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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025144840
(43)【公開日】2025-10-03
(54)【発明の名称】地下水排水構造と地下水排水方法
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/04 20060101AFI20250926BHJP
   E02D 3/115 20060101ALI20250926BHJP
【FI】
E21D9/04 C
E02D3/115
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044719
(22)【出願日】2024-03-21
(71)【出願人】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】591045965
【氏名又は名称】株式会社精研
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】朝原 大貴
(72)【発明者】
【氏名】秦野 淳
(72)【発明者】
【氏名】豊田 努
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敏一
【テーマコード(参考)】
2D043
2D054
【Fターム(参考)】
2D043CA14
2D054FA04
2D054FA06
(57)【要約】
【課題】既設の地下構造体の周辺の地盤を凍結させ、未凍結地盤から地下構造体の内部に地下水を排水するに際し、凍結させることなく地下水を効果的に排水することのできる、地下水排水構造と地下水排水方法を提供する。
【解決手段】地下水排水構造40であり、地下構造体10の壁面16の開口16aに連通する中空41aを備え、途中位置に枝管41cを備えているガイド管41と、ガイド管41の中空41aを介して地盤GBの内部に一部が挿入され、ガイド管41との間に地下水の流通する第1流路43を形成し、内部に流体が流通される挿入管44と、枝管41cよりも地下構造体10の内部側で第1流路43を遮断する第1バルブ47と、枝管41cを開閉する第2バルブ48とを有し、地下構造体10の周辺の地盤GBを凍結させた際に生じる凍結膨張圧によって圧力が上昇した地下水を、第2バルブ48を開放して地下構造体10の内部に排水する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設の地下構造体の周辺の地盤から、該地下構造体の内部に地下水を排水する、地下水排水構造であって、
前記地下構造体の壁面には地盤に臨む開口が設けられ、該地下構造体の内部に配設されて該壁面に接続され、該開口に連通する中空を備え、途中位置に枝管を備えている、ガイド管と、
前記ガイド管の前記中空を介して、地盤の内部に一部が挿入され、前記ガイド管との間に地下水の流通する第1流路を形成し、内部に流体が流通される挿入管と、
前記ガイド管における前記枝管よりも地下構造体の内部側に設置されて、前記第1流路を遮断する、第1バルブと、
前記枝管を開閉する、第2バルブとを有し、
前記地下構造体の周辺の地盤を凍結させた際に生じる凍結膨張圧によって圧力が上昇した前記第1流路の内部にある地下水を、前記第2バルブを開放して前記地下構造体の内部に排水することを特徴とする、地下水排水構造。
【請求項2】
前記挿入管は、外管と内管を備えた二重管であり、該外管と該内管の間には第2流路が設けられており、
前記外管は地盤側の先端が閉塞し、前記内管は地盤側の先端が開放しており、
前記外管に供給された前記流体が前記第2流路を流れて前記内管に入り、該内管を流通して前記地下構造体の内部に排水される、もしくは、該内管に供給された該流体が該第2流路に入り、該外管を流通して該地下構造体の内部に排水されることを特徴とする、請求項1に記載の地下水排水構造。
【請求項3】
前記ガイド管と前記二重管の間に、中空を有して地盤側の先端が閉塞しているケーシングが介在することを特徴とする、請求項2に記載の地下水排水構造。
【請求項4】
前記ガイド管、もしくは前記第1バルブ、もしくは前記第2バルブにおいて、前記第1流路の内部にある地下水の圧力を計測する圧力計が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の地下水排水構造。
【請求項5】
前記圧力計が所定の圧力値以上となった際に、前記第2バルブが開制御されることを特徴とする、請求項4に記載の地下水排水構造。
【請求項6】
前記ケーシングと前記二重管の間に充填材が充填されていることを特徴とする、請求項3に記載の地下水排水構造。
【請求項7】
既設の地下構造体の周辺の地盤から、該地下構造体の内部に地下水を排水する、地下水排水方法であって、
前記地下構造体の壁面に設けられている地盤に臨む開口に対して、該開口に連通する中空を備えて途中位置に枝管を備えているガイド管を設置し、該中空を介して地盤の内部に挿入管の一部を挿入し、該ガイド管と該挿入管の間に地下水の流通する第1流路を形成し、該ガイド管における該枝管よりも地下構造体の内部側において該第1流路を第1バルブにて遮断し、前記枝管に対して該枝管を開閉する第2バルブを設けておき、該挿入管の内部に流体を流通させておく、準備工程と、
前記地下構造体の周辺の地盤を凍結させた際の凍結膨張圧によって前記第1流路の内部にある地下水の圧力が上昇した際に、前記第2バルブを開放して該第1流路の内部にある地下水を前記地下構造体の内部に排水する、排水工程とを有することを特徴とする、地下水排水方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水排水構造と地下水排水方法に関する。
【背景技術】
【0002】
上下や左右の関係にある2つの既設の地下構造体の間を掘削して双方を繋ぐ施工において、その周囲に凍結工法や薬液注入工法、高圧噴射工法等の地盤改良による防護工を行った後に、地盤改良エリアの内側にある未改良エリアの掘削を行う場合がある。
防護工として凍結工法を適用する場合に、その内側の未凍結地盤にある地下水の圧力が高くなることが一般的であり、高水圧となった地下水を一方の地下構造体に排水するべく、当該地下構造体から未凍結地盤に水抜き管を設置する場合がある。未凍結地盤に設置された水抜き管により、未凍結地盤における地下水の水圧を低下させることに加えて、未凍結地盤の周囲に造成されている凍土の閉塞状況を確認(復圧の有無を確認)することができる。
しかしながら、通常の水抜き管を使用する場合に、造成されている凍土の影響によって水抜き管が凍ってしまう恐れがあり、さらには、凍土の造成完了後に未凍結地盤も凍ってしまい、本来的に未凍結地盤を掘削するはずであった当該未凍結地盤が凍結することにより、掘削の際の施工性が格段に低下することになって好ましくない。
【0003】
以上のことから、既設の地下構造体の周辺の地盤を凍結させ、未凍結地盤から当該地下構造体の内部に地下水を排水するに際し、凍結させることなく地下水を排水することのできる地下水排水構造と地下水排水方法が望まれる。
【0004】
