(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014247
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】画像監視装置及び画像監視方法
(51)【国際特許分類】
H04N 23/52 20230101AFI20250123BHJP
G06V 20/56 20220101ALI20250123BHJP
H04N 23/61 20230101ALI20250123BHJP
【FI】
H04N23/52
G06V20/56
H04N23/61
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116632
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】釣部 智行
【テーマコード(参考)】
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
5C122DA14
5C122EA36
5C122FH10
5C122FH11
5C122FJ11
5C122FK35
5C122HA84
5C122HB01
5L096AA03
5L096BA04
5L096CA02
5L096FA02
5L096FA14
5L096HA02
(57)【要約】
【課題】車載カメラのレンズの汚れ除去の誤検出を抑制することができる画像監視装置及び画像監視方法を提供する。
【解決手段】本開示に係る画像監視装置は、取得回路と、検出回路と、抽出回路と、判定回路と、を備える。前記取得回路は、撮像デバイスが撮像した車両の外部の撮像画像を取得する。前記検出回路は、前記取得回路により取得された前記撮像画像から、前記撮像デバイスのレンズに付着した汚れに対応する領域である汚れ領域を検出する。前記抽出回路は、前記撮像画像から、不明瞭な画像の領域である不明瞭領域を抽出する。前記判定回路は、前記不明瞭領域の輝度値の変化に基づいて、前記汚れが外部光源により照射されたか否かを判定する。そして、前記判定回路は、前記不明瞭領域に第1閾値以上の輝度値の画素が第2閾値以上有る場合、汚れが外部光源により照射されていると判定する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像デバイスが撮像した車両の外部の撮像画像を取得する取得回路と、
前記取得回路により取得された前記撮像画像から、前記撮像デバイスのレンズに付着した汚れに対応する領域である汚れ領域を検出する検出回路と、
前記汚れ領域から、不明瞭な画像の領域である不明瞭領域を抽出する抽出回路と、
前記不明瞭領域の輝度値の変化に基づいて、前記汚れが外部光源により照射されたか否かを判定する判定回路と、
を備え、
前記判定回路は、前記不明瞭領域に第1閾値以上の輝度値の画素が第2閾値以上有る場合、前記汚れが前記外部光源により照射されていると判定する、
画像監視装置。
【請求項2】
前記不明瞭領域は、前記汚れ領域の周辺部分を含む領域である、
請求項1に記載の画像監視装置。
【請求項3】
前記不明瞭領域は、前記汚れ領域のうちの焦点が合っていない領域である、
請求項1に記載の画像監視装置。
【請求項4】
前記判定回路は、前記検出回路により前記汚れ領域が検出された時の輝度値と、前記汚れ領域を検出後に前記撮像画像の輝度値が変化した時の輝度値と、の差異が第3閾値以上の場合に、汚れの前記外部光源による照射が継続されていると判定する、
請求項1又は請求項2に記載の画像監視装置。
【請求項5】
前記レンズの汚れを除去する洗浄デバイスに洗浄を指示する洗浄制御回路をさらに有し、
前記判定回路が、汚れが前記外部光源により照射されているか否かを所定回数判定した場合、前記洗浄制御回路は、前記洗浄デバイスに前記レンズの汚れの除去を指示する、
請求項1又は請求項2に記載の画像監視装置。
【請求項6】
前記レンズの汚れを除去する洗浄デバイスに洗浄を指示する洗浄制御回路をさらに有し、
前記判定回路が、汚れの前記外部光源による照射が継続しているか否かを所定回数判定した場合、前記洗浄制御回路は、前記洗浄デバイスに前記レンズの汚れの除去を指示する、
請求項1又は請求項2に記載の画像監視装置。
【請求項7】
撮像デバイスが撮像した車両の外部の撮像画像を取得し、
取得した前記撮像画像から、前記撮像デバイスのレンズに付着した汚れに対応する領域である汚れ領域を検出し、
前記汚れ領域から、不明瞭な画像の領域である不明瞭領域を抽出し、
前記不明瞭領域の輝度値の変化に基づいて、前記汚れが外部光源により照射されたか否かを判定することを含み、
前記不明瞭領域に第1閾値以上の輝度値の画素が第2閾値以上有る場合、前記汚れが前記外部光源により照射されていると判定する、
画像監視方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像監視装置及び画像監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の技術では、車両は、車載カメラが撮像した画像に基づいて、車両の周囲の状況を把握する。そして、車両は、把握した状況に応じた各種処理を実行する。車載カメラのレンズが汚れている場合、車両は、車両の周囲の状況を把握することが困難である。そこで、車載カメラが撮像した画像に基づいて、車載カメラのレンズに汚れが付着しているか否かを判定する技術が知られている。
【0003】
また、車載カメラのレンズに付着した汚れが除去された場合、車両は、レンズに汚れが付着した状態を解除する。車両は、汚れの付着を検出した後に、車載カメラで撮像した画像の汚れ位置の輝度値が高い場合に、汚れが除去(洗浄)されたと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-052237号公報
