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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014428
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】集積回路および電源回路
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/12 20060101AFI20250123BHJP
   H02M 3/155 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
H02M7/12 Q
H02M3/155 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023116971
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢口 幸宏
【テーマコード(参考)】
5H006
5H730
【Fターム(参考)】
5H006AA02
5H006CA07
5H006CB01
5H006CC01
5H006DA02
5H006DA04
5H006DB01
5H006DC02
5H006DC05
5H730AA18
5H730AS04
5H730BB14
5H730CC01
5H730DD04
5H730EE58
5H730EE59
5H730FD01
5H730FD58
(57)【要約】
【課題】 力率改善回路の入力電流の全高調波歪を改善することができる集積回路を提供する。
【解決手段】 集積回路は、交流電圧を整流する全波整流回路からの整流電圧が印加されるフィルタと、前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタとを備え、前記交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路の前記トランジスタをスイッチングする集積回路であって、前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた第1電圧が印加される第1端子と、前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンし、前記第2電流のピーク値が前記整流電圧と相似形となるよう、前記第1電圧に基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電圧を整流する全波整流回路からの整流電圧が印加されるフィルタと、前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタとを備え、前記交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路の前記トランジスタをスイッチングする集積回路であって、
前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた第1電圧が印加される第1端子と、
前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンし、前記第2電流のピーク値が前記整流電圧と相似形となるよう、前記第1電圧に基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、
を備える集積回路。
【請求項2】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記第1電圧をレベルシフトして第2電圧として出力するレベルシフト回路、
を含み、
前記第1端子には、前記全波整流回路の低電位側の端子と、前記接地との間に設けられ、前記第2電流を検出する抵抗が接続され、
前記スイッチング制御回路は、
前記第2電流のピーク値の目標値であって、前記整流電圧及び前記出力電圧に応じた前記目標値と、前記第2電圧とに基づいて、前記トランジスタをオフする、
集積回路。
【請求項3】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記スイッチング制御回路は、
前記出力電圧に応じた第3電圧と、前記整流電圧を分圧した第4電圧とを乗算して前記目標値を示す第5電圧を出力する乗算回路と、
前記第5電圧及び前記第2電圧のうち何れか一方の電圧を反転する反転回路と、
前記第5電圧及び前記第2電圧のうち他方の電圧と、前記反転回路が出力する第6電圧とを比較する第1比較回路と、
前記インダクタ電流が前記所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンする駆動信号を出力し、前記他方の電圧のレベルが前記第6電圧のレベルとなると、前記トランジスタをオフする前記駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、
を含む集積回路。
【請求項4】
請求項2に記載の集積回路であって、
前記スイッチング制御回路は、
前記出力電圧に応じた第3電圧と、前記整流電圧を分圧した第4電圧とを乗算して前記目標値を示す第5電圧を出力する乗算回路と、
前記第5電圧を反転する反転回路と、
前記反転回路が出力する第7電圧と、前記第2電圧とを比較する第2比較回路と、
前記インダクタ電流が前記所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンする駆動信号を出力し、前記第2電圧のレベルが前記第7電圧のレベルとなると、前記トランジスタをオフする前記駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、
を含む集積回路。
【請求項5】
請求項1~4の何れか一項に記載の集積回路であって、
前記インダクタ電流に応じた電圧が印加される第2端子と、
前記第2端子の電圧に基づいて、前記インダクタ電流が所定電流よりも大きいことを検出すると、前記スイッチング制御回路に、前記トランジスタをオフさせる過電流保護回路と、
を備える集積回路。
【請求項6】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記電源回路は、
前記全波整流回路と、
前記全波整流回路の低電位側の端子と、接地との間に設けられる抵抗と、
を備え、
前記第1端子は、前記抵抗と、前記端子に接続される、
集積回路。
【請求項7】
請求項1に記載の集積回路であって、
前記スイッチング制御回路は、
前記出力電圧に応じた第3電圧と、前記整流電圧を分圧した第4電圧とを乗算して前記第2電流のピーク値の目標値を示す第5電圧を出力する乗算回路と、
前記第5電圧と、前記第1電圧とを比較する第3比較回路と、
前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンする駆動信号を出力し、前記第1電圧のレベルが前記第5電圧のレベルとなると、前記トランジスタをオフする前記駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、
を含む集積回路。
【請求項8】
交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路であって、
前記交流電圧を整流する全波整流回路と、
