(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025144209
(43)【公開日】2025-10-02
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/387 20060101AFI20250925BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20250925BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20250925BHJP
【FI】
H04N1/387
H04N1/00 Z
B41J21/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024043877
(22)【出願日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】成田 干城
【テーマコード(参考)】
2C187
【Fターム(参考)】
2C187DB18
2C187DB22
2C187DB23
(57)【要約】
【課題】 フォームに画像データを合成した印刷データを作成する際の手間を減らすことを目的とする。
【解決手段】 チャットサービスに投稿された画像データと当該画像データを投稿したユーザの識別情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した画像データと前記識別情報に対応する情報をフォーム画像に合成し印刷データを出力する出力手段と、前記出力された印刷データに基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段とを有することを特徴とする。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャットサービスに投稿された画像データと当該画像データを投稿したユーザの識別情報を受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した画像データと前記識別情報に対応する情報をフォーム画像に合成し印刷データを出力する出力手段と、
前記出力された印刷データに基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段とを有する画像形成装置。
【請求項2】
前記識別情報と前記情報を対応付けて記憶する記憶手段をさらに有し、
前記出力手段は、前記受信手段が受信した画像データと前記記憶手段が記憶する情報であり、前記識別情報に対応する情報を前記フォーム画像に合成し前記印刷データを出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記識別情報に対応する前記情報を受信する受信手段をさらに有し、
前記出力手段は、前記受信手段が受信した画像データと前記受信手段が受信した情報であり、前記識別情報に対応する情報を前記フォーム画像に合成し前記印刷データを出力することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記受信手段は前記画像データと前記識別情報を、前記チャットサービスを提供するチャットサーバーから受信することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項5】
原稿の画像を読み取って画像データを生成する読取手段をさらに有し、
前記識別情報に対応する情報は、前記読取手段が原稿を読み取ることによって生成された画像データから取得された情報であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記識別情報に対応する情報は、前記読取手段が原稿を読み取ることによって生成された画像データに文字認識処理を実行することによって取得された情報であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記識別情報は、前記ユーザの電話番号であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記識別情報は、前記チャットサービスに登録されている前記ユーザのアカウントに対応付けて登録されている電話番号であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記印刷手段による前記画像データに基づく画像の印刷が完了したことによって、前記チャットサービスに、印刷物を受け取ることをユーザに促す情報の投稿の要求を送信する送信手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項10】
チャットサービスに投稿された画像データと当該画像データを投稿したユーザの識別情報を受信する受信工程と、
前記受信工程で受信した画像データと前記識別情報に対応する情報をフォーム画像に合成し印刷データを出力する出力工程と、
