(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014389
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】画像送信装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
H04N1/00 J
H04N1/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116904
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100159385
【弁理士】
【氏名又は名称】甲斐 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100163407
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 裕輔
(74)【代理人】
【識別番号】100166936
【弁理士】
【氏名又は名称】稲本 潔
(74)【代理人】
【識別番号】100174883
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 雅己
(74)【代理人】
【識別番号】100189429
【弁理士】
【氏名又は名称】保田 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100213849
【弁理士】
【氏名又は名称】澄川 広司
(72)【発明者】
【氏名】中林 亮
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC05
5C062AC34
5C062AF02
5C062BC01
5C062BD09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を提供する。
【解決手段】画像送信装置は、送信原稿を読み取って画像データを取得する画像データ取得部と、画像データの送信宛先を入力する操作部と、送信宛先に前記画像データを送信する画像データ送信部と、画像データ取得部、操作部および画像データ送信部を制御する制御部とを備え、制御部は、同報送信のため複数の送信宛先が入力され、画像データ送信部が複数の送信宛先に対して画像データの同報送信を行っている間に操作部が送信宛先の編集開始操作を受け付けると、操作部に送信宛先の編集を受け付けさせる一方で、予め定められたタイミングで画像データ送信部に同報送信を一時中断させ、操作部が送信宛先の編集終了操作を受け付けると、制御部は、画像データ送信部に編集を反映させて送信宛先に対して同報送信を再開させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信原稿を読み取って画像データを取得する画像データ取得部と、
前記画像データの送信宛先を入力する操作部と、
前記送信宛先に前記画像データを送信する画像データ送信部と、
前記画像データ取得部、前記操作部および前記画像データ送信部を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、同報送信のため複数の前記送信宛先が入力され、前記画像データ送信部が前記複数の送信宛先に対して前記画像データの同報送信を行っている間に前記操作部が前記送信宛先の予め定められた編集開始操作を受け付けると、前記操作部に前記送信宛先の編集を受け付けさせる一方で、予め定められたタイミングで前記画像データ送信部に前記同報送信を一時中断させ、
前記操作部が前記送信宛先の予め定められた編集終了操作を受け付けると、前記制御部は、前記画像データ送信部に前記編集を反映させて前記送信宛先に対して前記同報送信を再開させることを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
前記編集開始操作は、前記送信宛先の編集モードへの移行操作であり、前記編集終了操作は、前記送信宛先の編集モードの終了操作である、請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
ユーザーに各種情報を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記画像データ送信部が前記複数の送信宛先に対して前記画像データの同報送信を行っている間に前記表示部に前記送信宛先の編集ボタンを表示させ、前記編集ボタンが押下されると、前記編集開始操作を受け付けたものとする、請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
ユーザーに各種情報を表示する表示部をさらに備え、
前記制御部は、前記画像データ送信部が前記複数の送信宛先に対して前記画像データの同報送信を行っている間に前記表示部に前記複数の送信宛先のリストを表示させ、前記送信宛先のリストのうち少なくとも1つの送信宛先が選択されると、前記編集開始操作を受け付けたものとする、請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記送信宛先のリストのうち少なくとも1つの前記送信宛先が選択されると、選択された前記少なくとも1つの送信宛先のうち、送信開始時間がもっとも早く予定されている前記送信宛先の前に送信すべき非選択の前記送信宛先に対して前記画像データ送信部に同報送信させ、前記非選択の前記送信宛先に対する同報送信がすべて終了したタイミングで前記同報送信を一時中断させる、請求項4に記載の画像送信装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記送信宛先のリストのうち少なくとも1つの前記送信宛先が選択されると、選択された前記少なくとも1つの送信宛先を前記送信宛先のリストの最後に移動させ、前記少なくとも1つの送信宛先のうち、送信開始時間がもっとも早く予定されている前記送信宛先の前に送信すべき非選択の前記送信宛先に対する同報送信がすべて終了したタイミングで前記同報送信を一時中断させる、請求項4に記載の画像送信装置。
【請求項7】
前記画像データ送信部は、FAX、インターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップおよび共有フォルダの少なくとも1つにより前記画像データの同報送信を行う、請求項1に記載の画像送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、画像送信装置に関し、より詳細には、複数の送信宛先に対し画像データを同報送信する機能を有する画像送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MFP(Multifunction Peripheral:多機能周辺装置)などの画像形成装置において、FAXデータを送受信するFAX送受信機能を有するものがある。
【0003】
