(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025143032
(43)【公開日】2025-10-01
(54)【発明の名称】空調機ユニット、空調機ユニットの製造方法および施工方法
(51)【国際特許分類】
F24F 13/20 20060101AFI20250924BHJP
【FI】
F24F1/02 411A
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024042715
(22)【出願日】2024-03-18
(71)【出願人】
【識別番号】000169499
【氏名又は名称】高砂熱学工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】515098015
【氏名又は名称】TMES株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀場 洋祐
(72)【発明者】
【氏名】古川 潤
(72)【発明者】
【氏名】平山 等
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 一基
【テーマコード(参考)】
3L051
【Fターム(参考)】
3L051BG03
3L051BJ10
(57)【要約】
【課題】空調機に各種の部品を組み合わせて所望の空気経路を形成しつつも、設置箇所の現場における作業を簡略化可能な空調機ユニット、空調機ユニットの製造方法および施工方法を開示する。
【解決手段】少なくともファンとコイルを一体化した床置型の空調機本体と、空調機本体の空気を空調対象の空間へ吹き出す吹き出し口ユニットと、空調機本体と吹き出し口ユニットが上側に搭載されるベースフレームと、ベースフレームの上側において、空調機本体と吹き出し口ユニットを囲う外装パネル群と、を備え、外装パネル群は、空調機本体の空気流出口と吹き出し口ユニットの空気流入口とを繋ぐ第1空気経路と、空調対象の空間から空気を吸い込む吸い込み口と空調機本体の空気流入口とを繋ぐ第2空気経路の少なくとも一部と、を形成する、空調機ユニットである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともファンとコイルを一体化した床置型の空調機本体と、
前記空調機本体の空気を空調対象の空間へ吹き出す吹き出し口ユニットと、
前記空調機本体と前記吹き出し口ユニットが上側に搭載されるベースフレームと、
前記ベースフレームの上側において、前記空調機本体と前記吹き出し口ユニットを囲う外装パネル群と、を備え、
前記外装パネル群は、
前記空調機本体の空気流出口と前記吹き出し口ユニットの空気流入口とを繋ぐ第1空気経路と、
前記空調対象の空間から空気を吸い込む吸い込み口と前記空調機本体の空気流入口とを繋ぐ第2空気経路の少なくとも一部と、を形成する、
空調機ユニット。
【請求項2】
前記空調機本体は、上方に開口する空気流出口を筐体に有しており、
前記吹き出し口ユニットは、上方に開口する空気流入口を筐体に有しており、
前記外装パネル群は、前記空調機本体と前記吹き出し口ユニットの上側に配置した外装パネルにより、前記第1空気経路を形成する、
請求項1に記載の空調機ユニット。
【請求項3】
前記空調機本体は、空気流入口を筐体の側面に有しており、
前記外装パネル群は、前記空調機本体の側方に配置した外装パネルにより、前記第2空気経路を形成する、
請求項1又は2に記載の空調機ユニット。
【請求項4】
前記空調機本体は、前記ベースフレームの上側において、前記吹き出し口ユニットと前記第2空気経路との間に挟まれる位置関係で配置されている、
請求項3に記載の空調機ユニット。
【請求項5】
前記空調機本体の側方に配置した外装パネルから上方へ向かって延在し、前記第2空気経路の一部を形成する、長さ調整可能な後付け式のダクトを更に備える、
請求項3に記載の空調機ユニット。
【請求項6】
前記吹き出し口ユニットは、空気に旋回成分を付与するフィンを放射状に設けた開口を筐体の正面に複数配列した置換空調用のユニットである、
請求項1に記載の空調機ユニット。
【請求項7】
前記吹き出し口ユニットは、筐体の正面に配列された複数の開口のうち少なくとも下部以外の開口を閉じることが可能なカバーを有する、
請求項6に記載の空調機ユニット。
【請求項8】
前記吸い込み口は、前記空調機ユニットに接続される吸気ダクトの経路上に設けられており、
前記外装パネル群は、前記第2空気経路については前記吸気ダクトの終端と前記空調機本体の空気流入口とを繋ぐ部分を形成する、
請求項1に記載の空調機ユニット。
【請求項9】
前記外装パネル群は、前記第1空気経路については断熱材をパネルの内側に有する、
請求項1に記載の空調機ユニット。
【請求項10】
前記外装パネル群の各パネルは、折り曲げ加工により縁を補強した金属製の板材である、
請求項1に記載の空調機ユニット。