【特許文献2】特開2016-040532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、光源がある場合、画像は、レンズに汚れが除去(洗浄)されていなくても輝度値が高くことがある。この場合、車両は、汚れが除去されていなくても、レンズに付着した汚れが除去されたと判定してしまう。
【0006】
本開示は、車載カメラのレンズの汚れ除去の誤検出を抑制することができる画像監視装置及び画像監視方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る画像監視装置は、取得回路と、検出回路と、抽出回路と、判定回路と、を備える。前記取得回路は、撮像デバイスが撮像した車両の外部の撮像画像を取得する。前記検出回路は、前記取得回路により取得された前記撮像画像から、前記撮像デバイスのレンズに付着した汚れに対応する領域である汚れ領域を検出する。前記抽出回路は、前記撮像画像から、不明瞭な画像の領域である不明瞭領域を抽出する。前記判定回路は、前記不明瞭領域の輝度値の変化に基づいて、前記汚れが外部光源により照射されたか否かを判定する。そして、前記判定回路は、前記不明瞭領域に第1閾値以上の輝度値の画素が第2閾値以上有れば、汚れが外部光源により照射されていると判定する。
【発明の効果】
【0008】
本開示に係る画像監視装置及び画像監視方法によれば、車載カメラのレンズの汚れ除去の誤検出を抑制ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る車載装置を備える車両の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る車両の運転席近傍の構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る車載カメラのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る画像処理部の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第1撮像画像の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2撮像画像の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第3撮像画像の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第4撮像画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1抽出画像の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態に係る画像処理部が実行する除去判定処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る画像監視装置及び画像監視方法の実施形態について説明する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1に示すように、車両1は、車体12と、車体12に所定方向に沿って配置された2対の車輪13とを備える。2対の車輪13は、1対のフロントタイヤ13f及び1対のリアタイヤ13rを備える。
【0012】
なお、
図1に示す車両1は4つの車輪13を備えるが、車輪13の数はこれに限定されるものではない。例えば、車両1は、2輪車であっても良い。
【0013】
車体12は、車輪13に結合され、車輪13によって移動可能である。この場合、2対の車輪13が配置される所定方向が車両1の走行方向となる。車両1は、不図示のギヤの切り替え等により前進または後退することができる。また、車両1は、操舵により右左折することもできる。
【0014】
また、車体12は、フロントタイヤ13fより前方の端部である前端部Fと、リアタイヤ13rより後方の端部である後端部Rを有する。車体12は上面視で略矩形をしており、略矩形状の4つの角部を端部と呼ぶ場合もある。また、
図1では図示を省略するが、車両1は、表示装置、スピーカ、および操作部を備える。
【0015】
車体12の前後端部F,Rであって、車体12の下端付近には1対のバンパー14が設けられている。1対のバンパー14のうち、フロントバンパー14fは車体12の下端部付近の前面全体と側面の一部を覆う。1対のバンパー14のうち、リアバンパー14rは車体12の下端部付近の後面全体と側面の一部を覆う。
【0016】
車体12の所定の端部には、超音波等の音波の送受波を行う送受波部15f,15rが配置される。例えば、フロントバンパー14fには1つ以上の送受波部15fが配置され、リアバンパー14rには1つ以上の送受波部15rが配置される。以下、送受波部15f,15rを限定しない場合には、単に送受波部15という。また、送受波部15の数および位置は、
図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、左右の側方に送受波部15を備えても良い。
【0017】
本実施形態においては、超音波を使用したソナーを送受波部15の一例とするが、送受波部15は、電磁波を送受波するレーダーであっても良い。あるいは、車両1は、ソナーとレーダーの両方を備えても良い。また、送受波部15を単にセンサと称しても良い。
【0018】
送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物を検出する。また、送受波部15は、音波または電磁波の送受結果に基づいて、車両1の周囲の障害物と車両1との距離を計測する。
【0019】
また、車両1は、車両1の前方を撮影する第1の車載カメラ16a、車両1の後方を撮影する第2の車載カメラ16b、車両1の左側方を撮影する第3の車載カメラ16c、および車両1の右側方を撮影する第4の車載カメラを備える。第4の車載カメラは図示を省略する。
