(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014653
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21V 7/09 20060101AFI20250123BHJP
F21S 8/02 20060101ALI20250123BHJP
F21V 7/00 20060101ALI20250123BHJP
F21V 7/04 20060101ALI20250123BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20250123BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20250123BHJP
【FI】
F21V7/09 100
F21S8/02 410
F21V7/00 320
F21V7/04 300
F21V7/09 200
F21Y115:10
F21Y113:13
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117387
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】春田 昌也
(72)【発明者】
【氏名】青木 亮介
(57)【要約】
【課題】発光色の異なる複数の光源素子を備えた光源を用いた照明器具において、光を照射したときに各発光色が十分に混ざり、照射面の色むらが抑制され、かつ生じにくい照明器具を提供することができる。
【解決手段】この照明器具400は、複数の光源素子を備えた光源素子群111と、
光源素子群111に係る光源中心LSCからずれた位置を焦点FRとした反射カーブ21cを備え、光源素子群111から発せられた光を反射する反射板21を備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光源素子を備えた光源と、
前記光源に係る光源中心からずれた位置を焦点とした反射カーブを備え、前記光源から発せられた光を反射する反射板とを備えた
照明器具。
【請求項2】
前記反射板は、回転体であり、
前記光源は、前記反射板の回転中心軸に、前記光源の前記光源中心における光軸が一致するよう配されており、
前記焦点は、円形の軌跡である
請求項1記載の照明器具。
【請求項3】
前記焦点の位置は、前記光源素子のサイズの半分の長さ程度、前記光源中心からずれている
請求項2記載の照明器具。
【請求項4】
前記反射板は、回転体であり、
前記反射板の回転中心軸方向に沿って複数の円筒領域に区分けされており、
前記複数の円筒領域の少なくとも1つの反射カーブは、前記光源からの光を、前記光源の光軸方向に所定角度で交差するよう反射する
請求項1記載の照明器具。
【請求項5】
前記反射板は、前記回転中心軸方向に沿って前記複数の円筒領域に区分けされており、
前記円筒領域の少なくとも1つの反射カーブは、前記光源からの光を、前記光源の光軸方向から所定角度離れる方向に反射する
請求項4記載の照明器具。
【請求項6】
前記反射板は、回転体であり、
前記反射板の回転中心軸方向に沿って複数の円筒領域に区分けされており、
前記複数の円筒領域の少なくとも1つの反射カーブは、前記光源からの光を、前記光源の光軸方向から所定角度離れる方向に反射する
請求項1記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光色の異なる複数の光源素子を備えた光源を用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従前より、光のむらを抑制した照明装置(発光装置)が使用されている。特許文献1に複数のレンズによって照度むらを抑制する照明装置が、特許文献2に反射板によって照度むらを抑制する照明器具が、特許文献3にパネル表示面の色むらを抑制する発光装置がそれぞれ開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-182717号公報
【特許文献2】特開2014-186978号公報
【特許文献3】特開2018-069768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発光色の異なる複数の光源素子を備えた光源を用いた照明器具の場合、光を照射したときに発光色が十分に混ざることなく照射面に色むらを生じることがある。
【0005】
本発明は、係る問題に鑑みてなされたものであり、照射面の色むらが生じにくい照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本願発明の照明器具は、複数の光源素子を備えた光源と、前記光源に係る光源中心からずれた位置を焦点とした反射カーブを備え、前記光源から発せられた光を反射する反射板とを備える。
【発明の効果】
【0007】
上述の構成により、発光色の異なる複数の光源素子を備えた光源を用いても照射面の色むらが生じにくい照明器具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明器具400(灯体部を傾斜させた状態かつ配線部12を省略)を左下方から見た斜視図である。
【
