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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025146778
(43)【公開日】2025-10-03
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H10D 30/47 20250101AFI20250926BHJP
   H10D 30/83 20250101ALI20250926BHJP
【FI】
H10D30/47 201
H10D30/83
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2025044337
(22)【出願日】2025-03-19
(31)【優先権主張番号】10-2024-0039289
(32)【優先日】2024-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 眞 煥
(72)【発明者】
【氏名】黄 仁 俊
【テーマコード(参考)】
5F102
【Fターム(参考)】
5F102GB01
5F102GC01
5F102GD01
5F102GD04
5F102GJ02
5F102GJ03
5F102GJ04
5F102GJ10
5F102GK04
5F102GK08
5F102GL04
5F102GL07
5F102GM04
5F102GQ01
5F102GR09
5F102GR12
5F102GS01
5F102GT01
5F102GT02
5F102GT03
5F102GV05
5F102GV06
5F102GV07
5F102GV08
(57)【要約】
【課題】安定した電気的特性を有し、信頼性が向上することができる半導体素子を提供する。
【解決手段】本発明による半導体素子は、メイントランジスタ、メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタ、及びメイントランジスタの他端とサブトランジスタとの間に接続される抵抗素子を有し、チャンネル層の第1部分からなるメインチャンネル層、メインチャンネル層の上に配置されメインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層を含み、サブトランジスタは、チャンネル層の第2部分からなり、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層を含み、抵抗素子は、チャンネル層の第3部分からなり、感知電極とメインソース電極との間に電気的に接続され、第22DEG領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタとの間に接続される抵抗素子と、を有する半導体素子において、
前記半導体素子は、チャンネル層を含み、
前記メイントランジスタは、
前記チャンネル層の第1部分からなるメインチャンネル層と、
前記メインチャンネル層の上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、
前記バリア層の上に配置されるメインゲート電極と、
前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、
前記メインゲート電極の両側に配置され、前記メインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、
前記サブトランジスタは、
前記チャンネル層の第2部分からなり、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置されるサブゲート電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置され、前記サブゲート電極の一側に位置する感知電極と、を含み、
前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅と相違し、
前記抵抗素子は、前記チャンネル層の第3部分からなり、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続され、第2二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含むことを特徴とする半導体素子。
【請求項2】
前記第2サブドリフト領域の抵抗は、正の温度抵抗係数を有し、
前記感知電極と前記チャンネルパターンとの間の第1コンタクトの抵抗及び前記メインソース電極と前記チャンネルパターンとの間の第2コンタクトの抵抗は、負の温度抵抗係数を有し、
前記第2サブドリフト領域の抵抗、第1コンタクトの抵抗、及び第2コンタクトの抵抗の合計は、温度に関係なく実質的に一定であることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項3】
前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅より小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項4】
前記メインドレイン電極及び前記サブドレイン電極は、第1方向に延長され、
前記チャンネルパターンは、前記第1方向に延長される部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項5】
前記チャンネルパターンの前記第1方向と交差する第2方向に沿った幅は、前記メインソース電極の前記第2方向に沿った幅と同じであることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子。
【請求項6】
前記感知電極と前記メインソース電極との間の前記チャンネルパターンの前記第1方向に沿った長さは、1μm~10μmであることを特徴とする請求項4に記載の半導体素子。
【請求項7】
前記感知電極と前記メインソース電極との間の前記チャンネルパターンの前記第1方向に沿った長さは、3μm~4μmであることを特徴とする請求項6に記載の半導体素子。
【請求項8】
前記チャンネルパターンは、前記メインチャンネル層及び前記サブチャンネル層と同じ層に配置され、
前記チャンネルパターンは、前記メインチャンネル層及び前記サブチャンネル層と同じ物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項9】
前記バリア層は、前記サブチャンネル層及び前記チャンネルパターンの上にさらに配置されることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項10】
前記サブゲート電極は、前記メインゲート電極と一体をなし、
前記サブドレイン電極は、前記メインドレイン電極と一体をなすことを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項11】
前記ゲート半導体層は、前記バリア層と前記サブゲート電極との間にさらに配置されることを特徴とする請求項9に記載の半導体素子。
【請求項12】
前記抵抗素子と前記サブトランジスタとの間に配置され、前記バリア層を貫く分離構造物をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項13】
前記抵抗素子は、前記チャンネルパターンの上に位置し、前記感知電極と前記メインソース電極との間に配置されるコンタクト電極をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体素子。
【請求項14】
前記抵抗素子は、
前記メインソース電極と前記コンタクト電極との間に位置する第1チャンネルパターンを含む第1抵抗素子と、
前記コンタクト電極と前記感知電極との間に位置する第2チャンネルパターンを含む第2抵抗素子と、を含み、
前記第1チャンネルパターンの長さは、前記第2チャンネルパターンの長さと同じであることを特徴とする請求項13に記載の半導体素子。
【請求項15】
メイントランジスタと、
前記メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、
前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタとの間に接続される抵抗素子と、を有する半導体素子において、
前記半導体素子は、チャンネル層を含み、
前記メイントランジスタは、
前記チャンネル層の第1部分からなるメインチャンネル層と、
