(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014345
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】事後徴収システム、および事後徴収方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/06 20110101AFI20250123BHJP
【FI】
G07B15/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116832
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】家氏 策
(72)【発明者】
【氏名】山口 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】中井 誠
(72)【発明者】
【氏名】中山 博之
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA16
3E127BA06
3E127CA12
3E127CA16
3E127CA17
3E127CA22
3E127CA39
3E127DA11
3E127EA03
3E127EA12
3E127FA20
3E127FA24
3E127FA43
3E127FA61
(57)【要約】
【課題】安価かつ簡易な構成で、非ETC車両の通行料金をより確実に徴収することができる事後徴収システムを提供する。
【解決手段】事後徴収システムは、路側装置と、監視装置と、サーバと、を備える。前記路側装置は、前記非ETC車両を撮影する車両画像取得部と、利用者が所持する公的証明書を撮影する証明書撮影部と、前記非ETC車両の通行料金の請求書を発行する印書部と、を備える。前記監視装置は、請求書の発行を前記路側装置に要求する印書要求部と、利用者情報、車両情報、通行情報、および支払情報を含む事後徴収用データを作成する事後徴収用データ作成部と、を備える。前記サーバは、前記事後徴収用データを記録するストレージと、前記事後徴収用データの少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータである閲覧用データを作成する閲覧用データ作成部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有料道路の料金所において、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両がETC車線に到来した場合に、当該非ETC車両の通行料金を事後徴収する事後徴収システムであって、
前記ETC車線に設置される路側装置と、
前記ETC車線を遠隔地より監視する監視員が操作し、前記非ETC車両の事後徴収用データを作成する監視装置と、
前記事後徴収用データを蓄積するサーバと、
を備え、
前記路側装置は、
ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両が前記ETC車線に到来した場合に、前記非ETC車両を撮影する車両画像取得部と、
前記非ETC車両に搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影する証明書撮影部と、
前記監視装置の要求にしたがい前記非ETC車両の通行料金の請求書を発行する印書部と、
を備え、
前記監視装置は、
前記証明書撮影部により撮影された証明書画像から読み取られる利用者情報を取得する利用者情報取得部と、
前記車両画像取得部により撮影された車両画像から読み取られる車両情報を取得する車両情報取得部と、
前記非ETC車両の前記有料道路の走行経路を特定可能な通行情報を取得する通行情報取得部と、
前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記通行料金の支払いに関する支払情報のうち少なくとも一つの情報を含む請求書の発行を前記路側装置に要求する印書要求部と、
前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記支払情報を含む事後徴収用データを作成する事後徴収用データ作成部と、
を備え、
前記サーバは、
前記監視装置が作成した前記事後徴収用データを記録するストレージと、
前記事後徴収用データの少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、前記利用者および前記車両が前記利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データを作成する閲覧用データ作成部と、
を備える、
事後徴収システム。
【請求項2】
前記監視装置の前記事後徴収用データ作成部は、前記利用者と前記監視員との会話内容の録音データをさらに含む前記事後徴収用データを作成し、
前記サーバの前記閲覧用データ作成部は、前記録音データをさらに含む前記閲覧用データを作成する、
請求項1に記載の事後徴収システム。
【請求項3】
前記車両情報は、前記非ETC車両のナンバープレート情報を含み、
前記サーバは、前記有料道路の料金所および通過判定地点に設けられたナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を蓄積する全車両情報テーブルから、前記非ETC車両のナンバープレート情報を検索して、前記非ETC車両が通過した料金所および通過判定地点を特定可能な通行情報を作成し、前記事後徴収用データを更新する通行情報作成部をさらに備える、
請求項1に記載の事後徴収システム。
【請求項4】
前記車両情報は、前記非ETC車両のナンバープレート情報を含み、
前記サーバは、前記有料道路の料金所および通過判定地点に設けられたナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を蓄積する全車両情報テーブルから、前記非ETC車両のナンバープレート情報を検索して、前記非ETC車両が通過した料金所および通過判定地点を特定可能な通行情報を作成し、前記事後徴収用データを更新する通行情報作成部をさらに備える、
請求項2に記載の事後徴収システム。
【請求項5】
前記路側装置は、前記閲覧用データを閲覧するための暗証番号を取得する暗証番号取得部をさらに備え、
前記サーバの前記閲覧用データ作成部は、作成した前記閲覧用データに、前記暗証番号を紐づけて記録する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の事後徴収システム。
【請求項6】
前記路側装置の前記暗証番号取得部は、前記利用者が設定した暗証番号を取得する、
請求項5に記載の事後徴収システム。
【請求項7】
前記路側装置の前記暗証番号取得部は、自動的に生成した暗証番号を取得し、生成した前記暗証番号を前記路側装置の表示部に表示して前記利用者に通知する、
請求項5に記載の事後徴収システム。
【請求項8】
前記路側装置の前記暗証番号取得部は、前記利用者情報に含まれる1つまたは複数の情報を利用して自動的に生成した暗証番号を取得し、前記暗証番号がどの情報を利用して生成されたかを前記請求書に印書して前記利用者に通知する、
請求項5に記載の事後徴収システム。
【請求項9】
有料道路の料金所において、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両がETC車線に到来した場合に、前記ETC車線に設置される路側装置と、前記ETC車線を遠隔地より監視する監視員が操作し、前記非ETC車両の事後徴収用データを作成する監視装置と、前記事後徴収用データを蓄積するサーバと、を備える事後徴収システムにより前記非ETC車両の通行料金を事後徴収する事後徴収方法であって、
前記路側装置が、
ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両が前記ETC車線に到来した場合に、前記非ETC車両を撮影するステップと、
前記非ETC車両に搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影するステップと、
前記ETC車線を遠隔地より監視する監視員が操作する監視装置の要求にしたがい前記非ETC車両の通行料金の請求書を発行するステップと、
を実行し、
前記監視装置が、
前記路側装置により撮影された証明書画像から読み取られる利用者情報を取得するステップと、
前記路側装置により撮影された車両画像から読み取られる車両情報を取得するステップと、
前記非ETC車両の前記有料道路の走行経路を特定可能な通行情報を取得するステップと、
前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記通行料金の支払いに関する支払情報とのうち少なくとも一つの情報を含む請求書の発行を前記路側装置に要求するステップと、
前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記支払情報を含む事後徴収用データを作成するステップと、
を実行し、
前記サーバが、
前記監視装置が作成した前記事後徴収用データを記録するステップと、
前記事後徴収用データの少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、前記利用者および前記車両が前記利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データを作成するステップと、
を実行する、
