(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014200
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】トナー容器および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20250123BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G03G15/08 348B
G03G15/08 349
G03G21/16 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116533
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡部 円
(72)【発明者】
【氏名】谷本 順一
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA09
2H077AA12
2H077AA18
2H077AA34
2H077AA35
2H077AB02
2H077AB03
2H077AB12
2H077AB13
2H077AC02
2H077BA02
2H077BA08
2H077BA09
2H171FA03
2H171FA14
2H171GA29
2H171JA07
2H171JA17
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA30
2H171JA40
2H171JA45
2H171JA52
2H171JA59
2H171KA08
2H171KA11
2H171KA16
2H171KA27
2H171LA03
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB36
2H171QB38
2H171QB52
2H171QC03
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
(57)【要約】
【課題】画像形成装置への着脱時のトナーの漏出の低減が図られたトナー容器を提供する。
【解決手段】トナー装置100は、第1収容室V1を規定する第1収容部110、第2収容室V2を規定しかつ画像形成装置にトナーを補給する補給口122が設けられた第2収容部120、固定機構、連通機構、開閉機構および連動機構を備える。固定機構は、トナー容器100が画像形成装置に固定された固定状態と固定されない解除状態とに、連通機構は、第1収容室V1と第2収容室V2とが連通した連通状態と連通しない遮断状態とに切り換え可能に構成される。開閉機構は、補給口122を開状態と閉状態とに切り換える。連動機構は、固定状態から解除状態への固定機構の切り換えに連動して連通機構を連通状態から遮断状態へ切り換える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対して着脱可能なトナー容器であって、
トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、
前記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、
前記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、前記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構と、
前記第1収容室および前記第2収容室が連通した連通状態と、前記第1収容室および前記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構と、
前記補給口を開状態と閉状態とに切り換える開閉機構と、
前記固定状態から前記解除状態への前記固定機構の切り換えに連動して、前記連通機構を前記連通状態から前記遮断状態へ切り換える連動機構とを備えた、トナー容器。
【請求項2】
前記第1収容室および前記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第1連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、前記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
前記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
前記隔壁は、前記周壁の一部を規定し、
前記隔壁には、開口が設けられ、
前記筒状部は、前記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
前記回転体が、前記固定機構、前記連通機構および前記連動機構を構成し、前記第1位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで前記固定状態が実現されるとともに、前記第1連通孔が前記開口に面することで前記連通状態が実現され、かつ、前記第2位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで前記解除状態が実現されるとともに、前記筒状部が前記開口に面することで前記遮断状態が実現される、請求項1に記載のトナー容器。
【請求項3】
画像形成装置に対して着脱可能なトナー容器であって、
トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、
前記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、
前記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、前記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構と、
前記第1収容室および前記第2収容室が連通した連通状態と、前記第1収容室および前記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構と、
前記補給口を開状態と閉状態とに切り換える開閉機構と、
前記固定状態から前記解除状態への前記固定機構の切り換えに連動して、前記開閉機構による前記開状態から前記閉状態への切り換えを実行する連動機構とを備えた、トナー容器。
【請求項4】
前記第1収容室および前記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第2連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、前記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
前記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
前記隔壁は、前記周壁の一部を規定し、
前記補給口は、前記周壁に設けられ、
前記筒状部は、前記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
