(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001435
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】情報処理方法、プログラム、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G08B 25/00 20060101AFI20241225BHJP
G08B 25/08 20060101ALI20241225BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20241225BHJP
G08B 21/02 20060101ALI20241225BHJP
G08B 21/00 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G08B25/08 A
G08B25/04 K
G08B21/02
G08B21/00 U
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101026
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】西村 和也
(72)【発明者】
【氏名】上野山 直貴
(72)【発明者】
【氏名】中野 景子
(72)【発明者】
【氏名】中西 陽平
(72)【発明者】
【氏名】松村 隆弘
【テーマコード(参考)】
5C086
5C087
【Fターム(参考)】
5C086AA22
5C086BA22
5C086CA28
5C086CB36
5C086DA14
5C087AA02
5C087AA03
5C087BB18
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD14
5C087EE14
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】
【課題】小学生が通知の必要な状態にあることを、小学校や小学校の職員に通知できるようにすること。
【解決手段】情報処理方法は、撮像部11、位置情報取得部12、及び通信部32を備えた車両10と、サーバ装置20と、を備えた情報処理システム1で実行される方法である。情報処理方法は、小学生が写っている周辺画像、及び当該周辺画像が撮像部11で生成されたときの車両10の位置情報を含む通知情報を、車両10の通信部32がサーバ装置20に送信することと、通知情報のうち、小学生の所持品が写っている一方で、小学生が写っていない周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が撮像部11で生成されたときの車両10の位置情報を含む通知情報を、情報端末60にサーバ装置20が通知することと、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、自身の位置情報を取得する位置情報取得部、及び外部と通信を行う通信部を備えた車両と、前記車両の外部に設置されたサーバ装置と、を備え、前記周辺画像、及び前記位置情報が前記車両の前記通信部から通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信されるように構成された情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
小学生の所持品が写っている前記周辺画像、及び当該周辺画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、前記車両の前記通信部が前記サーバ装置に送信することと、
前記通知情報のうち、小学生の所持品が写っている一方で、小学生が写っていない前記周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に前記サーバ装置の処理回路が通知することと、
を含む情報処理方法。
【請求項2】
前記通知情報を、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に通知する場合、
前記小学校の校区内における危険地域を前記撮像部が撮像することによって当該撮像部によって生成された前記周辺画像であって、かつ小学生の所持品が写っている一方、前記小学生が写っていない前記周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、前記小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に前記サーバ装置の処理回路が通知する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記通知情報を、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に通知する場合、
前記小学校の登下校の時間帯で前記撮像部によって生成された前記周辺画像であって、かつ小学生の所持品が写っている一方、前記小学生が写っていない前記周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、前記小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に前記サーバ装置の処理回路が通知する、
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、自身の位置情報を取得する位置情報取得部、及び車両の外部に設置されたサーバ装置と通信を行う通信部を備えた車両の制御装置で実行されるプログラムであって、
前記サーバ装置は、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方と通信可能に構成されたものであり、
