(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014312
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】アンプモジュール、及び、無線通信システム
(51)【国際特許分類】
H04B 1/3822 20150101AFI20250123BHJP
H04B 1/40 20150101ALI20250123BHJP
H04B 17/16 20150101ALI20250123BHJP
H04B 17/29 20150101ALI20250123BHJP
【FI】
H04B1/3822
H04B1/40
H04B17/16
H04B17/29 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116781
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】青柳 一博
(72)【発明者】
【氏名】飯坂 岳
(72)【発明者】
【氏名】國島 努
【テーマコード(参考)】
5K011
【Fターム(参考)】
5K011DA02
5K011DA12
5K011DA27
5K011DA29
5K011EA03
5K011JA01
5K011LA01
(57)【要約】
【課題】アンテナの接続状態を本体部に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール、及び、無線通信システムを提供する。
【解決手段】アンプモジュールは、無線通信用のアンテナと無線通信装置の本体部との間に配置され、アンテナに第1配線部材を介して接続されるとともに、本体部と第2配線部材を介して接続される、アンプモジュールであって、第1配線部材が接続されるアンテナ側端子と、第2配線部材が接続される本体側端子と、アンテナ側端子と本体側端子との間に設けられる増幅部と、アンテナ側端子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、インピーダンス検出部によって検出されるインピーダンスに基づいて、アンテナ側端子に対するアンテナの接続状態を判定する判定部と、判定部によって接続状態が異常であると判定されると、接続状態を表す第1状態信号を増幅器に前記本体側端子側に出力させる制御部とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信用のアンテナと無線通信装置の本体部との間に配置され、前記アンテナに第1配線部材を介して接続されるとともに、前記本体部と第2配線部材を介して接続される、アンプモジュールであって、
前記第1配線部材が接続されるアンテナ側端子と、
前記第2配線部材が接続される本体側端子と、
前記アンテナ側端子と前記本体側端子との間に設けられる増幅器と、
前記アンテナ側端子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部によって検出される前記インピーダンスに基づいて、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態を判定する判定部と、
前記判定部によって前記接続状態が異常であると判定されると、前記接続状態を表す第1状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる制御部と、
を含む、アンプモジュール。
【請求項2】
前記増幅器は、ディセーブル信号及びイネーブル信号によって増幅動作の有効及び無効を切替可能に構成されており、
前記制御部は、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を時分割的に切り替えて前記増幅器の前記増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、前記増幅器に前記第1状態信号を出力させる、請求項1に記載のアンプモジュール。
【請求項3】
前記制御部は、前記ディセーブル信号を前記増幅器に出力する第1期間と、前記イネーブル信号を前記増幅器に出力する第2期間とを前記接続状態の前記異常の種類に応じて変更することで、前記異常の種類を表す前記第1状態信号を前記増幅器に出力させる、請求項2に記載のアンプモジュール。
【請求項4】
前記第1期間と前記第2期間とは等しい、請求項3に記載のアンプモジュール。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1期間及び前記第2期間が交互に経過する度に、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を交互に切り替え、
前記第1状態信号は、前記第1期間にわたる前記ディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、前記第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号である、請求項3に記載のアンプモジュール。
【請求項6】
前記異常の種類は、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態がオープンであること、及び、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態がショートであることを含む、請求項3に記載のアンプモジュール。
【請求項7】
前記アンプモジュールの温度を検出する温度センサをさらに含み、
前記判定部は、さらに、前記温度センサによって検出される前記温度に基づいて、前記アンプモジュールの温度異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記温度異常が生じていると判定されると、前記温度異常を表す第2状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる、請求項1に記載のアンプモジュール。
【請求項8】
前記アンプモジュールの温度を検出する温度センサをさらに含み、
前記判定部は、さらに、前記温度センサによって検出される前記温度に基づいて、前記アンプモジュールの温度異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記温度異常が生じていると判定されると、前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を時分割的に切り替えて前記増幅器の前記増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、前記温度異常を表す第2状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させ、
前記第2状態信号は、前記温度異常に応じた前記第1期間及び前記第2期間を有し、
前記第2状態信号の前記第1期間及び前記第2期間は、前記第1状態信号の前記第1期間及び前記第2期間とは異なる、請求項3に記載のアンプモジュール。
【請求項9】
前記制御部は、前記第1期間及び前記第2期間が交互に経過する度に、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を交互に切り替え、
前記第2状態信号は、前記第1期間にわたる前記ディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、前記第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号である、請求項8に記載のアンプモジュール。
【請求項10】
前記判定部は、さらに、前記本体側端子から前記増幅器に入力される電流量に基づいて、前記電流量の異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記電流量の異常が生じていると判定されると、前記電流量の異常を表す第3状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる、請求項1に記載のアンプモジュール。
【請求項11】
前記判定部は、さらに、前記本体側端子から前記増幅器に入力される電流量に基づいて、前記電流量の異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記電流量の異常が生じていると判定されると、前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を時分割的に切り替えて前記増幅器の前記増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、前記電流量の異常を表す第3状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させ、
