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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025144364
(43)【公開日】2025-10-02
(54)【発明の名称】画像処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250925BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20250925BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20250925BHJP
【FI】
G06Q50/10
B41J29/38 203
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044106
(22)【出願日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】田中 佑弥
(72)【発明者】
【氏名】山本 宗主
【テーマコード(参考)】
2C061
5L050
【Fターム(参考)】
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN08
2C061HN15
2C061HP00
2C061HQ00
2C061HQ05
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】 従来技術では、画像処理装置の利用用途に基づき、利用者の同意状況を考慮した機器情報の送信に関する柔軟な制御が実現できない。
【解決手段】 そこで、本発明に係る画像処理装置は、第1サービスの利用のために、画像処理装置の利用者の個人情報を除く、画像処理装置の利用に係る第1情報の送信に関する同意についての入力を受け付けた場合に、管理サーバに対して画像処理装置の識別情報を含む要求を送信する要求手段と、前記管理サーバからの通知に基づき、前記第1サービスのために、さらに、前記個人情報を含む、前記画像処理装置の利用に係る第2情報の送信に関する同意を得るための画面を提供する提供手段と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1サービスの利用のために、画像処理装置の利用者の個人情報を除く、画像処理装置の利用に係る第1情報の送信に関する同意についての入力を受け付けた場合に、管理サーバに対して画像処理装置の識別情報を含む要求を送信する要求手段と、
前記管理サーバからの通知に基づき、前記第1サービスのために、さらに、前記個人情報を含む、前記画像処理装置の利用に係る第2情報の送信に関する同意を得るための画面を提供する提供手段と、を有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記提供された画面を介した同意についての入力なしに、前記第2情報はネットワークを介して前記画像処理装置から外部に送信されず、
前記提供された画面を介して同意についての入力を受け付けた場合に、前記第2情報を前記画像処理装置からネットワークを介して外部に送信する送信手段を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記提供された画面を介して同意についての入力を受け付けた場合に、前記第2情報を送信するための送信設定を有効化する手段を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記提供手段は、前記管理サーバから、前記個人情報を含む、前記画像処理装置の利用に係る前記第2情報の送信が必要な第2サービスの追加されたことを示す通知を受信し、かつ、前記第2情報の送信に関する同意をまだ得られていない場合に、前記第2情報の送信に関する同意を得るための画面を提供することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記第1情報及び前記第2情報は、記録材に関する情報が含まれることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像処理装置における方法であって、
第1サービスの利用のために、画像処理装置の利用者の個人情報を除く、画像処理装置の利用に係る第1情報の送信に関する同意についての入力を受け付けた場合に、管理サーバに対して画像処理装置の識別情報を含む要求を送信する要求工程と、
前記管理サーバからの通知に基づき、前記第1サービスのために、さらに、前記個人情報を含む、前記画像処理装置の利用に係る第2情報の送信に関する同意を得るための画面を提供する提供工程と、を有することを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置の利用情報を、ネットワークを介して外部システムに送信する際の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
