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特開2025-1437遊技空間再現装置、並びに、遊技システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001437
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】遊技空間再現装置、並びに、遊技システム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/00 20110101AFI20241225BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20241225BHJP
【FI】
G06T19/00 300A
A63F13/80 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101030
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】513215177
【氏名又は名称】株式会社P-CUBE
(74)【代理人】
【識別番号】100135839
【弁理士】
【氏名又は名称】大南 匡史
(72)【発明者】
【氏名】松山 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】松山 泰行
(72)【発明者】
【氏名】赤間 唯儀
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050BA09
5B050BA12
5B050CA07
5B050EA07
5B050EA12
5B050EA13
5B050FA05
5B050FA10
(57)【要約】
【課題】仮想空間内で仮想の遊技機を遊技するサービスにおいて、より質の高いサービスを実現可能な遊技空間再現装置、並びに、そのような遊技空間再現装置を備えた遊技システムを提供する。
【解決手段】遊技空間再現装置において、三次元の仮想空間を作成する仮想空間作成部と、遊技者の動作情報を取得する動作情報取得部と、動作情報取得部で取得した動作情報、及び、遊技者が現実又は仮想空間で取得した遊技媒体情報を仮想空間に反映する反映部と、を有し、仮想空間には、遊技者が取得した遊技媒体に対応する仮想遊技媒体と、仮想計測装置が表現されており、仮想計測装置は、仮想遊技媒体導入部を有し、仮想空間内で仮想遊技媒体導入部に仮想遊技媒体を入れることで、遊技者が取得した仮想遊技媒体の数が表示される、構成とする。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元の仮想空間を作成する仮想空間作成部と、
遊技者の動作情報を取得する動作情報取得部と、
前記動作情報取得部で取得した動作情報、及び、遊技者が現実又は前記仮想空間で取得した遊技媒体情報を前記仮想空間に反映する反映部と、を有し、
前記仮想空間には、遊技者が取得した遊技媒体に対応する仮想遊技媒体と、仮想計測装置が表現されており、
前記仮想計測装置は、仮想遊技媒体導入部を有し、
前記仮想空間内で前記仮想遊技媒体導入部に前記仮想遊技媒体を入れることで、遊技者が取得した前記仮想遊技媒体の数が表示される、遊技空間再現装置。
【請求項2】
前記仮想遊技媒体の数が表示される動作では、遊技者が取得した遊技媒体の数に応じて、異なる数の前記仮想遊技媒体が前記仮想遊技媒体導入部に入れられた状態が表現され、且つ、遊技者が取得した遊技媒体の数に応じて、動作が開始されてから完了するまでの時間が変化する、請求項1に記載の遊技空間再現装置。
【請求項3】
前記仮想空間内に仮想遊技機が表現されており、
前記仮想遊技機は、弾球遊技機を模したものであり、
前記仮想遊技媒体は、遊技球を模したものであり、
遊技者の動作情報に応じて前記仮想遊技機内での前記仮想遊技媒体の動きが変化する、請求項1又は2に記載の遊技空間再現装置。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載の遊技空間再現装置と、
ポイント管理会社が有するポイント管理サーバと、
前記遊技媒体情報に基づいて、遊技者が取得した遊技媒体の価値をポイントに交換するポイント交換処理と、ポイントと引き換えに遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出処理が可能であり、
現実での前記ポイント交換処理と、前記仮想空間内での前記ポイント交換処理とがそれぞれ可能であり、且つ、現実での前記遊技媒体貸出処理と、前記仮想空間内での前記遊技媒体貸出処理とがそれぞれ可能である、遊技システム。
【請求項5】
遊技者に対応する第1アバターと、前記仮想空間を管理する仮想現実サービス管理会社に属する従業員に対応する第2アバターとが前記仮想空間内に表現され、
前記第1アバターと前記第2アバターとが近接している状態が表現されていることを条件の一つとして、遊技者と前記従業員との間でのチャット形式のコミュニケーションが可能となる、請求項4に記載の遊技システム。
【請求項6】
ポイントを消費して景品を取得する景品交換処理が可能であり、
現実での景品交換処理と、前記仮想空間内での景品交換処理とがそれぞれ可能である、請求項4に記載の遊技システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット上に仮想空間を構築する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット上に「メタバース」、「3Dインターネット」などと称される電子データによる仮想空間を構築し、仮想空間内で活動を行う娯楽が人気を集めている。このような娯楽では、ユーザの分身となるアバターを仮想空間内に入場させ、ユーザがアバターを介して仮想空間ならではの特徴を生かした様々なサービスの提供を受ける。メタバースに関する技術としては、特許文献1、特許文献2に開示されたものがある。
【0003】
その一方、以前より、ぱちんこ機やスロット機等の遊技機が設置された遊技場が広く知られている。このような遊技場で使用される装置として、例えば、特許文献3に開示された遊技場用システムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-50081号公報
【特許文献2】特開2005-234633号公報
【特許文献3】特開2023-049510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、仮想空間内に仮想の遊技機を構築し、ユーザにアバターを介して仮想の遊技機で遊技をしてもらうことで、ユーザが遊技場に赴くことなくどこからでも遊技が可能となるサービスを考えた。すなわち、没入型の仮想空間で遊技をすることで、ユーザに対し、あたかも実際に遊技場で遊技をしているかのような体験を提供するサービスである。
【0006】
しかしながら、実際に仮想空間内に仮想の遊技機を構築し、複数のユーザに仮想の遊技機で遊技をしてもらい、アンケートを行ってみたところ、実際に遊技場で遊技をしているような感覚であったと答えた者が少数であった。すなわち、仮想空間内で仮想の遊技機を遊技するサービスにおいて、より臨場感の高いサービスを提供したいという欲求があった。
【0007】
また、ユーザは、実際に遊技場に赴かずに遊技したい場合もあれば、遊技場に赴いて生身で遊技したいという場合もあることが分かった。つまり、ユーザは、その日、その時の気分によって、相反する欲求を持つことが分かった。このことから、その時々の気分によって遊技場に赴いて実際に遊技機で遊技したり、仮想の遊技機で遊技したりする人がより満足するサービスを提供するという点において、さらなる改良の余地があった。
【0008】
そこで本発明は、仮想空間内で仮想の遊技機を遊技するサービスにおいて、より質の高いサービスを実現可能な遊技空間再現装置を提供することを課題とする。また、そのような遊技空間再現装置を備えた遊技システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、三次元の仮想空間を作成する仮想空間作成部と、遊技者の動作情報を取得する動作情報取得部と、前記動作情報取得部で取得した動作情報、及び、遊技者が現実又は前記仮想空間で取得した遊技媒体情報を前記仮想空間に反映する反映部と、を有し、前記仮想空間には、遊技者が取得した遊技媒体に対応する仮想遊技媒体と、仮想計測装置が表現されており、前記仮想計測装置は、仮想遊技媒体導入部を有し、前記仮想空間内で前記仮想遊技媒体導入部に前記仮想遊技媒体を入れることで、遊技者が取得した前記仮想遊技媒体の数が表示される、遊技空間再現装置である。
【0010】
本様相によると、仮想空間内で仮想遊技媒体導入部に仮想遊技媒体を入れることで、遊技者が取得した前記仮想遊技媒体の数が表示される。このことにより、遊技者は、実際に遊技場で遊戯していないにも関わらず、あたかも実際に遊技場で遊技しているような感覚を得ることができる。
すなわち、仮想空間内では、遊技者が取得した仮想遊技媒体の数は、計測装置等で計測することなく取得可能である。したがって、本来であれば、取得した仮想遊技媒体の数を計測装置等でわざわざ計測する必要はない。しかしながら、あえて仮想空間内で仮想遊技媒体の数を計測装置で計測して遊技者に仮想遊技媒体の数を表示することで、遊技者は、あたかも実際に遊技場で遊技しているような感覚を得る。
【0011】
上記した様相は、前記仮想遊技媒体の数が表示される動作では、遊技者が取得した遊技媒体の数に応じて、異なる数の前記仮想遊技媒体が前記仮想遊技媒体導入部に入れられた状態が表現され、且つ、遊技者が取得した遊技媒体の数に応じて、動作が開始されてから完了するまでの時間が変化する、ことが好ましい。
【0012】
係る構成によると、遊技者に対し、あたかも実際の遊技場で遊技しているような感覚をより確実に与えることが可能となる。
【0013】
上記した様相は、前記仮想空間内に仮想遊技機が表現されており、前記仮想遊技機は、弾球遊技機を模したものであり、前記仮想遊技媒体は、遊技球を模したものであり、遊技者の動作情報に応じて前記仮想遊技機内での前記仮想遊技媒体の動きが変化する、ことが好ましい。
【0014】
係る構成によると、遊技者に対し、実際の遊技場で弾球遊技機を使用した遊技をしているような感覚を与えることが可能となる。
【0015】
本発明の他の様相は、上記した遊技空間再現装置と、ポイント管理会社が有するポイント管理サーバと、前記遊技媒体情報に基づいて、遊技者が取得した遊技媒体の価値をポイントに交換するポイント交換処理と、ポイントと引き換えに遊技媒体を貸し出す遊技媒体貸出処理が可能であり、現実での前記ポイント交換処理と、前記仮想空間内での前記ポイント交換処理とがそれぞれ可能であり、且つ、現実での前記遊技媒体貸出処理と、前記仮想空間内での前記遊技媒体貸出処理とがそれぞれ可能である、遊技システムである。
【0016】
本様相によると、現実の遊技場で取得した遊技媒体に基づく仮想空間内での遊技が可能となり、仮想空間内で取得した仮想遊技媒体に基づく現実の遊技場での遊技が可能となる。このため、遊技者にとって利便性が高い。さらに、ポイント交換処理を現実と仮想空間内のそれぞれで可能であり、この点においても遊技者にとって利便性が高い。
