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  • 特開-袖ユニット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014409
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】袖ユニット
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/02 20060101AFI20250123BHJP
   F24F 7/04 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
E06B7/02
F24F7/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116930
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】朝内 文博
【テーマコード(参考)】
2E036
3L058
【Fターム(参考)】
2E036JA01
2E036JC02
2E036LA02
3L058BB05
3L058BC03
(57)【要約】
【課題】 建物の外観をすっきりさせることができ、尚且つレンジフード稼働時のドアの開けにくさを解消できる袖ユニットの提供。
【解決手段】 サッシ1の側方に隣接して設けられる袖ユニット2aであって、袖ユニット2aは、室内外に連通する換気経路6を通じて換気を行う機能と、エアコンの配管10を内蔵する機能を有し、換気経路6の出口を開閉する開閉手段11を有し、開閉手段11は、レンジフードがONしたときに開き、レンジフードがOFFしたときに閉じる。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サッシの側方に隣接して設けられる袖ユニットであって、袖ユニットは、室内外に連通する換気経路を通じて換気を行う機能と、エアコンの配管を内蔵する機能を有し、換気経路の出口を開閉する開閉手段を有し、開閉手段は、レンジフードがONしたときに開き、レンジフードがOFFしたときに閉じることを特徴とする袖ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サッシの側方に隣接して設けられる袖ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
高気密・高断熱住宅においては、24時間換気を行うことが義務付けられており、そのために外壁に孔を開けて給気口を設けている。また建物の外壁には、エアコンの配管を収納するダクトも設置されており、それらが目障りであった。また、高気密・高断熱住宅においては、レンジフードを稼働させると室内の気圧が低くなり、玄関等のドアが開けにくくなる不都合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、建物の外観をすっきりさせることができ、尚且つレンジフード稼働時のドアの開けにくさを解消できる袖ユニットの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による袖ユニットは、サッシの側方に隣接して設けられる袖ユニットであって、袖ユニットは、室内外に連通する換気経路を通じて換気を行う機能と、エアコンの配管を内蔵する機能を有し、換気経路の出口を開閉する開閉手段を有し、開閉手段は、レンジフードがONしたときに開き、レンジフードがOFFしたときに閉じることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
請求項1記載の発明による袖ユニットは、サッシの側方に隣接して設けられる袖ユニットであって、袖ユニットは、室内外に連通する換気経路を通じて換気を行う機能と、エアコンの配管を内蔵する機能を有するので、建物の外壁に孔を開けずにエアコンの配管及び換気経路を設けることができ、エアコンの配管及び換気経路を袖ユニットに内蔵することで、建物の外観をすっきりさせることができる。さらに、換気経路の出口を開閉する開閉手段を有し、開閉手段は、レンジフードがONしたときに開き、レンジフードがOFFしたときに閉じることで、レンジフード稼働時のドアの開けにくさを解消できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】本発明の開口部装置の一実施形態を示す室内側から見た正面図である。
図2】同開口部装置の室外側から見た正面図である。
図3図1のA-A断面図である。
図4図1のB-B断面図である。
図5図1のC-C断面図である。
図6図1のD-D断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~6は、本発明の開口部装置の一実施形態を示している。本開口部装置は、図1,2,5,6に示すように、建物の躯体12の屋外に面した開口部13に設置されるものであって、サッシ1と、サッシ1の左右両側に隣接して設けた袖ユニット2a,2bとを備えている。