このようなFAX送信機能を有する画像送信装置において、ユーザーがFAX画像データを複数の送信宛先に送信する(同報送信する)際に電話回線が1つしかない場合は、当該送信宛先ごとに順番にFAXを送信する必要がある。
【0004】
ところで、複数の送信宛先を指定した同報送信ジョブを実行中に、ユーザーが送信宛先を変更、削除または追加等の宛先の編集を行いたいことがある。
【0005】
このような同報送信中の宛先の編集を行う従来技術として、同報送信手段により同報送信する際に、送信宛先入力手段による送信宛先の入力を間違えた場合、指定した送信宛先のみを送信宛先変更手段により変更し得るようにすることにより、それまで入力してある総ての送信宛先を削除することなく、指定した送信宛先のみを変更することができるファクシミリ装置が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、ユーザーが指定した送信宛先のみを編集している間も、同報送信ジョブの実行が継続中であるため、他の送信宛先についても編集を行いたい場合に当該他の送信宛先への送信が完了してしまうおそれがある。
【0008】
一方、ユーザーが1つの送信宛先を編集している間にすべての同報送信ジョブを中断させると、その分ジョブの送信が遅れてしまう。
【0009】
この開示は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この開示による画像送信装置は、送信原稿を読み取って画像データを取得する画像データ取得部と、前記画像データの送信宛先を入力する操作部と、前記送信宛先に前記画像データを送信する画像データ送信部と、前記画像データ取得部、前記操作部および前記画像データ送信部を制御する制御部とを備え、前記制御部は、同報送信のため複数の前記送信宛先が入力され、前記画像データ送信部が前記複数の送信宛先に対して前記画像データの同報送信を行っている間に前記操作部が前記送信宛先の予め定められた編集開始操作を受け付けると、前記操作部に前記送信宛先の編集を受け付けさせる一方で、予め定められたタイミングで前記画像データ送信部に前記同報送信を一時中断させ、前記操作部が前記送信宛先の予め定められた編集終了操作を受け付けると、前記制御部は、前記画像データ送信部に前記編集を反映させて前記送信宛先に対して前記同報送信を再開させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
この開示によれば、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、所定の編集開始操作を受け付けると、送信宛先の編集が受け付け可能になり、かつ、所定のタイミングで同報送信を一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】この開示のデジタル複合機を含む画像送信システムの構成の一例を示す説明図である。
【
図2】
図1のデジタル複合機の概略構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の詳細表示画面の一例を示す説明図である。
【
図5】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先編集画面の一例を示す説明図である。
【
図6】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【
図8】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【
図9】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【
図10】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【
図11】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【
図12】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【
図13】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先追加の一例を示す説明図である。
【
図14】
図1のデジタル複合機のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図15】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の詳細表示画面の一例を示す説明図である。
【
図17】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先編集画面の一例を示す説明図である。
【
図18】この開示の実施形態2に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図20】この開示の実施形態3に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】この開示の実施形態4に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【
図22】この開示の実施形態5に係るデジタル複合機のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この開示において、「画像送信装置」は、複数の宛先に同報送信可能な画像データの送信装置である。
画像送信装置としては、FAX文書を送信するファクシミリ機能を有するFAX機器に限られず、インターネットFAX(送達確認要求あり/なし)、電子メール、FTP、Desktop、共有フォルダ(SMB)により画像データを送信可能な機器であってもよい。
【0014】
この開示の「画像データ送信部」は、FAX送受信部16または通信部15によって実現される。
「前記操作部に前記送信宛先の編集を受け付けさせる一方で、予め定められたタイミングで前記画像データ送信部に前記同報送信を一時中断させ、」は、送信宛先の編集を受け付けている間、すべての送信宛先に対する同報送信を一時中断させる場合のみに限られない。
【0015】
例えば、ユーザーが編集すべく選択したある送信宛先の編集を受け付けている間も、非選択の(または選択がキャンセルされた)送信宛先に対する同報送信を引き続き実行させるようにしてもよい。
この場合、非選択の送信宛先に対する同報送信がすべて終了した後で、選択された送信宛先に対する同報送信を一時停止する。
【0016】
また、ユーザーが選択した送信宛先であっても、すでに編集済み(または編集がキャンセル済み)であれば、当該送信宛先に対する同報送信を編集が終了し次第、実行させるようにしてもよい。
この場合、選択された未編集または編集中の送信宛先の同報送信のみを一時停止する。
【0017】
さらに、この開示の好ましい態様について説明する。
【0018】
前記編集開始操作は、前記送信宛先の編集モードへの移行操作であり、前記編集終了操作は、前記送信宛先の編集モードの終了操作であるものであってもよい。
【0019】
