(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014480
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】スキャン制御装置
(51)【国際特許分類】
G05F 1/67 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
G05F1/67 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117064
(22)【出願日】2023-07-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村上 幸範
(72)【発明者】
【氏名】宮本 雄真
【テーマコード(参考)】
5H420
【Fターム(参考)】
5H420BB12
5H420BB17
5H420CC03
5H420DD02
5H420FF03
5H420FF04
5H420FF05
5H420FF14
5H420FF22
(57)【要約】
【課題】スキャン処理の実施を好適に制御してソーラー充電システム全体の発電効率を向上させるスキャン制御装置を提供する。
【解決手段】ソーラーパネルおよびソーラーパネルの発電を制御する発電制御部を備えたソーラーモジュールにおいて、発電制御部が実行するソーラーパネルの出力電圧を走査して最大電力点を探索するスキャン処理を制御するスキャン制御装置であって、ソーラーパネルの発電に関する情報を取得する取得部と、ソーラーパネルの発電に関する情報に基づいて、ソーラーパネルで発生させる電力の目標値である目標電力を設定する設定部と、目標電力とソーラーパネルの発電電力との差分が第1の閾値を超える場合は、発電制御部によるスキャン処理の実施を許可し、差分が第1の閾値以下である場合は、発電制御部によるスキャン処理の実施を禁止する指示部と、を備え、設定部は、発電に関する情報の変化に応じて設定する目標電力を変化させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーパネルおよび前記ソーラーパネルの発電を制御する発電制御部を備えたソーラーモジュールにおいて、前記発電制御部が実行する前記ソーラーパネルの出力電圧を走査して最大電力点を探索するスキャン処理を制御するスキャン制御装置であって、
前記ソーラーパネルの発電に関する情報を取得する取得部と、
前記発電に関する情報に基づいて前記ソーラーパネルで発生させる電力の目標値である目標電力を設定する設定部と、
前記目標電力と前記ソーラーパネルの発電電力との差分が第1の閾値を超える場合は、前記発電制御部による前記スキャン処理の実施を許可し、前記差分が前記第1の閾値以下である場合は、前記発電制御部による前記スキャン処理の実施を禁止する指示部と、を備え、
前記設定部は、前記発電に関する情報の変化に応じて設定する前記目標電力を変化させる、スキャン制御装置。
【請求項2】
前記発電に関する情報は、前記ソーラーパネルの温度の情報を含む、請求項1に記載のスキャン制御装置。
【請求項3】
前記発電に関する情報は、前記ソーラーパネルによる過去の発電状況の情報を含む、請求項1または2に記載のスキャン制御装置。
【請求項4】
前記発電に関する情報は、前記ソーラーパネルが存在する位置および前記位置における天気を少なくとも含んだ環境の情報を含む、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のスキャン制御装置。
【請求項5】
前記設定部は、前記差分が前記第1の閾値を超えており、かつ、前記ソーラーパネルの発電電力の変動値が第2の閾値以下である状態が所定の期間継続している場合、前記所定の期間における前記ソーラーパネルの発電電力の平均値または中央値を前記目標電力として設定する、請求項1ないし4のいずれか1項に記載のスキャン制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両などに搭載されるソーラー充電システムが備えるスキャン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、ソーラーパネルを設けた車載のソーラー充電システムが開示されている。この特許文献1に記載されたソーラー充電システムでは、ソーラー制御装置がソーラーパネルについて最大電力点追従(MPPT:Maximum Power Point Tracking)制御を実行する。