【0008】
サッシ1は、図1,2,5,6に示すように、外窓3と内窓4を備え、外窓3と内窓4の間に中間層5を有している。
外窓3は、図2,5,6に示すように、上枠14と下枠15と左右の縦枠16,16とを枠組みして構成され、開口部13に固定された枠17と、枠17内に設けた2枚の外障子18,18と2枚の内障子19,19とを備え、外障子18,18と内障子19,19は上下枠14,15に沿って摺動自在である。
内窓4は、図1,5,6に示すように、外窓3の枠17の室内側に設けられた天井20と額縁21とで囲まれた開口部22の内周側面に上枠23と下枠24と左右の縦枠25,25を取付け、上下枠23,24間に2枚の外障子26,26と2枚の内障子27,27を摺動可能に支持してある。内窓4は、枠23,24,25と障子26,26,27,27の框が樹脂製で形成してあり、断熱性能の高いものとなっている。図6に示すように、内窓4の上部には、中間層5から室内空間に連通する通気部28が設けてある。
【0009】
室内側から見て右側に位置する袖ユニット2aは、図3,4に示すように、アルミ形材よりなる上枠29と下枠30と左右の縦枠31,31と室外側パネル32と室内側パネル33とで、扁平な縦長の箱状に形成されている。袖ユニット2aは、図2に示すように、上下寸法がサッシ1(外窓3)の上下寸法と同じになっている。
袖ユニット2aのサッシ1側の縦枠31は、図4に示すように、サッシ1の縦枠16とアンカー34で連結してあり、袖ユニット2aの縦枠31とサッシ1の縦枠16との隙間を室外側からシール材35で塞いである。袖ユニット2aのサッシ1と反対側の縦枠31は、アンカー36で躯体12と連結され、躯体12との隙間をシール材35で塞いである。袖ユニット2aの上枠29と下枠30も、図3に示すように、アンカー36で躯体12と連結され、躯体12との隙間をシール材35で塞いである。
袖ユニット2aの室外側パネル32は、ねじ37により着脱自在となっている(図4参照)。
袖ユニット2aの室内側には、図3,4に示すように、袖ユニット2aの室内側全体を覆うように耐火ボード38が取付けられている。袖ユニット2aは、室内側に施工される内壁材39によって隠れ、室内側からは見えないようになっている。内壁材39には、後述するボックス40の室内側に対向する位置に点検口41が設けてある。
【0010】
袖ユニット2aは、図3に示すように、下端部に室外側に向けて開口する外気取入口8を有している。また、袖ユニット2aの上部には室内側に向けて開口する換気口42が設けられている。これにより本袖ユニット2aは、室外側下部の外気取入口8から室内側上部の換気口42に至る換気経路6が形成されている。
さらに本袖ユニット2aは、図3,4に示すように、室内側の上部にボックス40が取付けられており、ボックス40は袖ユニット2aの室内側パネル33を貫通して設けたパイプ43により袖ユニット2a内の空間44と連通しており、ボックス40のサッシ1側の側面にはパイプ45が横向きに取付けられ、該パイプ45の先端部は額縁21を貫通し、中間層5の上部に連通する連通口7を形成している。これにより本袖ユニット2aは、室外側下部の外気取入口8から中間層5の上部に通じる給気経路9を形成している。
【0011】
換気経路6の出口である換気口42には、図3,4に示すように、キッチンに設けられるレンジフードのON・OFFと連動して開閉するシャッター(開閉手段)11が設けられている。シャッター11は、レンジフードがONのときに開き、レンジフードがOFFのときに閉じるようになっている。
【0012】
図3,4に示すように、袖ユニット2a内の空間44には、エアコンの配管(冷媒管、排水管)10が内蔵されている。これにより、エアコンの配管10が外部に露出しないようにしている。エアコンの配管10は、図3に示すように、壁の内部から袖ユニット2aの上端部に取付けたエアコンスリーブ46に通して袖ユニット2a内の空間44に挿入され、室外側下部に設けられた外気取入口8から外に出してある。
【0013】
室内側から見て左側の袖ユニット2bは、図1に示すように、室内と連通する換気口42とシャッター11を有していない。それ以外の点は、先に説明した右側の袖ユニット2aと同じ構造となっている。
【0014】
本袖ユニット2a,2bは、第3種換気の給気口として機能するものである。室内は、浴室やトイレ等に設けられた常時稼働している換気扇により負圧に調整されており(レンジフードはOFF)、これにより袖ユニット2a,2bに構成された給気経路9よりサッシ1の中間層5の上部に外気が流入する(図1,4参照)。
