(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014269
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】収納装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/52 20060101AFI20250123BHJP
G01G 23/37 20060101ALI20250123BHJP
G01G 23/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G01G19/52 Z
G01G23/37 J
G01G23/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116703
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】北角 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】関口 大耀
(72)【発明者】
【氏名】谷村 基樹
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】増田 宗一郎
(57)【要約】
【課題】正確に対象物の重量を測定することができる測定装置を提供する。
【解決手段】筐体101と、筐体に支持されて、開閉可能な収納BOX102と、重量センサ130と、収納BOXが開けられたときに重量センサによる第1の測定値を取得しておき、収納BOXが閉められたときに重量センサで収納BOXを含む第2の測定値を取得することによって、前記収納BOXの重さを計算する制御部110と、を備える収納装置100が提供される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に支持されて、開閉可能な収納BOXと、
重量センサと、
前記収納BOXが開けられたときに前記重量センサによる第1の測定値を取得しておき、前記収納BOXが閉められたときに前記重量センサで前記収納BOXの重さを含む第2の測定値を取得することによって、前記収納BOXの重さを計算する制御部と、を備える収納装置。
【請求項2】
前記筐体には、前記収納BOXが開けられた状態で、前記収納BOXの重量が前記重量センサにかからないように支持するための構造物が設けられる、請求項1に記載の収納装置。
【請求項3】
前記筐体には、前記構造物として、前記収納BOXの前下部を基点に回動可能に支持する部材が設けられる、請求項2に記載の収納装置。
【請求項4】
前記筐体には、前記構造物として、前記収納BOXの両側面をスライド可能に支持するレールが設けられる、請求項2に記載の収納装置。
【請求項5】
前記収納BOXが閉じられたことを検知するための検知センサをさらに備え、
前記制御部は、前記収納BOXが開かれたときに起動され、前記第1の測定値を取得して、前記収納BOXが閉められると、前記第2の測定値を取得することによって、前記収納BOXの重さを計算し、所定の時間が経過するとスリープする、請求項1から4のいずれか1項に記載の収納装置。
【請求項6】
収納BOXが開けられたときの重量センサによる第1の測定値を送信し、前記収納BOXが閉められたときの前記収納BOXの重さを含む第2の測定値を送信する収納装置と、
受信した前記第1の測定値と、受信した前記第2の測定値と、に基づいて前記収納BOXの重さを計算するサーバと、を備えるネットワークシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納BOXの重量を測定する収納装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種の対象物の重量を測定するための収納装置が知られている。たとえば、特開2020-008331号公報(特許文献1)には、重量計測手段および在庫管理システムが開示されている。特許文献1によると、重量計測手段は、汎用性の重量計測手段であって、在庫管理に使用可能である。重量計測手段とサーバと端末装置とは、インターネット等のネットワークを介して互いに通信可能に接続されている。サーバは、各商品の在庫管理者の端末装置から送信される当該商品の発注依頼を受け付ける発注依頼受付部と、前記発注依頼受付部が商品の発注依頼を受け付けると、記憶部に記憶された当該商品の発注先に対して当該商品を発注する商品発注部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、消耗品などを収納する収納BOXの重量を正確に測定することができる収納装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明のある態様に従うと、筐体と、筐体に支持されて、開閉可能な収納BOXと、重量センサと、収納BOXが開けられたときに重量センサによる第1の測定値を取得しておき、収納BOXが閉められたときに重量センサで収納BOXの重さを含む第2の測定値を取得することによって、前記収納BOXの重さを計算する制御部と、を備える収納装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明によれば、消耗品などを収納する収納BOXの重量を正確に測定することができる収納装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが閉じた状態を示す正面斜視図である。