【0017】
上記した様相は、遊技者に対応する第1アバターと、前記仮想空間を管理する仮想現実サービス管理会社に属する従業員に対応する第2アバターとが前記仮想空間内に表現され、前記第1アバターと前記第2アバターとが近接している状態が表現されていることを条件の一つとして、遊技者と前記従業員との間でのチャット形式のコミュニケーションが可能となる、ことが好ましい。
【0018】
係る様相によると、あたかも遊技者が現実の遊技場にいるかのように、従業員に様々な質問をすることができる。また、遊技者は、人工知能等から回答を得る場合と異なり、人間が行う回答を得ることができる。以上のことから、遊技者に対し、あたかも実際に遊技場にいるような感覚をより確実に与えることが可能となる。
【0019】
上記した様相は、ポイントを消費して景品を取得する景品交換処理が可能であり、現実での景品交換処理と、前記仮想空間内での景品交換処理とがそれぞれ可能である、ことが好ましい。
【0020】
係る様相によると、現実と仮想空間のそれぞれで景品交換が可能であり、遊技者にとって利便性が高い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、仮想空間内で仮想の遊技機を遊技するサービスにおいて、より質の高いサービスを実現可能な遊技空間再現装置を提供できる。また、そのような遊技空間再現装置を備えた遊技システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施形態に係る遊技システムを示すブロック図である。
図2】(a)は、図1の遊技場を示すブロック図であり、(b)は、図1の仮想現実サービス管理会社を示すブロック図である。
図3】(a)は、図1の媒体管理会社を示すブロック図であり、(b)は、図1のポイント管理会社を示すブロック図であり、(c)は、図1の金銭管理会社を示すブロック図であり、(d)は、図1の提携会社を示すブロック図である。
図4図1の遊技システムで第1貸出処理と第1ポイント交換処理の少なくとも一方を実行する際の流れを示すフローチャートである。
図5図1の遊技システムでの実店舗での景品交換の流れを表す説明図であり、提携会社の実店舗で会員カードを使用し、ポイントを消費して景品を取得する景品交換の流れを表す。
図6】遊技者がユーザデバイスを使用して仮想現実サービスの提供を受けている様子を示す説明図である。
図7図1の遊技システムが提供する仮想現実サービスにおいて、ユーザデバイスに表示される画面の一例を示す説明図であり、画面を三人称視点で表示している様子を示す。
図8図1の遊技システムが提供する仮想現実サービスにおいて、ユーザデバイスに表示される画面の一例を示す説明図であり、図7とは異なる画面を三人称視点で表示している様子を示す。
図9図1の遊技システムが提供する仮想現実サービスにおいて、第2貸出処理と第2ポイント交換処理の少なくとも一方を実行する際の流れを表す説明図である。
図10図1の遊技システムが提供する仮想現実サービスにおいて、ユーザデバイスに表示される画面の一例を示す説明図であり、図7図8とは異なる画面を一人称視点で表示している様子を示す。
図11図1の遊技システムが提供する仮想現実サービスにおける景品交換の流れを表す説明図である。
図12図1の遊技システムで遊技者がポイントを使用して遊技媒体の貸し出しを受けた際の金銭の流れを表す説明図である。
図13図1の遊技システムで遊技者がポイントを使用して景品交換をした際の金銭の流れを表す説明図である。
図14図1の遊技システムで遊技者がポイントを使用して景品交換をした際の金銭の流れを表す説明図であって、図13とは異なる流れを表す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態に係る遊技システム1について詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0024】
本実施形態の遊技システム1は、図1に示されるように、一又は複数の遊技場2と、一又は複数の仮想現実サービス管理会社3と、媒体管理会社4と、ポイント管理会社5と、金銭管理会社6と、一又は複数の提携会社7が連携して構築されるものである。また、遊技システム1は、遊技者に割り当てられる会員カード8(遊技者携帯媒体)を備えている。
【0025】
遊技場2は、図2(a)に示されるように、遊技球やメダル等の遊技媒体を使用した遊技が可能な遊技機15が設置される施設である。本実施形態の遊技場2は、遊技機15、遊技媒体貸出機16、計測装置17と、ポイント交換機18(ポイント交換手段、遊技媒体貸出手段)を有する。また、本実施形態の遊技場2は、ホールコンピュータ19(第1端末)と、景品交換所20を有する。
【0026】
遊技機15は、具体的には、ぱちんこ機(弾球遊技機)やスロット機(回胴式遊技機)である。
遊技媒体貸出機16は、遊技機15で遊技する遊技者に遊技媒体を貸し出す装置である。
これら遊技機15及び遊技媒体貸出機16は、遊技機島(図示しない)に設置された状態で遊技場2内に配される。
計測装置17は、遊技者が遊技機15を使用した遊技によって獲得した(遊技者が所有する)遊技媒体の数を計測する計測手段である。
【0027】
ポイント交換機18は、本実施形態では、カードリーダライタとしての機能を有しており、会員カード8に対して情報の読み書きが可能な装置である。ポイント交換機18は、直接、又は、ホールコンピュータ19等の遊技場2の機器を介して遊技場2外の外部機器(後述する媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39等)に情報の送信が可能となっている。
【0028】
ポイント交換機18は、具体的な図示を省略するが、液晶画面等の表示部と、使用者の入力を受け付ける操作部と、会員カード8を差し込むカード差込部とを有する。すなわち、遊技者が会員カード8を差し込み、所定の操作を行うことで、表示部に遊技者が所有する貯玉数及び/又は貯メダル数とポイント数が表示される。そして、この状態で所定の操作を行うことで、遊技球やメダルとポイントの交換を行うポイント交換(ポイント交換処理、第1ポイント交換処理)が実行される。また、この状態で所定の操作を行うことで、ポイントと引き換えに遊技球やメダルを貸し出す媒体貸出(遊技媒体貸出処理、第1貸出処理)が実行される。
【0029】
ホールコンピュータ19は、遊技場2に属する各種機器を統括して管理するために使用されるコンピュータである。
【0030】
景品交換所20は、管理コンピュータ21(第2端末)と、情報取得手段22(遊技場機器、交換所側情報取得手段)を備えている。
【0031】
管理コンピュータ21は、遊技媒体の情報や景品に関する情報を管理するコンピュータである。
情報取得手段22は、会員カード8からの情報の読み取り(又は会員カード8に対する情報の読み書き)が可能な装置であり、本実施形態では、カードリーダライタを採用している。
【0032】
仮想現実サービス管理会社3は、遊技者に仮想現実を提供する管理会社(運営会社)であり、図2(b)で示されるように、仮想現実提供サーバ27(遊技空間再現装置、仮想空間作成部、反映部)と、仮想現実サービス管理サーバ28(遊技空間再現装置、反映部、第3端末)とを有する。
ここで、本実施形態における「仮想現実」とは、3次元の仮想空間と、アバターのような仮想空間内に登場する各種の仮想現実媒体とを含んで構成される。
なお、本実施形態における「アバター」とは、仮想空間上で人(遊技者、仮想現実サービス管理会社3の従業員)が自身の分身とする表示である。すなわち、「アバター」は、例えば、人間、動物、植物、ロボット等の機械、道具等の器物、これらを含む何等かの物体を擬人化したもの、アニメーションのキャラクター等の表示であってもよい。
「仮想現実媒体」は、仮想空間内で取得、所有、使用、管理等が可能な電子データ、仮想空間内で表示される建屋、動物、植物、機器(器物)の表示であって、仮想空間内でアバターが入退出する、触る(操作する)等が可能な表示である。
【0033】
仮想現実提供サーバ27は、ユーザデバイス50(遊技空間再現装置、反映部であり、詳しくは後述する、図6参照)等と協働し、遊技者に仮想現実を提供するサーバである。
すなわち、仮想現実提供サーバ27は、1又は複数のコンピュータによって構成され、制御部、記憶部、通信部を有する。制御部は、専用のマイクロプロセッサ、CPU、GPU等を含んで構成される。記憶部は、仮想現実の提供に係る各種処理に必要な種々の情報(データ)及びプログラムが記憶されている。通信部は、外部装置と無線又は有線によって通信し、情報の送受信を行うインターフェースを含んで構成されており、例えば、バイル通信規格に対応する無線通信モジュール、無線LAN通信モジュール、又は有線LAN通信モジュール等を含んでいてもよい。
つまり、仮想現実提供サーバ27は、三次元の仮想空間(後述する第1仮想空間66、第2仮想空間70等)を作成する仮想空間作成部として機能する。
【0034】
仮想現実提供サーバ27は、ユーザデバイス50(ユーザ側端末装置50c)、仮想現実サービス管理サーバ28と情報の送受信が可能となっている。
また、仮想現実提供サーバ27は、制御部が記憶部に記憶されたプログラムを読み込んで実行することで、仮想現実を提供するアプリケーションを実行する。このとき、仮想現実提供サーバ27とユーザデバイス50が協働することで、遊技者の入力(リクエスト)に応じた処理(レスポンス)を仮想現実に反映する(詳しくは後述する)。
【0035】
仮想現実サービス管理サーバ28は、主に仮想空間内での遊技者(アバター)の行動に基づく情報(データ)の推移を管理するサーバであり、遊技者が仮想空間内で獲得、消費した遊技媒体、ポイントの推移に関する情報を送受信可能となっている。
【0036】
媒体管理会社4は、図3(a)で示されるように、各遊技者の所有する遊技媒体を管理する管理会社であり、媒体管理サーバ36(遊技空間再現装置、反映部、第4端末)を備えている。
媒体管理サーバ36は、主に各遊技者が所有する遊技媒体の数の推移を管理するサーバであり、各遊技者が所有する遊技媒体の数の推移に関する情報を送受信可能となっている。
【0037】
ポイント管理会社5は、図3(b)で示されるように、主にポイントを管理する管理会社であり、ポイント管理サーバ39(第5端末)を備えている。
ポイント管理サーバ39は、主に景品及びポイントの流通状況を管理するサーバであり、ポイント及び景品の流通に関する情報を送受信可能となっている。
【0038】
金銭管理会社6は、遊技システム1におけるポイントの変動に伴う金銭の収支を管理する管理会社である。金銭管理会社6は、図1で示されるように、ポイントと景品との交換に伴うポイントの消費に応じて提携会社7に金銭を支払い、当該ポイントの消費に応じて、ポイント管理会社5から金銭を回収する金銭回収会社である。
金銭管理会社6は、図3(c)で示されるように、金銭管理サーバ42を備えている。
金銭管理サーバ42は、少なくともポイント管理会社5と提携会社7間の金銭の流通状況を管理するサーバであり、金銭に関する情報を送受信可能となっている。
