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2025-14465フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物
<図1>
  • -フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物 図1
  • -フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物 図2
  • -フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物 図3
  • -フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物 図4
  • -フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014465
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】フレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/90 20060101AFI20250123BHJP
   E06B 1/18 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
E04B2/90
E06B1/18 X
E06B1/18 Y
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117044
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000000549
【氏名又は名称】株式会社大林組
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】川添 裕司
【テーマコード(参考)】
2E002
2E011
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NC07
2E002QA04
2E002QC01
2E011BA00
(57)【要約】
【課題】外壁パネルやサッシュ等の機能部を外壁に設けられた開口部に容易に着脱することが可能なフレームユニット開口部システムを提供することである。
【解決手段】建物1の外壁2に設けられるフレームユニット開口部システム10であって、内周面20cに係止部21と周溝22とを備え、建物1の躯体3に支持された外側枠体20と、内側枠体31と内側枠体31の内側に取り付けられた機能部32とを備え、外側枠体20の内側に着脱自在に嵌め込まれた内側モジュールユニット30と、周溝22に装着され、係止部21との間に内側枠体31を挟み込んで固定する押縁部材40と、を有することを特徴とするフレームユニット開口部システム10。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の外壁に設けられるフレームユニット開口部システムであって、
内周面に係止部と周溝とを備え、前記建物の躯体に支持された外側枠体と、
内側枠体と前記内側枠体の内側に取り付けられた機能部とを備え、前記外側枠体の内側に着脱自在に嵌め込まれた内側モジュールユニットと、
前記周溝に装着され、前記係止部との間に前記内側枠体を挟み込んで固定する押縁部材と、を有することを特徴とするフレームユニット開口部システム。
【請求項2】
前記係止部が前記内側枠体よりも前記建物の室外側に設けられている、請求項1に記載のフレームユニット開口部システム。
【請求項3】
複数の前記内側モジュールユニットが1つの前記外側枠体の内側に嵌め込まれている、請求項1または2に記載のフレームユニット開口部システム。
【請求項4】
前記機能部が、板ガラス、ガラリ、太陽光パネルまたは外壁パネルである、請求項1に記載のフレームユニット開口部システム。
【請求項5】
請求項1に記載のフレームユニット開口部システムを具備することを特徴とする建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の外壁に設けられるフレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばオフィスビルなどの建物において、外壁に設けられた開口部に設置される外壁パネルやサッシュ等は、建物の外部側から開口部に嵌め込まれ、ボルト、ビス等の締結部材を用いて建物の下地材などに固定された構成とされるのが一般的であった(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-121714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の改修などに伴い、外壁パネルやサッシュ等を開口部から取り外したり、これらを別の物に交換したりすることが考えられる。
