(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001444
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】カード発行装置
(51)【国際特許分類】
G06K 13/10 20060101AFI20241225BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
G06K13/10
G06K7/10 412
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023101039
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】北澤 康博
【テーマコード(参考)】
5B023
【Fターム(参考)】
5B023EA04
5B023HA01
(57)【要約】
【課題】コードが記されたカードを短時間で発行することが可能なカード発行装置を提供すること。
【解決手段】カード発行装置1は、一方側の第1面2aにコード2bが記されたカード2を発行する。カード発行装置1は、カード搬送路50に沿ってカード2を搬送するカード搬送機構5と、カード搬送路50上の読取位置Rにおいてコード2bを読み取る光学センサ6を備える読取機構9と、第1面2a上に記されたコード2bの記載位置Wであるカード情報を記憶する記憶部81と、カード情報に基づいて読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するようにカード搬送機構5を制御するとともに、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するとコード2bを読み取るように光学センサ6を制御することによりカードを発行する制御部82と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方側の第1面にコードが記されたカードを発行するカード発行装置において、
カード搬送路に沿って前記カードを搬送するカード搬送機構と、
前記カード搬送路上の読取位置において前記コードを読み取る光学センサを備える読取機構と、
前記第1面上に記された前記コードの記載位置であるカード情報を記憶する記憶部と、
前記カード情報に基づいて前記読取位置に前記コードの前記記載位置が位置するように前記カード搬送機構を制御するとともに、前記読取位置に前記コードの前記記載位置が位置すると前記コードを読み取るように前記光学センサを制御することにより前記カードを発行する制御部と、を有することを特徴とするカード発行装置。
【請求項2】
前記読取機構は、前記カードに対する前記光学センサの読み取り角度を調整する角度調整機構を備え、
前記制御部は、前記カードを発行する際に、前記カード情報に基づいて、前記読み取り角度が所定の角度となるように前記角度調整機構を制御することを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記カード情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、
前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記角度調整機構を制御して前記光学センサの読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、前記光学センサを制御して前記読取位置に位置する前記第1面を読み取らせ、読み取った前記第1面から前記記載位置を把握して、把握した前記記載位置を前記カード情報として前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項2に記載のカード発行装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記カード情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、
前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記カード搬送機構を制御して前記カードの前端から後端まで前記読取位置を通過させながら、前記光学センサを制御して前記読取位置に位置する前記第1面を読み取らせ、読み取った前記第1面から前記記載位置を把握して、把握した前記記載位置を前記カード情報として前記記憶部に記憶することを特徴とする請求項1に記載のカード発行装置。
【請求項5】
複数枚の前記カードを収容するカード収容部と、
前記カード収容部から前記カード搬送機構に前記カードを送り出すカード送出機構と、を有することを特徴とする請求項3または4に記載のカード発行装置。
【請求項6】
前記カード収容部は、前記カードとして第1カードが収容された第1カード収容部と、前記カードとして第2カードが収容された第2カード収容部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記第1カードの前記カード情報および前記第2カードの前記カード情報を、それぞれ、前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記第1カード収容部から前記第1カードを発行する際に、前記第1カードの前記カード情報に基づいて、前記第1カードを発行し、前記第2カード収容部から前記第2カードを発行する際に、前記第2カードの前記カード情報に基づいて、前記第2カードを発行することを特徴とする請求項5に記載のカード発行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バーコードなどのコードが記されたカードを発行するカード発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気情報が記録されたカードを発行するカード発行装置は特許文献1に記載されている。同文献のカード発行装置は、カードを収容する複数のカードカセットを備えるカード収容部と、カードに対して磁気情報の読み書き処理を行うカード処理部と、各カードカセットから繰り出されたカードをカード処理部に搬送するカード搬送部と、を備える。カード収容部、カード搬送部、およびカード処理部は、複数のカードカセットが配列された配列方向と直交する直交方向において、この順に配列される。
【0003】
カード収容部は、各カードカセットからカード搬送部に向かってカードを一枚ずつ送り出すカード送出機構を備える。カード搬送部は、キャリッジと、キャリッジを配列方向に移動させるカード搬送機構と、を備える。キャリッジには、カードカセットから送り出されたカードを取り込んでキャリッジに保持するとともに、カードをキャリッジからカード処理部に送り込む搬送部が設けられている。
【0004】
