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特開2025-143853有機溶剤回収装置、基板処理装置および有機溶剤回収方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025143853
(43)【公開日】2025-10-02
(54)【発明の名称】有機溶剤回収装置、基板処理装置および有機溶剤回収方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20250925BHJP
【FI】
H01L21/304 648K
H01L21/304 651B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043314
(22)【出願日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 通矩
(72)【発明者】
【氏名】吉田 幸史
(72)【発明者】
【氏名】植村 知浩
(72)【発明者】
【氏名】南 翔耀
(72)【発明者】
【氏名】上田 悠介
【テーマコード(参考)】
5F157
【Fターム(参考)】
5F157AA73
5F157AA79
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB33
5F157AB49
5F157AB90
5F157AC03
5F157BB22
5F157CB02
5F157CB13
5F157CB14
5F157CD44
5F157CE44
5F157CF42
5F157CF74
5F157DB34
5F157DB41
(57)【要約】
【課題】有機溶剤および水の混合液を脱水器およびフィルタのそれぞれに適した条件で循環させることができる技術を提供する。
【解決手段】有機溶剤回収装置は、回収タンクTk1と、脱水循環部60と、浄化循環部80とを備える。回収タンクTkは、基板を処理する処理ユニット4から排出された有機溶剤および水の混合液を貯留する。脱水循環部60は、回収タンクTk1に接続された脱水用循環配管61、および、混合液から水を分離する循環脱水器62を含み、脱水用循環配管61を通じた循環により、有機溶剤の溶剤濃度を高めた混合液である第1濃縮液を生成する。浄化循環部80は、第1濃縮液を循環させる浄化用循環配管81、および、第1濃縮液の不純物を捕捉するフィルタ82を含み、浄化用循環配管81を通じて第1濃縮液を循環させて、第1濃縮液における不純物の含有率を低減させた再利用液を生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する処理ユニットから排出された有機溶剤および水の混合液を貯留する回収タンクと、
前記回収タンクに接続された脱水用循環配管、および、前記脱水用循環配管に設けられ、かつ、前記混合液から水を分離する循環脱水器を含み、前記脱水用循環配管を通じた循環により、前記有機溶剤の溶剤濃度を高めた前記混合液である第1濃縮液を生成する脱水循環部と、
前記第1濃縮液を循環させる浄化用循環配管、および、前記浄化用循環配管に設けられ、かつ、前記第1濃縮液の不純物を捕捉するフィルタを含み、前記浄化用循環配管を通じて前記第1濃縮液を循環させて、前記不純物の含有率を低減させた前記第1濃縮液である再利用液を生成する浄化循環部と
を備える、有機溶剤回収装置。
【請求項2】
請求項1に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記循環脱水器は、水を通過させる分離膜を有する膜分離器を含む、有機溶剤回収装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記循環脱水器は、前記混合液を加熱する脱水温調器を含む、有機溶剤回収装置。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記浄化循環部は、前記浄化用循環配管を流れる前記第1濃縮液を加熱または冷却する浄化温調器をさらに含む、有機溶剤回収装置。
【請求項5】
請求項4に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記浄化温調器は、前記浄化用循環配管を流れる前記第1濃縮液を冷却する、有機溶剤回収装置。
【請求項6】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置であって、
浄化タンクと、
前記回収タンクからの前記第1濃縮液を前記浄化タンクに向かって流す第1送液配管と
をさらに備え、
前記浄化用循環配管は、前記浄化タンクからの前記第1濃縮液を前記浄化タンクに戻す、有機溶剤回収装置。
【請求項7】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記処理ユニットからの前記混合液の回収先を第1の前記回収タンクと第2の前記回収タンクとの間で切り替える回収切替部をさらに備え、
第1の前記脱水用循環配管は、前記第1の前記回収タンクからの前記混合液を前記第1の前記回収タンクに戻し、
第2の前記脱水用循環配管は、前記第2の前記回収タンクからの前記混合液を前記第2の前記回収タンクに戻す、有機溶剤回収装置。
【請求項8】
請求項7に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記第1の前記脱水用循環配管は、
前記第1の前記回収タンクに接続された上流端部を有する第1上流配管と、
前記第1の前記回収タンクに接続された下流端部を有する第1下流配管と、
前記第1上流配管と前記第1下流配管との間に接続された共通循環配管と
を含み、
第2の前記脱水用循環配管は、
前記第2の前記回収タンクに接続された上流端部を有する第2上流配管と、
前記第2の前記回収タンクに接続された下流端部を有する第2下流配管と、
前記第2上流配管と前記第2下流配管との間に接続された前記共通循環配管と
を含み、
前記循環脱水器は前記共通循環配管に設けられており、
前記脱水循環部は、前記第1の前記脱水用循環配管を通じた循環と、前記第2の前記脱水用循環配管を通じた循環とを切り替える循環切替バルブ部をさらに含む、有機溶剤回収装置。
【請求項9】
請求項6に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記回収タンクからの供給先を第1の前記浄化タンクと第2の前記浄化タンクとの間で切り替える濃縮液供給部をさらに備え、
第1の前記浄化用循環配管は、前記第1の前記浄化タンクからの前記第1濃縮液を前記第1の前記浄化タンクに戻し、
第2の前記浄化用循環配管は、前記第2の前記浄化タンクからの前記第1濃縮液を前記第2の前記浄化タンクに戻し、
第1の前記フィルタは前記第1の前記浄化用循環配管に設けられており、
第2の前記フィルタは前記第2の前記浄化用循環配管に設けられている、有機溶剤回収装置。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記循環脱水器によって前記混合液から分離された水を主成分とする分離流体が流れる分離排出配管と、
前記分離排出配管に設けられ、前記分離流体に含まれる前記有機溶剤を分解する分解器と
を備える、有機溶剤回収装置。
【請求項11】
請求項10に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記分解器よりも上流側において前記分離排出配管に設けられ、前記分離流体に含まれる前記有機溶剤の蒸気を凝縮させる凝縮器をさらに備え、
前記分解器は液体の前記有機溶剤を電気分解する、有機溶剤回収装置。
【請求項12】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記循環脱水器によって前記混合液から分離された水を主成分とする分離流体が流れる分離排出配管と、
前記分離排出配管に設けられ、前記分離流体から前記有機溶剤を分離する分離脱水器と、
前記分離脱水器に接続され、前記分離脱水器よって前記分離流体から分離された前記有機溶剤を含む第2濃縮液を、前記第1濃縮液に合流させる復帰配管と
をさらに備える、有機溶剤回収装置。
【請求項13】
請求項12に記載の有機溶剤回収装置であって、
前記分離脱水器は、
前記分離排出配管に設けられ、前記有機溶剤を吸着する吸着フィルタと、
前記吸着フィルタを加熱して、前記吸着フィルタから前記有機溶剤を放出させ、前記有機溶剤を前記復帰配管に流出させる加熱部と、
前記復帰配管に設けられた凝縮器と
を含む、有機溶剤回収装置。
【請求項14】
請求項13に記載の有機溶剤回収装置であって、
第1の前記加熱部は第1の前記吸着フィルタを加熱し、
第2の前記加熱部は第2の前記吸着フィルタを加熱し、
前記有機溶剤回収装置は、
前記分離流体が流れる前記吸着フィルタを、前記第1の前記吸着フィルタと前記第2の前記吸着フィルタとの間で切り替える脱水切替部と、
前記凝縮器に連通する前記吸着フィルタを、前記第1の前記吸着フィルタと、前記第2の前記吸着フィルタとの間で切り替える放出切替部と
を含む、有機溶剤回収装置。
【請求項15】
請求項1または請求項2に記載の有機溶剤回収装置と、
前記処理ユニットと、
前記再利用液が供給されて、前記再利用液を貯留する供給タンクと、
前記供給タンクと前記処理ユニットとを接続する第2送液配管と
を備える、基板処理装置。
【請求項16】
有機溶剤および水の混合液から水を分離する循環脱水器を含む脱水循環経路を通じて、前記混合液を循環させて、前記混合液における前記有機溶剤の溶剤濃度を高めた第1濃縮液を生成する脱水循環工程と、
前記第1濃縮液における不純物を捕捉するフィルタを含む浄化循環経路を通じて、前記第1濃縮液を循環させて、前記第1濃縮液における前記不純物の含有率を低減させた再利用液を生成する浄化循環工程と
を備える、有機溶剤回収方法。
【請求項17】
請求項16に記載の有機溶剤回収方法であって、
前記脱水循環工程において、前記混合液を加熱し、前記浄化循環工程において、前記第1濃縮液を冷却する、有機溶剤回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、有機溶剤回収装置、基板処理装置および有機溶剤回収方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板を処理する処理ユニットから排出された含水IPA(イソプロピルアルコール)を回収するIPA回収システムが開示されている。IPA回収システムは、貯留タンクと、循環配管と、ポンプと、脱水ユニットと、フィルタとを含んでいる。貯留タンクには、処理ユニットからの含水IPAが供給される。循環配管は貯留タンクに接続されており、貯留タンクからの含水IPAを貯留タンクに戻す。ポンプは循環配管に設けられており、含水IPAを循環配管の上流端から下流端に向かって送液する。フィルタは循環配管に設けられており、含水IPA中の異物を除去する。脱水ユニットは循環配管に設けられており、含水IPAから水分を除去する。
【0003】
回収システムは、貯留タンクおよび循環配管を含む循環経路を通じて、含水IPAを循環させる。この循環により、含水IPAはフィルタおよび脱水ユニットを通過する。これにより、循環中の含水IPAのIPA濃度は高くなり、また、含水IPA中の異物は低減する。つまり、この循環によって、IPA濃度が高く、かつ、清浄な含水IPAが貯留タンクに貯留される。この貯留タンク内の含水IPAは再び処理ユニットに供給される。これにより、IPAの廃棄量を低減させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-41505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
同一循環経路上で脱水ユニットおよびフィルタが設けられている場合には、脱水ユニットおよびフィルタの両方に適した条件(例えば、圧力、流量または温度)で含水IPAを循環させることは難しい。このため、脱水ユニットの水分除去による溶剤濃度の効率的な向上、および、フィルタによる効率的な清浄化を両立させることは困難であった。
【0006】
そこで、本開示は、有機溶剤および水の混合液を脱水器およびフィルタのそれぞれに適した条件で循環させることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様は、有機溶剤回収装置であって、基板を処理する処理ユニットから排出された有機溶剤および水の混合液を貯留する回収タンクと、前記回収タンクに接続された脱水用循環配管、および、前記脱水用循環配管に設けられ、かつ、前記混合液から水を分離する循環脱水器を含み、前記脱水用循環配管を通じた循環により、前記有機溶剤の溶剤濃度を高めた前記混合液である第1濃縮液を生成する脱水循環部と、前記第1濃縮液を循環させる浄化用循環配管、および、前記浄化用循環配管に設けられ、かつ、前記第1濃縮液の不純物を捕捉するフィルタを含み、前記浄化用循環配管を通じて前記第1濃縮液を循環させて、前記不純物の含有率を低減させた前記第1濃縮液である再利用液を生成する浄化循環部とを備える。
【0008】
第2の態様は、第1の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記循環脱水器は、水を通過させる分離膜を有する膜分離器を含む。
【0009】
第3の態様は、第1または第2の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記循環脱水器は、前記混合液を加熱する脱水温調器を含む。
【0010】
第4の態様は、第1または第2の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記浄化循環部は、前記浄化用循環配管を流れる前記第1濃縮液を加熱または冷却する浄化温調器をさらに含む。
【0011】
第5の態様は、第4の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記浄化温調器は、前記浄化用循環配管を流れる前記第1濃縮液を冷却する。
【0012】
第6の態様は、第1から第5のいずれか一つの態様にかかる有機溶剤回収装置であって、浄化タンクと、前記回収タンクからの前記第1濃縮液を前記浄化タンクに向かって流す第1送液配管とをさらに備え、前記浄化用循環配管は、前記浄化タンクからの前記第1濃縮液を前記浄化タンクに戻す。
【0013】
第7の態様は、第1から第6のいずれか一つの態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記処理ユニットからの前記混合液の回収先を第1の前記回収タンクと第2の前記回収タンクとの間で切り替える回収切替部をさらに備え、第1の前記脱水用循環配管は、前記第1の前記回収タンクからの前記混合液を前記第1の前記回収タンクに戻し、第2の前記脱水用循環配管は、前記第2の前記回収タンクからの前記混合液を前記第2の前記回収タンクに戻す。
【0014】
第8の態様は、第7の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記第1の前記脱水用循環配管は、前記第1の前記回収タンクに接続された上流端部を有する第1上流配管と、前記第1の前記回収タンクに接続された下流端部を有する第1下流配管と、前記第1上流配管と前記第1下流配管との間に接続された共通循環配管とを含み、第2の前記脱水用循環配管は、前記第2の前記回収タンクに接続された上流端部を有する第2上流配管と、前記第2の前記回収タンクに接続された下流端部を有する第2下流配管と、前記第2上流配管と前記第2下流配管との間に接続された前記共通循環配管とを含み、前記循環脱水器は前記共通循環配管に設けられており、前記脱水循環部は、前記第1の前記脱水用循環配管を通じた循環と、前記第2の前記脱水用循環配管を通じた循環とを切り替える循環切替バルブ部をさらに含む。
【0015】
第9の態様は、第1から第8のいずれか一つの態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記回収タンクからの供給先を第1の前記浄化タンクと第2の前記浄化タンクとの間で切り替える濃縮液供給部をさらに備え、第1の前記浄化用循環配管は、前記第1の前記浄化タンクからの前記第1濃縮液を前記第1の前記浄化タンクに戻し、第2の前記浄化用循環配管は、前記第2の前記浄化タンクからの前記第1濃縮液を前記第2の前記浄化タンクに戻し、第1の前記フィルタは前記第1の前記浄化用循環配管に設けられており、第2の前記フィルタは前記第2の前記浄化用循環配管に設けられている。
【0016】
第10の態様は、第1から第9のいずれか一つの態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記循環脱水器によって前記混合液から分離された水を主成分とする分離流体が流れる分離排出配管と、前記分離排出配管に設けられ、前記分離流体に含まれる前記有機溶剤を分解する分解器とを備える。
