(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025001451
(43)【公開日】2025-01-08
(54)【発明の名称】糖脂質、タウリン界面活性剤、及びアミノ酸界面活性剤を含む組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/60 20060101AFI20241225BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20241225BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20241225BHJP
A61K 8/44 20060101ALI20241225BHJP
【FI】
A61K8/60
A61Q19/10
A61K8/46
A61K8/44
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023101048
(22)【出願日】2023-06-20
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
【氏名又は名称原語表記】L’OREAL
【住所又は居所原語表記】14 Rue Royale,75008 PARIS,France
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133086
【弁理士】
【氏名又は名称】堀江 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】三竹 のどか
(72)【発明者】
【氏名】加賀 裕章
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 翔
(72)【発明者】
【氏名】織田 政紀
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB051
4C083AB332
4C083AC301
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC352
4C083AC661
4C083AC662
4C083AC791
4C083AC792
4C083AC902
4C083AD072
4C083AD391
4C083AD392
4C083BB01
4C083CC23
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE01
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】温度変化に対して改善された安定性を有する、少なくとも1種の糖脂質を含む組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、(a)少なくとも1種の糖脂質と、(b)組成物の総質量に対して少なくとも0.6質量%の量の少なくとも1種のタウリン界面活性剤と、(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤と、(d)水と、を含む組成物に関する。本発明による組成物は、安定性が改善された化粧用組成物として使用することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)少なくとも1種の糖脂質と、
(b)組成物の総質量に対して少なくとも0.6質量%の量の、少なくとも1種のタウリン界面活性剤と、
(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤と、
(d)水と
を含む、化粧用組成物。
【請求項2】
前記(a)糖脂質が、ラムノリピッドから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記(a)糖脂質の量が、前記化粧用組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%、より好ましくは2質量%~10質量%の範囲である、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記(b)タウリン界面活性剤が、式(I)で表される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物:
【化1】
[式中、
R
7は、(C
8~C
22)アルキルであり、
R
8は、H又は(C
1~C
4)アルキルであり、
R
9及びR
10は、それぞれ独立して、H又は(C
1~C
4)アルキルであり、
M
+は、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムカチオンである]。
【請求項5】
前記(b)タウリン界面活性剤の量が、前記組成物の総質量に対して、0.6質量%~10質量%、好ましくは0.75質量%~5質量%、より好ましくは0.9質量%~3質量%の範囲である、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記(c)アミノ酸界面活性剤が、式(A)で表される、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物:
【化2】
[式中:
Zは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、8~22個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、
Xは、水素又はメチル基であり、
nは、0又は1であり、
Yは、水素、-CH
3、-CH(CH
3)
2、-CH
2CH(CH
3)
2、-CH(CH
3)CH
2CH
3、-CH
2C
6H
5、-CH
2C
2H
4OH、-CH
2OH、-CH(OH)CH
3、-(CH
2)
4NH
2、-(CH
2)
3NHC(NH)NH
2、-CH
2C(O)O
-M
+、-(CH
2)
2C(O)OH、-(CH
2)
2C(O)O
-M
+から選択され、
Mは、COOが対アニオンである塩形成カチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアミン等である]。
【請求項7】
前記(c)アミノ酸界面活性剤の量が、前記組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%、より好ましくは2質量%~10質量%の範囲である、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記(d)水の量が、前記組成物の総質量に対して、50質量%~99質量%、好ましくは60質量%~97質量%、より好ましくは70質量%~95質量%の範囲である、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物中に含まれる前記(b)タウリン界面活性剤の前記(c)アミノ酸界面活性剤に対する質量比が、3:1~1:10、好ましくは2:1~1:8、より好ましくは1:1~1:5である、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物中に含まれる前記(a)糖脂質、前記(b)タウリン界面活性剤、及び前記(c)アミノ酸界面活性剤の総量が、前記組成物の総質量に対して、1質量%~25質量%、好ましくは3質量%~20質量%、より好ましくは5質量%~15質量%である、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、少なくとも1種の一価の非ポリマー酸又はその塩、好ましくは一価の非ポリマーカルボン酸、より好ましくは一価のヒドロキシルヒドロキシ酸、例えば乳酸及びサリチル酸を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物のpHが、4~8、好ましくは4.5~7.5、より好ましくは5~7である、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
クレンジング組成物、好ましくは皮膚用のクレンジング組成物、より好ましくは顔用のクレンジング組成物である、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、少なくとも1種の高級脂肪酸を、前記組成物の総量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下の量で含む、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
皮膚等のケラチン物質をケア及び/又はクレンジングするための非治療的美容方法であって、
前記ケラチン物質に、請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物を塗布する工程と、
任意選択により、前記組成物を前記ケラチン物質から除去する工程と
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の糖脂質、少なくとも1種のタウリン界面活性剤、及び少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤を含む組成物、好ましくは同じものを含む化粧用組成物、より好ましくは同じものを含むリンスオフ化粧用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題を考慮して設計及び開発された、環境に適合性の化粧料の配合は、世界規模の課題を満たすことを目指す上で主要な目標になってきている。
【0003】
したがって、より持続可能な組成物、調製方法及びこれらの環境問題に対処するための成分を提案することが必須である。
【0004】
この文脈において、特に、再生可能な原料並びに/又は良好な自然性の指数を有する材料及び/若しくは天然起源の材料、より具体的には植物由来の材料の使用を促進し、同時に石油化学由来の化合物の使用を低減することによって、より良好なカーボンフットプリントを有する新規の化粧用組成物を開発することが重要である。
【0005】