前記回転体が、前記固定機構、前記開閉機構および前記連動機構を構成し、前記第1位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで前記固定状態が実現されるとともに、前記第2連通孔が前記補給口に面することで前記開状態が実現され、かつ、前記第2位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで前記解除状態が実現されるとともに、前記筒状部が前記補給口に面することで前記閉状態が実現される、請求項3に記載のトナー容器。
【請求項5】
画像形成装置に対して着脱可能なトナー容器であって、
トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、
前記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、
前記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、前記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構と、
前記第1収容室および前記第2収容室が連通した連通状態と、前記第1収容室および前記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構と、
前記補給口を開状態と閉状態とに切り換える開閉機構と、
前記固定状態から前記解除状態への前記固定機構の切り換えに連動して、前記連通状態から前記遮断状態への前記連通機構の切り換え、および、前記開状態から前記閉状態への前記開閉機構による切り換えを実行する連動機構とを備えた、トナー容器。
【請求項6】
前記第1収容室および前記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第1連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、前記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
前記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
前記隔壁は、前記周壁の一部を規定し、
前記隔壁には、開口が設けられ、
前記筒状部は、前記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
前記回転体が、前記固定機構、前記連通機構および前記連動機構を構成し、前記第1位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで前記固定状態が実現されるとともに、前記第1連通孔が前記開口に面することで前記連通状態が実現され、かつ、前記第2位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで前記解除状態が実現されるとともに、前記筒状部が前記開口に面することで前記遮断状態が実現される、請求項5に記載のトナー容器。
【請求項7】
前記第1収容室および前記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第2連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、前記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
前記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
前記隔壁は、前記周壁の一部を規定し、
前記補給口は、前記周壁に設けられ、
前記筒状部は、前記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
前記回転体が、前記固定機構、前記開閉機構および前記連動機構を構成し、前記第1位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで前記固定状態が実現されるとともに、前記第2連通孔が前記補給口に面することで前記開状態が実現され、かつ、前記第2位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで前記解除状態が実現されるとともに、前記筒状部が前記補給口に面することで前記閉状態が実現される、請求項5に記載のトナー容器。
【請求項8】
前記第1収容室および前記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第1連通孔および第2連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、前記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
前記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
前記隔壁は、前記周壁の一部を規定し、
前記隔壁には、開口が設けられ、
前記補給口は、前記周壁に設けられ、
前記筒状部は、前記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
前記回転体が、前記固定機構、前記連通機構、前記開閉機構および前記連動機構を構成し、前記第1位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで前記固定状態が実現されるとともに、前記第1連通孔が前記開口に面することで前記連通状態が実現され、かつ、前記第2連通孔が前記補給口に面することで前記開状態が実現され、さらに、前記第2位置に前記回転体が配置された状態において、前記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで前記解除状態が実現されるとともに、前記筒状部が前記開口および前記補給口の双方に面することで前記遮断状態および前記閉状態が実現される、請求項5に記載のトナー容器。
【請求項9】
前記固定状態および前記解除状態の切り換えを操作する操作機構をさらに備え、
前記回転体が、前記筒状部から突設されたレバー部をさらに有し、
前記レバー部が、前記操作機構を構成している、請求項2、4、6、7および8のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項10】
前記第2収容室の内部に、前記第1収容室から前記第2収容室に供給されたトナーを前記補給口に向けて搬送するトナー搬送装置をさらに備えた、請求項1、3および5のいずれかに記載のトナー容器。
【請求項11】
請求項1から8のいずれかに記載のトナー容器と、
画像形成部とを備えた、画像形成装置。
【請求項12】
前記固定機構の状態を検知する検知部と、
前記画像形成部による記録媒体への画像形成を制御する制御部とをさらに備え、
