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特開2025-144882フィードバックシステム、サービスのフィードバック方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025144882
(43)【公開日】2025-10-03
(54)【発明の名称】フィードバックシステム、サービスのフィードバック方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/60 20180101AFI20250926BHJP
【FI】
G16H20/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024044785
(22)【出願日】2024-03-21
(71)【出願人】
【識別番号】517066755
【氏名又は名称】株式会社パンフォーユー
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】矢野 健太
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サービスを受けているユーザの反応を次に提供するサービスに反映できるフィードバックシステム、サービスのフィードバック方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】フィードバックシステム100において、サーバ1は、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を、ユーザに装着される装着型の情報処理装置であるウェアラブル端末50から、ユーザ端末2を介して取得する生体情報取得部31と、生体情報を解析してユーザのサービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析部32と、解析部32の解析結果に基づいて次に提供するサービスの内容を決定するサービス反映部33と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、
前記生体情報を解析して前記ユーザの前記サービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析手段と、
前記解析手段の解析結果に基づいて次に提供する前記サービスの内容を決定するサービス反映手段と、
を備えるフィードバックシステム。
【請求項2】
前記サービスは、前記ユーザに対する食品の提供であり、
前記生体情報取得手段は、前記食品を食べるときの前記ユーザの前記生体情報を取得し、
前記サービス反映手段は、前記解析結果に基づいて次に提供する前記食品の内容を決定する、
請求項1に記載のフィードバックシステム。
【請求項3】
前記食品は加工食品であり、
前記サービス反映手段は、前記解析結果に基づいて次に提供するパンの種類を決定する、
請求項2に記載のフィードバックシステム。
【請求項4】
前記生体情報取得手段は、前記ユーザが所定のサービスの体験を開始することを示す特定情報の取得後の前記生体情報を、前記サービスを体験中の前記生体情報として取得する、
請求項1から3の何れかに記載のフィードバックシステム。
【請求項5】
前記特定情報は、前記ユーザの声によって入力される音声情報である、
請求項4に記載のフィードバックシステム。
【請求項6】
前記ユーザの健康状況に関する健康情報を取得する健康情報取得手段を更に備え、
前記サービス反映手段は、前記解析結果と前記健康情報に基づいて前記サービスの内容を決定する、
請求項1から3の何れかに記載のフィードバックシステム。
【請求項7】
コンピュータに実行させるサービスのフィードバック方法であって、
所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記生体情報を解析して前記ユーザの前記サービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析ステップと、
前記解析ステップの解析結果に基づいて次に提供する前記サービスの内容を決定するサービス反映ステップと、
を含むサービスのフィードバック方法。
【請求項8】
所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、
前記生体情報を解析して前記ユーザの前記サービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析ステップと、
前記解析ステップの解析結果に基づいて次に提供する前記サービスの内容を決定するサービス反映ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィードバックシステム、サービスのフィードバック方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェラブル端末を用いてユーザの生体情報を取得する技術が知られている。この種の技術が記載されるものとして例えば特許文献1がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-022298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザの購入履歴に基づいてユーザの嗜好を反映したサービスを提供する場合があるが、購入履歴はサービスを受けるユーザの反応を測定したものではないため、ユーザの嗜好を実際に反映できているとは限らない。例えば、パン等の食品をユーザに提供するサービスでは、ユーザの実際の反応を食品の提供サービスに反映することは難しかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、サービスを受けているユーザの反応を次に提供するサービスに反映できるフィードバックシステム、サービスのフィードバック方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得手段と、前記生体情報を解析して前記ユーザの前記サービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析手段と、前記解析手段の解析結果に基づいて次に提供する前記サービスの内容を決定するサービス反映手段と、を備えるフィードバックシステムである。