前記出力された印刷データに基づいて画像を用紙に印刷する印刷工程とを有する画像形成方法。
【請求項11】
請求項1乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置の各手段をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
病院等で使用される顔写真付きの診察券を作成するには、病院側の情報が記載された印刷データ(診察券フォーム)を予め用意しておき、患者ごとの診察券発行時に可変情報(患者名や顔写真)を追加した印刷データを作成してプリンタで印刷する。
【0003】
特許文献1には、印刷データとフォーム指定情報を受信し、対応したフォーム情報を読み出して印刷データと合成するかを設定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば顔写真付き診察券等を発行する際には、患者から病院に写真データを提供し、病院の事務員が病院側の固定情報が記載された診察券フォームに写真データを追加した印刷データを作成してプリンタで印刷をするため、病院側で発行手続きに手間がかかる。
【0006】
本発明は、フォームに画像データを合成した印刷データを作成する際の手間を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像形成装置は、上記課題に鑑みてなされたものであり、チャットサービスに投稿された画像データと当該画像データを投稿したユーザの識別情報を受信する受信手段と、前記受信手段が受信した画像データと前記識別情報に対応する情報をフォーム画像に合成し印刷データを出力する出力手段と、前記出力された印刷データに基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
フォームに画像データを合成した印刷データを作成する際の手間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】病院受付業務におけるシステム構成の一例を示す図
【
図2】画像処理装置のハードウェア構成の一例を示す図
【
図3】ユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図
【
図4】チャットツールサーバー30のハードウェア構成の一例を示す図
【
図5】チャットツールからの画像合成印刷の処理の一例を示す図
【
図11】チャットツールサーバーと画像処理装置におけるメッセージイベントの一例を示す図
【
図12】チャットツールからの画像合成印刷の一例を示すシーケンス図
【
図13】チャットツールからの画像合成印刷処理の一例を示すフローチャート
【
図14】チャットツールからの画像合成印刷処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。なお画像処理装置のフローチャートに係る制御ユニット(110)のプログラムは、制御ユニット(110)のROM(112)またはストレージ(114)に記憶されており、RAM(113)に読み出されCPU(103)によって実行される。また情報処理装置のフローチャートにおいて、プログラムはROM(122)に記憶されており、RAM(124)に読み出されてCPU(111)によって実行される。
【0011】
本実施例は動物病院において顔写真としてペットの写真を診察券に合成する事例において説明する。
【0012】
図1は、病院受付業務におけるシステム構成の一例を示す図である。
本実施形態では、画像処理装置10、医事会計システム11、事務用PC12、ファイルサーバー13がネットワーク14で接続されており、お互いに通信可能な状態となっている。またネットワーク14、ユーザ端末20、チャットツールサーバー30は外部ネットワーク15で接続されており、お互い通信可能な状態となっている。医事会計システム11は病院窓口の各事務処理や会計処理を行うためのシステムであり、事務用PC12を用いて利用する。ファイルサーバー13には病院受付業務で使用するデータが格納され、事務用PC12を用いて利用する。画像形成装置でもある画像処理装置10は受信した文書データを印刷したり、スキャンした文書データを他装置へ送信したりする。ユーザ端末20はチャットツールのユーザが利用するスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等の情報端末である。図中では1台の端末が接続されていることを例に挙げているが、接続数は任意である。ユーザはユーザ端末20を操作してチャットツールサーバー30にアクセスし、他ユーザとのメッセージのやり取りを行う。ユーザ端末20とチャットツールサーバー30は優先あるいは無線の通信ネットワークに接続されており、各々でデータ送受信が可能となっている。本実施形態では通信ネットワークの一例としてインターネット上の公衆回線を想定しているが、専用回線を用いても良い。チャットツールサーバー30はインターネット上に配置されたチャットサーバーであり、チャットツール306を用いたチャットサービスを提供するサーバーである。チャットツールサーバー30はユーザ端末20に対するメッセージ等の送受信処理、及びメッセージ送受信の表示画面表示等、メッセージのやり取りに関する処理を実行する。チャットツールサーバー30は3人以上のメンバーでグループを形成し、グループ内でのメッセージ等のやり取りを処理することができる。さらにチャットツールサーバー30はボットサービスを提供し、特定のキーワードを含むメッセージに所定のメッセージを応答する自動応答処理や、受けたメッセージを設定されたURLにHTTP通信でフックするWebHook処理を行うことができる。
