(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014373
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
A61H7/00 323H
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116875
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000112406
【氏名又は名称】ファミリーイナダ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】稲田 二千武
【テーマコード(参考)】
4C100
【Fターム(参考)】
4C100AD11
4C100AF03
4C100BA01
4C100BB05
4C100CA06
4C100CA09
4C100DA05
4C100DA10
(57)【要約】
【課題】安価な製造コストでマッサージ機の背凭れ部とフットレストをリクライニングさせることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【解決手段】
座部と、背凭れ部と、フットレスト部と、を有するマッサージ機であり、前記背凭れ部と前記フットレスト部は、揺動機構を介して連結されており、前記揺動機構は、リンク部材と、前記リンク部材の前側又は後側に設けられた駆動部とで構成されており、前記駆動部を駆動させることで、前記背凭れ部を前方へ移動させつつ前記フットレスト部を後方へ移動させ、又は、前記背凭れ部を後方へ移動させつつ前記フットレスト部を前方へ移動させることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部と、背凭れ部と、フットレスト部と、を有するマッサージ機であり、
前記背凭れ部と前記フットレスト部は、揺動機構を介して連結されており、
前記揺動機構は、
リンク部材と、
前記リンク部材の前側又は後側に設けられた駆動部とで構成されており、
前記駆動部を駆動させることで、前記背凭れ部を前方へ移動させつつ前記フットレスト部を後方へ移動させ、又は、前記背凭れ部を後方へ移動させつつ前記フットレスト部を前方へ移動させることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
前記駆動部は、
前記リンク部材の前側に位置し、前記リンク部材を後方へ移動させる前側駆動部と、
前記リンク部材の後側に位置し、前記リンク部材を前方へ移動させる後側駆動部と、で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のマッサージ機。
【請求項3】
前記駆動部は、エアセルで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項4】
前記座部は、前記座部を支持する基台に取り付けられており、
前記基台には、前記背凭れ部の揺動範囲を規制する揺動規制部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項5】
前記駆動部は、前記揺動規制部に設けられていることを特徴とする請求項4に記載のマッサージ機。
【請求項6】
前記揺動機構は、左右一対設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項7】
前記フットレスト部は、
フットレスト本体と、
本体支持部と、で構成されており、
前記揺動機構は、前記背凭れ部と前記本体支持部とに亘って取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマッサージ機。
【請求項8】
前記フットレスト本体と前記本体支持部との間には、前記フットレスト本体を前記本体支持部から離反する方向に移動させるための第三駆動部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のマッサージ機。
【請求項9】
前記第三駆動部は、エアセルにより構成されていることを特徴とする請求項8に記載のマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、背凭れ部の後部に設けられた起伏用袋体を膨張収縮させることにより背凭れ部を起伏させたり、脚載置台の後部に設けられた回動用袋体(回動手段)を膨張収縮させることにより脚載置台を回動させたりすることのできる椅子型マッサージ機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の椅子型マッサージ機にあっては、起伏させようとする背凭れ部や回動させようとする脚載置台などの各所にそれぞれ袋体を設ける必要があり、部品点数が増え、製造コストが高くなってしまうという問題がある。