【
図2】第1の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが閉じた状態を示す側面断面図である。
【
図3】第1の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが開いた状態を示す正面斜視図である。
【
図4】第1の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが開いた状態を示す側面断面図である。
【
図5】第1の実施の形態にかかる収納装置の動作概要を示すイメージ図である。
【
図6】第1の実施の形態にかかる収納装置の構成を示すブロック図である。
【
図7】第1の実施の形態にかかる測定履歴データを示す図である。
【
図8】第1の実施の形態にかかる収納装置の処理を示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施の形態にかかる収納装置を含むネットワークシステムを示すイメージ図である。
【
図10】第2の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが閉じた状態を示す正面斜視図である。
【
図11】第2の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが閉じた状態を示す側面断面図である。
【
図12】第2の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが開いた状態を示す正面斜視図である。
【
図13】第2の実施の形態にかかる収納装置の収納BOXが開いた状態を示す側面断面図である。
【
図14】第2の実施の形態にかかる別の収納装置の収納BOXが閉じた状態を示す側面断面図である。
【
図15】第2の実施の形態にかかる別の収納装置の収納BOXが開いた状態を示す側面断面図である。
【
図16】第5の実施の形態にかかるサーバの構成を示すブロック図である。
【
図17】第5の実施の形態にかかるサーバにおける情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
【0009】
図1から
図4に示すように、本実施の形態にかかる収納装置100は、略直方体の筐体101の内側に、略直方体の収納BOX102が収容されるものである。より詳細には、収納ボックス102の重量がかかる場所が可変に構成されている。本実施の形態においては、収納BOX102は、前面の下端部102Xを軸にして、上部を前後方向に回動させられるように、筐体101に支持される。これによって、収納BOX102の上面が開閉される。
【0010】
収納BOX102には、生理用品、薬、調味料、食料品、おむつ、洗剤、化粧品、雑貨などの消耗品が収納される。
【0011】
より詳細には、
図1および
図2に示すように、収納BOX102は、前面が垂直で、底面が水平な状態において、閉状態となる。一方、
図3および
図4に示すように、収納BOX102は、前面が前方に倒れて、底面が斜めとなる状態において、開状態となる。
【0012】
特に、本実施の形態においては、収納BOX102の直下に、収納物を含む収納BOX102の重さを測定するための重量センサ130が配置されている。なお、重量センサ130の一例としては、ロードセルなどが挙げられる。そして、
図1および
図2に示すように、収納BOX102の閉状態においては、収納BOX102の全重量が重量センサ130にかかるように構成される。一方、
図3および
図4に示すように、収納BOX102の開状態においては、収納BOX102の重量が重量センサ130にかからないように、本実施の形態においては収納BOX102の全重量が筐体101の下面の前端部101Xにかかるように構成される。より詳細には、収納BOX102の後壁の上端部102Yが、筐体101の前上部101Yの裏面に支えられることによって、収納BOX102が斜めの状態で維持される。
【0013】
そして、本実施の形態においては、収納装置100は、主に、
図5に示すような動作を行う。まず、収納BOX102が閉められた状態で収納装置100はスリープ状態になっている(ステップS002)。
【0014】
そして、ユーザが、収納BOX102を開放すると、収納BOX102が重量センサ130の載置台131から離間して、内部の開閉検知センサ180がOFFになり、内部のマイコンや通信モジュールなどをスリープ状態から起動する(ステップS004)。なお、開閉検知センサ180としては、マイクロスイッチなどが挙げられる。
【0015】