整流電圧が印加されるフィルタと、
前記全波整流回路の低電位側の端子と、接地との間に設けられる抵抗と、
前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、
前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタと、
前記トランジスタをスイッチングする集積回路と、
を備え、
前記集積回路は、
前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた第1電圧が印加される第1端子と、
前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンし、前記第2電流のピーク値が前記整流電圧と相似形となるよう、前記第1電圧に基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、
を含み、
前記第1端子は、前記抵抗と、前記端子に接続される、
電源回路。
【請求項9】
交流電圧を整流する全波整流回路からの整流電圧が印加されるフィルタと、前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタと、前記フィルタと前記全波整流回路との間に設けられた電流検出部を備え、前記交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路の前記トランジスタをスイッチングする集積回路であって、
前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた前記電流検出部に発生した第1電圧が印加される第1端子と、
前記インダクタ電流が所定値より小さくなると前記トランジスタをオンし、前記出力電圧に応じた目標値と前記第1電圧とに基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、
を備える集積回路。
【請求項10】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記第1電圧をレベルシフトして第2電圧として出力するレベルシフト回路、を含み、
前記目標値は前記交流電圧と前記出力電圧に応じたものであり、
前記スイッチング制御回路は前記目標値と前記第2電圧とに基づいて前記トランジスタをオフする、
集積回路。
【請求項11】
請求項10に記載の集積回路であって、
前記スイッチング制御回路は、
前記出力電圧に応じた第3電圧と、前記整流電圧を分圧した第4電圧とを乗算して前記目標値を示す第5電圧を出力する乗算回路と、
前記第5電圧及び前記第2電圧のうち何れか一方の電圧を反転する反転回路と、
前記第5電圧及び前記第2電圧のうち他方の電圧と、前記反転回路が出力する第6電圧とを比較する第1比較回路と、
前記インダクタ電流が前記所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンする駆動信号を出力し、前記他方の電圧のレベルが前記第6電圧のレベルとなると、前記トランジスタをオフする前記駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、
を含む集積回路。
【請求項12】
請求項10に記載の集積回路であって、
前記スイッチング制御回路は、
前記出力電圧に応じた第3電圧と、前記整流電圧を分圧した第4電圧とを乗算して前記目標値を示す第5電圧を出力する乗算回路と、
前記第5電圧を反転する反転回路と、
前記反転回路が出力する第7電圧と、前記第2電圧とを比較する第2比較回路と、
前記インダクタ電流が前記所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンする駆動信号を出力し、前記第2電圧のレベルが前記第7電圧のレベルとなると、前記トランジスタをオフする前記駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、
を含む集積回路。
【請求項13】
請求項9~12の何れか一項に記載の集積回路であって、
前記インダクタ電流に応じた電圧が印加される第2端子と、
前記第2端子の電圧に基づいて、前記インダクタ電流が所定電流よりも大きいことを検出すると、前記スイッチング制御回路に、前記トランジスタをオフさせる過電流保護回路と、
を備える集積回路。
【請求項14】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記電源回路は、
前記全波整流回路、
を備え、
前記電流検出部は、
前記全波整流回路の低電位側の端子と、接地との間に設けられる抵抗であり、
前記第1端子は、前記抵抗と、前記端子に接続される、
集積回路。
【請求項15】
請求項9に記載の集積回路であって、
前記スイッチング制御回路は、
前記出力電圧に応じた第3電圧と、前記整流電圧を分圧した第4電圧とを乗算して前記第2電流のピーク値の目標値を示す第5電圧を出力する乗算回路と、
前記第5電圧と、前記第1電圧とを比較する第3比較回路と、
前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンする駆動信号を出力し、前記第1電圧のレベルが前記第5電圧のレベルとなると、前記トランジスタをオフする前記駆動信号を出力する駆動信号出力回路と、
を含む集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路および電源回路に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する力率改善回路には、一般的に、インダクタ電流のピーク値の波形を全波整流電圧の波形と相似形とし、力率を改善するようスイッチング素子をスイッチングする集積回路が設けられている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-181342号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、力率改善回路には、全波整流回路の後段に入力フィルタが設けられることがある。このような場合、入力フィルタに含まれるコンデンサに電流が流れるため、力率改善回路への入力電流は、コンデンサへの電流と、インダクタ電流とを含むこととなる。
【0005】
そのため、インダクタ電流のピーク値の波形のみ調整する場合、力率改善回路への入力電流の全高調波歪(THD)が十分に改善されないことがある。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、力率改善回路の入力電流の全高調波歪を改善することができる集積回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の集積回路の第1の態様は、交流電圧を整流する全波整流回路からの整流電圧が印加されるフィルタと、前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタとを備え、前記交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路の前記トランジスタをスイッチングする集積回路であって、前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた第1電圧が印加される第1端子と、前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンし、前記第2電流のピーク値が前記整流電圧と相似形となるよう、前記第1電圧に基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、を備える。