そこで本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、安価な製造コストで背凭れ部とフットレスト部を連動してリクライニングさせることができるマッサージ機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、座部と、背凭れ部と、フットレスト部と、を有するマッサージ機であり、前記背凭れ部と前記フットレスト部は、揺動機構を介して連結されており、前記揺動機構は、リンク部材と、前記リンク部材の前側又は後側に設けられた駆動部とで構成されており、前記駆動部を駆動させることで、前記背凭れ部を前方へ移動させつつ前記フットレスト部を後方へ移動させ、又は、前記背凭れ部を後方へ移動させつつ前記フットレスト部を前方へ移動させることを特徴とする。
このような構成とすることにより、安価な製造コストで背凭れ部とフットレスト部をリクライニングさせることができる。
【0006】
また、前記駆動部は、前記リンク部材の前側に位置し、前記リンク部材を後方へ移動させる前側駆動部と、前記リンク部材の後側に位置し、前記リンク部材を前方へ移動させる後側駆動部と、で構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、後側駆動部を駆動させることで背凭れ部を後方へ倒すことができ、前側駆動部を駆動させることで背凭れを前方へ起こすことができる。
【0007】
また、前記駆動部は、エアセルで構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、駆動部を省スペース化することができる。
【0008】
また、前記座部は、前記座部を支持する基台に取り付けられており、前記基台には、前記背凭れ部の揺動範囲を規制する揺動規制部が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、背凭れ部が前方又は後方へ倒れすぎないよう揺動範囲を規制することができる。
【0009】
また、前記駆動部は、前記揺動規制部に設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、駆動部を省スペース化することができる。
【0010】
また、前記揺動機構は、左右一対設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、より安定させた状態で背凭れ部とフットレスト部をリクライニングさせることができる。
【0011】
また、前記フットレスト部は、フットレスト本体と、本体支持部と、で構成されており、前記揺動機構は、前記背凭れ部と前記本体支持部とに亘って取り付けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、揺動機構が大型化するのを防ぐことができる。
【0012】
また、前記フットレスト本体と前記本体支持部との間には、前記フットレスト本体を前記本体支持部から離反する方向に移動させるための第三駆動部が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、フットレスト本体をより上方へ回動させることができる。
【0013】
また、前記第三駆動部は、エアセルにより構成されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、簡単な構成でフットレスト本体を上方に回動させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、安価な製造コストで背凭れ部とフットレスト部をリクライニングさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るマッサージ機の斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るマッサージ機を左から見た図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るマッサージ機を左から見た図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るマッサージ機のフレームを示す図であり、(a)は左から見た図であり、(b)は斜視図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るマッサージ機を平面から見た図であり、(a)は揺動機構が左右一対設けられた状態を示す図であり、(b)は揺動機構が中央に1つ設けられた状態を示す図である。
【0016】
[マッサージ機の全体構成]
以下、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1の全体構成について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るマッサージ機1の斜視図である。