画像処理装置をインターネットに接続して、画像処理装置の利用情報をベンダー側に送信することで利用可能なサービスが広く提供されている。近年では、企業が在宅勤務者の印刷情報を管理するような企業向けのサービスと、各種クラウドサービスと連携し、SNSや写真共有サイトから写真や文書を印刷することが可能な個人向けのクラウドサービスの両方が利用可能な画像処理装置が提供されている。このようなサービスの利用にあたっては、画像処理装置がインターネットを介して機器の利用情報をベンダー側に提供することに同意する必要がある。
【0003】
特許文献1には、サービスの利用申込み毎に、個人情報の開示についての同意手続を省ける情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-191846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の技術では、画像処理装置の利用用途に基づき、利用者の同意状況を考慮した機器情報の送信に関する柔軟な制御が実現できない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明に係る画像処理装置は、第1サービスの利用のために、画像処理装置の利用者の個人情報を除く、画像処理装置の利用に係る第1情報の送信に関する同意についての入力を受け付けた場合に、管理サーバに対して画像処理装置の識別情報を含む要求を送信する要求手段と、前記管理サーバからの通知に基づき、前記第1サービスのために、さらに、前記個人情報を含む、前記画像処理装置の利用に係る第2情報の送信に関する同意を得るための画面を提供する提供手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像処理装置の利用用途に基づき、利用者の同意状況を考慮した機器情報の送信に関する柔軟な制御が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム構成を示す図である。
図2】サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】プリンタのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】個人向けWebサービス同意画面表示要を記憶するまでのシーケンス図である。
図5】個人向けWebサービス同意画面表示までのフローチャートである。
図6】プリンタ管理サーバのデータベースに記憶されるテーブルである。
図7】Webサービス同意画面の例を示す図である。
図8】個人向けWebサービスを追加登録したときのシーケンス図である。
図9】プリンタ管理サーバのデータベースに記憶されるテーブルである。
図10】Webサービス警告画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0010】
以下、添付図面を参照して本開示の好適な実施の形態を詳しく説明する。尚、以下の実施の形態は本開示事項を限定するものでなく、また本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせすべてが本開示の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
<第1実施形態>>
図1は、本実施形態におけるシステム構成の一例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態における情報処理システムは、プリンタ管理サーバ101、サービスプロバイダサーバ102、および記録装置であるプリンタ103を有する。
【0013】
プリンタ管理サーバ101およびサービスプロバイダサーバ102は、それぞれインターネット100に接続されている。プリンタ103は、ルーター104を介しインターネットに接続可能である。プリンタ管理サーバ101は、プリンタ103から送信される情報を管理し、プリンタ103から送信された情報を、インターネット100を介してサービスプロバイダサーバ102に提供することが可能な管理サーバである。各通信については、HTTPまたはXMPP等を通した制御が行われる。尚、プロトコルはこれらに限られず、他のプロトコルを用いてもよい。例えば、プリンタ103は、印刷枚数、インク残量などの情報を含むステータス情報を、プリンタ103の識別情報(例えばシリアルナンバー)と共にプリンタ管理サーバ101に定期的に送信する。プリンタ管理サーバ101は、プリンタ103が登録しているサービスに応じて、プリンタ103から受信した情報をサービスプロバイダサーバ102に送信する。
【0014】