この状態で、収納装置100は、載置台131の下部に設けられた重量センサ130による重量(第1の測定値)の測定を行う(ステップS006)。このとき、温度センサ191で温度を測定して記憶する。
【0016】
そして、再度、収納BOX102が閉じられると、すなわち収納BOX102の重量が重量センサ130にかかると、内部の開閉検知センサ180がONされる(ステップS008)。
【0017】
収納装置100のマイコンは、現在の重量センサ130の測定値(第2の測定値)と、ステップS006にて取得した測定値と、の差を収納BOX102の重量として記憶する(ステップS010)。収納装置100のマイコンは、収納BOX102の重量や、収納BOX102内の収納物品の使用量などを計算して記憶する。このとき、温度センサ191で温度を測定して記憶する。
【0018】
収納装置100は、収納BOX102の重量や、収納BOX102内の収納物品の使用量や、温度センサの測定値や、LEDライトの点灯状態などを、Bluetooth(登録商標)を介してスマートフォン300のアプリに送信したり、Wi-Fi(登録商標)を利用してルータを介してクラウド上のサービスのサーバ200に送信したりする(ステップS012)。
<全体構成>
【0019】
次に、
図6を参照して、本実施の形態にかかる収納装置100の全体構成について説明する。本実施の形態にかかる収納装置100は、主に、制御部110と、重量測定用の重量センサ130と、スピーカ150と、無線通信モジュール160と、開閉検知センサ180と、バッテリー190とを含むものである。
【0020】
制御部110は、マイクロコンピュータによって実現され、プロセッサ111や、メモリ112や、時計や、タイマなどを含む。プロセッサ111は、メモリ112に格納されているプログラムを実行することによって収納装置100の各部を制御する。メモリ112は、制御プログラムや、重量センサ130による測定日時や測定結果や識別情報などを記憶する。
【0021】
たとえば、メモリ112は、測定履歴データ112Aを記憶する。
図7に示すように、測定履歴データ112Aは、収納BOX102の重量の測定毎に、履歴番号と、測定日時と、収納BOX102を開けた状態の重量と温度と、収納BOX102を閉じた状態の重量と温度と、実際の収納BOXの重量と、前回の測定からの収納物品の使用量とを格納する。収納物品の残量や個数も格納できることが好ましい。
【0022】
図6に戻って、重量センサ130は、収納BOX102の載置台131の直下に配置されるものであって、載置台131を含む収納BOX102の重量を測定するものである。本実施の形態にかかる載置台131は、平面視において、収納BOX102と同様の大きさを有するものであって、収納BOX102の底面全体を支持するものである。本実施の形態においては、正面視および平面視において、載置台131の左側に1つの重量センサ130Lが配置されて、載置台131の右側に1つの重量センサ130Rが配置される。重量センサ130L,130Rは、測定値を制御部110に入力する。制御部110は、2つの重量センサ130L,130Rの測定値の合計を重量の測定結果として計算する。
【0023】
より詳細には、本実施の形態においては、重量センサ130R,130Lと収納BOX102との間に載置台131を設けるものであるため、制御部110は、載置台131と収納BOX102とその収納物品の合計の重量を取得するものである。
【0024】
スピーカ150は、制御部110から入力される音声信号に基づいて、各種の音声を出力する。
【0025】
無線通信モジュール160は、制御部110の指示に従って、無線アンテナなどを介して、ルータや、キャリア網や、インターネットや外部のサーバなどとの間でデータを送受信する。
【0026】
開閉検知センサ180は、載置台131の直下に配置されて、載置台131の上面に収納BOX102が置かれているか否かの判断結果を制御部110に入力する。本実施の形態においては、開閉検知センサ180は、磁力センサを含む。そして、収納BOX102の底面の後部に磁石107が取り付けられている。制御部110は、開閉検知センサ180からの磁力を検知した旨のスイッチON信号に基づいて、載置台131の上面に収納BOX102が載置されていると認識する。一方、制御部110は、開閉検知センサ180からの磁力を検知しない旨のスイッチOFF信号に基づいて、載置台131の上面に収納BOX102が載置されていないと認識する。
【0027】
なお、開閉検知センサ180は、磁力センサだけでなく、圧力センサや加速度センサや重量センサなどを利用して収納BOX102の開閉を検知してもよく、特に限定するものではない。
【0028】
特に、本実施の形態においては、開閉検知センサ180がOFFの状態で、すなわち収納BOX102の重さが載置台131にかかっていない状態で、制御部110が、重量センサ130による重量の測定値を取得するものである。そして、ユーザが収納BOX102を閉めると、すなわち収納BOX102を載置台131の上面に置くと、開閉検知センサ180が磁石107を検知してON状態に移行する。収納BOX102の重さが全て載置台131にかかった状態となる。本実施の形態においては、この状態において、収納BOX102の重さを測定して、直近の収納BOX102が開いた状態の重量の測定値を減じることによって、測定結果をサーバ200やスマートフォン300などにアップロードするものである。