ラムノリピッド等の糖脂質のような生物界面活性剤は、天然起源の材料であり、独特の生物活性、例えば、抗炎症効力、抗アレルギー効力、抗菌効力等を有することが知られている。例えば、糖脂質は、抗炎症効力を有することが知られ、皮膚等のケラチン物質に潜在的に使用される。
【0006】
例えば、特表2015-507626は、水と、少なくとも1種の生物界面活性剤と、少なくとも1種の脂肪酸とを含む組成物であって、組成物中の全ての界面活性剤の合計の分画は、1~30質量%であり、脂肪酸の分画は、脂肪酸と界面活性剤との合計に基づいて、0.1~20質量%である、組成物を開示する。
【0007】
しかしながら、糖脂質は幾つかの独特な生物活性を有するが、温度が変化したとき、糖脂質を含む組成物は、安定性が低下しうるという問題がある。
【0008】
したがって、温度変化に対して改善された安定性を示す、糖脂質を含む組成物を提供することが必要とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特表2015-507626
【特許文献2】米国特許出願公開第2008/0200704号
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】M. Schmidt著の博士論文(1990)、Technical University of Braunschweig
【非特許文献2】Schulzら著、(1991) Z. Naturforsch.、46C、197~203
【非特許文献3】A.P. Tulloch、J.F.T. Spencer及びP.A.J. Gorin、Can. J. Chem. (1962)、40、1326
【非特許文献4】U. Gobbert、S. Lang及びF. Wagner、Biotechnology Letters (1984)、6 (4)、225
【非特許文献5】Ishigamiら、(1987)、J. Jpn. Oil Chem. Soc.、36、847~851
【非特許文献6】Schultzら、(1991)、Z. Naturforsch.、46C、197~203
【非特許文献7】Passeriら、(1991)、Z. Naturforsch.、46C、204~209
【非特許文献8】Frautz、Lang及びWagner、(1986)、Biotech. Letts.、8、757~762
【非特許文献9】D. Haferburg、R. Hommel、R. Claus及びH.P. Kleber著、Adv. Biochem. Ing./Biotechnol. (1986)、33、53~90
【非特許文献10】F. Wagner、H. Bock及びA. Kretschmar著、Fermentation (ed. R.M. Lafferty) (1981)、181~192、Springer Verlag, Vienna
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、温度変化に対して改善された安定性を有する、少なくとも1種の糖脂質を含む組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の上記の目的は、
(a)少なくとも1種の糖脂質と、
(b)組成物の総質量に対して少なくとも0.6質量%の量の、少なくとも1種のタウリン界面活性剤と、
(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤と、
(d)水と
を含む組成物によって達成することができる。
【0013】
(a)糖脂質は、ラムノリピッドから選択してもよい。
【0014】
(a)糖脂質の量は、化粧用組成物の総質量に対して0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%、より好ましくは2質量%~10質量%の範囲であってよい。
【0015】
(b)タウリン界面活性剤は、式(I)で表すことができる:
【0016】
【0017】
[式中、
R7は、(C8~C22)アルキルであり、
R8は、H又は(C1~C4)アルキルであり、
R9及びR10は、それぞれ独立して、H又は(C1~C4)アルキルであり、
M+は、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムカチオンである]。
【0018】
(b)タウリン界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して0.6質量%~10質量%、好ましくは0.75質量%~5質量%、より好ましくは0.9質量%~3質量%の範囲であってよい。
【0019】
(c)アミノ酸界面活性剤は、式(A)で表すことができる:
【0020】
【0021】
[式中:
Zは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、8~22個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、
Xは、水素又はメチル基であり、
nは、0又は1であり、
Yは、水素、-CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-CH2C6H5、-CH2C2H4OH、-CH2OH、-CH(OH)CH3、-(CH2)4NH2、-(CH2)3NHC(NH)NH2、-CH2C(O)O-M+、-(CH2)2C(O)OH、-(CH2)2C(O)O-M+から選択され、
Mは、COOが対アニオンである塩形成カチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアミン等である]。
【0022】
(c)アミノ酸界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%、より好ましくは2質量%~10質量%の範囲であってよい。
【0023】
(d)水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%~99質量%、好ましくは60質量%~97質量%、より好ましくは70質量%~95質量%の範囲であってもよい。
【0024】
組成物中に含まれる(b)タウリン界面活性剤の(c)アミノ酸界面活性剤に対する質量比は、3:1~1:10、好ましくは2:1~1:8、より好ましくは1:1~1:5であってもよい。
【0025】
組成物中に含まれる(a)糖脂質、(b)タウリン界面活性剤、及び(c)アミノ酸界面活性剤の総量は、組成物の総質量に対して、1質量%~25質量%、好ましくは3質量%~20質量%、より好ましくは5質量%~15質量%でありうる。
【0026】
組成物は、少なくとも1種の一価の非ポリマー酸又はその塩、好ましくは一価の非ポリマーカルボン酸、より好ましくは一価のヒドロキシルヒドロキシ酸、例えば乳酸及びサリチル酸を更に含んでもよい。
【0027】
組成物のpHは、4から8、好ましくは4.5から7.5、より好ましくは5から7であってもよい。
【0028】
組成物は、クレンジング組成物、好ましくは皮膚用のクレンジング組成物、より好ましくは顔用のクレンジング組成物であってもよい。
【0029】
組成物は、少なくとも1種の高級脂肪酸を、組成物の総量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下の量で含んでもよい。
【0030】
本発明はまた、皮膚等のケラチン物質をケア及び/又はクレンジングするための非治療的美容方法であって、ケラチン物質上に、本発明による組成物を塗布する工程と、任意選択により組成物をケラチン物質から除去する工程と、を含む方法にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0031】
鋭意検討の結果、本発明者らは、驚くべきことに、(a)少なくとも1種の糖脂質、(b)特定の量の少なくとも1種のタウリン界面活性剤、及び(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤を含む組成物が、温度変化に対して安定性の組成物を提供することができ、したがって本発明の目的を達成できることを発見した。
【0032】
そのため、本発明による組成物は、
(a)少なくとも1種の糖脂質と、
(b)組成物の総質量に対して少なくとも0.6質量%の量の、少なくとも1種のタウリン界面活性剤と、
(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤と、
(d)水と
を含む組成物である。
【0033】
以下に、本発明による組成物、方法、及び使用をより詳細に説明する。
【0034】
[組成物]
組成物は、好ましくは化粧用組成物、より好ましくはケラチン物質のための非治療的化粧用組成物である。ケラチン物質は、本明細書では、ケラチンを主な構成要素として含有する物質を意味し、その例には、皮膚、頭皮、唇等が挙げられる。好ましい一実施形態では、本発明による組成物は、皮膚用の化粧用組成物である。本発明による組成物は、ケラチン物質、好ましくは皮膚、特に顔の皮膚上への塗布を意図することができる。
【0035】
本発明の一実施形態では、本発明による組成物は、リンスオフタイプの組成物、より好ましくはケラチン物質をケア及び/又はクレンジングするためのリンスオフ組成物である。リンスオフ組成物は、好ましくは水によって、皮膚等のケラチン物質から除去することができる。
【0036】
本発明による組成物は、より好ましくはリンスオフクレンジング組成物であってもよい。リンスオフクレンジング組成物は、皮膚等のケラチン物質上の皮脂及び/又はメイクアップを除去することができ、且つケラチン物質から、好ましくは水で、除去され得る。
【0037】
本発明による組成物の形態は、特に限定されない。一般的に、本発明による組成物は、室温(25℃)及び大気圧(105Pa)で液体である。組成物は、溶液、水溶液、トナー、ミセル水、ローション、乳液、クリーム、ジェル、液体ジェル、ペースト、セラム、懸濁液、分散体、流体、乳状液、エマルション(O/W又はW/O型)等の様々な形態をとることができる。本発明による組成物は、水溶液又はジェルの形態であることが好ましい。
【0038】
好ましくは、本発明の形態は、水溶液、トナー、セラム、又はミセル水等の水性配合物である。
【0039】