前記制御部が、前記検知部によって検知された検知情報に基づいて、前記固定機構が前記固定状態であると判断した場合に、前記画像形成部による記録媒体への画像形成を実行させる、請求項11に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナー容器、および、当該トナー容器を備えてなる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置においては、この画像形成装置に対して着脱可能に構成されたトナー容器から供給されるトナーを利用して、記録媒体に画像形成が行なわれる。トナー容器内のトナーが使い尽くされた場合には、当該トナー容器が画像形成装置から脱着されて新たなトナー容器と交換される。
【0003】
このようなトナー容器の一例として、特開2019-74719号公報(特許文献1)および特開2019-74720号公報(特許文献2)には、トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、第1収容室および第2収容室を連通状態と遮断状態とに切り換え可能に構成された第1の遮断部材と、補給口を開状態と閉状態とに切り換える第2の遮断部材とを備えたトナー容器が開示されている。
【0004】
このトナー容器においては、トナー容器を画像形成装置に対して装着あるいは脱着するために行なわれるトナー容器の画像形成装置に対する移動に連動して、第1の遮断部材と第2の遮断部材とが移動し、これによって第1収容室および第2収容室の連通状態の切り換えと、補給口の開閉状態の切り換えとが実行される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-74719号公報
【特許文献2】特開2019-74720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1および2に開示のトナー容器にあっては、当該トナー容器の画像形成装置に対する着脱動作において、第1収容室と第2収容室とが連通しかつ補給口が開状態となっている状態でトナー容器が画像形成装置に対して移動する過程があり、その際にトナーが補給口から外部に漏出することで周辺を汚してしまうという問題がある。
【0007】
したがって、本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであり、画像形成装置への着脱時におけるトナーの漏出の低減が図られたトナー容器、および、これを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の局面に基づくトナー装置は、画像形成装置に対して着脱可能なものであって、第1収容部と、第2収容部と、固定機構と、連通機構と、開閉機構と、連動機構とを備えている。上記第1収容部は、トナーを収容する第1収容室を規定するものである。上記第2収容部は、上記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられたものである。上記固定機構は、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成されたものである。上記連通機構は、上記第1収容室および上記第2収容室が連通した連通状態と、上記第1収容室および上記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成されたものである。上記開閉機構は、上記補給口を開状態と閉状態とに切り換えるものである。上記連動機構は、上記固定状態から上記解除状態への上記固定機構の切り換えに連動して、上記連通機構を上記連通状態から上記遮断状態へ切り換えるものである。
【0009】
本発明の第2の局面に基づくトナー装置は、画像形成装置に対して着脱可能なものであって、第1収容部と、第2収容部と、固定機構と、連通機構と、開閉機構と、連動機構とを備えている。上記第1収容部は、トナーを収容する第1収容室を規定するものである。上記第2収容部は、上記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられたものである。上記固定機構は、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成されたものである。上記連通機構は、上記第1収容室および上記第2収容室が連通した連通状態と、上記第1収容室および上記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成されたものである。上記開閉機構は、上記補給口を開状態と閉状態とに切り換えるものである。上記連動機構は、上記固定状態から上記解除状態への上記固定機構の切り換えに連動して、上記開閉機構による上記開状態から上記閉状態への切り換えを実行するものである。
【0010】
本発明の第3の局面に基づくトナー装置は、画像形成装置に対して着脱可能なものであって、第1収容部と、第2収容部と、固定機構と、連通機構と、開閉機構と、連動機構とを備えている。上記第1収容部は、トナーを収容する第1収容室を規定するものである。上記第2収容部は、上記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられたものである。上記固定機構は、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成されたものである。上記連通機構は、上記第1収容室および上記第2収容室が連通した連通状態と、上記第1収容室および上記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成されたものである。上記開閉機構は、上記補給口を開状態と閉状態とに切り換えるものである。上記連動機構は、上記固定状態から上記解除状態への上記固定機構の切り換えに連動して、上記連通状態から上記遮断状態への上記連通機構の切り換え、および、上記開状態から上記閉状態への上記開閉機構による切り換えを実行するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、画像形成装置への着脱時におけるトナーの漏出の低減が図られたトナー容器、および、これを備えた画像形成装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態に係る画像形成装置の概略図である。
【
図2】
図1に示す画像形成装置の画像形成部およびその周辺を示す概略図である。
【
図3】解除状態におけるトナー供給ユニットの斜視図である。
【
図4】
図3に示すトナー供給ユニットの正面図である。
【
図5】
図3に示す受け部の近傍を拡大した斜視図である。
【
図6】固定状態におけるトナー供給ユニットの正面図である。
【
図7】
図6に示す受け部の近傍を拡大した斜視図である。
【
図10】
図4に示すトナー容器の模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態においては、本発明が適用された画像形成装置およびトナー容器として、たとえばコピー機能、スキャン機能およびプリント機能等の複数の機能を備えた複合機(MFP:Multi-Functional Peripheral)およびこれが具備するトナー容器を例示して説明を行なう。また、以下に示す実施の形態においては、同一のまたは共通する部分について図中同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
【0014】