【0017】
第11の態様は、第10の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記分解器よりも上流側において前記分離排出配管に設けられ、前記分離流体に含まれる前記有機溶剤の蒸気を凝縮させる凝縮器をさらに備え、前記分解器は液体の前記有機溶剤を電気分解する。
【0018】
第12の態様は、第1から第10のいずれか一つの態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記循環脱水器によって前記混合液から分離された水を主成分とする分離流体が流れる分離排出配管と、前記分離排出配管に設けられ、前記分離流体から前記有機溶剤を分離する分離脱水器と、前記分離脱水器に接続され、前記分離脱水器よって前記分離流体から分離された前記有機溶剤を含む第2濃縮液を、前記第1濃縮液に合流させる復帰配管とをさらに備える。
【0019】
第13の態様は、第12の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、前記分離脱水器は、前記分離排出配管に設けられ、前記有機溶剤を吸着する吸着フィルタと、前記吸着フィルタを加熱して、前記吸着フィルタから前記有機溶剤を放出させ、前記有機溶剤を前記復帰配管に流出させる加熱部と、前記復帰配管に設けられた凝縮器とを含む。
【0020】
第14の態様は、第13の態様にかかる有機溶剤回収装置であって、第1の前記加熱部は第1の前記吸着フィルタを加熱し、第2の前記加熱部は第2の前記吸着フィルタを加熱し、前記有機溶剤回収装置は、前記分離流体が流れる前記吸着フィルタを、前記第1の前記吸着フィルタと前記第2の前記吸着フィルタとの間で切り替える脱水切替部と、前記凝縮器に連通する前記吸着フィルタを、前記第1の前記吸着フィルタと、前記第2の前記吸着フィルタとの間で切り替える放出切替部とを含む。
【0021】
第15の態様は、基板処理装置であって、第1から第14のいずれか一つの態様にかかる有機溶剤回収装置と、前記処理ユニットと、前記再利用液が供給されて、前記再利用液を貯留する供給タンクと、前記供給タンクと前記処理ユニットとを接続する第2送液配管とを備える。
【0022】
第16の態様は、有機溶剤回収方法であって、有機溶剤および水の混合液から水を分離する循環脱水器を含む脱水循環経路を通じて、前記混合液を循環させて、前記混合液における前記有機溶剤の溶剤濃度を高めた第1濃縮液を生成する脱水循環工程と、前記第1濃縮液における不純物を捕捉するフィルタを含む浄化循環経路を通じて、前記第1濃縮液を循環させて、前記第1濃縮液における前記不純物の含有率を低減させた再利用液を生成する浄化循環工程とを備える。
【0023】
第17の態様は、第16の態様にかかる有機溶剤回収方法であって、前記脱水循環工程において、前記混合液を加熱し、前記浄化循環工程において、前記第1濃縮液を冷却する。
【発明の効果】
【0024】
第1、第15および第16の態様によれば、循環脱水器に応じた条件で脱水用循環配管を通じて混合液を循環させることができ、フィルタに応じた条件で浄化用循環配管を通じて第1濃縮液を循環させることができる。
【0025】
第2の態様によれば、蒸留器に比べて装置規模を低減させることができる。
【0026】
第3の態様によれば、効率的に混合液から水を分離させることができる。
【0027】
第4の態様によれば、混合液の温度をフィルタに適した温度に調整することができる。
【0028】
第5の態様によれば、浄化温調器が混合液の温度を高めた場合であっても、高温の第1濃縮液を常温の近くまで冷却させることができる。このため、フィルタの熱変形を抑制することができ、フィルタは高効率で不純物を捕捉することができる。
【0029】
第6の態様によれば、高温の第1濃縮液を、第1送液配管を通じて浄化タンクに供給することにより、第1送液配管の通過中の放熱によって、第1濃縮液の温度を低減させることができる。
【0030】
第7の態様によれば、第1の脱水用循環配管を通じた混合液の循環中に、処理ユニットからの混合液を第2の回収タンクで回収することができ、第2の脱水用循環配管を通じた混合液の循環中に、処理ユニットからの混合液を第1の回収タンクで回収することができる。つまり、第1の脱水用循環配管を通じた混合液の循環中であっても、第2の脱水用循環配管を通じた混合液の循環中であっても、処理ユニットからの混合液を回収することができる。逆に言えば、処理ユニットから排出された低い溶剤濃度の混合液が循環中の混合液に流入することを抑制できる。このため、循環中の混合液の溶剤濃度の低下を抑制できる。
【0031】
第8の態様によれば、循環脱水器が第1の脱水用循環配管および第2の脱水用循環配管に共通して用いられるので、装置規模および製造コストを低減させることができる。
【0032】
第9の態様によれば、第1のフィルタを通じた循環と、第2のフィルタを通じた循環を並行して行うことができる。このため、不純物含有率がより低い再利用液を生成することができる。
【0033】
第10の態様によれば、排出先における分離流体の排液処理を簡易にすることができる。
【0034】
第11の態様によれば、有機溶剤の蒸気を凝縮してから有機溶剤を電気分解するので、より確実に有機溶剤を分解することができる。
【0035】
第12の態様によれば、循環脱水器によって分離された分離流体中の有機溶剤を含む第2濃縮液が第1濃縮液に合流する。このため、有機溶剤の廃棄量をさらに低減させることができる。
【0036】
第13の態様によれば、低溶剤濃度の分離流体からより確実に有機溶剤を分離することができる。
【0037】
第14の態様によれば、第1および第2の吸着フィルタの一方による放出を、第1および第2の吸着フィルタの他方の吸着と並行して行うことができる。
【0038】
第17の態様によれば、高温の第1濃縮液を常温の近くまで冷却させることができる。このため、フィルタの熱変形を抑制することができ、フィルタは高効率で不純物を捕捉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】基板処理装置の一例を模式的に示す平面図である。
図2】処理ユニットの一例を模式的に示す側面図である。
図3】第1の実施の形態にかかる有機溶剤回収部の一例を模式的に示す図である。
図4】有機溶剤回収部の動作の一例を示すフローチャートである。
図5】第2の実施の形態にかかる有機溶剤回収部の一例を模式的に示す図である。
図6】有機溶剤回収部の動作の一例を模式的に示す図である。
図7】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図8】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図9】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図10】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図11】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図12】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図13】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図14】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図15】第3の実施の形態にかかる有機溶剤回収部の一例を模式的に示す図である。
図16】第4の実施の形態にかかる有機溶剤回収部の第1例を模式的に示す図である。
図17】第4の実施の形態にかかる有機溶剤回収部の第2例を模式的に示す図である。
図18】第4の実施の形態の第2例にかかる有機溶剤回収部の動作の一例を模式的に示す図である。
図19】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図20】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図21】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
図22】有機溶剤回収部の動作例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照しつつ実施の形態について詳細に説明する。なお図面においては、理解容易の目的で、必要に応じて各部の寸法や数を誇張または簡略化して描いている。また同様な構成および機能を有する部分については同じ符号が付されており、下記説明では重複説明が省略される。
【0041】
また、以下に示される説明では、同様の構成要素には同じ符号を付して図示し、それらの名称と機能とについても同様のものとする。したがって、それらについての詳細な説明を、重複を避けるために省略する場合がある。
【0042】
また、以下に記載される説明において、「第1」または「第2」などの序数が用いられる場合があっても、これらの用語は、実施の形態の内容を理解することを容易にするために便宜上用いられるものであり、これらの序数によって生じ得る順序に限定されるものではない。
【0043】
相対的または絶対的な位置関係を示す表現(例えば「一方向に」「一方向に沿って」「平行」「直交」「中心」「同心」「同軸」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、その位置関係を厳密に表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる範囲で相対的に角度または距離に関して変位された状態も表すものとする。等しい状態であることを示す表現(例えば「同一」「等しい」「均質」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、定量的に厳密に等しい状態を表すのみならず、公差もしくは同程度の機能が得られる差が存在する状態も表すものとする。形状を示す表現(例えば、「四角形状」または「円筒形状」など)が用いられる場合、該表現は、特に断らない限り、幾何学的に厳密にその形状を表すのみならず、同程度の効果が得られる範囲で、例えば凹凸や面取りなどを有する形状も表すものとする。一の構成要素を「備える」「具える」「具備する」「含む」または「有する」という表現が用いられる場合、該表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的表現ではない。「A,BおよびCの少なくともいずれか一つ」という表現が用いられる場合、該表現は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A,BおよびCのうち任意の2つ、ならびに、A,BおよびCの全てを含む。
【0044】
<第1の実施の形態>
<1.基板処理装置>
実施形態に係る基板処理装置100について、図1を参照しながら説明する。図1は、基板処理装置100の一例を模式的に示す平面図である。
【0045】
基板処理装置100は、処理対象である基板Wを1枚ずつ処理する、いわゆる枚葉式の処理装置である。基板処理装置100で処理対象とされる基板Wは、例えば、半導体基板である。また、処理対象とされる基板Wの形状は、例えば、円板形状である。
【0046】
基板処理装置100は、ロードポート1、インデクサロボット2、主搬送ロボット3、処理ユニット4、有機溶剤回収部5、および、制御部6を備える。
【0047】
ロードポート1は、複数の基板を収容する収容容器の一種であるキャリアCに対する基板Wの出し入れを行うためのインターフェースである。ロードポート1は、例えば、複数(図の例では3個)設けられる。複数のロードポート1は、例えば、水平方向に一列に並んで配列される。キャリアCは、基板Wを密閉空間に収納するタイプのもの(例えば、FOUP(Front Opening Unified Pod)、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、など)であってもよいし、基板Wを外気にさらすタイプのもの(例えば、OC(Open Cassette)、など)であってもよい。
【0048】
インデクサロボット2は、基板Wを搬送する搬送装置である。一例として、インデクサロボット2は、水平多関節ロボットであり、基板Wを保持する一対のハンド21,21および各ハンド21に接続されたアーム22を備える。また、インデクサロボット2は、各ハンド21を旋回させ、各アーム22を屈伸、旋回、および、昇降させるための駆動機構(図示省略)を備える。インデクサロボット2は、ロードポート1に載置されたキャリアCと、主搬送ロボット3との間で基板Wを搬送する。すなわち、インデクサロボット2は、ロードポート1に載置されているキャリアCにアクセスして、搬出動作(すなわち、キャリアCに収容されている基板Wをハンド21で取り出す動作)、および、搬入動作(すなわち、ハンド21に保持されている基板WをキャリアCに収容する動作)を行う。また、インデクサロボット2は、受け渡し位置にアクセスして、主搬送ロボット3との間で基板Wの受け渡しを行う。
【0049】
主搬送ロボット3は、基板Wを搬送する搬送装置である。一例として、主搬送ロボット3は、水平多関節ロボットであり、基板Wを保持する一対のハンド31,31および各ハンド31に接続されたアーム32を備える。また、主搬送ロボット3は、各ハンド31を旋回させ、各アーム32を屈伸、旋回、および、昇降させるための駆動機構(図示省略)を備える。主搬送ロボット3は、インデクサロボット2と各処理ユニット4との間で基板Wを搬送する。すなわち、主搬送ロボット3は、受け渡し位置にアクセスして、インデクサロボット2との間で基板Wの受け渡しを行う。また、主搬送ロボット3は、処理ユニット4にアクセスして、搬入動作(すなわち、ハンド31に保持されている基板Wを処理ユニット4に搬入する動作)、および、搬出動作(すなわち、処理ユニット4内の基板Wをハンド31で搬出する動作)、を行う。
【0050】
処理ユニット4は、基板Wに対して処理液(例えば、薬液、リンス液、および、IPA)を用いた所定の処理を行う。ここでは例えば、鉛直方向に積層された複数(例えば3個)の処理ユニット4が、1個のタワーを構成しており、該タワーが、主搬送ロボット3を取り囲むようにして、複数(図の例では4個)、設けられる。処理ユニット4の具体的な構成は、後に説明する。
【0051】
有機溶剤回収部5は、有機溶剤を処理ユニット4から回収するとともに、回収した有機溶剤を浄化して再び処理ユニット4に供給する。一例として、複数のタワーの各々に1対1で対応づけて有機溶剤回収部5が設けられて、各有機溶剤回収部5が、対応するタワーに含まれる各処理ユニット4に対して、有機溶剤の回収および供給を行ってもよい。有機溶剤回収部5の具体的な構成は、後に説明する。
【0052】
制御部6は、基板処理装置100が備える各部(ロードポート1、インデクサロボット2、主搬送ロボット3、処理ユニット4、および、有機溶剤回収部5)の動作を制御する。制御部6は、例えば、電気回路を有する一般的なコンピュータによって構成される。一例として、制御部6は、各種の演算処理(データ処理)を行う中央演算装置としてのCPU(Central Processor Unit)、基本プログラムなどが格納されるROM(Read Only Memory)、CPUが所定の処理(データ処理)を行う際の作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク装置、などの不揮発性記憶装置によって構成される記憶装置、これらを相互に接続するバスライン、などを含んで構成される。記憶装置あるいはRAMなどには、制御部6が実行する処理を規定するプログラムが格納されてもよい。この場合に、例えば、CPUが該プログラムを実行することによって、基板処理装置100の各部が制御部6に制御され、プログラムによって規定された処理が基板処理装置100において実行されてもよい。すなわち、CPUがプログラムを実行することによって、プログラムによって規定された処理を行う回路が制御部6において実現されてもよい。もっとも、制御部6が行う制御の一部または全部(制御部6で実現される回路の一部または全部)が、専用の論理回路などのハードウェアによって実行(実現)されてもよい。
【0053】
<2.処理ユニット>
処理ユニット4について、図2を参照しながら説明する。図2は、処理ユニット4の一例を模式的に示す側面図である。
【0054】
<2-1.処理ユニットの構成>