本発明による組成物は、非常に低い温度、例えば-5℃から室温(25℃)まで等、様々な温度条件下で安定性である。加えて、本発明による組成物は、広範囲な温度変化、例えば、-20℃から20℃で安定性である。用語「安定性」は、本明細書では、組成物が、経時的に、堆積を生じることなく、その元の一様な又は均一な外観を維持することを意味する。
【0040】
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の糖脂質と、(b)少なくとも1種のタウリン界面活性剤と、(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤と、(d)水とを含む。組成物中の成分については、以下でより詳細に説明することにする。
【0041】
(糖脂質)
本発明による組成物は、(a)少なくとも1種の糖脂質を含む。単一のタイプの糖脂質を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの糖脂質を組み合わせて使用することもできる。
【0042】
用語「糖脂質」は、1種以上の糖化合物が結合している脂質から形成される化合物を意味すると理解される。
【0043】
(a)糖脂質は、ラムノリピッド、ソホロリピッド、グルコリピド、トレハロースリピッド、セロビオースリピッド、及びこれらの混合物から選択することができる。
【0044】
(a)糖脂質は、好ましくは、ラムノリピッド、ソホロリピッド、及びこれらの混合物から、より好ましくはラムノリピッドから選択される。
【0045】
グルコリピド:
(a)糖脂質は、グルコース部分を含有し、一般式(I)によって表すことができるグルコリピドであってもよい:
【0046】
【0047】
(式中:
- R1は、水素原子又はカチオンを表し、
- pは、1~4の範囲の整数を示し、
- qは、4~10の範囲の、好ましくは6に等しい整数を示す)。
【0048】
グルコリピドは、細菌のアルカリゲネス菌(Alcaligenes)MM1種によって産生されうる。
【0049】
適当な発酵法は、M. Schmidt著の博士論文(1990)、Technical University of Braunschweig、及びSchulzら著、(1991) Z. Naturforsch.、46C、197~203に概説されている。グルコリピドは、ジエチルエーテル又はジクロロメタン:メタノール若しくはクロロホルム:メタノール混合物を使用した溶媒抽出によって、発酵ブロスから回収される。
【0050】
ソホロリピッド:
(a)糖脂質は、ソホロース部分を含有し、一般式(II)によって表すことができるソホロリピッドであってもよい:
【0051】
【0052】
(式中:
- R3及びR4は、個別に、水素原子又はアセチル基を表し、
- R5は、1~9個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のヒドロキシル化又は非ヒドロキシル化された炭化水素基、好ましくはメチルを表し、
- R6は、1~19個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のヒドロキシル化又は非ヒドロキシル化された炭化水素基を表し、
但し、R5及びR6基の炭素原子の総数は、20を超えない、好ましくは14~18である)。
【0053】
ソホロリピッドは、R7が水素原子を表し、R8がヒドロキシ基OHを表す開鎖遊離酸の形態、又は次式(III)によって示されるように、ラクトン環がR7及びR8間に形成される、そのラクトンの形態のいずれかで、本発明による組成物中に導入されうる:
【0054】
【0055】
(式中:
- R3、R4、R5、及びR6は、上記で規定された通りであり、
但し、R3及びR4のうちの少なくとも1つは、アセチル基を表す)。
【0056】
ソホロリピッドは、酵母細胞、例えばトルロプシス・アピコラ(Torulopsis apicola)及びトルロプシス・ボンビコラ(Torulopsis bombicola)細胞によって産生されうる。発酵法は、一般的に、基材として糖及びアルカンを使用する。
【0057】
適当な発酵法は、A.P. Tulloch、J.F.T. Spencer及びP.A.J. Gorin、Can. J. Chem. (1962)、40、1326、並びにU. Gobbert、S. Lang及びF. Wagner、Biotechnology Letters (1984)、6 (4)、225に概説されている。結果として得られた生成物は、様々な開鎖ソホロリピッドとソホロリピッドラクトンとの混合物であり、混合物の形態で使用しても、必要とされる形態を単離してもよい。
【0058】
例えば、Givaudan社より名称Sopholiance Sで販売されている製品及びBASF社より名称BioToLifeで販売されている製品を、ソホロリピッドとして使用することが可能である。
【0059】
トレハロースリピッド:
(a)糖脂質は、トレハロース部分を含有し、一般式(IV)によって表すことができるトレハロースリピッドであってもよい:
【0060】
【0061】
(式中:
- R9、R10及びR11は、個別に、5~13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のヒドロキシル化又は非ヒドロキシル化された炭化水素基を表す)。
【0062】
トレハロースリピッドは、海洋細菌アルトロバクター(Arthrobacter)Ek1種又は淡水性細菌ロドコッカス・エリスロポリス(Rhodococcus erythropolis)を使用した細菌発酵によって産生されうる。適当な発酵法は、Ishigamiら、(1987)、J. Jpn. Oil Chem. Soc.、36、847~851、Schultzら、(1991)、Z. Naturforsch.、46C、197~203、及びPasseriら、(1991)、Z. Naturforsch.、46C、204~209で提供されている。
【0063】
セロビオースリピッド:
(a)糖脂質は、セロビオース部分を含有し、一般式(V)によって表すことができるセロビオースリピッドであってもよい:
【0064】
【0065】
(式中:
- R1は、水素原子又はカチオンを表し、
- R12は、9~15個の炭素原子、好ましくは13個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のヒドロキシル化又は非ヒドロキシル化された炭化水素基を表し、
- R13は、水素原子又はアセチル基を表し、
- R14は、4~16個の炭素原子を有する飽和又は不飽和のヒドロキシル化又は非ヒドロキシル化された炭化水素基を表す)。
【0066】
セロビオースリピッドは、黒穂菌(Ustilago)属の菌類の細胞によって産生されうる。適当な発酵法は、Frautz、Lang及びWagner、(1986)、Biotech. Letts.、8、757~762で提供されている。
【0067】
ラムノリピッド:
(a)糖脂質は、ラムノリピッドであってもよい。
【0068】
本発明による組成物は、好ましくは、1種又は複数のラムノリピッドを含む。
【0069】
ラムノリピッドは、様々な細菌種によって産生される糖脂質である。ラムノリピッドは、1つのラムノース部分(モノラムノリピッド)又はエステル結合によって互いに結合しているβ-ヒドロキシル化脂肪酸の1、2若しくは3つの鎖にグリコシド結合によって結合された2つのラムノース部分(ジラムノリピッド)からなる。
【0070】
より具体的には、これらのモノラムノリピッド及びジラムノリピッドは、以下の式(VI)に対応する:
【0071】
【0072】
(式中:
- mは、2、1又は0に等しい整数を示し、
- nは、1又は0に等しい整数を示し、
- R1及びR2は、それぞれ独立して、分枝状又は非分枝状、置換又は非置換の、特にヒドロキシ置換の、飽和又は不飽和、好ましくは単不飽和、二重不飽和又は三重不飽和アルキル基である、2~24個の炭素原子、好ましくは5~13個の炭素原子を有する、同一の又は異なる炭化水素基を表す)。
【0073】
そのため、nが0に等しい場合、式(VI)はモノラムノリピッドを保護し、nが1に等しい場合、ジラムノリピッドを保護する。
【0074】
本発明による組成物は、好ましくは少なくとも1種のジラムノリピッドを含む。
【0075】
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種の式(VI)のジラムノリピッド(式中:
- mは、2、1又は0に等しい整数を示し、
- nは、1に等しい整数を示し、
- R1及びR2は、それぞれ独立して、分枝状又は非分枝状、置換又は非置換の、特にヒドロキシ置換の、飽和又は不飽和、好ましくは単不飽和、二重不飽和又は三重不飽和アルキル基である、2~24個の炭素原子、好ましくは5~13個の炭素原子を有する、同一の又は異なる炭化水素基を表す)、並びにまたその塩、その溶媒和物及びその光学異性体を含む。
【0076】
2つのラムノース部分間のグリコシド結合は、アルファ又はベータ配置であってもよく、好ましくはアルファ配置である。
【0077】
本発明の文脈において、
- 式(VI)のジラムノリピッドの塩は、より特定すると、有機又は無機カチオンを有する、特にナトリウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムから選択されるカチオンを有するカルボン酸塩である。
- 式(VI)のジラムノリピッドの溶媒和物の形態は、より特定すると、水又は有機溶媒の1種又は複数の分子と溶媒和したもの、例えば水和物又はエタノール若しくはイソプロパノール等の直鎖状若しくは分枝状アルコールの溶媒和物であり、任意選択により脂肪酸の活性炭素原子は、好ましくは、Rエナンチオマーの形態であり、
- 用語「アルキル」基は、飽和の直鎖状又は分枝状脂肪族基、例えば、1~20個の炭素原子の直鎖状又は分枝状炭化水素鎖を有するC1~C20アルキル基、より特定すると、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル又はエイコシルを示す。
【0078】
本発明による組成物は、好ましくは、少なくとも1種の式(VI)のジラムノリピッド[式中:
- mは、2、1又は0に等しい整数を示し、
- nは、1に等しい整数を示し、