ここで、特許文献1には、凍結工法における凍土内に流動域を造成する方法が提案されている。この方法は、凍結工法において、凍結管を埋設した後、凍結管の周囲の空隙に解凍後に流動性が高い注入材を充填し、凍結工事終了後に、凍結管に温水を循環させることにより、注入材を融解して流動域を造成する方法である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8-199553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載される方法によれば、凍結前の凍結管の周囲の空隙に解凍後に流動性が高い充填材を充填し、凍結工事完了後に凍結管に温水を循環させ、充填材を融解して流動域を造成するようにしたことにより、凍結管の抜去に際して抜去加重が小さくなり、容易に抜去することができるとしている。しかしながら、上記する課題、すなわち、既設の地下構造体の周辺の地盤を凍結させ、未凍結地盤から当該地下構造体の内部に地下水を排水するに際し、凍結させることなく地下水を排水する手段を開示するものではない。
【0007】
本発明は、既設の地下構造体の周辺の地盤を凍結させ、未凍結地盤から当該地下構造体の内部に地下水を排水するに際し、凍結させることなく地下水を効果的に排水することのできる、地下水排水構造と地下水排水方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成すべく、本発明による地下水排水構造の一態様は、
既設の地下構造体の周辺の地盤から、該地下構造体の内部に地下水を排水する、地下水排水構造であって、
前記地下構造体の壁面には地盤に臨む開口が設けられ、該地下構造体の内部に配設されて該壁面に接続され、該開口に連通する中空を備え、途中位置に枝管を備えている、ガイド管と、
前記ガイド管の前記中空を介して、地盤の内部に一部が挿入され、前記ガイド管との間に地下水の流通する第1流路を形成し、内部に流体が流通される挿入管と、
前記ガイド管における前記枝管よりも地下構造体の内部側に設置されて、前記第1流路を遮断する、第1バルブと、
前記枝管を開閉する、第2バルブとを有し、
前記地下構造体の周辺の地盤を凍結させた際に生じる凍結膨張圧によって圧力が上昇した前記第1流路の内部にある地下水を、前記第2バルブを開放して前記地下構造体の内部に排水することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、地下構造体の壁面に設けられている地盤に臨む開口に連通する中空を備え、途中位置に枝管を備えていて該壁面に接続されているガイド管と、ガイド管の中空を介して地盤の内部に一部が挿入されてガイド管との間に地下水の流通する第1流路を形成するとともに内部に流体が流通される挿入管とを有し、ガイド管が第1流路を遮断する第1バルブと枝管を開閉する第2バルブを備え、凍結膨張圧によって圧力が上昇した第1流路の内部にある地下水を第2バルブを開放して地下構造体の内部に排水することにより、挿入管の内部に流体が流通することで第1流路を流通する地下水が凍結することを防止しながら、凍結膨張圧によって圧力が上昇した第1流路の内部にある地下水を第2バルブを介して地下構造体の内部に効果的に排水することができる。
このことにより、未凍結地盤を削孔する際の良好な施工性を保証することができる。
また、未凍結地盤の周囲に造成されている凍土の閉塞状況を常時確認することができ、さらには、未凍結地盤の一部が凍結しそうな場合でも流体が内部を流通する挿入管によって部分的に解凍することが可能になる。
【0010】
ここで、地下構造体には、シールドトンネルや推進トンネル等のトンネルや立坑等を挙げることができ、シールドトンネル等は鋼製セグメントにより形成されるトンネルや、コンクリート系セグメント(RC(Reinforced Concrete)セグメントや、鋼殻とコンクリートが合成された合成セグメント)により形成されるトンネル等が含まれる。また、挿入管の内部に流通する流体には、温水や常温水等を挙げることができる。
【0011】
また、本発明による地下水排水構造の他の態様において、
前記挿入管は、外管と内管を備えた二重管であり、該外管と該内管の間には第2流路が設けられており、
前記外管は地盤側の先端が閉塞し、前記内管は地盤側の先端が開放しており、
前記外管に供給された前記流体が前記第2流路を流れて前記内管に入り、該内管を流通して前記地下構造体の内部に排水される、もしくは、該内管に供給された該流体が該第2流路に入り、該外管を流通して該地下構造体の内部に排水されることを特徴とする。
【0012】
本態様によれば、挿入管が外管と内管を備えた二重管であり、外管と内管の間に第2流路が設けられていて、外管に供給された温水や常温水等の流体が内管を流通して地下構造体の内部に排水されること、もしくは、内管に供給された流体が外管を流通して地下構造体の内部に排水されることにより、挿入管の内部におけるスムーズな流体の流れが保証され、第1流路にある地下水を流体にて温め、地下水の凍結を効果的に防止することができる。
【0013】
また、本発明による地下水排水構造の他の態様は、
前記ガイド管と前記二重管の間に、中空を有して地盤側の先端が閉塞しているケーシングが介在することを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、ガイド管と二重管(挿入管)の間にケーシングが介在することにより、例えば、地下構造体の壁面に予め開口が設けられていない場合に、先端に削孔ビットを備えたケーシングを回転させながら壁面に開口を形成してケーシングを地盤内に挿入し、ケーシングの内部に二重管を設置することができる。さらに、地盤が硬質である場合も、ケーシングにて地盤をスムーズに削孔し、ケーシングの内部に二重管を設置することができる。
【0015】
また、本発明による地下水排水構造の他の態様は、
前記ガイド管、もしくは前記第1バルブ、もしくは前記第2バルブにおいて、前記第1流路の内部にある地下水の圧力を計測する圧力計が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、ガイド管や第1バルブ、第2バルブのいずれかにおいて、第1流路の内部にある地下水の圧力を計測する圧力計が設けられていることにより、地下水の凍結膨張圧を常時計測することができる。
【0017】
また、本発明による地下水排水構造の他の態様は、
前記圧力計が所定の圧力値以上となった際に、前記第2バルブが開制御されることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、圧力計が所定の圧力値以上となった際に第2バルブが開制御されることにより、第1バルブや第2バルブが地下水の圧力で破損することを防止するフェールセーフ機能となる。
【0019】
また、本発明による地下水排水構造の他の態様は、
前記ケーシングと前記二重管の間に充填材が充填されていることを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、ケーシングと二重管の間に充填材が充填されていることにより、双方の間に空気層がある場合と比べて熱伝導性が高められ、二重管の内部を流通する流体の熱を第1流路にある地下水に対して効果的に伝熱することができ、さらには、二重管やケーシングを介して未凍結地盤に対して効果的に伝熱することができる。ここで、充填材には、ベントナイトや、セメントとベントナイトの混合材等を挙げることができる。
【0021】
また、本発明による地下水排水方法の一態様は、
