(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025143868
(43)【公開日】2025-10-02
(54)【発明の名称】基板処理装置および基板処理方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20250925BHJP
H01L 21/306 20060101ALI20250925BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/306 R
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043338
(22)【出願日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】清水 進二
【テーマコード(参考)】
5F043
5F157
【Fターム(参考)】
5F043BB27
5F043DD13
5F043EE07
5F043EE08
5F043EE36
5F157AB02
5F157AB14
5F157AB16
5F157AB33
5F157AB46
5F157AB49
5F157AB72
5F157AB90
5F157BB22
5F157CD21
5F157CD27
5F157CD29
5F157CE03
5F157CE07
5F157CE25
5F157CF02
5F157CF32
5F157CF40
5F157CF74
5F157CF82
5F157CF90
(57)【要約】
【課題】基板処理装置において監視対象物を高精度に監視できる。
【解決手段】基板処理装置(100)は、基板(W)を処理する基板処理ユニット(110)と、基板処理ユニット(110)の内部または基板処理ユニット(110)の外部に位置する監視対象物にスポット光を照射する光源(140)と、スポット光が照射された監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する撮像部(150)と、画像データに基づいて、監視対象物を監視する制御部(102)とを備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理する基板処理ユニットと、
前記基板処理ユニットの内部または前記基板処理ユニットの外部に位置する監視対象物にスポット光を照射する光源と、
前記スポット光が照射された前記監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、
前記画像データに基づいて、前記監視対象物を監視する制御部と
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記撮像部は、前記光源が前記スポット光を出射した方向から前記監視対象物を含む領域を撮像する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記光源は、前記基板に対して一方側の位置から、前記監視対象物に前記スポット光を照射し、
前記撮像部は、前記基板に対して他方側の位置から、前記スポット光が照射された前記監視対象物を含む領域を撮像する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記光源は、
前記監視対象物としての第1監視対象物に第1スポット光を出射する第1光源と、
前記監視対象物としての第2監視対象物に第2スポット光を出射する第2光源と
を含む、請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記第1光源は、前記第2光源が前記第2スポット光を出射するタイミングとは異なるタイミングで前記第1スポット光を出射する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第2光源は、前記第1光源が前記第1スポット光を出射する期間と重複する期間に、前記第2スポット光として、前記第1スポット光とは異なる波長の光を出射し、
前記撮像部は、
前記第1スポット光および前記第2スポット光から前記第1スポット光が照射された前記第1監視対象物を含む領域を選択的に撮像して前記画像データを生成し、
前記第1スポット光および前記第2スポット光から前記第2スポット光が照射された前記第2監視対象物を含む領域を選択的に撮像して前記画像データを生成する、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1スポット光を選択的に透過する第1フィルタと、
前記第2スポット光を選択的に透過する第2フィルタと
をさらに備える、請求項6に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板処理ユニットは、
チャンバーと、
前記チャンバー内において前記基板を保持する基板保持部と、
前記基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給する処理液供給部と
を備え、
前記光源は、前記チャンバー内の前記監視対象物に前記スポット光を照射し、
前記撮像部は、前記スポット光が照射された前記チャンバー内の前記監視対象物を含む領域を撮像する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記基板処理ユニットに前記基板を搬送する搬送ロボットをさらに備え、
前記光源は、前記搬送ロボットの一部に前記スポット光を照射し、
前記撮像部は、前記スポット光が照射された前記搬送ロボットの一部を含む領域を撮像する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
基板処理ユニットにおいて基板を処理する工程と、
前記基板処理ユニットの内部または前記基板処理ユニットの外部に位置する監視対象物にスポット光を照射する工程と、
前記スポット光が照射された前記監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する工程と、
前記画像データに基づいて、前記監視対象物を監視する工程と
を包含する、基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置が知られている。基板処理装置は、半導体基板の処理に好適に用いられる。典型的には、基板処理装置は、処理液を用いて基板を処理する。
【0003】
基板処理装置内の状況を撮像して監視することが検討されている(特許文献1参照)。特許文献1には、撮像動画に基づいて基板処理を監視することが記載されている。特許文献1の監視装置では、ノズルから基板の表面に処理液を吐出する際の撮像動画の解像度を、基板の表面に処理液の被膜を形成する際の撮像動画の解像度よりも高くすることにより、コンピュータの処理負荷の低減を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2021/095612号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1には、基板処理装置に光源が設置されておらず、監視のための撮像動画を取得する際の撮像環境によっては、監視対象物を適切に監視できないことがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、基板処理装置において監視対象物を高精度に監視可能な基板処理装置および基板処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、基板を処理する基板処理ユニットと、前記基板処理ユニットの内部または前記基板処理ユニットの外部に位置する監視対象物にスポット光を照射する光源と、前記スポット光が照射された前記監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する撮像部と、前記画像データに基づいて、前記監視対象物を監視する制御部とを備える。
【0008】
ある実施形態では、前記撮像部は、前記光源が前記スポット光を出射した方向から前記監視対象物を含む領域を撮像する。
【0009】
ある実施形態では、前記光源は、前記基板に対して一方側の位置から、前記監視対象物に前記スポット光を照射し、前記撮像部は、前記基板に対して他方側の位置から、前記スポット光が照射された前記監視対象物を含む領域を撮像する。
【0010】
ある実施形態では、前記光源は、前記監視対象物としての第1監視対象物に第1スポット光を出射する第1光源と、前記監視対象物としての第2監視対象物に第2スポット光を出射する第2光源とを含む。
【0011】
ある実施形態では、前記第1光源は、前記第2光源が前記第2スポット光を出射するタイミングとは異なるタイミングで前記第1スポット光を出射する。
【0012】
ある実施形態では、前記第2光源は、前記第1光源が前記第1スポット光を出射する期間と重複する期間に、前記第2スポット光として、前記第1スポット光とは異なる波長の光を出射し、前記撮像部は、前記第1スポット光および前記第2スポット光から前記第1スポット光が照射された前記第1監視対象物を含む領域を選択的に撮像して前記画像データを生成し、前記第1スポット光および前記第2スポット光から前記第2スポット光が照射された前記第2監視対象物を含む領域を選択的に撮像して前記画像データを生成する。
【0013】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記第1スポット光を選択的に透過する第1フィルタと、前記第2スポット光を選択的に透過する第2フィルタとをさらに備える。
【0014】
ある実施形態では、前記基板処理ユニットは、チャンバーと、前記チャンバー内において前記基板を保持する基板保持部と、前記基板保持部に保持された前記基板に処理液を供給する処理液供給部とを備え、前記光源は、前記チャンバー内の前記監視対象物に前記スポット光を照射し、前記撮像部は、前記光源によって照射された前記チャンバー内の前記監視対象物を含む領域を撮像する。
【0015】
ある実施形態では、前記基板処理装置は、前記基板処理ユニットに前記基板を搬送する搬送ロボットをさらに備え、前記光源は、前記搬送ロボットの一部に前記スポット光を照射し、前記撮像部は、前記スポット光が照射された前記搬送ロボットの一部を含む領域を撮像する。
【0016】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、基板処理ユニットにおいて基板を処理する工程と、前記基板処理ユニットの内部または前記基板処理ユニットの外部に位置する監視対象物にスポット光を照射する工程と、前記スポット光が照射された前記監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する工程と、前記画像データに基づいて、前記監視対象物を監視する工程とを包含する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、基板処理装置において監視対象物を高精度に監視できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図3】本実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図4】(a)は、本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニット内部の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置において基板処理ユニット内でスポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【
図5】本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【
図6】本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【
図7】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図8】(a)は、本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニット内部の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置において基板処理ユニット内でスポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【
図9】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図10】(a)は、本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニット内部の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置において基板処理ユニット内で第1スポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【
図11】(a)は、本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニット内部の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置において基板処理ユニット内で第2スポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【
図12】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図13】(a)は、本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニット内部の模式図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置において基板処理ユニット内で第1スポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図であり、(c)は、本実施形態の基板処理装置において基板処理ユニット内で第2スポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【
