(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025144450
(43)【公開日】2025-10-02
(54)【発明の名称】現像剤容器
(51)【国際特許分類】
G03G 15/08 20060101AFI20250925BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20250925BHJP
【FI】
G03G15/08 345
G03G21/16 176
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044233
(22)【出願日】2024-03-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宗次 広幸
(72)【発明者】
【氏名】西田 真一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 充広
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077AA05
2H077AA09
2H077AA35
2H171FA03
2H171FA14
2H171FA24
2H171FA26
2H171FA27
2H171GA19
2H171JA07
2H171KA11
2H171QA02
2H171QA08
2H171QB03
2H171QB15
2H171QB32
2H171QB35
2H171QB37
2H171QC03
2H171QC29
2H171QC32
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA19
2H171SA22
2H171SA26
2H171SA31
2H171TA17
2H171UA03
2H171VA01
2H171VA05
2H171VA08
(57)【要約】
【課題】現像剤容器の一形態を提供する。
【解決手段】現像剤容器であって、現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、開口部に取り付けられる結合部材と、結合部材を介して容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、容器部材及び結合部材の主成分は、紙であり、排出路形成部材の主成分は、樹脂材である。第1の位置において、整列方向に垂直な第1の断面における結合部材の断面二次極モーメントは、第2の位置において、整列方向に垂直な第2の断面における容器部材の断面二次極モーメントよりも大きい。
【選択図】
図37
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材及び前記結合部材の主成分は、紙であり、
前記ノズルの主成分は、樹脂である、
ことを特徴とする現像剤容器。
【請求項2】
前記結合部材は、シート状の複数の紙が積層されることで構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器。
【請求項3】
前記複数の紙は、前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向に積層されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の現像剤容器。
【請求項4】
前記結合部材は、互いに隣接する前記複数の紙を接着するための接着層を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の現像剤容器。
【請求項5】
前記複数の紙は、第1の形状を有する第1の紙と、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の紙と、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の現像剤容器。
【請求項6】
前記結合部材は、貫通孔を有する被挿入部と、被係合部と、を有し、
前記ノズルは、前記被挿入部の前記貫通孔に挿入される挿入部と、前記被係合部に係合する係合部と、を有し、
前記結合部材及び前記ノズルは、前記被係合部と前記係合部とが係合することで、互いに結合されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の現像剤容器。
【請求項7】
前記結合部材及び前記ノズルは、前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向に延びる回転軸線を中心とする相対回転によって前記被係合部及び前記係合部の少なくとも一方が変形し、前記被係合部と前記係合部との係合が解除されることにより、互いに分離可能に構成されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の現像剤容器。
【請求項8】
前記複数の紙は、第1の形状を有する第1の紙と、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の紙と、を含み、
前記第1の紙と前記第2の紙の互いに形状が異なる部分によって、前記被係合部の少なくとも一部が形成される、
ことを特徴とする請求項6に記載の現像剤容器。
【請求項9】
前記結合部材と前記ノズルとの間の隙間を封止するシール部材を更に備え、
前記シール部材は、前記結合部材及び前記ノズルが互いに分離されることで、前記結合部材及び前記ノズルから離間可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の現像剤容器。
【請求項10】
前記シール部材は、ポリウレタンから構成される、
ことを特徴とする請求項9に記載の現像剤容器。
【請求項11】
前記排出口を遮蔽する遮蔽位置と前記排出口を開放する開放位置との間を前記ノズルに対して移動可能に構成されたシャッタを更に備え、
前記シャッタの主成分は、樹脂である、
ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【請求項12】
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材及び前記結合部材の主成分は、紙であり、
前記ノズルの主成分は、樹脂であり、
前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向における第1の位置において、前記整列方向に垂直な第1の断面における前記結合部材の断面二次極モーメントは、
前記整列方向における第2の位置において、前記整列方向に垂直な第2の断面における前記容器部材の断面二次極モーメントよりも大きく、
前記第2の位置は、前記第2の断面に前記結合部材が含まれない位置であって、
前記第1の位置は、前記整列方向において前記第2の位置より前記開口部に近い位置である、
ことを特徴とする現像剤容器。
【請求項13】
前記第2の位置は、前記結合部材の前記整列方向における端面から、前記容器部材の前記整列方向における全長の1/5の距離だけ離れた位置である、
ことを特徴とする請求項12に記載の現像剤容器。
【請求項14】
前記第2の位置は、前記結合部材の前記整列方向における端面から、20mmだけ離れた位置である、
ことを特徴とする請求項12に記載の現像剤容器。
【請求項15】
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、
前記容器部材の前記縁部は、前記第1のシートの一端部を包むように前記第2のシートが折り返され、前記第1のシートの前記一端部と前記第2のシートとが接合されることで構成される、
ことを特徴とする現像剤容器。
【請求項16】
前記第1のシートの厚みをT1、前記第2のシートの厚みをT2、前記縁部の厚みをT3とした場合、
T3≧T1+T2×2
を満たす、
ことを特徴とする請求項15に記載の現像剤容器。
【請求項17】
前記第1のシートの厚みは、前記第2のシートの厚みと等しい、
ことを特徴とする請求項16に記載の現像剤容器。
【請求項18】
前記第1のシートの前記一端部と前記第2のシートは、熱溶着によって互いに接合される、
ことを特徴とする請求項15に記載の現像剤容器。
【請求項19】
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、
前記容器部材の前記縁部は、互いに重ね合わされた前記第1のシート及び前記第2のシートの外面に塗布されることで形成される保護層を有する、
ことを特徴とする現像剤容器。
【請求項20】
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、
前記容器部材の前記縁部は、互いに重ね合わされた前記第1のシート及び前記第2のシートを挟持するクリップ部材を含む、
ことを特徴とする現像剤容器。
【請求項21】
前記第1のシート及び前記第2のシートの主成分は、紙である、
ことを特徴とする請求項15乃至20のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録材に画像を形成する画像形成装置に用いられる現像剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式の画像形成装置では、装置本体に備えられた現像剤収容部への現像剤の補給構成として、現像剤容器としての補給パックを装置本体に装着し、補給パックから現像剤としてのトナーを装置本体の収容部に補給する構成が知られている(特許文献1)。補給パックの構成としては、可撓性を有する容器部材(パウチ)の開口部に、トナーを排出する排出路を形成する排出路形成部材を溶着等により結合し、排出路形成部材の排出口を開閉するシャッタを組付けた構成が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現像剤容器の一形態を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、現像剤容器であって、現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、前記開口部に取り付けられる結合部材と、前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、前記容器部材及び前記結合部材の主成分は、紙であり、前記ノズルの主成分は、樹脂である、ことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、現像剤容器であって、現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、前記開口部に取り付けられる結合部材と、前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、前記容器部材及び前記結合部材の主成分は、紙であり、前記ノズルの主成分は、樹脂であり、前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向における第1の位置において、前記整列方向に垂直な第1の断面における前記結合部材の断面二次極モーメントは、前記整列方向における第2の位置において、前記整列方向に垂直な第2の断面における前記容器部材の断面二次極モーメントよりも大きく、前記第2の位置は、前記第2の断面に前記結合部材が含まれない位置であって、前記第1の位置は、前記整列方向において前記第2の位置より前記開口部に近い位置である、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、現像剤容器であって、現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、前記開口部に取り付けられる結合部材と、前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、前記容器部材の前記縁部は、前記第1のシートの一端部を包むように前記第2のシートが折り返され、前記第1のシートの前記一端部と前記第2のシートとが接合されることで構成される、ことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、現像剤容器であって、現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、前記開口部に取り付けられる結合部材と、前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、前記容器部材の前記縁部は、互いに重ね合わされた前記第1のシート及び前記第2のシートの外面に塗布されることで形成される保護層を有する、ことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、現像剤容器であって、現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、前記開口部に取り付けられる結合部材と、前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、前記容器部材の前記縁部は、互いに重ね合わされた前記第1のシート及び前記第2のシートを挟持するクリップ部材を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によると、現像剤容器の一形態を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】(a)は実施例1に係る画像形成装置を示す概略図、(b)は画像形成装置を示す斜視図。
【
図3】(a)は装着部の分解斜視図、(b)は(a)と異なる方向から見た装着部の分解斜視図。
【
図4】(a)は操作レバーが閉位置にある時の装着部の外観を示す斜視図、(b)は操作レバーが開位置にある時の装着部の外観を示す斜視図。
【
図5】(a)は操作レバーが閉位置にある時の装着部の外観を示す平面図、(b)は操作レバーが開位置にある時の装着部の外観を示す平面図。
【
図6】(a)は装着方向の上流側から見た装置側シャッタの斜視図、(b)は(a)と異なる視点の装置側シャッタの斜視図。
【
図7】(a)は装着方向の下流側から見たカバーの斜視図、(b)は装着方向Mの上流側から見たカバーの斜視図。
【
図8】(a)は装着部を示す断面図、(b)は
図8(a)の8B-8B断面を示す断面図。
【
図9】(a)はパック側シャッタが遮蔽位置にあるときのトナーパックの側面図、(b)はパック側シャッタが開放位置にあるときのトナーパックの側面図。
【
図10】パック側シャッタが遮蔽位置にあるときのトナーパックを示す分解斜視図。
【
図11】(a)はパック側シャッタが遮蔽位置にある時のノズル近傍を示す拡大斜視図、(b)は取り外し方向にトナーパックを見た図。
【
図12】(a)はパック側シャッタが開放位置にあるときのノズル近傍を示す拡大斜視図、(b)は取り外し方向Uにトナーパックを見た図。
【
図14】ノズル及びパック側シャッタを示す側面図。
【
図15】(a)は爪部を示す正面図、(b)は
図15(a)の15B-15B断面を示す断面図。
【
図16】(a)は爪部を示す正面図、(b)は
図16(a)の16B-16B断面を示す断面図。
【
図17】(a)はトナーパックが装着部に装着される途中の様子を示す斜視図、(b)はトナーパックが装着部に装着される途中の様子を別角度から見た斜視図。
【
図18】(a)はトナーパックを装着部に向けて装着する際の様子を示す断面図、(b)はトナーパックの装着部への装着が完了した状態を示す断面図。
【
図19】(a)は、
図18(a)の19A-19A断面を示す断面図、(b)は
図18(a)の19B-19B断面を示す断面図。
【
図20】(a)は
図18(b)の20A-20A断面を示す断面図、(b)は
図20(a)の20B-20B断面を示す断面図。
【
図21】(a)はトナーパックを装置側シャッタに装着する際の様子を示す斜視図、(b)は、トナーパックの装着部へ装着が完了した状態における、
図16(a)の16B-16B断面を示す断面図。
【
図22】(a)は閉位置に位置する操作レバー及びトナーパックを示す斜視図、(b)は開位置に位置する操作レバー及びトナーパックを示す斜視図。
【
図23】(a)は装置側シャッタ及びパック側シャッタが共に遮蔽位置に位置する際のトナーパック及び装着部を示す断面図、(b)は装置側シャッタ及びパック側シャッタが共に開放位置に位置する際のトナーパック及び装着部を示す断面図。
【
図24】(a)は、本実施例に係るトナーパックのノズル本体の斜視図、(b)は、
図24(a)とは異なる視点の本実施例に係るトナーパックのノズル本体の斜視図。
【
図25】(a)は、本実施例に係るトナーパックのノズル本体を結合部材に対する挿抜方向とは逆方向に見たときの図(平面図)、(b)は、本実施例に係るトナーパックのノズル本体を結合部材に対する挿抜方向に見たときの図(底面図)。
【
図26】(a)は、本実施例に係るトナーパックの結合部材の斜視図、(b)は、
図26(a)とは異なる視点の本実施例に係るトナーパックの結合部材の斜視図。
【
図27】(a)は、パウチに結合部材を結合する前の分離した様子を示す斜視図、(b)は、パウチに結合部材が結合された後の様子を示す斜視図、(c)は、パウチに結合部材が結合されたトナー充填用形態を示す斜視図。
【
図28】(a)は、ノズル本体が結合部材に対して挿入完了位置にある状態を示すパウチ及びノズルの拡大斜視図。(b)は、ノズル本体が結合部材に対して
図28(a)に示す挿入完了位置から係合完了位置まで回転させられた状態を示すパウチ・ノズルアセンブリの拡大斜視図。
【