このMPPT制御では、日射状態の変化などの環境変化によってソーラーパネルの出力電圧が変化した場合において高精度で最大電力点を探索するために、ソーラーパネルの出力電圧を走査させるスキャン処理を実施して、P-V曲線上の最適なポイントを探し出すことが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のソーラー充電システムでは、スキャン処理において最終的に獲得したいソーラーパネルの最大発電電力を、制御の目標電力として予め設定している。この目標電力となるソーラーパネルの最大発電電力は、ソーラーパネルの標準規格値などに基づいて固定的に導出される。
【0005】
ソーラーパネルが発電可能な最大電力は、日射状態や外気温などのソーラーパネルが置かれる環境に依存して常に変化するものである。このため、固定の目標電力を用いた制御を行う特許文献1に記載のソーラー充電システムでは、変化する環境に応じた理想的な発電ができておりスキャン処理を行う必要がない場合であっても、ソーラーパネルの発電電力が目標電力と乖離してしまうとスキャン処理が実施されてしまうことが生じる。このスキャン処理を実施している間は通常の発電時よりも獲得できる電力が小さいため、過度にスキャン処理を実施してしまうと、ソーラー充電システム全体の発電効率が低下してしまうという課題がある。
【0006】
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、スキャン処理の実施を好適に制御して、ソーラー充電システム全体の発電効率を向上させることができる、スキャン制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示技術の一態様は、ソーラーパネルおよびソーラーパネルの発電を制御する発電制御部を備えたソーラーモジュールにおいて、発電制御部が実行するソーラーパネルの出力電圧を走査して最大電力点を探索するスキャン処理を制御するスキャン制御装置であって、ソーラーパネルの発電に関する情報を取得する取得部と、ソーラーパネルの発電に関する情報に基づいて、ソーラーパネルで発生させる電力の目標値である目標電力を設定する設定部と、目標電力とソーラーパネルの発電電力との差分が第1の閾値を超える場合は、発電制御部によるスキャン処理の実施を許可し、差分が第1の閾値以下である場合は、発電制御部によるスキャン処理の実施を禁止する指示部と、を備え、設定部は、発電に関する情報の変化に応じて設定する目標電力を変化させる、スキャン制御装置である。
【発明の効果】
【0008】
上記本開示のスキャン制御装置によれば、ソーラーパネルの発電に関する情報に基づいてソーラーパネルで発生させる電力の目標を設定するため、スキャン処理を実施する頻度を低減させることができ、ソーラー充電システム全体としての発電効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係るスキャン制御装置を含むソーラー充電システムの構成例を示すブロック図
【
図2】スキャン制御装置が実施するスキャン処理制御のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示のスキャン制御装置は、ソーラーパネルで発生させる目標電力をソーラーパネルの温度などに基づいて可変的に設定し、実際の環境下でソーラーパネルが発電可能な電力と目標電力との乖離を少なくして、発電量が低下するスキャン処理の実施頻度を低減させる。これにより、ソーラー充電システム全体の発電効率を向上させる。
以下、本開示の一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
<実施形態>
[構成]
図1は、本開示の一実施形態に係るスキャン制御装置50を含むソーラー充電システム1の概略構成を示すブロック図である。
図1に例示したソーラー充電システム1は、ソーラーモジュール10と、バッテリ30と、負荷機器40と、スキャン制御装置50と、を備える。
図1においては、電力が伝わる接続線を太い実線で示し、電力以外の制御信号や検出値などが送受信される接続線を点線で示している。このソーラー充電システム1は、例えば、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、および電気自動車(BEV)などの車両に搭載され得る。