カードを発行する際に、カード発行装置は、まず、カード搬送機構を駆動して、キャリッジを所定のカードカセットに対向する位置に配置する。また、カード発行装置は、カード送出機構を駆動して、所定のカードカセットからカードを直交方向に送り出すとともに、搬送部を駆動してカードカセットから送り出されたカードをキャリッジに取り込む。その後、カード発行装置は、カード搬送機構を駆動して、キャリッジをカード処理部と対向する位置に移動させる。しかる後に、カード発行装置は、駆動部を駆動して、カードをキャリッジからカード処理部に送り込む。カード処理部は、カードに記録された磁気情報をカードリーダによって読み取るとともに、必要な情報をカードに記録する。カード発行装置は、カード処理部からカードを排出(発行)する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
表面にバーコードが印刷されているカードを会員カードなどとして発行する際には、カードの発行時にバーコードを読み取り、読み取ったバーコードの情報と、このカードの所有者となる会員の情報とを紐づける場合がある。
【0007】
特許文献1のカード発行装置にバーコード読み取り機能を付加する場合には、バーコードリーダを備える光学センサをカード搬送部とカード処理部との間に設置することが考えられる。カード発行装置は、カードのカード搬送路上の所定の読取位置において、光学センサにより、カードのバーコードを読み取る。
【0008】
ここで、表面に記されたバーコードの位置は、取り扱うカードによって異なる。このため、カード発行装置は、カードの前端から後端まで読取位置を通過させるとともに、光学センサにより、表面の全て読み取り処理する必要がある。
【0009】
しかしながら、この場合、バーコードが読取位置に達していなくとも、光学センサが表面の読み取り処理をする必要があるので、光学センサの読み取り処理の時間が、必要以上に長くなる。同様に、バーコードが既に読取位置を通過していたとしても、光学センサが表面の読み取り処理を続ける必要があるので、光学センサの読み取り処理の時間が必要以上に長くなる。この結果、カード発行装置は、カードを発行するまでに時間がかかるという問題がある。
【0010】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、コードが記されたカードを短時間で発行することが可能なカード発行装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のカード発行装置は、一方側の第1面にコードが記されたカードを発行するカード発行装置において、カード搬送路に沿って前記カードを搬送するカード搬送機構と、前記カード搬送路上の読取位置において前記コードを読み取る光学センサを備える読取機構と、前記第1面上に記された前記コードの記載位置であるカード情報を記憶する記憶部と、前記カード情報に基づいて前記読取位置に前記コードの前記記載位置が位置するように前記カード搬送機構を制御するとともに、前記読取位置に前記コードの前記記載位置が位置すると前記コードを読み取るように前記光学センサを制御することにより前記カードを発行する制御部と、を有することを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、制御部は、記憶部に記憶されたカード情報に基づいて、カード搬送機構および光学センサを制御するので、光学センサによってカードのコードを読み取る時間が必要以上に長くならない。この結果、カード発行装置は、カードの発行時間を短縮することができる。
【0013】
本態様において、前記読取機構は、前記カードに対する前記光学センサの読み取り角度を調整する角度調整機構を備え、前記制御部は、前記カードを発行する際に、前記カード情報に基づいて、前記読み取り角度が所定の角度となるように前記角度調整機構を制御することが好ましい。このようにすれば、制御部は、記憶部に記憶されたカード情報に基づいて、読み取り角度を最適にすることができる。
【0014】
本態様において、前記制御部は、前記カード情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記角度調整機構を制御して前記光学センサの読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、前記光学センサを制御して前記読取位置に位置する前記第1面を読み取らせ、読み取った前記第1面から前記記載位置を把握して、把握した前記記載位置を前記カード情報として前記記憶部に記憶することが好ましい。このようにすれば、カード発行装置は、予めカード情報が記憶部に記憶されていなくても、コードの記載位置が異なる様々なカードのカード情報を記憶部に記憶させることができる。
【0015】
本態様において、前記制御部は、前記カード情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記カード搬送機構を制御して前記カードの前端から後端まで前記読取位置を通過させながら、前記光学センサを制御して前記読取位置に位置する前記第1面を読み取らせ、読み取った前記第1面から前記記載位置を把握して、把握した前記記載位置を前記カード情報として前記記憶部に記憶することが好ましい。このようにすれば、カード発行装置は、予めカード情報が記憶部に記憶されていなくても、コードの記載位置が異なる様々なカードのカード情報を記憶部に記憶させることができる。
【0016】
本態様において、複数枚の前記カードを収容するカード収容部と、前記カード収容部か
ら前記カード搬送機構に前記カードを送り出すカード送出機構と、を有することができる。
【0017】
本態様において、前記カード収容部は、前記カードとして第1カードが収容された第1カード収容部と、前記カードとして第2カードが収容された第2カード収容部と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記第1カードの前記カード情報および前記第2カードの前記カード情報を、それぞれ、前記記憶部に記憶し、前記制御部は、前記第1カード収容部から前記第1カードを発行する際に、前記第1カードの前記カード情報に基づいて、前記第1カードを発行し、前記第2カード収容部から前記第2カードを発行する際に、前記第2カードの前記カード情報に基づいて、前記第2カードを発行することができる。このようにすれば、カード発行装置は、コードの記載位置が異なるカードを、それぞれ発行する際に、それぞれのカード情報に基づいてカードを発行することができるので、発行するカードに対応したカードの発行時間にすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本態様によれば、制御部は、記憶部に記憶されたカード情報に基づいて、カード搬送機構および光学センサを制御することができる。これにより、光学センサによってカードのコードを読み取る時間が必要以上に長くならないので、カード発行装置は、カードの発行時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態1のカード発行装置を上方から見た外観斜視図である。
【