図2】(a)本発明の第1の実施形態に係る照明器具400の上面図である。(b)同略正面図である。(c)本発明の第1の実施形態に係る照明器具400(配線部12を省略)の下面図である。
【
図3】(a)本発明の第1の実施形態に係る照明器具400の略A断面正面図である。(b)本発明の第1の実施形態に係る灯体部100と枠体部300の連結部分の拡大図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る照明器具400(配線部12を省略)のC断面側面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る光源モジュール11、配線部12、絶縁部材131、絶縁部材固定ネジ132及びヒートシンク14をアッセンブリした状態の下面図である。
【
図6】(a)本発明の第1の実施形態に係る光源モジュール11の下面図である。(b)本発明の第1の実施形態に係る光源中心を含む光源素子111cの下面図である。
【
図7】(a)本発明の第1の実施形態に係る反射板21の焦点FRを光源中心LSCよりY軸に対してプラス方向にずらせた様子を示した模式図である。(b)同反射板21の焦点FRを光源中心LSCよりY軸に対してマイナス方向にずらせた様子を示した模式図である。(c)
図7(b)における光源中心LSC周辺の拡大図である。(d)
図7(b)における光源中心LSC周辺の拡大図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る反射板21において、反射板光軸方向の位置と反射光E2の光軸方向となす角度の関係を示した図である。
【
図9】(a)従来の照明器具を平面に照射したときの照射面の光の分布を示した図である。(b)同シミュレーション結果を示した図である。(c)本発明の第1実施形態に係る照明器具400を平面に照射したときの照射面の光の分布を示した図である。(d)同シミュレーション結果を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る照明器具400について図面を参照しながら説明する。なお、方向の記載は、特に断りのない限り、
図1及び
図4の白抜き矢印に示すように灯体部100が傾斜する側を照明器具400の正面とする。
【0010】
<1.第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態に係る照明器具400について図面を参照しながら説明する。
照明器具400は、一例として天井面に設置され床面側を照らす照明器具である。照明器具400は、
図1に示すように、灯体部100及び枠体部300を備える。
【0011】
<1.1.灯体部100>
灯体部100は、
図1に示すように、光源部1及び光学制御部2を備える。
【0012】
<1.1.1.光源部1>
光源部1は、光源素子群(光源)111を備える部位であり、
図3(a)及び
図5に示すように、光源モジュール11、基板取付ネジ115、配線部12、絶縁部材131、絶縁部材固定ネジ132及びヒートシンク14を備える。
【0013】
光源モジュール11は、
図6(a)に示すように、光源素子群111、基板112、基板取付穴112h及びはんだ部112sを備える。光源素子群111は、赤色光源素子111R、緑色光源素子111G及び青色光源素子111Bを備える。このように、光源モジュール11は、3色の光源素子を備え各色の光出力を調整することで、様々な色を出力することができる。
なお、光源モジュール11は、本実施形態では3色の光源素子を備えているが、これに限らず、複数色の光源素子を備えておれば足りる。例えば、白色光源素子と赤色光源素子の2色を備えたり、3色の光源素子に白色光源素子を更に加えた4色を備えるなどしてよい。
【0014】
本実施形態における光源素子群111は、赤色光源素子111R、緑色光源素子111G及び青色光源素子111Bを
図6(a)のように相互に並べて配列されている。具体的には、光源素子群111の中央の光源素子は緑色光源素子111Gであって、左上から右下の方向に斜めに連続して配列されている。中央の光源素子の上には赤色光源素子111Rが、下には青色光源素子111Bがそれぞれ配置されており、緑色光源素子111Gと同じように、左上から右下に斜めに連続して配列されている。このように同じ色の光源素子が近接していると、光源素子の電気配線が容易となり一括して電源供給することが可能で、各色毎に調光制御する際に都合がよい。また、斜めにずれて配置されることにより、光を照射したときに同じ色の光がある程度分散して照射され他の色と混ざる状態となり色むらが若干抑制される。
【0015】
さらに、光源素子群111は、光源中心LSCを備える。光源中心LSCは、光源素子群111の光学的な中心である。本実施形態においては、光源中心LSCは、緑色光源素子111Gのうちの1つである。特に、光源中心LSCを備えた光源素子を光源中心を含む光源素子111cと言う。また、光源素子各々の形状は、
図6(a)及び(b)に示すように正方形であり、1辺の長さは1.6mmである。
【0016】
光源モジュール11は、
図5に示すように、ヒートシンク14に基板取付穴112hを介して基板取付ネジ115で取付けられることにより、ヒートシンク14に機械的に固定されると同時に熱的に接続する。ヒートシンク14は、光源素子群111の放熱を促進する部材である。
図5及び