前記メインチャンネル層の上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、
前記バリア層の上に配置されるメインゲート電極と、
前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、
前記メインゲート電極の両側に配置され、前記メインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、
前記サブトランジスタは、
前記チャンネル層の第2部分からなり、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置されるサブゲート電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置され、前記サブゲート電極の一側に位置する感知電極と、を含み、
前記抵抗素子は、前記チャンネル層の第3部分からなり、前記感知電極と前記メインソース電極との間に位置し、第2二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含み、
前記感知電極と前記メインソース電極との間の前記チャンネルパターンの長さは、1μm~10μmであることを特徴とする半導体素子。
【請求項16】
前記サブチャンネル層は、
前記サブゲート電極と前記サブドレイン電極との間に位置する第1部分と、
前記サブゲート電極と前記感知電極との間に位置する第2部分と、を含み、
前記サブチャンネル層の前記第2部分の幅は、前記サブチャンネル層の前記第1部分の幅より小さいことを特徴とする請求項15に記載の半導体素子。
【請求項17】
前記サブチャンネル層の前記第2部分の幅は、前記チャンネルパターンの幅と同じであることを特徴とする請求項16に記載の半導体素子。
【請求項18】
前記抵抗素子の抵抗値は、前記第2サブドリフト領域の抵抗、前記メインソース電極と前記チャンネルパターンとの間の第1コンタクトの抵抗、及び前記感知電極と前記チャンネルパターンとの間の第2コンタクトの抵抗の合計で定義され、
第1温度における前記抵抗素子の抵抗値は、前記第1温度と異なる第2温度における前記抵抗素子の抵抗値と同じであることを特徴とする請求項15に記載の半導体素子。
【請求項19】
前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅より小さいことを特徴とする請求項15に記載の半導体素子。
【請求項20】
メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタとの間に接続される抵抗素子と、を含む半導体素子において、
前記半導体素子は、チャンネル層を含み、
前記メイントランジスタは、
前記チャンネル層の第1部分からなり、GaNを含むメインチャンネル層と、
前記メインチャンネル層の上に配置され、AlGaNを含むバリア層と、
前記バリア層の上に配置されるメインゲート電極と、
前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置され、p型不純物がドーピングされるGaNを含むゲート半導体層と、
前記メインゲート電極の両側に配置され、前記メインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、
前記サブトランジスタは、
前記チャンネル層の第2部分からなり、前記メインチャンネル層と同じ物質を含み、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置されるサブゲート電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置され、前記サブゲート電極の一側に位置する感知電極と、を含み、
前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅と相違し、
前記抵抗素子は、前記チャンネル層の第3部分からなり、前記メインチャンネル層と同じ物質を含み、前記感知電極と前記メインソース電極との間に位置し、第2二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含み、
前記第2サブドリフト領域の抵抗は、正の温度抵抗係数を有し、
前記感知電極と前記チャンネルパターンとの間の第1コンタクトの抵抗及び前記メインソース電極と前記チャンネルパターンとの間の第2コンタクトの抵抗は、負の温度抵抗係数を有し、
前記第2サブドリフト領域の抵抗、第1コンタクトの抵抗、及び第2コンタクトの抵抗の合計は、温度に関係なく実質的に一定であることを特徴とする半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子に関し、特に、安定した電気的特性を有し、信頼性が向上することができる半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会における半導体素子は、日常生活と密接な関連を有している。
特に、電気自動車、鉄道、電気トラムなどの交通分野、太陽光発電、風力発電などの再生エネルギーシステム、モバイル機器などの様々な分野で使用される電力半導体素子の重要度は徐々に高まっている。
電力半導体素子は、高電圧や高電流を扱うために使用される半導体素子として、大型電力システムや高出力電子装置で電力変換及び制御などの機能を行う。
電力半導体素子は、高い電力を処理することができる能力と耐久性を有しているため、大量の電流を扱うことができ、高電圧に耐えることができる。
例えば、電力半導体素子は、数百ボルトから数千ボルトの電圧、数十アンペアで数千アンペアの電流を処理する。
電力半導体素子は、電力損失を最少化して電気エネルギーの効率性を向上させることができる。
また、電力半導体素子は、高温などの環境でも安定して駆動することができる。
【0003】
このような電力半導体素子は、素材により区分することができ、例えば、SiC電力半導体素子、GaN電力半導体素子がある。
既存のシリコンウエハー(Siwafer)を代えてSiC又はGaNを活用して電力半導体素子を製造することにより、高温で不安定な特性を有するシリコンの短所を補うことができる。
SiC電力半導体素子は、高温に強く電力損失が少なく、電気自動車、再生エネルギーシステムなどに適している。
GaN電力半導体素子は、高費用が要求されるが速度面で効率的であり、モバイル機器の高速充電などに適している。
このような電力半導体素子の安定した電気的特性、信頼性の向上が常に課題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の半導体素子による課題に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、安定した電気的特性を有し、信頼性が向上することができる半導体素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子は、メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタとの間に接続される抵抗素子と、を有する半導体素子において、前記半導体素子は、チャンネル層を含み、前記メイントランジスタは、前記チャンネル層の第1部分からなるメインチャンネル層と、前記メインチャンネル層の上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、前記バリア層の上に配置されるメインゲート電極と、前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、前記メインゲート電極の両側に配置され、前記メインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、前記サブトランジスタは、前記チャンネル層の第2部分からなり、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層と、
前記サブチャンネル層に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、前記サブチャンネル層の上に配置されるサブゲート電極と、前記サブチャンネル層の上に配置され、前記サブゲート電極の一側に位置する感知電極と、を含み、前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅と相違し、前記抵抗素子は、前記チャンネル層の第3部分からなり、前記感知電極と前記メインソース電極との間に電気的に接続され、第2二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含むことを特徴とする。
