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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025141854
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/47 20250101AFI20250919BHJP
   H10D 30/83 20250101ALI20250919BHJP
   H10D 30/87 20250101ALI20250919BHJP
【FI】
H10D30/47 201
H10D30/83
H10D30/87 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025035652
(22)【出願日】2025-03-06
(31)【優先権主張番号】10-2024-0036462
(32)【優先日】2024-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 俊 溶
(72)【発明者】
【氏名】黄 仁 俊
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102FA06
5F102FA08
5F102GA14
5F102GA17
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GD04
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GK08
5F102GL04
5F102GL07
5F102GM04
5F102GM08
5F102GQ01
5F102GR12
5F102GS01
5F102GT01
5F102GT02
5F102GT03
5F102GV05
(57)【要約】
【課題】安定した電気的特性を有し、信頼性を向上できる半導体素子を提供する。
【解決手段】メイントランジスタとメイントランジスタの一端と接続される周辺回路素子とメイントランジスタの他端と周辺回路素子との間に接続されるツェナーダイオードとを有し、メイントランジスタはメインチャンネル層とメインチャンネル層上のメインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層とバリア層上のメインゲート電極とバリア層とメインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層とメインゲート電極のそれぞれの側面に配置されメインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極とを含み、周辺回路素子はメインドレイン電極と接続され2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層とサブチャンネル層上に配置される感知電極とを含み、ツェナーダイオードは感知電極とメインソース電極との間に接続される。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイントランジスタと、
前記メイントランジスタの一端と電気的に接続される周辺回路素子と、
前記メイントランジスタの他端と前記周辺回路素子との間に電気的に接続されるツェナーダイオードと、を有し、
前記メイントランジスタは、
メインチャンネル層と、
前記メインチャンネル層上の前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、
前記バリア層上のメインゲート電極と、
前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、
前記メインゲート電極のそれぞれの側面に配置され、前記メインチャンネル層に電気的に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、
前記周辺回路素子は、
前記メインドレイン電極と電気的に接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層上に配置される感知電極と、を含み、
前記ツェナーダイオードは、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続されることを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記周辺回路素子は、前記サブチャンネル層に電気的に接続されるサブドレイン電極をさらに含み、
前記サブドレイン電極は、前記メインドレイン電極と同一層に配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記周辺回路素子は、前記メインソース電極と電気的に接続され、前記サブチャンネル層と離隔されるサブソース電極をさらに含み、
前記サブソース電極は、前記メインソース電極と同一層に配置され、
前記サブチャンネル層は、前記メインチャンネル層と同一層に配置されることを特徴とする請求項2に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記ツェナーダイオードのアノードは、前記メインソース電極に電気的に接続され、
前記ツェナーダイオードのカソードは、前記感知電極に電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記周辺回路素子は、前記メインドレイン電極と前記感知電極との間に、前記サブチャンネル層の前記ドリフト領域の抵抗で構成された抵抗素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記抵抗素子は、前記サブチャンネル層上に配置され、前記感知電極と前記メインドレイン電極との間に配置されるコンタクト電極をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記コンタクト電極は、前記感知電極と同一層に配置され、前記感知電極と同一物質を含むことを特徴とする請求項7に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記周辺回路素子は、
前記サブチャンネル層に電気的に接続され、前記メインドレイン電極と同一層に配置されるサブドレイン電極と、
前記サブチャンネル層上に配置され、前記感知電極と前記サブドレイン電極との間に配置されるサブゲート電極と、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記サブゲート電極は、前記メインゲート電極と同一層に配置され、前記メインゲート電極と同一物質を含むことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記周辺回路素子は、前記感知電極と電気的に接続される前記サブゲート電極を構成するダイオード素子を含み、
前記ツェナーダイオードの降伏電圧は、前記ダイオード素子の閾値電圧より小さいことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記バリア層は、前記サブチャンネル層上にさらに延長され、
前記バリア層は、前記サブチャンネル層と前記サブゲート電極との間に配置されることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記周辺回路素子は、前記バリア層と前記サブゲート電極との間に配置されるサブゲート半導体層をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記周辺回路素子は、
前記バリア層を覆う保護層と、
前記保護層上に配置され、前記サブゲート電極と前記感知電極との間を接続する接続部と、をさらに含むことを特徴とする請求項12に記載の半導体素子。
【請求項15】
前記周辺回路素子と前記メイントランジスタとの間で前記サブチャンネル層上に配置され、前記バリア層内に延長される分離構造物をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項16】
メイントランジスタと、
前記メイントランジスタの一端と電気的に接続される抵抗素子と、
前記メイントランジスタの他端と前記抵抗素子との間に電気的に接続されるツェナーダイオードと、を有し、
前記メイントランジスタは、
メインチャンネル層と、
前記メインチャンネル層上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、
前記バリア層上に配置されるゲート電極と、
前記バリア層と前記ゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、
前記ゲート電極のそれぞれの側面に配置され、前記メインチャンネル層に電気的に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、
前記抵抗素子は、
前記メインドレイン電極と電気的に接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層の一側と電気的に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、
前記サブチャンネル層の他側と電気的に接続される感知電極と、を含み、
前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅より小さく、
前記ツェナーダイオードは、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続されることを特徴とする半導体素子。
【請求項17】
前記バリア層は、前記サブチャンネル層上にさらに延長され、
前記サブドレイン電極及び前記感知電極は、前記バリア層を貫通することを特徴とする請求項16に記載の半導体素子。
【請求項18】
メイントランジスタと、
前記メイントランジスタの一端と電気的に接続されるサブトランジスタ素子と、
前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタ素子との間に電気的に接続されたツェナーダイオードと、を有し、
前記メイントランジスタは、
メインチャンネル層と、
前記メインチャンネル層上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、
前記バリア層上に配置されるゲート電極と、
前記バリア層と前記ゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、
前記ゲート電極のそれぞれの側面に配置され、前記メインチャンネル層に電気的に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、
前記サブトランジスタは、
前記メインドレイン電極と電気的に接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層に電気的に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、
前記サブチャンネル層に電気的に接続される感知電極と、
前記サブチャンネル層上に配置され、前記サブドレイン電極と前記感知電極との間に配置されるサブゲート電極と、を含み、
前記ツェナーダイオードは、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続されることを特徴とする半導体素子。
【請求項19】
前記サブトランジスタ素子の閾値電圧は、前記ツェナーダイオードの降伏電圧より大きいことを特徴とする請求項18に記載の半導体素子。
【請求項20】
前記バリア層は、前記サブチャンネル層上に延長され、
前記サブトランジスタは、
前記バリア層及び前記サブゲート電極を覆う保護層と、
前記保護層上に配置され、前記サブゲート電極と前記感知電極との間を電気的に接続される接続部と、をさらに含むことを特徴とする請求項18に記載の半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子に関し、特に、安定した電気的特性を有し、信頼性を向上できる半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車、鉄道、電気トラムなどの交通分野、太陽光発電、風力発電などの再生可能エネルギーシステム、モバイル機器などの様々な分野で使用される電力半導体素子の重要性はますます高まっている。
電力半導体素子は、高電圧や高電流を扱うために使用される半導体素子であり、大型電力システムや高出力電子機器で電力変換や制御などの機能を行う。
【0003】
パワー半導体素子は、高電力を処理する能力と耐久性を持ち、大量の電流を扱うことができ、高電圧に耐え得る。
例えば、パワー半導体素子は、数百ボルトから数千ボルトの電圧、数十アンペアから数千アンペアの電流を処理する。
パワー半導体素子は、電力損失を最小限に抑え、電気エネルギーの効率を向上させる。
また、パワー半導体素子は、高温などの環境でも安定して駆動する。
このようなパワー半導体素子は、素材によって区分され、例えば、SiCパワー半導体素子、GaNパワー半導体素子がある。
【0004】
従来のシリコンウェハー(Si wafer)に代わってSiC又はGaNを活用して電力半導体素子を製造することで、高温で不安定な特性を持つシリコンの欠点を補うことができる。
SiCパワー半導体素子は、高温に強く、電力損失が少なく、電気自動車、再生可能エネルギーシステムなどに適している。
GaNパワー半導体素子は高コストが要求されるが、速度の面で効率的であり、モバイル機器の高速充電などに適している。
従って、パワー半導体素子の安定した電気的特性、及び信頼性の向上が課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の半導体素子における課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、安定した電気的特性を有し、信頼性を向上できる半導体素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子は、メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と電気的に接続される周辺回路素子と、前記メイントランジスタの他端と前記周辺回路素子との間に電気的に接続されるツェナーダイオードと、を有し、前記メイントランジスタは、メインチャンネル層と、前記メインチャンネル層上の前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、前記バリア層上のメインゲート電極と、前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、前記メインゲート電極のそれぞれの側面に配置され、前記メインチャンネル層に電気的に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、前記周辺回路素子は、前記メインドレイン電極と電気的に接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層と、前記サブチャンネル層上に配置される感知電極と、を含み、前記ツェナーダイオードは、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続されることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子は、メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と電気的に接続される抵抗素子と、前記メイントランジスタの他端と前記抵抗素子との間に電気的に接続されるツェナーダイオードと、を有し、前記メイントランジスタは、メインチャンネル層と、前記メインチャンネル層上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、前記バリア層上に配置されるゲート電極と、前記バリア層と前記ゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、前記ゲート電極のそれぞれの側面に配置され、前記メインチャンネル層に電気的に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、前記抵抗素子は、前記メインドレイン電極と電気的に接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層と、前記サブチャンネル層の一側と電気的に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、前記サブチャンネル層の他側と電気的に接続される感知電極と、を含み、前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅より小さく、前記ツェナーダイオードは、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続されることを特徴とする。