このようにすれば、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、当該同報送信ジョブの送信宛先の編集モードへの移行操作があると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで当該同報送信ジョブを一時中断し、一方、当該送信宛先の編集モードの終了操作があると、当該編集を反映して送信宛先に対して同報送信を再開するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【0020】
ユーザーに各種情報を表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記画像データ送信部が前記複数の送信宛先に対して前記画像データの同報送信を行っている間に前記表示部に前記送信宛先の編集ボタンを表示させ、前記編集ボタンが押下されると、前記編集開始操作を受け付けたものとするものであってもよい。
【0021】
このようにすれば、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、当該同報送信ジョブの送信宛先の編集に表示された編集ボタンが押下されると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで当該同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【0022】
ユーザーに各種情報を表示する表示部をさらに備え、前記制御部は、前記画像データ送信部が前記複数の送信宛先に対して前記画像データの同報送信を行っている間に前記表示部に前記複数の送信宛先のリストを表示させ、前記送信宛先のリストのうち少なくとも1つの送信宛先が選択されると、前記編集開始操作を受け付けたものとするものであってもよい。
【0023】
このようにすれば、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの送信宛先が選択されると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで同報送信を一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【0024】
前記制御部は、前記送信宛先のリストのうち少なくとも1つの前記送信宛先が選択されると、選択された前記少なくとも1つの送信宛先のうち、送信開始時間がもっとも早く予定されている前記送信宛先の前に送信すべき非選択の前記送信宛先に対して前記画像データ送信部に同報送信させ、前記非選択の前記送信宛先に対する同報送信がすべて終了したタイミングで前記同報送信を一時中断させるものであってもよい。
【0025】
このようにすれば、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、選択された送信宛先のうち送信開始時間がもっとも早く予定されている送信宛先の前に送信すべき非選択の同報送信ジョブを実行し、当該非選択の同報送信ジョブがすべて終了したタイミングで同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【0026】
前記制御部は、前記送信宛先のリストのうち少なくとも1つの前記送信宛先が選択されると、選択された前記少なくとも1つの送信宛先を前記送信宛先のリストの最後に移動させ、前記少なくとも1つの送信宛先のうち、送信開始時間がもっとも早く予定されている前記送信宛先の前に送信すべき非選択の前記送信宛先に対する同報送信がすべて終了したタイミングで前記同報送信を一時中断させるものであってもよい。
【0027】
このようにすれば、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、選択された送信宛先を送信宛先のリストの最後に移動して当該選択された送信宛先の編集を受け付け、かつ、送信開始時間がもっとも早く予定されている送信宛先の前に送信すべき非選択の同報送信ジョブを実行し、当該非選択の同報送信ジョブがすべて終了したタイミングで同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【0028】
前記画像データ送信部は、FAX、インターネットFAX、電子メール、FTP、デスクトップおよび共有フォルダの少なくとも1つにより前記画像データの同報送信を行うものであってもよい。
【0029】
このようにすれば、FAXで画像データを送信する場合のみに限られず、2つ以上の送信方法の任意の組み合わせを含むさまざまな送信方法でユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、所定の編集開始操作を受け付けると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで同報送信を一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能な画像送信装置を実現できる。
【0030】
以下、図面を用いてこの開示をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この開示を限定するものと解されるべきではない。
【0031】
〔実施形態1〕
図1に基づき、この開示の画像送信装置の一実施形態であるデジタル複合機1を含む画像送信システム100について説明する。
【0032】
図1は、この開示のデジタル複合機1を含む画像送信システム100の構成の一例を示す説明図である。
【0033】
図1の例に示すように、この開示の画像送信システム100において、デジタル複合機1は、有線または無線のネットワーク3あるいは電話回線網4を介して相手機2A,2B,2C(以下、相手機2ともいう)に接続されている。
【0034】
デジタル複合機1は、画像データをデジタル処理し、コピー機能やプリンタ機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能およびメール送信機能を有するMFP等の装置である。
また、デジタル複合機1は、ネットワーク3あるいは電話回線網4を通じて相手機2に画像データを送信する。
【0035】
<デジタル複合機1の概略構成>
次に、
図2に基づき、デジタル複合機1の概略構成を説明する。
図2は、
図1のデジタル複合機1の概略構成を示すブロック図である。
【0036】
図2に示すように、デジタル複合機1は、制御部10、画像データ取得部11、画像形成部12、記憶部13、画像処理部14、通信部15、FAX送受信部16および操作パネル17を備える。
【0037】
以下、デジタル複合機1の各構成要素について説明する。
【0038】
制御部10は、デジタル複合機1を統合的に制御する部分であって、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、各種のインターフェース回路等からなる。
【0039】
