートに穿孔する。
【0052】
図4にパンチユニット100の全体構成を示す。パンチユニット100は、ユニットフレーム102と、ユニットフレーム102に上下動可能に配列された複数のパンチ部材101a~101eと、各パンチ部材を上下動(穿孔方向に往復動)する駆動カムと、この駆動カムを駆動する駆動モータM7とを含んで構成されている。
【0053】
図示104は屑ボックスであり、パンチ部材101の下方に配置され穿孔屑紙片を収納する。屑ボックス104は装置フレーム70(ユニットフレームとは異なる)にスライド可能にガイドレール(不図示)に取り付けられている。図示106は回転操作部材であり、パンチ部材101にジャムが発生したとき或いは駆動モータM7に異常が発生したとき駆動カムを強制的に回転させてシートに食い込んだパンチ部材101を引き離す(引き剥がす)。このため、回転操作部材106は、駆動カムの回転軸107に連結された手動回転ツマミで構成してある。
【0054】
図5に示すようにユニットフレーム102は、ストレートパス28のシート搬送方向と直交する方向に所定長さを有する上部フレーム102aと、下部フレーム102bとを含んで構成されている。上部フレーム102aにはシート搬送方向と直交する方向(以下「搬送直交方向」と云う)に所定間隔で複数のパンチ部材101a~101eが穿孔方向に往復動可能(上下動可能)に配置されている。下部フレーム102bには、各パンチ部101に対向する位置に穿孔穴(ダイ)が形成されている。また、ユニットフレーム102には駆動回転軸107が配置され、駆動回転軸107に各パンチ部材101を上下動する駆動カムが取り付けられている。駆動回転軸107には、駆動モータM7が伝動機構を介して連結されている。
【0055】
駆動カムは、駆動回転軸107に軸着され複数のパンチ部材101に対応する円筒カム部材で構成され、このカム部材に各パンチ部材が連結ピンで連結されている。そして、駆動回転軸107の所定角度の回転により、パンチ部材101は穿孔方向に上下動するようになっている。このとき、複数パンチ部材の第1グループ101b、101d(例えば2穴穿孔)は、駆動回転軸107の第1回転角度で穿孔方向に上下動し、異なる第2回転角度で第2グループ101a、101c、101e(例えば3穴穿孔)が穿孔方向に上下動する。
【0056】
従って、後述する綴じ処理制御部95は、駆動モータM7の制御により駆動回転軸107を予め設定された角度範囲で往復回転させると、第1グループのパンチ部材101b、101dを穿孔運動させ、異なる角度範囲で往復動させると第2グループのパンチ部材101a、101c、101eを穿孔運動させることが可能となる。
【0057】
屑ボックス104は、パンチ部材101の下方に配置され、装置フレームに設けたガイドレール(不図示)に支持され、装置フロント側から着脱可能になっている。
【0058】
また、駆動回転軸107には、駆動モータM7が減速機構(歯車伝動機構)を介して連結されていると共に、オペレータが手動で回転することが可能なように、回転部材を側枠フレーム70fに設けられた穴を通し、側枠フレーム70fのフロント側に配置している。そして、装置フロント側には、フロントカバーが開閉可能に配置され、開蓋状態で回転操作部材106を操作可能になっている。なお、カバーが開蓋状態では、駆動モータM7に駆動電源が供給されない(遮断)ように構成されている。
【0059】
[処理部の構成]
次に、処理部B1のシート搬入機構、シート位置決め機構、綴じ処理機構、シート束搬出機構の各構成について説明する。
【0060】
<シート搬入機構>
図3に示すようにストレートパス排紙口35と処理トレイ37との間には、ストレートパス排紙口35からシートを排紙方向と排紙反対方向にスイッチバック搬送する反転搬送機構と、シートをトレイ側に案内するガイド機構(シートガイド部材)44と、シートを後端規制部に案内する掻き込み回転体46とが配置されている。
【0061】
反転搬送機構は、処理トレイ37上に搬入するシートと係合する作動位置と、離間した待機位置との間で上下動する昇降ローラ41と、シートを排紙反対方向に移送するパドル回転体42とを含んで構成され、昇降ローラ41とパドル回転体42は揺動ブラケット43に取り付けられている。
【0062】
装置フレーム27に、回転軸(例えば排紙ローラ軸)を中心として揺動可能に揺動ブラケット43が配置され、揺動ブラケット43に昇降ローラ41とパドル回転体42の回転軸が軸受支持されている。そして、揺動ブラケット43には不図示の昇降モータが連結され、揺動ブラケット43は、マウントされている昇降ローラ41およびパドル回転体42を、シートと係合させる作動位置と、シートから離間した待機位置との間で上下動させる。
【0063】
また、昇降ローラ41とパドル回転体42には不図示の駆動モータが連結され、昇降ローラ41は正逆転方向に回転するように、パドル回転体42は逆転方向(排紙反対方向)に回転するように、駆動が伝達される。また、処理トレイ37には、昇降ローラ41と互いに圧接する従動ローラ48が配置され、単一のシート若しくは束状シートをニップして下流側に排出する。
【0064】
昇降ローラ41と後述する掻き込み回転体46との間には、処理トレイ37上に搬入されたシートの後端をシート端規制部38に向けて案内するガイド機構が配置される。ガイド機構は、