【0029】
バッテリー190は、プロセッサ111や通信モジュール160などの収納装置100の各部に電力を供給するためのものである。
<情報処理>
【0030】
以下では、本実施の形態にかかる収納装置100における収納BOX102の重量の測定のための情報処理について説明する。プロセッサ111は、メモリ112のプログラムに従って、
図8に示す処理を実行する。
【0031】
まず、電源OFFの状態では、制御部110や、重量センサ130や、無線通信モジュール160などがスリープ状態となっている。本実施の形態においては、収納BOX102が載置台131に置かれた状態、すなわちスイッチ180がONされた状態で、所定の時間が経過したことによって、収納装置100の電源がOFFとなる。
【0032】
収納BOX102が持ち上げられて載置台131から離間すると(ステップS102にてYESである場合)、すなわちスイッチ180がOFFされると(ステップS102にてYESである場合)、次の処理が実行される。電源がOFFのときは(ステップS106にてYESである場合)、制御部110が起動される(ステップS108)。電源がONのときは、ステップS110に進む。
【0033】
制御部110のプロセッサ111は、重量センサ130を起動して、載置台131の重量を測定してメモリ112に記憶する(ステップS110)。つまり、重量の測定対象物が重量センサ130に載っていない状態における重量の測定を実行する。このとき、温度センサ191で温度を測定して記憶する。プロセッサ111は、所定の時間が経過すると、ロードセルや自身をスリープ状態に移行させる。
【0034】
プロセッサ111は、再度、スイッチ180が磁石107を検知するまで待機する(ステップS114)。
【0035】
スイッチ180がONになった場合(ステップS112にてYESである場合)、次の処理が実行される。電源がOFFのときは(ステップS116にてYESである場合)、制御部110が起動される(ステップS118)。電源がONのときは、ステップS120に進む。
【0036】
制御部110のプロセッサ111は、重量センサ130を起動して、載置台131の重量を測定してメモリ112に記憶する(ステップS120)。つまり、載置台131や収納物を含んだ収納BOX102の重量を測定する。このとき、温度センサ191で温度を測定して記憶する。
【0037】
プロセッサ111は、載置台131や収納物を含んだ収納BOX102の重量の測定値(第1の測定値)から、載置台131を含む収納BOX102の重さを含まない重量(第2の測定値)の測定値を減じて、収納BOX102とその収納物の重量を計算する(ステップS122)。プロセッサ111は、収納BOX102の重量をメモリ112の測定履歴データ112Aに追加する。
【0038】
プロセッサ111は、今回の日用品などの収納物の使用量として、前回の重量と今回の重量との差を計算したり、当該計算結果を測定履歴データ112Aに追加したりする(ステップS124)。なお、空の状態の収納BOX102の重量がメモリ112に登録されている場合には、プロセッサ111は、今回の収納BOX102の重量から、空の状態の重量を減じて収納物の残重量を計算することができる。また、収納物の1個の重量が解る場合は、プロセッサ111は、当該重量で収納物の残重量を割ることによって、残りの個数を計算することができる。
【0039】
本実施の形態においては、プロセッサ111は、無線通信モジュール160を起動して、測定日時や、収納BOX102の重量や、収納物の使用量や、収納物の残重量や、収納物の残りの個数などを、収納装置100の識別情報とともに、サーバにアップロードする(ステップS126)。
【0040】
本実施の形態においては、
図9に示すように、収納装置100は、ルータ400やインターネットを介してクラウド上のサーバ200とデータをやり取りする。より詳細には、収納装置100の無線通信モジュール160は、Wi-Fi(登録商標)通信などを利用して、ルータ400やインターネットを介してクラウド上のサーバ200とデータをやり取りする。あるいは、無線通信モジュール160は、Bluetooth(登録商標)通信を利用して、スマートフォン300やタブレットやパーソナルコンピューターなどの通信端末と直接的にデータをやり取りしてもよい。これによって、日用品などの収納物の残りの個数を調べたり、ユーザの体調などを予測したりすることができる。
【0041】
なお、プロセッサ111は、重量を測定するたびに、測定データをサーバ200にアップロードしてもよいし、所定の回数の測定データをメモリ112に貯めておいて、まとめてサーバ200にアップロードしてもよいし、所定の期間の測定データをメモリ112に貯めておいて、まとめてサーバ200にアップロードしてもよい。あるいは、通信に失敗したときに測定値をメモリ112に貯め込む構成であってもよい。
<第2の実施の形態>
【0042】