【請求項11】
前記ベースフレームは、前記空調機ユニットを吊る際の吊り具を係合する係合部を有する、
請求項1に記載の空調機ユニット。
【請求項12】
少なくともファンとコイルを一体化した床置型の空調機本体、及び、前記空調機本体の空気を空調対象の空間へ吹き出す吹き出し口ユニットを、ベースフレームの上側に搭載する第1工程と、
前記ベースフレームの上側において、前記空調機本体と前記吹き出し口ユニットを外装パネル群で囲む第2工程と、を有し、
前記第2工程においては、
前記空調機本体の空気流出口と前記吹き出し口ユニットの空気流入口とを繋ぐ第1空気経路と、
前記空調対象の空間から空気を吸い込む吸い込み口と前記空調機本体の空気流入口とを繋ぐ第2空気経路の少なくとも一部と、を前記外装パネル群により形成する、
空調機ユニットの製造方法。
【請求項13】
請求項1に記載の前記空調機ユニットを、前記ベースフレームに係合した吊り具で吊って前記空調機ユニットを設置箇所の現場へ移送する移送工程を有する、
空調機ユニットの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調機ユニット、空調機ユニットの製造方法および施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の空調システムが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の空調等に用いられる空調機器としては、設置箇所の現場で組み合わせることを前提としたファンやコイル等の部品類の他、ファンとコイル等を一体化した空調機が存在する。前者の場合、各種の部品を設置箇所の現場で組み合わせて空調システムを形成することができるため、設置箇所に合わせた形態のシステムを自在に形成可能である。一方、後者の場合、組み立て作業が不要であるため、設置箇所の現場における作業を簡略化可能であるが、空調機に各種の部品を組み合わせて所望の空気経路を形成した状態で設置箇所の現場に移送することは難しい。
【0005】
そこで、本願は、空調機に各種の部品を組み合わせて所望の空気経路を形成しつつも、設置箇所の現場における作業を簡略化可能な空調機ユニット、空調機ユニットの製造方法および施工方法を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、床置型の空調機本体と、空調機本体の空気を空調対象の空間へ吹き出す吹き出し口ユニットとをベースフレームに搭載し、更に、空調機本体と吹き出し口ユニットを囲う外装パネル群で所望の空気経路を形成することにした。
【0007】
詳細には、本発明は、少なくともファンとコイルを一体化した床置型の空調機本体と、空調機本体の空気を空調対象の空間へ吹き出す吹き出し口ユニットと、空調機本体と吹き出し口ユニットが上側に搭載されるベースフレームと、ベースフレームの上側において、空調機本体と吹き出し口ユニットを囲う外装パネル群と、を備え、外装パネル群は、空調機本体の空気流出口と吹き出し口ユニットの空気流入口とを繋ぐ第1空気経路と、空調対象の空間から空気を吸い込む吸い込み口と空調機本体の空気流入口とを繋ぐ第2空気経路の少なくとも一部と、を形成する、空調機ユニットである。
【0008】
ここで、ベースフレームとは、空調機本体と吹き出し口ユニットを上側に搭載可能なフレームであればよく、例えば、棒状の部材同士を組み合わせたものや、板状の部材で形成したもの等、各種形態のフレームを挙げることができる。また、外装パネル群とは、空調機ユニットの外装部分を形成するパネルを複数有するものであればよく、例えば、外装部分を形成しないパネルを一部に含んでいたり、或いは、平板以外の立体的なパネルを一部または全部に含んでいてもよい。
【0009】
上記の空調機ユニットであれば、ベースフレームに搭載した空調機本体と吹き出し口ユニットが外装パネル群によって囲まれる。そして、空調機本体の空気流出口と吹き出し口ユニットの空気流入口とを繋ぐ空気経路、および、空調対象の空間から空気を吸い込む吸
い込み口と空調機本体の空気流入口とを繋ぐ空気経路の少なくとも一部については、外装パネル群によって形成される。よって、このような空調機ユニットであれば、空調機に各種の部品を組み合わせて所望の空気経路を形成しつつも、設置箇所の現場における作業を簡略化することが可能である。
【0010】
なお、空調機本体は、上方に開口する空気流出口を筐体に有しており、吹き出し口ユニットは、上方に開口する空気流入口を筐体に有しており、外装パネル群は、空調機本体と吹き出し口ユニットの上側に配置した外装パネルにより、第1空気経路を形成するものであってもよい。このような形態の空調機ユニットであれば、第1空気経路を空調機ユニットの上部に形成することができる。
【0011】
また、空調機本体は、空気流入口を筐体の側面に有しており、外装パネル群は、空調機本体の側方に配置した外装パネルにより、第2空気経路を形成するものであってもよい。このような空調機ユニットであれば、第2空気経路を空調機ユニットの側部に形成することができる。