【0013】
図2は、画像処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0014】
画像処理装置10はCPU111、ROM112、RAM113、ストレージ114、操作部I/F115、操作部116を備える。さらに、画像処理装置10は読取部I/F117、読取部118、印刷部I/F119、印刷部120、無線通信部I/F121、無線通信部122、通信部I/F123、通信部124を備える。CPU111を含む制御部110は、画像処理装置10全体の動作を制御する。CPU111は、ROM112又はストレージ114に記憶された制御プログラムをRAM113に読み出して、読取制御や印刷制御などの各種制御を行う。ROM112は、CPU111で実行可能な制御プログラムを格納する。また、ROM112は、ブートプログラムやフォントデータなども格納する。RAM113は、主記憶メモリであり、ワークエリア、ROM112及びストレージ114に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。ストレージ114は、画像データ、印刷データ、各種プログラム、各種アドレス、及び各種設定情報を記憶する。本実施例ではストレージ114としてフラッシュメモリを想定しているが、SSD(Solid State Drive)やHDD(Hard Disc Drive)などの補助記憶装置を用いるようにしても良い。また、eMMC(embedded Multi Media Card)を用いるようにしても良い。なお、本実施例の画像処理装置10は、1つのCPU111が1つのメモリ(RAM113)を用いて後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、これに限るものではない。例えば複数のCPU、RAM、ROM、及びストレージを協働させて後述するフローチャートに示す各処理を実行することもできる。また、ASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて一部の処理を実行するようにしてもよい。操作部I/F115は、例えばタッチパネルのような表示部やハードキーを含む操作部116と制御部110を接続する。操作部116は、ユーザに対して情報を表示したり、ユーザからの入力を検出したりする。読取部I/F117は、例えばスキャナのような読取部118と制御部110を接続する。読取部118は原稿の画像を読み取って、CPU111がその画像をバイナリーデータなどの画像データを生成する。読取部118によって読み取られた画像に基づき生成された画像データは、外部装置に送信されたり、記録紙上に印刷されたりする。印刷部I/F119は、例えばプリンタのような印刷部120と制御部110を接続する。CPU111は、RAM113に記憶された画像データ(印刷データ)を印刷部I/F119を介して印刷部120に転送する。印刷部120は、転送された画像データに基づく画像を給紙カセットから給送された記録紙に印刷する。無線通信部I/F121は、無線通信部122を制御する為のI/Fで制御部110と無線経由で外部の無線機器と接続する。外部の無線機器としてユーザ端末20を使用する構成としてもよい。通信部I/F123は、制御部110とネットワーク14を接続する。通信部I/F123は、通信部124がネットワーク14上の外部装置に画像データや装置内部の各種情報を送信したり、ネットワーク14上の情報処理装置から印刷データやネットワーク14上の情報を受信したりする。ネットワーク14を介した送受信の方法としては、電子メール(Eメール)を用いての送受信や、その他のプロトコル(例えば、FTPやSMB、WEBDAV等)を用いたファイル送信を行うことができる。
【0015】
チャットツール制御部125は、チャットツールサーバー30のメッセージAPIを用いて、通信部I/F123を介してチャットツールサーバー30からHTTP通信によるアクセスで、画像データや各種データをネットワーク14で送受信する事ができる。
【0016】
画像処理部126は、入力及び出力画像データに対し、レンダリング(ラスター画像変換)、解像度変換、圧縮伸張、2値多値変換、合成レイアウトなどの画像処理を行う複数のASICから構成される。例えば、画像処理部126は通信部I/F123を介して受信した文書データをレンダリングして印刷用の画像データを生成したり、読取部I/F117を介して入力された複数の画像データを1ページの画像として合成レイアウトしたりできる。また画像処理装置10はフォーム合成印刷機能を持ち、フォームデータとして指定された文書データまたは画像データに対して、別の画像データやテキストデータを所定位置に合成レイアウトした印刷用の画像データを生成することができる。