前記第3状態信号は、前記電流量の異常に応じた前記第1期間及び前記第2期間を有し、
前記第3状態信号の前記第1期間及び前記第2期間は、前記第1状態信号の前記第1期間及び前記第2期間とは異なる、請求項3に記載のアンプモジュール。
【請求項12】
前記制御部は、前記第1期間及び前記第2期間が交互に経過する度に、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を交互に切り替え、
前記第3状態信号は、前記第1期間にわたる前記ディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、前記第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号である、請求項11に記載のアンプモジュール。
【請求項13】
無線通信用のアンテナと、
無線通信装置の本体部と、
前記アンテナに接続される第1配線部材と、
前記本体部に接続される第2配線部材と、
前記アンテナと前記本体部の間に配置され、前記アンテナに第1配線部材を介して接続されるとともに、前記本体部と第2配線部材を介して接続される、アンプモジュールと
を含み、
前記アンプモジュールは、
前記第1配線部材が接続されるアンテナ側端子と、
前記第2配線部材が接続される本体側端子と、
前記アンテナ側端子と前記本体側端子との間に設けられる増幅器と、
前記アンテナ側端子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部によって検出される前記インピーダンスに基づいて、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態を判定する判定部と、
前記判定部によって前記接続状態が異常であると判定されると、前記接続状態を表す第1状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる制御部と、
を有する、無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンプモジュール、及び、無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、無線通信用のアンテナと無線通信装置の本体部との間に配置され、前記アンテナ及び前記本体部と配線部材を介して接続される、アンプモジュールがある。アンプモジュールは、前記アンテナに接続されるアンテナ側端子と、前記本体部に接続される本体側端子と、前記アンテナ側端子と前記本体側端子との間に設けられる増幅回路と、前記アンテナ側端子の電気特性を検出するアンテナ検出回路と、前記アンテナ検出回路によって検出される前記アンテナ側端子の電気特性に基づいて、前記本体側端子の電気特性を変化させる特性可変回路とを含む(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来のアンプモジュールは、本体側端子の電気特性を変化させる特性可変回路が必要であり、構成をさらに簡易化できる余地があった。
【0005】
そこで、アンテナの接続状態を本体部に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール、及び、無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施の形態のアンプモジュールは、無線通信用のアンテナと無線通信装置の本体部との間に配置され、前記アンテナに第1配線部材を介して接続されるとともに、前記本体部と第2配線部材を介して接続される、アンプモジュールであって、前記第1配線部材が接続されるアンテナ側端子と、前記第2配線部材が接続される本体側端子と、前記アンテナ側端子と前記本体側端子との間に設けられる増幅部と、前記アンテナ側端子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、前記インピーダンス検出部によって検出される前記インピーダンスに基づいて、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態を判定する判定部と、前記判定部によって前記接続状態が異常であると判定されると、前記接続状態を表す第1状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる制御部とを含む。
【発明の効果】
【0007】
アンテナの接続状態を本体部に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール、及び、無線通信システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態のアンプモジュール、及び、無線通信システムの配置の一例を示す図である。
【
図2A】実施の形態の無線通信システムの回路構成の一例を示す図である。
【
図2B】実施の形態のアンプモジュールの内部の構成の一例を示す図である。
【
図3】第1状態信号、第2状態信号、及び第3状態信号の一例を示す図である。
【
図4】実施の形態のアンプモジュールのMCUが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態の変形例の無線通信システムの回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明のアンプモジュール、及び、無線通信システムを適用した実施の形態について説明する。
【0010】
<実施の形態>
図1は、実施の形態のアンプモジュール100、及び、無線通信システム200の配置の一例を示す図である。車両1には、無線通信用のアンテナ10、無線通信装置の本体部20、通信用のケーブル30(30A及び30B)、及びアンプモジュール100が搭載されている。無線通信システム200は、アンテナ10、本体部20、ケーブル30(30A及び30B)、及びアンプモジュール100を含む。ケーブル30Aは、第1配線部材の一例であり、ケーブル30Bは、第2配線部材の一例である。
【0011】
車両1は、典型的には乗用車であるが、どのような形態の車両であってもよい。また、アンテナ10は、車両1のルーフの後端に配置されたC-V2X通信(セルラーを用いた車両間通信及び路車間通信の総称)用のアンテナであるが、このタイプに限定されるものではない。ケーブル30は、アンテナ10及びアンプモジュール100を接続するケーブル30Aと、アンプモジュール100及び本体部20を接続するケーブル30Bとを有する。
【0012】
本体部20は、無線通信装置の主要な機能を有する部分である。本体部20は、ケーブル30Bが接続される端子20Aを有する。本体部20は、アンテナ10、ケーブル30、及びアンプモジュール100と組み合わされて、無線通信装置を構成する。本体部20は、一例として、無線通信機能を備えたナビゲーションECU(Electronic Control Unit:電子制御装置)などであり、一例として、車両1のダッシュボード付近に配置される。アンプモジュール100は、ケーブル30Aを介してアンテナ10に接続され、ケーブル30Bを介して本体部20に接続される。アンプモジュール100は、ケーブル30A及び30Bを経由した電気的な接続関係において、アンテナ10と本体部20の間に位置する。ケーブル30としては、電磁波ノイズの影響等を考慮して同軸ケーブル等が用いられるが、このタイプに限定されるものではない。
【0013】
ケーブル30Aは、一例として、車両1のルーフの裏側に通されており、ケーブル30Bは、一例として、車両1のAピラーの内部と、ルーフの裏側に通されている。ケーブル30A及びケーブル30Bは、一例としてFAKRAプラグを有しており、アンテナ10、本体部20、アンプモジュール100は、FAKRAジャックを有しているため、容易に挿抜可能である。
【0014】
アンプモジュール100は、一例として、車両1のルーフの裏側、より具体的には一例として、車両1のボディのルーフパネルと、車室内側の天井パネルとの間に配置されている。アンプモジュール100は、アンテナ側端子101及び本体側端子102を有する。アンテナ側端子101にはケーブル30Aが接続され、本体側端子102にはケーブル30Bが接続される。
【0015】
アンプモジュール100は、車両1のルーフパネルと、車室内側の天井パネルとの間のような広さが限られた狭い空間内に配置される。このため、アンプモジュール100とアンテナ10との間は1本のケーブル30Aで接続され、アンプモジュール100と本体部20との間も1本のケーブル30Bで接続されている。ケーブル30A及び30Bを通す空間が限られているからである。
【0016】
