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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025141805
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B66B 25/00 20060101AFI20250919BHJP
【FI】
B66B25/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025010410
(22)【出願日】2025-01-24
(62)【分割の表示】P 2024040881の分割
【原出願日】2024-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161768
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴亀 史泰
(72)【発明者】
【氏名】上垣 修矢
(72)【発明者】
【氏名】西村 清秀
【テーマコード(参考)】
3F321
【Fターム(参考)】
3F321AA04
3F321DA05
3F321DC03
3F321EA02
3F321EA08
3F321EB07
3F321EC07
(57)【要約】
【課題】 歩行速度が遅い人が一人でステップに乗る場合に、ステップの走行速度を適切な速度にすることができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、人を搬送するために走行するステップと、乗り部の第1定位置の人を検出する第1人検出部と、乗り部の第2定位置の人を検出する第2人検出部と、ステップの走行速度を制御する処理装置と、を備え、処理装置は、第1人検出部及び第2人検出部の検出に基づいて、人の歩行速度を演算し、ステップの走行速度が設定走行速度よりも速いときに演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、ステップの走行速度を設定走行速度以下へする低速制御を実行する。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を搬送するために走行するステップと、
乗り部の第1定位置の人を検出する第1人検出部と、
前記乗り部の第2定位置の人を検出する第2人検出部と、
前記ステップの走行速度を制御する処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記第1人検出部及び前記第2人検出部の検出に基づいて、人の歩行速度を演算し、
前記ステップの走行速度が設定走行速度よりも速いときに前記演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、前記ステップの走行速度を設定走行速度以下へする低速制御を実行する、マンコンベア。
【請求項2】
前記ステップの上の第3定位置の人を検出する第3人検出部をさらに備え、
前記処理装置は、前記低速制御を実行した後に前記第3人検出部が人を検出した場合に、前記低速制御を終了する、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記処理装置は、前記低速制御を実行した後に前記第3人検出部が人を検出してから前記ステップが設定距離だけ走行した場合に、前記低速制御を実行する、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
前記処理装置は、前記第1人検出部及び前記第2人検出部の少なくとも一つが設定時間だけ人を連続して検出した場合に、前記低速制御を実行しない、請求項1~3の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記第1人検出部は、
前記乗り部の左側の前記第1定位置の人を検出する第1左人検出部と、
前記乗り部の右側の前記第1定位置の人を検出する第1右人検出部と、を含み、
前記第2人検出部は、
前記乗り部の左側の前記第2定位置の人を検出する第2左人検出部と、
前記乗り部の右側の前記第2定位置の人を検出する第2右人検出部と、を含み、
前記処理装置は、
前記第1左人検出部及び前記第2左人検出部の検出に基づいて、人の歩行速度を演算し、且つ、前記第1右人検出部及び前記第2右人検出部の検出に基づいて、人の歩行速度を演算する、請求項1~3の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、人を搬送するために走行するステップと、ステップの走行速度を制御する処理装置とを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、例えば、高齢者や子供といった歩行速度が遅い特定人が、ステップに乗るときに、ステップの走行速度が速い場合には、当該特定人がステップに乗り難いことがある。
【0003】