【0008】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子は、メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と電気的に接続されるサブトランジスタ素子と、前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタ素子との間に電気的に接続されたツェナーダイオードと、を有し、前記メイントランジスタは、メインチャンネル層と、前記メインチャンネル層上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、前記バリア層上に配置されるゲート電極と、前記バリア層と前記ゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、前記ゲート電極のそれぞれの側面に配置され、前記メインチャンネル層に電気的に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、前記サブトランジスタは、前記メインドレイン電極と電気的に接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層と、前記サブチャンネル層に電気的に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、前記サブチャンネル層に電気的に接続される感知電極と、前記サブチャンネル層上に配置され、前記サブドレイン電極と前記感知電極との間に配置されるサブゲート電極と、を含み、前記ツェナーダイオードは、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る半導体素子によれば、電気的分極特性が異なる半導体層を含み、相対的に大きい分極率を有する半導体層は、それと異種接合された他の半導体層に2次元電子ガスを誘発し、このような2次元電子ガスは、メインソース電極とメインドレイン電極との間のチャンネルとして利用することができ、このような2次元電子ガスの流れが継続又は中断することは、メインゲート電極に印加されるバイアス電圧によって制御することができ、これらにより、半導体素子の電気的特性及び信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による半導体素子の概略構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施形態による半導体素子を示す回路図である。
図3図2の実施形態による半導体素子のゲート電圧、第1電源電圧、及び感知電圧を示すタイミング図である。
図4】本発明の実施形態による半導体素子の概略構成を示す図である。
図5図4のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図6図4のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図7図4のB-B’線及びC-C’線に沿って切断した断面図である。
図8】本発明の実施形態による半導体素子を示した図4のB-B’線及びC-C’線に対応する断面図である。
図9】本発明の実施形態による半導体素子の抵抗ユニットを示す回路図である。
図10図9の実施形態による半導体素子を示す平面図である。
図11図10のD-D’線に沿って切断した断面図である。
図12】本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す、図10のD-D’線に対応する断面図である。
図13】本発明の実施形態による半導体素子を示す回路図である。
図14図13の実施形態による半導体素子のゲート電圧、第1電源電圧、及び感知電圧を示すタイミング図である。
図15図13の実施形態による半導体素子を示す平面図である。
図16図15のE-E’線に沿って切断した断面図である。
図17】本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す、図15のE-E’線に対応する断面図である。
図18】本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す、図15のE-E’線に対応する断面図である。
図19】本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図20】本発明の実施形態による半導体素子を示す平面図である。
図21図20のF-F’線に沿って切断した断面図である。
図22】本発明の実施形態による半導体素子を示す回路図である。
図23図22の実施形態による半導体素子のゲート電圧、第1電源電圧、及び感知電圧を示すタイミング図面である。
図24図22の実施形態による半導体素子を示す平面図である。
図25図24のG-G’線に沿って切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係る半導体素子を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0012】
以下、添付の図面を参照して、本発明の様々な実施形態について、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。
本発明は、様々な異なる形態で実施することができ、ここで説明する実施例に限定されない。
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体を介して同一又は類似の構成要素については同一の参照符号を付けるようにする。
また、図で示した各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明は必ずしも図示されたものに限定されない。
図面において、複数の層及び領域を明確に表現するために、厚さを拡大して示した。
そして、図面において、説明の便宜上、一部の層及び領域の厚さを誇張して示した。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分「上」又は「の上」にある場合、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その途中に他の部分がある場合も含む。
逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあると言うときは、真ん中に他の部分がないことを意味する。
また、基準となる部分「上」又は「の上」にあるというのは、基準となる部分の上又は下に位置することであり、必ずしも重力反対方向に向かって「上」又は「上に」位置することを意味するものではない。
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、本明細書全体において、「平面上」とは、対象部分を上から見たときのことを意味し、「断面上」とは、対象部分を垂直に切断した断面を横から見たときのことを意味する。
【0013】
図1に示すように、本発明の実施形態による半導体素子は、メイントランジスタ100を含むメイン素子領域(MA)、周辺回路素子300を含む周辺回路領域(PA)、ツェナーユニット400、及び感知部500を含む。
メイン素子領域(MA)内には、メイントランジスタ100が配置される。
例えば、一実施形態による半導体素子のメイントランジスタ100は、ノーマルオフ高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)であり得る。
ただし、これに限定されるものではなく、一実施形態による半導体素子のメイントランジスタ100は、ノーマルオン高電子移動度トランジスタ又は他のタイプのトランジスタであってもよい。
即ち、一実施形態で、メイン素子領域(MA)は、メイントランジスタ100が配置される領域を意味する。
【0014】
周辺回路領域(PA)は、メイントランジスタ100と電気的に接続される素子を含む。
例えば、一実施形態による半導体素子の周辺回路領域(PA)内にメイントランジスタ100と電気的に接続される周辺回路素子300が配置される。
一実施形態で、周辺回路素子300の一端は、メイントランジスタ100と電気的に接続され、周辺回路素子300の他端は、ツェナーユニット400及び感知部500と接続される。
一例として、周辺回路領域(PA)に配置される周辺回路素子300は、抵抗素子(図2の310)、ダイオード素子(図13の320)、又はサブトランジスタ素子(図22の330)を含む。
ただし、これに限定されるものではなく、他の例として、周辺回路素子300は、キャパシタ又はインダクタなどの手動素子を含むか、IC(integrated circuit)チップなどの能動素子を含み得る。
また他の例として、周辺回路素子300は、電流分配器(Current Divider)、電圧分配器(Voltage Divider)、電圧クリッパ(Voltage Clipper)、メイントランジスタ100の保護素子などを含み得る。
一実施形態で、周辺回路領域(PA)は、周辺回路素子300が配置される領域を意味する。
【0015】
ツェナーユニット400は、周辺回路素子300とメイントランジスタ100との間に電気的に接続される。
ツェナーユニット400の一端は、周辺回路素子300と電気的に接続され、ツェナーユニット400の他端は、メイントランジスタ100と電気的に接続される。
例えば、ツェナーユニット400は、周辺回路素子300とメイントランジスタ100の他端(例えば、メイントランジスタ100の第2電極(図2のD))との間を電気的に接続される。
ツェナーユニット400は、周辺回路素子300とともに構成され、ツェナーユニット400の一端の電圧をクリッピング(Clipping)する役割を果たす。
ツェナーユニット400は、ツェナーユニット400の一端の電圧が急激に増加することを防止する。
一例として、ツェナーユニット400は、ツェナーダイオード(Zener diode)(図2の410)を含むが、これに限定されない。
ここで、ツェナーダイオードは、正方向電圧では一般的なダイオード素子と同じ特性を有して電流が流れるが、逆方向電圧では一般ダイオード素子より低い電圧(降伏電圧(breakdown voltage))で逆方向電流が流れるように作られた素子を意味する。
これに関する説明は、図3を参照してさらに後述する。
【0016】
感知部500は、周辺回路素子300及びツェナーユニット400に電気的に接続される。
例えば、感知部500は、周辺回路素子300の他端及びツェナーユニット400の一端に電気的に接続される。
感知部500は、周辺回路素子300の他端及び/又はツェナーユニット400の一端の電圧を感知する。
感知部500は、感知した電圧に基づいて、メイントランジスタ100の一端での電圧の変化を検出するか、メイントランジスタ100がターンオンする区間を算出することもできる。
例示的な実施形態で、感知部500は、算出したメイントランジスタ100の一端での電圧の変化又はターンオンする区間などに基づいて、追加的な動作を行う素子をさらに含む。
【0017】
例えば、感知部500は、メイントランジスタ100及び/又はこれを含む半導体素子を補償、保護する回路をさらに含む。
即ち、感知部500は、メイントランジスタ100の一端での電圧の変化を検出するか、メイントランジスタ100がターンオンする区間を算出して、メイントランジスタ100が予め設定された範囲内に動作するように補償、保護する。
ここで、補償回路は、メイントランジスタ100が予め設定された範囲内に動作するように、メイントランジスタ100の動作損失を補償する回路を意味する。
保護素子は、過電流(over current)保護素子、過電圧(over voltage)保護素子、過熱(over temperature)保護素子、断線保護素子、静電気放電(Electro Static Discharge)保護素子、LDO(Low Drop-output)レギュレーターなどのメイントランジスタ100を含む半導体素子が破壊されることを防止する回路であり得る。
ただし、これに限定されるものではなく、感知部500は、メイントランジスタ100の動作を制御する所定の回路をさらに含むこともできる。
【0018】
以下、図2及び図3を参照して、本発明の実施形態による半導体素子の回路構造について説明する。
図2は、本発明の実施形態による半導体素子を示す回路図であり、図3は、図2の実施形態による半導体素子のゲート電圧、第1電源電圧、及び感知電圧を示すタイミング図である。
以下、説明の便宜のために第2電源電圧(VS)がグラウンド電圧を有する場合について説明する。
【0019】
図2を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子は、メイントランジスタ100、抵抗素子310、ツェナーダイオード410、及び感知部500を含む。
一実施形態で、抵抗素子310は、図1の周辺回路素子300に対応し、ツェナーダイオード410は、図1のツェナーユニット400に対応する。
メイントランジスタ100は、メインゲート電極(G)、第1電極(D)、及び第2電極(S)を含む。
メイントランジスタ100は、メインゲート電極(G)に印加されるゲート信号に応じて、第1電極(D)と第2電極(S)との間にドレイン-ソース間電流を制御する。
【0020】
例えば、メイントランジスタ100のメインゲート電極(G)にターンオン信号が印加される場合、電流が第1経路(C1)に沿って流れる。
ここで、第1経路(C1)は、電流がメイントランジスタ100の第1電極(D)から第2電極(S)に流れる経路を意味する。
これにより、電流は、第1ノード(N1)からメイントランジスタ100を介して第2ノード(N2)に流れる。
第1電極(D)には第1電源電圧(V)が供給され、第2電極(S)には第2電源電圧(V)が供給される。
第2電源電圧(VS)の大きさは、第1電源電圧(V)の大きさより小さい。
【0021】
例えば、第2電源電圧(V)は、グラウンド電圧である。
ここで、第1電極(D)は、一実施形態によるメイントランジスタ100のメインドレイン電極(図4の175m)を意味し、第2電極(S)は、一実施形態によるメイントランジスタ100のメインソース電極(図4の173m)を意味する。
また、第1電源電圧(V)は、メイントランジスタ100のメインドレイン電極(図4の175m)に印加される電圧を意味する。
第2電源電圧(V)は、メイントランジスタ100のメインソース電極(図4の173m)に印加される電圧を意味する。
【0022】
抵抗素子310は、メイントランジスタ100の第1電極(D)と電気的に接続される。
また、抵抗素子310は、ツェナーダイオード410及び感知部500と電気的に接続される。
例えば、抵抗素子310の一端は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100の一端と接続される。
例えば、抵抗素子310の一端は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100の第1電極(D)と電気的に接続される。
即ち、一実施形態で、抵抗素子310の一端は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100のメインドレイン電極(図4の175m)と電気的に接続される。
また、抵抗素子310の一端は、第1ノード(N1)を介して第1電源電圧(V)を有する第1電源に接続される。
これにより、抵抗素子310の一端に第1電源電圧(V)が供給される。
【0023】
抵抗素子310の他端は、第3ノード(N3)を介してツェナーダイオード410及び感知部500と電気的に接続される。
一実施形態で、抵抗素子310は、サブドレイン電極(図4の175)sと感知電極(図4のSE)との間のサブドリフト領域(図4のDTRs)の抵抗に対応する。
また、第3ノード(N3)は、感知電極(図4のSE)に対応する点であり得る。
これに関する説明は、図4図7を参照して後述する。
【0024】
ツェナーダイオード410は、抵抗素子310とメイントランジスタ100との間に電気的に接続される。
ツェナーダイオード410は、アノード412とカソード411を含む。
ツェナーダイオード410のカソード411は、第3ノード(N3)を介して抵抗素子310と電気的に接続され、ツェナーダイオード410のアノード412は、第2ノード(N2)を介してメイントランジスタ100の第2電極(S)と電気的に接続される。
また、ツェナーダイオード410のアノード412は、第2ノード(N2)を介して第2電源電圧(VS)を供給する第2電源と電気的に接続される。
【0025】
一実施形態で、ツェナーダイオード410は、順方向電圧では一般的なダイオード素子と同じ特性を有し、電流が流れるが、逆方向電圧では降伏電圧(Breakdown Voltage)(VZth)以上でのみ逆方向電流が流れる。
この時、ツェナーダイオード410の両端にかかる電圧の大きさは、降伏電圧(VZth)で一定である。
即ち、ツェナーダイオード410は、降伏電圧(VZth)以下の逆方向電圧では電流が流れないが、降伏電圧(VZth)以上の逆方向電圧では電流が流れる。
降伏電圧(VZth)は、ツェナーダイオード410に逆方向電圧が印加される場合、ツェナーダイオード410に電流が流れる最小電圧として定義される。
ここで、順方向は、ツェナーダイオード410のアノード412からカソード411に向かう方向を意味し、逆方向は、ツェナーダイオード410のカソード411からアノード412に向かう方向を意味する。
このような特性により、ツェナーダイオード410は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)をクリッピング(Clipping)する役割を果たす。
【0026】
図3をさらに参照すると、例えば、第1電源電圧(V)がツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より小さい場合(一例として、図3の第3区間(T3))、これはツェナーダイオード410に降伏電圧(VZth)より小さい逆方向電圧が印加される場合であり、ツェナーダイオード410内に電流が流れない。
したがって、電流は、第2経路(C2)に沿って流れない可能性があり、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)の大きさは、第1電源電圧(V)の大きさと実質的に同じである可能性がある。
また、第1電源電圧(V)がツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きい場合(一例として、図3の第1区間(T1)、第2区間(T2)など)、これはツェナーダイオード410に降伏電圧(VZth)より大きい逆方向電圧が印加される場合であり、電流はツェナーダイオード410のカソード411からアノード412に流れる。