無線通信システム200では、1本のケーブル30Bで、本体部20からアンプモジュール100への電力供給を行うとともに、本体部20、アンプモジュール100、及びアンテナ10の間で、ケーブル30A及び30Bを用いて、通信用の信号の送受信を行う。さらに、無線通信システム200では、本体部20、アンプモジュール100、及びアンテナ10の間で、ケーブル30A及び30Bを用いて、アンプモジュール100から本体部20に向けて、アンテナ10の接続状態等の異常を通知する。
【0017】
アンプモジュール100は、アンテナ10と本体部20との間(中間)に設けられていればよく、アンテナ10と本体部20の間でケーブル30A及びケーブル30Bの長さが等しくなる位置であってもよい。ケーブル30A及びケーブル30Bの長さが等しい場合には、アンプモジュール100は、ケーブル30の長さの中点に配置されることになる。このような配置は、車室内空間におけるアンプモジュール100の設置の自由度を向上させるためには、好適である。また、送信信号の損失と受信信号の損失とを考慮すると、ケーブル30Aをケーブル30Bよりも短くした方が、好適である。
【0018】
また、アンプモジュール100は、必ずしもケーブル30の長さの中点に配置される必要はなく、ケーブル30Bの方がケーブル30Aよりも短く、アンプモジュール100がAピラーの内側に配置されていてもよい。
【0019】
また、反対に、ケーブル30Aの方がケーブル30Bよりも短くてもよい。この場合には、アンテナ10と本体部20との間でケーブル30が配置される経路において、アンテナ10及び本体部20からの距離が等しい点よりもアンテナ10の近くにアンプモジュール100を配置することができ、アンテナ10の近くで信号レベルの補償を行うことができる。通常、受信信号は、送信信号と比較して信号レベルが低く、電磁波ノイズ等の影響を受け易いので、アンテナ10の近くにアンプモジュール100を配置することによって、受信信号への電磁波ノイズ等の影響を抑制し易くなる。そのため、このような配置は、受信信号への電磁波ノイズ等の影響を抑制することを優先したい場合に特に好適である。
【0020】
アンプモジュール100は、ケーブル30Bを介して本体部20に接続されている状態で、アンテナ側端子101のインピーダンスに基づいて、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態を判定する。
【0021】
アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態には、一例として、次の3つがある。1つ目は、ケーブル30Aの短絡等の異常が生じることなく、アンテナ10がケーブル30Aを介してアンテナ側端子101に正常に接続されている状態(正常な接続状態)である。
【0022】
2つ目は、アンテナ10及びケーブル30Aがアンテナ側端子101に接続されておらず、アンテナ側端子101が開放となっている状態(オープン状態)である。また、オープン状態は、ケーブル30Aがアンテナ側端子101に接続されていて、アンテナ10がケーブル30Aから外れている場合にも生じる状態である。
【0023】
3つ目は、ケーブル30Aに本来接続されるべきアンテナ10とは異なるタイプのアンテナが接続される等の理由によって、アンテナ側端子101とグランド電位点との間に短絡が生じている状態(ショート状態)である。ショート状態の他の例として、ゴミ、結露等による水分による場合もある。
【0024】
オープン状態とショート状態は、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態が異常の状態である。
【0025】
アンプモジュール100は、ケーブル30Bを介して本体部20に接続されている状態で、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態を判定した結果、接続状態が異常である場合には、接続状態を表す第1状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる。本体側端子102側に出力された第1状態信号は、ケーブル30Bを介して本体部20に伝送される。第1状態信号は、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態が、オープン状態又はショート状態のいずれであるかを表す。本体部20は、第1状態信号に基づいて、オープン状態及びショート状態のいずれか一方が生じていることを検出可能である。第1状態信号の詳細については後述する。
【0026】
アンプモジュール100は、アンプモジュール100の温度を検出する温度センサを有し、温度センサによって検出される温度に基づいて、アンプモジュール100の温度異常が生じているかどうかを判定する。アンプモジュール100は、温度異常が生じていると判定すると、温度異常を表す第2状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる。本体側端子102側に出力された第2状態信号は、ケーブル30Bを介して本体部20に伝送される。第2状態信号は、アンプモジュール100の温度が異常であることを表す。第2状態信号は、第1状態信号とは異なるため、本体部20は、第2状態信号に基づいて、アンプモジュール100の温度異常が生じていることを検出可能である。第2状態信号の詳細については後述する。
【0027】
アンプモジュール100は、本体側端子102から入力される電流量に基づいて、信号増幅器110の送信側の電流量の異常が生じているかどうかを判定する。アンプモジュール100は、電流量の異常が生じている場合には、信号増幅器110の送信側の電流量の異常を表す第3状態信号を、信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる。本体側端子102側に出力された第3状態信号は、ケーブル30Bを介して本体部20に伝送される。第3状態信号は、ケーブル30Bから本体側端子102を介してアンプモジュール100の信号増幅器110の送信側に供給される電流量が異常であることを表す。第3状態信号は、第1状態信号及び第2状態信号とは異なるため、本体部20は、第3状態信号に基づいて、信号増幅器110の送信側の電流量の異常が生じていることを検出可能である。第3状態信号の詳細については後述する。
【0028】
図2Aは、無線通信システム200の回路構成の一例を示す図である。無線通信システム200は、アンテナ10、アンテナ基板10A、本体部20、ケーブル30(30A及び30B)、及びアンプモジュール100を含む。
【0029】
<アンテナ10>
アンテナ10は、アンテナ基板10Aに実装されている。アンテナ基板10Aは、FR4(Flame Retardant type 4)規格等の配線基板である。アンテナ10は、アンテナ基板10Aの端子11に接続されている。アンテナ基板10Aは、端子11及び抵抗器12を有する。端子11は、ケーブル30Aに接続されており、ケーブル30Aを介してアンプモジュール100のアンテナ側端子101に接続されている。
【0030】
抵抗器12は、アンテナ10と端子11との間から分岐して、グランド電位点との間に接続されている。抵抗器12は、アンプモジュール100がアンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態を判定する際にインピーダンスを検出するために利用される。
【0031】
<本体部20>
本体部20は、端子20A、線路21A及び21B、フィルタ回路22、コンデンサ23、抵抗器24、ADC(Analog to Digital Converter)1、ADC2、及び制御部25を有する。
【0032】
端子20Aは、ケーブル30Bに接続されており、ケーブル30Bを介してアンプモジュール100の本体側端子102に接続されている。端子20Aは、本体部20の内部では、線路21Aに接続されている。端子20Aは、本体部20からアンプモジュール100に電力とRF(Radio Frequency)信号を出力するとともに、RF信号がアンプモジュール100から入力される端子である。RF信号は、一例として、C-V2X通信用のRF信号である。
【0033】
線路21Aは、端子20Aと制御部25とを接続する線路であり、端子20A側で線路21Aから分岐する線路21Bが接続されるとともに、線路21Bとの分岐点と制御部25との間には、直流遮断用のコンデンサ23が直列に挿入されている。
【0034】
線路21Bは、線路21Aとの分岐点と、電源との間を接続する線路である。線路21Bには、フィルタ回路22のコイルと抵抗器24が直列に挿入されている。電源は、車両1の電源であり、一例としてバッテリに接続されている。電源は、直流電力を供給する。
【0035】