それに対して、特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、人が所持する携帯端末の情報に基づいて、処理装置は、ステップの走行速度を変更している。しかしながら、高齢者や子供は、携帯端末を所持していないことが多い。また、乗り部に他の人がおらず、当該特定人が一人でステップに乗る場合には、周りの人からの助けを得ることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-37201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、歩行速度が遅い人が一人でステップに乗る場合に、ステップの走行速度を適切な速度にすることができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤは、
人を搬送するために走行するステップと、
乗り部の第1定位置の人を検出する第1人検出部と、
前記乗り部の第2定位置の人を検出する第2人検出部と、
前記ステップの走行速度を制御する処理装置と、を備え、
前記処理装置は、
前記第1人検出部及び前記第2人検出部の検出に基づいて、人の歩行速度を演算し、
前記ステップの走行速度が設定走行速度よりも速いときに前記演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、前記ステップの走行速度を設定走行速度以下へする低速制御を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係るマンコンベヤの概要図
図2】同実施形態に係るマンコンベヤの要部正面図
図3】同実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図
図4】同実施形態に係るマンコンベヤの制御ブロック図
図5】他の実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図
図6】さらに他の実施形態に係るマンコンベヤの要部平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、図1図4を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0011】
図1図3に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理装置6とを備えていてもよい。
【0012】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0013】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0014】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0015】
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0016】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、走行部3aの第2横方向D2の第1端部が巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する回転部5aと、走行部3aの第2横方向D2の第2端部を支持する支持部5bと、回転部5aを回転させる駆動源5cとを備えていてもよい。これにより、ステップ3bは、回転部5aによって反転し、また、支持部5bによって反転する。
【0017】
特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよい。また、特に限定されないが、支持部5bは、例えば、走行部3aを反転するようにガイドするガイド材であってもよく、また、例えば、走行部3aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する回転材(例えば、スプロケット)であってもよい。また、特に限定されないが、駆動源5cは、例えば、モータとしてもよい。
【0018】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0019】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2aを備えていてもよい。マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、機械室2aを上方から覆うように、構造体2に取り付けられる床プレート1aを備えていてもよい。これにより、床プレート1aは、搬送部3に乗り降りするために、搬送部3の第2横方向D2の各端部に配置される乗降部1b,1cを構成している。
【0020】
マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、下方に配置される第1乗降部1bから上方に配置される第2乗降部1cへ、人を斜め上方へ搬送する、という構成としてもよい。斯かる構成においては、第1乗降部1bは、乗り部1bとなり、第2乗降部1cは、降り部1cとなる。
【0021】
なお、斯かる構成に限れず、例えば、マンコンベヤ1は、上方に配置される第2乗降部1cから下方に配置される第1乗降部1bへ、人を斜め下方へ搬送する、という構成でもよい。斯かる構成においては、第1乗降部1bは、降り部となり、第2乗降部1cは、乗り部となる。
【0022】
図2及び図3に示すように、マンコンベヤ1は、乗り部1bの第1定位置P1の人を検出する第1人検出部7と、乗り部1bの第2定位置P2の人を検出する第2人検出部8と、露出しているステップ3bの上の第3定位置P3の人を検出する第3人検出部9とを備えている。なお、各定位置P1~P3は、第2横方向D2における既定の固定位置(不変位置)である。