前記制御装置に、
前記周辺画像のうち、小学生の所持品が写っており、かつ前記所持品の周辺に前記小学生が写っていない前記周辺画像である落し物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を取得させることと、
前記通知情報を、前記通信部から前記サーバ装置に送信させることと、を実行させる
プログラム。
【請求項5】
周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、自身の位置情報を取得する位置情報取得部、及び外部と通信を行う通信部を備えた車両と、前記車両の外部に設置されたサーバ装置と、を備えた情報処理システムであって、
前記車両の前記通信部は、小学生の所持品が写っている前記周辺画像、及び当該周辺画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信し、
前記サーバ装置は、前記通知情報のうち、小学生の所持品が写っている一方で、小学生が写っていない前記周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に送信する
情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、プログラム、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、予め登録された通学用ルートを通って通学する小学生が所持している携帯端末の位置が、当該通学用ルートから離れている場合に、警報メールを発信することで通知を行う装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の方法では、それぞれの小学生が携帯端末を所持していないと、小学生が通知の必要な状態にあるか否かを判定できない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための情報処理方法は、周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、自身の位置情報を取得する位置情報取得部、及び外部と通信を行う通信部を備えた車両と、前記車両の外部に設置されたサーバ装置と、を備え、前記周辺画像、及び前記位置情報が前記車両の前記通信部から通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信されるように構成された情報処理システムで実行される情報処理方法であって、小学生の所持品が写っている前記周辺画像、及び当該周辺画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、前記車両の前記通信部が前記サーバ装置に送信することと、前記通知情報のうち、小学生の所持品が写っている一方で、小学生が写っていない前記周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に前記サーバ装置の処理回路が通知することと、を含む。
【0006】
上記課題を解決するためのプログラムは、周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、自身の位置情報を取得する位置情報取得部、及び車両の外部に設置されたサーバ装置と通信を行う通信部を備えた車両の制御装置で実行されるプログラムであって、前記サーバ装置は、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方と通信可能に構成されたものであり、前記制御装置に、前記周辺画像のうち、小学生の所持品が写っており、かつ前記所持品の周辺に前記小学生が写っていない前記周辺画像である落し物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を取得させることと、前記通知情報を、前記通信部から前記サーバ装置に送信させることと、を実行させる。
【0007】
上記課題を解決するための情報処理システムは、周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する撮像部、自身の位置情報を取得する位置情報取得部、及び外部と通信を行う通信部を備えた車両と、前記車両の外部に設置されたサーバ装置と、を備えた情報処理システムであって、前記車両の前記通信部は、小学生の所持品が写っている前記周辺画像、及び当該周辺画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、通信ネットワークを介して前記サーバ装置に送信し、前記サーバ装置は、前記通知情報のうち、小学生の所持品が写っている一方で、小学生が写っていない前記周辺画像である落とし物画像、及び当該落し物画像が前記撮像部で生成されたときの前記車両の位置情報を含む通知情報を、小学校が所有する情報端末、及び前記小学校の職員が所有する情報端末の少なくとも一方に送信する。
【発明の効果】
【0008】
上記構成によれば、小学生が情報端末を所持していなくても、小学生が通知の必要な状態にあることを、小学校や小学校の職員に通知できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、情報処理システムの説明に用いられる図である。
【
図2】
図2は、サーバ装置、及び制御装置の説明に用いられる図である。
【
図3】
図3は、制御装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、サーバ装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
以下、情報処理方法の一実施形態を
図1~
図4に従って説明する。
<情報処理システム1の全体構成>