図6(a)に示すように、基板112は、光源素子群111を実装するための配線基板である。はんだ部112sは、基板112と配線部12を電気的に接続する部位である。絶縁部材131は、はんだ部112sを覆い隠すことで電気的に絶縁保護する部材であり、絶縁部材固定ネジ132で取付けられている。
【0017】
配線部12は、
図5に示すように、光源素子群111を点灯させるための電源を供給するための部材であり、配線121、コネクタ122及び耐熱チューブ123を備える。
コネクタ122は、光源モジュール11に電源を供給するために外部電源装置(図示せず)に接続する端子である。
耐熱チューブ123は、配線121に対する外部からの機械的及び熱的ストレスを防ぐための部材である。
【0018】
<1.1.2.光学制御部2>
光学制御部2は、
図2(b)、
図2(c)、
図3(a)及び
図4に示すように、反射板21、拡散板22、フード23、及び筒体部24を備える。反射板21は、床面方向を効率的かつ効果的に照射するための光学制御部材であり、光学制御のための反射カーブ21cを備える。反射板21は、内径が漸次拡径する回転体である。拡散板22は、照射面の光むらを抑制し、利用者の眩しさを軽減するための光学制御部材である。フード23は利用者の眩しさを軽減するための光学制御部材であり、拡散板22及び反射板21を挟み込む様子で筒体部24に装着されている。
【0019】
筒体部24は、中空筒状の部分であり、光源モジュール11、反射板21、配線部12の一部、基板取付ネジ115、絶縁部材131及び絶縁部材固定ネジ132を収容するように光源部1に取り付けられる。灯体部100は、枠体部300に対して傾斜可動させることができるよう枠体部300に取り付けられる。
【0020】
<1.2.枠体部300>
枠体部300は、
図1に示すように、コーン部3及び枠部4を備える。
【0021】
コーン部3は、
図1に示すように、コーン31及び連結ネジ32を備える。コーン31は、利用者の眩しさを軽減するための部材である。コーン31と灯体部100は連結ネジ32により、灯体部100が回動可能なように連結されている。
【0022】
枠部4は、
図1に示すように、枠41、コーン保持用バネ42及び取付バネ43を備える。取付バネ43は、天井面に設置するための部材であり、天井面に設置するときには、
図3(a)に示すように、取付バネ43を跳ね上げて取付バネ43Tの状態にする。このような状態にすることで、天井材Tを取付バネ43Tと枠41Tで挟み込こんで、天井面に設置することができる。本実施形態において取付バネ43は3個あり、各々同様に天井材Tを挟み込んで、照明器具400を設置する。
【0023】
枠41には、コーン保持用バネ42がリベットで固定されている。ここでコーン31は、枠41にコーン保持用バネ42を介して装着されており、
図4に示すように枠41に対して水平方向に回動させることができる。また、コーン31には、
図1に示すように、灯体部100が連結ネジ32を介して装着されており、
図4に示すようにコーン31に対して灯体部100を傾斜可動させることができる。傾斜可動幅は最大40°であり、その様子を灯体部100t(
図4の2点鎖線)として示す。このように、回動及び傾斜可動を組み合わせることで、灯体部100を回動及び傾斜可動の範囲内で任意の方向に照射することができる。
【0024】
<1.3.色むら抑制>
<1.3.1.反射カーブ:焦点をずらせる>
図3(a)に示すように、反射板21は、内径が漸次拡径する光源中心LSCをとおる光軸を中心とした回転体である。反射板21の回転中心軸は、光軸中心における光軸に一致している。また、反射板21は配光制御のための反射カーブ21cを備える。反射カーブ21cは光学的な焦点FRを備える。
【0025】
図7(a)、(b)、(c)及び(d)は、本発明の第1の実施形態に係る基板112及び反射板21において、反射板21の焦点FRを光源中心LSCよりY軸方向にずらせた様子を示した一断面の模式図である。ここで、一点鎖線で示した軸は、X軸が実際の光軸を含む軸(図の右方向をプラスとする。)であり、Y軸が光源中心LSCを含む基板112に平行な任意の線(図の上方向をプラスとする。)である。
【0026】
本実施形態においては、
図6(b)、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、反射カーブ21cの光学的な焦点FRが光源中心LSCからずれた位置になるように反射カーブ21cが形成されている。
図7(a)及び(b)に示す焦点FRは、一断面のものであり、各断面の焦点FRを重ねると、焦点FRの軌跡は
図6(b)に示すように円形であり、その半径は光源中心LSCを含む光源素子のサイズ(光源素子の1辺の長さ)の半分程度の長さずれている。
【0027】
このような反射カーブ21cにすることで、反射板21の焦点FRが光源中心LSCからずれ、光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され、照射面の色むらが抑制され生じにくくなる。
なお、本実施形態においては、焦点FRは円形の軌跡であるが、これに限らず、反射カーブ21cの光学的な焦点FRが光源中心LSCからずれていれば足りる。また、焦点FRをずらす方向は、
図7(a)及び(c)に示した方向に限らない。たとえば、図(b)及び(d)に示すように
