(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025143884
(43)【公開日】2025-10-02
(54)【発明の名称】ズームレンズおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 15/20 20060101AFI20250925BHJP
G02B 13/18 20060101ALN20250925BHJP
【FI】
G02B15/20
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043376
(22)【出願日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】結城 明彦
(72)【発明者】
【氏名】下村 和也
(72)【発明者】
【氏名】黒須 悠輔
【テーマコード(参考)】
2H087
【Fターム(参考)】
2H087KA02
2H087KA03
2H087MA12
2H087MA18
2H087MA19
2H087PA15
2H087PA16
2H087PB20
2H087QA03
2H087QA07
2H087QA19
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA34
2H087QA37
2H087QA41
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA04
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA32
2H087RA44
2H087SA43
2H087SA47
2H087SA49
2H087SA52
2H087SA55
2H087SA57
2H087SB07
2H087SB17
2H087SB22
2H087SB24
2H087SB33
2H087SB34
2H087SB41
2H087SB44
(57)【要約】
【課題】大判センサに対応可能で、小型かつ高変倍比を有するズームレンズを提供する。
【解決手段】ズームレンズは、ズーミングのためには移動しない正の屈折力の第1レンズ群U1と、ズーミングのためにそれぞれ移動する負の屈折力のレンズ群U2および2つの正の屈折力のレンズ群U3、U4を含む複数の中間レンズ群と、ズーミングのためには移動しない最も像側の最終レンズ群U5とにより構成されている。第1レンズ群は、少なくとも5つの正レンズを含む。中間レンズ群に含まれる全てのレンズ群の望遠端での合成結像倍率βzt、最終レンズ群の広角端での結像倍率βrwは、2.1≦βzt≦4.0および1.5≦βrw≦2.1なる条件を満足する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、ズーミングのためには移動しない正の屈折力の第1レンズ群と、ズーミングのためにそれぞれ移動する負の屈折力のレンズ群および2つの正の屈折力のレンズ群を含む複数の中間レンズ群と、ズーミングのためには移動しない最も像側の最終レンズ群とにより構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は、少なくとも5つの正レンズを含み、
前記中間レンズ群に含まれる全てのレンズ群の望遠端での合成結像倍率をβzt、前記最終レンズ群の広角端での結像倍率をβrwとするとき、
2.1≦βzt≦4.0
1.5≦βrw≦2.1
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
【請求項2】
前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群の広角端と望遠端での結像倍率をそれぞれβnw、βnt、前記複数の中間レンズ群のうち前記負の屈折力のレンズ群より像側の全てのレンズ群の広角端と望遠端での合成結像倍率をそれぞれβpw、βptとするとき、
2.0≦|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項3】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群の焦点距離をfnとするとき、
6.0≦|f1/fn|≦10.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項4】
前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群の焦点距離をfn、前記複数の中間レンズ群のうち前記負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の望遠端での合成焦点距離をfptとするとき、
2.0≦|fpt/fn|≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項5】
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記最終レンズ群の焦点距離をfiとするとき、
2.0≦|fi/f1|≦20.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項6】
前記第1レンズ群は、負レンズを有し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記負レンズの焦点距離をf1nとするとき、
1.2≦|f1n/f1|≦2.0
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項7】
前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群は、4つの負レンズと2つの正レンズとにより構成されていることを特徴とする請求項1のズームレンズ。
【請求項8】
物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、前記第1レンズ群と、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群と、正の屈折力の前記最終レンズ群としての第5レンズ群とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項9】
物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、前記第1レンズ群と、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群および正の屈折力の第5レンズ群と、正の屈折力の前記最終レンズ群としての第6レンズ群とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のズームレンズ。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のズームレンズと、
該ズームレンズを通して被写体を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像に好適なズームレンズに関する。
【背景技術】
【0002】
ズームレンズは、小型、広画角および高変倍であり、かつ高い光学性能を有することが望まれている。また大判の撮像素子(イメージセンサ)を搭載したカメラに用いられるために、それに対応するイメージサイズを有するズームレンズが求められている。このような大判センサに対応したズームレンズとして、特許文献1および2には、物体側から順に配置された、ズーミングのためには移動しない正の第1レンズ群と、ズーミングのために移動する少なくとも2つのレンズ群と、ズーミングのためには移動しない正の最終レンズ群とより構成されたズームレンズが開示されている。これらのズームレンズでは、第1レンズ群内にフォーカシングのために移動するフォーカス群を含む、インナーフォーカスタイプのズームレンズである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-056491号公報