図3の点線状態から実線状態に上下動するシートガイド部材44を含んで構成され、シートガイド部材44は、ストレートパス排紙口35からシートが排出されるときには点線位置に退避し、シート後端がストレートパス排紙口35を通過した後にシート後端を処理トレイ37上に案内する。このため、シートガイド部材44には不図示の駆動機構が連結され、ストレートパス排紙口35から処理トレイ37上にシート後端を案内するタイミングに応じて上下動する。
【0065】
<シート位置決め機構>
処理トレイ37には、所定の綴位置にシートを位置決めする位置決め機構38、39が配置され、図示のものはシート後端を突き当て規制するシート端規制部38と、シート側縁を基準(センタ基準、片側サイド基準)位置に位置決めする側縁整合部39を含んで構成されている。
【0066】
シート端規制部38は、
図3に示すようにシート後端を突き当て規制するストッパ部材で構成されている。また、側縁整合部材39は
図9で後述するが、ストレートパス28からシートがセンタ基準で排紙され、綴じモードの種類に応じて、同一のセンタ基準での位置決めか、片側サイド基準での位置決めが実行される。
【0067】
<側縁整合機構>
図9に示すように、側縁整合板39f、39rは、処理トレイ37の紙載面37aから上方に突出し、シートの側縁と係合する規制面39xを有し、左右一対で互いに対向するように配置される。そして、この一対の側縁整合部39は、所定ストロークで往復動可能に処理トレイ37に配置される。このストロークは、最大サイズシートと最小サイズシートのサイズ差および整合した後のシート束を左右いずれかの方向に位置移動(オフセット搬送)するオフセット量によって設定される。
【0068】
つまり、左右の側縁整合板39f、39rの移動ストロークは、異なるサイズシートを整合するための移動量と、整合後のシート束のオフセット量とで設定される。なお、側縁整合板39f、39rは、コーナ綴じのときにはセンタ基準で搬出されたシートを右コーナ綴じのときには右側に、左コーナ綴じのときには左側に所定量移動される(オフセット移動)。このオフセット移動は、処理トレイ37にシートが搬入された都度(搬入シート毎に)一枚ずつ実行する場合と、シートを束状に整合した後に綴じ処理を行うために束毎移動する場合とのいずれかがある。
【0069】
このため、側縁整合部39は、
図9に示すように、右側縁整合部材39f(装置フロント側)と左側縁整合部材39r(装置リア側)を含んで構成され、両側縁整合部材には、シート側端と係合する規制面39xが互いに接近方向又は離間方向に移動するように処理トレイ37上に支持されている。処理トレイ37には、表裏を貫通するスリット溝(不図示)が設けられ、このスリット溝に対して、シート側縁と係合する規制面39xを有する側縁整合部39が摺動可能に嵌合されている。
【0070】
各側縁整合板39f、39rは、トレイ背面側で複数のガイドコロ80(レール部材であっても良い)で摺動可能に支持され、ラック81が一体形成されている。左右のラック81にはピニオン82を介して整合モータM1、M2が連結されている。左右の整合モータM1、M2はステッピングモータで構成され、図示しないポジションセンサで左右の側縁整合板39f、39rの位置を検出し、その検出値を基準に各整合部材を左右いずれの方向にも、指定された移動量で位置移動できるように構成されている。なお、図示のラック-ピニオン機構に限られず、各側縁整合板39f、39rをタイミングベルトに固定し、タイミングベルトを左右往復動させるモータにプーリで連結するように構成しても良い。
【0071】
上記のような構成で、後述する綴じ処理制御部95は、画像形成装置Aから提供されるシートサイズ情報に基づいて左右の側縁整合部材39f、39rを所定の待機位置(シートの幅サイズ+α位置)に待機させる。そして「マルチ綴じ」のときには、処理トレイ37上にシートを搬入し、シート端がシート端規制部38に突き当たったタイミングで整合動作を開始する。この整合動作は、左右の整合モータM1、M2を同一量ずつ反対方向(接近方向)に回転することで行われる。すると、処理トレイ37に搬入されたシートは、シートセンタを基準に位置決めされ、束状に積み重ねられる。このシートの搬入動作と整合動作との繰り返しでシートは、処理トレイ37上に束状に部揃え集積される。このとき異なるサイズのシートは、センタ基準で位置決めされる。また「コーナ綴じ」のときには、処理トレイ37上にシートを搬入し、シート端がシート端規制部38に突き当たったタイミングで整合動作を開始する。この整合動作は、綴位置側の整合板と、綴位置の反対側の整合板の移動量を異ならせることで行われる。そして、あらかじめ設定された綴位置にシートコーナが位置するように移動量が設定される。
【0072】
<綴じ処理機構>
処理トレイ37には、紙載面37a上に集積したシート束を綴じ処理する綴じ処理機構47が配置されている。処理トレイ37上の紙載面37aは、位置決め機構(シート端規制部38と側縁整合部39)により、所定の綴位置で位置決めされる。綴じ処理機構47は、シート束をステープル針で針綴じする綴じユニット47(「ステープルユニット」以下同様)として構成されている。
【0073】
処理トレイ37には、ストレートパス排紙口35から搬入されたシート後端部を綴じ処理する綴じ処理機構47が配置され、綴じ処理機構47は、
図8に示すように処理トレイ37の紙載面37aの後端部に沿って位置移動可能なステープルユニット47で構成されている。
【0074】
図8、
図9は、処理トレイ37上に配置されたステープルユニット47を示す。