事後徴収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、事後徴収システム、および事後徴収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有料道路では、電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標)システム、「自動料金収受システム」とも言う)により、車載器を搭載した車両(以下、「ETC車両」とも記載する。)から通行料金を自動的に収受する仕組みが用いられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
一方で、車載器を搭載していない車両や、車載器などの異常によりETCシステムが利用できない車両(以下、総称して「非ETC車両」とも記載する。)については、料金所車線の路側に設けられた有人ブースに駐在する収受員が非ETC車両に搭乗する利用者と対面応対をして、通行券、現金、クレジットカードなどの受け渡しを直接行うことにより通行料金を収受する必要がある。しかしながら、非ETC車両の通行料金の収受においては、利用者と収受員との間で現金受け渡しなどの接触が生じることから、コロナなどの感染症に感染する可能性がある。また、収受員が罹患した場合には、収受員が不足して料金所運営に支障をきたす可能性がある。
【0004】
近年では、ETCシステムの利用率が十分に高いことから、料金所をETC車両専用として無人化することが考えられている。ETC車両専用の料金所に非ETC車両が進入したケースを考慮して、たとえば特許文献1には、非接触カードリーダにより非ETC車両に搭乗する利用者の公的証明書に記録された個人情報を読み取って記録することにより、非ETC車両の通行料金を事後的に徴収する仕組みが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
料金所をETC車両専用とした場合、台数が少ないと想定される非ETC車両のために料金自動収受機などの高価な機器を設置することは好ましくない。したがって、料金所に非ETC車両用の事後徴収用の機器を設置する場合は、安価な機器や既存の機器を利用し、コスト増や設置スペース不足などを抑制可能な機器構成とすることが望ましい。
【0007】
また、非ETC車両の通行料金を事後徴収する場合、たとえば支払方法や支払期限(たとえば、X日以内に所定の銀行口座に振り込む)などを説明したパンフレットを利用者に配布することが考えられる。この場合、利用者が自らパンフレットを持ち帰って支払期限などを計算し、銀行やコンビニエンスストアなどに赴いて通行料金の支払いを行う必要がある。この支払い手順の煩雑さなどから、支払いが遅れる利用者や、支払いを行わない利用者が一定数存在することが考えられる。そうすると、有料道路の事業者は、督促状を送付するコストや、利用者の未払いによるコストなどを負う可能性がある。このため、通行料金を事後徴収する際に、利用者がより確実に支払いを行うような仕組みが必要である。
【0008】
本開示の目的は、安価かつ簡易な構成で、非ETC車両の通行料金をより確実に徴収することができる事後徴収システム、および事後徴収方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様によれば、事後徴収システムは、有料道路の料金所において、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両がETC車線に到来した場合に、当該非ETC車両の通行料金を事後徴収する事後徴収システムであって、前記ETC車線に設置される路側装置と、前記ETC車線を遠隔地より監視する監視員が操作し、前記非ETC車両の事後徴収用データを作成する監視装置と、前記事後徴収用データを蓄積するサーバと、を備え、前記路側装置は、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両が前記ETC車線に到来した場合に、前記非ETC車両を撮影する車両画像取得部と、前記非ETC車両に搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影する証明書撮影部と、前記監視装置の要求にしたがい前記非ETC車両の通行料金の請求書を発行する印書部と、を備え、前記監視装置は、前記証明書撮影部により撮影された証明書画像から読み取られる利用者情報を取得する利用者情報取得部と、前記車両画像取得部により撮影された車両画像から読み取られる車両情報を取得する車両情報取得部と、前記非ETC車両の前記有料道路の走行経路を特定可能な通行情報を取得する通行情報取得部と、前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記通行料金の支払いに関する支払情報のうち少なくとも一つの情報を含む請求書の発行を前記路側装置に要求する印書要求部と、前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記支払情報を含む事後徴収用データを作成する事後徴収用データ作成部と、を備え、前記サーバは、前記監視装置が作成した前記事後徴収用データを記録するストレージと、前記事後徴収用データの少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、前記利用者および前記車両が前記利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データを作成する閲覧用データ作成部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様によれば、事後徴収方法は、有料道路の料金所において、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両がETC車線に到来した場合に、前記ETC車線に設置される路側装置と、前記ETC車線を遠隔地より監視する監視員が操作し、前記非ETC車両の事後徴収用データを作成する監視装置と、前記事後徴収用データを蓄積するサーバと、を備える事後徴収システムにより前記非ETC車両の通行料金を事後徴収する事後徴収方法であって、前記路側装置が、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両が前記ETC車線に到来した場合に、前記非ETC車両を撮影するステップと、前記非ETC車両に搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影するステップと、前記ETC車線を遠隔地より監視する監視員が操作する監視装置の要求にしたがい前記非ETC車両の通行料金の請求書を発行するステップと、を実行し、前記監視装置が、前記路側装置により撮影された証明書画像から読み取られる利用者情報を取得するステップと、前記路側装置により撮影された車両画像から読み取られる車両情報を取得するステップと、前記非ETC車両の前記有料道路の走行経路を特定可能な通行情報を取得するステップと、前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記通行料金の支払いに関する支払情報のうち少なくとも一つの情報を含む請求書の発行を前記路側装置に要求するステップと、前記利用者情報、前記車両情報、前記通行情報、および前記支払情報を含む事後徴収用データを作成するステップと、を実行し、前記サーバが、前記監視装置が作成した前記事後徴収用データを記録するステップと、前記事後徴収用データの少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、前記利用者および前記車両が前記利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データを作成するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0011】
上記態様によれば、安価かつ簡易な構成で、非ETC車両の通行料金をより確実に徴収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
【
図2】第1の実施形態に係る路側装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1の実施形態に係る監視装置およびサーバの機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態に係る事後徴収用データの一例を示す図である。
【
図5】第1の実施形態に係る全車両情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】第1の実施形態に係る閲覧用データの一例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る事後徴収処理の一例を示すシーケンス図である。
【
図8】第1の実施形態に係る請求書の一例を示す図である。
【
図9】第1の実施形態に係る事後徴収処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1の実施形態>
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
【0014】
(全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