【0012】
ソーラーモジュール10は、太陽光の照射を受けて発電する発電装置であり、発電した電力を、ソーラーモジュール10に接続されるバッテリ30や負荷機器40などに出力することができる。このソーラーモジュール10は、ソーラーパネル11と、DCDCコンバーター12と、センサ13と、制御部14と、を構成に含む。
【0013】
なお、
図1では、ソーラー充電システム1が、1つのソーラーモジュール10のみを備える例を説明した。しかし、ソーラー充電システム1は、2つ以上のソーラーモジュールを備えてもよい。
【0014】
ソーラーパネル11は、太陽光の照射量に応じた電力を発電することができる機器であり、典型的には太陽電池セルの集合体である。このソーラーパネル11は、車両の場合、ルーフ、ボンネット、バックドア、トランク、ウインドウなどに設置される。なお、ソーラーパネルが複数ある場合には、並べて平面的に設置されてもよいし、重ねて立体的に設置されてもよい。
【0015】
DCDCコンバーター12は、ソーラーパネル11の発電を制御するための構成である。DCDCコンバーター12は、ソーラーパネル11で発電された電力を入力し、その入力した電力を所定の電圧に変換して出力するための電力変換器である。このDCDCコンバーター12は、制御部14からの制御(指示)に従って、発電電力の変換や出力などの制御を行う。DCDCコンバーター12の出力は、バッテリ30および負荷機器40に供給される。
【0016】
センサ13は、ソーラーパネル11の発電状態を取得するための構成である。センサ13は、ソーラーパネル11の発電状態として、ソーラーパネル11の出力電圧、出力電流、温度、発電電力などの物理量を取得することができる。このセンサ13には、電圧センサや電流センサや温度センサなどの各種の検出素子を用いることができる。なお、センサ13は、ソーラーパネル11と一体的に構成されてもよい。
【0017】
制御部14は、DCDCコンバーター12の動作を制御するための構成である。制御部14は、センサ13が取得したソーラーパネル11の発電状態に基づいて、DCDCコンバーター12を制御(および指示)する。この制御には、DCDCコンバーター12に対して発電のための電圧指令値を出力する制御や、ソーラーパネル11の最大電力点を探索するためのスキャン処理を実施するMPPT制御が、含まれる。本実施形態のMPPT制御には、周知の技術を用いることができる。この制御部14は、上述のDCDCコンバーター12と共にソーラーパネル11の発電を制御する発電制御部を構成する。
【0018】
バッテリ30は、例えばリチウムイオン電池や鉛蓄電池などの、充放電可能に構成された二次電池である。このバッテリ30は、ソーラーモジュール10に接続されており、ソーラーパネル11が発生する電力を、DCDCコンバーター12を介して充電可能に構成されている。
【0019】
負荷機器40は、バッテリ30に接続されており、バッテリ30から供給される電力で動作する様々な機器である。
【0020】
スキャン制御装置50は、ソーラーモジュール10におけるソーラーパネル11の発電状態を監視し、DCDCコンバーター12が実施するMPPT制御のスキャン処理を好適に制御する。このスキャン制御装置50は、典型的にはプロセッサ、メモリ、および入出力インターフェイスを含んだ電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)として構成され、メモリに格納されたプログラムをプロセッサが読み出して実行することによって、以下に説明する取得部51、設定部52、および指示部53の各機能を実現させる。
【0021】
取得部51は、ソーラーパネル11の発電に関する情報を取得する。このソーラーパネル11の発電に関する情報としては、ソーラーパネル11の現在の発電状況(電圧、電流)に関する情報の他、ソーラーパネル11の温度に関する情報、ソーラーパネル11による過去の発電状況に関する情報、およびソーラーパネル11が存在する位置やその位置における天気を少なくとも含んだ環境に関する情報などを、例示することができる。これらの情報の詳細については、後述する。
【0022】
設定部52は、取得部51が取得したソーラーパネル11の発電に関する情報に基づいて、ソーラーパネル11で発生させる電力の目標値である目標電力を設定する。また、設定部52は、ソーラーパネル11の発電に関する情報に基づいて設定した目標電力を、ソーラーパネル11で実際に発電された電力に基づいて設定し直すことが可能である。この設定部52による目標電力の設定手法の詳細については、後述する。