図29】(a)は、ノズル本体の排出口が設けられた側を示す側面図、(b)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図。(c)は、ノズル本体の
図29(a)に示す側とは反対側を示す側面図、(d)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図。
【
図30】(a)は、内側係合突起の構成を示す拡大斜視図、(b)は、被係合溝の構成を示す拡大斜視図。
【
図31】(a)は、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して挿入完了位置にあるときの様子を示す図。(b)は、
図31(a)の31B-31B断面図。(c)は、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して係合完了位置にあるときの様子を示す図。(d)は、
図31(c)の31D-31D断面図。
【
図32】(a)は、ノズル本体が挿入完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示すパウチ及びノズルの拡大側面図。(b)は、
図32(a)に示すパウチ及びノズルを挿入方向に見たときの図(底面図)。(c)は、ノズル本体が係合完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示すパウチ・ノズルアセンブリの拡大側面図。(d)は、
図32(c)に示すパウチ・ノズルアセンブリを挿入方向に見たときの図(底面図)。
【
図33】(a)は、ノズル本体が係合完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示す拡大斜視図。(b)は、ノズル本体が係合完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示す拡大側面図。
【
図34】(a)は、パウチ・ノズルアセンブリのノズル周辺の斜視断面図であって、
図34(b)の34A-34A断面図、(b)は、シール部材の構成を示す断面図であって、
図34(a)の34B-34B断面図。
【
図35】(a)は、第1の係合構成の変形例における、ノズル本体の排出口が設けられた側を示す側面図、(b)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図。(c)は、第1の係合構成の変形例における、ノズル本体の
図35(a)に示す側とは反対側を示す側面図、(d)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図。
【
図36】(a)は、第1の係合構成の変形例における、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して挿入完了位置にあるときの様子を示す図。(b)は、
図36(a)の36B-36B断面図。(c)は、第1の係合構成の変形例における、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して係合完了位置にあるときの様子を示す図。(d)は、
図36(c)の36D-36D断面図。
【
図39】(a)は結合部材を示す斜視図、(b)は結合部材を示す他の斜視図。
【
図40】(a)は結合部材を示す正面図、(b)は結合部材を示す左側面図、(c)は結合部材を示す右側面図、(d)は結合部材を示す平面図、(e)は結合部材を示す底面図。
【
図41】(a)は結合部材を示す断面図、(b)は
図40(a)の41B-41B断面を示す断面図、(c)は、
図40(a)の41C-41C断面を示す断面図。
【
図43】(a)は結合部材を示す斜視図、(b)は
図44(a)の43B-43B断面を示す断面図。
【
図44】(a)はトナーパックを示す正面図、(b)は
図44(a)の44B-44B断面を示す断面図、(c)は
図44(a)の44C-44C断面を示す断面図。
【
図45】結合部材とノズル本体とを分離した様子を示す分解斜視図。
【
図47】(a)は
図46の47A-47A断面を示す断面図、(b)は
図46の47B-47B断面を示す断面図。
【
図48】(a)は縁部を示す拡大図、(b)は実施例2の変形例1に係る縁部を示す拡大図。
【
図49】(a)は実施例2の変形例2に係る縁部を示す拡大図、(b)は実施例2の変形例3に係る縁部を示す拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に記載の技術は脱炭素/循環型社会などの持続可能な社会の実現に貢献し得る。以下の実施例において、本開示における実施形態を、例示的に説明する。ただし、以下の実施例に開示された構成、例えば、部品の機能、材質、形状、その相対配置は、特許請求の範囲と関連する形態の一例を示すものであり、特許請求の範囲をこれら実施例に開示された構成に限定する趣旨のものではない。また、以下の実施例に開示された構成が解決する課題もしくは開示された構成から得られる作用又は効果は、特許請求の範囲を限定する趣旨のものではない。
【0013】
<実施例1>
以下、本開示の実施例1に係る電子写真画像形成装置ついて図を用いて説明する。ここで、電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)とは、電子写真画像形成方式を用いて記録材に画像を形成するものである。画像形成装置の例としては、複写機、ファクシミリ装置、プリンタ(レーザビームプリンタ、LEDプリンタ等)、及びこれらの複合機(マルチファンクションプリンタ)などが含まれる。
【0014】
図1(a)は、本実施例に係る画像形成装置1の構成を示す概略図である。
図1(b)は、画像形成装置1の構成を示す斜視図である。
図2は、開閉部材83及び補給口32aを示す斜視図である。
【0015】
画像形成装置1は、外部機器から入力される画像情報に基づいて記録材Pに画像を形成するモノクロプリンタである。記録材Pには、普通紙及び厚紙等の紙、オーバーヘッドプロジェクタ用シート等のプラスチックフィルム、封筒やインデックス紙等の特殊形状のシート、並びに布等の、材質の異なる様々なシート材が含まれる。
【0016】
[全体構成]
画像形成装置1は、
図1(a)、
図1(b)に示すように、装置本体400と、装置本体400に開閉可能に支持される読取装置200と、装置本体400の外装面に取り付けられた操作部300と、を有している。装置本体400は、記録材にトナー像を形成する画像形成部10と、画像形成部10に記録材を給送する給送部60と、画像形成部10によって形成されたトナー像を記録材に定着させる定着部70と、排出ローラ対80と、を有している。
【0017】
画像形成部10は、スキャナユニット11と、電子写真方式のプロセスユニット20と、プロセスユニット20の感光ドラム21に形成されたトナー像を記録材に転写する転写ローラ12と、を有している。プロセスユニット20は、感光ドラム21と、感光ドラム21の周囲に配置された帯電ローラ22と、前露光装置23と、現像ローラ31を含む現像装置30と、を有している。
【0018】
感光ドラム21は、円筒型に成形された感光体である。本実施例の感光ドラム21は、アルミニウムで成形されたドラム状の基体上に、負帯電性の有機感光体で形成された感光層を有している。また、感光ドラム21は、モータによって所定の方向(図中時計周り方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。
【0019】
帯電ローラ22は、感光ドラム21に所定の圧接力で接触し、帯電部を形成する。また、帯電ローラ22は、帯電高圧電源によって所望の帯電電圧を印加されることで、感光ドラム21の表面を所定の電位に均一に帯電させる。本実施例では、感光ドラム21は帯電ローラ22により負極性に帯電する。前露光装置23は、帯電部で安定した放電を生じさせるために、帯電部の手前の位置で感光ドラム21の表面電位を除電する。
【0020】
スキャナユニット11は、外部機器又は読取装置200から入力された画像情報に対応したレーザ光を、ポリゴンミラーを用いて感光ドラム21に照射することで、感光ドラム21の表面を走査露光する。この露光により、感光ドラム21の表面に画像情報に応じた静電潜像が形成される。なお、スキャナユニット11は、レーザスキャナ装置に限定されることはなく、例えば、感光ドラム21の長手方向に沿って複数のLEDが配列されたLEDアレイを有するLED露光装置を採用しても良い。
【0021】
現像装置30は、現像剤を担持する現像ローラ31と、現像装置30のケースとなる現像容器32と、現像ローラ31に現像剤を供給可能な供給ローラ33と、を備えている。現像ローラ31及び供給ローラ33は、現像容器32によって回転可能に支持されている。また、現像ローラ31は、感光ドラム21に対向するように、現像容器32の開口部に配置されている。供給ローラ33は、現像ローラ31に回転可能に当接しており、現像容器32に収容されている内容物としてのトナーは、供給ローラ33によって現像ローラ31の表面に塗布される。なお、現像ローラ31に十分にトナーを供給できる構成であれば、必ずしも供給ローラ33は必要としない。
【0022】
本実施例の現像装置30は、現像方式として接触現像方式を用いている。即ち、現像ローラ31に担持されたトナー層が、感光ドラム21と現像ローラ31とが対向する現像部(現像領域)において感光ドラム21と接触する。現像ローラ31には現像高圧電源によって現像電圧が印加される。現像電圧の下で、現像ローラ31に担持されたトナーが感光ドラム21の表面の電位分布に従って現像ローラ31からドラム表面に転移することで、静電潜像がトナー像に現像される。なお、本実施例では、反転現像方式を採用している。即ち、帯電工程において帯電させられた後、露光工程において露光されることで電荷量が減衰した感光ドラム21の表面領域にトナーが付着することでトナー像が形成される。
【0023】
また、本実施例では、粒径が6[μm]で、正規の帯電極性が負極性のトナーを用いている。本実施例のトナーは一例として重合法により生成された重合トナーを採用している。また、本実施例のトナーは磁性成分を含有せず、主に分子間力や静電気力(鏡像力)によってトナーが現像ローラ31に担持される、所謂非磁性の一成分現像剤である。ただし、磁性成分を含有する一成分現像剤を用いてもよい。また、一成分現像剤には、トナー粒子以外にもトナーの流動性や帯電性能を調整するための添加物(例えば、ワックスやシリカ微粒子)が含まれている場合がある。また、現像剤として非磁性のトナーと磁性を有するキャリアとによって構成された二成分現像剤を用いてもよい。磁性を有する現像剤を用いる場合、現像剤担持体としては、例えば内側にマグネットが配置された円筒状の現像スリーブが用いられる。
【0024】
現像容器32には、トナーを収容する収容部36と、収容部36の内部に配置される撹拌部材34と、が設けられている。撹拌部材34は、不図示のモータに駆動されて回動することで、現像容器32内のトナーを撹拌すると共に、現像ローラ31及び供給ローラ33に向け、トナーを送り込む。また、撹拌部材34は、現像に使用されず現像ローラ31から剥ぎ取られたトナーを現像容器内で循環させ、現像容器内のトナーを均一化する役割を有する。なお、撹拌部材34は、回動する形態に限定されない。例えば、揺動する形態の撹拌部材を採用しても良い。
【0025】
また、現像ローラ31が配置される現像容器32の開口部には、現像ローラ31に担持されるトナーの量を規制する現像ブレード35が配置されている。現像ローラ31の表面に供給されたトナーは、現像ローラ31の回転に伴って現像ブレード35との対向部を通過することで、均一に薄層化され、また摩擦帯電により負極性に帯電させられる。
【0026】
給送部60は、
図1(a)、
図1(b)に示すように、装置本体400に開閉可能に支持される前扉61と、トレイ部62と、中板63と、トレイバネ64と、ピックアップローラ65と、を有している。トレイ部62は、前扉61が開かれることで現れる記録材収容空間の底面を構成しており、中板63は、トレイ部62に昇降可能に支持されている。トレイバネ64は、中板63を上方に付勢しており、中板63に積載された記録材Pをピックアップローラ65に押し付ける。なお、前扉61は、装置本体400に対して閉じられた状態で記録材収容空間を閉塞し、装置本体400に対して開かれた状態でトレイ部62、中板63と共に記録材Pを支持する。
【0027】
定着部70は、記録材上のトナーを加熱して溶融させることで画像の定着処理を行う熱定着方式のものである。定着部70は、定着フィルム71と、定着フィルム71を加熱するセラミックヒータ等の定着ヒータと、定着ヒータの温度を測定するサーミスタと、定着フィルム71に圧接する加圧ローラ72と、を備える。
【0028】
次に、画像形成装置1の画像形成動作について説明する。画像形成装置1に画像形成の指令が入力されると、画像形成装置1に接続された外部のコンピュータ又は読取装置200から入力された画像情報に基づいて、画像形成部10による画像形成プロセスが開始される。スキャナユニット11は、入力された画像情報に基づいて、感光ドラム21に向けてレーザ光を照射する。このとき感光ドラム21は、帯電ローラ22により予め帯電されており、レーザ光が照射されることで感光ドラム21上に静電潜像が形成される。その後、現像ローラ31によりこの静電潜像が現像され、感光ドラム21上にトナー像が形成される。
【0029】
上述の画像形成プロセスに並行して、給送部60のピックアップローラ65は、前扉61、トレイ部62及び中板63に支持された記録材Pを送り出す。記録材Pは、ピックアップローラ65によってレジストレーションローラ対15に給送され、レジストレーションローラ対15のニップに突き当たることで斜行が補正される。そして、レジストレーションローラ対15は、トナー像の転写タイミングに合わせて駆動され、記録材Pを転写ローラ12及び感光ドラム21によって形成される転写ニップに向けて搬送する。
【0030】
転写ローラ12には、転写高圧電源から転写電圧が印加され、レジストレーションローラ対15によって搬送される記録材Pに感光ドラム21に担持されているトナー像が転写される。トナー像を転写された記録材Pは、定着部70に搬送され、定着部70の定着フィルム71と加圧ローラ72との間のニップ部を通過する際にトナー像が加熱及び加圧される。これによりトナー粒子が溶融し、その後固着することで、トナー像が記録材Pに定着する。定着部70を通過した記録材Pは、排出ローラ対80によって画像形成装置1の外部(機外)に排出され、装置本体400の上部に形成された排出トレイ81に積載される。
【0031】
排出トレイ81は、記録材の排出方向における下流に向けて上り傾斜しており、排出トレイ81に排出された記録材は、排出トレイ81を滑り下りることで、後端が規制面84によって整合される。
【0032】
読取装置200は、内部に不図示の読取部を内蔵する読取ユニット201と、読取ユニット201に開閉可能に支持される圧板202と、を有している。読取ユニット201の上面には、読取部から出射される光を透過すると共に、原稿が載置される原稿台ガラス203が設けられている。
【0033】
ユーザは、原稿の画像を読取装置200によって読取らせる場合には、圧板202を開いた状態で原稿台ガラス203上に原稿を載置する。そして、圧板202を閉じることで原稿台ガラス203上の原稿の位置ずれを防止し、例えば操作部300を操作することで画像形成装置1に読取指令を出力する。読取動作が開始されると、読取ユニット201内の読取部が副走査方向、すなわち画像形成装置1の操作部300を正面に臨んだ状態で左右方向に読取部が往復移動する。読取部は、発光部から原稿に対して光を出射しつつ、原稿によって反射した光を受光部によって受光し、光電変換することで原稿の画像を読み取る。なお、以下では、操作部300を正面に臨んだ状態を基準にして、前後方向、左右方向及び上下方向を規定する。
【0034】
装置本体400の上部には、トップカバー82が設けられており、トップカバー82の上面には、排出トレイ81が形成されている。トップカバー82には、
図1(b)、
図2に示すように、開閉部材83が前後方向に延びる回動軸83aを中心に開閉可能に支持されている。トップカバー82の排出トレイ81には、上方に開口した開口部82aが形成されている。
【0035】
開閉部材83は、トナーパック100が現像容器32に装着できないように補給口32aを覆う閉位置と、トナーパック100が現像容器32に装着できるように補給口32aを露出させる開位置と、の間を移動可能に構成される。現像剤容器としてのトナーパック100は、開閉部材83が開位置に位置する状態で、補給口32aに向けて装着方向Mに移動され、補給口32aに装着される。
【0036】
開閉部材83は、閉位置において、排出トレイ81の一部として機能する。開閉部材83及び開口部82aは、排出トレイ81の左側に形成されている。また、開閉部材83は、トップカバー82に設けられた溝部82bから指を掛けることで左方向に開かれる。開閉部材83は、トップカバー82の形状に沿って、略L字状に形成されている。
【0037】
排出トレイ81の開口部82aは、現像容器32の上部に形成されたトナー補給用の補給口32aが露出するように開口しており、開閉部材83が開かれることで、ユーザは補給口32aにアクセスすることができる。なお本実施例では、現像装置30が画像形成装置1に装着されている状態のまま、ユーザが補給用のトナーが充填されているトナーパック100(
図1(a)、
図1(b)参照)から現像装置30へとトナーを補給する方式(直接補給方式)を採用している。トナーパック100は、画像形成装置1の装着部106(
図17(a)、