処理ユニット4は、基板Wに対して処理液(例えば、薬液、リンス液、および、IPA)を用いた所定の処理を行う。処理ユニット4は、例えば、スピンチャック41、カップ42、および、ノズル43を備える。スピンチャック41、カップ42、および、ノズル43は、処理チャンバー44に収容される。
【0055】
スピンチャック41は、基板Wを水平姿勢(基板Wの厚み方向が上下方向(鉛直方向)に沿うような姿勢)で保持しつつ、基板Wをその主面の中心を通って上下に延びる軸線(回転軸線)Aのまわりで回転させる。スピンチャック41は、具体的には例えば、スピンベース411を備える。スピンベース411は、円板形状の部材であり、厚み方向が上下方向に沿うような姿勢で配置される。スピンベース411の上面には、複数のチャックピン412が設けられる。複数のチャックピン412は、基板Wの周縁に対応する円周に沿って等間隔に配置される。複数のチャックピン412には、これらを当接位置と開放位置との間で移動させるリンク機構(図示省略)が接続される。「当接位置」とは、チャックピン412が、基板Wの周縁に当接する位置である。「開放位置」は、チャックピン412が、基板Wの周縁から離れた位置である。複数のチャックピン412の各々が当接位置に配置されると、基板Wが、スピンベース411の上方に、水平姿勢で保持(チャック)される。また、複数のチャックピン412の各々が開放位置に配置されると、基板Wの保持が解除される。リンク機構は、制御部6からの指示に応じて、チャックピン412の位置を切り替える。すなわち、基板Wを保持するタイミング、基板Wの保持を解除するタイミング、などは、制御部6によって制御される。また、スピンベース411は、回転軸線Aと同軸に設けられたシャフト部413を介して、スピンモータ414と接続される。シャフト部413およびスピンモータ414は、カバー415に収容される。スピンモータ414は、シャフト部413を回転軸線Aのまわりで回転させる。これにより、スピンベース411、ひいては、その上方に保持される基板Wが、回転軸線Aのまわりで回転する。スピンモータ414は、制御部6からの指示に応じて、スピンベース411を回転させる。すなわち、スピンベース411(ひいては、基板W)の回転数、回転の開始タイミング、回転の終了タイミング、などは、制御部6によって制御される。
【0056】
カップ42は、スピンチャック41に保持されて回転される基板Wから排出された処理液を、受け止める。カップ42は、具体的には例えば、回転軸線Aと同軸に配置された円筒状の案内部421、案内部421の上端に連なって上方に向かうにつれて縮径する傾斜部422、および、案内部421の下端に連なって上向きに開いた環状の溝を形成する液受部423を備える。液受部423には、ここで受け止められた液を回収するカップ側回収管(具体的には例えば、薬液用のカップ側回収管(図示省略)、および、IPA用のカップ側回収管424)が設けられる。また、カップ42には、これを下位置と上位置との間で昇降させるカップ昇降機構425が接続される。「下位置」は、カップ42の上端(具体的には、傾斜部422の上端)がスピンチャック41に保持される基板Wよりも下方に配置されるような位置である。「上位置」は、カップ42の上端が、スピンチャック41に保持される基板Wよりも上方に配置されるような位置である。カップ昇降機構425は、制御部6からの指示に応じて、カップ42を昇降させる。すなわち、カップ42の位置は、制御部6によって制御される。
【0057】
ノズル43は、スピンチャック41に保持される基板Wの上面に向けて、処理液を吐出する。ここでは例えば、処理液の種類ごとに個別のノズル43が設けられる。すなわち、薬液を吐出するノズル43(以下「薬液ノズル43a」とも呼ぶ)、リンス液を吐出するノズル43(以下「リンス液ノズル43b」とも呼ぶ)、および、IPAを吐出するノズル43(以下「IPAノズル43c」とも呼ぶ)が設けられる。
【0058】
薬液ノズル43aは、スピンチャック41に保持されている基板Wの上面に向けて、薬液を吐出する。薬液ノズル43aは、薬液バルブ431aが介挿された薬液配管432aを介して、薬液供給源433aに接続される。薬液バルブ431aが開かれると、薬液配管432aを通じて薬液ノズル43aに薬液が供給され、薬液ノズル43aから薬液が吐出される。薬液バルブ431aは、制御部6からの指示に応じて開閉される。すなわち、薬液ノズル43aからの薬液の吐出タイミングは、制御部6によって制御される。薬液は、例えば、フッ酸である。もっとも、薬液は、フッ酸に限られるものではなく、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、リン酸、アンモニア水、過酸化水素水、有機酸(例えば、クエン酸、蓚酸、など)、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、など)、界面活性剤、および、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。
【0059】
リンス液ノズル43bは、スピンチャック41に保持されている基板Wの上面に向けて、リンス液を吐出する。リンス液ノズル43bは、リンス液バルブ431bが介挿されたリンス液配管432bを介して、リンス液供給源433bに接続される。リンス液バルブ431bが開かれると、リンス液配管432bを通じてリンス液ノズル43bにリンス液が供給され、リンス液ノズル43bからリンス液が吐出される。リンス液バルブ431bは、制御部6からの指示に応じて開閉される。すなわち、リンス液ノズル43bからのリンス液の吐出タイミングは、制御部6によって制御される。リンス液は、例えば、純水(脱イオン水:Deionized water)である。もっとも、リンス液は、純水に限られるものではなく、炭酸水、電解イオン水、水素水、オゾン水、および、希釈濃度(例えば、10~100ppm程度)の塩酸水のうちのいずれかであってもよい。
【0060】
IPAノズル43cは、スピンチャック41に保持されている基板Wの上面に向けて、IPA(すなわち、IPAを主成分とする液体)を吐出する。IPAノズル43cは、IPAバルブ431cが介挿されたIPA配管432cを介して、有機溶剤回収部5に接続される。IPAバルブ431cが開かれると、IPA配管432cを通じてIPAノズル43cにIPAが供給され、IPAノズル43cからIPAが吐出される。IPAバルブ431cは、制御部6からの指示に応じて開閉される。すなわち、IPAノズル43cからのIPAの吐出タイミングは、制御部6によって制御される。
【0061】
なお、薬液ノズル43a、リンス液ノズル43b、および、IPAノズル43cのうちの少なくとも一つに、これを処理位置と退避位置との間で移動させるノズル移動機構が接続されてもよい。「処理位置」は、ノズル43a,43b,43cから吐出された処理液が、スピンチャック41に保持されている基板Wに供給される位置である。「退避位置」とは、ノズル43a,43b,43cが、上方から見て、スピンチャック41に保持されている基板Wの周縁よりも外側(径方向の外方)にある位置である。この場合、ノズル移動機構は、制御部6からの指示に応じて、ノズル43a,43b,43cを移動させる。すなわち、ノズル43a,43b,43cの位置は、制御部6によって制御される。
【0062】
<2-2.処理ユニットの動作>
処理ユニット4の動作の一例について説明する。処理ユニット4で行われる動作は、制御部6の制御下で(すなわち、制御部6が、チャックピン412、スピンモータ414、カップ昇降機構425、薬液バルブ431a、リンス液バルブ431b、IPAバルブ431c、などを制御することによって)、行われる。
【0063】
主搬送ロボット3によって処理チャンバー44内に基板Wが搬入されると、スピンチャック41が基板Wを保持する。続いて、スピンチャック41が、回転を開始する。
【0064】
この状態で、薬液バルブ431aが開かれる。すると、薬液ノズル43aから、スピンチャック41に保持されて回転される基板Wの上面に向けて、薬液が吐出される。これにより、基板Wの上面の全域に薬液が供給され、基板Wが薬液によって処理される(薬液処理工程)。例えば、薬液としてフッ酸が用いられる場合、基板Wからパーティクル等の異物が除去される。薬液処理工程が行われる間、カップ42は上位置に配置されている。したがって、基板Wの周囲に飛散した薬液は、カップ42で受け止められる。すなわち、基板Wの周囲に飛散した薬液は、傾斜部422で受け止められ、案内部421によって下方に案内されて、液受部423に集められる。カップ42で受け止められた薬液(すなわち、液受部423に集められた薬液)は、薬液用のカップ側回収管(図示省略)を通じて回収される。
【0065】
薬液の吐出が開始されてから所定時間が経過した時点で、薬液バルブ431aが閉じられる。すると、薬液ノズル43aからの薬液の吐出が停止される。続いて、リンス液バルブ431bが開かれる。すると、リンス液ノズル43bから、スピンチャック41に保持されて回転される基板Wの上面に向けて、リンス液が吐出される。これにより、基板Wの上面の全域にリンス液が供給され、基板Wに付着している薬液がリンス液によって洗い流される(リンス処理工程)。リンス処理工程が行われる間も、カップ42は上位置に配置されている。したがって、基板Wの周囲に飛散した薬液およびリンス液は、カップ42で受け止められる。カップ42で受け止められた薬液およびリンス液は、薬液用のカップ側回収管(図示省略)を通じて回収される。
【0066】
リンス液の吐出が開始されてから所定時間が経過した時点で、リンス液バルブ431bが閉じられる。すると、リンス液ノズル43bからのリンス液の吐出が停止される。続いて、IPAバルブ431cが開かれる。すると、IPAノズル43cから、スピンチャック41に保持されて回転される基板Wの上面に向けて、IPAが吐出される。これにより、基板Wの上面の全域にIPAが供給され、基板Wに付着しているリンス液がIPAに置換される(IPA供給工程)。IPA供給工程が行われる間も、カップ42は上位置に配置されている。したがって、基板Wの周囲に飛散したリンス液およびIPAは、カップ42で受け止められる。カップ42で受け止められたリンス液およびIPAは、IPA用のカップ側回収管424を通じて回収される。
【0067】
IPAの供給開始から所定時間が経過した時点で、IPAバルブ431cが閉じられる。すると、IPAノズル43cからのIPAの吐出が停止される。この段階で、基板W上のリンス液がIPAに完全に置換され、基板Wの上面の全域を覆うIPAの液膜が形成されている。続いて、スピンチャック41が、高速回転を開始する。これにより、基板Wが高速回転され、基板W上のIPAが、遠心力によって基板Wの周囲に振り切られていく(スピンドライ工程)。基板Wが高速回転される間も、カップ42は上位置に配置されている。したがって、基板Wの周囲に飛散したIPAは、カップ42で受け止められる。カップ42で受け止められたIPAは、IPA用のカップ側回収管424を通じて回収される。
【0068】
スピンチャック41の高速回転が開始されてから所定時間が経過すると、スピンチャック41の回転が停止される。この段階で、IPAが基板Wから除去され、基板Wは乾燥されている。乾燥された基板Wは、主搬送ロボット3によって処理チャンバー44から搬出される。
【0069】
以上で、1枚の基板Wに対する一連の処理が終了する。処理ユニット4では、上記の一連の動作が繰り返されることによって、複数の基板Wが1枚ずつ次々に処理されていく。
【0070】
<3.有機溶剤回収部5(有機溶剤回収装置)の概要>
有機溶剤回収部5の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5の一例を模式的に示す図である。以下では、まず有機溶剤回収部5の概要について説明し、その後に、有機溶剤回収部5の各構成について詳述する。
【0071】
有機溶剤回収部5は、回収タンクTk1と、脱水循環部60と、浄化循環部80と、送液配管(第2送液配管)85とを含んでいる。回収タンクTk1は、各処理ユニット4から排出された回収液を貯留する。回収液は有機溶剤と水との混合液である。有機溶剤は例えば水よりも揮発性が高い有機溶剤または表面張力が低い有機溶剤であり、具体的な一例としてIPA(イソプロピルアルコール)である。各処理ユニット4からの混合液は回収配管51を通じて回収タンクTk1に流入し、回収タンクTk1に貯留される。つまり、混合液は回収タンクTk1に回収される。
【0072】
脱水循環部60は、脱水用循環配管61と、循環脱水器62とを含んでいる。脱水用循環配管61は回収タンクTk1に接続されている。脱水用循環配管61は、回収タンクTk1からの混合液を回収タンクTk1に戻す配管である。
【0073】
循環脱水器62は脱水用循環配管61に介挿されている。このため、循環脱水器62には混合液が流入する。循環脱水器62は、流入した混合液から水を分離し、該水を分離排出配管65に流す。分離後の混合液は引き続き脱水用循環配管61を循環する。この脱水により、脱水用循環配管61において、循環脱水器62の直後の混合液の有機溶剤の濃度(以下、溶剤濃度と呼ぶ)は、循環脱水器62の直前の混合液の溶剤濃度よりも高くなる。脱水循環部60は脱水用循環配管61を通じて混合液を循環させるので、混合液が循環脱水器62に流入し続ける。このため、循環脱水器62は混合液から水を分離し続ける。その結果、循環中の混合液の溶剤濃度は時間の経過とともに高くなる。以下では、溶剤濃度が所定の溶剤基準値以上に高められた混合液を第1濃縮液と呼ぶ。また、循環脱水器62によって混合液から分離された液体を分離液とも呼ぶ。分離液はほぼ水である。脱水循環部60は混合液の循環により、第1濃縮液を生成する。
【0074】
図3の例では、有機溶剤回収部5には浄化タンクTk2が設けられている。浄化タンクTk2には、回収タンクTk1からの第1濃縮液が、後述の濃縮液供給部70によって供給される。浄化タンクTk2は第1濃縮液を貯留する。
【0075】
浄化循環部80は、浄化用循環配管81と、フィルタ82とを含んでいる。浄化用循環配管81は、第1濃縮液を循環させる循環配管である。図3の例では、浄化用循環配管81は浄化タンクTk2に接続されている。浄化用循環配管81は、浄化タンクTk2からの第1濃縮液を浄化タンクTk2に戻す配管である。
【0076】
フィルタ82は浄化用循環配管81に介挿されている。このため、フィルタ82には第1濃縮液が流入する。フィルタ82は第1濃縮液における不純物を捕捉する。この捕捉により、フィルタ82の直後の第1濃縮液における不純物含有率は、フィルタ82の直前の第1濃縮液における不純物含有率よりも低くなる。浄化循環部80は浄化用循環配管81を通じて第1濃縮液を循環させるので、フィルタ82には第1濃縮液が流入し続ける。このため、フィルタ82は第1濃縮液から不純物を捕捉し続ける。その結果、循環中の第1濃縮液の不純物含有率は時間の経過とともに低減する。つまり、第1濃縮液の清浄度は時間の経過とともに高まる。以下では、不純物含有率が所定の不純物基準値以下に低減した第1濃縮液を再利用液とも呼ぶ。浄化循環部80は第1濃縮液の循環により、再利用液を生成する。
【0077】
第2送液配管85は、浄化循環部80によって生成された再利用液を供給タンクTk3に向かって流す配管である。供給タンクTk3内の再利用液は各処理ユニット4に供給される。
【0078】
以上のように、有機溶剤回収部5は、処理ユニット4から排出された混合液の溶剤濃度を高めて第1濃縮液を生成し、その後、第1濃縮液の不純物含有率を低減させて再利用液を生成する。この再利用液は再び処理ユニット4に供給される。つまり、基板処理装置100は、処理ユニット4から排出された混合液中の有機溶剤を再利用している。これによれば、有機溶剤を廃棄する量を低減させることができ、有機溶剤をより有効に利用することができる。つまり、有機溶剤回収部5は省液化に資する。
【0079】
しかも、有機溶剤回収部5では、循環脱水器62は脱水用循環配管61に設けられており、フィルタ82は浄化用循環配管81に設けられている。つまり、循環脱水器62およびフィルタ82は互いに異なる循環配管に設けられている。このため、脱水循環部60は循環脱水器62に応じた第1条件で混合液を循環させることができ、浄化循環部80はフィルタ82に応じた第2条件で第1濃縮液を循環させることができる。第1条件および第2条件は、例えば、各循環配管を流れる流体についての流量、圧力および温度等の諸条件であり、具体的な一例として、温度についての条件である。この場合、後に詳述するように、脱水循環部60は循環脱水器62に適した温度で混合液を循環させ、かつ、浄化循環部80はフィルタ82に適した温度で第1濃縮液を循環させることができる。なお、この観点では、脱水用循環配管61には、不純物捕捉用のフィルタが設けられていなくてもよく、浄化用循環配管81には、水分離用の脱水器が設けられていなくてもよい。
【0080】
<3-1.有機溶剤回収部5の具体例>
(a1)回収タンクTk1