図14】本実施形態の基板処理装置における基板処理ユニットの模式図である。
【
図15】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
【
図16】本実施形態の基板処理装置におけるロードポートおよびインデクサーユニットの模式的な側面図である。
【
図17】(a)は、本実施形態の基板処理装置におけるインデクサーロボットのハンドの模式的な側面図であり、(b)は、本実施形態の基板処理装置におけるインデクサーロボットのハンドの模式的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置および基板処理方法の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。なお、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を記載することがある。典型的には、X軸およびY軸は水平方向に平行であり、Z軸は鉛直方向に平行である。
【0020】
まず、
図1を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図1は、基板処理装置100の模式的な平面図である。
【0021】
図1に示すように、基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0022】
基板Wは、半導体基板として用いられる。基板Wは、半導体ウエハを含む。例えば、基板Wは、略円板状である。基板処理装置100は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0023】
基板処理装置100は、それぞれが基板Wを処理する複数の基板処理ユニット110を備える。基板処理ユニット110は、基板Wを一枚ずつ処理する。
【0024】
ここでは、基板処理装置100は、複数の基板処理ユニット110に加えて、複数のロードポートLPと、流体キャビネット10Aと、流体ボックス10Bと、インデクサーユニット20と、インデクサーユニット20内に配置されたインデクサーロボットIRと、設置台30と、センターロボットCRと、制御装置101とを備える。制御装置101は、ロードポートLP、インデクサーロボットIR、センターロボットCRおよび基板処理ユニット110を制御する。
【0025】
ロードポートLPの各々には、積層された複数枚の基板Wが配置される。
【0026】
ロードポートLPに隣接してインデクサーユニット20が配置される。インデクサーユニット20内には、インデクサーロボットIRが配置される。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPと設置台30との間で基板Wを受け渡しする。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPから基板Wを引き出して設置台30に載置する。また、インデクサーロボットIRは、設置台30に載置された基板WをロードポートLPに搬送する。
【0027】
設置台30は、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に位置する。設置台30は、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で、基板Wを一時的に載置する。
【0028】
センターロボットCRは、設置台30と基板処理ユニット110との間で基板Wを受け渡しする。センターロボットCRは、設置台30に載置された基板Wを基板処理ユニット110に搬送する。また、センターロボットCRは、基板処理ユニット110において処理された基板Wを設置台30に搬送する。
【0029】
流体キャビネット10Aは、処理液を収容する。なお、流体キャビネット10Aは、気体を収容してもよい。流体キャビネット10Aに収容された処理液および/または気体は、基板処理ユニット110に供給される。
【0030】
基板処理ユニット110の各々は、基板Wに処理液を吐出して基板Wを処理する。複数の基板処理ユニット110は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図1では4つのタワーTW)を形成する。各タワーTWは、上下に積層された基板処理ユニット110(
図1では3つの基板処理ユニット110)を含む。流体ボックス10Bは、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。流体キャビネット10A内の処理液は、いずれかの流体ボックス10Bを介して、流体ボックス10Bに対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット110に供給される。また、流体キャビネット10A内の気体は、いずれかの流体ボックス10Bを介して、流体ボックス10Bに対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理ユニット110に供給される。
【0031】
制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、プロセッサーを有する。制御部102は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部102は、汎用演算機を有してもよい。
【0032】
記憶部104は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部104はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0033】
記憶部104は、データを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0034】
また、記憶部104は、過去に監視対象物を含む領域を撮像した際の基準画像データを記憶してもよい。あるいは、記憶部104は、基準画像データの輝度値を記憶してもよい。または、記憶部104は、基準画像データから抽出した監視対象物の位置または動作を示すデータを記憶してもよい。
【0035】
次に、
図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110を説明する。
図2は、基板処理装置100における基板処理ユニット110の模式図である。
【0036】
基板処理ユニット110は、チャンバー112と、基板保持部120と、処理液供給部130と、光源140と、撮像部150とを備える。チャンバー112は、基板保持部120および処理液供給部130の少なくとも一部を収容する。
【0037】
チャンバー112は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー112は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理ユニット110は、基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー112には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー112内に収容され、チャンバー112内で処理される。
【0038】
基板保持部120は、基板Wを保持する。基板保持部120は、基板Wの上面(表面)Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部120は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。基板Wの上面Waは、平坦化されてもよい。または、基板Wの上面Waには、デバイス面が設けられてもよく、リセスの設けられたピラー状の積層体が設けられてもよい。基板保持部120は、基板Wを保持した状態で基板Wとともに回転する。
【0039】
例えば、基板保持部120は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部120は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部120は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部120は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部120は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0040】
例えば、基板保持部120は、スピンベース121と、チャック部材122と、シャフト123と、電動モーター124と、ハウジング125とを含む。チャック部材122は、スピンベース121に設けられる。チャック部材122は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース121には、複数のチャック部材122が設けられる。
【0041】
シャフト123は、中空軸である。シャフト123は、回転軸Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト123の上端には、スピンベース121が結合されている。基板Wは、スピンベース121の上方に載置される。
【0042】
スピンベース121は、円板状である。チャック部材122は、基板Wを水平に支持する。シャフト123は、スピンベース121の中央部から下方に延びる。電動モーター124は、シャフト123に回転力を与える。電動モーター124は、シャフト123を回転方向に回転させることにより、回転軸Axを中心に基板Wおよびスピンベース121を回転させる。ハウジング125は、シャフト123および電動モーター124を取り囲んでいる。
【0043】
処理液供給部130は、基板Wに処理液を供給する。典型的には、処理液供給部130は、基板保持部120に保持された基板Wの上面Waに処理液を供給する。なお、処理液供給部130は、基板Wに複数種の処理液を供給してもよい。
【0044】
処理液は、基板Wをエッチングするエッチング液であってもよい。エッチング液として、例えば、フッ硝酸(フッ酸(HF)と硝酸(HNO3)との混合液)、フッ酸、バファードフッ酸(BHF)、フッ化アンモニウム、HFEG(フッ酸とエチレングリコールとの混合液)および燐酸(H3PO4)が挙げられる。エッチング液の種類は、特に限定されず、例えば、酸性であってもよいし、アルカリ性であってもよい。
【0045】
または、処理液は、リンス液であってもよい。リンス液として、例えば、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、および、還元水(水素水)が挙げられる。
【0046】
あるいは、処理液は、有機溶剤であってもよい。典型的には、有機溶剤の揮発性は、リンス液の揮発性よりも高い。有機溶剤として、例えば、イソプロピルアルコール(isopropyl alcohol:IPA)、メタノール、エタノール、アセトン、ハイドロフルオロエーテル(hydrofluoro ether:HFE)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(propylene glycol ethyl ether:PGEE)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(propyleneglycol monomethyl ether acetate:PGMEA)が挙げられる。
【0047】
処理液供給部130は、配管132と、バルブ134と、ノズル136と、移動機構138とを含む。配管132には、供給源から処理液が供給される。バルブ134は、配管132内の流路を開閉する。ノズル136は、配管132に接続される。ノズル136は、基板Wの上面Waに処理液を吐出する。ノズル136は、基板Wに対して移動可能に構成されていることが好ましい。
【0048】
配管132およびノズル136は、樹脂から構成されてもよい。この場合、光源140から出射された光は、配管132およびノズル136を透過する一方で、光源140から出射された光は、配管132および/またはノズル136内の液体によって屈折する。
【0049】
移動機構138は、水平方向および鉛直方向にノズル136を移動させる。詳しくは、移動機構138は、鉛直方向に延びる回転軸線を中心として周方向に沿ってノズル136を移動させる。また、移動機構138は、ノズル136を鉛直方向に昇降させる。
【0050】
移動機構138は、アーム138aと、軸部138bと、駆動部138cとを有する。アーム138aは、水平方向に沿って延びる。ノズル136は、アーム138aの先端部に配置される。ノズル136は、チャック部材122に保持されている基板Wの上面Waに向けて処理液を供給できる姿勢で、アーム138aの先端部に配置される。詳しくは、ノズル136は、アーム138aの先端部に結合されて、アーム138aから下方に突出する。アーム138aの基端部は、軸部138bに結合する。軸部138bは、鉛直方向に沿って延びる。
【0051】
駆動部138cは、回転駆動機構と、昇降駆動機構とを有する。駆動部138cの回転駆動機構は、回転軸線を中心として軸部138bを回転させて、軸部138bを中心にアーム138aを水平面に沿って旋回させる。その結果、ノズル136が水平面に沿って移動する。詳しくは、ノズル136は、軸部138bの周りを周方向に沿って移動する。駆動部138cの回転駆動機構は、例えば、正逆回転可能なモーターを含む。
【0052】
駆動部138cの昇降駆動機構は、軸部138bを鉛直方向に昇降させる。駆動部138cの昇降駆動機構が軸部138bを昇降させることにより、ノズル136が鉛直方向に昇降する。駆動部138cの昇降駆動機構は、モーター等の駆動源および昇降機構を有しており、駆動源によって昇降機構を駆動して、軸部138bを上昇または下降させる。昇降機構は、例えば、ラック・ピニオン機構またはボールねじを含む。
【0053】