図1に示すように、情報処理方法を実現する情報処理システム1は、例えば、一以上の車両10と、一以上のサーバ装置20とを備える。車両10は、例えば、撮像部11と、位置情報取得部12と、制御装置30とを備える。制御装置30と、サーバ装置20とは、通信ネットワーク40を介して情報の送受信可能に接続されている。通信ネットワーク40は、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等を含む。
【0011】
撮像部11は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。撮像部11の一例は、ドライブレコーダーを構成するデジタルカメラである。撮像部11は、車両10の周辺状況を撮像する。車両10での撮像部11の設置位置によっては、車両10の前方、後方、及び側方を撮像部11は撮像できる。撮像部11は、車両10の周辺状況を撮像することで周辺画像を生成する。車両10が小学校の近傍を走行する場合、撮像部11が生成する周辺画像には、小学生や、小学生の所持品51が写っている場合がある。所持品51は、例えば、小学生が通学する際に身に着けたり、持ち歩いたりすることが指定されているものや、小学生が授業で使用したりするものである。具体的には、所持品51は、ランドセル、帽子、制服、手提げバック、水筒、及びリコーダー等である。
【0012】
位置情報取得部12は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機である。位置情報取得部12は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、車両10の位置を特定し、車両10の位置を示す位置情報を取得する。
【0013】
制御装置30は、撮像部11が生成する周辺画像に所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない場合であって、かつ所持品51が写っている状況が各種条件を満たす場合、当該小学生に関する情報をサーバ装置20に送信する。各種条件、及び制御装置30がサーバ装置20に送信する情報の詳細については、後述する。
【0014】
サーバ装置20は、例えば、小学校に備えられた情報端末60、及び小学校の職員が所有する情報端末60に、制御装置30から受信した情報を出力する。これにより、小学校の職員は、小学生に関する情報を把握する。情報端末60は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、及びパーソナルコンピュータを含む。
【0015】
<制御装置30の構成>
図2に示すように、制御装置30は、例えば、処理回路31と、通信部32と、記憶部33とを備える。処理回路31は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサで構成されている。ハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、処理回路31は、各種処理を実行できる。プログラムは、予め記憶部33に記憶されていてもよい。記憶部33は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体により実現される。通信部32は、例えば、通信用回路又は通信用モジュールを含み、処理回路31の制御に基づいて、サーバ装置20やその他の機器と各種データを送受信する。
【0016】
記憶部33には、例えば、第1学習済みモデル331と、第2学習済みモデル332と、危険地域情報333とが記憶されている。第1学習済みモデル331は、撮像部11によって生成された周辺画像に小学生が写っているか否かを判定する機械学習を行ったものである。第1学習済みモデル331の一例は、ニューラルネットワークである。周辺画像が入力変数として第1学習済みモデル331に入力されると、第1学習済みモデル331は、当該周辺画像に小学生が写っている確率を示す出力変数を出力する。例えば、第1学習済みモデル331は、周辺画像に小学生が写っている確率が高いほど大きい値を出力変数として出力する。この場合、制御装置30の処理回路31は、出力変数が閾値以上である場合、周辺画像に小学生が写っていると判定する。一方、処理回路31は、出力変数が閾値未満である場合、周辺画像に小学生が写っていないと判定する。
【0017】
ここで、小学生が通学する場合、小学生はランドセルを背負っていたり、小学校が指定する帽子や制服を小学生は身につけていたりする。第1学習済みモデル331には、以下の2つの条件(A1)及び(A2)の少なくとも一方を満たす児童が周辺画像に写っている場合に、当該周辺画像に小学生が写っていると判定できる機械学習が予め施されている。
【0018】
(A1)ランドセルを背負っていること。
(A2)小学校が指定する衣類を身につけていること。
第2学習済みモデル332は、撮像部11によって生成された周辺画像に所持品51が写っているか否かを判定する機械学習を行ったものである。第2学習済みモデル332の一例は、ニューラルネットワークである。周辺画像が入力変数として第2学習済みモデル332に入力されると、第2学習済みモデル332は、当該周辺画像に所持品51が写っている確率を示す出力変数を出力する。例えば、第2学習済みモデル332は、周辺画像に所持品51が写っている確率が高いほど大きい値を出力変数として出力する。この場合、制御装置30の処理回路31は、出力変数が閾値以上である場合、周辺画像に所持品51が写っていると判定する。一方、処理回路31は、出力変数が閾値未満である場合、周辺画像に所持品51が写っていないと判定する。
【0019】
上述したように、所持品51は、例えば、小学生が通学する際に身に着けたり、持ち歩いたりすることが指定されているものや、小学生が授業で使用したりするものである。具体的には、所持品51は、ランドセル、帽子、制服、手提げバック、水筒、及びリコーダー等である。第2学習済みモデル332には、これらのものが周辺画像に写っている場合に、当該周辺画像に所持品51が写っていると判定できる機械学習が予め施されている。