回収タンクTk1は回収配管51を通じて各カップ42に接続される。つまり、回収配管51の上流部分には、カップ42(具体的には、カップ42に接続されたカップ側回収管424)が接続される。ここでは例えば、回収配管51は、同じタワーに属する複数の処理ユニット4の各々が備えるカップ42に接続される。回収配管51の下流端部は回収タンクTk1に接続されている。回収配管51には回収バルブ52が介挿されている。なお、図3では示されていないものの、回収タンクTk1と処理ユニット4との間にバッファタンクが設けられてもよい。
【0081】
回収タンクTk1は第1収容ボックス50a(図1参照)に収容され得る。一例として、第1収容ボックス50aは基板処理装置100の外壁100aの外側(例えば、基板処理装置100が設置されるクリーンルームの下(例えば階下))に配置される。
【0082】
(b1)脱水循環部60
図3の例では、脱水循環部60は、脱水用循環配管61および循環脱水器62の他、ポンプ(脱水側送液ポンプ)63、第1切替バルブ641および第2切替バルブ642を含んでいる。
【0083】
脱水用循環配管61は、回収タンクTk1に貯留されている液体が、回収タンクTk1から流出し、再び、回収タンクTk1に戻るように循環する循環経路を形成する。図3の例では、脱水用循環配管61の上流端部は回収タンクTk1の底部に接続されており、脱水用循環配管61の下流端部は回収タンクTk1の上部に接続されている。
【0084】
循環脱水器62は、例えば、蒸留器、霧化分離器または膜分離器であってもよい。循環脱水器62は混合液の加熱を伴って、混合液から分離液を分離させてもよい。図3の例では、循環脱水器62は、膜分離器621と、脱水温調器622とを含んでいる。膜分離器621は、第1経路621aと、第2経路621bと、分離膜621cとを含む。第1経路621aは脱水用循環配管61に介挿されており、脱水循環部60の脱水循環経路の一部を構成する。このため、混合液は第1経路621aを通過する。分離膜621cは、第1経路621aおよび第2経路621bを仕切る。分離膜621cは、混合液のうちの水を通過させ、有機溶剤をほぼ阻止する膜である。第1経路621aに流入した混合液のうち水の一部は分離膜621cを通過して第2経路621bに流入する。
【0085】
分離膜621cは、ゼオライト膜、有機分離膜またはCNT(カーボンナノチューブ)分離膜であってもよい。ゼオライト膜は、例えば、四面体構造の(SiO4)4-および(AlO4)5-が相互に連結された結晶構造を有する。有機分離膜は、例えば、ポリビニルアルコール、キトサンおよびポリイミド等の有機膜である。CNT分離膜は、例えば、ポリアミド等の膜にカーボンナノチューブを添加して得られる膜である。あるいは、分離膜621cの材料として、二次元材料を採用してもよい。二次元材料は、原子1層分で構成される材料であり、例えば、硫化モリブデン(MoS)であってもよく、前周期遷移金属(チタンやバナジウムなど)と軽元素(炭素または窒素)による複合原子層化合物であってもよい。あるいは、分離膜621cの材料として、MOF(Metal Organic Frameworks)材料、または、炭素材料(例えば、グラフェンまたは酸化グラフェン)を適用してもよい。ここでは、分離膜621cとしてゼオライト膜が適用される。
【0086】
第2経路621bには、分離排出配管65の上流端部が接続されている。分離液は分離排出配管65を通じて、外部(例えば工場設備の排液処理部)に排出される。分離排出配管65には、第2経路621bを減圧する減圧ポンプが設けられてもよい。図3に示されるように、分離排出配管65には、排出バルブ66が介挿されている。なお、循環脱水器62が分離した分離液にはわずかに有機溶剤が含まれ得る。このような分離液中の有機溶剤を処理する処理部が、分離排出配管65に設けられてもよい。このような処理の一例については第3および第4の実施の形態で述べる。
【0087】
脱水温調器622は脱水用循環配管61に設けられており、脱水用循環配管61を流れる混合液の温度を調整する。図3の例では、脱水温調器622は膜分離器621よりも上流側の位置に設けられている。脱水温調器622は加熱機能を有する。つまり、脱水温調器622はヒータを含む。ヒータは、電熱線を有する電気抵抗式のヒータであってもよく、光源を有する光学式のヒータであってもよく、ペルチェ素子を有する電子冷熱ユニットであってもよい。脱水温調器622が混合液を加熱することにより、高温の混合液を膜分離器621に流入させることができる。混合液中の分子の速度は温度が高いほど高いので、高温の混合液中の水分子が分離膜621cを通過しやすい。このため、膜分離器621はより高い効率で混合液から分離液を分離させることができる。ひいては、脱水循環部60は、より短時間で、混合液の溶剤濃度を所定の溶剤基準値以上にすることができる。
【0088】
脱水側送液ポンプ63は脱水用循環配管61に介挿されている。一例として、脱水側送液ポンプ63は循環脱水器62よりも上流側の位置に設けられている。第1切替バルブ641および第2切替バルブ642は脱水用循環配管61に介挿されている。第1切替バルブ641は循環脱水器62よりも下流側の位置に設けられる。第2切替バルブ642は脱水側送液ポンプ63よりも上流側の位置に設けられる。
【0089】
脱水用循環配管61には、各種のセンサが介挿され得る。例えば、脱水用循環配管61には、脱水用循環配管61を流れる流体における有機溶剤(ここでは例えばIPA)の濃度を検知する濃度センサSn63、脱水用循環配管61を流れる流体の流量を検知する流量センサ(流量計)Sn64、脱水用循環配管61を流れる流体の圧力を検知する圧力センサSn61、および、脱水用循環配管61を流れる流体の温度を検知する温度センサSn62、などが介挿される。濃度センサSn63は、例えば、循環脱水器62よりも下流側の位置に介挿される。流量センサ64は、例えば、脱水側送液ポンプ63よりも上流側の位置に介挿される。圧力センサSn61は、例えば、脱水側送液ポンプ63よりも下流側であって循環脱水器62よりも上流側の位置に介挿される。温度センサSn62は、例えば、脱水温調器622よりも下流側であって膜分離器621よりも上流側の位置に介挿される。
【0090】
(c1)浄化タンクTk2
浄化タンクTk2には、後述の濃縮液供給部70によって第1濃縮液が供給される。浄化タンクTk2は例えば第1収容ボックス50a(図1参照)に収容される。
【0091】
(d1)濃縮液供給部70
図3の例では、有機溶剤回収部5には濃縮液供給部70が設けられている。濃縮液供給部70は回収タンクTk1から浄化タンクTk2に第1濃縮液を供給する。濃縮液供給部70は、第1送液配管71と、第1送液バルブ72と、送液部の一例である脱水側送液ポンプ63とを含んでいる。
【0092】
図3の例では、浄化タンクTk2は第1送液配管71を通じて脱水用循環配管61に接続されている。すなわち、第1送液配管71の下流端部は浄化タンクTk2に接続されており、第1送液配管71の上流端部は脱水用循環配管61に接続されている。第1送液配管71の上流端部は脱水側送液ポンプ63と第1切替バルブ641との間の位置で脱水用循環配管61に接続される。一例として、第1送液配管71の上流端部は、脱水温調器622よりも下流側(好ましくは、温度センサSn2よりも下流側)であって膜分離器621よりも上流側の位置に、接続される。なお、図3とは異なるものの、第1送液配管71の上流端部は循環脱水器62よりも下流側の位置に接続されてもよい。また、第1送液配管71の上流端部は必ずしも脱水用循環配管61に接続される必要はなく、回収タンクTk1に接続されてもよい。この場合、脱水側送液ポンプ63とは別のポンプが第1送液配管71に設けられる。第1送液配管71には、第1送液バルブ72が介挿されている。
【0093】
(e1)浄化循環部80
図3の例では、浄化循環部80は、浄化用循環配管81およびフィルタ82の他、ポンプ(浄化側送液ポンプ)83、切替バルブ84および浄化温調器87を含んでいる。
【0094】
図3の例では、浄化用循環配管81は、浄化タンクTk2に貯留されている液体が、浄化タンクTk2から流出し、再び、浄化タンクTk2に戻るように循環する循環経路を形成する。図3の例では、浄化用循環配管81の上流端部は浄化タンクTk2の底部に接続されており、浄化用循環配管81の下流端部は浄化タンクTk2の上部に接続されている。
【0095】
フィルタ82は、浄化用循環配管81を流れる第1濃縮液中の不純物を捕捉する。不純物は、例えば処理ユニット4における処理によって生じた異物等であってもよい。フィルタ82は、例えば、メッシュ状に形成されていてもよいし、微粒子が集合または凝集された構成を有していてもよい。フィルタ82は例えば樹脂によって構成されてもよい。図3の例では、フィルタ82にはエア抜き用配管88が接続されている。
【0096】
浄化温調器87は浄化用循環配管81に設けられており、浄化用循環配管81を流れる第1濃縮液の温度を調整する。図3の例では、浄化温調器87はフィルタ82よりも上流側の位置に設けられている。浄化温調器87は加熱機能および冷却機能の少なくともいずれか一方を有する。浄化温調器87は、例えば、電子冷熱ユニット(例えばペルチェ素子)を含む。浄化温調器7は第1濃縮液を加熱または冷却して、第1濃縮液の温度をフィルタ82に適した温度に調整する。上述のように、脱水温調器622が混合液を加熱する場合、高温の第1濃縮液が浄化タンクTk2に供給される。この場合、浄化温調器87は第1濃縮液を冷却することにより、比較的に低い温度を有する第1濃縮液をフィルタ82に流入させる。つまり、浄化温調器87は、第1濃縮液の温度を、脱水循環部60による循環中の混合液の温度よりも低く調整する。上述の例では、脱水循環部60では脱水温調器622によって混合液の温度は高く調整されているので、浄化温調器87は、第1濃縮液の温度を混合液の温度よりも常温に近い値に調整する。常温は、例えば基板処理装置100が設けられる室内の温度であって、具体的な例として摂氏25度である。
【0097】
このように常温に近い第1濃縮液がフィルタ82に流入すると、熱によるフィルタ82の変形を抑制することができる。つまり、フィルタ82の熱膨張または熱収縮を抑制することができる。もしも、フィルタ82が熱によって大きく変形すると、フィルタ82の目の粗さが所望範囲から外れるおそれがある。フィルタ82の目の粗さが所望範囲外になると、フィルタ82による不純物の捕捉効率が低下したり、あるいは、第1濃縮液がフィルタ82を通過しにくくなったりする。上述の例では、浄化温調器87が第1濃縮液を冷却するので、フィルタ82は高効率で不純物を捕捉することができ、また、第1濃縮液を適切に通過させることができる。
【0098】
浄化側送液ポンプ83は浄化用循環配管81に介挿されている。一例として、浄化側送液ポンプ83はフィルタ82よりも上流側の位置に設けられている。切替バルブ84は浄化用循環配管81に介挿されている。一例として、切替バルブ84はフィルタ82よりも下流側の位置に設けられている。
【0099】
浄化用循環配管81には、各種のセンサが介挿される。浄化用循環配管81を流れる流体の圧力を検知する圧力センサSn81、および、浄化用循環配管81を流れる流体の温度を検知する温度センサSn82、などが介挿される。圧力センサSn81は、例えば、浄化側送液ポンプ83よりも下流側であってフィルタ82よりも上流側の位置に介挿される。温度センサSn82は、例えば、浄化温調器87よりも下流側であってフィルタ82よりも上流側の位置に介挿される。
【0100】
(f1)供給タンクTk3
供給タンクTk3には、後述の再利用液供給部89によって、再利用液が供給される。供給タンクTk3は、第2収容ボックス50bに収容される(図1参照)。一例として、第2収容ボックス50bは、基板処理装置100の外壁100aの内側に配置される。
【0101】
(g1)再利用液供給部89
図3の例では、有機溶剤回収部5には再利用液供給部89が設けられている。再利用液供給部89は供給タンクTk3に再利用液を供給する。再利用液供給部89は、第2送液配管85と、第2送液バルブ86と、送液部の一例である浄化側送液ポンプ83とを含んでいる。
【0102】
図3の例では、供給タンクTk3は第2送液配管85を通じて浄化用循環配管81に接続される。つまり、第2送液配管85の下流端部は供給タンクTk3に接続されており、第2送液配管85の上流端部は浄化用循環配管81に接続されている。具体的には、第2送液配管85の上流端部は浄化側送液ポンプ83と切替バルブ84との間の位置で浄化用循環配管81に接続される。一例として、第2送液配管85の上流端部はフィルタ82よりも上流側であって浄化温調器87よりも下流側の位置で浄化用循環配管81に接続される。第2送液配管85には第2送液バルブ86が介挿される。なお、第2送液配管85の上流端部は必ずしも浄化用循環配管81に接続される必要はなく、浄化タンクTk2に接続されてもよい。この場合、浄化側送液ポンプ83とは別のポンプが第2送液配管85に設けられる。
【0103】
(h1)新液供給
供給タンクTk3は、新液配管401を通じて、新液供給源403に接続される。すなわち、新液配管401の下流端部は供給タンクTk3に接続されており、新液配管401の上流端部は新液供給源403に接続されている。新液供給源403は、一度も基板Wに供給されていない未使用の有機溶剤(例えば、濃度が99.8wt%以上であるIPA)の供給源である。新液配管401には、新液バルブ402が介挿されている。
【0104】
供給タンクTk3は、第3送液配管404を通じて、IPAノズル43cに接続される。すなわち、第3送液配管404の一端側には、供給タンクTk3が接続され、第3送液配管404の他端側には、IPAノズル43c(具体的には、IPAノズル43cに接続されたIPA配管432c)が接続される。ここでは例えば、第3送液配管404は、同じタワーに属する複数の処理ユニット4の各々が備えるIPAノズル43cに接続される。
【0105】
第3送液配管404には、ポンプ(供給側送液ポンプ)405が介挿される。また、第3送液配管404には、供給側送液ポンプ405よりも下流側の位置に、フィルタ407が介挿される。また、第3送液配管404には、フィルタ407よりも上流側であって供給側送液ポンプ405よりも下流側の位置に、温調器406が介挿される。
【0106】
第3送液配管404には、各種のセンサが介挿される。例えば、第3送液配管404には、第3送液配管404を流れる流体の温度を検知する温度センサSn41、などが介挿される。温度センサSn41は、例えば、フィルタ407よりも上流側であって温調器406よりも下流側の位置に介挿される。温調器406は、処理ユニット4に供給する再利用液の温度を、基板Wの処理に応じた所定温度範囲に調整する。
【0107】
<3-2.有機溶剤回収部5の動作の一例>
図4は、有機溶剤回収部5の動作の一例を示すフローチャートである。ここでは、回収タンクTk1に混合液が貯留されている。まず、脱水循環部60は脱水用循環配管61を通じて混合液を循環させる(ステップS1:脱水循環工程)。具体的には、制御部6は、第1切替バルブ641、第2切替バルブ642および排出バルブ66を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させる。これにより、混合液は、回収タンクTk1および脱水用循環配管61を含む脱水循環経路を循環する。この循環により、混合液は循環脱水器62を経由し続ける。このため、循環脱水器62は混合液から分離液を分離し続け、分離液は分離排出配管65を通じて外部に排出され続ける。したがって、循環中の混合液の溶剤濃度は時間の経過とともに増加する。
【0108】
ここでは、制御部6は混合液の循環中において脱水温調器622を作動させる。一例として、制御部6は混合液の循環開始とともに、脱水温調器622の作動を開始させる。制御部6は、例えば温度センサSn62によって検知された温度に基づいて、脱水温調器622を制御してもよい。これにより、混合液の温度を高い精度で制御することができる。脱水温調器622は例えば摂氏40度以上に混合液を加熱する。脱水温調器622は混合液の温度を摂氏50度以上に調整してもよく、摂氏60度以上に調整してもよく、摂氏70度以上に調整してもよい。これにより、膜分離器621は高効率で混合液から分離液を分離させることができる。
【0109】
制御部6は、循環中の混合液の溶剤濃度が所定の溶剤基準値以上になるまで、脱水循環部60に混合液を循環させる。溶剤基準値は、例えば、60wt%以上であってもよく、70wt%以上であってもよく、80wt%以上であってもよく、90wt%以上であってもよく、95wt%以上であってもよく、98wt%以上であってもよい。例えば制御部6は、濃度センサSn63によって検知された溶剤濃度と溶剤基準値を比較し、溶剤濃度が溶剤基準値以上となったときに、脱水循環部60に循環を停止させてもよい。具体的には、制御部6は第1切替バルブ641、第2切替バルブ642および排出バルブ66を閉じ、脱水側送液ポンプ63および脱水温調器622を停止させる。