【0008】
また、本発明の電源回路の態様は、交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路であって、前記交流電圧を整流する全波整流回路と、整流電圧が印加されるフィルタと、前記全波整流回路の低電位側の端子と、接地との間に設けられる抵抗と、前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタと、前記トランジスタをスイッチングする集積回路と、を備え、前記集積回路は、前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた第1電圧が印加される第1端子と、前記インダクタ電流が所定値より小さくなると、前記トランジスタをオンし、前記第2電流のピーク値が前記整流電圧と相似形となるよう、前記第1電圧に基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、を含み、前記第1端子は、前記抵抗と、前記端子に接続される。
【0009】
また、本発明の集積回路の第2の態様は、交流電圧を整流する全波整流回路からの整流電圧が印加されるフィルタと、前記フィルタからの電圧が印加されるインダクタと、前記インダクタに流れるインダクタ電流を制御するトランジスタと、前記フィルタと前記全波整流回路との間に設けられた電流検出部を備え、前記交流電圧から目的レベルの出力電圧を生成する電源回路の前記トランジスタをスイッチングする集積回路であって、前記フィルタから接地に流れる第1電流及び前記インダクタ電流の和の第2電流に応じた前記電流検出部に発生した第1電圧が印加される第1端子と、前記インダクタ電流が所定値より小さくなると前記トランジスタをオンし、前記出力電圧に応じた目標値と前記第1電圧とに基づいて前記トランジスタをオフするスイッチング制御回路と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、力率改善回路の入力電流の全高調波歪を改善することができる集積回路を提供することができる。
【0011】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】AC-DCコンバータ10aの構成の一例を示す図である。
図2】一般的なAC-DCコンバータ500の構成の一例を示す図である。
図3】AC-DCコンバータ500の動作の一例を示す図である。
図4】AC-DCコンバータ500の動作の一例を示す図である。
図5】力率改善IC29aの構成の一例を示す図である。
図6】レベルシフト回路60の動作を説明する図である。
図7】反転増幅回路308の構成の一例を示す図である。
図8】乗算回路307及び反転増幅回路308の動作を説明する図である。
図9】力率改善IC29aの動作を説明する図である。
図10】力率改善IC29aの動作を説明する図である。
図11】一般的なAC-DCコンバータ500のシミュレーション結果を示す図である。
図12】AC-DCコンバータ10aのシミュレーション結果を示す図である。
図13】力率改善IC29bの構成の一例を示す図である。
図14】AC-DCコンバータ10bの構成の一例を示す図である。
図15】力率改善IC29cの構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。また、各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材等には同一の符号を付し、適宜重複した説明は省略する。
【0014】
本明細書においては、「接続」の語を用いるが、特に断りのない場合には「接続」とは「電気的に接続」することを意味するものとする。本明細書においては、電圧または信号について、論理レベルがハイ(High)レベルである場合は“H”レベルと称し、論理レベルがロー(Low)レベルである場合を“L”レベルと称する。
【0015】
図1は、AC-DCコンバータ10aの構成の一例を示す。AC-DCコンバータ10aは、交流電源11の交流電圧Vacから目的レベルの出力電圧Voutを生成する昇圧チョッパー型の電源回路である。AC-DCコンバータ10aは、出力電圧Voutを負荷12に印加する。
【0016】
ここで、交流電源11は、AC-DCコンバータ10aに交流電圧Vacを印加するための商用交流電源である。交流電圧Vacは、例えば100~277V、周波数が50~60Hzの電圧である。また、負荷12は、例えば、DC-DCコンバータや直流電圧で動作する電子機器である。
【0017】
<<AC-DCコンバータ10aの構成>>
AC-DCコンバータ10aは、チョークコイル21、コンデンサ22,28,46,47、全波整流回路23、入力フィルタ24、トランス25、抵抗26,41~45、ダイオード27,50,51、力率改善IC29a、およびMOSトランジスタ40を備える。
【0018】
==全波整流回路23への入力==
チョークコイル21およびコンデンサ22は、交流電源11から全波整流回路23へと供給される電圧Vacおよび電流からノイズを除去する。交流電源11からチョークコイル21およびコンデンサ22を介して、全波整流回路23には、電圧Vacからノイズが除去された電圧と、入力電流Iinと、が供給される。
【0019】
==全波整流回路23から負荷12までの構成==
全波整流回路23は、ノイズが除去され、端子T0,T1に印加された所定の交流電圧Vacを全波整流し、整流電圧Vrec0として、高電位側の端子T2からラインLN1を介して入力フィルタ24に印加する。一方、全波整流回路23は、低電位側の端子T3に抵抗42(後述)を介して接地ラインLN2が接続される。なお、全波整流回路23は、4つのダイオードで構成される一般的なダイオードブリッジ回路である。
【0020】
入力フィルタ24は、ディファレンシャルモードフィルタ、すなわち、コンデンサ30,32、インダクタ31からなるπ型フィルタとして構成され、全波整流回路23が印加する整流電圧Vrec0を平滑化し、ノイズを除去する。入力フィルタ24によりフィルタされノイズが除去された整流電圧Vrec0は、トランス25の主コイルL1に印加される。
【0021】
なお、入力フィルタ24から、接地、すなわち、接地ラインLN2に流れる電流を電流Ifとする。また、入力フィルタ24にディファレンシャルモードフィルタを用いる例を説明したが、例えば、コンデンサ30のみを用いて、整流電圧Vrec0を平滑化してもよい。
【0022】
トランス25は、主コイルL1と、主コイルL1に磁気的に結合された補助コイルL2と、を含む。なお、本実施形態の補助コイルL2は、補助コイルL2に生じる電圧の極性が主コイルL1に生じる電圧の極性と逆になるように巻かれている。
【0023】
補助コイルL2は、力率改善IC29a(後述)の端子ZCDに抵抗26を介して接続される。補助コイルL2には、主コイルL1に流れるインダクタ電流ILに応じた電流が流れるので、端子ZCDには、インダクタ電流ILに応じた電圧Vzcdが印加される。