【0039】
提携会社7は、図1で示されるように、ポイント管理会社5と提携し、ポイントと景品の交換が可能な会社であり、例えば、百貨店、本屋、コンビニエンスストア等の小売店、又はその運営会社である。この他、提携会社7は、通信販売会社であってもよい。
本実施形態の提携会社7は、商品の販売店舗(実店舗)を持ち、販売店舗で販売員が消費者に対し直接商品を販売する対面販売事業を行う会社であり、対面販売事業では、販売店舗で商品を景品として遊技者に提供する。
【0040】
提携会社7は、図3(d)で示されるように、提携側管理サーバ45(提携側機器)と、情報取得手段46(提携側機器、提携側情報取得手段)を備えている。
【0041】
提携側管理サーバ45は、提携会社7で取り扱う商品を管理するサーバであり、商品を提供する際に使用されるポイントに関する情報を送受信可能である。
情報取得手段46は、上記した景品交換所20の情報取得手段22(交換所側情報取得手段)と略同様の装置であり、詳細な説明を省略する。
なお、提携会社7の情報取得手段46は、直接、又は、PОSレジ、提携側管理サーバ45等の提携会社7の機器を介して提携会社7外の外部機器(後述する媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39等)に取得した情報の送信が可能なっている。
すなわち、情報取得手段22、情報取得手段46は、現実における所定の場所であり、詳細には、現実で景品交換を行う場所に配される景品交換用機器であるともいえる。
【0042】
会員カード8は、情報の記憶が可能なカードであり、具体的には、磁気カード、接触型又は非接触型のICカード、磁気とICの併用型のカード等である。なお、特に限定されるものではないが、本実施形態では、会員カード8として磁気カードを採用している。
【0043】
本実施形態の会員カード8には、遊技者が獲得した遊技媒体に関する情報である媒体所持情報(遊技媒体情報)と、遊技者が所有するポイントに関する情報であるポイント情報が記憶されている。
媒体所持情報は、会員カード8が割り当てられた遊技者が所有する遊技媒体の数を示す情報を含む。すなわち、貯玉数を示す情報、貯メダル数を示す情報を含む。なお、ここでいう「所有する」とは、借り受けて一時的に所有している状態を含むものとする。
ポイント情報は、会員カード8が割り当てられた遊技者が所有するポイントの数(量)を示す情報を含む。
【0044】
また、本実施形態では、遊技者が会員カード8を遊技媒体貸出機16に挿入し、所定の操作を行うことで、遊技者が所有する遊技媒体を使用した遊技機15での遊技が可能となる(貯玉での遊技が可能となる)。
【0045】
上記した遊技場2と、各会社(媒体管理会社4、ポイント管理会社5、金銭管理会社6、提携会社7)は、それぞれ相互通信可能な独立したネットワークに属している。
すなわち、ホールコンピュータ19と各サーバ(仮想現実サービス管理サーバ28、媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39、金銭管理サーバ42、提携側管理サーバ45)は、それぞれ、CPU(中央演算装置)、主メモリであるROM、各種データを一時記憶するためのRAM、通信I/F、SSD(ソリッドステートドライブ)等の記憶装置を有している。そして、ディスプレイ、モニタ等の表示装置、キーボード、マウス等の入力装置を備えている。なお、CPUに替わって専用のマイクロプロセッサやGPUを採用してもよい。
これらホールコンピュータ19と各サーバは、それぞれ相互通信可能なように接続されている。また、ホールコンピュータ19と各サーバは、データベースを有しており、それぞれ所定の情報を記憶可能となっている。したがって、ホールコンピュータ19と各サーバは、自身に記憶された、又は、相互通信可能な他の機器に記憶された情報を自身の表示装置に表示可能である。
【0046】
ここで、本実施形態の遊技システム1では、現実の遊技場2において、遊技者のポイントを消費して遊技者に遊技媒体を貸し出す遊技媒体の貸し出し(第1貸出処理)と、遊技者の遊技媒体と引き換えにポイントを付与するポイント交換(第1ポイント交換処理)が可能である。
さらに、本実施形態の遊技システム1では、現実の提携会社7の実店舗や現実の遊技場2の景品交換所20で遊技者がポイントを消費して景品を取得する景品交換が可能である。
【0047】
また、本実施形態の遊技システム1は、遊技者に対して仮想現実サービスを提供する。
遊技システム1が提供する仮想現実サービスでは、遊技者が仮想空間内に設置された仮想遊技機78(詳しくは後述する、図8参照)で遊技することが可能である。
さらに、遊技システム1が提供する仮想現実サービスでは、仮想空間内において遊技者のポイントを消費して遊技者に遊技媒体を貸し出す遊技媒体の貸し出し(遊技媒体貸出処理、第2貸出処理)が実行される。また、同仮想現実サービスでは、仮想空間内において遊技者の遊技媒体と引き換えにポイントを付与するポイント交換(ポイント交換処理、第2ポイント交換処理)が実行される。さらに、同仮想現実サービスでは、仮想空間内で遊技者がポイントを消費して景品を取得する景品交換が可能である。
【0048】
以下、本実施形態の遊技システム1における現実での遊技媒体の貸し出し、ポイント交換、並びに、景品交換の流れについて詳細に説明する。また、遊技システム1が提供する仮想現実サービスについて詳細に説明する。なお、以下の説明では、特に説明のない限り、遊技媒体が遊技球である場合を例に挙げて説明する。
【0049】
まず、遊技者が会員カード8を使用してポイントと引き換えに遊技媒体を借り受ける場合(第1貸出処理)と、会員カード8を使用して所有する遊技球(貯球)と引き換えポイントを取得する場合(第1ポイント交換処理)について説明する。
これらの場合、遊技者は、会員カード8をポイント交換機18のカード差込部に差し込む。すなわち、第1貸出処理と第1ポイント交換処理は、会員カード8とポイント交換機18を使用して実行されており、これら会員カード8とポイント交換機18が、遊技システム1で遊技媒体の価値をポイントに交換するポイント交換部の一部を構成する。
【0050】
会員カード8が差し込まれると、図4で示されるように、ポイント交換機18が会員カード8から媒体所持情報とポイント情報を読み取る(STEP1)。そして、会員カード8に記憶されている情報が最新の情報であるか否かを確認する情報確認動作を実行する(STEP2)。
【0051】
情報確認動作では、ポイント交換機18が媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39に遊技者の媒体所持情報とポイント情報を問い合わせる。
詳細には、ポイント交換機18は、媒体管理サーバ36に、読み取った貯球を所有している遊技者を示す情報、遊技球の所有数を示す情報、並びに読み取りを行った時刻を示す情報を含む情報を送信する。また、ポイント管理サーバ39に、読み取ったポイントを所有している遊技者を示す情報、ポイント所有数を示す情報、並びに読み取りを行った時刻を示す情報を含む情報を送信する。
なお、ここでいう「貯球を所有している遊技者を示す情報」、「ポイントを所有している遊技者を示す情報」とは、会員カード8(システムを使用する遊技者)に割り当てられた識別情報であり、ID等の固有の番号、固有の記号、暗号である。以下、単に「遊技者を示す情報」とも称す。また、本実施形態では、「遊技者を示す情報」として固有の番号である遊技者IDを採用している。
【0052】
媒体管理サーバ36は、受信した媒体所持情報と、自身のデータベースに記憶されている媒体所持情報を比較する比較動作を実行し、会員カード8に記憶された媒体所持情報が最新の情報が反映された正しい情報であるか否かを判別する判別動作を実行する。そして、最新の情報(正しい情報)であった場合には、その旨を示す信号をポイント交換機18に送信する。対して、最新の情報でなかった場合には、その旨を示す信号と、最新の媒体所持情報をポイント交換機18に送信する。
同様に、ポイント管理サーバ39は、受信したポイント情報と、自身のデータベースに記憶されているポイント情報を比較する比較動作を実行する。そして、比較動作の結果に基づき、会員カード8に記憶されたポイント情報が最新の情報が反映された正しい情報であるか否かを判別する判別動作を実行する。そして、最新の情報であった場合には、その旨を示す信号をポイント交換機18に送信する。対して、最新の情報でなかった場合には、その旨を示す信号と、最新のポイント情報をポイント交換機18に送信する。
【0053】
ここで、遊技システム1を運用するとき、会員カード8に媒体所持情報とポイント情報が書き込まれた後、遊技者が仮想空間で第2貸出処理や第2ポイント交換処理を実行する可能性がある。このような場合、会員カード8に記憶された媒体所持情報とポイント情報が現在の遊技者の貯球数やポイント数を反映した正しいものでない(最新のものではない)可能性がある。このため、本実施形態では、第1貸出処理、第1ポイント交換処理では、貯球とポイントの交換や、ポイントと貯球の交換を行う前に情報確認動作を実行している。
【0054】
情報確認動作の結果、会員カード8に記憶された媒体所持情報及びポイント情報が最新のものである場合(STEP3でYesの場合)、会員カード8に記憶された情報に基づいて、ポイント交換機18の表示部に遊技者が所有する貯玉数とポイント数を表示する。
そして、遊技者が所定の操作を行うことで、ポイントと引き換えに遊技球を貸し出す貸し出し動作や、貯球と引き換えにポイントを付与するポイント交換動作が実行される(STEP4)。
【0055】
対して、会員カード8に記憶された媒体所持情報、及び/又は、ポイント情報が最新のものではない場合(STEP3でNоの場合)、会員カード8に記憶された媒体所持情報、及び/又は、ポイント情報を受信した最新の情報に更新する(STEP7)。また、受信した情報を含む最新の情報に基づいて、ポイント交換機18の表示部に遊技者が所有する貯玉数とポイント数を表示する。
そして、遊技者が所定の操作を行うことで、ポイントと引き換えに遊技球を貸し出す貸し出し動作や、貯球と引き換えにポイントを付与するポイント交換動作が実行される(STEP4)。
【0056】
貸し出し動作及び/又はポイント交換動作の実行が終わると、ポイント交換機18は、会員カード8に記憶された媒体所持情報及びポイント情報を、貸し出し動作及び/又はポイント交換動作の結果を反映した最新の情報に更新する(STEP5)。
また、前後して、ポイント交換機18は、貸し出し動作及び/又はポイント交換動作の結果を反映した最新の媒体所持情報を媒体管理サーバ36に送信し、同動作の結果を反映した最新のポイント情報をポイント管理サーバ39に送信する(STEP6)。
【0057】
すなわち、ポイント交換機18は、遊技者を示す情報、動作を行った時刻を示す情報、交換後の遊技球の所持数を示す情報、交換によって増加又は減少(消費)した遊技球の所持数を示す情報を含む情報を媒体管理サーバ36に送信する。前後して、遊技者を示す情報、動作を行った時刻を示す情報、交換後のポイント数を示す情報、交換によって増加又は減少(消費)したポイント数を示す情報を含む情報をポイント管理サーバ39に送信する。そして、媒体管理サーバ36は、受信した情報に基づいて自身のデータベースの媒体所持情報を更新し、ポイント管理サーバ39は、受信した情報に基づいて自身のデータベースのポイント情報を更新する。