【0007】
また、本発明の一態様は、コンピュータに実行させるサービスのフィードバック方法であって、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記生体情報を解析して前記ユーザの前記サービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップの解析結果に基づいて次に提供する前記サービスの内容を決定するサービス反映ステップと、を含むサービスのフィードバック方法である。
【0008】
また、本発明の一態様は、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、前記生体情報を解析して前記ユーザの前記サービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析ステップと、前記解析ステップの解析結果に基づいて次に提供する前記サービスの内容を決定するサービス反映ステップと、をコンピュータによって実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サービスを受けているユーザの反応を次に提供するサービスに反映できるフィードバックシステム、サービスのフィードバック方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係るフィードバックシステムを示す図である。
図2】本実施形態に係るフィードバックシステムが有するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】本実施形態に係るフィードバックシステムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】本実施形態に係るフィードバックシステムのサービスに対するユーザの反応の解析結果を示す表である。
図5】本実施形態に係るフィードバックシステムのユーザの反応を反映したサービスの内容を示す表である。
図6】本実施形態に係るフィードバックシステムのフィードバック処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<システム構成>
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。
まず、全体的なシステム構成について説明する。図1は、本実施形態に係るフィードバックシステム100を示す図である。フィードバックシステム100は、サービスの提供を行う事業者に対してサービスの提供を受けたユーザの反応をフィードバックするサービスを提供する。
【0012】
フィードバックシステム100は、インターネット等の通信ネットワークを介してユーザ端末2及び事業者端末3と各種情報の送受信を行うサーバ1によって実現される。サーバ1は、事業者端末3に対してユーザの反応に関する種々の情報を提供する情報処理装置(コンピュータ)である。
【0013】
ユーザ端末2は、事業者からサービスの提供を受けるユーザによって使用される情報処理装置である。ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等によって構成される。ユーザ端末2は、予めインストールされたプログラムにより、サーバ1と各種の情報をやり取りしてもよいし、ウェブブラウザを通じて各種の情報をやり取りしてもよい。
【0014】
ユーザ端末2は、無線通信等により接続されるウェアラブル端末50を介してユーザの生体情報を取得し、取得した生体情報をサーバ1に送信する。
【0015】
ウェアラブル端末50は、ユーザに装着される装着型の情報処理装置である。ウェアラブル端末50は、例えば、指輪型、時計型のコンピュータによって構成される。ウェアラブル端末50は、ユーザ端末2と各種情報を通信するためにペアリング接続される。ウェアラブル端末50は、ユーザの生体情報を取得し、ユーザ端末2に送信する。
【0016】
事業者端末3は、ユーザにサービスを提供する事業者によって使用される情報処理装置である。事業者端末3は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン等によって構成される。事業者端末3は、予めインストールされたプログラムにより、サーバ1と各種の情報をやり取りしてもよいし、ウェブブラウザを通じて各種の情報をやり取りしてもよい。
【0017】
図1では、ユーザ端末2及び事業者端末3は、それぞれ1つが図示されるのみであるが、サーバ1によって提供されるフィードバックサービスは、図示しない他のユーザ端末や事業者端末にも提供される。
【0018】
以下、事業者がユーザに対してパン(食品)の詰め合わせを配送するサービスを所定のサービスの一例として説明する。このサービスは、例えば、サブスクリプションサービス等の定期配送サービスである。
【0019】
<ハードウェア構成>