図2は本発明の一実施形態に係るマッサージ機1を左から見た図である。より詳しくは、背凭れ部4とフットレスト部5をリクライニング状態にする前(背凭れ部4が起き上がり、フットレスト部5が下がった状態)を示す図であり、構造をわかりやすくするために肘掛部2を透過させた状態としている。
図3は本発明の一実施形態に係るマッサージ機1を左から見た図である。より詳しくは、背凭れ部4とフットレスト部5をリクライニングさせた状態(背凭れ部4が後方へ倒れ、フットレスト部5が上がった状態)を示す図であり、構造をわかりやすくするために肘掛部2を透過させた状態としている。
【0017】
図1~
図4に示すとおり、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1は、使用者が着座する座部3と、座部3の後部に設けられた使用者が凭れる背凭れ部4と、座部3の前部に設けられたフットレスト部5と、座部3の側部に取り付けられた肘掛部2と、で構成されている。また、マッサージ機1は、使用者に対してマッサージを行なうマッサージ部M(マッサージ機構6、臀部マッサージ部3a、脚マッサージ部5a)と、マッサージ機1が有する機能を制御する制御部7と、マッサージ機1の各種操作を行うためのコントローラ8と、を有している。なお、マッサージ部Mの配置は一例であり、この限りではない。
【0018】
[座部の構成]
図1~3に示すとおり、座部3は、左右方向に横長の長方形の部材で構成されている。座部3は、後述する基台F3に対して取り付けられている。より詳しくは、基台F3は、フレームFを構成している一部であり、第3フレームF3のことを指している。つまり、基台F3と第3フレームF3は、同じものである。座部3の上面には、座部3に着座した使用者の臀部をマッサージするための臀部マッサージ部3a(マッサージ部M)が左右一対設けられている。臀部マッサージ部3aは、空気の給排気により膨張収縮するエアセルAで構成されている。なお、臀部マッサージ部3aは、左右それぞれ独立して膨張収縮することができるように構成されていることが好ましい。
また、座部3に配置するマッサージ部Mの構成は一例であり、この限りではない。例えば、座部3の側部に大腿部の側面をマッサージするための大腿部マッサージ部(図示せず)を設けてもよいし、座部3の前側に大腿部の背面をマッサージするための大腿部マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。また、臀部マッサージ部3aの大きさを変え、前後左右で対となるように合計4つ設けてもよい。
【0019】
[背凭れ部の構成]
図1~3に示すとおり、背凭れ部4は、使用者の上半身を支持する。背凭れ部4は、身長方向に長い長方形の部材で構成されている。背凭れ部4の内部には、ガイドレール16が設けられており(
図1参照)、ガイドレール16を介してマッサージ部M(マッサージ機構6)が設けられている。マッサージ機構6は、ガイドレール16に沿って上下に移動することができ、使用者の上半身をマッサージすることができるようになっている。背凭れ部4の前面はカバー部材(図示せず)により覆われており、マッサージ機構6は、カバー部材(図示せず)を介して座部3に着座した使用者の胴体背面(例えば、肩部や腰部など)をマッサージすることができるようになっている。なお、図示していないが、背凭れ部4の各所にマッサージ部Mとしてのエアセルを設けてもよい。
【0020】
背凭れ部4の側部、中央より下側には、左右方向に伸びる第1揺動軸C1が左右対となって設けられている。第1揺動軸C1は、フレームF(より詳しくは、第4フレームF4)に設けられた孔H1に挿入されている。つまり、背凭れ部4は、第1揺動軸C1を支点としてフレームFに対して前後方向にリクライニング(以下、単に移動という場合もある)することができるようになっている。
なお、背凭れ部4の前後方向へのリクライニングは、制御部7により、駆動部Pの駆動を制御することにより行われる。駆動部P、揺動機構L、制御部7については、後述する。
【0021】
[揺動機構の構成]
図2、3に示すとおり、揺動機構Lは、背凭れ部4を前方へ移動させつつフットレスト部5を後方へ移動させ、又は、背凭れ部4を後方へ移動させつつフットレスト部5を前方へ移動させるためのものである。揺動機構Lは、背凭れ部4と本体支持部50Bとに亘って取り付けられている。そうすることで、揺動機構Lが大型化するのを防ぐことができる。
【0022】
揺動機構Lは、複数の部材が組み合わされて構成されている。揺動機構Lは、背凭れ部4の下方に設けられた第1連結棒70と、第2連結棒71と、第1連結棒70と第2連結棒71を連結する第1連結部材C2と、第2連結棒71の端部に設けられた第2連結部材72と、で構成されている。第1連結棒70は、リンク部材70のことであり、第2連結棒71は、リンク部材71のことである。