既設の地下構造体の周辺の地盤から、該地下構造体の内部に地下水を排水する、地下水排水方法であって、
前記地下構造体の壁面に設けられている地盤に臨む開口に対して、該開口に連通する中空を備えて途中位置に枝管を備えているガイド管を設置し、該中空を介して地盤の内部に挿入管の一部を挿入し、該ガイド管と該挿入管の間に地下水の流通する第1流路を形成し、該ガイド管における該枝管よりも地下構造体の内部側において該第1流路を第1バルブにて遮断し、前記枝管に対して該枝管を開閉する第2バルブを設けておき、該挿入管の内部に流体を流通させておく、準備工程と、
前記地下構造体の周辺の地盤を凍結させた際の凍結膨張圧によって前記第1流路の内部にある地下水の圧力が上昇した際に、前記第2バルブを開放して該第1流路の内部にある地下水を前記地下構造体の内部に排水する、排水工程とを有することを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、地下構造体の壁面に設けられている地盤に臨む開口に連通する中空を備えて途中位置に枝管を備えているガイド管を設置し、中空を介して地盤の内部に挿入管の一部を挿入し、ガイド管と挿入管の間に地下水の流通する第1流路を形成し、第1流路を第1バルブにて遮断し、枝管に対して第2バルブを設けておき、挿入管の内部に流体を流通させておいた上で、地下構造体の周辺の地盤を凍結させた際の凍結膨張圧によって第1流路の内部にある地下水の圧力が上昇した際に、第2バルブを介して第1流路の内部にある地下水を地下構造体の内部に排水することにより、挿入管の内部に流体が流通することで第1流路を流通する地下水が凍結することを防止しながら、凍結膨張圧によって圧力が上昇した第1流路の内部にある地下水を第2バルブを介して地下構造体の内部に効果的に排水することができる。
このことにより、未凍結地盤を削孔する際の良好な施工性を保証することができる。また、未凍結地盤の周囲に造成されている凍土の閉塞状況を常時確認することができ、さらには、未凍結地盤の一部が凍結しそうな場合でも流体が内部を流通する挿入管によって部分的に解凍することが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の地下水排水構造と地下水排水方法によれば、既設の地下構造体の周辺の地盤を凍結させ、未凍結地盤から当該地下構造体の内部に地下水を排水するに際し、凍結させることなく地下水を効果的に排水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1A】実施形態に係る地下水排水構造、実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造、実施形態に係る既設トンネルの坑口補強構造、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネル、及び実施形態に係る凍結地盤の掘削土の排土装置が適用される、上下の関係にある2つの既設トンネルの一例の平面図であって、凍結地盤が施工されている状態をともに示す図である。
図1B図1AのB-B矢視図であって、上下の関係にある2つの既設トンネルを下方の既設のトンネルの軸方向に沿って切断した縦断面図である。
図1C図1AのC-C矢視図であって、上下の関係にある2つの既設トンネルを下方の既設のトンネルの軸方向に直交する方向に沿って切断した縦断面図である。
図2A】実施形態に係る既設トンネルの坑口補強構造の一例の側面図である。
図2B図2AのB-B矢視図であって、既設トンネルの坑口補強構造の一例の正面図である。
図3】実施形態に係る地下水排水構造の一例の縦断面図である。
図4A】実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルの施工方法の一例の工程図である。
図4B図4AのB-B矢視図である。
図5A図4Aに続いて、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルの施工方法の一例の工程図である。
図5B図5AのB-B矢視図である。
図6A図5Aに続いて、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルの施工方法の一例の工程図である。
図6B図6AのB-B矢視図である。
図7A】実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造の一例を上方から見た斜視図である。
図7B】実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造の一例を下方から見た斜視図である。
図8】実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造において、下方の既設のトンネルの坑口とセグメントリングの間の隙間を鋼板が閉塞している状態を示す平面図である。
図9A図6Aに続いて、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルの施工方法の一例の工程図である。
図9B図9AのB-B矢視図である。
図10】実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルを拡大して示した縦断面図である。
図11】実施形態に係る凍結地盤の掘削土の排土装置の一例を示す斜視図である。
図12】実施形態に係る凍結地盤の掘削土の排土装置の一例を構成するバキューム車が、マンホールの側方の地上に位置決めされ、スラリー化した掘削土をバキューム管を介して排出している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、実施形態に係る地下水排水構造と地下水排水方法、実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造と接合方法、実施形態に係る既設トンネルの坑口補強構造と坑口補強方法、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルとその施工方法、及び実施形態に係る凍結地盤の掘削土の排土装置と排土方法について、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0026】
[実施形態に係る地下水排水構造と地下水排水方法、既設トンネルと分岐トンネルの接合構造と接合方法、既設トンネルの坑口補強構造と坑口補強方法、上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルとその施工方法、及び凍結地盤の掘削土の排土装置と排土方法]
図1乃至図12を参照して、実施形態に係る地下水排水構造と地下水排水方法、既設トンネルと分岐トンネルの接合構造と接合方法、既設トンネルの坑口補強構造と坑口補強方法、上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルとその施工方法、及び凍結地盤の掘削土の排土装置と排土方法の一例について説明する。
【0027】
まず、図1A乃至図1Cを参照して、実施形態に係る接合トンネルにて接合される、上下の関係にある既設トンネルの一例について説明する。ここで、図1Aは、上下の関係にある2つの既設トンネルの一例の平面図であって、凍結地盤が施工されている状態をともに示す図である。また、図1Bは、図1AのB-B矢視図であって、上下の関係にある2つの既設トンネルを下方の既設のトンネルの軸方向に沿って切断した縦断面図であり、図1Cは、図1AのC-C矢視図であって、上下の関係にある2つの既設トンネルを下方の既設のトンネルの軸方向に直交する方向に沿って切断した縦断面図である。