【0110】
この循環により、回収タンクTk1には、溶剤濃度が高められた混合液(つまり、第1濃縮液)が貯留される。なお、制御部6は所定の脱水時間の経過をトリガとして脱水循環部60に循環を停止させてもよい。脱水時間は、例えば、溶剤濃度が溶剤基準値以上となるのに要する時間以上に事前に設定される。脱水時間は例えば数十分以上または数時間以上に設定され得る。
【0111】
図4の例では、次に、濃縮液供給部70は第1濃縮液を回収タンクTk1から浄化タンクTk2に供給する(ステップS2:濃縮液供給工程)。具体的には、制御部6は第2切替バルブ642および第1送液バルブ72を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させる。これにより、回収タンクTk1内の第1濃縮液が少なくとも第1送液配管71を通じて、浄化タンクTk2に供給される。浄化タンクTk2に十分な量の第1濃縮液が供給されると、制御部6は第2切替バルブ642および第1送液バルブ72を閉じ、脱水側送液ポンプ63を停止させる。
【0112】
次に、浄化循環部80は浄化用循環配管81を通じて第1濃縮液を循環させる(ステップS3:浄化循環工程)。具体的には、制御部6は切替バルブ84を開き、浄化側送液ポンプ83を作動させる。これにより、第1濃縮液は、浄化タンクTk2および浄化用循環配管81を含む浄化循環経路を循環する。この循環により、第1濃縮液はフィルタ82を経由し続ける。このため、フィルタ82は第1濃縮液から不純物を捕捉し続ける。したがって、循環中の第1濃縮液の不純物含有率は時間の経過とともに低減する。
【0113】
ここでは、制御部6は第1濃縮液の循環中において浄化温調器87を作動させる。一例として、制御部6は第1濃縮液の循環開始とともに浄化温調器87の作動を開始させる。制御部6は、例えば温度センサSn82によって検知された温度に基づいて、浄化温調器87を制御してもよい。これにより、第1濃縮液の温度を高い精度で制御することができる。浄化温調器87は例えば摂氏40度以下に第1濃縮液を冷却する。浄化温調器87は第1濃縮液の温度を摂氏35度以下に調整してもよく、摂氏30度以下に調整してもよい。また、浄化温調器87は第1濃縮液の温度を摂氏20度以上に調整してもよい。これにより、フィルタ82は高効率で第1濃縮液中の不純物を捕捉することができる。
【0114】
制御部6は、例えば、第1濃縮液の不純物含有率が所定の不純物基準値以下になるまで、浄化循環部80に第1濃縮液を循環させる。制御部6は、例えば、第1濃縮液の循環開始から所定の浄化時間が経過したときに、切替バルブ84を閉じ、浄化側送液ポンプ83および浄化温調器87を停止させる。浄化時間は、例えば、不純物含有率が不純物基準値以下になるのに要する時間以上に事前に設定される。なお、第1濃縮液中の不純物の量を検知するセンサを設け、制御部6が、該センサによって検知された不純物の量が基準値以下となったときに、浄化循環部80に循環を停止させてもよい。この循環により、浄化タンクTk2には、不純物含有率が低められた第1濃縮液(つまり、再利用液)が貯留される。
【0115】
次に、再利用液供給部89は再利用液を供給タンクTk3に供給する(ステップS4:再利用液供給工程)。具体的には、制御部6は第2送液バルブ86を開き、浄化側送液ポンプ83を作動させる。これにより、浄化タンクTk2内の再利用液が少なくとも第2送液配管85を通じて供給タンクTk3に供給される。
【0116】
以上のように、有機溶剤回収部5は、処理ユニット4から排出された混合液から分離液を分離して溶剤濃度を高めた第1濃縮液を生成し(ステップS1)、該第1濃縮液中の不純物を捕捉して、第1濃縮液の不純物含有率を低減させた再利用液を生成する(ステップS3)。そして、基板処理装置100はこの再利用液を再び処理ユニット4に供給する(ステップS4)。このため、有機溶剤の廃棄量を低減させることができ、有機溶剤を有効に利用することができる。
【0117】
また、上述の例では、循環脱水器62は膜分離器621を含んでいる。膜分離器621は蒸留器に比べてサイズが小さいので、装置規模を低減させることができる。
【0118】
また、上述の例では、脱水温調器622が混合液を加熱するので、膜分離器621は高効率で混合液から分離液を分離できる。一方、浄化温調器87は第1濃縮液を冷却するので、フィルタ82は高効率で第1濃縮液中の不純物を捕捉することができる。
【0119】
また、上述の例では、浄化タンクTk2が設けられており、回収タンクTk1内の高温の第1濃縮液が第1送液配管71を通じて浄化タンクTk2に供給される。第1濃縮液の第1送液配管71の通過中には第1濃縮液は放熱するので、浄化タンクTk2には自然放熱によって冷却された第1濃縮液が貯留される。このため、浄化循環部80において、第1濃縮液の温度をより速やかに低減させることができる。
【0120】
<第2の実施の形態>
図5は、第2の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5の一例を模式的に示す図である。
【0121】
(a2)回収タンクTk1
第2の実施の形態では、回収タンクTk1として、第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12が設けられている。
【0122】
(b2)回収切替部50
第2の実施の形態では、有機溶剤回収部5には、回収切替部50が設けられている。回収切替部50は処理ユニット4からの混合液の回収先を第1回収タンクTk11と第2回収タンクTk12との間で切り替える。図5の例では、回収切替部50は、回収配管51と、切替バルブ部520とを含んでいる。回収配管51は、共通回収配管510と、第1分岐配管511と、第2分岐配管512とを含んでいる。共通回収配管510はその上流側において各処理ユニット4に接続される。共通回収配管510の下流端部は第1分岐配管511の上流端部および第2分岐配管512の上流端部に接続されている。第1分岐配管511の下流端部は第1回収タンクTk11に接続されており、第2分岐配管512の下流端部は第2回収タンクTk12に接続されている。
【0123】
切替バルブ部520は、処理ユニット4を第1回収タンクTk11に連通させた状態と、処理ユニット4を第2回収タンクTk12に連通させた状態とを切り替える。図3の例では、切替バルブ部520は、第1回収バルブ521と、第2回収バルブ522とを含んでいる。第1回収バルブ521は第1分岐配管511に介挿されており、第2回収バルブ522は第2分岐配管512に介挿されている。
【0124】
制御部6が第1回収バルブ521を開き、第2回収バルブ522を閉じると、混合液は第1回収タンクTk11に供給され、制御部6が第1回収バルブ521を閉じ、第2回収バルブ522を開くと、混合液は第2回収タンクTk12に供給される。後述のように、回収切替部50は回収先を第1回収タンクTk11と第2回収タンクTk12との間で交互に切り替える。
【0125】
(c2)脱水循環部60
脱水循環部60は、第1回収タンクTk11を経由した第1脱水循環経路601と、第2回収タンクTk12を経由した第2脱水循環経路602とを含んでいる。一例として、第1脱水循環経路601は後述の共通循環配管610で第2脱水循環経路602と共通している。第1脱水循環経路601は、第1回収タンクTk11と、第1脱水用循環配管611とを含み、第2脱水循環経路602は、第2回収タンクTk12と、第2脱水用循環配管612とを含む。第1脱水用循環配管611は、第1下流配管6111と、共通循環配管610と、第1上流配管6121とを含んでおり、第2脱水用循環配管612は、第2下流配管6112と、共通循環配管610と、第2上流配管6122とを含んでいる。第1上流配管6121の上流端部は例えば第1回収タンクTk11の底部に接続され、第2上流配管6122の上流端部は例えば第2回収タンクTk12の底部に接続されている。第1上流配管6121の下流端部および第2上流配管6122の下流端部は共通循環配管610の上流端部に接続されている。共通循環配管610の下流端部は第1下流配管6111の上流端部および第2下流配管6112の上流端部に接続されている。第1下流配管6111の下流端部は例えば第1回収タンクTk11の上部に接続されており、第2下流配管6112の下流端部は例えば第2回収タンクTk12の上部に接続されている。この接続関係において、共通循環配管610は第1下流配管6111と第1上流配管6121との間に接続されており、第2下流配管6112と第2上流配管6122との間にも接続されている。このため、共通循環配管610は第1脱水循環経路601と第2脱水循環経路602とで兼用される。
【0126】
図5の例では、循環脱水器62および脱水側送液ポンプ63は共通循環配管610に介挿されている。第1下流配管6111には、第1下流バルブ6411が介挿されており、第2下流配管6112には、第2下流バルブ6412が介挿されており、第1上流配管6121には、第1上流バルブ6421が介挿されており、第2上流配管6122には、第2上流バルブ6422が介挿されている。第1下流バルブ6411、第2下流バルブ6412、第1上流バルブ6421および第2上流バルブ6422は、混合液の循環経路を第1脱水循環経路601と第2脱水循環経路602との間で切り替える循環切替バルブ部640を形成する。
【0127】
図5の例では、第1の実施の形態と同様の各種センサが共通循環配管610に介挿されている。
【0128】
制御部6が第1下流バルブ6411および第1上流バルブ6421を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させると、混合液は第1脱水循環経路601を循環する。この循環により、第1脱水循環経路601上の循環脱水器62を用いて、混合液の溶剤濃度を向上させることができる。これにより、第1回収タンクTk11に、溶剤濃度の高い混合液(つまり、第1濃縮液)を貯留させることができる。
【0129】
一方、制御部6が第2下流バルブ6412および第2上流バルブ6422を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させると、混合液は第2脱水循環経路602を循環する。この循環により、第2脱水循環経路602上の循環脱水器62を用いて、混合液の溶剤濃度を向上させることができる。これにより、第2回収タンクTk12に、溶剤濃度の高い混合液(つまり、第1濃縮液)を貯留させることができる。
【0130】
後述のように、脱水循環部60は、第1回収タンクTk11による混合液の回収中において、第2脱水循環経路602を通じて混合液を循環させ、第2回収タンクTk12による混合液の回収中において、第1脱水循環経路601を通じて混合液を循環させる。
【0131】
(d2)浄化タンクTk2
図5の例では、浄化タンクTk2として、第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22が設けられている。
【0132】
(e2)濃縮液供給部70
濃縮液供給部70は第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12の一方から第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22の一方に第1濃縮液を供給する。一例として、濃縮液供給部70は、第1濃縮液の供給元を第1回収タンクTk11と第2回収タンクTk12との間で切り替える供給元切替機能と、第1濃縮液の供給先を第1浄化タンクTk21と第2浄化タンクTk22との間で切り替える供給先切替機能とを有している。
【0133】
濃縮液供給部70は、供給先切替機能部として、第1送液配管71と、切替バルブ部720とを含んでいる。第1送液配管71は、共通送液配管710と、第1分岐配管711と、第2分岐配管712とを含んでいる。共通送液配管710の上流端部は一例として共通循環配管610に接続されており、共通送液配管710の下流端部は第1分岐配管711の上流端部および第2分岐配管712の上流端部に接続されている。第1分岐配管711の下流端部は第1浄化タンクTk21に接続されており、第2分岐配管712の下流端部は第2浄化タンクTk22に接続されている。
【0134】
切替バルブ部720は、共通循環配管610を第1浄化タンクTk21に連通させた状態と、共通循環配管610を第2浄化タンクTk22に連通させた状態とを切り替える。図5の例では、切替バルブ部720は、第1送液バルブ721と、第2送液バルブ722とを含んでいる。第1送液バルブ721は第1分岐配管711に介挿されており、第2送液バルブ722は第2分岐配管712に介挿されている。
【0135】
図5の例では、濃縮液供給部70の供給元切替機能部は、第1上流配管6121と、第2上流配管6122と、共通循環配管610の一部と、第1上流バルブ6421と、第2上流バルブ6422とによって形成される。第1上流バルブ6421および第2上流バルブ6422は、第1回収タンクTk11を共通循環配管610に連通させた状態と、第2回収タンクTk12を共通循環配管610に連通させた状態とを切り替える切替バルブ部を形成する。
【0136】
制御部6は第1上流バルブ6421、第2上流バルブ6422、第1送液バルブ721および第2送液バルブ722の開閉を切り替えることにより、供給元と供給先との組み合わせを変化させることができる。例えば、制御部6は第1上流バルブ6421および第2送液バルブ722を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させる。これにより、第1回収タンクTk11から第2浄化タンクTk22に第1濃縮液が供給される。
【0137】
後述のように、濃縮液供給部70は、供給元を第1回収タンクTk11と第2回収タンクTk12との間で交互に切り替え、供給先を第1浄化タンクTk21と第2浄化タンクTk22との間で交互に切り替える。
【0138】
(f2)浄化循環部80
図5の例では、浄化循環部80は、第1浄化タンクTk21を経由した第1浄化循環経路801と、第2浄化タンクTk22を経由した第2浄化循環経路802とを含んでいる。図5の例では、第1浄化循環経路801は、第1浄化タンクTk21と、第1浄化用循環配管811とを含んでおり、第2浄化循環経路802は、第2浄化タンクTk22と、第2浄化用循環配管812とを含んでいる。第1浄化用循環配管811の上流端部は例えば第1浄化タンクTk21の底部に接続されており、第1浄化用循環配管811の下流端部は例えば第1浄化タンクTk21の上部に接続されている。第2浄化用循環配管812の上流端部は例えば第2浄化タンクTk22の底部に接続されており、第2浄化用循環配管812の下流端部は例えば第2浄化タンクTk22の上部に接続されている。
【0139】
図5の例では、第1浄化用循環配管811には第1フィルタ821が介挿されており、第2浄化用循環配管812には第2フィルタ822が介挿されている。第1フィルタ821および第2フィルタ822はフィルタ82と同様であり、第1濃縮液中の不純物を捕捉する。図5の例では、第1フィルタ821および第2フィルタ822の各々にはエア抜き用配管88が接続される。
【0140】
また、図5の例では、第1浄化用循環配管811には第1浄化温調器871が設けられており、第2浄化用循環配管812には第2浄化温調器872が設けられている。第1浄化温調器871および第2浄化温調器872は浄化温調器87と同様であり、第1濃縮液の温度を調整する。例えば第1浄化温調器871および第2浄化温調器872は第1濃縮液を冷却する。一例として、第1浄化温調器871は第1フィルタ821よりも上流側の位置に設けられており、第2浄化温調器872は第2フィルタ822よりも上流側の位置に設けられている。
【0141】
第1浄化用循環配管811には第1浄化側送液ポンプ831が介挿されており、第2浄化用循環配管812には第2浄化側送液ポンプ832が介挿されている。図5の例では、第1浄化側送液ポンプ831は第1浄化温調器871よりも上流側の位置に設けられており、第2浄化側送液ポンプ832は第2浄化温調器872よりも上流側の位置に設けられている。また、第1浄化用循環配管811には第1切替バルブ841が介挿されており、第2浄化用循環配管812には第2切替バルブ842が介挿されている。図5の例では、第1切替バルブ841は第1フィルタ821よりも下流側の位置に設けられており、第2切替バルブ842は第2フィルタ822よりも下流側の位置に設けられている。図5の例では、第1浄化用循環配管811および第2浄化用循環配管812の各々には、第1実施形態と同様の各種センサが介挿されている。
【0142】