なお、揺動機構Lは、駆動部Pの駆動により、動作するようになっている。駆動部Pについては、後述する。
【0023】
第1連結棒70は、背凭れ部4と第2連結棒71とを連結している。より詳しくは、背凭れ部4の下方に設けられた第1連結棒70は、一端が背凭れ部4の下方に対して取り付けられており、他端が第1連結部材C2に対して取り付けられている。第1連結棒70は、上下方向に伸びており、後方から前方に向かって傾斜している。第1連結部材C2は、第1連結棒70と第2連結棒71とを連結するための部材である。第1連結部材C2は、円柱状に形成されている。第1連結部材C2には、第1連結棒70の他端と、第2連結棒71の一端が取り付けられている。第2連結棒71は、第1連結部材C2に対して、回動自在となるように取り付けられている。
【0024】
第2連結棒71は、第1連結棒70とフットレスト部5とを連結している。より詳しくは、第1連結部材C2に取り付けられた第2連結棒71は、一端が第1連結部材C2に対して取り付けられており、他端がフットレスト部5(より詳しくは、フットレスト部5を構成する後側本体支持部52)に対して、第2連結棒71の他端に設けられた第2連結部材72を介して取り付けられている。第2連結棒71は、前後方向に伸びており、後方から前方に向かって上方に傾斜している。
【0025】
要するに、第1連結棒70は、第1連結部材C2を介して第2連結棒70と連結されている。第1連結棒70は背凭れ部4に端部が取り付けられ、第2連結棒70は、第2連結部材72を介してフットレスト部5に端部が取り付けられていることになる(背凭れ部4とフットレスト部5は、揺動機構Lを介して連結されている)。そうすることで、揺動機構L(第1連結棒70、第2連結棒71、第1連結部材C2、第2連結部材72)の働きにより、背凭れ部4の前後方向へのリクライニングに合わせて、フットレスト部5も移動することができる。
つまり、安価な製造コストで背凭れ部4とフットレスト部5をリクライニングさせることができる。
【0026】
[駆動部の構成]
駆動部Pは、空気の給排気により膨張収縮するエアセルAにより構成されている。駆動部PをエアセルAで構成することにより、駆動部Pが大型化してしまうのを防ぐことができ、駆動部Pの設置スペースを省スペース化することができる。また、駆動部Pは、2つ設けられている。詳しくは、リンク部材70(第1連結棒70)の前側に位置し、リンク部材70(第1連結棒70)を後方へ移動させる前側駆動部74と、リンク部材70(第1連結棒70)の後側に位置し、リンク部材70(第1連結棒70)を前方へ移動させる後側駆動部73と、の2つが設けられている。
【0027】
駆動部Pは、揺動規制部80,81に取り付けられている。より詳しくは、基台F3(第3フレームF3)に取り付けられた揺動規制部80には、前側駆動部74が取り付けられている。前側駆動部74(エアセルA)は、上下方向下側を支点として、駆動(膨張収縮)するように取り付けられている。
第4フレームF4に取り付けられた揺動規制部81には、後側駆動部73が取り付けられている。後側駆動部73(エアセルA)は、上下方向上側を支点として、駆動(膨張収縮)するように取り付けられている。
つまり、駆動部Pを揺動規制部80,81に取り付けることで、駆動部Pを省スペース化することができる。
【0028】
前側駆動部74を駆動させると、上方から下方に向かって前側駆動部74が駆動することになる。そうすると、前側駆動部74は、第1連結棒70と接触する。第1連結棒70は、前側駆動部74の駆動により、後方へ押し出されるように移動する。第1連結棒70は、背凭れ部4と連結されているため、背凭れ部4は、第1揺動軸C1を支点として前方へ移動する(前方へ起こす)こととなる。
後側駆動部73を駆動させると、下方から上方に向かって後側駆動部73が駆動することになる。そうすると、後側駆動部73は、第1連結棒70と接触する。第1連結棒70は、後側駆動部73の駆動により前方へ押し出されるように移動する。第1連結棒70は、背凭れ部4と連結されているため、背凭れ部4は、第1揺動軸C1を支点として後方へ移動する(後方へ倒す)こととなる。
【0029】
[フットレスト部の構成]
図1~3に示すとおり、フットレスト部5は、フットレスト本体50Aと、本体支持部50Bと、で構成されている。フットレスト本体50Aには、使用者の脚部を挿入可能な凹部5bが左右対となるように設けられている。凹部5bの左右両側の内壁には、使用者の脚部をマッサージするための脚マッサージ部5a(マッサージ部M)がそれぞれ設けられている。脚マッサージ部5aは、空気の給排気により膨張収縮するエアセルAで構成されている。より詳しくは、脚マッサージ部5aは、右側の凹部5bの左右両側の内壁にそれぞれ1つずつ、左側の凹部5bの左右両側の内壁にそれぞれ1つずつ設けられている。各脚マッサージ部5aは、それぞれ独立して膨張収縮することができるように構成されていることが好ましい。また、凹部5bの底面に使用者の足裏をマッサージするための足裏マッサージ部(図示せず)を設けてもよい。