【0028】
図示する上下の関係にある2つの既設トンネル(既設の地下構造体の一例)は、共同溝や上下水道、雨水貯留管等に供されるトンネルであり、下方にある第1既設トンネル10と上方にある第2既設トンネル20が平面視で交差する位置において、双方を接合トンネルにて接合する施工を例に以下説明する。
【0029】
第1既設トンネル10と第2既設トンネル20はいずれも、接合トンネルにて接合される領域は鋼製セグメントリングの接合体であり、その他の領域はコンクリート系セグメントリングの接合体であり、双方の鋼製セグメントリングの一部を切り開いてできる双方の坑口に対して接合トンネルが接合されることになる。
【0030】
接合トンネルの施工に際して、図1A乃至図1Cに示すように、施工領域の周辺の地盤Gに対して、例えば第1既設トンネル10から複数の凍結管Pを挿入し、周辺の地盤Gを凍結させる凍結工法を防護工として適用することにより、施工領域の周辺に凍結地盤GAを施工する。
【0031】
例えば図1Cに示すように、接合トンネルが施工される施工領域は人力掘削にて地盤が掘削されることから、掘削領域は未凍結地盤GBとし、その周辺に凍結地盤GAが造成される。尚、未凍結地盤GBといっても、凍結地盤GAによる影響で未凍結地盤GBの一部は凍結することになる。尚、図1Cには、以下で説明する地下水排水構造40(図3参照)を形成するケーシング42(水抜き管)が図示されている。
【0032】
凍結工法を適用する場合は、造成された凍結地盤GAの内側にある未凍結地盤GBに対して凍結膨張圧が作用する。この凍結膨張圧は確立された算定手法である、高志の円筒理論式(Δσ=E/(1+ν)×ξ/2×(1-r /r )で、Δσは凍結膨張圧、Eは未凍結地盤の変形係数、νは未凍結地盤のポアソン比、ξは覆工方向への凍結膨張率、rは冷却面半径、rは凍結面半径)により算定され、この円筒理論式による算定においては地盤の変形係数と凍結膨張率が用いられ、双方の要素はいずれも凍結膨張圧と比例関係にある。精度よく物性値を設定するに当たり、現地にてボーリング試験を実施し、原位置試験(坑内水平載荷試験、標準貫入試験、透水係数試験、塩分濃度試験等)や室内試験(細粒分含有率試験、凍結一軸圧縮試験、凍上沈下試験等)を実施し、現地の条件を反映することになる。
【0033】
しかしながら、上記する各種の原位置試験や室内試験を実施して物性値を設定し、凍結膨張率を設定したとしても、実際の凍結膨張率が大きくなる場合がある。その理由としては、ボーリング試験を実施したものの、設定値に不確実性が存在することであり、他の理由としては、施工エリアが都心等にあって施工エリアの直上でボーリング試験を実施することが難しい場合に、施工エリアから離れた位置でボーリング試験を実施することにより施工エリアの地盤性状が精緻に反映されないことなどである。
【0034】
このように、何らかの理由で当初設定した凍結膨張率に比べて実際の凍結膨張率が高くなり、未凍結地盤に対する凍結膨張圧が大きくなることが凍土造成を進める過程で判明した場合は、この未凍結地盤に通じる第1既設トンネル10の坑口18(図2A参照)の施工エリアに対して、速やかに補強構造を施工することが必要になる。しかしながら、第1既設トンネル10の内部には凍結工法の際に適用される配管や配線、ホース等が錯綜していることが一般的であり、このような第1既設トンネル10の内部において坑口18の周辺に応急的に補強構造を施工することは容易でない。
【0035】
そこで、第1既設トンネル10の内部において、図2A図2Bに示す坑口補強構造を適用する。ここで、図2Aは、実施形態に係る既設トンネルの坑口補強構造の一例の側面図であり、図2Bは、図2AのB-B矢視図であって、既設トンネルの坑口補強構造の一例の正面図である。
【0036】
上記するように、第1既設トンネル10のうち、接合トンネル50(図9A参照)が施工される領域は、複数の鋼製セグメントリング12が軸方向に接合される接合体であり、各鋼製セグメントリング12は、複数の第1鋼製セグメント11が周方向に組み付けられることにより形成される。
【0037】
第1既設トンネル10の天端には第1坑口18が形成される鏡切り領域13があり、鏡切り領域13よりも僅かに広い範囲t1が設計上のA領域となり、その外周にある範囲t2がB領域となる。A領域は直接切り開かれる領域であり、B領域は、A領域における切り開きにより、それまでA領域が支持していた荷重(土被り荷重等)が配分された追加荷重を負担する領域であり、各第1鋼製セグメントリング12はこのような施工時の荷重を基準に設計されている。
【0038】
第1鋼製セグメント11は、主桁15と、スキンプレート16と、縦リブ17aと、継手板17bとを備えている。
【0039】
坑口補強構造30は、第1既設トンネル10の軸方向に直交する方向に架け渡されている複数の枕木32の上に配設されている一対の桁材35と、第1坑口18が施工される鏡切り領域13の側方に配設され、上下方向に延設する複数の支柱36とを有し、各支柱36の下端は、桁材35に対してボルト接合等により固定される。
【0040】
第1既設トンネル10のうち、下方の主桁15には第2ブラケット33が予め溶接接合されており(凍結工法が適用される前に溶接接合されている)、桁材35の一部が第2ブラケット33に対して、ボルト接合や溶接接合、クランプ接合等により接合されている。
【0041】
一方、第1坑口18が施工される鏡切り領域13の側方における各支柱36の上方に対応する位置にある主桁15には、第1ブラケット31が第2ブラケット33と同様に予め溶接接合されており、各支柱36の上方が対応する各第1ブラケット31に対して、ボルト接合や溶接接合、クランプ接合等により接合されている。尚、枕木32を使用せず、一対の桁材35を下方の主桁15に直接溶接接合してもよい。
【0042】
ここで、枕木32や桁材35はH形鋼等の形鋼材により形成され、支柱36は伸縮自在な仮設サポート材により形成される。
【0043】
各桁材35の上に間隔を置いて立設する複数の支柱36には、各支柱36に跨がるブレース材38が取り付けられることにより、各支柱36の安定した立設姿勢が保持される。
【0044】
このように、第1ブラケット31,第2ブラケット33、桁材35,支柱36等により、坑口補強構造30が形成される。
【0045】
第1既設トンネル10のうち、鏡切り領域13の下方には、接合トンネル50の最下段の鋼製セグメントリング60A(図6A参照)が載置されるセグメントリング受台Dや、仮設足場F等が設置されている。
【0046】
第1ブラケット31等に不図示のひずみ計を設置しておき、ひずみ計による計測結果を随時取得しておく。また、第1既設トンネル10の天端や肩部等の変位量を随時計測しておき、これらの計測結果に基づいて、想定外の凍結膨張圧が作用していると判断される際には、実施形態に係る坑口補強方法として、既に設置済みの第1ブラケット31と第2ブラケット33及び桁材35に対して、複数の支柱36を設置し、ブレース材38で各支柱36を補強して坑口補強構造30を速やかに形成する。
【0047】