制御部6が第1切替バルブ841を開き、第1浄化側送液ポンプ831を作動させると、第1濃縮液は第1浄化循環経路801を循環する。この循環により、第1浄化循環経路801上の第1フィルタ821を用いて、第1濃縮液の不純物含有率を低減させることができる。これにより、不純物含有率の低い第1濃縮液(つまり、再利用液)を第1浄化タンクTk21に貯留させることができる。
【0143】
一方で、制御部6が第2切替バルブ842を開き、第2浄化側送液ポンプ832を作動させると、第1濃縮液は第2浄化循環経路802を循環する。この循環により、第2浄化循環経路802上の第2フィルタ822を用いて、第1濃縮液の不純物含有率を低減させることができる。これにより、不純物含有率の低い第1濃縮液(つまり、再利用液)を第2浄化タンクTk22に貯留させることができる。
【0144】
(g2)再利用液供給部89
再利用液供給部89は第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22の各々から供給タンクTk3に再利用液を供給する。再利用液供給部89は再利用液の供給元を第1浄化タンクTk21と第2浄化タンクTk22との間で切り替える。
【0145】
再利用液供給部89は、第2送液配管85と、切替バルブ部860と、送液部の一例である第1浄化側送液ポンプ831および第2浄化側送液ポンプ832とを含んでいる。第2送液配管85は、共通送液配管850と、第1分岐配管851と、第2分岐配管852とを含んでいる。一例として、第1分岐配管851の上流端部は第1切替バルブ841と第1浄化側送液ポンプ831との間の位置で第1浄化用循環配管811に接続され、第2分岐配管852の上流端部は第2切替バルブ842と第2浄化側送液ポンプ832との間の位置で第2浄化用循環配管812に接続されている。第1分岐配管851の下流端部および第2分岐配管852の下流端部は共通送液配管850の上流端部に接続されている。共通送液配管850の下流端部は例えば供給タンクTk3の上部に接続される。
【0146】
切替バルブ部860は、第1浄化タンクTk21を供給タンクTk3に連通させた状態と、第2浄化タンクTk22を供給タンクTk3に連通させた状態とを切り替える。図5の例では、切替バルブ部860は、第1送液バルブ861と、第2送液バルブ862とを含んでいる。第1送液バルブ861は第1分岐配管851に介挿されており、第2送液バルブ862は第2分岐配管852に介挿されている。
【0147】
制御部6が第1送液バルブ861を開き、第1浄化側送液ポンプ831を作動させると、第1浄化タンクTk21から供給タンクTk3に再利用液が供給される。また、制御部6が第2送液バルブ862を開き、第2浄化側送液ポンプ832を作動させると、第2浄化タンクTk22から供給タンクTk3に再利用液が供給される。後述のように、再利用液供給部89は、供給タンクTk3に再利用液を供給する供給元を、第1浄化タンクTk21と第2浄化タンクTk22との間で交互に切り替える。
【0148】
<有機溶剤回収部5の動作>
次に、有機溶剤回収部5の動作の一例について説明する。図6は、有機溶剤回収部5の動作の一例を模式的に示す図である。図6では、第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12の各々における液体の貯留量(以下、回収貯留量とも呼ぶ)の時間変化の一例も模式的に示されている。また、図6では、第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22の各々における液体の貯留量(以下、浄化貯留量とも呼ぶ)の時間変化の一例も模式的に示されている。また、図6では、供給タンクTk3における再利用液の貯留量(以下、供給貯留量とも呼ぶ)の時間変化の一例も模式的に示されている。図7から図14は、有機溶剤回収部5の動作例を説明するための図である。図7から図14では、流体が流れている配管を太線で示しており、開いているバルブを黒塗りで示している。
【0149】
図6の例では、時点t0において、第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12はほぼ空であり、第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22には第1濃縮液(または再利用液)が貯留されている。
【0150】
図6の例では、まず第1回収タンクTk11が混合液を回収する。つまり、回収切替部50は処理ユニット4からの混合液の回収先として第1回収タンクTk11を選択する。具体的には、図7に示されるように、制御部6は第1回収バルブ521を開き、第2回収バルブ522を閉じる。このため、第1回収タンクTk11の回収貯留量は時間の経過とともに増加する。
【0151】
また、図6の例では、初期的に、第1浄化タンクTk21を含む第1浄化循環経路801および第2浄化タンクTk22を含む第2浄化循環経路802の各々を通じた循環が行われている。具体的には、図7に示されるように、制御部6は第1切替バルブ841および第2切替バルブ842を開き、第1浄化側送液ポンプ831および第2浄化側送液ポンプ832を作動させる。これらの循環により、第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22内において、第1濃縮液の不純物含有率は時間の経過とともに低減する。制御部6は第1の実施の形態と同様に、第1浄化温調器871および第2浄化温調器872を作動させてもよい。これにより、第1フィルタ821および第2フィルタ822は高効率で不純物を捕捉することができる。
【0152】
浄化循環部80は、第1浄化タンクTk21内の第1濃縮液の不純物含有率が不純物基準値以下になった後も、第1浄化循環経路801を通じた循環を継続してもよい。つまり、第1浄化タンクTk21に再利用液が貯留された後にも、第1浄化循環経路801を通じた循環が継続されてもよい。これにより、第1浄化タンクTk21内の再利用液の不純物含有率をさらに低減させることができる。第2浄化循環経路802を通じた循環も同様である。
【0153】
ところで、供給タンクTk3内の再利用液は処理ユニット4に供給されるので、供給タンクTk3の供給貯留量は時間の経過とともに低減する(時点t0から時点t1参照)。このため、供給貯留量はいずれ所定の供給基準値以下になる。供給基準値はゼロまたはゼロよりも少し大きな値であってもよい。なお、各タンクに貯留された貯留量は、各タンクに設けられた不図示の貯留量センサ(例えば液面センサ)によって検知され得る。
【0154】
供給貯留量が供給基準値以下になると、一例として、浄化循環部80は第2浄化循環経路802を通じた循環を停止させ、再利用液供給部89は第2浄化タンクTk22から供給タンクTk3に再利用液を供給し始める(時点t1参照)。具体的には、図8に示されるように、制御部6は第2切替バルブ842を閉じ、第2送液バルブ862を開く。これにより、第2浄化循環経路802を通じた循環が停止し、第2浄化タンクTk22から供給タンクTk3に再利用液が供給される。この供給により、供給貯留量は時間の経過とともに増加し、第2浄化タンクTk22の浄化貯留量は時間の経過とともに低減する。
【0155】
供給タンクTk3に十分な量の再利用液を供給したときには、再利用液供給部89は供給タンクTk3への再利用液の供給を停止する(時点t2参照)。具体的には、図9に示されるように、制御部6は第2送液バルブ862を閉じ、第2浄化側送液ポンプ832を停止させる。一例として、時点t2において第2浄化タンクTk22はほぼ空になっている。この供給停止により、供給貯留量は再び時間の経過とともに低減する。
【0156】
一方、処理ユニット4からの混合液は第1回収タンクTk11に供給されているので、第1回収タンクTk11の回収貯留量は時間の経過とともに増加する。第1回収タンクTk11の回収貯留量が所定の循環基準値以上になると、回収切替部50は処理ユニット4からの混合液の回収先を第1回収タンクTk11から第2回収タンクTk12に切り替える。図6では、回収切替部50は時点t2において回収先を第2回収タンクTk12に切り替えている。具体的には、図9に示されるように、制御部6は第1回収バルブ521を閉じ、第2回収バルブ522を開く。これにより、第2回収タンクTk12の回収貯留量は時間の経過とともに増加する。
【0157】
また、回収切替部50が混合液の回収先を第2回収タンクTk12に切り替えると、脱水循環部60は、第1回収タンクTk11を含む第1脱水循環経路601を通じて混合液を循環させ始める(時点t2参照)。つまり、脱水循環部60は、第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12のうち回収に用いられてない回収タンクを含む脱水循環経路を通じて、混合液を循環させる。具体的には、図9に示されるように、制御部6は第1下流バルブ6411、第1上流バルブ6421および排出バルブ66を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させる。この循環によって、第1回収タンクTk11内の混合液の溶剤濃度は時間の経過とともに増加する。また、制御部6は第1の実施の形態と同様に、この循環中において脱水温調器622を作動させてもよい。これにより、循環脱水器62は高効率で混合液から分離液を分離することができる。
【0158】
以上のように、第2回収タンクTk12による混合液の回収中に、第1脱水循環経路601を通じた混合液の循環が行われる。逆に言えば、この循環中において、処理ユニット4からの混合液は第1回収タンクTk11に供給されない。このため、低い溶剤濃度の混合液が循環中の混合液に流入することを回避することができる。また、処理ユニット4からの混合液の温度は、循環脱水器62による分離に適した範囲内にあるとは限らないので、もしも処理ユニット4からの混合液が循環中の混合液に流入すると、循環中の混合液の温度が変動して当該範囲外になるおそれがある。この場合、分離効率の低下を招くおそれがある。上述の例によれば、このような分離効率の低下も回避することもできる。
【0159】
第1回収タンクTk11内の混合液の溶剤濃度が溶剤基準値以上になると、脱水循環部60は循環を停止する(時点t3参照)。次に、濃縮液供給部70は、所定の補充基準値以下の貯留量である第2浄化タンクTk22に対して、第1回収タンクTk11から第1濃縮液を供給する。補充基準値は例えばゼロまたはゼロよりも少し大きな値に事前に設定され得る。具体的には、図10に示されるように、制御部6は第1下流バルブ6411を閉じ、第2送液バルブ722を開く。第1下流バルブ6411の閉止により、混合液の循環が停止する。ここでは、脱水側送液ポンプ63は継続的に作動しているので、第1回収タンクTk11から第2浄化タンクTk22に第1濃縮液が供給される。この供給により、第1回収タンクTk11の回収貯留量は時間の経過とともに低減し、第2浄化タンクTk22の浄化貯留量は時間の経過ともに増加する。
【0160】
第2浄化タンクTk22に十分な量の第1濃縮液を供給したときに、濃縮液供給部70は第2浄化タンクTk22への第1濃縮液の供給を停止する(時点t4参照)。具体的には、図11に示されるように、制御部6は第2送液バルブ722を閉じ、脱水側送液ポンプ63を停止させる。図6の例では、時点t4において第1回収タンクTk11はほぼ空になっている。
【0161】
次に、浄化循環部80は、第2浄化タンクTk22を含む第2浄化循環経路802を通じて第1濃縮液を循環させ始める(時点t4参照)。具体的には、図11に示されるように、制御部6は第2切替バルブ842を開き、第2浄化側送液ポンプ832を作動させる。この循環により、第2浄化タンクTk22内の第1濃縮液の不純物含有率は時間の経過とともに低減する。制御部6は第1の実施の形態と同様に、第2浄化温調器872を作動させてもよい。なお、浄化循環部80は第2浄化タンクTk22への第1濃縮液の供給中(つまり、時点t3から時点t4まで)に循環を開始してもよい。
【0162】
供給貯留量が再び供給基準値以下になると、再利用液供給部89は供給タンクTk3に再利用液を供給し始める(時点t5参照)。ここでは、第2浄化タンクTk22内の第1濃縮液の不純物含有率は未だ不純物基準値以下になっていないものとする。このため、再利用液供給部89は第1浄化タンクTk21から供給タンクTk3に再利用液を供給する。この供給に先立って、浄化循環部80は第1浄化循環経路801を通じた循環を停止させ得る。具体的には、図11に示されるように、制御部6は、第1切替バルブ841を閉じ、第1送液バルブ861を開く。この供給により、第1浄化タンクTk21の浄化貯留量は時間の経過とともに低減し、供給貯留量は時間の経過とともに増加する。
【0163】
供給タンクTk3に十分な量の再利用液を供給したときに、再利用液供給部89は供給タンクTk3への再利用液の供給を停止する(時点t6参照)。具体的には、図12に示されるように、制御部6は第1送液バルブ861を閉じ、第1浄化側送液ポンプ831を停止させる。図6の例では、時点t6において、第1浄化タンクTk21はほぼ空になっている。この供給停止により、供給貯留量は再び時間の経過とともに低減する。
【0164】
一方、第2回収タンクTk12の回収貯留量が所定の循環基準値以上になると、回収切替部50は処理ユニット4からの混合液の回収先を第2回収タンクTk12から第1回収タンクTk11に切り替える。図6では、回収切替部50は時点t6において回収先を第1回収タンクTk11に切り替えている。具体的には、図12に示されるように、制御部6は第1回収バルブ521を開き、第2回収バルブ522を閉じる。これにより、第1回収タンクTk11の回収貯留量は時間の経過とともに増加する。
【0165】
上述のように、回収切替部50は時点t6において回収先を第1回収タンクTk11に切り替える。ここでは、第1回収タンクTk11内の第1濃縮液を第2浄化タンクTk22に供給し終わった時点t4の後に、第1回収タンクTk11が処理ユニット4からの混合液を受け入れる。要するに、有機溶剤回収部5は、第1回収タンクTk11での第1濃縮液の生成(時点t2から時点t3)および第1回収タンクTk11からの第2浄化タンクTk22への第1濃縮液の供給(時点t3から時点t4)を、時点t6までに終了させる。言い換えれば、この条件を満足するように、循環脱水器62の能力、循環中の混合液の圧力(目標値)、流量(目標値)および温度(目標値)ならびに第2浄化タンクTk22に供給する混合液の流量(目標値)が設定され得る。
【0166】
次に、脱水循環部60は、第2回収タンクTk12を含む第2脱水循環経路602を通じて混合液を循環させ始める(時点t6参照)。具体的には、図12に示されるように、制御部6は第2下流バルブ6412、第2上流バルブ6422および排出バルブ66を開き、脱水側送液ポンプ63を作動させる。この循環によって、第2回収タンクTk12内の混合液の溶剤濃度は時間の経過とともに増加する。制御部6は第1の実施の形態と同様に、脱水温調器622を作動させてもよい。
【0167】
以上のように、第1回収タンクTk11による混合液の回収中において、第2脱水循環経路602を通じて混合液が循環する。言い換えれば、この循環中において、処理ユニット4からの混合液は第2回収タンクTk12に供給されない。このため、処理ユニット4からの混合液が循環中の混合液に流入することを回避することができる。したがって、該流入に起因した循環中の混合液の溶剤濃度の低下および温度変動を回避することができる。
【0168】
第2回収タンクTk12内の混合液の溶剤濃度が溶剤基準値以上となると、脱水循環部60は第2脱水循環経路602を通じた循環を停止させる(時点t7参照)。次に濃縮液供給部70は、貯留量が補充基準値以下である第1浄化タンクTk21に対して、第2回収タンクTk12から第1濃縮液を供給し始める。具体的には、図13に示されるように、制御部6は、第2下流バルブ6412を閉じ、第1送液バルブ721を開く。第2下流バルブ6412の閉止により、混合液の循環が停止する。ここでは、脱水側送液ポンプ63は継続的に作動しているので、第2回収タンクTk12から第1浄化タンクTk21に第1濃縮液が供給される。この供給により、第2回収タンクTk12の回収貯留量が時間の経過とともに低減し、第1浄化タンクTk21の浄化貯留量が時間の経過とともに増加する。
【0169】
第1浄化タンクTk21に十分な量の第1濃縮液を供給したときには、濃縮液供給部70は第1浄化タンクTk21への第1濃縮液の供給を停止する(時点t8参照)。具体的には、図14に示されるように、制御部6は第1送液バルブ721を閉じ、脱水側送液ポンプ63を停止させる。図6の例では、時点t8において、第2回収タンクTk12はほぼ空になっている。
【0170】