光源140は、スポット光を出射する。典型的には、光源140は、比較的平行な光を監視対象物に向けて出射する。光源140から出射された光は、監視対象物の少なくとも一部を部分的に照射する。ここでは、光源140は、チャンバー112内の監視対象物にスポット光を出射し、監視対象物はスポット光に照射される。
【0054】
光源140は、特定の波長の光を出射してもよい。例えば、光源140は、可視光を出射する。一例では、光源140は、赤色、緑色または青色の光を出射してもよい。
【0055】
または、光源140は、近赤外線を出射してもよい。例えば、光源140は、少なくとも波長800nm以上2.5μm以下の範囲に含まれる波長の近赤外線を出射する。典型的には、光源140は、少なくとも波長800nm以上1.5μm以下の範囲に含まれる波長の近赤外線を出射する。
【0056】
あるいは、光源140は、特定の波長の光を切り替えて出射してもよい。なお、光源140は、2以上であってもよい。この場合、光源140は、異なる監視対象物にスポット光を照射してもよい。また、光源140は、異なる位置からチャンバー112内の監視対象物にスポット光を照射してもよい。
【0057】
または、光源140は、色温度の異なる光を出射してもよい。例えば、光源140は、電球色(例えば2600~3200K)、昼白色(4600~5500K)および昼光色(5700~7100K)を切り替えて出射してもよい。
【0058】
なお、光源140は、スポット光の出射方向を変更可能であってもよい。例えば、光源140は、監視対象物の動作、および/または、監視対象物の変更に応じて、スポット光の出射方向を変更してもよい。
【0059】
撮像部150は、複数の画素を有する。撮像部150は、少なくとも光源140から出射される光に対して感度を有する。撮像部150は、監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する。
【0060】
撮像部150は、光源140から監視対象物に向けて出射されたスポット光のうち監視対象物に反射された成分および/または散乱された成分を受光することによってチャンバー112内の監視対象物を含む領域を撮像し、これにより、画像データを生成する。ここでは、撮像部150は、光源140から出射されたスポット光のうち監視対象物において反射された成分を受光する。
【0061】
撮像部150は、電荷結合素子(Charge Coupled Device:CCD)を含んでもよい。あるいは、撮像部150は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ含んでもよい。
【0062】
撮像部150において、フレームレートは、30fpsであってもよく、60fpsであってもよい。あるいは、フレームレートは、120fpsであってもよい。
【0063】
撮像部150は、可視光を受光する。撮像部150は、特定の波長の光を受光してもよい。例えば、撮像部150は、赤、緑または青の波長の光を受光してもよい。
【0064】
または、撮像部150は、近赤外線を受光してもよい。例えば、撮像部150は、少なくとも波長800nm以上2.5μm以下の範囲に含まれる波長の近赤外線を受光する。撮像部150は、SWIR(Short Wavelength Infra-Red)イメージセンサを含んでもよい。この場合、撮像部150は、少なくとも波長800nm以上2.5μm以下の範囲に含まれる波長の近赤外線を検知する。
【0065】
なお、撮像部150は、近赤外線および可視光を切り換えて受光してもよい。
【0066】
撮像部150は、チャンバー112内でスポット光が照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって画像データを生成する。画像データは、チャンバー112内の監視対象物を含む領域の画像を示す。画像データにより、チャンバー112内の監視対象物を監視できる。
【0067】
基板処理装置100は、カップ180をさらに備える。カップ180は、基板Wから飛散した処理液を回収する。カップ180は昇降する。例えば、カップ180は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇する。この場合、カップ180は、基板Wの回転によって基板Wから飛散する処理液を回収する。また、カップ180は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方に下降する。
【0068】
上述したように、制御装置101は、制御部102および記憶部104を含む。制御部102は、基板保持部120、処理液供給部130、光源140、撮像部150および/またはカップ180を制御する。一例では、制御部102は、電動モーター124、バルブ134、移動機構138、光源140、撮像部150および/またはカップ180を制御する。
【0069】
本実施形態の基板処理装置100によれば、光源140から出射されたスポット光が照射されたチャンバー112内の監視対象物の少なくとも一部を撮像部150で撮像する。したがって、撮像部150で生成した画像データに対して、監視対象物を含む画像を示す画像データを適切に処理できるため、監視対象物を高精度に監視できる。
【0070】
ここでは、監視対象物は、チャンバー112内に収容される。監視対象物は、チャンバー112内で移動可能である。典型的には、監視対象物は、処理された基板Wの特性、または、基板Wの移動に関連する。
【0071】
例えば、監視対象物は、ノズル136である。ノズル136は、基板Wの上方の所定位置に移動して、基板Wに処理液を吐出する。監視対象物は、処理液を吐出するノズル136の位置であってもよい。あるいは、監視対象物は、ノズル136から基板Wに吐出される処理液であってもよい。
【0072】
あるいは、監視対象物は、カップ180である。ノズル136から基板Wに処理液を供給する間、および/または、基板保持部120が基板Wを保持して回転している間、カップ180は、基板Wの側方を覆う位置まで上昇する。一方、基板Wがチャンバー112に搬入する際、および/または、基板Wをチャンバー112から搬出する際に、カップ180は、基板Wの側方よりも下方に下降する。一例では、監視対象物は、基板Wを搬入および/または搬出する際のカップ180の高さであってもよい。
【0073】
なお、
図2に示した基板処理装置100では、光源140および撮像部150は、監視対象物よりも鉛直方向に沿って高い位置にある。このため、光源140は、光源140よりも下方に位置する監視対象物に向けてスポット光を出射する。また、撮像部150は、撮像部150よりも下方に位置する監視対象物を含む領域を撮像する。
【0074】
また、
図2に示した基板処理装置100では、光源140および撮像部150は、チャンバー112の外側に配置される。光源140および撮像部150をチャンバー112の外側に配置することにより、処理液が光源140および/または撮像部150に付着することを抑制できる。
【0075】
チャンバー112の側壁112sには、光源140および撮像部150を収容するための収容部113が設けられる。収容部113は、チャンバー112の側壁112sに取り付けられる。収容部113は、箱形状である。光源140および撮像部150は、収容部113の内部に収容される。収容部113内の雰囲気は、チャンバー112の雰囲気と遮断されている。
【0076】
なお、チャンバー112は、窓部112wを有することが好ましい。窓部112wは、光源140および撮像部150とチャンバー112内の監視対象物との間に位置する。例えば、窓部112wは、板状である。窓部112wは、少なくとも光を透過する。窓部112wは、チャンバー112の側壁112sの上方に位置する。
【0077】
チャンバー112の側壁112sにおいて、窓部112wは、光源140および撮像部150の前方に設けられている。例えば、窓部112wは、透明である。一例では、窓部112wは、石英ガラスなどの透明材料から形成される。
【0078】
光源140は、窓部112wを介して監視対象物にスポット光を出射する。また、撮像部150は、窓部112wを介して監視対象物を含む領域を撮像する。
【0079】
詳細には、光源140は、窓部112wを介してチャンバー112内の監視対象物にスポット光を出射する。窓部112wは、光源140が出射した光の波長に対して高い透光性を有する。光源140の出射波長範囲における窓部112wの透過率は、例えば60%以上、好ましくは80%以上である。
【0080】
撮像部150は、窓部112wを介してチャンバー112内の監視対象物を含む領域を撮像する。窓部112wは、撮像部150が検出する光の波長に対して高い透光性を有する。撮像部150の検出波長範囲における窓部112wの透過率は、例えば60%以上、好ましくは80%以上である。
【0081】
収容部113は、側壁112sとともに光源140および撮像部150の収容空間を形成する。窓部112wが設けられることにより、チャンバー112内の処理液および処理液の揮発成分から光源140および撮像部150を保護できる。
【0082】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体の設けられた半導体素子の作製に好適に用いられる。典型的には、半導体素子において、基材の上に導電層および絶縁層が積層される。基板処理装置100は、半導体素子の製造時に、導電層および/または絶縁層の洗浄および/または加工(例えば、エッチング、特性変化等)に好適に用いられる。
【0083】
次に、
図1~
図3を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図3は、基板処理装置100のブロック図である。
【0084】
図3に示すように、制御装置101は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、処理液供給部130、光源140、撮像部150およびカップ180を制御する。具体的には、制御装置101は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、処理液供給部130、光源140、撮像部150およびカップ180に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、処理液供給部130、光源140、撮像部150およびカップ180を制御する。なお、本明細書において、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを総称して、ロボットまたは搬送ロボットと記載することがある。
【0085】
また、記憶部104は、コンピュータプログラムおよびデータを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容、処理手順および基板処理条件を規定する。制御部102は、記憶部104の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0086】
制御部102は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0087】
制御部102は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数のチャンバー112のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wをチャンバー112から受け取って、基板Wを搬出する。
【0088】
制御部102は、基板保持部120を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部102は、基板保持部120を制御して、基板保持部120の回転速度を変更することができる。具体的には、制御部102は、基板保持部120の電動モーター124の回転速度を変更することによって、基板Wの回転速度を変更できる。
【0089】
制御部102は、処理液供給部130のバルブ134を制御して、バルブ134の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部102は、処理液供給部130のバルブ134を制御して、バルブ134を開状態にすることによって、ノズル136に向かって配管132内を流れる処理液を通過させることができる。また、制御部102は、処理液供給部130のバルブ134を制御して、バルブ134を閉状態にすることによって、ノズル136に向かって配管132内を流れる処理液の供給を停止させることができる。
【0090】
制御部102は、処理液供給部130の移動機構138を制御して、ノズル136を移動させることができる。具体的には、制御部102は、処理液供給部130の移動機構138を制御して、ノズル136を基板Wの上面Waの上方に移動できる。また、制御部102は、処理液供給部130の移動機構138を制御して、ノズル136を基板Wの上面Waの上方から離れた退避位置に移動できる。
【0091】
制御部102は、光源140を制御して監視対象物に向けてスポット光を出射する。例えば、制御部102は、光源140を制御してチャンバー112内の監視対象物の少なくとも一部の領域をスポット光で照射する。なお、制御部102は、光源140を制御して基板処理ユニット110の外部の監視対象物の少なくとも一部の領域をスポット光で照射してもよい。
【0092】
制御部102は、撮像部150を制御して監視対象物を含む領域を撮像して画像データを生成する。制御部102は、撮像部150を制御してチャンバー112内の監視対象物の少なくとも一部の領域を撮像して画像データを生成する。また、制御部102は、撮像部150を制御して基板処理ユニット110の外部の監視対象物の少なくとも一部の領域を撮像して画像データを生成する。
【0093】
このように、制御部102は、光源140および撮像部150を制御して基板処理ユニット110の内部または外部に位置する監視対象物にスポット光を照射して撮像し、画像データを生成する。詳細には、制御部102は、光源140から監視対象物に向けて光を出射し、撮像部150において監視対象物によって反射された光を受光して輝度値を測定するように光源140および撮像部150を制御する。また、制御部102は、光源140から監視対象物に向けて光を出射し、撮像部150において監視対象物によって散乱された光を受光して輝度値を測定するように光源140および撮像部150を制御する。