【0023】
指示部53は、設定部52が設定した目標電力の付近でソーラーパネル11の発電が行われているか否かに基づいて、ソーラーモジュール10にスキャン処理の実施を許可するか禁止するかを指示する。この指示部53によるスキャン処理の実施制御の詳細については、後述する。
【0024】
なお、上記した構成例では、ソーラーモジュール10とスキャン制御装置50とを独立した別構成として記載したが、一体構成としてもよい。また、スキャン制御装置50が実現する制御機能は、上述した取得部51、設定部52、および指示部53の各ブロックによる区分に限定されるものではなく、その区分は任意に設定が可能である。
【0025】
[制御]
図2をさらに参照して、ソーラー充電システム1で行われる制御を説明する。
図2は、本実施形態に係るスキャン制御装置50が実行するスキャン処理制御の手順を示すフローチャートである。この
図2に例示するスキャン処理制御は、例えば、ソーラー充電システム1が起動されると開始され、ソーラー充電システム1が停止するまで繰り返し実行される。
【0026】
(ステップS201)
スキャン制御装置50の取得部51は、ソーラーパネル11の発電に関する情報を取得する。取得部51は、ソーラーパネル11の現在の発電状況に加えて、例えば、ソーラーパネル11の温度に関する情報、ソーラーパネル11による過去の発電状況(発電実績)に関する情報、および/またはソーラーパネル11が存在する位置やその位置における天気などを含む環境に関する情報などを、ソーラーパネル11の発電に関する情報として取得する。
【0027】
ソーラーパネル11の現在の発電状況(電圧、電流)や温度は、センサ13などから取得することができる。ソーラーパネル11による過去の発電状況は、一例として、これまでに収集した実際の最大発電電力、平均発電電力、および合計発電電力量など(時間単位、日単位など)を、示すことができる。この過去の発電状況に関する情報は、ソーラーモジュール10やスキャン制御装置50が備える記憶部など(図示せず)に記憶しておけばよい。ソーラーパネル11が存在する位置は、例えばソーラー充電システム1が車両に搭載される場合には、車両の位置(走行場所、駐車場所など)とすることができる。車両の位置やその位置における天気の情報は、GPS機能を搭載したナビゲーション装置や予め定められた外部の設備(情報センター、サーバーなど)などから取得すればよい。
【0028】
取得部51によって、ソーラーパネル11の発電に関する情報が取得されると、ステップS202に処理が進む。
【0029】
(ステップS202)
スキャン制御装置50の設定部52は、取得部51によって取得されたソーラーパネル11の発電に関する情報に基づいて、ソーラーパネル11で発生させる目標電力Wtを設定する。
【0030】
例えば、ソーラーパネル11についてパネル温度と出力可能な最大電力との関係を示したマップや演算式を予め記憶している場合、設定部52は、ソーラーパネル11の温度に基づいてマップや演算式から導出される最大電力を、目標電力Wtとして設定することができる。また、例えば、ソーラーパネル11の過去の発電状況に関するデータを累積的に記憶している場合、設定部52は、現在の状況と近似する過去の発電状況に基づいて導出される電力を、目標電力Wtとして設定することができる。上述したマップや演算式およびデータは、ソーラー充電システム1が記憶しておけばよい。また、例えば、外部の情報センターから車両の駐車場所における天気の変化に関する環境情報を受信できる場合、設定部52は、この環境情報と上述したソーラーパネル11の温度の情報や過去の発電状況の情報とを協調させることによって導出される電力を、目標電力Wtとして設定することができる。
【0031】
さらに、設定部52は、設定した目標電力Wtとソーラーパネル11の発電電力Wsとの差分ΔW(=Wt-Ws)が予め定めた第1の閾値T1を超えるときであって、かつソーラーパネル11の発電電力が所定の状態で安定している場合には、目標電力Wtを設定し直すことができる。より具体的には、設定部52は、電力の差分ΔWが第1の閾値T1を超えるときに、ソーラーパネル11の発電電力の変動値(最大電力Wmaxから最小電力Wminまでの変化幅)が予め定めた第2の閾値T2以下である状態(Wmax-Wmin≦T2)、すなわち電力の変動が少ない安定した発電の状態が所定の期間継続していれば、目標電力Wtを設定し直すことを行う。この設定し直した後の目標電力Wtとしては、所定の期間におけるソーラーパネル11の発電電力の平均値や、ソーラーパネル11の最大電力Wmaxと最小電力Wminとの中央値((Wmax+Wmin)/2)などを、例示できる。