【0006】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子は、メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタとの間に接続される抵抗素子と、を有する半導体素子において、前記半導体素子は、チャンネル層を含み、前記メイントランジスタは、前記チャンネル層の第1部分からなるメインチャンネル層と、前記メインチャンネル層の上に配置され、前記メインチャンネル層と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含むバリア層と、前記バリア層の上に配置されるメインゲート電極と、前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置されるゲート半導体層と、前記メインゲート電極の両側に配置され、前記メインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、前記サブトランジスタは、前記チャンネル層の第2部分からなり、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層と、前記サブチャンネル層に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、前記サブチャンネル層の上に配置されるサブゲート電極と、
前記サブチャンネル層の上に配置され、前記サブゲート電極の一側に位置する感知電極と、を含み、前記抵抗素子は、前記チャンネル層の第3部分からなり、前記感知電極と前記メインソース電極との間に位置し、第2二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含み、前記感知電極と前記メインソース電極との間の前記チャンネルパターンの長さは、1μm~10μmであることを特徴とする。
【0007】
また、上記目的を達成するためになされた本発明による半導体素子は、メイントランジスタと、前記メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、前記メイントランジスタの他端と前記サブトランジスタとの間に接続される抵抗素子と、を含む半導体素子において、前記半導体素子は、チャンネル層を含み、前記メイントランジスタは、前記チャンネル層の第1部分からなり、GaNを含むメインチャンネル層と、前記メインチャンネル層の上に配置され、AlGaNを含むバリア層と、前記バリア層の上に配置されるメインゲート電極と、前記バリア層と前記メインゲート電極との間に配置され、p型不純物がドーピングされるGaNを含むゲート半導体層と、前記メインゲート電極の両側に配置され、前記メインチャンネル層に接続されるメインソース電極及びメインドレイン電極と、を含み、前記サブトランジスタは、前記チャンネル層の第2部分からなり、前記メインチャンネル層と同じ物質を含み、第1二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第1サブドリフト領域を含むサブチャンネル層と、前記サブチャンネル層に接続され、前記メインドレイン電極の一端から延長されるサブドレイン電極と、前記サブチャンネル層の上に配置されるサブゲート電極と、前記サブチャンネル層の上に配置され、前記サブゲート電極の一側に位置する感知電極と、を含み、前記サブチャンネル層の幅は、前記メインチャンネル層の幅と相違し、前記抵抗素子は、前記チャンネル層の第3部分からなり、前記メインチャンネル層と同じ物質を含み、前記感知電極と前記メインソース電極との間に位置し、第2二次元電子ガス(2DEG)領域を有する第2サブドリフト領域を含むチャンネルパターンを含み、前記第2サブドリフト領域の抵抗は、正の温度抵抗係数を有し、前記感知電極と前記チャンネルパターンとの間の第1コンタクトの抵抗及び前記メインソース電極と前記チャンネルパターンとの間の第2コンタクトの抵抗は、負の温度抵抗係数を有し、前記第2サブドリフト領域の抵抗、第1コンタクトの抵抗、及び第2コンタクトの抵抗の合計は、温度に関係なく実質的に一定であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る半導体素子によれば、メイントランジスタと、メイントランジスタの一端と接続されるサブトランジスタと、メイントランジスタの他端とサブトランジスタとの間に接続される抵抗素子とを有し、サブトランジスタのチャネル層の幅とメイントランジスタのチャネル層の幅を異なるように設計し、さらに、抵抗素子の二次元電子ガスとコンタクトを組み合わせて、抵抗温度係数がゼロに収束するようにすることができる。
その結果、メイントランジスタやサブトランジスタに流れる過大な電流を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態による半導体素子の概略構成を示す回路図である。
図2】本発明の実施形態による半導体素子の概略構成を示す平面図である。
図3図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図4図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図5】本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路領域を示す平面図である。
図6図2のB-B’線に沿って切断した断面図である。
図7図2のC-C’線に沿って切断した断面図である。
図8図2のD-D’線に沿って切断した断面図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子を示す図2のD-D’線に対応する断面図である。
図10】本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図である。
図11】本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子の温度変化による抵抗値を示すグラフである。
図12】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図13】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図14】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図15】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図17】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図18】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図19】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図20】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図である。
図21図20の抵抗素子を含む周辺回路素子を示す平面図である。
図22図20のE-E’線に沿って切断した断面図である。
図23図20の抵抗素子を含む周辺回路素子を示す平面図である。
図24図23のF-F’線に沿って切断した断面図である。
図25】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図である。
図26図25の抵抗素子を含む周辺回路素子を示す平面図である。
図27図26の抵抗素子を拡大して示す平面図である。
図28図27のG-G’線に沿って切断した断面図である。
図29】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子の図27のG-G’線に対応する断面図である。
図30】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す平面図である。
図31】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図である。
図32図31の抵抗素子を拡大して示す平面図である。
図33】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図である。
図34図32の抵抗素子を拡大して示す平面図である。