【0020】
危険地域情報333は、小学校と、当該小学校の校区内における危険地域を示す位置情報とが対応付けられた情報である。危険地域は、事故の発生しやすい地域である。危険地域としては、例えば、河川やため池等の治水施設、交通量の多い道路、大型車両の出入りが頻繁な施設等の近傍である。
【0021】
処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像に基づいて、周辺画像に所持品51が写っているか否かを判定する。具体的には、処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像を第2学習済みモデル332に入力した際の、第2学習済みモデル332の出力変数に基づいて、周辺画像に所持品51が写っているか否かを判定する。
【0022】
処理回路31は、所持品51が写っていると判定した周辺画像に基づいて、当該周辺画像に小学生が写っているか否かを判定する。具体的には、処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像を第1学習済みモデル331に入力した際の、第1学習済みモデル331の出力変数に基づいて、周辺画像に小学生が写っているか否かを判定する。
【0023】
処理回路31は、周辺画像が、所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない周辺画像であると判定した場合、通信ネットワーク40を介して小学校のサーバ装置20に通知情報を送信する。以降の説明において、所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない周辺画像を、落し物画像とも記載する。これに伴い、処理回路31が、周辺画像について、所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない周辺画像であると判定することを、周辺画像が落し物画像であると判定するとも記載する。
【0024】
サーバ装置20に送信される通知情報は、例えば、落し物画像、及び当該落し物画像が撮像部11で生成されたときに位置情報取得部12により取得された位置情報とを含む。このとき、処理回路31は、サーバ装置20に送信する通知情報に含まれる位置情報を基に、当該位置情報が示す位置を含む校区を有する小学校を特定する。そして、処理回路31は、特定した小学校のサーバ装置20に通知情報を送信する。
【0025】
また、処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像が落し物画像であると判定した場合であって、かつ当該落とし物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像である場合に、サーバ装置20に通知情報を送信する。処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像と、位置情報取得部12が取得した位置情報とに基づいて、落し物画像に写っている所持品51が危険地域にあるか否かを判定する。処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像が落し物画像であると判定した場合、当該落し物画像が撮像部11で生成されたときに位置情報取得部12により取得された位置情報を取得する。
【0026】
続いて、処理回路31は、車両10の現在位置を含む校区を有する小学校が指定する危険地域情報333を記憶部33から読み出す。そして、処理回路31は、位置情報取得部12により取得された位置情報と、記憶部33から読み出した危険地域情報333とに基づいて、当該位置情報が示す位置が、危険地域であるか否かを判定する。処理回路31は、位置情報が示す位置が危険地域であると判定した場合、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であると判定する。
【0027】
処理回路31は、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であると判定した場合、通信ネットワーク40を介して小学校のサーバ装置20に通知情報を送信する。通知情報は、例えば、危険地域で撮像部11が所持品51を写した際の落し物画像、及び当該落し物画像が撮像部11で生成されたときに位置情報取得部12により取得された位置情報とを含む。
【0028】
また、処理回路31は、小学校の登下校の時間帯に撮像部11が生成した周辺画像が落し物画像であると判定した場合に、サーバ装置20に通知情報を送信する。処理回路31は、周辺画像が落し物画像であると判定した場合、当該落し物画像が撮像部11で生成された時刻が、登下校の時間帯であるか否かを判定する。登下校の時間帯は、小学校への登校の時間帯と、小学校からの下校の時間帯を含む。登校の時間帯の一例は、朝7時から9時までの間である。下校の時間帯の一例は、夕方2時から5時までの間である。
【0029】
ここで、登下校の時間帯では、路上に所持品51があるのに、周辺に小学生がいないことはまれである。そのため、登下校の時間帯で撮像部11によって撮像された周辺画像が落し物画像であると判定された場合には、小学校や小学校の職員に通知することが好ましい。そこで、処理回路31は、小学校の登下校の時間帯で撮像部11が生成した周辺画像が落し物画像である場合、通信ネットワーク40を介して小学校のサーバ装置20に通知情報を送信する。
【0030】
<サーバ装置20の構成>