【0058】
続いて、提携会社7の実店舗で会員カード8を使用し、ポイントを消費して景品を取得する景品交換(以下、第1景品交換処理とも称す)の流れについて説明する。
【0059】
遊技者は、提携会社7の実店舗に行き、提携会社7が取り扱う商品の中から所望の景品を選択し、景品をポイントで取得したい旨を店員に伝える。そして、図5で示されるように、遊技者又は店員が、遊技者の会員カード8を情報取得手段46にかざす、差し込む等の操作することで、会員カード8に記憶された情報を読み取る読み取り動作が実行される(STEP21)。つまり、この読み取り動作は、会員カード8に記憶された情報を情報取得手段46によって読み取る動作である。
【0060】
そして、提携会社7の提携側管理サーバ45が、ポイント管理会社5のポイント管理サーバ39に、遊技者のポイント情報を問い合わせる(STEP22)。すなわち、ポイント管理サーバ39に、読み取ったポイントを所有している遊技者を示す情報と、ポイント情報の送信を要求する信号を送信する。
【0061】
ポイント管理サーバ39は、ポイント情報の送信を要求する信号を受信すると、提携側管理サーバ45に対してポイント情報を送信する(STEP23)。すなわち、遊技者を示す情報に基づいて特定した遊技者のポイント情報を提携側管理サーバ45に送信する。
【0062】
続いて、遊技者が所有するポイントと引き換えに遊技者に景品を提供する(STEP24)。詳細には、店員が、レジ等の提携会社7の機器に対し、ポイントを使用して景品を提供する際に行われる入力操作を行う。
【0063】
そして、提携側管理サーバ45は、景品提供後のポイント情報をポイント管理サーバ39に送信する(STEP25)。すなわち、ポイントを所有している遊技者を示す情報と、ポイント所有数を示す情報、景品交換によって消費したポイント数を示す情報(以下消費ポイント情報とも称す)と、景品交換を行った時刻を含む情報を送信する。また、ポイント管理サーバ39は、受信した景品提供後のポイント情報に基づいて、自身のデータベースのポイント情報を更新する(STEP26)。
本実施形態では、景品提供後のポイント情報をポイント管理サーバ39に送信する動作と前後して、提携側管理サーバ45が自身のデータベースのポイント情報を更新する処理を実行している。すなわち、提携側管理サーバ45は、ポイント情報を記憶している。
【0064】
上記した第1景品交換処理は、上記した第1貸出処理、第1ポイント交換処理のように、会員カード8に記憶された情報の更新が伴う動作であってもよい。すなわち、読み取り動作で会員カード8に記憶されたポイント情報を読み取り、STEP22、STEP23等に替わって、ポイント情報が最新の情報であるか否かを確認する情報確認動作を実行してもよい。また、情報確認動作の結果、会員カード8に記憶された情報が最新でない場合、景品の提供に先立って会員カード8に記憶された情報を更新してもよい。また、景品の提供後に会員カード8に記憶された情報を最新の情報に更新してもよい。
【0065】
なお、本実施形態の遊技システム1では、景品交換所20で会員カード8を使用し、ポイントを消費して景品を取得する景品交換が可能としている。この景品交換は、提携側管理サーバ45に替わって管理コンピュータ21やホールコンピュータ19等が機能する点等が異なるものの、上記した第1景品交換処理と略同様の手順であるので、詳細な説明を省略する。すなわち、すなわち、本実施形態の遊技システム1は、遊技場2が有する遊技場機器を使用した景品交換処理(第3景品交換処理)が実行可能である。
【0066】
続いて、遊技システム1が提供する仮想現実サービスについて説明する。
【0067】
遊技者は、図6で示されるように、ユーザデバイス50を使用して、仮想現実サービスの提供を受ける。
本実施形態のユーザデバイス50は、仮想空間表示装置50a(第1デバイス)と、操作装置50b(第2デバイス、動作情報取得部)と、ユーザ側端末装置50c(第3デバイス)を含む。
【0068】
仮想空間表示装置50aは、装着者である遊技者に対し、CG(コンピューターグラフィックス)により作られた仮想空間を、あたかも現実の空間(実空間)のように見せることが可能な表示装置である。仮想空間表示装置50aは、ストラップと、フレームと、フレームに取り付けられた2つのディスプレイを含んで構成され、人の頭に装着するものとしてもよい。この仮想空間表示装置50aとしては、例えば、ヘッドマウントディスプレー(HMD)、VRヘッドセット、VRゴーグル等を採用できる。すなわち、仮想空間表示装置50aは、自身が備える各種センサによって動きや傾き等を検出し、装着者が仮想空間内(仮想空間上)を移動しているように見せたり、仮想空間内のオブジェクトを見る方向を変えたりすることを可能としてもよい。また、仮想空間表示装置50aは、スピーカ及びマイクを有するものとし、音声(音)の入出力を可能としてもよい。
【0069】
操作装置50bは、使用者である遊技者が行った入力操作を受け付ける装置である。すなわち、操作装置50bは、位置、傾き(姿勢)、動きを検出する各種センサと、入力用ボタンの少なくとも一方を有するものであり、人が手に持って使用する、又は、人が体の一部に装着して使用する装置である。
この操作装置50bとしては、例えば、VRコントローラを採用可能である。VRコントローラは、人が手で握りやすい形状としたゲームパッド状のハンドコントローラであってもよく、家電等のリモコンを模した形状のリモコン型コントローラであってもよい。この他、VRコントローラは、人が身につけて使用する形式の物でもよく、例えば、人が手に嵌めて使用するグローブ型コントローラであってもよい。
【0070】
ユーザ側端末装置50cは、上記したように仮想現実提供サーバ27とネットワークを介して情報の送受信が可能な装置であり、仮想現実サービスを提供するための情報処理を実行する。すなわち、ユーザ側端末装置50cにインストールされたアプリケーションプログラム(以下、単にアプリとも称す)が動作することで、遊技者(ユーザ)に対して仮想空間を見せるための処理が実行されるものであり、本実施形態の遊技システム1は、ユーザ側端末装置50cで動作するアプリを含む。
ユーザ側端末装置50cとしては、据え置き型のパーソナルコンピュータや、据え置き型のゲーム機等の据え置き型の機器を好適に採用可能であるが、スマートフォンやタブレット型のコンピュータ等の携帯型の機器を採用してもよい。
【0071】
本実施形態のユーザデバイス50では、仮想空間表示装置50a、操作装置50bのそれぞれとユーザ側端末装置50cとの間で近距離無線通信が可能となっている。そして、仮想現実サービスが提供される際には、上記した仮想現実提供サーバ27が遊技者(ユーザ)に対して仮想空間を見せるための仮想空間データをコンピューターグラフィックスにより生成する仮想空間処理を実行する。この仮想空間データは、仮想空間表示装置50aで表示されることでコンピューターグラフィックスにより作られた仮想空間を実空間のように見せることができるデータである。そして、仮想現実提供サーバ27が生成した仮想空間データがユーザ側端末装置50cに送信される。
このとき、仮想空間表示装置50aとユーザ側端末装置50cとの間で近距離無線通信が実行されることで、遊技者が仮想空間表示装置50aを介して仮想空間を視認することが可能となる。
【0072】
また、このとき、遊技者が行った入力操作を操作装置50bが受け付けると、操作装置50bは、受け付けた入力操作に基づいて信号を生成し、ユーザ側端末装置50cに送信する。言い換えると、入力操作の内容を示す情報(入力操作情報)をユーザ側端末装置50cに送信する。なお、この入力操作情報は、遊技者の動作(入力)に関する情報である動作情報でもある。そして、ユーザ側端末装置50cは、操作装置50bから送信された信号(入力操作情報)に基づき、必要に応じて仮想現実提供サーバ27と協働して仮想空間表示装置50aの表示内容を変更する(入力操作を表示内容に反映させる)処理を実行する。このとき、ユーザ側端末装置50cは、必要に応じて入力操作に基づいて生成された信号(入力操作情報)を仮想現実提供サーバ27に送信する。
【0073】
ここで、本実施形態では、ユーザデバイス50が3つのデバイスで構成されるものとし、仮想空間表示装置50aが、遊技者に仮想空間を見せるユーザ側表示部として機能するものとした。また、操作装置50bが仮想空間に反映する遊技者(ユーザ)の操作(入力操作)を受け付けるユーザ側操作入力部(動作情報取得部)として機能するものとした。さらに、ユーザ側端末装置50cが、遊技者(ユーザ)に対して仮想空間を見せるための処理を実行するユーザ側制御部として機能すると共に、ユーザデバイス50と仮想現実提供サーバ27との間で信号を送受信するユーザ側通信部として機能するものとした。
しかしながら、本実施形態の遊技システム1と共に使用されるユーザデバイス50は、これに限るものではなく、全体としてユーザ側表示部、ユーザ側操作入力部、ユーザ側制御部、ユーザ側通信部を有していればよい。
【0074】
例えば、仮想空間表示装置50aに内蔵される制御装置(コンピュータ)がユーザ側制御部及びユーザ側通信部として機能するものとしてもよい。すなわち、仮想空間表示装置50aがユーザ側表示部、ユーザ側制御部、ユーザ側通信部として機能するものとし、ユーザ側端末装置50cを設けない構成とすることも考えられる。
この他、上記したように、仮想空間表示装置50aが動きや傾き等を検出したり、音声入力を受け付けたりするものとし、仮想空間表示装置50aがユーザ側操作入力部の一部として機能するものとしてもよい。すなわち、仮想空間表示装置50aが視線入力、動作入力(ジェスチャ入力)、音声入力等の非接触型の入力を受け付けるユーザ側操作入力部として機能し、操作装置50bがボタン操作等の接触型の入力を受け付けるユーザ側操作入力部として機能するものとしてもよい。このように、ユーザ側操作入力部が受け付ける遊技者による入力操作は、非接触型の入力であってもよく、接触型の入力であってもよい。
【0075】
本実施形態の仮想現実サービスでは、図7図8で示されるように、仮想空間内(仮想空間上)に遊技者の分身となるオブジェクトであるアバター(第1アバターであり、以下、ユーザオブジェクト60とも称す)を表示させる(表現する)ことができる。そして、遊技者に関連付けられたユーザオブジェクト60を介して、仮想遊技場61に入場し、仮想遊技場61に配置された仮想遊技機78で遊技することが可能となっている。
【0076】
詳細には、遊技者が仮想現実サービスの提供を受けるとき、遊技者は、遊技システム1にログインする。すなわち、遊技者は、ユーザデバイス50を使用してログイン情報を入力する。そして、入力されたログイン情報は、仮想現実提供サーバ27に送信され、仮想現実提供サーバ27から仮想現実サービス管理サーバ28に送信される。