【0005】
しかし、上記従来の建物では、外壁パネルやサッシュ等はボルト、ビス等の締結部材を用いて建物の下地材などに固定された構成となっており、しかも建物の外部側から着脱する必要があるため、容易に取り外したり交換したりすることができない、という問題点があった。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、外壁パネルやサッシュ等の機能部を外壁に設けられた開口部に容易に着脱することが可能なフレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のフレームユニット開口部システムは、建物の外壁に設けられるフレームユニット開口部システムであって、内周面に係止部と周溝とを備え、前記建物の躯体に支持された外側枠体と、内側枠体と前記内側枠体の内側に取り付けられた機能部とを備え、前記外側枠体の内側に着脱自在に嵌め込まれた内側モジュールユニットと、前記周溝に装着され、前記係止部との間に前記内側枠体を挟み込んで固定する押縁部材と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明のフレームユニット開口部システムは、上記構成において、前記係止部が前記内側枠体よりも前記建物の室外側に設けられているのが好ましい。
【0009】
本発明のフレームユニット開口部システムは、上記構成において、複数の前記内側モジュールユニットが1つの前記外側枠体の内側に嵌め込まれているのが好ましい。
【0010】
本発明のフレームユニット開口部システムは、上記構成において、前記機能部が、板ガラス、ガラリ、太陽光パネルまたは外壁パネルであるのが好ましい。
【0011】
本発明の建物は、上記フレームユニット開口部システムを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、外壁パネルやサッシュ等の機能部を外壁に設けられた開口部に容易に着脱することが可能なフレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るフレームユニット開口部システムが設けられた建物の外壁の一部の正面図である。
図2図1に示す外壁のA-A線に沿う部分の模式的な断面図である。
図3図1に示す外壁のB-B線に沿う部分の模式的な断面図である。
図4図3に示す範囲Cの拡大断面図である。
図5】外側枠体に対する内側モジュールユニットの着脱方向を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るフレームユニット開口部システム及びこれを具備した建物について、図面を参照しつつ詳細に例示説明する。
【0015】
図1に示す本発明の一実施形態に係る建物1は、例えばオフィスビルなどの鉄筋コンクリート造の建物である。本発明の一実施形態に係るフレームユニット開口部システム10は、建物1の外壁2に設けられている。
【0016】
本実施形態では、複数のフレームユニット開口部システム10が、外壁2に上下方向及び水平方向に並べて設けられている。図1には、外壁2に設けられた一部のフレームユニット開口部システム10を示している。
【0017】
なお、フレームユニット開口部システム10は、建物1の外壁2に少なくとも1つ設けられていればよい。また、建物1の外壁2に複数のフレームユニット開口部システム10を設ける場合には、これらのフレームユニット開口部システム10の配置は、図1に示す配置に限らず、種々変更可能である。
【0018】
フレームユニット開口部システム10は、外側枠体20と内側モジュールユニット30とを有している。図1においては、便宜上、一部の外側枠体20と内側モジュールユニット30にのみ符号を付している。
【0019】
外側枠体20は内側が開口する環状の形態であり、開口が建物1の外壁2を内外方向(外壁2に垂直な方向)に貫通する姿勢で建物1の躯体3に支持されている。本実施形態では、外側枠体20は、図1に示す正面視で、上下方向に延びる互いに平行な一対の縦枠部20aと、水平方向に延びる互いに平行な一対の横枠部20bとを備えた矩形形状となっている。また、本実施形態では、複数のフレームユニット開口部システム10に対応した複数の外側枠体20が互いに一体に連結され、全体としてグリッド状に構成されている。
【0020】
なお、外側枠体20は、建物1の躯体3に直接固定されることで当該躯体3に支持される構成であってもよく、建物1の躯体3に鉄骨等の他の部材を介して支持される構成であってもよい。