図17(b)参照)に装着された状態で、少なくとも一部が外部に露出している。
【0038】
このため、プロセスユニット20のトナー残量が少なくなった場合に、プロセスユニット20を装置本体400から取り出して新品のプロセスユニットに交換する作業が不要になるので、ユーザビリティを向上することができる。また、プロセスユニット20全体を交換するよりも安価に現像容器32にトナーを補給することができる。なお、直接補給方式は、プロセスユニット20の現像装置30のみを交換する場合に比しても、各種のローラやギヤ等を交換する必要が無いので、コストダウンできる。なお、画像形成装置1及びトナーパック100は、画像形成システム1000を構成している。
【0039】
[装着部]
次に、
図3(a)~
図8(b)を用いて、トナーパック100が装着される装着部106の構成について説明する。本実施例において、装着部106は、補給口32aを含む、トナーパック100を装着するためのユニットであり、画像形成装置1(
図2参照)に設けられている。
図3(a)は、装着部106の分解斜視図である。
図3(b)は、
図3(a)と異なる方向から見た装着部106の分解斜視図である。
図4(a)は、操作レバー108が閉位置にある時の装着部106の外観を表す斜視図、
図5(a)は、操作レバー108が閉位置にある時の装着部106を装着方向Mから見た図である。
図4(b)は、操作レバー108が開位置にある時の装着部106の外観を表す斜視図、
図5(b)は、操作レバー108が開位置にある時の装着部106を装着方向Mから見た図である。
【0040】
図6(a)は、装着方向Mの上流側から見た装置側シャッタ109の斜視図である。
図6(b)は、
図6(a)と異なる視点の装置側シャッタ109の斜視図である。
図7(a)は、装着方向Mの下流側から見たカバー110の斜視図である。
図7(b)は、装着方向Mの上流側から見たカバー110の斜視図である。
図8(a)は、装着部106を示す断面図であり、
図8(b)は、
図8(a)の8B-8B断面を示す断面図である。
【0041】
図3(a)~
図4(b)に示すように、装着部106は、本体ベース部2を有し、本体ベース部2は、第一枠体107、第二枠体117及びカバー110を含む。カバー110及び第二枠体117は、第一枠体107に固定されている。カバー110は、
図7(a)、
図7(b)に示すように、第一枠体107に対して回転軸線Bを中心に回転しないように、第一枠体107の位置決め部107aの係合部107bと係合する被係合部110hを有する。また、装着方向Mにおいてカバー110の下流側、すなわち底面側には、切欠き110kが設けられており、切欠き110kは、第一規制面110c及び第二規制面110dを有している。第一規制面110c及び第二規制面110dは、回転軸線Bを中心とする周方向において互いに対向するように設けられている。
【0042】
なお、第一枠体107、カバー110及び第二枠体117は別部材ではなく一体で構成されていてもよい。
図3(a)、
図3(b)に示すように、第二枠体117には、装置側開口117aが設けられており、装置側開口117aは、現像容器32の収容部36(
図1(a)参照)と連通している。
【0043】
操作レバー108及び装置側シャッタ109はそれぞれ、本体ベース部2に対して回転軸線Bを中心に回転可能に取り付けられている。第一枠体107には、位置決め部107aが設けられている。位置決め部107aは、回転軸線Bを中心とする仮想円VCの半径方向rにおいて、第一枠体107の回転軸線Bを中心とする内周面107cよりも内側に突出している。
【0044】
また、操作部としての操作レバー108には、駆動伝達部108a及び操作部108bが設けられている。ユーザは、操作部108bを操作することで、操作レバー108を本体ベース部2に対して回転軸線Bを中心に回転させることができる。駆動伝達部108aは、
図3(a)に示すように、回転軸線Bを中心とする仮想円VCの半径方向rにおいて、操作レバー108の回転軸線Bを中心とする内周面よりも内側に突出する凸部である。
【0045】
本体シャッタとしての装置側シャッタ109は、
図6(a)、
図6(b)に示すように、内周面109hと、内周面109hに形成され、トナーパック100からトナーを受け入れる受入口109aと、底面109bと、を有する。装置側シャッタ109は、更に、底面109bに設けられるセンターボス109d、パック当接面109g及び被規制リブ109cと、内周面109hに設けられる被駆動伝達部109eと、を有する。被駆動伝達部109eは、
図6(a)に示すように、回転軸線Bを中心とする仮想円VCの半径方向rにおいて内側に突出する凸部である。内周面109hには、受入口109aの周囲を囲むように、装置側シール111が貼り付けられている(
図4(b)参照)。
【0046】
装置側シャッタ109は、本体ベース部2に対し、第2遮蔽位置としての遮蔽位置と、第2開放位置としての開放位置と、を取るように構成されている。より具体的には、装置側シャッタ109は、
図6(a)、
図6(b)に示すように、遮蔽位置から開放位置へ向けて矢印K方向に回転し、開放位置から遮蔽位置へ向けて矢印L方向に回転する。なお、これら矢印K方向及び矢印L方向は、
図11(a)に示すパック側シャッタ103の矢印K方向及び矢印L方向と同様である。装置側シャッタ109は、遮蔽位置において、装置側シール111とカバー110によって受入口109aが遮蔽され、開放位置において、受入口109aがカバー110によってカバーされず開放される。すなわち、受入口109aは、装置側シャッタ109が遮蔽位置に位置する際には第二枠体117の装置側開口117aに連通せず、装置側シャッタ109が遮蔽位置に位置する際には第二枠体117の装置側開口117aに連通する。
【0047】
装置側シャッタ109は、
図4(a)、
図5(a)において遮蔽位置に位置しており、この時、装置側シャッタ109の受入口109aは、第二枠体117の装置側開口117aとは連通していない。また、装置側シャッタ109は、
図4(b)、
図5(b)において開放位置に位置しており、この時、装置側シャッタ109の受入口109aは、第二枠体117の装置側開口117aと連通している。装置側シャッタ109が開放位置に移動することによって、受入口109aを介してトナーパック100から現像容器32の収容部36へトナーを補給(供給)できる。
【0048】
なお、操作レバー108と装置側シャッタ109は駆動が連結されていないため、トナーパック100を取り付けない状態で操作レバー108を操作しても、装置側シャッタ109は回転しない構成となっている。
【0049】
図8(a)、
図8(b)に示すように、装置側シャッタ109は、センターボス109dの大径部109d1がカバー110の円筒部110jに係合することで、センターボス109dを中心に回転可能に構成されている。ここで、装置側シャッタ109の底面109bに設けられた被規制リブ109cは、カバー110の第一規制面110cと第二規制面110dの間にある。このため、装置側シャッタ109は、被規制リブ109cが第一規制面110cと第二規制面110dの間で移動可能な範囲でのみ、回転可能となっている。言い換えれば、装置側シャッタ109は、カバー110の第一規制面110c及び第二規制面110dによって、回転範囲が遮蔽位置と開放位置との間で規制されている。例えば、
図8(b)に示すように、被規制リブ109cが第一規制面110cに当接している状態では、遮蔽位置に位置している装置側シャッタ109は、矢印L方向、すなわち開放位置へ向かう方向とは逆方向に回転することはできない。
【0050】
[トナーパックの構成]
次に、
図9(a)~
図10を用いて、トナーパック100の基本構成について説明する。トナーパック100は、上述した装着部106に装着される。
図9(a)は、パック側シャッタ103が遮蔽位置にあるときのトナーパック100の側面図である。
図9(b)は、パック側シャッタ103が開放位置にあるときのトナーパック100の側面図である。
図10は、パック側シャッタ103が開放位置にあるときのトナーパック100を示す分解斜視図である。
【0051】
トナーパック100は、
図9(a)~
図10に示すように、トナーを収容するパウチ101と、パウチ101に結合されるノズル102と、パック側シャッタ103と、を有する。ノズル102及びパック側シャッタ103は、パウチ101に接続されると共に装着部106に装着される被装着部700を構成している。
【0052】
容器部材としてのパウチ101は、可撓性を有しており、パック側シャッタ103の回転軸線Aの方向である軸線方向D1におけるトナーパック100の一端側に設けられている。回転軸線Aは、トナーパック100が装着部106に装着された際には、装置側シャッタ109の回転軸線Bと一致するため、以下では、回転軸線A及び回転軸線Bの軸線方向を、ともに軸線方向D1とする。ノズル102及びパック側シャッタ103は、軸線方向D1におけるトナーパック100の他端部側に設けられている。パウチ101は、複数のシート状の紙の縁部を接合することで、一端部が開放された袋形状を有している。
【0053】
容器部材としてのパウチ101は、トナーを収容する収容部101aを構成している。収容部101aには、開口部101bが設けられている。ノズル102は、パウチ101の収容部101aが、ノズル102が形成するトナー排出経路(
図23(b)参照)のみによってトナーパック100外部と流通するように、パウチ101の開口部101bに結合される。ノズル102は、パウチ101の収容部101aからトナーを排出するための排出路を形成するノズル本体121と、ノズル本体121をパウチ101に取り付けるための結合部材122と、から構成される。なお、ノズル本体121のみをノズルと言うこともある。結合部材122は、パウチ101の開口部101bに結合される。結合方法は特定の方法に限定されない。例えば結合方法としては、ホットメルトなどの各種接着剤を用いた方法や、結合部材122の外周に対してパウチ101を熱溶着して結合する方法などがある。ノズル102は、ノズル本体121が結合部材122に係合されることで、パウチ101に結合される。ノズル本体121と結合部材122との係合構成についての詳細は後述する。
【0054】
ノズル102は、回転軸線Aに沿って延びる外表面及び第1外表面としての側面102cを有しており、側面102cには、パウチ101の内部と連通するように構成され、トナーを外部に排出するための排出口102aと、凹部102eと、が設けられている。凹部102eは、パック側シャッタ103の回転方向において排出口102aと異なる位置に設けられている。パウチ101に収容されたトナーは、パウチ101がユーザによって潰されてパウチ101の容積を減少させられることで、排出口102aを介してトナーパック100の外部に排出されるように構成されている。すなわち、ノズル102の内部には、収容部101aの開口部101bから排出口102aへトナー(内容物)が通過可能に構成された通路102g(
図23(b)参照)が形成されている。
【0055】
ノズル102の側面102cの外側には、シャッタとしてのパック側シャッタ103が配置されている。パック側シャッタ103は、軸線方向D1に沿った方向に延びる回転軸線Aを中心に回転可能に設けられ、開口103aを有している。具体的には、パック側シャッタ103の内周面103mは、ノズル102の円環リブ102mに対して摺動可能に支持されている。パック側シャッタ103は、回転軸線Aを中心とする仮想円VCの半径方向rにおいて側面102cの外側に設けられている。側面102cの円弧面は、半径方向rにおける外側に向かって凸の曲面である。パック側シャッタ103の内側の面、すなわち側面102cに対向する面は、ノズル102の側面102cに沿った曲面であり、略矩形状のパック側シール105が取り付けられている。
【0056】
パック側シャッタ103は、パック側シール105がノズル102の排出口102aを遮蔽する遮蔽位置(
図9(a)に示す位置)と、排出口102aを開放する開放位置(
図9(b)に示す位置)と、の間を、回転軸線Aを中心に回転可能に構成されている。パック側シャッタ103が開放位置にあるとき、パック側シャッタ103に形成される開口103aからノズル102の排出口102aが露出する。
【0057】
図9(a)に示す第1遮蔽位置としての遮蔽位置にあるパック側シャッタ103が回転軸線Aを中心に矢印K方向に回転させられると、パック側シャッタ103は、
図9(b)に示す第1開放位置としての開放位置に至る。逆に、開放位置にあるパック側シャッタ103が矢印L方向に回転させられると、パック側シャッタ103は遮蔽位置に至る。すなわち、第1回転方向としての矢印K方向は、回転軸線Aを中心に遮蔽位置から開放位置へ向かう方向であり、第2回転方向としての矢印L方向は、回転軸線Aを中心に開放位置から遮蔽位置へ向かう方向である。パック側シャッタ103の回転動作において、パック側シャッタ103はパック側シール105を介してノズル102の側面102cに対して摺擦する。
【0058】
次に、
図11(a)~
図14を用いて、ノズル102及びパック側シャッタ103の詳細な構成について説明する。
図11(a)は、パック側シャッタ103が遮蔽位置にある時のノズル102近傍を示す拡大斜視図である。
図11(b)は、
図11(a)における取り外し方向Uにトナーパック100を見た図である。
図12(a)は、パック側シャッタ103が開放位置にあるときのノズル102近傍を示す拡大斜視図である。
図12(b)は、
図12(a)における取り外し方向Uにトナーパック100を見た図である。
図13は、ノズル102近傍を示す拡大斜視図である。
図14は、ノズル102及びパック側シャッタ103を示す側面図である。なお、取り外し方向Uは、装着方向Mとは反対の方向であって、トナーパック100が装着部106から取り外される時に移動する方向である。
【0059】
図11(a)、
図11(b)に示すように、ノズル102は、互いに間隔をあけて矢印R方向に並び、矢印R方向に交差する方向に延びる面102d1と面102d2を有する被位置決め部102dを備える。
図11(b)に示すように、本実施例における面102d1及び面102d2は、矢印R方向に垂直な方向に延び、互いに平行である。つまり、本実施例において矢印R方向は、面102d1及び面102d2の法線方向である。被位置決め部102dは、トナーパック100が装着部106に装着された時に、第一枠体107の位置決め部107a(
図4(a))に係合する。これによって、ノズル102の第一枠体107(本体ベース部2)に対する矢印R方向の位置(回転軸線Aを中心とする回転方向の位置)が決められる。
図11(b)において、矢印R方向における面102d1と面102d2の中央を通り、矢印R方向に垂直な方向に延びる直線CL1は、回転軸線Aと排出口102aの中央を通るCL2に対して約90°回転した位相にある。
【0060】
また、
図11(a)、
図14に示すように、回転軸線Aの方向において面102d1及び面102d2の装着方向Mにおける下流側にはそれぞれ、面102e1及び面102e2が設けられている。面102e1及び面102e2は、
図11(b)に示すように、回転軸線Aを中心とした仮想円VCの半径方向rに延びている。ただし、面102e1及び面102e2の延びる方向については本実施例の限らず、第一枠体107の位置決め部107aと干渉しない方向に設定可能である。
【0061】
図14に示すように、矢印R方向における面102d1と面102d2の間及び面102e1及び面102e2の間には、側面102e3が設けられている。側面102e3は、側面102cよりも半径方向rにおいて内側に凹んでいる。面102d1、面102d2、面102e1、面102e2及び側面102e3は、凹部102eを形成している。
【0062】
なお、面102d1と面102d2は、本実施例のように必ずしも平行である必要はない。例えば、面102d1と面102d2は、回転軸線Aを中心とする仮想円VCの半径方向rに延びる面でも良い。この場合、矢印R方向は仮想円VCの接線方向となり、矢印R方向に垂直な直線CL1は直線CL2に対して任意の角度で設定可能である。
【0063】
また、
図11(a)、
図11(b)に示すように、回転軸線Aの軸線方向D1に直交する方向に見たときに、パック側シャッタ103の側面103dには、開口103aが設けられている。
図11(a)に示すように、パック側シャッタ103が遮蔽位置にあるときに、開口103aからノズル102の凹部102eの少なくとも一部が露出している。これは、パック側シャッタ103が遮蔽位置に位置する状態でトナーパック100を装着部106に装着したときに、凹部102eの面102d1及び面102d2、すなわち被位置決め部102dを位置決め部107aと係合させるためである。
【0064】
更に、
図11(b)に示すように、パック側シャッタ103には、回転軸線Aを挟んで開口103aの反対側に、被駆動伝達部103eが設けられている。被駆動伝達部103eは、パック側シャッタ103が遮蔽位置に位置する場合に、回転軸線Aを挟んでノズル102の凹部102eとは反対側に設けられている。被駆動伝達部103eは、面103b1,103b2及び側面103b3を有しており、後述する操作レバー108の駆動伝達部108aに係合可能である。面103b1及び面103b2は、いずれも矢印R方向に垂直な方向に延びている。
図13は、被駆動伝達部103eがある側から見たパック側シャッタ103近傍の拡大斜視図である。面103b1及び103b2の間には、側面103dよりも半径方向rの内側に凹んだ側面103b3が設けられている。
【0065】
また、
図11(a)~
図14を用いて、ノズル102の突出部102bについて説明する。