【0012】
また、空調機本体は、ベースフレームの上側において、吹き出し口ユニットと第2空気経路との間に挟まれる位置関係で配置されていてもよい。このような空調機ユニットであれば、比較的重量の大きい空調機本体を空調機ユニットの中央部付近に位置させることができる。
【0013】
また、空調機本体の側方に配置した外装パネルから上方へ向かって延在し、第2空気経路の一部を形成する、長さ調整可能な後付け式のダクトを更に備えるものであってもよい。このような空調機ユニットであれば、様々な設置箇所で当該ダクトを利用可能であり、また、当該ダクトが後付け式なので空調機ユニットの運搬も容易である。
【0014】
また、吹き出し口ユニットは、空気に旋回成分を付与するフィンを放射状に設けた開口を筐体の正面に複数配列した置換空調用のユニットであってもよい。このような空調機ユニットであれば、温度成層を保った置換空調を実現可能である。
【0015】
また、吹き出し口ユニットは、筐体の正面に配列された複数の開口のうち少なくとも下部以外の開口を閉じることが可能なカバーを有するものであってもよい。このような空調機ユニットであれば、床面付近に温風を勢いよく流すことが可能となる。
【0016】
また、吸い込み口は、空調機ユニットに接続される吸気ダクトの経路上に設けられており、外装パネル群は、第2空気経路については吸気ダクトの終端と空調機本体の空気流入口とを繋ぐ部分を形成するものであってもよい。このような空調機ユニットであれば、ダクトに接続される空気経路を外装パネル群で形成することが可能となる。
【0017】
また、外装パネル群は、第1空気経路については断熱材をパネルの内側に有するものであってもよい。これによれば、第1空気経路において外装パネル群が結露するのを防ぐことができる。
【0018】
また、外装パネル群の各パネルは、折り曲げ加工により縁を補強した金属製の板材であってもよい。これによれば、空調機ユニットの外装の強度を高めることが可能となる。
【0019】
また、ベースフレームは、空調機ユニットを吊る際の吊り具を係合する係合部を有するものであってもよい。このような空調機ユニットであれば、運搬時にクレーンで吊ることが可能となる。
【0020】
また、本発明は、方法の側面から捉えることもできる。例えば、本発明は、少なくともファンとコイルを一体化した床置型の空調機本体、及び、空調機本体の空気を空調対象の空間へ吹き出す吹き出し口ユニットを、ベースフレームの上側に搭載する第1工程と、ベースフレームの上側において、空調機本体と吹き出し口ユニットを外装パネル群で囲む第2工程と、を有し、第2工程においては、空調機本体の空気流出口と吹き出し口ユニットの空気流入口とを繋ぐ第1空気経路と、空調対象の空間から空気を吸い込む吸い込み口と空調機本体の空気流入口とを繋ぐ第2空気経路の少なくとも一部と、を外装パネル群により形成する、空調機ユニットの製造方法であってもよい。
【0021】
また、本発明は、上記の空調機ユニットを、ベースフレームに係合した吊り具で吊って空調機ユニットを設置箇所の現場へ移送する移送工程を有する、空調機ユニットの施工方法であってもよい。
【発明の効果】
【0022】
上記の空調機ユニット、空調機ユニットの製造方法および施工方法であれば、空調機に各種の部品を組み合わせて所望の空気経路を形成しつつも、設置箇所の現場における作業を簡略化可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、空調機ユニットの外観斜視図である。
【
図2】
図2は、空調機ユニットの内部を示した透過斜視図である。
【
図3】
図3は、空調機ユニットの組み立て方法を示した第1の図である。
【
図4】
図4は、空調機ユニットの組み立て方法を示した第2の図である。
【
図5】
図5は、空調機ユニットの組み立て方法を示した第3の図である。
【
図6】
図6は、空調機ユニットの組み立て方法を示した第4の図である。
【
図7】
図7は、空調機ユニットの組み立て方法を示した第5の図である。
【
図8】
図8は、空調機ユニットの組み立て方法を示した第6の図である。
【
図9】
図9は、空調機ユニットの運搬方法を示した図である。
【
図10】
図10は、空調機ユニットの設置方法を示した図である。
【
図12】
図12は、空調機ユニットの変形例を示した図である。
【
図13】
図13は、閉鎖カバーで開口を一部覆った場合の空気の流れを示した図である。
【
図14】
図14は、吹き出し口ユニットの変形例を示した図である。
【
図15】
図15は、変形例に係る吹き出し口ユニットにおけるモード切替の様子を示した図である。
【
図16】
図16は、変形例に係る吹き出し口ユニットにおける空気の吹き出し状態を示した図である。
【
図17】