即ち、電流は、第2経路(C2)に沿って流れる。
即ち、電流は、第1ノード(N1)から抵抗素子310を介して第3ノード(N3)に流れ、ツェナーダイオード410を過ぎて第2ノード(N2)に流れる。
この時、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)と実質的に同じ大きさを有する。
【0027】
再び図2を参照すると、感知部500は、第3ノード(N3)に接続される。
感知部500は、第3ノード(N3)を介して周辺回路素子300の一端及びツェナーユニット400のカソード411に電気的に接続される。
感知部500は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)を感知する。
感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて、メイントランジスタ100の一端での電圧の変化を検出する。
一例として、感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて、第1電源電圧(V)の大きさが降伏電圧(VZth)の大きさより小さい区間を検出する。
具体的には、図3に示すように、感知電圧(Va)は、第1区間(T1)、第2区間(T2)、第4区間(T4)、及び第5区間(T5)で降伏電圧(VZth)と実質的に同じ大きさを有する。
これは第2経路(C2)に沿って電流が流れることを意味する。
【0028】
即ち、第1区間(T1)、第2区間(T2)、第4区間(T4)、及び第5区間(T5)において、第1電源電圧(V)の大きさは、降伏電圧(VZth)の大きさより大きい。
一方、感知電圧(Va)は、第3区間(T3)で降伏電圧(VZth)より小さい大きさを有する。
これは第2経路(C2)に沿って電流が流れないことを意味する。
即ち、第3区間(T3)における第1電源電圧(V)の大きさは、降伏電圧(VZth)より小さい可能性がある。
即ち、第1電源電圧(V)の大きさが降伏電圧(VZth)より小さい区間で、感知電圧(Va)の大きさが減少する。
これにより、感知部500は、感知電圧(Va)の大きさに基づいて、メイントランジスタ100の第1電極(D)に印加される第1電源電圧(V)の大きさが降伏電圧(VZth)の大きさより小さい区間を検出する。
【0029】
他の例として、感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて、第1電源電圧(V)の変化を検出し、メイントランジスタ100がターンオンする区間を算出することもできる。
具体的にみると、ゲート電圧(VG)は、メイントランジスタ100のメインゲート電極(G)に印加される。
メインゲート電極(G)にオン電圧(Von)が印加される場合、メイントランジスタ100がターンオンする。
この時、メイントランジスタ100がターンオンすることにより、負荷効果(Load effect)等によって所定の間隔を置いて第1電源電圧(V)の大きさが減少する。
したがって、前述のように、感知部500は、感知電圧(Va)が減少する区間を感知し、第1電源電圧(V)の大きさが減少する区間を算出することができ、これにより、メイントランジスタ100がターンオンされる区間を算出することもできる。
【0030】
以下、図4図6を参照して、本発明の実施形態による半導体素子のメイントランジスタについて説明する。
図4は、本発明の実施形態による半導体素子を示す平面図であり、図5及び図6は、図4のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図5は、一実施形態による半導体素子がオフ(off)状態の場合を示し、図6は、一実施形態による半導体素子がオン(on)状態である場合を示す。
【0031】
図4を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路領域(PA)は、メイン素子領域(MA)と離隔して配置される。
例えば、周辺回路領域(PA)は、メイン素子領域(MA)と第2方向(Y方向)に離隔して配置されるが、これに限定されない。
例えば、周辺回路領域(PA)は、メイン素子領域(MA)と第1方向(X方向)に離隔して配置されるか、メイン素子領域(MA)の側面を囲むこともできる。
その他の様々な変更が可能であることは言うまでもない。
一実施形態で、周辺回路領域(PA)とメイン素子領域(MA)との間に分離構造物160が配置されるが、これに限定されない。
一実施形態で、周辺回路領域(PA)は、メイン素子領域(MA)に隣接して配置することができる。
【0032】
図5をさらに参照すると、本発明の実施形態による半導体素子のメイントランジスタ100は、メインチャンネル層132m、メインチャンネル層132mの上に配置されるバリア層136、バリア層136の上に配置されるメインゲート電極155、バリア層136とメインゲート電極155との間に配置されるゲート半導体層152、バリア層136の上に配置される保護層140、メインチャンネル層132mの上に互いに離隔して配置されるメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mを含む。
メインチャンネル層132mは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間にチャンネルを形成する層であって、メインチャンネル層132mの内部には2次元電子ガス(2dimensional electron gas:2DEG)134が配置される。
【0033】
2次元電子ガス134は、固体物理学で使用する電荷輸送モデルであり、2次元(例えば、x-y平面方向)上では自由に動くことができるが、他の一次元(例えば、z方向)では動くことができず、2次元内に固く拘束されている電子の群を意味する。
即ち、2次元電子ガス134は、3次元空間内で2次元の紙のような形態で存在する。
このような2次元電子ガス134は、半導体異種接合構造で主に現れ、本発明の一実施形態による半導体素子では、メインチャンネル層132mとバリア層136との間の界面で発生する。
例えば、メインチャンネル層132m内でバリア層136と隣接する部分に2次元電子ガス134が発生する。
【0034】
メインチャンネル層132mは、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
メインチャンネル層132mは、単層又は多層で構成することができる。
メインチャンネル層132mは、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、メインチャンネル層132mは、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
メインチャンネル層132mは、不純物がドーピングされた層であってもよく、不純物がドーピングされない(undoped)層であってもよい。
メインチャンネル層132mの厚さは、約数百nm以下であり得る。
【0035】
メインチャンネル層132mは、基板110の上に配置され、基板110とメインチャンネル層132mとの間には、シード層121、及びバッファー層120が配置される。
基板110、シード層121、及びバッファー層120は、メインチャンネル層132mを形成するために必要な層であり、場合により省略されてもよい。
例えば、GaNからなる基板をメインチャンネル層132mとして使用する場合には、基板110、シード層121、及びバッファー層120の内の少なくとも一つが省略されてもよい。
【0036】
GaNからなる基板は、値段が比較的に高いことを考慮して、Siからなる基板110を使用してGaNを含むメインチャンネル層132mを成長させる。
この時、Siの格子構造とGaNの格子構造が異なるため、基板110の直上にメインチャンネル層132mを成長させることが容易ではない。
これにより、基板110の上にシード層121及びバッファー層120を先に成長させた後、バッファー層120の上にメインチャンネル層132mを成長させる。
また、基板110、シード層121、及びバッファー層120の内の少なくとも一つが製造工程で使用された後、半導体素子の最終構造では除去されてもよい。
【0037】
基板110は、半導体物質を含む。
例えば、基板110は、サファイア(sapphire)、Si、SiC、AlN、GaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
基板110は、SOI(Silicon on Insulator)基板であり得る。
ただし、基板110の材質はこれに限定されず、一般に使用されるすべての基板が適用することができる。
場合により、基板110は絶縁物質を含むこともできる。
例えば、半導体基板上にメインチャンネル層132mをはじめとする複数の層を先に形成した後、半導体基板を除去し、絶縁基板に置き換えることができる。
【0038】
シード層121は、基板110の直上に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、基板110とシード層121との間に所定の他の層がさらに配置することもできる。
シード層121は、バッファー層120を成長させるためのシード役割を果たす層であり、バッファー層120のシードとなる結晶格子構造物で構成される。
バッファー層120は、シード層121の直上に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、シード層121とバッファー層120との間に所定の他の層がさらに配置することもできる。
シード層121は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
シード層121は、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、シード層121は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0039】
バッファー層120は、シード層121の上に配置される。
バッファー層120は、シード層121とメインチャンネル層132mとの間に配置される。
バッファー層120は、シード層121とメインチャンネル層132mとの間の格子定数及び熱膨張係数の差を緩和したり、メインチャンネル層132mを介して漏洩電流(leakage current)が流れることを防止するための層である。
バッファー層120は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
バッファー層120は、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、バッファー層120は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0040】
本発明の実施形態による半導体素子のバッファー層120は、シード層121の上に配置される超格子層124、及び超格子層124の上に配置される高抵抗層126を含む。
超格子層124、及び高抵抗層126は、基板110の上に順次配置される。
超格子層124は、シード層121の上に配置される。
超格子層124は、シード層121の直上に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、シード層121と超格子層124との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
超格子層124は、基板110とメインチャンネル層132mとの間の格子定数及び熱膨張係数の差を緩和し、これにより、基板110とメインチャンネル層132mとの間に発生される引張応力(tensile stress)及び圧縮応力(compressive stress)を緩和し、一実施形態による半導体素子の最終構造で成長によって形成された全体層間の応力を緩和するための層である。
【0041】
超格子層124は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
超格子層124は、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、超格子層124は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
一実施形態で、超格子層124は、異なる物質を含む層が交互に積層された多層で構成される。
例えば、超格子層124は、AlGaNからなる層とAlNからなる層が繰り返し積層された構造を有する。
即ち、AlGaN/AlN/AlGaN/AlN/AlGaN/AlNが順次積層されて超格子層を形成する。
超格子層124を構成するAlGaN層とGaNの数は、様々に変更することができ、超格子層124を構成する物質は、様々に変更することができる。
【0042】
他の例として、超格子層124は、AlGaNからなる層とGaNからなる層が繰り返し積層されている構造を有することもできる。
即ち、AlGaN/GaN/AlGaN/GaN/AlGaN/GaNが順次積層されて超格子層を形成する。
例示的な実施形態で、超格子層124がGaN、InN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせなどを含む場合、超格子層124は、電子の濃度が正孔の濃度より大きいn型半導体特性を有するが、これに限定されない。
【0043】
高抵抗層126は、超格子層124の上に配置される。
高抵抗層126は、超格子層124の直上に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、超格子層124と高抵抗層126との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
高抵抗層126は、超格子層124とメインチャンネル層132mとの間に配置される。
高抵抗層126は、メインチャンネル層132mを介して漏洩電流(leakage current)が流れることを防止することにより、一実施形態による半導体素子が劣化することを防止するための層である。
高抵抗層126は、基板110とメインチャンネル層132mとの間が電気的に絶縁されるように伝導性が低い物質で構成される。
【0044】
高抵抗層は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
高抵抗層126は、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、高抵抗層126は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
高抵抗層126は、単層又は多層で構成することができる。
例示的な実施形態で、高抵抗層126が、GaN、InN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせなどを含む場合、高抵抗層126は、電子の濃度が正孔の濃度より大きいn型半導体特性を有するが、これに限定されない。
【0045】
バリア層136は、メインチャンネル層132mの上に配置される。
バリア層136は、メインチャンネル層132mの直上に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、メインチャンネル層132mとバリア層136との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間でバリア層136と重畳するメインチャンネル層132mの領域がメインドリフト(drift)領域(DTRm)となる。
メインドリフト領域(DTRm)は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に位置する。
メインドリフト領域(DTRm)は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電位差が発生する時に、キャリアが移動する領域を意味する。
一実施形態による半導体素子は、メインゲート電極155に電圧が印加されるか否か、及び/又はメインゲート電極155に印加される電圧の大きさによりオン/オフし、これにより、メインドリフト領域(DTRm)でキャリアの移動が行われるか又は遮断する。
【0046】
バリア層136は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
バリア層136は、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
バリア層136は、GaN、InN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせなどを含み得る。
バリア層136のエネルギーバンドギャップは、Al及び/又はInの組成比によって調節することができる。
バリア層136は、所定の不純物でドーピングされる。
この時、バリア層136にドーピングされる不純物は、正孔(hole)を提供することができるp型ドーパントであり得る。
例えば、バリア層136にドーピングされる不純物は、マグネシウム(Mg)であり得る。
バリア層136の不純物ドーピング濃度を上げたり下げたりすることによって、一実施形態による半導体素子の閾値電圧、オン抵抗などを調節することができる。
【0047】
バリア層136は、メインチャンネル層132mと異なる特性を有する半導体物質を含む。
バリア層136は、メインチャンネル層132mと分極特性、エネルギーバンドギャップ、又は格子定数の内の少なくとも一つが異なり得る。
例えば、バリア層136は、メインチャンネル層132mと異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含む。
この時、バリア層136は、メインチャンネル層132mより高いエネルギーバンドギャップを有し、メインチャンネル層132mより高い電気的分極率を有する。