図2】実施形態1のカード発行装置を下方から見た外観斜視図である。
【
図3】実施形態1のカード発行装置の断面斜視図である。
【
図4】実施形態1のカード発行装置の断面図である。
【
図6】カード収容部とカード送出機構との平面図である。
【
図7】光学センサおよび回転機構を一方側から見た斜視図である。
【
図8】実施形態2のカード発行装置を上方から見た外観斜視図である。
【
図9】実施形態2のカード発行装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して、本発明のカード発行装置の実施形態を説明する。以下の説明において、互いに直交する3方向をX方向、Y方向、Z方向とする。また、X方向の一方側をX1方向、他方側をX2方向とする。Y方向の一方側をY1方向、他方側をY2方向とする。Z方向の一方側をZ1方向とし、他方側をZ2方向とする。X方向は、カード発行装置の前後方向である。X1方向は、前方であり、X2方向は後方である。Y方向はカード発行装置の幅方向である。Y1方向は、幅方向に一方側である。Y2方向は、幅方向の他方側である。Z方向は、カード発行装置の上下方向である。Z1方向は下方であり、Z2方向は上方である。
【0021】
(実施形態1)
(全体構成)
図1は、実施形態1のカード発行装置1を上方から見た外観斜視図である。
図2は、実施形態1のカード発行装置1を下方から見た外観斜視図である。
図3は、実施形態1のカード発行装置1の断面斜視図である。
図4は、実施形態1のカード発行装置1の断面図である。
図5は、カード2の概略図である。
【0022】
図1および
図2に示すカード発行装置1は、不図示の上位機器と通信可能に接続されて
使用される。カード発行装置1は、上位機器からのカード発行指令に基づいて、カード2を会員カードとして発行する。
図5の(a)~(e)に示すように、カード2は、一方側の第1面2aにコード2bが記されている。コード2bは、1次元コード2cであるバーコードや、2次元コード2dであるQRコード(登録商標)である。使用するカード2によっては、第1面2a上に記載されたコード2bの記載位置Wは異なっている。また、使用するカード2によっては、1次元コードおよび2次元コードが記されたカード2もある。
【0023】
図1~
図4に示すように、カード発行装置1は、発行前の複数のカード2を収容するカード収容部3と、カード収容部3からカード2を送り出すカード送出機構4と、カード送出機構4から送り出されたカード2をカード排出口10に向けて搬送するカード搬送機構5と、読取機構9と、を有する。読取機構9は、カード搬送路50の読取位置Rにおいてカード2の第1面2aに記されたコード2bを読み取る光学センサ6と、カード2に対する光学センサ6の読み取り角度を調整する角度調整機構7と、を備える。
【0024】
図1に示すように、カード発行装置1は、記憶部81と、制御部82と、を備える。記憶部81は、メモリなどを備える。記憶部81は、第1面2a上に記されたコード2bの記載位置Wであるカード情報を記憶する。制御部82は、プロセッサ、メモリなどを備える。制御部82は、カード送出機構4、カード搬送機構5、光学センサ6および角度調整機構7を制御する。記憶部81および制御部82は、基板8に設けられている。基板8は、カード搬送機構5のY1方向に配置されている。
【0025】
(カード収容部)
図1および
図2に示すように、カード収容部3は、カードスタック部31を備える。カードスタック部31は、直方体状にZ方向に延在し、Y1方向の一部が開口している。カードスタック部31の内部には、複数枚のカード2が収容されている。カード2は、カードスタック部31のZ2方向から収容される。収容されるカード2は、コード2bの記載位置Wが全て同一のカード2が、カードスタック部31に収容される。本形態では、本形態では、カード2は、第1面2aがZ1方向を向いた状態で、カードスタック部31に収容される。
【0026】
(カード送出機構)
図6は、カード収容部3とカード送出機構4との平面図である。
図4に示すように、カード送出機構4は、カード収容部3のZ1方向に設けられている。カード送出機構4は、ベース部材20のX2方向の側に取り付けられている。カード送出機構4は、カードスタック部31に積層されたカード2のうち最も下のカード2をX1方向へ排出する。
図6に示すように、カード送出機構4は、カードスタック部31の底面に設けられたX方向に延びるスリット41と、スリット41に配置されるカード排出爪42を備える。カード排出爪42は、カードスタック部31に積層されたカード2のうちで一番下に位置するカード2の縁にX2方向から係合する。
【0027】
図4に示すように、カード送出機構4は、カード排出爪42をX方向に移動させるチェーン駆動機構43と、チェーン駆動機構43を駆動するモータ44を備える。
図2に示すように、モータ44の駆動力は、ベルト45を介して、チェーン駆動機構43の駆動プーリ46に伝達される。駆動プーリ46が回転すると、駆動プーリ46に噛み合ったチェーン47が駆動する。カード排出爪42は、チェーン47に固定される。
【0028】
ここで、カードスタック部31のZ1方向の側には、回収部30が設けられている。カード搬送機構5からX2方向の側に戻されるカード2は、案内部材36によって回収部30に送り込まれる。この案内部材36は、弾性を備えた板部材である。カード送出機構4
がカード2をX1方向に送り出すと、案内部材36は、カード2が当接することによってZ1方向に押し下げられ、カード2は、カード搬送機構5に送り出される。カード2が送り出されると、案内部材36は、Z2方向に戻り、カード搬送機構5からX2方向の側に戻されるカード2を回収部30に案内する状態となる。
【0029】
(カード搬送機構)
図4に示すように、カード搬送機構5は、カード排出口10に接続されたカード搬送路50に沿って、カード2を搬送する。カード排出口10は、カード搬送機構5のX1方向に配置されている。カード搬送路50は、カード送出機構4のX1方向の側からカード排出口10まで、X方向に延びる。カード搬送路50には、光学センサ6がカード2の第1面2aに表示されたコード2bを読み取る読取位置Rが設定されている。
【0030】
カード搬送機構5は、ベース部材20のX1方向の側に取り付けられている。カード搬送機構5は、カード搬送路50に沿って配置された2つの駆動ローラ51と、カード搬送路50に沿って配置された2つの従動ローラ52と、駆動ローラ51を回転させるモータ53とを備える。駆動ローラ51は、カード搬送路50のZ2方向に位置する。従動ローラ52は、カード搬送路50のZ1方向に位置し、駆動ローラ51と対向する。
図2に示すように、駆動ローラ51は、軸を介して駆動プーリ54と連結している。モータ53の駆動力は、ベルト55を介して、駆動プーリ54に伝達される。駆動プーリ54が回転すると、駆動ローラ51は、駆動プーリ54とともに回転する。駆動ローラ51が回転することにより、カード2は、カード搬送路50に沿って移動する。
【0031】
(光学センサ)