図9では、図面上左側に位置するシートコーナに綴位置Cp1が設定されている。ステープルユニット47は、装置フレーム27bに形成された第1走行レール53と第2走行レール54に沿って所定ストロークSL1で移動する。
【0075】
図9には、処理トレイ37に搬入されたシートと、綴じユニット47の移動ストロークSL1が示されている。処理トレイ37には異なるサイズのシートが最大サイズシートから最小サイズシートまでがセンタ基準で搬入される。このシートを左右一対の側縁整合板39f、39rがシートの綴じ側縁(図示のものは左側縁)を基準に、異なるサイズのシートが一致するように整合する。このため、左右の側縁整合板39f、39rはそれぞれ異なる駆動モータM1、M2に連結され、後述する綴じ処理制御部95は、シートサイズに応じて左右の側縁整合板39f、39rの移動量を設定する。
【0076】
なお、後述する綴じ処理制御部95は、シートコーナを綴じ処理する以外の綴じ処理、例えば後述するマルチ綴じモードのときにはセンタ基準でシートを整合する。この場合には左右の側縁整合板39f、39rは、待機位置から同一量ずつシートセンタ寄りに位置移動することによってシートを綴位置に位置決めする。
【0077】
図9で説明すると、綴じユニット47は、待機位置Wp1(第1待機位置)と綴位置Cp1の間のストロークSL1を移動する。つまり、綴じユニット47は走行レール53、54(ガイド溝、ガイドロッドなど)に沿って待機位置Wp1と綴位置Cp1との間で往復移動する。第1待機位置Wp1は、処理トレイ37上で綴じ処理する最大サイズシートの外側に設定される。
【0078】
図10には、綴じユニット47の構成を示す。装置フレーム27bには、ステープルユニット47の移動領域(
図9の左右方向)に沿って左右一対のプーリ58a、58bが配置され、両プーリ間にタイミングベルト59(歯付ベルト)が架け渡されており、一方のプーリ58aに駆動モータM3(ステッピングモータ)が連結されている。
【0079】
<ステープルの移動機構>
図8に示すように、装置フレーム70の側枠フレーム70fに設けられた開口部を貫通させて側枠フレーム70f、70rに固定されている装置フレーム(シャーシフレーム)27bに、ステープルユニット47が所定ストロークで移動可能にマウントされている。装置フレーム27bには、第1走行レール53と第2走行レール54が配置されている。第1走行レール53には走行レール面53xが、第2走行レール54には走行カム面54xが形成されている。走行レール面53xと走行カム面54xは互いに協同して、ステープルユニット47(以下この項では「移動ユニット」という)を所定ストロークで往復移動可能に支持し、同時にその角度姿勢を制御している。
【0080】
第1走行レール53と第2走行レール54は、移動ユニットの移動範囲で往復動するようにレール面53xと走行カム面54xが形成されている。
図10に示すように、ステープルユニット47には、駆動モータ(走行モータ)M3に連結されたタイミングベルト59が固定されている。タイミングベルト59は装置フレーム27bに軸支した一対のプーリ58a、58bに巻回され、プーリの一方に駆動モータM3が連結されている。従って、駆動モータM3の正逆転により、ステープルユニット47はストロークSL1で往復動する。
【0081】
ステープルユニット47は、第1、第2走行レール53、54に次のように係合している。
図8に示すように、ステープルユニット47には、走行レール面53xと係合する第1転動コロ83(レール嵌合部材)と、走行カム面54xと係合する第2転動コロ84(カムフォロア部材)が設けられている。また、ステープルユニット47にはフレーム27bのサポート(支持)面と係合するボール形状の滑動コロ47x(図示のものは2箇所)が形成されている。また、ステープルユニット47には底枠部フレームの底面と係合するガイドコロ47yが形成されており、装置フレーム27bからステープルユニット47が浮上するのを防止している。
【0082】
以上の構成により、ステープルユニット47は、装置フレーム27bに滑動コロ47xとガイドコロ47yで移動可能に支持されている。また、第1転動コロ83は走行レール面53xに沿って、第2転動コロ84は走行カム面54xに沿って回転しながらレール面53xとカム面54xに倣って走行移動する。
【0083】
<スタックトレイ昇降機構>
図11に示すように、シート後処理装置Bには、第1トレイ49が備えられている。第1トレイ49は、シートの積載量に応じて上下昇降するように構成されている。このため第1トレイ49の基端部には、上下2個所にガイドコロ85が設けてあり、ガイドコロ85が装置フレーム27に設けられた昇降ガイド86に嵌合支持されている。そして、第1トレイ49の基端部には昇降ギア88が設けられており、昇降ラックギア87に連結されている。また、昇降ギア88には駆動モータ(昇降モータ)M4が連結されている。従って、駆動モータM4を回転制御することによって、第1トレイ49はシートの積載量に応じて上下昇降する。
【0084】
<シート束搬出機構>
処理トレイ37には、綴じ処理されたシート束を下流側の第1トレイ49に向けて搬出するシート束搬出機構が配置されている。シート束を下流側に搬送する構成としては、互いに圧接するローラ対で搬送する方法(搬出ローラ機構)と、トレイ面に沿って上流側から下流側に移動する押出部材でシート後端を押し出すコンベア機構が知られている。図示の装置はその両方を採用している。
【0085】