上記の実施の形態では、収納BOX102が前面の下端部102Xを軸にして上部が回動することによって解放されるものであった。しかしながら、このような形態には限られない。たとえば、本実施の形態にかかる収納装置100は、
図10から
図13に示すように、略直方体の筐体101の内側に、略直方体の収納BOX102が、前後方向にスライド可能に取り付けられるものである。より詳細には、収納BOX102には、左側面の後部に突起105Lが設けられて、右側面の後部にも突起105Rが設けられる。一方、筐体101の左側面に溝型レール104Lが設けられ、右側面には溝型レール104Rが設けられる。当該突起105L,105Rが溝型レール104L,104R内に支持されることによって、収納BOX102が筐体101内を前後方向にスライド可能に構成される。これによって、収納BOX102の上面が開閉される。
【0043】
特に、本実施の形態においては、収納BOX102の直下に、収納BOX102の重さを測定するための重量センサ130が配置されている。そして、
図10および
図11に示すように、収納BOX102の閉状態においては、収納BOX102の全重量が重量センサ130にかかるように構成される。より詳細には、溝型レール104L,104Rの後端部104Xの底面が後方に行くにつれて低くなるように構成されている。これによって、収納BOX102が後方に行くにつれて、底面に沿って突起103L,103Rが下がっていく構成となっている。収納BOX102の前部には、突起が設けられておらず、これによって収納BOX102の全重量が載置台131や重量センサ130にかかるように構成されている。
【0044】
一方、
図12および
図13に示すように、収納BOX102の開状態においては、収納BOX102の前側の重量が筐体101の前端部にかかり、収納BOX102の後側の重量が突起105L,105Rを介して溝型レール104L,104Rにかかることより、収納BOX102の重量が重量センサ130に一切かからないように構成される。
【0045】
本実施の形態においても、開閉検知センサ180は、載置台131の直下に配置されて、載置台131の上面に収納BOX102が位置するか否かの判断結果を制御部110に入力する。たとえば、開閉検知センサ180は、磁力センサを含む。そして、収納BOX102の底面の後部に磁石107が取り付けられる。制御部110は、開閉検知センサ180からの磁力を検知した旨のスイッチON信号に基づいて、載置台131の上面に収納BOX102が載置されていると認識する。一方、制御部110は、開閉検知センサ180からの磁力を検知しない旨のスイッチOFF信号に基づいて、載置台131の上面に収納BOX102が載置されていないと認識する。
【0046】
さらに別の形態としては、
図14および
図15に示すように、収納BOX102が前方にスライドすると収納BOX102の重量が載置台131や重量センサ130に一切かからないように支持され、収納BOX102が後方にスライドすると収納BOX102の全重量が重量センサ130にかかるような構成としてもよい。
【0047】
すなわち、収納BOX102が開いた状態では、収納BOX102の重量が重量センサ130にかからず、収納BOX102が閉じた状態で、収納BOX102の重量が重量センサ130にかかる構成であればよく、特定の構成に限定するものではない。
<第3の実施の形態>
【0048】
上記の実施の形態においては、重量センサ130R,130Lと収納BOX102との間に載置台131を設けるものであった。すなわち、重量センサ130は、収納BOX102が開いているときに基準値としての載置台131の重量を取得して、収納BOX102が閉じているときは載置台131と収納BOX102とその収納物の合計の重量を取得するものであった。
【0049】
しかしながら、収納装置100は、載置台131を有さずに、収納BOX102が、直接的に、重量センサ130R,130Lに当接するものであってもよい。本実施の形態においては、重量センサ130は、収納BOX102が開いているときには、何も載せていない状態での重量を取得して制御部110に渡し、収納BOX102が閉じているときには、収納BOX102とその収納物の合計の重量を取得して制御部110に提供するものである。
<第4の実施の形態>
【0050】
上記の実施の形態においては、収納BOX102の下方に、左の重量センサ130Lと右の重量センサ130Rが配置されるものであった。そして、制御部110は、左右の重量センサ130L,130Rの測定値を合計することによって、測定対象物の重さを含まない重量の測定処理を行ったり、収納BOX102や載置台131の重量を取得したりするものであった。
【0051】
しかしながら、重量センサ130の個数や配置位置は限定するものではない。たとえば、
図14および