【0030】
フットレスト部5は、座部3の前側に取り付けられている。より詳しくは、フットレスト部5の本体支持部50Bは、座部3の前側に設けられた左右方向に伸びる軸(図示せず)を介して、座部3に対して上下方向に移動可能に取り付けられている。本体支持部50Bは、複数の部材で構成されている。本体支持部50Bは、前側本体支持部51と、後側本体支持部52と、で構成されている。前側本体支持部51と後側本体支持部52との間には、フットレスト部5を上下方向に移動させるための第三駆動部53(駆動部P)が設けられている。第三駆動部53は、エアセルAにより構成されている。第三駆動部53(駆動部P)をエアセルAにより構成することで、簡単な構成でフットレスト部5を上方に移動(回動)させることができる。
【0031】
より詳しくは、フットレスト部5の背面と、本体支持部50Bを構成する前側本体支持部51の前面とは、一体的に動作するように固定されている。第三駆動部53(駆動部P,エアセルA)は、上下方向上側を支点として膨張するように、後側本体支持部52に対して取り付けられている。また、後側本体支持部52の背面には、揺動機構Lが取り付けられている。
つまり、フットレスト部5は、揺動機構Lにより、背凭れ部4のリクライニングに連動して上下に移動することができる。また、第三駆動部53(駆動部P,エアセルA)の駆動により、後側本体支持部52に対して離反する方向にフットレスト部5を移動させることができる(フットレスト部5をより上方へ回動させることができる。)。
【0032】
[制御部の構成]
図4は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1のブロック図である。
図4に示すとおり、マッサージ機1には、マッサージ機構6や給排気装置9を動作させるためのマイクロコンピュータ等からなる制御部7が設けられている。この制御部7は、座部3の下方に設けられており、使用者が操作するコントローラ8と接続されている。使用者がコントローラ8を操作することで各種マッサージ動作が行われるようになっている。
【0033】
[給排気装置の構成]
給排気装置9は、エアセルA(前側駆動部74(P),後側駆動部73(P)など)にエアを給気するためのポンプ9aと、エアセルAとポンプ9aとを接続するバルブ9bとで構成されている。バルブ9bをON,OFFすることで、エアセルAにエアを給排気させることができる。
つまり、バルブ9bをONにするとすることで、エアの流路を確保することができ、エアセルAにエアを給気させることができる。また、バルブ9bをOFFすることで、エアセルAに入っているエアを排気させることができる。なお、駆動部P(前側駆動部74,後側駆動部73)に接続されたバルブ9bは、保持弁で構成されていることが好ましい。バルブ9bを保持弁で構成することで、マッサージ機1の電源をOFFにしても、バルブ9bの働きにより、駆動部P(前側駆動部74,後側駆動部73)は排気せず、膨張状態を維持することができる。
【0034】
[フレームの構成]
図5は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1のフレームFを示す図であり、(a)は左から見た図であり、(b)は斜視図である。
図5に示すとおり、フレームFは、複数の部材が組み合わされて構成されている。より詳しくは、フレームFは、前後方向に伸びる棒状の第1フレームF1と、上下方向に伸びる棒状の第2フレームF2と、第2フレームF2に取り付けられる板状の第3フレームF3(基台F3)と、上下方向に伸びる棒状の第4フレームF4と、左右方向に伸びる棒状の第5フレームF5と、からなる。
【0035】
第1フレームF1は、所定間隔を空けて左右で一対設けられている。左右一対の第1フレームF1の間には、第5フレームF5が設けられている。より詳しくは、第5フレームF5は、第1フレームF1の前側と後側にそれぞれ設けられている(第5フレームF5は、前後で一対設けられている)。
つまり、第1フレームF1と第5フレームF5とがローマ数字の2の型となるように互いに組み合わせられている。
【0036】