- R1及びR2は、同一であるか又は異なっており、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル及びトリデセニル基並びに式(CH2)oCH3のラジカル(式中、oは1~23、特に3~15、より特定すると4~12の範囲の整数を示す)から選択される]を含む。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の一般式(VI)のジラムノリピッド(式中、mは1に等しい)を含む。
【0080】
本発明の一実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも2種の、好ましくは少なくとも3種の、一般式(VI)のジラムノリピッド(式中、mは、好ましくは1に等しい)の混合物を含む。
【0081】
本発明の別の実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種のモノラムノリピッドを含む混合物を含む。
【0082】
より好ましくは、本発明による組成物は、少なくとも1種の、以下の式(VII)のジラムノリピッド:
【0083】
【0084】
[式中、
- mは、2、1又は0に等しい整数を示し、好ましくは、mは、1に等しく、
- nは、1に等しい整数を示し、
- R1は、-(CH2)p-CH3基(式中、pは、1~23、好ましくは4~12で変動する整数である)であり、
- R2は、-(CH2)q-CH3基(式中、qは、1~23、好ましくは4~12で変動する整数である)である]、
並びにまたその塩、その溶媒和物及びその光学異性体を含む。
【0085】
例として、本発明に適しうる式(VII)のジラムノリピッドに限定されずに、特に以下のTable 1(表1)に規定されるような式ジ-RL-CXCYの化合物を挙げることができる。
【0086】
式ジ-RL-CXCYは、それぞれ記号CX及びCY(整数X及びYは、それぞれp+4及びq+4に等しい)で表される2つの基R1及びR2によって官能化されたジラムノリピッド(ジ-RL)を表すための代替の記述法である。
【0087】
【0088】
好ましい実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の、式(VII)のジラムノリピッド(式中、p及びqは、同一であり、6に等しく、mは1に等しい)(ジ-RL-C10C10とも称する)、又はその塩、溶媒和物及び光学異性体のうちの1つを含む。
【0089】
好ましくは、式(VII)のジラムノリピッド(式中、p及びqは、同一であり、6に等しく、mは1に等しい)は、本発明による組成物中に、ラムノリピッドの総質量に対して、少なくとも50質量%、好ましくは51質量%~85質量%の割合で存在する。
【0090】
別の実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の式(VII)のジラムノリピッド(式中、mは1に等しく、pは6に等しく、qは8に等しい)を含む。
【0091】
別の実施形態によれば、本発明による組成物は、少なくとも1種の式(VI)のジラムノリピッド[式中、n及びmは1に等しく、R1は-(CH2)oCH3基(式中、oは4~12で変動する整数である)を表し、R2は、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル及びトリデセニル基から選択され、好ましくは、R1は、-(CH2)6CH3基を表し、R2はノネニル基を表す]を含む。
【0092】
別の好ましい実施形態によれば、本発明による組成物は、以下から選択される少なくとも2種の、特に少なくとも3種の、式(VI)又は式(VII)のジラムノリピッドの混合物を含む:
- 式(VII)のジラムノリピッド(式中、p及びqは、同一であり、6に等しく、mは1に等しい)、
- 式(VII)のジラムノリピッド(式中、mは1に等しく、pは6に等しく、qは8に等しい)、及び
- 少なくとも1種の式(VI)のジラムノリピッド[式中、n及びmは1に等しく、R1は-(CH2)oCH3基(式中、oは4~12で変動する整数である)を表し、R2は、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル及びトリデセニル基から選択され、好ましくは、R1は、-(CH2)6CH3基を表し、R2はノネニル基を表す]。
【0093】
好ましくは、本発明による組成物は、以下から選択される少なくとも2種の、特に少なくとも3種の、式(VI)又は式(VII)のジラムノリピッドの混合物を含む:
- ラムノリピッドの総質量に対して、少なくとも50質量%、好ましくは51質量%~85質量%の式(VII)のジラムノリピッド(式中、p及びqは、同一であり、6に等しく、mは1に等しい)、
- ラムノリピッドの総質量に対して、0.5質量%~25質量%、好ましくは5質量%~15質量%の式(VII)のジラムノリピッド(式中、pは6に等しく、qは8に等しく、mは1に等しい)、
- ラムノリピッドの総質量に対して、0.5質量%~15質量%、好ましくは3質量%~12質量%、好ましくは5質量%~10質量%の式(VI)のジラムノリピッド(式中、n及びmは1に等しく、R1は-(CH2)6CH3基を表し、R2はノネニル基を表す)。
【0094】
上で規定したように、ラムノリピッドは、慣習的に、シュードモナス属(Pseudomonas)等の細菌産生株から開始する、当業者に公知の方法によって調製される。
【0095】
適当な発酵法は、D. Haferburg、R. Hommel、R. Claus及びH.P. Kleber著、Adv. Biochem. Ing./Biotechnol. (1986)、33、53~90、並びにF. Wagner、H. Bock及びA. Kretschmar著、Fermentation (ed. R.M. Lafferty) (1981)、181~192、Springer Verlag, Viennaに概説されている。
【0096】
Evonik社より名称Rheance Oneで販売されているもの(INCI名:糖脂質)を、ラムノリピッドとして使用してもよい。
【0097】
本発明による組成物中の(a)糖脂質の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上であってもよく、且つ/又は20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってもよい。いずれの上限値と下限値との組み合わせも、利用可能である。
【0098】
本発明による組成物中の(a)糖脂質の量は、化粧用組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%、より好ましくは2質量%~10質量%であってもよい。
【0099】
本明細書の文脈において、上記の上限値と下限値との任意の組み合わせが、好ましい量の範囲を表すために利用可能である。
【0100】
(糖脂質)
本発明による組成物は、(b)少なくとも1種のタウリン界面活性剤を含む。単一のタイプのタウリン界面活性剤を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのタウリン界面活性剤を組み合わせて使用することもできる。
【0101】
用語「タウリン界面活性剤」は、本明細書では、少なくとも1つのタウリン部分を含むアニオン性界面活性剤を意味する。タウリン界面活性剤は、タウリン系界面活性剤とも呼ばれうる。
【0102】
(b)タウリン界面活性剤は、好ましくはアシルタウリン、より好ましくはN-アシルタウリン、更により好ましくはN-アシルメチルタウリン(即ち、N-アシル-N-メチルタウリン)である。
【0103】
(b)タウリン界面活性剤は、以下の式Iのものを含む:
【0104】
【0105】
[式中、
R7は、(C8~C22)アルキルであり、
R8は、H又は(C1~C4)アルキルであり、
R9及びR10は、それぞれ独立して、H又は(C1~C4)アルキルであり、
M+は、ナトリウム、カリウム、又はアンモニウムカチオンである]。
【0106】
(b)タウリン界面活性剤は、タウリン、カプロイルタウリン、ラウロイルタウリン、ミリストイルタウリン、パルミトイルタウリン、ステアロイルタウリン、オレオイルタウリン、ココイルタウリン、メチルタウリン、ヤシ油脂肪酸メチルタウリン、パーム核油脂肪酸メチルタウリン、水添パーム核油脂肪酸メチルタウリン、牛脂脂肪酸メチルタウリン、水添牛脂脂肪酸メチルタウリン、カプロイルメチルタウリン、ラウロイルメチルタウリン、ミリストイルメチルタウリン、パルミトイルメチルタウリン、ステアロイルメチルタウリン、オレオイルメチルタウリン、ココイルメチルタウリン、メチルタウリンココイルメチルタウリン、及びそれらの塩からなる群から選択することができる。
【0107】
例えば、(b)タウリン界面活性剤としては、ラウロイルメチルタウリンナトリウム、ミリストイルメチルタウルンナトリウム、ミリストイルメチルタウリンカリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンカルシウム、ラウロイルメチルタウリンカリウム、及びラウロイルメチルタウリンアンモニウムが挙げられる。同様に、場合によっては、タウリン界面活性剤は、ココイルメチルタウリンナトリウムである。
【0108】
(b)タウリン界面活性剤の例としては、これらに限定されないが、以下が挙げられる:
- Clariant社によってHostapon CT Pate(登録商標)の名称で販売されている、パーム核油メチルタウリンのナトリウム塩;
- Clariant社によってHostapon LT-SF(登録商標)の名称で販売されている、又は日光ケミカルズ株式会社によってNikkol CMT-30-T(登録商標)の名称で販売されている、N-ココイル-N-メチルタウリンナトリウム;
- Nikkol SMT(登録商標)の名称で販売されているステアロイルメチルタウリンナトリウム;
- 日光ケミカルズ株式会社によってNikkol PMT(登録商標)の名称で販売されている、パルミトイルメチルタウリンナトリウム;及び
- Innospec Active Chemicals社によってPUREACT WS CONC LOの名称で販売されている、ココイルメチルタウリンナトリウム。
【0109】