【特許文献2】特開2021-063885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
大判センサに対応したズームレンズにおいて、小型化と高変倍化とを両立しつつ、全ズーム域にわたる高い光学性能を持つためには、各レンズ群の結像倍率を適切に設定する必要がある。特許文献1および2に開示されたズームレンズでは、最終レンズ群の結像倍率が不足しており、これよって物体側にてズーミングのために移動するレンズ群の結像倍率が大きくなり過ぎる。この結果、ズームレンズの小型化に不利となる。
【0005】
本発明は、大判センサに対応可能であり、小型かつ高変倍比を有し、全ズーム域にわたる高い光学性能を有するズームレンズを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としてのズームレンズは、物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、ズーミングのためには移動しない正の屈折力の第1レンズ群と、ズーミングのためにそれぞれ移動する負の屈折力のレンズ群および2つの正の屈折力のレンズ群を含む複数の中間レンズ群と、ズーミングのためには移動しない最も像側の最終レンズ群とにより構成されている。ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する。第1レンズ群は、少なくとも5つの正レンズを含む。中間レンズ群に含まれる全てのレンズ群の望遠端での合成結像倍率をβzt、最終レンズ群の広角端での結像倍率をβrwとするとき、
2.1≦βzt≦4.0
1.5≦βrw≦2.1
なる条件を満足することを特徴とする。なお、上記ズームレンズを備えた撮像装置も、本発明の他の一側面を構成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、大判センサに対応可能であり、小型かつ高変倍比で全ズーム域にわたって高い光学性能を有するズームレンズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1のズームレンズの無限遠合焦状態かつ広角端での断面図。
【
図2】実施例1のズームレンズの無限遠合焦状態かつ(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図3】実施例2のズームレンズの無限遠合焦状態かつ広角端での断面図。
【
図4】実施例2のズームレンズの無限遠合焦状態かつ(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図5】実施例3のズームレンズの無限遠合焦状態かつ広角端での断面図。
【
図6】実施例3のズームレンズの無限遠合焦状態かつ(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図7】実施例4のズームレンズの無限遠合焦状態かつ広角端での断面図。
【
図8】実施例4のズームレンズの無限遠合焦状態かつ(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図9】実施例5のズームレンズの無限遠合焦状態かつ広角端での断面図。
【
図10】実施例5のズームレンズの無限遠合焦状態かつ(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での収差図。
【
図11】実施例1~5のズームレンズを備えた撮像装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。まず具体的な実施例1~4の説明に先立って、各実施例に共通する事項について説明する。
【0010】
図1、
図3、
図5、
図7および
図9はそれぞれ、実施例1、2、3、4および5のズームレンズの無限遠物体に合焦した状態(以下、無限遠合焦状態という)かつ広角端での断面を示している。各図において、左側が物体側(前側)で、右側が像側(後側)である。各実施例のズームレンズは、放送用カメラ、シネマ用カメラ、ビデオカメラ、監視カメラ、デジタルスチルカメラおよび銀塩フィルムカメラ等の撮像装置が行う撮像に用いられる。
【0011】
各実施例のズームレンズは、各実施例の物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、ズーミングのためには移動しない正の屈折力の第1レンズ群U1と、ズーミングのためにそれぞれ移動する負の屈折力のレンズ群および2つの正の屈折力のレンズ群を含む複数の中間レンズ群(U2~U4またはU5)と、ズーミングのためには移動しない最も像側の最終レンズ群(U5またはU6)とにより構成されている。
【0012】
ズームレンズにおいて、レンズ群は、広角端と望遠端との間での変倍(ズーミング)に際して一体で移動するまたは移動しない1または複数のレンズのまとまりである。すなわち、ズーミングに際して隣り合うレンズ群間の間隔が変化する。レンズ群は、開口絞りを含んでもよい。また、広角端と望遠端はそれぞれ、ズーミングに際して移動するレンズ群が光軸上を機構上または制御上、移動可能な範囲の両端に位置したときの最大画角(最短焦点距離)と最小画角(最大焦点距離)のズーム状態を示す。
【0013】
各図において、SPは開口絞りを示し、IPは像面を示す。像面IPには、CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子の撮像面(受光面)または銀塩フィルムのフィルム面(感光面)が配置される。
【0014】
各実施例のズームレンズは、レンズ群のうち重量が最も大きい第1レンズ群をズーミングに際して不動とすることで、ズームレンズの駆動機構を小型化している。また第1レンズ群に正の屈折力を与えることにより、主に望遠端において中間レンズ群に入射する光線径を減少させて、ズーミングに際して移動するレンズ群を小型化している。
【0015】
また各実施例のズームレンズでは、最終レンズ群をズーミングに際して不動とすることにより、全ズーム域での焦点距離を拡大するエクステンダやフランジバック調整を行う調整機構を最終レンズ群内に配置することを可能としている。
【0016】
また各実施例のズームレンズにおいて、複数の中間レンズ群に、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力のレンズ群と2つの正の屈折力のレンズ群を含ませることで、ズームレンズの高変倍化と良好な収差補正とを両立させて高い光学性能を実現している。さらに各実施例のズームレンズにおいて、第1レンズ群U1は、少なくとも5つの正レンズを含む。このように、第1レンズ群U1を少なくとも5枚の正レンズで構成することで、第1レンズ群U1の正の屈折力を分担し、望遠端の球面収差の抑制を達成している。(理由追記しました。)なお、N個のレンズが接合された接合レンズについては、レンズの数はNとする。
【0017】
そして各実施例のズームレンズは、複数の中間レンズ群に含まれる全てのレンズ群の望遠端での合成結像倍率をβzt、最終レンズ群の広角端での結像倍率をβrwとするとき、以下の式(1)、(2)の条件を満足する。
【0018】
2.1≦βzt≦4.0 (1)
1.5≦βrw≦2.1 (2)
βztとβrwがそれぞれ式(1)、(2)の条件を満足することで、大判センサに対応したズームレンズの小型化と高変倍化との両立を実現している。βztが式(1)の上限値を上回ると、複数の中間レンズ群の望遠端での合成結像倍率が大きくなり過ぎて、望遠端で軸上色収差および倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。βztが式(1)の下限値を下回ると、複数の中間レンズ群の望遠端での合成結像倍率が小さくなり過ぎて、望遠端にて十分に長い焦点距離を得ることができなくなり、高変倍化が困難となるため、好ましくない。