図35】本発明のいくつかの実施形態による半導体素子を示す回路図である。
図36図35の実施形態による半導体素子を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明に係る半導体素子を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
【0011】
本発明は、様々に異なる形態で具現されることがあり、ここで説明する実施形態に限定されない。
本発明を明確に説明するため、説明と関係のない部分は省略し、明細書全体にわたって同一又は類似の構成要素については、同一の参照符号を付けるようにする。
また、図面に示される各構成の大きさ及び厚さは、説明の便宜上、任意に示しているので、本発明が必ずしも示したものに限定されない。
図面において、いくつかの層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。
そして、図面において、説明の便宜上、一部層及び領域の厚さを誇張して示した。
また、層、膜、領域、板などの部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「真上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。
逆にある部分が他の部分の「真上」にあるという時は、中間に他の部分がないことを意味する。
また、基準となる部分の「上に」あるというのは、基準となる部分の上又は下に位置するものであり、必ずしも重力の反対方向の方に「上に」位置することを意味するものではない。
【0012】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」と言う時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
「第1」、「第2」、「第3」などのような序数は、特定の要素、段階などを互いに区別するために、単に該要素、段階などのラベルに使用し得る。
明細書における「第1」、「第2」などを使用して説明されない用語は、特許請求の範囲において依然として「第1」又は「第2」と称し得る。
また、特定の序数(例えば、特定の請求項において「第1」)に参照される用語は、他のところで他の序数(例えば、明細書又は他の請求項において「第2」)と記述され得る。
【0013】
図1は、本発明の実施形態による半導体素子の概略構成を示す回路図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による半導体素子は、メイントランジスタ100を含むメイン素子領域MA、周辺回路素子300を含む周辺回路領域PA、及び感知部500を含む。
メイン素子領域MA内には、メイントランジスタ100が配置される半導体素子の領域である。
例えば、メイントランジスタ100は、ノーマリオフ高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)である。
但し、これに限定されず、メイントランジスタ100は、ノーマリオン高電子移動度トランジスタであり得る。
【0014】
メイントランジスタ100は、ゲート電極G、ドレイン電極D、及びソース電極Sを含む。
メイントランジスタ100は、ゲート電極Gに印加されるゲート信号により、ドレイン電極Dとソース電極Sとの間にドレイン-ソース間の電流を制御する。
例えば、メイントランジスタ100のゲート電極Gに、ターンオン信号が印加される場合、電流は、ドレイン電極Dからソース電極Sに流れる。
これにより、電流は、ノードN1からメイントランジスタ100を介してノードN2に流れる。
【0015】
ドレイン電極Dには、電源電圧VDが供給され、ソース電極Sには、電源電圧VSが供給される。
電源電圧VSの大きさは、電源電圧VDの大きさより小さい。
例えば、電源電圧VSは、グラウンド電圧である。
ここにおいて、ドレイン電極Dは、一実施形態によるメイントランジスタ100のメインドレイン電極(図2の175m)を意味し、ソース電極Sは、一実施形態によるメイントランジスタ100のメインソース電極(図2の173m)を意味する。
また、電源電圧VDは、メイントランジスタ100のメインドレイン電極(図2の175m)に供給される電圧を意味する。
電源電圧VSは、メイントランジスタ100のメインソース電極(図2の173m)に供給される電圧を意味する。
【0016】
一実施形態による半導体素子の周辺回路領域PAは、周辺回路素子300が配置される領域を意味する。
具体的には、一実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、メイントランジスタ100の一端と電気的に接続されるサブトランジスタ310及びメイントランジスタ100の他端とサブトランジスタ310との間に電気的に接続される抵抗素子320を含む。
一実施形態による周辺回路素子300は、電流分配器(Current Divider)の役割を果たす。
但し、これに限定されず、例えば、周辺回路素子300は、キャパシタ又はインダクタなどの受動素子を含むか、又はトランジスタ、ダイオード、論理素子などの能動素子を含むこともできる。
また他の例として、周辺回路素子300は、電圧分配器(Voltage Divider)、電圧クリッパ(Voltage Clipper)、メイントランジスタ100の保護素子などの回路を含み得る。
【0017】
以下、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300がサブトランジスタ310及び抵抗素子320を含む場合について説明する。
サブトランジスタ310は、ゲート電極G1、ドレイン電極D1、及びソース電極S1を含む。
サブトランジスタ310は、ゲート電極G1に印加されるゲート信号によりドレイン電極D1とソース電極S1との間にドレイン-ソース間の電流を制御する。
例えば、サブトランジスタ310のゲート電極G1にターンオン信号が印加される場合、電流は、ドレイン電極D1からソース電極S1に流れる。
サブトランジスタ310は、メイントランジスタ100の一端と電気的に接続される。
サブトランジスタ310は、抵抗素子320(例えば、抵抗)とメイントランジスタ100との間に電気的に接続される。
例えば、サブトランジスタ310のドレイン電極D1は、第1ノードN1を介してメイントランジスタ100のドレイン電極Dと電気的に接続され、サブトランジスタ310の第2電極S2は、ノードN4を介して抵抗素子320と電気的に接続される。
サブトランジスタ310のドレイン電極D1は、第1ノードN1を介して電源電圧VDを供給する第1電源と電気的に接続される。
また、サブトランジスタ310の第2電極S2は、ノードN4を介して感知部500と電気的に接続される。
【0018】
また、サブトランジスタ310のゲート電極G1は、ノードN3を介してメイントランジスタ100のゲート電極Gと電気的に接続される。
これにより、サブトランジスタ310のゲート電極G1及びメイントランジスタ100のゲート電極Gに同じ信号が印加される。
例えば、メイントランジスタ100のゲート電極Gにターンオン信号が印加される場合、サブトランジスタ310のゲート電極G1にこれと同じターンオン信号が印加される。
又は、メイントランジスタ100のゲート電極Gにターンオフ信号が印加される場合、サブトランジスタ310のゲート電極G1にこれと同じターンオフ信号が印加される。
従って、メイントランジスタ100のゲート電極Gにターンオン信号が印加され、メイントランジスタ100のドレイン電極Dからソース電極Sに電流が流れる場合、サブトランジスタ310のドレイン電極D1からソース電極S1に電流が一緒に流れる。
【0019】
即ち、メイントランジスタ100がターンオンされる場合、サブトランジスタ310も一緒にターンオンされる。
ここにおいて、サブトランジスタ310のドレイン電極D1は、一実施形態によるサブトランジスタ310のサブドレイン電極(図2の175s)を意味し、サブトランジスタ310のソース電極S1は、一実施形態によるサブトランジスタ310の感知電極(図2のSE)を意味し、サブトランジスタ310のゲート電極G1は、一実施形態によるサブトランジスタ310のサブゲート電極(図2の155s)を意味する。
サブトランジスタ310は、分離構造物(図2の160)により区分され、周辺回路領域PAに位置するメイントランジスタ100の一部に構成されるが、これに限定されるものではない。
【0020】
抵抗素子320は、メイントランジスタ100とサブトランジスタ310との間を電気的に接続する。