【0023】
第2定位置P2は、第2横方向D2において、第1定位置P1と第3定位置P3との間の位置である。即ち、第2定位置P2は、第1定位置P1よりも、露出するステップ3bに近い位置である。換言すると、第1定位置P1が第2定位置P2よりも上流側の位置であり、第2定位置P2が第1定位置P1よりも下流側の位置である。
【0024】
第2横方向D2における、第1定位置P1と第2定位置P2との間の距離W1は、特に限定されないが、例えば、0.5m~1.0mとしてもよい。また、第2横方向D2における、第3定位置P3と乗り部端位置P4(乗り部1bの第2横方向D2端の位置)との間の距離W2は、特に限定されないが、例えば、0.5m~1.0mとしてもよい。
【0025】
第1人検出部7は、乗り部1bの左側の第1定位置P1の人を検出する第1左人検出部7aと、乗り部1bの右側の第1定位置P1の人を検出する第1右人検出部7bとを備えている。特に限定されないが、第1人検出部7(7a,7b)は、例えば、本実施形態のように、欄干部4から第2横方向D2へ離れて配置されるポール10に、配置されていてもよい。
【0026】
第2人検出部8は、乗り部1bの左側の第2定位置P2の人を検出する第2左人検出部8aと、乗り部1bの右側の第2定位置P2の人を検出する第2右人検出部8bとを備えている。特に限定されないが、第2人検出部8(8a,8b)は、例えば、本実施形態のように、欄干部4の第2横方向D2の端部(具体的には、欄干本体部4bの第2横方向D2の端部)に、配置されていてもよい。
【0027】
第3人検出部9は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bの左側の第3定位置P3の人を検出する第3左人検出部9aと、ステップ3bの右側の第3定位置P3の人を検出する第3右人検出部9bとを備えていてもよい。特に限定されないが、第3人検出部9(9a,9b)は、例えば、本実施形態のように、欄干部4のカバー部4cの内部に、配置されていてもよい。
【0028】
なお、左右方向とは、搬送される人から見た方向としている。具体的には、左側とは、各図の第1横方向D1の矢印方向側(例えば、図3においては、上側)であり、右側とは、各図の第1横方向D1の矢印方向と反対方向側(例えば、図3においては、下側)である。図3において、一点鎖線は、左右の中心線を示している。また、図3図5及び図6の同様)において、二点鎖線は、人検出部7(7a,7b),8(8a,8b),9(9a,9b)が人を検出可能な領域(光を投射している領域)を示している。
【0029】
人検出部7a,7b,8a,8b,9a,9bは、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1へ光を投射する光電センサ(反射型)、具体的には、投光部及び受光部が同じ部品に備えられる光電センサとしてもよい。なお、斯かる構成に限られず、人検出部7(7a,7b),8(8a,8b),9(9a,9b)は、例えば、上方や側方から撮像するカメラとしてもよい。
【0030】
図4に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、ステップ3bの走行速度を検出する速度検出部11と、ステップ3bの走行距離を検出する距離検出部12とを備えていてもよい。また、駆動部5は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bの走行速度を変更させる変更部5dを備えていてもよい。
【0031】
変更部5dは、特に限定されないが、例えば、回転部5aの回転速度を変更するために、駆動源5cであるモータに供給する電力の周波数を変更するインバータとしてもよく、また、例えば、回転部5aの回転速度を変更するために、回転部5aと噛合するギアを切り替えるギア装置としてもよい。
【0032】
速度検出部11は、特に限定されないが、例えば、回転部5aの外周の歯を検出するセンサ(例えば、近接センサ、光電センサ)としてもよく、また、例えば、回転部5aの回転を検出するセンサ(例えば、エンコーダ)としてもよく、また、例えば、ステップ3bに接することによって回転するローラの回転を検出するセンサ(例えば、エンコーダ)としてもよい。
【0033】
距離検出部12は、特に限定されないが、例えば、回転部5aの外周の歯を検出するセンサ(例えば、近接センサ、光電センサ)としてもよく、また、例えば、回転部5aの回転を検出するセンサ(例えば、エンコーダ)としてもよく、また、例えば、ステップ3bに接することによって回転するローラの回転を検出するセンサ(例えば、エンコーダ)としてもよい。なお、距離検出部12は、例えば、速度検出部11を兼ねていてもよい。
【0034】
また、マンコンベヤ1は、例えば、本実施形態のように、各種情報が入力される入力部13と、各種情報を出力する出力部14とを備えていてもよい。特に限定されないが、例えば、入力部13に入力される情報として、運転モード情報(手動運転選択、自動運転選択)、運転指示情報(運転開始指示、運転停止指示)、ステップ走行方向情報(上側搬送選択、下側搬送選択)、ステップ走行速度情報(定格速度運転選択、低速度運転選択)等としてもよい。
【0035】