本発明による組成物中の(b)タウリン界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して少なくとも0.6質量%である。組成物中のタウリン界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.75質量%以上、好ましくは0.9質量%以上でありうる。本発明による組成物中のタウリン界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であってよい。いずれの上限値と下限値との組み合わせも、利用可能である。
【0110】
本発明による組成物中の(b)タウリン界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.6質量%~10質量%、好ましくは0.75質量%~5質量%、より好ましくは0.9質量%~3質量%であってもよい。
【0111】
(アミノ酸界面活性剤)
本発明による組成物は、(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤を含む。単一のタイプのアミノ酸界面活性剤を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプのアミノ酸界面活性剤を組み合わせて使用することもできる。
【0112】
用語「アミノ酸界面活性剤」は、本明細書では、アミノ酸又はその誘導体をベースとするアニオン性界面活性剤を意味する。典型的には、アミノ酸界面活性剤は、少なくとも1つのアミノ部分及び少なくとも1つの、カルボキシレートの形態であるカルボン酸部分を含むアニオン性界面活性剤である。アミノ酸界面活性剤は、2つ以上のアミノ部分及び/又は2つ以上の、カルボキシレートの形態であるカルボン酸部分を有してよい。アミノ酸界面活性剤は、アミノ酸系界面活性剤とも呼ばれうる。
【0113】
(c)アミノ酸界面活性剤は、本明細書の(b)タウリン界面活性剤とは異なる。
【0114】
(c)アミノ酸界面活性剤は、好ましくは、アミノ酸誘導体から選択することができる。アミノ酸誘導体は、より好ましくは、アミノ酸及びN-アシル化アミノ酸の塩、例えばアミノ酸及びN-アシル化アミノ酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩、例えばアミノ酸及びN-アシル化アミノ酸のナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩及びカルシウム塩から選択することができる。そのため、(c)アミノ酸界面活性剤は、好ましくは、N-アシルアミノ酸界面活性剤である。
【0115】
アミノ酸誘導体のN-アシル部分を形成するアシル基は、C1~C30アシル基、好ましくはC6~C28アシル基、より好ましくはC12~C24アシル基でよい。
【0116】
(c)アミノ酸界面活性剤は、更により好ましくは、グルタミン酸塩、N-アシル化グルタミン酸塩、アスパラギン酸塩、N-アシル化アスパラギン酸塩、及びこれらの塩からなる群から選択することができる。
【0117】
これらのアミノ酸のカルボン酸塩は、それぞれのアミノ酸を塩基で中和すること等の従来の手段によって形成することができる。中和されたアミノ酸のα-炭素又はβ-炭素上に位置するアミン基は、周知のショッテン・バウマン反応により、塩基の存在下にて脂肪酸ハロゲン化物(ハロゲン化アシル)でアシル化され、アミドを生成し、このようにして所望の界面活性剤反応生成物、即ちアミノ酸界面活性剤が形成される。アミノ酸のカルボン酸塩のアシル化に好適なハロゲン化アシルとして、塩化アシル、臭化アシル、フッ化アシル及びヨウ化アシルが挙げられる。ハロゲン化アシルは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状のC8~C22脂肪酸をハロゲン化(臭化、塩化、フッ化及びヨウ化)チオニルと反応させることによって調製することができる。代表的なハロゲン化アシルとして、以下に限定されるものではないが、塩化デカノイル、塩化ドデカノイル(塩化ラウロイル)、塩化ココイル(ヤシ油由来の脂肪酸塩化物)、塩化テトラデカノイル(塩化ミリストイル)、塩化ヘキサデカノイル(塩化パルミトイル)、塩化オクタデカノイル(塩化ステアロイル)、塩化9-オクタデセノイル(塩化オレオイル)、塩化エイコサノイル(塩化アラキドイル)、塩化ドコサノイル(塩化ベヘノイル)から選択される塩化アシル、及びそれらの任意の混合物が挙げられる。他のハロゲン化アシルとして、前述の脂肪酸の、臭化物、フッ化物及びヨウ化物が挙げられる。ハロゲン化アシルを調製する方法及びアミノ酸をアシル化する代替的方法は、2008年8月21日公開の米国特許出願公開第2008/0200704号に記載されており、その出願は参照により本明細書に組み込まれる。
【0118】
一実施形態では、前記アミノ酸系アニオン性界面活性剤は、式(A)で表される:
【0119】
【0120】
[式中:
Zは、飽和又は不飽和の、直鎖状又は分枝状の、8~22個の炭素原子を有する炭化水素基を表し、
Xは、水素又はメチル基であり、
nは、0又は1であり、
Yは、水素、-CH3、-CH(CH3)2、-CH2CH(CH3)2、-CH(CH3)CH2CH3、-CH2C6H5、-CH2C2H4OH、-CH2OH、-CH(OH)CH3、-(CH2)4NH2、-(CH2)3NHC(NH)NH2、-CH2C(O)O-M+、-(CH2)2C(O)OH、-(CH2)2C(O)O-M+から選択され、
Mは、COOが対アニオンである塩形成カチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアミン等である]。
【0121】
本発明の好ましい実施形態によれば、式(A)のアミノ脂肪酸において:
Zは、飽和又は不飽和の、直鎖状C8~C18アルキル基、特にココイル基を表し、
Xは、水素であり、
nは、0であり、
Yは、水素であり、
Mは、COOが対アニオンである塩形成カチオン、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又はトリエタノールアミン等である。
【0122】
アミノ酸界面活性剤の例として、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、イソロイシン、ロイシン、リジン、フェニルアラニン、セリン、チロシン、バリン、サルコシンの塩、及びこれらの任意の混合物がある。より特定すると、カプリロイルグルタミン酸二カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二カリウム、カプリロイルグルタミン酸二ナトリウム、ココイルグルタミン酸二ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸二ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸二ナトリウム、カプリロイルグルタミン酸カリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸カリウム、カプリロイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、オリーブ油脂肪酸グルタミン酸ナトリウム(sodium olivoyl glutamate)、パルミトイルグルタミン酸ナトリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウム、ウンデシレノイルグルタミン酸ナトリウム、ココイルメチルβ-アラニン(cocoyl methyl β-alaninate)、ラウロイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニン、ミリストイルβ-アラニン、ラウロイルメチルβ-アラニンカリウム、ココイルアラニンナトリウム、ココイルメチルβ-アラニンナトリウム及びミリストイルメチルβ-アラニンナトリウム、パルミトイルグリシン(palmitoyl glycinate)、ラウロイルグリシンナトリウム、ココイルグリシンナトリウム、ミリストイルグリシンナトリウム、ラウロイルグリシンカリウム、ココイルグリシンカリウム、ラウロイルサルコシンカリウム(potassium lauroyl sarcosinate)、ココイルサルコシンカリウム、ココイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ミリストイルサルコシンナトリウム、オレオイルサルコシンナトリウム、パルミトイルサルコシンナトリウム、ラウロイルサルコシンアンモニウム、ラウロイルアスパラギン酸ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸ナトリウム、ココイルアスパラギン酸ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ミリストイルアスパラギン酸二ナトリウム、ココイルアスパラギン酸二ナトリウム、カプロイルアスパラギン酸二ナトリウム、ラウロイルアスパラギン酸カリウム、ミリストイルアスパラギン酸カリウム、ココイルアスパラギン酸カリウム、カプロイルアスパラギン酸カリウム、ラウロイルアスパラギン酸二カリウム、ミリストイルアスパラギン酸二カリウム、ココイルアスパラギン酸二カリウム、カプロイルアスパラギン酸二カリウム、並びにこれらの混合物等のアミノ酸界面活性剤を挙げることができる。
【0123】
例えば、以下の市販のアミノ酸界面活性剤を参照することができる:
- サルコシン酸塩、例えばCiba社によってSarkosyl NL 97(登録商標)の名称で販売されている若しくはSeppic社によってOramix L 30(登録商標)の名称で販売されているラウロイルサルコシンナトリウム、日光ケミカルズ株式会社によってNikkol Sarcosinate MN(登録商標)の名称で販売されているミリストイルサルコシンナトリウム、又は日光ケミカルズ株式会社によってNikkol Sarcosinate PN(登録商標)の名称で販売されているパルミトイルサルコシンナトリウム、
- アラニン酸塩、例えば日光ケミカルズ株式会社により名称Sodium Nikkol Alaninate LN 30(登録商標)で販売されている、若しくは川研ファインケミカル株式会社により名称Alanone ALE(登録商標)で販売されているN-ラウロイル-N-メチルアミドプロピオン酸ナトリウム、又は川研ファインケミカル株式会社により名称Alanone ALTA(登録商標)で販売されているトリエタノールアミンN-ラウロイル-N-メチルアラニン、