図17は、閉鎖カバーの効果を模式的に示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であり、本発明の技術的範囲を以下の態様に限定するものではない。
【0025】
図1は、空調機ユニット1の外観斜視図である。空調機ユニット1は、ファンとコイルと冷凍機を内蔵したパッケージ型の空調機(PAC)、或いは、ファンとコイルを一体化したファンコイルユニット(FCU)といった既製品の空調機本体と、空調機本体に組み合わせる各種の部品類とを一体化したものであり、空調機本体セクション2、吹き出し口セクション3、ベースフレーム4、上部空気経路セクション5、側部空気経路セクション6を備える。空調機ユニット1は、空調機本体やその他の部品類をベースフレーム4の上
で外装パネル群により取り囲んで外観上一体化した形態となっている。
【0026】
空調機本体セクション2には、空調機本体が収まっている。吹き出し口セクション3には、吹き出し口ユニットが収まっている。空調機本体セクション2と吹き出し口セクション3の上部に位置する上部空気経路セクション5には、空調機本体セクション2と吹き出し口セクション3とを繋ぐための空気の経路が収まっている。空調機本体セクション2の左側には、吸気ダクト7と空調機本体セクション2とを繋ぐための空気の経路が収まっている。ベースフレーム4は、空調機本体セクション2に収まってる空調機本体や、吹き出し口セクション3に収まっている吹き出し口ユニット、空調機ユニット1全体の外観を形成する外装パネル群、その他の部品類を支持する。
【0027】
図2は、空調機ユニット1の内部を示した透過斜視図である。空調機ユニット1の内部には、
図2に示すように、空調機本体2Aや吹き出し口ユニット3Aが収められている。
【0028】
空調機本体2Aは、略直方体の外観を有する床置型の空調機であり、空気流入口2A1を筐体の側面に、空気流出口2A2を筐体の上部に有している。空気流出口2A2には、空調機本体2Aの振動を伝達させないように柔軟なダクト(キャンバスダクト)が設けられている。空調機本体2Aは、内部にファンとコイルを有する。空調機本体2Aは、空気流入口2A1からファンで吸い込んだ空気を空気流出口2A2から吹き出す。空調機本体2Aは、空調機ユニット1の外部から供給される冷水が流れるコイルで空気を冷やすことにより、空気の冷却と除湿を行う。空調機本体2Aは、
図2の形態のものに限定されるものでなく、既製品の各種空調機を適用可能である。
【0029】
吹き出し口ユニット3Aは、略直方体の外観を有する吹き出し口ユニットであり、複数の開口3A1を筐体の正面に縦横に有し、空気流入口3A2を筐体の上部に有している。開口3A1は、吹き出し方向に対し傾斜したフィンを放射状に有する全体視円形の開口であり、空気流入口3A2から送り込まれた空気に旋回成分を付与して吹き出す。吹き出し口ユニット3Aは、このような開口3A1を筐体の正面に縦横に有することで、温度成層を維持しながらドラフト感の無い置換空調を実現できる。
【0030】
図2を見ると判るように、上部空気経路セクション5の内部空間は、空気流出口2A2と空気流入口3A2とを繋ぐ空気の経路となっている。また、側部空気経路セクション6の内部空間は、吸気ダクト7と空気流入口2A1とを繋ぐ空気の経路となっている。このため、空調機本体2Aが作動すると、吸気ダクト7の経路上に設けられている吸い込み口から吸い込まれた空気が、吸気ダクト7から側部空気経路セクション6内を通って空気流入口2A1から空調機本体2A内に流入する。そして、空調機本体2A内のコイルで冷却された空気は、空気流出口2A2から上部空気経路セクション5内を通って空気流入口3A2から吹き出し口ユニット3A内に入り、各開口3A1から吹き出し口ユニット3Aの正面方向へ吹き出ることになる。
【0031】
次に、空調機ユニット1の組み立て方法について説明する。空調機ユニット1は、空調機ユニット1が設置される工事現場とは異なる場所にある工場等で組み立てられ、車両で工事現場へ運搬される。よって、空調機ユニット1は、箱型の荷室を備えたトラック(「箱型トラック(箱トラ)」とも呼ばれる)に搭載可能な大きさとなっていることが好ましい。例えば、日本国内で用いられているトラックの場合、荷室に積載可能な荷物の高さを2800mmに制限しているものが多いため、吸気ダクト7を除いた空調機ユニット1の全高を2700mm以下にすることが好ましい。
【0032】
図3は、空調機ユニット1の組み立て方法を示した第1の図である。空調機ユニット1を組み立てる際は、
図3(A)に示すように、ベースフレーム4の上に空調機本体2Aと
吹き出し口ユニット3Aを載せてボルト等で組み付ける。これにより、
図3(B)に示すように、ベースフレーム4の上に空調機本体2Aと吹き出し口ユニット3Aが組付けられた状態となる。空調機本体2Aと吹き出し口ユニット3Aは、ベースフレーム4に対し、ゴム等の振動吸収体を介して組み付けてもよいし、或いは、このような振動吸収体を介さずに組み付けてもよい。また、本工程においては、開口3A1が縦横に配置されている吹き出し口ユニット3Aの正面部分に、後述する外装パネルP1の通気網3Bが既に一体化された状態であってもよい。