このようなバリア層136によって、相対的に電気的分極率が低いメインチャンネル層132mに2次元電子ガス134が誘発され得る。
この点から、バリア層136は、チャンネル供給層又は2次元電子ガス供給層と呼ばれることもある。
2次元電子ガス134は、メインチャンネル層132mとバリア層136との間の界面下に位置するメインチャンネル層132mの部分内に形成され得る。
2次元電子ガス134は、非常に高い電子移動度(electron mobility)を有する。
【0048】
バリア層136は、単層又は多層で構成することができる。
バリア層136が多層からなる場合、多層を構成する各層の物質は、エネルギーバンドギャップが異なり得る。
この時、バリア層136を構成する複数の層は、メインチャンネル層132mに近いほどエネルギーバンドギャップが大きくなるように配置される。
【0049】
メインゲート電極155は、バリア層136の上に配置される。
メインゲート電極155は、バリア層136の一部領域と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
メインゲート電極155は、メインチャンネル層132mのメインドリフト領域(DTRm)の一部と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
メインゲート電極155は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
メインゲート電極155は、メインソース電極173mおよびメインドレイン電極175mと離隔する。
例えば、メインゲート電極155は、メインドレイン電極175mよりメインソース電極173mにさらに近く配置される。
即ち、メインゲート電極155とメインソース電極173mとの間の離隔距離がメインゲート電極155とメインドレイン電極175mとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されない。
【0050】
メインゲート電極155は、伝導性物質を含む。
例えば、メインゲート電極155は、金属、金属合金、導電性金属硝酸塩、金属シリサイド、ドーピングされた半導体物質、導電性金属酸化物、又は導電性金属窒酸化物などを含み得る。
例えば、メインゲート電極155は、チタン硝酸塩(TiN)、タンタル炭化物(TaC)、タンタル硝酸塩(TaN)、チタンシリコン硝酸塩(TiSiN)、タンタルシリコン硝酸塩(TaSiN)、タンタルチタン硝酸塩(TaTiN)、チタンアルミニウム硝酸塩(TiAlN)、タンタルアルミニウム硝酸塩(TaAlN)、タングステン硝酸塩(WN)、ルテニウム(Ru)、チタンアルミニウム(TiAl)、チタンアルミニウム炭化硝酸塩(TiAlC-N)、チタンアルミニウム炭化物(TiAlC)、チタン炭化物(TiC)、タンタル炭化硝酸塩(TaCN)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル白金(Ni-Pt)、ニオビウム(Nb)、ニオビウム硝酸塩(NbN)、ニオビウム炭化物(NbC)、モリブデン(Mo)、モリブデン硝酸塩(MoN)、モリブデン炭化物(MoC)、タングステン炭化物(WC)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。
メインゲート電極155は、単層又は多層で構成され得る。
【0051】
ゲート半導体層152は、バリア層136とメインゲート電極155との間に配置される。
即ち、バリア層136の上にゲート半導体層152が配置され、ゲート半導体層152の上にメインゲート電極155が配置される。
メインゲート電極155は、ゲート半導体層152にショットキー接触(Schottky contact)又はオーミック接触(ohmic contact)する。
ゲート半導体層152は、メインゲート電極155と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
この時、ゲート半導体層152は、メインゲート電極155と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に完全に重畳し、ゲート半導体層152は、上部面が全体的にメインゲート電極155によって覆われる。
即ち、ゲート半導体層152は、メインゲート電極155と実質的に同じ平面形状を有する。
ただし、これに限定されるものではなく、メインゲート電極155は、ゲート半導体層152を少なくとも一部を覆うように配置することもできる。
【0052】
ゲート半導体層152は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
ゲート半導体層152は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと離隔する。
ゲート半導体層152は、メインドレイン電極175mよりメインソース電極173mにさらに近く配置される。
即ち、ゲート半導体層152とメインソース電極173mとの間の離隔距離がゲート半導体層152とメインドレイン電極175mとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されない。
一実施形態で、ゲート半導体層152は、メインゲート電極155と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
例えば、ゲート半導体層152は、メインゲート電極155と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に完全に重畳する。
即ち、ゲート半導体層152の側面は、メインゲート電極155の側面と整列する。
ただし、これに限定されるものではなく、ゲート半導体層152は、メインゲート電極155と一部重畳することもできる。
【0053】
ゲート半導体層152は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
ゲート半導体層152は、AlInGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、ゲート半導体層152は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
ゲート半導体層152は、バリア層136と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含む。
例えば、ゲート半導体層152は、GaNを含み、バリア層136は、AlGaNを含む。
ゲート半導体層152は、所定の不純物でドーピングされる。
この時、ゲート半導体層152にドーピングされる不純物は、正孔(hole)を提供できるp型ドーパントである。
例えば、ゲート半導体層152は、p型不純物がドーピングされているGaNを含む。
即ち、ゲート半導体層152は、p-GaN層で構成される。
ただし、これに限定されるものではなく、ゲート半導体層152がp-AlGaN層であってもよい。
ゲート半導体層152にドーピングされる不純物は、マグネシウム(Mg)であってもよい。
この時、ゲート半導体層152内にドーピングされた不純物(例えば、マグネシウム)と隣接する所定の元素が結合する場合、ゲート半導体層152内に正孔濃度が減少し、これにより、半導体素子の特性が劣化し得る。
ゲート半導体層152は、単層又は多層で構成され得る。
【0054】
ゲート半導体層152によって、メインチャンネル層132m内に空乏(depletion)領域(DPR)が形成される。
空乏領域(DPR)は、メインドリフト領域(DTRm)内に位置し、メインドリフト領域(DTRm)より狭い幅を有する。
バリア層136の上にバリア層136と異なるエネルギーバンドギャップを有するゲート半導体層152が配置されることにより、ゲート半導体層152と重畳するバリア層136の部分のエネルギーバンドの準位が高くなり得る。
これにより、ゲート半導体層152と重畳するメインチャンネル層132mの領域に空乏領域(DPR)が形成される。
空乏領域(DPR)は、メインチャンネル層132mのチャンネル経路の内の2次元電子ガス134が形成されないか、又は、残りの領域より低い電子濃度を有する領域である。
即ち、空乏領域(DPR)は、メインドリフト領域(DTRm)内で2次元電子ガス134の流れを切れる領域を意味する。
空乏領域(DPR)が発生することにより、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流が流れず、チャンネル経路が遮断され得る。
これにより、一実施形態による半導体素子は、ノーマルオフ(normally off)特性を有する。
【0055】
即ち、本発明の一実施形態による半導体素子は、ノーマルオフ高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)である。
図5に示すように、メインゲート電極155に電圧が印加されないノーマル(normal)状態では、空乏領域(DPR)が存在し、一実施形態による半導体素子は、オフ(off)状態である。
図6に示すように、メインゲート電極155に閾値電圧(threshold voltage)以上の電圧が印加されると、空乏領域(DPR)が無くなり、メインドリフト領域(DTRm)内で2次元電子ガス134が切れることなく、接続する。
即ち、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間のチャンネル経路全体に2次元電子ガス134が形成され、一実施形態による半導体素子は、オン(on)状態になる。
まとめると、本発明の一実施形態による半導体素子は、電気的分極(polarization)特性が異なる半導体層を含み、相対的に大きい分極率を有する半導体層は、それと異種接合された他の半導体層に2次元電子ガス134を誘発する。
このような2次元電子ガス134は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間のチャンネルとして利用することができ、このような2次元電子ガス134の流れが継続又は中断することは、メインゲート電極155に印加されるバイアス電圧によって制御することができる。
ゲートオフの状態で、2次元電子ガス134の流れが遮断され、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流が流れない。
ゲートオンの状態で2次元電子ガス134の流れが続くことにより、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流が流れる。
【0056】
上述で、本発明の一実施形態による半導体素子がノーマルオフ高電子移動度トランジスタである場合について説明したが、これに限定されない。
例えば、本発明の一実施形態による半導体素子は、ノーマルオン高電子移動度トランジスタであってもよい。
ノーマルオン高電子移動度トランジスタの場合、ゲート半導体層152を省略することができ、これにより、メインゲート電極155がバリア層136の直上に配置される。
即ち、メインゲート電極155がバリア層136と接する。
このような構造では、メインゲート電極155に電圧が印加されない状態で2次元電子ガス134がチャンネルとして利用されることができ、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流の流れが発生し得る。
また、メインゲート電極155にマイナス電圧が印加されると、メインゲート電極155の下部で2次元電子ガス134の流れが切れる空乏領域(DPR)が発生し得る。
【0057】
先に説明したシード層121、超格子層124、高抵抗層126、メインチャンネル層132m、バリア層136、及びゲート半導体層152は、基板110の上に順次積層される。
一実施形態による半導体素子で、シード層121、超格子層124、高抵抗層126、メインチャンネル層132m、バリア層136、及びゲート半導体層152の内の少なくとも一つは省略することができる。
このようなシード層121、超格子層124、高抵抗層126、メインチャンネル層132m、バリア層136、及びゲート半導体層152は、同じ基盤の半導体物質で構成され得、各層の役割、半導体素子に要求される性能などを考慮して、各層の物質組成比が異なり得る。
【0058】
保護層140は、バリア層136及びメインゲート電極155の上に配置される。
保護層140は、メインゲート電極155の上部面と側面、及びゲート半導体層152の側面を覆う。
保護層140の下部面は、バリア層136及びメインゲート電極155と接する。
これにより、バリア層136、ゲート半導体層152、及びメインゲート電極155は、保護層140によって保護される。
ただし、これに限定されるものではなく、メインゲート電極155が保護層140を貫通してゲート半導体層152と接続され、保護層140がメインゲート電極155の上部面を覆わない場合もある。
又は、保護層140の下部面は、ゲート半導体層152と接することもできる。
保護層140は、絶縁物質を含み得る。
例えば、保護層140は、SiOやAlなどの酸化物を含み得る。
他の例として、保護層140は、SiNのような硝酸塩やSiONのような酸硝酸塩を含み得る。
図5及び図6では、保護層140が単層からなるものとして示したが、これに限定されず、保護層140は、異なる物質を含む多層で構成することもできる。
【0059】
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの上に配置される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mと直接的に接し、メインチャンネル層132mと電気的に接続される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、互いに離隔し、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間にメインゲート電極155及びゲート半導体層152が配置される。
メインゲート電極155及びゲート半導体層152は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mから離隔する。
例えば、メインソース電極173mは、メインゲート電極155の一側でメインチャンネル層132mと電気的に接続され、メインドレイン電極175mは、メインゲート電極155の他側でメインチャンネル層132mと電気的に接続される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mのメインドリフト領域(DTRm)の外側に配置される。
メインソース電極173mとメインチャンネル層132mとの間の境界面がメインドリフト領域(DTRm)の一側の端である。
同様に、メインドレイン電極175mとメインチャンネル層132mとの間の境界面がメインドリフト領域(DTRm)の他側の端である。
【0060】
ただし、これに限定されず、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mがメインチャンネル層132mのメインドリフト領域(DTRm)の外側面に配置することができない場合もある。
即ち、メインチャンネル層132mが凹んでいない場合もあり、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mがメインチャンネル層132mの上部面の上に配置することもできる。
この場合、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの底面がメインチャンネル層132mの上部面と接する。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと接するメインチャンネル層132mの部分は、高濃度にドーピングされる。
この時、2次元電子ガス134を通過したキャリアが、高濃度にドーピングされているメインチャンネル層132mの部分、即ち、2次元電子ガス134の上部を通過してメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mに伝達される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mが2次元電子ガス134と水平方向に直接的に接触しないこともある。
ここで、水平方向は、メインチャンネル層132m又はバリア層136の上部面に沿った方向を意味する。
【0061】
具体的には、保護層140及びバリア層136を貫通し、メインチャンネル層132mの上部面を凹むトレンチがメインゲート電極155の両側に互いに離隔するように配置される。
メインゲート電極155の両側に位置するトレンチ内にそれぞれメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mが配置される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、トレンチ内を埋めるように形成される。
トレンチ内で、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132m及びバリア層136と接する。
メインチャンネル層132mがトレンチの底面及び側壁をなし、バリア層136がトレンチの側壁をなす。
したがって、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの上部面及び側面と接する。
また、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、バリア層136の側面と接する。
即ち、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132m及びバリア層136の側面を覆う。
【0062】