【0094】
制御部102は、画像データを処理する。例えば、制御部102は、画像データ内の輝度値に基づいて、画像データにおける監視対象物の外縁を特定する。画像データにおいて、監視対象物の外縁は、監視対象物の輝度値と監視対象物以外の輝度値との差に基づいて特定される。また、一例では、制御部102は、記憶部104に記憶された基準画像データの輝度値を参照して、画像データにおける監視対象物の外縁を特定する。あるいは、制御部102は、撮像部150において生成された画像データと基準画像データとに基づいて、画像データにおける監視対象物の外縁を特定する。
【0095】
また、制御部102は、画像データ内の輝度値に基づいて、画像データにおける監視対象物を特定してもよい。制御部102は、画像データ内の輝度値と、記憶部104に記憶された基準画像データの輝度値に基づいて、画像データにおける監視対象物を特定する。その後、制御部102は、画像データにおける監視対象物を基準画像データに基づいて監視する。例えば、制御部102は、画像データにおける監視対象物の位置を基準画像データに示された監視対象物の位置と比較し、位置が大きく異なる場合、監視対象物を異常と判定する。また、制御部102は、画像データにおける監視対象物の動作を基準画像データに示された監視対象物の動作と比較し、動作が大きく異なる場合、監視対象物を異常と判定する。
【0096】
画像データにおいて、スポット光が照射された監視対象物の一部は、比較的高い輝度値を示す。一方で、監視対象物の背景および監視対象物の周囲に位置する他の部材は、比較的低い輝度値を示す。
【0097】
例えば、撮像部150は、処理液供給部130のノズル136を含む領域を撮像する。または、撮像部150は、処理液供給部130から基板Wに供給された処理液および/または処理液供給部130内の処理液が存在する領域を撮像する。
【0098】
なお、制御部102は、光源140および撮像部150を制御して光源140および撮像部150を基板Wに対して移動させてもよい。
【0099】
制御部102は、カップ180を制御して基板Wに対してカップ180を移動させてもよい。具体的には、制御部102は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間にわたって基板Wの側方にまで鉛直上方にカップ180を上昇させる。また、制御部102は、処理液供給部130が基板Wに処理液を供給する期間が終了すると、基板Wの側方から鉛直下方にカップ180を下降させる。
【0100】
制御部102は、画像データに基づいて、監視対象物を監視する。これにより、監視対象物に異常が生じているか否かを判定できる。
【0101】
例えば、監視対象物は、ノズル136、ノズル136から吐出される処理液、カップ180および/または基板Wである。この場合、制御部102は、ノズル136、ノズル136から吐出される処理液、カップ180および/または基板Wを含む領域を撮像することによって生成した画像データに基づいて、監視対象物を監視する。
【0102】
制御部102は、ノズル136の位置、ノズル136から吐出される処理液の種類、ノズル136から吐出される処理液の吐出時間、ノズル136から基板Wに吐出された処理液の液はね、ノズル136から基板Wに意図せずに吐出された処理液(ぼた落ち)、バルブ134の不具合によってノズル136から意図せずに吐出され続ける処理液(出流れ)、センターロボットCRとカップ180との衝突等を監視できる。
【0103】
監視の結果、監視対象物が異常と判定された場合、基板Wの処理を中断してもよい。または、監視対象物を監視する際に生成した画像データのうち、監視対象物が異常と判定された画像データを選択的に保存してもよい。あるいは、監視対象物を監視する際に生成した画像データのうち、異常と判定された監視対象物に関与された基板Wについて基板Wの処理状況を記憶部104に記憶してもよい。例えば、基板Wの処理状況は、基板Wの異常判定に用いてもよい。
【0104】
本実施形態の基板処理装置100は、半導体素子を形成するために好適に用いられる。例えば、基板処理装置100は、積層構造の半導体素子として用いられる基板Wを処理するために好適に利用される。半導体素子は、いわゆる3D構造のメモリ(記憶装置)である。一例として、基板Wは、NAND型フラッシュメモリとして好適に用いられる。
【0105】
以下、
図1~
図4を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図4(a)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110内部の模式図であり、
図4(b)は、本実施形態の基板処理装置100において基板処理ユニット110内でスポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【0106】
図4(a)に示すように、基板処理ユニット110のチャンバー112内に基板Wが収容される。基板Wは、基板保持部120(
図2)に保持されており、基板Wは、カップ180に囲まれる。ノズル136は、カップ180に囲まれた基板Wの上方に位置しており、ノズル136は、基板Wに処理液を吐出する。光源140が消灯している場合、チャンバー112内部は、比較的暗く見える。
【0107】
図4(b)に示すように、光源140が点灯すると、光源140から出射されたスポット光がノズル136を照射する。ここでは、ノズル136が監視対象物であり、ノズル136は、スポット光に照射される。光源140から出射されたスポット光により、ノズル136の先端が明るい一方で、チャンバー112内のノズル136以外の領域にはスポット光は照射されない。このため、ノズル136の先端のみが明るく見える。
【0108】
撮像部150によって撮像された撮像範囲において、スポット光によって明るく見える監視対象物の領域は、20%以下であってもよい。撮像範囲において、監視対象物の領域は、10%以下であってもよく、5%以下であってもよい。
【0109】
ここでは、撮像部150は、光源140と同じ方向から監視対象物を撮像する。このため、光源140から出射されたスポット光のうち監視対象物において反射された光が撮像部150に届く。撮像部150は、光源140から出射されたスポット光が照射されたノズル136を含む領域を撮像する。詳細には、撮像部150は、チャンバー112内のノズル136とノズル136以外を含む領域を撮像する。この場合、撮像部150によって撮像される画像のうち、ノズル136の先端部分の輝度値が高い一方、チャンバー112内のノズル136以外の領域の輝度値は低い。
【0110】
光源140から出射されたスポット光がノズル136に照射すると、スポット光は、ノズル136によって強く反射されるため、画像データにおいて、ノズル136は高い輝度値を示す。一方、画像データにおいて、チャンバー112内における光源140から出射されたスポット光は、ノズル136の周囲には照射されないため、ノズル136の周囲の領域は低い輝度値を示す。
【0111】
このように、画像データにおいて、スポット光が照射されたノズル136は高い輝度値を示す一方で、チャンバー112内のノズル136以外の領域は高い輝度値を示さない。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおけるノズル136の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、ノズル136を高精度に監視できる。
【0112】
なお、
図4(b)では、ノズル136が監視対象物であり、監視対象物のノズル136にスポット光が照射されたが、監視対象物はノズル136以外であってもよい。
【0113】
この場合も、光源140から出射されたスポット光を監視対象物に照射すると、スポット光は、監視対象物によって強く反射される。このため、画像データにおいて、監視対象物は高い輝度値を示す。一方、画像データにおいて、チャンバー112内における光源140から出射されたスポット光が監視対象物に照射されない領域は低い輝度値を示す。
【0114】
画像データにおいて、スポット光が照射された監視対象物は高い輝度値を示す一方で、チャンバー112内の監視対象物以外の領域は高い輝度値を示さない。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおける監視対象物の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、監視対象物を高精度に監視できる。
【0115】
なお、仮に、光源が撮像部の撮像範囲全体を均一に照射する場合、撮像範囲に監視対象物が含まれていても、監視対象物だけでなく監視対象物以外の領域も明るく、高い輝度を示す。この場合、制御部は、監視対象物の外縁を正確に特定できず、監視対象物を高精度に監視できないことがある。
【0116】
特に、基板Wが鏡面である場合、監視対象物以外の基板Wによって反射された光が、撮像部に撮像されると、監視対象物だけでなく監視対象物以外の領域も明るくなる。このため、制御部は、監視対象物の外縁を正確に特定できず、監視対象物を高精度に監視できないことがある。この場合、監視対象物の画像処理および監視処理に機械学習を利用しても、誤判定するおそれがある。
【0117】
本実施形態によれば、撮像部150の撮像範囲において、監視対象物がスポット光に照射されているため、基板処理装置100における監視対象物を含む画像を示す画像データに基づいて、監視対象物を高精度に監視できる。
【0118】
次に、
図1~
図5を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【0119】
図5に示すように、ステップSAにおいて、基板Wを基板処理装置100に搬入する。具体的には、基板Wは、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを介して基板処理ユニット110のチャンバー112に搬入される。
【0120】
ステップSBにおいて、基板Wを保持する。具体的には、基板保持部120が基板Wを保持する。基板Wはチャンバー112に搬入されると、基板Wは、基板保持部120に保持される。
【0121】
ステップSCにおいて、基板Wを処理する。基板Wは、基板処理ユニット110において処理される。典型的には、基板保持部120が基板Wを保持したまま回転させ、処理液供給部130は、基板Wに処理液を供給する。
【0122】
ステップSDにおいて、基板Wの保持を解除する。具体的には、基板保持部120が基板Wの保持を解除する。
【0123】
ステップSEにおいて、基板Wを基板処理ユニット110から搬出する。基板Wは、基板処理装置100から搬出される。具体的には、基板Wは、センターロボットCRおよびインデクサーロボットIRを介して基板処理ユニット110のチャンバー112から搬出される。
【0124】
本実施形態によれば、基板Wが、基板処理装置100に搬入されてから、処理されて、基板処理装置100から搬出されるまでの少なくともいずれかの期間において、監視対象物を監視する。例えば、ステップSAにおいて基板Wが基板処理ユニット110に搬入されてから、ステップSEにおいて基板処理ユニット110から基板Wが搬出されるまでの間に、撮像部150は、光源140からスポット光が照射された監視対象物を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、基板処理装置100における監視対象物を含む画像を示す画像データに基づいて、監視対象物を高精度に監視できる。
【0125】
本実施形態では、光源140は、監視対象物に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内の監視対象物は、光源140から出射されたスポット光で照射される。例えば、監視対象物が基板Wに処理液を吐出するノズル136である場合、チャンバー112内のノズル136は、光源140から出射されたスポット光で照射される。あるいは、監視対象物が基板Wを搬入または搬出する際のカップ180である場合、カップ180は、光源140から出射されたスポット光で照射される。
【0126】
撮像部150は、スポット光が照射された監視対象物を含むチャンバー112内の領域を撮像する。例えば、撮像部150は、スポット光が照射された監視対象物を含む領域を撮像する。撮像部150は、スポット光が照射されたチャンバー112内の監視対象物を含む領域を撮像することにより、監視対象物を高精度に撮像できる。
【0127】
例えば、ステップSAにおいて基板Wが基板処理ユニット110に搬入する際に、監視対象物をカップ180とし、センターロボットCRと衝突しないようにカップ180が下方に位置することを監視してもよい。この場合、光源140は、カップ180に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内のカップ180は、光源140から出射されたスポット光で照射される。撮像部150は、スポット光が照射されたカップ180を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、カップ180が、基板Wをチャンバー112内に搬入するセンターロボットCRと衝突しないことを監視できる。
【0128】
または、ステップSBにおいて基板保持部120が基板Wを保持する際に、監視対象物を基板保持部120とし、基板保持部120のチャック部材122が基板Wを確実にチャックすることを監視してもよい。この場合、光源140は、チャック部材122に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内のチャック部材122は、光源140から出射されたスポット光で照射される。撮像部150は、スポット光が照射されたチャック部材122を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、チャック部材122が、基板Wを適切にチャックしていることを監視できる。
【0129】