フィルタ回路22は、LPF(Low Pass Filter)であり、コイルとコンデンサを有する。コイルは線路21Bに直列に挿入されており、コンデンサは、コイルよりも電源側においてグランド電位点との間に接続されている。フィルタ回路22は、電源から供給される直流電力に含まれるノイズを遮断して線路21Aに出力する。
【0036】
抵抗器24は、電源側において線路21Bに直列に接続されており、アンプモジュール100が本体部20の電流を監視するために設けられている。
【0037】
ADC1及びADC2は、抵抗器24の両端に接続されている。ADC1は、抵抗器24の電源側の電圧をデジタル変換して、電圧値を表すデータを制御部25に出力する。ADC2は、抵抗器24のフィルタ回路22側の電圧をデジタル変換して、電圧値を表すデータを制御部25に出力する。制御部25は、ADC1から入力された電圧値と、ADC2から入力された電圧値と、を使用して線路21Bに流れる電流量を取得する。
【0038】
制御部25は、本体部20の制御部であり、一例として無線通信システム200がC-V2X通信でのRF信号の送受信を行うための送受信処理を行う。また、制御部25は、ADC1及びADC2から入力される電圧値の差分に基づき、本体部20からアンプモジュール100に供給する電流量を監視する。電流値の差分は、一例として、ADC1の電圧値からADC2の電圧値を減算して得る差分である。電流は、電源からフィルタ回路22に向かう方向に流れるからである。
【0039】
<アンプモジュール100>
アンプモジュール100については、
図2Aに加えて、
図2Bを用いて説明する。
図2Bは、アンプモジュール100の内部の構成の一例を示す図である。
【0040】
アンプモジュール100は、アンテナ側端子101、本体側端子102、線路103、信号増幅器110、HPF(High Pass Filter)120、LPF(Low Pass Filter)130、電源回路140、インピーダンス検出部150、RF検出器160、温度センサ170、及びMCU(Micro Controller Unit)180を有する。信号増幅器110は、増幅部の一例である。
【0041】
<アンテナ側端子101及び本体側端子102>
アンテナ側端子101は、ケーブル30A(
図2A参照)に接続され、ケーブル30Aを介してアンテナ10に接続されている。本体側端子102は、ケーブル30B(
図2A参照)に接続され、ケーブル30Bを介して本体部20に接続されている。
【0042】
<線路103>
線路103は、アンプモジュール100の内部において、アンテナ側端子101及び本体側端子102を接続する線路である。
【0043】
<信号増幅器110>
信号増幅器110は、線路103に直列に挿入されている。信号増幅器110は、一例として、PA(Power Amplifier)、LNA(Low Noise Amplifier)、SW(Switch)、及びATT(Attenuator)等を含む増幅器である。
【0044】
PAは、アンテナ側端子101からアンテナ10に出力する送信用のRF信号を増幅する増幅器である。LNAは、アンテナ10で受信されてアンテナ側端子101から入力されるRF信号を増幅する増幅器である。SWは、PAを含む送信経路と、LNAを含む受信経路とを切り替えるスイッチである。ATTは、送信信号の信号レベルを通信規格に適した適合するレベルに保つよう調整を行う減衰器である。
【0045】
信号増幅器110は、一例としてIC(Integrated Circuit)で構成されるフロンドエンドモジュールである。信号増幅器110は、MCU180から入力されるイネーブル信号(EN)によって通常動作を行う通常状態に設定されるとともに、MCU180から入力されるディセーブル信号(DEN)によってスリープ状態に設定される。スリープ状態は、信号増幅器110の増幅動作が無効にされる状態である。信号増幅器110は、スリープ状態ではないときには、通常状態に設定される。通常状態は、スリープ状態からウェイクアップして信号増幅器110の増幅動作が有効にされる状態である。
【0046】
スリープ状態では、信号増幅器110から本体側端子102側への出力は、所定の低いレベル(以下、Lレベルと称す)になる。スリープ状態では、信号増幅器110の増幅動作が無効になり、アンテナ側端子101側から本体側端子102へ伝送される信号を増幅するLNAの増幅動作が無効になるため、信号増幅器110から本体側端子102側への出力レベルがLレベルになる。
【0047】
また、通常状態では、信号増幅器110から本体側端子102側への出力は、所定の高いレベル(以下、Hレベルと称す)になる。Hレベルは、Lレベルよりも高い。通常状態では、信号増幅器110の増幅動作が有効になり、アンテナ側端子101側から本体側端子102へ伝送される信号を増幅するLNAの増幅動作が有効になるため、信号増幅器110から本体側端子102側への出力レベルがLレベルよりも高いHレベルになる。送信時の場合は、本体部20側から送信のための信号が本体部20から本体側端子102に入力されるため、Hレベルになる。
【0048】
また、信号増幅器110は、本体側端子102から信号増幅器110のPAに入力される電流量を検出する機能を有し、検出した電流量を表すデジタル信号をMCU180に出力する。
【0049】
<HPF120及びLPF130>
HPF120は、アンプモジュール100の内部において、本体側端子102と信号増幅器110との間において、線路103に挿入されている。LPF130は、アンプモジュール100の内部において、本体側端子102とHPF120との間から電源回路140に分岐する線路に挿入されている。
【0050】
HPF120及びLPF130は、本体側端子102から入力されるRF信号と直流電力とを分けるために設けられている。本体側端子102から入力されるRF信号は、HPF120を通過して信号増幅器110に伝送されるが、LPF130を通過しないため、電源回路140には供給されない。本体側端子102から入力される直流電力は、LPF130を通じて電源回路140に供給されるが、HPF120を通過しないため信号増幅器110には伝送されない。
【0051】
<電源回路140>
電源回路140は、本体側端子102とHPF120との間において線路103から分岐する線路に接続されており、LPF130を介して本体側端子102に接続されている。電源回路140は、図示しない電力供給線を通じて、信号増幅器110、インピーダンス検出部150、RF検出器160、温度センサ170、及びMCU180に直流電力を供給する。
【0052】
<インピーダンス検出部150>
インピーダンス検出部150は、アンテナ側端子101と信号増幅器110との間において線路103から分岐する線路に挿入されており、アンテナ側端子101に接続される入力端子と、MCU180に接続される出力端子とを有する。
【0053】
インピーダンス検出部150は、アンテナ側端子101のインピーダンスを検出して、インピーダンスを表すデジタル信号をMCU180に出力する。インピーダンス検出部150が検出するアンテナ側端子101のインピーダンスは、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態が、正常状態、オープン状態、又はショート状態のいずれであるかによって異なる。
【0054】
<RF検出器160>
RF検出器160は、HPF120の出力側で線路103から分岐して接続されている。RF検出器160は、HPF120の出力端子に接続される入力端子と、信号増幅器110及びMCU180に接続される出力端子とを有する。RF検出器160は、HPF120から出力されるRF信号を検出する。RF検出器160は、RF信号を検出すると、検出したことを表す検出信号を信号増幅器110及びMCU180に出力する。
【0055】
この結果、信号増幅器110は、検出信号に従ってSWを送信経路に切り替え、MCU180は、検出信号に従って送信用の制御(PAの増幅率の設定等)を行う。信号増幅器110は、検出信号が入力されていないときには、SWを受信経路に切り替え、MCU180は、検出信号が入力されていないときには受信用の制御(LNAの増幅率の設定等)を行う。
【0056】
<温度センサ170>
温度センサ170は、一例としてアンプモジュール100の筐体内に設けられており、アンプモジュール100の温度を検出する。温度センサ170は、検出した温度を表すデジタル信号をMCU180に出力する。温度センサ170は、MCU180内に設けられていてもよい。
【0057】
<MCU180>
MCU180は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、入出力インターフェース、及び内部バス等を含むコンピュータによって実現される。
【0058】
MCU180は、判定部181及び制御部182を有する。判定部181及び制御部182は、MCU180が実行するプログラムの機能を機能ブロックとして示したものである。MCU180は、判定部181及び制御部182以外の機能処理部やメモリを有するが、