【0019】
βrwが式(2)の上限値を上回ると、最終レンズ群の結像倍率が大きくなり過ぎて、ズームレンズを大口径化する際に最終レンズ群の径が大きくなり過ぎるため、好ましくない。βrwが式(2)の下限値を下回ると、大判センサに対応しようとすると、複数の中間レンズ群に含まれる各レンズ群の焦点距離が長くなり過ぎ、ズームレンズの全長が大型化するため、好ましくない。
【0020】
なお、式(1)、(2)の数値範囲を以下のように設定すると、より好ましい。
【0021】
2.105≦βzt≦3.000 (1a)
1.60≦βrw≦2.00 (2a)
また、式(1)、(2)の数値範囲を以下のように設定すると、さらに好ましい。
【0022】
2.107≦βzt≦2.800 (1b)
1.62≦βrw≦1.95 (2b)
以上の構成および条件を満足することで、大判センサに対応可能であり、小型かつ高変倍比で全ズーム域にわたって高い光学性能を有するズームレンズを実現することができる。
【0023】
以下、各実施例のズームレンズが満足することが好ましい条件について説明する。各実施例のズームレンズは、以下の式(3)~(7)の条件および構成のうち少なくとも1つを満足することが好ましい。
【0024】
また、中間レンズ群としての負の屈折力のレンズ群の広角端と望遠端での結像倍率をそれぞれβnw、βnt、複数の中間レンズ群のうち上記負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の広角端と望遠端での合成結像倍率をそれぞれβpw、βptとする。このとき、各実施例のズームレンズは、以下の式(3)の条件を満足することが好ましい。
【0025】
2.0≦|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|≦4.0 (3)
式(3)の条件は、複数の中間レンズ群に含まれる負の屈折力のレンズ群と該負の屈折力のレンズ群より像側の全てのレンズ群との適切な結像倍率の関係、すなわち変倍分担を示している。|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|が式(3)の上限値を上回ると、中間レンズ群としての負の屈折力のレンズ群の変倍分担が大きくなり過ぎる。この結果、負の屈折力のレンズ群のズーミング時の移動量が大きくなり過ぎたり、負の屈折力のレンズ群の屈折力が強くなり過ぎたりし、全ズーム域での倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|が式(3)の下限値を下回ると、複数の中間レンズ群のうち負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の変倍分担が大きくなり過ぎる。この結果、中間レンズ群としての2つの正の屈折力のレンズ群の変倍時の移動量が大きくなり過ぎたり、2つの正の屈折力のレンズ群の屈折力が強くなり過ぎたりして、全ズーム域での軸上色収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0026】
なお、式(3)の数値範囲を以下のように設定すると、より好ましい。
【0027】
2.5≦|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|≦3.5 (3a)
また、式(3)の数値範囲を以下のように設定すると、さらに好ましい。
【0028】
2.7≦|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|≦3.0 (3b)
各実施例のズームレンズは、正の屈折力の第1レンズ群U1の焦点距離をf1、中間レンズ群としての負の屈折力のレンズ群の焦点距離をfnとするとき、以下の式(4)の条件を満足することが好ましい。
【0029】
6.0≦|f1/fn|≦10.0 (4)
|f1/fn|が式(4)の上限値を上回ると、第1レンズ群U1の焦点距離が長くなり過ぎて、広角端を広画角化するためには中間レンズ群としての負の屈折力のレンズ群の移動量が大きくなり過ぎるため、好ましくない。|f1/fn|が式(4)の下限値を下回ると、第1レンズ群U1の焦点距離が短くなり過ぎて、望遠端を長焦点化するために複数の中間レンズ群の合成結像倍率が大きくなり過ぎる。この結果、望遠端にて軸上色収差および倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。
【0030】
なお、式(4)の数値範囲を以下のように設定すると、より好ましい。
【0031】
6.5≦|f1/fn|≦9.0 (4a)
また、式(4)の数値範囲を以下のように設定すると、さらに好ましい。
【0032】
7.5≦|f1/fn|≦8.9 (4b)
各実施例のズームレンズは、中間レンズ群としての負の屈折力のレンズ群の焦点距離をfn、複数の中間レンズ群のうち負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の望遠端での合成焦点距離fptとするとき、以下の式(5)の条件を満足することが好ましい。
【0033】
2.0≦|fpt/fn|≦4.0 (5)
|fpt/fn|が式(5)の上限値を上回ると、複数の中間レンズ群のうち負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の望遠端での合成屈折力が強くなり過ぎる。この結果、望遠側の領域において軸上色収差の補正が困難となるため、好ましくない。|fpt/fn|が式(5)の下限値を下回ると、複数の中間レンズ群のうち負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の望遠端での合成屈折力が弱くなり過ぎる。この結果、望遠側の領域において複数の中間レンズ群のうち負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群で十分な結像倍率を得ることできず、望遠端を長焦点化することが困難となるため、好ましくない。
【0034】
なお、式(5)の数値範囲を以下のように設定すると、より好ましい。
【0035】
2.3≦|fpt/fn|≦3.0 (5a)
また、式(5)の数値範囲を以下のように設定すると、さらに好ましい。
【0036】
2.40≦|fpt/fn|≦2.55 (5b)
各実施例のズームレンズでは、ズーミングのためには移動しない最終レンズ群の焦点距離をfiとするとき、以下の式(6)の条件を満足することが好ましい。
【0037】
2.0≦|fi/f1|≦20.0 (6)
|fi/f1|が式(6)の上限値を上回ると、最終レンズ群の屈折力が弱くなり過ぎて、最終レンズ群から像面までの距離が長くなり過ぎて、ズームレンズの全長が大型化するため、好ましくない。|fi/f1|が式(6)の下限値を下回ると、最終レンズ群の結像倍率を大きくすることができず、大判センサに対応するためには第1レンズ群または中間レンズ群の焦点距離を長くする必要がある。この結果、全長が大型化するため、好ましくない。
【0038】
なお、式(6)の数値範囲を以下のように設定すると、より好ましい。
【0039】
2.1≦|fi/f1|≦18.0 (6a)
また、式(6)の数値範囲を以下のように設定すると、さらに好ましい。
【0040】
2.2≦|fi/f1|≦17.0 (6b)
各実施例のズームレンズは、第1レンズ群U1が負レンズを含み、該負レンズの焦点距離をf1nとするとき、以下の式(7)の条件を満足することが好ましい。
【0041】
1.2≦|f1n/f1|≦2.0 (7)
