(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014333
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】車両監視システム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20250123BHJP
H04N 23/63 20230101ALI20250123BHJP
H04N 23/667 20230101ALI20250123BHJP
H04N 23/695 20230101ALI20250123BHJP
B61L 25/02 20060101ALI20250123BHJP
B61L 25/04 20060101ALI20250123BHJP
B61D 19/02 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
H04N7/18 J
H04N23/63 310
H04N23/667
H04N23/695
B61L25/02 Z
B61L25/04
B61D19/02 T
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116814
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】392016650
【氏名又は名称】アイテック阪急阪神株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】樽本 慶司
(72)【発明者】
【氏名】上田 博也
(72)【発明者】
【氏名】川原 敦
(72)【発明者】
【氏名】篠田 潔
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 裕太
(72)【発明者】
【氏名】多田 雄亮
【テーマコード(参考)】
5C054
5C122
5H161
【Fターム(参考)】
5C054CA04
5C054CC02
5C054CH08
5C054EA01
5C054EA05
5C054FC12
5C054FE05
5C054FE12
5C054FE17
5C054FF02
5C054FF03
5C054HA30
5C122DA03
5C122DA11
5C122DA14
5C122EA55
5C122FA01
5C122FA02
5C122FA07
5C122FA18
5C122FK23
5C122FK35
5C122GE01
5C122GE05
5C122HA87
5C122HB05
5H161AA01
5H161DD20
5H161FF07
5H161GG03
5H161GG13
5H161GG16
5H161GG22
(57)【要約】
【課題】車両に撮像手段を設けるにあたり、適切な撮像範囲を確保しつつ施工を容易にする。
【解決手段】車両監視システム100は、車両10の左右両側面に設置され、車両10の側面に沿う監視領域Xを撮像範囲とする撮像ユニット2と、撮像ユニット2から取得した画像を表示する表示ユニット4と、を備える。撮像ユニット2は、少なくとも、撮像範囲を第1方向D1に向けて撮像する第1方向撮像モードと、撮像範囲を第2方向D2に向けて撮像する第2方向撮像モードと、に撮像モードを切り替え可能に構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
規定の経路に沿って第1方向又は前記第1方向とは反対の第2方向に向けて走行する車両を監視する車両監視システムであって、
前記車両の左右両側面に設置され、前記車両の側面に沿う監視領域を撮像範囲とする撮像ユニットと、
前記撮像ユニットから取得した画像を表示する表示ユニットと、を備え、
前記撮像ユニットは、少なくとも、前記撮像範囲を前記第1方向に向けて撮像する第1方向撮像モードと、前記撮像範囲を前記第2方向に向けて撮像する第2方向撮像モードと、に撮像モードを切り替え可能に構成されている、車両監視システム。
【請求項2】
前記撮像ユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置された複数の撮像装置と、を備え、
前記筐体の内部の複数の前記撮像装置は、互いに異なる方向を撮像するように構成されている、請求項1に記載の車両監視システム。
【請求項3】
複数の前記車両が連結して鉄道車両を構成し、
前記鉄道車両は、前記第1方向の端に配置された第1端部車両と、前記第2方向の端に配置された第2端部車両と、を含み、
前記第1端部車両の片側面には、少なくとも2つの前記撮像ユニットが設置され、
前記第2端部車両の片側面には、1つの前記撮像ユニットが設置され、
前記鉄道車両が前記第1方向に向けて進行する場合には、
前記第1端部車両に設置された前記撮像ユニットのうち1つが自車両の前記監視領域を撮像すると共に、他の1つが自車両に対して前記第2方向に隣接する前記車両の前記監視領域を撮像し、
前記鉄道車両が前記第2方向に向けて進行する場合には、
前記第2端部車両に設置された前記撮像ユニット及び前記第1端部車両に設置された前記撮像ユニットのそれぞれは、自車両の前記監視領域を撮像する、請求項1に記載の車両監視システム。