また、特に限定されないが、入力部13は、例えば、スイッチ(押しボタンスイッチ、セレクトスイッチ等)、タッチパネル等としてもよい。また、特に限定されないが、出力部14は、例えば、情報を表示する表示部(例えば、電光掲示板、表示灯)、情報を音で発する発音部(例えば、ブザー、スピーカ)、外部(例えば、中央監視盤等)へ信号を出力する信号出力部等としてもよい。
【0036】
処理装置6は、例えば、本実施形態のように、各部7,8,9,11~13から各情報(データ)を取得する取得部15と、各情報を記憶する記憶部16と、各情報を演算する演算部17と、各部5,14を制御する制御部18とを備えていてもよい。そして、処理装置6は、例えば、CPU及びMPU等のプロセッサ(例えば、演算部17、制御部18)、ROM及びRAM等のメモリ(例えば、取得部15、記憶部16)、各種インターフェイス等を備えるコンピュータとしてもよい。
【0037】
これにより、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが実行し、ソフトウェア及びハードウェアが協働することによって、処理装置6の各部15,16,17,18が実現される。なお、処理装置6は、例えば、ソフト回路で構成されていてもよく、また、例えば、ハード回路で構成されていてもよく、また、例えば、ソフト回路及びハード回路の組み合わせで構成されていてもよい。
【0038】
また、処理装置6は、例えば、一つの装置で構成されていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置で構成されていてもよい。具体的には、処理装置6の各部15,16,17,18は、例えば、一つの装置に備えられていてもよく、また、例えば、互いに通信可能な複数の装置に分散して備えられていてもよい。
【0039】
演算部17は、例えば、本実施形態のように、人検出部7,8,9の検出に基づいて、マンコンベヤ1に乗る人の有無を判定する有人判定部17aと、第1人検出部7(7a,7b)及び第2人検出部8(8a,8b)の検出に基づいて、人の歩行速度を演算する歩行速度演算部17bと、乗り部1bにおける人の渋滞の有無を判定する渋滞判定部17cとを備えていてもよい。
【0040】
制御部18は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bの走行速度を制御するために、変更部5dを制御する駆動制御部18aと、出力部14を制御する出力制御部18bとを備えていてもよい。駆動制御部18aは、例えば、速度検出部11の検出に基づいて、ステップ3bの走行速度を制御してもよい。
【0041】
本実施形態に係るマンコンベヤ1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係るステップ3bの走行速度の制御方法について説明する。なお、以下の方法は、ステップ3bの走行速度の制御方法等の理解を助けるために例示するものであり、ステップ3bの走行速度の制御方法を限定するものではない。
【0042】
<運転待機切替制御>
まず、処理装置6が運転待機切替制御を実行している場合の、ステップ3bの走行速度の制御方法について、説明する。なお、運転待機切替制御とは、人を搬送するときの運転状態と、人を搬送しないときの待機状態と、を切り替える制御である。
【0043】
有人判定部17aは、人検出部7,8,9の検出に基づいて人の有無を判定する。特に限定されないが、例えば、第1人検出部7(第1左人検出部7a又は第1右人検出部7b)が人を検出した場合に、有人判定部17aは、乗る人が有ると判定し、また、例えば、第2人検出部8(第2左人検出部8a又は第2右人検出部8b)が最後に人を検出した後に、所定時間(例えば、ステップ3bが1/2周の距離を走行する時間+30秒)が経過した場合に、有人判定部17aは、乗る人が無いと判定する、という構成でもよい。
【0044】
そして、有人判定部17aが有人と判定した場合に、駆動制御部18aは、ステップ3bの走行速度が運転速度である運転状態とする。一方で、有人判定部17aが無人と判定した場合に、駆動制御部18aは、ステップ3bの走行速度が運転速度(後述する高速運転速度及び低速運転速度)よりも遅い待機速度である待機状態とする。
【0045】
なお、待機速度は、一つの速度に限られない。例えば、待機速度は、複数の速度を有し、時間等に基づいて、変更されてもよい。特に限定されないが、待機速度は、例えば、ゼロ(0m/秒)~10m/分であってもよい。
【0046】
<高低速切替制御>
次に、処理装置6が運転状態において高低速切替制御を実行している場合の、ステップ3bの走行速度の制御方法について、説明する。なお、高低速切替制御とは、運転状態において、高速制御が実行される高速運転状態と、低速制御が実行される低速運転状態と、を切り替える制御である。
【0047】
運転状態である場合には、例えば、処理装置6は、まず、ステップ3bの走行速度が高速運転速度である高速運転状態としてもよい。即ち、処理装置6は、高速制御を実行してもよい。なお、高速運転速度は、一つの速度に限られない。例えば、高速運転速度は、複数の速度を有し、マンコンベヤ1に乗る人の多さ等に基づいて、変更されてもよい。特に限定されないが、高速運転速度は、例えば、25m/分~30m/分であってもよい。
【0048】