|f1n/f1|が式(7)の上限値を上回ると、第1レンズ群の負レンズの屈折力が弱くなり過ぎて、第1レンズ群U1の屈折力を強めた場合の色補正効果が不足し、望遠端での軸上色収差と倍率色収差の補正が困難となるため、好ましくない。|f1n/f1|が式(7)の下限値を下回ると、負レンズの屈折力が強くなり過ぎて、広角端にて歪曲を補正することが困難となるため、好ましくない。
【0042】
なお、式(7)の数値範囲を以下のように設定すると、より好ましい。
【0043】
1.3≦|f1n/f1|≦1.6 (7a)
また、式(7)の数値範囲を以下のように設定すると、さらに好ましい。
【0044】
1.4≦|f1n/f1|≦1.5 (7b)
さらに各実施例のズームレンズにおいて、中間レンズ群としての負の屈折力のレンズ群は、4つの負レンズと2つの正レンズにより構成されることが好ましい。このように負の屈折力を4つの負レンズで分担しつつ、正レンズを2つ含んで構成することで、ズーム全域で倍率色収差を抑制することが可能となる。
【0045】
以下、実施例1~5のズームレンズを具体的に説明する。
【0046】
[実施例1~4]
図1、
図3、
図5および
図7に示す実施例1~4のズームレンズは、物体側から像側へ順に配置された、ズーミングためには移動しない正の屈折力の第1レンズ群U1と、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力の第2レンズ群U2、正の屈折力の第3レンズ群U3および正の屈折力の第4レンズ群U4と、開口絞りSPと、ズーミングのためには移動しない結像用の正の屈折力の第5レンズ群(最終レンズ群)U5とにより構成されている。第2レンズ群U2~第4レンズ群U4が中間レンズ群である。各図において、ズーミングのために移動する各レンズ群の下には、広角端から望遠端へのズーミングに際しての該レンズ群の移動する軌跡を矢印で示している。
【0047】
正の屈折力の第1レンズ群U1は、最も物体側の1つの負レンズと5つの正レンズとにより構成され、物体側から像側へ順に、第1部分群U11と、それぞれ正の屈折力の第2部分群U12および第3部分群U13とを有する。部分群は、無限遠合焦状態と至近物体に合焦する状態(以下、至近合焦状態という)との間でのフォーカシングに際して一体で移動するまたは移動しない1または複数のレンズのまとまりである。第2部分群U12は、無限遠から至近へのフォーカシングのために図中に矢印(FOCUS)で示すように物体側へ移動する。第3部分群U3は、無限遠から至近へのフォーカシングのために、第2部分群U2とは独立して物体側へ移動する。
【0048】
負の屈折力の第2レンズ群U2は、広角端から望遠端へのズーミングに際して像側へ移動するバリエータ群である。第2レンズ群U2は、4つの負レンズと2つの正レンズとにより構成されている。
【0049】
正の屈折力の第3レンズ群U3は、広角端から望遠端へのズーミングに際して像側へ移動した後に物体側へ移動する。第3レンズ群U3は、2つの正レンズと1つの負レンズにより構成されている。
【0050】
正の屈折力の第4レンズ群U4は、広角端から望遠端へのズーミングに際して第3レンズ群U3とは独立して像側へ移動した後に物体側へ移動する。第4レンズ群U4は、2つの正レンズと1つの負レンズより構成されている。
【0051】
開口絞りSPは、第5レンズ群U5における最も物体側に配置されている。正の屈折力の第5レンズ群U5内には、光学防振用のシフトレンズが配置されたり、前述したエクステンダレンズ等のレンズユニットが挿抜可能に配置されたりしてもよい。
【0052】
[実施例5]
図9に示す実施例5のズームレンズは、物体側より像側へ順に配置された、ズーミングのためには移動しない正の第1レンズ群U1と、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力の第2レンズ群U2、正の屈折力の第3レンズ群U3、正の屈折力の第4レンズ群U4および正の屈折力の第5レンズ群U5と、開口絞りSPと、ズーミングのためには移動しない結像用の正の屈折力の第6レンズ群(最終レンズ群)U6とにより構成されている。第2レンズ群U2~第5レンズ群U5が中間レンズ群である。
【0053】
正の屈折力の第1レンズ群U1は、最も物体側の1つの負レンズと5つの正レンズにより構成され、物体側から像側へ順に、第1部分群U11と、それぞれ正の屈折力を有する第2部分群U12および第3部分群U13とを有する。第2部分群U12は、無限遠から至近へのフォーカシングのために物体側へ移動する。第3部分群U13は、無限遠から至近へのフォーカシングのために、第2部分群U12とは独立して物体側へ移動する。
【0054】
負の屈折力の第2レンズ群U2は、広角端から望遠端へのズーミングに際して像側へ移動するバリエータ群である。第2レンズ群U2は、4つの負レンズと2つの正レンズにより構成されている。
【0055】
正の屈折力の第3レンズ群U3は、広角端から望遠端へのズーミングに際して像側へ移動した後に物体側へ移動する。第3レンズ群U3は、1つの正レンズにより構成されている。
【0056】
正の屈折力の第4レンズ群U4は、広角端から望遠端へのズーミングに際して第3レンズ群U3とは独立して像側へ移動した後に物体側へ移動する。第4レンズ群U4は、1つの正レンズと1つの負レンズにより構成されている。
【0057】
正の屈折力の第5レンズ群U4は、広角端から望遠端へのズーミングに際して第3および第4レンズ群U3、U4とは独立して像側へ移動した後に物体側へ移動する。第5レンズ群U5は、2つの正レンズと1つの負レンズにより構成されている。
【0058】
開口絞りSPは、第6レンズ群U6における最も物体側に配置されている。正の屈折力の第6レンズ群U6内には、光学防振用のシフトレンズが配置されたり、エクステンダレンズ等のレンズユニットが挿抜可能に配置されたりしてもよい。
【0059】
以下に実施例1~5のそれぞれに対応する数値例1~5を示す。各数値例において、面番号iは物体側から数えたときの面の順番を示す。rは物体側からi番目の面の曲率半径(mm)、dはi番目と(i+1)番目の面間の光軸上のレンズ厚または空気間隔(mm)、ndは第i面と第(i+1)面間の光学材料のd線における屈折率である。νdは第i面と第(i+1)面間の光学材料のd線を基準とするアッベ数である。
【0060】
d線を基準とするアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd、NF、NCとするとき、νd=(Nd-1)/(NF-NC)で表される。
【0061】
BFはバックフォーカス(mm)を表す。バックフォーカスは、ズームレンズの最も像側のレンズ面(最終面)から近軸像面までの光軸上の距離を空気換算長により表記したものとする。レンズ全長は、ズームレンズの最も物体側のレンズ面(最前面)から最終面までの光軸上の距離にバックフォーカスを加えた長さである。
【0062】
面番号に付された「*」は、その面が非球面形状を有する面であることを意味する。非球面形状は、Xを光軸方向での面頂点からの変位量、Hを光軸に直交する方向における光軸からの高さ、光の進行方向を正とし、Rを近軸曲率半径、Kを円錐定数、A4,A6,A8,A10,A12を非球面係数とするとき、以下の式で表される。円錐定数および非球面係数の「e±Z」は×10±Zを意味する。
【0063】
【0064】
数値例1~5における式(1)~(7)の値を表1にまとめて示す。数値例1~5は式(1)~(7)の条件を全て満足している。
【0065】
図2、
図4、
図6、
図8および