本実施形態では、サービスプロバイダサーバ102は、画像処理装置の複数の利用用途のそれぞれに対応する多様なサービスを提供可能とする。サービスの例としては、法人向けWebのサービスとして、企業が契約して、在宅勤務者の印刷情報を企業側で管理するサービス、等が挙げられる。また、個人向けのWebサービスとして、各種クラウドサービスと連携し、SNSや写真共有サイトから写真や文書を印刷することができる印刷サービス、ユーザによる印刷の実行の回数に応じたポイント付与サービス、等が挙げられる。また、個人向けのWebサービスとして印刷サブスクリプションサービスもある。本実施形態では、サービスプロバイダサーバ102が複数サービスを提供するよう記載されているが、1以上のサービスごとに個別にサービスプロバイダーサーバが用意されてもよい。
【0015】
<サーバの構成>
図2は、プリンタ管理サーバ101のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。以下、本実施形態におけるプリンタ管理サーバ101の構成について、図2を用いて説明する。
【0016】
プリンタ管理サーバ101は、CPU201、RAM202、ROM203、記憶装置204、操作部205、表示部206、ネットワーク通信部207、およびネットワーク接続部208を有する。
【0017】
CPU201は、プリンタ管理サーバ101の各部を制御するための中央演算装置である。RAM202は、CPU201でプログラムを実行する際に必要とされる作業メモリの役割を果たす。ROM203は、システム起動に必要なブートプログラムを記憶するための読み出し専用メモリである。記憶装置204は、CPU201で実行するプログラム、データベース209、または各種情報を記憶するための装置であり、例えば磁気ディスクまたはフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置である。操作部205は、ユーザが各種の入力操作を行うためのキーボード、マウス等から成る。表示部206は、例えばLCDで構成され、各種情報が表示され、ユーザに提示される。ネットワーク通信部207は、ネットワーク接続部208を介してインターネット100等のネットワークと接続され、各種の通信を行う。上述の各部は、バス210で相互に接続され、データを相互に送受信することが可能である。
【0018】
尚、サービスプロバイダサーバ102は、プリンタ管理サーバ101と同一のハードウェア構成を持つものとし、説明を省略する。但し、サービスプロバイダサーバ102がプリンタ管理サーバ101と異なるハードウェア構成を有していても構わない。
【0019】
また、図2では、プリンタ管理サーバ101は、1台のサーバ(情報処理装置)から構成されている例を説明するが、複数台のサーバから構成されていてもよい。つまり、複数台のサーバが連携して動作することにより各機能を実行してもよい。サービスプロパイダサーバ102も同様に複数台のサーバから構成されてもよい。本開示では、1つのサーバもしくは複数のサーバからなる構成をサーバシステムと呼ぶ。
【0020】
<プリンタのハードウェア構成>
図3は、プリンタ103のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
以下、本実施形態におけるプリンタ103の構成について、図3を用いて説明する。プリンタ103は、プリンタ部301、スキャナー部302、メモリカード装着部303、メモリカード304、およびインクタンク部315を有する。またプリンタ103は、CPU305、プログラムメモリ306、ワークメモリ307、表示部308、操作部309、ネットワーク通信部310、ネットワーク接続部311、およびフラッシュメモリ312を有する。尚、本実施形態では、記録装置の一例として、複合機であるプリンタ103を例に挙げて説明するが、本実施形態を適用可能な記録装置は複合機でなくてもよい。複写機またはファクシミリ等の画像処理装置を用いてよいし、スキャナー機能が搭載されていないプリンタを用いてもよい。また、本実施形態の記録装置は、インクを用いて記録を行うプリンタを例に挙げて説明するが、トナー等の記録材を使用する装置に適用されてもよい。
【0022】
プリンタ103において、印刷機能はプリンタ部301で実現される。また、スキャナー機能はスキャナー部302で実現され、ストレージ機能はメモリカード装着部303及びメモリカード304で実現される。プリンタ部301は、外部から受信した画像データ、またはメモリカード304に格納されている画像データ等に基づいて、インクジェット方式によって印刷用紙等の記録媒体に画像を記録(つまり印刷)する。さらに、プリンタ部301は、インク残量情報および、積載用紙の枚数情報を含む用紙情報も管理している。
【0023】