図6に示すように、冬期において連通口7から中間層5に流入した冷たい外気は、外窓3の内側面に沿う下降流(コールドドラフト)に乗って、外窓3の内側面に沿って下向きに流れる(図中の矢印47は、外気の流れを示している)。その後、外気は中間層5の下端部まで流れてから折り返し、内窓4のガラスから室内の熱が伝わり暖められることで、内窓4の外側面に沿って上昇し、この間に内窓4から室外に逃げる熱を回収する。サッシ1に日射を受けている場合には、外気が中間層5内をこのように迂回して流れる間に日射熱を吸収し、外気がより一層暖められる。その後、暖められた外気は、内窓4の上部に設けられた通気部28から室内に流入する。
【0015】
このように本開口部装置は、外気を袖ユニット2a,2bから中間層5の上部に流し、中間層5内で外気が外窓3の内側面と内窓4の外側面に沿うように迂回して流れる間に、内窓4から室外に逃げる室内の熱を吸収して外気が暖められ、外気を室温に近づけて室内に取り入れることができるので、非常に優れた断熱性能を発揮することができる。
【0016】
冬期の場合について説明したが、夏期においても中間層5内を外気が同じように迂回して流れ、内窓4の外側面に沿って下から上に外気が流れる間に、内窓4から室外に逃げる室内の冷熱を吸収して外気が冷やされ、外気を室温に近づけて室内に取り入れることができる。
【0017】
レンジフードをONにすると、室内側から見て右側の袖ユニット2aの室内側の換気口42に取付けられたシャッター11が開く。すると、袖ユニット2aの外気取入口8から換気口42に至る換気経路6を通じて外気が室内に流入する。これにより、レンジフードを稼働しても玄関等のドアが開けにくくなるのを防ぐことができる。
【0018】
以上に述べたように本開口部装置は、サッシ1と、サッシ1の側方に隣接して設けた袖ユニット(室内側から見て右側の袖ユニット)2aを備え、サッシ1は、外窓3と内窓4を備え、外窓3と内窓4との間に中間層5を有するものであり、袖ユニット2aは、室外側の下部から室内側の上部にわたって設けた換気経路6を有し、換気経路6の上部に中間層5に連通する連通口7を有するものであり、連通口7から取り込まれた外気が外窓3の内側面に沿って一方向に流れ、中間層5の下端部で折り返し、内窓4の外側面に沿って他方向に流れてから室内に流入することで、外気を室温に近づけて室内に取り入れることができるので、断熱性能を向上できる。また、袖ユニット2aの換気経路6を利用することで、建物の外壁に孔を開けずに換気経路6を設けることができる。
本開口部装置は、サッシ1と、サッシ1の側方に隣接して設けた袖ユニット2a,2bを備え、サッシ1は、外窓3と内窓4を備え、外窓3と内窓4との間に中間層5を有するものであり、袖ユニット2a,2bは、室外側の下部に設けた外気取入口8から中間層5の上部に連通する連通口7に通じる給気経路9を有するものであり、連通口7から取り込まれた外気が外窓3の内側面に沿って一方向に流れ、中間層5の下端部で折り返し、内窓4の外側面に沿って他方向に流れてから室内に流入することで、外気を室温に近づけて室内に取り入れることができるので、断熱性能を向上できる。また、袖ユニット2a,2bの給気経路9を利用することで、建物の外壁に孔を開けずに給気経路9を設けることができる。
袖ユニット2a,2bは、外気取入口8が室外側の下部に設けてあり、室内側の換気口42及び中間層5に通じる連通口7が上部に設けてあることで、換気経路6・給気経路9から雨水が浸入するのを防止することができる。
【0019】
本袖ユニット(室内側から見て右側の袖ユニット)2aは、サッシ1の側方に隣接して設けられる袖ユニット2aであって、袖ユニット2aは、室内外に連通する換気経路6を通じて換気を行う機能と、エアコンの配管10を内蔵する機能を有するので、建物の外壁に孔を開けずにエアコンの配管10及び換気経路6を設けることができ、エアコンの配管10及び換気経路6を袖ユニット2aに内蔵することで、建物の外観をすっきりさせることができる。さらに、換気経路6の出口(換気口)42を開閉する開閉手段(シャッター)11を有し、開閉手段11は、レンジフードがONしたときに開き、レンジフードがOFFしたときに閉じることで、レンジフード稼働時のドアの開けにくさを解消できる。
袖ユニット2aは、室外側パネル32が着脱自在になっていることで、エアコンの配管10の設置作業やメンテナンス等が容易に行える。
【0020】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。袖ユニットの構成、材質、形状等は、適宜変更することができる。換気経路の出口に設けられる開閉手段は、レンジフードのON・OFFに連動して開閉するものであればよく、その具体的な構造は問わない。袖ユニットは、サッシの左右何れか一方側だけに設けてあってもよい。サッシの構造は問わない。
【符号の説明】
【0021】
1 サッシ
2a,2b 袖ユニット
3 外窓
4 内窓
5 中間層
6 換気経路
7 連通口
8 外気取入口
9 給気経路
10 エアコンの配管
11 シャッター(開閉手段)
図1
図2
図3
図4
図5
図6