【請求項4】
撮像された画像の判定を行う判定部を更に備え、
前記撮像ユニットは、前記判定部による判定結果に基づいて、前記撮像モードを切り替える、請求項1から3のいずれか一項に記載の車両監視システム。
【請求項5】
前記判定部は、前記撮像ユニットの死角の有無を判定し、
前記判定部が死角有りと判定した場合には、隣接する他車両に設置された前記撮像ユニットの前記撮像モードが切り替えられ、当該撮像ユニットによって死角が撮像される、請求項4に記載の車両監視システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記監視領域における注意喚起度を判定し、
前記表示ユニットは、前記注意喚起度に応じて、各撮像ユニットにより撮像された画像の表示態様を異ならせる、請求項4に記載の車両監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、規定の経路に沿って第1方向又は前記第1方向とは反対の第2方向に向けて走行する車両を監視する車両監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特開2009-279970号公報(特許文献1)には、鉄道車両の乗降用ドアを監視するシステムが開示されている。以下、従来技術の説明において括弧内に示される符号は、特許文献1のものである。
【0003】
特許文献1に記載されたシステムでは、車両(1)のドア(2)の周辺を撮像装置(3)によって撮像する。そして、撮像装置(3)によって撮像された画像に基づいて、ドア(2)の周辺における異物の存否を検知している。このような撮像装置(3)が、各ドア(2)に対応して設置されている。すなわち、ドア(2)の数と同等の数の撮像装置(3)が、車両(1)に設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載された発明のように、車両の外側に撮像装置を設置する場合には、車両の外側にある撮像装置と車両の内側にある各種装置(撮像画像を表示する表示装置やハブなど)とを、ケーブルで繋ぐ必要がある。そのため、ケーブルを車両の内外に亘って通すために車両の壁に穴を設ける必要などがあり、その結果、車両への撮像装置の設置は大掛かりなものとなる。従って、撮像装置の設置数が多くなるほど、施工が難儀となる。一方で、撮像装置の設置数が少なすぎると、撮像範囲が限定され、適切な監視を行えなくなる。
【0006】
上記実状に鑑みて、車両に撮像手段を設けるにあたり、適切な撮像範囲を確保しつつ施工を容易にすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
規定の経路に沿って第1方向又は前記第1方向とは反対の第2方向に向けて走行する車両を監視する車両監視システムであって、
前記車両の左右両側面に設置され、前記車両の側面に沿う監視領域を撮像範囲とする撮像ユニットと、
前記撮像ユニットから取得した画像を表示する表示ユニットと、を備え、
前記撮像ユニットは、少なくとも、前記撮像範囲を前記第1方向に向けて撮像する第1方向撮像モードと、前記撮像範囲を前記第2方向に向けて撮像する第2方向撮像モードと、に撮像モードを切り替え可能に構成されている。
【0008】
本構成によれば、撮像ユニットが、撮像範囲を第1方向に向けて撮像することができると共に、撮像範囲を第2方向に向けて撮像することもできる。そのため、1つの撮像ユニットが撮像可能な範囲を広くすることができ、全体として、監視領域を監視するために適切な撮像範囲を確保し易い。また、1つの撮像ユニットは、少なくとも、異なる2つの撮像範囲を撮像可能であるため、異なる2つの監視領域を撮像することができる。そのため、監視領域毎に撮像ユニットを設置する必要がなく、全体として、撮像ユニットの設置数を少なくすることができる。従って、施工を容易にすることができる。以上のように、本構成によれば、車両に撮像手段を設けるにあたり、適切な撮像範囲を確保しつつ施工を容易にすることが可能となる。
【0009】
本開示に係る技術のさらなる特徴と利点は、図面を参照して記述する以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】鉄道車両が第1方向に向けて進行する場合の説明図
【
図4】鉄道車両が第2方向に向けて進行する場合の説明図
【
図6】複数の撮像ユニットが協働して死角を撮像する場合の説明図
【
図7】表示ユニットにおける、注意喚起度に応じた表示態様を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、車両監視システムの実施形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、車両監視システム100は、規定の経路に沿って第1方向D1又は第1方向D1とは反対の第2方向D2に向けて走行する車両10を監視するシステムである。なお、図中の「W」は、幅方向を意味しており、規定の経路に対して上下方向視で直交する方向である(「左右方向」と言い換えることもできる。)。「W1」は、幅方向Wにおける一方側を意味し、「W2」は、幅方向Wにおける他方側を意味する。