【0017】
図3は、ユーザ端末20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0018】
なお、本実施形態のユーザ端末20はスマートフォンやタブレットPC等の装置を想定しているが、Wi-Fi通信が可能な情報処理装置であれば他の装置であってもよい。
【0019】
CPU207はROM208が記憶している制御プログラムを読み出して、ユーザ端末20の動作を制御するための様々な処理を実行する。ROM208は、制御プログラムを記憶している。RAM209は、CPU207の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD210は、写真や電子文書等の様々なデータを記憶する。操作パネル201は、ユーザのタッチ操作を検出可能なタッチパネル機能を備え、OSや電子メール送信アプリケーションが提供する各種画面を表示する。例えば、HDD210にはチャットツールサーバー30が提供するチャットツール211がアプリケーションとしてインストールされている。また、チャットツール211上では、チャットツールサーバー30で発行されたユーザ端末20の端末用アカウント212が作成されており、チャットツール211に記憶されている情報が操作パネル201に表示される。ユーザは操作パネル201にタッチ操作を入力することで、ユーザ端末20に所望の操作指示を入力することができる。なお、ユーザ端末20は不図示のハードウェアキーを備えていて、ユーザはこのハードウェアキーを用いてユーザ端末20に操作指示を入力することができる。カメラ202はユーザの撮像指示に応じて撮像する。カメラ202で撮像された写真は、HDD210の所定の領域に記憶される。また、QRコード(登録商標)解析が可能なプログラムを用いて、カメラ202で読み取ったQRコードから情報を取得することも可能である。ユーザ端末20はNFC通信部203、Bluetooth(登録商標)通信部204、無線LAN通信部205を介して各種周辺機器とデータの送受信を行うことができる。ユーザ端末20のBluetooth通信部204はBluetooth Low Energyに対応していてもよい。
【0020】
図4は、チャットツールサーバー30のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0021】
CPU301はROM302が記憶している制御プログラムやHDD305が記憶しているチャットツール306を読み出して、チャットツールサーバー30の動作を制御するための様々な処理を実行する。ROM302は、制御プログラムを記憶している。RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0022】
HDD305は、メッセージ、画像、チャネル情報、アプリケーション等の様々なデータを記憶する。通信部304を介してユーザ端末20、画像処理装置10など各種機器とデータの授受を行うことができる。なお、通信部304はEthernet(登録商標)を用いた有線の通信を行ってもいいし、Wi-Fiのような無線通信を行ってもよい。HDD305にはチャットツール306がインストールされており、CPU301上で動作する。またチャットツールサーバー30はチャットツール306においてボットサービスを提供しており、一般ユーザや法人ユーザやボット用のアカウントを発行して、ボット用アカウント307を作成することができる。ボット用アカウント307では、特定のキーワードを含むメッセージに所定のメッセージを応答する自動応答処理や、受けたメッセージを設定されたURLにHTTP通信でフックするWebHook処理を行うことができる。ボットサービスを利用するために、ユーザはボット用アカウント307に自動応答処理のメッセージを設定したり、WebHook処理のWebHookURLを設定したりする。
【0023】
図5は、チャットツールからの画像合成印刷の処理の一例を示す図である。
【0024】
問診票(400)は受付で配布されて患者(飼い主)が飼い主の名前、ペットの名前、ペットの生年月日、電話番号などを記入する。また問診票(400)にはチャット登録用の2次元コード(QRコード(登録商標)等)が記載されていても良い。
【0025】
患者(飼い主)はユーザ端末20であるユーザ端末(401)でチャットツール(403)にアクセスして登録処理を行い、ペットの写真(402)の画像データをチャットに投稿する。なお、ここで患者(飼い主)はペットの名前や電話番号、ペットの生年月日をチャット上で記入してもよい。
【0026】