制御部10は、デジタル複合機1全体の動作をコントロールするために、各センサの検知、モーター、クラッチ、操作パネル17等、あらゆる負荷の監視・制御を行う。
【0040】
画像データ取得部11は、原稿台に置かれた原稿や原稿トレイから搬送されてきた原稿を検知して読み取り、画像データを生成する部分である。
また、有線または無線のネットワーク3を経由して外部の情報処理装置等から画像データを取得するものであってもよく、USB等に記録された画像データを取得するものであってもよく、これらを組み合わせたものであってもよい。
【0041】
画像形成部12は、画像データ取得部11によって取得され、画像処理部14によって処理された画像データを用紙上に印刷出力する部分である。
【0042】
記憶部13は、デジタル複合機1の各種機能を実現するために必要な情報や、制御プログラムなどを記憶する素子や記憶媒体である。例えば、RAMやROM等の半導体素子、ハードディスク、フラッシュ記憶部、SSD(Solid State Drive)等の記憶媒体が用いられる。
【0043】
記憶部13は、印刷等のジョブに関する情報や画像データなどジョブの実行に必要なデータを記憶する。
【0044】
なお、データを保持する領域がハードディスクドライブで、プログラムを保持する領域がフラッシュ記憶部で構成するといったように、プログラムとデータが異なる装置に保持されてもよい。
【0045】
画像処理部14は、操作部172から入力された印刷等のジョブの指令に基づき、画像データ取得部11から入力された画像データを適正な電気信号に変換して拡大・縮小等の出力に適するように処理を行う部分である。
【0046】
通信部15は、ネットワーク3を通じて、相手機2との通信をおこない、これらの相手機2とデータを送受信する部分である。
【0047】
FAX送受信部16は、電話回線網4を通じて相手機2とFAXデータを送受信する部分である。
【0048】
操作パネル17は、液晶パネル等から構成された表示パネルと、表示パネルに重ねて配置され、指がタッチされた位置を検出する静電容量方式等のタッチパネルとから構成され、表示部171および操作部172を備える。
【0049】
表示部171は、各種情報の表示を行う部分である。
表示部171は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、ELディスプレイなどで構成され、オペレーティングシステムやアプリケーションソフトウェアが処理状態など電子的なデータを表示するためのモニタやラインディスプレイなどの表示装置である。
制御部10は、表示部171を通じて、デジタル複合機1の動作および状態の表示を行う。
【0050】
操作部172は、デジタル複合機1を操作するためのインターフェースであり、ユーザーからの指令を受け付ける部分である。
【0051】
<この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理>
次に、
図3~
図13に基づき、この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理について説明する。
【0052】
この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1では、
図1に示すように、複数の相手機2A~2Cに対して、FAX画像の同報送信を実行する場合を想定する。
【0053】
図3は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理の一例を示すフローチャートである。
【0054】
図3のステップS1において、デジタル複合機1の制御部10は、同報送信ジョブの詳細表示画面で[宛先編集]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS1)。
【0055】
図4は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の詳細表示画面の一例を示す説明図である。
【0056】
図4に示すように、表示部171に同報送信ジョブの複数の宛先のリストが表示されている。
ユーザーは、画面右下の[宛先編集]ボタンを押下することで、当該同報送信ジョブの宛先を編集することができる。
【0057】
次に、
図3のステップS2において、制御部10は、ジョブ中断予約情報をセットする(suspendReservejob=1)(ステップS2)。
【0058】
続くステップS3において、制御部10は、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)か否かを判定する(ステップS3)。
【0059】
ジョブ中断中情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS3の判定がNoの場合)、ステップS4において、制御部10は、表示部171に“しばらくお待ちください”のメッセージを表示させる(ステップS4)。
その後、制御部10は、ステップS3の判定に処理を戻す。
【0060】
一方、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)場合(ステップS3の判定がYesの場合)、ステップS5において、制御部10は、表示部171に[宛先編集]ボタンを消し、[修正]、[削除]、[追加]、[終了]および[キャンセル]ボタンを表示させる(ステップS5)。
【0061】
図5は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集画面の一例を示す説明図である。
図5に示すように、表示部171の画面下側に[修正]、[削除]、[追加]、[終了]および[キャンセル]ボタンが表示されている。
【0062】
次に、
図3のステップS6において、同報送信ジョブの宛先編集処理を受け付ける(ステップS6)。
【0063】
宛先編集処理が終了すると、ステップS7において、制御部10は、ジョブ中断予約情報およびジョブ中断中情報をリセットした後(suspendReservejob=0, suspendingjob=0)、処理を終了する。
【0064】
図6は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
図7~
図12は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先修正の一例を示す説明図である。
【0065】
(宛先の修正)
図6のステップS11において、制御部10は、[修正]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS11)。
【0066】
[修正]ボタンが押下された場合(ステップS11の判定がYesの場合)、ステップS12において、制御部10は、同報送信ジョブの宛先修正処理を行う(ステップS12)。
【0067】
一方、[修正]ボタンが押下されなかった場合(ステップS11の判定がNoの場合)またはステップS12の処理の終了後、制御部10は、ステップS13の判定を行う。