図12にシート束搬出機構を示す。処理トレイ37に沿って上流側に位置する綴位置(処理位置)から下流側のスタックトレイ(第1トレイ)49に移送する押出突起45と、押出突起を移動するコンベアベルト45vと、駆動モータM6とを含んでコンベア機構が構成されている。処理トレイ37には、その搬出口(紙載面37aと第1トレイ49の境界)に従動ローラ48が配置され、従動ローラ48に圧接する昇降ローラ41が対向配置され、従動ローラ48と昇降ローラ41とで搬出ローラ機構を構成している。
【0086】
従って、処理トレイ37には、シート束を上流側から下流側に押し出すように移送するコンベア機構45、45vと、シート束をニップして搬出する搬出ローラ機構48、41が配置されている。
図12(a)は、シート束が処理トレイ37上の綴位置に位置する状態を示す。このとき、コンベア機構45、45vと搬出ローラ機構48、41は、作動状態に置かれている。同図(b)は、シート束を処理位置から下流側に移送する途中の状態を示し、シート束は、押出突起45の位置移動と、搬出ローラ機構48、41の回転で下流側に送られる。同図(c)は、シート束を下流側の第1トレイ49に搬出する直前の状態を示し、処理トレイ上でシート束は、搬出ローラ機構48、41の回転で下流側に徐々に(低速で)送られる。このとき、押出突起45は、図示位置に待機し、初期位置に復帰(後退移動)する。
【0087】
<ステープルユニットの構成>
上記のステープルユニットについて、その構成を
図13に従って説明する。ステープルユニット47はシート後処理装置Bとは別にユニット構成されている。ボックス形状のユニットフレーム47aと、ユニットフレーム47aに揺動可能に軸支持されたドライブカム47dと、ドライブカム47dを回動する駆動モータM4とがユニットフレーム47aにマウントされている。
【0088】
そして、ドライブカム47dには、ステープルヘッド47bとアンビル部材47cが綴位置に対向配置され、ステープルヘッド47bは、ドライブカム47dに付勢スプリング(不図示)で上方の待機位置から下方のステープル位置(アンビル部材)に付勢されて上下動する。そして、ユニットフレーム47aには針カートリッジ52が着脱可能に装着されている。
【0089】
針カートリッジ52には直線状のブランク針が収納され、針送り機構でステープルヘッド47bに針を供給する。ステープルヘッド部47bには、内部に直線針をコ字状に折り曲げるフォーマ部材と、折り曲げられた針をシート束に圧入するドライバーが内蔵されている。このような構成により、駆動モータM4でドライブカム47dを回転し、付勢スプリングに蓄勢する。そして、回転角度が所定角度に達するとステープルヘッド部47bは勢いよくアンビル部材47c側に下降する。この動作でステープル針はコ字状に折り曲げられた後にドライバーでシート束に刺入する。そして、その先端はアンビル部材47cで折り曲げられてステープル綴じされる。
【0090】
また、針カートリッジ52とステープルヘッド47bとの間には針送り機構が内蔵され、針送り機構には、針なしを検出するセンサ(エンプティセンサ)が配置されている。また、ユニットフレーム47aには、針カートリッジ52が挿入されているか否かを検出するカートリッジセンサ(不図示)が配置されている。
【0091】
針カートリッジ52は、ボックス形状のカートリッジに帯状に連結されたステープル針を積層状に積み重ねて収納する構造と、ロール状に収納する構造が採用されている。また、ユニットフレーム47aには、上記の各センサを制御する回路と駆動モータM4を制御する回路基盤とが設けられ、針カートリッジ52が収納されていないとき、ステープル針がエンプティのときには、警告信号を発するように構成されている。また、ステープル制御回路は、ステープル針信号でステープル動作を実行するように駆動モータM4を制御し、ステープルヘッド部47bが待機位置からステープル位置に移動して、再び待機位置に復帰したときに「動作終了信号」を発信するように構成されている。
【0092】
<制御構成の説明>
図15に従って
図1の画像形成システムにおける制御構成について説明する。
図15に示す画像形成システムは、画像形成装置Aの制御部90(以下「本体制御部」という)とシート後処理装置Bの制御部95(以下「綴じ処理制御部」という)とを備えている。本体制御部90は、印刷制御部91と給紙制御部92と入力部93(コントロールパネル)とを制御する。
【0093】
そして、入力部93(コントロールパネル)を介して受け付けたユーザ操作に基づいて「画像形成モード」と「後処理モード」の設定を行う。画像形成モードでは例えば、カラー・モノクロ印刷、両面・片面印刷などのモード設定と、シートサイズ、シート紙質、プリントアウト部数、拡大・縮小印刷、などの画像形成条件が設定される。また「後処理モード」では例えば、「プリントアウトモード」「製本処理排紙モード」「ステープル綴じ処理モード」「ジョグ仕分けモード」が設定される。
【0094】
また、本体制御部90は、綴じ処理制御部95に、後処理モードであることと、シート枚数、部数情報及び画像形成するシートの紙厚さ情報などをデータ転送する。同時に、本体制御部90は、画像形成を終了する都度、ジョブ終了信号を綴じ処理制御部95に転送する。
【0095】
上記の後処理モードについて説明すると、「プリントアウトモード」は、ストレートパス排紙口35からのシートを、綴じ処理することなく処理トレイ37を介してスタックトレイ49に収容するモードである。この場合には、シートを処理トレイ37に重ね合わせて集積し、本体制御部90からのジョブ終了信号で集積後のシート束をスタックトレイ49に搬出する。