図示例の坑口補強構造30によれば、第1既設トンネル10における第1坑口18が施工される鏡切り領域13の側方において、凍結工法が適用される前に主桁15に予め接合されている第1ブラケット31に対して、上下方向に延設する支柱36の上方が接合され、第1既設トンネル10の軸方向に延設する桁材35に支柱36の下端が接合されることにより、共通の桁材35に対して複数の支柱36の下端を接合してそれらの上方を第1坑口18の周囲にある主桁15に接合されている複数の第1ブラケット31に接合することができ、第1既設トンネル10の内部が防護工の設備等によって錯綜している状態であっても、速やかに第1坑口18の周囲を複数の支柱36にて補強することができる。
【0048】
また、支柱36の上下を第1ブラケット31と第2ブラケット33及び桁材35を介して第1鋼製セグメント11の主桁15に接合することができ、安定した立設姿勢の支柱36にて第1坑口18の周囲を補強することができる。
【0049】
さらに、支柱36が伸縮自在な仮設サポート材であることにより、第1既設トンネル10の内部の錯綜した状況の中でも、ハンドリング性と取り付け性に優れた仮設サポート材36を速やかに立設させることができ、第1坑口18の周囲を比較的剛性の高い仮設サポート材36にて補強することができる。また、仮設サポート材36であることから、その解体撤去もスムーズに行うことができる。
【0050】
防護工として図示例のように凍結工法を適用する場合、凍結地盤GAの内側の未凍結地盤GBにある地下水の圧力が高くなることが一般的であり、高水圧となった地下水を例えば下方にある第1既設トンネル10に排水するべく、第1既設トンネル10から未凍結地盤GBに水抜き管を設置するのがよい。未凍結地盤GBに設置された水抜き管により、未凍結地盤GBにおける地下水の水圧を低下させることに加えて、未凍結地盤GBの周囲に造成されている凍結地盤GAの閉塞状況を確認(復圧の有無を確認)することができる。
【0051】
しかしながら、通常の水抜き管を使用する場合に、造成されている凍結地盤GAの影響によって水抜き管が凍ってしまう恐れがあり、さらには、凍結地盤GAの造成完了後に未凍結地盤GBも凍ってしまい、本来的に未凍結地盤GBを掘削するはずであった当該未凍結地盤GBが凍結することにより、掘削の際の施工性が格段に低下することになって好ましくない。
【0052】
そこで、図3に示すように、未凍結地盤GBから第1既設トンネル10の内部に地下水を排水するに際し、凍結させることなく地下水を効果的に排水することのできる、地下水排水構造40を適用する。尚、上方にある第2既設トンネル20に地下水排水構造40を適用して、第2既設トンネル20の内部に地下水を排水してもよい。ここで、図3は、実施形態に係る地下水排水構造の一例の縦断面図である。
【0053】
第1既設トンネル10のスキンプレート16(壁面の一例)には、未凍結地盤GBに臨む開口16aが設けられている。この開口16aは、予め設けられている開口であってもよいし、以下で説明するケーシング42を回転させながらその先端にある削孔ビット等によって形成されてもよい。
【0054】
中空41aを備えているガイド管41を、中空41aを開口16aに連通させるようにしてスキンプレート16の内側に溶接接合等により固定する。
【0055】
ガイド管41はその途中位置に枝管41cを備えており、その端部開口41bを介して中空41aにはケーシング42が挿通されることにより、ガイド管41とケーシング42の間に第1流路43が形成される。
【0056】
ケーシング42は、ガイド管41を介して未凍結地盤GBに回転圧入等されることにより、未凍結地盤GBの所定位置まで挿入されている。未凍結地盤GBが硬質の地盤であっても、ケーシング42を適用することにより、未凍結地盤GBの所定位置まで延びる二重管44を設置することができる。
【0057】
ケーシング42とスキンプレート16の開口16aの間の隙間を介して、未凍結地盤GBから地下水が第1流路43へX1方向に流入することになる。
【0058】
ケーシング42の内部には二重管44(挿入管の一例)が挿入されている。二重管44は外管45と内管46を備え、外管45と内管46の間には第2流路44aが設けられ、内管46の内部には第3流路44bが設けられている。
【0059】
ケーシング42と外管45の間には充填材49が充填されている。充填材49には、ベントナイトや、セメントとベントナイトの混合材等が適用される。
【0060】
ケーシング42と二重管44の間に充填材49が充填されていることにより、双方の間に空気層がある場合と比べて熱伝導性が高められ、二重管44の内部を流通する流体の熱を第1流路43にある地下水に対して効果的に伝熱することができる。また、二重管44からケーシング42を介して未凍結地盤GBに対して効果的に伝熱することができ、未凍結地盤GBにある地下水が凍って排水できなくなることを効果的に防止できる。さらに、充填材49により、ケーシング42と二重管44の双方の軸芯をある程度合わせた状態で双方を設置することができる。
【0061】
ここで、二重管44を圧入する地盤が比較的軟らかい場合や、スキンプレート16に予め開口16aが開閉自在に設けられている場合は、ケーシング42を不要にできる。ケーシング42が存在しない形態では、ガイド管41の中空41aを介して未凍結地盤GBに二重管44を直接圧入してよい。この場合は、ガイド管41と二重管44の間に第1流路43が形成されることになる。
【0062】
ガイド管41における枝管41cよりも第1既設トンネル10の内部側にある端部開口41bには第1バルブ47が設置され、第1バルブ47にて第1流路43が遮断されるようになっている。また、枝管41cには、当該枝管41cを開閉する第2バルブ48が設置されている。
【0063】
外管45の後方には温水や水等の流体が供給される供給口45aが設けられており、外管45の地盤側の先端は閉塞し、内管46は地盤側の先端が開放している。この構成により、供給口45aを介して温水等の流体が第2流路44aへX3方向に供給され、第2流路44aをX4方向に流れた流体は内管46へX5方向に流入し、内管46の第3流路44bをX6方向に流通して、内管46の端部開口を介して第1既設トンネル10の内部に排水される。ここで、温水は、水道水等をヒータ等の熱源にて温めることにより生成してもよい。また、温水や水は、循環させながら繰り返して使用してもよい。さらに、温水の循環に際して、冷凍機の冷却水の排熱を利用してもよい。
【0064】
第2バルブ48は、所定の圧力が作用した際(地下水が所定の圧力となった際)に自動的に開制御されるように設定されており、第1流路43にある地下水が凍結膨張圧によって圧力が上昇し、所定の圧力となった段階で第2バルブ48が開放され、地下水が第1既設トンネル10の内部に自動的に排水されることになる。この所定の圧力値とは、設計凍結膨張圧よりも高い圧力値等である。
【0065】
例えば、ガイド管41や第1バルブ47、第2バルブ48のいずれかにおいて、第1流路43の内部にある地下水の圧力を計測する不図示の圧力計が設けられており、圧力計による計測データが設定済みの所定の圧力値以上となった段階で第2バルブ48が自動的に開制御される。
【0066】
実施形態に係る地下水排水方法の一例は、第1既設トンネル10に対して地下水排水構造40を設置し、挿入管44の内部に温水等の流体を流通させておく、準備工程と、凍結工法の際の凍結膨張圧によって第1流路43の内部にある地下水の圧力が上昇した際に、第2バルブ48を開放して第1流路43の内部にある地下水を第1既設トンネル10の内部に排水する、排水工程を有する。