【0068】
ユーザーは、宛先の修正を行いたい場合、
図7に示すように、修正したい宛先(管理番号003、宛先333-3333)を選択した上で、[修正]ボタンを押下する。
【0069】
すると、
図8に示すように、修正前の宛先「333-3333」および修正後の宛先の入力フォームが表示された画面に遷移する。
ここで、ユーザーが修正後の宛先の入力フォームを選択すると、
図9に示すように、宛先の入力画面に遷移する。
【0070】
ユーザーが数値ボタンを押下して、
図10に示すように、修正後の宛先「999-9999」を入力する。
その後、ユーザーが宛先右の[OK]ボタンを押下すると、
図11に示すように、修正前の宛先「333-3333」および修正後の宛先「999-9999」が表示された画面に遷移する。
【0071】
ここで、ユーザーが画面右上の[OK]ボタンを押下すると、
図12に示すように、修正が反映された宛先(管理番号003、宛先999-9999)が表示された画面が表示部171に表示される。
【0072】
(宛先の削除)
図6のステップS13において、制御部10は、[削除]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS13)。
【0073】
[削除]ボタンが押下された場合(ステップS13の判定がYesの場合)、ステップS14において、制御部10は、同報送信ジョブの宛先削除処理を行う(ステップS14)。
【0074】
一方、[削除]ボタンが押下されなかった場合(ステップS13の判定がNoの場合)またはステップS14の処理の終了後、制御部10は、ステップS15の判定を行う。
【0075】
ユーザーは、宛先の削除を行いたい場合、
図7に示すように、削除したい1以上の宛先を選択した上で、[削除]ボタンを押下する。
【0076】
(宛先の追加)
図6のステップS15において、制御部10は、[追加]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS15)。
【0077】
[追加]ボタンが押下された場合(ステップS15の判定がYesの場合)、ステップS16において、制御部10は、同報送信ジョブの宛先追加処理を行う(ステップS16)。
【0078】
一方、[追加]ボタンが押下されなかった場合(ステップS15の判定がNoの場合)またはステップS16の処理の終了後、制御部10は、ステップS17の判定を行う。
【0079】
図13は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先追加の一例を示す説明図である。
【0080】
ユーザーは、宛先の追加を行いたい場合、[追加]ボタンを押下した後、
図13に示すように、追加したい宛先「666-6666」を入力する。
その後、ユーザーが宛先右[OK]ボタンを押下すると、宛先リストの最後(管理番号006)に当該宛先「666-6666」が表示された画面に遷移する。
【0081】
(宛先修正・削除・追加のキャンセル)
図6のステップS17において、制御部10は、[キャンセル]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS17)。
【0082】
[キャンセル]ボタンが押下された場合(ステップS17の判定がYesの場合)、ステップS18において、制御部10は、同報送信ジョブの宛先修正・削除・追加の内容を破棄して編集処理前の状態に戻す(ステップS18)。
【0083】
一方、[キャンセル]ボタンが押下されなかった場合(ステップS17の判定がNoの場合)またはステップS18の処理の終了後、制御部10は、ステップS19の判定を行う。
【0084】
(宛先編集の終了)
次に、ステップS19において、制御部10は、[終了]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS19)。
【0085】
[終了]ボタンが押下された場合(ステップS19の判定がYesの場合)、制御部10は、同報送信ジョブの宛先編集処理を終了して、
図3のステップS7の処理を行う。
この場合、宛先編集モードが終了して、同報送信ジョブが再開する。
【0086】
一方、[終了]ボタンが押下されなかった場合(ステップS19の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS11の判定に処理を戻す。
【0087】
<この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理>
次に、
図14に基づき、この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理について説明する。
【0088】
図14は、
図1のデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0089】
図14のステップS21において、制御部10は、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)か否かを判定する(ステップS21)。
【0090】
ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)場合(ステップS21の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS21の判定を繰り返す。
【0091】
一方、ジョブ中断中情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS21の判定がNoの場合)、ステップS22において、制御部10は、ジョブ中断予約情報がセットされている(suspendReservejob=1)か否かを判定する(ステップS22)。
【0092】
ジョブ中断予約情報がセットされている場合(ステップS22の判定がYesの場合)、ステップS23において、制御部10は、ジョブ中断中情報をセットする(suspendingjob=1)(ステップS23)。
その後、制御部10は、ステップS21の判定に処理を戻す。
【0093】
一方、ジョブ中断予約情報がセットされていない場合(ステップS22の判定がNoの場合)、ステップS24において、制御部10は、送信宛先のリストにおいて、次の宛先があるか否かを判定する(ステップS24)。
【0094】
次の宛先がない場合(ステップS24の判定がNoの場合)、ステップS25において、制御部10は、同報送信ジョブを終了する(ステップS25)。
【0095】
一方、次の宛先がある場合(ステップS24の判定がYesの場合)、ステップS26において、制御部10は、次の宛先を読み出す(ステップS26)。
【0096】
続くステップS27において、制御部10は、読み出した宛先への送信ジョブを実行する(ステップS27)。
その後、制御部10は、ステップS21の判定に処理を戻す。
【0097】