【0096】
「製品処理排紙モード」は、画像形成されたシートを部揃えして綴じ処理した後に折り処理して製本仕上げするモードである。
【0097】
「ステープル綴じ処理モード」は、ストレートパス排紙口35からのシートを処理トレイ37上に集積して部揃えし、このシート束を綴じ処理した後にスタックトレイ49に収容するモードである。この場合には、画像形成されるシートは原則として同一紙厚さで同一サイズのシートとなるようオペレータにより指定される。このステープル綴じ処理モードでは、「マルチ綴じ」「右コーナ綴じ」「左コーナ綴じ」のいずれかが選択されて指定される。
【0098】
「ジョグ仕分けモード」では、画像形成装置Aで画像形成されたシートをオフセット移動させて集積するグループと、オフセット移動させることなく集積するグループとに区分けられる。スタックトレイには、交互にオフセット移動されたシート束とオフセット移動されないシート束が積み上げられる。
【0099】
<綴じ処理制御部>
綴じ処理制御部95は、本体制御部90で設定された後処理モードに応じてシート後処理装置Bを動作させる。綴じ処理制御部95は制御CPUを含んで構成されている。綴じ処理制御部95には、ROM96とRAM97が接続され、ROM96に記憶された制御プログラムとRAM97に記憶された制御データとで本実施形態におけるシート後処理装置Bの動作が実行される。このため、綴じ処理制御部95は、前述したすべての駆動モータの駆動回路を制御し、各モータを起動、停止および正逆転制御する。そのような駆動モータには、搬送ローラを駆動する搬送モータも含まれ、綴じ処理制御部95は、搬送ローラの回転制御部としても動作する。
【0100】
上述の後処理モードの他に、画像形成装置Aで画像形成されたシートに対して、パンチユニット100によりパンチ穴を穿孔する処理が行われる場合がある。その処理においては、シートの後端にパンチ穴を正確に穿孔するため、シートの後端を基準にして位置決めが行われる。具体的には、シートをスイッチバックさせて突き当て部に突き当ててシートにループを形成することで位置決めと斜行補正が行われる。パンチ穴を穿孔する処理が行われる場合も、本体制御部90から綴じ処理制御部95に指示が送信される。
【0101】
一般的には、パンチユニット100の下流側で且つ最もパンチユニット100に近いローラを逆転させることで、シートをスイッチバックさせて突き当て部に突き当てることが行われる。
【0102】
近年、シート処理装置の省スペース化が望まれているが、装置の小型化のためにシート処理装置の最上流側にパンチユニットを設けると、画像形成装置の最下流ローラとシート処理装置の最上流ローラとの最小サイズシートに合わせたローラピッチの間にパンチユニットが設置されるため、シート処理装置の最上流ローラとその上流側のパンチユニットを近くに配置せざるを得なくなる。
【0103】
また、商業印刷分野においては、小さなサイズのシートを扱うことも増加しており、このようなシートに合わせて搬送ローラと搬送ローラの間隔(ローラピッチ)を設定すると、その狭いローラピッチの間にパンチユニットを配置せざるを得なくなる。
【0104】
このような背景において、パンチユニット100の下流側で且つ最もパンチユニット100に近いローラでスイッチバックさせるときに、シートにループを形成させるための距離(ループ空間)が不足してしまう。
【0105】
そこで、本実施形態では、パンチユニット100の下流側で且つ最もパンチユニット100に近いローラのニップを解除し、当該ローラよりも下流側に位置するローラの逆転動作によりシートをスイッチバックさせる。それにより、シートにループを形成させるための距離(ループ空間)を十分に確保することができる。
【0106】
以下、
図16~
図29を参照しながら、シート処理装置B内でのシートに対するパンチ穴の穿孔処理動作を説明する。
図16~
図27は、シート処理装置Bの側面方向から見た断面図を示している。なお、
図16~
図27では図示上、ストレートパス28上の構成の一部を省略して示している。また、
図28、
図29は、シート処理装置Bの上方から見た図を示している。
【0107】
図16は、画像形成装置Aから排出されたシートSTをシート処理装置Bが受け入れた状態を示している。シートSTが入口ローラ29を通過したことに基づいて、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202は、シートSTを搬送方向下流側に搬送するように回転を開始する。
【0108】
図31、
図32は、突き当て部1501の構成を示す図である。突き当て部1501は、バネ3101、突き当て部材3102、回動部材3103を含んで構成される。シートSTが画像形成装置Aから受け入れていない状態である場合、突き当て部1501は、
図32に示す状態である。即ち、バネ3101の引っ張り力により回動部材3103を支点として突き当て部材3102が回動し、ストレートパス28上の搬送路上に跳ね上がった状態である。このとき、図中左から右へのシートSTの搬送(スイッチバック)では、シートSTは、突き当て部材3102の凹部に突き当たって止まることになる。一方、図中右から左へのシートSTの搬送では、突き当て部材3102の傾斜部に当たるものの、