【0013】
本実施形態では、車両監視システム100の監視対象は、鉄道車両1である。複数の車両10が連結して鉄道車両1を構成している。上記の「規定の経路」は、例えば線路である。上記の「第1方向D1及び第2方向D2」は、線路に沿う方向に依存して定められる方向であり、絶対的に定まる方向ではない。鉄道車両1には、動力分散型や動力集中型が含まれる。また、車両10には、客車のほか、貨物車などが含まれてもよい。
【0014】
車両監視システム100は、車両10の左右両側面に設置され、車両10の側面に沿う監視領域Xを撮像範囲R(
図3及び
図4参照)とする撮像ユニット2と、撮像ユニット2から取得した画像を表示する表示ユニット4と、を備えている。
【0015】
1台の車両10の側面に設けられた全ての乗降用ドアの乗降位置を含むように、監視領域Xが設定されている。このような監視領域Xが撮像ユニット2によって撮像され、撮像ユニット2によって撮像された画像が表示ユニット4に表示されることにより、表示ユニット4を見る乗務員等は、乗降用ドアの周囲の状況を把握することができる。例えば、乗降用ドアが閉まるイベントに対しては駆け込み乗車などの事象が発生し易く、監視領域Xへの注意が向けられる必要性が高くなる。
【0016】
各車両10に、少なくとも1つの撮像ユニット2が設置されている。本実施形態では、鉄道車両1を構成する複数の車両10のうち何れかに、表示ユニット4が設けられている。
【0017】
鉄道車両1は、第1方向D1の端に配置された第1端部車両11と、第2方向D2の端に配置された第2端部車両12と、第1端部車両11と第2端部車両12との間に配置された複数又は単数の中間車両13と、を含む。図示の例では、1つの中間車両13が、第1端部車両11と第2端部車両12との間に配置されており、3両編成の鉄道車両1が例示されている。第1端部車両11と第2端部車両12とのそれぞれに、表示ユニット4が設けられている。詳細には、第1端部車両11及び第2端部車両12には、運転室が設けられており、表示ユニット4は、各運転室に設けられている。
【0018】
本実施形態では、第1端部車両11の片側面には、少なくとも2つの撮像ユニット2が設置されている。本例では、第1端部車両11における左側の車体側壁10a及び右側の車体側壁10aのそれぞれに、2つの撮像ユニット2が設置されている。
【0019】
第1端部車両11の片側面に設置された2つの撮像ユニット2のうち1つは、第1方向D1の端部領域に設置され、残りの1つは、第2方向D2の端部領域に設置されている。
【0020】
本実施形態では、第2端部車両12及び中間車両13のそれぞれの片側面には、1つの撮像ユニット2が設置されている。本例では、第2端部車両12における左側の車体側壁10a及び右側の車体側壁10aのそれぞれに、1つの撮像ユニット2が設置されている。また、中間車両13における左側の車体側壁10a及び右側の車体側壁10aのそれぞれに、1つの撮像ユニット2が設置されている。
【0021】
第2端部車両12に設置された撮像ユニット2は、第2方向D2の端部領域に設置されている。中間車両13に設置された撮像ユニット2は、第2方向D2の端部領域に設置されている。
【0022】
各車両10に設置された撮像ユニット2によって、各車両10の左側及び右側の監視領域Xが撮像される。
【0023】
本実施形態では、車両監視システム100は、車両側システムSVと地上側システムSGとを備えている。車両側システムSVは、鉄道車両1に設けられたシステムである。地上側システムSGは、鉄道車両1とは別の場所に設けられたシステムである。
【0024】
車両側システムSVと地上側システムSGとは、通信回線網及び管理サーバ等を介して互いに通信可能に接続されている。両システムは、VPN(Virtual Private Network)で構築した閉域網や自営網により、遠隔操作可能に接続されていてもよい。或いは、ファイアウォール等のセキュリティ機器を介してオープンな回線に接続されていてもよい。
【0025】
図1では、鉄道車両1が乗降施設Hに進入している状態を示している。乗降施設Hは、例えば、駅のホームである。地上側システムSGは、乗降施設Hに設けられている。但し、これに限定されることなく、地上側システムSGは、例えば、複数の鉄道車両1の運行スケジュールなどを一括して管理する施設に備えられていてもよい。
【0026】
本実施形態では、地上側システムSGは、鉄道車両1とは別の場所から監視領域Xを撮像する地上側撮像ユニット5を備えている。本例では、地上側撮像ユニット5は、乗降施設Hに設置されている。地上側撮像ユニット5は、乗降施設Hに停車した鉄道車両1に向けて設置されている。
【0027】
詳細な図示は省略するが、地上側システムSGは、地上側撮像ユニット5によって撮像された画像を地上側で表示する地上側表示ユニットや、車両側システムSVを遠隔で操作する地上側操作ユニットなどを備えていてもよい。
【0028】
図3及び