チャットツールサーバー30上のチャットツール(403)はペットの写真(402)の画像データが投稿されると、予め登録されている画像処理装置10である画像処理装置(404)に対して画像の印刷要求を送信する。この時、この印刷要求には患者(飼い主)から受け付けた画像データと、患者(飼い主)のチャットサービス上のアカウントに対応付けられた電話番号等の識別情報が含まれる。なお、チャットツール(403)は、患者(飼い主)がペットの名前や電話番号、ペットの生年月日をチャット上で記入した場合は、入力された電話番号や生年月日等の文字列と画像データとを画像処理装置(404)に送信する。この場合、患者(飼い主)のチャットサービス上のアカウントに紐づく識別情報と上記文字列と画像データが送信されてもいいし、患者(飼い主)のチャットサービス上のアカウントに紐づく識別情報は送信されずに上記文字列と画像データが送信されてもいい。
【0027】
画像処理装置(404)はチャットツール(403)から画像の印刷要求を受信すると、診察券印刷を実行すると判断し、ファイルサーバー(405)から診察券フォームのデータ(406)を取得する。
【0028】
画像処理装置(404)は印刷要求で受信した画像データ(写真(407))を診察券フォームのデータ(406)の所定の位置に合成し、印刷データを出力する。
【0029】
また画像処理装置(404)は診察券に記載すべき患者情報も診察券フォームのデータ(406)に合成する。この時合成される患者情報(飼い主の名前、ペットの名前、ペットの生年月日等)は、チャット上に患者によって投稿された文字列であってもいい。また、印刷要求にチャットサービス上のアカウントに紐づく識別情報が含まれている場合は、合成される患者情報は、画像処理装置(404)が記憶している患者情報のうちの上記識別情報に対応する患者情報であってもいい。そして画像処理装置(404)は合成して生成した印刷データ(409)を印刷する。なお、患者情報は画像処理装置10ではなく、外部のサーバーに識別情報と患者情報が対応づけて記憶されており、画像処理装置10が識別情報を外部装置に送信し、外部装置が画像処理装置10にその識別情報に対応する患者情報を送信する構成であってもよい。
【0030】
上記記載を踏まえると、画像処理装置は、チャットサービスに投稿された画像データと当該画像データを投稿したユーザの識別情報を受信する受信手段と受信手段が受信した画像データと前記識別情報に対応する情報をフォーム画像に合成し印刷データを出力する。さらに、前記出力された印刷データに基づいて画像を用紙に印刷する印刷手段とを有する。
【0031】
また、ユーザの識別情報と患者情報は画像処理装置10によって対応付けて記憶されてもいいし、外部の装置に対応付けて記憶されていてもいい。外部の装置に記憶されている場合は、画像処理装置10が外部の装置からユーザの識別情報に対応する患者情報を受信する。
【0032】
なお、ユーザの識別情報と、患者情報は病院の係員がそれぞれを入力することで画像処理装置10や外部のサーバーに記憶されていてもいいし、そうでなくてもいい。例えば、画像処理装置10が読取部118を用いて問診票(400)をスキャンし、CPU111がスキャンして生成された画像データに文字認識処理を実行し、文字情報を取得してもいい。そして、その文字情報のうちの名前(飼い主)や名前(ペット)を患者情報として、その文字情報のうちの電話番号をユーザの識別情報として対応付けて記憶してもいい。なお、文字情報は文字認識処理で取得されるものに限るものではなく原稿内にあるQRコード(患者情報や識別情報が含まれている)を認識してデコードして取得されてもよい。
【0033】
つまり上記記載を踏まえると、画像処理装置10は受信した画像データと前記読取手段が原稿を読み取ることによって生成された画像データから取得された情報をフォーム画像に合成し印刷データを出力することができる。上記画像データから取得された情報とは、画像データに文字認識処理を実行することによって取得された情報である。
【0034】
図6は、問診票の一例を示す図であり、
図5で示した問診票400の詳細を説明する。
【0035】
ユーザ情報欄501は、患者及びそのペットの個人情報を記載する欄であり、例えば住所、電話番号(TEL)、名前(飼い主)、名前(ペット)、ペットの生年月日などの項目がある。問診欄502はペットの症状について医師に伝える内容を記載する欄である。病院ではこのような固定フォーマットの問診票が運用されており、問診票400のサイズ(例えばA4)、ユーザ情報欄501の位置、ユーザ情報欄501内の各項目の位置は固定されている。QRコード503はチャットツールサーバー30で発行された病院のアカウントのボット用アカウント307にアクセスするための情報(URL)が含まれている。患者はユーザ端末20のカメラ202でQRコード503を読み取ってアクセスし、ユーザ端末20の端末用アカウント212のチャット通信先としてボット用アカウント307をユーザ登録することができる。
【0036】
また問診票は患者が記入後に病院事務員に提出されると、病院事務員は記入内容を確認するとともに、エビデンスのデータとして問診票をスキャンしたデータをファイルサーバー13に格納し、医事会計システム11や事務用PC12から参照できるようにする。