【0021】
内側モジュールユニット30は、内側枠体31と内側枠体31の内側に取り付けられた機能部32とを備えている。
【0022】
図1図2及び図3に示すように、内側モジュールユニット30は、外側枠体20の内側に着脱自在に嵌め込まれている。本実施形態では、複数のフレームユニット開口部システム10のそれぞれにおいて、1つの外側枠体20の内側に2つの内側モジュールユニット30が上下方向に並べて嵌め込まれている。
【0023】
2つの内側モジュールユニット30の内側枠体31は、それぞれ内側が開口する環状の形態であり、図1に示す正面視で、上下方向に延びる互いに平行な一対の縦枠部31aと、水平方向に延びる互いに平行な一対の横枠部31bとを備えた矩形形状となっている。それぞれの内側枠体31の外周面31dにおける水平方向の幅は、外側枠体20の内周面20cにおける水平方向の幅に対応している。一方、それぞれの内側枠体31の外周面31dにおける上下方向の高さ寸法は、外側枠体20の内周面20cにおける上下方向の高さ寸法よりも小さくなっている。すなわち、1つの外側枠体20の内側に嵌め込まれる2つの内側枠体31の上下方向の高さ寸法を足した上下方向寸法が外側枠体20の内周面20cにおける上下方向の高さ寸法に対応している。本実施形態では、1つの外側枠体20の内側に嵌め込まれる2つの内側モジュールユニット30のうち、上側に嵌め込まれる内側モジュールユニット30の上下方向の高さ寸法は、下側に嵌め込まれる内側モジュールユニット30の上下方向の高さ寸法の半分の高さ寸法とされている。
【0024】
内側枠体31の内側に取り付けられた機能部32は、例えば板ガラス、ガラリ、太陽光パネルまたは外壁パネルである。なお、機能部32は、上記の板ガラス、ガラリ、太陽光パネルまたは外壁パネルに限られない。
【0025】
本実施形態では、1つのフレームユニット開口部システム10(図1において上下方向中央且つ左から2番目のフレームユニット開口部システム10)において、外側枠体20の内側に嵌め込まれた上側の内側モジュールユニット30の機能部32はガラリ32aであり、外側枠体20の内側に嵌め込まれた下側の内側モジュールユニット30の機能部32は板ガラス32bである。また、本実施形態では、他の1つのフレームユニット開口部システム10(図1において上下方向中央且つ右から2番目のフレームユニット開口部システム10)において、外側枠体20の内側に嵌め込まれた上側の内側モジュールユニット30の機能部32は太陽光パネル32cであり、外側枠体20の内側に嵌め込まれた下側の内側モジュールユニット30の機能部32は外壁パネル32dである。同様に、上記した2パターンの配置のフレームユニット開口部システム10が水平方向に交互に並べて配置されている。なお、それぞれの内側モジュールユニット30における、複数の機能部32の種類の組み合わせは、上記に限らず、種々変更可能である。
【0026】
図2に示すように、機能部32をガラリ32aとした場合には、ガラリ32aの室内側において内側枠体31にダクト33を取り付けた構成としてもよい。
【0027】
また、図3に示すように、機能部32を板ガラス32bとした場合には、内側枠体31に板ガラス32bを2重に取り付けた構成とすることもできる。また、機能部32を板ガラス32bとした場合には、板ガラス32bの室内側において、外側枠体20にブラインド34を取り付けた構成としてもよい。
【0028】
機能部32を太陽光パネル32cとする場合には、内側枠体31の内側に太陽光パネル32cとともに所定の強度を有する板材を装着するようにしてもよい。
【0029】
機能部32を外壁パネル32dとする場合には、外壁パネル32dとして種々の材質で形成されたものを用いることができる。また、機能部32を外壁パネル32dとした複数の内側モジュールユニット30を設けることで、外壁2をカーテンウォールに構成するようにしてもよい。
【0030】
図4に示すように、内側モジュールユニット30を着脱自在に固定するために、外側枠体20は、その内周面20cに、係止部21と周溝22とを備えている。
【0031】
係止部21は外側枠体20の内周面20cから突出しており、外側枠体20に嵌め込まれた内側モジュールユニット30の内側枠体31の一端(建物1の内外方向を向く一方の端部)を建物1の内外方向について係止している。本実施形態では、係止部21は、内側枠体31よりも建物1の室外側に設けられており、内側枠体31の建物1の室外側を向く一端を係止している。
【0032】