図4に示すように、撮像ユニット2は、少なくとも、撮像範囲Rを第1方向D1に向けて撮像する第1方向撮像モードと、撮像範囲Rを第2方向D2に向けて撮像する第2方向撮像モードと、に撮像モードを切り替え可能に構成されている。各撮像ユニット2が単独で、撮像モードを切り替え可能に構成されている。すなわち、状況によっては、第1方向撮像モードを実行する撮像ユニット2と第2方向撮像モードを実行する撮像ユニット2とが混在した状態であってもよい。詳細は後述する。
【0029】
図2は、車両側システムSVを示している。本実施形態では、車両側システムSVは、撮像ユニット2と表示ユニット4とを含む。詳細には、車両側システムSVは、鉄道車両1を構成する複数の車両10に搭載された全ての撮像ユニット2及び表示ユニット4を含む。
【0030】
図2に示すように、本実施形態では、撮像ユニット2は、筐体20と、筐体20の内部に配置された複数の撮像装置21と、を備えている。筐体20の内部の複数の撮像装置21は、互いに異なる方向を撮像するように構成されている。
【0031】
本実施形態では、筐体20の内部には、2つの撮像装置21が設けられている。2つの撮像装置21のうち一方は、第1方向D1に向けて配置されており、他方は、第2方向D2に向けて配置されている。本例では、撮像ユニット2は、2つの撮像装置21のうち一方を有効とし、他方を無効とすることで、第1方向撮像モードと第2方向撮像モードとを切り替えるように構成されている。このような構成により、撮像モードの切り替えを容易に行うことができる。
【0032】
本実施形態では、撮像ユニット2は、複数(本例では2つ)の撮像装置21を制御する制御装置23を備えている。制御装置23は、筐体20の内部に配置されている。制御装置23は、撮像ユニット2の中核を成す要素であり、撮像装置21だけでなく、撮像ユニット2に備えられた各種装置を制御するように構成されている。
【0033】
本実施形態では、撮像ユニット2は、撮像された画像の判定を行う判定部23aを備えている。撮像ユニット2は、判定部23aによる判定結果に基づいて、撮像モードを切り替えるように構成されている。本例では、判定部23aは、制御装置23の機能部として構成されている。
【0034】
筐体20における第1方向D1を向く面及び第2方向D2を向く面のそれぞれには、窓(不図示)が設けられている。筐体20の内部に配置された各撮像装置21は、それぞれに対応する窓を介して、筐体20の外部を撮像するように構成されている。
【0035】
本実施形態では、撮像ユニット2は、マイク22を備えている。マイク22は、撮像ユニット2の周囲の音を拾うように構成されている。マイク22は、筐体20の内部に配置されている。マイク22が筐体20の外部の音を適切に拾えるようにするため、筐体20には複数の細かな貫通孔(不図示)が形成されており、その内側にマイク22が配置されている。
【0036】
撮像ユニット2は、車体側壁10aの外面に設置されており、車両10の内部に配置された各種装置とケーブルCによって接続されている。車体側壁10aには、車両10を内外に亘って貫通する開口10bが設けられている。ケーブルCは、開口10bに挿通されることにより、車両10の内外に亘って配置されている。これにより、ケーブルCは、車体側壁10aの外側に配置された撮像ユニット2と車体側壁10aの内側に配置された各種装置とを接続している。
【0037】
撮像ユニット2は、ケーブルCを介して、車両10の内部に配置された表示ユニット4に接続されている。本実施形態では、撮像ユニット2は、中継装置3を介して表示ユニット4に接続されている。
【0038】
中継装置3は、各種装置を接続するハブであり、ネットワーク機器の一種である。本実施形態では、中継装置3は、PОE(Power over Ethernet)ハブを用いて構成されている。中継装置3は、車両側システムSVを構成する各種装置との通信を行うと共に、各種機器に電力を供給するように構成されている。従って、本実施形態では、ケーブルCには、信号線及び電力線が含まれている。但し、これに限らず、ケーブルCは、電力線を含まない構成であってもよいし、或いは信号線を含まない構成であってもよい。ケーブルCが電力線を主として含み、信号線を含まない構成の場合には、各撮像装置21同士で情報の通信を行うように構成されていてもよい。
【0039】
このように、車両10に撮像ユニット2を設置する場合には、ケーブルCを通すための開口10bを車体側壁10aに設ける必要があり、比較的大掛かりな施工となる。しかしながら、本開示に係る撮像ユニット2は、撮像モードを切り替えることにより、少なくとも、異なる2つの撮像範囲Rを撮像可能であるため、異なる2つの監視領域Xを撮像することができる。そのため、監視領域X毎に撮像ユニット2を設置する必要がなく、全体として、撮像ユニット2の設置数を少なくすることができる。従って、車両10に撮像ユニット2を設置するにあたり、その施工を容易にすることが可能となる。
【0040】
次に、
図3及び