図2に示すように、サーバ装置20は、例えば、処理回路21と、通信部22と、記憶部23とを備える。処理回路21は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサで構成されている。ハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより、処理回路21は、各種処理を実行できる。プログラムは、予め記憶部23に記憶されていてもよい。記憶部23は、例えば、HDDやフラッシュメモリなどの非一過性の記憶媒体により実現される。通信部22は、例えば、通信用回路又は通信用モジュールを含み、処理回路21の制御に基づいて、制御装置30やその他の機器と各種データを送受信する。
【0031】
また、サーバ装置20には、一以上の情報端末60が接続される。通信部22は、有線、又は無線で情報端末60と通信を行う。この時、サーバ装置20と、情報端末60とは、上述した通信ネットワーク40を介して通信するものであってもよく、他のネットワークを用いて通信してもよい。無線通信である場合、通信部22と情報端末60との通信態様は、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(Bluetooth)(登録商標)等の近距離無線通信でもよい。また、通信部22と情報端末60との通信態様は、インターネット、WAN、LAN、プロバイダ端末、無線通信網、無線基地局、専用回線等のネットワークを介した通信であってもよい。情報端末60は、例えば、スマートフォンやタブレット等により実現される。
【0032】
処理回路21は、制御装置30から通知情報を受信した場合、受信した情報を情報端末60に通知する。具体的には、処理回路21は、サーバ装置20に通知情報がアップロードされていることを、情報端末60に通知する。サーバ装置20からの通知が情報端末60に届いたことを知った職員が、情報端末60の操作部を操作すると、通知情報がサーバ装置20から情報端末60にダウンロードされる。すると、情報端末60では、ダウンロードされた情報が、情報端末60の表示部に表示される。
【0033】
<制御装置30において実行される一連の処理>
図3を参照し、制御装置30において実行される一連の処理を説明する。
図3に示す処理は、所定の時間間隔ごとに繰り返し実行される。まず、処理回路31は、撮像部11によって生成された周辺画像を取得する(ステップS100)。次に、処理回路31は、位置情報取得部12から位置情報を取得する(ステップS102)。ステップS102で取得する位置情報は、ステップS100で取得した周辺画像が撮像部11で生成されたときの車両10の位置情報である。
【0034】
処理回路31は、取得した周辺画像が、落し物画像であるか否かを判定する(ステップS104)。つまり、処理回路31は、取得した周辺画像が、小学生の所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない周辺画像であるか否かを判定する。処理回路31は、周辺画像が落し物画像ではないと判定した場合(ステップS104;NO)、サーバ装置20に対して通知する情報はないため、一連の処理を終了する。
【0035】
処理回路31は、周辺画像が落し物画像であると判定した場合(ステップS104;YES)、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であるか否かを判定する(ステップS120)。処理回路31は、ステップS102で取得した位置情報と、危険地域情報333とに基づいて、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であるか否かを判定する。処理回路31は、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であると判定した場合(ステップS106;YES)、小学校のサーバ装置20に対して通知情報を通信部22に送信させる(ステップS108)。ステップS108でサーバ装置20に送信される通知情報は、
図3に示す一連の処理の今回の実行時にステップS100で取得した周辺画像と、当該一連の処理の今回の実行時にステップS102で取得した位置情報とを含む。その後、処理回路31は一連の処理を終了する。
【0036】
処理回路31は、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像ではないと判定した場合(ステップS106;NO)、当該落し物画像が撮像部11で生成された時刻が、登下校の時間帯であるか否かを判定する(ステップS110)。処理回路31は、撮像部11によって落し物画像が生成された時刻が、登下校の時間帯であると判定した場合(ステップS110;YES)、処理をステップS108に進める。処理回路31は、撮像部11によって落し物画像が生成された時刻が、登下校の時間帯ではないと判定した場合(ステップS110;NO)、一連の処理を終了する。
【0037】
すなわち、ステップS100で取得した周辺画像が落し物画像であると判定した場合であっても、以下の2つの条件(C1)、及び(C2)の何れもが成立する場合、処理回路31は、通知情報をサーバ装置20に送信することなく、一連の処理を終了する。
【0038】
(C1)落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像ではないこと。
(C2)落し物画像が生成された時刻が、登下校以外の時間帯であること。
【0039】
<サーバ装置20において実行される一連の処理>
図4を参照し、サーバ装置20において実行される一連の処理を説明する。
図4に示す処理は、所定の時間間隔ごとに繰り返し実行される。処理回路21は、制御装置30から通知情報を受信したか否かを判定する(ステップS200)。処理回路21は、制御装置30から通知情報を受信していない場合(ステップS200;NO)、一連の処理を終了する。処理回路21は、制御装置30から通知情報を受信した場合(ステップS200;YES)、受信した情報を情報端末60に通知する(ステップS202)。そして、処理回路21は一連の処理を終了する。