図2Bでは省略する。なお、MCU180のメモリとは、RAMやROM等によって実現されるメモリである。
【0059】
<判定部181>
判定部181は、インピーダンス検出部150によって検出されるインピーダンスに基づいて、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態(正常状態、オープン状態、又はショート状態)を判定する。
【0060】
また、判定部181は、温度センサ170によって検出される温度に基づいて、アンプモジュール100の温度異常が生じているかどうかを判定する。判定部181は、温度センサ170から入力されるデジタル信号が表す温度が所定の閾値以上である場合に、アンプモジュール100の温度異常が生じているかどうかを判定する。
【0061】
また、判定部181は、信号増幅器110から入力されるデジタル信号に基づいて、本体側端子102から信号増幅器110のPAに入力される電流量の異常が生じているかどうかを判定する。信号増幅器110のPAに入力される電流量の異常は、信号増幅器110の送信側の電流量の異常である。
【0062】
<制御部182>
制御部182は、判定部181によって接続状態が異常であると判定されると、信号増幅器110に接続状態を表す第1状態信号を本体側端子102からケーブル30Bに出力させる。
【0063】
制御部182は、信号増幅器110のPAやLNAの増幅率等を制御する制御信号を出力する。また、制御部182は、信号増幅器110に出力するイネーブル信号(EN)及びディセーブル信号(DEN)を時分割的に切り替えて信号増幅器110の増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、信号増幅器110に第1状態信号を出力させる。
【0064】
より具体的には、制御部182は、イネーブル信号を信号増幅器110に出力する第1期間と、ディセーブル信号を信号増幅器110に出力する第2期間とを接続状態の異常の種類に応じて変更することで、異常の種類を表す第1状態信号を信号増幅器110に出力させる。この詳細については、
図3を用いて後述する。
【0065】
異常の種類は、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態がオープンであること、及び、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態がショートであることを含む。
【0066】
また、制御部182は、判定部181によって温度異常が生じていると判定されると、温度異常を表す第2状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる。
【0067】
また、制御部182は、判定部181によって本体側端子102から信号増幅器110のPAに入力される電流量の異常が生じていると判定されると、信号増幅器110の電流量の異常を表す第3状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる。
【0068】
制御部182が信号増幅器110に出力させる第1状態信号、第2状態信号、及び第3状態信号は、信号増幅器110から本体側端子102に出力される出力信号であって、制御部182が信号増幅器110にイネーブル信号及びディセーブル信号を時分割的に切り替えて出力することによって、信号レベルが時分割的にHレベル及びLレベルに切り替えられる信号である。
【0069】
第1状態信号、第2状態信号、及び第3状態信号の信号レベルが時分割的にHレベル及びLレベルに切り替わるパターンは、すべて異なる。また、第1状態信号の信号レベルが時分割的にHレベル及びLレベルに切り替わるパターンは、ショート状態とオープン状態とで互いに異なる。この詳細については、
図3を用いて後述する。
【0070】
<第1状態信号、第2状態信号、及び第3状態信号>
図3は、第1状態信号、第2状態信号、及び第3状態信号の一例を示す図である。アンプモジュール100が利用する状態信号は、一例として、オープン状態の第1状態信号、ショート状態の第1状態信号、温度異常状態の第2状態信号、及び、電流の異常状態の第3状態信号の4つである。
【0071】
図3には、オープン状態の第1状態信号、ショート状態の第1状態信号、温度異常状態の第2状態信号、及び、電流の異常状態の第3状態信号におけるLレベル及びHレベルの順番と各レベルの継続時間との一例を示す。各状態信号におけるLレベルは、第1信号レベルの一例であり、各状態信号におけるHレベルは、第2信号レベルの一例である。また、各状態信号におけるLレベルの期間は、第1期間の一例であり、各状態信号におけるHレベルの期間は、第2期間の一例である。
【0072】
<オープン状態の第1状態信号>
オープン状態の第1状態信号は、一例として、Lレベル及びHレベルが1秒ずつ交互に切り替わる信号である。このようなオープン状態の第1状態信号は、制御部182がディセーブル信号及びイネーブル信号を1秒ずつ交互に出力することによって、信号増幅器110から本体側端子102に出力される。このように、オープン状態の第1状態信号は、オープン状態に応じた第1期間及び第2期間を有する。このため、本体部20の制御部25にオープン状態が生じていることを通知できる。
【0073】
<ショート状態の第1状態信号>
ショート状態の第1状態信号は、一例として、Lレベル及びHレベルが2秒ずつ交互に切り替わる信号である。このようなショート状態の第1状態信号は、制御部182がディセーブル信号及びイネーブル信号を2秒ずつ交互に出力することによって、信号増幅器110から本体側端子102に出力される。このように、ショート状態の第1状態信号は、ショート状態に応じた第1期間及び第2期間を有する。このため、本体部20の制御部25にショート状態が生じていることを通知できる。
【0074】
<第2状態信号>
第2状態信号は、一例として、Lレベル及びHレベルが3秒ずつ交互に切り替わる信号である。このような第2状態信号は、制御部182がディセーブル信号及びイネーブル信号を3秒ずつ交互に出力することによって、信号増幅器110から本体側端子102に出力される。このように、第2状態信号は、温度異常に応じた第1期間及び第2期間を有する。このため、本体部20の制御部25に温度異常状態が生じていることを通知できる。
【0075】
<第3状態信号>
第3状態信号は、一例として、Lレベル及びHレベルが4秒ずつ交互に切り替わる信号である。このような第3状態信号は、制御部182がディセーブル信号及びイネーブル信号を4秒ずつ交互に出力することによって、信号増幅器110から本体側端子102に出力される。このように、第3状態信号は、信号増幅器110の送信側の電流量の異常に応じた第1期間及び第2期間を有する。このため、本体部20の制御部25に電流の異常状態が生じていることを通知できる。
【0076】
なお、オープン状態の第1状態信号、ショート状態の第1状態信号、温度異常状態の第2状態信号、及び、電流の異常状態の第3状態信号は、一例として、10秒から20秒程度継続すればよい。
【0077】
このように、LレベルとHレベルの継続時間が異なる、オープン状態の第1状態信号、ショート状態の第1状態信号、温度異常状態の第2状態信号、及び、電流の異常状態の第3状態信号を用いれば、アンプモジュール100からケーブル30Bを通じて本体部20に異常の種類を通知することができる。
【0078】
なお、
図3には、一例として、オープン状態の第1状態信号、ショート状態の第1状態信号、温度異常状態の第2状態信号、及び、電流の異常状態の第3状態信号の4つの状態信号を示したが、これら以外の異常を本体部20に通知する状態信号をさらに追加してもよく、また、上述の4つの状態信号の代わりに用いてもよい。第1期間及び第2期間の組合せを変えることで、様々な異常等を本体部20に通知可能である。
【0079】
また、
図3には、各状態信号において、Lレベルの期間とHレベルの期間とが等しい信号パターンを示すが、少なくともいずれか1つの状態信号におけるLレベルの期間とHレベルの期間とは等しくなくてもよい。例えば、オープン状態の第1状態信号では、一例として、1秒間のLレベルと2秒間のHレベルとを交互に切り替えてよい。
【0080】
また、
図3には、各状態信号において、Lレベルの期間、及び、Hレベルの期間を繰り返す際に同一期間に設定する信号パターンを示すが、少なくともいずれか1つの状態信号において、Lレベルの期間、及び、Hレベルの期間を繰り返す際に期間が異なるようにしてもよい。例えば、オープン状態の第1状態信号では、一例として、1秒間のLレベル及びHレベルを交互に切り替えた後に、2秒間のLレベル及びHレベルを交互に切り替えてもよい。
【0081】