このようにして、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、当該同報送信ジョブの詳細表示画面に表示された[宛先編集ボタン]を押下すると、送信宛先の編集を受け付ける一方で、所定のタイミングで当該同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0098】
(変形例)
この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1の変形例として、通信部15およびFAX送受信部16によって、「FAX」、「インターネットFAX(送達確認要求の有無)」、「E-mail」、「FTP」、「Desktop」、「共有フォルダ(SMB)」の少なくとも1つの送信方法で画像データの同報送信を行うようにしてもよい。
【0099】
このようにして、FAXで画像データを送信する場合のみに限られず、さまざまな送信方法でユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、当該同報送信ジョブの詳細表示画面に表示された[宛先編集ボタン]を押下すると、送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで当該同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0100】
〔実施形態2〕
<この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理>
次に、
図15~
図18に基づき、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理について説明する。
【0101】
実施形態2に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)と同一であるため、説明を省略する。
【0102】
この開示の実施形態1に係るデジタル複合機1は、同報送信ジョブの詳細表示画面に表示された[宛先編集ボタン]を押下すると、送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで当該同報送信を一時中断させる点に特徴がある。
【0103】
一方、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1は、[宛先編集ボタン]を表示することなく、送信宛先の編集の受け付けを可能にし、かつ、所定のタイミングで当該同報送信を一時中断させる点に特徴がある。
【0104】
この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1では、
図1に示すように、複数の相手機2A~2Cに対して、FAX画像の同報送信を実行する場合を想定する。
【0105】
図15は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
【0106】
図15のステップS31において、デジタル複合機1の制御部10は、同報送信ジョブの詳細表示画面で[宛先]が選択されたか否かを判定する(ステップS31)。
【0107】
図16は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の詳細表示画面の一例を示す説明図である。
【0108】
図16に示すように、同報送信ジョブの複数の宛先のリストが表示されている。
しかしながら、実施形態1と異なり、[宛先編集]ボタンは表示されていない。
【0109】
次に、
図15のステップS32において、制御部10は、ジョブ中断予約情報をセットする(suspendReservejob=1)(ステップS32)。
すなわち、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、同報送信ジョブが一時中断される。
【0110】
続くステップS33において、制御部10は、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)か否かを判定する(ステップS33)。
【0111】
ジョブ中断中情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS33の判定がNoの場合)、ステップS34において、制御部10は、表示部171に“しばらくお待ちください”のメッセージを表示させる(ステップS34)。
その後、制御部10は、ステップS32の判定に処理を戻す。
【0112】
一方、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)場合(ステップS33の判定がYesの場合)、ステップS35において、制御部10は、表示部171に[修正]および[削除]ボタンを表示させる(ステップS35)。
【0113】
図17は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集画面の一例を示す説明図である。
【0114】
図17に示すように、ユーザーが宛先を選択すると、表示部171の画面右下に[修正]および[削除]ボタンが表示される。
【0115】
次に、
図15のステップS36において、同報送信ジョブの宛先編集処理を受け付ける(ステップS36)。
【0116】
宛先編集処理が終了すると、ステップS37において、制御部10は、ジョブ中断予約情報およびジョブ中断中情報をリセットした後(suspendReservejob=0, suspendingjob=0)、処理を終了する。
【0117】
図18は、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理の一例を示すフローチャートである。
【0118】
(宛先の修正)
図18のステップS41において、制御部10は、[修正]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS41)。
【0119】
[修正]ボタンが押下された場合(ステップS41の判定がYesの場合)、ステップS42において、制御部10は、同報送信ジョブの宛先修正処理を行う(ステップS42)。
【0120】
一方、[修正]ボタンが押下されなかった場合(ステップS41の判定がNoの場合)またはステップS42の処理の終了後、制御部10は、ステップS43の判定を行う。
【0121】
なお、当該宛先の修正手順の詳細は、実施形態1(
図7~
図12)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0122】
(宛先の削除)
図18のステップS43において、制御部10は、[削除]ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS43)。
【0123】
[削除]ボタンが押下された場合(ステップS43の判定がYesの場合)、ステップS44において、制御部10は、同報送信ジョブの宛先削除処理を行う(ステップS44)。
【0124】
一方、[削除]ボタンが押下されなかった場合(ステップS43の判定がNoの場合)またはステップS44の処理の終了後、制御部10は、同報送信ジョブの宛先編集処理を終了して、