本実施形態では、係止部21はスロット枠の形態となっている。より具体的には、係止部21は、外側枠体20の内周面20cから当該内周面20cに垂直に突出する第1壁部21aと、第1壁部21aの先端に一体に連なるとともに内周面20cに平行に配置された第2壁部21bとを有する断面L字形状となっている。係止部21は建物1の室内側に向けて開口しており、外側枠体20の内周面20cの全周に亘って一様の断面形状で設けられている。
【0033】
周溝22は、係止部21に対して建物1の室内側に間隔を空けて配置されている。係止部21と周溝22との間の建物1の内外方向の間隔は、内側モジュールユニット30の内側枠体31の建物1の内外方向の厚み寸法と略同一となっている。
【0034】
本実施形態では、周溝22は、一対の側壁22aと底壁22bとを有する断面矩形の溝状となっており、外側枠体20の内周面20cに開口している。周溝22は、外側枠体20の内周面20cの全周に亘って一様の断面形状で設けられている。
【0035】
内側モジュールユニット30の内側枠体31の一端面には、スロット枠の形態の係止部21に対応した形状の挿入凸部31cが一体に設けられている。挿入凸部31cは内側枠体31の外周面31dと同一面状の板状となっており、係止部21の開口から挿入されて内周面20cと第2壁部21bとの間に配置されている。図5に示すように、内側モジュールユニット30は、内側枠体31が室内側から外側枠体20の内側に挿入され、挿入凸部31cが係止部21の第1壁部21aに当接することで係止部21に係止されて外側枠体20の内側において位置決めされる。なお、挿入凸部31cは、内側枠体31の縦枠部31aと横枠部31bとに沿って設けられているが、縦枠部31aと横枠部31bとの境界部分には設けられていない。
【0036】
上記のように、内側枠体31に設けた挿入凸部31cをスロット枠の形態とされた係止部21に差し込んで係止させる構成とすることで、外側枠体20と内側枠体31との間の防水性を高めることができる。この場合、図4に示すように、挿入凸部31cの第2壁部21bの側を向く面との間に、例えばクロロプレンゴムなどの合成ゴムで形成された止水用のシール材35を装着するようにしてもよい。これにより、外側枠体20と内側枠体31との間の防水性をさらに高めることができる。
【0037】
挿入凸部31cと第1壁部21aとの間に、挿入凸部31cと第1壁部21aとの間に挟み込まれる合成ゴム製のシート材36を配置するようにしてもよい。また、外側枠体20の内周面20cと内側枠体31の外周面31dとの間に固定用ゴム37を配置するようにしてもよい。
【0038】
周溝22には押縁部材40が装着されている。図1に示すように、押縁部材40は、外側枠体20の内周面20cに沿って延びる環状の形態を有している。図4に示すように、本実施形態では、押縁部材40は断面矩形の角筒形状となっており、ネジ部材41により、その一部が周溝22の内部に配置され、他の部分が周溝22から突出するように外側枠体20に着脱自在に固定されている。押縁部材40は、周溝22の内部に配置された部分において外側枠体20に支持され、周溝22から突出した部分において係止部21との間に内側枠体31を挟み込んで固定する。
【0039】
周溝22の一対の側壁22aと押縁部材40との間に、それぞれゴムシート38を配置するようにしてもよい。この場合、押縁部材40に対して室外側に配置されるゴムシート38は、押縁部材40の側面全体に延びて、その一部が押縁部材40と内側枠体31との間に配置される構成としてもよい。これにより、外側枠体20と内側枠体31との間の防水性をさらに高めることができる。
【0040】
図4に示すように、本実施形態では、内側枠体31は、一対の側壁31eと外周壁31fとを有し、断面形状が内側に向けて開口するコの字形状となっている。機能部32を一対の板ガラス32bとした場合には、一対の板ガラス32bはスペーサ50を間に挟んで間隔を空けて並べた状態で内側枠体31のコの字の内側に差し込まれて配置される。また、それぞれの板ガラス32bと内側枠体31の側壁31eとの間に支持用ゴム51が配置され、外周壁31fの内面には一対の板ガラス32bが当接するゴム体52が配置される。
【0041】
内側枠体31の一方の側壁31eと支持用ゴム51及びゴム体52との間に開口アタッチメント53を装着するようにしてもよい。幅の異なる複数種類の開口アタッチメント53を用いることで、同一の形状の1種類の内側枠体31の内側に、幅の異なる複数種類の機能部32を取り付けることができる。
【0042】
なお、内側枠体31の形状は、内側に機能部32を取り付けることができる形状であれば、上記に限らず種々変更可能である。
【0043】