また、アンプモジュール100が、温度センサ170を含まない場合には、制御部182は、第2状態信号を信号増幅器110に生成させるためのパターンでディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に出力することを行わない。
【0082】
また、アンプモジュール100が、電流の異常を検出しない場合には、制御部182は、第3状態信号を信号増幅器110に生成させるためのパターンでディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に出力することを行わない。
【0083】
<フローチャート>
図4は、MCU180が実行する処理の一例を示すフローチャートである。MCU180は、処理をスタートすると、以下の処理を行う。
【0084】
判定部181は、インピーダンス検出部150から入力されるデジタル信号に基づいて、オープン状態が発生しているかどうかを判定する(ステップS1)。
【0085】
オープン状態が発生している(S1:YES)と判定部181が判定すると、制御部182は、オープン状態に応じたパターンでディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替えて信号増幅器110に出力する(ステップS1A)。MCU180は、ステップS1Aの処理を終えると、一連の処理を終了する(エンド)。
【0086】
また、判定部181は、ステップS1において、オープン状態が発生していない(S1:NO)と判定すると、インピーダンス検出部150から入力されるデジタル信号に基づいて、ショート状態が発生しているかどうかを判定する(ステップS2)。
【0087】
ショート状態が発生している(S2:YES)と判定部181が判定すると、制御部182は、ショート状態に応じたパターンでディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替えて信号増幅器110に出力する(ステップS2A)。MCU180は、ステップS2Aの処理を終えると、一連の処理を終了する(エンド)。
【0088】
また、判定部181は、ステップS2において、ショート状態が発生していない(S2:NO)と判定すると、温度センサ170から入力されるデジタル信号に基づいて、温度異常状態が発生しているかどうかを判定する(ステップS3)。
【0089】
温度異常状態が発生している(S3:YES)と判定部181が判定すると、制御部182は、温度異常状態に応じたパターンでディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替えて信号増幅器110に出力する(ステップS3A)。MCU180は、ステップS3Aの処理を終えると、一連の処理を終了する(エンド)。
【0090】
また、判定部181は、ステップS3において、温度異常状態が発生していない(S3:NO)と判定すると、信号増幅器110から入力されるデジタル信号に基づいて、電流の異常状態が発生しているかどうかを判定する(ステップS4)。
【0091】
電流の異常状態が発生している(S4:YES)と判定部181が判定すると、制御部182は、電流の異常状態に応じたパターンでディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替えて信号増幅器110に出力する(ステップS4A)。MCU180は、ステップS4Aの処理を終えると、一連の処理を終了する(エンド)。
【0092】
また、判定部181は、ステップS4において、電流の異常状態が発生していない(S4:NO)と判定すると、一連の処理を終了する(エンド)。
【0093】
<実施形態の変形例の無線通信システム200M>
図5は、実施形態の変形例の無線通信システム200Mの回路構成の一例を示す図である。
【0094】
無線通信システム200Mは、アンテナ10、アンテナ基板10MA、本体部20、ケーブル30B、及びアンプモジュール100を含む。無線通信システム200Mでは、アンテナ基板10MAにアンテナ10及びアンプモジュール100が実装されている。アンテナ基板10MAは、端子11及び抵抗器12を有し、
図2Aに示すアンテナ基板10Aと同様に、配線基板である。
【0095】
無線通信システム200Mは、
図2Aに示す無線通信システム200のアンプモジュール100をアンテナ基板10MAに実装し、アンプモジュール100とアンテナ10を配線30MAで接続した構成を有する。配線30MAは、第1配線部材の一例であり、ケーブル30Bは、第2配線部材の一例である。
【0096】
このように、アンプモジュール100をアンテナ基板10MAに実装し、アンプモジュール100とアンテナ10を配線30MAで接続した構成を有する無線通信システム200Mは、
図2Aに示す無線通信システム200と同様に動作可能であり、同様の効果を奏する。
【0097】
<効果>
アンプモジュール100は、無線通信用のアンテナ10と無線通信装置の本体部20との間に配置され、アンテナ10にケーブル30A(第1配線部材)を介して接続されるとともに、本体部20とケーブル30B(第2配線部材)を介して接続される、アンプモジュール100であって、ケーブル30Aが接続されるアンテナ側端子101と、ケーブル30Bが接続される本体側端子102と、アンテナ側端子101と本体側端子102との間に設けられる信号増幅器110(増幅部)と、アンテナ側端子101のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部150と、インピーダンス検出部150によって検出されるインピーダンスに基づいて、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態を判定する判定部181と、判定部181によって接続状態が異常であると判定されると、接続状態を表す第1状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる制御部182とを含む。このように、アンテナ10の接続状態を表す第1状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させることで、アンテナ10の接続状態を本体部20に通知できる。信号増幅器110が第1状態信号を本体側端子102側に出力するので、第1状態信号を生成する回路を追加する必要がない。
【0098】
したがって、アンテナ10の接続状態を本体部20に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール100を提供することができる。アンプモジュール100とアンテナ10との間が1本のケーブル30Aで接続され、アンプモジュール100と本体部20との間も1本のケーブル30Bで接続されるという制約の下で、回路の追加を必要としない簡易な構成で、アンテナ10の接続状態を本体部20に通知できる。
【0099】
また、信号増幅器110は、ディセーブル信号及びイネーブル信号によって増幅動作の有効及び無効を切替可能に構成されており、制御部182は、信号増幅器110に出力するディセーブル信号及びイネーブル信号を時分割的に切り替えて信号増幅器110の増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、信号増幅器110に第1状態信号を出力させてもよい。このため、信号増幅器110の増幅動作の有効状態と無効状態における本体側端子102の出力信号で構成される第1状態信号を出力でき、容易に出力可能な第1状態信号でアンテナ10の接続状態を本体部20に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール100を提供することができる。
【0100】
また、制御部182は、ディセーブル信号を信号増幅器110に出力する第1期間と、イネーブル信号を信号増幅器110に出力する第2期間とを接続状態の異常の種類に応じて変更することで、異常の種類を表す第1状態信号を信号増幅器110に出力させてもよい。第1期間と第2期間とを接続状態の異常の種類に応じて変更することで、異常の種類を表す第1状態信号を容易に出力することができる。
【0101】
また、第1期間と第2期間とは等しくてもよい。第1期間と第2期間とは等しいことで、よりシンプルな第1状態信号で、異常の種類を表すことができる。
【0102】
また、制御部182は、第1期間及び第2期間が交互に経過する度に、信号増幅器110に出力するディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替え、第1状態信号は、第1期間にわたるディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、第2期間にわたるイネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号であってもよい。第1期間にわたる第1信号レベルと、第2期間にわたる第2信号レベルとが交互に切り替えられる第1状態信号で、異常の種類を表すことができる。