本実施形態に係る料金収受システム100は、有料道路の料金所(入口料金所または出口料金所)に設けられ、有料道路と一般道路とを接続する車線Lを走行する車両Vから通行料金を収受する。車両Vは、車載器を搭載するETC車両と、車載器を搭載していない非ETC車両とを含む。
【0015】
本実施形態に係る車線Lは、ETCシステムによりETC車両から通行料金を収受するETC専用の車線(以下、「ETC車線」とも記載する。)である。
【0016】
また、本実施形態に係る料金収受システム100は、ETC車線Lに非ETC車両が到来した場合に、この非ETC車両の通行料金を事後徴収する「事後徴収システム」として機能する。
【0017】
なお、本実施形態では、料金収受システム100が出口料金所に設けられている例について説明する。以下、ETC車線Lの延びる方向(±X方向)を「車線方向」と記載する。また、車線方向の有料道路側(-X側)を「上流側」、一般道路側(+X側)を「下流側」とも記載する。さらに、ETC車線Lの幅方向(±Y方向)を「車線幅方向」と記載する。
【0018】
また、
図1には、料金所に一つのETC車線Lのみが設けられている例が示されているが、これに限られることはない。他の実施形態では、料金所に複数のETC車線Lが設けられていてもよい。
【0019】
図1に示すように、料金収受システム100は、路側装置1と、監視装置4と、サーバ5とを備えている。
【0020】
(路側装置の構成)
図2は、第1の実施形態に係る路側装置の機能構成を示すブロック図である。
図1および
図2に示すように、路側装置1は、ETC設備2と、印書装置3とを備える。
【0021】
ETC設備2は、ETC車両に搭載された車載器との間で無線通信を行い、通行料金を自動的に収受する処理を実行するための装置群である。なお、ETC設備2は、従来のETCシステムで使用されている装置群であってよい。
【0022】
ETC設備2は、
図1に示すように、進入側車両検知器21と、ナンバープレート読取装置22(NP読取装置)と、路側アンテナ23と、通信用車両検知器24と、車線サーバ25と、発進制御機26と、退出側車両検知器27と、監視カメラ28と、車種判別装置29とを備えている。
【0023】
進入側車両検知器21は、例えば
図1に示すように透過型の車両検知器であり、進入検出位置X1における車両Vの存在の有無を区別可能な検出信号を出力する。
【0024】
NP読取装置22は、進入側車両検知器21が車両の存在を検出した場合に、車両Vのナンバープレートを含む車両画像を撮影する。また、NP読取装置22は、撮影した車両画像から車両Vのナンバープレート情報(NP情報)を読み取る。NP情報は、ナンバープレートのサイズ、色、ナンバープレート上に表記された文字(地名、分類番号、記号、一連番号など)を含む。なお、NP読取装置22は、本実施形態における車両画像取得部の一態様である。NP読取装置22が撮影した車両画像(NP画像)および読み取ったNP情報は、車線サーバ25を経由して監視装置4に送信される。
【0025】
路側アンテナ23は、進入側車両検知器21によって車両VのETC車線Lへの進入が検出されると、ETC車線L上の所定の通信領域に向けて無線通信用の電波を放射する。また、路側アンテナ23は、車両Vに搭載された車載器(不図示)と所定の手順で無線通信を行って、車載器から車載器情報を取得するとともに、車載器へ通行料金の通知処理を行う。
【0026】
通信用車両検知器24は、車両Vの通信終了位置X2の通過を検出する。通信用車両検知器24は、進入側車両検知器21と同様の機器構成を有している。通信用車両検知器24により車両Vが通信終了位置X2を通過したことが検出されると、路側アンテナ23は電波の放射を停止する。
【0027】
車線サーバ25は、ETC車両から通行料金を収受する処理を実行する。車線サーバ25による料金収受処理は、従来のETCシステムによる処理と同様であるため、説明は省略する。
【0028】
発進制御機26は、開閉バーを上げ下げすることにより、ETC車線Lの開放(車両VのETC車線Lからの退出許可)及び閉塞(車両VのETC車線Lからの退出規制)を行う。
【0029】
退出側車両検知器27は、車両Vの退出検出位置X3の通過(ETC車線Lからの退出)を検出する。退出側車両検知器27は、進入側車両検知器21と同様の機器構成を有している。
【0030】
監視カメラ28は、ETC車線Lを走行する車両Vを斜め上方から撮影する。したがって、監視カメラ28が撮影する画像には、車両Vの車体正面および側面が含まれる。なお、この画像には、車高の低い車両Vについては車体上面も含まれる場合がある。監視カメラ28は、本実施形態における車両画像取得部の一態様である。監視カメラ28が撮影した車両画像は、車線サーバ25を経由して監視装置4に送信される。
【0031】
なお、監視カメラ28は、ETC車線LにNP読取装置22が設置されていない場合に、監視装置4からの指示を受け付けて、非ETC車両Vのナンバープレートを撮影するようにしてもよい。
【0032】
車種判別装置29は、NP情報や、不図示のセンサにより検出した車両Vの車両諸元(車軸数、車高、車長、車幅など)などに基づいて、車両Vの牽引の有無、および車種区分を判別する。車種判別装置29の判別結果(車両Vの車種区分を示す車種情報、および牽引の有無を示す牽引情報)は、車線サーバ25を経由して監視装置4に送信される。なお、車種判別装置29による判別処理は、従来のETCシステムによる処理と同様であるため、説明は省略する。
【0033】
印書装置3は、
図1に示すように、車線方向において通信用車両検知器24よりも下流側(+X側)、且つ発進制御機26よりも上流側(-X側)のアイランドI上に設置される。例えば、印書装置3は、発進制御機26の開閉バーが閉じているときに、発進制御機26の手前(-X側)に停車する車両の運転席の位置と一致するように配置される。
【0034】
印書装置3は、非ETC車両がETC車線に到来した場合に、この非ETC車両が有料道路から退出した後に通行料金を徴収する事後徴収を行うための請求書を発行する。印書装置3は、車線側通話部31と、証明書撮影部32と、入力部33と、印書部34と、プロセッサ35と、メモリ36と、ストレージ37と、通信I/F(インタフェース)38と、表示部29とを備えている。
【0035】
また、車線側通話部31、証明書撮影部32、入力部33、および印書部34は、非ETC車両に搭乗する利用者が使用可能となるように、印書装置3の車線L側を向く面(
図1の+Y側の面)に設けられている。
【0036】
車線側通話部31は、利用者が、料金所事務所に駐在する監視員と通話を行うためのインターホン子機である。
【0037】
証明書撮影部32は、非ETC車両に搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影するカメラである。公的証明書は、たとえば運転免許証、マイナンバーカード、パスポート、身体障害者手帳などの官公庁やその他関連団体により発行された個人に関連する証明書である。
【0038】
入力部33は、利用者からの入力操作を受け付けるための装置である。例えば、入力部33は、後述する暗証番号を入力するためのキーボード(テンキー)やタッチパネルなどである。
【0039】
印書部34は、後述する印書処理部352の指示に従い、事後徴収(通行料金の後払い)に関する請求書の印刷を行うプリンタである。
【0040】
プロセッサ35は、所定のプログラムに従って動作することにより、データ処理部351、印書処理部352、暗証番号取得部353としての機能を発揮する。
【0041】
データ処理部351は、証明書撮影部32が撮影した証明書画像から、OCRなどの技術を用いて券面情報を読み取る。券面情報には公的証明書に記録された証明書番号(免許証番号、マイナンバー、旅券番号など)、利用者の氏名および住所などが含まれる。データ処理部351は、証明書撮影部32が撮影した証明書画像と、証明書画像から読み取った券面情報と含む利用者情報を監視装置4に送信する。
【0042】
印書処理部352は、監視装置4からの要求にしたがい、印書部34に請求書を印刷させる。
【0043】
暗証番号取得部353は、後述する事後徴収用データをブラウザなどで確認可能なWebページにアクセスするための暗証番号を取得する。暗証番号は、印書装置3の入力部33を使って利用者が設定したものである。
【0044】
メモリ36は、いわゆる主記憶装置であり、プロセッサ35の動作に必要な記憶領域を有する。
【0045】
ストレージ37は、いわゆる補助記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスである。
【0046】
通信I/F38は、ネットワークを介して監視装置4との間でデータの送受信を行う。
【0047】
表示部39は、利用者に対し通行料金の事後徴収に関連する各種情報を表示するための表示装置(液晶ディスプレイ等)である。
【0048】
(監視装置の構成)
図3は、第1の実施形態に係る監視装置およびサーバの機能構成を示すブロック図である。
図3に示すように、監視装置4は、事務所側通話部41と、操作部42と、表示部43と、プロセッサ44と、メモリ45と、ストレージ46と、通信I/F47とを備えている。
【0049】
事務所側通話部41は、監視員が、非ETC車両に搭乗する利用者と通話を行うためのインターホン親機である。
【0050】
操作部42は、監視員の操作を受け付けるための入力装置(キーボード、マウス等)である。
【0051】
表示部43は、非ETC車両の通行料金の事後徴収に関連する各種情報を表示するための表示装置(液晶ディスプレイ等)である。なお、操作部42及び表示部43は一体に構成されたもの(タッチパネルなど)であってもよい。