または、ステップSCにおいて基板Wを処理する際に、監視対象物をノズル136とし、ノズル136が基板Wの上方の適切な位置から処理液を吐出していることを監視してもよい。この場合、光源140は、処理液を吐出するノズル136に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内のノズル136は、光源140から出射されたスポット光で照射される。撮像部150は、スポット光が照射されたノズル136を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、ノズル136が、基板Wの上方の適切な位置から処理液を吐出していることを監視できる。
【0130】
または、ステップSCにおいて基板Wを処理する際に、監視対象物を配管132およびノズル136とし、配管132およびノズル136内の処理液が適切にサックバックされることを監視してもよい。この場合、光源140は、サックバックされた配管132およびノズル136に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内の配管132およびノズル136は、光源140から出射されたスポット光で照射される。撮像部150は、スポット光が照射された配管132およびノズル136を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、配管132およびノズル136内の処理液が適切にサックバックされることを監視できる。
【0131】
または、ステップSDにおいて基板保持部120が基板Wの保持を解除する際に、監視対象物を基板保持部120とし、基板保持部120のチャック部材122の基板Wのチャックが適切に解除されることを監視してもよい。この場合、光源140は、チャック部材122に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内のチャック部材122は、光源140から出射されたスポット光で照射される。撮像部150は、スポット光が照射されたチャック部材122を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、チャック部材122が、基板Wのチャックが適切に解除されることを監視できる。
【0132】
または、ステップSEにおいて基板Wを基板処理ユニット110から搬出する際に、監視対象物をカップ180とし、センターロボットCRと衝突しないようにカップ180が下方に位置することを監視してもよい。この場合、光源140は、カップ180に向けてスポット光を出射する。チャンバー112内のカップ180は、光源140から出射されたスポット光で照射される。撮像部150は、スポット光が照射されたカップ180を含むチャンバー112内の領域を撮像して画像データを生成する。これにより、カップ180が、基板Wをチャンバー112から搬出するセンターロボットCRと衝突しないことを監視できる。
【0133】
次に、
図1~
図6を参照して、本実施形態の基板処理方法を説明する。
図6は、本実施形態の基板処理方法のフロー図である。
【0134】
図6に示すように、ステップS202において、基板Wを基板処理装置100に搬入する。具体的には、基板Wは、ロードポートLPに搬入される。その後、基板Wは、インデクサーロボットIR、設置台30およびセンターロボットCRを介して基板処理ユニット110のチャンバー112に搬入される。チャンバー112に搬入された後、基板Wは、基板保持部120に保持される。
【0135】
ステップS204において、基板Wの処理を開始する。具体的には、制御部102は、レシピ情報にしたがって基板Wの処理を開始する。まずは、基板保持部120は、基板Wを保持して回転を開始する。その後、基板Wは、レシピ情報にしたがって処理される。
【0136】
ステップS206において、監視対象物が所定の動作を開始するか否かを判定する。具体的には、制御部102は、レシピ情報のステップに基づいて、監視対象物が所定の動作を開始するか否かを判定する。
【0137】
監視対象物が所定の動作を開始しない場合(ステップS206においてNo)、処理は、ステップS206に戻る。これにより、監視対象物が所定の動作を開始するまで判定を繰り返す。一方、監視対象物が所定の動作を開始する場合(ステップS206においてYes)、処理は、ステップS208に進む。
【0138】
ステップS208において、光源140は、監視対象物にスポット光を照射する。スポット光により、監視対象物の少なくとも一部が照射される。一方で、監視対象物の背景および周囲は、スポット光に照射されない。
【0139】
ステップS210において、撮像部150は、監視対象物を含む領域を撮像する。これにより、撮像部150は、監視対象物を含む領域を示す画像データを生成する。
【0140】
ステップS212において、画像データを処理する。画像データの処理により、監視対象物を監視する。例えば、画像データに基づいて、画像データに示される監視対象物の外縁を特定し、監視対象物の位置または動作を監視する。
【0141】
詳細には、撮像部150によって生成された画像データに基づいて、画像データ内の監視対象物を特定する。制御部102は、画像データに基づいて、画像データ内の監視対象物を特定する。例えば、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおける監視対象物の外縁を特定する。
【0142】
一例では、制御部102は、画像データ内の輝度値に基づいて、画像データにおける監視対象物の外縁を特定する。例えば、制御部102は、画像データ内の輝度値と、記憶部104に記憶された基準画像データの輝度値と基づいて、画像データにおける監視対象物の外縁を特定する。
【0143】
ステップS214において、画像データに基づいて監視中の監視対象物が異常であるか否かを判定する。具体的には、制御部102は、画像データおよび基準画像データに基づいて、監視対象物が異常であるか否かを判定する。
【0144】
監視対象物が異常でないと判定された場合(ステップS214においてNo)、処理は、ステップS216に進む。一方、監視対象物が異常であると判定された場合(ステップS214においてYes)、処理は、ステップS218に進む。
【0145】
ステップS216において、レシピの処理を継続して正常処理を続ける。その後、処理は、ステップS220に進む。
【0146】
ステップS218において、異常処理を行う。異常処理において、基板Wの処理を中断してもよい。または、監視対象物を監視する際に生成した画像データのうち、監視対象物が異常と判定された画像データを選択的に保存してもよい。あるいは、監視対象物を監視する際に生成した画像データのうち、異常と判定された監視対象物に関与された基板Wについて基板Wの処理状況を記憶部104に記憶してもよい。例えば、基板Wの処理状況は、基板Wの異常判定に用いてもよい。その後、処理は、ステップS220に進む。
【0147】
ステップS220において、所定の動作が終了するか否かを判定する。具体的には、制御部102は、レシピ情報のステップに基づいて、所定の動作が終了するか否かを判定する。
【0148】
所定の動作が終了しない場合(ステップS220においてNo)、処理は、ステップS208に戻る。一方、所定の動作が終了する場合(ステップS220においてYes)、処理は、ステップS222に進む。
【0149】
ステップS222において、基板Wの処理を終了するか否かを判定する。具体的には、制御部102は、レシピ情報のステップに基づいて、基板Wの処理が終了するか否かを判定する。
【0150】
基板Wの処理を終了しない場合(ステップS222においてNo)、処理は、ステップS206に戻る。これにより、監視対象物が所定の動作を開始するまで判定を繰り返す。一方、基板Wの処理を終了する場合(ステップS222においてYes)、処理は、ステップS224に進む。
【0151】
ステップS224において、基板Wを基板処理装置100から搬出する。例えば、制御部102は、基板保持部120による基板Wの保持を解除する。次に、基板Wは、センターロボットCR、設置台30およびインデクサーロボットIRを介してロードポートLPに搬入される。その後、基板Wは、基板処理装置100から搬出される。
【0152】
以上のようにして、基板処理装置100は、基板処理ユニット110において基板Wを処理する。本実施形態によれば、基板処理装置100における監視対象物を含む画像を示す画像データに基づいて、監視対象物を高精度に監視できる。
【0153】
なお、
図2に示した上述した基板処理装置100では、撮像部150は、光源140と同一の収容部113内に位置しており、撮像部150は、スポット光を照射する光源140と同じ方向から監視対象物を含む領域を撮像したが、本実施形態はこれに限定されない。撮像部150は、光源140とは別の領域に位置しており、撮像部150は、スポット光を照射する光源140と異なる方向から監視対象物を含む領域を撮像してもよい。例えば、光源140は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置してもよい。
【0154】
次に、
図1~
図7を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図7は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110の模式図である。
図7の基板処理装置100における基板処理ユニット110は、光源140は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する点を除いて、
図2の基板処理装置100における基板処理ユニット110と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0155】
図7に示すように、光源140は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する。例えば、光源140および撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120の中心を透過するX軸線上に位置する。撮像部150は、スポット光を照射する光源140と異なる方向から監視対象物を含む領域を撮像する。
【0156】
基板処理ユニット110は、光源140および撮像部150を収容する収容部として、第1収容部113aと、第2収容部113bとを備える。第1収容部113aおよび第2収容部113bは、チャンバー112の側壁112sに取り付けられる。第1収容部113aおよび第2収容部113bは、箱形状である。
【0157】
光源140は、第1収容部113aの内部に収容される。第1収容部113a内の雰囲気は、チャンバー112の雰囲気と遮断されている。
【0158】
撮像部150は、第2収容部113bの内部に収容される。第2収容部113b内の雰囲気は、チャンバー112の雰囲気と遮断されている。
【0159】
第1収容部113aは、チャンバー112に対して一方側に位置し、第2収容部113bは、チャンバー112に対して他方側に位置してもよい。
【0160】
なお、チャンバー112は、窓部として窓部112wa、112wbを有することが好ましい。例えば、窓部112wa、112wbは、少なくとも光を透過する。窓部112waは、チャンバー112の側面の上方に位置する。例えば、光源140は、窓部112waを介して監視対象物にスポット光を出射する。また、撮像部150は、窓部112wbを介して監視対象物を含む領域を撮像する。
【0161】
光源140は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する。このため、光源140から出射されたスポット光のうち監視対象物によって散乱された光が撮像部150に届く。このため、撮像部150は、監視対象物によって散乱されたスポット光により、スポット光が照射された監視対象物を含む領域を撮像できる。
【0162】
なお、処理液供給部130において、ノズル136から処理液を基板Wに供給した後、処理液の供給を停止するとき、処理液がノズル136の先端に残ったままであると、ノズル136の先端から意図せぬ処理液が基板W、基板保持部120および/またはチャンバー112内に落下してしまうおそれがある。このため、ノズル136から処理液を基板に供給した後で処理液の供給を停止する場合、ノズル136の先端の処理液を吸引して配管132内の処理液の位置をノズル136の先端からノズル136の奥側に移動させることが好ましい。このようなノズル136および配管132内の処理液の位置の移動は、サックバックとも呼ばれる。
【0163】
本実施形態によれば、光源140がノズル136および配管132の先端にスポット光を照射する場合、ノズル136および配管132の先端において処理液が存在しない部分により、光が散乱される。また、ノズル136および配管132の先端において処理液が存在する部分では、光が、別方向に屈折される。このため、撮像部150は、光源140からスポット光が照射されたノズル136および配管132の先端を撮像することにより、サックバックの適否、および、ノズル136および配管132内の処理液の位置を特定できる。例えば、処理液のサックバックが不充分な場合、制御部102は、処理液を再度サックバックしてもよい。
【0164】
以下、
図1~
図8を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図8(a)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110内部の模式図であり、
図8(b)は、本実施形態の基板処理装置100において基板処理ユニット110内でスポット光に照射された監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【0165】
図8(a)に示すように、基板処理ユニット110のチャンバー112内に基板Wが収容される。基板Wは、基板保持部120(
図2)に保持されており、基板Wは、カップ180に囲まれる。ノズル136は、カップ180に囲まれた基板Wの上方に位置しており、ノズル136は、基板Wへの処理液の吐出を終了した後である。ノズル136が基板Wへの処理液の吐出を終了した後、処理液は、サックバックされ、ノズル136および配管132内に戻る。光源140が消灯している場合、チャンバー112内部は、比較的暗く見える。