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る画像形成装置の概略図である。
図2は、
図1に示す画像形成装置の画像形成部およびその周辺を示す概略図である。
図3は、解除状態におけるトナー供給ユニットの斜視図である。
図4は、
図3に示すトナー供給ユニットの正面図である。
図5(A)および
図5(B)は、
図3に示す受け部の近傍を、それぞれ右斜め上方正面側および左斜め上方正面側から見た拡大斜視図である。まず、
図1ないし
図5を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置1の概略的な構成について説明する。
【0015】
図1ないし
図5に示すように、画像形成装置1は、装置本体2と、装置本体2の下方に配置された給紙カセット3と、装置本体2の上方に配置されたスキャナ部5と、画像形成装置1の正面側に配置された操作パネル6と、制御部7とを備えている。
【0016】
装置本体2は、後において詳述する画像形成部10(10Y,10M,10C,10K)と、中間転写ベルト20と、2次転写ローラ21と、定着装置22と、トナー供給ユニット50とを有している。装置本体2の正面には、トナー容器100を交換する際に開閉可能な扉部材が設けられている。なお、
図1においては、装置本体2とトナー容器100との位置関係についての理解を容易にするため、扉部材の図示を省略している。
【0017】
給紙カセット3は、その内側に給紙トレイ23を有している。給紙トレイ23は、記録媒体としての用紙Sを収容する収容部として設けられている。給紙トレイ23を画像形成装置1の正面側に引き出すことにより、給紙トレイ23に用紙Sの束を収容することができる。
【0018】
スキャナ部5は、ユーザによってセットされる原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成する。たとえば、ユーザによって指定されたジョブがコピージョブである場合には、スキャナ部5が原稿の画像を読み取ることによって画像データを生成し、画像形成部10等がこの画像データに基づいて用紙Sに対する画像形成を行なう。
【0019】
操作パネル6は、ユーザが画像形成装置1を操作する際のユーザインタフェースとなるものである。操作パネル6は、ユーザに対して各種画面を表示し、ユーザによる操作を受け付ける。
【0020】
制御部7は、主たる構成要素として、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)/RAM(Random Access Memory)と、入力された情報に基づいて各種の演算を行なう演算部等とを有している。ROM/RAMには、データを不揮発的に格納するROMと、CPUによるプログラムの実行によって生成されたデータを揮発的に格納するRAMとが含まれる。制御部7の各構成要素は、相互にデータバスによって接続されている。
【0021】
CPUにおける処理は、各ハードウェアおよびCPUにより実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、ROM/RAMに予め記憶されている。
【0022】
制御部7には、図示しない内部電源または図示しない外部電源によって電力が供給される。外部電源との接続には、たとえば図示しないACアダプタ等が用いられる。
【0023】
制御部7は、後述する検知部54による検知情報に基づいて画像形成部10による用紙Sへの画像形成の実行を制御するが、この点については後において詳述する。
【0024】
画像形成部10は、感光体ドラム11と、帯電装置12と、露光装置13と、現像装置14と、1次転写ローラ15とを有している。画像形成部10Y、画像形成部10M、画像形成部10Cおよび画像形成部10Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の色を有するトナー像を中間転写ベルト20の表面に形成する。
【0025】
各色のトナー像は、中間転写ベルト20の表面上で重ね合わされる。その後、中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と2次転写ローラ21との間の2次転写部にカラートナー像を搬送する。
【0026】
給紙トレイ23に収容された用紙Sは、各種の回転ローラにより、中間転写ベルト20と2次転写ローラ21との間の2次転写部に搬送される。中間転写ベルト20に担持されているカラートナー像は、2次転写部において用紙Sの表面に転写される。カラートナー像は、定着装置22によって用紙Sの表面に定着される。以上の工程によって画像が形成された用紙Sは、排紙トレイ(不図示)に排出される。
【0027】
トナー供給ユニット50は、画像形成部10の現像装置14にトナーを供給するユニットである。トナー供給ユニット50は、受け部52と、トナー容器100(100Y,100M,100C,100K)とを有している。
【0028】
受け部52は、トナー容器100を受け入れ可能に構成されている。本実施の形態においては、トナー容器100は、装置本体2の正面側から背面側に向けて挿入されることで受け部52に受け入れられ、背面側から正面側に向けて引き出されることで受け部52から取り外される。
【0029】
図3ないし
図5に示すように、受け部52は、トナー容器100の後述する被係止部152を係止する凹状の係止部53と、被係止部152が係止部53に係止されているか否かを検知するための検知部54とを有している。検知部54は、係止部53に隣接配置されている。
【0030】
係止部53は、ベース部53aと、ベース部53aから立設されかつ互いに向かい合って位置する一対の壁部53bとを含んでいる。一対の壁部53bは、トナー容器100の受け部52に対する着脱方向(すなわち、装置本体2の正面と背面とを結ぶ方向)に沿って並んで配置されている。
【0031】
検知部54は、被係止部152の係止部53に対する差し込み方向において係止部53よりも下流側に配置されている。検知部54は、トナー容器100の受け部52に対する着脱方向に沿って並んで位置する投光部54aと受光部54bとによって構成された光学式センサからなる。
【0032】
なお、検知部54は、特に光学式センサからなるものには限定されず、被係止部152を検知可能な公知のセンサに適宜変更可能である。
【0033】
トナー容器100は、画像形成部10の現像装置14に補給するトナーを収容するためのものである。トナー容器100Y、トナー容器100M、トナー容器100Cおよびトナー容器100Kは、それぞれ、画像形成部10Y、画像形成部10M、画像形成部10Cおよび画像形成部10Kの現像装置14に対応して設けられている。トナー容器100Y、トナー容器100M、トナー容器100Cおよびトナー容器100Kは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の色のトナーを収容している。
【0034】
トナー容器100は、画像形成装置1の受け部52に対して着脱可能に構成されている。トナー容器100内のトナーの残量が少なくなった場合には、受け部52からトナー容器100が取り外され、トナーが十分に収容された新しいトナー容器100が受け部52に取付けられる。