図31に示すように、突き当て部材3102を押し下げて搬送し続けることができる。そのまま、図中右から左へシートSTの後端が突き当て部材3102を通過すると、バネ3101の引っ張り力により再び突き当て部材3102が
図32に示す状態となる。即ち、
図16の状態においては、突き当て部1501は、
図31の状態となっている。
【0109】
図17は、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202の回転により、シートSTの先端が第2搬送ローラ202を通過したところまで搬送された様子を示している。
【0110】
図18は、シートSTの後端がパンチ部材101まで搬送された状態を示している。
図18のシートSTの位置は、パンチユニット100によりシートSTの後端部の規定位置にパンチ穴を穿孔可能な位置である。シートSTが
図18の位置まで搬送されると、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202の回転は停止する。
図18の状態においては、突き当て部1501は、
図32の状態となっている。
図18では、突き当て部材3102を黒で塗り潰された四角形で概念化して示している。
【0111】
図19は、シートSTのスイッチバック搬送を開始し、第1搬送ローラ201が離間(ニップ状態解除)した状態を示している。このように、本実施形態では、シートSTが所定の位置まで搬送されて第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202の回転が停止し、シートSTのスイッチバック搬送が開始されると、第1搬送ローラ201のニップ状態が解除される。
【0112】
図20は、シートSTが継続してスイッチバックして搬送される状態を示している。ここでは、第2搬送ローラ202は、シートSTを搬送方向上流側に搬送するように回転する。その結果、シートSTは、突き当て部材3102に突き当たることになる。
【0113】
図28(a)は、シートSTがスイッチバックして突き当て部材3102に突き当たった状態を示している。本実施形態では、突き当て部材3102は、突き当て部材3102aと突き当て部材3102bとで構成されている。以下、特に断らない限り、突き当て部材3102と総称する。なお、ここでは、シートSTが搬送方向に対して斜行している状態を示している。従って、シートSTが突き当て部材3102aに先に突き当たることになる。
【0114】
図21は、シートSTがさらにスイッチバックして搬送される状態を示している。第2搬送ローラ202は回転を継続しているため、シートSTは、突き当て部材3102に突き当たる方向にさらに押し込まれることになり、この時、8mm程度の距離を押し込んでおり、結果、ループ(湾曲状のたわみ)が生じる。
【0115】
図28(b)は、シートSTが突き当て部材3102に突き当たった状態からさらにスイッチバック方向に押し込まれた状態を示している。波線2701、2702は、シートSTにたわみが生じた様子を表している。このように、シートSTにたわみが生じることにより、シートSTの後端部(スイッチバック方向でいう先端部)付近では、突き当て部材3102a、3102bに対する斜行が矯正され、パンチユニット100は、パンチ穴を規定の位置に穿孔することができる。
【0116】
本実施形態では、
図21に示すように、第1搬送ローラ201が離間している空間内でシートSTのたわみが生じている。このような構成により、シート処理装置Bの小型が進み、第1搬送ローラ201とパンチユニット100との間が狭くなったとしても、パンチ穴を位置決めしシートの斜行を補正するためのシートSTのたわみを発生させる空間を十分に確保することができる。
【0117】
図22は、シートSTに対してパンチ部材101が降下してパンチ穴が穿孔された状態を示している。
図29は、その際のシートSTを上方から見た図である。
図29に示すように、シートSTには、パンチ部材101により、パンチ穴2801が穿孔されている。
図23は、パンチ部材101が上方に移動した状態を示している。
【0118】
図24は、シートSTが搬送方向下流側に搬送を開始した状態を示している。ここでは、第2搬送ローラ202は、シートSTを搬送方向下流側に搬送するように回転を開始する。これにより、シートSTのたわみは解消されることになる。また、シートSTが搬送方向下流側に搬送を開始することによって、第1搬送ローラ201がニップ状態となる。
【0119】
図25、
図26は、シートSTがさらに搬送方向下流側に搬送される状態を示している。なお、シートSTの搬送にあたっては、第2搬送ローラ202以外のローラも回転している。例えば、
図25では、排紙ローラ36も、シートSTを搬送方向下流側に搬送するように回転している。
【0120】
図27は、シートSTがさらに搬送方向下流側に搬送されている状態を示している。ここでは、シートSTは、第1トレイ49に排紙される。本実施形態では、パンチユニット100によるパンチ穴の穿孔処理が行われた後、シートSTは、第1トレイ49に排紙される構成を一例として説明している。しかしながら、シートSTは、パンチ穴の穿孔処理の後、処理部B1やサドル部B2に搬送されても良い。
【0121】
このように、本実施形態では、第1搬送ローラ201の離間した状態での離間空間においてシートSTにたわみが生じさせることができるため、装置の小型化においてもパンチ穴の穿孔処理の生産性を低下させることを防ぐことができる。
【0122】
図30は、本実施形態において綴じ処理制御部95により実行される処理を示すフローチャートである。