【0037】
図7は、診察券フォームの一例を示す図である。
図5で示した診察券フォーム406の詳細を説明する。診察券フォーム406は病院の診察券に印字する内容が記述されたデータであり、PC上の文書アプリケーションで作成されたPDF等の文書データもしくはJPEG等の画像データである。また診察券に顔写真や問診票400のユーザ情報欄501に記載されるユーザ情報など、患者ごとに異なる内容については記載がされていないテンプレートの文書データである。病院事務員が予めファイルサーバー13に格納し、
図8で後述する画像処理装置10のフォームデータ情報に格納場所を登録する。なお、この診察券フォーム406は、ファイルサーバー13ではなく画像処理装置10のストレージ114に記憶されていてもいい。
【0038】
診察券フォーム406において、顔写真やユーザ情報を配置する位置は予め決められている。別途用意された顔写真の画像データやユーザ情報のテキストデータ(もしくはそれを画像に変換した画像データ)をそれぞれ該当する位置に合成したデータを作成することで顔写真入りの診察券が出力される。
【0039】
画像合成領域601は顔写真が配置される位置である。テキスト合成領域1(602)はユーザ情報の名前(飼い主)が配置される位置である。テキスト合成領域2(603)はユーザ情報の名前(ペット)が配置される位置である。テキスト合成領域3(604)はペットの生年月日が配置される位置である。
【0040】
合成位置情報610は、各合成領域の診察券フォーム406における座標(左上原点、単位mm)を示し、各合成領域の左上座標および右下座標で表現される。
【0041】
画像合成位置611は画像合成領域601の、テキスト合成位置1(612)はテキスト合成領域1(602)の、テキスト合成位置2(613)はテキスト合成領域2(603)の、テキスト合成位置3(614)はテキスト合成領域3(604)の、座標である。
【0042】
図8は、フォームデータ情報の一例を示す図である。
図2で説明したように画像処理装置10はフォーム合成印刷機能を持つ。フォーム合成印刷機能において、フォームデータおよびフォームデータに対する合成位置を指定するために、画像処理装置10はフォームデータ情報700をROM112またはストレージ114に記憶する。フォームデータ情報700は画像処理装置10を利用するユーザが設定登録することができ、操作部116に表示するLUI(Local UI)の設定画面から入力する。もしくは無線通信部122や通信部124を介してPCなど外部装置のブラウザに表示するRUI(Remote UI)の設定画面から入力する。
【0043】
フォームデータ情報700は、名称、フォームデータの取得場所を示すURL、画像やテキストの合成位置を示す合成位置情報から構成される。ここで合成位置情報は
図7で説明した合成位置情報610と同様である。本実施例ではURLはファイルサーバー13のようにネットワーク14を介した外部装置を例に説明するが、画像処理装置10内部のROM112またはストレージ114であっても良い。またフォームデータ情報700は複数登録可能としても良いが、本実施例では診察券印刷の機能にフォームデータ1が対応づけられているとする。
【0044】
合成印刷機能における画像サイズの制御例を説明する。画像処理装置10の画像処理部126で、フォームデータ(診察券フォーム)と合成画像(顔写真)をレンダリングおよびデコードしてラスター形式に変換する。合成画像を画像合成領域601のサイズに合わせて変倍処理する(上下と左右のいずれかが枠サイズと一致、かつ上下と左右の両方が枠サイズ以下になるように変倍する)。変倍した合成画像を画像合成領域601内中央に配置するようにフォームデータに重畳する。テキスト情報1(名前:飼い主)をレンダリングしてテキスト画像1を生成する。テキスト画像1をテキスト合成領域1(602)のサイズに合わせて変倍処理する。変倍方法は合成画像と同様である。変倍した画像をテキスト合成領域1(602)内中央に配置するようにフォームデータに重畳する。テキスト情報2(名前:ペット)はテキスト合成領域2に対して、テキスト情報3(生年月日)はテキスト合成領域3に対して、テキスト情報1と同様に合成処理を行う。
【0045】
図9は、識別情報とユーザ情報の対応付けを示す図である。ユーザ管理情報800は
図5で示したユーザ管理情報408を示しており、ここでは3人のユーザ情報が登録された状態である。
図5で説明したように画像処理装置10は診察券フォーム406に対する画像合成印刷を行う際に、印刷要求に識別情報(電話番号等)が含まれている場合、対応するユーザ情報を所定位置に合成する。そのための識別情報とユーザ情報を対応づけたユーザ管理情報800をROM112またはストレージ114に記憶している。この情報は患者(飼い主)から提出された問診票をもとに、病院事務員が画像処理装置10に設定する。病院事務員は操作部116に表示するLUI(Local UI)の設定画面から入力する、もしくは無線通信部122や通信部124を介してPCなど外部装置のブラウザに表示するRUI(Remote UI)の設定画面から入力する。