図9(a)(b)のように、トナーパック100の第2端部の側(ノズル102の側)が第1端部の側(パウチ101の側)の下方にある姿勢にトナーパック100を方向付ける。もしくは、ノズル102の少なくとも一部がパウチ101よりも下方にあり、回転軸線Aが鉛直方向と平行になるようにトナーパック100を方向づける。この姿勢は、画像形成装置1の装着部106へトナーパック100が装着される際の姿勢である。この時、
図11(a)及び
図12(a)において、装着方向Mは下方向、取り外し方向Uは上方向になる。
【0066】
パック側シャッタ103は、鉛直方向VDにおける下方の端面でありパック側シャッタ103の底面を構成するシャッタ端面としての端面103cを有している。ノズル102は、パック側シャッタ103の端面103cよりも装着方向Mにおける下流、すなわち下方に突出する第1突出部としての突出部102bを有する。突出部102bは、
図11(a)に示すように、回転軸線Aを中心とする円筒部(円筒形状を有する部分)である。突出部102bは、下方の端面である突出部端面102b2を有する。突出部端面102b2には、回転軸線Aを中心とする内周面102b1を有する穴が設けられている。また、突出部102bは、
図10に示すように、ノズル102の下方の端面102jよりも下方に突出している。なお、本実施例においては、パック側シャッタ103の端面103cとノズル102の端面102jは、回転軸線Aに垂直な端面であるが、これに限定されない。これらの面は、回転軸線Aに垂直な方向から見た時に回転軸線Aに交差する方向に延びる面であれば良い。また、突出部102bは、必ずしもノズル102に設けられている必要はない。
【0067】
ここで、
図15(a)に示すように、トナーパック100のノズル102には、輸送時やユーザがトナーパック100単体で取り扱う際に、パック側シャッタ103がノズル102に対して回転しないようにロック機構としての爪部102fが設けられている。パック側シャッタ103が爪部102fによって遮蔽位置に保持されることで、トナーパック100内の内容物であるトナーがこぼれることを防止できる。
【0068】
図15(a)は、爪部102fを示す正面図である。
図15(b)は、
図15(a)の15B-15B断面を示す断面図である。
図16(a)は、爪部102fを示す正面図である。
図16(b)は、
図16(a)の16B-16B断面を示す断面図である。
【0069】
第2規制部としての爪部102fは、
図15(a)、
図15(b)に示すように、腕部102f3と、解除斜面102f1と、突き当て部102f2と、を有している。爪部102fは、腕部102f3が弾性変形することにより、回転軸線Aを中心とする仮想円VCの半径方向rに移動可能である。具体的には、爪部102fは、
図15(b)に示す規制位置と、規制位置よりも半径方向rにおける内側の位置である
図21(b)に示す非規制位置と、に移動可能である。
【0070】
突き当て部102f2は、
図15(b)に示すように爪部102fが規制位置に位置する際に、遮蔽位置に位置するパック側シャッタ103の規制部103hに対して、回転軸線Aを中心とする周方向において対向している。この時、突き当て部102f2と規制部103hとの間には、隙間sが設けられている。パック側シャッタ103は、規制部103hが突き当て部102f2に突き当たることで、矢印K方向の回転が規制される。なお、隙間sの大きさは、任意に設定してもよく、パック側シャッタ103が隙間sの範囲で回転できる回転範囲は、遮蔽位置とみなす。すなわち、パック側シャッタ103は、規制位置に位置する爪部102fによって、遮蔽位置から矢印K方向に回転することが規制される。
【0071】
また、爪部102fが非規制位置に位置する際には、突き当て部102f2は、パック側シャッタ103の規制部103hよりも回転軸線Aを中心とする仮想円VCの半径方向rにおいて内側に位置する。このため、パック側シャッタ103は、突き当て部102f2に干渉せずに回転軸線Aを中心に回転することができる。
【0072】
図6(a)、
図21(b)に示すように、装置側シャッタ109には、軸線方向D1に延びる規制解除リブ109jが設けられている。該規制解除リブ109jは、トナーパック100が装着部106に装着される際に、爪部102fの解除斜面102f1に当接可能である。なお、
図11(b)、
図15(b)、
図17(b)及び
図21(b)に示すように、パック側シャッタ103には、開口部103jが設けられており、開口部103jは、パック側シャッタ103の端面(底面)103cから側面103dにかけて延びている。装置側シャッタ109に設けられた規制解除リブ109jは、開口部103jを貫通して、パック側シャッタ103の内側に配置される爪部102fの解除斜面102f1に当接することができる。
【0073】
解除斜面102f1は、装着方向Mの下流に向かうにつれて、半径方向rにおける内側に向けて延びるように、装着方向M(軸線方向D1)に対して傾斜している。そして、トナーパック100が装着部106に装着される際に、解除斜面102f1は、爪部102fが規制解除リブ109jから受ける力の方向を半径方向rにおける内側へ変換する。これにより、爪部102fは、解除斜面102f1が規制解除リブ109jによって押圧されることで、規制位置から非規制位置へ向けて半径方向rにおける内側に移動する。言い換えれば、爪部102fは、トナーパック100が装着部106に装着される際に、装着部106に押圧されることで、規制位置から非規制位置に移動する。
【0074】
上述した爪部102fの突き当て部102f2は、パック側シャッタ103の規制部103hに突き当たることで、パック側シャッタ103の矢印K方向の回転を規制する。次に、パック側シャッタ103の矢印K方向とは反対の矢印L方向への回転を規制する構成について説明する。
【0075】
図16(b)に示すように、パック側シャッタ103は回転規制リブ103kを有しており、ノズル102は、回転規制リブ103kに対して回転軸線Aを中心とする周方向に対向する第1規制部としての回転規制面102kを有している。パック側シャッタ103が遮蔽位置に位置している際に、回転規制リブ103kは、回転規制面102kとの間にわずかな隙間を開けて対向している。そして、遮蔽位置に位置しているパック側シャッタ103が矢印L方向に回転しようとすると、回転規制リブ103kが回転規制面102kに突き当たり、パック側シャッタ103の矢印L方向の回転が規制される。
【0076】
図16(a)、
図16(b)に示すように、爪部102fは、回転規制面102k及び回転規制リブ103kよりも装着方向Mにおける下流に配置されている。これは、爪部102fを、トナーパック100が装着部106に装着される際に装置側シャッタ109の規制解除リブ109jによって押圧しやすい位置に配置したためである。これにより、パック側シャッタ103に設けられた開口部103jの大きさを小さくすることができ、パック側シャッタ103の剛性を確保すると共に、ユーザによる爪部102fへのアクセスを抑制することができる。なお、爪部102f、回転規制面102k及び回転規制リブ103kの配置は、これに限らず、任意に変更してもよい。
【0077】
上述したように、パック側シャッタ103は、トナーパック100が装着部106に装着されていない状態では、矢印K方向及び矢印L方向の回転が規制され、遮蔽位置で容易に保持される。パック側シャッタ103は、トナーパック100が装着部106に装着されて爪部102fが非規制位置に位置した状態で、矢印K方向に回転させられると、
図12(a)に示すようにノズル102の排出口102aを露出させる。
【0078】
また、
図11(a)、
図13に示すように、パック側シャッタ103には、3つの半径方向位置決め部103fが設けられている。これら半径方向位置決め部103fは、側面103dよりも半径方向rにおける外側に突出している。半径方向位置決め部103fのそれぞれは、装着方向Mにおいてパック側シャッタ103の上流側に配置されている。
【0079】
[トナーパックの装着部への装着]
次に、
図17(a)~
図21(b)を用いて、装着部106にトナーパック100を装着する際の状態について説明する。
図17(a)、
図17(b)は、トナーパック100が装着部106に装着される途中の様子を別角度から視た斜視図である。
図18(a)は、トナーパック100を装着部106に向けて装着する際の様子を示す断面図である。
図18(b)は、トナーパック100の装着部106への装着が完了した状態を示す断面図である。
【0080】
図19(a)は、
図18(a)の19A-19A断面を示す断面図である。
図19(b)は、
図18(a)の19B-19B断面を示す断面図である。
図20(a)は、
図18(b)の20A-20A断面を示す断面図である。
図20(b)は、
図20(a)の20B-20B断面を示す断面図である。
図21(a)は、トナーパック100を装置側シャッタ109に装着する際の様子を示す斜視図である。なお、
図21(a)において、トナーパック100のパウチ101及びパック側シャッタ103は省略され、ノズル102のみが図示されている。
図21(b)は、トナーパック100の装着部106へ装着が完了した状態における、
図16(a)の16B-16B断面を示す断面図である。なお、見易さのため、
図18(a)~
図20(b)においてはパック側シャッタ103及びカバー110の切断面にハッチングを施し、
図21(b)においてはノズル102の切断面にハッチングを施している。
【0081】
そして、ユーザは、
図17(a)、
図17(b)に示すように、装置側シャッタ109が遮蔽位置にある状態の装着部106に対して、パック側シャッタ103が遮蔽位置にある状態のトナーパック100を装着方向Mに移動させて装着する。このとき、ユーザは、ノズル102の凹部102e並びにパック側シャッタ103の開口103aと、第一枠体107の位置決め部107aと、を位置合わせする。これと同時に、ユーザは、パック側シャッタ103の被駆動伝達部103eと、操作レバー108の駆動伝達部108aと、の位置も合わせる。
【0082】
このようなトナーパック100と装着部106との位置合わせの後、ユーザは、トナーパック100を装着方向Mに移動させて装着部106に装着していく。すると、
図18(a)に示すように、ノズル102の突出部102bの内周面102b1に、装置側シャッタ109のセンターボス109dの小径部109d2が篏合される。これによって、装置側シャッタ109に対する半径方向rにおけるノズル102の位置が決まる。
【0083】
この時、
図19(a)に示すように、操作レバー108の駆動伝達部108aとパック側シャッタ103の被駆動伝達部103eが係合する。同時に、
図19(b)に示すように、カバー110の側面110fおよび側面110gが、ノズル102の凹部102eを形成する面102e1および面102e2に近接若しくは係合する。また、
図19(a)、
図19(b)に示すようにパック側シャッタ103の被駆動伝達部103eは、装置側シャッタ109の被駆動伝達部109e及び操作レバー108の駆動伝達部108aに係合する。これによって、パック側シャッタ103の回転軸線Aと、装置側シャッタ109の回転軸線Bと、が略同軸となる。
【0084】
また、ノズル102の凹部102eの面102e1,102e2がカバー110の側面110f,110gにそれぞれ係合するので、トナーパック100のノズル102がカバー110を含む本体ベース部2に対して回転しない。言い換えれば、凹部102eは、トナーパック100が画像形成装置1に装着されたときに、画像形成装置1のカバー110と係合することで、画像形成装置1に対するノズル102の回転を規制する。そして、操作レバー108、パック側シャッタ103及び装置側シャッタ109は、本体ベース部2及びノズル102に対し、回転軸線Bを中心として略一体となって回転可能となる。
【0085】
具体的には、操作レバー108が回転させられると、操作レバー108の駆動伝達部108aがパック側シャッタ103の面103b1もしくは103b2を押圧し、パック側シャッタ103が回転させられる。その後、パック側シャッタ103の被駆動伝達部103eを構成する面103b1もしくは面103b2が装置側シャッタ109の被駆動伝達部109eを押圧して、装置側シャッタ109が回転させられる。
【0086】
トナーパック100の装着部106への装着が完了した状態では、パック側シャッタ103の3つの半径方向位置決め部103f(
図11(a)、
図13参照)が装置側シャッタ109の内周面109h(
図6(a)参照)に接触している。これによって、トナーパック100の装着方向Mの上流側における半径方向rの位置が決まる。
【0087】
また、
図20(a)に示すように、ノズル102の突出部102bの突出部端面102b2が装置側シャッタ109のパック当接面109gに突き当たることで、トナーパック100の装着方向Mにおける位置が決まる。なお、ノズル102の突出部102bの位置決めについては、突出部102bの外周面がカバー110の円筒部110j(
図6(a)、
図6(b)参照)に嵌合される構成でも構わない。
【0088】
また、
図20(b)に示すように、ノズル102に設けられた被位置決め部102dは、第一枠体107の位置決め部107aに係合する。これにより、トナーパック100のノズル102は、第一枠体107(本体ベース部2)に対して回転規制される。
【0089】
また、
図21(a)、
図21(b)に示すように、トナーパック100を装着部106に対して装着させると、上述したように、ノズル102に設けられた爪部102fは、規制位置から非規制位置(
図21(b)に示す位置)に移動する。より詳しくは、爪部102fは、解除斜面102f1が規制解除リブ109jによって押圧されることで、規制位置から非規制位置へ向けて半径方向rにおける内側に移動する。これにより、パック側シャッタ103の矢印K方向の回転規制が解除される。
【0090】
[操作レバーの操作]
図22(a)は、閉位置に位置する操作レバー108及びトナーパック100を示す斜視図である。
図22(b)は、開位置に位置する操作レバー108及びトナーパック100を示す斜視図である。
図23(a)は、装置側シャッタ109及びパック側シャッタ103が共に遮蔽位置に位置する際のトナーパック100及び装着部106を示す断面図である。
図23(b)は、装置側シャッタ109及びパック側シャッタ103が共に開放位置に位置する際のトナーパック100及び装着部106を示す断面図である。
【0091】
先述したように、トナーパック100が装着部106に装着された状態では、操作レバー108、パック側シャッタ103及び装置側シャッタ109は、本体ベース部2及びノズル102に対し、回転軸線Bを中心として一体的に回転可能となる。トナーパック100が装着部106に装着され、かつ操作レバー108が閉位置に位置する状態では、
図23(a)に示すように、排出口102aは、パック側シャッタ103及びパック側シール105と、装置側シャッタ109と、によって遮蔽される。このため、パウチ101内のトナーは、第二枠体117の装置側開口117aに到達することができないように構成されている。
【0092】
図22(a)、
図22(b)に示すように、トナーパック100が装着部106に装着された状態で操作レバー108が閉位置から開位置へ矢印Q方向に回転させられると、パック側シャッタ103及び装置側シャッタ109が遮蔽位置から開放位置へ回転する。
【0093】
より具体的には、操作レバー108の駆動伝達部108aが、パック側シャッタ103の面103b1を押圧する。これにより、パック側シャッタ103は、操作レバー108と共に遮蔽位置から開放位置へ回転される。言い換えれば、パック側シャッタ103は、駆動伝達部108aと面103b1とが係合することで、操作レバー108の回転に連動して遮蔽位置から開放位置へ回転する。また、遮蔽位置から開放位置へと回転されるパック側シャッタ103の面103b2が、装置側シャッタ109の被駆動伝達部109eを押圧する。これにより、装置側シャッタ109は、パック側シャッタ103と共に遮蔽位置から開放位置へ回転される。言い換えれば、装置側シャッタ109は、面103b2と被駆動伝達部109eとが係合することで、操作レバー108の回転に連動してパック側シャッタ103と一体的に回転する。
【0094】
すると、
図23(b)に示すように、パック側シャッタ103及びパック側シール105と、装置側シャッタ109と、が移動することで、ノズル102の排出口102aが開放される。すなわち、トナーパック100のパウチ101と収容部36とは排出口102a、受入口109a、及び装置側開口117aを介して連通する。パウチ101内のトナーは、パウチ101がユーザによって圧縮されることで、空気と共に排出口102a、受入口109a及び装置側開口117aを介して、現像容器32の収容部36に補給される。
【0095】
ユーザは、トナーパック100から現像容器32へのトナーの補給が完了すると、操作レバー108を開位置から閉位置へ回転させる。操作レバー108が開位置から閉位置へ回転させられると、操作レバー108の駆動伝達部108aがパック側シャッタ103の面103b2を押圧する。これにより、パック側シャッタ103は、操作レバー108と共に開放位置から遮蔽位置へ回転される。また、開放位置から遮蔽位置へと回転されるパック側シャッタ103の面103b1が装置側シャッタ109の被駆動伝達部109eを押圧する。これにより、装置側シャッタ109は、パック側シャッタ103と共に開放位置から遮蔽位置へ回転される。
【0096】
この状態で、ユーザは、トナーパック100を装着部106から引き抜くことで、トナーの補給作業が完了する。