【0024】
トランス25の主コイルL1は、MOSトランジスタ40(後述)、ダイオード27およびコンデンサ28とともに昇圧チョッパー回路を構成する。これにより、コンデンサ28の充電電圧は、直流の出力電圧Voutに昇圧されて、負荷12に供給される。
【0025】
力率改善IC29aは、AC-DCコンバータ10aの力率を改善しつつ、出力電圧Voutのレベルが目的レベル(例えば、400V)となるよう、MOSトランジスタ40のスイッチングを制御する集積回路である。力率改善IC29aは、入力フィルタ24から接地ラインLN2に流れる電流Ifと、主コイルL1に流れるインダクタ電流ILと、出力電圧Voutとに基づいて、MOSトランジスタ40を駆動する。
【0026】
力率改善IC29aは、端子CS,CS2,COMP,FB,OUT,ZCD,VHを含む。なお、力率改善IC29aは、端子CS,CS2,COMP,FB,OUT,ZCD,VH以外の端子(例えば、電源端子、GND端子等)を有しているが、図中他の端子は省略されている。
【0027】
MOSトランジスタ40は、AC-DCコンバータ10aの負荷12への電力を制御するためのパワートランジスタである。具体的には、MOSトランジスタ40は、トランス25の主コイルL1に流れるインダクタ電流ILを制御する。
【0028】
本実施形態のMOSトランジスタ40は、N型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタであるが、これに限定されない。即ち、MOSトランジスタ40は、電力を制御できるトランジスタであればよく、例えば、バイポーラトランジスタであってもよい。ここで、MOSトランジスタ40のゲート電極は、力率改善IC29aの端子OUTに接続される。
【0029】
MOSトランジスタ40のゲート電極には、力率改善IC29aから電圧Vdrが印加される。力率改善IC29aは、電圧Vdrの電圧レベルを変化させるタイミングを制御することにより、負荷12への電力を制御する。
【0030】
抵抗41は、MOSトランジスタ40のドレイン-ソース電流に応じた電圧Vcsを生成する。MOSトランジスタ40のドレイン-ソース電流は、インダクタ電流ILに応じて変化するので、抵抗41に生じる電圧Vcsを検出することにより、インダクタ電流ILを検出できる。抵抗41は、一端がMOSトランジスタ40のソース電極に接続され、他端が接地ラインLN2に接続され接地される。抵抗41の両端に生じる電圧Vcsが端子CSに印加される。なお、端子CSは、「第2端子」に相当する。
【0031】
抵抗42は、電流If及びインダクタ電流ILの和に応じた電流It(It=If+IL)を検出するための抵抗である。抵抗42は、全波整流回路23の端子T3と、接地ラインLN2との間に設けられ、抵抗42に生じる電圧Vcs2は、力率改善IC29aの端子CS2に印加される。
【0032】
なお、端子CS2は、全波整流回路23の端子T3と、抵抗42とに接続されるため、電圧Vcs2は、電流If及びインダクタ電流ILの和に応じた負電圧となる。また、端子CS2は、「第1端子」に相当し、電流Ifは、「第1電流」に相当し、電流Itは、「第2電流」に相当し、電圧Vcs2は、「第1電圧」に相当する。また、抵抗42は、「電流検出部」に相当する。
【0033】
抵抗43,44は、分圧回路を構成し、出力電圧Voutに応じて、MOSトランジスタ40をスイッチングする際に用いられる帰還電圧Vfbを生成する。分圧回路は、分圧した電圧Vfbを帰還電圧として、力率改善IC29aの端子FBに印可する。
【0034】
抵抗45およびコンデンサ46,47は、フィードバック制御に用いられる位相補償用の素子である。抵抗45およびコンデンサ46は、端子COMPおよび接地の間に直列に設けられる。また、コンデンサ47は、抵抗45およびコンデンサ46に並列に設けられる。
【0035】
ダイオード50,51は、全波整流回路23の入力のそれぞれにそれぞれのアノードが接続され、両者のカソードは接続される。そして、ダイオード50,51のカソードには、整流電圧Vrec1が生成され、整流電圧Vrec1は、力率改善IC29aの端子VHに印加される。
【0036】
また、力率改善IC29aの詳細については後述するが、力率改善IC29aは、トランス25の主コイルL1を流れるインダクタ電流ILが所定値(例えば、ほぼゼロ、以下、“ほぼゼロ”をゼロと称する)となると、MOSトランジスタ40をオンする。そして、力率改善IC29aは、電流If及びインダクタ電流ILの和に応じた電流Itが、電圧Vrec1及び電圧Vfb(詳細には、電圧Vfbに応じた端子COMPの電圧Vcomp)に基づいて決まる目標値に達すると、MOSトランジスタ40をオフする。
【0037】
このようにすると、力率改善IC29aは、電流If及びインダクタ電流ILの和に応じた電流Itの位相を交流電圧の位相と一致させることができ、力率を改善できる。なお、電流Itは、AC-DCコンバータ10a中での損失はあるものの、ほぼ入力電流Iinに等しい。
【0038】
<<一般的なAC-DCコンバータ500の構成>>
以上、電流If及びインダクタ電流ILを検出するために、全波整流回路23の端子T3と、接地ラインLN2との間に設けられた抵抗42を有するAC-DCコンバータ10aを説明した。以下では、インダクタ電流IL及び出力電圧Voutに基づいてMOSトランジスタ40をオフする力率改善IC100を用いた一般的なAC-DCコンバータ500について説明する。
【0039】
図2は、AC-DCコンバータ500の構成の一例を示す図である。AC-DCコンバータ500は、力率改善IC29a及び抵抗42を除去したうえで、力率改善IC100、抵抗101を追加した点でAC-DCコンバータ10aと異なる。
【0040】
力率改善IC100は、入力フィルタ24と、接地ラインLN2との間に設けられた抵抗101に生じる電圧Vcs2に基づいて動作する集積回路であり、力率改善IC29aの詳細は後述するが、力率改善IC29aと同様に以下のように力率を改善する。
【0041】
力率改善IC100は、トランス25の主コイルL1を流れるインダクタ電流ILがゼロとなると、MOSトランジスタ40をオンする。そして、力率改善IC100は、インダクタ電流ILが、電圧Vrec1及び帰還電圧Vfb(詳細には、電圧Vfbに応じた端子COMPの電圧Vcomp)に基づいて決まる目標値に達すると、MOSトランジスタ40をオフする。なお、力率改善IC100は、インダクタ電流ILにより抵抗101に生じる電圧Vcs2に基づいて、MOSトランジスタ40をオフするタイミングを定める。
【0042】
<<<一般的なAC-DCコンバータ500の概略動作>>>
図3は、整流電圧Vrec0が高い場合のインダクタ電流IL及び電圧Vdrの関係を示す図である。
【0043】
時刻t0において、コイルL1に流れるインダクタ電流ILがゼロになる。
【0044】
時刻t0から遅延期間tchが経過した時刻t1において、力率改善IC100は、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオンする電圧Vdrを印加する。MOSトランジスタ40がオンすると、インダクタ電流ILは増加する。
【0045】