【0035】
ここで、以下においては、トナー容器100が受け部52に対して固定された状態を、固定状態と称し、トナー容器が受け部52に対して固定されていない状態を、解除状態と称する。受け部52に対するトナー容器100の固定方法については、後において詳述する。
【0036】
図6は、固定状態におけるトナー供給ユニットの正面図である。
図7(A)および
図7(B)は、
図6に示す受け部の近傍を、それぞれ右斜め上方正面側および左斜め上方正面側から見た拡大斜視図である。
図8は、
図6中に示すVIII-VIII線に沿ったトナー容器の模式断面図である。
図9(A)および
図9(B)は、
図8に示す回転体を、それぞれ上方側および下方側から見た斜視図である。次に、
図6ないし
図9を参照して、本実施の形態に係るトナー容器100の構成について説明する。
【0037】
図6ないし
図9に示すように、トナー容器100は、第1収容部110と、第2収容部120と、攪拌羽根130と、搬送スクリュー140と、回転体150とを有している。
【0038】
第1収容部110は、トナーを収容する第1収容室V1を規定する略直方体形状の部位である。第1収容部110は、トナー容器100のうちの上部に配置されている。
【0039】
第2収容部120は、第1収容室V1から供給されたトナーを収容する第2収容室V2を規定する部位である。第2収容部120は、第1収容部110の下方に配置されている。第2収容部120は、略円筒状の周壁121を有している。
【0040】
第1収容室V1と第2収容室V2とは、隔壁160によって互いに隔てられている。隔壁160は、第2収容部120の周壁121の一部を規定している。隔壁160には、開口161が設けられている。
【0041】
第2収容部120の周壁121の下部の所定位置には、画像形成装置1の現像装置14にトナーを補給するための補給口122が設けられている。開口161と補給口122とは、第2収容部120の軸方向において互いに離間した位置に設けられている。これにより、鉛直方向に沿って見た場合に、開口161と補給口122とは、互いに重ならない位置に配置されることになる。
【0042】
第1収容室V1の内部には、攪拌羽根130が配置されている。攪拌羽根130は、これに画像形成装置1が有するモータ(不図示)等の回転駆動力が伝達されることにより、軸中心に回転駆動するものである。攪拌羽根130が回転駆動することにより、第1収容室V1内に収容されたトナーが固着することが効果的に防止される。
【0043】
第2収容室V2の内部には、トナー搬送装置としての搬送スクリュー140が配置されている。搬送スクリュー140は、開口161を通じて第1収容室V1から第2収容室V2に供給されたトナーを、補給口122に向けて搬送するものである。搬送スクリュー140は、その軸が、第2収容部120の軸方向と平行な方向に沿って延在している。なお、トナー搬送装置は、特にこれが搬送スクリュー140によって構成されるものには限定されず、搬送コンベヤ等によって構成されてもよい。
【0044】
回転体150は、略円筒状の筒状部151と、筒状部151の軸方向における一端から突設された略扇形状の被係止部152と、筒状部151の当該一端から突設されたレバー部153とを有している。
【0045】
筒状部151は、第2収容部120に対して略同軸上に内挿されている。上述した搬送スクリュー140は、筒状部151の内部に配置されている。
【0046】
筒状部151の所定位置には、第1連通孔155および第2連通孔156が設けられている。第1連通孔155と第2連通孔156とは、筒状部151の軸方向において互いに離間した位置に設けられている。
【0047】
筒状部151の軸方向(すなわち、第2収容部120の軸方向)における第1連通孔155の位置は、当該軸方向における隔壁160の開口161の位置と一致している。また、当該軸方向における第2連通孔156の位置は、当該軸方向における周壁121の補給口122の位置と一致している。
【0048】
被係止部152は、トナー容器100が受け部52に対して固定された固定状態と、トナー容器が受け部52に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構を構成するものである。レバー部153は、固定状態および解除状態の切り換えを操作する操作機構を構成するものである。
【0049】
被係止部152およびレバー部153は、いずれもトナー容器100の正面側に向けて露出している(
図3等参照)。筒状部151の軸方向に沿って見た場合に、被係止部152とレバー部153とは、互いに重ならない位置に配置されている。
【0050】
回転体150は、ユーザがレバー部153を把持してこれを移動させることにより、筒状部151の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成されている。回転体150は、上記固定状態において第1位置に配置され(
図6等参照)、上記解除状態において第2位置に配置される(
図4等参照)。
【0051】
図10は、
図4中のX-X線に沿ったトナー容器の模式断面図である。次に、
図10と、前述の
図3ないし
図9とを参照して、本実施の形態に係るトナー容器100の画像形成装置1に対する着脱動作について説明する。
【0052】
トナー容器100が画像形成装置1に対して装着されるにあたっては、まず、
図3ないし
図5、および
図10に示すように、回転体150が第2位置に配置されているトナー容器100が、画像形成装置1の受け部52に対して挿入される(
図1参照)。
【0053】
ここで、
図5(A)に示すように、回転体150が第2位置に配置された状態において、回転体150の被係止部152は、受け部52の係止部53にて係止されていない。これにより、トナー容器100が画像形成装置1に対して固定されていない解除状態が実現されている。
【0054】
また、
図10に示すように、回転体150が第2位置に配置された状態においては、回転体150の筒状部151が、隔壁160の開口161に面している。これにより、第1収容室V1と第2収容室V2とが連通していない遮断状態が実現されている。さらに、この状態においては、筒状部151が、周壁121の補給口122に面している。これにより、補給口122の閉状態が実現されている。
【0055】
次に、ユーザがレバー部153を所定の回転方向(本実施の形態においては、
図4中の時計回り方向)に向けて回転移動させることにより、回転体150が当該方向に向けて回転移動される。これにより、
図6ないし
図9に示すように、回転体150は、回転方向における第2位置から第1位置に向けて移動される。
【0056】
これにより、
図7(A)に示すように、トナー容器100の被係止部152が、上述した凹状の係止部53に差し込まれることで当該係止部53にて係止されている。その結果、トナー容器100は、解除状態から固定状態に切り換えられる。
【0057】
ここで、解除状態から固定状態への切り換えに際しては、被係止部152が、係止部53に差し込まれるとともに、係止部53に隣接配置された投光部54aと受光部54bとの間にも差し込まれる(特に
図7(B)参照)。このように投光部54aと受光部54bとが被係止部152によって遮断されることにより、受光部54bが受光する光量が減少する。