なお、本実施形態におけるログイン情報は、上記した「遊技者を示す情報」である遊技者IDと、遊技者IDに紐付けられたパスワードを含む情報である。
【0077】
遊技者のログインが完了すると、図7で示されるように、第1仮想空間66(仮想空間)の画像がユーザデバイス50(仮想空間表示装置50a)に表示される。なお、本実施形態における「画像」は、静止画と動画を含む。
なお、本実施形態では、第1仮想空間66の画像をユーザデバイス50に表示するとき、遊技者の操作により、三人称視点と一人称視点とを切り替え可能となっている。
「三人称視点」とは、所定の遊技者自身の分身であるユーザオブジェクト60に対して相対的に固定された位置に視点位置および視線方向を設定した表示形式であり、ユーザオブジェクト60を含んで第1仮想空間66を表示する表示形式である。
「一人称視点」とは、ユーザオブジェクト60の目の位置に視点位置および視線方向を設定した表示形式である。
本実施形態では、一人称視点で画像が表示されている場合であって、遊技者に対して表示される仮想空間の画像にユーザオブジェクト60が視認できる状態ではない場合においても、「ユーザオブジェクト60が仮想空間上に表現されている」ものとする。
【0078】
第1仮想空間66は、街を模した仮想空間であり、一又は複数の建屋を模したオブジェクトが配置される。そして、建屋を模したオブジェクトのうちの少なくとも一つは、遊技場を模したオブジェクトである仮想遊技場61となっている。
そして、遊技者は、第1仮想空間66が表示された状態で、ユーザオブジェクト60を操作することにより、仮想遊技場61に入場する(ユーザオブジェクト60を仮想遊技場61に入場させる)ことが可能となっている。
【0079】
そして、第1仮想空間66で仮想遊技場61に入場する操作が行われると、図8で示されるように、第2仮想空間70(仮想空間)の画像がユーザデバイス50(仮想空間表示装置50a)に表示される。
【0080】
第2仮想空間70は、仮想遊技場61の内部を表す画像であって、遊技場の内部を模した仮想空間であり、複数の構造物を模したオブジェクトが配置される。
本実施形態では、第2仮想空間70に配される複数の構造物を模したオブジェクトには、景品交換所を模したオブジェクトである仮想景品交換所73と、遊技機島を模したオブジェクトである仮想遊技機島74とが含まれる。さらに、本実施形態では、計測装置を模したオブジェクトである仮想計測装置75と、ポイント交換機を模したオブジェクトである仮想ポイント交換機76とが含まれる。
そして、仮想遊技機島74には、遊技機を模したオブジェクトである仮想遊技機78が複数配置されている。
【0081】
さらに、本実施形態の第2仮想空間70には、他の遊技者の分身となるオブジェクトであるアバター(第1アバターであり、以下、他ユーザオブジェクト83とも称す)が表示される。ここで、他の遊技者とは、ユーザオブジェクト60に関連付けられた遊技者とは異なる遊技者である。すなわち、本実施形態の第2仮想空間70には、他の遊技者に関連付けられた他ユーザオブジェクト83が表示される。
また、第2仮想空間70には、仮想現実サービス管理会社3の従業員の分身となるオブジェクトであるアバター(第2アバターであり、以下、従業員オブジェクト84とも称す)が表示される。すなわち、仮想現実サービス管理会社3に属する人(運営側の人)に関連付けられた従業員オブジェクト84が表示される。
【0082】
本実施形態の仮想現実サービスでは、仮想現実サービス管理サーバ28が複数のユーザデバイス50と信号の送受信が可能であり、複数の遊技者(ユーザ)が同時に仮想現実サービスの提供を受けることが可能となっている。言い換えると、複数の遊技者(ユーザ)が同じ仮想空間を共有可能となっている。
また、本実施形態の仮想現実サービスでは、一又は複数の仮想現実サービス管理会社3の従業員と、一又は複数の遊技者が同じ仮想空間を共有した状態で、仮想現実サービスを提供している。
つまり、本実施形態の仮想現実サービスは、一又は複数の仮想現実サービス管理会社3の従業員と一又は複数の遊技者とが、それぞれ自身のアバターを同じ仮想空間に配置した状態で提供される。
【0083】
ここで、本実施形態の仮想現実サービスでは、複数の遊技者(ユーザ)間や、一又は複数の遊技者と一又は複数の従業員(仮想現実サービス管理会社3の従業員)間で、チャット形式のコミュニケーションが可能となっている。
なお、ここでいう「チャット形式のコミュニケーション」とは、文字(メッセージ文、絵文字等を含む)、記号、画像(スタンプを含む)等の視覚的に認識可能な情報を互いの画面に表示させるコミュニケーションを含む。さらに、ボイスチャット等の互いに音声を交わす(音声通話のやり取りを行う)コミュニケーションを含む。
【0084】
詳細には、遊技者は、ユーザオブジェクト60を他のアバター(他ユーザオブジェクト83、従業員オブジェクト84)に近接させた状態とし、所定の操作を行うことでチャット形式のコミュニケーションを開始することができる。つまり、本実施形態の仮想現実サービスにおけるチャット形式のコミュニケーションは、参加する人(遊技者又は従業員)に対応する複数のアバターが近接していることを条件の一つとして実行される。
以上のことから、遊技者は、他の遊技者と雑談したり、従業員に遊技に関する質問をしたりできるので、あたかも現実の遊技場2で遊技しているかのような感覚を得ることができる。
【0085】
本実施形態の仮想現実サービスでは、第2仮想空間70において、それぞれの遊技者に対し、その遊技者が所有するポイントを消費してその遊技者に遊技媒体を貸し出す遊技媒体の貸し出し(第2貸出処理)が可能である。また、第2仮想空間70において、それぞれの遊技者に対し、その遊技者の遊技媒体と引き換えにその遊技者にポイントを付与するポイント交換(第2ポイント交換処理)が可能である。
【0086】
詳細に説明すると、遊技者は、第2仮想空間70が表示された状態で、ユーザオブジェクト60を操作し、ユーザオブジェクト60を仮想ポイント交換機76に近づかせた状態とする。そして、ユーザオブジェクト60を仮想ポイント交換機76に近づかせた状態で、所定の操作を行うことで遊技媒体の貸し出し(第2貸出処理)や、ポイント交換(第2ポイント交換処理)が実行される。
【0087】
さらに詳細には、遊技システム1は、図9で示されるように、第2仮想空間70での遊技媒体の貸し出しやポイント交換に先立って、ログイン情報を取得する(STEP31)。すなわち、遊技システム1は、上記したように、遊技者が遊技システム1にログインする際に入力したログイン情報を取得し、取得したログイン情報を仮想現実サービス管理サーバ28に送信する。
そして、仮想現実サービス管理サーバ28は、取得したログイン情報に基づいて媒体管理会社4の媒体管理サーバ36と、ポイント管理会社5のポイント管理サーバ39に、遊技者の媒体所持情報とポイント情報を問い合わせる(STEP32)。すなわち、仮想現実サービス管理サーバ28は、第2仮想空間70での遊技媒体の貸し出しやポイント交換に先立って、媒体管理サーバ36に対し、遊技者を示す情報と、媒体所持情報の送信を要求する信号を送信する。前後して又は同時に、仮想現実サービス管理サーバ28は、第2仮想空間70での遊技媒体の貸し出しやポイント交換に先立って、ポイント管理サーバ39に遊技者を示す情報と、ポイント情報の送信を要求する信号を送信する。
【0088】
媒体管理サーバ36は、媒体所持情報の送信を要求する信号を受信すると、仮想現実サービス管理サーバ28に対して媒体所持情報を送信する(STEP33)。すなわち、ログイン情報の遊技者ID(遊技者を示す情報)に基づいて特定される対象の遊技者の媒体所持情報を送信する。そして、仮想現実サービス管理サーバ28は、第2仮想空間70での遊技媒体の貸し出しやポイント交換に先立って、受信した媒体所持情報を仮想現実提供サーバ27に送信しておく。
また、ポイント管理サーバ39は、ポイント情報の送信を要求する信号を受信すると、仮想現実サービス管理サーバ28に対してポイント情報を送信する(STEP34)。すなわち、ログイン情報の遊技者ID(遊技者を示す情報)に基づいて特定される対象の遊技者のポイント情報を送信する。そして、仮想現実サービス管理サーバ28は、第2仮想空間70での遊技媒体の貸し出しやポイント交換に先立って、受信したポイント情報を仮想現実提供サーバ27に送信しておく。
【0089】
そして、ユーザオブジェクト60を操作している遊技者に対して表示している画面に貸し出し動作及びポイント交換動作の実行で使用する交換用画面(第1交換用画面)が表示される(STEP35)。すなわち、上記したように、ユーザオブジェクト60を仮想ポイント交換機76に近づかせた状態で、所定の操作を行うことで、交換用画面が表示される。
この交換用画面は、例えば、第2仮想空間70(及び/又は仮想ポイント交換機76)を表示している画面の所定の範囲(画面上)に、遊技者が所有する貯球数を示す情報や、遊技者が所有するポイント数を示す情報を表示した画面としてもよい。すなわち、所有する貯球数を示す情報を表示する所有媒体数表示部や、所有するポイント数を示す情報を表示する所有ポイント表示部を有する画面でもよい。この他、ポイントと引き換えに遊技者に貸し出し可能な遊技球の数(遊技者が借り受け可能な遊技球の数)を示す情報を表示する貸出可能数表示部を有していてもよい。さらに貯球数と引き換えに遊技者に付与可能なポイント数(遊技者が取得可能なポイント数)を示す情報を表示する付与可能ポイント表示部を有していてもよい。さらに、遊技者自身が入力した希望する貸し出し数(遊技者が借り受けたい遊技球の数)を示す情報を表示する希望貸出数表示部や、付与を希望するポイント数(遊技者が取得したいポイント数)を示す情報を表示する付与希望ポイント数表示部を有していてもよい。
この他、交換用画面は、上記したようにユーザオブジェクト60を仮想ポイント交換機76に近づかせた状態で所定の操作を行ったとき、同操作を行ったことを条件として表示される専用の画面であってもよい。この場合、上記した各情報が表示される画面であればよい。
【0090】
なお、貸し出し動作を実行するための交換用画面と、ポイント交換動作を実行する交換用画面は同様の画面であってもよく、異なる画面であってもよい。以上のように、交換用画面は、全体として貸し出し動作とポイント交換動作で必要な情報を表示し、必要な操作を受け付ける画面であればよい。
【0091】
そして、交換用画面が表示された状態で、遊技者が所定の操作を行うことで、仮想空間上での貸し出し動作や、ポイント交換動作が実行される(STEP36)。これら貸し出し動作及び/又はポイント交換動作の実行が終わると、仮想現実提供サーバ27は、仮想現実サービス管理サーバ28を介して、貸し出し動作及び/又はポイント交換動作の結果を反映した最新の媒体所持情報を媒体管理サーバ36に送信し、同動作の結果を反映した最新のポイント情報をポイント管理サーバ39に送信する(STEP37)。
【0092】