インダクタ電流ILが目標値に達する時刻t2において、力率改善IC100は、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオフする電圧Vdrを印加する。MOSトランジスタ40がオフすると、インダクタ電流ILは減少する。
【0046】
時刻t3において、インダクタ電流ILはゼロとなり、以降同様の動作が繰り返される。
【0047】
ここで、MOSトランジスタ40がオフし、インダクタ電流ILがゼロになると、入力フィルタ24に含まれるコンデンサ30,32の充電電圧Vrは十分高いため、コイルL1の入力フィルタ24側の電圧は、充電電圧Vrより低くなる。そのため、コイルL1からコンデンサ30,32を充電する電流Ifは流れない。したがって、MOSトランジスタ40の出力容量Cossと、コイルL1との間で、共振が生じる。
【0048】
すなわち、整流電圧Vrec0が高い場合、コイルL1と、出力容量Cossとの間で共振電流が流れることとなり、共振電流の他にコイルL1からコンデンサ30,32への負の方向の電流が流れない。
【0049】
したがって、力率改善IC100は、インダクタ電流ILがゼロになってから、遅延期間tchだけ遅らせてMOSトランジスタ40をオンすれば、MOSトランジスタ40のドレイン電極の電圧が低下した状態でMOSトランジスタ40をオンさせ得る。これにより、MOSトランジスタ40のスイッチング損失が抑制される。なお、遅延期間tchは、共振周期の半分の期間である。
【0050】
一方、AC-DCコンバータ500は、整流電圧Vrec0が低い場合、図3を用いて説明したように動作し得ない。以下では、図4を用いてこのような場合について説明する。
【0051】
図4は、整流電圧Vrec0が低い場合のインダクタ電流IL及び電圧Vdrの関係を示す図である。
【0052】
時刻t10において、コイルL1に流れるインダクタ電流ILがゼロになる。インダクタ電流ILがゼロとなった後、コイルL1と、出力容量Cossとの間で共振動作が開始する。整流電圧Vrec0が低く、入力フィルタ24のコンデンサ30,32に充電された充電電圧Vrが低い場合、コイルL1の入力フィルタ24側の電圧が充電電圧Vrより高くなり、コイルL1からコンデンサ30,32へと負の方向のインダクタ電流ILが流れる。そして、インダクタ電流ILは、コンデンサ30,32を充電する。
【0053】
時刻t10から遅延時間tchが経過した時刻t11において、力率改善IC100は、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオンする電圧Vdrを印加する。しかしながら、コイルL1の入力フィルタ24側の電圧が充電電圧Vrと等しくなるまで、寄生ダイオードDp、コイルL1、コンデンサ30,32の順に負の方向のインダクタ電流ILが流れる。
【0054】
この場合、MOSトランジスタ40はオンされているものの、コイルL1にはコイルL1からMOSトランジスタ40へと流れる正の方向のインダクタ電流ILは流れない。その後、コイルL1の入力フィルタ24側の電圧が充電電圧Vrと等しくなると、負の方向のインダクタ電流ILは、流れなくなり、インダクタ電流ILは正の方向に流れるようになる。
【0055】
インダクタ電流ILが目標値に達する時刻t12において、力率改善IC100は、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオフする電圧Vdrを印加する。MOSトランジスタ40がオフすると、インダクタ電流ILは減少する。
【0056】
時刻t13において、インダクタ電流ILはゼロとなり、以降同様の動作が繰り返される。
【0057】
以上から、MOSトランジスタ40がオンしても、インダクタ電流ILが正の方向に流れる実質的なオン期間は短くなる。この場合、コンデンサ30,32は十分に放電されず、交流電圧Vacと、充電電圧Vrとの電圧差が小さくなるため、全波整流回路23に含まれるダイオードは電流を流しにくくなる。
【0058】
これにより、全波整流回路23は、整流電圧Vrec0が低い(すなわち、交流電圧Vacが低い)場合、十分に電流を供給することができなくなる可能性がある。そして、MOSトランジスタ40がオンされ続けると、次第にインダクタ電流ILは正の方向に流れ、コンデンサ30,32が放電される。そして、充電電圧Vrが低下することにより、全波整流回路23に含まれるダイオードは、フルにオンするようになり、必要な電流を供給し始める。
【0059】
このように動作する場合、入力電流Iinの波形が交流電圧Vacの波形と相似形とならないことがある。この現象は、抵抗101がインダクタ電流ILのみを検出するため、発生している可能性がある。
【0060】
また、電流Ifを無視し、インダクタ電流ILのみにより、MOSトランジスタ40をスイッチングすると、整流電圧Vrec0が低い場合、入力電流Iinの電流値の大きさが充電電流Ifの分だけインダクタ電流ILの電流値の大きさより大きくなる。この場合、入力電流Iinが交流電圧Vacに対して歪むことにつながり、力率が悪化するとともに、高調波歪の原因ともなり得る。
【0061】
一方、AC-DCコンバータ10aにおいて、抵抗42を設けることにより、入力フィルタ24のコンデンサ30,32を充電する電流Ifと、インダクタ電流ILとの和に応じた電流Itを検出することができる。
【0062】
これにより、AC-DCコンバータ10aにおいては、たとえ整流電圧Vrec0が低く、コンデンサ30,32への充電電流Ifが生じたとしても、考慮することができる。なお、整流電圧Vrec0が高い場合、充電電流Ifは生じにくく、電流Itは、ほぼインダクタ電流ILとなるため、入力電流Iinの歪は、生じにくい。
【0063】
また、インダクタ電流ILと共に電流Ifを考慮することにより、入力電流Iinの、交流電圧Vacに対する歪が低減されると共に全高調波歪が改善され、AC-DCコンバータ10aの力率が改善される可能性がある。したがって、以下では、このように全高調波歪を改善することができる力率改善IC29aの詳細を以下に詳述する。
【0064】
==力率改善IC29aの構成==
図5は、力率改善IC29aの構成の一例を示す。力率改善IC29aは、図1の端子CS2に印加される電圧Vcs2と、端子VHに印加される整流電圧Vrec1と、出力電圧Voutとに基づいて、入力電流Iinの波形が交流電圧Vacの波形と相似形となるようMOSトランジスタ40をスイッチングする。
【0065】
ここで、「相似形」とは、交流電圧Vacの波形と、入力電流Iinの波形との間で、位相が一致し、振幅が正の比例関係にあることをいい、「相似形となるよう」とは、力率を1に近づけることをいう。
【0066】
力率改善IC29aは、レベルシフト回路60、スイッチング制御回路61a、コンパレータ62を含んで構成される。
【0067】
===レベルシフト回路60===
レベルシフト回路60は、負電圧である電圧Vcs2のレベルを、所定の電圧V1(>0)だけシフトして、正の電圧Vcs2_shiftを出力する。具体的には、レベルシフト回路60は、電源電圧Vddが印加される抵抗200と、抵抗200及び端子CS2の間に設けられた抵抗201とで構成され、抵抗200,201の接続点から電圧Vcs2_shiftを出力する。
【0068】
なお、抵抗200,201の抵抗値は、抵抗42による電流Itの検出に影響を及ぼさないよう決定される。また、電圧Vcs2_shiftは、「第2電圧」に相当する。
【0069】