図7は、光学センサ6および角度調整機構7を一方側から見た斜視図である。
図7に示す光学センサ6は、例えば、イメージセンサである。
図4に示すように、光学センサ6は、カード搬送路50の読取位置RのZ1方向に位置し、カード2に向けて照明光を照射してコード2bの画像を取得し、画像解析により、これらのコードの情報を取得する。光学センサ6は、カード2から情報を読み取ると、読み取った情報を、上位機器に送信する。
【0032】
図7に示すように、光学センサ6は、読取面60を備える。読取面60は、例えば、レンズやカバーガラスなどである。読取面60の位置は、Z軸方向において、読取位置Rと一致する。光学センサ6には、光学センサ6から引き出されたフレキシブル配線基板61が設けられている。フレキシブル配線基板61は、基板62に電気的に接続されている。基板62は、フレキシブル配線基板などによって、基板8と電気的に接続されている。基板62は、支持部材15に取り付けられている。支持部材15は、ベース部材20に固定されている。支持部材15は、長方形の枠形状を形成する第1壁部16、第2壁部17、第3壁部18および第4壁部19を備える。第1壁部16は、Y1方向に位置し、第2壁部17と対向する。第1壁部16および第2壁部17は、ベース部材20に固定されており、ベース部材20からZ2方向に延在する。第3壁部18は、第2壁部17のX1方向の端部からY1方向に屈曲し、第1壁部16のX1方向の端部からY2方向に屈曲した部分とネジにより連結する。第4壁部19は、第2壁部17のX2方向の端部からY1方向に屈曲し、第1壁部16のX2方向の端部からY2方向に屈曲した部分とネジにより連結する。基板62は、第2壁部17のY2方向の側の面に取り付けられている。
【0033】
(角度調整機構)
角度調整機構7は、光学センサ6の読取面60がZ2方向を向く位置と読取面60がZ1方向を向く位置との間で、光学センサ6を回転させることが可能である。すなわち、角度調整機構7は、光学センサを180°回転させることが可能である。光学センサ6がカード2から情報を読み取る際には、角度調整機構7は、光学センサ6の読取面60がZ2方向を向く位置にする。
図7に示すように、角度調整機構7は、支持部材15に固定され
ている。角度調整機構7は、光学センサ6を保持するホルダ71と、回転軸Lを中心にホルダ71を回転させる駆動部72とを備える。
【0034】
図7に示すように、ホルダ71は、第1板部73と、第1板部73のX1方向の端部から径方向に屈曲する第2板部74と、第1板部73のX2方向の端部から径方向に屈曲する第3板部75と、第1板部73と対向する第4板部76とを備える。ホルダ71は、第2板部74が軸部材13によって第3壁部18に支持され、第3板部75が出力ギヤ782の軸部にネジによって連結された状態で回転軸Lを中心に回転する。第2板部74および第3板部75は、第4板部76より径方向外側に突出する突出部70を備える。光学センサ6は、第1板部73にネジによって固定されている。
【0035】
図7に示すように、駆動部72は、モータ77と、モータ77の駆動力をホルダ71に伝達するギヤ列78とを備える。モータ77は、DCモータでありエンコーダ79を備える。モータ77は、ネジによって、第4壁部19に固定されている。ギヤ列78は、モータ77の出力軸に固定されたピニオン781と、ピニオン781と噛み合った出力ギヤ782とを備える。出力ギヤ782の軸部のX1方向の側は、ネジによって、ホルダ71に連結する。出力ギヤ782の軸部のX2方向の側が第4壁部19に回転可能に支持されている。
【0036】
ここで、支持部材15には、光学センサ6がZ2方向を向く位置およびZ1方向を向く位置に位置することを検知する位置検知センサ11が設けられている。本形態では、位置検知センサ11は、透過型フォトセンサである。位置検知センサ11は、フレキシブル配線基板などにより、基板8に電気的に接続されている。位置検知センサ11は、第1壁部16のY2方向の側の面に設けられた位置検知センサ11Aと、第2壁部17のY1方向の側の面に設けられた位置検知センサ11Bとを備える。光学センサ6がZ2方向を向く位置において第3板部75の突出部70が位置検知センサ11Aの光を遮ることにより、位置検知センサ11Aは、光学センサ6がZ2方向を向く位置に位置することを検知する。光学センサ6がZ1方向を向く位置において第3板部75の突出部70が位置検知センサ11Bの光を遮ることにより、位置検知センサ11Bは、光学センサ6がZ1方向を向く位置に位置することを検知する。
【0037】
また、支持部材15には、規制部材14が設けられている。規制部材14は、ホルダ71よりZ2方向に位置するとともに、第3壁部18のX2方向の側の面に固定されている。規制部材14は、第2板部74の突出部70が当接することにより、ホルダ71の回転範囲を規制する。
【0038】
(カード装置の動作)
次にカード発行装置1の動作について説明する。カード発行装置は、上位機器からの動作指令により、動作する。動作指令は、制御部82に入力される。
【0039】
まず、カード2のカード情報を記憶部81に記憶させる動作について説明する。カード収容部3に新しくカード2を収容した際や、カード発行装置1でカード2を発行させる際に、上記機器から動作指令により、制御部82は、カード情報を記憶部81に記憶させることが可能である。
【0040】
カード2のカード情報を記憶部81に記憶させる動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、カード送出機構4を駆動して、カードスタック部31からカード2をカード搬送機構5に送り出す。
【0041】
カード2がカード搬送機構5に送り出されると、制御部82は、カード2の前端が読取
位置Rまで位置するように、カード搬送機構5を制御する。次に、制御部82は、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせる。なお、所定の角度範囲は、光学センサ6の読み取り方向であるZ方向に対して約±10°である。光学センサ6が読取位置Rに位置する第1面2aを読み取ると、制御部82は、カード2を僅かに搬送するように、カード搬送機構5を制御した後、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせる。制御部82は、カード2の後端が読取位置Rを通過するまで、カード搬送機構5、光学センサ6および角度調整機構7を制御する。
【0042】
制御部82は、カード2の後端が読取位置Rを通過すると、光学センサ6および角度調整機構7の制御を中止するとともに、読み取った第1面2aからコード2bの記載位置Wを把握して、把握したコード2bの記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶する。なお、読取位置Rを通過したカード2は、カード排出口10から排出される。
【0043】