- グルタミン酸塩、例えば味の素株式会社により名称Acylglutamate CT-12(登録商標)で販売されているモノココイルグルタミン酸トリエタノールアミン、味の素株式会社により名称Acylglutamate LT-12(登録商標)で販売されているラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、味の素株式会社により名称Amisoft(登録商標)HS-21Pで販売されているステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、及びこれらの混合物、BASF Japan社により名称Plantapon(登録商標)Amino SF-Nで販売されているココイルグルタミン酸ナトリウム、BASF Japan社により名称Plantapon(登録商標)Amino SCG-Lで販売されているココイルグルタミン酸二ナトリウム、並びに味の素株式会社により名称Amisoft(登録商標)CS-22で販売されているココイルグルタミン酸二ナトリウム/ナトリウム、
- アスパラギン酸塩、例えば三菱化学株式会社により名称Asparack(登録商標)で販売されているN-ラウロイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとN-ミリストイルアスパラギン酸トリエタノールアミンとの混合物、
- グリシン誘導体(グリシン酸塩)、例えば味の素株式会社によりAmilite GCS-12(登録商標)及びAmilite GCK 12という名称で販売されているN-ココイルグリシン酸ナトリウム。
【0124】
組成物中の(c)アミノ酸界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、好ましくは2質量%以上であってもよい。本発明による組成物中の(c)アミノ酸界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下であってもよい。いずれの上限値と下限値との組み合わせも、利用可能である。
【0125】
本発明による組成物中の(c)アミノ酸界面活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.5質量%~20質量%、好ましくは1質量%~15質量%、より好ましくは2質量%~10質量%であってもよい。
【0126】
本発明の一実施形態において、組成物中に含まれる(b)タウリン界面活性剤の(c)アミノ酸界面活性剤に対する質量比は、3:1~1:10、好ましくは2:1~1:8、より好ましくは1:1~1:5であってもよい。
【0127】
本発明の別の実施形態では、組成物中に含まれる(b)タウリン界面活性剤及び(c)アミノ酸界面活性剤の総量は、組成物の総質量に対して、1質量%~20質量%、好ましくは2質量%~15質量%、より好ましくは3質量%~10質量%であってもよい。
【0128】
本発明の別の実施形態では、組成物中に含まれる(a)糖脂質の(b)タウリン界面活性剤及び(c)アミノ酸界面活性剤の総量に対する質量比は、10:1~1:10、好ましくは5:1~1:5、より好ましくは3:1~1:3、特に2:1~1:2であってもよい。
【0129】
本発明の別の実施形態では、組成物中に含まれる(a)糖脂質、(b)タウリン界面活性剤、及び(c)アミノ酸界面活性剤の総質量は、組成物の総質量に対して、1質量%~25質量%、好ましくは3質量%~20質量%、より好ましくは5質量%~15質量%であってもよい。
【0130】
(水)
本発明による組成物は、水を含む。
【0131】
本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%以上、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上であってもよい。
【0132】
本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、99質量%以下、好ましくは97質量%以下、より好ましくは95質量%以下であってもよい。
【0133】
本発明による組成物中の水の量は、組成物の総質量に対して、50質量%~99質量%、好ましくは60質量%~97質量%、より好ましくは70質量%~95質量%であってもよい。
【0134】
(他の任意選択の成分)
- ポリオール
本発明による組成物は、少なくとも1種のポリオールを含んでいても、又は含んでいなくてもよい。2種以上のポリオールを組み合わせて使用してもよい。そのため、単一のタイプのポリオール、又は異なるタイプのポリオールの組み合わせを使用することができる。
【0135】
本発明の目的に関して、「ポリオール」という用語は、少なくとも2つの遊離ヒドロキシル基を含む任意の有機分子を意味すると理解されるべきである。
【0136】
本発明における使用に適したポリオールは、アルキル鎖に少なくとも2つの-OH官能基を有する、直鎖状、分枝状又は環状の飽和又は不飽和アルキルタイプの化合物であってもよい。
【0137】
好ましくは、本発明による組成物に使用されうるポリオールは、少なくとも2つの-OH官能基、好ましくは2~5つの-OH官能基、より好ましくは2~4つの-OH官能基、更により好ましくは2又は3つの-OH官能基をアルキル鎖に有する、直鎖状又は分枝状、好ましくは直鎖状アルキルタイプの化合物である。
【0138】
本発明による化粧用組成物の配合にとって有利に好適であるポリオールは、特に2~12個の炭素原子、又は例えば3~8個の炭素原子を有するものである。
【0139】
本発明に従って使用されうるポリオールは、3~8個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝状、好ましくは直鎖状ポリオールから選択され、特に以下を挙げることができる:
- ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、及びカプリリルグリコール等のジオール、並びに
- グリセロール(グリセリン)等のトリオール、
並びにそれらの混合物。
【0140】
本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上であってもよく、且つ/又は30質量%以下、好ましくは25質量%以下、より好ましくは20質量%以下であってもよい。
【0141】
本発明による組成物中のポリオールの量は、組成物の総質量に対して、1質量%~30質量%、好ましくは2質量%~25質量%、より好ましくは3質量%~20質量%であってもよい。
【0142】
- 一価の非ポリマー酸又はその塩
本発明による組成物は、少なくとも1種の一価の非ポリマー酸又はその塩を含んでいても、又は含んでいなくてもよい。単一のタイプの一価の非ポリマー酸又はその塩を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの一価の非ポリマー酸又はその塩を組み合わせて使用することもできる。
【0143】
一価の非ポリマー酸又はその塩は、アミノ酸界面活性剤及びタウリン界面活性剤とは異なる。
【0144】
用語「非ポリマー」は、本明細書では、酸が、2種以上のモノマーを重合させることによって得られるものではないことを意味する。したがって、非ポリマー酸は、ポリアクリル酸等の2種以上のモノマーを重合することによって得られる酸には相当しない。
【0145】
用語「塩」は、本明細書では、一価の非ポリマー酸に、好適な塩基を添加することによって形成される塩を意味し、これは、当業者に公知の方法に従って、一価の非ポリマー酸と塩基との反応から得ることができる。塩として、金属塩、例えば、Na及びK等のアルカリ金属との塩、並びにMg及びCa等のアルカリ土類金属との塩、並びにアンモニウム塩を挙げることができる。
【0146】
一価の非ポリマー酸又はその塩の分子量が、1000未満、好ましくは500以下、より好ましくは200以下であることが好ましい。
【0147】
一価の非ポリマー酸又はその塩は、(d)水によって形成される水性相中に含まれうる。
【0148】
一価の非ポリマー酸は、カルボン酸基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、及びこれらの混合物からなる群から選択されうる単一の酸基を有する。
【0149】
一価の非ポリマー酸又はその塩は、一価の有機酸又は無機酸及びそれらの塩から選択されてもよい。
【0150】
一価の非ポリマー酸が、一価の有機酸、より好ましくは一価の非ポリマーカルボン酸であることが好ましい。
【0151】
一価の非ポリマーカルボン酸は、ヒドロキシ酸、好ましくはアルファ-ヒドロキシ酸及びベータ-ヒドロキシ酸から選択されうる。アルファ-ヒドロキシ酸としては、例えば、乳酸及びグリコール酸を挙げることができる。ベータ-ヒドロキシ酸としては、例えば、サリチル酸を挙げることができる。
【0152】
そのため、一価の非ポリマー酸は、一価の非ポリマー有機酸、好ましくは一価の非ポリマーカルボン酸、より好ましくは一価のヒドロキシ酸、例えば乳酸及びサリチル酸であってもよい。
【0153】
本発明による組成物中の一価の非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってもよい。
【0154】
本発明による組成物中の一価の非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であってもよい。
【0155】
本発明による組成物中の一価の非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%、好ましくは0.05質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~3質量%であってもよい。
【0156】
- 2つ以上の酸解離定数を有する非ポリマー酸
本発明による組成物は、少なくとも1種の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩を含んでいても、又は含んでいなくてもよい。単一のタイプの2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩を組み合わせて使用することもできる。