そして、第1フレームF1の前側には、上下方向に伸びる第2フレームF2が左右一対取り付けられている。より詳しくは、第1フレームF1の上面であって、第1フレームF1と前側の第5フレームF5とが接合する箇所に第2フレームF2が取り付けられている。第2フレームF2の上方(第1フレームF1と反対側)には、第3フレームF3が取り付けられている。第3フレームF3は、板状の部材で構成されている。第3フレームF3は、座部3を取り付けるための基台F3でもある。第3フレームF3の上面には、座部3が取り付けられる。第3フレームF3の後方には、前側駆動部74を取り付けるための第1支持部材80が設けられている。第1支持部材80は、板状の部材で構成されており、左右方向における長さは、第3フレームF3の左右方向の長さと同じ長さとなっている。第1支持部材80は、揺動規制部80としての役割を担っている。揺動規制部80の働きにより、背凭れ部4が後方へ倒れすぎないよう揺動範囲を規制することができる。
【0037】
また、第1フレームF1の後側には、上下方向に伸びる第4フレームF4が左右一対取り付けられている。より詳しくは、第1フレームF1の上面であって、第1フレームF1と後側の第5フレームF5とが接合する箇所に第4フレームF4が取り付けられている。第4フレームF4は、略L字型のような形状となっている。
図5(a)に示すように、第4フレームF4の前後方向における寸法は、上側と下側とで異なっている。より詳しくは、第4フレームF4の上側における前後方向の寸法が、第4フレームF4の下側における前後方向の寸法よりも大きくなっている。なお、第4フレームF4の前後方向の寸法は、一例であり、この限りではない。例えば、上側と下側の寸法は同じであってもよい。
【0038】
第4フレームF4の上側には、左右方向に挿通した孔H1が設けられている。この孔H1に、背凭れ部4に設けられた第1揺動軸C1が挿通される。つまり、制御部7により揺動機構Lの駆動を制御(より詳しくは、駆動部Pの駆動を制御)することで、背凭れ部4とフットレスト部5を連動してリクライニングさせることができる。
【0039】
第4フレームF4の下側には、後側駆動部73を取り付けるための第2支持部材81が設けられている。第2支持部材81は、板状の部材で構成されており、左右方向における長さは、左右の第4フレームF4の間の距離と同じ長さとなっている。つまり、第2支持部材81は、左側に位置する第4フレームF4と、右側に位置する第4フレームF4との間亘って取り付けられることになる。第2支持部材81を取り付けることで、第4フレームF4の左右方向における強度を確保することができる。第2支持部材81は、揺動規制部81としての役割を担っている。揺動規制部81の働きにより、背凭れ部4が前方へ起きすぎないよう揺動範囲を規制することができる。
【0040】
なお、各フレームF1~F5の組み合わせ方は一例であり、この限りではない。例えば、第2フレームF2と第4フレームF4との間に別のフレームを組み合わせてもよいし、第1支持部材80と第2支持部材81との間に別のフレームを組み合わせてもよい。各フレームF1~F5の組み合わせ方を変えたり、組み合わせるフレームの個数を変更したりすることで、フレームF自体の強度を確保することができる。
【0041】
[背凭れ部とフットレスト部の連動]
背凭れ部4が前方に位置している状態から後方へ移動させる場合について、説明する。背凭れ部4が前方に位置している状態(
図2参照)のとき、前側駆動部74(駆動部P)は駆動した状態となっており、後側駆動部73(駆動部P)は駆動していない状態となっている。より詳しくは、前側駆動部74としてのエアセルAは膨張した状態となっており、後側駆動部73としてのエアセルAは収縮した状態となっている。
このとき、第1連結棒70は、前側駆動部74(駆動部P)の駆動により、後方へ押された形となっている。
【0042】
この状態から、前側駆動部74(駆動部P)の駆動を停止させるとともに、後側駆動部73(駆動部P)を駆動させる。より詳しくは、前側駆動部74としてのエアセルAを収縮させるとともに、後側駆動部73としてのエアセルAを膨張させる。
そうすることで、前側駆動部74(駆動部P)の駆動により後方へ押されていた第1連結棒70が徐々に前方へ移動を開始する。より詳しくは、前側駆動部74(駆動部P)の駆動を停止させるタイミングに合わせて、後側駆動部73(駆動部P)が駆動される(エアセルAが膨張する)ため、第1連結棒70は、後側駆動部73(駆動部P)の駆動により、徐々に前方に移動することとなる。
なお、前側駆動部74(駆動部P)、後側駆動部73(駆動部P)の駆動量(エアセルAの膨張量)を調整することで、背凭れ部4を使用者の任意の位置に調整することができる。
【0043】
第1連結棒70の下端は、第1連結部材C2を介して第2連結棒71と連結されている。そのため、第2連結棒71は、第1連結棒70の前方への移動に伴って、前方に押し出されるように移動する。第2連結棒71は、第2連結部材72を介してフットレスト部5と連結されている。そのため、フットレスト部5は、第2連結部材72の前方への移動に伴って、座部3とフットレスト部5との連結部を支点として上方へ移動することとなる。
つまり、駆動部P(前側駆動部74、後側駆動部73)の駆動を制御することで、背凭れ部4とフットレスト部5を連動してリクライニングさせることができる。