スキャナー部302は、原稿台(不図示)にセットされた原稿を光学的に読み取って電子データに変換し、更に指定されたファイル形式に変換した画像データを、ネットワーク経由で外部装置に送信したりHDD等の記憶領域(不図示)に記憶したりする。また、コピー機能は、原稿台に置かれた原稿をスキャナー部302で読み取ることによって生成した画像データをプリンタ部301へ転送し、プリンタ部301がその画像データに基づいて、記録媒体に画像を記録することで実現される。メモリカード装着部303に装着されたメモリカード304には、各種ファイルデータが記憶される。このファイルデータは、ネットワークを介して外部装置から読み出して編集することができる。また、外部装置からの指示に応じて、メモリカード304にファイルデータを記憶することも可能である。
【0024】
CPU305は、プリンタ103内の各部を制御するための中央演算装置である。プログラムメモリ306は、ROM等で構成され、プログラムメモリ306には、各種のプログラムコード、及び、プリンタ管理システム101と通信するためのアプリケーション314が記憶されている。ワークメモリ307は、RAM等で構成される。ワークメモリ307には、各サービス実行時に画像データ等が一時的に記憶されたり、ワークメモリ307を用いてバッファリングが行われたりする。表示部308は、例えばLCDで構成され、各種の情報が表示される。操作部309は、ユーザが各種の入力操作を行うためのスイッチ等から成る。ネットワーク通信部310は、ネットワーク接続部311を介してルーター104と接続する。即ち、ネットワーク通信部310は、ネットワーク接続部311を介してインターネット100等のネットワークに接続して、各種の通信を行う。各種の通信では、HTTPまたはXMPP等を通した制御が行われる。尚、プロトコルはこれらに限られず、他のプロトコルを用いてよい。フラッシュメモリ312は、ネットワーク通信部310が受信した画像データ等を記憶するための不揮発性のメモリである。上述した各部は、バス313で相互に接続され、データを相互に送受信することが可能である。インクタンク部315は、プリンタ部301で用いられるインクを収容するインクタンクを含むインクカートリッジを搭載する。尚、記録材としてトナーを用いる場合には、トナーカートリッジを搭載してもよい。
【0025】
<プリンタWebサービス利用設定画面>
図7は、プリンタ101の表示部308に表示されるWebサービス利用画面701、個人向けWebサービス利用同意画面704、法人向けWebサービス利用同意画面707の一例を示す。
【0026】
図7の(a)のWebサービス利用画面701は、「個人向けWebサービス」の利用を選択するための個人向けWebサービスボタン702と、「法人向けWebサービス」の利用を選択するための法人向けWebサービスボタン703とを含む。
【0027】
例えば、ユーザが業務用に所属企業から手配されたプリンタを利用するケースや、プライベートと業務との両方で所有するプリンタを利用するケースでは法人向けWebサービスボタン703が選択されることになる。
【0028】
ユーザが個人向けWebサービスボタン702を押下すると、プリンタ103は個人向けWebサービス利用同意画面704の画面に遷移する。ユーザが法人向けWebサービスボタン703を押下すると、プリンタ103は法人向けWebサービス利用同意画面707の画面に遷移する。
【0029】
図7の(b)の個人向けWebサービス利用同意画面704は、「同意する」を選択するための同意ボタン705と、「同意しない」を選択するための不同意ボタン706を含む。ユーザが同意ボタン705を押下すると、プリンタ103は、プリンタ情報送信設定が有効状態となる。プリンタ情報送信設定は、プリンタ101からネットワークを介して外部サービスサーバーに、個人向けWebサービスの利用のために必要な情報を送信する際に有効化される設定である。
【0030】
送信される情報としては、プリンタ103のステータス情報(例えば、エラーなどの稼働情報、インク残量を示す情報や印刷枚数といった記録材に関する情報、など)、印刷の実行に必要な印刷情報、利用者個人を特定可能な個人情報などが含まれる。プリンタ情報送信設定には送信タイミングに関する設定も含まれ、該設定に従い、定期的、または、所定の条件の成立に応じて、自動で情報送信が実行される。
【0031】
図7の(c)の法人向けWebサービス利用同意画面707は、「同意する」を選択するための同意ボタン708と、「同意しない」を選択するための不同意ボタン709を含む。ユーザが同意ボタン708を押下すると、プリンタ103は、定期的、または、所定の条件の成立に応じて、プリンタ103の識別情報(シリアル番号など)をプリンタ管理サーバ101に自動送信する。この送信の結果、プリンタ103は、送信先から法人向けWebサービスの登録情報を取得することができる。
【0032】
また、同意ボタン708が選択された場合、法人サービス向け情報送信設定が有効状態となる。法人サービス向け情報送信設定は、ネットワークを介して外部の法人向けサービスサーバーに情報送信する際に有効化される設定である。
【0033】