【0046】
図10は、チャットメッセージの一例を示す図である。画面900はユーザ端末20の操作パネル201に表示される画面であり、チャットツール211の端末用アカウント212に投稿されたメッセージの内容を表示している。アイコン910は、チャットツールサーバー30のボット用アカウント307に対応付けて登録されているアイコンである。アイコン920は、ユーザ端末20のユーザに対応付けて登録されているアイコンである。患者がユーザ端末20のカメラ202で問診票400のQRコード503を読み取ってボット用アカウント307にアクセスする。そして、ユーザ端末20の端末用アカウント212のチャット通信先としてボット用アカウント307をユーザ登録すると、ボット用アカウント307の自動応答機能によりメッセージ911が送信され表示される。次に患者がメッセージ911に従ってペット写真921を投稿すると、ボット用アカウント307は画像処理装置10に画像を送信して診察券の印刷要求を通知し、端末用アカウント212にメッセージ912を送信する。ボット用アカウント307は画像処理装置10から診察券の印刷の完了通知を受信すると、端末用アカウント212にメッセージ913を送信する。ボット用アカウント307は画像処理装置10からペット写真921と患者のユーザ情報が合成された診察券の画像データを受信すると、端末用アカウント212に診察券画像914を送信する。
【0047】
図11は、チャットツールサーバーと画像処理装置におけるメッセージイベントの一例を示す図である。
【0048】
メッセージイベント1000は、チャットツールサーバー30が提供するメッセージAPIによって、画像処理装置10との間でやり取りされるメッセージイベントの内容が示されているテーブルである。チャットツールサーバー30のボット用アカウント307はユーザ端末20の端末用アカウント212から送信されたメッセージをフックして、設定されたWebhookURLに対してメッセージイベントを送信する。URLとして設定されている画像処理装置10はチャットツール制御部125でメッセージイベントを解釈し、応答のメッセージイベントをチャットツールサーバー30に送信する。メッセージイベント1000はチャットツールサーバー30から画像処理装置10へ送信する際のメッセージイベントである。メッセージイベント1010は画像処理装置10からチャットツールサーバー30へ送信する際のメッセージイベントである。送信元ID1001はユーザ端末20の端末用アカウント212を特定するIDである。アクセストークン1002および1012は、ボット用アカウント307と通信を行うアクセス認証に用いるトークンである。メッセージタイプ1003および1013は、メッセージイベントで送信するデータのタイプを示し、通常のテキストメッセージであればテキストを設定し、画像投稿のメッセージであれば画像を設定する。本実施例ではテキストもしくは画像のメッセージを説明に用いるが、動画やファイルなど他のタイプがあっても良い。メッセージ内容1004および1014は、メッセージタイプ1003および1013で設定したタイプに応じたテキストデータや画像送信データである。また、チャットツールサーバー30が提供するメッセージAPIには上記メッセージイベント以外にも様々なものがあり、例えば指定したユーザIDのプロファイル情報を取得するプロファイル取得イベントもある。
【0049】
図12は、チャットツールからの画像合成印刷の一例を示すシーケンス図である。ここでの説明ではユーザ端末20の端末用アカウント212をユーザ端末20と略記し、チャットツールサーバー30のボット用アカウント307をチャットツールサーバー30と略記する。
【0050】
ユーザ端末20がボット用アカウント307のユーザ登録を行い(1121)、チャットツールサーバー30へユーザ登録通知1122を行う。それを受けてチャットツールサーバー30は、端末用アカウント212のユーザ登録を行い、またそのプロファイル情報(電話番号を含む)を取得する(1131)。次にチャットツールサーバー30はユーザ端末20に対して、ユーザ登録時用の予め設定された自動応答のメッセージ911を送信する(1132)。
【0051】
ユーザ端末20からチャットツールサーバー30へ写真921が投稿されると(1123)、チャットツールサーバー30は画像処理装置10へメッセージをフックして、メッセージイベントで写真921の画像データを送信する(1133)。それを受けて画像処理装置10は、受信した画像データをストレージ114に保存する(1111)。チャットツールサーバー30へプロファイル取得イベントを送信し(1112)、送信元IDのプロファイル情報を取得し、ROM112またはRAM113に記憶する(1113)。このプロファイル情報には診察券の印刷でユーザ情報と対応づける識別情報として用いる電話番号も含まれている。次に画像処理装置10は診察券の印刷を受け付けたことを伝えるメッセージ912を送信元IDに対して送信するように、チャットツールサーバー30にメッセージイベントを送信する(1114)。それを受けてチャットツールサーバー30は、ユーザ端末20へメッセージ912を送信する(1134)。次に画像処理装置10は診察券の印刷を実行し(1115)、それが完了すると、診察券の印刷が完了したことを伝えるメッセージ913を1113の送信元IDに対して送信するように、チャットツールサーバー30にメッセージイベントを送信する(1116)。つまりここで、画像処理装置10は、印刷が完了すると、印刷物を受け取ることをユーザに促す情報の投稿の要求をチャットツールサーバー30に送信する。それを受けてチャットツールサーバー30は、ユーザ端末20へメッセージ913を送信する(1135)。