【0044】
背凭れ部4が後方に位置している状態から前方へ移動させる場合について、説明する。背凭れ部4が後方に位置している状態(
図3参照)のとき、後側駆動部73(駆動部P)は駆動した状態となっており、前側駆動部74(駆動部P)は駆動していない状態となっている。より詳しくは、後側駆動部73としてのエアセルAは膨張した状態となっており、前側駆動部74としてのエアセルAは収縮した状態となっている。
このとき、第1連結棒70は、後側駆動部73(駆動部P)の駆動により、前方へ押された形となっている。
【0045】
この状態から、後側駆動部73(駆動部P)の駆動を停止させるとともに、前側駆動部74(駆動部P)を駆動させる。より詳しくは、後側駆動部73としてのエアセルAを収縮させるとともに、前側駆動部74としてのエアセルAを膨張させる。
そうすることで、後側駆動部73(駆動部P)の駆動により前方へ押されていた第1連結棒70が徐々に後方へ移動を開始する。より詳しくは、後側駆動部73(駆動部P)の駆動を停止させるタイミングに合わせて、前側駆動部74(駆動部P)が駆動される(エアセルAが膨張)ため、第1連結棒70は、前側駆動部74(駆動部P)の駆動により、徐々に後方に移動することとなる。
【0046】
第1連結棒70の下端は、第1連結部材C2を介して第2連結棒71と連結されている。そのため、第2連結棒71は、第1連結棒70の後方への移動に伴って、後方に押し戻されるように移動する。第2連結棒71は、第2連結部材72を介してフットレスト部5と連結されている。そのため、フットレスト部5は、第2連結部材72の後方への移動に伴って、座部3とフットレスト部5との連結部を支点として下方へ移動することとなる。
つまり、駆動部P(前側駆動部74、後側駆動部73)の駆動を制御することで、背凭れ部4とフットレスト部5を連動してリクライニングさせることができる。
【0047】
図6は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機1を平面から見た図であり、(a)は揺動機構Lが左右一対設けられた状態を示す図であり、(b)は揺動機構Lが中央に1つ設けられた状態を示す図である。より詳しくは、揺動機構Lの構成をわかりやすくするために、マッサージ機1から肘掛部2と座部3を取り外した状態(フレームFが剥き出しの状態)でマッサージ機1を平面から見た図である。なお、
図6(a)と
図6(b)の違いは、揺動機構Lの数と揺動機構Lの取付位置である。揺動機構Lの構成は、前述のとおりであるため、説明を省略する。揺動機構Lの数と揺動機構Lの取付位置について説明する。
【0048】
図6(a)に示すとおり、揺動機構Lは、2つ設けられている。具体的には、マッサージ機1の中心から見て左右で対称となるように左右一対となって設けられている。揺動機構Lを左右対称に2つ設けることで、揺動機構Lがフットレスト部5から受ける負荷を分散させることができる。また、揺動機構Lを2つ設けることで、揺動機構Lが1つの場合と比べて、より安定させた状態で背凭れ部4とフットレスト部5を連動してリクライニングさせることができる。
なお、左右の揺動機構Lの間隔は、一例であり、この限りではない。例えば、左右の揺動機構Lの間隔を
図6(a)の状態より広くしてもよいし、狭くしてもよい。左右の揺動機構Lの間隔を広くすれば、左右の揺動機構Lの間隔が狭い場合と比べて、より安定させた状態で背凭れ部4とフットレスト部5を連動してリクライニングさせることができる。左右の揺動機構Lの間隔を狭くすれば、駆動部P(エアセルA)の大きさを大きくすることで、駆動部Pの個数を削減することができ、製造コストを抑えることができる。
【0049】
図6(b)に示すとおり、揺動機構Lは、1つ設けられている。具体的には、マッサージ機1の中心に1つ設けられている。マッサージ機1の中心に揺動機構Lを1つ設けることで、揺動機構Lを2つ設ける場合と比べて、揺動機構Lの部品点数を削減することができ、より安価なコストで製造することができる。
【0050】
揺動機構Lの構成については、一例でありこの限りではない。例えば、パンタグラフのようなリンク構造を採用してもよいし、偏心カムやギア、ラックなどを組み合わせた構造を採用してもよい。また、揺動機構Lの大きさ(第1連結棒70,第2連結棒71の直径など)についても、一例であり、この限りではない。背凭れ部4とフットレスト部5を連動してリクライニングさせることができる構造であれば、どのような構造であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明は、安価な製造コストで背凭れ部とフットレスト部を連動してリクライニングさせることができるマッサージ機に適用できる。
【符号の説明】
【0052】
マッサージ機 1
座部 3
背凭れ部 4
フットレスト部 5
リンク部材 70,71
揺動機構 L
駆動部 P