送信される情報としては、利用者個人を特定するような個人情報を除いた、法人向けWebサービスの利用するために必要なプリンタ103のステータス情報(例えば、エラーなどの稼働情報、インク残量を示す情報や印刷枚数といった記録材に関する情報、など)、印刷の実行に必要な印刷情報などが含まれる。法人サービス向け情報送信設定には送信タイミングに関する設定も含まれ、該設定に従い、定期的、または、所定の条件の成立に応じて、自動で情報送信が実行される。
【0034】
<個人向け利用を含むWebサービスの登録からプリンタ情報送信開始までの処理>
図4は、個人向け利用を含むWebサービスの登録からプリンタ情報送信開始までの一連の処理の例を示すシーケンス図である。
【0035】
ここで、一連の処理は、プリンタ管理サーバ101、サービスプロバイダサーバ102、プリンタ103のそれぞれのCPUにより実行されうる。即ち、一連の処理は、各CPUが、記憶装置に記憶されているプログラムコードをRAM上に展開して実行することにより行われうる。或いは、図4に示されたステップの一部または全部の機能は、ASIC等の電子回路あるいはハードウェアにより実現されてもよい。
【0036】
S401では、サービスプロバイダ102は、ユーザからサービス利用登録を受けると、プリンタ管理サーバ101に登録されたWebサービス名と、プリンタ103の識別情報(例えばシリアルナンバー)、と設置場所情報を含むサービス登録通知を行う。なお、尚、ここではプリンタを特定する識別情報としてシリアルナンバーを例に挙げたがMACアドレスなどの他の情報を用いてもよい。
【0037】
S402では、プリンタ管理サーバ101は、S401で受信したプリンタ103の識別情報と、登録されたWebサービス名と、設置場所情報とを関連付けて、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されているプリンタ管理テーブル602に登録する。
【0038】
ここで、図6は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されるサービステーブル601およびプリンタ管理テーブル602の一例を示す図である。
【0039】
プリンタ管理サーバ101は、図6(a)のサービステーブル601において、事前にウェブサービス名と、各サービスが、個人向け利用、法人向け利用、もしくは個人と法人両方の利用を備えるものかを示す種類情報とを関連付けて登録、管理している。
【0040】
プリンタ管理サーバ101は、サービスプロバイダサーバ102からサービス登録通知を受信すると、プリンタ103の識別情報とWebサービス名、設置場所情報、とを関連付けて、図6(b)のプリンタ管理テーブル602に登録する。
【0041】
図4のシーケンスに戻り、S403では、プリンタ103は、表示部308にWebサービス利用開始画面701を表示し、法人向けWebサービスボタン703が押下されたことを検知する。
【0042】
S404では、プリンタ103は、表示部308に法人向けWebサービス利用同意画面707を表示し、同意ボタン708が押下されたかを判定する。同意ボタン708が選択されたと判定された場合、本ステップの判定結果が真となり、前述した通り法人サービス向け情報送信設定が有効状態となる。そして、本ステップの判定結果が真の場合にはS405に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0043】
S405では、プリンタ103は、プリンタ管理サーバ101にプリンタ103の識別情報を含むサービス確認のための要求を送信する。
【0044】
S406では、プリンタ管理サーバ101は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されているプリンタ管理テーブル602から、S405で受信したプリンタ103の識別情報をもとに、登録中のサービス名を確認する。さらに、プリンタ管理サーバ101は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されているサービステーブル601から登録中のWebサービスが個人向け利用を含むWebサービスかどうかを確認する。
【0045】
S407では、プリンタ管理サーバ101は、サービス情報をプリンタ103に通知する。この通知として、プリンタ103には、プリンタ103が登録されているサービス名、サービスの種類、個人向けWebサービス利用同意取得要否情報を含むサービス情報が返却される。個人向けWebサービス利用同意取得要否情報とは、S406で確認したサービスの種類が個人向け利用を含むサービスの場合に「要」とし、それ以外は「否」を示す情報である。
【0046】
S408では、プリンタ103は、個人向けWebサービス利用同意の取得が「要」かどうかを判定する。本ステップの判定結果が真の場合にはS409に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0047】