すなわち、仮想現実提供サーバ27、仮想現実サービス管理サーバ28は、遊技者を示す情報、動作を行った時刻を示す情報、交換後の遊技球の所持数を示す情報、交換によって増加又は減少(消費)した遊技球の所持数を示す情報を含む情報を媒体管理サーバ36に送信する。前後して、遊技者を示す情報、動作を行った時刻を示す情報、交換後のポイント数を示す情報、交換によって増加又は減少(消費)したポイント数を示す情報を含む情報をポイント管理サーバ39に送信する。そして、媒体管理サーバ36は、受信した情報に基づいて自身のデータベースの媒体所持情報を更新する(STEP38)。ポイント管理サーバ39は、受信した情報に基づいて自身のデータベースのポイント情報を更新する(STEP39)。
【0093】
本実施形態の仮想現実サービスでは、図8で示されるように、第2仮想空間70において、遊技者が仮想遊技機島74に配置された複数の仮想遊技機78から自身が遊技したい仮想遊技機78を選択し、選択した仮想遊技機78で遊技することができる。
このとき、遊技者は、一人称視点としてユーザオブジェクト60を操作し、ユーザオブジェクト60を仮想遊技機島74の傍で移動させることで、あたかも実際の遊技島の傍を歩いて遊技機を選んでいるかのような感覚を得ることができる。すなわち、遊技システム1は、ユーザオブジェクト60の移動に伴う周囲の見え方の変化を遊技者に体感させるように、ユーザデバイス50に表示される内容を切り替える。詳細には、遊技システム1は、ユーザオブジェクト60の移動に伴って仮想遊技機島74に対する視線方向が変化するように、ユーザデバイス50に表示される内容を切り替える。このことから、上記したように、遊技者にあたかも実際の遊技島の傍を歩いて遊技機を選んでいるかのような感覚を体感させることが可能となる。
【0094】
ここで、本実施形態の仮想遊技機78は、遊技球(ぱちんこ球)を使用した遊技が可能な弾球遊技機を模したオブジェクトであり、より詳細には、所謂ぱちんこ機を模したオブジェクトとなっている。
【0095】
本実施形態では、遊技者が所有する遊技媒体を使用して仮想遊技機78で遊技することが可能である。つまり、本実施形態の遊技システムでは、遊技者は、所有する遊技媒体を使用した現実の遊技機15での遊技が可能であり、且つ、所有する遊技媒体を使用した仮想空間上の仮想遊技機78での遊技が可能である。言い換えると、遊技者が所有する遊技媒体は、現実の遊技機15での遊技に使用可能であり、且つ、仮想空間上の仮想遊技機78での遊技にも使用可能としている。
【0096】
すなわち、遊技者が仮想遊技機78で遊技する際には、遊技者の操作(ボタンを押す、手や腕を動かす等)に応じて、仮想の遊技媒体(以下、仮想遊技媒体とする)が仮想遊技機78の内部に打ち出される。なお、本実施形態の仮想遊技媒体は、遊技球を模したものである。詳細には、ユーザデバイス50に、仮想遊技媒体が仮想遊技機78の内部に打ち出される様子を示す画像が表示される。そして、現実の弾球遊技機での遊技と同様に、仮想遊技媒体を打ち出す度、遊技者が所有する遊技媒体(遊技球)が消費されていく。また、仮想遊技機78での遊技においても、現実の弾球遊技機での遊技と同様に、遊技媒体を獲得可能となっている。
なお、本実施形態では、遊技者の操作の度合い(ボタンを押す強さの強弱や、手や腕を動かす際の動きの大小等)に応じて、画像上の仮想遊技媒体の内出し速さや、画像上の仮想遊技媒体の仮想遊技機78内での動き方が変更される。すなわち、遊技者の入力操作(動作情報)に応じで画像の表示内容が変更される。
【0097】
本実施形態の遊技システム1は、遊技者が仮想遊技機78で遊技を終了した際に遊技媒体を獲得していた場合、遊技者に対し、仮想遊技機78での遊技で獲得した遊技媒体を仮想計測装置75によって計測することを促す計測推奨動作を実行する。計測推奨動作は、例えば、第2仮想空間70を表示している画面の所定の範囲(画面上)に「カウンターで球を計測してください」というメッセージを表示する動作である。また、音声で、「カウンターで球を計測してください」というメッセージを出力する動作であってもよい。
この計測推奨動作は、遊技者に対し、遊技システム1に計測演出動作(詳しくは後述する)を実行させる操作を行うように促す動作である。
【0098】
本実施形態の遊技システム1は、遊技者に対し、その遊技者が仮想空間内で獲得した遊技媒体を仮想計測装置75で計測する様子を示す画像をユーザデバイス50に表示させる計測演出動作(図10参照)が可能となっている。
詳細に説明すると、第2仮想空間70が表示された状態であり、且つ、遊技者が仮想遊技機78での遊技で遊技媒体を獲得した状態において、遊技者がユーザオブジェクト60を操作し、ユーザオブジェクト60を仮想計測装置75に近づかせた状態とする。
そして、ユーザオブジェクト60を仮想計測装置75に近づかせた状態で、所定の操作を行うことで計測演出動作が実行される。
【0099】
ここで、仮想計測装置75は、上記したように、遊技媒体の計測装置(ジェットカウンター、メダルカウンター等)を模した形状のオブジェクトである。
詳細には、仮想計測装置75は、図10で示されるように、遊技媒体(持ち玉)を一時貯留する一時貯留部であるホッパーユニットを模した、仮想一時貯留部90(仮想遊技媒体導入部)を有する。また、計測結果を表示するための表示器を模した、仮想計測結果表示部91を有する。さらに、ホッパーユニットの底部に設けられた遊技媒体の導入口部分を模した仮想導入口部(図示しない)を有する。
【0100】
計測演出動作では、図10で示されるように仮想計測装置75の仮想一時貯留部90に仮想遊技媒体が一時貯留された状態を示す画像が表示される。そして、時間の経過に伴って、仮想一時貯留部90に一時貯留された仮想遊技媒体が仮想導入口部(図示しない)に流れ込んでいき、一時貯留された仮想遊技媒体が減っていくことを示す画像が表示される。このとき、画像内の仮想計測結果表示部91には、仮想遊技媒体の計測数が表示される。詳細には、一時貯留された仮想遊技媒体の減少に伴って、仮想計測結果表示部91で表示される計測数が上昇していく。
そして、その後、仮想遊技媒体の計測が完了した状態を示す画像が表示される。すなわち、仮想一時貯留部90に遊技媒体が表示されておらず、仮想計測結果表示部91に遊技者が仮想空間内で獲得した遊技媒体の数が表示された状態を示す画像が表示される。
【0101】
なお、本実施形態の計測演出動作では、一時貯留された仮想遊技媒体の減少に伴って表示される計測数が上昇していく表示を実行する際、仮想遊技媒体が減少してから所定時間経過後に、減少した仮想遊技媒体の数に応じて表示される計測数が上昇する。このように、仮想遊技媒体が減少と、計測数が上昇に時間差を設けた表示をすることで、遊技者にあたかも実際に遊技媒体を計測している計測装置を見ているかのような感覚を体感させることができる。このことから、仮想遊技媒体が減少していき、仮想一時貯留部90に遊技媒体が表示されていない(一時貯留されていない)状態を表示した所定時間経過後(例えば、数秒後)に、計測数の上昇が終了し、技者が仮想空間内で獲得した遊技媒体の数が表示される。
【0102】
なお、これに対し、一時貯留された仮想遊技媒体が減少数と、仮想計測結果表示部91で表示される計測数を同数としてもよい。すなわち、仮想遊技媒体が減少と計測数の増加に時間差を設けず、これらを同時に実行してもよい。
【0103】
また、本実施形態の計測演出動作では、遊技者が仮想空間内で獲得(取得)した遊技媒体の数に応じて、最初に一時貯留される仮想遊技媒体の量が変化する。すなわち、獲得した遊技媒体の数が多い程、仮想遊技媒体が一時貯留された状態を示す画像において、より多くの遊技媒体が一時貯留された状態を示す画像が表示される。
そして、遊技者が仮想空間内で獲得(取得)した遊技媒体の数に応じて、計測演出動作の実行時間(一時貯留された仮想遊技媒体が減少していき無くなってしまうまでの時間)が変化する。すなわち、獲得した遊技媒体の数が多い程、計測演出動作の実行時間が長くなる。このことによっても、遊技者にあたかも実際に遊技媒体を計測している計測装置を見ているかのような感覚を体感させることができる。
【0104】
遊技システム1は、所定の遊技者が仮想遊技機78で遊技を終了した際に遊技媒体を獲得していた場合、この遊技者が獲得した遊技媒体の数を示す情報を取得した状態となっている。このため、本来であれば、遊技者が獲得した遊技媒体を計測装置等で計測したりすることなく、遊技者が獲得した遊技媒体の数を画面に表示可能である。しかしながら、本実施形態の遊技システム1は、あえて計測演出動作を実行することで、遊技者にあたかも実際の遊技場で遊技して遊技媒体を獲得したかのような感覚を体感させることができる。
【0105】
さらに、本実施形態の計測演出動作では、仮想一時貯留部90に仮想遊技媒体が一時貯留された状態を示す画像の表示に先立って、仮想の球箱(仮想遊技媒体貯留箱)から仮想一時貯留部90に仮想遊技媒体を流し込んでいる画像を表示してもよい。すなわち、仮想の球箱から流出した仮想遊技媒体が、仮想一時貯留部90の開口部分(仮想開口部)から仮想一時貯留部90の内部に流入していく画像を表示してもよい。このとき、仮想の球箱から仮想一時貯留部90に仮想遊技媒体が流し込まれるにつれ、仮想一時貯留部90に一時貯留される仮想遊技媒体が増えていく画像を表示してもよい。さらに、仮想の球箱に替わって、第2仮想空間70における仮想一時貯留部90から上方に離れた部分(オブジェクトが配されていない空中部分)から、仮想一時貯留部90に仮想遊技媒体を流し込む画像を表示することも考えられる。
【0106】
また、本実施形態の計測演出動作では、仮想計測装置75の一部、例えば、仮想計測結果表示部91を別途拡大表示してもよい。
さらに、計測演出動作では、画面の所定の範囲(画面上)に追加演出部93を表示する追加演出動作を並行して実行してもよい。追加演出部93は、例えば「出玉大爆発」といった多くの遊技媒体を獲得したことを強く示唆する文言や、そのような文言に装飾を施した絵柄、人目を引くような模様や絵柄等を表す画像である。多くの遊技媒体を獲得したという印象をより強く視覚に訴える効果を有する画像を表示する。また、追加演出動作は、追加演出部93を表示する動作に替わって、又は、並行してファンファーレ等の音声をユーザデバイス50から出力する動作であってもよい。
【0107】
以上のように、本実施形態の遊技システム1は、媒体所持情報を参照することで、所定の遊技者が所有する遊技媒体の数を取得可能であり、遊技者の遊技媒体を媒体所持情報によって管理している。このことから、現実の遊技場2での遊技によって取得した遊技媒体に基づき、仮想空間内での遊技が可能となる。すなわち、現実の遊技場2での遊技によって取得した遊技媒体を仮想空間で使用する際に電子化できる。また、仮想現実サービスでの遊技によって取得した遊技媒体に基づき、遊技場2での遊技が可能となる。
【0108】
また、本実施形態の遊技システム1は、上記したように、仮想現実提供サーバ27が三次元の仮想空間(第1仮想空間66、第2仮想空間70等)を作成する仮想空間作成部として機能する。また、操作装置50b(ユーザデバイス50)が動作情報(入力操作情報)を受け付ける(取得する)動作情報取得部(ユーザ側操作入力部)として機能する。
また、仮想現実提供サーバ27とユーザデバイス50とが、反映部の一部であり、動作情報を仮想空間に反映する動作情報反映部として機能する。さらに、仮想現実提供サーバ27と、仮想現実サービス管理サーバ28と、媒体管理サーバ36とが、反映部の一部であり、遊技者の遊技媒体に関する情報(媒体所持情報であり、遊技媒体情報)を仮想空間に反映する媒体情報反映部として機能する。