【0040】
<実施形態の作用及び効果>
上記実施形態によれば、以下のような作用及び効果を得ることができる。
(1)車両10が走行している場合、撮像部11は、車両10の周辺を撮像することによって周辺画像を生成する。このとき、位置情報取得部12は、撮像部11が周辺画像を撮像した際の車両10の位置情報を取得する。
【0041】
制御装置30の処理回路31は、撮像部11によって生成された周辺画像が、所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない落し物画像であるか否かを判定する。処理回路31は、周辺画像が落し物画像であることを条件に、通知情報をサーバ装置20に送信する。
【0042】
サーバ装置20は、通知情報を車両10から受信した場合、通知情報を情報端末60に送信する。すなわち、サーバ装置20は、所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない落し物画像、及び当該落し物画像が撮像部11で生成されたときの位置情報を含む通知情報を情報端末60に送信する。
【0043】
小学校の近傍を車両10が走行している場合に、その車両10の撮像部11が、小学生が周囲にいない状態で、小学生の所持品51のみを写すことがある。このような場面では、小学生が、その場に所持品51を残して連れ去られる等の事件に巻き込まれている可能性がある。また、小学生が、所持品51がある路上から下方の河川や高架下に転落する等の事故に遭っている可能性がある。そこで、情報処理方法によれば、小学生が情報端末60を所持していなくても、小学生が通知の必要な状態にあることを、小学校や小学校の職員に通知できる。
【0044】
(2)小学校の校区内の危険地域に小学生がいる場合、小学生が事故に巻き込まれる可能性がある。そこで、情報処理方法では、車両10の走行中に、危険地域で所持品51が写っている落し物画像を撮像部11が生成した場合、当該落し物画像を含む通知情報が、車両10の制御装置30からサーバ装置20に送信される。当該通知情報を車両10からサーバ装置20が受信した場合、サーバ装置20が当該通知情報を情報端末60に送信する。すなわち、サーバ装置20は、危険地域で撮像部11が所持品51を写した際の落し物画像を含む通知情報を情報端末60に送信する。
【0045】
これにより、情報処理方法によれば、危険地域で小学生が事故に巻き込まれた可能性があることを小学校の職員に把握させることができる。
(3)登下校の時間帯を車両10が走行している場合に、その車両10の撮像部11が、小学生や所持品51を写すことがある。上述したように、登下校の時間帯では、路上に所持品51があるのに、周辺に小学生がいないことはまれである。このような場面では、小学生が事件に巻き込まれている可能性がある。そこで、情報処理方法によれば、登下校の時間帯に車両10の撮像部11により生成された周辺画像が、小学生の所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない落し物画像である場合、当該落し物画像を含む通知情報が、車両10の制御装置30からサーバ装置20に送信される。当該通知情報を車両10からサーバ装置20が受信した場合、サーバ装置20が当該通知情報を情報端末60に送信する。
【0046】
これにより、小学校の職員は、登下校の時間帯に小学生が事件に巻き込まれている可能性があることを把握できる。
<変更例>
上記実施形態は以下のように変更してもよい。なお、上記実施形態および以下の各別例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせてもよい。
【0047】
・
図3に示す処理のうち、一部の処理は実行されなくてもよい。例えば、登下校の時間帯に周辺画像が落し物画像であるとの判定処理が行われない場合、ステップS110の処理は、省略されてもよい。この場合、処理回路31は、ステップS106の処理において、落し物画像に写っている所持品51が危険地域にないと判定された場合(ステップS106;NO)、
図3に示す一連の処理が終了される。
【0048】
また例えば、落し物画像に写っている所持品51が危険地域にあるか否かの判定処理が行われない場合、ステップS106の処理は、省略されてもよい。この場合、ステップS104の処理において、周辺画像が落し物画像であると判定された場合(ステップS104;YES)、処理をステップS110に進める。
【0049】
・
図3に示す一連の処理では、落し物画像が撮像部11で生成された時刻が、登下校の時間帯であるか否かの判定処理に比して、落し物画像に写っている所持品51が危険地域にあるか否かの判定処理が優先して行われるが、これに限られない。これらの処理は、いずれの処理が優先して行われてもよい。つまり、ステップS106と、ステップS110とは、処理順序を入れ替えて実行してもよい。
【0050】
・処理回路31は、ステップS100で取得した周辺画像が落し物画像であると判定された場合には、上記した場合であっても、上記の2つの条件(C1)及び(C2)の少なくとも一方が成立していなくても、通知情報をサーバ装置20に送信するようにしてもよい。
【0051】
・処理回路31は、第1学習済みモデル331を用いて周辺画像に小学生が写っているか否かを判定する処理に代えて、一般的な画像解析により得られた結果に基づいて、周辺画像に小学生が写っているか否かを判定してもよい。また、処理回路31は、第2学習済みモデル332を用いて、周辺画像に所持品51が写っているか否かを判定する処理に代えて、一般的な画像解析により得られた結果に基づいて、周辺画像に所持品51が写っているか否かを判定してもよい。
【0052】