次に、カード2の発行動作について説明する。カード2を発行する動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、カード送出機構4を駆動して、カードスタック部31からカード2をカード搬送機構5に送り出す。
【0044】
カード2がカード搬送機構5に送り出されると、制御部82は、記憶部81に記憶されたカード情報に基づいて、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するように、カード搬送機構5を制御する。
【0045】
また、制御部82は、記憶部81に記憶されたカード情報に基づいて、読み取り角度が所定の角度となるように角度調整機構7を制御する。ここで、所定の角度は、光学センサ6がコード2bを読み取るための最適な角度であり、コード2bの記載位置Wに応じて異なる。これにより、光学センサ6の読み取る角度が、コード2bを読み取るために最適な角度に調整される。
【0046】
次に、制御部82は、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するとコード2bを読み取るように光学センサ6を制御する。このとき、制御部82は、カード2を僅かずつ搬送するようにカード搬送機構5を制御しつつ、読取位置Rに位置するコード2bを読み取るように光学センサ6を制御する。制御部82は、コード2bの記載位置Wが読取位置Rを通過すると、光学センサ6の読み取り制御を停止するとともに、カード搬送機構5を制御して、カード2をカード排出口10から発行する。
【0047】
(作用効果)
カード発行装置1は、一方側の第1面2aにコード2bが記されたカード2を発行する。カード発行装置1は、カード搬送路50に沿ってカード2を搬送するカード搬送機構5と、カード搬送路50上の読取位置Rにおいてコード2bを読み取る光学センサ6を備える読取機構9と、第1面2a上に記されたコード2bの記載位置Wであるカード情報を記憶する記憶部81と、カード情報に基づいて読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するようにカード搬送機構5を制御するとともに、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するとコード2bを読み取るように光学センサ6を制御することによりカードを発行する制御部82と、を有する。
【0048】
本形態によれば、制御部82は、記憶部81に記憶されたカード情報に基づいて、カード搬送機構5および光学センサ6を制御するので、光学センサ6によってカード2のコード2bを読み取る時間が必要以上に長くならない。この結果、カード発行装置1は、カード2の発行時間を短縮することができる。
【0049】
本形態において、読取機構9は、カード2に対する光学センサ6の読み取り角度を調整する角度調整機構7を備える。制御部82は、カード2を発行する際に、カード情報に基づいて、読み取り角度が所定の角度となるように角度調整機構7を制御する。これにより、制御部82は、記憶部81に記憶されたカード情報に基づいて、読み取り角度を最適にすることができる。
【0050】
本形態において、制御部82は、カード情報を記憶部81に記憶させることが可能である。制御部82は、記憶部81にカード情報を記憶させる際に、カード搬送機構5を制御してカード2の前端から後端まで読取位置Rを通過させるとともに、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせ、読み取った第1面2aから記載位置Wを把握して、把握した記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶する。これにより、カード発行装置1は、予めカード情報が記憶部81に記憶されていなくても、コード2bの記載位置Wが異なる様々なカード2のカード情報を記憶部81に記憶させることができる。また、制御部82は、カード搬送機構5および角度調整機構7を制御しながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせるので、読み取った第1面2aから記載位置Wを正確に把握することができる。
【0051】
(実施形態2)
次に、実施形態2のカード発行装置1Aについて説明する。実施形態2のカード発行装置1Aは、カード収容部3が複数設けられている点が、実施形態1のカード発行装置1と相違する。よって、実施形態2では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
図8は、実勢形態2のカード発行装置1Aの外観斜視図である。
図9は、実施形態2のカード発行装置1Aの断面図である。
【0052】
図8および
図9に示すように、カード発行装置1Aは、複数設けられたカード収容部3と、カード収容部3からカード2を送り出すカード送出機構4と、キャリッジ機構91と、カード搬送機構5と、読取機構9と、を有する。読取機構9は、キャリッジ機構91のY2方向の端部に取り付けられたフレーム26に固定されている。読取機構9は、カード搬送路50の読取位置Rにおいてカード2の第1面2aに記されたコード2bを読み取る光学センサ6と、カード2に対する光学センサ6の読み取り角度を調整する角度調整機構7と、を備える。
【0053】
カード発行装置1Aは、記憶部81と、制御部82と、を備える。制御部82は、カード送出機構4、カード搬送機構5、キャリッジ機構91、光学センサ6および角度調整機構7を制御する。記憶部81および制御部82は、基板8に設けられている。基板8は、Y1方向のカード送出機構4の下に配置されている。
【0054】
(カード収容部)
図8および
図9に示すように、カード収容部3は、複数設けられている。カード収容部3は、第1カード収容部3A、第2カード収容部3B、および第3カード収容部3Cを備える。第1カード収容部3A、第2カード収容部3B、および第3カード収容部3Cは、Y1方向に向かって、この順で配列されている。第1カード収容部3A、第2カード収容部3B、および第3カード収容部3Cは、それぞれ、X方向に配列された2つのカードスタック部31を備える。本形態では、第1カード収容部3Aは、カード2として第1カード21を収容し、第2カード収容部3Bは、カード2として第2カード22を収容し、第3カード収容部3Cは、カード2として第3カード23を収容する。第1カード21、第2カード22および第3カード23は、コード2bの記載位置Wが、それぞれ異なる。よって、カード発行装置1Aは、コード2bの記載位置Wが異なる3種類のカード2を発行
することが可能である。
【0055】
(カード送出機構)
図8に示すように、カード送出機構4は、第1カード送出機構4A、第2カード送出機構4Bおよび第3カード送出機構4Cを備える。第1カード送出機構4A、第2カード送出機構4Bおよび第3カード送出機構4Cは、Y1方向に向かって、この順で配列されている。第1カード送出機構4A、第2カード送出機構4Bおよび第3カード送出機構4Cは、それぞれ、2つ設けられている。
【0056】