【0166】
図8(b)に示すように、光源140が点灯すると、光源140から出射されたスポット光がノズル136および配管132の先端を照射する。ここでは、ノズル136および配管132の先端が監視対象物であり、ノズル136および配管132の先端は、スポット光に照射される。光源140から出射されたスポット光により、ノズル136および配管132の先端が明るい一方で、チャンバー112内のノズル136以外の領域にはスポット光は照射されない。また、配管132の先端において処理液が存在する部分では、光が、別方向に屈折される。このため、ノズル136および配管132の先端のみが明るく見える。
【0167】
ここでは、光源140は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する。このため、光源140から出射されたスポット光のうち監視対象物によって散乱された光が撮像部150に届く。撮像部150は、光源140から出射されたスポット光が照射されたノズル136および配管132の先端を含む領域を撮像する。詳細には、撮像部150は、チャンバー112内のノズル136とノズル136以外を含む領域を撮像する。この場合、撮像部150によって撮像される画像のうち、ノズル136および配管132の先端の輝度値が高い一方、チャンバー112内のノズル136および配管132の先端以外の領域の輝度値は低い。
【0168】
このように、光源140から出射されたスポット光は、ノズル136および配管132によって散乱する。このため、画像データにおいて、ノズル136および配管132は高い輝度値を示す。一方、画像データにおいて、チャンバー112内における光源140から出射されたスポット光は、ノズル136の周囲には照射されないため、ノズル136の周囲の領域は低い輝度値を示す。また、チャンバー112内における光源140から出射されたスポット光は、配管132内の処理液によって屈折するため、配管132内の処理液部分は低い輝度値を示す。
【0169】
このため、画像データにおいて、スポット光が照射されたノズル136および配管132は高い輝度値を示す一方で、チャンバー112内のスポット光が照射されなかった領域および配管132内の処理液が存在する部分は高い輝度値を示さない。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおける配管132内の処理液の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、サックバックを高精度に監視できる。
【0170】
なお、
図8(b)では、ノズル136が監視対象物であり、監視対象物のノズル136および配管132にスポット光が照射されたが、監視対象物はノズル136および配管132以外であってもよい。
【0171】
また、
図7に示した基板処理装置100では、光源140および撮像部150は、監視対象物よりも鉛直方向に沿って高い位置にあったが、本実施形態はこれに限定されない。光源140および撮像部150は、監視対象物と鉛直方向にそってほぼ同じ高さであってもよい。この場合、撮像部150は、光源140から出射されたスポット光のうち監視対象物およびその周囲を通過した成分を受光し、監視対象物を含む領域を撮像してもよい。
【0172】
また、光源140および撮像部150は、鉛直方向に沿って異なる高さに配置され、光源140、監視対象物および撮像部150は、光源140から平行光として出射されるスポット光に平行に直線状に配置されてもよい。この場合、撮像部150は、光源140から出射された平行光としてのスポット光のうち監視対象物およびその周囲を通過した成分を受光し、監視対象物を含む領域を撮像してもよい。
【0173】
また、
図7に示した基板処理装置100では、光源140および撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側および他方側にそれぞれ位置していたが、本実施形態はこれに限定されない。光源140および撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120の中心に対して交差する方向に位置してもよい。例えば、光源140は、基板Wおよび/または基板保持部120の中心に対してX軸線上に位置し、撮像部150は、基板Wおよび/または基板保持部120の中心に対してY軸線上に位置してもよい。
【0174】
また、
図1および
図7に示した基板処理装置100では、基板処理ユニット110のチャンバー112内部は、1つの光源140から出射されたスポット光によって照射され、1つの撮像部150によって撮像されたが、本実施形態はこれに限定されない。基板処理ユニット110のチャンバー112内部は、2以上の撮像部150によって撮像されてもよい。
【0175】
また、
図1および
図7に示した基板処理装置100では、基板処理ユニット110のチャンバー112内の監視対象物は、1つの光源140から出射されたスポット光に照射されたが、本実施形態はこれに限定されない。基板処理ユニット110のチャンバー112内の2以上の監視対象物が、2以上の光源140から出射されたスポット光に照射されてもよい。
【0176】
次に、
図1~
図9を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図9は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110の模式図である。
図9の基板処理装置100における基板処理ユニット110は、第1光源140aおよび第2光源140bから出射されたスポット光が監視対象物を照射する点を除いて、
図2の基板処理装置100における基板処理ユニット110と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0177】
図9に示すように、基板処理ユニット110は、光源として、第1光源140aと、第2光源140bとを備える。第1光源140aは、チャンバー112内の第1監視対象物にスポット光を照射する。また、第2光源140bは、チャンバー112内の第1監視対象物とは異なる第2監視対象物にスポット光を照射する。
【0178】
第1光源140aは、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、第2光源140bは、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する。例えば、第1光源140aおよび第2光源140bは、基板Wおよび/または基板保持部120の中心を透過するX軸線上に位置する。撮像部150は、第1光源140aと同じ方向からチャンバー112内を撮像する。
【0179】
基板処理ユニット110は、光源および撮像部を収容する収容部として、第1収容部113aと、第2収容部113bとを備える。第1収容部113aおよび第2収容部113bは、チャンバー112の側壁112sに取り付けられる。第1収容部113aおよび第2収容部113bは、箱形状である。
【0180】
第1収容部113aは、第1光源140aおよび撮像部150を収容する。第1光源140aおよび撮像部150は、第1収容部113a内で所定の方向を向いて固定される。
【0181】
第2収容部113bは、第2光源140bを収容する。第2光源140bは、第2収容部113b内で所定の方向を向いて固定される。
【0182】
チャンバー112は、窓部112waおよび窓部112wbを有してもよい。例えば、窓部112waおよび窓部112wbは、少なくとも光を透過する。
【0183】
窓部112waおよび窓部112wbは、チャンバー112の対向する側壁112sにそれぞれ配置されることが好ましい。窓部112waは、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、窓部112wbは、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する。例えば、第1光源140aは、窓部112waを介して第1監視対象物にスポット光を出射する。第2光源140bは、窓部112wbを介して第2監視対象物にスポット光を出射する。また、撮像部150は、窓部112waを介して第1監視対象物および第2監視対象物を含む領域を撮像する。
【0184】
次に、
図1~
図11を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図10(a)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110内部の模式図であり、
図10(b)は、本実施形態の基板処理装置100において基板処理ユニット110内で第1スポット光に照射された第1監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図であり、
図11(a)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110内部の模式図であり、
図11(b)は、本実施形態の基板処理装置100において基板処理ユニット110内で第2スポット光に照射された第2監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【0185】
図10(a)に示すように、基板処理ユニット110のチャンバー112内に基板Wが収容される。基板Wは、カップ180に囲まれる。処理液供給部130は、カップ180に囲まれた基板Wに処理液を供給する。第1光源140aおよび第2光源140bが消灯している場合、チャンバー112内部は、比較的暗く見える。
【0186】
図10(b)に示すように、第1光源140aが点灯すると、第1光源140aから出射されたスポット光は、ノズル136を照射する。ここでは、ノズル136が、監視対象物である。光源140から出射されたスポット光により、ノズル136の先端が明るい一方で、チャンバー112内のノズル136以外の領域にはスポット光は照射されない。このため、ノズル136の先端のみが明るく見える。
【0187】
撮像部150は、第1光源140aから出射されたスポット光が照射されたノズル136を含む領域を撮像する。詳細には、撮像部150は、チャンバー112内のノズル136とノズル136以外を含む領域を撮像する。この場合、撮像部150によって撮像される画像のうち、ノズル136の先端部分の輝度値が高い一方、チャンバー112内のノズル136以外の領域の輝度値は低い。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおけるノズル136の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、ノズル136を高精度に監視できる。
【0188】
その後、基板Wへの処理液の供給が終了すると、基板Wは、チャンバー112から搬出される。基板Wは、チャンバー112から搬出されるためにセンターロボットCRがチャンバー112に進入する前に、カップ180が下方に下がる。
【0189】
図11(a)に示すように、カップ180が下方に下がると、基板Wの側部が露出される。第1光源140aおよび第2光源140bが消灯している場合、チャンバー112内部は、比較的暗く見える。
【0190】
図11(b)に示すように、第2光源140bが点灯すると、第2光源140bから出射されたスポット光は、カップ180の上端の一部を照射する。ここでは、カップ180が、監視対象物である。第2光源140bから出射されたスポット光により、カップ180の上縁の一部が明るい一方で、チャンバー112内のカップ180の上縁の一部以外の領域にはスポット光は照射されない。このため、カップ180の上縁の一部のみが明るく見える。
【0191】
撮像部150は、第2光源140bから出射されたスポット光が照射されたカップ180の上縁の一部を含む領域を撮像する。詳細には、撮像部150は、カップ180の上縁の一部とそれ以外を含む領域を撮像する。この場合、撮像部150によって撮像される画像のうち、カップ180の上縁の一部の輝度値が高い一方、チャンバー112内の他の領域の輝度値は低い。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおけるカップ180の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、カップ180を高精度に監視できる。
【0192】
本実施形態によれば、基板Wに対して行われる動作に応じて、異なる光源が点灯する。このため、チャンバー112内の動作に応じて監視対象物を高精度に監視できる。
【0193】
なお、
図9に示した基板処理装置100では、第1光源140aおよび第2光源140bは、それぞれ異なる監視対象物にスポット光を出射したが、本実施形態はこれに限定されない。1つの光源140が、スポット光の照射先が第1監視対象物から第2監視対象物に移動するように光源140の出射先を変更してもよい。
【0194】
また、
図9~
図11を参照して上述した基板処理装置100では、第1光源140aおよび第2光源140bは、異なるタイミングでスポット光を照射したが、本実施形態はこれに限定されない。第1光源140aおよび第2光源140bは、同じタイミングでスポット光を照射し、撮像部150は、第1光源140aおよび第2光源140bによってスポット光が照射された異なる監視対象物を選択的に撮像してもよい。
【0195】
次に、
図1~
図12を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図12は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110の模式図である。
図12の基板処理装置100における基板処理ユニット110は、撮像部150が、フィルタ152aを介して第1光源140aから第1スポット光が照射された第1監視対象物を撮像するとともに、フィルタ152bを介して第2光源140bから第2スポット光が照射された第2監視対象物を撮像する点を除いて、
図9の基板処理装置100における基板処理ユニット110と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0196】