図10は、無限遠合焦状態での(A)広角端、(B)中間ズーム位置および(C)望遠端での縦収差(球面収差、非点収差、歪曲および色収差)を示している。球面収差図において、FnoはFナンバーを示し、実線はe線(波長546.1nm)における球面収差を、破線はg線(波長435.8nm)における球面収差をそれぞれ示している。非点収差図において、実線Sはサジタル像面での非点収差を、破線Mはメリディオナル像面での非点収差を示している。歪曲収差図は、e線における歪曲収差を示している。色収差図は、g線における倍率色収差を示している。ωは半画角(°)である。なお、球面収差は0.4mm、非点収差は0.4mm、歪曲は5%、倍率色収差は0.05mmのスケールで描かれている。
[数値例1]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 -2350.850 4.40 1.83481 42.7
2 355.756 2.00
3 361.505 26.36 1.43387 95.1
4 -788.700 0.12
5 927.238 13.44 1.43387 95.1
6 -1672.211 25.35
7 394.952 17.22 1.43387 95.1
8 ∞ 0.12
9 324.444 24.39 1.43700 95.1
10 -1336.384 1.59
11 177.686 16.27 1.43700 95.1
12 334.570 (可変)
13* -890.028 2.20 1.90366 31.3
14 53.485 11.04
15 -109.709 1.45 1.83481 42.7
16 706.222 3.07 1.85478 24.8
17 -354.737 3.16
18 -85.253 1.45 1.76385 48.5
19 76.084 12.30 1.84666 23.8
20 -66.624 2.38
21 -51.299 2.00 1.76385 48.5
22 -142.913 (可変)
23 115.236 12.05 1.76385 48.5
24* -1066.947 2.58
25 113.680 17.36 1.43875 94.7
26 -159.166 3.01
27 452.878 2.50 1.78880 28.4
28 82.003 (可変)
29 80.226 14.72 1.43875 94.7
30 -683.586 2.50 2.00069 25.5
31 1668.782 0.20
32* 217.470 10.65 1.43875 94.7
33 -138.010 (可変)
34(絞り) ∞ 4.80
35 9180.324 1.40 1.88300 40.8
36 39.566 0.91
37 34.227 3.41 1.89286 20.4
38 60.083 4.78
39 -78.643 1.50 1.88300 40.8
40 186.937 9.16
41 88.618 1.50 2.00100 29.1
42 34.395 4.79 1.89286 20.4
43 60.450 0.20
44 39.255 1.50 1.95375 32.3
45 30.534 13.36 1.48749 70.2
46 -84.454 6.32
47 259.109 4.37 1.72825 28.5
48 -63.514 0.20
49 -356.691 1.50 1.77250 49.6
50 201.648 4.64 1.49700 81.5
51 561.456 0.20
52 136.856 8.19 1.71736 29.5
53 -30.564 1.50 1.85896 22.7
54 315.170 7.49
55 -41.859 1.20 2.00100 29.1
56 464.031 4.03 1.76182 26.5
57 -63.273 0.20
58 2550.455 4.15 1.62004 36.3
59 -55.632 (可変)
像面 ∞
非球面データ
第13面
K = 1.35971e+00 A 4= 4.27264e-07 A 6=-4.76620e-11 A 8=-5.33274e-14
A10= 2.38678e-17 A12= 2.47527e-20
第24面
K = 2.00111e+00 A 4= 3.19681e-07 A 6= 2.98373e-13 A 8= 6.32615e-15
A10=-1.79800e-18 A12= 2.70592e-22
第32面
K = 2.00017e+00 A 4=-5.60292e-07 A 6=-5.95842e-11 A 8= 4.93762e-15
A10= 1.41736e-17 A12=-5.59890e-21
各種データ
ズーム比 39.22
広角 中間 望遠
焦点距離 25.50 596.55 1000.09
Fナンバー 2.90 2.90 4.86
半画角(°) 30.13 1.42 0.85
像高 14.80 14.80 14.80
レンズ全長 674.06 674.06 674.06
BF 66.38 66.38 66.38
d12 3.79 177.36 181.18
d22 253.93 41.89 2.45
d28 20.77 16.55 24.95
d33 2.00 44.69 71.91
d59 66.38 66.38 66.38
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 256.50
2 13 -33.85
3 23 136.64
4 29 112.75
5 34 4303.32
[数値例2]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 -2560.191 4.40 1.83481 42.7
2 357.759 2.00
3 363.708 26.40 1.43387 95.1
4 -719.427 0.12
5 695.974 13.82 1.43387 95.1
6 -1953.559 26.82
7 367.150 16.45 1.43387 95.1
8 ∞ 0.12
9 343.029 19.93 1.43700 95.1
10 -1728.117 1.60
11 177.435 12.67 1.43700 95.1
12 290.369 (可変)
13* 2861.426 2.20 1.90366 31.3
14 52.288 11.95
15 -87.578 1.45 1.83481 42.7
16 118.276 4.94 1.85478 24.8
17 -505.788 3.05
18 -92.892 1.45 1.76385 48.5
19 94.919 10.41 1.84666 23.8
20 -68.242 1.43
21 -58.158 2.00 1.76385 48.5
22 -213.883 (可変)
23 105.860 11.08 1.76385 48.5
24* 1316.068 5.25
25 173.847 13.39 1.43875 94.7
26 -159.231 0.49
27 202.149 2.50 1.78880 28.4
28 84.086 (可変)
29 80.957 13.88 1.43875 94.7
30 -624.889 2.50 2.00069 25.5
31 786.166 0.20
32* 199.433 11.20 1.43875 94.7
33 -136.370 (可変)
34(絞り) ∞ 4.80
35 4007.174 1.40 1.88300 40.8
36 44.356 0.91
37 37.475 3.41 1.89286 20.4
38 63.158 4.78
39 -75.254 1.50 1.88300 40.8
40 196.467 9.16
41 79.718 1.50 2.00100 29.1
42 38.263 4.43 1.89286 20.4
43 60.455 0.20
44 39.552 1.50 1.95375 32.3
45 30.322 13.72 1.48749 70.2