図9に示すように、モータ49の駆動力は、伝達ギヤ48を介して、チェーン駆動機構43の駆動プーリ46に伝達される。駆動プーリ46が回転すると、駆動プーリ46に噛み合ったチェーン47が駆動する。カード排出爪42は、チェーン47に固定される。
【0057】
(キャリッジ機構)
図8に示すように、キャリッジ機構91は、キャリッジ92と、キャリッジ92をキャリッジ搬送路94に沿って移動させるキャリッジ移動機構93と、を備える。キャリッジ搬送路94は、カード収容部3のX1方向をY方向に延びる。キャリッジ92には、カード搬送機構5が設けられている。
【0058】
キャリッジ搬送路94には、各カード収容部3のX方向の一方側で各カード収容部3から繰り出されるカード2をキャリッジ92に取り込む複数の取込位置Eが設定されている。本形態では、取込位置Eは、各カード収容部3のX1方向にそれぞれ設定されている。よって、取込位置Eは、キャリッジ搬送路94上の3か所に設けられている。
【0059】
キャリッジ移動機構93は、キャリッジ搬送路94に沿ってY方向に平行に延びる2本のガイド軸95と、キャリッジ92をガイド軸95に沿って移動させるベルト機構96を備える。ベルト機構96は、駆動源としてキャリッジモータ97を備える。2本のガイド軸95は、キャリッジ搬送路94のY方向の両端でベース部材20からZ2方向に延びる一対の支持フレーム25に支持される。キャリッジ92は、ベルト機構96のキャリッジベルト98に固定されている。キャリッジ92をキャリッジ搬送路94に沿って移動させる際には、制御部82は、キャリッジモータ97を駆動制御する。
【0060】
(カード搬送機構)
図8および
図9に示すように、カード搬送機構5は、キャリッジ92のフレーム920に設けられている。カード搬送機構5は、カード排出口10に接続されたカード搬送路50に沿って、カード2を搬送する。カード搬送路50は、X方向に延びる。キャリッジ92がY2方向の端部分に位置する際に、カード搬送路50には、光学センサ6がカード2の第1面2aに表示されたコード2bを読み取る読取位置Rが設定されている。
【0061】
カード搬送機構5は、カード搬送路50に沿って配置された2つの駆動ローラ510と、カード搬送路50に沿って配置された2つの従動ローラ520と、駆動ローラ510を回転させるモータ530とを備える。駆動ローラ510は、カード搬送路50のZ1方向に位置する。従動ローラ52は、カード搬送路50のZ2方向に位置し、駆動ローラ51と対向する。モータ530の駆動力は、不図示のギヤ列を介して、駆動ローラ510に伝達される。駆動ローラ51が回転することにより、カード2は、カード搬送路50に沿って移動する。
【0062】
(光学センサ)
図9に示すように、光学センサ6は、キャリッジ搬送路94上のY2方向の端部分のZ2方向に位置に位置する。本形態では、光学センサ6は、Z1方向に位置するカード2に
向けて照明光を照射してコード2bの画像を取得し、画像解析により、これらのコードの情報を取得する。光学センサ6は、カード2から情報を読み取ると、読み取った情報を、上位機器に送信する。
【0063】
(角度調整機構)
角度調整機構7は、光学センサ6の読取面60がZ2方向を向く位置と読取面60がZ1方向を向く位置との間で、光学センサ6を回転させることが可能である。光学センサ6がカード2から情報を読み取る際には、角度調整機構7は、光学センサ6の読取面60がZ1方向を向く位置にする。
図9に示すように、角度調整機構7は、支持部材15に固定されている。角度調整機構7は、光学センサ6を保持するホルダ71と、回転軸Lを中心にホルダ71を回転させる駆動部72とを備える。
【0064】
(カード装置の動作)
次にカード発行装置1Aの動作について説明する。カード発行装置1Aは、上位機器からの動作指令により、動作する。動作指令は、制御部82に入力される。
【0065】
まず、各カード2のカード情報を記憶部81に記憶させる動作について説明する。各カード収容部3に新しくカード2を収容した際や、カード発行装置1Aでカード2を発行させる際に、上記機器から動作指令により、制御部82は、カード情報を記憶部81に記憶させることが可能である。
【0066】
第1カード収容部3Aに収容されている第1カード21のカード情報を記憶部81に記憶させる動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、キャリッジ移動機構93を駆動して、第1カード収容部3AのX1方向に位置する取込位置Eにキャリッジ92を配置する。次に、制御部82は、第1カード送出機構4Aを駆動して、第1カード収容部3Aのカードスタック部31から第1カード21を取込位置Eに送り出す。これと並行して、制御部82は、カード搬送機構5を駆動制御して、繰り出される第1カード21をキャリッジ92に取り込む。
【0067】
第1カード21がカード搬送機構5に送り出されると、制御部82は、第1カード21の前端が読取位置Rまで位置するように、カード搬送機構5を制御する。次に、制御部82は、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせる。なお、所定の角度範囲は、光学センサ6の読み取り方向であるZ方向に対して約±10°である。光学センサ6が読取位置Rに位置する第1面2aを読み取ると、制御部82は、第1カード21を僅かに搬送するように、カード搬送機構5を制御した後、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせる。制御部82は、第1カード21の後端が読取位置Rを通過するまで、カード搬送機構5、光学センサ6および角度調整機構7を制御する。
【0068】
制御部82は、第1カード21の後端が読取位置Rを通過すると、光学センサ6および角度調整機構7の制御を中止するとともに、読み取った第1面2aからコード2bの記載位置Wを把握して、把握したコード2bの記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶する。このとき、記憶されたカード情報は、第1カード収容部3Aの情報と関連付けられて、記憶部81に記憶される。
【0069】
第2カード収容部3Bに収容されている第2カード22のカード情報を記憶部81に記憶させる動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、キャリッジ移動機構93を駆動して、第2カード収容部3BのX1方向に位置する取込位置Eにキャリッジ92を
配置する。次に、制御部82は、第2カード送出機構4Bを駆動して、第2カード収容部3Bのカードスタック部31から第2カード22を取込位置Eに送り出す。これと並行して、制御部82は、カード搬送機構5を駆動制御して、繰り出される第2カード22をキャリッジ92に取り込む。
【0070】