【0032】
設定部52によって、ソーラーパネル11で発生させる目標電力Wtが設定されると、ステップS203に処理が進む。
【0033】
なお、上述したステップS201およびS202の処理は、ソーラー充電システム1が稼働している間は常に実行されていてもよいし、予め定めたタイミング(一定の周期、特定イベントの発生時など)に基づいて実行されてもよい。
【0034】
(ステップS203)
スキャン制御装置50の指示部53は、設定部52によって設定された目標電力Wtに近い出力を、ソーラーパネル11が発電しているか否かを判断する。より具体的には、指示部53は、目標電力Wtとソーラーパネル11の発電電力Wsとの差分ΔWが、第1の閾値T1に対して大きいか小さいかを判断する。
【0035】
指示部53が、電力の差分ΔWが第1の閾値T1以下であると判断した場合は(ステップS203、ΔW≦T1)、ステップS204に処理が進む。なお、このステップS204への遷移は、電力の差分ΔWが第1の閾値T1以下である(ΔW≦T1)状態が所定の時間(例えば数秒間)継続した場合に限って行われてもよい。一方、指示部53が、電力の差分ΔWが第1の閾値T1を超えると判断した場合は(ステップS203、ΔW>T1)、ステップS205に処理が進む。
【0036】
(ステップS204)
スキャン制御装置50の指示部53は、ソーラーモジュール10に対して、ソーラーパネル11のスキャン処理の実施を禁止する指示を行う(実施の不許可)。この指示によって、スキャン処理を実行すべきタイミングが到来してもソーラーモジュール10においてスキャン処理は実施されなくなる。
【0037】
指示部53によって、ソーラーモジュール10に対するソーラーパネル11のスキャン処理について実施の禁止が指示されると、ステップS201に処理が進む。
【0038】
(ステップS205)
スキャン制御装置50の指示部53は、ソーラーモジュール10に対して、ソーラーパネル11のスキャン処理の実施を許可する指示を行う。この指示によって、スキャン処理を実行すべきタイミングが到来すればソーラーモジュール10においてスキャン処理が実施される。
【0039】
指示部53によって、ソーラーモジュール10に対するソーラーパネル11のスキャン処理について実施の許可が指示されると、ステップS201に処理が進む。
【0040】
<作用・効果>
以上のように、本開示の一実施形態に係るスキャン制御装置によれば、効率的な発電を実現するために設定するソーラーパネルで発生させる目標電力を、ソーラーパネルの発電に関する情報の変化に応じて動的に変化させる。
【0041】
この制御によって、理想的な発電環境下におけるソーラーパネルの実際の発電電力と目標電力との乖離の発生を抑制することができ、理想的な発電環境下においてスキャン処理が実施されてしまう頻度を低減させることができる。従って、本実施形態に係るスキャン制御装置によれば、ソーラー充電システム全体の発電効率を向上させることができる(制御性の向上、発電量の向上)。
【0042】
以上、本開示の一実施形態を説明したが、本開示は、スキャン制御装置、スキャン制御装置を備えたソーラー充電システム、スキャン制御装置が実行する方法、その方法を実行させるためのプログラム、そのプログラムを記憶したコンピューター読み取り可能な非一時的な記録媒体、およびスキャン制御装置を含むソーラー充電システムを搭載した車両など、として捉えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示のスキャン制御装置は、車両に搭載されるソーラー充電システムなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
1 ソーラー充電システム
10 ソーラーモジュール
11 ソーラーパネル
12 DCDCコンバーター
13 センサ
14 制御部
30 バッテリ
40 負荷機器
50 スキャン制御装置
51 取得部
52 設定部
53 指示部