【0097】
[トナーパックの詳細]
図24(a)~
図34(b)を参照して、本実施例に係るトナーパック100の製造方法と、ノズル本体と結合部材の結合構成の詳細について説明する。
【0098】
[トナーパックの製造工程]
先ず、
図27(a)~
図28(b)を参照して、本実施例に係るトナーパックの製造工程について説明する。
【0099】
図27(a)は、パウチに結合部材を結合する前の分離した様子を示す斜視図である。
図27(b)は、パウチに結合部材が結合された後の様子を示す斜視図である。
図27(c)は、パウチに結合部材が結合されたトナー充填用形態を示す斜視図である。
図28(a)は、ノズル本体が結合部材に対して挿入完了位置にある状態を示すパウチ及びノズルの拡大斜視図である。
図28(b)は、ノズル本体が結合部材に対して
図28(a)に示す挿入完了位置から係合完了位置まで回転させられた状態を示すパウチ・ノズルアセンブリの拡大斜視図である。
【0100】
本実施例に係るトナーパック100は、上述したように、トナーを収容する容器部材としてのパウチ101と、パウチ101に結合されるノズル102と、パック側シャッタ103と、を有する。そして、本実施例においては、ノズル102が、ノズル本体121と、結合部材122と、から構成される。トナーパック100の製造においては、上述した各部材の組付けとともに、パウチ101へのトナーの充填が行われる。
【0101】
具体的には、
図27(a)、
図27(b)に示すように、先ず、パウチ101に結合部材122を取り付ける(第1の組付工程)。取り付け方法は上述した通りである。次に、
図27(b)に示すように、パウチ101に結合部材122のみが結合されたトナー充填用形態において、結合部材122の開口部(貫通孔122b)を介してパウチ101にトナーを充填する(充填工程)。そして、
図27(a)~
図28(b)に示すように、結合部材122にノズル本体121を係合させてノズル102がパウチ101に結合された状態(パウチ・ノズルアセンブリが形成された状態)とする(第2の組付工程)。
【0102】
より具体的には、
図27(c)に示すように、ノズル本体121の結合部材122への組付けにおいて、先ず、挿入部121aを貫通孔122bに挿入方向Iに挿入し、ノズル本体121を結合部材122に対して挿入方向Iに移動させる。挿入方向Iは、装着方向Mと平行かつ装着方向Mとは逆方向である(取り外し方向Uと平行かつ取り外し方向Uと同方向)。
図28(a)に示すように、ノズル本体121は、結合部材122に対し、フランジ121cが結合部材122の被突き当て部としての対向部122cに突き当たる状態となる挿入完了位置まで挿入される(挿入工程)。そして、
図28(b)に示すように、フランジ121cが対向部122cに突き当たる状態を維持したまま、ノズル本体121を結合部材122に対して挿入方向Iに平行な回転軸線C周りの回転方向Sに回転させる(回転工程)。回転軸線Cは、回転軸線A、Bと略同軸である。
【0103】
最後に、パック側シャッタ103を取り付けることで、
図9、
図10等に示すトナーパック100が完成する(第3の組付工程)。
【0104】
[トナーの充填]
上述したように、本実施例においては、パウチ101へのトナーの充填は、ノズル本体121を取り付ける前の、結合部材122がパウチ101に取り付けられた状態(
図27(b))において行う。すなわち、トナー充填工程は、第1の組付工程の後、第2の組付工程の前に行う。
【0105】
トナー充填工程は、例えば、結合部材122を取り付ける前に、パウチ101の開口部101bを介して行うことも考えられる。しかしながら、パウチ101は可撓性を有する部材であり、トナー充填の最中に開口部101bの形状を維持するための何らかの工夫が必要となる。本実施例によれば、パウチ101の開口部101bに結合部材122が取り付けられ、結合部材122の開口部をトナーの充填口として利用するため、充填口の形状を維持するための手立てが不要となる。
【0106】
また、例えば、ノズルをパウチに取り付けた状態で、ノズルのトナー排出口を利用してトナーを充填することが考えられる。しかしながら、排出口の形態によってはトナーの充填が容易でない場合があり、充填作業を効率的に行えない場合がある。特に、本実施例のノズル102のように、トナーパック100を長手方向に起立させたときに排出口102aが側方に開口する構成においては、排出口102aを介してのトナー充填を効率的に行うことが難しい場合がある。本実施例では、排出口102aよりも開口面積が広く、かつ、トナーパック100の長手方向に沿って、パウチ101の収容部101aに対して真っすぐに開口する結合部材122の開口部を利用してトナーを充填する構成としている。これにより、トナーの充填が容易となりなり、充填作業を効率良く行うことができる。
【0107】
[ノズル本体と結合部材の係合構成]
図24(a)~
図34(b)を参照して、本実施例に係るトナーパック100におけるノズル本体121と結合部材122の係合構成について説明する。
【0108】
図24(a)は、本実施例に係るトナーパックのノズル本体の斜視図である。
図24(b)は、
図24(a)とは異なる視点の本実施例に係るトナーパックのノズル本体の斜視図である。
図25(a)は、本実施例に係るトナーパックのノズル本体を結合部材に対する挿抜方向とは逆方向に見たときの図(平面図)である。
図25(b)は、本実施例に係るトナーパックのノズル本体を結合部材に対する挿抜方向に見たときの図(底面図)である。
図26(a)は、本実施例に係るトナーパックの結合部材の斜視図である。
図26(b)は、
図26(a)とは異なる視点の本実施例に係るトナーパックの結合部材の斜視図である。
図29(a)は、ノズル本体の排出口が設けられた側を示す側面図である。
図29(b)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図である。
図29(c)は、ノズル本体の
図29(a)に示す側とは反対側を示す側面図である。
図29(d)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図である。
【0109】
図26(a)、
図26(b)、
図27(a)、
図27(b)、
図29(b)、
図29(d)に示すように、結合部材122は、パウチ101の開口部101bの内周に沿って取り付けられる略環状の部材である。結合部材122は、パウチ101の開口部101bの形状に対応した形状を有する外周部122aと、結合部材122がパウチ101の開口部101bに結合された際にパウチ101の収容部101aを外部と連通させるための貫通孔122bと、を有する。結合部材122は、パウチ101の開口部101bに結合された際に、パウチ101外部に対して装着方向Mに露出し、ノズル本体121が結合部材122に結合される際に、ノズル本体121に対して装着方向Mに対向する対向部122cを有する。
【0110】
パウチ101の開口部101bは、装着方向Mに向かって開口しており、結合部材122が開口部101bに結合された状態において、貫通孔122bは装着方向Mに沿って結合部材122を貫通する。この貫通孔122bが、上述したトナーの充填工程において、パウチ101の収容部101aへトナーを充填するための充填口となる。また、貫通孔122bは、装着方向Mと平行な軸線を中心軸とする結合部材122の内周面122dや後述する被係合溝124により形成される。かかる構成部が、ノズル本体121の組付け時(第2の組付工程)において、ノズル本体121の挿入部121aが挿入される被挿入部122eを形成する。
【0111】
図24(a)、
図24(b)、
図25(a)、
図25(b)、
図29(a)、
図29(c)に示すように、ノズル本体121は、挿入部121aと、被装着部121bと、フランジ121cと、を有する。挿入部121aは、ノズル本体121において、結合部材122の貫通孔122bに挿入される部分である。被装着部121bは、フランジ121cを挟んで挿入部121aとは反対側に設けられた部分であり、トナーパック100が画像形成装置1に装着される際に、ノズル本体121において画像形成装置1の装着部106に装着される部分である。また、被装着部121bは、トナーパック100の組立時においてノズル本体121が結合部材122に結合された状態において、パウチ101外部に露出する部分であり、排出口102aや突出部102bなどが備えられる。
【0112】
フランジ121cは、挿入部121aと被装着部121bとの間、すなわち、貫通孔122bに対する挿入部121aの挿入方向Iにおいて、挿入部121aに対して上流側に設けられ、挿入方向Iと直交する方向に延びている。フランジ121cは、突き当て部として、挿入部121aが貫通孔122bに挿入される際に、挿入方向Iに結合部材122の対向部122cと対向する対向面を有する。フランジ121cは、挿入部121aの貫通孔122bへの挿入時において、挿入方向Iに対向部122cに対して突き当たることで、ノズル本体121の結合部材122に対する挿入完了位置を画定する。
【0113】
図34(a)は、パウチ・ノズルアセンブリのノズル周辺の斜視断面図であり、
図34(b)の34A-34A断面図である。
図34(b)は、シール部材の構成を示す断面図であり、
図34(a)の34B-34B断面図である。
図34(a)(b)に示すように、ノズル本体121のフランジ121cと結合部材122の対向部122cとの間には、シール部材127が貫通孔122bの外周を囲むように環状に配置される。シール部材127は、フランジ121cと対向部122cとの間で挿入方向Iに圧縮されることで、フランジ121cと対向部122cとの間の隙間を封止し、トナー漏れを防止する。
【0114】
図24(a)~
図26(b)、
図29(a)~
図33(b)を参照して、ノズル本体121と結合部材122の係合構成をさらに詳細に説明する。
【0115】
図30(a)は、内側係合突起の構成を示す拡大斜視図である。
図30(b)は、被係合溝の構成を示す拡大斜視図である。
図31(a)は、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して挿入完了位置にあるときの様子を示している。
図31(b)は、
図31(a)の31B-31B断面図である。
図31(c)は、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して係合完了位置にあるときの様子を示している。
図31(d)は、
図31(c)の31D-31D断面図である。
図32(a)は、ノズル本体が挿入完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示すパウチ及びノズルの拡大側面図である。
図32(b)は、
図32(a)に示すパウチ及びノズルを挿入方向に見たときの図(底面図)である。
図32(c)は、ノズル本体が係合完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示すパウチ・ノズルアセンブリの拡大側面図である。
図32(d)は、
図32(c)に示すパウチ・ノズルアセンブリを挿入方向に見たときの図(底面図)である。
図33(a)は、ノズル本体が係合完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示す拡大斜視図である。
図33(b)は、ノズル本体が係合完了位置にあるときの第2の係合構成(ノズル本体の外側係合突起と結合部材の被係合突起)の様子を示す拡大側面図である。
【0116】
上述したように、ノズル本体121の結合部材122への組付けにおいては、ノズル本体121を結合部材122に対して挿入完了位置まで挿入した後、ノズル本体121を結合部材122に対して回転軸線C周りの回転方向Sに回転させる。ノズル本体121と結合部材122との間には、上記回転によって互いに係合状態となるように構成された係合構成が設けられており、かかる係合構成によりノズル本体121は結合部材122と結合した状態となる。この結合状態を形成するための係合構成として、ノズル本体121と結合部材122との間には、回転軸線Cからの径方向の距離が異なる少なくとも2種類の係合構成が設けられている。
【0117】
図24(a)乃至
図26(b)、
図29(a)乃至
図29(d)に示すように、ノズル本体121は、回転軸線Cに関する径方向において内径側に設けられる係合部及び第1の係合部としての内側係合突起123と、外径側に設けられる第2の係合部としての外側係合突起125と、を有する。これに対応して、結合部材122は、被係合部及び第1の被係合部としての被係合溝124と、第2の被係合部としての被係合突起126と、を有する。なお、後述するように、ノズル本体121は、4つの内側係合突起(123)を有しており、これら4つの内側係合突起を特に区別しない場合には、内側係合突起123と記述する。一方で、4つの内側係合突起のうち、3つの内側係合突起を内側係合突起123Aと記述し、残りの1つの内側係合突起を内側係合突起123Bと記述することで、内側係合突起123Aと内側係合突起123Bとを区別することがある。同様に、結合部材122は、4つの被係合溝(124)を有しており、これら4つの被係合溝を特に区別しない場合には、被係合溝124と記述する。一方で、4つの被係合溝のうち、内側係合突起123Aと係合する3つの被係合溝を被係合溝124Aと記述し、内側係合突起123Bと係合する1つの被係合溝を被係合溝124Bと記述することがある。内側係合突起123が被係合溝124に係合し、外側係合突起125が被係合突起126に係合する。すなわち、内側係合突起123と被係合溝124とが内径側の係合構成(第1の係合構成)を形成し、外側係合突起125と被係合突起126とが外径側の係合構成(第2の係合構成)を形成する。いずれの係合構成も、ノズル本体121と結合部材122との間の所定の回転軸線Cを中心軸とする相対回転において、弾性変形する過程を経て互いに係合した係合状態となるように構成されている。かかる係合状態において、ノズル本体121と結合部材122との間の回転軸線方向における相対移動が規制される。
【0118】
[第1の係合構成]
内側係合突起123と被係合溝124とによる係合構成(第1の係合構成)は、いわゆる嵌め殺し構成となっている。ノズル本体121が結合部材122に対して挿入完了位置に到達した後、両者を相対回転させる際に、内側係合突起123と被係合溝124とが取り得る相対回転位相には、非係合位相と、変形位相と、係合位相と、が含まれる。
【0119】
ノズル本体121が挿入完了位置に到達した状態において、内側係合突起123と被係合溝124は非係合位相にある。ノズル本体121が結合部材122に対して回転方向Sに回転することで、内側係合突起123と被係合溝124は、非係合位相から、変形位相を経て、係合位相に至る。内側係合突起123と被係合溝124は、変形位相において内側係合突起123と被係合溝124の少なくともいずれかに弾性変形が生じることによって、係合位相に至ることができるように構成されている。
【0120】
内側係合突起123と被係合溝124が係合位相にある状態において、ノズル本体121は結合部材122に対して、周方向における相対移動と回転中心軸線の方向における相対移動と、が規制される状態となる。内側係合突起123と被係合溝124は、一旦、係合位相に至ると、その後、ノズル本体121を結合部材122に対して回転方向S(第1方向)とは逆方向(第2方向)に回転させても、変形位相や非係合位相へ再び戻ることはない。
【0121】
内側係合突起123は、
図24(a)~
図25(b)に示すように、ノズル本体121の挿入部121aの外周面から径方向に突出している。内側係合突起123は、挿入部121aの外周面に対し、ノズル本体121を結合部材122に結合させる際のノズル本体121の回転方向Sの下流に向かう程、挿入部121aの貫通孔122bへの挿入方向Iの下流に向かうように螺旋状に延びている。
【0122】
内側係合突起123は、
図29(a)、
図29(c)、
図30(a)に示すように、回転方向Sにおける先端側に第1側面123d、後端側に第2側面123e、挿入方向Iにおける後端側に第3側面123f、を有する。第1側面123dと第2側面123eは、挿入方向Iに沿って延びる側面であり、第3側面123fは、挿入方向Iと回転方向Sのそれぞれに対して傾斜した方向であって、回転方向Sの下流側に向かうほど挿入方向Iの下流側に向かう傾斜方向に延びる側面である。
【0123】
また、内側係合突起123は、第1側面123dと第3側面123fとの間に、それぞれの側面に対して傾斜した側面である力受け面123b(第1の被案内傾斜面)を有する。力受け面123bは、変形位相において、内側係合突起123と被係合溝124が係合位相に相対移動することを許容するような変形を内側係合突起123と被係合溝124の少なくとも一方に生ぜしめる押圧力を、被係合溝124から受けるための面である。
【0124】
被係合溝124は、
図26(a)、
図26(b)に示すように、結合部材122の貫通孔122bの内側、すなわち貫通孔122bを形成する内周面122dに設けられた溝である。被係合溝124は、挿入方向Iと平行な内周面122dの中心軸に関する径方向において内周面122dに対して径方向外向きに凹んでいる。
【0125】
被係合溝124は、
図29(b)、
図29(d)、
図30(b)に示すように、概略、挿入案内部124aと、変形案内部124bと、係合保持部124cと、を有する構成となっている。
図31(a)乃至
図31(d)に示すように、被係合溝124に導入された内側係合突起123は、ノズル本体121の結合部材122に対する回転方向Sの相対回転によって、挿入案内部124aから、変形案内部124bの力付与面との接触を経て、係合保持部124cへ案内される。