上記構成を有する本実施形態に係る建物1ないしフレームユニット開口部システム10では、建物1の躯体3に外側枠体20を固定するなどして予め支持させておけば、内側枠体31の内側に機能部32が取り付けられた内側モジュールユニット30を外側枠体20の内側に嵌め込み、外側枠体20に設けられた周溝22に押縁部材40を装着するだけの簡単な作業で、建物1の外壁2に種々の機能部32を有する内側モジュールユニット30を設けることができる。また、建物1の改修などにおいて、外壁2に他の機能部32を有する内側モジュールユニット30を設けたり、内側モジュールユニット30を交換したりする場合には、外側枠体20を外壁2から取り外すことなく、周溝22から押縁部材40を取り外すことで、内側モジュールユニット30を容易に外側枠体20から取り外すことができる。これにより、外壁2の内側モジュールユニット30を他の機能部32を有する内側モジュールユニット30に交換したり、新しい内側モジュールユニット30に交換したりする作業を容易に行うことができる。
【0044】
このように、上記構成を有する本実施形態に係る建物1ないしフレームユニット開口部システム10によれば、従来よりも簡便な方法と労力で、外壁2に求められる機能に応じて様々な機能を有する内側モジュールユニット30を外壁2に容易に設けることができる。したがって、建物1の機能性向上や使用者の要望に応じた機能の変更に容易に対応することができる。
【0045】
また、本実施形態に係る建物1ないしフレームユニット開口部システム10では、外側枠体20の係止部21を内側枠体31よりも建物1の室外側に設けるようにしたので、内側モジュールユニット30を外側枠体20に対して室内側に着脱することが可能となる。これにより、クレーン車などの重機を用いたり外壁2の外側に足場を構築したりすることなく、建物1の床のある室内において内側モジュールユニット30の搬入、取付け作業等を行うことができるようにして、内側モジュールユニット30の取付け作業や交換作業等を容易に行い得るようにすることができる。
【0046】
さらに、本実施形態に係る建物1ないしフレームユニット開口部システム10では、複数の内側モジュールユニット30を1つの外側枠体20の内側に嵌め込んだ構成としたので、外壁2に求められる機能に応じて様々な機能を有する内側モジュールユニット30をさらに容易に外壁2に設けることができる。
【0047】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0048】
例えば、前記実施形態では、外側枠体20を図1に示す正面視で矩形形状のものとしたが、内側に内側モジュールユニット30を嵌め込むことができれば、その形状は種々変更可能である。
【0049】
また、前記実施形態では、1つの外側枠体20の内側に2つの内側モジュールユニット30を嵌め込むようにしているが、少なくとも1つの内側モジュールユニット30が嵌め込まれていれば、1つの外側枠体20の内側に嵌め込まれる内側モジュールユニット30の数は種々変更可能である。
【0050】
さらに、前記実施形態では、機能部32としてガラリ32a、板ガラス32b、太陽光パネル32c及び外壁パネル32dを例示したが、これらに限られない。
【0051】
さらに、前記実施形態では、係止部21を内側枠体31よりも建物1の室外側に設けることで内側モジュールユニット30を室内側から着脱できる構成としたが、これに限らず、係止部21を内側枠体31よりも建物1の室内側に設けることで内側モジュールユニット30を室外側から着脱する構成としてもよい。このような構成においても、外側枠体20を外壁2ないし躯体3から取り外す工事や仕上げ材の工事を行うことなく、上記した内側モジュールユニット30を室内側から着脱する構成とした場合と同様に、周溝22から押縁部材40を取り外すことで内側モジュールユニット30を外側枠体20から容易に取り外すことができるので、外壁2の内側モジュールユニット30を他の機能部32を有する内側モジュールユニット30に交換したり、新しい内側モジュールユニット30に交換したりする作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
1 建物
2 外壁
3 躯体
10 フレームユニット開口部システム
20 外側枠体
20a 縦枠部
20b 横枠部
20c 内周面
21 係止部
21a 第1壁部
21b 第2壁部
22 周溝
22a 側壁
22b 底壁
30 内側モジュールユニット
31 内側枠体
31a 縦枠部
31b 横枠部
31c 挿入凸部
31d 外周面
31e 側壁
31f 外周壁
32 機能部
32a ガラリ
32b 板ガラス
32c 太陽光パネル
32d 外壁パネル
33 ダクト
34 ブラインド
35 シール材
36 シート材
37 固定用ゴム
38 ゴムシート
40 押縁部材
41 ネジ部材
50 スペーサ
51 支持用ゴム
52 ゴム体
53 開口アタッチメント
図1
図2
図3
図4
図5