【0033】
図4は、空調機ユニット1の組み立て方法を示した第2の図である。ベースフレーム4の上に空調機本体2Aと吹き出し口ユニット3Aを組付けた後は、
図4(A)に示すように、外装パネルP1~P7を組み付ける。開口3A1から吹き出る空気を通すための通気網3Bが設けられている外装パネルP1は、吹き出し口ユニット3Aの正面側に組み付ける。外装パネルP2は、空調機本体2Aの正面側に組み付ける。外装パネルP2には、空調機本体2Aの点検やフィルタ交換を行うために脱着式の点検扉が設けられている。外装パネルP3は、外装パネルP2の左側に組み付ける。外装パネルP3には、空調機本体2Aに接続する冷水配管やドレン配管にアクセスするための点検扉が設けられている。外装パネルP4は、外装パネルP3の後ろ側に組み付ける。外装パネルP5と外装パネルP6は、空調機本体2Aの背面側に組み付ける。外装パネルP7は吹き出し口ユニット3Aの背面側に組み付ける。これにより、
図4(B)に示すように、空調機本体2Aや吹き出し口ユニット3Aの正面側及び背面側が外装パネルP1~P7で覆われた状態となる。
【0034】
なお、外装パネルP1等の各外装パネルは、縁を折り曲げ加工によって補強した金属製の薄い鋼板で形成されている。そして、外装パネルP5や外装パネルP6といった比較的大きい外装パネルについては、補強用の棒材が上下方向或いは左右方向に延在する形態で適宜の箇所に溶接されている。このため、外装パネルは、風圧を受けても振動音を発しない。
【0035】
また、外装パネルP1~P7や後述する各パネルには、何れもパネル同士の接触部分に気密用のパッキンが貼着されている。よって、パネル同士が接触している部分については、パッキンにより気密性が確保される。
【0036】
図5は、空調機ユニット1の組み立て方法を示した第3の図である。外装パネルP1~P7を組付けた後は、
図5(A)に示すように、外装パネルP8~P12を組み付ける。外装パネルP9は、吹き出し口ユニット3Aの右側に組み付ける。外装パネルP8は、外装パネルP9の上に組み付ける。外装パネルP10は、空調機本体2Aの左側に組み付ける。外装パネルP10には、空調機本体2Aに接続する冷水配管を通すための貫通穴や、空気流入口2A1を形成するための貫通穴が設けられている。外装パネルP11は、外装パネルP10の上側に組み付ける。外装パネルP12は、空調機本体2Aと吹き出し口ユニット3Aの上側に組み付ける。外装パネルP12には、空気流出口2A2や空気流入口3A2と接続するための貫通穴が設けられている。これにより、
図5(B)に示すように、空調機本体2Aや吹き出し口ユニット3Aの上側、左側及び右側が外装パネルP8~P12で覆われた状態となる。
【0037】
図6は、空調機ユニット1の組み立て方法を示した第4の図である。外装パネルP8~P12を組付けた後は、
図6(A)に示すように、外装パネルP13~P16を組み付ける。外装パネルP13は、外装パネルP1及び外装パネルP2の上側に組み付ける。外装パネルP14は、外装パネルP3の上側に組み付ける。外装パネルP15は、外装パネルP4の上側に組み付ける。外装パネルP16は、外装パネルP5及び外装パネルP7の上側に組み付ける。これにより、
図6(B)に示すように、空調機ユニット1の正面側と右側面側と背面側の3面が完成した状態となる。
【0038】
図7は、空調機ユニット1の組み立て方法を示した第5の図である。外装パネルP13~P16を組付けた後は、
図7(A)に示すように、断熱材Dを組み付ける。断熱材Dは、空調機本体2Aの空気流出口2A2から吹き出た冷気により、空調機ユニット1の上部が結露するのを防ぐ目的で組み付けられる。よって、空調機本体2Aから吹き出る冷気が比較的高温、或いは、空調機ユニット1が設置される箇所の環境が比較的低湿である等により、空調機ユニット1の上部が結露する可能性が低い場合には、断熱材Dの組み付けを省略してもよい。
【0039】
断熱材Dは、上部空気経路セクション5の内部に形成される空気経路内に配置される形態であるため、吸水しない素材であることが好ましい。このような素材の断熱材としては、例えば、独立気泡の硬質或いは柔軟な発泡体が挙げられる。断熱材Dは、
図7(B)に示されるように、外装パネルP8,P11,P12,P13,P16の内面等に貼着される。また、断熱材D同士の隙間部分については、コーキング剤にて封止される。なお、断熱材Dは、空調機ユニット1の組み立てを開始する前に、外装パネルの製造工場などで外装パネルP8,P11,P12,P13,P16に対し予め貼着されていてもよい。
【0040】
図8は、空調機ユニット1の組み立て方法を示した第6の図である。断熱材Dを組付けた後は、