一実施形態で、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、保護層140の側面の少なくとも一部を覆う。
例えば、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、保護層140の側面を覆う。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの上部面は、保護層140の上部面より突出する。
また、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの内の少なくとも一つが保護層140の上部面の少なくとも一部を覆う。
ただし、これに限定されるものではなく、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、保護層140の側面の少なくとも一部を覆い、保護層140の側面の残りの一部を覆わない場合もある。
この場合、保護層140の残りの一部は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの上部面の上に配置することもできる。
【0063】
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、伝導性物質を含み得る。
例えば、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、金属、金属合金、導電性金属硝酸塩、金属シリサイド、ドーピングされた半導体物質、導電性金属酸化物、又は導電性金属窒酸化物などを含み得る。
例えば、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、チタン硝酸塩(TiN)、タンタル炭化物(TaC)、タンタル硝酸塩(TaN)、チタンシリコン硝酸塩(TiSiN)、タンタルシリコン硝酸塩(TaSiN)、タンタルチタン硝酸塩(TaTiN)、チタンアルミニウム硝酸塩(TiAlN)、タンタルアルミニウム硝酸塩(TaAlN)、タングステン硝酸塩(WN)、ルテニウム(Ru)、チタンアルミニウム(TiAl)、チタンアルミニウム炭化硝酸塩(TiAlC-N)、チタンアルミニウム炭化物(TiAlC)、チタン炭化物(TiC)、タンタル炭化硝酸塩(TaCN)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル白金(Ni-Pt)、ニオビウム(Nb)、ニオビウム硝酸塩(NbN)、ニオビウム炭化物(NbC)、モリブデン(Mo)、モリブデン硝酸塩(MoN)、モリブデン炭化物(MoC)、タングステン炭化物(WC)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。
【0064】
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、単層又は多層で構成配置され得る。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mにオーミック接触(ohmic contact)する。
メインチャンネル層132m内でメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと接触する領域は、他の領域に比べて相対的に高濃度にドーピングされる。
【0065】
図5及び図6では、本発明の一実施形態による半導体素子が一対のメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mを含むことを示したが、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの数はこれに限定されない。
例えば、メインソース電極173mは、メインチャンネル層132mの上に垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に順次積層された複数のソース電極を含み、メインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの上に垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に順次積層された複数のドレイン電極を含むこともできる。
又は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mのそれぞれは、3層以上を含むこともできる。
【0066】
図に示していないが、本発明の一実施形態による半導体素子は、保護層140の少なくとも一部を覆うフィールド分散層をさらに含み得る。
フィールド分散層は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
フィールド分散層は、メインゲート電極155を覆う。
フィールド分散層は、メインゲート電極155と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
フィールド分散層は、メインソース電極173mと電気的に接続される。
例えば、フィールド分散層は、メインソース電極173mと接続される。
フィールド分散層は、メインソース電極173mと同一物質を含み得、メインソース電極173mと同一層に配置される。
フィールド分散層は、メインソース電極173mと同じ工程で同時に形成され得る。
即ち、フィールド分散層とメインソース電極173mとの間の境界は明確ではなく、フィールド分散層は、メインソース電極173mと一体になることができる。
ただし、これに限定されるものではなく、フィールド分散層がメインソース電極173mと分離された別途の構成要素であってもよい。
また、フィールド分散層がメインソース電極173mと異なる層に配置することもでき、異なる工程で形成することもできる。
【0067】
フィールド分散層は、メインゲート電極155の周辺に集中する電界を分散させる役割を果たす。
具体的には、ゲートオフの状態で、メインゲート電極155とメインソース電極173mとの間に位置するメインチャンネル層132mの部分と、メインゲート電極155とメインドレイン電極175mとの間に位置するメインチャンネル層132mの部分には、2次元電子ガス134が非常に高濃度を有して位置する。
この場合、メインゲート電極155又はゲート半導体層152に電界(Electric Field)が集中する。
一方、メインゲート電極155及びゲート半導体層152は、電界にぜい弱であり、電界が集中すると漏洩電流(leakage current)が増加し、メイントランジスタ100の降伏電圧(breakdown voltage)が減少する可能性がある。
この時、フィールド分散層によってメインゲート電極155又はゲート半導体層152の周辺に集中する電界が分散し、漏洩電流が減少し、降伏電圧(VZth)が増加させることができる。
【0068】
以下、図7及び図8をさらに参照して、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子について説明する。
図7は、図4のB-B’線及びC-C’線に沿って切断した断面図であり、図8は、本発明の実施形態による半導体素子を示した図4のB-B’線及びC-C’線に対応する断面図である。
図4図7、及び図8の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図2の実施形態の抵抗素子310に対応する。
また、図4図7、及び図8の実施形態による半導体素子のツェナーユニット400は、図2の実施形態のツェナーダイオード410に対応する。
以下、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300が抵抗素子310であり、ツェナーユニット400がツェナーダイオード410である場合について説明する。
【0069】
図4及び図7を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、メインドレイン電極175mと接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層132s、サブチャンネル層132sの上に配置されるバリア層136、サブチャンネル層132sの上に配置されるサブドレイン電極175sと感知電極(SE)及びサブチャンネル層132sと離隔されるサブソース電極173sを含む。
サブチャンネル層132sは、基板110の上に配置される。
サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sと感知電極(SE)との間にチャンネルを形成する層であり、サブチャンネル層132s内部には、2次元電子ガス(2dimensional electron gas:2DEG)134が位置する。
2次元電子ガス134は、一実施形態による半導体素子では、サブチャンネル層132sとバリア層136との間の界面で発生する。
例えば、サブチャンネル層132s内でバリア層136と隣接する部分に2次元電子ガス134が発生する。
【0070】
一実施形態で、サブチャンネル層132sは、第1方向(X方向)に延長される複数の部分及び第2方向(Y方向)に延長される複数の部分を含む。
例えば、図4に示すように、サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sの一側から第1方向(X方向)に延長される部分及び第2方向(Y方向)に延長される部分が交互に配置される。
これは、単位面積でサブチャンネル層132sの長さを確保するための形状であり得る。
ただし、これは例示的なものであり、サブチャンネル層132sの延長方向は、これに限定されない。
一例として、サブチャンネル層132sは、メインチャンネル層132mの一側から一方向にのみ延長されるか、複数の折曲部を含むこともできる。
又は、サブチャンネル層132sは、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)と交差する対角線方向に延長される部分を含むこともできる。
【0071】
一実施形態で、サブチャンネル層132sは、所定の長さを有するように延長される。
ここで、サブチャンネル層132sの延長の長さは、サブチャンネル層132sが延長される長さの総合を意味する。
この時、サブチャンネル層132sの幅は、メインチャンネル層132mの幅より小さい。
ここで、サブチャンネル層132sの幅は、サブチャンネル層132sの延長方向に垂直方向に沿った幅を意味する。
メインチャンネル層132mの幅は、メインチャンネル層132mの第2方向(Y方向)に沿った幅を意味する。
このような範囲で、サブチャンネル層132sが一実施形態による抵抗素子310の役割を果たす。
一実施形態で、サブチャンネル層132sの一端は、サブドレイン電極175sと接する。
サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sを介してメインドレイン電極175mと電気的に接続される。
【0072】
一実施形態で、サブチャンネル層132sは、メイントランジスタ100のメインチャンネル層132mと同じ工程によって一体に形成される。
サブチャンネル層132sは、メインチャンネル層132mと同一層に配置される。
サブチャンネル層132sの下部面は、メインチャンネル層132mの下部面と同じレベルに位置し、サブチャンネル層132sの上部面は、メインチャンネル層132mの上部面と同じレベルに位置する。
即ち、サブチャンネル層132sの下部面は、メインチャンネル層132mの下部面と基板110の上部面から同じ距離に位置する。
また、サブチャンネル層132sの上部面は、メインチャンネル層132mの上部面と基板110の上部面から実質的に同じ距離に位置する。
サブチャンネル層132sの第3方向(Z方向)に沿った厚さは、メインチャンネル層132mの第3方向(Z方向)に沿った厚さと実質的に同じであり得るが、これに限定されない。
サブチャンネル層132sは、周辺回路領域(PA)に位置するメインチャンネル層132m部分を意味する。
【0073】
一実施形態で、サブチャンネル層132sは、メイン素子領域(MA)に位置するメインチャンネル層132mと同一物質を含み得る。
一例として、サブチャンネル層132sは、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む硝酸塩の中から選択された一つ以上の物質を含み得る。
サブチャンネル層132sは、基板110の上に配置され、基板110とサブチャンネル層132sとの間には、シード層121、及びバッファー層120が配置される。
基板110、シード層121、及びバッファー層120は、サブチャンネル層132sを形成するために必要な層であり、場合により省略してもよい。
一実施形態で、周辺回路領域(PA)に位置する基板110、シード層121、及びバッファー層120は、それぞれメイン素子領域(MA)に位置する基板110、シード層121、及びバッファー層120と同じ工程によって一体に形成され得る。
【0074】
バリア層136は、サブチャンネル層132sの上に配置される。
バリア層136は、サブチャンネル層132sの直上に配置される。
ただし、これに限定されるものではなく、サブチャンネル層132sとバリア層136との間に所定の他の層がさらに配置することもできる。
バリア層136と重畳するサブチャンネル層132sの領域は、ドリフト領域とする。
具体的には、バリア層136は、サブチャンネル層132sと分極特性、エネルギーバンドギャップ、又は格子定数の内の少なくとも一つが異なるため、バリア層136によって、相対的に電気的分極率が低いサブチャンネル層132sに2次元電子ガス134を誘発させる。
【0075】
一実施形態で、周辺回路領域(PA)で、サブチャンネル層132sは、感知電極(SE)とサブドレイン電極175sとの間にサブドリフト領域(DTRs)を含む。
即ち、サブドリフト領域(DTRs)は、サブドレイン電極175sと接するサブチャンネル層132sの一側から感知電極(SE)までのサブチャンネル層132sの領域を意味する。
サブドリフト領域(DTRs)は、感知電極(SE)とサブドレイン電極175sとの間にバリア層136と重畳するサブチャンネル層132sの領域を意味する。
例えば、サブドレイン電極175sとサブチャンネル層132sが接する境界がサブドリフト領域(DTRs)の一側の端であり得、感知電極(SE)とサブチャンネル層132sが接する境界がサブドリフト領域(DTRs)の他側の端であり得る。
即ち、サブドリフト領域(DTRs)は、周辺回路領域(PA)内でサブドレイン電極175sと接するサブチャンネル層132sの一側と感知電極(SE)との間にキャリアが移動する領域を意味する。
【0076】
一実施形態で、サブドリフト領域(DTRs)は、第1方向(X方向)に延長される複数の部分及び第2方向(Y方向)に延長される複数の部分を含む。
例えば、図4に示したサブチャンネル層132sのように、サブドリフト領域(DTRs)は、サブドレイン電極175sの一側から第1方向(X方向)に延長される部分及び第2方向(Y方向)に延長される部分が交互に位置する。
これは、単位面積でサブドリフト領域(DTRs)の長さを確保するための形状である。
ただし、これは例示的なもので、サブドリフト領域(DTRs)の延長方向は、これに限定されない。
【0077】
サブドリフト領域(DTRs)は、抵抗成分を有する。
即ち、サブドリフト領域(DTRs)は、所定の抵抗値を有する抵抗素子(図2の310)として機能する。
即ち、サブドレイン電極175sから感知電極(SE)までのサブチャンネル層132sの領域は、所定の抵抗値を有する。
保護層140は、バリア層136の上に配置される。
保護層140の下部面は、バリア層136と接する。
一実施形態で、保護層140は、メイン素子領域(MA)の保護層140と同じ工程によって一体に形成され得る。
即ち、保護層140は、メイン素子領域(MA)のバリア層136と周辺回路領域(PA)のバリア層136の上に配置される。
【0078】
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、サブチャンネル層132sの一側及び他側に配置される。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、サブチャンネル層132sと接し、サブチャンネル層132sと電気的に接続される。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、サブドリフト領域(DTRs)の外側に配置される。
サブドレイン電極175sとサブチャンネル層132sとの間の境界面は、サブドリフト領域(DTRs)の一側の端である。
同様に、感知電極(SE)とサブチャンネル層132sとの間の境界面が、サブドリフト領域(DTRs)の他側の端である。
サブドレイン電極175sは、メインドレイン電極175mの一端から第2方向(Y方向)に延長される。
サブドレイン電極175sは、周辺回路領域(PA)に位置するドレイン電極175の部分を意味する。
感知電極(SE)は、ツェナーユニット400及び感知部500が接続する第3ノード(図2のN3)に対応する電極である。
これにより、感知電極(SE)を介して感知電圧(Va)がツェナーユニット400及び感知部500に伝達される。
【0079】
一実施形態で、サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、サブチャンネル層132sの少なくとも一部が凹んだ空間内に配置される。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、バリア層136を貫通してサブチャンネル層132sの側面と接する。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、サブドリフト領域(DTRs)と電気的に接続される。