【0020】
以下、第1の車載カメラ16a、第2の車載カメラ16b、第3の車載カメラ16c、および第4の車載カメラを区別しない場合には単に車載カメラ16という。車載カメラ16の位置及び数は
図1に示す例に限定されるものではない。例えば、車両1は、また、第1の車載カメラ16aおよび第2の車載カメラ16bの2台を備えても良い。あるいは、車両1は、上述の例の他に、さらに他の車載カメラを有しても良い。
【0021】
車載カメラ16は、車両1の周囲の映像を撮影可能であり、例えば、カラー画像を撮影するカメラである。なお、車載カメラ16が撮影する画像データは、動画でも良いし、静止画でも良い。また、車載カメラ16は、車両1に内蔵されたカメラであっても良いし、車両1に後付けされたドライブレコーダーのカメラ等であっても良い。
【0022】
また、車両1には、車載装置100が搭載される。車載装置100は、車両1に搭載可能な情報処理装置であり、例えば、車両1の内部に設けられたECU(Electronic Control Unit)、もしくはOBU(On Board Unit)である。あるいは、車載装置100は、車両1のダッシュボード付近に設置された外付けの装置であっても良い。なお、車載装置100はカーナビゲーション装置等を兼ねても良い。なお、車載カメラ16が撮影する画像データは、ECUに入力され、例えば、自動ブレーキの制御に使用してもよい。
【0023】
次に、本実施形態の車両1の運転席近傍の構成について説明する。
【0024】
図2に示すように、車両1は運転席130a、および助手席130bを備える。また、運転席130aの前方にはフロントガラス180、ダッシュボード190、ステアリングホイール140、表示装置120、および操作ボタン141が設けられる。
【0025】
表示装置120は、車両1のダッシュボード190に設けられたディスプレイである。表示装置120は、一例として、
図2に示すようにダッシュボード190の中央に位置する。表示装置120は例えば液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、表示装置120は、タッチパネルを兼ねても良い。表示装置120は、本実施形態における表示部の一例である。
【0026】
また、ステアリングホイール140は、運転席130aの正面に設けられ、ドライバ(運転者)によって操作可能である。ステアリングホイール140の回転角度、例えば操舵角は、操舵輪であるフロントタイヤ13fの向きの変化と電気的または機械的に連動する。なお、操舵輪はリアタイヤ13rでも良いし、フロントタイヤ13fとリアタイヤ13rの両方が操舵輪であっても良い。
【0027】
操作ボタン141は、例えば、ユーザによる車載カメラ16のレンズ洗浄の操作を受け付け可能なボタンである。なお、本実施形態においてユーザは、例えば車両1の運転者である。なお、操作ボタン141の位置は
図2に示す例に限定されるものでなく、例えばステアリングホイール140に設けられても良い。操作ボタン141は、本実施形態における操作部の一例である。また、表示装置120がタッチパネルを兼ねる場合は、表示装置120が操作部の一例であっても良い。また、不図示のタブレット端末、スマートフォン、リモートコントローラ、または電子キー等の、車両1の外部から車両1に対して信号を送信可能な操作端末を、操作部の一例としても良い。
【0028】
次に、本実施形態の車載カメラ16のハードウェア構成について説明する。
【0029】
図3に示すように、車載カメラ16は、レンズ161、撮像素子162、洗浄部163、映像信号処理部164、露光制御部165、画像処理部166、及び画像メモリ167を備える。
【0030】
レンズ161は、透明の材料により形成される。そして、レンズ161は、入射した光を発散又は集束する。
【0031】
撮像素子162は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などのイメージセンサである。撮像素子162は、レンズ161を通過した光を受光し、映像信号に変換する。なお、撮像素子162とレンズ161とを含めて撮影デバイスと称する。
【0032】
洗浄部163は、水などをレンズ161に噴射することにより、レンズ161に付着した汚れを洗浄する装置である。
【0033】
映像信号処理部164は、撮像素子162から出力された映像信号に基づいて、画像を生成する。露光制御部165は、映像信号処理部164により生成される画像の明るさを制御する。例えば、映像信号処理部164は、露光制御部165により制御された明るさの画像を生成する。例えば、露光制御部165は、画像が暗い場合に、画像の明るさを上げる。一方、露光制御部165は、画像が明るい場合に、画像の明るさを下げる。
【0034】
画像処理部166は、映像信号処理部164により生成された画像に対して各種画像処理を実行する。画像メモリ167は、画像処理部166の主記憶装置である。画像メモリ167は、画像処理部166による画像処理のワーキングメモリとして使用される。
【0035】
画像処理部166は、コンピュータ等で構成され、ハードウェアとソフトウェアが協働することにより、画像処理を制御する。例えば、画像処理部166は、プロセッサ166A、RAM(Random Access Memory)166B、メモリ166C、及びI/O(Input/Output)インタフェース166Dを備える。
【0036】
プロセッサ166Aは、例えば、コンピュータプログラムを実行可能なCPU(Central Processing Unit)である。なお、プロセッサ166Aは、CPUに限定されない。例えば、プロセッサ166Aは、DSP(Digital Signal Processor)であってもよいし、他のプロセッサであってもよい。