図8(A)に示すように、外装パネルP17~P20を組み付ける。外装パネルP17は、外装パネルP3と外装パネルP4に組み付ける。外装パネルP18は、外装パネルP17の上側に組み付ける。外装パネルP19は、外装パネルP11と外装パネルP14と外装パネルP15と外装パネルP18に組み付ける。外装パネルP20は、外装パネルP8と外装パネルP13と外装パネルP16に組み付ける。外装パネルP20の内面には、断熱材が貼着されている。よって、外装パネルP20が組付けられることにより、上部空気経路セクション5の内面は、断熱材で完全に覆われた状態となる。
【0041】
以上により、
図8(B)に示すように、空調機本体セクション2、吹き出し口セクション3、上部空気経路セクション5、側部空気経路セクション6が外装パネルによって形成され、空調機ユニット1が完成した状態となる。空調機ユニット1は、金属製の外装パネルによって外観が形成された状態となっているため、空調機本体2Aと吹き出し口ユニット3Aをベースフレーム4に組み付けただけの
図3(B)の状態に比べて全体的に高強度になっている。
【0042】
なお、
図8(B)の部分拡大図に示すように、外装パネルP17を外装パネルP3へ固定するためのネジNは、空調機ユニット1の外装面に露出している。このため、側部空気経路セクション6の内部空間を最後に閉じるような外装パネルP17であっても、外装パネルP3へ容易に組み付け可能となっている。このような構造は、外装パネルP17の他に、外装パネルP18、外装パネルP8、外装パネルP9にも採用されている。
【0043】
図9は、空調機ユニット1の運搬方法を示した図である。空調機ユニット1を運搬する際は、
図9に示すように、ベースフレーム4の四隅に仮設した係合用の部材と運搬用の治具Jとをワイヤー(本願でいう「吊り具」の一例である)で連結し、空調機ユニット1をクレーンで吊る。空調機ユニット1は、空調機本体2Aや吹き出し口ユニット3Aといった機器類をベースフレーム4に載せて一体化した形態となっているため、ベースフレーム4の四角に連結したワイヤーで吊ることにより、空調機ユニット1全体を上げたり下げたりすることが可能である。これにより、空調機ユニット1を組み立てる工場や、空調機ユニット1を設置する工事現場において、空調機ユニット1を車両等からクレーンで載せ下ろしすることが可能となっている。
【0044】
図10は、空調機ユニット1の設置方法を示した図である。空調機ユニット1を工事現
場で所定の箇所に設置した後は、
図10(A)に示すように、空調機ユニット1に後付け式の吸気ダクト7を接続する。これにより、空調機ユニット1には、
図10(B)に示すように、吸気ダクト7が接続された状態となる。吸気ダクト7の他に、電源ケーブルや冷水配管、ドレン配管等を接続すると、空調機ユニット1の設置作業が完了する。なお、ドレン配管や冷水配管、電線用の配管等を空調機ユニット1の上方へ引き回す場合は、空調機ユニット1を工場から出荷する前に予めこれらの配管類を側部空気経路セクション6内に通しておき、空調機ユニット1の上部に露出させた状態にしておくとよい。
【0045】
なお、ドレン水は、自重で流下する配管を使って排水してもよいし、或いは、ドレン水を昇圧して空調機ユニット1よりも高い位置へ送るドレンアップポンプを使って排水するようにしてもよい。
【0046】
また、吸気ダクト7は、設置箇所に応じて適宜の高さに切断することが容易な素材(例えば、段ボール等の紙製素材)が好適である。このような吸気ダクト7であれば、空調機ユニット1を量産化しても、吸気ダクト7を標準の部品として設置箇所に応じて利用することが可能となる。
【0047】
図11は、空調システムの一例を示した図である。空調機ユニット1は、例えば、
図11に示すような空調システムSを形成可能である。
図11に示す空調システムSでは、空調対象室Rの床に空調機ユニット1が複数台設置されている。そして、各空調機ユニット1には、冷凍機や冷却塔によって製造された冷水が供給される。このような形態の空調システムSにおいては、空調機ユニット1から吹き出た冷気が横方向にドラフト感も無く流れるため、空調対象室R内で温度成層を形成しながら置換空調を行うことが可能である。
【0048】
また、空調機ユニット1であれば、工場で組み立てたものを設置箇所の工事現場へ設置するだけで空調システムSを空調対象室Rに構築できるため、現場作業を大幅に削減することが可能である。すなわち、空調機本体2Aに吹き出し口ユニット3Aやその他各種の部品を組み合わせて空調システムを構築する場合、各部品を別々の状態で工事現場へ搬入し、工事現場で組み立てる必要がある。この点、本実施形態の空調機ユニット1であれば、空調機本体2Aや吹き出し口ユニット3Aがベースフレーム4に組付けられており、更に、本来であればダクトによって形成される空気の経路も外装パネルPによって上部空気経路セクション5内や側部空気経路セクション6内に形成されているので、工事現場における作業が大幅に削減されることになる。