図1に示すように、抵抗素子320の一端は、ノードN2を介してメイントランジスタ100のソース電極Sと電気的に接続される。
抵抗素子320の一端は、ノードN2を介してメイントランジスタ100のメインソース電極(図2の175s)と電気的に接続される。
また、抵抗素子320の一端は、ノードN2を介して電源電圧VSを有する第2電源に接続される。
これにより、抵抗素子320の一端に電源電圧VSが供給される。
また、抵抗素子320の他端は、ノードN4を介してサブトランジスタ310のソース電極S1及び感知部500と電気的に接続される。
一実施形態による抵抗素子320は、感知電極(図2のSE)とサブドレイン電極(図2の175s)との間の抵抗に対応する。
また、ノードN4は、感知電極(図2のSE)に対応する地点である。
これに関する説明は、図2図8を参照して後述する。
【0021】
感知部500(例えば、感知回路)は、サブトランジスタ310及び抵抗素子320に電気的に接続される。
例えば、感知部500は、ノードN4を介してサブトランジスタ310のソース電極S1及び抵抗素子320の一端に電気的に接続される。
感知部500は、サブトランジスタ310のソース電極S1及び/又は抵抗素子320の一端の電圧(例えば、ノードN4の感知電圧VCS)を感知する。
一実施形態による感知部500は、感知した電圧に基づいてメイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310に過剰な電流が流れる場合を検出する。
【0022】
具体的には、メイントランジスタ100がターンオンされる場合、電流は、メイントランジスタ100のドレイン電極Dからソース電極Sに流れる。
一方、前述のように、メイントランジスタ100のゲート電極Gとサブトランジスタ310のゲート電極G1が電気的に接続されているので、メイントランジスタ100がターンオンされる場合、サブトランジスタ310も一緒にターンオンされる。
これにより、サブトランジスタ310がターンオンされる場合、電流は、サブトランジスタ310のドレイン電極D1からソース電極S1に一緒に流れ、ノードN4を通って抵抗素子320を通って流れる。
従って、サブトランジスタ310を通って流れる電流の大きさに比例して抵抗素子320で電圧降下が起こる。
サブトランジスタ310を通って流れる電流の大きさに比例して、ノードN4の感知電圧VCSが決定される。
【0023】
また、メイントランジスタ100に流れる電流の大きさと、サブトランジスタ310に流れる電流の大きさは、電流分配(Current divider)により決定される。
従って、メイントランジスタ100を通って流れる電流の大きさに依存してノードN4の感知電圧VCSが決定される。
一例として、メイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310内に過剰な電流が流れる場合、ノードN4の感知電圧VCSは、予め貯蔵された範囲の感知電圧VCSより大きい。
従って、感知部500は、感知した感知電圧VCSの大きさに基づいて、メイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310に流れる電流の大きさを算出することができる。
即ち、感知部500は、予め貯蔵された範囲の電圧より大きい範囲の感知電圧VCSが検出される場合、メイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310に過剰な電流が流れるか否かを検出することができる。
【0024】
例示的な実施形態による感知部500は、検出した信号(例えば、電流及び/又は電圧)に基づいて、半導体素子に追加的な動作を行うように制御する。
例えば、メイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310に過剰な電流が流れる場合、感知部500は、半導体素子の駆動を停止する機能をさらに行う。
又は、感知部500は、メイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310に流れる電流が予め設定された範囲内に動作するように補償、保護する機能をさらに行うこともできる。
ここにおいて、補償回路は、半導体素子が予め設定された範囲内に動作するように、メイントランジスタ100及び/又はサブトランジスタ310の動作損失を補償する回路を意味する。
保護素子は、過電流(over current)保護素子、過電圧(over voltage)保護素子、過熱(over temperature)保護素子、断線保護素子、静電気放電(Electro Static Discharge)保護素子、LDO(Low Drop-output)レギュレーターなどのようにメイントランジスタ100を含む半導体素子が破壊されることを防止する回路等であり得る。
【0025】
以下、図2図4を参照して本発明の実施形態による半導体素子のメイントランジスタ100に対して説明する。
図2は、本発明の実施形態による半導体素子の概略構成を示す平面図であり、図3及び図4は、図2のA-A’線に沿って切断した断面図である。
図3は、本発明の実施形態による半導体素子がオフ(off)状態である場合を示し、図4は、本発明の実施形態による半導体素子がオン(on)状態である場合を示す。
図2を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路領域PAは、メイン素子領域MAと離隔して配置される。
【0026】
例えば、周辺回路領域PAは、メイン素子領域MAと第2方向(Y方向)に離隔して配置されるが、これに限定されるものではない。
例えば、周辺回路領域PAは、メイン素子領域MAと第1方向(X方向)に離隔して配置されるか、メイン素子領域MAの側面を囲むこともできる。
その他の様々な変更が可能であることはもちろんである。
一実施形態において、周辺回路領域PAとメイン素子領域MAとの間に分離構造物160が配置されるが、これに限定されるものではない。
半導体素子は、チャンネル層132、ゲート電極層155、及びドレイン電極層175を含む。
チャンネル層132の一部分、ゲート電極層155の一部分、及びドレイン電極層175の一部分は、メイン素子領域MAに配置される。
チャンネル層132の他の部分、ゲート電極層155の他の部分、及びドレイン電極層175の他の部分は、周辺回路領域PAに配置される。
【0027】
図2及び図3を参照すると、半導体素子のメイントランジスタ100は、メインチャンネル層132m、メインチャンネル層132mの上に配置されるバリア層136、バリア層136の上に配置されるメインゲート電極155m、バリア層136とメインゲート電極155mとの間に配置されるゲート半導体層152m、バリア層136の上に配置される保護層140、メインチャンネル層132mの上に互いに離隔して配置されるメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mを含む。
メインチャンネル層132mは、メイン素子領域MAに配置されるチャンネル層132の一部分である。
メインゲート電極155mは、メイン素子領域MAに配置されるゲート電極層155の一部分である。
メインソース電極173mは、メイン素子領域MAに配置されるソース電極層173の一部分であり、感知電極SEは、周辺回路領域PAに配置されるソース電極層173の一部分である。
【0028】
メインチャンネル層132mは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間にチャンネルを形成する層として、メインチャンネル層132mの内部には二次元電子ガス(2dimensional electron gas:2DEG)領域134mが配置される。
具体的には、2DEG領域134mは、メインチャンネル層132mとバリア層136との間の界面でメインチャンネル層132mに相対的に近接した領域に配置される。
2DEG領域134mは、メインチャンネル層132mのメインドリフト領域DTRm内に位置する。
2DEG領域134mは、二次元(例えば、x-y平面方向)上では自由に働くことができるが、他の一次元(例えば、z方向)には動くことができず、二次元内にしっかり拘束されている電子の群れを意味する。
【0029】
即ち、2DEG領域134mは、三次元空間内で二次元の紙(例えば、平面)のような形態で存在する。
従って、2DEG領域134mにおける電子の移動は、二次元電子ガスモデルにより理解及び/又は予測され、二次元電子ガスと称し得る。