図15に示すように、載置台131の直下に、左前の重量センサ130RFと、左後の重量センサ130RBと、右前の重量センサ130LFと、右後の重量センサ130LBとを配置しても良い。この場合は、制御部110は、収納BOX102を開いたときに、4つの重量センサ130RF,130RB,130LF,130LBの測定値を合計することによって、測定対象物の重さを含まない重量を取得して、収納BOX102を開いたときに、4つの重量センサ130RF,130RB,130LF,130LBの測定値を合計することによって、収納BOX102や載置台131の重量を取得するものである。
【0052】
あるいは、載置台131の中央部分の直下や、閉じた状態の収納BOX102の中央部分の直下に1つのロードセルを配置する形態であってもよい。
<第5の実施の形態>
【0053】
上記の実施の形態においては、収納装置100が日用品などの収納物の使用量や残量などを計算するものであったが、これらの機能の一部または全部を、サーバ200やスマートフォン300に搭載してもよい。たとえば、
図16に示すように、サーバ200のCPU210が、メモリ220のプログラムに従って、
図17に示すような処理の一部を実行してもよい。
【0054】
たとえば、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、収納装置100から収納BOX102が開いた状態の重量、すなわち測定対象物の重さを含まない重量の測定値を受信する(ステップS210)。
【0055】
次に、CPU210は、通信インターフェイス260を介して、収納装置100から、収納BOX102が閉じた状態の重量を受信する(ステップS220)。
【0056】
CPU210は、載置台131や収納物を含んだ収納BOX102の重量の測定値から、測定対象物の重さを含まない重量の測定値を減じて、収納BOX102とその収納物の重量を計算する(ステップS222)。CPU210は、収納BOX102の重量をメモリ112の測定履歴データ112Aに追加する。
【0057】
CPU210は、今回の日用品などの収納物の使用量として、前回の重量と今回の重量との差を計算したり、当該計算結果を収納装置100に対応する測定履歴データ112Aに追加したりする(ステップS224)。
【0058】
CPU210は、日用品などの使用量に基づいて収納物の残りの個数を計算したり、充填時の収納BOX102の重量と現在の収納BOX102の重量とから残りの個数を計算したり、ユーザの体調などを予測したりすることができる。
【0059】
当然ながら、サーバ200のCPU210の代わりに、スマートフォン300などの通信端末のCPUが、収納装置100からのデータに基づいて、各種の処理を実行してもよい。
<まとめ>
【0060】
上記の実施の形態においては、筐体と、筐体に支持されて、開閉可能な収納BOXと、重量センサと、収納BOXが開けられたときに重量センサによる第1の測定値を取得しておき、収納BOXが閉められたときに重量センサで収納BOXの重さを含む第2の測定値を取得することによって、前記収納BOXの重さを計算する制御部と、を備える収納装置が提供される。
【0061】
好ましくは、筐体には、収納BOXが開けられた状態で、収納BOXの重量が重量センサにかからないように支持するための構造物が設けられる。
【0062】
好ましくは、筐体には、構造物として、収納BOXの前下部を基点に回動可能に支持する部材が設けられる。
【0063】
好ましくは、筐体には、構造物として、収納BOXの両側面をスライド可能に支持するレールが設けられる。
【0064】
好ましくは、収納装置は、収納BOXが閉じられたことを検知するための検知センサをさらに備える。制御部は、収納BOXが開かれたときに起動され、第1の測定値を取得して、収納BOXが閉められると、前記第2の測定値を取得することによって、前記収納BOXの重さを計算し、所定の時間が経過するとスリープする。
【0065】
上記の実施の形態においては、収納BOXが開けられたときの重量センサによる第1の測定値を送信し、前記収納BOXが閉められたときの前記収納BOXの重さを含む第2の測定値を送信する収納装置と、受信した前記第1の測定値と、受信した前記第2の測定値と、に基づいて前記収納BOXの重さを計算するサーバと、を備えるネットワークシステムが提供される。
【0066】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0067】
100 :収納装置
101 :筐体
101X :前端部
101Y :前上部
102X :下端部
102Y :上端部
103L :突起
103R :突起
104L :溝型レール
104R :溝型レール
104X :後端部
105L :突起
105R :突起
107 :磁石
110 :制御部
111 :プロセッサ
112 :メモリ
112A :測定履歴データ
130 :ロードセル
130L :ロードセル(左)
130R :ロードセル(右)
130LF :ロードセル(左前)
130LB :ロードセル(左後)
130RF :ロードセル(右前)
130RB :ロードセル(右後)
131 :載置台
150 :スピーカ
160 :無線通信モジュール
180 :開閉検知スイッチ
190 :バッテリー
200 :サーバ
210 :CPU
220 :メモリ
260 :通信インターフェイス
300 :スマートフォン
400 :ルータ