【0052】
プロセッサ44は、所定のプログラムに従って動作することにより、利用者情報取得部441、車両情報取得部442、通行情報取得部443、印書要求部444、事後徴収用データ作成部445としての機能を発揮する。
【0053】
利用者情報取得部441は、非ETC車両Vに搭乗する利用者を特定可能な情報を含む利用者情報を取得する。本実施形態では、利用者情報取得部441は、路側装置1のデータ処理部351から、証明書画像と、証明書画像から読み取られた券面情報とを含む利用者情報を取得する。
【0054】
車両情報取得部442は、非ETC車両Vの車両に関する車両情報を取得する。車両情報には非ETC車両Vを特定可能なNP情報や、非ETC車両Vの車種情報、牽引の有無などが含まれる。本実施形態では、車両情報取得部442は、NP読取装置22が読み取った非ETC車両VのNP情報を取得する。また、車両情報取得部442は、NP情報に代えて、または、NP情報に加えて、車種判別装置29により判別された非ETC車両Vの車種区分を示す車種情報および牽引の有無を示す牽引情報を取得する。なお、車種情報および牽引情報は、監視員が監視カメラ28の車両画像などを参照して入力したものであってもよい。
【0055】
通行情報取得部443は、非ETC車両Vが走行した経路を特定可能な通行情報を取得する。通行情報には非ETC車両Vが通過した料金所(入口料金所、出口料金所、経由料金所、乗継料金所)や、有料道路上の所定の通過判定地点に関する情報が含まれる。通行情報取得部443は、たとえば、監視員が利用者から聞き取った内容に基づいて入力した通行情報D13を取得する。また、通行情報取得部443は、後述するサーバ5から非ETC車両VのNP情報に紐づけられた通行情報を取得して自動入力してもよい。サーバ5が作成する通行情報は、料金所および通過判定地点のNP読取装置が読み取ったNP情報を自動的に紐付けたものである。サーバ5が作成した通行情報を用いることにより、各NP情報を有する車両Vがいつどの料金所および通過判定地点を通過したかを自動的に特定して入力することができる。
【0056】
印書要求部444は、各部が利用者情報、車両情報、および通行情報と、支払情報とのうち少なくとも一部を記載した請求書の印刷を路側装置1(印書装置3)に要求する。
【0057】
事後徴収用データ作成部445は、非ETC車両Vの通行料金の事後徴収用データD1を作成する。作成された事後徴収用データD1は、サーバ5に記録される。
【0058】
図4は、第1の実施形態に係る事後徴収用データの一例を示す図である。
図4に示すように、事後徴収用データD1には、監視装置4の各部が取得した利用者情報D11、車両情報D12、通行情報D13、支払情報D14、録音データD15などが含まれる。
【0059】
利用者情報D11には、公的証明書の証明書番号、利用者の氏名、住所、証明書画像が含まれる。また、利用者が身体障害者手帳を提示して割引を受ける場合には、身障者割引の有無や身体障害者手帳に記載された内容などの割引情報が利用者情報D11にさらに含まれてもよい。
【0060】
車両情報D12には、非ETC車両VのNP情報、車種情報、牽引の有無を示す牽引情報、NP読取装置22や監視カメラ28が撮影した車両画像が含まれる。なお、非ETC車両Vの車長が長い場合、監視カメラ28は一つの車両画像に車体の全てを含むことが困難となる可能性がある。この場合、車両情報D12には、監視カメラ28により一定間隔で車頭から車尾までの車体の一部ずつを撮影した複数の車両画像が含まれていてもよい。なお、車両画像は動画像であってもよい。
【0061】
通行情報D13には、非ETC車両Vが通過した料金所(入口料金所、出口料金所、経由料金所、および乗継料金所)や、有料道路上の所定の通過判定地点について、各料金所や通過判定地点の識別情報(料金所名/料金所ID、地点名/地点ID)および運営会社、非ETC車両Vが走行した車線番号、非ETC車両Vが各料金所や通過判定地点を通過した通過日時が含まれる。
【0062】
支払情報D14には、請求書の発行日時、支払ID、通行料金、支払期日、支払方法が含まれる。支払IDは、請求書と事後徴収用データD1との関連付けを行うためのユニークな情報である。支払期日は、たとえば発行日から所定日数後の日にちが自動的に入力されてもよいし、監視員が手動で入力した日にちが入力されてもよい。支払方法は、利用者が通行料金を支払うための方法を示す情報であり、たとえば通行料金の振り込み先となる銀行口座番号などである。
【0063】
録音データD15は、監視員と利用者との会話内容を録音したデータである。
【0064】
メモリ45は、いわゆる主記憶装置であり、プロセッサ44の動作に必要な記憶領域を有する。
【0065】
ストレージ46は、いわゆる補助記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスである。
【0066】
通信I/F47は、ネットワークを介して路側装置1(車線サーバ25、印書装置3)やサーバ5との間でデータの送受信を行う。
【0067】
(サーバの構成)
図3に示すように、サーバ5は、プロセッサ51と、メモリ52と、ストレージ53と、通信I/F54とを備える。
【0068】
プロセッサ51は、所定のプログラムに従って動作することにより、通行情報作成部511、閲覧用データ作成部512としての機能を発揮する。
【0069】
通行情報作成部511は、有料道路の各料金所や通過判定地点のNP読取装置が読み取ったNP情報を蓄積する全車両情報テーブルD2から非ETC車両VのNP情報を検索して、非ETC車両が通過した料金所や、経路途中の通過判定地点の情報を含む通行情報を作成する。なお、通行情報作成部511は、監視装置4の通行情報取得部443からの要求を受け付けて、非ETC車両Vの通行情報を提供してもよい。
【0070】
図5は、第1の実施形態に係る全車両情報テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、全車両情報テーブルD2には、料金所や通過判定地点の種別(入口料金所、出口料金所、経由料金所、乗継料金所、通過判定地点の別)、料金所の運営会社、車両の走行車線(車線番号)、車両のNP情報および画像、車両の通過日時などが含まれる。
【0071】
本実施形態では、通行情報作成部511は、監視装置4から非ETC車両Vの事後徴収用データD1を受信すると、この非ETC車両VのNP情報を全車両情報テーブルD2から検索して通行情報を作成し、事後徴収用データD1を更新(追加、修正)する。
【0072】
閲覧用データ作成部512は、利用者がブラウザなどで事後徴収用データD1の内容を確認することができる閲覧用データD3を作成する。なお、閲覧用データD3は、暗証番号が設定されている場合、暗証番号と紐づけて記録される。このとき、閲覧用データD3は、利用者が設定した暗証番号が入力された場合にのみ、閲覧可能である。
【0073】
図6は、第1の実施形態に係る閲覧用データの一例を示す図である。
図6に示すように、たとえば閲覧用データD3には、事後徴収用データD1と同様に、利用者情報D31、車両情報D32、通行情報D33、支払情報D34、録音データD35が含まれる。なお、他の実施形態では、閲覧用データD3には、これら情報D31~D35のうち一部の情報のみが含まれていてもよい。
【0074】
さらに、
図6の例では、利用者情報D31には証明書番号、利用者の氏名および住所、割引情報、証明書画像が含まれているが、他の実施形態では、これらのうち一部の情報のみが含まれていてもよい。同様に、
図6の例は、車両情報D32にはNP情報、車種情報、牽引情報、車両画像が含まれているが、他の実施形態では、これらのうち一部の情報のみが含まれていてもよい。
【0075】
また、閲覧用データ作成部512は、万一、利用者以外の他者が閲覧した場合に利用者や非ETC車両の特定が困難となるように、利用者情報D31や車両情報D32の一部を隠した閲覧用データD3を作成する。閲覧用データ作成部512は、たとえばNP情報のような文字情報については、一連番号の「12-34」を「12-XX」とするなど、少なくとも一部を非表示または伏せ字とする。また、閲覧用データ作成部512は、証明書画像、車両画像の少なくとも一部分(証明書番号やNP情報などの利用者や車両を特定可能な部分)にぼかしや黒塗りなどの加工を施す。
【0076】
メモリ52は、いわゆる主記憶装置であり、プロセッサ51の動作に必要な記憶領域を有する。
【0077】
ストレージ53は、いわゆる補助記憶装置であり、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの大容量記憶デバイスである。ストレージ53には、事後徴収用データD1、全車両情報テーブルD2、閲覧用データD3などが記録される。
【0078】
通信I/F54は、ネットワークを介して監視装置4との間でデータの送受信を行う。
【0079】
(事後徴収処理1:請求書発行処理)
図7は、第1の実施形態に係る事後徴収処理の一例を示すシーケンス図である。
ここでは、
図7を参照しながら、料金所のETC車線Lに非ETC車両Vが到来した場合に、請求書を発行する処理の流れについて説明する。
【0080】
非ETC車両VがETC車線Lに進入した場合、ETC設備2では料金収受処理が行われず、発進制御機26は開閉バーを閉じたままの状態となっている。このため、非ETC車両Vは、発進制御機26の手前で停車する。そうすると、非ETC車両Vに搭乗する利用者は、路側装置1(印書装置3)の車線側通話部31を操作して、料金所事務所の監視員との通話を開始する(ステップS101)。