次に、浄化循環部80は、第1浄化タンクTk21を含む第1浄化循環経路801を通じて第1濃縮液を循環させ始める(時点t8参照)。具体的には、図14に示されるように、制御部6は第1切替バルブ841を開き、第1浄化側送液ポンプ831を作動させる。この循環により、第1浄化タンクTk21内の第1濃縮液の不純物含有率は時間の経過とともに低減する。制御部6は第1の実施の形態と同様に、第1浄化温調器871を作動させてもよい。なお、浄化循環部80は第1浄化タンクTk21への第1濃縮液の供給中(つまり、時点t7から時点t8まで)に循環を開始してもよい。
【0171】
供給貯留量が再び供給基準値以下になると、再利用液供給部89は供給タンクTk3に再利用液を供給し始める(時点t9参照)。ここでは、第1浄化タンクTk21内の第1濃縮液の不純物含有率は未だ不純物基準値以下になっていないものとする。一方で、第2浄化タンクTk22には、不純物含有率が不純物基準値以下である再利用液が貯留されている。つまり、ここでは、時点t9までに第2浄化タンクTk22に再利用液が貯留される。要するに、第2浄化循環経路802を通じた循環の開始(時点t4)から、供給タンクTk3の貯留量が2回目に供給基準値以下となる時点t9までに、第2浄化タンクTk22内の第1濃縮液の不純物含有率が不純物基準値以下となる。逆に言えば、この条件が成立するように、第2フィルタ822の能力、ならびに、循環中の第1濃縮液の圧力(目標値)、流量(目標値)および温度(目標値)が事前に設定され得る。
【0172】
浄化循環部80は第2浄化循環経路802を通じた循環を停止しつつ、再利用液供給部89は第2浄化タンクTk22から供給タンクTk3に再利用液を供給する。具体的には、制御部6は、図14に示されるように、第2切替バルブ842を閉じ、第2送液バルブ862を開く。この供給により、第2浄化タンクTk22の浄化貯留量は時間の経過とともに低減し、供給貯留量は時間の経過とともに増加する。
【0173】
供給タンクTk3に十分な量の再利用液を供給したときには、再利用液供給部89は供給タンクTk3への再利用液の供給を停止する(時点t10参照)。
【0174】
一方、第1回収タンクTk11の回収貯留量が所定の循環基準値以上になると、回収切替部50は処理ユニット4からの混合液の回収先を第1回収タンクTk11から再び第2回収タンクTk12に切り替える。図6の例では、回収切替部50は時点t10において回収先を第2回収タンクTk12に切り替えている。具体的には、図14に示されるように、制御部6は第1回収バルブ521を閉じ、第2回収バルブ522を開く。これにより、第2回収タンクTk12の回収貯留量は時間の経過とともに増加する。
【0175】
上述のように、回収切替部50は時点t10において回収先を第2回収タンクTk12に切り替える。ここでは、第2回収タンクTk12内の第1濃縮液を第1浄化タンクTk21に供給し終わった時点t8の後に、第2回収タンクTk12が処理ユニット4からの混合液を受け入れる。要するに、有機溶剤回収部5は、第2回収タンクTk12での第1濃縮液の生成(時点t6から時点t7)および第2回収タンクTk12からの第1浄化タンクTk21への第1濃縮液の供給(時点t7から時点t8)を、時点t10までに終了させる。言い換えれば、この条件を満足するように、循環脱水器62の能力、循環中の混合液の圧力(目標値)、流量(目標値)および温度(目標値)ならびに第1浄化タンクTk21に供給する混合液の流量(目標値)が設定され得る。
【0176】
以後、有機溶剤回収部5は上述の動作を繰り返す。
【0177】
以上のように、第2の実施の形態では、第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12が設けられており、回収切替部50は、処理ユニット4からの混合液の回収先を第1回収タンクTk11と第2回収タンクTk12との間で交互に切り替える。しかも、有機溶剤回収部5は、第1回収タンクTk11での混合液の回収中に、第2回収タンクTk12での第1濃縮液の生成、および、その第1濃縮液の第2回収タンクTk12から第1浄化タンクTk21への供給を行う。同様に、有機溶剤回収部5は、第2回収タンクTk12での混合液の回収中に、第1回収タンクTk11での第1濃縮液の生成、および、その第1濃縮液の第1回収タンクTk11から第2浄化タンクTk22への供給を行う。
【0178】
これにより、有機溶剤回収部5は処理ユニット4からの混合液の回収を常時継続しつつも、第1濃縮液を生成することができる。しかも、処理ユニット4からの混合液は循環中の混合液に流入しない。このため、該流入に起因した循環中の混合液の溶剤濃度の低下を回避することができる。また、該流入に起因した循環中の混合液の温度変動も回避することができる。したがって、循環脱水器62は高効率で混合液から分離液を分離することができる。
【0179】
また、上述の例では、脱水循環部60は、共通循環配管610に循環脱水器62が設けられている。このため、循環脱水器62を第1脱水循環経路601および第2脱水循環経路602の両方で兼用することができる。したがって、装置規模および製造コストを低減させることができる。
【0180】
これは、混合液が複数の処理ユニット4から継続して排出される基板処理装置100に特に有益である。すなわち、第1回収タンクTk11および第2回収タンクTk12のいずれか一方は常時、処理ユニット4から混合液の回収に用いられるので、第1脱水循環経路601を通じた循環および第2脱水循環経路602を通じた循環を並行して行う必要はなく、これらの循環を交互に行えばよい。このため、循環脱水器62を第1脱水循環経路601および第2脱水循環経路602の両方で兼用しても、第1脱水循環経路601の循環および第2脱水循環経路602の循環を適切に実現することができる。
【0181】
また、上述の例では、第1浄化タンクTk21および第2浄化タンクTk22が設けられており、浄化循環部80は、第1浄化循環経路801に設けられた第1フィルタ821と、第2浄化循環経路802に設けられた第2フィルタ822とを含んでいる。これにより、浄化循環部80は、第1浄化循環経路801を通じた第1濃縮液の循環と、第2浄化循環経路802を通じた第1濃縮液の循環とを並行して行うことができる(例えば時点t4から時点t5および時点t8から時点t9)。このため、第1濃縮液の循環時間を長くすることができ、不純物含有率がより低い再利用液を生成することができる。
【0182】
<第3の実施の形態>
循環脱水器62は混合液から水を分離するに際して、混合液中の有機溶剤をわずかに分離する可能性がある。例えば分離膜621cは有機溶剤をほぼ阻止するものの、実際には、混合液中の有機溶剤のわずかな一部が分離膜621cを通過し得る。言い換えれば、分離膜621cは、有機溶剤よりも水を通過させやすい膜であるともいえる。つまり、膜分離器621に流入する水の量に対して分離膜621cを通過する水の量の比率は、膜分離器621に流入する有機溶剤の量に対して分離膜621cを通過する有機溶剤の量の比率よりも高い。
【0183】
以上のように、分離液にはわずかな有機溶剤が含まれ得る。そこで、第3の実施の形態では、分離液に含まれる有機溶剤を処理することを企図する。
【0184】
図15は、第3の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5の一例を模式的に示す図である。第3の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5は、分離液処理部90の有無という点で、第1または第2の実施の形態と相違する。
【0185】
分離液処理部90は分離排出配管65に介挿されている。分離液処理部90には分離液が流入する。分離液にはわずかに有機溶剤が含まれている。分離液の溶剤濃度は混合液の溶剤濃度に比べて小さい。分離液処理部90は分離液を処理して、分離液の溶剤濃度をさらに低減させる。図15の例では、分離液処理部90は分解器92を含んでいる。分解器92は分離排出配管65に介挿されている。分解器92には分離液が流入する。分解器92は分離液中の有機溶剤を分解する。具体的には、分解器92は有機溶剤を水と他成分とに分解する。他成分は例えば二酸化炭素を含む。
【0186】
分解器92は例えば電気分解により有機溶剤を分解してもよい。例えば分解器92は、流入した分離液を貯留するタンクと、該タンク内の分離液に浸漬した一対の電極と、一対の電極間に電圧を印加する電源とを含む。電源が一対の電極間に電圧を印加することにより、分離液中の有機溶剤を分解する。
【0187】
ところで、各配管には液体の蒸気も流れ得る。例えば、各配管には水蒸気および有機溶剤の蒸気が流れ得る。有機溶剤が水よりも揮発性が高い場合には、配管内には有機溶剤の蒸気が生じやすい。特に、図15の例では、循環脱水器62は脱水温調器622を含んでおり、混合液の加熱を伴って混合液から分離液を分離する。このため、混合液および分離液の温度は比較的に高い。混合液および分離液は温度が高いほど蒸発するので、例えば、脱水用循環配管61には混合液の蒸気が流れ、その結果、分離排出配管65の上流端部には分離液の蒸気が流入する。温度が高いほど、分離液の蒸気の割合は大きくなる。以下では、分離液および分離液の蒸気を総称して分離流体と呼ぶ。分離流体の主成分は水である。
【0188】
そこで、図15の例では、分離液処理部90は凝縮器91も含んでいる。凝縮器91は分解器92よりも上流側の位置で分離排出配管65に介挿されている。凝縮器91には分離流体が流入する。凝縮器91は少なくとも有機溶剤の蒸気を凝縮させる。つまり、有機溶剤の蒸気が液体に変化する。凝縮器91は、例えば、熱交換器と、冷却源とを含む。熱交換器は分離排出配管65に介挿されている。冷却源は熱交換器を冷却する。例えば冷却源は冷媒を熱交換器に供給してもよい。冷媒は気体であってもよく、液体であってもよい。あるいは、冷却源は熱交換器に設けられた電子冷熱ユニットであってもよい。熱交換器を通過する分離流体は熱交換器に熱を奪われて冷却する。これにより、少なくとも有機溶剤の蒸気が液体に変化する。凝縮器91は有機溶剤の蒸気の大部分または全部を凝縮させるとよい。また、凝縮器91は水蒸気の大部分または全部をも凝縮させるとよい。
【0189】
これにより、分解器92に流入する有機溶剤の蒸気量を低減させつつ、分解器92に流入する液体の有機溶剤の量を増加させることができる。このため、分解器92はより確実に有機溶剤を電気分解させることができる。分解器92は有機溶剤(液体)の大部分または全部を分解するとよい。
【0190】
図15の例では、排出バルブ66として第1排出バルブ661および第2排出バルブ662が設けられている。第1排出バルブ661は分離液処理部90よりも上流側の位置で分離排出配管65に介挿されており、第2排出バルブ662は分離液処理部90よりも下流側の位置で分離排出配管65に介挿されている。
【0191】
制御部6は脱水循環部60による混合液の循環中において、分離液処理部90を作動させる。具体的には、制御部6は凝縮器91の冷却源を作動させ、分解器92の電源を作動させる。例えば、制御部6は脱水循環部60による混合液の循環開始とともに、分離液処理部90の作動を開始させ、脱水循環部60による混合液の循環停止とともに、分離液処理部90の作動を停止させる。
【0192】
また、第3の実施の形態が第2の実施の形態に適用される場合、制御部6は、第1脱水循環経路601を通じた混合液の循環中および第2脱水循環経路602を通じた混合液の循環中の各々において、分離液処理部90を作動させる。
【0193】
なお、分解器92がタンクを有している場合、分解器92はタンク内に十分な量の分離液が貯留されたときに、該分離液を電気分解してもよい。この場合、有機溶剤の分解は必ずしも混合液の循環中に行われる必要はない。
【0194】
以上のように、第3の実施の形態では、分離液処理部90が分離液中の有機溶剤を分解する。このため、排出先の排出処理部(例えば工場設備の排出処理部)は分離液を処理しやすい。また、上述の例では、凝縮器91が有機溶剤の蒸気を凝縮させたうえで、分解器92が分離液中の有機溶剤を電気分解する。このため、分離液処理部90から下流側に流出する有機溶剤の量をより確実に低減させることができる。
【0195】
<第4の実施の形態>
<第1例>
図16は、第4の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5の第1例を模式的に示す図である。第4の実施の形態の第1例にかかる有機溶剤回収部5は、分離液処理部90の内部構成という点で、第3の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5と相違する。
【0196】
第4の実施の形態にかかる分離液処理部90は分離流体から有機溶剤を分離する。そして、分離液処理部90は、有機溶剤が分離した後の分離流体を外部に排出し、分離した有機溶剤を第1濃縮液に合流させる。図16の例では、分離液処理部90は、分離した有機溶剤を浄化タンクTk2に供給する。
【0197】
なお、分離液処理部90は実際には分離流体から水も分離し得る。そこで、以下では、分離液処理部90が分離流体から分離した液体を第2濃縮液とも呼ぶ。第2濃縮液は有機溶剤のみならず、わずかに水も含み得る。第2濃縮液の主成分は有機溶剤であり、その溶剤濃度は高い。第2濃縮液は有機溶剤のみによって構成されてもよい。
【0198】
図16の例では、分離液処理部90は、分離脱水器93と、復帰配管94とを含んでいる。分離脱水器93は分離排出配管65に介挿されている。以下では、分離排出配管65のうちの分離脱水器93よりも上流側の部分を上流排出配管65aと呼び、下流側の部分を下流排出配管65bと呼ぶ。分離脱水器93は復帰配管94の上流端部にも接続されている。分離脱水器93には、上流排出配管65aを通じて分離流体が流入する。この分離流体にはわずかに有機溶剤が含まれ得る。分離脱水器93は分離流体から第2濃縮液を分離する。分離脱水器93は、第2濃縮液が分離した後の分離流体(主として水)を下流排出配管65bに流し、第2濃縮液を復帰配管94に流す。復帰配管94は、第2濃縮液を第1濃縮液に合流させる配管である。図16の例では、復帰配管94の下流端部は浄化タンクTk2に接続されている。
【0199】
ここで、循環脱水器62および分離脱水器93の相違の一例について述べる。循環脱水器62および分離脱水器93は溶剤濃度の適用範囲の下限値という点で互いに相違する。溶剤濃度の適用範囲とは、脱水器に流入する流体の溶剤濃度の適用範囲である。この適用範囲の下限値を下回る溶剤濃度を有する流体が脱水器に流入すると、脱水器の不具合を生じ得る。例えば、脱水器は十分に流体から水を分離できない。循環脱水器62の該下限値は分離脱水器93の該下限値よりも高い。つまり、循環脱水器62は分離脱水器93に比べて高溶剤濃度用の脱水器である。言い換えれば、分離脱水器93は循環脱水器62に比べて低溶剤濃度用の脱水器である。分離膜621cがゼオライト膜である場合、その下限値は50wt%程度であり得る。例えば、溶剤濃度の低い混合液がゼオライト膜に流入すると、ゼオライト膜が損傷するおそれがある。
【0200】
分離脱水器93は、例えば、有機溶剤を捕捉する吸着フィルタ93aと、吸着フィルタ93aを加熱する加熱部93bと、凝縮器961とを含んでいる。吸着フィルタ93aは例えば活性炭である。吸着フィルタ93aは吸着作用により、有機溶剤を捕捉する。吸着フィルタ93aは分離流体中の有機溶剤を捕捉することにより、分離流体から有機溶剤を分離する。吸着フィルタ93aについての溶剤濃度の適用範囲の下限値は、分離膜621cの下限値よりも低く、例えば、10wt%以下であってもよく、5wt%以下であってもよく、2wt%以下であってもよく、1wt%以下であってもよく、0.1wt%以下であってもよい。
【0201】
加熱部93bは、吸着フィルタ93aに分離流体が流れていない状態で、吸着フィルタ93aを加熱して、吸着フィルタ93aから有機溶剤(例えば蒸気)を放出させる。吸着フィルタ93aから放出された有機溶剤は復帰配管94に流入する。加熱部93bは、電熱線を有する電気抵抗式のヒータであってもよく、光源を有する光学式のヒータであってもよい。また、加熱部93bは、吸着フィルタ93aに接続された下流端を有する加熱用配管と、加熱用配管を通じてガスを供給するガス供給源と、加熱用配管を流れるガスを加熱するヒータとを含んでいてもよい。吸着フィルタ93aに高温のガス(例えば窒素)が供給されると、ガスと吸着フィルタ93aとの熱交換により、吸着フィルタ93aが加熱される。なお、吸着フィルタ93aが有機溶剤を放出することにより、吸着フィルタ93aの吸着能力を回復することができる。
【0202】
下流排出配管65bには第2排出バルブ662が介挿されており、復帰配管94には復帰バルブ95が介挿されている。
【0203】