S409では、プリンタ103は、プリンタ情報送信設定が無効かを判定する。本ステップの判定結果が真の場合にはS410に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0048】
S410では、プリンタ103は、個人向けWebサービス利用同意が必要状態であることを示すデータを、プリンタ103のフラッシュメモリ312に記憶する。その後、処理を終了する。
【0049】
図5は、プリンタ103がプリンタ情報送信設定を有効にするまでの処理の流れを示すフローチャートである。図5のフローチャートで示される一連の処理は、プリンタ103のCPU305が、ディスク装置等に記憶されているプログラムコードをRAMに展開し実行することにより行われる。尚、図5のフローチャートで示される一連の処理が開始される前、プリンタ103は電源オフの状態にあるものとする。
【0050】
プリンタ103の電源ボタンの押下を検出した場合に本フローが開始する。S501では、CPU305は、プリンタ103を、電源オフの状態から電源オンの状態にする。
【0051】
S502では、CPU305は、プリンタ103が、個人向けWebサービス利用同意が必要状態かどうかを判定する。ここでは、前述のS410で、フラッシュメモリ312に、個人向けWebサービス利用同意が必要状態であることを示すデータが記憶されている場合に、判定結果が真となる。本ステップの判定結果が真の場合、S503に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0052】
S503では、CPU305は、プリンタ103の表示部308に個人向けWebサービス利用同意画面704を提供する。ここでは、プリンタ103の表示部308に対して画面提供して表示を行っているが、プリンタ103の利用者の携帯端末などに対して画面提供することも可能である。S504では、CPU305は、個人向けWebサービス利用同意画面704で同意ボタン705が押下されたかを判定する。本ステップの判定結果が真の場合にはS505に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0053】
S505では、CPU305は、プリンタ情報送信設定を有効化する。プリンタ情報送信設定が有効の間、プリンタ103は、所定の条件を満たす、または定期的に、プリンタ103の利用情報を、ネットワークを介して契約サービスに対応するサービスプロバイダーサーバに送信する。ここで、所定の条件を満たす場合とは、電源を入れたタイミングと、印刷またはコピーを行ったタイミング、プリンタ103の画面でユーザが所定操作したタイミングなどの条件を満たすタイミングである。
【0054】
<本実施形態の効果等>
本実施形態によれば、サービスプロバイダー側に事前登録(契約)されたサービスが、法人利用と個人利用可能なサービスであった場合、プリンタ103が法人向け利用に同意済みでも、個人向け利用の同意を行うまでプリンタ103の利用情報の送信を停止させることができる。
【0055】
<応用例>
前述では、プリンタ103が、個人向けWebサービス利用同意が必要な状態を記憶しておき、次回プリンタ103の電源を入れたタイミングで、個人向けWebサービス利用画面を表示していた。本実施形態は、このような形態に限定されない。
【0056】
具体的には、プリンタ管理サーバ101から個人向けWebサービス利用同意「要」の情報を受信したタイミング(S409の判定結果が真の場合)に、個人向けWebサービス利用同意画面704を表示してもよい。
【0057】
また、前述の例では、S405でプリンタ103の識別情報を送信したが、プリンタ103のプリンタ情報設定が無効であることも含めて送信してもよい。
【0058】
また、前述の例では、プリンタ管理サーバ101は、登録されているサービスのサービス種類に個人利用が含まれるか否かで、個人向けWebサービス利用同意取得要否を判定したが、プリンタ103の設置場所情報をもとに判定してもよい。
【0059】
<実施形態2>
実施形態2では、プリンタ103が既に法人向けWebサービス登録中に、新たに個人向けWebサービスの登録が行われた際の形態について説明する。尚、本実施形態では、第1の実施形態と共通する内容の説明は適宜省略し、第1の実施形態と異なる点について主に説明する。
【0060】
図8は、法人向けWebサービス利用中のプリンタ103に、新たに個人向けWebサービスを登録した際の一連の処理を、実施形態1の図4と同様に示す。該一連の処理は、図4同様、プリンタ管理サーバ101、サービスプロバイダサーバ102、プリンタ103のそれぞれのCPUにより実行されうる。
【0061】
S801からS802については、図4のS401からS402の内容同様である。
【0062】
S803では、プリンタ103は、プリンタ管理サーバ101にプリンタ103の識別情報を含むサービス確認を行う。なお、本実施形態では、サービス確認は、定期的または電源ON時などの所定条件に従い、行われるものとする。
【0063】