図6は、電圧Vcs2(一点鎖線)と、レベルシフトされた電圧Vcs2_shift(実線)と、の関係を示す図である。
【0070】
例えば、時刻t20より前の期間において、図1の抵抗42に流れる電流が“0”である場合、電圧Vcs2も“0V”である。この結果、電圧Vcs2_shiftは、電圧V1となる。
【0071】
そして、時刻t20にMOSトランジスタ40がオンとなると、例えば、インダクタ電流ILは、増加するため、電圧Vcs2は、“0V”から低下する。したがって、電圧Vcs2がレベルシフトされた電圧Vcs2_shiftも、電圧V1から低下する。
【0072】
また、時刻t21にMOSトランジスタ40がオフとなると、例えば、インダクタ電流ILは小さくなるため、電圧Vcs2は大きくなり、例えば、時刻t22には“0V”となる。このため、電圧Vcs2_shiftも、時刻t22には、電圧V1となる。
【0073】
このように、本実施形態の電圧Vcs2_shiftは、例えば、インダクタ電流ILが“0”の場合、電圧V1となり、インダクタ電流ILが増加すると、電圧V1から低下する。
【0074】
===スイッチング制御回路61a===
図5のスイッチング制御回路61aは、インダクタ電流IL及び出力電圧Voutに基づいてMOSトランジスタ40をスイッチングする。具体的には、スイッチング制御回路61aは、インダクタ電流ILがゼロより小さくなると、MOSトランジスタ40をオンする。
【0075】
一方、スイッチング制御回路61aは、電流If及びインダクタ電流ILの和に応じた電流Itのピーク値の波形が整流電圧Vrec1の波形と相似形となるよう、電圧Vcs2に基づいてMOSトランジスタ40をオフする。
【0076】
スイッチング制御回路61aは、ヒステリシスコンパレータ300、遅延回路301、OR回路302,310、リスタートタイマ303、SRフリップフロップ304、分圧回路305、誤差増幅回路306、乗算回路307、反転増幅回路308、コンパレータ309、バッファ311を含んで構成される。
【0077】
ヒステリシスコンパレータ300は、端子ZCDに印加される電圧Vzcdに基づいて、インダクタ電流ILがゼロとなったか否かを検出する。補助コイルL2は主コイルL1に電磁的に結合しているので、端子ZCDに印加される電圧Vzcdは、主コイルに流れるインダクタ電流ILに応じた電圧となる。
【0078】
具体的には、ヒステリシスコンパレータ300は、閾値Vthl,Vthhを有し、電圧Vzcdを、インダクタ電流ILがゼロを示す場合の閾値Vthl及びインダクタ電流ILが増加したことを示す場合の閾値Vthhと比較する。
【0079】
ヒステリシスコンパレータ300は、インダクタ電流ILが減少してゼロとなった場合、“H”レベルの信号Vzを遅延回路301に出力する。一方、ヒステリシスコンパレータ300は、インダクタ電流ILが増加し、電圧Vzcdが閾値Vthhを超える場合、“L”レベルの信号Vzを遅延回路301に出力する。
【0080】
また、閾値Vthlは、ヒステリシスコンパレータ300に印加される基準電圧Vref0に応じた、ヒステリシスコンパレータ300の低い方の閾値である。さらに、閾値Vthhは、同様に、基準電圧Vref0に応じた、ヒステリシスコンパレータ300の高い方の閾値である。
【0081】
遅延回路(DELAY)301は、インダクタ電流ILがゼロとなった後、遅延期間tch経過後、MOSトランジスタ40をオンするパルス信号Vdを出力する。具体的には、遅延回路301は、インダクタ電流ILがゼロとなった後、コイルL1と、出力容量Cossとが共振する際の共振周期の半周期の時間である遅延期間tch経過後、“H”レベルのパルス信号Vdを出力する。
【0082】
OR回路302は、遅延回路301からのパルス信号Vdと、リスタートタイマ303(後述)からのパルス信号Vtimとの論理和を演算する。したがって、OR回路302は、遅延回路301からのパルス信号Vd又はリスタートタイマ303からのパルス信号Vtimが入力されると、“H”レベルのオン信号Ssetを出力する。
【0083】
リスタートタイマ(TIM)303は、MOSトランジスタ40が所定期間オンされない場合、MOSトランジスタ40をオンすべく、パルス信号Vtimを出力する。具体的には、リスタートタイマ303は、MOSトランジスタ40を駆動する駆動信号Vq1が所定期間“H”レベルとならない場合、パルス信号Vtimを出力する。
【0084】
一方、リスタートタイマ303は、所定期間の間に、駆動信号Vq1が“H”レベルとなる場合、所定期間の計時をリセットし、計時を再開する。したがって、リスタートタイマ303は、駆動信号Vq1が所定期間の間に“H”レベルとなる場合、パルス信号Vtimの出力を停止する。
【0085】
==SRフリップフロップ304==
SRフリップフロップ304は、オン信号Ssetと、オフ信号Sreset(後述)とに基づいて、Q出力を変化させ、駆動信号Vq1として出力する。具体的には、SRフリップフロップ304は、OR回路302が“H”レベルのオン信号Ssetを出力すると、“H”レベルの駆動信号Vq1を出力する。
【0086】
一方、SRフリップフロップ304は、OR回路310(後述)が“H”レベルの信号Sresetを出力すると、“L”レベルの駆動信号Vq1を出力する。なお、SRフリップフロップ304は、リセット優先のフリップフロップである。また、SRフリップフロップ304は、「駆動信号出力回路」に相当する。
【0087】
分圧回路(RDIV)305は、端子VHからの電圧Vh(図1の整流電圧Vrec1に等しい)を分圧して、電圧Vh_divを生成する。
【0088】
誤差増幅回路306は、トランスコンダクタンスアンプであり、出力電圧Voutが目的レベルより高くなると、MOSトランジスタ40のオン期間が短くなるように、図1のコンデンサ46,47を放電する。
【0089】
具体的には、誤差増幅回路306は、出力電圧Voutに応じた帰還電圧Vfbが基準電圧Vref1より低い場合、電流Ierrでコンデンサ46,47を充電する。一方、誤差増幅回路306は、帰還電圧Vfbが基準電圧Vref1より高い場合、電流Ierrでコンデンサ46、47を放電する。なお、端子COMPの電圧Vcompは、「出力電圧に応じた第3電圧」に相当する。
【0090】
==乗算回路307==
乗算回路(MUL)307は、電圧Vh_div及び電圧Vcompに基づいて、電流If及びインダクタ電流ILの和に応じた電流Itのピーク値の目標値を示す電圧Vmを出力する。具体的には、乗算回路307は、電圧Vh_divと、電圧Vcompとを乗算し、電圧Vmを出力する。なお、電圧Vcompは、「出力電圧に応じた第3電圧」に相当し、電圧Vh_divは、「第4電圧」に相当し、電圧Vmは、「目標値を示す第5電圧」に相当する。
【0091】
ここで、乗算回路307は、電圧Vh_divと、出力電圧Voutが目的レベルに対して高いか、低いかを示す電圧Vcompとを乗算し、電流Itのピーク値を決定する。なお、電圧Vh_divは、整流電圧Vrec1の波形をピーク値の波形に反映するために使用され、電圧Vcompは、ピーク値の波形の振幅を決めるために使用される。これにより、力率改善IC29aは、出力電圧Voutを目的レベルに維持しつつ、電流Itのピーク値の波形と、整流電圧Vrec0の波形とを相似形にできる。
【0092】
==反転増幅回路308==