【0067】
このように、地下水排水構造40によれば、第1既設トンネル10の壁面16に設けられている未凍結地盤GBに臨む開口16aに連通する中空41aを備え、途中位置に枝管41cを備えていて壁面16に接続されているガイド管41と、ガイド管41の中空41aを介して未凍結地盤GBの内部に一部が挿入されてガイド管41との間に地下水の流通する第1流路43を形成するとともに内部に流体が流通される挿入管44とを有し、ガイド管41が第1流路43を遮断する第1バルブ47と枝管41cを開閉する第2バルブ48を備え、凍結膨張圧によって圧力が上昇した第1流路43の内部にある地下水を第2バルブ48を開放して第1既設トンネル10の内部に排水することにより、挿入管44の内部に流体が流通することで第1流路43を流通する地下水が凍結することを防止しながら、凍結膨張圧によって圧力が上昇した第1流路43の内部にある地下水を第2バルブ48を介して効果的に排水することができる。
【0068】
このことにより、未凍結地盤GBを削孔する際の良好な施工性を保証することができる。また、未凍結地盤GBの周囲に造成されている凍結地盤GAの閉塞状況を常時確認することができ、さらには、未凍結地盤GBの一部が凍結しそうな場合でも、流体が内部を流通する挿入管44によって部分的に解凍することが可能になる。
【0069】
次に、図4乃至図10を参照して、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルとその施工方法、この施工の初期に形成される、実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造と接合方法について説明する。
【0070】
ここで、図4A図4B図5A図5B図6A図6B,及び図9A図9Bは順に、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルの施工方法の一例の工程図である。
【0071】
図4A図4Bに示すように、上方にある第2既設トンネル20も第1既設トンネル10と同様に、接合トンネル50を施工するエリアは複数の第1セグメントリング22の接合体からなり、各第1セグメントリング22は複数の第1セグメント21が周方向に組み付けられることにより形成されている。そして、第2既設トンネル20の天井のうち、接合トンネルを施工するエリアの上方には吊り桁Bを設置し、吊り桁Bにはトロリ付きチェーンブロックCを移動自在に設置する。
【0072】
第2既設トンネル20の内部にはレールRLが設置され、レールRLに沿って鋼製セグメントを搬送する台車K(図5A参照)が移動するようになっており、第2坑口28が施工される側方には複数の鋼製セグメントを組み付けて鋼製セグメントリングを製作する、組み付けエリアAが設けられている。
【0073】
作業員Sは、第2既設トンネル20の下方の一部を鏡切りして第2坑口28を施工し、第2坑口28を介してその下方の未凍結地盤GBをチッパーM等にて下方へY1方向に人力掘削していく。尚、未凍結地盤GBの一部はその周囲の凍結地盤GAによって凍結している。この人力掘削により、第2坑口28の下方において上下方向に延びる掘削孔Hが施工される。
【0074】
図5A図5Bに示すように、掘削孔Hが下方の第1既設トンネル10まで施工された段階で、第1既設トンネル10の鏡切り領域13の鏡切りを行う。また、第2既設トンネル20の内部では、組み付けエリアAの側方において、複数の鋼製セグメント60を搭載した台車Kがあり、各鋼製セグメント60を組み付けエリアAへZ1方向に移載し、組み付けエリアAおいて複数の鋼製セグメント60を組み付けることにより、鋼製セグメントリング60Aが製作される。
【0075】
図6A図6Bに示すように、第1既設トンネル10の鏡切り領域13を鏡切りして第1坑口18を施工することにより、第2既設トンネル20の第2坑口28と第1既設トンネル10の第1坑口18を掘削孔Hを介して連通させる。ここで、掘削孔Hは、接合トンネル50の外径よりも大径に施工される。
【0076】
組み付けエリアAにて製作済みの鋼製セグメントリング60Aをトロリ付きチェーンブロックCで吊り上げ、トロリ付きチェーンブロックCを吊り桁Bに沿って掘削孔Hの上方位置まで移動させ、鋼製セグメントリング60Aを掘削孔Hを介して下方へY2方向に吊り下ろし、第1既設トンネル10の内部にあるセグメントリング受台Dに載置する。
【0077】
セグメントリング受台Dに鋼製セグメントリング60Aが載置された状態において、鋼製セグメントリング60Aの上端付近が第1既設トンネル10の第1坑口18と近接するようにセグメントリング受台Dの高さが調整されており、従って、セグメントリング受台Dの上に鋼製セグメントリング60Aを載置した状態で、作業員は仮設足場Fを利用して双方の接合作業を行うことができる。
【0078】
また、第1坑口18と鋼製セグメントリング60Aの接合作業の際に、第2既設トンネル20の組み付けエリアAには、次に吊り下ろされる可撓セグメントリング70Aが製作される。
【0079】
以下、図9A等を参照して説明するように、接合トンネル50は第1坑口18と第2坑口28の近傍に可撓セグメントリング70Aを備えており、従って、最下端の鋼製セグメントリング60Aが第1坑口18に接合された後、この鋼製セグメントリング60Aの上に可撓セグメントリング70Aが吊り下ろされ、載下段の鋼製セグメントリング60Aと接合されることになる。
【0080】
第1既設トンネル10の第1坑口18に対して最下段の鋼製セグメントリング60Aが接合されることにより、図7A図7Bに示すように、既設トンネルと分岐トンネルの接合構造80が形成される。ここで、図7A図7Bはそれぞれ、実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造の一例を上方と下方から見た斜視図である。
【0081】
「分岐トンネル」とは、接合トンネル50の別名であり、第1既設トンネル10に対して接合トンネル50はその鉛直上方に分岐したトンネルであることからこのように称している。
【0082】
接合トンネル50を形成する第2鋼製セグメントリング60Aを構成する各第2鋼製セグメント60は、上下方向に延びて第1坑口18に接合されるスキンプレート61(側板の一例)と、スキンプレート61の下端に溶接接合されている下方主桁62と、スキンプレート61の上端に溶接接合されている上方主桁63と、上方主桁63と下方主桁62とスキンプレート61の端部同士を繋ぐ継手板64と、上方主桁63と下方主桁62とスキンプレート61を繋ぐ縦リブ65とを備える。また、下方主桁62の内側縁には、立設姿勢のフランジ66が溶接接合されている。
【0083】
各第2鋼製セグメント60が水平方向に配設され、相互に継手板64同士が接合されてセグメント継手を形成しながら環状の第2鋼製セグメントリング60Aが形成される。
【0084】
そして、図7Bに示すように、第1鋼製セグメント11の縦リブのフランジ面や主桁15とスキンプレート61を繋ぐように、第1補強リブ67が溶接接合されている。さらに、図7Aに示すように、スキンプレート61と下方主桁62の双方に対して、第2補強リブ68が溶接接合されている。
【0085】
第2補強リブ68は、スキンプレート61と下方主桁62に接合されることに加えて、縦リブ65に対しても溶接接合されている。