【0126】
挿入案内部124aは、結合部材122の挿入方向Iと反対方向の対向部122cの端面において挿入方向Iと平行な方向に開放された挿入口を有する。挿入案内部124aは、上記挿入口から挿入方向Iに延びており、ノズル本体121の挿入部121aが貫通孔122bに挿入される際に、内側係合突起123を挿入方向Iに引き入れてガイドする。
【0127】
被係合溝124は、挿入案内部124aよりも奥側(挿入方向I下流側)が回転方向Sに延びており、係合保持部124cの手前に変形案内部124bが設けられている。変形案内部124bは、係合保持部124cに対して挿入方向Iの下流側に突出するような構成となっており、被係合溝124の溝側面の一部として、力付与面(第1の案内傾斜面)としての第1傾斜面124b1及び第2傾斜面124b2を有する。
【0128】
第1傾斜面124b1と第2傾斜面124b2は、内側係合突起123を案内する方向についての周方向に対する傾斜角度が段階的に小さくなるように構成されている。第1傾斜面124b1と第2傾斜面124b2は、それぞれ、挿入方向Iと回転方向Sのそれぞれに対して傾斜した方向であって、回転方向S下流側に向かうほど挿入方向I下流側に向かう傾斜方向に延びる溝側面である。第1傾斜面124b1と第2傾斜面124b2は、それぞれ、変形位相にある内側係合突起123の力受け面123bに対して挿入方向I及び回転方向Sとは逆方向に対向する。内側係合突起123に対して、先ず、第1傾斜面124b1が案内し、次に、第2傾斜面124b2が案内する。第2傾斜面124b2の方が、第1傾斜面124b1よりも周方向に対する角度が小さく構成されている。
【0129】
内側係合突起123は、ノズル本体121と結合部材122の相対回転による回転方向Sの移動によって、力受け面123bが第1傾斜面124b1と接触する。力受け面123bと第1傾斜面124b1との間に発生する押圧力によって生じる内側係合突起123と被係合溝124の少なくとも一方の変形により、内側係合突起123は、被係合溝124の変形案内部124bに対して挿入方向Iの下流側に相対的に変位する。
【0130】
力受け面123bと第1傾斜面124b1とが摺動しながらノズル本体121と結合部材122の相対回転がさらに進むと、内側係合突起123が変形案内部124bに対して挿入方向Iの下流側に乗り上げたような状態となる。すなわち、内側係合突起123の第3側面123fと被係合溝124の変形案内部124bの第2傾斜面124b2とが接触し摺動する状態となる。力受け面123bと第2傾斜面124b2との間に発生する押圧力によって生じる内側係合突起123と被係合溝124の少なくとも一方の変形により、内側係合突起123は、さらに、被係合溝124の変形案内部124bに対して挿入方向Iの下流側に相対的に変位する。
【0131】
この状態からさらにノズル本体121と結合部材122の相対回転が進むことで、内側係合突起123は変形案内部124bよりも回転方向S下流側に移動し、上記押圧力が解除される。これにより、内側係合突起123は、変形状態から解放されて、被係合溝124に対して挿入方向Iとは逆方向に相対的に変位する。すなわち、内側係合突起123は、内側係合突起123と被係合溝124の少なくとも一方の変形によって、変形案内部124bを乗り越えるようにして、被係合溝124に対して回転方向Sに相対移動し、係合保持部124cに収まる動きをなす。これにより、内側係合突起123と被係合溝124の相対回転位相が、変形位相から係合位相へ変化する。
【0132】
係合保持部124cは、挿入方向Iにおける被係合溝124の溝幅が、変形案内部124bに対して挿入方向Iとは逆方向に広がるように構成されている。変形位相において生じた内側係合突起123乃至被係合溝124の弾性変形は、両者の相対回転位相の係合位相への遷移によって解除され、内側係合突起123が係合保持部124cに収容される状態となる。
【0133】
係合保持部124cは、係合位相にある内側係合突起123に対して、内周面122dの周方向に沿って、回転方向Sとは逆方向に対向する第1溝側面124dと、回転方向Sに対向する第2溝側面124eと、を有する。第1溝側面124dは、挿入方向Iに沿って延びる溝側面であり、第1の周方向規制部として内側係合突起123の第1側面123dに対して回転方向Sとは逆方向に対向する。第2溝側面124eも、挿入方向Iに沿って延びる溝側面であり、第2の周方向規制部として内側係合突起123の第2側面123eに対して回転方向Sに対向する。
【0134】
これら内側係合突起123と係合保持部124cとの間の各周方向の対向面によって、係合位相にある内側係合突起123と被係合溝124との周方向の相対回転移動が規制される。内側係合突起123と係合保持部124cとの間の各周方向の対向面は、隙間なく対向することが理想であるが、僅かな隙間を有して対向する構成としてよい。すなわち、ノズル本体121と結合部材122が互いに係合した後に許容される相対回転可能な範囲が、トナーパック100の機能に影響を与えない範囲に抑えられる限りにおいて、遊嵌状態で係合する構成としてよい。
【0135】
また、係合保持部124cは、係合位相にある内側係合突起123に対して、挿入方向Iに対向する第3溝側面124fを有する。第3溝側面124fは、内側係合突起123の第3側面123fに対応して挿入方向Iと回転方向Sのそれぞれに対して傾斜した方向であって、回転方向Sの下流側に向かうほど挿入方向Iの下流側に向かう傾斜方向に延びる溝側面である。
【0136】
係合位相にある内側係合突起123の第3側面123fに対して反挿入方向規制部としての第3溝側面124fが挿入方向Iに当接することで、ノズル本体121が結合部材122に対して挿入方向Iと逆方向の反挿入方向に離隔する相対移動が規制される。これに対し、結合部材122に対するノズル本体121の挿入方向Iの相対移動は、上述したように、挿入方向規制部としての結合部材122の対向部122cがノズル本体121のフランジ121cに対して反挿入方向に突き当たることで規制される。これにより、挿入方向Iと反挿入方向の両方向において、結合部材122に対するノズル本体121の相対移動が規制される。
【0137】
第3溝側面124fは、回転方向Sの下流側に向かうほど内側係合突起123を挿入方向Iの下流側に押し込めるように傾斜している。かかる傾斜構成による楔効果によって、内側係合突起123と被係合溝124との相対移動がより規制されるとともに、ノズル本体121と結合部材122との間の挿入方向Iにおける密着性が高められることになる。すなわち、ノズル本体121と結合部材122との間の寸法誤差を吸収して安定した密着性を得ることができる。
【0138】
内側係合突起123は、挿入部121aの外周面の周方向において互いに異なる位置(挿入部121aの中心軸線周りの異なる位相)に複数設けられており、本実施例では、周方向に等間隔で4カ所に設けられている。被係合溝124も、内側係合突起123に対応して、周方向に等間隔で4カ所に設けられている。なお、内側係合突起123と被係合溝124とによる係合構成を設ける数は、4カ所に限られるものではなく、3か所以下あるいは5カ所以上でもよい。
【0139】
本実施例では、ノズル本体121の結合部材122への誤装着を防止するための構成として、四組の係合構成のうち一組だけ挿入方向Iにおける位置を他の組と異ならせている。すなわち、4つの内側係合突起123のうちの1つである内側係合突起123Bの挿入方向Iにおける位置を、他の3つの内側係合突起123Aの位置に対して挿入方向Iの下流側にずらした位置としている。これに対応して、内側係合突起123Bに対応する被係合溝124Bにおける係合保持部124cの挿入方向Iにおける位置を、他の3つの被係合溝124Aにおける係合保持部124cの位置に対して挿入方向Iの下流側にずらした位置としている。これにより、ノズル本体121と結合部材122の挿入方向I周りの相対位相が、内側係合突起123Bが被係合溝124Bとが一致する位相でない限り、ノズル本体121は結合部材122に対して組み付けることができない。よって、結合部材122に係合された際の結合部材122に対するノズル本体121の挿入方向I周りの位相(向き)、すなわちパウチ101に対するノズル本体121の挿入方向I周りの位相が一定となる(一の姿勢に定まる)。
【0140】
なお、誤装着防止のための構成は上記構成に限定されるものではない。例えば、内側係合突起123Aと内側係合突起123Bの挿入方向Iの位置のずらし方を、内側係合突起123Bを内側係合突起123Aに対して挿入方向Iの上流側にずらす構成としてもよい。また、例えば、隣接する二つの内側係合突起123の挿入方向Iの位置を他の二つの内側係合突起に対して異ならせるようにしてもよい。また、内側係合突起123は3つ以下あるいは5つ以上設けてもよく、その場合の内側係合突起123Aと内側係合突起123Bの組み合わせは、誤装着防止機能が得られる限りにおいて任意に組み合わせてよい。また、内側係合突起123の挿入方向Iにおける位置のずらし方は、本実施例のように2段階に限定されるものではなく、3段階以上に異ならせるように構成してもよい。
【0141】
本実施例では、係合突起をノズル本体121に設け、被係合溝を結合部材122に設ける構成としたが、係合突起を結合部材122に設け、被係合溝をノズル本体121に設ける構成としてもよい。ただし、後者の構成においては、ノズル本体121に設けた被係合溝がパウチ101の収容部101aと連通する構成となるため、かかる係合構成部がトナーの漏れ経路とならないようにシール構成の考慮が必要になる可能性がある。
【0142】
[第2の係合構成]
外側係合突起125(第3の突起)と被係合突起126(第2の突起)とによる係合構成(第2の係合構成)も、いわゆる嵌め殺し構成となっている。ノズル本体121が結合部材122に対して挿入完了位置に到達した後、両者を相対回転させる際に、外側係合突起125と被係合突起126とが取り得る相対回転位相には、非係合位相と、変形位相と、係合位相と、が含まれる。
【0143】
ノズル本体121が挿入完了位置に到達した状態において、外側係合突起125と被係合突起126は非係合位相にある。ノズル本体121が結合部材122に対して回転方向Sに回転することで、外側係合突起125と被係合突起126は、非係合位相から、変形位相を経て、係合位相に至る。外側係合突起125と被係合突起126は、変形位相において外側係合突起125と被係合突起126の少なくともいずれかに弾性変形が生じることによって、係合位相に至ることができるように構成されている。
【0144】
外側係合突起125と被係合突起126が係合位相にある状態において、ノズル本体121は結合部材122に対して、周方向における相対移動と回転中心軸線の方向における相対移動と、が規制される状態となる。外側係合突起125と被係合突起126は、一旦、係合位相に至ると、その後、ノズル本体121を結合部材122に対して回転方向Sとは逆方向に回転させても、外側係合突起125や被係合突起126を変形させるような何らかの外力を加えない限り、変形位相や非係合位相へ再び戻ることはない。
【0145】
外側係合突起125は、
図24(a)~
図25(b)、
図32(a)~
図32(d)に示すように、ノズル本体121のフランジ121cの外周端部から外径方向に突出する、略三角翼形状を有する突起である。具体的には、外側係合突起125は、結合部材122に対するノズル本体121の相対回転方向である回転方向Sにおいて、回転方向Sとは逆方向に向かうほど径方向の突出高さが高くなるように突出している。
【0146】
外側係合突起125は、
図33(a)、
図33(b)に示すように、力受け面125aと、摺動面125bと、係合面125cと、を有する。力受け面125a(第2の被案内傾斜面)は、回転方向Sにおける外側係合突起125の先端面であり、回転方向Sの上流側に向かうほど外径方向に向かうように傾斜した方向、及び挿入方向Iに沿って延びる傾斜面である。摺動面125bは、挿入方向Iにおける外側係合突起125の下流側端面であり、挿入方向Iと直交する方向に延びる面である。係合面125cは、回転方向Sにおける外側係合突起125の後端面であり、挿入方向I及び径方向に延びる面である。
【0147】
被係合突起126は、
図24(a)~
図25(b)、
図32(a)~
図32(d)に示すように、結合部材122の対向部122cから挿入方向Iとは逆方向に突出する略三角形リブ形状を有する突起である。具体的には、ノズル本体121のフランジ121cの外周よりも径方向外側に配置され、結合部材122に対するノズル本体121の相対回転方向である回転方向Sに向かうほど挿入方向Iとは逆方向の反挿入方向への突出高さが高くなるように突出している。
【0148】
被係合突起126は、
図33(a)、
図33(b)に示すように、力付与面126aと、被摺動面126bと、被係合面126cと、を有する。力付与面126a(第2の案内傾斜面)は、被係合突起126の回転方向Sの上流側の傾斜面であり、回転方向Sの下流側に向かうほど、反挿入方向における対向部122cからの突出高さが高くなるように傾斜した方向、及び径方向に沿って延びる傾斜面である。被摺動面126bは、挿入方向Iにおける被係合突起126の上流側端面であり、挿入方向Iと直交する方向に延びる面である。被係合面126cは、回転方向Sにおける被係合突起126の下流側端面であり、挿入方向I及び径方向に延びる面である。
【0149】
外側係合突起125は、ノズル本体121と結合部材122の相対回転による回転方向Sの移動によって、力受け面125aが力付与面126aと接触する。力受け面125aと力付与面126aとの間に発生する押圧力によって生じる外側係合突起125と被係合突起126の少なくとも一方の変形により、外側係合突起125は、被係合突起126に対して挿入方向Iの下流側に相対的に変位する。
【0150】
力受け面125aと力付与面126aとが摺動しながらノズル本体121と結合部材122の相対回転がさらに進むと、外側係合突起125が被係合突起126に対して挿入方向Iの下流側に乗り上げたような状態となる。すなわち、外側係合突起125の摺動面125bが被係合突起126の被摺動面126bに対して挿入方向Iに対向、接触し、摺動する状態となる。
【0151】
この状態からさらにノズル本体121と結合部材122の相対回転が進むことで、外側係合突起125は被係合突起126よりも回転方向S下流側に移動し、上記押圧力が解除される。これにより、外側係合突起125は、変形状態から解放されて、被係合突起126に対して挿入方向Iに相対的に変位する。すなわち、外側係合突起125は、外側係合突起125と被係合突起126の少なくとも一方の変形によって、被係合突起126を乗り越えるようにして、被係合突起126に対して回転方向S下流側に相対移動する。これにより、第4の周方向規制部としての外側係合突起125の係合面125cが、第3の周方向規制部としての被係合突起126の被係合面126cに対して回転方向Sとは逆方向に対向する状態となる。よって、結合部材122に対するノズル本体121の回転方向Sとは逆方向の相対回転が規制される。すなわち、外側係合突起125と被係合突起126の相対回転位相が、変形位相から係合位相へ変化する。
【0152】
外側係合突起125と被係合突起126からなる第2の係合構成は、ノズル本体121と結合部材122との間の相対回転の回転軸線C周りの周方向において互いに異なる位置(挿入部121aの中心軸線周りの異なる位相)に複数設けられている。本実施例では、周方向に2カ所に設けられている。なお、第2の係合構成を設ける数は、2カ所に限られるものではなく、1カ所あるいは3カ所以上でもよい。
【0153】
上述した、第1の係合構成によれば、結合部材122に対するノズル本体121の挿入方向Iとその逆方向である反挿入方向(抜け方向)の両方の相対移動を規制することができる。また、ノズル本体121と結合部材122との挿入方向Iに沿った回転軸周りの相対回転移動も規制することができる。相対回転規制は第2の係合構成によっても実現され、この相対回転規制により、結果的に結合部材122に対するノズル本体121の挿抜方向の相対移動も規制されることになる。
【0154】
また、挿抜方向の相対移動と相対回転移動の両方を規制する第1の係合構成を、第2の係合構成よりも、相対回転の回転軸に関する径方向において、内径側に配置している。これにより、係合状態を形成するために必要となる回転トルクを、他の配置とした場合(例えば、第1の係合構成と第2の係合構成の径方向の配置を逆にしたような場合)よりも相対的に小さくすることができる。特に、内側係合突起123が被係合溝124の変形案内部124bを乗り越える変形を生じさせるために必要となる力を抑制することができ、組立作業を容易にすることが可能となる。
【0155】
内側係合突起123と被係合溝124からなる第1の係合構成は、ノズル本体121の組付け後において外部に露出しない構成となっている。すなわち、第1の係合構成は、結合部材122の被挿入部122eの貫通孔122bの内側に配置されている。さらに、結合部材122の挿入部121aやフランジ121cが、内側係合突起123と被係合溝124との係合部を外部に対して覆う覆い部として機能している。これにより、外部からの第1の係合構成に接触すること等が規制され、破壊されない限り、第1の係合構成の係合状態を恒久的に維持することができる。なお、第1の係合構成へのアクセスを規制することができる構成であれば、第1の係合構成に対する外部からの視認性は問題としない。すなわち、例えば、小さい隙間を介して第1の係合構成の係合部を視認可能な構成であったとしても、隙間の大きさが第1の係合構成へのユーザの接触を規制することができる大きさであれば、本発明の効果に影響を及ぼすものではない。