図4を参照して、撮像モードの切り替えについて説明する。以下では、説明の便宜上、第1端部車両11の側面に沿う監視領域Xを「第1監視領域X1」と称し、第2端部車両12の側面に沿う監視領域Xを「第2監視領域X2」と称し、中間車両13の側面に沿う監視領域Xを「中間監視領域X3」と称する場合がある。これらを特に区別しない場合には、単に「監視領域X」と総称する。
【0041】
図3は、鉄道車両1が第1方向D1に向けて進行する場合を示している。
【0042】
図3に示すように、鉄道車両1が第1方向D1に向けて進行する場合には、第1端部車両11に設置された撮像ユニット2のうち1つが自車両11の第1監視領域X1を撮像すると共に、他の1つが自車両11に対して第2方向D2に隣接する車両13の中間監視領域X3を撮像する。
【0043】
具体的には、第1端部車両11における第1方向D1の端部領域に設置された撮像ユニット2が、第2方向撮像モードを実行し、自車両11の側面に沿う第1監視領域X1を撮像する。そして、第1端部車両11における第2方向D2の端部領域に設置された撮像ユニット2が、第2方向撮像モードを実行し、中間車両13の側面に沿う中間監視領域X3を撮像する。
【0044】
また、鉄道車両1が第1方向D1に向けて進行する場合には、中間車両13に設置された撮像ユニット2が、自車両13に対して第2方向D2に隣接する車両12の第2監視領域X2を撮像する。
【0045】
具体的には、中間車両13における第2方向D2の端部領域に設置された撮像ユニット2が、第2方向撮像モードを実行し、第2端部車両12の側面に沿う第2監視領域X2を撮像する。
【0046】
また、鉄道車両1が第1方向D1に向けて進行する場合には、第2端部車両12に設置された撮像ユニット2は、無効とされる。換言すれば、第2端部車両12に設置された撮像ユニット2は撮像を行わないか、行うにしても、当該撮像ユニット2によって撮像された画像は表示ユニット4には表示されない。
【0047】
図4は、鉄道車両1が第2方向D2に向けて進行する場合を示している。
【0048】
図4に示すように、鉄道車両1が第2方向D2に向けて進行する場合には、第2端部車両12に設置された撮像ユニット2、中間車両13に設置された撮像ユニット2、及び第1端部車両11に設置された撮像ユニット2のそれぞれは、自車両(12,13,11)の監視領域(X2,X3,X1)を撮像する。
【0049】
具体的には、第2端部車両12における第2方向D2の端部領域に設置された撮像ユニット2が、第1方向撮像モードを実行し、自車両12の側面に沿う第2監視領域X2を撮像する。
【0050】
また、中間車両13における第2方向D2の端部領域に設置された撮像ユニット2が、第1方向撮像モードを実行し、自車両13の側面に沿う中間監視領域X3を撮像する。
【0051】
また、第1端部車両11における第2方向D2の端部領域に設置された撮像ユニット2が、第1方向撮像モードを実行し、自車両11の側面に沿う第1監視領域X1を撮像する。なお、鉄道車両1が第2方向D2に向けて進行する場合には、第1端部車両11における第1方向D1の端部領域に設置された撮像ユニット2は、無効とされる。換言すれば、第1端部車両11における第1方向D1の端部領域に設置された撮像ユニット2は撮像を行わないか、行うにしても、当該撮像ユニット2によって撮像された画像は表示ユニット4には表示されない。
【0052】
このような構成によれば、鉄道車両1の進行方向にかかわらず、各車両10の側面に沿う監視領域Xの全てを適切に撮像することができる。また、このような構成によれば、進行方向を基準として先頭の車両10にいる乗務員が実際に後方に向けて見る景色と、各撮像ユニット2によって撮像された画像とを、対応させることができる。そのため乗務員は、撮像ユニット2によって撮像されて表示ユニット4に表示された画像を、直感的に認識し易い。
【0053】
【0054】
図5に示すように、表示ユニット4は、モニタ40を備え、撮像ユニット2によって撮像された画像をモニタ40に表示するように構成されている。
【0055】
モニタ40には、複数の表示領域が設定されている。表示領域の設定数は、鉄道車両1を構成する車両10の数、撮像ユニット2の数、監視すべき監視領域Xの数などに応じて、適宜定められる。本例では、監視すべき監視領域Xの数と同じ数の表示領域が、モニタ40に設定されている。これにより、各撮像ユニット2によって撮像された画像を各監視領域Xに紐づけて表示することができる。特に、本開示に係る車両監視システム100では、各撮像ユニット2が撮像モードを切り替えることにより、撮像方向が反対向きに変更され得る。そのため、各撮像ユニット2によって撮像された画像を、各撮像ユニット2に紐づけて表示するのではなく、上記のように各監視領域Xに紐づけて表示するのが好ましい。これによれば、モニタ40を見る者が、混乱することなく、各監視領域Xの監視を行い易くなる。
【0056】
本実施形態では、第1表示領域41、第2表示領域42、及び中間表示領域43がモニタ40に設定されている。本実施形態では、監視すべき監視領域Xの数が「3」であるため、上記のように3つの表示領域がモニタ40に設定されている。
【0057】