このような2DEG領域134mは、半導体異種接合構造で主に現れ、本発明の実施形態による半導体素子では、メインチャンネル層132mとバリア層136との間の界面で発生する。
例えば、メインチャンネル層132m内でバリア層136と隣接した部分に2DEG領域134mが発生する。
【0030】
メインチャンネル層132mは、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中の選択される1つ以上の物質を含み得る。
メインチャンネル層132mは、単層(例えば、同じ蒸着工程又は同じ成長工程に形成された均質な層)又は多層からなる。
メインチャンネル層132mは、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、メインチャンネル層132mは、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
メインチャンネル層132mは、不純物がドーピングされた層であり得、不純物がドーピングされない(undoped)層であり得る。
メインチャンネル層132mの厚さは、約数百nm以下であり得る。
【0031】
メインチャンネル層132mは、基板110の上に配置され、基板110とメインチャンネル層132mとの間には、シード層121、及びバッファ層120が配置される。
基板110、シード層121、及びバッファ層120は、メインチャンネル層132mを形成するために必要な層であり、場合により省略され得る。
例えば、GaNからなる基板をメインチャンネル層132mで用いる場合には、基板110、シード層121、及びバッファ層120の内の少なくとも1つが省略され得る。
GaNからなる基板は、価格が比較的に高いと点を考慮して、Siからなる基板110を用いてGaNを含むメインチャンネル層132mを成長させることができる。
その際、Siの格子構造とGaNの格子構造が異なるため、基板110の真上にメインチャンネル層132mを成長させることが容易ではないことがある。
これにより、基板110の上にシード層121及びバッファ層120を先に成長させた後、バッファ層120の上にメインチャンネル層132mを成長させる。
また、基板110、シード層121、及びバッファ層120の内の少なくとも1つが製造工程で用いられた後、半導体素子の最終構造では除去されることもある。
【0032】
基板110は、半導体物質を含む。
例えば、基板110は、サファイア(sapphire)、Si、SiC、AlN、GaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
基板110は、SOI(Silicon on Insulator)基板であり得る。
但し、基板110の材質は、これに限定されない。
場合により、基板110は、絶縁物質を含み得る。
例えば、半導体基板上にメインチャンネル層132mをはじめとする複数の層を先に形成した後、半導体基板を除去して絶縁基板に置き換えることができる。
【0033】
シード層121は、基板110の真上に配置される。
但し、これに限定されず、基板110とシード層121との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
シード層121は、バッファ層120を成長させるためのシード役割を果たす層として、バッファ層120のシードとなる結晶格子構造物からなることができる。
バッファ層120は、シード層121の真上に配置される。
但し、これに限定されず、シード層121とバッファ層120との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
シード層121は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中の選択される1つ以上の物質を含み得る。
シード層121は、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、シード層121は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0034】
バッファ層120は、シード層121の上に配置される。
バッファ層120は、シード層121とメインチャンネル層132mとの間に配置される。
バッファ層120は、シード層121とメインチャンネル層132mとの間の格子定数及び熱膨張係数の差を緩和させるか、メインチャンネル層132mを介して寄生電流(leakage current)が流れることを防止するための層である。
例えば、バッファ層120は、シード層121とメインチャンネル層132mとの間に格子定数を有する結晶性物質を含む1つ以上の層からなることができる(格子定数は、一定又は徐々に変更され得る)。
バッファ層120は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
バッファ層120は、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、バッファ層120は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
【0035】
半導体素子のバッファ層120は、シード層121の上に配置される超格子層124、及び超格子層124の上に配置される高抵抗層126を含む。
超格子層124、及び高抵抗層126は、基板110の上に順次に配置される。
超格子層124は、シード層121の上に配置される。
超格子層124は、シード層121の真上に配置される。
但し、これに限定されず、シード層121と超格子層124との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
超格子層124は、基板110とメインチャンネル層132mとの間の格子定数及び熱膨張係数の差を緩和させ、これにより基板110とメインチャンネル層132mとの間に発生する引張応力(tensile stress)及び圧縮応力(compressive stress)を緩和させ、一実施形態による半導体素子の最終構造における成長により形成された全体層間の応力を緩和させるための層である。
【0036】
超格子層124は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
超格子層124は、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、超格子層124は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
一実施形態による超格子層124は、異なる物質を含む層が交互に積層された多層からなり得る。
例えば、超格子層124は、AlGaNからなる層とAlNからなる層が繰り返し積層されている構造を有する。
即ち、AlGaN/AlN/AlGaN/AlN/AlGaN/AlNが順次に積層されて超格子層を形成する。
超格子層124を構成するAlGaN層とGaNの数は、様々に変更することができ、超格子層124を構成する物質は、様々に変更することができる。
他の例として、超格子層124は、AlGaNからなる層とGaNからなる層が繰り返し積層されている構造を有する。
即ち、AlGaN/GaN/AlGaN/GaN/AlGaN/GaNが順次に積層されて超格子層を形成する。
例示的な実施形態において、超格子層124が、GaN、InN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせなどを含む場合、超格子層124は、キャリア電子の濃度がキャリア正孔の濃度より大きいn型半導体特性を有するが、これに限定されるものではない。
【0037】
高抵抗層126は、超格子層124の上に配置される。
高抵抗層126は、超格子層124の真上に配置される。
但し、これに限定されず、超格子層124と高抵抗層126との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
高抵抗層126は、超格子層124とメインチャンネル層132mとの間に配置される。
高抵抗層126は、メインチャンネル層132mを介して漏洩電流(leakage current)が流れることを防止することにより、本発明の実施形態による半導体素子が劣化することを防止するための層である。
高抵抗層126は、基板110とメインチャンネル層132mとの間が電気的に絶縁されるように伝導性が低い物質からなることができる。
高抵抗層は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