ただし、これに限定されるものではなく、サブチャンネル層132sが凹んでなくてもよく、サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)がサブチャンネル層132sの上部面の上に配置することもできる。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、保護層140の上部面の少なくとも一部を覆うが、これに限定されない。
また、サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、保護層140の側面の少なくとも一部を覆う。
例えば、サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、保護層140の側面を覆う。
サブドレイン電極175sの上部面及び感知電極(SE)の上部面は、保護層140の上部面より突出する。
【0080】
一実施形態で、感知電極(SE)の幅は、サブチャンネル層132sの幅と実質的に同じである。
例えば、図4に示すように、感知電極(SE)の第1方向(X方向)に沿った幅は、サブチャンネル層132sの第1方向(X方向)に沿った幅と実質的に同じである。
ただし、これに限定されるものではなく、例えば、感知電極(SE)の第1方向(X方向)に沿った幅は、サブチャンネル層132sの第1方向(X方向)に沿った幅より大きくてもよい。
この場合、感知電極(SE)は、分離構造物160と第3方向(Z方向)に重畳することもできるが、これに限定されない。
他の例として、感知電極(SE)の第1方向(X方向)に沿った幅は、サブチャンネル層132sの第1方向(X方向)に沿った幅より小さくてもよい。
【0081】
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、伝導性物質を含む。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、同一物質を含むむ。
また、サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと同一物質を含む。
サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)は、サブドレイン電極175s、サブソース電極173s、メインソース電極173m、及びメインドレイン電極175mと同じ工程によって形成される。
【0082】
例えば、感知電極(SE)は、金属、金属合金、導電性金属硝酸塩、金属シリサイド、ドーピングされた半導体物質、導電性金属酸化物、又は導電性金属窒酸化物などを含み得る。
例えば、感知電極(SE)は、チタン硝酸塩(TiN)、タンタル炭化物(TaC)、タンタル硝酸塩(TaN)、チタンシリコン硝酸塩(TiSiN)、タンタルシリコン硝酸塩(TaSiN)、タンタルチタン硝酸塩(TaTiN)、チタンアルミニウム硝酸塩(TiAlN)、タンタルアルミニウム硝酸塩(TaAlN)、タングステン硝酸塩(WN)、ルテニウム(Ru)、チタンアルミニウム(TiAl)、チタンアルミニウム炭化硝酸塩(TiAlC-N)、チタンアルミニウム炭化物(TiAlC)、チタン炭化物(TiC)、タンタル炭化硝酸塩(TaCN)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル白金(Ni-Pt)、ニオビウム(Nb)、ニオビウム硝酸塩(NbN)、ニオビウム炭化物(NbC)、モリブデン(Mo)、モリブデン硝酸塩(MoN)、モリブデン炭化物(MoC)、タングステン炭化物(WC)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに限定されない。
感知電極(SE)は、単層又は多層で構成され得る。
感知電極(SE)は、サブチャンネル層132sにオーミック接触(ohmiccontact)する。
サブチャンネル層132s内で感知電極(SE)と接触する領域は、他の領域に比べて相対的に高濃度にドーピングされるが、これに限定されない。
【0083】
サブソース電極173sは、サブチャンネル層132sの他側に配置される。
サブソース電極173sは、サブチャンネル層132sと離隔して配置される。
例えば、図4に示すように、サブソース電極173sは、サブチャンネル層132sと第1方向(X方向)に離隔して配置される。
サブソース電極173sは、サブチャンネル層132sと電気的に絶縁される。
一例として、サブソース電極173sとサブチャンネル層132sとの間は、分離構造物160によって互いに分離される。
サブソース電極173sは、メインソース電極173mの一端から第2方向(Y方向)に延長される。
サブソース電極173sは、周辺回路領域(PA)に位置するソース電極173の部分を意味する。
一実施形態で、サブソース電極173sは、サブドレイン電極175s及び感知電極(SE)と同一物質を含む。
また、サブソース電極173sは、メインソース電極173mと同一物質を含む。
サブソース電極173sは、メインソース電極173m、サブドレイン電極175s、及び感知電極(SE)と同じ工程で一体に形成され得る。
【0084】
一実施形態で、周辺回路素子300は、分離構造物160によりメイントランジスタ100と分離される。
即ち、周辺回路素子300とメイントランジスタ100との間には、分離構造物が配置される。
分離構造物160は、バリア層136を貫通してサブチャンネル層132sの少なくとも一部を凹むようにするが、これに限定されない。
これにより、周辺回路素子300のサブドリフト領域(DTRs)は、メイントランジスタ100と電気的に絶縁される。
ただし、これに限定されるものではなく、他の例として、分離構造物160は、バリア層136及びサブチャンネル層132sを貫通することもできる。
また他の例として、サブチャンネル層132s及び/又はメインチャンネル層132mの少なくとも一部を貫通するトレンチによって、周辺回路素子300とメイントランジスタ100を分離することもできる。
一実施形態で、分離構造物160は、感知電極(SE)と接する。
例えば、図7に示すように、分離構造物160は、感知電極(SE)の一側面と接する。
ただし、これに限定されるものではなく、他の例として、図8に示すように、感知電極(SE)の一側面と分離構造物160との間にバリア層136をさらに配置することもできる。
【0085】
一実施形態で、分離構造物160は、メインチャンネル層132及びサブチャンネル層132sの上にバリア層136を形成し、メイントランジスタ100と周辺回路素子300との間に配置されるバリア層136内にイオンインプラント工程を行って形成される。
例えば、バリア層136でイオンインプラント工程が行われた領域と第3方向(Z方向)にオーバーラップされるサブチャンネル層132sの領域には、2次元電子ガスがないか、ほとんど形成されない場合がある。
この時、バリア層136のイオンインプラント領域とそれに対応するサブチャンネル層132s領域が分離構造物160に相当する。
他の例として、サブチャンネル層132sにイオンインプラント工程を行い、分離構造物160を形成することもできる。
サブチャンネル層132sでイオンインプラントされた領域が分離構造物160に相当する。
イオンインプラント工程に使用される物質は、アルゴン(Ar)イオンであり得る。
ただし、これに限定されるものではなく、分離構造物160は、メインチャンネル層132及びサブチャンネル層132sの上にバリア層136を形成し、バリア層136を貫通するトレンチを形成した後に、トレンチ内に絶縁物質を満たして形成することもできる。
【0086】
分離構造物160を構成する絶縁物質は、保護層140と同一物質を含む。
例えば、分離構造物160を構成する絶縁物質は、SiOやAlなどの酸化物を含み得る。
他の例として、分離構造物160を構成する絶縁物質は、SiNのような硝酸塩やSiONのような酸硝酸塩を含み得る。
ただし、これに限定されるものではなく、分離構造物160を構成する絶縁物質は、保護層140と異なる物質を含むこともできる。
この時、メインチャンネル層132及び/又はサブチャンネル層132sの少なくとも一部が共に凹んでいる。
【0087】
本発明の実施形態による半導体素子は、ツェナーユニット400及び感知部500を含む。
ツェナーユニット400及び感知部500は、メイン素子領域(MA)及び周辺回路領域(PA)の外部に配置される。
ツェナーユニット400及び感知部500は、メイントランジスタ100及び周辺回路素子300と別途に形成され、メイン素子領域(MA)及び周辺回路領域(PA)の外部に配置されるが、これに限定されない。
例えば、ツェナーユニット400は、メイントランジスタ100及び周辺回路素子300と同じ工程で一体に形成することもできる。
【0088】
一実施形態で、ツェナーユニット400は、ツェナーダイオード(図2の410)を含む。
ツェナーダイオード410は、P-N接合構造を有するダイオードを含む。
ツェナーダイオード410は、半導体物質を含む。
例えば、ツェナーダイオード410は、シリコン(Si)を含むが、これに限定されるものではなく、サブチャンネル層132sと同一物質を含むこともできる。
以下、例として、ツェナーユニット400がツェナーダイオード410を含む場合について説明する。
【0089】
ツェナーダイオード410は、抵抗素子310とメイントランジスタ100との間に電気的に接続される。
例えば、ツェナーダイオード410は、感知電極(SE)とサブソース電極173sとの間に電気的に接続される。
これにより、ツェナーダイオード410は、サブソース電極173sを介してメインソース電極173mと電気的に接続される。
一例として、ツェナーダイオード410のアノード(図2の411)は、サブソース電極173sを介してメインソース電極173mと電気的に接続され、ツェナーダイオード410のカソード(図2の411)は、感知電極(SE)と電気的に接続される。
感知部500は、感知電極(SE)に電気的に接続される。
感知部500は、感知電極(SE)の電圧を感知してメイントランジスタ100の一端の電圧の変化を検出する。
一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、抵抗素子310を含み、ツェナーユニット400は、ツェナーダイオード410を含む。
一実施形態による感知部500は、ツェナーダイオード410によってクリッピングされた感知電極(SE)の電圧を感知し、これにより、メイントランジスタ100の一端の電圧の変化を検出する。
【0090】
以下、図9図12を参照して、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子について説明する。
図9は、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗ユニットを示す回路図であり、図10は、図9の実施形態による半導体素子を示す平面図であり、図11は、図10のD-D’線に沿って切断した断面図であり、図12は、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す、図10のD-D’線に対応する断面図である。
【0091】
図10図12の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図2の実施形態の抵抗素子310に対応する。
一実施形態による抵抗素子310は、図9の実施形態の複数の抵抗ユニット(310_U)を含む。
以下、一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300が複数の抵抗ユニット(310_U)を含む抵抗素子310である場合について説明する。
また、説明の便宜のため、図9では一つの抵抗ユニット(310_U)を示した。
図9図12は、図1図8に示した実施形態による半導体素子の様々な変形例を示している。
図9図12に示す実施形態は、図1図8に示した実施形態と同じ部分が相当するので、これに対する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
また、先の実施形態と同じ構成要素については、同一の図面符号を使用する。
【0092】
まず、図9を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子310は、複数の抵抗ユニット(310_U)を含む。
複数の抵抗ユニット(310_U)のそれぞれは、サブドリフト領域(図11のDTRs_U)の抵抗312、第1コンタクト抵抗311、及び第2コンタクト抵抗313を含む。
第1ノード(N1)と第3ノード(N3)との間で、サブドリフト領域(図11のDTRs_U)の抵抗312、第1コンタクト抵抗311、及び第2コンタクト抵抗313は、直列に接続される。
一実施形態で、第1コンタクト抵抗311は、第1コンタクト電極(CT1)とサブチャンネル層132sとの間の第1コンタクト界面(CI1)の抵抗を意味し、第2コンタクト抵抗313は、第2コンタクト電極(CT2)とサブチャンネル層132sとの間の第2コンタクト界面(CI2)の抵抗を意味する。
【0093】
一実施形態で、複数の抵抗ユニット(310_U)のそれぞれの抵抗値は、温度に関係なく、一定の値を有する。
即ち、複数の抵抗ユニット(310_U)のそれぞれの温度抵抗係数(TCR)は、約“0”である。
ただし、これに限定されるものではなく、複数の抵抗ユニット(310_U)のそれぞれの抵抗値は、温度が増加することによって増加するか減少し、複数の抵抗ユニット(310_U)の抵抗値の総合が温度に関係なく、一定の値を有することもできる。
他の例として、複数の抵抗ユニット(310_U)のそれぞれの抵抗値は、温度が増加することによって増加するか減少することもできる。
【0094】
続いて、図10及び図11をさらに参照すると、一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、複数の抵抗ユニット(310_U)を含む。
複数の抵抗ユニット(310_U)のそれぞれは、サブチャンネル層132s、第1コンタクト電極(CT1)、及び第2コンタクト電極(CT2)を含む。
サブチャンネル層132sは、第1コンタクト電極(CT1)と第2コンタクト電極(CT2)との間に配置される。
サブチャンネル層132sは、第2方向(Y方向)に延長されるが、これに限定されない。
一実施形態で、サブチャンネル層132sは、サブドリフト領域(DTRs_U)を含む。
サブドリフト領域(DTRs_U)は、所定の抵抗値を有する素子に機能する。
即ち、第1コンタクト電極(CT1)から第2コンタクト電極(CT2)までのサブチャンネル層132sの領域は、所定の抵抗値を有する。
【0095】
この時、サブドリフト領域(DTRs_U)の抵抗(図9の312)は、温度により異なる値を有する。
例えば、サブドリフト領域(DTRs_U)の抵抗(図9の312)は、温度が増加することによって大きくなる。
即ち、サブドリフト領域(DTRs_U)の抵抗(図9の312)は、正の符号の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)を有する。
例えば、サブドリフト領域(DTRs_U)の温度抵抗係数は、約5(Ω/μm℃)~約15(Ω/μm℃)である。
これにより、サブドリフト領域(DTRs_U)の抵抗(図9の312)は、温度が増加することによって大きくなる。
【0096】
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、サブチャンネル層132sの両側に配置される。
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、サブチャンネル層132sと接し、サブチャンネル層132sと電気的に接続される。
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、サブドリフト領域(DTRs_U)の外側に配置される。
第1コンタクト電極(CT1)とサブチャンネル層132sとの間の境界面は、サブドリフト領域(DTRs_U)の一側端である。
同様に、第2コンタクト電極(CT2)とサブチャンネル層132sとの間の境界面がサブドリフト領域(DTRs_U)の他側の端である。
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、サブチャンネル層132sの少なくとも一部が凹んだ空間内に配置される。
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、バリア層136を貫通してサブチャンネル層132sの側面と接する。
【0097】
一実施形態で、第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、バリア層136と接する。
例えば、互いに向き合う第1コンタクト電極(CT1)の一側面及び第2コンタクト電極(CT2)の一側面は、バリア層136と接する。
また、第1コンタクト電極(CT1)の一側面と対向する他側面及び第2コンタクト電極(CT2)の一側面と対向する他側面は、分離構造物160と接するが、これに限定されない。
他の例として、図12に示すように、第1コンタクト電極(CT1)の一側面と対向する他側面及び第2コンタクト電極(CT2)の一側面と対向する他側面は、バリア層136と接することもできる。
この場合、分離構造物160とコンタクト電極(CT1、CT2)との間にバリア層136がさらに配置される。
【0098】
一実施形態で、第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、サブチャンネル層132sにオーミック接触する。
この時、第1コンタクト電極(CT1)とサブチャンネル層132sとの間の第1コンタクト界面(CI1)及び第2コンタクト電極(CT2)とサブチャンネル層132sとの間の第2コンタクト界面(CI2)は、抵抗成分を有する。