【0081】
監視員は、利用者との会話やETC設備2から通知された情報などから非ETC車両の料金収受処理が行われなかったことを確認すると、監視装置4に対し非ETC車両の事後徴収処理を開始する操作を行う。そうすると、監視装置4の事後徴収用データ作成部445は、利用者との会話の録音を開始する(ステップS102)。
【0082】
次に、利用者の利用者情報D11を取得する処理を行う(ステップS103)。監視装置4の利用者情報取得部441は、監視員が事後徴収処理の開始操作を行ったとき、または監視員が撮影指示操作を行ったときに、路側装置1に証明書の撮影を指示する(ステップS103A)。そうすると、路側装置1は、証明書撮影部32を起動する。また、監視員は、利用者に公的証明書を証明書撮影部32にかざすように要求する。
【0083】
路側装置1の証明書撮影部32は、利用者がかざした公的証明書を撮影する(ステップS103B)。また、本実施形態では、路側装置1(印書装置3)のデータ処理部351は、公的証明書を撮影した証明書画像からOCRなどにより券面情報を読み取り、証明書画像および券面情報を含む利用者情報D11を監視装置4に送信する。
【0084】
次に、監視装置4の利用者情報取得部441は、利用者情報D11を取得する(ステップS103C)。取得した利用者情報D11は、監視装置4の表示部43に表示される。
【0085】
監視員は、表示部43に表示された利用者情報D11(証明書画像および券面情報)を確認し、公的証明書の全体が写っていない、画像が不鮮明である、券面情報が読み取れなかったなどの不備がある場合には、監視装置4の操作部42を操作して証明書撮影部32のチルト、パンなどを遠隔調整した後、再度ステップS103A~S103Cを実行してもよい。
【0086】
なお、他の実施形態では、利用者情報取得部441は、路側装置1から証明書画像のみを取得してもよい。この場合、路側装置1のデータ処理部351に代えて、利用者情報取得部441がOCRなどにより、証明書画像から券面情報を読み取って取得する。さらに他の実施形態では、利用者情報取得部441は、監視員が証明書画像を見ながら手入力した券面情報を取得してもよい。
【0087】
次に、非ETC車両Vの車両情報を取得する処理を行う(ステップS103)。
【0088】
たとえばETC車線LにNP読取装置22が設けられていない場合、路側装置1の監視カメラ28が撮影した車両画像からNP情報を取得する。この場合、監視装置4の車両情報取得部442は、路側装置1に車両のナンバープレートの撮影を指示する(ステップS104A)。そうすると、路側装置1(ETC設備2)の監視カメラ28は、非ETC車両Vのナンバープレートを撮影する(ステップS104B)。このとき、路側装置1(印書装置3)のデータ処理部351は、監視カメラ28が撮影した車両画像(NP画像)からOCRなどによりNP情報を読み取り、車両画像およびNP情報を含む車両情報D12を監視装置4に送信する。
【0089】
次に、監視装置4の車両情報取得部442は、車両情報D12を取得する(ステップS104C)。取得した車両情報D12は、監視装置4の表示部43に表示される。
【0090】
監視員は、表示部43に表示された車両情報D12(車両画像およびNP情報)を確認し、画像が不鮮明である、NP情報が読み取れなかったなどの不備がある場合には、監視装置4の操作部42を操作して監視カメラ28のチルト、パンなどを遠隔調整した後、再度ステップS104A~S104Cを実行してもよい。
【0091】
なお、他の実施形態では、車両情報取得部442は、路側装置1(監視カメラ28)から車両画像のみを取得してもよい。この場合、路側装置1のデータ処理部351に代えて、車両情報取得部442がOCRなどにより、車両画像からNP情報を読み取って取得する。さらに他の実施形態では、車両情報取得部442は、監視員が車両画像を見ながら手入力したNP情報を取得してもよい。
【0092】
また、ETC車線LにNP読取装置22が設けられている場合、NP読取装置22は、進入側車両検知器21が非ETC車両Vを検出したときに、非ETC車両VのNP情報を取得している。この場合、ステップS104A~S104Bを省略し、ステップS104Cにおいて、車両情報取得部442はNP読取装置22から非ETC車両のNP情報を取得してもよい。
【0093】
さらに、車両情報取得部442は、ステップS104Cにおいて、車種判別装置29が判別した非ETC車両Vの車種情報および牽引情報をさらに取得してもよい。また、車両情報取得部442は、監視員が車両画像を見ながら手入力した車種情報および牽引情報を取得してもよい。
【0094】
次に、監視装置4の通行情報取得部443は、通行情報D13を取得する(ステップS105)。通行情報取得部443は、たとえば、監視員が利用者から聞き取った内容に基づいて入力した通行情報D13を取得する。なお、監視員は利用者に通行券や乗継券などの提示を求め、証明書撮影部32により撮影された通行券や乗継券を確認しながら、通行情報D13を入力してもよい。
【0095】
なお、他の実施形態では、通行情報取得部443は、サーバ5に非ETC車両Vの通行情報D13の提供を要求してもよい。たとえば、サーバ5の通行情報作成部511は、後述する後方処理(
図9)において、NP情報毎の通行情報を逐次、作成している。監視装置4の通行情報取得部443は、ステップS105においてサーバ5が作成した通行情報D13を取得する。これにより、監視員が通行情報を手入力する手間を省くことができる。
【0096】
次に、監視装置4の印書要求部444は、取得した利用者情報D11、車両情報D12、および通行情報D13と、支払情報D14の少なくとも一部を記載した請求書の印刷を路側装置1(印書装置3)に要求する(ステップS106)。
【0097】
そうすると、路側装置1の印書処理部352は、監視装置4からの要求にしたがい、印書部34に請求書D4を印刷させる(ステップS107)。
【0098】
図8は、第1の実施形態に係る請求書の一例を示す図である。
請求書D4には、利用者情報D11、車両情報D12、通行情報D13、および支払情報D14の全てが印刷されていてもよい。なお、全ての情報を印刷すると請求書D4が長尺となってしまう。このため、請求書D4には、これら情報から抜粋された一部の情報のみが印刷されていてもよい。
【0099】
たとえば
図8に示すように、請求書D4には、車両情報D12、通行情報D13、および支払情報D14から一部を抜粋した情報D42、D43、D44のみが印刷されてもよい。この場合、請求書D4には、印刷されなかった内容を閲覧可能なWebページ(サーバ5が作成した閲覧用データD3)にアクセスするためのURL情報D46が印刷されていてもよい。このURL情報D46は、テキストであってもよいし、
図8の例のように二次元コードであってもよい。
【0100】
また、印書処理部352は、請求書D4に利用者情報D11に含まれる証明書番号、氏名、住所を印刷する場合に、一部の文字を隠して(非表示、伏せ字にして)、印書部34に印刷させる。同様に、印書処理部352は、請求書D4に車両情報D12に含まれるNP情報を印刷する場合に、一部の文字を隠して(非表示、伏せ字にして)、印書部34に印刷させる。これにより、万一、利用者が落とした請求書D4を他者が拾った場合などに、他者に利用者や非ETC車両が特定されることを抑制することができる。また、一部の文字が隠された状態であっても、利用者本人であれば、自身の証明書番号やNP番号などが印刷されていると理解することができる。つまり、利用者に対し、有料道路の運営会社に自身や車両を特定可能な情報(エビデンス)が知られていることを認識させて、通行料金の不払いを抑制することができる。
【0101】
次に、監視員は、利用者に対し閲覧用データD3にアクセスするための暗証番号の設定を要求する。利用者は、路側装置1(印書装置3)の入力部33を使って、暗証番号を設定する操作を行う。そうすると、路側装置1の暗証番号取得部353は、設定された暗証番号を取得して、監視装置4に送信する(ステップS108)。
【0102】
なお、他の実施形態では、利用者による暗証番号の設定を省略してもよい。この場合、暗証番号取得部353は、ステップS108において暗証番号を自動的に設定して、監視装置4に送信する。たとえば、暗証番号取得部353は、全ての利用者に共通の暗証番号を設定する。また、暗証番号取得部353は、利用者毎にランダムな暗証番号を生成して設定してもよい。暗証番号取得部353が自動的に設定した暗証番号は、路側装置1(印書装置3)の表示部39に表示して利用者に通知する。さらに、暗証番号取得部353は、利用者情報D11に含まれる1つまたは複数の情報を利用して、暗証番号を自動的に生成してもよい。たとえば、暗証番号取得部353は、利用者の証明書番号の一部(たとえば下4桁)やNP情報の一連番号、証明書に記載された住所や生年月日などを暗証番号として設定してもよい。また、暗証番号取得部353は、これら情報の組み合わせ(たとえば証明書番号の下4桁+NP情報の一連番号)を暗証番号として設定してもよい。この場合、どの情報が暗証番号として使用されているか(たとえば、「暗証番号は証明書番号の下4桁です。」などの文字情報)を、請求書D4に印刷して利用者に通知する。これにより、自身の利用者情報D11を知っている利用者は、請求書D4を見れば正しい暗証番号を容易に知ることができる。一方で、利用者情報D1を知らない他者に対しては、請求書D4を見ても暗証番号を推測することが困難とすることができる。
【0103】