高抵抗層126は、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、高抵抗層126は、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
高抵抗層126は、単層又は多層からなり得る。
例示的な実施形態において、高抵抗層126が、GaN、InN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせなどを含む場合、高抵抗層126は、電子の濃度が正孔の濃度より大きいn型半導体特性を有するが、これに限定されるものではない。
【0038】
バリア層136は、メインチャンネル層132mの上に配置される。
バリア層136は、メインチャンネル層132mの真上に配置される。
但し、これに限定されず、メインチャンネル層132mとバリア層136との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間でバリア層136と重畳するメインチャンネル層132mの領域がメインドリフト(drift)領域DTRmとなる。
メインドリフト領域DTRmは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
メインドリフト領域DTRmは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電位差が発生する時に、キャリアが移動する領域を意味する。
一実施形態による半導体素子は、メインゲート電極155mに電圧が印加されるか否か及び/又はメインゲート電極155mに印加される電圧の大きさによりオン/オフし、これにより、メインドリフト領域DTRmでキャリアの移動が行われたり、遮断されたりする。
【0039】
バリア層136は、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
バリア層136は、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
バリア層136は、GaN、InN、AlGaN、AlInN、InGaN、AlN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせなどを含み得る。
バリア層136のエネルギーバンドギャップは、Al及び/又はInの組成比により調整することができる。
バリア層136は、所定の不純物でドーピングされる。
その際、バリア層136にドーピングされる不純物は、正孔(hole)を提供することができるp型ドーパントである。
例えば、バリア層136にドーピングされる不純物は、マグネシウム(Mg)であり得る。
バリア層136の不純物ドーピング濃度を高めたり低めたりすることにより、本発明の実施形態による半導体素子のしきい電圧、オン抵抗などを調整することができる。
【0040】
バリア層136は、メインチャンネル層132mと異なる特性を有する半導体物質を含む。
バリア層136は、メインチャンネル層132mと分極特性、エネルギーバンドギャップ、又は格子定数の内の少なくともいずれか1つが異なり得る。
例えば、バリア層136は、メインチャンネル層132mと異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含む。
その際、バリア層136は、メインチャンネル層132mより高いエネルギーバンドギャップを有し、メインチャンネル層132mより高い電気分極率を有する。
このようなバリア層136により、相対的に電気分極率が低いメインチャンネル層132mに2DEG領域134mが誘発される。
このような点で、バリア層136は、チャンネル供給層又は二次元電子ガス供給層と称し得る。
2DEG領域134mは、メインチャンネル層132mとバリア層136との間の界面の下に位置するメインチャンネル層132mの部分内に形成される。
2DEG領域134mは、非常に高い電子移動度(electron mobility)を有する。
バリア層136は、単層又は多層からなり得る。
バリア層136が多層からなる場合、多層を構成する各層の物質は、エネルギーバンドギャップと異なり得る。
その際、バリア層136を構成する複数の層は、メインチャンネル層132mに近いほどエネルギーバンドギャップが大きくなるように配置される。
【0041】
メインゲート電極155mは、バリア層136の上に配置される。
メインゲート電極155mは、バリア層136の一部領域と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
メインゲート電極155mは、メインチャンネル層132mのメインドリフト領域DTRmの一部と垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
メインゲート電極155mは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
メインゲート電極155mは、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと離隔される。
例えば、メインゲート電極155mは、メインドレイン電極175mよりメインソース電極173mにさらに近く位置する。
即ち、メインゲート電極155mとメインソース電極173mとの間の離隔距離が、メインゲート電極155mとメインドレイン電極175mとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されるものではない。
メインゲート電極155mは、導電性物質を含む。
例えば、メインゲート電極155mは、金属、金属合金、導電性金属窒化物、金属シリサイド、ドーピングされた半導体物質、導電性金属酸化物、又は導電性金属窒酸化物などを含み得る。
【0042】
例えば、メインゲート電極155mは、チタニウム窒化物(TiN)、タンタル炭化物(TaC)、タンタル窒化物(TaN)、チタニウムシリコン窒化物(TiSiN)、タンタルシリコン窒化物(TaSiN)、タンタルチタニウム窒化物(TaTiN)、チタニウムアルミニウム窒化物(TiAlN)、タンタルアルミニウム窒化物(TaAlN)、タングステン窒化物(WN)、ルテニウム(Ru)、チタニウムアルミニウム(TiAl)、チタニウムアルミニウム炭化窒化物(TiAlC-N)、チタニウムアルミニウム炭化物(TiAlC)、チタニウム炭化物(TiC)、タンタル炭化窒化物(TaCN)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、チタニウム(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル白金(Ni-Pt)、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、ニオブ炭化物(NbC)、モリブデン(Mo)、モリブデン窒化物(MoN)、モリブデン炭化物(MoC)、タングステン炭化物(WC)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに制限されるものではない。
メインゲート電極155mは、単層又は多層からなり得る。
【0043】
ゲート半導体層152mは、バリア層136とメインゲート電極155mとの間に配置される。
即ち、バリア層136の上にゲート半導体層152mが配置され、ゲート半導体層152mの少なくとも一部を覆うようにゲート半導体層152mの上にメインゲート電極155mが配置される。
メインゲート電極155mは、ゲート半導体層152mにショットキー接触(Schottky contact)又はオーミック接触(ohmic contact)する。
ゲート半導体層152mは、メインゲート電極155mと垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
その際、ゲート半導体層152mは、メインゲート電極155mと垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に完全に重畳し、ゲート半導体層152mの上部面は、全体的にメインゲート電極155mにより覆われる。
即ち、ゲート半導体層152mは、メインゲート電極155mと実質的に同じ平面形状を有する。
但し、これに限定されず、他の例として、メインゲート電極155mは、ゲート半導体層152mの一部を覆うように配置することもできる。
【0044】
ゲート半導体層152mは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