図12に示すように、基板処理ユニット110は、光源として、第1光源140aと、第2光源140bとを備える。第1光源140aは、基板Wおよび/または基板保持部120に対して一方側に位置し、第2光源140bは、基板Wおよび/または基板保持部120に対して他方側に位置する。第1光源140aおよび第2光源140bは、基板Wおよび/または基板保持部120の中心を透過するX軸線上に位置する。撮像部150は、第1光源140aと同じ方向からチャンバー112内を撮像する。
【0197】
第1光源140aは、チャンバー112内の第1監視対象物にスポット光を照射する。また、第2光源140bは、チャンバー112内の第1監視対象物とは異なる第2監視対象物にスポット光を照射する。
【0198】
第1光源140aは、第2光源140bとは異なる波長の光を出射する。例えば、第1光源140aは、赤色の光(波長ピークが600nm~700nm)を出射し、第2光源140bは、青色の光(波長ピークが400nm~500nm)を出射する。
【0199】
撮像部150は、フィルタ152aまたはフィルタ152bを介して監視対象物を撮像する。フィルタ152aおよびフィルタ152bは、撮像部150に対して取り替え可能である。フィルタ152aおよびフィルタ152bは、操作に応じて自動的に切り替え可能であることが好ましい。
【0200】
例えば、フィルタ152aおよびフィルタ152bの一方は、第1光源140aから出射された光を透過し、第2光源140bから出射された光を遮蔽する。また、フィルタ152aおよびフィルタ152bの他方は、第1光源140aから出射された光を遮蔽し、第2光源140bから出射された光を透過する。
【0201】
一例では、フィルタ152aは、第1光源140aから出射された光を選択的に透過する。フィルタ152aは、赤色である。
【0202】
また、フィルタ152bは、第2光源140bから出射された光を選択的に透過する。フィルタ152bは、青色である。
【0203】
撮像部150は、フィルタ152aを介することにより、第1光源140aから出射されたスポット光に照射された第1監視対象物を撮像できる。また、撮像部150は、フィルタ152bを介することにより、第2光源140bから出射されたスポット光に照射された第2監視対象物を撮像できる。このとき、第1光源140aおよび第2光源140bは、いずれも点灯した状態であってもよい。
【0204】
なお、
図12を参照して上述した説明では、撮像部150の前に配置するフィルタ152aおよびフィルタ152bを切り替えることにより、撮像部150によって撮像される監視対象物を第1監視対象物と第2監視対象物との間で切り替えたが、本実施形態はこれに限定されない。
【0205】
撮像部150内のフィルタを切り替えることにより、撮像部150によって撮像される監視対象物を第1監視対象物と第2監視対象物との間で切り替えてもよい。例えば、撮像部150は、開口部と撮像素子との間に位置するフィルタを切り替えることにより、撮像素子によって撮像される監視対象物を第1監視対象物と第2監視対象物との間で切り替えできる。
【0206】
あるいは、撮像部150は、異なる波長の光に対して異なる感度を有する複数種の画素の撮像素子を有してもよい。この場合、画像データの生成に用いる撮像素子の種類を変更することにより、撮像部150によって撮像される監視対象物を第1監視対象物と第2監視対象物との間で切り替えてもよい。
【0207】
次に、
図1~
図13を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図13(a)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110内部の模式図であり、
図13(b)は、本実施形態の基板処理装置に100おいて基板処理ユニット110内で第1スポット光に照射された第1監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図であり、
図13(c)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110内部の模式図であり、
図13(d)は、本実施形態の基板処理装置100において基板処理ユニット110内で第2スポット光に照射された第2監視対象物を含む領域を撮像することによって生成された画像データを示す模式図である。
【0208】
図13(a)に示すように、基板処理ユニット110のチャンバー112内に基板Wが収容される。基板Wは、基板保持部120に保持されており、基板Wは、カップ180に囲まれる。処理液供給部130のノズル136は、カップ180に囲まれた基板Wの上方に位置する。光源140が消灯している場合、チャンバー112内部は、比較的暗く見える。
【0209】
図13(b)に示すように、第1光源140aが点灯すると、第1光源140aから出射されたスポット光は、ノズル136を照射する。このとき、第2光源140bが点灯しており、第2光源140bから出射されたスポット光は、カップ180の上端の一部を照射する。
【0210】
この場合、撮像部150は、フィルタ152aを介して、第1光源140aから出射されたスポット光が照射されたノズル136を含む領域を撮像する。詳細には、撮像部150は、チャンバー112内のノズル136とノズル136以外を含む領域を撮像する。この場合、撮像部150によって撮像される画像のうち、ノズル136の先端部分の輝度値が高い一方、チャンバー112内のノズル136以外の領域の輝度値は低い。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおけるノズル136の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、ノズル136を高精度に監視できる。
【0211】
図13(c)に示すように、第2光源140bが点灯すると、第2光源140bから出射されたスポット光は、カップ180の上端の一部を照射する。このとき、第1光源140aが点灯しており、第1光源140aから出射されたスポット光は、ノズル136を照射する。
【0212】
この場合、撮像部150は、フィルタ152bを介して、第2光源140bから出射されたスポット光が照射されたカップ180の上縁の一部を含む領域を撮像する。詳細には、撮像部150は、カップ180の上縁の一部とそれ以外を含む領域を撮像する。この場合、撮像部150によって撮像される画像のうち、カップ180の上縁の一部の輝度値が高い一方、チャンバー112内の他の領域の輝度値は低い。したがって、制御部102は、画像データに基づいて、画像データにおけるカップ180の外縁を高精度に特定できる。これにより、制御部102は、カップ180を高精度に監視できる。
【0213】
このように、撮像部150は、フィルタ152aおよびフィルタ152bを切り替えて第1監視対象物および第2監視対象物を撮像するため、第2光源140bが点灯している場合でも、撮像部150は、第1光源140aから出射されたスポット光により、第1監視対象物を含む領域を高精度に撮像できる。また、第1光源140aが点灯している場合でも、撮像部150は、第2光源140bから出射されたスポット光により、第2監視対象物を含む領域を高精度に撮像できる。
【0214】
したがって、第2光源140bが,第1光源140aが第1スポット光を出射する期間と重複する期間に、第2スポット光として第1スポット光とは異なる波長の光を出射しても、撮像部150は、第1スポット光および第2スポット光から第1スポット光が照射された第1監視対象物を含む領域を選択的に撮像して画像データを生成できる。また、撮像部150は、第1スポット光および第2スポット光から第2スポット光が照射された第2監視対象物を含む領域を選択的に撮像して画像データを生成できる。
【0215】
なお、
図1~
図13を参照して上述した説明では、光源140および撮像部150は、基板処理ユニット110のチャンバー112の外に位置し、チャンバー112の外からチャンバー112内の監視対象物にスポット光を照射し、監視対象物を含む領域を撮像したが、本実施形態はこれに限定されない。光源140および撮像部150の少なくとも一方は、基板処理ユニット110のチャンバー112内に配置されてもよい。
【0216】
次に、
図1~
図14を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図14は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理ユニット110の模式図である。
図14の基板処理装置100における基板処理ユニット110は、光源140および撮像部150がチャンバー112内に位置する点を除いて、
図2の基板処理装置100における基板処理ユニット110と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0217】
図14に示すように、光源140および撮像部150は、チャンバー112内に位置する。光源140は、チャンバー112内の監視対象物にスポット光を照射する。撮像部150は、チャンバー112内でスポット光が照射された監視対象物を含む領域を撮像する。
【0218】
光源140および撮像部150は、カバー部材162に囲まれている。カバー部材162は、箱形状であり、光源140および撮像部150は、カバー部材162内に設置される。例えば、カバー部材162は、透明である。カバー部材162により、光源140および撮像部150に、基板Wを処理中の処理液が付着することを抑制できる。
【0219】
上述したように、光源140は、平行光を出射してもよい。あるいは、光源140は、光源140の周囲全体に光を出射し、点光源として機能してもよい。光源140が点光源であっても、光源140が監視対象物の近くに位置することにより、光源140は、監視対象物にスポット光を照射できる。
【0220】
なお、光源140および撮像部150は、基板Wに対して移動可能であってもよい。例えば、光源140および撮像部150は、制御部102によって制御される移動機構にしたがって水平方向および/または鉛直方向に移動可能であることが好ましい。光源140および撮像部150が移動する場合、光源140および撮像部150は、互いに独立に移動可能であってもよい。あるいは、光源140および撮像部150は、一体として移動可能であってもよい。
【0221】
図1~
図14を参照して上述した説明では、光源140は、基板処理ユニット110のチャンバー112の内部の監視対象物にスポット光を照射し、撮像部150は、基板処理ユニット110のチャンバー112の内部の監視対象物を含む領域を撮像したが、本実施形態はこれに限定されない。光源140は、基板処理ユニット110の外部の監視対象物にスポット光を照射し、撮像部150は、基板処理ユニット110の外部の監視対象物を含む領域を撮像してもよい。
【0222】
次に、
図1~
図15を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図15は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。
図15の基板処理装置100は、光源140および撮像部150がインデクサーロボットIRに搭載される点を除いて、
図1を参照して上述した基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長を避ける目的で重複する説明を省略する。
【0223】
図15に示すように、基板処理装置100において、光源140および撮像部150は、インデクサーロボットIRに搭載される。ここでは、監視対象物は、インデクサーロボットIRである。インデクサーロボットIRは、インデクサーユニット20に配置される。
【0224】
インデクサーロボットIRは、基板Wを保持する。上述したように、インデクサーロボットIRは、ロードポートLPと設置台30との間で基板Wを受け渡しする。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPから基板Wを引き出して設置台30に載置する。また、インデクサーロボットIRは、設置台30に載置された基板WをロードポートLPに搬送する。
【0225】
ここでは、インデクサーロボットIRに、光源140および撮像部150が搭載される。光源140は、基板Wを保持するインデクサーロボットIRにスポット光を照射する。撮像部150は、スポット光が照射されたインデクサーロボットIRを含む領域を撮像することによって画像データを生成する。画像データは、インデクサーロボットIRを含む領域の画像を示す。画像データにより、インデクサーロボットIRを監視できる。
【0226】
詳細には、インデクサーロボットIRが基板Wを保持すると、光源140は、インデクサーロボットIRが基板Wを保持する接触部分にスポット光を照射する。撮像部150は、光源140からのスポット光が照射されたインデクサーロボットIRの接触部分を含む領域を撮像することによって画像データを生成する。また、インデクサーロボットIRが基板Wを渡すと、光源140は消灯し、撮像部150は撮像を終了する。
【0227】
なお、インデクサーロボットIRが基板Wを保持し続ける場合でも、インデクサーロボットIRが基板Wの保持を開始してから所定期間経過した後に、光源140を消灯し、撮像部150の撮像を終了してもよい。
【0228】
また、インデクサーロボットIRを基板処理ユニット110または設置台30に渡す際に、光源140はスポット光を照射する。撮像部150はインデクサーロボットIRの接触部分を含む領域を撮像してもよい。
【0229】
なお、光源140は、インデクサーロボットIRが基板Wを保持する2つの接触部分にスポット光を照射してもよい。撮像部150は、光源140からのスポット光が照射されたインデクサーロボットIRの2つの接触部分を含む領域を撮像することによってそれぞれ画像データを生成してもよい。
【0230】
次に、
図1~
図16を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図16は、本実施形態の基板処理装置100におけるロードポートLPおよびインデクサーユニット20の模式的な側面図である。