第1表示領域41には、第1端部車両11の側面に沿う第1監視領域X1を撮像した画像が表示される。第2表示領域42には、第2端部車両12の側面に沿う第2監視領域X2を撮像した画像が表示される。中間表示領域43には、中間車両13の側面に沿う中間監視領域X3を撮像した画像が表示される。なお、
図5は、鉄道車両1が第2方向D2に向けて進行する場合(
図4参照)での表示ユニット4の表示態様を示している。
【0058】
ここで、状況によっては、撮像ユニット2によって撮像することができない死角が生じる場合がある。例えば
図6に示すように、湾曲しているホーム(乗降施設H)に鉄道車両1が停車した場合に、各車両10の姿勢が平行になっていないと、特定の撮像ユニット2が撮像する画像中、当該撮像ユニット2が設置された車両10に隣接する隣接車両10の背後が死角Bとなる。
【0059】
本実施形態では、判定部23a(
図2参照)は、撮像ユニット2の死角Bの有無を判定するように構成されている。判定部23aは、撮像ユニット2によって撮像された画像中に映る隣接車両10の側面が判別できない場合に、死角B有りと判定する。各車両10が平行な姿勢である場合には、撮像ユニット2によって撮像された画像中には、隣接車両10の側面が映し出される(
図5参照)。
【0060】
なお、このような構成に限定されることなく、判定部23aは、例えば、撮像ユニット2によって撮像された画像中に映り込んだ異物が画像中に占める割合が予め設定された設定割合である場合に、死角B有りと判定してもよい。この設定割合は、実験等により適宜定められる。例えば、設定割合は、2割~5割とされる。すなわち、撮像された画像中の20パーセント以上の範囲に異物が映り込んでいる場合、或いは、50パーセント以上の範囲に異物が映り込んでいる場合には、判定部23aは死角B有りと判定する。
【0061】
本実施形態では、判定部23aが死角B有りと判定した場合には、隣接する他車両10に設置された撮像ユニット2の撮像モードが切り替えられ、当該撮像ユニット2によって死角Bが撮像される。
【0062】
図6に示す例では、第1端部車両11と中間車両13との姿勢が互いに平行ではなく、第1端部車両11に設置された撮像ユニット2によって撮像すべき範囲が死角Bとなっている。中間車両13に設置された撮像ユニット2は、通常であれば第2方向撮像モードを実行しており、第2端部車両12の側(第2監視領域X2)を撮像する。しかしながら、上記のように死角Bが生じた場合、中間車両13に設置された撮像ユニット2は、第2方向撮像モードから第1方向撮像モードに切り替え、自らの撮像範囲Rを第1方向D1に向ける。これにより、
図6に示すように、第1端部車両11に設置された撮像ユニット2によっては撮像できない死角Bを、中間車両13に設置された撮像ユニット2によって撮像することができる。このように本実施形態では、複数の撮像ユニット2が協働することによって、死角Bを適切に撮像することができる。
【0063】
本実施形態では、判定部23aは、監視領域Xにおける注意喚起度を判定するように構成されている。注意喚起度は、注意すべき度合いを示す値である。判定部23aは、撮像ユニット2によって撮像された画像に基づいて注意喚起度を判定する。判定部23aは、例えば、撮像された画像中における人の数、異常な挙動を示す者の有無、車椅子を使用している者などの障害者の有無などに基づいて、注意喚起度を判定する。人の数が多く、画像中に多くの人が密集している場合には、注意喚起度が高く判定される。異常な挙動を示す者がいる場合には、注意喚起度が高く判定される。車椅子を使用している者などの障害者がいる場合には、注意喚起度が高く判定される。
【0064】
本実施形態では、判定部23aは、撮像ユニット2によって撮像された画像に代えて、或いはそれと共に、撮像ユニット2の周囲の音の異常の有無に基づいて、注意喚起度を判定する。上述のように、撮像ユニット2は、マイク22(
図2参照)を備えている。判定部23aは、マイク22によって拾われた音に基づいて注意喚起度を判定する。例えば、マイク22によって、撮像ユニット2の周囲で大きな音や悲鳴などが拾われた場合には、注意喚起度が高く判定される。
【0065】
図7に示すように、表示ユニット4は、注意喚起度に応じて、各撮像ユニット2により撮像された画像の表示態様を異ならせる。表示ユニット4は、モニタ40に設定された複数の表示領域のうち、注意喚起度が高いと判定された監視領域Xの画像を表示する表示領域を、それよりも注意喚起度が低いと判定された監視領域Xの画像を表示する表示領域に比べて目立つ態様で表示する。
【0066】
図7に示す例では、第1端部車両11の側面に沿う第1監視領域X1には、他の監視領域Xに比べて多くの人が存在しており、当該第1監視領域X1の注意喚起度が高いと判定されている。そして、この第1監視領域X1の画像を表示する第1表示領域41の枠が、太線で表示されている。これにより、モニタ40を見る者に対して注意を促すことができる。なお、上記の「目立つ態様での表示」には、赤や黄などの目立つ色で表示領域の枠を表示することや、注意を促す文字や記号などを表示することも含まれる。また、このような視覚的手段に代えて、或いはそれと共に、音声などの聴覚的手段、振動やエア吹きつけ等の別の手段を用いてもよい。
【0067】
〔その他の実施形態〕