【0052】
次に画像処理装置10は印刷した診察券の画像データを送信元IDに対して送信するように、チャットツールサーバー30にメッセージイベントを送信する(1117)。それを受けてチャットツールサーバー30は、ユーザ端末20へ診察券画像914を送信する(1136)。
【0053】
図13は、チャットツールからの画像合成印刷処理の一例を示すフローチャートである。
図13のフローは、画像処理装置10の電源がONになったことによって開始される。また、
図13のフローの各処理は画像処理装置10のCPU111がRAM113に読み出されたプログラムを実行することによって実行される。
【0054】
画像処理装置10は画像の印刷要求を受信し(S1201)、チャットツール制御部125で印刷要求を解析する。印刷要求の送信元がチャットツールサーバー30である場合(S1202)、外部装置もしくは画像処理装置10内から診察券フォームのデータを取得する(S1203)。次に画像処理装置10は印刷要求で受信した画像を診察券フォームの印刷データに合成し(S1204)、合成した印刷データを印刷する(S1205)。またS1202で印刷要求の送信元がチャットツールでない場合、画像処理装置10は受信した画像を印刷する(S1206)。
【0055】
図14は、チャットツールからの画像合成印刷処理の一例を示すフローチャートである。
図14のフローは、画像処理装置10の電源がONになったことによって開始される。また、
図14のフローの各処理は画像処理装置10のCPU111がRAM113に読み出されたプログラムを実行することによって実行される。なお、
図14のフローは
図13のフローの別形態のフローである。
【0056】
画像処理装置10は画像の印刷要求を受信し(S1301)、チャットツール制御部125で印刷要求を解析する。画像処理装置10は印刷要求の送信元がチャットツールである場合(S1302)、外部装置もしくは画像処理装置10内から診察券フォームの印刷データを取得する(S1303)。そして、画像処理装置10はチャットツールサーバー30に受付通知のメッセージイベントを送信する(S1315)。送信元がチャットツール出ない場合、画像処理装置10は受信した画像データに基づいて画像を用紙に印刷する(S1309)。
【0057】
画像処理装置10は印刷要求に識別情報が含まれている場合(S1304)、画像処理装置10内に記憶しているユーザ管理情報800を参照し、識別情報に対応するユーザ情報があるか否かを判定する(S1305)。識別情報に対応する受信した画像とそのユーザ情報を診察券フォームの印刷データに合成する(S1306)。
【0058】
S1304で印刷要求に識別情報が含まれていない場合、画像処理装置10はチャットツールサーバー30にプロファイル取得イベントを送信し、識別情報を取得要求する(S1310)。識別情報が取得できた場合はS1305に進み(S1311)、取得できなかった場合はS1308に進む。S1308、S1307、S1309は
図12のS1204、S1205、S1206と同様である。
【0059】
画像処理装置10はS1305で識別情報に対応するユーザ情報を保持していなかった場合、
図15のユーザ情報の登録要求画面1400を表示する(S1312)。画面1401は識別情報(電話番号)と、リモートUIからユーザ情報を登録することを促す文言を表示する。ボタン1402が押下されるとユーザ情報の登録が完了したと判断し、S1305に戻る。ボタン1403が押下されるとユーザ情報を登録せずに受信画像のみ診察券フォームに合成して印刷すると判断し、S1308に進む。なお、リモートUIとは、画像処理装置10がWEBサーバーとなり、ユーザ端末20がWEBブラウザを用いて画像処理装置10のWEBサーバーにアクセスすることによって表示される設定画面のことである。
【0060】
画像処理装置10はS1307で合成した印刷データの印刷を完了すると、チャットツールサーバー30に完了通知のメッセージイベントを送信し(S1313)する。そして、画像処理装置10は、チャットツールサーバー30に合成して印刷した画像データをメッセージイベントで送信する(S1314)。
【0061】
<その他の実施の形態>
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。