具体的には、2次元電子ガス134を通過したキャリアがサブチャンネル層132sの少なくとも一部、即ち、2次元電子ガス134の上部を通過して感知電極(SE)に伝達される過程で、第1コンタクト電極(CT1)とサブチャンネル層132sとの間の第1コンタクト界面(CI1)及び第2コンタクト電極(CT2)とサブチャンネル層132sとの間の第2コンタクト界面(CI2)は、所定の抵抗値を有する。
以下、説明の便宜のため、第1コンタクト電極(CT1)とサブチャンネル層132sとの間の第1コンタクト界面(CI1)の抵抗は、第1コンタクト抵抗311に対応し、第2コンタクト電極(CT2)とサブチャンネル層132sとの間の第2コンタクト界面(CI2)の抵抗は、第2コンタクト抵抗313に対応する。
【0099】
一実施形態で、第1コンタクト抵抗311及び第2コンタクト抵抗313は、温度により異なる値を有する。
例えば、第1コンタクト抵抗311及び第2コンタクト抵抗313は、温度が増加することに応じて減少する。
即ち、第1コンタクト抵抗311及び第2コンタクト抵抗313は、負の符号の温度抵抗係数(TCR)を有する。
例えば、第1コンタクト抵抗311及び第2コンタクト抵抗313の温度抵抗係数(TCR)は、約-20(Ω/℃)~約-10(Ω/℃)である。
一実施形態で、これにより、第1コンタクト抵抗311及び第2コンタクト抵抗313の温度抵抗係数(TCR)は、サブドリフト領域(DTRs_U)の温度抵抗係数より大きいが、これに限定されない。
【0100】
一実施形態で、第1コンタクト抵抗311、第2コンタクト抵抗313、及びサブドリフト領域(DTRs_U)の抵抗312の合計は、温度に関係なく一定の値を有する。
この時、サブドリフト領域(DTRs_U)の延長の長さは、1μm~10μmであり、好ましくは、3μm~4μmである。
ただし、これに限定されるものではなく、第1コンタクト抵抗311、第2コンタクト抵抗313、及びサブドリフト領域(DTRs_U)の抵抗312の合計は、温度が増加することによって増加するか減少し得る。
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、感知電極(SE)と同じ工程で同時に形成される。
第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、感知電極(SE)と同一層に配置される。
また、第1コンタクト電極(CT1)及び第2コンタクト電極(CT2)は、感知電極(SE)と同一物質を含む。
【0101】
以下、図13図21を参照して、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子について説明する。
図13は、本発明の実施形態による半導体素子を示す回路図であり、図14は、図13の実施形態による半導体素子のゲート電圧、第1電源電圧、及び感知電圧を示したタイミング図面であり、図15は、図13の実施形態による半導体素子を示す平面図であり、図16は、図15のE-E’線に沿って切断した断面図であり、図17及び図18は、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す、図15のE-E’線に対応する断面図であり、図19は、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図であり、図20は、図18のF-F’線に沿って切断した断面図であり、図21は、本発明の実施形態による半導体素子を示す平面図である。
図13図21の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図13の実施形態のダイオード素子320に対応する。
また、図13図21の実施形態による半導体素子のツェナーユニット400は、図13の実施形態のツェナーダイオード410に対応する。
以下、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300がダイオード素子320を含み、ツェナーユニット400がツェナーダイオード410を含む場合について説明する。
【0102】
図13図21は、図1図8に示した本発明の実施形態による半導体素子の様々な変形例を示している。
図13図21に示した実施形態は、図1図8に示した実施形態と同じ部分が相当するので、これに対する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
また、先の実施形態と同じ構成要素については同一図面符号を使用する。
まず、図13を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、ダイオード素子320を含む。
また、本発明の実施形態による半導体素子は、ダイオード素子320及びツェナーダイオード410と電気的に接続される感知抵抗素子420を含む。
【0103】
ダイオード素子320は、メイントランジスタ100の第1電極(D)と電気的に接続される。
また、ダイオード素子320は、ツェナーダイオード410及び感知部500と電気的に接続される。
具体的にみると、ダイオード素子320のカソード321は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100の一端と接続される。
例えば、ダイオード素子320のカソード321は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100の第1電極(D)と電気的に接続される。
即ち、一実施形態で、ダイオード素子320のカソード321は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100のメインドレイン電極(図15の175m)と電気的に接続される。
また、ダイオード素子320のカソード321は、第1ノード(N1)を介して第1電源電圧(VD)を有する第1電源に接続される。
これにより、ダイオード素子320のカソード321に第1電源電圧(VD)を供給される。
ダイオード素子320のアノード322は、第3ノード(N3)を介してツェナーダイオード410及び感知部500と電気的に接続される。
一実施形態で、ダイオード素子320のカソード321は、サブドレイン電極(図15の175s)に対応し、ダイオード素子320のアノード322は、上部電極(図15のCT)に対応する。
また、第3ノード(N3)は、感知電極(図15のSE)に対応する点である。
【0104】
一実施形態で、ダイオード素子320は、閾値電圧(VOth)より大きい順方向電圧では電流が流れるが、逆方向電圧では電流が流れない場合がある。
ここで、順方向は、ダイオード素子320のアノード322からカソード321に向かう方向を意味し、逆方向は、ダイオード素子320のカソード321からアノード322に向かう方向を意味する。
即ち、ダイオード素子320のアノード322に印加された電圧の大きさが、カソード321に印加された電圧の大きさと閾値電圧(VOth)の大きさの合計より大きい場合、ダイオード素子320に電流が流れる。
【0105】
一実施形態によれば、ダイオード素子320のアノード322に感知電圧(Va)が印加され、ダイオード素子320のカソード321に第1電源電圧(V)を印加される。
したがって、感知電圧(Va)の大きさから閾値電圧(VOth)の大きさを引いた値(Va-VOth、以下、「基準値」と称す)が第1電源電圧(V)より大きい場合(Va-VOth>V)、電流が第3経路(C3)に沿って流れる。
また、基準値が第1電源電圧(V)より小さい場合(Va-VOth<V)、ダイオード素子320に電流が流れない場合がある。
この時、ダイオード素子320の閾値電圧(VOth)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きいが、これに限定されない。
例えば、ダイオード素子320の閾値電圧(VOth)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より小さい。
このような特性により、ダイオード素子320は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)をクリッピング(Clipping)する役割を果たすことができる。
これに関する説明は、図14を参照して説明する。
【0106】
感知抵抗素子420は、ダイオード素子320と電気的に接続される。
感知抵抗素子420の一端は、第3ノード(N3)を介してダイオード素子320のアノード322と電気的に接続される。
また、感知抵抗素子420の一端は、第3ノード(N3)を介して感知部500及びツェナーダイオード410のカソード411と電気的に接続される。
感知抵抗素子420の他端は、第3電源電圧(VDC)を供給する第3電源と電気的に接続される。
第3電源電圧(VDC)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きい。
一実施形態で、感知部500は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)を感知する。
感知部500は、感知電圧(Va)に基づいてメイントランジスタ100の一端での電圧の変化を検出する。
一例として、感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて、第1電源電圧(V)の大きさが第3ノード(N3)の感知電圧(Va)とダイオード素子320の閾値電圧(VOth)の差より小さい区間を検出する。
他の例として、感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて第1電源電圧(V)の変化を検出し、メイントランジスタ100がターンオンする区間を算出することもできる。
【0107】
図14をさらに参照してみると、第1区間(T1)及び第2区間(T2)で第1電源電圧(V)の大きさは基準値(Va-VOth)より大きい。
これはダイオード素子320に逆方向電圧が印加される場合であって、ダイオード素子320に電流が流れない場合がある。
即ち、電流は第3経路(C3)に沿って流れない場合がある。
一方、第3電源電圧(VDC)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きく、これにより、感知電圧(Va)の大きさは、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きい。
これは、ツェナーダイオード410に降伏電圧(VZth)より大きい逆方向電圧が印加される場合であって、ツェナーダイオード410に電流が流れる。
即ち、電流は、第4経路(C4)に沿って流れる。
これにより、第1区間(T1)及び第2区間(T2)で、感知電圧(Va)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)と実質的に同じである。
【0108】
また、第3区間(T3)で第1電源電圧(V)の大きさは、基準値(Va-VOth)より小さい。
これは、ダイオード素子320に順方向電圧が印加される場合であり、ダイオード素子320に電流が流れる。
即ち、電流は第3経路(C3)に沿って流れる。
即ち、電流は、第3電源電圧(VDC)から感知抵抗素子420を介して第3ノード(N3)を通過し、ダイオード素子320を介して第1ノード(N1)を通過する。
これにより、感知抵抗素子420で電圧が降下し、感知電圧(Va)が減少する。
したがって、感知電圧(Va)が減少するにつれて、感知電圧(Va)の大きさは、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より小さくなる可能性がある。
これは、ツェナーダイオード410に降伏電圧(VZth)より小さい逆方向電圧が印加される場合であり、ツェナーダイオード410に電流が流れない場合がある。
これにより、第3区間(T3)で、感知電圧(Va)は、第1電源電圧(V)が変動するプロファイルと類似に変動する。
【0109】
また、第4区間(T4)及び第5区間(T5)で第1電源電圧(V)の大きさは、基準値(Va-VOth)より大きい。
これは、ダイオード素子320に逆方向電圧が印加される場合であり、ダイオード素子320に電流が流れない場合がある。
また、ツェナーダイオード410に電流が流れる。
一方、第4区間(T4)の開始点は、ダイオード素子320がターンオフする点である。
即ち、電流が第3経路(C3)に沿って流れ、第1電源電圧(V)が増加することにつれて、第4区間(T4)の開始点でダイオード素子320がターンオフする。
この時、ダイオード素子320の両端にピーク電圧(V)が発生する可能性がある。
即ち、第3ノード(N3)にピーク電圧(V)が供給される可能性がある。
ここで、ピーク電圧(V)は、リンギング(ringing)現象による過渡電圧を意味する。
【0110】
一実施形態で、第3ノード(N3)にピーク電圧(V)が供給される場合にも、ピーク電圧(V)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きいため、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)は、ツェナーダイオード410によって一定の大きさ(例えば、降伏電圧(VZth)の大きさ)に維持する。
まとめると、第1電源電圧(V)の大きさと、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)とダイオード素子320の閾値電圧(VOth)との差の大小に応じて、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)の大きさが変動する。
一実施形態による感知部500は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)を感知し、予め設定された第1電源電圧(VD)の範囲を外れる場合を検出する。
即ち、一実施形態による感知部500は、半導体素子のメイントランジスタ100の一端に印加される電圧が所定の範囲を外れることを検出することができる。
【0111】
次に、図15図19を参照して、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300を説明する。
本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図13のダイオード素子320に対応する。
以下、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300がダイオード素子320である場合について説明する。
図15図19を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、メインドレイン電極175mと接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層132s、サブチャンネル層132sの上に配置されるバリア層136、バリア層136の上に配置されるサブゲート電極185、及びサブチャンネル層132sの上に互いに離隔されて配置される感知電極(SE)及びサブドレイン電極175sを含む。
【0112】
サブチャンネル層132sは、第1方向(X方向)に延長される。
例えば、図15に示すように、サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sの一側から第1方向(X方向)に延長される。
ただし、これは例示的なものであり、サブチャンネル層132sは、第1方向(X方向)と交差する方向に延長される部分をさらに含んでもよく、複数の折曲部を含むこともできる。
一実施形態で、サブチャンネル層132sの一端は、サブドレイン電極175sと接する。
サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sを介してメインドレイン電極175mと電気的に接続される。
【0113】
サブゲート電極185は、バリア層136の上に配置される。
サブゲート電極185は、バリア層136の一部領域と垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳する。
サブゲート電極185は、サブチャンネル層132sのサブドリフト領域(DTRs)の一部と垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳する。
サブゲート電極185は、感知電極(SE)とサブドレイン電極175sとの間に配置される。
サブゲート電極185は、感知電極(SE)及びサブドレイン電極175sと離隔する。
例えば、サブゲート電極185は、サブドレイン電極175sより感知電極(SE)にさらに近く配置される。
即ち、サブゲート電極185と感知電極(SE)との間の離隔距離が、サブゲート電極185とサブドレイン電極175sとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されない。
【0114】
サブゲート電極185は、伝導性物質を含む。
サブゲート電極185は、メインゲート電極155と同一物質を含む。
一実施形態で、サブゲート電極185は、メインゲート電極155と同じ工程で同時に形成され得る。
サブゲート電極185は、メインゲート電極155と同一層に配置される。
即ち、サブゲート電極185は、サブゲート半導体層182の上に配置され、メインゲート電極155は、ゲート半導体層152の上に配置される。
この時、サブゲート電極185の下部面は、メインゲート電極155の下部面と実質的に同じレベルに位置する。
サブゲート電極185の第3方向(Z方向)に沿った厚さは、メインゲート電極155の第3方向(Z方向)に沿った厚さと実質的に同じである。
【0115】
ただし、これに限定されるものではなく、サブゲート電極185は、メインゲート電極155と異なる層に配置することもできる。
例えば、図17に示すように、サブゲート電極185は、バリア層136の上部面直上に配置される。
即ち、サブゲート電極185とバリア層136との間にサブゲート半導体層182を配置することができない場合もある。