S804では、プリンタ管理サーバ101は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されているプリンタ管理テーブル901から、S803で受信したプリンタ103の識別情報をもとに、登録中のサービス名を全て確認する。プリンタ管理サーバ101は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されているサービステーブル601から、登録中のサービスの種類が個人向け利用を含むWebサービスかどうかを全ての登録中のサービスで確認する。
【0064】
ここで、図9は、プリンタ管理サーバ101のデータベース209に記憶されるプリンタ管理テーブル901の一例を示す図である。プリンタ管理テーブル901は、プリンタ103が、複数のWebサービスに登録中であることを示す。
【0065】
S805では、プリンタ管理サーバ101は、プリンタ103が登録されているサービス毎のサービス名、サービスの種類、個人向けWebサービス利用同意取得要否情報を含むサービス情報をプリンタ103に通知する。ここでは、プリンタ管理サーバ101は、複数のサービスの情報があれば、それらすべての情報が返却する。
【0066】
S806では、プリンタ103は、受信したサービス毎のサービス情報の中の個人向けWebサービス利用同意取得「要」のものが一つでもあるかを判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S807に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0067】
S807では、プリンタ103は、プリンタ103の情報送信設定が無効であるかを判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S808に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、処理を終了する。
【0068】
S808では、プリンタ103は、表示部308にWebサービス利用警告画面1001を表示する。図10は、プリンタ101の表示部308に表示されるWebサービス警告画面1001の一例を示す。Webサービス警告画面1001には、契約/登録サービスの追加により個人向けサービス利用に同意が必要である旨が表示されている。
【0069】
S809では、プリンタ103は、S808で表示したWebサービス警告画面1001が閉じられたことを検知すると、プリンタ103の表示部308に個人向けWebサービス利用同意画面704を表示する。
【0070】
S810では、プリンタ103は、個人向けWebサービス利用同意画面704の、同意ボタン705が押下されたかを判定する。本ステップの判定結果が真の場合、S811に進む。一方、本ステップの判定結果が偽の場合、S812に進む。
【0071】
S811では、プリンタ103は、プリンタ情報送信設定を有効にする。
【0072】
S812では、プリンタ103は、ステータス情報(例えば印刷枚数、インク残量などを示す情報)、印刷の実行に必要な印刷情報などを含む全てのプリンタ情報のプリンタ管理サーバ101への送信を停止する。
【0073】
<実施形態2の効果>
本実施形態によれば、プリンタ103が既に法人向けWebサービス登録中に、新たに個人向けWebサービスの登録が行われた際に、個人向けWebサービス利用同意が必要であることを示す警告をプリンタ103に表示することが可能となる。
【0074】
(他の実施例)
本発明は、上述した実施形態を適宜組み合わせることにより構成された装置あるいはシステムやその方法も含まれるものとする。
【0075】
ここで、本発明は、上述した実施形態の機能を実現する1以上のソフトウェア(プログラム)を実行する主体となる装置あるいはシステムである。また、その装置あるいはシステムで実行される上述した実施形態を実現するための方法も本発明の一つである。また、そのプログラムは、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給され、そのシステム或いは装置の1以上のコンピュータ(CPUやMPU等)によりそのプログラムが1以上のメモリーに読み出され、実行される。つまり、本発明の一つとして、さらにそのプログラム自体、あるいは該プログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な各種記憶媒体も含むものとする。また、上述した実施形態の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても、本発明は実現可能である。
【符号の説明】
【0076】
101 プリンタ管理サーバ
103 プリンタ
305 CPU
図1
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図8
図9
図10