【0037】
RAM166Bは、キャッシュまたはバッファなどとして使用される揮発性メモリである。メモリ166Cは、例えば、コンピュータプログラムを含む各種情報を記憶する不揮発性メモリである。プロセッサ166Aは、特定のコンピュータプログラムをメモリ166Cから読み出してRAM166Bに展開することによって、各種機能を実現する。
【0038】
I/Oインタフェース166Dは、画像処理部166の入出力を制御する。例えば、I/Oインタフェース166Dは、映像信号処理部164、画像メモリ167、及び車載装置100との通信を実行する。
【0039】
なお、洗浄部163は、車載カメラ16と一体に形成されずに、独立した装置であってもよい。また、映像信号処理部164、露光制御部165、画像処理部166及び画像メモリ167の少なくとも一部は、車載カメラ16に限らず、ECUまたはOBUに含まれる構成であっても良いし、車載装置100に設けられていても良いし、独立した装置であってもよいし、他の装置に組み込まれていても良い。
【0040】
次に、第1の実施形態に係る画像処理部166が有する機能について説明する。
【0041】
図4における画像処理部166のプロセッサ166Aは、特定のコンピュータプログラムをメモリ166Cから読み出してRAM166Bに展開することによって、各種機能を実現する。更に詳しくは、画像処理部166は、画像取得部1661、監視制御部1662、汚れ検出部1663、汚れ通知部1664、判定部1665、変化検出部1666、不明瞭領域抽出部1667、光源判定部1668、及び洗浄制御部1669を備える。
【0042】
画像取得部1661は、車載カメラ16が車両1の外部を撮像した撮像画像を取得する。画像取得部1661は、取得回路の一例である。車載カメラ16は、撮像デバイスの一例である。例えば、画像取得部1661は、撮像画像として第1撮像画像G11(
図5参照)、第2撮像画像G12(
図6参照)、第3撮像画像G13(
図7参照)、第4撮像画像G14(
図8参照)を取得する。
【0043】
例えば、画像取得部1661は、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着している場合、汚れ領域G113を有する第1撮像画像G11を取得する。
図5に示すように、第1撮像画像G11は、非撮像領域G111と、撮像領域G112とを有する。非撮像領域G111は、撮像素子162の検知領域ではあるが、車載カメラ16の筐体などにより車両1の外部が撮像されない領域である。撮像領域G112は、レンズ161を介して入射した光により、車両1の外部を撮像した領域である。そして、撮像領域G112は、レンズ161に付着した泥などの汚れを撮像した領域である汚れ領域G113を有する場合がある。
【0044】
ここで、車載カメラ16は、前方に焦点を定めており、レンズ161に焦点を定めているのではない。そのため、レンズ161に泥などの汚れが付着すると、車載カメラ16は、汚れの周縁に対応する部分がぼけた撮像画像を撮像する。これにより、汚れ領域G113は、中央付近は汚れにより可視光が遮断されることで各画素の輝度値の差が小さい領域となり、周縁付近は焦点が合っていないことにより不鮮明な領域となる。例えば、汚れ領域G113の周縁付近は、輝度値の変化の勾配が緩やかな領域となる。
【0045】
また、画像取得部1661は、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着し、且つ汚れと重なる位置に光源がある場合、光源領域G114が重畳する汚れ領域G113を有する第2撮像画像G12を取得する。
図6に示すように、第2撮像画像G12は、非撮像領域G111と、撮像領域G112とを有する。また、撮像領域G112は、光源領域G114が重畳した汚れ領域G113を有する。光源領域G114は、太陽、月、電灯、ライトなどの光源の撮像した領域である。光源領域G114は、中央付近は光源が放射する可視光により各画素の輝度値の差が小さい領域となり、周縁付近は中央付近から離れるに従い輝度値が低くなる不鮮明な領域となる。また、車載カメラ16に可視光を照射する光源がある場合、汚れ領域G113の各画素は、光源が照射した可視光の散乱により輝度値が高くなる。
【0046】
また、画像取得部1661は、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着し、且つ汚れと重ならない位置に光源がある場合、光源領域G114と汚れ領域G113とを有する第3撮像画像G13を取得する。
図7に示すように、第3撮像画像G13は、非撮像領域G111と、撮像領域G112とを有する。また、撮像領域G112は、光源領域G114と汚れ領域G113とがそれぞれを有する。また、この場合も、車載カメラ16に可視光を照射する光源があるため、汚れ領域G113の各画素は、光源が照射した可視光の散乱により輝度値が高くなる。
【0047】
また、画像取得部1661は、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着しておらず、且つ車載カメラ16の光源が無い場合、第4撮像画像G14を取得する。
図8に示すように、第4撮像画像G14は、非撮像領域G111と、撮像領域G112とを有する。また、撮像領域G112は、汚れが付着していないため、汚れ領域G113が無い。また、撮像領域G112は、光源が無いため、光源領域G114が無い。
【0048】
監視制御部1662は、画像取得部1661に基づいて、車両1の外部を監視する。例えば、監視制御部1662は、車両1の外部を走行する他の車両や、歩行者などを検出する。そして、車両1は、検出結果に応じて、各種処理を実行する。
【0049】