【0103】
また、異常の種類は、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態がオープンであること、及び、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態がショートであることを含んでもよい。アンテナ10のオープン状態と、アンテナ10のショート状態とを表す第1状態信号で、アンテナ10のオープン状態とショート状態を本体部20に通知することができる。
【0104】
また、アンプモジュール100の温度を検出する温度センサ170をさらに含み、判定部181は、さらに、温度センサ170によって検出される温度に基づいて、アンプモジュール100の温度異常が生じているかどうかを判定し、制御部182は、判定部181によって温度異常が生じていると判定されると、温度異常を表す第2状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させてもよい。このように、アンプモジュール100の温度異常状態を表す第2状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させることで、アンプモジュール100の温度異常状態を本体部20に通知できる。信号増幅器110が第2状態信号を本体側端子102側に出力するので、第2状態信号を生成する回路を追加する必要がない。したがって、アンテナ10の接続状態に加えて、アンプモジュール100の温度異常を本体部20に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール100を提供することができる。
【0105】
アンプモジュール100の温度を検出する温度センサ170をさらに含み、判定部181は、さらに、温度センサ170によって検出される温度に基づいて、アンプモジュール100の温度異常が生じているかどうかを判定し、制御部182は、判定部181によって温度異常が生じていると判定されると、ディセーブル信号及びイネーブル信号を時分割的に切り替えて信号増幅器110の増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、温度異常を表す第2状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させ、第2状態信号は、温度異常に応じた第1期間及び第2期間を有し、第2状態信号の第1期間及び第2期間は、第1状態信号の第1期間及び第2期間とは異なっていてもよい。このため、信号増幅器110の増幅動作の有効状態と無効状態における本体側端子102の出力信号で構成される第2状態信号を出力でき、容易に出力可能な第2状態信号でアンプモジュール100の温度異常を本体部20に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール100を提供することができる。また、アンプモジュール100の温度異常と、アンテナ10の接続状態の異常とに応じて第1期間及び第2期間を変更することで、アンプモジュール100の温度異常を表す第2状態信号と、アンテナ10の接続状態の異常を表す第1状態信号とを容易に出力することができる。
【0106】
また、制御部182は、第1期間及び第2期間が交互に経過する度に、信号増幅器110に出力するディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替え、第2状態信号は、第1期間にわたるディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号であってもよい。第1期間にわたる第1信号レベルと、第2期間にわたる第2信号レベルとが交互に切り替えられる第2状態信号で、アンプモジュール100の温度異常を表すことができる。
【0107】
また、判定部181は、さらに、本体側端子102から信号増幅器110に入力される電流量に基づいて、電流量の異常が生じているかどうかを判定し、制御部182は、判定部181によって電流量の異常が生じていると判定されると、電流量の異常を表す第3状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させてもよい。このように、電流量の異常状態を表す第3状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させることで、電流量の異常状態を本体部20に通知できる。信号増幅器110が第3状態信号を本体側端子102側に出力するので、第3状態信号を生成する回路を追加する必要がない。したがって、アンテナ10の接続状態に加えて、信号増幅器110の電流量の異常を本体部20に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール100を提供することができる。
【0108】
判定部181は、さらに、本体側端子102から信号増幅器110に入力される電流量に基づいて、電流量の異常が生じているかどうかを判定し、制御部182は、判定部181によって電流量の異常が生じていると判定されると、ディセーブル信号及びイネーブル信号を時分割的に切り替えて信号増幅器110の増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、電流量の異常を表す第3状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させ、第3状態信号は、電流量の異常に応じた第1期間及び第2期間を有し、第3状態信号の第1期間及び第2期間は、第1状態信号の第1期間及び第2期間とは異なっていてもよい。このため、信号増幅器110の増幅動作の有効状態と無効状態における本体側端子102の出力信号で構成される第3状態信号を出力でき、容易に出力可能な第3状態信号で電流量の異常を本体部20に通知可能で、構成の簡易なアンプモジュール100を提供することができる。また、信号増幅器110の電流量の異常と、アンテナ10の接続状態の異常とに応じて第1期間及び第2期間を変更することで、信号増幅器110の電流量の異常を表す第3状態信号と、アンテナ10の接続状態の異常を表す第1状態信号とを容易に出力することができる。
【0109】
制御部182は、第1期間及び第2期間が交互に経過する度に、信号増幅器110に出力するディセーブル信号及びイネーブル信号を交互に切り替え、第3状態信号は、第1期間にわたるディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、第2期間にわたるイネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号であってもよい。第1期間にわたる第1信号レベルと、第2期間にわたる第2信号レベルとが交互に切り替えられる第3状態信号で、信号増幅器110の電流量の異常を表すことができる。
【0110】
無線通信システム200は、無線通信用のアンテナ10と、無線通信装置の本体部20と、アンテナ10に接続されるケーブル30Aと、本体部20に接続されるケーブル30Bと、アンテナ10と本体部20の間に配置され、アンテナ10にケーブル30Aを介して接続されるとともに、本体部20とケーブル30Bを介して接続される、アンプモジュール100とを含み、アンプモジュール100は、ケーブル30Aが接続されるアンテナ側端子101と、ケーブル30Bが接続される本体側端子102と、アンテナ側端子101と本体側端子102との間に設けられる信号増幅器110と、アンテナ側端子101のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部150と、インピーダンス検出部150によって検出されるインピーダンスに基づいて、アンテナ側端子101に対するアンテナ10の接続状態を判定する判定部181と、判定部181によって接続状態が異常であると判定されると、接続状態を表す第1状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させる制御部182とを有する。このように、アンテナ10の接続状態を表す第1状態信号を信号増幅器110に本体側端子102側に出力させることで、アンテナ10の接続状態を本体部20に通知できる。信号増幅器110が第1状態信号を本体側端子102側に出力するので、第1状態信号を生成する回路を追加する必要がない。
【0111】
したがって、アンテナ10の接続状態を本体部に通知可能で、構成の簡易な無線通信システム200を提供することができる。
【0112】