また、図16の例では、分離液処理部90は凝縮器961も含んでいる。凝縮器961は下流排出配管65bに介挿されている。一例として、凝縮器961は第2排出バルブ662よりも下流側の位置に設けられている。凝縮器961は分離脱水器93を通過した分離流体(主として水および水蒸気)に含まれる蒸気(主として水蒸気)を凝縮させる。凝縮器961の構成は例えば凝縮器91と同様である。
【0204】
凝縮器962は復帰配管94に介挿されている。一例として、凝縮器962は復帰バルブ95よりも下流側の位置に設けられている。凝縮器962は分離脱水器93からの有機溶剤の蒸気を凝縮させる。凝縮器962の構成は例えば凝縮器91と同様である。
【0205】
制御部6は、第1排出バルブ661および第2排出バルブ662を開き、かつ、復帰バルブ95を閉じた状態で、脱水循環部60に混合液を循環させる。この混合液の循環中において、循環脱水器62からの分離流体は上流排出配管65aを通じて分離脱水器93に流入する。一例として、分離流体は吸着フィルタ93aに流入する。
【0206】
吸着フィルタ93aは分離流体中の有機溶剤を捕捉する。このため、脱水循環部60による循環中において、吸着フィルタ93aに捕捉された有機溶剤の量は時間の経過とともに増加する。吸着フィルタ93aを通過した分離流体(主として水および水蒸気)は凝縮器961に流入する。凝縮器961は蒸気を凝縮させて分離液に変化させる。凝縮器961を通過した分離液は外部に排出される。
【0207】
また、制御部6は、脱水循環部60に循環を停止させた状態で、第1排出バルブ661および第2排出バルブ662を閉じ、復帰バルブ95を開き、加熱部93bを作動させる。加熱部93bは吸着フィルタ93aを加熱し、吸着フィルタ93aから有機溶剤(蒸気)を放出させる。有機溶剤は復帰配管94上の凝縮器962に流入する。凝縮器962は有機溶剤の蒸気を凝縮させ、液体の有機溶剤に変化させる。凝縮器962は有機溶剤の蒸気の大部分または全部を凝縮させるとよい。凝縮器962を経由した第2濃縮液は浄化タンクTk2に供給される。
【0208】
以上のように、第4の実施の形態では、分離液処理部90は分離流体中の有機溶剤の一部または全部を分離流体から分離する。このため、第4の実施の形態でも、分離流体中の有機溶剤を低減させることができる。したがって、排出先の排液処理部は分離液を処理しやすい。一方で、分離した有機溶剤(第2濃縮液)は第1濃縮液に合流する。上述の例では、第2濃縮液は浄化タンクTk2に供給される。このため、有機溶剤の廃棄量をさらに低減させることができる。なお、第2濃縮液は回収タンクTk1に供給されてもよい。
【0209】
<第2例>
図17は、第4の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5の第2例を模式的に示す図である。第4の実施の形態の第2例にかかる有機溶剤回収部5は、分離液処理部90の有無という点で、第2の実施の形態にかかる有機溶剤回収部5と相違する。
【0210】
図17の例では、分離液処理部90は、第1分離脱水器931と、第2分離脱水器932と、脱水切替部97と、浄化切替部99とを含んでいる。
【0211】
脱水切替部97は循環脱水器62からの分離流体の排出経路を、第1分離脱水器931を経由する経路と、第2分離脱水器932を経由する経路との間で切り替える。一例として、脱水切替部97は、分離排出配管65と、第1分岐バルブ971と、第2分岐バルブ972とを含んでいる。分離排出配管65は、上流共通配管650と、第1分岐配管651と、第2分岐配管652と、下流共通配管653とを含んでいる。
【0212】
上流共通配管650の上流端部は循環脱水器62に接続され、上流共通配管650の下流端部は第1分岐配管651の上流端部および第2分岐配管652の上流端部に接続されている。第1分岐配管651の下流端部および第2分岐配管652の下流端部は下流共通配管653の上流端部に接続されている。下流共通配管653の下流端部は外部(例えば工場設備の排出処理部)に接続される。
【0213】
第1分離脱水器931は第1分岐配管651に介挿されており、第2分離脱水器932は第2分岐配管652に介挿されている。第1分離脱水器931および第2分離脱水器932の構成の一例は分離脱水器93と同様である。ただし、第2例では、凝縮器961が第1分離脱水器931と第2分離脱水器932で共用されている。つまり、第1分離脱水器931は第1吸着フィルタ931aと第1加熱部931bと凝縮器961とを含んでおり、第2分離脱水器932は第2吸着フィルタ932aと第2加熱部932bと凝縮器961とを含んでいる。第1吸着フィルタ931aおよび第2吸着フィルタ932aは吸着フィルタ93aと同様であり、第1加熱部931bおよび第2加熱部932bは加熱部93bと同様である。凝縮器962は第1吸着フィルタ931aおよび第2吸着フィルタ932aの各々からの有機溶剤の蒸気を凝縮させる。
【0214】
第1分岐バルブ971は第1分岐配管651に介挿されており、第2分岐バルブ972は第2分岐配管652に介挿されている。第1分岐バルブ971は第1分離脱水器931よりも上流側の位置に設けられており、第2分岐バルブ972は第2分離脱水器932よりも上流側の位置に設けられている。図17の例では、第1分岐配管651のうち第1分離脱水器931よりも下流側の部分には第3分岐バルブ973が介挿されており、第2分岐配管652のうち第2分離脱水器932よりも下流側の部分には第4分岐バルブ974が介挿されている。
【0215】
このような脱水切替部97は、後述のように、脱水循環部60での循環中の脱水循環経路に応じて、排出経路を切り替えることができる。例えば、脱水切替部97は第1脱水循環経路601を通じた循環中においては、第1分離脱水器931を含む排出経路を選択する。これにより、第1脱水循環経路601から分離した分離流体は第1分離脱水器931を流れ、第1吸着フィルタ931aに有機溶剤が吸着する。一方、脱水切替部97は第2脱水循環経路602を通じた循環中においては、第2分離脱水器932を含む排出経路を選択する。これにより、第2脱水循環経路602を通じた循環中では、第2吸着フィルタ932aに有機溶剤が吸着する。第1脱水循環経路601および第2脱水循環経路602は交互に切り替えられるので、排出経路も交互に切り替えられる。
【0216】
図17の例では、分離液処理部90は、凝縮器961および放出切替部98も含んでいる。凝縮器961は下流共通配管653に介挿されており、第1分離脱水器931および第2分離脱水器932の各々からの分離流体の蒸気を凝縮させる。
【0217】
放出切替部98は、凝縮器962に有機溶剤を供給する供給元を第1吸着フィルタ931aと第2吸着フィルタ932aとの間で切り替える。一例として、放出切替部98は、共通復帰配管940と、第1分岐配管941と、第2分岐配管942と、切替バルブ部980とを含んでいる。第1分岐配管941の上流端部は第1吸着フィルタ931aに接続されており、第2分岐配管942の上流端部は第2吸着フィルタ932aに接続されており、第1分岐配管941の下流端部および第2分岐配管942の下流端部は共通復帰配管940の上流端部に接続されている。
【0218】
切替バルブ部980は、第1吸着フィルタ931aが凝縮器962に連通した状態と、第2吸着フィルタ932aが凝縮器962に連通した状態とを切り替える。図17の例では、切替バルブ部980は第1放出バルブ981と、第2放出バルブ982とを含んでいる。第1放出バルブ981は第1分岐配管941に介挿されており、第2放出バルブ982は第2分岐配管942に介挿されている。凝縮器962は共通復帰配管940に介挿されている。凝縮器962は有機溶剤の蒸気を凝縮させて、第2濃縮液を下流側に流す。
【0219】
放出切替部98は、後述のように、第2濃縮液を供給する供給元を、第1分離脱水器931と第2分離脱水器932との間で交互に切り替える。
【0220】
図17の例では、有機溶剤回収部5には浄化切替部99が設けられている。浄化切替部99は、分離液処理部90からの第2濃縮液の供給先を第1浄化タンクTk21と第2浄化タンクTk22との間で切り替える。一例として、浄化切替部99は、共通復帰配管940と、第1分岐配管943と、第2分岐配管944と、切替バルブ部990とを含んでいる。第1分岐配管943の上流端部および第2分岐配管944の上流端部は共通復帰配管940の下流端部に接続されている。第1分岐配管943の下流端部は第1浄化タンクTk21に接続されており、第2分岐配管944の下流端部は第2浄化タンクTk22に接続されている。
【0221】
切替バルブ部990は、凝縮器962を第1浄化タンクTk21に連通させた状態と、凝縮器962を第2浄化タンクTk22に連通させた状態とを切り替える。図17の例では、切替バルブ部990は、第1浄化バルブ991と、第2浄化バルブ992とを含んでいる。第1浄化バルブ991は第1分岐配管943に介挿されており、第2浄化バルブ984は第2分岐配管944に介挿されている。
【0222】
浄化切替部99は、後述のように、第2濃縮液を供給する浄化タンクTk2を、第1浄化タンクTk21と第2浄化タンクTk22との間で交互に切り替える。
【0223】
<有機溶剤回収部5の動作の一例>
図18は、第4の実施の形態の第2例にかかる有機溶剤回収部5の動作の一例を模式的に示す図である。図19から図22は、有機溶剤回収部5の動作例を説明するための図である。ここで、回収切替部50、脱水循環部60、濃縮液供給部70、浄化循環部80および再利用液供給部89の動作は、第2の実施の形態と同様である。このため、以下では、分離液処理部90に着目して説明する。
【0224】
図18に示されるように、第1回収タンクTk11を含む第1脱水循環経路601を通じた混合液の循環中(時点t2から時点t3)において、第1分離脱水器931は分離流体から有機溶剤を分離する。具体的には、図19に示されるように、制御部6は、排出バルブ66、第1分岐バルブ971および第3分岐バルブ973を開き、凝縮器961を作動させた状態で、脱水循環部60に循環を開始させる。これにより、循環脱水器62からの分離流体が第1分離脱水器931および凝縮器961をこの順で通過して外部に排出される。分離流体が第1分離脱水器931に流入するので、第1吸着フィルタ931aに捕捉される有機溶剤の量は、時間の経過とともに増加する。
【0225】
図18の例では、制御部6は、第1脱水循環経路601を通じた循環の停止とともに、第1分離脱水器931による分離流体からの有機溶剤の分離を終了させる(時点t3)。具体的には、制御部6は排出バルブ66、第1分岐バルブ971および第3分岐バルブ973を閉じ、凝縮器961を停止させる。次に、分離液処理部90は第1分離脱水器931から第2浄化タンクTk22に第2濃縮液を供給する。具体的には、図20に示されるように、制御部6は、第1放出バルブ981および第2浄化バルブ992を開き、第1分離脱水器931の第1加熱部931bおよび凝縮器962を作動させる。これにより、第1分離脱水器931の第1吸着フィルタ931aから有機溶剤が放出され、凝縮器962を通じて、第2濃縮液として第2浄化タンクTk22に供給される。
【0226】
図18の例では、この第1分離脱水器931から第2浄化タンクTk22の第2濃縮液の供給は、濃縮液供給部70による第1回収タンクTk11から第2浄化タンクTk22への第1濃縮液の供給と並行して行われる(時点t3から時点t4)。なお、図18の例では、第1分離脱水器931から第2浄化タンクTk22への第2濃縮液の供給は時点t4において終了しているものの、必ずしもこれに限らない。第1吸着フィルタ931a内の有機溶剤の放出に要する時間は、第1回収タンクTk11から第2浄化タンクTk22への第1濃縮液の供給時間と相違し得るからである。
【0227】
また、図18に示されるように、第2回収タンクTk12を含む第2脱水循環経路602を通じた混合液の循環中(時点t6から時点t7)において、第2分離脱水器932は分離流体から有機溶剤を分離する。具体的には、図21に示されるように、制御部6は、排出バルブ66、第2分岐バルブ972および第4分岐バルブ974を開き、凝縮器961を作動させる。これにより、循環脱水器62からの分離流体が第2分離脱水器932および凝縮器961をこの順で通過して外部に排出される。分離流体が第2分離脱水器932に流入するので、第2吸着フィルタ932aに捕捉される有機溶剤の量は時間の経過とともに増加する。
【0228】
図18の例では、制御部6は、第2脱水循環経路602を通じた循環の停止とともに、第2分離脱水器932による分離流体からの有機溶剤の分離を終了させる(時点t7)。具体的には、制御部6は排出バルブ66、第2分岐バルブ972および第4分岐バルブ974を閉じ、凝縮器961を停止させる。次に、分離液処理部90は第2分離脱水器932から第1浄化タンクTk21に第2濃縮液を供給する。具体的には、図22に示されるように、制御部6は、第2放出バルブ982および第1浄化バルブ991を開き、第2分離脱水器932の第2加熱部932bおよび凝縮器962を作動させる。これにより、第2分離脱水器932の第2吸着フィルタ932aから有機溶剤が放出され、凝縮器962を通じて、第2濃縮液として第1浄化タンクTk21に供給される。
【0229】
図18の例では、この第2分離脱水器932から第1浄化タンクTk21の第2濃縮液の供給は、濃縮液供給部70による第2回収タンクTk12から第1浄化タンクTk21への第1濃縮液の供給と並行して行われる(時点t7から時点t8)。なお、図18の例では、第2分離脱水器932から第1浄化タンクTk21への第2濃縮液の供給は時点t8において終了しているものの、必ずしもこれに限らない。第2吸着フィルタ932a内の有機溶剤の放出に要する時間は、第2回収タンクTk12から第1浄化タンクTk21への第1濃縮液の供給時間と相違し得るからである。
【0230】
以上のように、分離液処理部90は第1脱水循環経路601を通じた循環中に、分離流体中の有機溶剤を第1分離脱水器931の第1吸着フィルタ931aで捕捉することができ、第2脱水循環経路602を通じた循環中に、分離流体中の有機溶剤を第2分離脱水器932の第2吸着フィルタ932aで捕捉することができる。そして、分離液処理部90は、第1脱水循環経路601を通じた循環の停止中に、第1分離脱水器931の第1吸着フィルタ931aから有機溶剤を放出させて、第2濃縮液を第2浄化タンクTk22に供給し、第2脱水循環経路602を通じた循環の停止中に、第2分離脱水器932の第2吸着フィルタ932aから有機溶剤を放出させて、第2濃縮液を第2浄化タンクTk22に供給する。
【0231】
しかも、分離脱水器93として2つの第1分離脱水器931および第2分離脱水器932が設けられているので、一方が有機溶剤を捕捉している最中に、他方が有機溶剤を放出することもできる。例えば、図18において、第1分離脱水器931の第1吸着フィルタ931aからの放出が時点t5よりも後に終了してもよい。この場合、第1分離脱水器931の第1吸着フィルタ931aからの放出が第2分離脱水器932の第2吸着フィルタ932aの吸着と並行して行われる。放出時間を長くすることができるので、第1吸着フィルタ931a内に捕捉された有機溶剤をより確実に放出させることができる。第2吸着フィルタ932aも同様である。
【0232】
以上のように、有機溶剤回収装置(有機溶剤回収部5)、基板処理装置100および有機溶剤回収方法は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されるものではない。また、上述した各種変形例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない多数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0233】
100 基板処理装置
4 処理ユニット
50 回収切替部
60 脱水循環部
61 脱水用循環配管
610 共通循環配管
611 第1脱水用循環配管
6111 第1下流配管
6112 第2下流配管
612 第2脱水用循環配管
6121 第1上流配管
6122 第2上流配管
62 循環脱水器
621 膜分離器
622 脱水温調器
640 循環切替バルブ部
65 分離排出配管
70 濃縮液供給部
71 第1送液配管
80 浄化循環部
81 浄化用循環配管
82 フィルタ
821 第1フィルタ
822 第2フィルタ
85 第2送液配管
91,962 凝縮器
92 分解器
93 分離脱水器
93a 吸着フィルタ
931a 第1吸着フィルタ
932a 第2吸着フィルタ
93b 加熱部
931b 第1加熱部
932b 第2加熱部
94 復帰配管
97 脱水切替部
98 放出切替部
Tk1 回収タンク
Tk11 第1回収タンク
Tk12 第2回収タンク
Tk2 浄化タンク
Tk21 第1浄化タンク
Tk22 第2浄化タンク
Tk3 供給タンク
W 基板
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