次に、サーバ1を構成するハードウェアの一例について説明する。図2は、本実施形態に係るフィードバックシステム100が有するサーバ1のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ1は、プロセッサとしてのCPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0020】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0021】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、各種情報を画像や音声として出力する。入力部17は、タッチパネルディスプレイ、キーボード、マウス、音声入力情報を受け付けるマイク等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置との間で通信を行う。
【0022】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0023】
ここで説明したハードウェア構成はあくまで一例である。サーバ1を含む本実施形態で説明するコンピュータは、図2の構成と共通する構成であってもよいし、異なる構成でもよい。また、コンピュータは、2台以上のコンピュータによって構成されてもよい。図1におけるユーザ端末2及び事業者端末3は、例えば、図2で示したハードウェア構成と同様の構成を有するスマートフォン、タブレット又はパーソナルコンピュータである。
【0024】
<機能的構成>
次に、フィードバックシステム100の機能的構成について説明する。図3は、本実施形態に係るフィードバックシステム100の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サーバ1は、生体情報取得部31と、解析部32と、サービス反映部33と、健康情報取得部34と、をプロセッサ(CPU11)上で実現される機能部として備える。
また、サーバ1には、各種情報を記憶する記憶部としてのデータベース90が構築される。データベース90には、後述するユーザの生体情報、生体情報の解析結果、ユーザの健康情報、ユーザに提供されるサービス情報等が登録される。ユーザに提供されるサービス情報は、ユーザに提供するパンの種類や過去にユーザに提供したパンの種類等が含まれる。なお、データベース90は、サーバ1の外部に配置され、通信ネットワークを介して各種情報が読み出される構成であってもよい。
【0025】
≪生体情報取得部31≫
生体情報取得部31は、所定のサービスを体験中のユーザ(例えば、所定のパンを食べているときのユーザ)の生体情報を取得する生体情報取得手段である。本実施形態の生体情報取得部31は、ウェアラブル端末50の生体センサ51によって取得された生体情報を、ユーザ端末2と通信して取得する。
【0026】
ウェアラブル端末50の生体センサ51は、装着されるユーザの皮膚に対して接触又は非接触で生体情報を取得する。生体情報は、例えば、心拍、脈拍や血圧、血中酸素飽和度、血糖値等の血液情報である。
【0027】
本実施形態のウェアラブル端末50は、ユーザによって入力される特定情報に基づいて生体情報を取得する。特定情報は、例えば、ウェアラブル端末50又はユーザ端末2のマイクによって取得されるユーザの音声入力情報である。音声入力情報は、ウェアラブル端末50又はユーザ端末2によって解析され、ユーザが体験中のサービスの内容の特定に利用される。例えば、「食パンを食べる」等の音声入力情報が入力されると、音声入力情報の入力後の生体情報が、食パンを食べたときの生体情報として取得される。取得された生体情報は、ユーザ端末2を通じてサーバ1に登録される。
【0028】
なお、特定情報は、音声入力情報に限定される訳ではない。例えば、ユーザ端末2のアプリケーションを起動し、当該アプリケーション上で体験するサービス(食べるパンの種類)を指定してもよい。この場合、指定後の生体情報が食べたパンの生体情報として関連付けられる。
【0029】
≪解析部32≫
解析部32は、生体情報を解析してユーザのサービスに対する身体の反応(身体の相性)及び感情の変化(美味しさ等)の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析手段である。
【0030】
解析部32は、例えば、生体情報の心拍変動に基づいてサービスを体験中の感情を解析する。また、解析部32は、生体情報の血圧低下等の血圧変動に基づいてアレルギー反応や血糖値の変動等の健康情報を解析する。アレルギーは、例えば、小麦アレルギー等の食品アレルギーが含まれる。
【0031】
解析部32は、公知技術のアルゴリズムを用いて身体の反応及び感情の変化を解析してもよいし、生体情報を入力として身体の反応及び感情の変化を出力とする学習モデルを機械学習等によって構築し、当該学習モデルを利用して感情や健康状態を解析するように構成してもよい。
【0032】
なお、本実施形態の解析部32は、生体情報に基づいて身体の反応及び感情の変化の両方を解析結果として出力するが、身体の反応又は感情の変化の何れか一方のみを解析結果として出力する構成としてもよい。
また、本実施形態では、解析部32は、サーバ1内の機能部として機能する例について説明するが、外部装置内の機能部として機能してもよい。すなわち、サーバ1とは別の外部装置において、上記の生体情報に基づいて、上記の解析が行われてもよい。この場合、サーバ1は、外部装置によって解析された結果を取得して、後述するサービス反映部33、健康情報取得部34の各機能が実現される。
【0033】