そして、第1左人検出部7a及び第2左人検出部8aの検出に基づいて、歩行速度演算部17bは、人の歩行速度を演算する。これにより、乗り部1bの左側の第1定位置P1の人の検出と、乗り部1bの左側の第2定位置P2の人の検出とに基づいて、人の歩行速度が演算される。
【0049】
また、第1右人検出部7b及び第2右人検出部8bの検出に基づいて、歩行速度演算部17bは、人の歩行速度を演算する。これにより、乗り部1bの右側の第1定位置P1の人の検出と、乗り部1bの右側の第2定位置P2の人の検出とに基づいて、人の歩行速度が演算される。
【0050】
したがって、乗り部1bの左側を歩行した人の歩行速度と、乗り部1bの右側を歩行した人の歩行速度とをそれぞれ適切に演算することができる。具体的には、例えば、第1定位置P1と第2定位置P2との間で、乗り部1bの左側を歩行している人が、乗り部1bの右側を歩行している人を追い抜いた場合でも、乗り部1bの左側を歩行した人の歩行速度を適切に演算することができ、しかも、乗り部1bの右側を歩行した人の歩行速度を適切に演算することができる。
【0051】
そして、演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、歩行速度演算部17bは、当該人が特定人(歩行速度が遅い人)であると判定する。なお、一般的な人の歩行速度が約1.0m/秒であるため、設定歩行速度は、特に限定されないが、例えば、0.4m/秒~0.6m/秒としてもよい。
【0052】
なお、例えば、歩行速度演算部17bは、第1定位置P1と第2定位置P2との間の距離W1と、第1人検出部7(7a,7b)が人を検出してから第2人検出部8(8a,8b)が人を検出するまでの時間と、に基づいて、歩行速度を実際に演算し、そして、設定歩行速度と演算した歩行速度とを比較して、特定人の有無を判定する、という構成でもよい。
【0053】
また、第1定位置P1と第2定位置P2との間の距離W1が不変であるため、例えば、歩行速度演算部17bは、第1人検出部7(7a,7b)が人を検出してから第2人検出部8(8a,8b)が人を検出するまでの時間を演算し、そして、設定歩行速度に対応する時間と演算した時間とを比較して、特定人の有無を判定する、という構成でもよい。即ち、歩行速度演算部17bは、歩行速度を実際に演算することなく、歩行速度に対応した時間を演算して、特定人の有無を判定する、という構成でもよい。
【0054】
そして、処理装置6が高速制御を実行し(高速運転状態とし)、ステップ3bの走行速度が設定走行速度よりも速い高速運転速度である場合に、歩行速度演算部17bが特定人と判定したときに、処理装置6は、低速制御を実行する。これにより、ステップ3bの走行速度が、設定走行速度を最大速度とした低速運転速度となるため、例えば、特定人が一人でステップ3bに乗る場合に、ステップ3bの走行速度を遅くすることができる。
【0055】
なお、低速運転速度は、一つの速度に限られない。例えば、低速運転速度は、複数の速度を有し、マンコンベヤ1に乗る人の多さや時間等に基づいて、変更されてもよい。特に限定されないが、低速運転速度は、例えば、15m/分~20m/分であってもよい。なお、例えば、低速運転速度が一つの速度である場合には、設定走行速度は、低速運転速度であり、また、例えば、低速運転速度が複数の速度を有する場合には、設定走行速度は、低速運転速度における最大速度である。
【0056】
しかも、本実施形態においては、各人検出部7a,7b,8a,8bによって、乗り部1bの左側を歩行した人の歩行速度と、乗り部1bの右側を歩行した人の歩行速度とをそれぞれ適切に演算することができている。これにより、特定人が一人でステップ3bに乗る場合だけでなく、例えば、特定人が乗り部1bの左右の一方側からステップ3bに乗り、且つ、歩行速度が速い他の人が、乗り部1bの左右の他方側からステップ3bに乗る場合でも、ステップ3bの走行速度を遅くすることができる。
【0057】
そして、処理装置6が低速制御を実行した後に、第3人検出部9が第3定位置P3の人を検出することによって、処理装置6は、低速制御を終了し、高速制御を実行する。これにより、特定人がステップ3bに乗った後に、低速制御が終了するため、ステップ3bの走行速度が不要に遅くなり続けることを抑制することができる。
【0058】
なお、例えば、第1左人検出部7a及び第2左人検出部8aの検出に基づいて、歩行速度演算部17bが、乗り部1bの左側を歩行した人が特定人であると判定した場合には、第3左人検出部9aが人を検出することによって、処理装置6は、低速制御を終了する。また、例えば、第1右人検出部7b及び第2右人検出部8bの検出に基づいて、歩行速度演算部17bが、乗り部1bの右側を歩行した人が特定人であると判定した場合には、第3右人検出部9bが人を検出することによって、処理装置6は、低速制御を終了する。
【0059】
そして、第3人検出部9が人を検出することによって、低速制御が終了してから、ステップ3bが第1設定距離だけ走行した場合に、処理装置6は、低速制御を実行する。これにより、特定人がステップ3bから降りるときに、低速制御が実行されるため、ステップ3bの走行速度を遅くすることができる。
【0060】
その後、低速制御が実行された後に、ステップ3bが第2設定距離だけ走行した場合に、処理装置6は、高速制御を実行する。即ち、ステップ3bが第1設定距離だけ走行して低速制御が実行された後に、ステップ3bが第2設定距離だけ走行した場合に、低速制御が終了し、高速制御が実行される。これにより、特定人がステップ3bから降りた後に、低速制御が終了するため、ステップ3bの走行速度が不要に遅くなり続けることを抑制することができる。