図7(a)及び(c)とは逆方向に焦点FRをずらせてもよい。このとき、焦点FRを光源中心LSCからずらす距離、すなわち焦点FRの軌跡である円の半径は任意であるが、望ましくは光源素子のサイズの4分の1の長さから2倍の長さであり、より望ましくは、光源素子のサイズの半分の長さから1.5倍の長さである。
【0028】
<1.3.2.反射板カーブ:領域を分割する>
図3(a)、
図4、
図7(a)及び
図7(b)に示すように、反射板21は、反射カーブ21Cを備える。反射板21及び反射カーブ21Cは、回転中心軸方向に沿って、複数の円筒領域に区分けされている。本実施形態においては、反射カーブ21Cは、それぞれが円筒状の3個の領域である反射カーブ内側部21Ci、反射カーブ中央部21Cc及び反射カーブ外側部21Coに分けられており、それぞれは反射光E2の方向が異なるように構成されている。
【0029】
反射カーブ内側部21Ci、反射カーブ中央部21Cc及び反射カーブ外側部21Coの区分は次のとおりである。反射カーブ21Cの内側端から外側端を光軸に沿って1000等分して「反射板光軸方向の位置」とする。そのうえで、内側端を0及び外側端を1000の位置としたとき、位置0から位置250の位置を反射カーブ内側部21Ci、251から670の位置を反射カーブ中央部21Cc、そして位置671から位置1000の位置を反射カーブ外側部21Coとする。
【0030】
図8に示すように、反射カーブ内側部21Ci、反射カーブ中央部21Cc及び反射カーブ外側部21Coの反射光E2の光軸方向となす角度は、それぞれ、LCi、LCc及びLCoで示されている。なお、
図8においては、光軸方向をX軸、光軸に直交し光源中心を含む任意の方向をY軸とする。
【0031】
図7(a)、
図7(b)及び
図8に示すように、反射光E2の光軸方向となす角度が、反射カーブ内側部21Ciにおいては、位置0で-3°であり、位置が増加するにつれて、なす角度が減少していき位置250付近で0°となるように反射板21の反射カーブ21cが構成されている。反射カーブ中央部21Ccにおいては、位置250付近から位置670付近まで0°となるように反射板21の反射カーブ21cが構成されている。そして、反射カーブ内側部21Ciにおいては、位置670付近で0°であり、位置が増加するにつれて、なす角度が増加していき位置1000で3°となるよう反射板21の反射カーブ21cが構成されている。
【0032】
このように反射カーブ21cを構成することで、反射カーブ中央部21Ccでは、光軸方向となす角度が0°すなわち光軸方向に平行な反射光E2となり、配光特性に大きく影響をしないような集光した光を照射することができる。そして、反射カーブ外側部21Coでは反射光E2が反射カーブ21Cの外周方向に向かうにつれて、また反射カーブ内側部21Ciでは反射光E2が反射カーブ21Cの回転中心軸方向に向かうにつれて、光軸方向となす角度が連続的に徐々に拡がり、光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散される。すなわち、反射板21の各々の領域で反射光E2の光軸方向となす角度が異なる様子となり、反射カーブ21C全体として光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散される効果が増加し色むらが抑制され生じにくくなる。
【0033】
従来の照明器具及び本実施形態に係る照明器具400の実験結果とシミュレーション結果を
図9(a)、(b)、(c)及び(d)に示す。
図9(a)及び(c)によれば、照射面の様子は、ほぼ同様であるが、
図9(c)の方が色むらが抑制されている。具体的な数値で比較すると、
図9(b)及び(d)によれば、配光角度を示す「1/2ビーム角」が19°及び18°であり、ほぼ同等である。また、図(b)及び(d)のそれぞれの左下の図にある「1020」及び「1040」の数値は、照明器具400を天井面に設置したときの下方3mの直下照度を示しており、ほぼ同等である。これら、照射面の様子、配光角度及び直下照度から、配光特性にほぼ影響を与えずに色むらが抑制されていることが分かる。
【0034】
本実施形態においては、反射カーブ21Cは3分割であるが、反射カーブ21C全体として光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散される効果を生じさせられれば足り、たとえば、反射カーブ内側部21Ciと反射カーブ外側部21Coの2分割としてもよいし、4分割以上にしてもよい。
【0035】
また、反射光E2の光軸方向となす角度の分布は反射カーブ内側部21Ciでは、-3°から0°、反射カーブ中央部21Ccでは0°、反射カーブ外側部21Coでは0°から3°であるが、その角度は任意であるものの、望ましくは、0°から15°程度であり、さらに望ましくは0°から5°程度である。さらに付言すれば、反射カーブ21Cにファセットなどの光学制御手段を設けることも任意であり、反射光E2の光軸方向となす角度の反射板光軸方向の位置に対する変化は、反射カーブ21Cの分割の境界も含めて連続的でも非連続的でもよく、その変化率も任意である。
【0036】
<2.発明の抽出>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明器具の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0037】