以上、本発明の例示的な実施の形態のアンプモジュール、及び、無線通信システムについて説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【0113】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
無線通信用のアンテナと無線通信装置の本体部との間に配置され、前記アンテナに第1配線部材を介して接続されるとともに、前記本体部と第2配線部材を介して接続される、アンプモジュールであって、
前記第1配線部材が接続されるアンテナ側端子と、
前記第2配線部材が接続される本体側端子と、
前記アンテナ側端子と前記本体側端子との間に設けられる増幅器と、
前記アンテナ側端子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部によって検出される前記インピーダンスに基づいて、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態を判定する判定部と、
前記判定部によって前記接続状態が異常であると判定されると、前記接続状態を表す第1状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる制御部と、
を含む、アンプモジュール。
(付記2)
前記増幅器は、ディセーブル信号及びイネーブル信号によって増幅動作の有効及び無効を切替可能に構成されており、
前記制御部は、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を時分割的に切り替えて前記増幅器の前記増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、前記増幅器に前記第1状態信号を出力させる、付記1に記載のアンプモジュール。
(付記3)
前記制御部は、前記ディセーブル信号を前記増幅器に出力する第1期間と、前記イネーブル信号を前記増幅器に出力する第2期間とを前記接続状態の前記異常の種類に応じて変更することで、前記異常の種類を表す前記第1状態信号を前記増幅器に出力させる、付記2に記載のアンプモジュール。
(付記4)
前記第1期間と前記第2期間とは等しい、付記3に記載のアンプモジュール。
(付記5)
前記制御部は、前記第1期間及び前記第2期間が交互に経過する度に、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を交互に切り替え、
前記第1状態信号は、前記第1期間にわたる前記ディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、前記第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号である、付記3に記載のアンプモジュール。
(付記6)
前記異常の種類は、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態がオープンであること、及び、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態がショートであることを含む、付記3に記載のアンプモジュール。
(付記7)
前記アンプモジュールの温度を検出する温度センサをさらに含み、
前記判定部は、さらに、前記温度センサによって検出される前記温度に基づいて、前記アンプモジュールの温度異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記温度異常が生じていると判定されると、前記温度異常を表す第2状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる、付記1乃至6のいずれか1項に記載のアンプモジュール。
(付記8)
前記アンプモジュールの温度を検出する温度センサをさらに含み、
前記判定部は、さらに、前記温度センサによって検出される前記温度に基づいて、前記アンプモジュールの温度異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記温度異常が生じていると判定されると、前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を時分割的に切り替えて前記増幅器の前記増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、前記温度異常を表す第2状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させ、
前記第2状態信号は、前記温度異常に応じた前記第1期間及び前記第2期間を有し、
前記第2状態信号の前記第1期間及び前記第2期間は、前記第1状態信号の前記第1期間及び前記第2期間とは異なる、付記3乃至6のいずれか1項に記載のアンプモジュール。
(付記9)
前記制御部は、前記第1期間及び前記第2期間が交互に経過する度に、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を交互に切り替え、
前記第2状態信号は、前記第1期間にわたる前記ディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、前記第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号である、付記8に記載のアンプモジュール。
(付記10)
前記判定部は、さらに、前記本体側端子から前記増幅器に入力される電流量に基づいて、前記電流量の異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記電流量の異常が生じていると判定されると、前記電流量の異常を表す第3状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる、付記1乃至9のいずれか1項に記載のアンプモジュール。
(付記11)
前記判定部は、さらに、前記本体側端子から前記増幅器に入力される電流量に基づいて、前記電流量の異常が生じているかどうかを判定し、
前記制御部は、前記判定部によって前記電流量の異常が生じていると判定されると、前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を時分割的に切り替えて前記増幅器の前記増幅動作の有効及び無効を切り替えることで、前記電流量の異常を表す第3状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させ、
前記第3状態信号は、前記電流量の異常に応じた前記第1期間及び前記第2期間を有し、
前記第3状態信号の前記第1期間及び前記第2期間は、前記第1状態信号の前記第1期間及び前記第2期間とは異なる、付記3乃至9のいずれか1項に記載のアンプモジュール。
(付記12)
前記制御部は、前記第1期間及び前記第2期間が交互に経過する度に、前記増幅器に出力する前記ディセーブル信号及び前記イネーブル信号を交互に切り替え、
前記第3状態信号は、前記第1期間にわたる前記ディセーブル信号に対応した第1信号レベルと、前記第2期間にわたる前記イネーブル信号に対応した第2信号レベルとが交互に切り替えられる信号である、付記11に記載のアンプモジュール。
(付記13)
無線通信用のアンテナと、
無線通信装置の本体部と、
前記アンテナに接続される第1配線部材と、
前記本体部に接続される第2配線部材と、
前記アンテナと前記本体部の間に配置され、前記アンテナに第1配線部材を介して接続されるとともに、前記本体部と第2配線部材を介して接続される、アンプモジュールと
を含み、
前記アンプモジュールは、
前記第1配線部材が接続されるアンテナ側端子と、
前記第2配線部材が接続される本体側端子と、
前記アンテナ側端子と前記本体側端子との間に設けられる増幅器と、
前記アンテナ側端子のインピーダンスを検出するインピーダンス検出部と、
前記インピーダンス検出部によって検出される前記インピーダンスに基づいて、前記アンテナ側端子に対する前記アンテナの接続状態を判定する判定部と、
前記判定部によって前記接続状態が異常であると判定されると、前記接続状態を表す第1状態信号を前記増幅器に前記本体側端子側に出力させる制御部と、
を有する、無線通信システム。
【符号の説明】
【0114】
10 アンテナ
20 本体部
20A 端子
25 制御部
30、30A、30B ケーブル (ケーブル30Aは第1配線部材の一例、ケーブル30Bは第2配線部材の一例)
30MA 配線(第1配線部材の一例)
100 アンプモジュール
101 アンテナ側端子
102 本体側端子
110 信号増幅器(増幅器の一例)
120 HPF
130 LPF
140 電源回路
150 インピーダンス検出部
160 RF検出器
170 温度センサ
180 MCU
181 判定部
182 制御部
200、200M 無線通信システム