【0058】
上述した画像形成装置1の制御部7は、検知部54の受光部54bによって検知される光量の情報を取得する。光量が所定値未満である場合には、制御部7は、トナー容器100が固定状態であると判断する。制御部7は、固定状態であると判断した場合においてユーザによる印刷等のジョブを受け付けた場合には、画像形成部10による用紙Sへの画像形成を実行させる。
【0059】
一方で、光量が所定値以上である場合には、制御部7は、トナー容器100が解除状態であると判断する。制御部7は、解除状態であると判断した場合においてユーザによる印刷等のジョブを受け付けた場合には、画像形成部10による用紙Sへの画像形成を実行させず、必要に応じて操作パネル6に警告を表示させる。
【0060】
解除状態において画像形成が実行された場合には、現像装置14に設けられた開口部分からトナーが外部に漏出するおそれがある。そのため、上述のように検知部54と制御部7とを用いることで解除状態において画像形成が実行されることを未然に防止することにより、トナーの外部への漏出を効果的に抑制できる。
【0061】
図8および
図9に示すように、回転体150が第1位置に配置された状態においては、筒状部151の第1連通孔155が、隔壁160の開口161に面している。これにより、第1収容室V1と第2収容室V2とが連通した連通状態が実現されている。さらに、この状態においては、筒状部151の第2連通孔156が、周壁121の補給口122に面している。これにより、補給口122の開状態が実現されている。
【0062】
すなわち、連動機構としての回転体150が第2位置から第1位置に向けて移動されることにより、回転体150の被係止部152によって構成された固定機構が移動され、これによって解除状態から固定状態への切り換えが実行される。また、このように回転体150が移動されることにより、回転体150の筒状部151およびこれに設けられた第1連通孔155によって構成された連通機構が移動され、これによって遮断状態から連通状態への切り換えが実行される。さらに、このように回転体150が移動されることにより、回転体150の筒状部151およびこれに設けられた第2連通孔156によって構成された開閉機構が移動されることで補給口122が閉状態から開状態へ切り換えられる。
【0063】
このようにして連通状態と開状態とが実現されることにより、第1収容室V1に収容されたトナーを画像形成部10の現像装置14に補給するための補給経路R(
図8参照)が開通される。これにより、トナー容器100を備えた画像形成装置1において、現像装置14へのトナーの補給が可能になる。
【0064】
トナー容器100内のトナーが使い尽くされた場合には、トナー容器100が画像形成装置の受け部52から脱着される。この脱着が行なわれるにあたっては、ユーザがレバー部153を上記所定の回転方向とは反対方向(本実施の形態においては、
図6中の反時計回り方向)に向けて回転移動させることにより、回転体150が当該方向に向けて回転移動される。これにより、回転体150が、回転方向における第1位置から第2位置に向けて回転移動される。
【0065】
図10に示すように、回転体150が第2位置に配置された状態においては、筒状部151が、隔壁160の開口161に面している。これにより、第1収容室V1と第2収容室V2とが連通していない遮断状態が実現されている。さらに、この状態においては、筒状部151が、周壁121の補給口122に面している。これにより、補給口122の閉状態が実現されている。
【0066】
すなわち、連動機構としての回転体150が第1位置から第2位置に向けて移動されることにより、回転体150の被係止部152によって構成された固定機構が移動され、これによって固定状態から解除状態への切り換えが実行される。また、このように回転体150が移動されることにより、回転体150の筒状部151およびこれに設けられた第1連通孔155によって構成された連通機構が移動され、これによって連通状態から遮断状態への切り換えが実行される。さらに、このように回転体150が移動されることにより、回転体150の筒状部151およびこれに設けられた第2連通孔156によって構成された開閉機構が移動されることで補給口122が開状態から閉状態へ切り換えられる。
【0067】
このようにして遮断状態と閉状態とが実現されることにより、補給経路R(
図8参照)が遮断される。また、解除状態が実現されることにより、トナー容器100が画像形成装置1に対して移動可能になる。
【0068】
以上のように構成することにより、画像形成装置1への着脱時におけるトナーの漏出の低減が図られたトナー容器100とすることが可能になる。
【0069】
すなわち、本実施の形態に係るトナー容器100は、上述したように、固定状態と解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構、連通状態と遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構、および、開状態と閉状態とに切り換える開閉機構を備えている。また、トナー容器100は、固定状態から解除状態への固定機構の切り換えに連動して、連通機構を連通状態から遮断状態へ切り換える連動機構をさらに備えている。
【0070】
このように、固定状態から解除状態への切り換え動作に連動して連通状態から遮断状態への切り換えが実行されるように構成した場合には、トナー容器100を脱着させるにあたり、着脱方向に沿ってトナー容器100が受け部52に対して移動を開始する前に、連通状態から遮断状態への切り換えが完了することになる。
【0071】
換言すれば、このように構成した場合には、第1収容室V1と第2収容室V2とが連通した連通状態において、トナー容器100が着脱方向に沿って移動されることがない。そのため、トナー容器100の脱着の際に、第1収容室V1に残存したトナーが第2収容室V2を経由して補給口122から外部に漏出されることを未然に防止することが可能になる。
【0072】
したがって、本実施の形態に係るトナー容器100の如く構成した場合には、画像形成装置1への着脱時におけるトナーの漏出の低減が図られたトナー容器100とすることが可能になる。
【0073】
また、本実施の形態に係るトナー容器100においては、上述したように、連動機構が、固定状態から解除状態への固定機構の切り換えに連動して、開閉機構による補給口122の開状態から閉状態への切り換えを実行する。
【0074】
このように、固定状態から解除状態への切り換え動作に連動して補給口122の開状態から閉状態への切り換えが実行されるように構成した場合には、トナー容器100を脱着させるにあたり、着脱方向に沿ってトナー容器100が受け部52に対して移動を開始する前に、補給口122の開状態から閉状態への切り換えが完了することになる。
【0075】
換言すれば、このように構成した場合には、第2収容室V2が外部空間に連通された補給口122の開状態において、トナー容器100が着脱方向に沿って移動されることがない。そのため、トナー容器100の脱着の際に、第1収容室V1および第2収容室V2に残存したトナーが補給口122から外部に漏出されることを未然に防止することが可能になる。
【0076】