【0061】
なお、第1設定距離は、特に限定されないが、例えば、第3定位置P3から、降り部1cから所定距離(例えば、1m~2m)だけ上流側の位置までの距離であってもよい。また、第2設定距離は、例えば、当該所定距離に余裕距離(1m~2m)を加えた距離であってもよい。また、ステップ3bの走行速度が急激に変化することを抑制するために、ステップ3bの走行速度の加減速度は、特に限定されないが、例えば、0.1m/(秒)2以下とすることが好ましい。
【0062】
ところで、乗り部1bで人の渋滞が発生した場合には、乗り部1bでの人の歩行速度は、遅くなる。これにより、渋滞に起因することによって、乗り部1bの歩行速度が、設定歩行速度以下となる場合がある。
【0063】
そこで、例えば、第1左人検出部7aが、設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。また、例えば、第2左人検出部8aが、設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。また、例えば、第1左人検出部7a及び第2左人検出部8aの両方が、同時に(又は、所定時間内にそれぞれ)設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。
【0064】
また、例えば、第1右人検出部7bが、設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。また、例えば、第2右人検出部8bが、設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。また、例えば、第1右人検出部7b及び第2右人検出部8bの両方が、同時に(又は、所定時間内にそれぞれ)設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。
【0065】
このように、第1人検出部7及び第2人検出部8の少なくとも一つが、設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない。これにより、乗り部1bで人の渋滞が発生したことによって人の歩行速度が遅くなったときに、ステップ3bの走行速度が遅くなることを抑制することができる。したがって、例えば、乗り部1bでの人の渋滞がさらに悪化することを抑制することができる。なお、設定時間は、特に限定されないが、例えば、1秒~2秒としてもよい。
【0066】
また、本実施形態においては、人検出部7a,7b,8a,8b,9a,9bが、第1横方向D1へ光を投射する光電センサであるため、例えば、同じ人の腕と胴とを別の人と検出したり、また、例えば、同じ人の右脚と左脚とを別の人と検出したりする場合がある。そこで、例えば、所定時間(例えば、0.1秒~0.3秒)内において、人検出部7a,7b,8a,8b,9a,9bが人を複数回だけ検出した場合には、演算部17は、同じ人の違う部分を検出したと判定する、という構成でもよい。
【0067】
[1]
以上より、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、
人を搬送するために走行するステップ3bと、
乗り部1bの第1定位置P1の人を検出する第1人検出部7と、
前記乗り部1bの第2定位置P2の人を検出する第2人検出部8と、
前記ステップ3bの走行速度を制御する処理装置6と、を備え、
前記処理装置6は、
前記第1人検出部7及び前記第2人検出部8の検出に基づいて、人の歩行速度を演算し、
前記ステップ3bの走行速度が設定走行速度よりも速いときに前記演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、前記ステップ3bの走行速度を設定走行速度以下へする低速制御を実行する、
という構成が好ましい。
【0068】
斯かる構成によれば、乗り部1bの第1定位置P1の人の検出と、乗り部1bの第2定位置P2の人の検出とに基づいて、人の歩行速度は、演算される。そして、ステップ3bの走行速度が設定走行速度よりも速いときに、演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、低速制御が実行されるため、ステップ3bの走行速度は、設定走行速度以下となる。これにより、歩行速度が遅い人が一人でステップ3bに乗る場合に、ステップ3bの走行速度を適切な速度にすることができる。
【0069】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記ステップ3bの上の第3定位置P3の人を検出する第3人検出部9をさらに備え、
前記処理装置6は、前記低速制御を実行した後に前記第3人検出部9が人を検出した場合に、前記低速制御を終了する、
という構成が好ましい。
【0070】
斯かる構成によれば、低速制御が実行された後に、第3人検出部9がステップ3bの上の第3定位置P3の人を検出することによって、低速制御が終了する。これにより、歩行速度が遅い人がステップ3bに乗った後に、低速制御が終了するため、ステップ3bの走行速度が不要に遅くなり続けることを抑制することができる。
【0071】