【0049】
空調機ユニット1が適用される箇所としては、例えば、天井高が比較的高い工場や倉庫等が挙げられる。空調機ユニット1は、ドラフト感の無い置換空調が可能であるため、粉塵の浮遊が忌避されるような工場において好適である。このような工場としては、例えば、半導体装置の製造工場のクリーンルームや、リチウムイオン電池、精密な光学機器、その他の各種工業製品の製造工場等が挙げられる。
【0050】
なお、上記実施形態では、冷風を吹き出す形態を前提にしていたが、空調機ユニット1は、温風を吹き出す形態であってもよい。この場合、空調機ユニット1は、次のように変形してもよい。
【0051】
図12は、空調機ユニット1の変形例を示した図である。空調機ユニット1で温風を吹き出す場合は、
図12に示すように、吹き出し口ユニット3Aの正面に縦横に配置されている複数の開口3A1のうち、吹き出し口ユニット3Aの下部付近の開口3A1以外を閉鎖カバー3Cで覆ってもよい。例えば、
図12(A)に示すように通気網3Bを開き、次に、
図12(B)に示すように吹き出し口ユニット3Aの正面上部に閉鎖カバー3Cを取り付ける。閉鎖カバー3Cは、板状の部材であってもよいし、或いは、吹き出し口ユニッ
ト3Aの上部から下がる昇降式のロールスクリーンであってもよい。閉鎖カバー3Cを取り付けることにより、吹き出し口ユニット3Aの下部付近の開口3A1から吹き出る温風の風量が増加するため、床面付近の低温化を可及的に抑制できる。閉鎖カバー3Cは、吹き出し口ユニット3Aの正面外側に配置されてもよいし、或いは、吹き出し口ユニット3Aの正面内側に配置されてもよい。
【0052】
また、開口3A1が縦横に配置されている部分は、
図12に示すように外装パネルP1が有する通気網3Bと別体であってもよいが、例えば、通気網3Bと一体であってもよい。この場合、閉鎖カバー3Cは、吹き出し口ユニット3Aの正面内側に配置されることが好ましい。
【0053】
図13は、閉鎖カバー3Cで開口3A1を一部覆った場合の空気の流れを示した図である。吹き出し口ユニット3Aの下部付近の開口3A1以外を閉鎖カバー3Cで覆った場合、吹き出し口ユニット3Aの下部付近の開口3A1から吹き出る温風の風量が増加する。このため、空調対象室Rの床面付近に温風が勢いよく流れ、空調対象室Rの床面付近が低温になる可能性を抑制可能である。
【0054】
図14は、吹き出し口ユニット3Aの変形例を示した図である。上述した吹き出し口ユニット3Aでは、吹き出し方向に対し傾斜したフィンを放射状に有する全体視円形の開口3A1を吹き出し口ユニット3Aの正面の全域に縦横に配列した形態を採っていたが、開口3A1の一部が傾斜したフィンを放射状に有しない通常の開口であってもよい。ここでは、吹き出し方向に対し傾斜したフィンを放射状に有する全体視円形の開口を旋回翼開口3A1Sとし、吹き出し方向に対し傾斜したフィンを放射状に有しない通常の開口を通常型開口3A1Nとする。
【0055】
変形例の吹き出し口ユニット3Aは、基本的には正面のほぼ全域に旋回翼開口3A1Sが縦横に配列されているが、下部の1段目と2段目のみ通常型開口3A1Nが配列されている。通常型開口3A1Nは、旋回翼開口3A1Sと異なり、空気を吹き出し口ユニット3Aの正面方向へ真っすぐに吹き出す。このため、通常型開口3A1Nから吹き出る高速の空気は、温度成層を維持しながらドラフト感の無い置換空調を実現するのに適さない。そこで、通常型開口3A1Nには、夏季の冷房モードの際に空気の吹き出しを止めるための開閉式シャッターが設けられている。
【0056】
図15は、変形例に係る吹き出し口ユニット3Aにおけるモード切替の様子を示した図である。空調機ユニット1を冷房モードで運転する場合、旋回翼開口3A1Sからのみ冷気が吹き出るようにするために、通常型開口3A1Nの開閉式シャッターは閉じた状態で使用される。そして、空調機ユニット1を冷房モードから暖房モードへ切り替える場合、
図15(A)に示すように、吹き出し口ユニット3Aの正面を開き、通常型開口3A1Nの開閉式シャッターを開く。また、
図15(B)に示すように、旋回翼開口3A1Sを閉鎖パネル3Pで閉鎖する。閉鎖パネル3Pで閉鎖する開口は、下から数えて5段目以上の旋回翼開口3A1Sのみであり、下から数えて1~2段目の通常型開口3A1Nと、下から数えて3~4段目の旋回翼開口3A1Sについては、閉鎖パネル3Pで閉鎖しない。冷房モードと暖房モードの切り替えがこのように行われることで、吹き出し口ユニット3Aからは空気が次のように吹き出る。
【0057】
図16は、変形例に係る吹き出し口ユニット3Aにおける空気の吹き出し状態を示した図である。通常型開口3A1Nのみを開閉式シャッターで閉じた冷房モードの場合、
図16(A)に示すように、旋回翼開口3A1Sからドラフト感の無い空気が吹き出る。一方、下から数えて5段目以上の旋回翼開口3A1Sを閉鎖パネル3Pで閉鎖した暖房モードの場合、