したがって、本実施の形態に係るトナー容器100のように、連動機構が、固定状態から解除状態への固定機構の切り換えに連動して、連通状態から遮断状態への連通機構の切り換え、および、補給口122の開状態から閉状態への開閉機構による切り換えのうちの少なくとも一方を実行するように構成した場合には、画像形成装置への着脱時におけるトナーの漏出の低減が図られたトナー容器とすることが可能になる。
【0077】
なお、本実施の形態に係るトナー容器100においては、上述したように、連動機構が、固定状態から解除状態への固定機構の切り換えに連動して、連通状態から遮断状態への連通機構の切り換え、および、補給口122の開状態から閉状態への開閉機構による切り換えの双方を実行するように構成されている場合を例示して説明を行なったが、連通機構は、上記固定機構の切り換えに連動して、上記連通機構の切り換え、および、上記開状態から閉状態への開閉機構による切り換えのうちの少なくとも一方を実行するように構成されていればよい。
【0078】
たとえば、回転体150の筒状部151が、隔壁160の開口161に面する部分にのみ位置し、かつ、当該筒状部151には第1連通孔155のみが設けられていてもよい。この場合には、連通機構は、上記固定機構の切り換えに連動して、上記連通機構の切り換えのみを実行するように構成されることになる。また、回転体150の筒状部151が、周壁121の補給口122に面する部分にのみ位置し、かつ、当該筒状部151には第2連通孔156のみが設けられていてもよい。この場合には、連通機構は、上記固定機構の切り換えに連動して、上記開状態から閉状態への開閉機構による切り換えのみを実行するように構成されることになる。これらの場合にも、画像形成装置への着脱時におけるトナーの漏出の低減が図られたトナー容器とすることが可能になる。
【0079】
(付記)
上述した実施の形態において開示したトナー容器および画像形成装置の特徴的な構成を要約すると、以下のとおりとなる。
【0080】
[付記1]
画像形成装置に対して着脱可能なトナー容器であって、
トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、
上記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、
上記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構と、
上記第1収容室および上記第2収容室が連通した連通状態と、上記第1収容室および上記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構と、
上記補給口を開状態と閉状態とに切り換える開閉機構と、
上記固定状態から上記解除状態への上記固定機構の切り換えに連動して、上記連通機構を上記連通状態から上記遮断状態へ切り換える連動機構とを備えた、トナー容器。
【0081】
[付記2]
上記第1収容室および上記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第1連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、上記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
上記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
上記隔壁は、上記周壁の一部を規定し、
上記隔壁には、開口が設けられ、
上記筒状部は、上記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
上記回転体が、上記固定機構、上記連通機構および上記連動機構を構成し、上記第1位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで上記固定状態が実現されるとともに、上記第1連通孔が上記開口に面することで上記連通状態が実現され、かつ、上記第2位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで上記解除状態が実現されるとともに、上記筒状部が上記開口に面することで上記遮断状態が実現される、付記1に記載のトナー容器。
【0082】
[付記3]
画像形成装置に対して着脱可能なトナー容器であって、
トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、
上記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、
上記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構と、
上記第1収容室および上記第2収容室が連通した連通状態と、上記第1収容室および上記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構と、
上記補給口を開状態と閉状態とに切り換える開閉機構と、
上記固定状態から上記解除状態への上記固定機構の切り換えに連動して、上記開閉機構による上記開状態から上記閉状態への切り換えを実行する連動機構とを備えた、トナー容器。
【0083】
[付記4]
上記第1収容室および上記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第2連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、上記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
上記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
上記隔壁は、上記周壁の一部を規定し、
上記補給口は、上記周壁に設けられ、
上記筒状部は、上記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
上記回転体が、上記固定機構、上記開閉機構および上記連動機構を構成し、上記第1位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで上記固定状態が実現されるとともに、上記第2連通孔が上記補給口に面することで上記開状態が実現され、かつ、上記第2位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで上記解除状態が実現されるとともに、上記筒状部が上記補給口に面することで上記閉状態が実現される、付記3に記載のトナー容器。
【0084】
[付記5]
画像形成装置に対して着脱可能なトナー容器であって、
トナーを収容する第1収容室を規定する第1収容部と、
上記第1収容室から供給されたトナーを収容する第2収容室を規定し、画像形成装置に対してトナーを補給するための補給口が設けられた第2収容部と、
上記トナー容器が画像形成装置に対して固定された固定状態と、上記トナー容器が画像形成装置に対して固定されていない解除状態とに切り換え可能に構成された固定機構と、
上記第1収容室および上記第2収容室が連通した連通状態と、上記第1収容室および上記第2収容室が連通していない遮断状態とに切り換え可能に構成された連通機構と、