反転増幅回路(INV)308は、電圧Vmを反転し、所定のゲインで増幅して、電圧Vm_invとして出力する。具体的には、反転増幅回路308は、オペアンプ400、抵抗401,402を含み、図7に示すように構成される。
【0093】
電圧Vm、電圧Vm_inv、及び基準電圧Vref3の関係は以下の式で表される。
Vref3=(R1/(R1+R2))×(Vm_inv-Vm)+Vm・・・式(1)
ここで、R1は、抵抗401の抵抗値とし、R2は、抵抗402の抵抗値とする。
【0094】
式(1)を変形すると、以下の式となる。
Vm_inv=-(R2/R1)×Vm+(1+R2/R1)Vref3・・・式(2)
【0095】
また、(1+R2/R1)Vref3が、電圧V1(すなわち、電圧Vcs2が0Vの際に、レベルシフト回路60が出力する電圧Vcs2_shift)と等しくなるように、抵抗値R1,R2、及び基準電圧Vref3は決定される。
【0096】
このように、抵抗値R1,R2、基準電圧Vref3を決めることにより、コンパレータ309(後述)は、電圧Vm_invと、電圧Vcs2_shiftをほぼ正しく比較することができる。なお、反転増幅回路308は、「反転回路」に相当し、電圧Vm_invは、「第6電圧」及び「第7電圧」に相当する。
【0097】
乗算回路307及び反転増幅回路308は、交流電圧Vacの位相角が0度~360度に変化するにつれて図8に示すように動作する。具体的には、交流電圧Vacの位相角が0度にある際、電圧Vh_divは0Vとなり、乗算回路307は、0Vの電圧Vmを出力する。そして、反転増幅回路308は、式(2)で示されるように、電圧V1を電圧Vm_invとして出力する。なお、図8において、電圧Vcompは一定であるものとする。
【0098】
また、交流電圧Vacの位相角が90度付近にある際、電圧Vh_divは、交流電圧Vacの最高レベルに応じた電圧となり、乗算回路307は、最大の電圧Vmを出力する。そして、反転増幅回路308は、電圧V1から最も低下した電圧Vm_invを出力する。以降、交流電圧Vacの位相角が180度~360度に変化する際も同様に乗算回路307及び反転増幅回路308は動作する。
【0099】
==コンパレータ309==
図5のコンパレータ309は、MOSトランジスタ40をオフするタイミングを決める。具体的には、コンパレータ309は、電圧Vcs2_shiftのレベルが電圧Vm_invのレベルとなると、“H”レベルの信号Scmpを出力する。これは、電流Itが目標値に達したことを意味し、スイッチング制御回路61aは、電圧Vcs2_shiftが電流Itのピーク値の目標値を示す電圧Vm_invとなると、MOSトランジスタ40をオフする。
【0100】
一方、コンパレータ309は、電圧Vcs2_shiftのレベルが電圧Vm_invのレベルより高い場合、“L”レベルの信号Scmpを出力する。なお、コンパレータ309は、「第1比較回路」及び「第2比較回路」に相当する。
【0101】
OR回路310は、コンパレータ309からの信号Scmpと、コンパレータ62(後述)からの信号Socpとの論理和を演算する。
【0102】
バッファ311は、“H”レベルの駆動信号Vq1が入力されると、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオンする電圧Vdrを印加し、“L”レベルの駆動信号Vq1が入力されると、MOSトランジスタに、MOSトランジスタ40をオフする電圧Vdrを印加する。このようにして、バッファ311は、ゲート容量等の大きいMOSトランジスタ40を駆動する。
【0103】
==コンパレータ62==
コンパレータ62は、MOSトランジスタ40に流れるインダクタ電流ILが所定電流を超えたか否かを検出する。具体的には、コンパレータ62は、抵抗41にインダクタ電流ILが流れることにより生じる電圧Vcsと、基準電圧Vref2とを比較する。
【0104】
また、コンパレータ62は、電圧Vcsが基準電圧Vref2より高い場合、スイッチング制御回路61aにMOSトランジスタ40をオフさせる“H”レベルの信号Socpを出力する。一方、コンパレータ62は、電圧Vcsが基準電圧Vref2より低い場合、“L”レベルの信号Socpを出力する。なお、コンパレータ62は、「過電流保護回路」に相当する。
【0105】
<<<力率改善IC29aの動作>>>
図9は、力率改善IC29aの動作の一例を示す図である。なお、力率改善IC29aは、インダクタ電流ILに基づいてMOSトランジスタ40をオンし、電流Itに基づいてMOSトランジスタ40をオフする。ただし、図9では、図1の抵抗42に、接地ラインLN2から全波整流回路23の端子T3の方向へ流れる電流Itを正の電流としており、インダクタ電流ILがゼロとなる場合、電流Ifもゼロであるものとしている。
【0106】
時刻t30において、インダクタ電流ILがゼロになり、ヒステリシスコンパレータ300が“H”レベルの信号Vz(不図示)を出力する。
【0107】
時刻t30から遅延期間tch経過した時刻t31において、遅延回路301は、パルス信号Vdを出力し、力率改善IC29aは、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオンする電圧Vdrを印加する。その後、電流Itは増加する。
【0108】
電圧Vcs2_shiftが電圧Vm_invとなる時刻t32において、コンパレータ309は、“H”レベルの信号Scmpを出力する。そして、力率改善IC29aは、MOSトランジスタ40に、MOSトランジスタ40をオフする電圧Vdrを印加する。その後、電流Itは減少する。
【0109】
インダクタ電流ILがゼロになる時刻t33において、ヒステリシスコンパレータ300が“H”レベルの信号Vzを出力する。以降、同様の動作が繰り返される。
【0110】
以上、力率改善IC29aの動作について説明した。このように、力率改善IC29aが動作することにより、電流Itの平均値である電流値Iaveの波形は、整流電圧Vrec1の波形と相似形となる。すなわち、入力電流Iinの波形も交流電圧Vacの波形に対して相似形となる。
【0111】
図10は、電流値Iaveと、整流電圧Vrec1との関係を示す図である。力率改善IC29aが、図9を用いて説明したように動作することにより、電圧Vcs2_shiftのピーク値、すなわち電流Itのピーク値は、整流電圧Vrec1の交流成分を示す電圧Vm_invに一致する。
【0112】
これにより、電流値Iaveの波形は、整流電圧Vrec1の波形と相似形となり、力率が改善されると共に、電流Ifも考慮して制御するため、入力電流Iinの歪も抑制され、高調波歪も改善される。
【0113】
<<<シミュレーション結果の比較>>>
図11は、一般的なAC-DCコンバータ500におけるシミュレーション結果を示す図であり、図12は、AC-DCコンバータ10aにおけるシミュレーション結果を示す図である。
【0114】
図11において、図中に示した期間aにおいて、電流It(抵抗42に生じる電圧値で示す)と、インダクタ電流ILとを比較すると、電流Itの方が比較的大きくなっている。
【0115】
一方、図11において、図中に示した期間bにおいて、電流Itと、インダクタ電流ILとを比較すると、両者の間にそれほど差は認められない。
【0116】