46 -83.355 6.32
47 128.475 5.48 1.72825 28.5
48 -75.336 0.20
49 -356.691 1.50 1.77250 49.6
50 201.648 4.64 1.49700 81.5
51 561.456 0.20
52 59.848 6.57 1.71736 29.5
53 -41.154 1.50 1.85896 22.7
54 55.919 5.91
55 -45.359 1.20 2.00100 29.1
56 78.702 5.72 1.76182 26.5
57 -50.655 0.20
58 105.824 5.47 1.62004 36.3
59 -126.405 (可変)
像面 ∞
非球面データ
第13面
K = 2.00000e+00 A 4= 2.28484e-07 A 6=-6.60675e-11 A 8= 6.89903e-14
A10=-1.14553e-16 A12= 5.84143e-20
第24面
K =-1.25540e+00 A 4= 3.04209e-07 A 6= 9.66247e-12 A 8=-9.30988e-15
A10= 6.96949e-18 A12=-1.61568e-21
第32面
K = 1.20163e+00 A 4=-5.09134e-07 A 6=-1.65422e-11 A 8=-4.55007e-14
A10= 4.27595e-17 A12=-1.16472e-20
各種データ
ズーム比 41.67
広角 中間 望遠
焦点距離 24.00 564.31 1000.18
Fナンバー 2.90 2.90 5.14
半画角(°) 31.66 1.50 0.85
像高 14.80 14.80 14.80
レンズ全長 671.05 671.05 671.05
BF 67.61 67.61 67.61
d12 3.57 182.67 188.30
d22 240.04 40.32 7.89
d28 41.90 5.01 3.69
d33 2.00 59.51 87.64
d59 67.61 67.61 67.61
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 262.00
2 13 -31.62
3 23 144.18
4 29 119.99
5 34 740.99
[数値例3]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 -2400.689 4.40 1.83481 42.7
2 350.441 2.00
3 355.986 26.30 1.43387 95.1
4 -760.231 0.12
5 730.348 13.86 1.43387 95.1
6 -1738.428 24.55
7 367.892 17.06 1.43387 95.1
8 -13552.994 0.12
9 331.740 20.65 1.43700 95.1
10 -1735.401 1.60
11 179.305 13.67 1.43700 95.1
12 314.259 (可変)
13* 4719.166 2.20 1.90366 31.3
14 51.554 11.60
15 -91.667 1.45 1.83481 42.7
16 125.484 4.98 1.85478 24.8
17 -335.480 2.94
18 -85.612 1.45 1.76385 48.5
19 89.905 10.34 1.84666 23.8
20 -67.139 1.44
21 -56.981 2.00 1.76385 48.5
22 -281.008 (可変)
23 105.369 10.68 1.76385 48.5
24* 1802.433 4.99
25 179.259 13.95 1.43875 94.7
26 -151.851 0.45
27 201.195 2.50 1.78880 28.4
28 83.790 (可変)
29 77.718 13.90 1.43875 94.7
30 -563.130 2.50 2.00069 25.5
31 754.083 0.20
32* 189.342 12.45 1.43875 94.7
33 -126.664 (可変)
34(絞り) ∞ 4.80
35 -12047.629 1.40 1.88300 40.8
36 41.189 0.91
37 35.365 3.41 1.89286 20.4
38 62.959 4.78
39 -78.307 1.50 1.88300 40.8
40 196.405 9.16
41 90.974 1.50 2.00100 29.1
42 38.678 4.25 1.89286 20.4
43 57.737 0.20
44 38.698 1.50 1.95375 32.3
45 29.323 13.90 1.48749 70.2
46 -83.312 8.70
47 117.059 5.96 1.72825 28.5
48 -69.257 0.20
49 -356.691 1.50 1.77250 49.6
50 201.648 4.64 1.49700 81.5
51 561.456 0.20
52 76.158 7.61 1.71736 29.5
53 -40.383 1.50 1.85896 22.7
54 72.720 5.22
55 -52.926 1.20 2.00100 29.1
56 62.255 5.65 1.76182 26.5
57 -63.758 0.20
58 117.183 5.44 1.62004 36.3
59 -115.580 (可変)
像面 ∞
非球面データ
第13面
K = 2.00000e+00 A 4= 2.68187e-07 A 6=-7.77843e-11 A 8= 9.05450e-14
A10=-1.52335e-16 A12= 7.99263e-20
第24面
K = 1.99998e+00 A 4= 3.20309e-07 A 6= 9.07568e-12 A 8=-6.42348e-15
A10= 4.87186e-18 A12=-1.09782e-21
第32面
K = 9.55198e-02 A 4=-5.77680e-07 A 6=-1.82725e-11 A 8=-5.36329e-14
A10= 4.92214e-17 A12=-1.29296e-20
各種データ
ズーム比 48.32
広角 中間 望遠
焦点距離 23.80 559.66 1150.01
Fナンバー 2.90 2.90 5.90
半画角(°) 31.88 1.51 0.74
像高 14.80 14.80 14.80
レンズ全長 665.65 665.65 665.65
BF 66.47 66.47 66.47
d12 3.53 177.91 184.44
d22 239.47 42.47 2.34
d28 34.49 4.98 3.60
d33 2.00 54.12 89.11
d59 66.47 66.47 66.47
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 255.56
2 13 -30.51
3 23 139.62
4 29 114.73
5 34 1647.02
[数値例4]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 -2598.305 4.40 1.83481 42.7
2 351.758 2.00
3 355.184 24.59 1.43387 95.1
4 -846.027 0.12
5 674.170 12.65 1.43387 95.1
6 -1696.713 22.28
7 397.019 15.35 1.43387 95.1
8 -15120.284 0.12
9 325.664 20.31 1.43700 95.1