【0156】
本実施例では、第1の係合構成、すなわち、内側係合突起123と被係合溝124とが係合状態となるタイミングと、第2の係合構成、すなわち、外側係合突起125と被係合突起126とが係合状態となるタイミングと、が一致するように構成している。第1の係合構成は外部に露出していないのに対し、第2の係合構成は、結合部材122の被挿入部122eの外側に設けられ、外部に露出した構成となっている。よって、第2の係合構成の係合状態を確認することで、外からは見えない第1の係合構成の係合状態を間接的に確認することができる。
【0157】
[第1の係合構成の変形例]
図35(a)~
図36(d)を参照して、第1の係合構成の変形例について説明する。なお、第1の係合構成の変形例において上記実施例と同様の構成については、上記実施例と同じ符号を付している。
【0158】
図35(a)は、第1の係合構成の変形例における、ノズル本体の排出口が設けられた側を示す側面図である。
図35(b)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図である。
図35(c)は、第1の係合構成の変形例における、ノズル本体の
図35(a)に示す側とは反対側を示す側面図である。
図35(d)は、ノズル本体と結合部材の相対回転の回転軸線を含む結合部材の断面図である。
図36(a)は、第1の係合構成の変形例における、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して挿入完了位置にあるときの様子を示している。
図36(b)は、
図36(a)の36B-36B断面図である。
図36(c)は、第1の係合構成の変形例における、パウチに取り付けられた結合部材の開口部内側の様子を、ノズル本体のうち内側係合突起のみを図示して示す模式的拡大斜視図であり、ノズル本体が結合部材に対して係合完了位置にあるときの様子を示している。
図36(d)は、
図36(c)の36D-36D断面図である。
【0159】
上記実施例では、内側係合突起123が螺旋状に延びる傾斜突起としたが、内側係合突起123の形態はかかる構成に限定されない。例えば、第3側面123f2を、上記実施例の第3側面123fのように挿入方向Iと回転方向Sのそれぞれに対して傾斜した傾斜面とせずに、回転方向Sの回転軸に対して垂直に延びる面としてよい。すなわち、内側係合突起1232の全体形状として、周方向に延びる形態としてもよい。この場合、被係合溝1242の係合保持部124cにおいて第3側面123f2と対向する第3溝側面124f2も、第3側面123f2に対応して、回転方向Sの回転軸に対して垂直に延びる面としてよい。
【0160】
[トナーパックの各部材の材料]
次に、トナーパック100の各部材の材料について、
図37及び
図38を用いて説明する。
図37は、トナーパック100を示す分解斜視図である。
図38は、トナーパック100を示す分解正面図である。
【0161】
図37及び
図38に示すように、トナーパック100は、主にパウチ101、結合部材122、シール部材127、ノズル本体121及びパック側シャッタ103から構成されている。なお、
図37では、シール部材127は不図示となっている。
【0162】
ノズル本体121及びパック側シャッタ103の主成分は、樹脂であり、ノズル本体121及びパック側シャッタ103は、射出成型等によって形成される。シール部材127は、ポリウレタンを発泡させることで作られる発泡ウレタンによって形成される。このため、シール部材127は、柔軟性及び弾力性を有し、ノズル本体121と結合部材122との間で圧縮されることで、ノズル本体121と結合部材122との間の隙間を封止する。
【0163】
パウチ101及び結合部材122の主成分は、紙である。例えば、パウチ101及び結合部材122に紙以外のものが混在していても、パウチ101及び結合部材122を構成するもののうちの主なもの(例えば全体質量の50%以上)が紙であれば、パウチ101及び結合部材122の主成分は紙であると言える。すなわち、パウチ101及び結合部材122の主材は紙であり、パウチ101及び結合部材122は複数の紙及びこれら複数の紙を接着するための接着層を含む。接着層は、紙以外の成分を含んでもよい。パウチ101は、例えば複数枚の紙を熱溶着によって接合し、パウチ形状に形成している。
【0164】
このように、トナーパック100は、
図37及び
図38に示す破線BL1を境に、主に紙からなる紙製部品であるパウチ101及び結合部材122と、主に樹脂からなる樹脂製部品であるシール部材127、ノズル本体121及びパック側シャッタ103と、に分けられる。
【0165】
近年、環境負荷の少ない製品が望まれており、その一環として、リサイクル性の向上が課題となっている。特に、トナーパック100のような消耗品については、リサイクル性の高い製品が望まれている。一般に、紙は、比較的単純なプロセスでリサイクル可能であり、例えば使用済みの紙製品をパルプに戻し、該パルプを再生紙の製造に用いることができる。一方で、樹脂材料のリサイクルは、紙に比して複雑である。このため、より紙製部品を増やすことで、トナーパック100のリサイクル性を向上できる。そこで、本実施例では、パウチ101及び結合部材122の主成分を紙とすることで、トナーパック100のリサイクル性を向上している。
【0166】
[結合部材の詳細構成]
次に、
図39(a)乃至
図42を用いて、結合部材122の詳細構成について説明する。
図39(a)は、結合部材122を示す斜視図であり、
図39(b)は、結合部材122を示す他の斜視図である。
図40(a)は、結合部材122を示す正面図であり、
図40(b)は、結合部材122を示す左側面図であり、
図40(c)は、結合部材122を示す右側面図である。
図40(d)は、結合部材122を示す平面図であり、
図40(e)は、結合部材122を示す底面図である。
図41(a)は、結合部材122を示す断面図であり、
図41(b)は、
図40(a)の41B-41B断面を示す断面図であり、
図41(c)は、
図40(a)の41C-41C断面を示す断面図である。
図42は、結合部材122を示す分解斜視図である。
【0167】
図39(a)乃至
図42に示すように、結合部材122は、シート状の複数の紙が積層されることで構成される。より具体的には、結合部材122は、パウチ101の開口部101bに取り付けられた状態で、トナーパック100の長手方向、すなわちパック側シャッタ103の回転軸線A(
図10参照)の方向である軸線方向D1において複数の紙が積層されることで構成されている。本実施例では、結合部材122は、4枚の紙S1~S4が積層されることで構成されている。
【0168】
なお、
図37乃至
図45に示す、紙S1~S4が積層された結合部材122についても、上述した被係合溝124及び被係合突起126を有しており、これら被係合溝124及び被係合突起126が、ノズル本体121の内側係合突起123及び外側係合突起125とそれぞれ係合する。すなわち、
図37乃至
図45に示す結合部材122がパウチ101並びにノズル本体121に組付けられるための構造は、上述した通りである。
【0169】
また、
図37乃至
図45では、結合部材122は、ノズル本体121に設けられた外側係合突起125に係合する被係合突起126が省略されている。以下の説明では、内側係合突起123と被係合溝124とによる係合構成、すなわち第1の係合構成については言及するが、外側係合突起125と被係合突起126とによる係合構成、すなわち第2の係合構成については言及しない。また、ノズル本体121及び結合部材122は、それぞれ外側係合突起125及び外側係合突起125が設けられなくてもよい。
【0170】
結合部材122を形成する紙S1~S4は、それぞれ異なる形状を有している。特に、紙S1~S4は、内周面122dを形成する部分の形状が互いに異なっている。これは、結合部材122の内周面122dには、上述した被係合溝124が形成されているためである。本実施例では、これらの紙S1~S4の互いに形状が異なる部分によって、被係合溝124が形成されている。言い換えれば、第1の形状を有する第1の紙としての紙S1と、第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の紙としての紙S2と、の互いに形状が異なる部分によって、被係合溝124の少なくとも一部が形成される。なお、紙S4のノズル本体121側の端面には、被係合突起126(
図26(b)参照)が形成されてもよい。
【0171】
図42に示すように、結合部材122は、紙S1~S4と、これら紙S1~S4の互いに隣接する紙同士を接着するための接着層AD1~AD3と、を有している。より具体的には、接着層AD1は、互いに隣接する紙S1,S2を接着する。接着層AD2は、互いに隣接する紙S2,S3を接着する。接着層AD3は、互いに隣接する紙S3,S4を接着する。
【0172】
接着層AD1~AD3も、接着する2枚の紙の形状に合わせて、互いに異なる形状となっている。接着層AD~AD3は、例えば両面テープや、ホットメルトなどの接着剤や、熱溶着に用いられる熱可塑性樹脂等から構成される。いずれにしても、接着層AD1~AD3の体積は、紙S1~S4の体積に比して十分に小さく、結合部材122の主成分は紙である。
【0173】
また、本実施例では、紙S1~S4は、それぞれ異なる形状を有していたが、これに限定されない。例えば、結合部材122を構成する複数の紙の一部は、互いに同じ形状のものを有していてもよい。また、複数の紙を接着する複数の接着層についても、互いに同じ形状のものが含まれてもよい。
【0174】
[結合部材とパウチのねじれ剛性]
次に、
図43(a)乃至
図44(c)を用いて、結合部材122とパウチ101のねじれ剛性について説明する。
図43(a)は、結合部材122を示す斜視図であり、
図43(b)は、
図44(a)の44B-44B断面を示す断面図である。
図44(a)は、トナーパック100を示す正面図であり、
図44(b)は、
図44(a)の44B-44B断面を示す断面図であり、
図44(c)は、
図44(a)の44C-44C断面を示す断面図である。
【0175】
一般に、ねじれ剛性に関わるパラメータとして、断面二次極モーメントが知られている。以下では、パウチ101の断面二次極モーメントと結合部材122の断面二次極モーメントについて説明するが、パウチ101及び結合部材122のいずれも紙を主成分とする部品であり、断面二次極モーメントが高い方が、ねじれ剛性が高いと言える。
断面形状が円形でない場合、XY断面(互いに直交するX軸とY軸に平行な断面)の断面二次極モーメントIpは、以下の式(1)で表される。
Ip=Ix+Iy ・・・(1)
Ixは、X軸に関する断面二次モーメントであり、Iyは、Y軸に関する断面二次モーメントである。
【0176】
図43(b)は、軸線方向D1に直交する結合部材122の断面であって、結合部材122の最小の断面二次極モーメントを持つ断面であるとする。軸線方向D1は、パウチ101とノズル本体121とが整列する整列方向である。この時、
図43(b)に示す結合部材122の43B-43B断面における断面二次極モーメントI
pは、以下の式(2)で表される。
I
p=1.66×10^5 [mm
4] ・・・(2)
【0177】
図44(a)(b)に示すように、断面44B-44Bは、結合部材122を含まず、かつパウチ101の開口部101bに近い断面である。そして、パウチ101の収容部101aの該断面における断面二次極モーメントI
pは、以下の式(3)で表される。
I
p=9.9×10^3 [mm
4] ・・・(3)
【0178】
更に、
図44(a)(c)に示すように、断面44C-44Cは、結合部材122の端面122pから20mmだけパウチ101の開口部101bとは反対側に離れた位置における断面である。そして、パウチ101の収容部101aの該断面における断面二次極モーメントI
pは、以下の式(4)で表される。
I
p=1.2×10^4 [mm
4] ・・・(4)
【0179】
これら式(3)(4)で表される断面二次極モーメントは、いずれも開口部101bの近傍におけるパウチ101の断面二次極モーメントである。すなわち、結合部材122の端面122pからパウチ101の先端101t側に20mmだけ離れた位置は、開口部101bの近傍だと言える。言い換えれば、結合部材122の端面122pから先端101t側に20mm以内の領域は、開口部101bの近傍である。なお、例えば、端面122pから先端101t側にXmm以内の領域を、開口部101bの近傍としてもよく、Xmmは、軸線方向D1におけるパウチ101の全長の1/5としてもよい。また、軸線方向D1において、第1の断面としての断面43B-43Bの位置を第1の位置とし、第2の断面としての断面44C-44Cの位置を第2の位置とする。第1の位置は、軸線方向D1において第2の位置よりも開口部101bに近い位置である。また、例えば第2の位置は、端面122pから、先端101t側に20mm又はパウチ101の全長の1/5だけ離れた位置である。この時、第1の位置における結合部材122の断面二次極モーメントは、第2の位置におけるパウチ101の断面二次極モーメントよりも大きい。
【0180】
上記式(2)~(4)から分かるように、本実施例では、軸線方向D1に直交する断面において、結合部材122の最小の断面二次極モーメントは、開口部101bの近傍におけるパウチ101の断面二次極モーメントよりも大きい。すなわち、結合部材122のねじれ剛性は、開口部101bの近傍におけるパウチ101のねじれ剛性よりも大きい。これは、軸線方向D1において複数の紙S1~S4が積層されて結合部材122が構成されることで、軸線方向D1に直交する方向において結合部材122が肉厚となり、高剛性となるからである。
【0181】
[結合部材とノズル本体との分離]
次に、
図45を用いて、結合部材122とノズル本体121との分離について説明する。
図45は、結合部材122とノズル本体121とを分離した様子を示す分解斜視図である。トナーパック100の使用時には、結合部材122とノズル本体121は、上述した第1の係合構成及び第2の係合構成によって係合している。そして、これら第1の係合構成及び第2の係合構成は、いわゆる嵌め殺し構成となっており、通常の使用時には結合部材122とノズル本体121とは分離されない。
【0182】
一方で、収容されている現像剤を使い切ったトナーパック100は、リサイクルのために
図37及び
図38に示す破線BL1において分離されることが望ましい。これは、上述したように、トナーパック100は、破線BL1を境に、紙製部品であるパウチ101及び結合部材122と、樹脂製部品であるシール部材127、ノズル本体121及びパック側シャッタ103と、に分けられるためである。
【0183】
図28(a)(b)にて説明したように、ノズル本体121は、結合部材122に対して挿入方向Iに挿入された後、回転軸線C周りの回転方向Sに回転させることで、結合されていた。ノズル本体121を結合部材122から分離する際には、例えば、作業者(ユーザやサービスマンを含む)は、一方の手でノズル本体121又はパック側シャッタ103を持ち、他方の手で開口部101bの周辺を持つ。そして、作業者は、回転軸線C周りに回転方向Sとは逆方向にノズル本体121を結合部材122に対して回転(相対回転)させる。これにより、結合部材122の被係合溝124とノズル本体121の内側係合突起123の少なくとも一方が変形し、被係合溝124と内側係合突起123の係合が解除される。同様に、第2の係合構成についても係合が解除される。これにより、結合部材122とノズル本体121とが互いに分離可能となる。
【0184】
なお、被係合溝124と内側係合突起123の少なくとも一方の変形は、弾性変形、塑性変形、破断を含む。すなわち、作業者は、被係合溝124と内側係合突起123の少なくとも一方が変形するように強い力で、ノズル本体121を結合部材122に対して回転方向Sとは反対方向に相対回転させる必要がある。上述したように、結合部材122のねじれ剛性は、開口部101bの近傍におけるパウチ101のねじれ剛性よりも大きい。このため、作業者は、開口部101bの周辺を持つ際に、結合部材122の上からパウチ101を把持することで、結合部材122に強い力を掛けることが可能となる。そして、作業者の手の力を結合部材122へとしっかりと伝達することができ、ノズル本体121を結合部材122に対して回転方向Sとは反対方向に相対回転させる際の作業性を向上できる。また、パウチ101と結合部材122は、ノズル本体121と結合部材122とを分離する際に外れないように、十分に強い結合力で結合されている。
【0185】
なお、上述の例では、ノズル本体121を結合部材122に対して回転方向Sとは反対方向に相対回転させることで、ノズル本体121と結合部材122とを分離していたが、これに限定されない。例えば、ノズル本体121を結合部材122に対して回転方向Sに相対回転させてもよい。また、結合部材122をノズル本体121に対して、回転軸線C周りに回転方向S又はその反対方向に相対回転させてもよい。
【0186】
また、例えば作業者が一方の手でノズル本体121又はパック側シャッタ103を持ち、他方の手でパウチ101の結合部材122よりも先端101tに近い位置を持った場合、ノズル本体121と結合部材122とを回転軸線C周りに相対回転させても、可撓性を有するパウチ101がねじれ、作業者の手の力が結合部材122へと良好に伝達されない。これは、結合部材122のねじれ剛性よりも、パウチ101の開口部101bの近傍のねじれ剛性が低いためである。よって、作業者は、ノズル本体121と結合部材122とを分離させる際に、一方の手で結合部材122の上からパウチ101を把持すると好適である。