図15のステップS37の処理を行う。
この場合、宛先編集モードが終了して、同報送信ジョブが再開する。
【0125】
なお、この開示の実施形態2に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理は、実施形態1(
図14)と同様であるため、説明を省略する。
【0126】
このようにして、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、所定のタイミングで同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0127】
〔実施形態3〕
<この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の宛先編集処理>
次に、
図19および
図20に基づき、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理について説明する。
【0128】
実施形態3に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)と同一であるため、説明を省略する。
【0129】
図19は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理の一例を示すフローチャートである。
【0130】
図19のステップS51において、デジタル複合機1の制御部10は、同報送信ジョブの詳細表示画面で宛先が選択されたか否かを判定する(ステップS51)。
【0131】
同報送信ジョブの詳細表示画面で宛先が選択されていない場合(ステップS51の判定がNoの場合)、制御部10は、ステップS51の判定に処理を戻す。
【0132】
一方、同報送信ジョブの詳細表示画面で宛先が選択された場合(ステップS51の判定がYesの場合)、ステップS52において、制御部10は、ジョブ中断予約情報をセットする(suspendReservejob=1)(ステップS52)。
【0133】
続くステップS53において、制御部10は、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)か否かを判定する(ステップS53)。
【0134】
ジョブ中断中情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS53の判定がNoの場合)、ステップS54において、制御部10は、表示部171に“しばらくお待ちください”のメッセージを表示させる(ステップS54)。
その後、制御部10は、ステップS53の判定に処理を戻す。
【0135】
一方、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)場合(ステップS53の判定がYesの場合)、ステップS55において、制御部10は、表示部171に[修正]および[削除]ボタンを表示させる(ステップS55)。
【0136】
次に、ステップS56において、同報送信ジョブの宛先編集処理を受け付ける(ステップS56)。
【0137】
宛先編集処理が終了すると、ステップS57において、制御部10は、ジョブ中断予約情報、ジョブ中断予約完了情報およびジョブ中断中情報をリセットした後(suspendReservejob=0, suspendReserveCompJob=0, suspendingjob=0)、処理を終了する。
【0138】
<この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理>
次に、
図20に基づき、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理について説明する。
【0139】
図20は、この開示の実施形態3に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0140】
図20のステップS61において、制御部10は、ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)か否かを判定する(ステップS61)。
【0141】
ジョブ中断中情報がセットされている(suspendingjob=1)場合(ステップS61の判定がYesの場合)、制御部10は、ステップS61の判定を繰り返す。
【0142】
一方、ジョブ中断中情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS61の判定がNoの場合)、ステップS62において、制御部10は、送信宛先のリストにおいて、次の宛先があるか否かを判定する(ステップS62)。
【0143】
次の宛先がない場合(ステップS62の判定がNoの場合)、ステップS63において、制御部10は、同報送信ジョブを終了する(ステップS63)。
【0144】
一方、次の宛先がある場合(ステップS62の判定がYesの場合)、ステップS64において、制御部10は、ジョブ中断予約完了情報をセットする(suspendReserveCompJob=1)(ステップS64)。
【0145】
続くステップS65において、制御部10は、次の宛先を読み出す(ステップS65)。
【0146】
次に、ステップS66において、制御部10は、次の宛先が選択された送信宛先と一致するか否かを判定する(ステップS66)。
【0147】
次の宛先が選択された送信宛先と一致する場合(ステップS66の判定がYesの場合)、ステップS67において、制御部10は、ジョブ中断予約情報がセットされている(suspendReservejob=1)か否かを判定する(ステップS67)。
【0148】
ジョブ中断予約情報がセットされている(suspendReservejob=1)場合(ステップS67の判定がYesの場合)、ステップS68において、制御部10は、ジョブ中断中情報をセットする(suspendingjob=1)(ステップS68)。
その後、制御部10は、ステップS61の判定に処理を戻す。
【0149】
一方、次の宛先が選択された送信宛先と一致しない場合(ステップS66の判定がNoの場合)またはジョブ中断予約情報がセットされていない(suspendReservejob=0)場合(ステップS67の判定がNoの場合)、ステップS69において、制御部10は、読み出した宛先への送信ジョブを実行する(ステップS69)。
その後、制御部10は、ステップS61の判定に処理を戻す。
【0150】
このようにして、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、選択された送信宛先の前に送信すべき同報送信ジョブを実行し、当該選択された送信宛先については、編集が終了するまで同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0151】
〔実施形態4〕
次に、
図21に基づき、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理について説明する。