10 -1783.396 1.59
11 176.365 13.87 1.43700 95.1
12 318.643 (可変)
13* 1374.359 2.20 1.90366 31.3
14 48.941 12.30
15 -81.299 1.45 1.83481 42.7
16 145.635 4.62 1.85478 24.8
17 -336.082 2.87
18 -86.932 1.45 1.76385 48.5
19 96.267 9.30 1.85896 22.7
20 -71.821 1.30
21 -61.031 2.00 1.76385 48.5
22 -241.900 (可変)
23 101.831 10.03 1.76385 48.5
24* 916.574 5.03
25 182.663 13.35 1.43875 94.7
26 -154.984 0.44
27 195.420 2.50 1.78880 28.4
28 81.687 (可変)
29 77.187 14.05 1.43875 94.7
30 -527.648 2.50 2.00069 25.5
31 952.288 0.20
32* 198.612 12.11 1.43875 94.7
33 -126.277 (可変)
34(絞り) ∞ 4.80
35 495.287 1.40 1.88300 40.8
36 43.022 0.91
37 37.043 3.41 1.89286 20.4
38 66.059 4.78
39 -80.887 1.50 1.88300 40.8
40 195.403 9.16
41 137.704 1.50 2.00100 29.1
42 39.957 4.49 1.89286 20.4
43 74.570 0.20
44 42.666 1.50 1.95375 32.3
45 31.943 13.65 1.48749 70.2
46 -83.414 10.51
47 116.218 5.78 1.72825 28.5
48 -70.234 0.20
49 -356.691 1.50 1.77250 49.6
50 201.648 4.64 1.49700 81.5
51 561.456 0.20
52 62.783 6.50 1.71736 29.5
53 -40.747 1.50 1.85896 22.7
54 52.114 5.69
55 -51.742 1.20 2.00100 29.1
56 68.887 5.63 1.76182 26.5
57 -54.789 0.20
58 83.169 3.59 1.62004 36.3
59 -215.395 (可変)
像面 ∞
非球面データ
第13面
K =-1.99999e+00 A 4= 2.29895e-07 A 6=-8.90207e-11 A 8= 1.37989e-13
A10=-2.45408e-16 A12= 1.22118e-19
第24面
K = 2.00233e+00 A 4= 3.15771e-07 A 6= 1.18929e-11 A 8=-9.07210e-15
A10= 6.14724e-18 A12=-1.33008e-21
第32面
K = 1.46678e+00 A 4=-6.06374e-07 A 6=-1.15822e-11 A 8=-5.80334e-14
A10= 4.96151e-17 A12=-1.26061e-20
各種データ
ズーム比 52.18
広角 中間 望遠
焦点距離 23.00 540.97 1200.19
Fナンバー 2.90 2.90 6.24
半画角(°) 32.76 1.57 0.71
像高 14.80 14.80 14.80
レンズ全長 660.46 660.46 660.46
BF 66.52 66.52 66.52
d12 3.40 178.76 185.72
d22 243.34 48.22 2.44
d28 35.80 5.90 6.20
d33 2.00 51.67 90.19
d59 66.52 66.52 66.52
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 255.01
2 13 -29.83
3 23 146.81
4 29 112.90
5 34 3400.84
[数値例5]
単位 mm
面データ
面番号 r d nd νd
1 -2949.791 4.50 1.83481 42.7
2 352.957 1.30
3 347.294 24.35 1.43387 95.1
4 -897.579 0.20
5 571.959 13.48 1.43387 95.1
6 -2023.134 23.09
7 407.594 14.59 1.43387 95.1
8 25837.750 0.25
9 384.716 17.03 1.43387 95.1
10 -2508.051 1.60
11 178.124 15.97 1.43387 95.1
12 379.711 (可変)
13* 877.444 2.00 1.88300 40.8
14 45.513 11.57
15 -106.695 3.27 1.85478 24.8
16 -73.368 1.60 2.00100 29.1
17 -273.528 4.30
18 -61.583 1.50 1.76385 48.5
19 96.635 11.32 1.85478 24.8
20 -49.408 1.35
21 -43.793 1.65 1.75500 52.3
22 -161.420 (可変)
23 112.270 12.47 1.76385 48.5
24* -4681.476 (可変)
25 116.048 16.47 1.43875 94.7
26 -171.368 0.50
27 222.294 2.50 1.78880 28.4
28 71.781 (可変)
29 70.420 14.82 1.43875 94.7
30 -819.275 2.30 1.78880 28.4
31 453.819 0.20
32* 160.030 9.39 1.49700 81.5
33 -187.647 (可変)
34(絞り) ∞ 5.70
35 1703.727 1.40 1.88300 40.8
36 52.137 0.96
37 35.787 3.68 1.89286 20.4
38 67.046 3.94
39 -217.530 1.50 1.88300 40.8
40 72.829 10.12
41 200.183 1.50 2.00100 29.1
42 29.918 5.55 1.77830 23.9
43 87.244 0.68
44 36.113 1.50 1.88300 40.8
45 27.938 14.44 1.49700 81.5
46 -139.041 6.95
47 223.491 5.71 1.53172 48.8
48 -50.188 0.20
49 392.667 1.50 1.89190 37.1
50 41.568 0.20
51 34.900 11.51 1.58913 61.1
52 44.105 1.24
53 53.802 4.45 1.54814 45.8
54 24161.728 4.03
55 -29.985 1.20 1.76385 48.5
56 50.220 7.13 1.85478 24.8
57 -57.929 4.34
58 70.502 8.53 1.56732 42.8
59 -35.342 1.20 1.95906 17.5
60 -83.895 (可変)
像面 ∞
非球面データ
第13面
K = 2.00000e+00 A 4= 4.02568e-07 A 6= 2.18372e-11 A 8=-1.59954e-13
A10= 2.16400e-17 A12= 5.42209e-19 A14=-7.27782e-22 A16= 3.11984e-25
第24面