また、図12において、図中に示した期間aにおいて、電流It(抵抗42に生じる電圧値で示す)と、インダクタ電流ILとを比較すると、図11の場合と異なり、両者の間にそれほど差は認められない。これは、期間bにおいても同様である。
【0117】
また、入力電流Iinに着目して、図11,12の期間aを比較すると、図12の場合における入力電流Iinの急激な増加量は、図11の場合における入力電流Iinの急激な増加量より小さい。したがって、力率改善IC29aがAC-DCコンバータ10aを制御することにより、入力電流Iinの歪は小さくなり、これにより、高調波歪も改善される。
【0118】
===変形例===
===力率改善IC29bの構成===
以上、力率改善IC29aについて説明した。図13は、力率改善IC29aの変形例である力率改善IC29bの構成の一例を示す図である。力率改善IC29bは、レベルシフト回路60、スイッチング制御回路61b、コンパレータ62、反転増幅回路63を含んで構成される。
【0119】
力率改善IC29bにおいて、反転増幅回路(INV)63は、レベルシフト回路60からの電圧Vcs2_shiftを反転させて電圧Vcs2_invとしてコンパレータ312の非反転入力に印加する。
【0120】
また、コンパレータ312の反転入力には、乗算回路307からの電圧Vmが印加される。そして、コンパレータ312は、電圧Vcs2_invのレベルが電圧Vmのレベルとなると、“H”レベルの信号Scmpを出力する。なお、コンパレータ312は、「第1比較回路」に相当する。
【0121】
===AC-DCコンバータ10bの構成===
図14は、AC-DCコンバータ10bの構成の一例を示す図である。AC-DCコンバータ10bにおいて、AC-DCコンバータ10aにおける抵抗42の代わりに、電流Itを検出するための電流検出トランス(CT)52が設けられている。また、力率改善IC29aは、電流検出トランス52からの電圧Vcs2を受ける力率改善IC29cに置き換えられている。
【0122】
===力率改善IC29cの構成===
図15は、力率改善IC29cの構成の一例を示す図である。力率改善IC29cは、スイッチング制御回路61c、コンパレータ62を含んで構成される。なお、図15の力率改善IC29cは、電流検出トランス52からの電圧Vcs2のレベルが、電源電圧Vdd及び接地電圧の間の電圧レベルに調整されているものとして描かれている。
【0123】
したがって、力率改善IC29cにおいて、力率改善IC29a,29bに含まれ、端子CS2に接続されるレベルシフト回路60は除かれている。また、コンパレータお309,312の代わりにコンパレータ313が設けられている。
【0124】
コンパレータ313の非反転入力には、電圧Vcs2が印加され、コンパレータ313の反転入力には、乗算回路307からの電圧Vmが印加される。そして、コンパレータ313は、電圧Vcs2のレベルが電圧Vmのレベルとなると、“H”レベルの信号Scmpを出力する。なお、コンパレータ313は、「第3比較回路」に相当する。
【0125】
==まとめ==
以上、本実施形態のAC-DCコンバータ10aについて説明した。力率改善IC29aは、端子CS2、スイッチング制御回路61aを備える。端子CS2には、入力フィルタ24から接地に流れる電流Ifと、インダクタ電流ILとの和の電流Itに応じた電圧Vcs2が印加される。そのため、AC-DCコンバータ10aの制御に、コンデンサ30,32を充電する電流Ifを考慮することになる。これにより、力率改善回路の入力電流の全高調波歪を改善することができる集積回路を提供することができる。
【0126】
また、力率改善IC29aは、レベルシフト回路60を含み、端子CS2には、全波整流回路23の端子T3と、接地ラインLN2との間に設けられ、電流Itを検出する抵抗42が接続される。そして、スイッチング制御回路61aは、電流Itのピーク値の目標値であって、整流電圧Vrec1及び出力電圧Voutに応じた目標値を示す電圧Vmと、電圧Vcs2_shiftとに基づいて、MOSトランジスタ40をオフする。これにより、力率改善IC29aは、電流Itのピーク値の波形と、整流電圧Vrec0の波形とを相似形とすることができ、入力電流Iinの歪を改善するとともに、力率を1に近づけることができる。
【0127】
また、スイッチング制御回路61a,61bは、乗算回路307、反転増幅回路63又は308、コンパレータ309又は312、SRフリップフロップ304を備える。これにより、負電圧である電圧Vcs2に基づいて、MOSトランジスタ40をオフするタイミングを生成できる。
【0128】
また、スイッチング制御回路61aは、乗算回路307、反転増幅回路308、コンパレータ309、SRフリップフロップ304を備える。この場合、反転増幅回路308は、乗算回路307からの電圧Vmを反転することとなり、電圧Vcs2_shiftを反転する場合と比較して、反転すべき電圧の周波数が低くなる。これにより、反転増幅回路308は、高い周波数の信号を反転することがなくなるため、反転増幅回路308は、低機能であってもよい。
【0129】
また、力率改善IC29aは、端子CS、コンパレータ62を備える。これにより、力率改善IC29aは、端子CS2の他に端子CSを有し、通常時のMOSトランジスタ40のスイッチングに用いる端子CS2と、MOSトランジスタ40に流れるインダクタ電流ILを検出する端子CSとが別に設けられることとなる。
【0130】
また、スイッチング制御回路61cは、乗算回路307、コンパレータ309、SRフリップフロップ304を備える。これにより、力率改善IC29cは、抵抗42の代わりに、電流検出トランス52を用いたとしても、電流Itのピーク値の波形と、整流電圧Vrec0の波形とを相似形とすることができ、入力電流Iinの歪及び全高調波歪を改善するとともに、力率を1に近づけることができる。
【0131】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。本発明の技術的範囲には、その趣旨を逸脱することなく、その様な変更または改良を加えた形態およびその均等物も含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0132】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0133】
10a,10b,500 AC-DCコンバータ
11 交流電源
12 負荷
21 チョークコイル
22,28,30,32,46,47 コンデンサ
23 全波整流回路
24 入力フィルタ
25 トランス
26,41~45,101,200,201,401,402 抵抗
27 ダイオード
29a,29b,29c,100 力率改善IC
31 インダクタ
40 MOSトランジスタ
50,51 ダイオード
52 電流検出トランス
60 レベルシフト回路
61a,61b,61c スイッチング制御回路
62,309,312,313 コンパレータ
63 反転増幅回路
300 ヒステリシスコンパレータ
301 遅延回路
302,310 OR回路
303 リスタートタイマ
304 SRフリップフロップ
305 分圧回路
306 誤差増幅回路
307 乗算回路
308 反転増幅回路
311 バッファ
400 オペアンプ
図1
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