図16(B)に示すように、下から数えて1~2段目の通常型開口3A1Nから
は空気が真っすぐに吹き出し、下から数えて3~4段目の旋回翼開口3A1Sからはドラフト感の無い空気が吹き出る。このため、変形例に係る吹き出し口ユニット3Aであれば、夏季の冷房時にはドラフト感の無い冷風により置換空調を行うことが可能であり、冬季の暖房時には床面付近の通常型開口3A1Nなどから吹き出る温風により床面付近の低温化を可及的に抑制できる。
【0058】
図17は、閉鎖カバー3Cの効果を模式的に示した図である。
図17(A)では閉鎖カバー3Cを用いない場合の暖房モードにおける空調機ユニット1前方側の温度分布を示し、
図17(B)では閉鎖カバー3Cを用いた場合の暖房モードにおける空調機ユニット1前方側の温度分布を示している。閉鎖カバー3Cを用いない場合、暖気がドラフト感の無い低速で空調機ユニット1の吹き出し口ユニット3Aから吹き出るため、暖気が上方へ上昇してしまう。一方、閉鎖カバー3Cを用い且つ通常型開口3A1Nで暖気を勢いよく吹き出す場合、暖気が高速で空調機ユニット1の吹き出し口ユニット3Aの下部から吹き出るため、暖気が床面に沿って遠方まで流れる。このため、空調対象の空間全体を温めることが可能である。さらに、閉鎖カバー3Cを暖房時に用いる形態であれば、旋回翼開口3A1Sと通常型開口3A1Nとを組み合わせた暖房の吹き出しとなるため、旋回翼開口3A1Sによる誘引効果により、吹き出し口ユニット3Aの正面に障害物があったとしても、暖気が障害物の周囲に回り込んで暖房することができるため、低温の箇所が生じにくい。
【0059】
また、通常型開口3A1Nは、風向調整可能なルーバを有しない開口であってもよいし、或いは、風向調整可能なルーバを有する開口であってもよい。風向調整可能なルーバを有する開口としては、例えば、筒体内に風向調整用のルーバが設けられており、当該ルーバを筒体の軸回りで回動させて風向を自由に設定できるものや、或いは、ルーバの角度を水平方向に対し0°から90°までの範囲内で自在に確度変更可能なものが挙げられる。風向調整可能なルーバを有する開口用の部材を通常型開口3A1Nに用いれば、例えば、温風を作業員の位置へ向けたり、或いは、温風を床面の方へ向けたりすることが可能である。
【0060】
また、吹き出し口ユニット3Aは、上記のように、開口3A1や旋回翼開口3A1S、通常型開口3A1Nの開閉等により冷房モードと暖房モードの切り替えを行う形態に限定されるものではない。吹き出し口ユニット3Aは、例えば、冷房モード専用のユニットと暖房モード専用のユニットの2ユニットで構成されており、選択したいモードに応じて切替ダンパーにより空調機本体セクション2から吹き出し口セクション3へ繋がる空気経路を切り替えるようにしてもよい。
【0061】
また、上記実施形態の空調機ユニット1は、その他の形態へも適宜変形可能である。例えば、上記実施形態では、吹き出し口セクション3を空調機本体セクション2の右側に配置し、側部空気経路セクション6を空調機本体セクション2の左側に配置する形態となっていたが、左右が反対の位置関係であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態の空調機ユニット1は、空調機本体セクション2を吹き出し口セクション3と側部空気経路セクション6との間に挟む形態で配置することにより、比較的重量の大きい空調機本体2Aが空調機ユニット1の中央部に位置するようになっていた。これにより、クレーンで吊った際の重心の偏りを抑制することができる。しかし、上記実施形態の空調機ユニット1は、このような形態に限定されるものでなく、重心がアンバランスな位置関係となるような形態でベースフレーム4上に各機器を配置してもよい。
【0063】
また、上記実施形態の空調機ユニット1では、外装パネルP1等の外装パネルが金属製の鋼板で形成されていたが、外装パネルの全部または一部は、金属以外の素材の板で形成
されていてもよい。
【0064】
また、上記実施形態の空調機ユニット1では、吹き出し口ユニット3Aが空気に旋回成分を付与する開口3A1を縦横に配列した形態となっていたが、空調機ユニット1は、このような旋回成分を付与しない一般的な吹き出し口を吹き出し口ユニット3Aに設けたものであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
R・・空調対象室
S・・空調システム
P・・外装パネル
D・・断熱材
N・・ネジ
J・・治具
1・・空調機ユニット
2・・空調機本体セクション
3・・吹き出し口セクション
4・・ベースフレーム
5・・上部空気経路セクション
6・・側部空気経路セクション
7・・吸気ダクト
2A・・空調機本体
2A1・・空気流入口
2A2・・空気流出口
3A・・吹き出し口ユニット
3A1・・開口
3A2・・空気流入口
3B・・通気網
3C・・閉鎖カバー
3A1S・・旋回翼開口
3A1N・・通常型開口
3P・・閉鎖パネル