図30の処理は例えば、綴じ処理制御部95がROM96に記憶されたプログラムをRAM97に読み出して実行することにより実現される。
【0123】
S101において、綴じ処理制御部95は、画像形成装置Aで画像形成が行われたシートSTの受け入れを検知する。シートSTの受け入れの検知は例えば、入口センサS1によるシートSTの検知信号に基づいて行われる。
【0124】
S102において、綴じ処理制御部95は、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202を、シートSTを搬送方向下流側に搬送するように回転(順方向への回転)を開始させる。S101、S102は、
図16、
図17に示す状態に対応する。
【0125】
S103において、綴じ処理制御部95は、シートSTが所定位置に到達したか否かを判定する。ここで所定位置とは、パンチユニット100によりシートSTの後端部の規定位置にパンチ穴を穿孔可能な位置である。シートSTが所定位置に到達したと判定されるまでS103の処理が繰り返され、所定位置に到達したと判定された場合、S104に進む。
【0126】
S104において、綴じ処理制御部95は、第1搬送ローラ201、第2搬送ローラ202の動作を停止する。S104は、
図18に示す状態に対応する。
【0127】
S105において、綴じ処理制御部95は、第2搬送ローラ202を、シートSTを搬送方向上流側に搬送するように回転(逆方向への回転)を開始させる。具体的には例えば、綴じ処理制御部95はまず、第1の所定量分だけ、シートSTをスイッチバック搬送させる。スイッチバック搬送の開始により、第1搬送ローラ201は離間する。このとき、シートSTは、
図28(a)に示すような位置である。そして、綴じ処理制御部95は、第2の所定量分だけ、シートSTをさらにスイッチバック搬送させる。このとき、シートSTは、
図28(b)に示すような位置であり、シートSTにはたわみが発生する。たわみが発生することにより、シートSTの後端が突き当て部1501a、1501bに満遍なく接触することとなり、シートSTの位置決めが行われる。また、第1の所定量、第2の所定量は例えば、シートSTの搬送制御に用いられるステッピングモーターのパルス数である。
第2の所定量分だけシートSTをスイッチバック搬送させると、S106において、綴じ処理制御部95は、第2搬送ローラ202を停止する。S105、S106は、
図19、
図20、
図21に示す状態に対応する。
【0128】
S107において、綴じ処理制御部95は、パンチユニット100によりパンチ穴の穿孔処理を行う。具体的には例えば、綴じ処理制御部95は、シートSTに対してパンチ部材101を降下させる。S107は、
図22に示す状態に対応する。
【0129】
S108において、綴じ処理制御部95は、パンチ部材101をシートSTから退避する。S109は、
図23に示す状態に対応する。
【0130】
S109において、綴じ処理制御部95は、第2搬送ローラ202を、シートSTを搬送方向下流側に搬送するように回転を開始させる。このとき、シートSTに発生していたたわみは解消される。シートSTの搬送方向下流側への搬送の開始により、第1搬送ローラ201はニップ状態となる。これにより、画像形成装置Aから供給される後続のシートを受け入れ可能となる。S109は、
図24に示す状態に対応する。
【0131】
S110において、綴じ処理制御部95は、シートSTの搬送制御を行う。例えば、シートSTを第1トレイ49に排紙するよう各ローラの動作を制御する。S110は、
図25、26、27に示す状態に対応する。S110の後、
図30の処理を終了する。
【0132】
以上のように、本実施形態によれば、パンチユニット100の下流側で且つ最もパンチユニット100に近いローラのニップを解除し、当該ローラよりも下流側に位置するローラの逆転動作によりシートをスイッチバックさせる。それにより、シートにループを形成させるための空間を十分に確保することができる。また、本実施形態では、突き当て部1501を
図31、
図32に示すような構成としたが、ストレートパス28上に位置する突き当て位置と、ストレートパス28上から他の位置に退避する退避位置との間で昇降可能に構成しても良い。その場合例えば、綴じ処理制御部95は、S105で突き当て部1501を退避位置から突き当て位置へ突き当て部1501を移動(降下)させ、S109で突き当て部1501を突き当て位置から退避位置へ突き当て部1501を移動(上昇)させる。
【0133】
本実施形態においては、シートの位置決めと斜行補正を行う場合の搬送方向を、スイッチバック搬送であるケースで説明したが、通常の搬送方向(順送り)の装置にも適用可能である。例えば、シートの先端側や中央部に穿孔処理や、綴じ処理、筋付け処理、折処理などを施す場合にはシート先端を突き当て部に当てて位置決めと斜行補正を行うが、突き当て部と最も近いローラが近くに配置されていると、最も近いローラによる搬送ではループのための距離が不足する。このような時、最も近いローラは離間させ、その上流側のローラで搬送することでループ形成のための距離を確保することが可能となる。
【0134】
なお、本件発明は、画像形成装置の胴内空間に設置されるシート処理装置よりも、外付けのシート処理装置において特に有効である。胴内空間に設置されるシート処理装置の場合、画像形成装置の直接取り付けられることが一般的だが、外付けシート処理装置では、画像形成装置との間に様々なオプション装置が設置されるため、シートの斜行が発生する可能性が高まるためである。