汚れ検出部1663は、画像取得部1661により取得された撮像画像から、車載カメラ16のレンズ161に付着した汚れに対応する領域である汚れ領域G113を検出する。汚れ検出部1663は、検出回路の一例である。
【0050】
汚れ検出部1663は、種々の方法により汚れ領域G113を検出する。例えば、汚れ検出部1663は、特許文献2の
図1に示されたレンズ汚れ判別装置と同様の処理により車載カメラ16のレンズ161に付着している汚れを検出する。
【0051】
また、汚れ検出部1663は、他の方法により汚れを検出してもよい。ここで、車載カメラ16のレンズ161に泥などの汚れが付着した場合、撮像素子162は、レンズ161に付着した汚れにより可視光を受光することが困難になる。そのため、汚れが付着した部分に対応する画像は、輝度値が低くなる。例えば、汚れが付着した部分に対応する画像は、各画素の輝度値の差が小さい平坦な領域になる。そこで、汚れ検出部1663は、撮像画像において各画素の輝度値の差が小さい平坦な領域の割合に基づいて、レンズ161に汚れが付着していると判定する。そして、汚れ検出部1663は、撮像画像において各画素の輝度値の差が小さい平坦な領域を汚れ領域G113として検出する。
【0052】
汚れ通知部1664は、汚れ検出部1663により汚れ領域G113が検出された場合に、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知する。更に詳しくは、汚れ通知部1664は、汚れ検出部1663により汚れ領域G113が検出されてから、判定部1665により汚れが除去(洗浄)されたと判定されるまでの間、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知してもよい。
【0053】
例えば、汚れ通知部1664は、ECUまたはOBUを介して、表示装置120などに車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着していることを通知してもよい。なお、汚れ通知部1664は、表示装置120に限らず、音声により通知してもよいし、LEDなどを発光させることにより通知してもよいし、他の方法により通知してもよい。なお、汚れ通知部1664は、ECUまたはOBUを介さず、直接、表示装置120などにレンズ161に汚れが付着していることを通知してもよい。
【0054】
判定部1665は、汚れ検出部1663により検出された車載カメラ16のレンズ161に付着している汚れが光源により照射されているか否かを判定する。
【0055】
ここで、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着している場合、撮像素子162は、レンズ161に付着した汚れにより可視光を受光することが困難になる。そして、レンズ161に付着した汚れが除去された場合、撮像素子162は、可視光を受光可能となる。例えば、レンズ161に付着した汚れが除去された場合、撮像画像は、汚れ領域G113であった領域の輝度値が高くなる。
【0056】
そこで、汚れ領域G113であった領域の輝度値に基づいて、汚れが除去されたか否かを判定する手法が考えられる。ところが、汚れが除去されていなくても、光源から可視光が照射された場合、撮像画像は、
図6及び
図7に示すように汚れ領域G113の輝度値が高くなる。このような場合、既存の技術の車載カメラ16では、汚れが除去されていないにもかかわらず、汚れが除去されたと誤った判定をしてしまう。
【0057】
そこで、判定部1665は、以下の機能により、汚れが除去されていないにもかかわらず、汚れか除去されたと誤った判定をしてしまうことを抑制する。更に詳しくは、判定部1665は、変化検出部1666、不明瞭領域抽出部1667、及び光源判定部1668を備える。
【0058】
変化検出部1666は、汚れ領域G113の輝度値の変化を検出する。例えば、変化検出部1666は、汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値の変化を検出する。例えば、変化検出部1666は、第1の時点、例えば、汚れ検出時の輝度値の平均値と、第2の時点、例えば、比較時の輝度値の平均値とを比較する。そして、変化検出部1666は、汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値が変化しているか否かを判定する。例えば、変化検出部1666は、汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値が閾値よりも高くなっているか否かを判定する。なお、変化検出部1666は、平均値に限らず、中央値により変化を検出してもよいし、最大輝度値や最小輝度値により変化を検出してもよいし、他の値により変化を検出してもよい。
【0059】
また、変化検出部1666の検出動作の対象は、
図5などに示すように、汚れの縁に沿った領域に限らず、矩形であってもよいし、
図5などの点線により区切られたブロック単位で抽出した領域であってもよい。なお、変化検出部1666は、後述する不明瞭領域抽出部1667が出力する不明瞭領域G211に関する輝度についても変化を検出する。
【0060】
不明瞭領域抽出部1667は、画像取得部1661により取得された撮像画像から、不明瞭な画像の領域である不明瞭領域G211を抽出する。不明瞭領域抽出部1667は、抽出回路の一例である。例えば、不明瞭領域抽出部1667は、レンズ161に付着した汚れに焦点が合っていないことによる、ぼやけた画像の領域である不明瞭領域G211を抽出する。不明瞭領域G211は、汚れ領域G113の周辺部分を含む領域である。また、不明瞭領域G211は、汚れ領域G113のうちの焦点が合っていない領域である。
【0061】