【0086】
このように、第1既設トンネル10の第1坑口18に対して、分岐トンネル50(接合トンネル)の最下端に位置する第2鋼製セグメントリング60Aが接合され、第2鋼製セグメント60のスキンプレート61の外側が第1鋼製セグメント11の主桁15や縦リブのフランジ面に対して第1補強リブ67を介して接合されることにより、既設トンネルと分岐トンネルの接合構造80が形成される。
【0087】
図示例のように、第1鋼製セグメント11により形成される第1既設トンネル10を切り開いてできる第1坑口18に対して、その上方に分岐する第2鋼製セグメント60により形成される分岐トンネル50の最下段の第2鋼製セグメントリング60Aが接合されている、既設トンネルと分岐トンネルの接合構造80において、第2鋼製セグメント60のスキンプレート61と第1鋼製セグメント11の主桁15が第1補強リブ67を介して相互に接合されることにより、第2鋼製セグメント60のスキンプレート61を介して伝達された荷重(第2鋼製セグメント60の自重等)を第1補強リブ67を介して第1鋼製セグメント11の主桁15に伝達することができ、第1坑口18とスキンプレート61の接合部に作用する荷重を分岐トンネル50から第1既設トンネル10に対して安定的に伝達することが可能になる。
【0088】
尚、第1既設トンネル10の第1坑口18の周囲に坑口コンクリートを打設して分岐トンネル50を支持する構造も有効であるが、図示例のように防護工に凍結工法を適用した場合は、凍結環境下でのコンクリート養生により、コンクリートが凍害を受ける恐れがあることから好ましくない。
【0089】
また、第2鋼製セグメント60において、スキンプレート61と下方主桁62に接合される第2補強リブ68がさらに設けられていることにより、スキンプレート61に伝達される荷重の一部は、スキンプレート61の内側に設けられている第2補強リブ68を介し、下方主桁62を介し、第1補強リブ67を介して第1既設トンネル10の第1鋼製セグメント11の主桁15に伝達され、残りの荷重はスキンプレート61の外側に設けられている第1補強リブ67を介して第1鋼製セグメント11の主桁15に伝達されることとなり、第1坑口18とスキンプレート61の接合部に作用する荷重を分岐トンネル50から第1既設トンネル10に対してより一層安定的に伝達することが可能になる。
【0090】
さらに、上方主桁63と下方主桁62とスキンプレート61を繋ぐ縦リブ65に対して第2補強リブ68が接合されていることにより、荷重が伝達されるスキンプレート61を縦リブ65にて補強することができ、スキンプレート61と縦リブ65の双方を介して荷重を伝達することができ、第1坑口18とスキンプレート61の接合部に作用する荷重を分岐トンネル50から第1既設トンネル10に対してより一層安定的に伝達することが可能になる。
【0091】
また、図7Aからも明らかなように、下方主桁62におけるセグメントリングの中央側への幅t5が、上方主桁63の幅t6よりも広く設定されている。
【0092】
図示例の第1既設トンネル10と第2既設トンネル20,及びそれらを繋ぐ分岐トンネル50(接合トンネル)は、共同溝や上下水道、雨水貯留管等に供されるトンネルであることから、鋼製セグメントの腐食防止と流体に作用する抵抗を低減させる目的で、接合トンネル50の内側にはコンクリートやモルタル等の充填材による二次覆工55(図10参照)が施工されることになる。
【0093】
この二次覆工55の厚みは幅広である下方主桁62の幅t5と同じ幅に設定されている。下方主桁62におけるセグメントリングの中央側への幅t5が上方主桁63の幅t6よりも広く、二次覆工55の厚みが下方主桁62の幅t5と同じであることにより、二次覆工55の厚みが上方主桁63の幅t6よりも広い場合でも、下方主桁62が二次覆工55を施工する際の型枠として有効に機能することができ、二次覆工55の重量を下方主桁62を介し、第1補強リブ67や第2補強リブ68等を介して第1鋼製セグメント11の主桁15に伝達することができる。
【0094】
また、下方主桁62におけるセグメントリングの中央側において、その線形に沿うフランジ66が上方に立設していていることにより、充填された充填材が下方主桁62の内側から下方へこぼれることを防止しながら、二次覆工55を施工することができる。
【0095】
また、図8は、実施形態に係る既設トンネルと分岐トンネルの接合構造において、下方の既設のトンネルの坑口とセグメントリングの間の隙間を鋼板が閉塞している状態を示す平面図である。
【0096】
図8に示すように、第1坑口18と第2セグメントリング60Aの間の隙間は、第2セグメントリング60Aを包囲する無端状の鋼板82により閉塞されている。
【0097】
このように、第1坑口18と第2セグメントリング60Aの間の隙間が無端状の鋼板82により閉塞されていることによって、第1既設トンネル10における切り開かれた第1坑口18の周辺の止水性が高められ、優れた止水性を有する接合構造80を形成できる。
【0098】
ここで、鋼板82は複数の注入口84を備えており、注入口84を介して接合構造80の周囲に無収縮モルタル等の止水材が注入され、さらに止水性が高められるようになっている。
【0099】
図9A図9Bに示すように、第1坑口18に接合される最下段の鋼製セグメントリング60Aの上に可撓セグメントリング70Aを載置し、可撓セグメントリング70Aの上に複数(図示例は2つ)の別途の鋼製セグメントリング60Aを載置し、その上に別途の可撓セグメントリング70Aを載置し、その上に最上段の鋼製セグメントリング60Aを載置し、各セグメントリング同士を相互に接合するとともに、最上段の鋼製セグメントリング60Aと第2既設トンネル20の第2坑口28を接合することにより、第1既設トンネル10と第2既設トンネル20を上下に繋ぐ接合トンネル50が施工される。
【0100】
以上の説明のように、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルの施工方法は、凍結工法によって接合トンネル50の施工領域の周辺の地盤を凍結させる、凍結工程と、上方の第2既設トンネル20を切り開いて第2坑口28を形成し、第2坑口28の下方の未凍結地盤GBを掘削して下方の第1既設トンネル10に到達し、第1既設トンネル10を切り開いて第1坑口18を形成することにより、上下に延びる掘削孔Hを介して2つの既設トンネル10,20を連通させる、連通工程と、第2既設トンネル20から鋼製セグメントリング60Aを吊り下ろして下方の第1既設トンネル10の第1坑口18に接合し、複数の鋼製セグメントリング60A,可撓セグメントリング70Aを順次吊り下ろして接合しながら上方に積層し、最上段の鋼製セグメントリング60Aを第2既設トンネル20の第2坑口28に接合することにより、接合トンネル50を形成する、形成工程とを有する。
【0101】
図示例のように、接合トンネル50が、上下にある第1既設トンネル10と第2既設トンネル20に近接する位置(直接接合されない坑口18,28に近い位置)に可撓セグメントリング70Aを備えていることにより、接合トンネル50の凍上沈下や、地震時における2つの既設トンネル10,20との相対変位に起因する接合トンネル50と既設トンネル10,20との接合部の破損を効果的に防止できる。
【0102】