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置6は、前記低速制御を実行した後に前記第3人検出部9が人を検出してから前記ステップ3bが設定距離だけ走行した場合に、前記低速制御を実行する、
という構成が好ましい。
【0072】
斯かる構成によれば、低速制御が実行された後に、第3人検出部9がステップ3bの上の第3定位置P3の人を検出することによって、低速制御が終了する。そして、第3人検出部9が人を検出してからステップ3bが設定距離だけ走行した場合に、低速制御が実行される。これにより、歩行速度が遅い人がステップ3bから降りるときに、ステップ3bの走行速度を遅くすることができる。
【0073】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか1つのマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記処理装置6は、前記第1人検出部7及び前記第2人検出部8の少なくとも一つが設定時間だけ人を連続して検出した場合に、前記低速制御を実行しない、
という構成が好ましい。
【0074】
斯かる構成によれば、乗り部1bで人の渋滞が発生したときに人の歩行速度が遅くなることに対して、第1人検出部7及び第2人検出部8の少なくとも一つが、設定時間だけ人を連続して検出した場合に、低速制御は、実行されない。これにより、乗り部1bで人の渋滞が発生したことによって人の歩行速度が遅くなったときに、ステップ3bの走行速度が遅くなることを抑制することができる。
【0075】
[5]
また、上記[1]~[4]の何れか1つのマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、
前記第1人検出部7は、
前記乗り部1bの左側の前記第1定位置P1の人を検出する第1左人検出部7aと、
前記乗り部1bの右側の前記第1定位置P1の人を検出する第1右人検出部7bと、を含み、
前記第2人検出部8は、
前記乗り部1bの左側の前記第2定位置P2の人を検出する第2左人検出部8aと、
前記乗り部1bの右側の前記第2定位置P2の人を検出する第2右人検出部8bと、を含み、
前記処理装置6は、
前記第1左人検出部7a及び前記第2左人検出部8aの検出に基づいて、人の歩行速度を演算し、且つ、前記第1右人検出部7b及び前記第2右人検出部8bの検出に基づいて、人の歩行速度を演算する、
という構成が好ましい。
【0076】
斯かる構成によれば、乗り部1bの左側の第1定位置P1の人の検出と、乗り部1bの左側の第2定位置P2の人の検出とに基づいて、人の歩行速度が演算される。そして、乗り部1bの右側の第1定位置P1の人の検出と、乗り部1bの右側の第2定位置P2の人の検出とに基づいて、人の歩行速度が演算される。これにより、乗り部1bの左側を歩行した人の歩行速度と、乗り部1bの右側を歩行した人の歩行速度とをそれぞれ適切に演算することができる。
【0077】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0078】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1人検出部7は、乗り部1bの左側の第1定位置P1の人を検出する第1左人検出部7aと、乗り部1bの右側の第1定位置P1の人を検出する第1右人検出部7bとを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0079】
例えば、第1人検出部7は、乗り部1bの左右全域に亘って第1定位置P1の人を検出する、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、マンコンベヤ1は、例えば、図5に示す構成としてもよい。図5に示すように、第1人検出部7は、例えば、第1横方向D1へ光を投射する光電センサ(透過型)、具体的には、投光部を備える部品と受光部を備える部品とが異なる光電センサとしてもよい。
【0080】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第2人検出部8は、乗り部1bの左側の第2定位置P2の人を検出する第2左人検出部8aと、乗り部1bの右側の第2定位置P2の人を検出する第2右人検出部8bとを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0081】
例えば、第2人検出部8は、乗り部1bの左右全域に亘って第2定位置P2の人を検出する、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、マンコンベヤ1は、例えば、図5又は図6に示す構成としてもよい。図5及び図6に示すように、第2人検出部8は、例えば、第1横方向D1へ光を投射する光電センサ(透過型)、具体的には、投光部を備える部品と受光部を備える部品とが異なる光電センサとしてもよい。
【0082】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第3人検出部9は、乗り部1bの左側の第3定位置P3の人を検出する第3左人検出部9aと、乗り部1bの右側の第3定位置P3の人を検出する第3右人検出部9bとを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0083】