更に詳しくは、不明瞭領域抽出部1667は、撮像画像に対して、不明瞭領域G211を抽出するためのフィルタ処理を実行する。例えば、フィルタ処理は、周囲の画素と比較した場合に輝度値の変化の勾配が緩やかな領域を抽出する処理である。これにより、不明瞭領域抽出部1667は、撮像画像に含まれる不明瞭領域G211が抽出された抽出画像を生成する。
【0062】
例えば、不明瞭領域抽出部1667は、
図5に示す第1撮像画像G11に対して画像処理を実行することにより、
図9に示す第1抽出画像G21を生成する。
図9に示すように、不明瞭領域抽出部1667は、汚れ領域G113の周辺付近から、不明瞭領域G211を抽出する。
【0063】
例えば、不明瞭領域抽出部1667は、
図6に示す第2撮像画像G12に対して画像処理を実行することにより、
図10に示す第2抽出画像G22を生成する。
図6において光源領域G114が汚れ領域G113と重複している状態での不明瞭領域G211、光源不明瞭領域G212を示す。このため、不明瞭領域抽出部1667は、汚れ領域G113の周辺付近から、不明瞭領域G211を抽出し、光源領域G114により由来する不明瞭な領域である光源不明瞭領域G212を抽出する。
【0064】
なお、光源から照射されている可視光が汚れで散乱することにより、不明瞭領域抽出部1667は、
図9に示す光源が無い第1抽出画像G21と比較して、
図10に示す不明瞭領域G211はより広い領域を抽出する。また、可視光が照射された部分である光源領域G114について、撮像素子162は、不鮮明な画像を生成する。このため、不明瞭領域抽出部1667は、光源領域G114から光源不明瞭領域G212を抽出するが、汚れ領域G113における不明瞭領域G211との分離が困難である場合、光源不明瞭領域G212と不明瞭領域G211とは分離しなくてもよい。
【0065】
例えば、不明瞭領域抽出部1667は、
図7に示す第3撮像画像G13に対して画像処理を実行することにより、
図11に示す第3抽出画像G23を生成する。
図7,
図11は、
図6、
図10と異なり、光源領域G114は、汚れ領域G113から分離しているので、
図11に示すように、不明瞭領域抽出部1667は、汚れ領域G113の周辺付近から、不明瞭領域G211を抽出し、光源不明瞭領域G212から、不明瞭領域G211を分離して、抽出する。
【0066】
例えば、不明瞭領域抽出部1667は、
図8に示す第4撮像画像G14に対して画像処理を実行することにより、
図12に示す第4抽出画像G24を生成する。
図12に示すように、汚れ領域G113や光源領域G114が無いため、不明瞭領域抽出部1667は、不明瞭領域G211と光源不明瞭領域G212が抽出されない。このため、
図12に示すように、不明瞭領域抽出部1667は、不明瞭領域G211と光源不明瞭領域G212が無い第4抽出画像G24を生成する。
【0067】
光源判定部1668は、画像取得部1661により取得された撮像画像の輝度値の変化に基づいて、汚れが外部光源により照射されたか否かを判定する。例えば、光源判定部1668は、車載カメラ16のレンズ161に付着した汚れが光源により輝度値が変化したか否かを判定する。光源判定部1668は、判定回路の一例である。例えば、光源判定部1668は、変化検出部1666の出力する輝度値の変化に関する情報において、汚れ領域G113の平均値の輝度値が高くなった場合に、光源による輝度値の変化か否かを判定する。
【0068】
ここで、光源から可視光が照射された場合、汚れが除去されていなくても汚れ領域G113の輝度値は高くなる。ここで、不明瞭領域G211の各画素は、光源から可視光が照射された場合、可視光が汚れで散乱することにより輝度値が高くなる。そこで、光源判定部1668は、変化検出部1666が不明瞭領域G211に第1閾値以上の輝度値の画素が第2閾値以上有ると検出した場合、汚れが外部光源により照射されていると判定する。
例えば、光源判定部1668は、汚れが除去されておらず、光源により輝度値が上昇したと判定する。例えば、第2閾値は、汚れ領域G113内の光散乱を考慮して、不明瞭領域G211の40%である。例えば、光源判定部1668は、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211に高輝度の画素が40%以上ある場合、汚れが除去されていないと判定する。
【0069】
また、
図11に示すように、不明瞭領域抽出部1667は、汚れ領域G113の外部の光源領域G114から光源不明瞭領域G212を抽出する場合がある。しかしながら、汚れ検出部1663により、汚れ領域G113以外の不明瞭領域G211は、汚れではないと判断される。なお、
図10のように、汚れ領域G113の近辺に光源領域G114が存在する、もしくは、汚れ領域G113と光源領域G114とが重複して存在する場合、不明瞭領域抽出部1667は、汚れ領域G113と光源領域G114とが重複した不明瞭領域G211を抽出する。この場合、不明瞭領域抽出部1667は、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211を抽出し、汚れ領域G113外の不明瞭領域G211を破棄するとの条件を追加してもよい。このため、
図10では、光源不明瞭領域G212のうち、汚れ領域G113以外の部分は、不明瞭領域G211として抽出されなくてもよい。
【0070】
更に詳しくは、光源判定部1668は、変化検出部1666の出力する不明瞭領域G211の輝度値の変化に関する情報に基づいて、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211において輝度値が第1閾値以上の画素数を計数する。そして、光源判定部1668は、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211において輝度値が第1閾値以上の画素数が、第2閾値以上の場合に、汚れの輝度値が、光源によって上昇したと判定する。また、光源判定部1668は、光源により汚れ領域G113の輝度が上昇した状態であるため、光源フラグを有効にする。なお、光源判定部1668は、輝度値が第1閾値以上の画素数が、第2閾値以上を満たさない場合、汚れの輝度値が、光源により上昇していないと判定する。これによって、光源判定部1668は、不明瞭領域G211の輝度の変化が、光源であるか否かが判断できるため、汚れが除去(洗浄)されたとの誤判定を防止することができる。