第2カード22がカード搬送機構5に送り出されると、制御部82は、キャリッジ機構91を制御してキャリッジ92をY2方向の端部分に移動する。キャリッジ92がY2方向の端部分に移動すると、制御部82は、第2カード22の前端が読取位置Rまで位置するように、カード搬送機構5を制御する。次に、制御部82は、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせる。光学センサ6が読取位置Rに位置する第1面2aを読み取ると、制御部82は、第2カード22を僅かに搬送するように、カード搬送機構5を制御した後、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせる。制御部82は、第2カード22の後端が読取位置Rを通過するまで、カード搬送機構5、光学センサ6および角度調整機構7を制御する。
【0071】
制御部82は、第2カード22の後端が読取位置Rを通過すると、光学センサ6および角度調整機構7の制御を中止するとともに、読み取った第1面2aからコード2bの記載位置Wを把握して、把握したコード2bの記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶する。このとき、記憶されたカード情報は、第2カード収容部3Bの情報と関連付けられて、記憶部81に記憶される。
【0072】
第3カード収容部3Cに収容されている第3カード23のカード情報を記憶部81に記憶させる動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、第2カード収容部3Bに収容されている第2カード22のカード情報を記憶部81に記憶させる場合と同様の制御を行う。その後、制御部82は、読み取った第1面2aからコード2bの記載位置Wを把握して、把握したコード2bの記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶する。このとき、記憶されたカード情報は、第3カード収容部3Cの情報と関連付けられて、記憶部81に記憶される。
【0073】
次に、各カード2の発行動作について説明する。第1カード収容部3Aに収容されている第1カード21を発行する動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、キャリッジ移動機構93を駆動して、第1カード収容部3AのX1方向に位置する取込位置Eにキャリッジ92を配置する。次に、制御部82は、第1カード送出機構4Aを駆動して、第1カード収容部3Aのカードスタック部31から第1カード21を取込位置Eに送り出す。これと並行して、制御部82は、カード搬送機構5を駆動制御して、繰り出される第1カード21をキャリッジ92に取り込む。
【0074】
第1カード21がカード搬送機構5に送り出されると、制御部82は、記憶部81に記憶された第1カード21のカード情報に基づいて、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するように、カード搬送機構5を制御する。
【0075】
また、制御部82は、記憶部81に記憶された第1カード21のカード情報に基づいて、読み取り角度が所定の角度となるように角度調整機構7を制御する。これにより、光学センサ6の読み取る角度が、コード2bを読み取るために最適な角度に調整される。
【0076】
次に、制御部82は、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するとコード2bを読み取るように光学センサ6を制御する。このとき、制御部82は、第1カード21を僅かずつ搬送するようにカード搬送機構5を制御しつつ、読取位置Rにコード2bの記載位
置Wが位置するとコード2bを読み取るように光学センサ6を制御する。制御部82は、コード2bの記載位置Wが読取位置Rを通過すると、光学センサ6の読み取り制御を停止するとともに、カード搬送機構5を制御して、第1カード21をカード排出口10から発行する。
【0077】
第2カード収容部3Bに収容されている第2カード22を発行する動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、キャリッジ移動機構93を駆動して、第2カード収容部3BのX1方向に位置する取込位置Eにキャリッジ92を配置する。次に、制御部82は、第2カード送出機構4Bを駆動して、第2カード収容部3Bのカードスタック部31から第2カード22を取込位置Eに送り出す。これと並行して、制御部82は、カード搬送機構5を駆動制御して、繰り出される第2カード22をキャリッジ92に取り込む。
【0078】
第2カード22がカード搬送機構5に送り出されると、制御部82は、キャリッジ機構91を制御してキャリッジ92をY2方向の端部分に移動する。キャリッジ92がY2方向の端部分に移動すると、制御部82は、記憶部81に記憶された第2カード22のカード情報に基づいて、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置するように、カード搬送機構5を制御する。
【0079】
また、制御部82は、記憶部81に記憶された第2カード22のカード情報に基づいて、読み取り角度が所定の角度となるように角度調整機構7を制御する。これにより、光学センサ6の読み取る角度が、コード2bを読み取るために最適な角度に調整される。
【0080】
次に、制御部82は、読取位置Rにコード2bの記載位置Wが位置すると、コード2bを読み取るように光学センサ6を制御する。このとき、制御部82は、第2カード22を僅かずつ搬送するようにカード搬送機構5を制御しつつ、読取位置Rに位置するコード2bを読み取るように光学センサ6を制御する。制御部82は、コード2bの記載位置Wが読取位置Rを通過すると、光学センサ6の読み取り制御を停止するとともに、カード搬送機構5を制御して、第2カード22をカード排出口10から発行する。
【0081】
第3カード収容部3Cに収容されている第3カード23を発行する動作指令が制御部82に入力されると、制御部82は、第2カード収容部3Bに収容されている第2カード22を発行する場合と同様の制御を行う。
【0082】
(作用効果)
本態様において、カード収容部3は、カード2として第1カード21が収容された第1カード収容部3Aと、カード2として第2カード22が収容された第2カード収容部3Bと、を備える。制御部82は、記憶部81にカード情報を記憶させる際に、第1カード21のカード情報および第2カード22のカード情報を、それぞれ、記憶部81に記憶する。制御部82は、第1カード収容部3Aから第1カード21を発行する際に、第1カード21のカード情報に基づいて、第1カード21を発行し、第2カード収容部3Bから第2カード22を発行する際に、第2カード22のカード情報に基づいて、第2カード22を発行することができる。これにより、カード発行装置1Aは、コード2bの記載位置Wが異なる2種類以上のカード2を発行することが可能な場合、カード発行装置1Aは、それぞれのカード情報に基づいてカード2を発行することができるので、発行するカード2に対応したカードの発行時間にすることができる。
【0083】