図4は、本実施形態に係るフィードバックシステム100のサービスに対するユーザの反応の解析結果を示す表である。図4には、ユーザに配送されたパンの種類と、パンの種類ごとに取得された解析結果が示されている。なお、パンの個数は単数であっても複数でもよい。
【0034】
この例では、パンAについては、身体の反応が良好であり、感情の変化が普通と解析されている。身体の反応が良好であることは、パンAを食べたユーザにアレルギーや急激な血糖値の上昇が生じていないこと等を示す。感情の変化が普通は、ユーザがパンAに対して美味しいや美味しくない等の感情が発生していないことを示す。パンBについては、身体の反応が良好であり、感情の変化も良好と解析されている。感情の変化が良好であることは、ユーザがパンBを美味しいと感じたことを示す。
【0035】
一方、パンCについては、身体の反応が良くなく、感情の変化も良好ではないと解析されている。身体の反応が良くないことは、ユーザにアレルギー反応が生じていたり、血糖値の急激な上昇が生じたりしていることを示す。また、感情の変化が良好ではないことは、ユーザがパンCを美味しいとは感じていないことを示す。
【0036】
≪サービス反映部33≫
サービス反映部33は、解析部32の解析結果に基づいて次に提供するサービスの内容を決定するサービス反映手段である。本実施形態のサービス反映部33は、解析結果とサービス情報に基づいて次回提供予定のパンの割当を決定する。
【0037】
図5は、本実施形態に係るフィードバックシステム100のユーザの反応を反映したサービスの内容を示す表である。なお、パンの個数は単数であっても複数でもよい。
【0038】
図5には、図4の解析結果に基づいて身体の反応や感情の変化がネガティブではなかったパンAとパンBが次回配送されるパンの割当に含まれている。また、身体の反応及び感情の変化の両方がネガティブだったパンCに替えてパンDが選択されている。この例では、パンDのユーザの身体の反応及び感情の変化は未取得であるが、過去に反応がポジティブだったパンが選択されてもよい。
【0039】
≪健康情報取得部34≫
健康情報取得部34は、ユーザの健康状況に関する健康情報を取得する健康情報取得手段である。ユーザの健康状況は、例えば、ユーザの健康診断に関する情報やアレルギーに関する情報等である。健康情報取得部34は、通信ネットワークを介してユーザ端末2を通じてサーバ1に送信されるユーザの健康状況を取得する。
【0040】
<処理内容>
次に、図6を参照し、フィードバック処理の全体的な流れについて説明する。図6は、本実施形態に係るフィードバックシステム100のフィードバック処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0041】
ステップS1において、健康情報取得部34は、ユーザ端末2から通信ネットワークを介してユーザの健康情報を取得し、データベース90に健康情報をユーザに関連付けて登録する。ユーザは、例えば、ユーザ端末2を介して健康情報を入力し、入力した健康情報がユーザ端末2からサーバ1に送信される。
【0042】
ステップS2において、ウェアラブル端末50は、ユーザによってサービスの特定情報が入力されたか否かを判定する。サービスの特定情報は、例えば、パンの種類を特定するための情報であり、「パンAを食べる」等の音声入力情報である。特定情報が入力される場合、処理はステップS3に進む(ステップS2;Yes)。特定情報が入力されない場合、ウェアラブル端末50は特定情報のモニタを継続する(ステップS2;No)。
【0043】
ステップS3において、ウェアラブル端末50は、生体センサ51によるユーザの生体情報の取得を開始する。この処理により、パンの種類に関連付けられる生体情報がウェアラブル端末50により取得される。ウェアラブル端末50上で取得された生体情報は、ペアリングされるユーザ端末2を通じてサーバ1に送信される。
【0044】
ステップS4において、生体情報取得部31は、ユーザ端末2から通信ネットワークを介して生体情報及びパンの種類(サービスの種類)を取得する。生体情報取得部31は、生体情報及びパンの種類をユーザに関連付けてデータベース90に登録する。
【0045】
ステップS5において、解析部32は、取得した生体情報に基づいて特定されたパンに対する身体の反応及び感情の変化を取得する解析部32は、パンに対する身体の反応及び感情の変化を含む解析結果をユーザに関連付けてデータベース90に登録する。これによってデータベース90にユーザの体質や味に対する嗜好が更新され、蓄積される。
【0046】
ステップS6において、サービス反映部33は、データベース90を参照して解析部32の解析結果と健康情報を取得し、取得した解析結果と健康情報に基づいて次回提供予定のサービスの内容を決定する。例えば、サービス反映部33は、感情の変化が甘い系統のパンを美味しいことを示した場合、甘い系統のパンを次回適用予定のパンに優先的に選択する。あるいは、サービス反映部33は、ユーザの身体の反応や健康情報の中に食物に対するアレルギーがある場合は当該アレルギーを引き起こす食品が含まれないパンを選択する。
【0047】
ステップS7において、サービス反映部33は、決定した次回提供予定のサービス内容を事業者端末3に送信する。事業者は、事業者端末3を参照してユーザの身体の反応や感情を反映したサービスを当該ユーザに提供する。
【0048】
<その他>
(1)以上、説明したように、本実施形態のフィードバックシステム100は、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得部31と、生体情報を解析してユーザのサービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析部32と、解析部32の解析結果に基づいて次に提供するサービスの内容を決定するサービス反映部33と、を備える。