【0071】
また、光源から可視光が照射されていると判定した後でも、汚れの輝度値が変化する場合がある。そこで、光源判定部1668は、変化検出部1666の出力する汚れ領域G113の輝度値の変化に関する情報に基づいて、汚れ領域G113の検出時の汚れ領域G113内の各画素の輝度値の平均値と、現時点の汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値との差異が第3閾値以上の場合に、汚れの外部光源による照射が継続されていると判定する。例えば、光源判定部1668は、汚れ領域G113の検出時の汚れ領域G113内の各画素の輝度値の平均値と、現時点の汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値との差異が第3閾値以上であるか否かにより、汚れ領域G113の輝度値の変化がしたか否かを判定する。なお、現時点とは、汚れ領域G113を検出後に撮像画像の汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値が変化した時である。
【0072】
汚れ検出部1663により汚れ領域G113が検出された時の輝度値と、汚れ領域G113を検出後に撮像画像の輝度値が変化した時の輝度値との差異が第3閾値以上かつ光源フラグが有効である(光源により輝度が変化している)場合、汚れ領域G113は光源から可視光の照射が継続されていると判定する。また、光源判定部1668は、汚れ領域G113の検出時の各画素の輝度値の平均値と、現時点の汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値との差異が第3閾値未満かつ光源フラグが有効(判定を継続する)である場合は、汚れ領域G113は光源からの可視光の照射が継続していない判定する。
【0073】
なお、画像処理部166は、汚れ検出部1663による汚れ検出を定期的に実行してもよく、例えば、光源判定部1668による輝度値の比較が、規定回数行われた場合に、汚れ検出部1663による汚れ検出を再度実行してもよい。これにより、画像処理部166は、レンズ161に付着した汚れが自然剥離したことによる輝度値の変化を判定することができる。
【0074】
洗浄制御部1669は、洗浄部163を制御して車載カメラ16のレンズ161を洗浄する。例えば、洗浄制御部1669は、車載カメラ16のレンズ161の汚れを除去する洗浄部163に洗浄を指示する。洗浄制御部1669は、洗浄制御回路の一例である。また、洗浄部163は、洗浄デバイスの一例である。例えば、汚れ通知部1664は、汚れが付着していることが汚れ検出部1663により検出された場合に、レンズ161に汚れが付着していることを表示装置120に表示させる。これに伴い、運転者等の操作者は、操作ボタン141や表示装置120が兼ねるタッチパネルを使用して、洗浄部163に洗浄させる操作を入力する。そして、洗浄制御部1669は、洗浄部163に洗浄させる操作を受け付けた場合に、洗浄部163にレンズ161を洗浄させる。なお、画像処理部166は、洗浄制御部1669がレンズ161を洗浄した後に、汚れ検出部1663に再度汚れ検出を実行させてもよい。
【0075】
次に、画像処理部166が実行する光源判定処理の流れについて
図13を用いて説明する。光源判定処理は、車載カメラ16のレンズ161に付着した汚れが光源によって輝度値が変化したか否かを判定する処理である。
【0076】
画像取得部1661は、車載カメラ16により撮像された撮像画像を取得する(ステップS1)。
【0077】
汚れ検出部1663は、撮像画像から、車載カメラ16のレンズ161に付着した汚れの領域である汚れ領域G113を検出する(ステップS2)。
【0078】
光源判定部1668は、光源フラグを初期化する(ステップS3)。
【0079】
不明瞭領域抽出部1667は、不明瞭領域G211、光源不明瞭領域G212を抽出するフィルタ処理を実行する(ステップS4)。
【0080】
光源判定部1668は、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211において輝度値が第1閾値以上の画素数を計数する(ステップS5)。
【0081】
光源判定部1668は、不明瞭領域G211の輝度値が第1閾値以上の画素数が第2閾値以上有るか否かに基づいて、光源から可視光が照射されているか否かを判定する(ステップS6)。
【0082】
輝度値が第1閾値以上の画素数が第2閾値未満の場合に(ステップS6;No)、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211が、光源によって照射されていないと判定され、光源判定部1668は、第2閾値以上となるまでステップS6に留まる。
【0083】
輝度値が第1閾値以上の画素数が第2閾値以上の場合に(ステップS6;Yes)、光源判定部1668は、汚れ領域G113内の不明瞭領域G211が、光源によって照射されていると判定し、光源フラグを有効に設定する(ステップS7)。
【0084】
光源判定部1668は、汚れ領域G113の検出時の各画素の輝度値の平均値と、現時点の汚れ領域G113の各画素の輝度値の平均値との差異が第3閾値以上であるか否かに基づいて、汚れ領域G113が光源により継続して照射されているか否かを判定する(ステップS8)。輝度値の平均値の差異が第3閾値以上の場合に(ステップS8;Yes)、光源判定部1668は、汚れ領域G113が光源により継続して照射されていると判定し、ステップS8に再度移行する。