上記補給口を開状態と閉状態とに切り換える開閉機構と、
上記固定状態から上記解除状態への上記固定機構の切り換えに連動して、上記連通状態から上記遮断状態への上記連通機構の切り換え、および、上記開状態から上記閉状態への上記開閉機構による切り換えを実行する連動機構とを備えた、トナー容器。
【0085】
[付記6]
上記第1収容室および上記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第1連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、上記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
上記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
上記隔壁は、上記周壁の一部を規定し、
上記隔壁には、開口が設けられ、
上記筒状部は、上記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
上記回転体が、上記固定機構、上記連通機構および上記連動機構を構成し、上記第1位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで上記固定状態が実現されるとともに、上記第1連通孔が上記開口に面することで上記連通状態が実現され、かつ、上記第2位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで上記解除状態が実現されるとともに、上記筒状部が上記開口に面することで上記遮断状態が実現される、付記5に記載のトナー容器。
【0086】
[付記7]
上記第1収容室および上記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第2連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、上記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
上記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
上記隔壁は、上記周壁の一部を規定し、
上記補給口は、上記周壁に設けられ、
上記筒状部は、上記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
上記回転体が、上記固定機構、上記開閉機構および上記連動機構を構成し、上記第1位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで上記固定状態が実現されるとともに、上記第2連通孔が上記補給口に面することで上記開状態が実現され、かつ、上記第2位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで上記解除状態が実現されるとともに、上記筒状部が上記補給口に面することで上記閉状態が実現される、付記5に記載のトナー容器。
【0087】
[付記8]
上記第1収容室および上記第2収容室を互いに隔てる隔壁と、
第1連通孔および第2連通孔が設けられた略円筒状の筒状部および当該筒状部から突設された被係止部を有し、上記筒状部の軸線を回転中心として回転方向における第1位置と第2位置との間で回転可能に構成された回転体とを備え、
上記第2収容部は、略円筒状の周壁を有し、
上記隔壁は、上記周壁の一部を規定し、
上記隔壁には、開口が設けられ、
上記補給口は、上記周壁に設けられ、
上記筒状部は、上記第2収容部に対して略同軸上に内挿され、
上記回転体が、上記固定機構、上記連通機構、上記開閉機構および上記連動機構を構成し、上記第1位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されることで上記固定状態が実現されるとともに、上記第1連通孔が上記開口に面することで上記連通状態が実現され、かつ、上記第2連通孔が上記補給口に面することで上記開状態が実現され、さらに、上記第2位置に上記回転体が配置された状態において、上記被係止部が画像形成装置に設けられた係止部にて係止されないことで上記解除状態が実現されるとともに、上記筒状部が上記開口および上記補給口の双方に面することで上記遮断状態および上記閉状態が実現される、付記5に記載のトナー容器。
【0088】
[付記9]
上記固定状態および上記解除状態の切り換えを操作する操作機構をさらに備え、
上記回転体が、上記筒状部から突設されたレバー部をさらに有し、
上記レバー部が、上記操作機構を構成している、付記2、4、6、7および8のいずれかに記載のトナー容器。
【0089】
[付記10]
上記第2収容室の内部に、上記第1収容室から上記第2収容室に供給されたトナーを上記補給口に向けて搬送するトナー搬送装置をさらに備えた、付記1から9のいずれかに記載のトナー容器。
【0090】
[付記11]
付記1から10のいずれかに記載のトナー容器と、
画像形成部とを備えた、画像形成装置。
【0091】
[付記12]
上記固定機構の状態を検知する検知部と、
上記画像形成部による記録媒体への画像形成を制御する制御部とをさらに備え、
上記制御部が、上記検知部によって検知された検知情報に基づいて、上記固定機構が上記固定状態であると判断した場合に、上記画像形成部による記録媒体への画像形成を実行させる、付記11に記載の画像形成装置。
【0092】
(その他の形態等)
上述した本発明の実施の形態において示した各部の形状や構成、大きさ、数、材質等は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々変更が可能である。
【0093】
また、上述した本発明の実施の形態において示した特徴的な構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において当然に相互に組み合わせることができる。
【0094】
このように、今回開示した上記実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって画定され、また特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
【符号の説明】
【0095】
1 画像形成装置、2 装置本体、3 給紙カセット、5 スキャナ部、6 操作パネル、7 制御部、10,10Y,10M,10C,10K 画像形成部、11 感光体ドラム、12 帯電装置、13 露光装置、14 現像装置、15 1次転写ローラ、20 中間転写ベルト、21 2次転写ローラ、22 定着装置、23 給紙トレイ、50 トナー供給ユニット、52 受け部、53 係止部、53a ベース部、53b 壁部、54 検知部、54a 投光部、54b 受光部、100,100Y,100M,100C,100K トナー容器、110 第1収容部、120 第2収容部、121 周壁、122 補給口、130 攪拌羽根、140 搬送スクリュー、150 回転体、151 筒状部、152 被係止部、153 レバー部、155 第1連通孔、156 第2連通孔、160 隔壁、161 開口、R 補給経路、S 用紙、V1 第1収容室、V2 第2収容室。