(7)また、本実施形態のサービスのフィードバック方法は、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、生体情報を解析してユーザのサービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析ステップと、解析ステップの解析結果に基づいて次に提供するサービスの内容を決定するサービス反映ステップと、を含む。
(8)また、本実施形態のプログラムは、所定のサービスを体験中のユーザの生体情報を取得する生体情報取得ステップと、生体情報を解析してユーザのサービスに対する身体の反応及び感情の変化の少なくとも何れか一方に関する情報を取得する解析ステップと、解析ステップの解析結果に基づいて次に提供するサービスの内容を決定するサービス反映ステップと、をコンピュータによって実行させる。
フィードバックシステム100、フィードバック方法及びプログラムが上述のように構成されることにより、サービスを体験中(パンを食べている間)のユーザのリアルタイムな生体情報に基づいて次回提供されるサービスの内容が決定される。少量多品種のサービスを提供する事業者にとっても、ユーザの健康や嗜好に応じたきめ細やかなサービスを提供できる。
【0049】
(2)また、本実施形態では、サービスは、ユーザに対する食品の提供であり、生体情報取得部31は、食品を食べるときのユーザの生体情報を取得し、サービス反映部33は、解析結果に基づいて次に提供する食品の内容を決定する。
これにより、リアルタイムの反応を取得することが難しい食品の提供においても、ユーザの食事中のリアルタイムな身体の反応や嗜好に応じた内容の食事をユーザに提供できる。
【0050】
(3)また、本実施形態では、食品は加工食品(例えば、パン、どら焼き、おにぎり等)であり、サービス反映部33は、解析結果に基づいて次に提供するパンの種類を決定する。
これにより、身体の反応や嗜好に応じたパンの詰合せをユーザに提供できる。
【0051】
(4)また、本実施形態では、生体情報取得部31は、ユーザが所定のサービスの体験を開始することを示す特定情報の取得後の生体情報を、サービスを体験中の生体情報として取得する。
これにより、パン等のサービスの種類と生体情報を関連付けることができ、複数種類のサービスごとのユーザの身体又は感情に関する情報を取得できる。
【0052】
(5)また、本実施形態では、特定情報は、ユーザの声によって入力される音声情報である。
これにより、ユーザは意識することなく特定情報を入力できる。パン等の食品の食事においても、種類を変えるごとに手による入力操作を行う必要がないのでユーザの入力時の手間も省力できる。
【0053】
(6)また、本実施形態のフィードバックシステム100は、ユーザの健康状況に関する健康情報を取得する健康情報取得部34を更に備え、サービス反映部33は、解析結果と健康情報に基づいてサービスの内容を決定する。
これにより、体験中の生体情報だけでは特定できないようなユーザの健康情報もサービスの内容に反映させることができる。
【0054】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0055】
上記実施形態では、パンの提供をサービスの例として説明したが、この構成に限定される訳ではない。例えば、サービスは、パン以外の食品の組合せをユーザに提供するものであってもよい。更に、サービスは食品の提供に限定される訳ではない。例えば、映画や音楽等のコンテンツの提供をサービスとしてもよい。この場合、映画や音楽の視聴中の生体情報に基づいてユーザに提供するサービスの内容が決定される。
【0056】
また、上記実施形態では、ウェアラブル端末10は、ユーザ端末2を介して生体情報をサーバ1に送信する構成であるが、この構成に限定される訳ではない。例えば、ウェアラブル端末10が生体情報を直接サーバ1に送信する構成でもよい。
【0057】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。換言すると、上述の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に上述の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを他の装置等に移譲させてもよい。逆に他の装置の機能ブロックをサーバ1等に移譲させてもよい。また、一つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0058】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0059】
このようなプログラムを含む記録媒体は、プログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で提供される記録媒体等で構成される。プログラムはネットワークを介して配信可能であることから、記録媒体は、ネットワークに接続された、或いは接続可能なコンピュータに搭載、或いはアクセス可能なものであってもよい。
【0060】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【符号の説明】
【0061】
1 サーバ
2 ユーザ端末
3 事業者端末
31 生体情報取得部
32 解析部
33 サービス反映部
34 健康情報取得部
50 ウェアラブル端末
100 フィードバックシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6