つまり、本実施形態の遊技システム1は、仮想空間作成部と、動作情報取得部と、反映部(動作情報反映部、媒体情報反映部)を有する遊技空間再現装置を備えている。なお、遊技空間再現装置は、遊技機及び遊技機が設置されている空間を仮想現実として再現する装置である。
【0109】
続いて、第2仮想空間70で遊技者がポイントを消費して景品を取得する景品交換(以下、第2景品交換処理とも称す)の流れについて説明する。
【0110】
第2景品交換処理では、遊技者がユーザオブジェクト60を仮想景品交換所73に近づかせた状態で、所定の操作を行うことで、図11で示されるように、ユーザデバイス50に景品交換用画面が表示される(STEP41)。
この景品交換用画面は、例えば、第2仮想空間70(及び/又は仮想ポイント交換機76)を表示している画面の所定の範囲(画面上)に、遊技者が所有するポイント数を示す情報を表示した画面としてもよい。すなわち、所有するポイント数を示す情報を表示する所有ポイント表示部を有する画面でもよい。また、ポイントを引き換えに交換可能な一又は複数の景品の情報を表示する景品情報表示部を有する画面としてもよい。景品情報表示部は、遊技者の操作に応じて、表示される景品が切り替わる画面としてもよい。
なお、この景品交換用画面は、上記したようにユーザオブジェクト60を仮想景品交換所73に近づかせた状態で所定の操作を行ったとき、同操作を行ったことを条件として表示される専用の画面であってもよい。この場合、上記した各情報が表示される画面であればよい。
【0111】
続いて、遊技者は、景品交換用画面を表示させた状態で、景品を選択する操作と、交換を確定する操作を行う。このことにより、遊技システム1(仮想現実サービス管理サーバ28)は、景品交換に関する情報である景品交換情報を取得する(STEP42)。なお、「景品交換情報」は、遊技者が選択した景品を示す情報と、景品交換後に遊技者が所有するポイント数を示す情報を含む。また、景品交換を行った遊技者を示す情報を含む。そして、遊技システム1は、取得した景品交換情報を仮想現実サービス管理サーバ28に送信する。
【0112】
仮想現実サービス管理サーバ28は、景品交換の結果を反映した最新のポイント情報をポイント管理サーバ39に送信する(STEP43)。さらに、仮想現実サービス管理サーバ28は、景品交換情報を提携側管理サーバ45に送信する(STEP44)。詳細には、景品交換を行った遊技者を示す情報と、遊技者が景品交換で選択した景品を示す情報と景品交換の結果を反映した最新のポイント情報を提携側管理サーバ45に送信する。
【0113】
そして、ポイント管理サーバ39は、受信した情報に基づいて自身のデータベースのポイント情報を更新する(STEP45)。
【0114】
また、提携会社7は、遊技者に景品の提供を行う(STEP46)。詳細には、提携側管理サーバ45が受信した情報がディスプレイ等の表示装置に表示される。そして、提携会社7の従業員は、遊技者を示す情報と、同情報に紐づけられた配達先に関する情報に基づき、景品を配達先に送付する。なお、配達先に関する情報は、予め入力された情報であり、遊技者の氏名、住所を示す情報やコンビニエンスストアの住所を示す情報等である。以上により、遊技者がポイントを消費して取得した景品が配達先に配送される。
また、本実施形態では、提携側管理サーバ45は、景品の提供と前後して、受信した情報に基づいて自身のデータベースのポイント情報を更新する処理を実行している。すなわち、提携側管理サーバ45は、ポイント情報を記憶している。
【0115】
なお、上記した景品交換の結果を反映した最新のポイント情報を送信する動作(STEP43、STEP44)には、遊技者が景品交換で使用したポイント数を示す情報を送信する動作としてもよい。この場合、受信側のサーバ(ポイント管理サーバ39、提携側管理サーバ45)が受信した情報に基づいて景品交換の結果を反映した最新のポイント情報を算出し、自身のデータベースのポイント情報を更新する
【0116】
ここで、上記したように、遊技者のポイントと引き換えに遊技媒体を貸し出す動作(第1貸出処理、第2貸出処理)が実行されていくと、図12で示されるように、媒体管理会社4の媒体管理サーバ36がポイントと引き換えに貸し出された遊技媒体の合計値を算出する(STEP51)。すなわち、所定期間内に一又は複数の各遊技場2や一又は複数の各仮想現実サービスにおいてポイントと引き換えに貸し出された遊技媒体の合計値(以下、累計ポイント引換貸出量とも称す)を算出する。
そして、媒体管理サーバ36は、累計ポイント引換貸出量を示す情報を金銭管理会社6の金銭管理サーバ42に送信する(STEP52)。
【0117】
金銭管理サーバ42では、受信した情報がディスプレイの表示装置に表示される。すなわち、累計ポイント引換貸出量を示す情報、言い換えると、ポイントと引き換えに貸し出された遊技媒体に関する情報が表示される。このことにより、金銭管理会社6の従業員等がポイントと引き換えに貸し出された遊技媒体(遊技媒体の数、遊技媒体の価値)に関する情報を容易に把握できる。
【0118】
金銭管理サーバ42は、累計ポイント引換貸出量を示す情報を受信すると、ポイント管理会社5のポイント管理サーバ39にポイント情報を問い合わせる(STEP53)。すなわち、ポイント管理サーバ39にポイント情報の送信を要求する信号を送信する。そして、ポイント管理サーバ39が金銭管理サーバ42にポイント情報を送信する(STEP54)。
【0119】
続いて、金銭管理サーバ42は、媒体管理サーバ36から送信された累計ポイント引換貸出量を示す情報が正しいか否かを確認する確認動作を実行する(STEP55)。
【0120】
すなわち、この確認動作では、ポイント管理サーバ39から送信されたポイント情報に基づき、所定の遊技場2及び又は仮想現実サービスで所定期間内にポイントと引き換えに貸し出された遊技媒体の数を特定する動作を実行する。そして、この動作に特定した遊技媒体の数を示す情報と、媒体管理サーバ36から送信された累計ポイント引換貸出量を示す情報を比較する。
そして、比較動作の結果、これらが一致し、媒体管理サーバ36から送信された累計ポイント引換貸出量を示す情報が正しい情報であることが確認されると、金銭管理会社6は、遊技媒体を累計ポイント引換貸出量だけ貸し出す際の貸出料金に相当する相当額をポイント管理会社5に請求する(STEP56)。
そして、ポイント管理会社5は、金銭管理会社6に請求された遊技媒体の貸し出し料金に相当する額を支払う(STEP57)。そして、金銭管理会社6は、ポイント管理会社5からの支払いの後、媒体管理会社4に遊技媒体を累計ポイント引換貸出量だけ貸し出す際の貸出料金に相当する相当額を送金する(STEP58)。
【0121】
ここで、本実施形態では、第1貸出処理、第2貸出処理が実行されたとき、遊技場2の機器、又は、仮想現実サービス管理サーバ28からこれらの処理が実行されたことを示す情報が媒体管理会社4の媒体管理サーバ36に送信される。
つまり、媒体管理サーバ36は、ポイントと引き換えに遊技媒体が貸し出された場所(遊技場2,仮想空間)を管理する管理会社(遊技場2、仮想現実サービス管理会社)を示す情報が自身のデータベースに記憶されている。言い換えると、どの遊技場2で遊技媒体が貸し出されたか、又は、どの仮想現実サービス管理会社3が提供する仮想現実サービスで遊技媒体が貸し出されたかを示す情報が記憶されている。したがって、それぞれの管理会社毎に、ポイントと引き換えに貸し出された遊技媒体の合計値を算出することが可能となる。したがって、媒体管理会社4は、各遊技場2、各仮想現実サービス管理会社3に貸出料金に相当する相当額をそれぞれ送金する。
【0122】
上記した実施形態では、金銭管理サーバ42において確認動作(STEP55)を実行した例について説明したが、確認動作は、ポイント管理サーバ39等の他のサーバや他のコンピュータで実行してもよい。
【0123】
また、上記した各景品交換が実行されていくと、図13で示されるように、提携会社7の提携側管理サーバ45は、所定周期(例えば、1ヶ月間)における消費ポイントの合計値(以下、累計消費ポイントとも称す)を算出する(STEP61)。すなわち、累計消費ポイントは、一又は複数の各遊技場2と、一又は複数の各仮想現実サービスで所定期間内に景品交換で利用されたポイント数の合計値である。
なお、複数の仮想現実サービス管理会社3がそれぞれ仮想現実サービスを提供する場合、累計消費ポイントは、各遊技場2と、各仮想現実サービス管理会社3がそれぞれ提供する仮想現実サービスで所定期間内に景品交換で利用されたポイント数の合計値である。
【0124】
本実施形態では、各遊技場2と、各仮想現実サービス管理会社3に対応する累計消費ポイントを算出している。すなわち、本実施形態のポイント情報は、遊技者がポイントと交換した遊技媒体がどの遊技場2で獲得した遊技媒体であるのか、又は、どの仮想現実サービス管理会社3が提供する仮想現実サービスで獲得した遊技媒体であるのかを示す情報を含む。このため、景品交換の際にポイント情報を参照することにより、交換で消費したポイントがどこで獲得した遊技媒体と交換したポイントであるのかを特定できる。
したがって、上記した累計消費ポイントの算出では、例えば、遊技場Aで獲得した遊技球(遊技媒体)と交換したポイントが1ヶ月にXXポイント利用され、仮想現実サービス管理会社Bが提供する仮想現実サービスで獲得した遊技媒体と交換したポイントが1ヶ月にYYポイント使用された、といった具合に、それぞれの遊技場2や仮想現実サービス管理会社3に対応する累計消費ポイントの積算が可能である。
【0125】
そして、提携会社7の提携側管理サーバ45は、累計消費ポイントを示す情報(以下、累計消費ポイント情報とも称す)を含むポイント情報を金銭管理会社6の金銭管理サーバ42に送信する(STEP62)。また、提携会社7は、金銭管理会社6に累計消費ポイントに相当するポイント相当額を請求する(STEP63)。
【0126】
金銭管理会社6が提携会社7からポイント相当額の請求を受けた後、金銭管理サーバ42がポイント管理会社5のポイント管理サーバ39にポイント情報を問い合わせる(STEP64)。すなわち、ポイント管理サーバ39にポイント情報の送信を要求する信号を送信する。そして、ポイント管理サーバ39は、金銭管理サーバ42にポイント情報を送信する(STEP65)。このとき送信されるポイント情報は、各管理会社(各遊技場2、各仮想現実サービス管理会社3)に対応する累計消費ポイントを特定可能な情報を含む。
【0127】
続いて、金銭管理サーバ42は、提携側管理サーバ45から送信された所定の管理会社(遊技場2、仮想現実サービス管理会社3)に対応する累計消費ポイント情報と、ポイント管理サーバ39から送信されたポイント情報に基づいて特定された管理会社に対応する累計消費ポイントを示す情報とを比較する比較動作を実行する(STEP66)。比較動作の結果、これらが一致し、提携側管理サーバ45から送信された所定の管理会社に対応する累計消費ポイントを示す情報が正しい情報であることが確認されると、金銭管理会社6は、支払額を請求すべき管理会社に支払い額を請求する(STEP67)。すなわち、支払額を請求すべき遊技場2、仮想現実サービス管理会社3に支払い額を請求する。