【0085】
輝度値の平均値の差異が第3閾値未満の場合に(ステップS8;No)、光源判定部1668は、光源フラグを無効に設定し(ステップS9)、光源判定部1668は、ステップS6に移行する。
【0086】
なお、画像処理部166は、ステップS6の判定、ステップS8の判定を規定回数処理した後、ステップS1に移行して、再度、汚れ検出を行ってもよい。これにより、画像処理部166は、汚れ領域G113の輝度値の変化が、汚れの自然剥離によるものと判断することができる。例えば、画像処理部166は、ステップS6のYes判定後(汚れ領域G113内の不明瞭領域G211の輝度が第2閾値より高い)、または、ステップS8のYes判定後(汚れ領域G113の平均輝度が第3閾値より高い)、汚れ検出を実行して、汚れが無いと判定された場合は、汚れの自然剥離により、輝度値が上昇していると判断できる。
【0087】
また、ステップS6の判定において、光源判定部1668が、レンズ161に付着した汚れに対して外部光源により可視光が照射されているか否かを所定回数判定した場合、洗浄制御部1669は、洗浄部163にレンズ161の汚れの除去を指示してもよい。これにより、洗浄制御部1669は、レンズ161に付着した汚れを除去することができる。
【0088】
また、例えば、画像処理部166は、ステップS6のNo判定後(汚れ領域G113内の不明瞭領域G211の輝度が第2閾値より高くない)、または、ステップS8のYes判定後(汚れ領域G113の平均輝度が第3閾値より高くない)、汚れ検出を実行して、汚れ領域G113の位置が変化したと判定された場合は、汚れの一部が自然剥離により、輝度値が閾値よりも高くないと判断できる。
【0089】
また、ステップS8の判定において、光源判定部1668が、レンズ161に付着した汚れに対して外部光源による可視光の照射が継続しているか否かを所定回数判定した場合、洗浄制御部1669は、洗浄部163にレンズ161の汚れの除去を指示してもよい。これにより、洗浄制御部1669は、レンズ161に付着した汚れを除去することができる。
【0090】
以上により、画像処理部166は、光源判定処理を終了する。
【0091】
以上のように、第1の実施形態に係る画像処理部166は、画像取得部1661により取得された撮像画像から、車載カメラ16のレンズ161に付着した汚れに対応する領域である汚れ領域G113を検出する。また、画像処理部166は、画像取得部1661により取得された撮像画像から、車載カメラ16のレンズ161に汚れが付着したことにより形成される不明瞭な画像の領域である不明瞭領域G211を抽出する。そして、画像処理部166は、画像取得部1661により取得された撮像画像の輝度値の変化に基づいて、汚れが光源により照射されているか否かを判定する。画像処理部166は、不明瞭領域G211に第1閾値以上の輝度値の画素が第2閾値以上有る場合、光源により可視光が照射されたことにより輝度値が変化したものであると判定する。したがって、画像処理部166は、車載カメラ16のレンズ161の汚れの付着を検出した後に汚れの輝度が変化することによる汚れが除去されたと判定してしまう事象を抑制することができる。
【0092】
本開示のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、本開示の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された本開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【0093】
フローチャートにおける各ステップが実行される順序は、本開示を具体的に説明するために例示するためのものであり、上記以外の順序であってもよい。また、上記ステップの一部が他のステップと同時(並列)に実行されてもよいし、上記ステップの一部は実行されなくてもよい。
【0094】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを一つの機能ブロックとして実現したり、一つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0095】
なお、上述の実施形態においては、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・アッセンブリ」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、または、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【符号の説明】
【0096】
1 車両
15 送受波部
16 車載カメラ
120 表示装置
141 操作ボタン
161 レンズ
162 撮像素子
163 洗浄部
164 映像信号処理部
165 露光制御部
166 画像処理部
167 画像メモリ
166A プロセッサ
166B RAM(Random Access Memory)
166C メモリ
166D I/O(Input/Output)インタフェース
1661 画像取得部
1662 監視制御部
1663 汚れ検出部
1664 汚れ通知部
1665 判定部
1666 変化検出部
1667 不明瞭領域抽出部
1668 光源判定部
1669 洗浄制御部
G11 第1撮像画像
G12 第2撮像画像
G13 第3撮像画像
G14 第4撮像画像
G111 非撮像領域
G112 撮像領域
G113 汚れ領域
G114 光源領域
G21 第1抽出画像
G22 第2抽出画像
G23 第3抽出画像
G24 第4抽出画像
G211 不明瞭領域
G212 光源不明瞭領域