・撮像部11は、ステレオカメラであってもよい。また、撮像部11は、複数のカメラ(例えば、第1カメラ、第2カメラ)が設けられていてもよく、複数のカメラで同一方向を撮像してもよく、通常時には第1カメラで撮像し、所定条件を満たす場合に第2カメラまたは第1カメラと第2カメラの両方で撮像するようにしてもよい。また、第1カメラで撮像部11の近方を撮像し、第2カメラで撮像部11の遠方を撮像するようにしてもよい。
【0053】
・撮像部11は、車両10の周辺を撮像し、周辺画像を生成できれば、車両10の任意の箇所に取り付けられるものであってもよい。例えば、撮像部11は、車両10の後方を撮像する場合、リアウインドシールド上部やバックドア等に取り付けられていてもよい。また、撮像部11は、車両10の側方および後側方を撮像する場合、ドアミラー等に取り付けられていてもよい。
【0054】
・位置情報取得部12が取得する位置情報は、車両10が備える各種センサの出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。
・危険地域情報333は、車両10の走行位置に応じて、逐次更新されるものであってもよい。例えば、制御装置30は、情報処理システム1が備える情報提供サーバに対して、位置情報取得部12によって取得された位置情報を送信する。情報提供サーバは、受信した位置情報の校区を特定し、特定した小学校に係る危険地域情報333を制御装置30に送信する。制御装置30は、受信した危険地域情報333に基づいて、各種判定処理を実行しつつ、通知情報を対応する小学校のサーバ装置20に送信する。
【0055】
・情報端末60の通知情報の通知態様は、表示部による表示に限られない。情報端末60は、例えば、小学校の校内放送を制御する制御装置によって実現されてもよい。この場合、情報端末60は、通知情報に含まれる位置情報の位置に小学生がいることを示す音声を、校内放送によって小学校の職員等に通知してもよい。
【0056】
・サーバ装置20は、車両10の外部に設置されていれば、小学校以外の場所に設置されていてもよい。サーバ装置20は、例えば、情報処理システム1を提供する事業者の事業所に設置されていてもよく、市役所等の小学校を管理する施設に設置されていてもよい。また、サーバ装置20は、小学校毎に設けられなくてもよい。この場合、サーバ装置20は、制御装置30から受信した通知情報に含まれる位置情報に基づいて、対応する小学校を特定する。サーバ装置20は、特定した小学校に設置される情報端末60や、当該小学校に所属する職員の情報端末60に通知情報を通知する。
【0057】
・上述では、撮像部11が生成した周辺画像に基づいて、処理回路31が各種判定を行ったが、これに限られない。処理回路31において行われる各種判定の一部を、サーバ装置20の処理回路21が行うようにしてもよい。この場合、処理回路31は、撮像部11が生成した周辺画像であって、かつ所持品51が写っている周辺画像と、当該周辺画像が撮像部11で生成されたときに位置情報取得部12により取得された位置情報とを関連づけてサーバ装置20に送信する。処理回路21は、制御装置30から受信した周辺画像と、位置情報とに基づいて、各種判定を行う。例えば、処理回路21は、受信した位置情報を基に、周辺画像が、小学生の所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない落とし物画像であるか否かを判定する。そして、処理回路21は、周辺画像が落し物画像であると判定した場合、当該落し物画像と、当該落し物画像に関連づけられている位置情報とを含む通知情報を、情報端末60に送信する。この場合、上記実施形態とは異なり、サーバ装置20は、車両10に通学用ルート情報332を提供しなくてもよい。
【0058】
また例えば、処理回路21は、制御装置30から受信した周辺画像と位置情報とに基づいて、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であるか否かを判定する。処理回路21は、落し物画像が、危険地域を撮像部11が撮像することによって生成された周辺画像であると判定した場合、当該落し物画像と、当該落し物画像に関連づけられている位置情報とを含む通知情報を、情報端末60に送信する。この場合、上記実施形態とは異なり、サーバ装置20は、車両10に危険地域情報333を提供しなくてもよい。
【0059】
また例えば、車両10の制御装置30は、小学生に限らず人間が周辺画像に写っていると判定できる場合に、周辺画像と、周辺画像が生成されたときの車両10の位置情報とを互いに関連づけてサーバ装置20に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置20の処理回路21は、受信した周辺画像を第1学習済みモデル331に入力するなどして、周辺画像に小学生が写っているか否かを判定する。
【0060】
また例えば、車両10の制御装置30は、小学生の所持品51に限らず、何らかの物体が路上に放置されていると判定できる場合に、周辺画像と、周辺画像が生成されたときの車両10の位置情報とを互いに関連づけてサーバ装置20に送信するようにしてもよい。この場合、サーバ装置20の処理回路21は、受信した周辺画像を第2学習済みモデル332に入力するなどして、周辺画像に所持品51が写っているか否かを判定する。処理回路21は、周辺画像が、所持品51が写っている一方で、小学生が写っていない周辺画像であると判定した場合、
図3に示したステップS106以降の処理を順次実行するようにしてもよい。
【0061】
・処理回路21、及び処理回路31は、構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…情報処理システム、10…車両、11…撮像部、12…位置情報取得部、20…サーバ装置、21,31…処理回路、22,32…通信部、23,33…記憶部、30…制御装置、40…通信ネットワーク、51…所持品、60…情報端末、331…第1学習済みモデル、332…第2学習済みモデル、333…危険地域情報。