K = 2.00000e+00 A 4= 2.74196e-07 A 6= 3.26329e-12 A 8= 2.84445e-15
A10= 3.97003e-20 A12=-1.26556e-22
第32面
K =-2.30668e-01 A 4=-4.68840e-07 A 6=-6.54710e-11 A 8= 1.04820e-14
A10= 3.74249e-18 A12=-2.10842e-21
各種データ
ズーム比 57.60
広角 中間 望遠
焦点距離 22.88 450.46 1317.80
Fナンバー 2.90 2.90 6.86
半画角(°) 32.90 1.88 0.64
像高 14.80 14.80 14.80
レンズ全長 666.62 666.62 666.62
BF 52.00 52.00 52.00
d12 3.05 179.96 191.25
d22 253.16 61.58 2.00
d24 8.14 2.10 6.40
d28 25.36 3.37 2.75
d33 2.20 44.89 89.51
d60 52.00 52.00 52.00
レンズ群データ
群 始面 焦点距離
1 1 261.14
2 13 -29.49
3 23 143.00
4 25 -1317.48
5 29 105.85
6 34 598.87
【0066】
【0067】
[撮像装置]
図11は、実施例1~5のいずれかのズームレンズの撮像光学系として備える撮像装置(放送用カメラ)125を示している。
図11において、101は実施例1~5のいずれかのズームレンズにより構成された撮像光学系である。124はカメラ本体である。撮像光学系101は、カメラ本体124に対して着脱可能である。ただし、撮像光学系がカメラ本体と一体に構成されていてもよい。
【0068】
撮像光学系101は、第1レンズ群F、ズーム部LZおよび結像レンズ群Rを有する。第1レンズ群Fは、フォーカシングに際して移動する部分群を含む。ズーム部LZは、ズーミングに際して移動する複数のレンズ群を含む。SPは開口絞りである。
【0069】
114、115はそれぞれ、第1レンズ群Fの部分群およびズーム部LZを光軸方向に駆動するヘリコイドやカム等の駆動機構である。116~118はそれぞれ、駆動機構114、115および開口絞りSPを駆動するモータである。119~121は、第1レンズ群Fの部分群やズーム部LZを構成する複数のレンズ群の光軸上の位置や開口絞りSPの絞り径を検出するためのエンコーダ、ポテンショメータまたはフォトセンサ等の検出器である。カメラ本体124において、109はカメラ124内の光学フィルタに相当するガラスブロックである。110は、撮像光学系101により形成された被写体像を光電変換する(すなわちズームレンズを通して被写体を撮像する)CCDセンサやCMOSセンサ等の撮像素子(光電変換素子)である。111、122は、カメラ本体124および撮像光学系101の駆動を制御するCPU等の制御部である。
【0070】
このように各実施例のズームレンズを撮像光学系として用いることにより、大判センサを有する撮像装置において高変倍比で高画質の画像を取得することができる。
【0071】
以上の実施の形態は、以下の構成を含む。
【0072】
(構成1)
物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、ズーミングのためには移動しない正の屈折力の第1レンズ群と、ズーミングのためにそれぞれ移動する負の屈折力のレンズ群および2つの正の屈折力のレンズ群を含む複数の中間レンズ群と、ズーミングのためには移動しない最も像側の最終レンズ群とにより構成され、ズーミングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化するズームレンズであって、
前記第1レンズ群は、少なくとも5つの正レンズを含み、
前記中間レンズ群に含まれる全てのレンズ群の望遠端での合成結像倍率をβzt、前記最終レンズ群の広角端での結像倍率をβrwとするとき、
2.1≦βzt≦4.0
1.5≦βrw≦2.1
なる条件を満足することを特徴とするズームレンズ。
(構成2)
前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群の広角端と望遠端での結像倍率をそれぞれβnw、βnt、前記複数の中間レンズ群のうち前記負の屈折力のレンズ群より像側の全てのレンズ群の広角端と望遠端での合成結像倍率をそれぞれβpw、βptとするとき、
2.0≦|(βnt/βnw)/(βpt/βpw)|≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1に記載のズームレンズ。
(構成3)
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群の焦点距離をfnとするとき、
6.0≦|f1/fn|≦10.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1または2に記載のズームレンズ。
(構成4)
前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群の焦点距離をfn、前記複数の中間レンズ群のうち前記負の屈折力のレンズ群より像側に配置された全てのレンズ群の望遠端での合成焦点距離をfptとするとき、
2.0≦|fpt/fn|≦4.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から3のいずれか1つに記載のズームレンズ。
(構成5)
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記最終レンズ群の焦点距離をfiとするとき、
2.0≦|fi/f1|≦20.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から4のいずれか1つに記載のズームレンズ。
(構成6)
前記第1レンズ群は、負レンズを有し、
前記第1レンズ群の焦点距離をf1、前記負レンズの焦点距離をf1nとするとき、
1.2≦|f1n/f1|≦2.0
なる条件を満足することを特徴とする構成1から5のいずれか1つに記載のズームレンズ。
(構成7)
前記中間レンズ群としての前記負の屈折力のレンズ群は、4つの負レンズと2つの正レンズとにより構成されていることを特徴とする構成1から6のいずれか1つのズームレンズ。
(構成8)
物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、前記第1レンズ群と、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群および正の屈折力の第4レンズ群と、正の屈折力の前記最終レンズ群としての第5レンズ群とにより構成されていることを特徴とする構成1から7のいずれか1つに記載のズームレンズ。
(構成9)
物体側から像側へ順に配置されたレンズ群が、前記第1レンズ群と、それぞれズーミングのために移動する負の屈折力の第2レンズ群、正の屈折力の第3レンズ群、正の屈折力の第4レンズ群および正の屈折力の第5レンズ群と、正の屈折力の前記最終レンズ群としての第6レンズ群とにより構成されていることを特徴とする構成1から7のいずれか1つに記載のズームレンズ。
(構成10)
構成1から9のいずれか1つに記載のズームレンズと、
該ズームレンズを通して被写体を撮像する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【0073】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0074】
U1 第1レンズ群
U2 第2レンズ群
U3 第3レンズ群
U4 第4レンズ群
U5 第5レンズ群
U6 第6レンズ群
SP 開口絞り