【0231】
図16に示すように、インデクサーユニット20は、ロードポートLPに隣接して配置される。また、インデクサーユニット20は、設置台30に隣接して配置される。インデクサーユニット20は、ロードポートLPと設置台30との間に位置する。
【0232】
インデクサーロボットIRは、インデクサーユニット20内に収容される。インデクサーロボットIRは、インデクサーロボットIR内で動作する。
【0233】
インデクサーユニット20は、底部21と、側壁22と、天井部23とを有する。底部21、側壁22および天井部23によって所定の空間が形成され、インデクサーロボットIRは、所定の空間内で動作する。インデクサーユニット20内部の雰囲気は、外部の雰囲気から隔離され、クリーンな環境が維持される。
【0234】
インデクサーロボットIRは、底部21に固定される。
【0235】
側壁22のうち、ロードポートLPと連結する部分には、基板Wが通過するための通過孔22aが設けられる。
【0236】
ロードポートLPは、設置台31と、ステージ32と、壁部33と、ロードポート開閉機構34とを備える。設置台31は、側壁22に隣接して配置される。
【0237】
設置台31は、箱形状である。設置台31の下部にはロードポート開閉機構34と連結して駆動する電動モーターなどの駆動機構が収納される。
【0238】
ステージ32は、設置台31の上部に配置される。ステージ32は、設置台31に対して、インデクサーユニット20に近接および離隔する水平方向に移動可能に設けられる。
【0239】
ステージ32には、基板収納容器Shが載置される。基板収納容器Shは、複数の基板Wを収納可能に構成される。基板Wは、基板収納容器Sh内に載置される。
【0240】
基板収納容器Shは、例えば、基板Wを密閉した状態で収納するFOUP(FRONT Opening Unified Pod)である。FOUPに代えて、SMIF(Standard Mechanical Inter Face)ポッド、OC(Open Cassette)等であってもよい。
【0241】
基板収納容器Shは、筐体Shaと、蓋Shbと、複数の基板ガイド部Shcとを有する。蓋Shbは、筐体Shaの前面から取り外し可能である。蓋Shbが筐体Shaの前面に付けられることにより、筐体Shaを密閉する。蓋Shbを外すと、筐体Shaの前面の開口Bが露出する。
【0242】
基板ガイド部Shcは、蓋Shb側から見て基板収納容器Shの内壁に左右一対に水平に設けられる。基板ガイド部Shcは、基板W下面側の端部を支持する。例えば、基板収納容器Shが25枚の基板Wを収納する場合、25段の基板ガイド部Shcが設けられる。
【0243】
ステージ32がインデクサーユニット20に向かって移動して近接すると、基板収納容器Shは、インデクサーユニット20と連結できる。
【0244】
壁部33は、設置台31の上面から側壁22に沿って鉛直方向に延びる。壁部33には通過孔22aと連通するロードポート開口Lが設けられる。
【0245】
ロードポート開閉機構34は、基板収納容器Shの蓋Shbを開閉する。例えば、ロードポート開閉機構34は、筐体Shaから蓋Shbを取り外す。また、ロードポート開閉機構34は、筐体Shaに蓋Shbを取り付ける。
【0246】
ロードポート開閉機構34は、シャッター部材34aと、シャッター駆動部34bとを備える。シャッター部材34aは、ロードポート開口Lに嵌め込まれることでロードポート開口Lを閉じる。シャッター部材34aは、基板収納容器Shの蓋Shbを保持する。基板収納容器ShがロードポートLPに設置されない場合、シャッター部材34aは、ロードポート開口Lに嵌め込まれており、ロードポート開口Lは閉じられる。
【0247】
シャッター駆動部34bは、シャッター部材34aと連結する。シャッター駆動部34bは、シャッター部材34aとともに水平方向および鉛直方向に移動する。
【0248】
具体的には、シャッター駆動部34bは、シャッター部材34aが蓋Shbを保持した状態でシャッター部材34aをロードポートLPからインデクサーユニット20側(二点鎖線矢印D)へ移動することで、基板収納容器Shから蓋Shbを離脱させる。さらに鉛直下方向(二点鎖線矢印E)に移動することで基板収納容器Shとインデクサーユニット20とを連通させ、インデクサーロボットIRが基板収納容器Sh内部へ進入可能な状態とする。
【0249】
典型的には、シャッター駆動部34bは、電動モーターとボールネジで構成される。基板収納容器Shを閉じる場合は、前述の動作と逆の動作を行い、蓋Shbで開口Bを閉じ、シャッター部材34aでロードポート開口Lを閉じる。
【0250】
インデクサーロボットIRは、ロードポートLPに設置された基板収納容器Shから基板Wを引き出す。また、インデクサーロボットIRは、ロードポートLPに設置された基板収納容器Shに基板Wを収容する。
【0251】
インデクサーロボットIRは、2つのハンド210と、ベース部222と、昇降部224と、連結部226と、伸縮部228とを有する。2つのハンド210は、上下方向に配置される。ベース部222は、インデクサーユニット20の底部21に固定される。ベース部222は、インデクサーロボットIRの基台を形成する。
【0252】
昇降部224は、ベース部222から鉛直上方に延びる。昇降部224は、昇降機構を有する。昇降機構は、モーター、エンコーダ、ボールねじで構成される。ただし、昇降機構は、シリンダーで構成されてもよい。
【0253】
昇降部224の昇降により、ハンド210の鉛直方向における位置を変更できる。具体的には、基板Wを基板収納容器Shから搬出するとき、昇降部224は、ハンド210の最上部が搬出対象の基板Wの下面より低くなる高さ位置であるピックアップ位置(下位置)に移動する。また、基板Wを基板収納容器Shへ搬入するとき、昇降部224は、ハンド210の下面が基板ガイド部Shcの上面より高くなる高さ位置であるプレイス位置(上位置)に移動する。
【0254】
連結部226は、昇降部224と伸縮部228とを連結する。連結部226は、昇降部224の昇降動作を伸縮部228に伝達する。詳細には、連結部226の上部は、伸縮部228と連結する。また、伸縮部228の上部は、ハンド210を支持する支持部211と連結する。伸縮部228および支持部211は各ハンド210にそれぞれ連結し、2つのハンド210を個別に動作させることができる。
【0255】
伸縮部228は、所定方向に伸縮できる。伸縮部228は、複数の関節部を有する。関節部が回転駆動することにより、伸縮部228は所定方向に伸縮する。伸縮部228の伸縮により、ハンド210の水平方向の位置が変化する。
【0256】
例えば、ハンド210は、水平方向に伸縮部228が縮んだ場合の位置と、水平方向に伸縮部228が伸びた場合の位置との間で変化する。本明細書において、伸縮部228が水平方向に縮んだ場合のハンド210の位置をホーム位置(退行位置)と記載し、伸縮部228が水平方向に伸びた場合のハンド210の位置をフォワード位置(進出位置)と記載することがある。ホーム位置は、ハンド210の水平方向における基準位置である。
【0257】
図16には、上側のハンド210について、伸縮部228が水平方向に縮んだ場合の位置であるホーム位置HM(退行位置)を実線で示し、伸縮部228が水平方向に伸びた場合の位置であるフォワード位置FW(進出位置)を二点鎖線で示す。ホーム位置HMは、ハンド210の水平方向における基準位置である。伸縮部228は、複数の関節がそれぞれ曲がることにより、伸縮して、設置スペースを小さくできる。下部側のハンド210についても同様に、ホーム位置(退行位置)とフォワード位置(進出位置)との間で伸縮する。
【0258】
光源140および撮像部150は、ハンド210に搭載される。光源140は、ハンド210が基板Wを保持する接触部分にスポット光を照射する。撮像部150は、光源140からのスポット光が照射されたハンド210の接触部分を含む領域を撮像することによって画像データを生成する。
【0259】
次に、
図1~
図17を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図17(a)は、本実施形態の基板処理装置100におけるインデクサーロボットIRのハンド210の模式的な平面図であり、
図17(b)は、本実施形態の基板処理装置100におけるインデクサーロボットIRのハンド210の模式的な側面図である。
図17(a)および
図17(b)のそれぞれにおいて、基板Wを2点鎖線で示す。
【0260】
図17(a)に示すように、ハンド210は、支持部211と、本体212と、2つの爪ガイド部213と、2つのバックガイド部214と、プッシャ部215とを有する。支持部211は、伸縮部228(
図16)の上部に支持される。支持部211は、本体212を支持する。
【0261】
本体212は、水平な姿勢で基板Wを保持する。本体212は、ハンド210の平面視において、水平方向に平坦な板状部材である。本体212の一端は、支持部211と連結し、本体212の他端は、基板Wを保持する。なお、本体212は、基板Wを保持した際に基板Wの少なくとも一部分を支持しない中抜き形状である。例えば、中抜き形状は、V字型形状である。本体212は、例えば、セラミックスやアルミなど軽量で強度のある部材で形成される。
【0262】
爪ガイド部213は、本体212のV字型形状の各先端にそれぞれ配置される。爪ガイド部213は、側面視でL字型形状である。本体212が基板Wを水平方向に支持する場合、基板Wは、爪ガイド部213にガイドされ、爪ガイド部213に支持される。
【0263】
バックガイド部214は、本体212の表面の爪ガイド部213より支持部211側に位置する。バックガイド部214は、基板Wを支持できるように一定の距離だけ離れて配置される。平面視において、バックガイド部214は、略円柱形である。詳細には、バックガイド部214は、円柱の中段から上方へ向かうほど細くなる傾斜形状である。バックガイド部214は、傾斜部分で基板Wの周端部を支持する。
【0264】
基板Wは、2つの爪ガイド部213と2つのバックガイド部214との4点で支持される。これにより、本体212の全面で基板Wを直接支持する場合と比較して、基板Wの裏面および端部との接触面積を小さくでき、基板Wの裏面への傷および汚染の発生を抑制できる。
【0265】
プッシャ部215は、2つの爪ガイド部213と2つのバックガイド部214との4点で支持された基板Wを押し出す。プッシャ部215により、基板Wを固定かつ保持できる。
【0266】
プッシャ部215は、可動部215aと、固定部215bとを有する。可動部215aは、固定部215bに対して移動可能である。可動部215aは、固定部215bと連結する。固定部215bは、支持部211に固定される。
【0267】
可動部215aは、固定部215bに対して水平方向に伸縮する。可動部215aは、例えばバネ、シリンダー、モーターを含む。
【0268】
図17(b)に示すように、爪ガイド部213は、平面部213aと、側面部213bとを有する。爪ガイド部213において、平面部213aは基板Wを下方から支持する。側面部213bは、基板Wの周端部を支持する。
【0269】
基板Wの下面は、爪ガイド部213およびバックガイド部214により保持される。基板Wの上面は、爪ガイド部213およびバックガイド部214の最上部より低い位置となり、これにより、基板Wは、ハンド210から容易に外れることが抑制される。
【0270】
基板Wがハンド210に載置された場合、基板Wは、爪ガイド部213およびバックガイド部214に支持される。この状態において、プッシャ部215の可動部215aが基板W側に伸長することにより、基板Wを挟み込み、基板Wを固定して保持できる。例えば、可動部215aが基板W側に伸長することにより、基板Wの端部を押し込み、爪ガイド部213の側面部213bに基板Wの端部が押し当てられ、基板Wを挟み込む形で基板Wを固定保持できる。逆に、可動部215aが短縮すると、爪ガイド部213の側面部213bが基板Wの端部から離れ基板Wの固定保持が解除される。
【0271】
光源140および撮像部150は、支持部211に搭載される。光源140は、ハンド210が基板Wを保持する爪ガイド部213にスポット光を照射する。撮像部150は、光源140からのスポット光が照射された爪ガイド部213を含む領域を撮像することによってそれぞれ画像データを生成する。
【0272】
なお、
図15~
図17を参照した上述の説明では、光源140および撮像部150は、インデクサーロボットIRに搭載されたが、本実施形態はこれに限定されない。光源140および撮像部150は、センターロボットCRに搭載されてもよい。あるいは、光源140および撮像部150は、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRのそれぞれに搭載されてもよい。このように、光源140および撮像部150は、搬送ロボットに搭載されてもよい。
【0273】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0274】
なお、
図1~
図17を参照して上述した説明では、基板処理装置100は、1つの撮像部150によって1つ以上の監視対象物を含む領域を撮像したが、2以上の撮像部150によって2以上の監視対象物を含む領域を撮像してもよい。あるいは、撮像部150が、向きを変更することによって2以上の監視対象物を含む領域を撮像してもよい。
【0275】
また、
図1~
図17を参照して上述した説明では、基板処理装置100における基板処理ユニット110では、基板Wは処理液で処理されたが、本実施形態はこれに限定されない。基板処理ユニット110において、基板Wは、処理液で処理されなくてもよい。例えば、基板処理ユニット110において、基板Wは、露光処理されてもよい。または、基板処理ユニット110において、基板Wは、加熱処理されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0276】
本発明は、基板処理装置および基板処理方法に好適に用いられる。
【符号の説明】
【0277】
100 基板処理装置
110 基板処理ユニット
112 チャンバー
120 基板保持部
130 処理液供給部
140 光源
150 撮像部
W 基板