また、さらに他の実施形態では、暗証番号取得部353は、請求書D4が抜き取られてから所定時間以上、利用者により暗証番号が設定されなかった場合、または、後続車両の料金収受処理が開始された場合など、上記した予め定められた暗証番号を自動的に設定するようにしてもよい。
【0104】
暗証番号の設定が完了すると、監視員は、非ETC車両Vの通行(ETC車線Lからの退出)を許可する操作を行う。そうすると、監視装置4は、路側装置1に非ETC車両Vの発進許可を指示する(ステップS109)。
【0105】
路側装置1(たとえば、車線サーバ25)は、監視装置4からの指示を受け付けると、発進制御機26に開指令を送信して(ステップS110)、非ETC車両をETC車線Lから退出させる。
【0106】
また、監視員が非ETC車両Vの通行を許可する操作を行うと、監視装置4の事後徴収用データ作成部445は、利用者との会話の録音を終了する(ステップS111)。
【0107】
次に、事後徴収用データ作成部445は、監視装置4の各部が取得した利用者情報D11、車両情報D12、および通行情報D13と、支払情報D14と、利用者と監視員との会話を録音した録音データD15とを含む事後徴収用データD1を作成して、暗証番号とともにサーバ5に送信して記録する(ステップS112)。
【0108】
料金収受システム100(事後徴収システム)は、ETC車線Lに非ETC車両Vが到来する度に、
図7に示す一連の処理を実行する。
【0109】
(事後徴収処理2:後方処理)
図9は、第1の実施形態に係る事後徴収処理の一例を示すフローチャートである。
次に、
図9を参照しながら、サーバ5による後方処理の流れについて説明する。
【0110】
まず、サーバ5の通行情報作成部511は、全車両情報テーブルD2内の同一のNP情報を有する情報を紐付けて、通行情報を作成する(ステップS201)。通行情報の作成は、たとえば全車両情報テーブルD2が更新される毎に逐次行われる。つまり、通行情報作成部511は、非ETC車両Vが入口料金所、経由料金所、乗継料金所、通過判定地点を通過する毎に、各料金所および通過判定地点のNP読取装置により取得されたNP情報を紐づけて、この非ETC車両Vの通行情報を作成、更新していく。また、非ETC車両Vが出口料金所に到着したときに、出口料金所のNP読取装置で取得されたNP情報と紐付けて通行情報を更新することにより、この非ETC車両Vの走行経路をただちに確定することができる。前述した
図7のステップS105では、このようにして作成、更新した非ETC車両Vの通行情報を監視装置4(通行情報取得部443)に提供する。
【0111】
また、通行情報作成部511は、監視装置4から非ETC車両Vの事後徴収用データD1および暗証番号を受信して、ストレージ53に記録する(ステップS202)。このとき、たとえば
図7のステップS105において、監視員が手動で通行情報D13を入力していた場合、ステップS201で作成した通行情報に基づき事後徴収用データD1を更新する(ステップS203)。これにより、たとえば利用者から聞き取った内容に基づき監視員が手入力した通行情報に不足や誤りがあったとしても、全車両情報テーブルD2から作成した通行情報に基づいて事後的に追加、修正を行うことができる。また、通行情報作成部511は、各料金所や通過判定地点のNP読取装置により撮影された非ETC車両Vの画像をさらに通行情報に含めてもよい。
【0112】
次に、サーバ5の閲覧用データ作成部512は、利用者がブラウザなどで事後徴収用データD1の内容を確認することができる閲覧用データD3を作成する。このとき、閲覧用データ作成部512は、上記したように、利用者情報D31や車両情報D32の一部を隠した閲覧用データD3を作成する。また、閲覧用データ作成部512は、閲覧用データD3と暗号情報とを紐づけて記録し、利用者が暗証番号を正しく入力した場合にのみ、閲覧用データD3を閲覧可能となるようにアクセスに制限をかける。
【0113】
利用者は、有料道路を退出後、請求書D4に印刷されたURL情報D46と、暗証番号とを使って閲覧用データD3を閲覧することができる。また、閲覧用データD3に利用者本人および車両を特定可能なエビデンスが記録されていることを認識させて、通行料金の不払いを抑制することができる。
【0114】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係る路側装置1は、非ETC車両VがETC車線Lに到来した場合に、非ETC車両Vを撮影する車両画像取得部(NP読取装置22、監視カメラ28)と、非ETC車両Vに搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影する証明書撮影部32と、非ETC車両Vの通行料金の請求書D4を発行する印書部34と、を備える。印書部34は、監視装置4から受信した非ETC車両Vの走行経路を特定可能な通行情報D13と、車両画像取得部(NP読取装置22、監視カメラ28)が撮影した車両画像から読み取られる情報を含む車両情報D12と、証明書撮影部32が撮影した証明書画像から読み取られる情報を含む利用者情報D11と、通行料金の支払いに関する支払情報D14と、のうち少なくとも一つの情報を請求書D4に印刷する。
【0115】
このようにすることで、路側装置1は、ETC車線Lに非ETC車両Vが到来した場合に、利用者に対し通行料金の事後徴収に関する請求書を自動的に発行することができる。これにより、料金所を安価かつ簡易な構成で無人化することができる。また、路側装置1は、各利用者専用の請求書D4を発行することができる。これにより、パンフレットなどによる利用者共通の事後徴収の案内と比較して、利用者がより容易に支払いの手順などを理解することが可能となる。この結果、非ETC車両の通行料金をより確実に徴収することができる。
【0116】
また、車両画像取得部はNP読取装置22であり、車両情報D12はNP読取装置22が読み取ったNP情報を含む。印書部34は、NP情報のうち一部の文字を隠して請求書D4に印刷する。
【0117】
このようにすることで、路側装置1は、新たな構成を追加することなく、料金所に既存のNP読取装置22を利用して、非ETC車両Vを特定可能なNP情報を取得することができる。また、路側装置1は、NP情報のうち一部の文字を隠すことにより、他者が見れば車両を特定することは困難であり、利用者が見れば自身の車両のNP情報であるとわかる車両情報D12が印刷された請求書D4を発行することができる。これにより、利用者が落とした請求書D4を他者が拾った場合などに、他者が請求書D4から車両を特定できてしまうことを抑制することができる。さらに、利用者に車両を特定可能なエビデンスが記録されていることを認識させて、通行料金の不払いを抑制することができる。
【0118】
また、車両画像取得部はNP読取装置22および監視カメラ28であり、車両情報D12は、NP情報に加えて、監視カメラ28が撮影した1つまたは複数の車両画像から特定される非ETC車両Vの車種情報を含む。
【0119】
このようにすることで、路側装置1は、非ETC車両Vの車種区分が印刷された請求書D4を発行することができる。これにより、車種区分に応じて通行料金が変化する場合に、利用者は自身の車両がどの車種区分と判断されて、通行料金が計算されたかを知ることができる。
【0120】
また、車両画像取得部は監視カメラ28であり、車両情報D12は監視カメラ28が撮影した車両画像から読み取ったNP情報を含む。印書部34は、NP情報のうち一部の文字を隠して請求書D4に印刷する。
【0121】
このようにすることで、路側装置1は、NP読取装置22が設置されていないETC車線Lにおいても、料金所に既存の監視カメラ28を利用して、非ETC車両のNP情報を得ることができる。また、路側装置1は、NP情報のうち一部の文字を隠すことにより、他者が見れば車両を特定することは困難であり、利用者が見れば自身の車両のNP情報であるとわかる車両情報D12が印刷された請求書D4を発行することができる。これにより、利用者が落とした請求書D4を他者が拾った場合などに、他者が請求書D4から車両を特定できてしまうことを抑制することができる。さらに、利用者に車両を特定可能なエビデンスが記録されていることを認識させて、通行料金の不払いを抑制することができる。
【0122】
また、車両画像取得部は監視カメラ28であり、車両情報D12は、NP情報に代えて、またはNP情報に加えて、車種判別装置29または監視員により判別された非ETC車両Vの車種区分を示す車種情報および牽引の有無を示す牽引情報を含む。また、車両情報D12は、監視カメラ28が撮影した1つまたは複数の車両画像を含む。
【0123】
このようにすることで、路側装置1は、非ETC車両Vの車種区分が印刷された請求書D4を発行することができる。これにより、車種区分に応じて通行料金が変化する場合に、利用者は自身の車両がどの車種区分と判断されて、通行料金が計算されたかを知ることができる。また、車両情報D12に監視カメラ28が撮影した車両画像を含めることにより、利用者は、非ETC車両Vの車種区分を決定するための車両諸元(車軸数など)や牽引の有無を視覚的に確認することができる。
【0124】
また、印書部34は、通行情報D13と、利用者情報D11と、車両情報D12と、支払情報D14とのうち少なくとも一つの情報を閲覧可能なWebページ(閲覧用データD3)にアクセスするためのURL情報D46を請求書D4にさらに印刷する。
【0125】
このようにすることで、路側装置1は、請求書D4に印刷する情報を削減するとともに、利用者に対しWebページで全ての情報を閲覧させることができる。
【0126】