なお、本形態では、第1カード収容部3A、第2カード収容部3Bおよび第3カード収容部3Cは、全て同じ種類のカードを収容してもよい。また、3つのカード収容部3のうち2つのカード収容部3が同じ種類のカードを収容し、残りのカード収容部3が異なる種類のカードを収容してもよい。
【0084】
(変形例)
上記形態では、制御部82は、記憶部81にカード情報を記憶させる際に、カード搬送機構5を制御してカード2の前端から後端まで読取位置Rを通過させるとともに、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせ、読み取った第1面2aから記載位置Wを把握して、把握した記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶したが、これに限定されない。例えば、制御部82は、記憶部81にカード情報を記憶させる際に、角度調整機構7を制御して光学センサ6の読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせ、読み取った第1面2aから記載位置Wを把握して、把握した記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶してもよい。これにより、制御部82は、角度調整機構7のみを制御することで、読み取った第1面2aから記載位置Wを把握することができる。
【0085】
また、制御部82は、記憶部81にカード情報を記憶させる際に、カード搬送機構5を制御してカード2の前端から後端まで読取位置Rを通過させながら、光学センサ6を制御して読取位置Rに位置する第1面2aを読み取らせ、読み取った第1面2aから記載位置Wを把握して、把握した記載位置Wをカード情報として記憶部81に記憶してもよい。これにより、制御部82は、カード搬送機構5のみを制御することで、読み取った第1面2aから記載位置Wを把握することができる。
【0086】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
【0087】
(1)
一方側の第1面にコードが記されたカードを発行するカード発行装置において、
カード搬送路に沿って前記カードを搬送するカード搬送機構と、
前記カード搬送路上の読取位置において前記コードを読み取る光学センサを備える読取機構と、
前記第1面上に記された前記コードの記載位置であるカード情報を記憶する記憶部と、
前記カード情報に基づいて前記読取位置に前記コードの前記記載位置が位置するように前記カード搬送機構を制御するとともに、前記読取位置に前記コードの前記記載位置が位置すると前記コードを読み取るように前記光学センサを制御することにより前記カードを発行する制御部と、を有することを特徴とするカード発行装置。
【0088】
(2)
前記読取機構は、前記カードに対する前記光学センサの読み取り角度を調整する角度調整機構を備え、
前記制御部は、前記カードを発行する際に、前記カード情報に基づいて、前記読み取り角度が所定の角度となるように前記角度調整機構を制御することを特徴とする(1)に記載のカード発行装置。
【0089】
(3)
前記制御部は、前記カード情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、
前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記角度調整機構を制御して前記光学センサの読み取り角度を所定の角度範囲で調整させながら、前記光学センサを制御して前記読取位置に位置する前記第1面を読み取らせ、読み取った前記第1面から前記記載位置を把握して、把握した前記記載位置を前記カード情報として前記記憶部に記憶することを特徴とする(2)に記載のカード発行装置。
【0090】
(4)
前記制御部は、前記カード情報を前記記憶部に記憶させることが可能であり、
前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記カード搬送機構を制御して前記カードの前端から後端まで前記読取位置を通過させながら、前記光学センサを制御して前記読取位置に位置する前記第1面を読み取らせ、読み取った前記第1面から前記記載位置を把握して、把握した前記記載位置を前記カード情報として前記記憶部に記憶することを特徴とする(1)または(3)に記載のカード発行装置。
【0091】
(5)
複数枚の前記カードを収容するカード収容部と、
前記カード収容部から前記カード搬送機構に前記カードを送り出すカード送出機構と、を有することを特徴とする(3)または(4)に記載のカード発行装置。
【0092】
(6)
前記カード収容部は、前記カードとして第1カードが収容された第1カード収容部と、前記カードとして第2カードが収容された第2カード収容部と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に前記カード情報を記憶させる際に、前記第1カードの前記カード情報および前記第2カードの前記カード情報を、それぞれ、前記記憶部に記憶し、
前記制御部は、前記第1カード収容部から前記第1カードを発行する際に、前記第1カードの前記カード情報に基づいて、前記第1カードを発行し、前記第2カード収容部から前記第2カードを発行する際に、前記第2カードの前記カード情報に基づいて、前記第2カードを発行することを特徴とする(5)に記載のカード発行装置。
【符号の説明】
【0093】
1・1A…カード発行装置、2…カード、2a…第1面、2b…コード、2c…1次元コード、2d…2次元コード、3…カード収容部、3A…第1カード収容部、3B…第2カード収容部、3C…第3カード収容部、4…カード送出機構、4A…第1カード送出機構、4B…第2カード送出機構、4C…第3カード送出機構、5…カード搬送機構、6…光学センサ、7…角度調整機構、8…基板、9…読取機構、10…カード排出口、11・11A・11B…位置検知センサ、13…軸部材、14…規制部材、15…支持部材、16…第1壁部、17…第2壁部、18…第3壁部、19…第4壁部、20…ベース部材、21…第1カード、22…第2カード、23…第3カード、25…支持フレーム、26…フレーム、30…回収部、31…カードスタック部、36…案内部材、41…スリット、42…カード排出爪、43…チェーン駆動機構、44…モータ、45…ベルト、46…駆動プーリ、47…チェーン、48…伝達ギヤ、49…モータ、50…カード搬送路、51…駆動ローラ、52…従動ローラ、53…モータ、54…駆動プーリ、55…ベルト、60…読取面、61…フレキシブル配線基板、62…基板、70…突出部、71…ホルダ、72…駆動部、73…第1板部、74…第2板部、75…第3板部、76…第4板部、77…モータ、78…ギヤ列、79…エンコーダ、81…記憶部、82…制御部、91…キャリッジ機構、92…キャリッジ、93…キャリッジ移動機構、94…キャリッジ搬送路、95…ガイド軸、96…ベルト機構、97…キャリッジモータ、98…キャリッジベルト、510…駆動ローラ、520…従動ローラ、530…モータ、781…ピニオン、782…出力ギヤ、920…フレーム、E…取込位置、L…回転軸、R…読取位置、W…記載位置。