また、金銭管理会社6から支払いの請求を受けた遊技場2、仮想現実サービス管理会社3は、支払い額を送金する(STEP68、STEP69)。また、遊技場2、仮想現実サービス管理会社3から支払い額の送金を受けた金銭管理会社6は、提携会社7にポイント相当額を支払う(STEP6A)。
【0128】
上記した実施形態では、金銭管理会社6が、遊技場2や仮想現実サービス管理会社3から支払い額の送金を受けた後(STEP68、STEP69の後)に、提携会社7にポイント相当額を支払っていた(STEP6A)が、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図14で示されるように、遊技場2や仮想現実サービス管理会社3は、金銭管理会社6に対して事前に送金しておいてもよい(STEP71、STEP72)。すなわち、ポイント相当額の請求(STEP75)が行われる前に、ポイント相当額の支払い(STEP79)で使用する金銭を送金しておく。
【0129】
この場合もまた、上記と同様に、累計消費ポイントの算出(STEP73)、ポイント情報の送信(STEP74)、ポイント相当額の請求(STEP75)が行われる。STEP73乃至STEP75は、上記したSTEP61乃至STEP63と略同じであるので、詳細な説明を省略する。そして、この後、ポイント情報の問い合わせ(STEP76)と、ポイント情報の送信(STEP77)が行われ、比較動作(STEP78)が実行される。これらSTEP76乃至STEP78もまた、上記したSTEP64乃至STEP66と略同じであるので、詳細な説明を省略する。
【0130】
比較動作の結果、提携側管理サーバ45から送信された所定の管理会社に対応する累計消費ポイントを示す情報が正しい情報であることが確認されると、金銭管理会社6は、事前に入金された金銭から提携会社7にポイント相当額を支払う(STEP79)。そして、金銭管理会社6は、遊技場2、仮想現実サービス管理会社3に入金の通知を行う(STEP7A)。
【0131】
「入金の通知」では、提携会社7に対するポイント相当額の支払い(STEP79)に関する情報を送信する。詳細には、金銭管理サーバ42が、ポイント相当額の支払いが完了したことを示す情報、ポイント相当額の支払いを行った日時を示す情報、支払った金額を示す情報を含む情報を遊技場2の機器(ホールコンピュータ19等)や、仮想現実サービス管理サーバ28に送信する。そして、遊技場2の機器、仮想現実サービス管理サーバ28が受信した情報を自身のデータベースに記憶する。
【0132】
なお、ポイント相当額を支払い(STEP79)の前に、管理会社(遊技場2、仮想現実サービス管理会社3)から事前入金された金額を確認する金額確認を行ってもよい。この金額確認では、金銭管理サーバ42の表示装置等に事前入金された金額を表示してもよい。そして、金額確認の結果、ポイント相当額の支払いに必要な金額が不足していた場合、ポイント相当額の支払いを留保又は中止し、対象となる管理会社にその旨を報知する報知動作を行ってもよい。
【0133】
上記した実施形態では、媒体管理会社4を遊技場2とは別の会社としたが、遊技場2が遊技者の所有する遊技媒体を管理してもよい。この場合、遊技場2の機器(ホールコンピュータ19等)が媒体管理サーバ36として機能してもよい。また、仮想現実サービス管理会社3を遊技場2がとは別の会社としたが、遊技場2が仮想現実サービスを提供してもよい。
また、ポイント管理会社5と、金銭管理会社6とを別会社ではなく、一つの管理会社としてもよい。この場合、一つの管理会社の一又は複数のコンピュータが、ポイント管理サーバ39、金銭管理サーバ42として機能してもよい。
すなわち、上記した実施形態における各管理会社(遊技場2、仮想現実サービス管理会社3、媒体管理会社4、ポイント管理会社5、金銭管理会社6、提携会社7)から選択される2以上の会社は、別会社ではなく1つの会社であってもよい
【0134】
上記した実施形態では、ホールコンピュータ19、管理コンピュータ21を別のコンピュータとしたが、遊技場2の一つのコンピュータがホールコンピュータ19、管理コンピュータ21として機能してもよい。
【0135】
上記した実施形態では、金銭管理会社6は管理会社(遊技場2、仮想現実サービス管理会社3)から支払い額の送金を受け取ってから提携会社7にポイント相当額を支払っていたが、本発明はこれに限定されるものではない。金銭管理会社6は遊技場2から支払い額を受け取る前に提携会社7にポイント相当額を支払ってもよい。すなわち、金銭管理会社6がポイント相当額を一時的に立て替えて立替金として管理会社(遊技場2、仮想現実サービス管理会社3)に請求してもよい。
【0136】
上記した実施形態のポイント交換機18は、遊技場2において、両替機のように遊技機15が設置される遊技機島(遊技機島の妻板)の傍に設置してもよく、景品交換所20又はその近傍に設置してもよい。また、上記した実施形態では、ポイント交換機18は、遊技媒体貸出機16とは別の機器としたが、ポイント交換機18と遊技媒体貸出機16を一体に形成してもよい。すなわち、ポイント交換機18の機能を有する遊技媒体貸出機を形成し、遊技機島の遊技機15と近接する位置に設置してもよい。このことは、仮想空間においてこれらを模したオブジェクトにおいても同様である。
【0137】
上記した実施形態では、会員カード8に記憶された情報が最新のものではない場合(図4のSTEP3でNоの場合)、会員カード8に記憶された情報を最新の情報に更新した(STEP7)。そしてその後に、最新の情報に基づいて遊技者が所有する貯玉数とポイント数を表示し、貸し出し動作やポイント交換動作を実行した。
しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、STEP3でNоの場合、会員カード8に記憶された情報を最新の情報に更新せずに、最新の情報に基づいて遊技者が所有する貯玉数とポイント数を表示し、貸し出し動作やポイント交換動作を実行可能な状態としてもよい。そして、貸し出し動作やポイント交換動作を実行させた後に、上記したSTEP5、STEP6の動作を実行してもよい。この場合、最新の情報に基づいて遊技者が所有する貯玉数とポイント数を表示した後、貸し出し動作やポイント交換動作を実行せずに会員カード8を取り出す動作が実行された場合に、会員カード8に記憶された情報を最新の情報に更新する動作を実行してもよい。
【0138】
上記した実施形態の情報確認動作では、媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39が会員カード8に記憶された媒体所持情報、ポイント情報が最新であるか否かを判別する判別動作を実行したが、本発明はこれに限るものではない。ポイント交換機18が判別動作を実行してもよい。
この場合、例えば、ポイント交換機18が媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39に媒体所持情報、ポイント情報の送信を要求する信号を送信する。そして、信号を受信した媒体管理サーバ36、ポイント管理サーバ39は、自身のデータベースに記憶された媒体所持情報、ポイント情報をポイント交換機18に送信する。そして、ポイント交換機18が判別動作を実行する、といった一連の動作を実行してもよい。
【0139】
上記したポイント交換処理では、複数種類のポイントの中から遊技者が選択したポイントを付与してもよい。例えば、第一ポイント交換処理では、遊技者がポイント交換機18を操作し、ポイント交換機18に表示された複数種類のポイントのリストから所望するポイントを選択する。そして、遊技媒体と選択したポイントの交換が実行されるといった具合である。同様に、第二ポイント交換処理においても、複数種類のポイントの中から遊技者が選択したポイントを付与してもよい。すなわち、画面にポイントを選択する画面を設けてもよい。
【0140】
さらにこの場合、ポイント交換処理では、遊技媒体ではなく一のポイントと引き換えに、他の一のポイントを付与するポイント間交換処理を実行してもよい。例えば、所定のポイントAと引き換えに、所定のポイントB、所定のポイントC、所定のポイントDから選択される一のポイントを付与してもよい。
【0141】
また、この場合、会員カード8に記憶されるポイント情報は、複数種類のポイントのそれぞれの所有数(所有量)を示す情報が含まれる。また、遊技システム1は、一又は複数のポイント管理会社5が、一又は複数の遊技場2、及び、一又は複数の他の会社(仮想現実サービス管理会社3、媒体管理会社4、金銭管理会社6、提携会社7)と連携して構築されてもよい。そして、ポイント管理会社5は、一又は複数種類のポイントを管理してもよい。すなわち、遊技システム1の一のポイント管理会社5が一又は複数種類のポイントを管理する他、遊技システム1の複数のポイント管理会社5がそれぞれ別のポイントを管理してもよい。このとき、複数のポイント管理会社5のそれぞれが1種類のポイントを管理してもよく、複数種類のポイントを管理してもよい。この他、1種類のポイントを管理するポイント管理会社5と複数種類のポイントを管理するポイント管理会社5が混在していてもよい。
【0142】
なお、上記した仮想現実サービスの提供は、遊技者の自宅等の他、遊技場2や仮想現実サービス管理会社3が街中に設置したブース等で受けられるものとしてもよい。この場合、上記したユーザデバイス50は、遊技場2が有する機器(遊技場機器)や、仮想現実サービス管理会社3が有する機器(仮想現実サービス管理側機器)としてもよい。また、仮想現実サービスの提供を受けられるブースを遊技場2内に設置することも考えられる。
【0143】
上記した実施形態では、ポイント交換機18が現実でのポイント交換処理に使用するポイント交換手段(ポイント交換用機器)と、現実での遊技媒体貸出処理に使用する遊技媒体貸出手段(遊技媒体貸出用機器)を兼ねる構成としたが、これらは別々の機器としてもよい。すなわち、ポイント交換手段として機能する機器と、遊技媒体貸出手段として機能する機器は、一体(1つの機器)であってもよく、別体(別々の機器)であってもよい。現実の所定の場所、すなわち、現実でポイント交換処理、遊技媒体貸出処理を行う場所に配される機器であればよい。
【符号の説明】
【0144】
1 遊技システム
3 仮想現実サービス管理会社
7 提携会社
27 仮想現実提供サーバ(遊技空間再現装置、仮想空間作成部、反映部)
28 仮想現実サービス管理サーバ(遊技空間再現装置、反映部)
36 媒体管理サーバ(遊技空間再現装置、反映部)
39 ポイント管理サーバ
50 ユーザデバイス(遊技空間再現装置、反映部)
50b 操作装置(動作情報取得部)
60 ユーザオブジェクト(第1アバター)
66 第1仮想空間(仮想空間)
70 第2仮想空間(仮想空間)
75 仮想計測装置
78 仮想遊技機
83 他ユーザオブジェクト(第1アバター)
84 従業員オブジェクト(第2アバター)
90 仮想一時貯留部(仮想遊技媒体導入部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14