(1)本発明の一実施形態にかかる照明器具は、複数の光源素子を備えた光源と、前記光源に係る光源中心からずれた位置を焦点とした反射カーブを備え、前記光源から発せられた光を反射する反射板とを備えた照明器具である。
【0038】
この構成によれば、光源中心からずれた位置を焦点とした反射カーブを備えた反射板によって、複数の光源素子を備えた光源の光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され照射面の色むらが抑制され生じにくくする照明器具を提供することができる。
【0039】
(2)また、前記反射板は、回転体であり、前記光源は、前記反射板の回転中心軸に、前記光源の前記光源中心における光軸が一致するよう配されており、前記焦点は、円形の軌跡であることとしてもよい。
【0040】
この構成によれば、回転体である反射板において、光源中心からずれた位置を焦点とした反射カーブを備えた反射板によって、複数の光源素子を備えた光源の光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され照射面の色むらが抑制され生じにくくする照明器具を提供することができる。
【0041】
(3)前記焦点の位置は、前記光源素子のサイズの半分の長さ程度、前記光源中心からずれている前記照明器具としてもよい。
【0042】
この構成によれば、回転体である反射板において、光源中心からずれた位置を焦点とした反射カーブを備えた反射板によって、複数の光源素子を備えた光源の光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され照射面の色むらが抑制され生じにくくする効果をさらに向上させた照明器具を提供することができる。
【0043】
(4)前記反射板は、回転体であり、前記反射板の回転中心軸方向に沿って複数の円筒領域に区分けされており、前記複数の円筒領域の少なくとも1つの反射カーブは、前記光源からの光を、前記光源の光軸方向に所定角度で交差するよう反射することとしてもよい。
【0044】
この構成によれば、反射板を複数の円筒領域に区分けし、少なくとも1つの円筒領域において反射する角度を光軸方向に所定角度で交差させることによって、複数の光源素子を備えた光源の光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され照射面の色むらを抑制する効果を高めることができる。
【0045】
(5)前記反射板は、前記回転中心軸方向に沿って前記複数の円筒領域に区分けされており、前記円筒領域の少なくとも1つの反射カーブは、前記光源からの光を、前記光源の光軸方向から所定角度離れる方向に反射することとしてもよい。
【0046】
この構成によれば、反射板を複数の円筒領域に区分けし、少なくとも1つの円筒領域において反射する角度を光軸方向から所定角度離すことによって、複数の光源素子を備えた光源の光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され照射面の色むらを抑制する効果をさらに高めることができる。
【0047】
(6)前記反射板は、回転体であり、前記反射板の回転中心軸方向に沿って複数の円筒領域に区分けされており、前記複数の円筒領域の少なくとも1つの反射カーブは、前記光源からの光を、前記光源の光軸方向から所定角度離れる方向に反射することとしてもよい。
【0048】
この構成によれば、反射板を複数の円筒領域に区分けし、少なくとも1つの円筒領域において反射する角度を光軸方向から所定角度離すことによって、複数の光源素子を備えた光源の光源中心付近の比較的強い光が適度に拡散され照射面の色むらを抑制する効果をさらに高めることができる。
【0049】
このように、本発明はここで記載していない様々な実施形態等を含むことはもちろんである。したがって、本発明の技術的範囲は、上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められる。
【符号の説明】
【0050】
400 照明器具
100、100t 灯体部
1 光源部
11 光源モジュール
111 光源素子群、光源
111R 赤色光源素子
111G 緑色光源素子
111B 青色光源素子
111c 光源中心を含む光源素子
112 基板
112s はんだ部
112h 基板取付穴
115 基板取付ネジ
12 配線部
121 配線
122 コネクタ
123 耐熱チューブ
131 絶縁部材
132 絶縁部材固定ネジ
14 ヒートシンク
2 光学制御部
21 反射板
21C 反射カーブ
21Ci 反射カーブ内側部
21Cc 反射カーブ中央部
21Co 反射カーブ外側部
22 拡散板
23 フード
24 筒体部
300 枠体部
3 コーン部
31 コーン
32 連結ネジ
4 枠部
41、41T 枠
42 コーン保持用バネ
43、43T 取付バネ
E1 入射光
E2 反射光
LSC 光源中心
FR 焦点
LC 反射光の光軸方向となす角度を示す線
LCi 反射カーブ内側部の反射光の光軸方向となす角度を示す線
LCc 反射カーブ中央部の反射光の光軸方向となす角度を示す線
LCo 反射カーブ外側部の反射光の光軸方向となす角度を示す線