【0157】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、2つ以上の酸解離定数を有する。pKa値(酸解離定数)は、当業者に周知であり、一定の温度、例えば25℃で決定されるべきである。
【0158】
本発明による組成物は、2種以上の、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩を組み合わせて含んでいてもよい。
【0159】
用語「非ポリマー」は、本明細書では、酸が、2種以上のモノマーを重合させることによって得られるものではないことを意味する。したがって、非ポリマー酸は、ポリカルボン酸等の2種以上のモノマーを重合することによって得られる酸には相当しない。
【0160】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の分子量が、1000以下、好ましくは800以下、より好ましくは700以下であることが好ましい。
【0161】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩のタイプに限定はない。2種以上の異なるタイプの2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩を組み合わせて使用してもよい。そのため、単一のタイプの、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸若しくはその塩、又は異なるタイプの、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸若しくはその塩の組み合わせを使用することができる。
【0162】
用語「塩」は、本明細書では、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸に、好適な塩基を添加することによって形成される塩を意味し、これは、当業者に公知の方法に従って、2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸と塩基との反応から得ることができる。塩として、金属塩、例えば、Na及びK等のアルカリ金属との塩、並びにMg及びCa等のアルカリ土類金属との塩、並びにアンモニウム塩を挙げることができる。
【0163】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、有機酸又はその塩、好ましくは親水性又は水溶性の有機酸又はその塩であってよい。
【0164】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、カルボン酸基、硫酸基、スルホン酸基、リン酸基、ホスホン酸基、フェノール性ヒドロキシル基、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも2つの酸基を有しうる。
【0165】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、非ポリマー多価酸でもよい。
【0166】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸は、ジカルボン酸、ジスルホン酸及び二リン酸、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0167】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、アコニット酸、オキサロ酢酸、酒石酸、及びこれらの塩;アスパラギン酸、グルタミン酸、及びこれらの塩;テレフタリリデンジカンフルスルホン酸又はその塩(Mexoryl SX)、ベンゾフェノン-9;フィチン酸及びその塩;並びにこれらの塩;赤色2号(アマランス)、赤色102号(ニューコクシン)、黄色5号(タルトラジン)、黄色6号(サンセットイエローFCF)、緑色3号(ファスト・グリーンFCF)、青色1号(ブリリアントブルーFCF)、青色2号(インジゴカルミン)、赤色201号(リソールルビンB)、赤色202号(リソールルビンBCA)、赤色204号(レーキレッドCBA)、赤色206号(リソールレッドCA)、赤色207号(リソールレッドBA)、赤色208号(リソールレッドSR)、赤色219号(ブリリアントレーキレッドR)、赤色220号(ディープマルーン)、赤色227号(ファーストアシッドマゲンタ)、黄色203号(キノリンイエローWS)、緑色201号(アリザリンシアニングリーンF)、緑色204号(ピラニンコンク)、緑色205号(ライトグリーンSFイエロー)、青色203号(パテントブルーCA)、青色205号(アルファズリンFG)、赤色401(ビオラミンR)、赤色405号(パーマネントレッドF5R)、赤色502号(ポンソー3R)、赤色503号(ポンソーR)、赤色504号(ポンソーSX)、緑色401(ナフトールグリーンB)、緑色402号(ギニアグリーンB)、及び黒色401号(ナフトールブルーブラック);葉酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、及びこれらの塩;シスチン及びその塩;EDTA及びその塩;グリシルリジン及びその塩;並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0168】
2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩は、乳酸、リン酸、フィチン酸、及びこれらの塩からなる群から選択されることが好ましいことがある。
【0169】
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であってよい。
【0170】
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下であってよい。
【0171】
本発明による組成物中の2つ以上のpKa値を有する非ポリマー酸又はその塩の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~10質量%、好ましくは0.05質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~3質量%であってよい。
【0172】
- 高級脂肪酸
本発明による組成物は、少なくとも1種の高級脂肪酸を含んでいても、又は含んでいなくてもよい。単一のタイプの高級脂肪酸を使用してもよいが、2種以上の異なるタイプの高級脂肪酸を組み合わせて使用することもできる。
【0173】
用語「脂肪酸」は、本明細書では、脂肪族鎖を有する一官能性カルボン酸を意味する。
【0174】
高級脂肪酸は、直鎖状であっても、分枝状であってもよい。高級脂肪酸は、好ましくは直鎖状高級脂肪酸から選択される。
【0175】
高級脂肪酸は、飽和であっても、不飽和であってもよい。本発明の好ましい一実施形態において、脂肪酸は、飽和脂肪酸から選択される。本発明の別の好ましい実施形態では、脂肪酸は、1~3つの炭素-炭素二重結合、好ましくは1又は2つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和脂肪酸から選択される。
【0176】
高級脂肪酸の非限定的な例としては、6~24個の炭素原子、好ましくは8~20個の炭素原子を有する脂肪酸が挙げられる。
【0177】
本発明の好ましい実施形態において、高級脂肪酸は、6~24個の炭素原子、好ましくは8~20個の炭素原子を有する直鎖状脂肪酸から選択される高級脂肪酸の混合物であり、該脂肪酸は、1又は2つの炭素-炭素二重結合を有する飽和又は不飽和である。
【0178】
高級脂肪酸は、以下の式によって表すことができる:
RCOOH
(式中:
Rは、直鎖状又は分枝状、好ましくは直鎖状のC6~C24アルキル基又はアルケニル基、好ましくはC8~C20アルキル基又はアルケニル基であり、Rは、1又は2つの炭素-炭素二重結合を含んでもよい)。
【0179】
高級脂肪酸の非限定的な例としては、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、リノール酸、ミリスチン酸、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0180】
高級脂肪酸は、組成物の総質量に対して、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上の量で存在してもよく、且つ/又は5質量%以下、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下の量で存在してもよい。
【0181】
本発明による組成物中のケミカルピーリング活性剤の量は、組成物の総質量に対して、0.01質量%~5質量%、好ましくは0.05質量%~3質量%、より好ましくは0.08質量%~1質量%であってもよい。
【0182】
本発明の別の実施形態では、本発明による組成物は、脂肪酸又は高級脂肪酸を、組成物の総量に対して、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下の量で含む。
【0183】
- pH調節剤
本発明による組成物のpHは、例えば、化粧料において通常使用される酸性化剤又は塩基性化剤等の少なくとも1種のpH調節剤を使用して、所望の値に調整してもよく、又は調整しなくてもよい。
【0184】
本発明による組成物のpHは、4~8、好ましくは4.5~7.5、より好ましくは5~7であってよい。
【0185】
酸性化剤の中で例として、鉱酸又は有機酸、例えば塩酸、オルトリン酸、硫酸、カルボン酸、例えば酢酸、酒石酸、クエン酸及び乳酸、並びにスルホン酸を挙げることができる。
【0186】
塩基性化剤の中で例として、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、例としては、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム;水酸化第四級アンモニウム及び水酸化グアニジン;メタケイ酸ナトリウム等のケイ酸アルカリ金属塩;アミノ酸、好ましくは塩基性アミノ酸、例えばアルギニン、リジン、オルニチン、シトルリン及びヒスチジン;特に第1級アミン、第2級アミン若しくは第3級アミンの、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の、又はアンモニウムの炭酸塩及び重炭酸塩;並びに以下の式の化合物を挙げることができる:
【0187】
【0188】
(式中、
Wは、ヒドロキシル基又はC1~C6アルキル基で任意選択により置換されているC1~C6アルキレン残基であり、
Rx、Ry、Rz及びRtは、同一であっても異なっていてもよく、水素原子又はC1~C6アルキル、C1~C6ヒドロキシアルキル若しくはC1~C6アミノアルキル基を表す)。1,3-ジアミノプロパン、1,3-ジアミノ-2-プロパノール、スペルミン、及びスペルミジンを特に挙げることができる。
【0189】
pH調節剤は、組成物の総質量に対して、0.001質量%~10質量%、好ましくは0.01質量%~5質量%、より好ましくは0.1質量%~3質量%の範囲の量で使用してもよい。
【0190】
本発明による組成物のpH値は、特に限定されないが、一般的に3~8、好ましくは3.5~7、より好ましくは4~6の範囲である。
【0191】
- 添加剤
本発明による組成物は、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性ポリマー、例えばポリリジン、成分(a)~(c)以外のアニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性界面活性剤、油、疎水性有機溶媒、ガム、樹脂、増粘剤、分散剤、抗酸化剤、成膜剤、緩衝液、防腐剤、例えば安息香酸ナトリウム、香料、中和剤、消毒薬、キレート剤、UV遮蔽剤、化粧用活性剤、例えばビタミン、保湿剤、エモリエント、又はコラーゲン保護剤、及びこれらの混合物から選択される、化粧品の分野で通常使用される何らかの任意選択の添加剤を含んでもよく、又は含まなくてもよい。
【0192】
ポリリジンは、カチオン性ポリマーであり、リジンのいくつかのアミノ酸の縮合物に相当する。ポリリジンは、細菌発酵によって生成されうるL-リジンの天然ホモポリマーであることができる。ポリリジンは、典型的には、食品の天然防腐剤として使用される。ポリリジンは、水等の極性溶媒に可溶性の高分子電解質である。
【0193】
ポリリジンは、例えば、リジンのε位のアミノ基とカルボキシル基との縮合物であるイプシロン-ポリリジン(若しくは「ε-ポリリジン」と称す)、又はリジンのα位のアミノ基とカルボキシル基との縮合物であるアルファ-ポリリジン(若しくは「α-ポリリジン」と称す)であってもよい。ポリリジンは、ポリD-リジン及びポリL-リジン等の多様な形態で市販されている。ポリリジンは、一般的に、L-リジンの縮合物、即ちポリL-リジンである。
【0194】
ポリリジンの分子量(Da)は、1,000超且つ20,000未満、好ましくは1,500超且つ15,000未満、より好ましくは2,000超且つ10,000未満であってもよい。
【0195】
本発明による組成物は、上記の任意選択の成分を、組成物の総質量に対して、0.01質量%~30質量%、好ましくは0.05質量%~20質量%、より好ましくは0.1質量%~10質量%の量で含んでもよい。
【0196】
[調製]
本発明による組成物は、上に説明した必須成分、及び必要な場合には上に説明した任意選択の成分を混合することによって、調製されうる。
【0197】
上記の必須成分及び任意選択の成分を混合する方法及び手段は、限定されない。任意の従来の方法及び手段を使用して、上記の必須成分及び任意選択の成分を混合し、本発明による組成物を調製することができる。
【0198】
本発明による組成物は、撹拌機及びホモジナイザー等の従来の混合手段により、単純に又は容易に混合することによって調製することができる。また、加熱は必要ではない場合もある。したがって、本発明による組成物の調製方法は、環境に適合性でありうる。
【0199】
[美容用途]
本発明による組成物は、化粧用組成物として使用されることが意図されてもよい。そのため、本発明による化粧用組成物は、ケラチン物質上への塗布が意図されてよい。ケラチン物質は、本明細書では、ケラチンを主な構成要素として含有する物質を意味し、その例には、皮膚、頭皮、爪、唇、毛髪等が挙げられる。そのため、本発明による化粧用組成物が、ケラチン物質、特に皮膚のための美容方法に使用されることが好ましい。
【0200】
そのため、本発明による化粧用組成物は、皮膚化粧用組成物、好ましくはスキンケア組成物、より好ましくはフェイスケア組成物であってよい。
【0201】
特に、本発明による組成物は、クレンジングに有用である。そのため、本発明による組成物は、クレンジング組成物、より好ましくは皮膚用のクレンジング組成物、更により好ましくは顔用のクレンジング組成物であることが好ましい。
【0202】
[美容方法及び使用]
本発明はまた、非治療的方法又はプロセス、好ましくは美容方法又はプロセス、より好ましくは皮膚、頭皮、及び唇等のケラチン物質、特に顔の皮膚をケア及び/又はクレンジングするための美容方法又はプロセスであって、
ケラチン物質に、
(a)少なくとも1種の糖脂質と、
(b)組成物の総質量に対して少なくとも0.6質量%の量の、少なくとも1種のタウリン界面活性剤と、
(c)少なくとも1種のアミノ酸界面活性剤と、
(d)水と
を含む組成物を塗布する工程を含む、方法又はプロセスにも関する。
【0203】
本発明はまた、以下にも関する:
- 皮膚等のケラチン物質のための美容方法であって、本発明による組成物をケラチン物質に塗布する工程と、任意選択により、組成物をケラチン物質から除去する工程とを含む、方法、
又は
- 皮膚等のケラチン物質をケア及び/若しくはクレンジングするための、本発明による組成物の使用。
【0204】
美容方法は、本明細書では、皮膚等のケラチン物質の表面をケア又はクレンジングするための美容方法等の非治療的美容方法を意味する。
【0205】
本発明による美容方法における除去工程は、例えば、本発明による組成物を、皮膚等のケラチン物質から水で洗い落とすことによって実施することができる。
【0206】
除去工程が行われない場合、(a)糖脂質は、ケラチン物質に、抗炎症、抗アレルギー、又は抗菌特性を付与できるため、本発明による美容方法は、皮膚等のケラチン物質のケアに有用であり得、特にニキビを有する皮膚及び敏感肌のケアに有用であると考えられる。
【0207】
除去工程が行われる場合、(a)糖脂質、並びに(b)タウリン界面活性剤及び(c)アミノ酸界面活性剤は、界面活性剤として機能することができるため、本発明による美容方法は、皮膚等のケラチン物質のクレンジングに有用でありうる。
【0208】
組成物は、一般的に、皮膚等のケラチン物質に、手で又は塗布具を用いて塗布される。本発明は、組成物が塗布された後に該組成物をケラチン物質から洗い落とす任意選択の工程を含んでもよい。
【0209】
組成物、(a)糖脂質、(b)タウリン界面活性剤、(c)アミノ酸界面活性剤、及び(d)水に関しては、上記の本発明による組成物と同じ説明が、方法、プロセス、及び使用の発明に適用することができる。本発明によるプロセス及び使用に用いられる組成物は、本発明による組成物に関して上記に説明された任意選択の成分のいずれを含んでもよい。
【実施例0210】
本発明を、実施例によってより詳細に説明するが、これは、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0211】
(実施例1~5及び比較例1~3)
実施例1~5及び比較例1~3による均一な溶液の組成物を、Table 1(表2)及びTable 2(表3)に列挙する成分を、電磁式撹拌機を用いて混合することによって調製した。表に示す成分の量についての数値は全て、活性原料の「質量%」に基づく。糖脂質として、EVONIK社(製品名:RHEANCE(登録商標)One)から入手したラムノリピッド系界面活性剤を使用した。
【0212】
[評価]
実施例1~5及び比較例1~3による各組成物の安定性を、以下のように評価した。
【0213】
(+20℃/-20℃のサイクル)
それぞれの組成物を、円筒形の透明なサンプルバイアル(SV-30)に入れ、5日間、温度を、+20℃及び-20℃のサイクル内で制御するサイクルインキュベーター中で保存した。組成物の外観を肉眼で観察して評価し、以下の基準に基づいて評価した。
良好:沈殿は観察されず、元の外観を維持していた。
不良:サンプルバイアルの底に、白色の沈殿粒子が観察された。
極めて不良:サンプルバイアルの底に、白色の堆積が観察された。
【0214】
温度サイクルは、以下の工程から構成されていた:
(a)6時間の間、サンプルを+20℃で維持し、
(b)6時間の間、サンプルを-20℃に冷却し、
(c)6時間の間、サンプルを-20℃で維持し、
(d)6時間の間、サンプルを+20℃に加熱し、
(e)上記の(a)工程を繰り返す。
【0215】
(-5℃、4℃、又はRT)
それぞれの組成物を、組成物の調製直後に円筒形の透明なサンプルバイアル(SV-30)に入れ、-5℃、4℃又は室温にて、インキュベーター中で7日間保存した。組成物の外観を肉眼で観察して評価し、以下の基準に基づいて評価した。
良好:沈殿は観察されず、元の外観を維持していた。
不良:サンプルバイアルの底に、白色の沈殿粒子が観察された。
極めて不良:サンプルバイアルの底に、白色の堆積が観察された。
【0216】
結果を、以下のTable 1(表2)及びTable 2(表3)にまとめる。
【0217】
【0218】
【0219】
Table 1(表2)及びTable 2(表3)から確認できるように、特定の量の特定の組み合わせの(a)糖脂質及び(b)タウリン界面活性剤の成分、並びに(c)アミノ酸界面活性剤を含む実施例1~5による組成物は、温度変化並びに低温からRTに対して改善された安定性を示した。
【0220】
一方、十分な量の(b)タウリン界面活性剤を含まない比較例1~3による組成物は、改善された安定性を示すことができなかった。
【0221】
これに応じて、本発明による組成物は、改善された安定性を示しながら、糖脂質からもたらされる生物活性の利益をケラチン物質に与えることができるため、ケラチン物質のケア及び/又はクレンジングのための化粧用組成物として非常に適しているということができる。