例えば、第3人検出部9は、乗り部1bの左右全域に亘って第3定位置P3の人を検出する、という構成でもよい。特に限定されないが、斯かる構成の一例として、マンコンベヤ1は、例えば、図5又は図6に示す構成としてもよい。図5及び図6に示すように、第3人検出部9は、例えば、第1横方向D1へ光を投射する光電センサ(透過型)、具体的には、投光部を備える部品と受光部を備える部品とが異なる光電センサとしてもよい。
【0084】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、低速制御を実行した後に第3人検出部9が人を検出した場合に、低速制御を終了する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、第3人検出部9(第3左人検出部9a及び第3右人検出部9b)を備えていなくてもよい。そして、例えば、処理装置6は、低速制御を実行した後に所定時間が経過した場合に、低速制御を終了する、という構成でもよい。
【0085】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、処理装置6は、低速制御を実行した後に第3人検出部9が人を検出してからステップ3bが設定距離だけ走行した場合に、低速制御を実行する、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、処理装置6は、低速制御を実行した後に第3人検出部9が人を検出してからステップ3bが設定距離だけ走行した場合でも、高速制御を実行し続ける、という構成でもよい。
【0086】
(F)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1人検出部7が設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1人検出部7が設定時間だけ人を連続して検出した場合であっても、ステップ3bの走行速度が設定走行速度よりも速いときに、第1人検出部7及び第2人検出部8の検出に基づいて演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、処理装置6は、低速制御を実行する、という構成でもよい。
【0087】
(G)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第2人検出部8が設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第2人検出部8が設定時間だけ人を連続して検出した場合であっても、ステップ3bの走行速度が設定走行速度よりも速いときに、第1人検出部7及び第2人検出部8の検出に基づいて演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、処理装置6は、低速制御を実行する、という構成でもよい。
【0088】
(H)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、第1人検出部7及び第2人検出部8の両方が、同時に(又は、所定時間内にそれぞれ)設定時間だけ人を連続して検出した場合に、処理装置6は、低速制御を実行しない、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、第1人検出部7及び第2人検出部8の両方が、同時に(又は、所定時間内にそれぞれ)設定時間だけ人を連続して検出した場合であっても、ステップ3bの走行速度が設定走行速度よりも速いときに、第1人検出部7及び第2人検出部8の検出に基づいて演算した歩行速度が設定歩行速度以下である場合に、処理装置6は、低速制御を実行する、という構成でもよい。
【0089】
(I)また、マンコンベヤ1においては、例えば、処理装置6が低速制御を実行している場合に、出力部14は、低速制御が実行されていることを示す情報を出力する、という構成でもよい。また、マンコンベヤ1においては、例えば、処理装置6が低速制御を実行する前に、出力部14は、低速制御がこれから実行されることを示す情報を出力する、という構成でもよい。
【0090】
(J)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0091】
1…マンコンベヤ、1a…床プレート、1b…第1乗降部(乗り部)、1c…第2乗降部(降り部)、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…回転部、5b…支持部、5c…駆動源、5d…変更部、6…処理装置、7…第1人検出部、7a…第1左人検出部、7b…第1右人検出部、8…第2人検出部、8a…第2左人検出部、8b…第2右人検出部、9…第3人検出部、9a…第3左人検出部、9b…第3右人検出部、10…ポール、11…速度検出部、12…距離検出部、13…入力部、14…出力部、15…取得部、16…記憶部、17…演算部、17a…有人判定部、17b…歩行速度演算部、17c…渋滞判定部、18…制御部、18a…駆動制御部、18b…出力制御部、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、P1…第1定位置、P2…第2定位置、P3…第3定位置、P4…乗り部端位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6