すなわち、図示例のように防護工に凍結工法を適用する場合に、凍土の造成中は地盤Gは凍上し、凍土が解凍した際に地盤Gが沈下する、所謂凍上沈下が課題となることから、上下の関係にある既設トンネル10,20同士を上下方向に延びる接合トンネル50が繋ぐ場合に、凍土が解凍した際には、接合トンネル50の凍上沈下により、接合トンネル50と既設トンネル10,20との接合部の破損が懸念される。さらに、既設トンネル10,20の位置する地盤が耐震検討上影響の大きな地盤である場合も、上下に位置する既設トンネル10,20とそれらを繋ぐ接合トンネル50との地震時の相対変位により、接合トンネル50と既設トンネル10,20との接合部の破損が懸念される。
【0103】
このような懸念に対して、図示例の接合トンネル50が上下にある第1既設トンネル10と第2既設トンネル20に近接する位置に可撓セグメントリング70Aを備えていることにより、可撓セグメントリング70Aにて凍上沈下や地震時における既設トンネル10,20との相対変位を効果的に吸収することができ、このことによって、既設トンネル10,20と接合トンネル50との接合部における破損を効果的に防止できる。
【0104】
図10は、実施形態に係る上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネルを拡大して示した縦断面図である。図10に示すように、各鋼製セグメントリング60Aは注入口69を備えており、注入口69を介して既設トンネル10,20との取り合い領域には止水用ウレタン材Rを注入し、接合トンネル50の背面には充填材Q(例えば低温環境型の充填材)を充填することにより、既設トンネル10,20と接合トンネル50の止水性能を高めている。
【0105】
また、可撓セグメントリング70Aは伸縮自在な止水ゴム75を備えており、その内側には変形を許容する目地材77が設けられており、目地材77を上下に挟むようにして無収縮モルタル等からなる二次覆工55が施工されている。
【0106】
次に、図11図12を参照して、凍結地盤の掘削土の排土装置と排土方法について説明する。ここで、図11は、実施形態に係る凍結地盤の掘削土の排土装置の一例を示す斜視図であり、図12は、実施形態に係る凍結地盤の掘削土の排土装置の一例を構成するバキューム車が、マンホールの側方の地上に位置決めされ、スラリー化した掘削土をバキューム管を介して排出している状態を示す図である。
【0107】
図11に示すように、排土装置90は、凍結状態である掘削土Tを集積するピット91と、ピット91の内部に供給されている循環水を循環させる、ポンプ94と、ピット91の内部に配設されるヒータ93と、ピット91の内部に一端96aが挿入されるバキューム管96と、バキューム管96の他端が流体連通するバキューム車95(図12参照)とを有する。
【0108】
ピット91の内部には多数の透水孔92aを備えた透水性のゲージ92が設置され、ゲージ92の内部にヒータ93が配設される。
【0109】
また、ピット91の上に架け渡された架台91aにポンプ94が載置され、ゲージ92の内部にあるヒータ93にて循環水を温め、ポンプ94にて循環水を掘削土Tに提供したり、ゲージ92から循環水が流れ出して掘削土Tに提供されることにより、循環水にて凍結状態の掘削土Tが融解してスラリー化する。
【0110】
このようにスラリー化した掘削土Tを、バキューム管96を介してバキューム車95に排出する。ここで、図12に示すように、既設トンネル10,20がマンホールWを介して地上に通じている場合に、地上におけるマンホールWの側方にバキューム車95を位置決めし、バキューム車95から延びるバキューム管96をマンホールWに通し、バキューム管96の一端を既設トンネル10,20内に設置されているピット91に挿入する。
【0111】
図示例のように、既設トンネル10,20の内部に設置され、凍結状態の掘削土Tを集積するピット91の内部に、循環水を循環させるポンプ94とヒータ93が配設され、既設トンネル10,20と地上を繋ぐマンホールW等の連絡管に通されてバキューム車95に通じるバキューム管96の一端96aがピット91の内部に挿入され、ヒータ93にて温められた循環水により凍結状態が融解してスラリー化された掘削土Tをバキューム管96を介してバキューム車95に排出することにより、凍土を効率的に解凍しながら、凍土が解凍されてできた泥土を比較的小径の連絡管Wを介して地上に効率的に排出することができ、バキューム車95にて掘削土を産業廃棄物委託業者等へ搬出することができる。
【0112】
ここで、実施形態の排土方法は、上記するようにピット91の内部において温められた循環水を利用して凍結状態の掘削土Tを融解させてスラリー化する、融解工程と、地上に待機するバキューム車95から延びるバキューム管96を介して、スラリー化した掘削土Tをバキューム車95にて吸引して排出する、排出工程とを有する。
【0113】
尚、上記実施形態に挙げた構成等に対し、その他の構成要素が組み合わされるなどした他の実施形態であってもよく、ここで示した構成に本発明が何等限定されるものではない。この点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0114】
10:既設トンネル(第1既設トンネル、地下構造体)
11:第1鋼製セグメント
12:第1セグメントリング
13:鏡切り領域
15:主桁
16:スキンプレート(壁面)
16a:開口
17a:縦リブ
17b:継手板
18:坑口(第1坑口)
20:既設トンネル(第2既設トンネル、地下構造体)
21:第1鋼製セグメント
22:第1セグメントリング
28:坑口(第2坑口)
30:坑口補強構造(既設トンネルの坑口補強構造)
31:第1ブラケット
32:枕木
33:第2ブラケット
35:桁材
36:支柱(仮設サポート材)
38:ブレース材
40:地下水排水構造
41:ガイド管
41a:中空
41b:端部開口
41c:枝管
42:ケーシング
43:第1流路
44:挿入管(二重管)
44a:第2流路
44b:第3流路
45:外管
46:内管
47:第1バルブ
48:第2バルブ
49:充填材
50:接合トンネル(上下の既設トンネルを繋ぐ接合トンネル、分岐トンネル)
55:二次覆工
60A:鋼製セグメントリング(第2鋼製セグメントリング)
60:鋼製セグメント(第2鋼製セグメント)
61:スキンプレート(側板)
62:下方主桁
63:上方主桁
64:継手板
65:縦リブ
66:フランジ
67:第1補強リブ
68:第2補強リブ
69:注入口
70A:可撓セグメントリング
70:可撓セグメント
75:止水ゴム
77:目地材
80:接合構造(既設トンネルと分岐トンネルの接合構造)
82:鋼板(無端状の鋼板)
84:注入口
90:排土装置(凍結地盤の掘削土の排土装置)
91:ピット
91a:架台
92:ゲージ
92a:通水孔
93:ヒータ
94:ポンプ
95:バキューム車
96:バキューム管
G:地盤
GA:凍結地盤(地盤)
GB:未凍結地盤(地盤)
P:凍結管
H:掘削孔
D:セグメントリング受台
F:仮設足場
A:組み付けエリア
RL:レール
K:台車
E:防熱材
M:チッパー
S:作業員
B:吊り桁
C:トロリ付きチェーンブロック
R:止水用ウレタン材
Q:裏込め材
T:凍結状態の掘削土(掘削土)
W:マンホール(連絡管)
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9A
図9B
図10
図11
図12