【0135】
本実施形態の開示は、以下のシート処理装置を含む。
(項目1)
画像形成装置から送られたシートに穿孔処理を施すシート処理装置であって、
搬送経路に設けられ、前記シートが突き当たることにより当該シートを所定の位置に位置決めする突き当て部と、
前記突き当て部により位置決めされた前記シートに穿孔する穿孔部と、
前記穿孔部および前記突き当て部の下流側に設けられ、前記搬送経路に沿って前記シートを搬送する第1搬送ローラ対と、前記第1搬送ローラ対よりも下流側に設けられた第2搬送ローラ対と、
前記第1搬送ローラ対を離間させ、もしくはニップさせるローラ対離間制御部と、
前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対のそれぞれの回転を制御する回転制御部と、
を備え、
前記回転制御部は、前記ローラ対離間制御部が前記第1搬送ローラ対を離間させた状態で、前記シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対の回転を制御し、
前記第1搬送ローラ対が離間した空間において、前記突き当て部に前記シートが突き当たることによって当該シートにたわみを生じさせる、
ことを特徴とするシート処理装置。
(項目2)
前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対との間の空間と、前記第1搬送ローラ対を離間させた空間とに跨って、前記シートにたわみを生じさせることを特徴とする項目1に記載のシート処理装置。
(項目3)
前記シートが前記搬送経路の下流側に向かって搬送された後、前記回転制御部は、当該シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対を逆転させることを特徴とする項目1又は2に記載のシート処理装置。
(項目4)
前記シートの後端が前記穿孔部に対応する位置まで搬送されると、前記回転制御部は、当該シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対を逆転させることを特徴とする項目3に記載のシート処理装置。
(項目5)
前記回転制御部は、前記シートが前記突き当て部に到達するまで第1の所定量、当該シートを搬送し、その後、第2の所定量、当該シートをさらに前記突き当て部の方向に搬送することを特徴とする項目4に記載のシート処理装置。
(項目6)
前記回転制御部が前記第2の所定量、前記シートを搬送した場合に、前記シートにたわみを生じさせることを特徴とする項目5に記載のシート処理装置。
(項目7)
前記突き当て部は、
前記シートの先端が前記搬送経路の上流側から下流側に向かって前記突き当て部に進む場合には、当該シートは搬送され続け、前記シートの先端が前記搬送経路の下流側から上流側に向かって前記突き当て部に進む場合には、当該シートは前記突き当て部に突き当たることにより停止する、
ように構成されていることを特徴とする項目1乃至6のいずれか1項に記載のシート処理装置。
(項目8)
前記穿孔部は、前記シートにたわみを生じさせることにより位置決めされたシートに穿孔することを特徴とする項目1乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
(項目9)
前記穿孔部による穿孔が行われた後、前記回転制御部は、前記シートが前記搬送経路の下流側に向かって搬送されるよう前記第2搬送ローラ対を回転させることを特徴とする項目1乃至8のいずれか1項に記載のシート処理装置。
(項目10)
前記穿孔部による穿孔が行われた後、前記シートが前記搬送経路の下流側に向かって搬送されると、前記第1搬送ローラ対がニップ状態となることを特徴とする項目9に記載のシート処理装置。
(項目11)
前記穿孔部による穿孔が行われた後、前記シートに対する後処理を行う後処理部をさらに備えることを特徴とする項目1乃至10のいずれか1項に記載のシート処理装置。
(項目12)
画像形成装置から送られたシートに処理を施すシート処理装置であって、
搬送経路に設けられ、前記シートが突き当たることにより当該シートを所定の位置に位置決めする突き当て部と、
前記突き当て部により位置決めされた前記シートに処理を施す処理部と、
前記処理部および前記突き当て部に向けて、前記搬送経路に沿って前記シートを搬送する、前記突き当て部に近い第1搬送ローラ対と、前記第1搬送ローラ対よりも前記突き当て部からの距離が遠い第2搬送ローラ対と、
前記第1搬送ローラ対を離間させ、もしくはニップさせるローラ対離間制御部と、
前記第1搬送ローラ対と前記第2搬送ローラ対のそれぞれの回転を制御する回転制御部と、
を備え、
前記回転制御部は、前記ローラ対離間制御部が前記第1搬送ローラ対を離間させた状態で、前記シートが前記突き当て部まで搬送されるよう前記第2搬送ローラ対の回転を制御し、
前記第1搬送ローラ対が離間した空間において、前記突き当て部に前記シートが突き当たることによって当該シートにたわみを生じさせる、
ことを特徴とするシート処理装置。
【0136】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0137】
28 ストレートパス: 201 入口ローラ: 202、203 シフトローラ: 203 中間搬送ローラ: 33a 上フラッパ: 33b 下フラッパ