【0187】
以上のように結合部材122とノズル本体121とを分離することで、紙製部品であるパウチ101及び結合部材122と、樹脂製部品であるシール部材127、ノズル本体121及びパック側シャッタ103と、に分けることができる。これにより、リサイクル性を向上することができる。なお、結合部材122とノズル本体121とを分離することで、シール部材127は、結合部材122とノズル本体121のいずれかに引っ付いてくるが、結合部材122側にシール部材127が引っ付いたとしても、容易に結合部材122から離間可能である。
【0188】
また、紙S1~S4を積層して結合部材122を構成することで、被係合溝124等の複雑な形状を容易に形成することができ、結合部材122の製造コストを低減できる。また、結合部材122はパウチ101よりも厚みがあるため、結合部材122のねじれ剛性(断面二次極モーメント)を向上でき、結合部材122とノズル本体121とを分離する際の作業性を向上できる。
【0189】
また、本実施例では、パウチ101は紙製であるため、汎用レーザによってパウチ101の表面に容易に刻印できる。このため、納入先に応じて異なるデザインのパウチ101を製造する必要が無く、後工程で汎用レーザによってパウチ101の表面に刻印することで、複数の納入先に対応できる。よって、部品種類を削減することができ、部品コストや生産管理コストを低減できる。
【0190】
<実施例2>
次いで、本発明の実施例2について説明するが、実施例2は、実施例1のパウチ101の縁部131~134の構成を実施例1に対して変更したものである。このため、実施例1と同様の構成については、図示を省略、又は図に同一符号を付して説明する。
【0191】
図46は、実施例2に係るパウチ2101を示す斜視図である。
図47(a)は、
図46の47A-47A断面を示す断面図であり、
図47(b)は、
図46の47B-47B断面を示す断面図である。
図48(a)は、縁部132を示す拡大図である。
【0192】
実施例1のパウチ101は、2枚のシート状の紙が重ね合わされた状態で熱溶着等によって接合されることでパウチ101の縁部が形成されていた。しかしながら、紙は、例えばポリプロピレンシート等に比して強度が弱く、パウチ101を潰して変形させながらトナー(現像剤)を排出口102aから排出させる時や、ノズル本体121と結合部材122とを分離させる際に、パウチ101の縁部が切り裂ける虞があった。
【0193】
そこで、本実施例では、パウチ2101の縁部131~134の強度の向上を図っている。
図46乃至
図47(b)に示すように、パウチ2101は、複数枚(本実施例では3枚)の紙製のシートSH1~SH3によって袋状に形成されている。そして、パウチ2101は、シートSH1~SH3の内の2枚又は3枚のシートが重ね合わされる縁部131~134を有しており、開口部101bのみが開口している。
【0194】
縁部131,132は、第1のシートとしてのシートSH1と第2のシートとしてのシートSH2とが重ね合わされている。縁部133は、シートSH1,SH3が重ね合わされている。縁部134は、シートSH2,SH3が重ね合わされている。これら縁部131~134の構成及び製造方法は、いずれも同様であるため、縁部132のみを説明する。
【0195】
図47(a)及び
図48(a)に示すように、縁部132は、シートSH1の一端部141を包むようにシートSH2が折り返され、シートSH1の一端部141とシートSH2とが接合されることで構成されている。より詳しくは、
図47(a)に示すように、シートSH1の、収容部101aの内部空間SP1に接する面142には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層143がコーティングされている。同様に、シートSH2の、内部空間SP1に接する面144には、熱可塑性樹脂からなる樹脂層145がコーティングされている。これら樹脂層143,145は、例えば数ミクロン~50ミクロンの厚みである。
【0196】
そして、
図48(a)に示すように、シートSH2の一端部146が折り返されて、シートSH1の一端部141を包む。この状態で、一端部141,146を加熱することで、樹脂層143,145が融解し、一端部141,146が熱溶着される。以上により、縁部132が形成される。なお、縁部132は、シートSH1の一端部141が折り返されて、シートSH2の一端部146を包むように構成してもよい。
【0197】
ここで、シートSH1の厚みを厚みT1、シートSH2の厚みを厚みT2、縁部132の厚みを厚みT3とした場合、以下の式(5)を満たす。
T3≧T1+T2×2 ・・・(5)
本実施例では、縁部132の厚み(T3)は、シートSH2が折り返されることで、シートSH1の一端部141の厚み(T1)に、シートSH2の2枚分の厚み(T2×2)が加わっている。
【0198】
本実施例のシートSH1~SH3は、それぞれ一様な厚みを有しており、互いに厚みが等しい。このため、T1=T2となり、縁部131~134の厚みは、T1×3以上である。なお、シートSH1~SH3の厚みは、互いに異なってもよい。また、パウチ2101は、2枚や4枚以上の紙製のシートから構成されてもよい。また、パウチ2101を構成するシートは、紙製に限らず、ポリプロピレンシート等の樹脂製であってもよい。但し、リサイクル性の観点からは、パウチ2101を構成するシートは、紙製が好適である。
【0199】
以上のように、本実施例では、パウチ2101の縁部132を作成するにあたって、シートSH2を折り返すことにより、縁部132の厚みを、パウチ2101の縁部131~134以外の部分の厚みよりも増加させている。同様に、縁部131,133,134の厚みも増加させている。これにより、縁部131~134の強度を高め、縁部131~134が切り裂けて破損するのを低減できる。また、パウチ2101の縁部131~134以外の部分については、厚みを増加させず柔軟性を残すことで、パウチ2101を潰して変形させながらトナー(現像剤)を排出口102aから排出させる際の作業性を維持している。これにより、トナー排出性の向上及び縁部131~134の破損の低減を両立することができる。
【0200】
<実施例2の変形例1>
図48(b)は、実施例2の変形例1に係る縁部132Bを示す拡大図である。実施例2で説明したように、パウチ2101の縁部は、シートを折り返すことで厚みを増加させることができるが、折り返すシートの枚数を変更することで、厚みを調整することができる。
【0201】
例えば、
図48(b)に示すように、縁部132Bは、シートSH1の一端部141及びシートSH2の一端部146の両方を折り返し、これら一端部141,146を熱溶着によって接合することで構成されている。ここで、シートSH1の厚みを厚みT1、シートSH2の厚みを厚みT2、縁部132Bの厚みを厚みT4とした場合、以下の式(6)を満たす。
T4≧T1×2+T2×2 ・・・(6)
【0202】
そして、T1=T2の場合には、縁部132Bの厚みは、T1×4以上となる。このように、パウチの縁部において折り返すシートの枚数を変更することで、縁部の厚みを容易に調整することができる。また、パウチ2101の各縁部は、厚みが全て同一でなくてもよい。例えば、縁部の内の一部は2枚のシートが折り返され、別の一部は1枚のシートが折り返されていてもよい。
【0203】
<実施例2の変形例2>
図49(a)は、実施例2の変形例2に係る縁部132Cを示す拡大図である。本変形例のパウチの縁部132Cは、互いに重ね合わされたシートSH1,SH2の外面に塗布されることで形成される保護層147を有している。保護層147は、例えばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリアミド(PA)などのポリマーや、紫外線によって硬化するUV硬化材料等から形成される。保護層147により、シートSH1,SH2を折り返さなくても、縁部132Cの強度を向上することができる。
【0204】
<実施例2の変形例3>
図49(b)は、実施例2の変形例3に係る縁部132Dを示す拡大図である。本変形例のパウチの縁部132Dは、互いに重ね合わされたシートSH1,SH2を挟持するクリップ部材148を有している。クリップ部材148により、シートSH1,SH2を折り返さなくても、縁部132Cの強度を向上することができる。なお、リサイクル性の観点からは、クリップ部材148は、紙製であることが望ましい。また、本変形例では、クリップ部材148によってシートSH1、SH2が結合されるので、樹脂層143,145を省いてもよい。
【0205】
[その他の形態]
既述のいずれの形態においても、トナーパック100のパウチ101には、トナーが収容されていたが、これに限定されない。例えば、パウチ101に収容される内容物としては、トナー以外にも、インクでもよく、粉体若しくは液体を収容可能である。また、パウチ101に収容可能な粉体はトナーに限らない。パウチ101にインクが収容される場合には、トナーパック100は、インクジェット方式の画像形成装置に装着されてもよい。
【0206】
また、既述のいずれの形態のおいても、パック側シャッタ103及び装置側シャッタ109は、回転軸線A,Bを中心に遮蔽位置と開放位置との間で回転可能に構成されていたが、これに限定されない。例えば、パック側シャッタ103及び装置側シャッタ109は、装着方向Mと平行に直動することで、遮蔽位置と開放位置との間で移動可能に構成されてもよい。
【0207】
また、既述のいずれの形態においても、パック側シャッタ103は、開放位置においてのみノズル102の排出口102aを開放するように構成されていたが、これに限定されない。例えば、パック側シャッタ103は、回転位置に依らず、ノズル102の排出口102aを開放する回転体であっても良い。その際には、ノズル102の排出口102aは、トナーパック100が装着部106に未装着である時はシールで閉鎖され、装着部106への装着動作によって又は装着された後にシールが取り除かれる構成でも良い。また、トナーパック100のパック側シャッタ103を省いて構成してもよい。
【0208】
また、上述した実施例1では、軸線方向D1に直交する断面において、結合部材122の最小の断面二次極モーメントは、開口部101bの近傍におけるパウチ101の断面二次極モーメントよりも大きくなるように構成されていたが、これに限定されない。例えば、軸線方向D1に直交する断面において、結合部材122の最小の断面二次極モーメントは、開口部101bの近傍におけるパウチ101の断面二次極モーメントよりも小さくてもよい。このように構成したとしても、結合部材122の主成分を紙とすることで、トナーパック100における紙製部品の割合を増加させることができ、リサイクル性を向上できる。
【0209】
また、本実施の形態の開示は、以下の構成例及び方法例を含む。
(構成1)
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材及び前記結合部材の主成分は、紙であり、
前記ノズルの主成分は、樹脂である、
ことを特徴とする現像剤容器。
(構成2)
前記結合部材は、シート状の複数の紙が積層されることで構成される、
ことを特徴とする構成1に記載の現像剤容器。
(構成3)
前記複数の紙は、前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向に積層されている、
ことを特徴とする構成2に記載の現像剤容器。
(構成4)
前記結合部材は、互いに隣接する前記複数の紙を接着するための接着層を有する、
ことを特徴とする構成2又は3に記載の現像剤容器。
(構成5)
前記複数の紙は、第1の形状を有する第1の紙と、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の紙と、を含む、
ことを特徴とする構成2乃至4のいずれか1項に記載の現像剤容器。
(構成6)
前記結合部材は、貫通孔を有する被挿入部と、被係合部と、を有し、
前記ノズルは、前記被挿入部の前記貫通孔に挿入される挿入部と、前記被係合部に係合する係合部と、を有し、
前記結合部材及び前記ノズルは、前記被係合部と前記係合部とが係合することで、互いに結合されている、
ことを特徴とする構成2乃至5のいずれか1項に記載の現像剤容器。
(構成7)
前記結合部材及び前記ノズルは、前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向に延びる回転軸線を中心とする相対回転によって前記被係合部及び前記係合部の少なくとも一方が変形し、前記被係合部と前記係合部との係合が解除されることにより、互いに分離可能に構成されている、
ことを特徴とする構成6に記載の現像剤容器。
(構成8)
前記複数の紙は、第1の形状を有する第1の紙と、前記第1の形状とは異なる第2の形状を有する第2の紙と、を含み、
前記第1の紙と前記第2の紙の互いに形状が異なる部分によって、前記被係合部の少なくとも一部が形成される、
ことを特徴とする構成6に記載の現像剤容器。
(構成9)
前記結合部材と前記ノズルとの間の隙間を封止するシール部材を更に備え、
前記シール部材は、前記結合部材及び前記ノズルが互いに分離されることで、前記結合部材及び前記ノズルから離間可能である、
ことを特徴とする構成1乃至8のいずれか1項に記載の現像剤容器。
(構成10)
前記シール部材は、ポリウレタンから構成される、
ことを特徴とする構成9に記載の現像剤容器。
(構成11)
前記排出口を遮蔽する遮蔽位置と前記排出口を開放する開放位置との間を前記ノズルに対して移動可能に構成されたシャッタを更に備え、
前記シャッタの主成分は、樹脂である、
ことを特徴とする構成1乃至10のいずれか1項に記載の現像剤容器。
(構成12)
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材及び前記結合部材の主成分は、紙であり、
前記ノズルの主成分は、樹脂であり、
前記容器部材と前記ノズルが整列する整列方向における第1の位置において、前記整列方向に垂直な第1の断面における前記結合部材の断面二次極モーメントは、
前記整列方向における第2の位置において、前記整列方向に垂直な第2の断面における前記容器部材の断面二次極モーメントよりも大きく、
前記第2の位置は、前記第2の断面に前記結合部材が含まれない位置であって、
前記第1の位置は、前記整列方向において前記第2の位置より前記開口部に近い位置である、
ことを特徴とする現像剤容器。
(構成13)
前記第2の位置は、前記結合部材の前記整列方向における端面から、前記容器部材の前記整列方向における全長の1/5の距離だけ離れた位置である、
ことを特徴とする構成12に記載の現像剤容器。
(構成14)
前記第2の位置は、前記結合部材の前記整列方向における端面から、20mmだけ離れた位置である、
ことを特徴とする構成12に記載の現像剤容器。
(構成15)
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、
前記容器部材の前記縁部は、前記第1のシートの一端部を包むように前記第2のシートが折り返され、前記第1のシートの前記一端部と前記第2のシートとが接合されることで構成される、
ことを特徴とする現像剤容器。
(構成16)
前記第1のシートの厚みをT1、前記第2のシートの厚みをT2、前記縁部の厚みをT3とした場合、
T3≧T1+T2×2
を満たす、
ことを特徴とする構成15に記載の現像剤容器。
(構成17)
前記第1のシートの厚みは、前記第2のシートの厚みと等しい、
ことを特徴とする構成16に記載の現像剤容器。
(構成18)
前記第1のシートの前記一端部と前記第2のシートは、熱溶着によって互いに接合される、
ことを特徴とする構成15乃至17のいずれか1項に記載の現像剤容器。
(構成19)
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、
前記容器部材の前記縁部は、互いに重ね合わされた前記第1のシート及び前記第2のシートの外面に塗布されることで形成される保護層を有する、
ことを特徴とする現像剤容器。
(構成20)
現像剤容器であって、
現像剤を収容し開口部が設けられた収容部を構成する容器部材と、
前記開口部に取り付けられる結合部材と、
前記結合部材を介して前記容器部材に結合され、現像剤を外部に排出するための排出口と、前記収容部の前記開口部から前記排出口へ現像剤が通過可能に構成された通路と、を有するノズルと、を備え、
前記容器部材は、第1のシートと第2のシートとが重ね合わされる縁部を有し、前記第1のシート及び前記第2のシートを含む複数のシートによって袋状に形成され、
前記容器部材の前記縁部は、互いに重ね合わされた前記第1のシート及び前記第2のシートを挟持するクリップ部材を含む、
ことを特徴とする現像剤容器。
(構成21)
前記第1のシート及び前記第2のシートの主成分は、紙である、
ことを特徴とする構成15乃至20のいずれか1項に記載の現像剤容器。
【符号の説明】
【0210】
100:現像剤容器(トナーパック)/101,2101:容器部材(パウチ)/101a:収容部/101b:開口部/102a:排出口/102g:通路/103:シャッタ(パック側シャッタ)/121:ノズル(ノズル本体)/121a:挿入部/122:結合部材/122b:貫通孔/122e:被挿入部/123:係合部(内側係合突起)/124:被係合部(被係合溝)/127:シール部材/132,132B,132C,132D:縁部/141:一端部/147:保護層/148:クリップ部材/AD1~AD3:接着層/C:回転軸線/D1:整列方向(軸線方向)/SH1:第1のシート(シート)/SH2:第2のシート(シート)/S1:第1の紙/S2:第2の紙/T1,T2,T3:厚み