また、印書部34は、URL情報D46を二次元コードの形式で印刷する。
【0127】
このようにすることで、利用者は、URLを手入力することなく、容易にWebページにアクセスすることができる。
【0128】
また、事後徴収システム100は、路側装置1と監視装置4とを備える。監視装置4は、非ETC車両Vの通行情報D13と、利用者情報D11と、車両情報D12と、支払情報D14とのうち少なくとも一つの情報を含む請求書D4の発行を路側装置1に要求する印書要求部444と、通行情報D13と、利用者情報D11と、車両情報D12と、支払情報D14とを含む事後徴収用データD1を作成する事後徴収用データ作成部445と、を備える。
【0129】
このようにすることで、事後徴収システム100は、有料道路の運営会社に対し、事後徴収用データD1により全ての情報を提供することができる。また、請求書D4に少なくとも一部の情報を印刷することで、利用者に対しては必要最低限の情報を印刷した請求書D4を提供するとともに、エビデンスとして利用者情報や車両情報などが記録されていることを認識させることができる。
【0130】
また、事後徴収システム100は、路側装置1および監視装置4に加えて、サーバ5を備える。サーバ5は、監視装置4が作成した前記事後徴収用データD1を記録するストレージ53と、事後徴収用データD1の少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、利用者および車両が利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データD3を作成する閲覧用データ作成部512と、を備える。
【0131】
このようにすることで、事後徴収システム100は、有料道路の運営会社に対しては事後徴収用データD1により全ての情報を提供するとともに、利用者に対しては事後徴収用データD1のうち利用者および車両を特定可能な一部の情報を隠した閲覧用データD3を提供することができる。これにより、有料道路の運営会社は、通行料金の支払いの遅延などが発生した場合に、利用者を特定して督促を行うことができるので、通行料金をより確実に徴収することが可能となる。また、利用者以外の他者が閲覧用データD3を閲覧した場合であっても、利用者や車両を特定することを抑制することができるので、利用者のプライバシーを守ることができる。
【0132】
また、監視装置4の事後徴収用データ作成部445は、利用者と監視員との会話内容の録音データをさらに含む事後徴収用データD1を作成する。サーバ5の閲覧用データ作成部512は、録音データをさらに含む閲覧用データD3を作成する。
【0133】
このようにすることで、事後徴収システム100は、録音データを、利用者が監視員から通行料金の事後徴収(後払い)についての説明を受けたことを示すエビデンスとして記録することができる。
【0134】
また、事後徴収用データD1の車両情報D12は、非ETC車両VのNP情報を含む。サーバ5は、有料道路の料金所および通過判定地点に設けられたNP読取装置が読み取ったNP情報を蓄積する全車両情報テーブルD2から、非ETC車両VのNP情報を検索して、非ETC車両Vが通過した料金所および通過判定地点を特定可能な通行情報D13を作成し、事後徴収用データD1を更新する通行情報作成部511をさらに備える。
【0135】
このようにすることで、事後徴収システム100は、たとえば利用者から聞き取った内容に基づき監視員が通行情報を手入力していた場合に、通行情報の不足や誤りがあったとしても、サーバ5において全車両情報テーブルD2に基づいて事後的に追加、修正を行うことができる。また、事後徴収システム100は、たとえば走行経路(経由する料金所や通過判定地点)に応じて通行料金が異なる場合であっても、非ETC車両Vの走行経路を特定して、正しい通行料金を徴収することが可能となる。
【0136】
また、路側装置1は、閲覧用データD3を閲覧するための暗証番号を取得する暗証番号取得部353をさらに備える。サーバ5の閲覧用データ作成部512は、作成した閲覧用データD3に、暗証番号を紐づけて記録する。
【0137】
このようにすることで、事後徴収システム100は、利用者に対し、正しく暗証番号が入力したときのみ、閲覧用データD3を閲覧させるように制限することができる。これにより、たとえば利用者が落とした請求書D4を他者が拾った場合などに、他者が請求書D4に印刷されたURL情報D46から閲覧用データD3を閲覧してしまうことを抑制することができる。
【0138】
また、路側装置1の暗証番号取得部353は、利用者が設定した暗証番号を取得する。
【0139】
このようにすることで、事後徴収システム100は、利用者自らが設定した暗証番号を使用することにより、他者による暗証番号の推測を困難にすることができる。この結果、閲覧用データD3が他者に閲覧されてしまうことをより確実に抑制することができる。
【0140】
また、路側装置1の暗証番号取得部353は、自動的に生成した暗証番号を取得する。
【0141】
このようにすることで、事後徴収システム100は、利用者が暗証番号の設定に要する手間や時間を削減することができる。また、暗証番号取得部353は、全ての利用者に共通の予め決められた暗証番号を設定してもよいし、利用者毎にランダムに自動生成した暗証番号を設定してもよい。たとえ暗証番号取得部353が生成した暗証番号が全ての利用者に共通であるとしても、監視員や路側装置1(印書装置3)の表示部39などから利用者のみに通知されるようにすることで、事後徴収を利用しない他者に知られることを抑制可能である。さらに、たとえば利用者本人しかわからない情報(証明書番号やNP情報の一部など)を暗証番号として自動的に取得することで、他者による暗証番号の推測を困難にすることもできる。
【0142】
<その他の実施形態>
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。すなわち、他の実施形態においては、上述の処理の順序が適宜変更されてもよい。また、一部の処理が並列に実行されてもよい。
【0143】
また、上述の実施形態において、車両画像取得部がNP読取装置22、監視カメラ28、またはNP読取装置22および監視カメラ28の組み合わせである例について説明したが、これに限られることは無い。他の実施形態では、車両画像取得部は、NP読取装置22または監視カメラ28に代えて、若しくはこれらに加えて、レーザ光を用いて車体の反射光量や反射位置までの距離を計測するレーザセンサや、3D LiDARなどを含んでもよい。この場合、車両画像取得部が取得する車両画像は、レーザセンサなどによる反射光量画像、距離画像などを含む。
【0144】
さらに他の実施形態では、路側装置1(印書装置3)は、証明書撮影部32に加えて、近距離無線通信などを用いて公的証明書のICチップに記録された利用者情報を読み取るICカードリーダを備えていてもよい。この場合、路側装置1のデータ処理部351は、ICカードリーダを介して利用者の公的証明書のICチップから、公的証明書の券面情報を読み取る。
【0145】
<付記>
上述の実施形態に記載の事後徴収システム、および事後徴収方法は、例えば以下のように把握される。
【0146】
(1)第1の態様によれば、事後徴収システム100は、有料道路の料金所において、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両VがETC車線Lに到来した場合に、当該非ETC車両Vの通行料金を事後徴収する事後徴収システム100であって、ETC車線Lに設置される路側装置1と、ETC車線Lを遠隔地より監視する監視員が操作し、非ETC車両Vの事後徴収用データD1を作成する監視装置4と、事後徴収用データD1を蓄積するサーバ5と、を備える。路側装置1は、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両VがETC車線Lに到来した場合に、非ETC車両Vを撮影する車両画像取得部22,28と、非ETC車両Vに搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影する証明書撮影部32と、監視装置4の要求にしたがい非ETC車両Vの通行料金の請求書D4を発行する印書部34と、を備える。監視装置4は、証明書撮影部32により撮影された証明書画像から読み取られる利用者情報D11を取得する利用者情報取得部441と、車両画像取得部22,28により撮影された車両画像から読み取られる車両情報D12を取得する車両情報取得部442と、非ETC車両Vの有料道路の走行経路を特定可能な通行情報を取得する通行情報取得部443と、利用者情報D11、車両情報D12、通行情報D13、および通行料金の支払いに関する支払情報D14とうち少なくとも一つの情報を含む請求書D4の発行を路側装置1に要求する印書要求部444と、利用者情報D11、車両情報D12、通行情報D13、および支払情報D14を含む事後徴収用データD1を作成する事後徴収用データ作成部445と、を備える。サーバ5は、監視装置4が作成した事後徴収用データD1を記録するストレージ53と、事後徴収用データD1の少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、利用者および車両が利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データD3を作成する閲覧用データ作成部512と、を備える。
【0147】