サブゲート電極185は、バリア層136の上部面と接する。
他の例として、図18に示すように、サブゲート電極185は、感知電極(SE)と同じ工程で一体に形成され得る。
サブゲート電極185は、感知電極(SE)と同一物質を含むが、これに限定されるものではなく、サブゲート電極185は、感知電極(SE)と異なる物質を含むこともできる。
この時、サブゲート電極185は、バリア層136の上部面直上に配置されるが、これに限定されるものではなく、バリア層136の上部面の上にサブゲート半導体層182をさらに配置し、サブゲート電極185がサブゲート半導体層182の上に配置することもできる。
【0116】
サブゲート半導体層182は、バリア層136とサブゲート電極185との間に配置される。
即ち、バリア層136の上にサブゲート半導体層182が配置され、サブゲート半導体層182の上にサブゲート電極185が配置される。
サブゲート電極185は、サブゲート半導体層182にショットキー接触(Schottky contact)又はオーミック接触(ohmic contact)する。
サブゲート半導体層182は、サブゲート電極185と垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳する。
【0117】
また、一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、接続部(CP)及び貫通ビア190をさらに含む。
接続部(CP)は、感知電極(SE)の一側から第1方向に沿って延長される。
接続部(CP)は、保護層140の上に配置される。
接続部(CP)は、保護層140の上部面を覆う。
接続部(CP)は、サブゲート電極185の少なくとも一部を覆う。
接続部(CP)は、サブチャンネル層132sと第3方向(Z方向)に重重畳するが、これに限定されない。
貫通ビア190は、保護層140を貫通してサブゲート電極185と接続される。
貫通ビア190は、接続部(CP)とサブゲート電極185との間を電気的に接続される。
一実施形態で、感知電極(SE)は、接続部(CP)及び貫通ビア190と一体に形成することができるが、これに限定されない。
例えば、感知電極(SE)は、接続部(CP)及び貫通ビア190と同じ工程で一体に形成することができる。
【0118】
一実施形態で、接続部(CP)は、様々な形状を有し得る。
例えば、図16に示すように、接続部(CP)は、第1方向(X方向)に延長される。
他の例として、図19に示すように、接続部(CP)は、第1方向(X方向)と交差する方向に延長される部分をさらに含むこともできる。
接続部(CP)は、感知電極(SE)と接する点で第2方向(Y方向)に延長する部分と第1方向(X方向)に延長する部分、及び貫通ビア190と接する点で第2方向(Y方向)に延長する部分を含み得る。
この時、接続部(CP)は、分離構造物160と第3方向(Z方向)に重畳することもできる。
また他の例として、接続部(CP)は、複数の折曲部を含んだり、折れ曲がった形状を有することもできる。
【0119】
これにより、感知電極(SE)は、接続部(CP)及び貫通ビア190を介してサブゲート電極185と電気的に接続される。
したがって、一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図13のダイオード素子320として機能する。
具体的には、感知電極(SE)、サブゲート電極185、接続部(CP)、及び貫通ビア190を含む上部電極(CT)は、図13のダイオード素子320のアノード322であり、サブドレイン電極175sは、図13の実施形態のダイオード素子320のカソード321である。
【0120】
図20及び図21を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の感知抵抗素子420は、周辺回路領域(PA)内に配置される。
一実施形態による半導体素子の感知抵抗素子420は、チャンネルパターン425、第1電極421、及び第2電極422を含む。
チャンネルパターン425は、第1方向(X方向)に延長される。
例えば、チャンネルパターン425は、サブチャンネル層132sと同じ方向に延長されるが、これに限定されない。
チャンネルパターン425は、チャンネルパターン425に対する残りの説明は、サブチャンネル層132sに対する説明と実質的に同じであるため、省略する。
一実施形態で、バリア層136は、チャンネルパターン425の上に延長される。
これにより、バリア層136と重畳するチャンネルパターン425の領域は、ドリフト領域とする。
【0121】
チャンネルパターン425は、第1電極421と第2電極422との間に第1ドリフト領域428を含む。
即ち、第1ドリフト領域428は、第2電極422と接するチャンネルパターン425の一側から第1電極421までのチャンネルパターン425の領域を意味する。
第1ドリフト領域428は、第1電極(SE)と第2電極422との間にバリア層136と重畳するチャンネルパターン425の領域を意味する。
例えば、第2電極422とチャンネルパターン425が接する境界が第1ドリフト領域428の一側の端であり、第1電極421とチャンネルパターン425が接する境界が第1ドリフト領域428の他側の端である。
即ち、第1ドリフト領域428は、第2電極422と接するチャンネルパターン425の一側と第1電極421との間にキャリアが移動する領域を意味する。
この時、第1ドリフト領域428は、抵抗成分を有する。
即ち、第1ドリフト領域428は、所定の抵抗値を有する感知抵抗素子(図13の420)として機能する。
即ち、第1電極421から第2電極422までのチャンネルパターン425の領域は、所定の抵抗値を有する。
【0122】
第1電極421及び第2電極422は、保護層140及びバリア層136を貫通し、チャンネルパターン425と接する。
一実施形態で、第1電極421は、感知電極(SE)と電気的に接続される。
第1電極421は、ツェナーユニット400及び感知部500と電気的に接続される。
第2電極422は、第3電源電圧(VDC)を供給する第3電源と電気的に接続される。
第1電極421及び第2電極422は、感知電極(SE)と同じ工程で同時に形成することができるが、これに限定されない。
図20及び図21の実施形態では、感知抵抗素子420が一実施形態による周辺回路領域(PA)内に配置されるものとして説明したが、これに限定されない。
例えば、感知抵抗素子420は、ツェナーユニット400内に配置することもできる。
又は、感知抵抗素子420は、感知部500内に配置することもできる。
【0123】
以下、図22図25を参照して、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子について説明する。
図22は、本発明の実施形態による半導体素子を示す回路図であり、図23は、図22の実施形態による半導体素子のゲート電圧、第1電源電圧、及び感知電圧を示したタイミング図面であり、図24は、図22の実施形態による半導体素子を示す平面図であり、図25は、図24のG-G’線に沿って切断した断面図である。
図22図25の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図22の実施形態のサブトランジスタ素子330に対応する。
また、図22図25の実施形態による半導体素子のツェナーユニット400は、図22の実施形態のツェナーダイオード410に対応する。
以下、一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300がサブトランジスタ素子330を含み、ツェナーユニット400がツェナーダイオード410を含む場合について説明する。
【0124】
図22図25は、図13図21に示したいくつかの実施形態による半導体素子の様々な変形例を示している。
図22図25に示した実施形態は、図13図21に示した実施形態と同じ部分が相当するので、これに対する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
また、先の実施形態と同じ構成要素については同一図面符号を使用する。
まず、図22を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、サブトランジスタ素子330を含む。
【0125】
サブトランジスタ素子330は、メイントランジスタ100の第1電極(D)と電気的に接続される。
また、サブトランジスタ素子330は、ツェナーダイオード410及び感知部500と電気的に接続される。
サブトランジスタ素子330は、ゲート電極(G1)、第1電極、及び第2電極を含む。
サブトランジスタ素子330は、ゲート電極(G1)に印加される信号によって第1電極と第2電極との間にドレイン-ソース間の電流を制御する。
サブトランジスタ素子330のゲート電極(G1)にサブゲート電圧(VG1)を供給する。
サブトランジスタ素子330の第1電極は、第1ノード(N1)を介してメイントランジスタ100の第1電極(D)と接続される。
また、サブトランジスタ素子330の第1電極は、第1ノード(N1)を介して第1電源電圧(VD)を有する第1電源に接続される。
これにより、サブトランジスタ素子330の第1電極に第1電源電圧(VD)を供給することができる。
【0126】
サブトランジスタ素子330の第2電極は、第3ノード(N3)を介してツェナーダイオード410及び感知部500と電気的に接続される。
一実施形態で、サブトランジスタ素子330の第1電極は、サブドレイン電極(図24の175s)に対応し、サブトランジスタ素子330のゲート電極(G1)は、サブゲート電極(図24の185)に対応する。
また、第3ノード(N3)は、感知電極(図24のSE)に対応する点であり得る。
一実施形態で、感知部500は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)を感知する。
感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて、メイントランジスタ100の一端での電圧の変化を検出する。
一例として、感知部500は、感知電圧(Va)に基づいて、第1電源電圧(V)の大きさがサブゲート電圧(VG1)とサブトランジスタ素子330の閾値電圧(Vth)の差より小さい区間を検出する。
【0127】
図23をさらに参照して見てみると、第1区間(T1)及び第2区間(T2)で第1電源電圧(V)の大きさは、サブゲート電圧(VG1)とサブトランジスタ素子330の閾値電圧(Vth)の差より大きい場合がある。
これは、サブトランジスタ素子330がターンオフする場合であり、サブトランジスタ素子330に電流が流れない場合がある。
この時、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)は、所定の大きさを有する。
また、第3区間(T3)で第1電源電圧(V)の大きさは、サブゲート電圧(VG1)とサブトランジスタ素子330の閾値電圧(Vth)の差より小さい。
これは、サブトランジスタ素子330がターンオンする場合であり、サブトランジスタ素子330に電流が流れる。
この時、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)がツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より小さい場合、電流がツェナーダイオード410に流れない場合がある。
これにより、第3区間(T3)で感知電圧(Va)は、第1電源電圧(V)が変動するプロファイルと同様に変動することができる。
ただし、これに限定されるものではなく、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)がツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きい場合もある。
この場合、電流は、第5経路(C5)に沿って流れ、これにより、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)の大きさは、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)と実質的に同じである。
【0128】
また、第4区間(T4)及び第5区間(T5)で、第1電源電圧(V)の大きさは、サブゲート電圧(VG1)とサブトランジスタ素子330の閾値電圧(Vth)の差より大きい場合がある。
この時、サブトランジスタ素子330に電流が流れない場合がある。
一方、第4区間(T4)の開始点は、サブトランジスタ素子330がターンオフされる点である。
即ち、第1電源電圧(V)が増加することにより、第4区間(T4)の開始点でサブトランジスタ素子330がターンオフする場合がある。
この時、サブトランジスタ素子330の両端に、ピーク電圧(V)が発生する。
即ち、第3ノード(N3)にピーク電圧(V)が供給される可能性がある。
ここで、ピーク電圧(V)は、リンギング(ringing)現象による過渡電圧を意味する。
一実施形態で、第3ノード(N3)にピーク電圧(VP)が供給される場合、ピーク電圧(V)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)より大きいため、電流は、第5経路(C5)に沿ってツェナーダイオード410に流れ、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)は、ツェナーダイオード410の降伏電圧(VZth)と実質的に同じになる。
即ち、第3ノード(N3)にピーク電圧(V)が供給される場合にも、ツェナーダイオード410によって第3ノード(N3)の感知電圧(Va)の大きさは一定に維持することができる。
【0129】
まとめると、第1電源電圧(V)の大きさと、サブゲート電圧(VG1)とサブトランジスタ素子330の閾値電圧(Vth)の差の大小に応じて、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)の大きさが変動する。
一実施形態による感知部500は、第3ノード(N3)の感知電圧(Va)を感知し、予め設定された第1電源電圧(V)の範囲を外れる場合を検出することができる。
即ち、本発明の一実施形態による感知部500は、半導体素子のメイントランジスタ100の一端に印加される電圧が所定の範囲を外れる場合を検出することができる。
【0130】
その後、図24及び図25を参照して、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300を説明する。
本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、図22のサブトランジスタ素子330に対応する。
以下、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300がサブトランジスタ素子330である場合について説明する。
図24及び図25を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、インドレイン電極175mと接続され、2次元電子ガスを有するドリフト領域を含むサブチャンネル層132s、サブチャンネル層132sの上に配置されるバリア層136、バリア層136の上に配置されるサブゲート電極185、及びサブチャンネル層132sの上に互いに離隔されている感知電極(SE)及びサブドレイン電極175sを含む。
【0131】
サブチャンネル層132sは、第1方向(X方向)に延長される。
例えば、図24に示すように、サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sの一側から第1方向(X方向)に延長される。
ただし、これは例示的なものであり、サブチャンネル層132sは、第1方向(X方向)と交差する方向に延長される部分をさらに含んだり、複数の折曲部を含むこともできる。
一実施形態で、サブチャンネル層132sの一端は、サブドレイン電極175sと接する。
サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sを介してメインドレイン電極175mと電気的に接続される。
サブゲート電極185は、バリア層136の上に配置される。
サブゲート電極185は、サブトランジスタ素子(図22の330)のゲート電極(図22のG1)に対応する。
サブゲート半導体層182は、バリア層136とサブゲート電極185との間に配置される。
サブゲート電極185及びサブゲート半導体層182に対する説明は、図13図21の実施形態のサブゲート電極185及びサブゲート半導体層182に対する説明と実質的に同じであるため、省略する。
一実施形態で、感知電極(SE)は、サブトランジスタ素子(図22の330)の第2電極に対応し、サブドレイン電極175sは、サブトランジスタ素子(図22の330)の第2電極に対応する。
【0132】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0133】
100 メイントランジスタ
110 基板
120 バッファー層
121 シード層
124 超格子層
126 高抵抗層
132 チャンネル層
132m メインチャンネル層
132s サブチャンネル層
134 2次元電子ガス
136 バリア層
140 保護層
152 ゲート半導体層
155 メインゲート電極
160 分離構造物
173 ソース電極
173m メインソース電極
173s サブソース電極
175 ドレイン電極
175m メインドレイン電極
175s サブドレイン電極
300 周辺回路素子
310 抵抗素子
320 ダイオード素子
330 サブトランジスタ素子
400 ツェナーユニット
410 ツェナーダイオード
411 カソード
412 アノード
500 感知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25