次に、その他の実施形態について説明する。
【0068】
(1)上記の実施形態では、第1端部車両11における左側の車体側壁10a及び右側の車体側壁10aのそれぞれに、2つの撮像ユニット2が設置されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、1つの撮像ユニット2が、第1端部車両11における左側の車体側壁10a及び右側の車体側壁10aのそれぞれに設置されていてもよい。この場合、鉄道車両1を構成する各車両10の左右両側面に、1つの撮像ユニット2が設置される。この場合の各車両10における撮像ユニット2の設置位置は、鉄道車両の進行方向を基準とする中央領域であるとよい。この場合、各撮像ユニット2は、第1方向撮像モードと第2方向撮像モードとを同時に実行して、監視領域Xを撮像するとよい。
【0069】
(2)上記の実施形態では、各撮像ユニット2が単独で、撮像モードを切り替え可能に構成されている例について説明した。撮像ユニット2による撮像モードの切り替えは、自動で行われてもよいし、人手により行われてもよい。
【0070】
(3)上記の実施形態では、撮像ユニット2の筐体20の内部には、2つの撮像装置21が設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、3つ以上の撮像装置21が、撮像ユニット2の筐体20の内部に設けられていてもよい。
【0071】
(4)上記の実施形態では、撮像ユニット2が、筐体20の内部に配置された複数の撮像装置21を備えている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、撮像ユニット2に備えられる撮像装置21は、1つであってもよい。この場合、撮像装置21は、可動式とされ、撮像範囲Rを第1方向D1に向けた状態と第2方向D2に向けた状態とに切り替え可能に構成されているとよい。撮像ユニット2は、可動式の撮像装置21を動かすことにより、撮像モードを第1方向撮像モードと第2方向撮像モードとに切り替える。或いは、撮像装置21は、複数の監視領域Xを同時に撮像範囲Rに含む広範囲カメラ(例えば魚眼カメラなど)として構成されていてもよい。この場合、撮像ユニット2は、対象とする監視領域Xを選択するように撮像範囲Rを切り替えることで、撮像モードを第1方向撮像モードと第2方向撮像モードとに切り替えてもよい。
【0072】
(5)上記の実施形態では、表示ユニット4が、モニタ40に設定された複数の表示領域のうち注意喚起度が高いと判定された監視領域Xの画像を表示する表示領域を目立つ態様で表示する例について説明した。これに加えて、注意喚起度が高いと判定された監視領域Xを、複数の撮像ユニット2によって撮像するようにしてもよい。これによれば、注意喚起度が高いと判定された監視領域Xを複数の方向から撮像することができるため、異常があった場合にそれを発見し易くなる。
【0073】
(6)上記の実施形態では、3両編成の鉄道車両1を例示した。しかし、このような例に限定されることなく、2両編成、或いは、4両以上の車両10により編成された鉄道車両1が本システムの対象とされてもよい。或いは、複数の鉄道車両1が連結して、1つの鉄道車両1が構成されてもよい。この場合、この連結した鉄道車両1に含まれる全ての表示ユニット4を有効にするのではなく、必要の無い一部のものを無効にして運用するようにしてもよい。
【0074】
(7)上記の実施形態では、複数の車両10が連結した鉄道車両1を例示した。しかし、このような例に限定されることなく、単一の車両10(1両編成)に本システムが適用されてもよい。
【0075】
(8)上記の実施形態では、撮像ユニット2を制御する制御装置23が、当該撮像ユニット2の筐体20の内部に設けられている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、制御装置23は、撮像ユニット2とは別に設けられていてもよい。制御装置23は、車両監視システム100の一部を構成していればよく、例えば、複数の撮像ユニット2を統括して管理する統括コントローラとして構成されてもよい。或いは、表示ユニット4の一部にそのような統括コントローラが設けられていてもよい。
【0076】
(9)上記の実施形態では、各車両10の片側面に1つの監視領域Xが設定されている例について説明した。しかし、このような例に限定されることなく、各車両10の片側面に複数の監視領域Xが設定されていてもよい。
【0077】
(10)なお、上述した実施形態で開示された構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示された構成と組み合わせて適用することも可能である。その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で単なる例示に過ぎない。従って、本開示の趣旨を逸脱しない範囲内で、適宜、種々の改変を行うことが可能である。
【0078】
〔上記実施形態の概要〕
以下、上記実施形態の概要について説明する。
【0079】