このようにすることで、事後徴収システム100は、有料道路の運営会社に対しては事後徴収用データD1により全ての情報を提供するとともに、利用者に対しては事後徴収用データD1のうち利用者および車両を特定可能な一部の情報を隠した閲覧用データD3を提供することができる。これにより、有料道路の運営会社は、通行料金の支払いの遅延などが発生した場合に、利用者を特定して督促を行うことができるので、通行料金をより確実に徴収することが可能となる。また、利用者以外の他者が閲覧用データD3を閲覧した場合であっても、利用者や車両を特定することを抑制することができるので、利用者のプライバシーを守ることができる。
【0148】
(2)第2の態様によれば、第1の態様に係る事後徴収システム100において、監視装置4の事後徴収用データ作成部445は、利用者と監視員との会話内容の録音データD15をさらに含む事後徴収用データD1を作成し、サーバ5の閲覧用データ作成部512は、録音データD35をさらに含む閲覧用データD3を作成する。
【0149】
このようにすることで、事後徴収システム100は、録音データを、利用者が監視員から通行料金の事後徴収(後払い)についての説明を受けたことを示すエビデンスとして記録することができる。
【0150】
(3)第3の態様によれば、第1の態様に係る事後徴収システム100において、車両情報D12は、非ETC車両Vのナンバープレート情報を含み、サーバ5は、有料道路の料金所および通過判定地点に設けられたナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を蓄積する全車両情報テーブルD2から、非ETC車両Vのナンバープレート情報を検索して、非ETC車両Vが通過した料金所および通過判定地点を特定可能な通行情報D12を作成し、事後徴収用データD1を更新する通行情報作成部511をさらに備える。
【0151】
このようにすることで、事後徴収システム100は、たとえば利用者から聞き取った内容に基づき監視員が通行情報を手入力していた場合に、通行情報の不足や誤りがあったとしても、サーバ5において全車両情報テーブルD2に基づいて事後的に追加、修正を行うことができる。また、事後徴収システム100は、たとえば走行経路(経由する料金所や通過判定地点)に応じて通行料金が異なる場合であっても、非ETC車両Vの走行経路を特定して、正しい通行料金を徴収することが可能となる。
【0152】
(4)第4の態様によれば、第2の態様に係る事後徴収システム100において、車両情報D12は、非ETC車両Vのナンバープレート情報を含み、サーバ5は、有料道路の料金所および通過判定地点に設けられたナンバープレート読取装置が読み取ったナンバープレート情報を蓄積する全車両情報テーブルD2から、非ETC車両Vのナンバープレート情報を検索して、非ETC車両Vが通過した料金所および通過判定地点を特定可能な通行情報D12を作成し、事後徴収用データD1を更新する通行情報作成部511をさらに備える。
【0153】
このようにすることで、事後徴収システム100は、たとえば利用者から聞き取った内容に基づき監視員が通行情報を手入力していた場合に、通行情報の不足や誤りがあったとしても、サーバ5において全車両情報テーブルD2に基づいて事後的に追加、修正を行うことができる。また、事後徴収システム100は、たとえば走行経路(経由する料金所や通過判定地点)に応じて通行料金が異なる場合であっても、非ETC車両Vの走行経路を特定して、正しい通行料金を徴収することが可能となる。
【0154】
(5)第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様に係る事後徴収システム100において、路側装置1は、閲覧用データD3を閲覧するための暗証番号を取得する暗証番号取得部353をさらに備え、サーバ5の閲覧用データ作成部512は、作成した閲覧用データD3に、暗証番号を紐づけて記録する。
【0155】
このようにすることで、事後徴収システム100は、利用者に対し、正しく暗証番号が入力したときのみ、閲覧用データD3を閲覧させるように制限することができる。これにより、たとえば利用者が落とした請求書D4を他者が拾った場合などに、他者が請求書D4に印刷されたURL情報D46から閲覧用データD3を閲覧してしまうことを抑制することができる。
【0156】
(6)第6の態様によれば、第5の態様に係る事後徴収システム100において、路側装置1の暗証番号取得部353は、利用者が設定した暗証番号を取得する。
【0157】
このようにすることで、事後徴収システム100は、利用者自らが設定した暗証番号を使用することにより、他者による暗証番号の推測を困難にすることができる。この結果、閲覧用データD3が他者に閲覧されてしまうことをより確実に抑制することができる。
【0158】
(7)第7の態様によれば、第5の態様に係る事後徴収システム100において、路側装置1の暗証番号取得部353は、自動的に生成した暗証番号を取得し、生成した暗証番号を路側装置1の表示部39に表示して利用者に通知する。
【0159】
このようにすることで、事後徴収システム100は、利用者が暗証番号の設定に要する手間や時間を削減することができる。また、暗証番号取得部353は、全ての利用者に共通の予め決められた暗証番号を設定してもよいし、利用者毎にランダムに自動生成した暗証番号を設定してもよい。たとえ暗証番号取得部353が生成した暗証番号が全ての利用者に共通であるとしても、路側装置1(印書装置3)の表示部39で利用者のみに通知されるようにすることで、事後徴収を利用しない他者に知られることを抑制可能である。
【0160】
(8)第8の態様によれば、第5の態様に係る事後徴収システム100において、路側装置1の暗証番号取得部353は、利用者情報D11に含まれる1つまたは複数の情報を利用して自動的に生成した暗証番号を取得し、暗証番号がどの情報を利用して生成されたかを請求書D4に印書して利用者に通知する。
【0161】
このようにすることで、事後徴収システム100は、たとえば利用者本人しかわからない情報(証明書番号やNP情報の一部など)を暗証番号として自動的に生成することにより、利用者が暗証番号の設定に要する手間や時間を削減することができる。また、このようにすることで、自身の利用者情報D11を知っている利用者は、請求書D4を見れば正しい暗証番号を容易に知ることができる。一方で、利用者情報D1を知らない他者に対しては、請求書D4を見ても暗証番号を推測することが困難とすることができる。
【0162】
(9)第9の態様によれば、事後徴収方法は、有料道路の料金所において、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両VがETC車線Lに到来した場合に、ETC車線Lに設置される路側装置1と、ETC車線Lを遠隔地より監視する監視員が操作し、非ETC車両Vの事後徴収用データD1を作成する監視装置4と、事後徴収用データD1を蓄積するサーバ5と、を備える事後徴収システム100により非ETC車両Vの通行料金を事後徴収する事後徴収方法であって、路側装置1が、ETCによる自動料金収受処理が行えない非ETC車両VがETC車線Lに到来した場合に、非ETC車両Vを撮影するステップと、非ETC車両Vに搭乗する利用者が所持する公的証明書を撮影するステップと、ETC車線Lを遠隔地より監視する監視員が操作する監視装置4の要求にしたがい非ETC車両Vの通行料金の請求書D4を発行するステップと、を実行する。監視装置4が、路側装置1により撮影された証明書画像から読み取られる利用者情報D11を取得するステップと、路側装置1により撮影された車両画像から読み取られる車両情報D12を取得するステップと、非ETC車両Vの有料道路の走行経路を特定可能な通行情報D13を取得するステップと、利用者情報D11、車両情報D12、通行情報D13、および通行料金の支払いに関する支払情報D14のうち少なくとも一つの情報を含む請求書D4の発行を路側装置1に要求するステップと、利用者情報D11、車両情報D12、通行情報D13、および支払情報D14を含む事後徴収用データD1を作成するステップと、を実行する。サーバ5が、監視装置4が作成した事後徴収用データD1を記録するステップと、事後徴収用データD1の少なくとも一部を閲覧可能なWebページ用のデータであって、利用者および車両が利用者以外の他者に特定されないように、Webページに表示される一部の情報を隠した閲覧用データD3を作成するステップと、を実行する。
【符号の説明】
【0163】
100 料金収受システム(事後徴収システム)
1 路側装置
2 ETC設備
21 進入側車両検知器
22 ナンバープレート読取装置(車両画像取得部)
23 路側アンテナ
24 通信用車両検知器
25 車線サーバ
26 発進制御機
27 退出側車両検知器
28 監視カメラ(車両画像取得部)
3 印書装置
31 車線側通話部
32 証明書撮影部
33 入力部
34 印書部
35 プロセッサ
351 データ処理部
352 印書処理部
353 暗証番号取得部
36 メモリ
37 ストレージ
38 通信I/F
4 監視装置
41 事務所側通話部
42 操作部
43 表示部
44 プロセッサ
441 利用者情報取得部
442 車両情報取得部
443 通行情報取得部
444 印書要求部
445 事後徴収用データ作成部
45 メモリ
46 ストレージ
47 通信I/F
5 サーバ
51 プロセッサ
511 通行情報作成部
512 閲覧用データ作成部
52 メモリ
53 ストレージ
54 通信I/F
D1 事後徴収用データ
D2 全車両情報テーブル
D3 閲覧用データ
D4 請求書
L ETC車線
V 非ETC車両
X1 進入検出位置
X2 通信終了位置
X3 退出検出位置