(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025142037
(43)【公開日】2025-09-29
(54)【発明の名称】本人認証連動型帳票出力支援システム
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20250919BHJP
G06F 21/60 20130101ALI20250919BHJP
【FI】
G06F21/32
G06F21/60 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2025119330
(22)【出願日】2025-07-16
(71)【出願人】
【識別番号】525244516
【氏名又は名称】丸山 貴代
(72)【発明者】
【氏名】丸山貴代
(57)【要約】
【課題】帳票出力の際に、本人以外の誤操作や無断出力、情報漏洩が発生するリスクを防ぎ、安全かつ確実に本人のみが出力を制御できる帳票出力支援構造の提供が求められていた。
【解決手段】本発明は、帳票データを一時保存し、出力時に顔認証、音声認証、指紋認証、秘密質問などの本人認証手段により認証を実行する。認証成功時のみ出力操作が許可され、出力形式や出力先の指定、履歴記録、暗号化保存、未認証時のロックや警告制御も含むことで、利便性と安全性を両立する帳票出力支援を実現する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顔認証、音声認証、指紋認証、秘密質問等の本人認証手段を備え、認証結果に応じて帳票出力操作を制御する帳票出力支援システムであって、
利用者の入力情報から構成された帳票データを一時保存する保存手段と、
出力前に本人認証を実行する認証手段と、
認証が成功した場合にのみ帳票データを出力可能とする出力制御手段とを備えることを特徴とする本人認証連動型帳票出力支援システムである。
【請求項2】
請求項1に記載の本人認証連動型帳票出力支援システムにおいて、
前記認証手段は、顔認証、音声認証および秘密質問のうち少なくとも二種類を組み合わせた多要素認証を実行することを特徴とする本人認証連動型帳票出力支援システムである。
【請求項3】
請求項1または2に記載の本人認証連動型帳票出力支援システムにおいて、
前記出力制御手段は、認証後に帳票の出力先、出力形式(PDF、ワード等)、および出力時刻を選択可能とし、意図しない出力を防止する機構を含むことを特徴とする本人認証連動型帳票出力支援システムである。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の本人認証連動型帳票出力支援システムにおいて、
前記保存手段は、本人認証が完了するまでの間、帳票データを暗号化して保持し、認証成功時にのみ復号することを特徴とする本人認証連動型帳票出力支援システムである。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の本人認証連動型帳票出力支援システムにおいて、
前記システムは、認証失敗時に警告通知、操作停止、管理者連絡などの制御を行うセキュリティ対応手段を備えることを特徴とする本人認証連動型帳票出力支援システムである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種帳票を出力する過程において、出力の安全性と本人確認の正確性を確保するための出力支援技術に関し、特に顔認証、音声認証、指紋認証、秘密質問等の本人認証を介して帳票出力を制御する帳票出力支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の帳票出力システムでは、利用者が一度ログインすれば帳票データが自由に印刷または保存できる構成が多く、出力操作を第三者が行うことで情報漏洩や誤出力のリスクが存在していた。特に医療、福祉、教育、行政文書など個人情報を含む帳票では、出力の段階で確実な本人認証を行う必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者が作成または入力した帳票データの出力において、意図しない第三者による出力や保存を防止し、本人の確認を経てのみ出力操作を可能とする安全性の高い出力支援構造が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、帳票情報を含むデータを一時保存する保存手段と、出力前に顔認証、音声認証、指紋認証、秘密質問等の認証手段により本人認証を実行する認証手段と、認証成功時にのみ出力制御を許可する出力許可機構とを備えた構成とする。
【0006】
さらに、前記システムは、認証後に出力形式(PDF、Word、印刷等)や出力先(端末、クラウド、外部記憶)を選択可能とする出力設定機構、出力内容のプレビュー表示および誤操作防止のための確認画面機構を含む。
【0007】
また、認証に失敗した場合には出力操作をロックし、再認証を促す誘導機構および警告表示、複数回失敗時の一時停止機能等を含めることで、不正出力や情報漏洩のリスクを最小化する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、帳票の出力操作を本人認証によって制御することが可能となり、情報の不正出力や漏洩を未然に防止できる。顔認証、音声認証、指紋認証等の複数の認証手段に対応することで、利用者の状況やデバイス環境に応じた柔軟な出力制御が実現され、帳票運用の安全性と利便性が大幅に向上する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る本人認証連動型帳票出力支援システムは、例えばクラウド型帳票管理サービス、福祉施設の記録管理システム、学校の成績帳票出力支援システム、医療機関における患者別文書管理システム等に適用可能である。
【0010】
帳票出力の操作画面には、まず利用者による出力選択画面が表示され、帳票種別や保存先、印刷可否などを選択した後に、認証処理が開始される。認証は、カメラ映像による顔認証、マイクによる音声パターン照合、指紋リーダーによる生体認証のいずれかまたは複数を組み合わせて実行される。
【0011】
認証に成功すると、出力実行ボタンがアクティブ化され、選択された出力形式と宛先に対して帳票データが送信・保存・印刷される。なお、出力直前には確認画面が表示され、利用者が内容を最終確認することで誤送信や誤印刷を防止する。
【0012】
また、認証情報はログとして記録され、出力履歴と紐付けて管理されることで、後日参照や監査にも対応可能である。これにより、帳票出力の全工程において本人性を担保するセキュアな運用が実現する。