規定の経路に沿って第1方向又は前記第1方向とは反対の第2方向に向けて走行する車両を監視する車両監視システムであって、
前記車両の左右両側面に設置され、前記車両の側面に沿う監視領域を撮像範囲とする撮像ユニットと、
前記撮像ユニットから取得した画像を表示する表示ユニットと、を備え、
前記撮像ユニットは、少なくとも、前記撮像範囲を前記第1方向に向けて撮像する第1方向撮像モードと、前記撮像範囲を前記第2方向に向けて撮像する第2方向撮像モードと、に撮像モードを切り替え可能に構成されている。
【0080】
本構成によれば、撮像ユニットが、撮像範囲を第1方向に向けて撮像することができると共に、撮像範囲を第2方向に向けて撮像することもできる。そのため、1つの撮像ユニットが撮像可能な範囲を広くすることができ、全体として、監視領域を監視するために適切な撮像範囲を確保し易い。また、1つの撮像ユニットは、少なくとも、異なる2つの撮像範囲を撮像可能であるため、異なる2つの監視領域を撮像することができる。そのため、監視領域毎に撮像ユニットを設置する必要がなく、全体として、撮像ユニットの設置数を少なくすることができる。従って、施工を容易にすることができる。以上のように、本構成によれば、車両に撮像手段を設けるにあたり、適切な撮像範囲を確保しつつ施工を容易にすることが可能となる。
【0081】
前記撮像ユニットは、筐体と、前記筐体の内部に配置された複数の撮像装置と、を備え、
前記筐体の内部の複数の前記撮像装置は、互いに異なる方向を撮像するように構成されている、と好適である。
【0082】
本構成によれば、撮像ユニットは、互いに異なる方向を撮像する複数の撮像装置を備えている。そのため、撮像ユニットは、自らが備える複数の撮像装置のうち、何れを有効とし、何れを無効とするかの選択によって、簡単に撮像モードを切り替えることができる。
【0083】
複数の前記車両が連結して鉄道車両を構成し、
前記鉄道車両は、前記第1方向の端に配置された第1端部車両と、前記第2方向の端に配置された第2端部車両と、を含み、
前記第1端部車両の片側面には、少なくとも2つの前記撮像ユニットが設置され、
前記第2端部車両の片側面には、1つの前記撮像ユニットが設置され、
前記鉄道車両が前記第1方向に向けて進行する場合には、
前記第1端部車両に設置された前記撮像ユニットのうち1つが自車両の前記監視領域を撮像すると共に、他の1つが自車両に対して前記第2方向に隣接する前記車両の前記監視領域を撮像し、
前記鉄道車両が前記第2方向に向けて進行する場合には、
前記第2端部車両に設置された前記撮像ユニット及び前記第1端部車両に設置された前記撮像ユニットのそれぞれは、自車両の前記監視領域を撮像する、と好適である。
【0084】
本構成によれば、進行方向を基準として先頭の車両にいる乗務員が実際に後方に向けて見る景色と、各撮像ユニットによって撮像された画像とを、対応させることができる。そのため乗務員は、撮像ユニットによって撮像されて表示ユニットに表示された画像を、直感的に認識し易い。また、本構成によれば、鉄道車両が第1方向に向けて進行する場合と第2方向に向けて進行する場合とで、各撮像ユニットが撮像すべき監視領域が変更される。これにより、鉄道車両の進行方向にかかわらず、各車両の側面に沿う監視領域の全てを適切に撮像することができる。
【0085】
撮像された画像の判定を行う判定部を備え、
前記撮像ユニットは、前記判定部による判定結果に基づいて、前記撮像モードを切り替える、と好適である。
【0086】
本構成によれば、各車両の監視領域の状況を画像により判定し、当該監視領域の状況に応じて撮像ユニットの撮像モードを切り替えることができる。例えば、監視する必要性の高い監視領域を、複数の撮像ユニットによって撮像することも可能となる。
【0087】
前記判定部は、前記撮像ユニットの死角の有無を判定し、
前記判定部が死角有りと判定した場合には、隣接する他車両に設置された前記撮像ユニットの前記撮像モードが切り替えられ、当該撮像ユニットによって死角が撮像される、と好適である。
【0088】
本構成によれば、特定の撮像ユニットに死角がある場合であっても、他の撮像ユニットと協働することで、死角を適切に撮像することができる。
【0089】
前記判定部は、前記監視領域における注意喚起度を判定し、
前記表示ユニットは、前記注意喚起度に応じて、各撮像ユニットにより撮像された画像の表示態様を異ならせる、と好適である。
【0090】
本構成によれば、各撮像ユニットによって撮像された各監視領域の画像毎に、注意喚起度に応じて、表示ユニットを見る者の注意を促すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示に係る技術は、規定の経路に沿って第1方向又は前記第1方向とは反対の第2方向に向けて走行する車両を監視する車両監視システムに利用することができる。
【符号の説明】
【0092】
100 :車両監視システム
1 :鉄道車両
10 :車両
11 :第1端部車両
12 :第2端部車両
13 :中間車両
2 :撮像ユニット
20 :筐体
21 :撮像装置
23a :判定部
4 :表示ユニット
B :死角
R :撮像範囲
X :監視領域
D1 :第1方向
D2 :第2方向