【0152】
実施形態4に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)と同一であるため、説明を省略する。
【0153】
また、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理を示すフローチャートは、実施形態3(
図19)と同一であるため、説明を省略する。
【0154】
<この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理>
図21は、この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0155】
図21のステップS71およびS75~S82は、それぞれ
図20(実施形態3)のステップS61~S69と同一であるため、説明を省略する。
ここでは、実施形態3に記載のない
図21のステップS72~S74について説明する。
【0156】
図21のステップS71において、ジョブ中断中情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS71の判定がNoの場合)、ステップS72において、制御部10は、ジョブ中断予約情報がセットされている(suspendReservejob=1)か否かを判定する(ステップS72)。
【0157】
ジョブ中断予約情報がセットされている(suspendReservejob=1)場合(ステップS72の判定がYesの場合)、ステップS73において、制御部10は、ジョブ中断予約完了情報がセットされていない(suspendingjob=0)か否かを判定する(ステップS73)。
【0158】
ジョブ中断予約完了情報がセットされている(suspendingjob=1)場合(ステップS73の判定がYesの場合)、ステップS74において、制御部10は、選択された送信宛先を送信宛先のリストの最後に移動する(ステップS74)。
【0159】
一方、ジョブ中+断予約情報がセットされていない(suspendReservejob=0)場合(ステップS72の判定がNoの場合)またはジョブ中断予約完了情報がセットされていない(suspendingjob=0)場合(ステップS73の判定がNoの場合)、ステップS75において、制御部10は、送信宛先のリストにおいて、次の宛先があるか否かを判定する(ステップS75)。
【0160】
このようにして、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、選択された送信宛先を送信宛先のリストの最後に移動して当該選択された送信宛先の編集を受け付ける一方で、選択された送信宛先の前に送信すべき同報送信ジョブを実行し、当該非選択の同報送信ジョブがすべて終了したタイミングで同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0161】
(変形例)
この開示の実施形態4に係るデジタル複合機1の変形例として、選択された送信宛先の同報送信ジョブのみが一時中断されるのであれば、選択された送信宛先のリスト内の位置はどこであってもよい。
【0162】
例えば、送信宛先のリストにおいて、選択された送信宛先より後にある非選択の送信宛先を、必要に応じて所定のタイミングで送信宛先のリストの一番前に移動させて(すなわち、選択された送信宛先を追い越して)送信するようにしてもよい。
この場合、選択された送信宛先であっても、すでに編集が終了した(または選択や編集がキャンセルされた)送信宛先は、順次送信宛先のリストの一番前に移動される。
【0163】
〔実施形態5〕
次に、
図22に基づき、この開示の実施形態5に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信時の編集処理について説明する。
【0164】
実施形態5に係るデジタル複合機1の概略構成は、実施形態1(
図2)と同一であるため、説明を省略する。
【0165】
また、この開示の実施形態5に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理のフローチャートは、実施形態3(
図20)と同一であるため、説明を省略する。
【0166】
<この開示の実施形態5に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理>
図22は、この開示の実施形態5に係るデジタル複合機1のFAX画像の同報送信処理の一例を示すフローチャートである。
【0167】
図22のステップS91およびS95~S100は、それぞれ
図19(実施形態3)のステップS51~S57と同一であるため、説明を省略する。
ここでは、実施形態3に記載のない
図22のステップS92~S94について説明する。
【0168】
同報送信ジョブの詳細表示画面で宛先が選択された場合(ステップS91の判定がYesの場合)、ステップS92において、制御部10は、表示部171に“宛先の編集を行いますか?[Yes][No]”の確認画面を表示させる(ステップS92)。
【0169】
続くステップS93において、制御部10は、[Yes]が選択されたか否かを判定する(ステップS93)。
【0170】
[Yes]が選択されなかった場合([No]が選択された場合)(ステップS93の判定がNoの場合)、ステップS94において、制御部10は、宛先選択状態を解除し(ステップS94)、処理を終了する。
【0171】
一方、[Yes]が選択された場合(ステップS93の判定がYesの場合)、ステップS95において、制御部10は、ジョブ中断予約情報をセットする(suspendReservejob=1)(ステップS95)
【0172】
このようにして、ユーザーが同報送信ジョブに対する送信宛先の編集を行う場合に、複数の送信宛先のリストのうち少なくとも1つの宛先が選択されると、当該送信宛先の編集を受け付け、かつ、ユーザーに同報送信ジョブを一時中断すべきか否かを確認後に所定のタイミングで当該同報送信ジョブを一時中断するため、従来よりも利便性の高い編集が可能なデジタル複合機1を実現できる。
【0173】
この開示の好ましい態様には、上述した複数の態様のうちの何れかを組み合わせたものも含まれる。
【0174】
前述した実施の形態の他にも、この開示について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この開示の範囲に属さないと解されるべきものではない。この開示には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
【符号の説明】
【0175】
1:デジタル複合機、 2,2A,2B,2C:相手機、 3:ネットワーク、 4:電話回線網、 10:制御部、 11:画像データ取得部、 12:画像形成部、 13:記憶部、 14:画像処理部、 15:通信部、 16:FAX送受信部、 17:操作パネル、 171:表示部、 172:操作部、 100:画像送信システム