ゲート半導体層152mは、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと離隔される。
ゲート半導体層152mは、メインドレイン電極175mよりメインソース電極173mにさらに近く配置される。
即ち、ゲート半導体層152mとメインソース電極173mとの間の離隔距離が、ゲート半導体層152mとメインドレイン電極175mとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されるものではない。
ゲート半導体層152mは、メインゲート電極155mと垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
例えば、ゲート半導体層152mは、メインゲート電極155mと垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に完全に重畳する。
即ち、ゲート半導体層152mの側面は、メインゲート電極155mの側面と整列する。
但し、これに限定されず、ゲート半導体層152mは、メインゲート電極155mと一部重畳させることもある。
【0045】
ゲート半導体層152mは、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
ゲート半導体層152mは、「AlInGa1-x-yN」(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)であり得る。
例えば、ゲート半導体層152mは、AlN、GaN、InN、InGaN、AlGaN、AlInN、AlInGaN、又はこれらの組み合わせを含み得る。
ゲート半導体層152mは、バリア層136と異なるエネルギーバンドギャップを有する物質を含む。
例えば、ゲート半導体層152mは、GaNを含み、バリア層136は、AlGaNを含む。
ゲート半導体層152mは、所定の不純物でドーピングされる。
その際、ゲート半導体層152mにドーピングされる不純物は、正孔(hole)を提供することができるp型ドーパントである。
例えば、ゲート半導体層152mは、p型不純物がドーピングされているGaNを含む。
即ち、ゲート半導体層152mは、p-GaN層からなることができる。
但し、これに限定されず、ゲート半導体層152mは、例えば、p-AlGaN層であり得る。
ゲート半導体層152mにドーピングされる不純物は、マグネシウム(Mg)であり得る。
その際、ゲート半導体層152m内にドーピングされた不純物(例えば、マグネシウム)と隣接した所定の元素が結合する場合、ゲート半導体層152m内に正孔濃度が減少する、これにより、半導体素子の特性が劣化する可能性がある。
ゲート半導体層152mは、単層又は多層からなる。
【0046】
ゲート半導体層152mにより、メインチャンネル層132m内に、空乏(depletion)領域DPRmが形成される。
空乏領域DPRmは、メインドリフト領域DTRm内に位置し、メインドリフト領域DTRmより狭い幅を有する。
バリア層136の上にバリア層136と異なるエネルギーバンドギャップを有するゲート半導体層152mが配置されることにより、ゲート半導体層152mと重畳するバリア層136の部分のエネルギーバンドの準位が高くなる。
これにより、ゲート半導体層152mと重畳するメインチャンネル層132mの領域に空乏領域DPRmが形成される。
空乏領域DPRmは、メインチャンネル層132mのチャンネル経路の内の2DEG領域134mが形成されないか又は、残りの領域より低い電子濃度を有する領域であり得る。
即ち、空乏領域DPRmは、メインドリフト領域DTRm内で2DEG領域134mの流れが切れる領域を意味する。
空乏領域DPRmが発生することにより、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流が流れず、チャンネル経路が遮断される。
これにより、本発明の実施形態による半導体素子は、ノーマリーオフ(normally off)特性を有する。
従って、本発明の実施形態による半導体素子は、ノーマリーオフ高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)であり得る。
【0047】
図3に示すように、メインゲート電極155mに電圧が印加されないノーマル(normal)状態では空乏領域DPRmが存在し、本発明の実施形態による半導体素子は、オフ(off)状態である。
図4に示すように、メインゲート電極155mにしきい電圧(threshold voltage)以上の電圧が印加されると、空乏領域DPRmが消え、メインドリフト領域DTRm内で2DEG領域134mが切れず、接続される。
即ち、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間のチャンネル経路全体に2DEG領域134mが形成され、半導体素子は、オン(on)状態になる。
まとめると、半導体素子は、電気分極(polarization)特性が異なる半導体層を含み、相対的に大きい分極率を有する半導体層は、それと異種接合された他の半導体層に2DEG領域134mを誘発させる。
このような2DEG領域134mは、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間のチャンネルとして用いることができ、このような2DEG領域134mの流れが続いたり切れたりすることは、メインゲート電極155mに印加されるバイアス電圧により制御される。
ゲートオフの状態(例えば、メインゲート電極155mにしきい電圧以上の電圧が印加されない場合)で、2DEG領域134mの流れが遮断され、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流が流れない。
ゲートオンの状態(例えば、メインゲート電極155mにしきい電圧以上の電圧が印加される場合)で、2DEG領域134mの流れが続くことによって、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流が流れる。
【0048】
上記では、本発明の実施形態による半導体素子がノーマリーオフ高電子移動度トランジスタである場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、本発明の実施形態による半導体素子は、ノーマリーオン高電子移動度トランジスタでもあり得る。
ノーマリーオン高電子移動度トランジスタの場合、ゲート半導体層152mが省略され、これにより、メインゲート電極155mがバリア層136の真上に配置される。
即ち、メインゲート電極155mがバリア層136と接する。
このような構造では、メインゲート電極155mに電圧が印加されない状態で2DEG領域134mをチャンネルとして用いることができ、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に電流の流れが発生する。
また、メインゲート電極155mにマイナス電圧が印加される時、メインゲート電極155mの下部で2DEG領域134mの流れが切れる空乏領域DPRmが発生する。
【0049】
先に説明したシード層121、超格子層124、高抵抗層126、メインチャンネル層132m、バリア層136、及びゲート半導体層152mは、基板110の上に順次に積層される。
本発明の実施形態による半導体素子において、シード層121、超格子層124、高抵抗層126、メインチャンネル層132m、バリア層136、及びゲート半導体層152mの内の少なくとも1つは省略され得る。
このようなシード層121、超格子層124、高抵抗層126、メインチャンネル層132m、バリア層136、及びゲート半導体層152mは、同じ基盤の半導体物質からなり得、各層の役割、半導体素子に要求される性能などを考慮して、各層の物質組成比が異なる。
【0050】
保護層140は、バリア層136及びメインゲート電極155mの上に配置される。
保護層140は、メインゲート電極155mの上部面と側面、及びゲート半導体層152mの側面を覆う。
保護層140の下部面は、バリア層136及びメインゲート電極155mと接する。
これにより、バリア層136、ゲート半導体層152m、及びメインゲート電極155mは、保護層140により保護される。
但し、これに限定されず、メインゲート電極155mが保護層140を貫いてゲート半導体層152mと接続され、保護層140がメインゲート電極155mの上部面を覆わないこともあり得る。
又は、保護層140の下部面は、ゲート半導体層152mと接することもできる。
保護層140は、絶縁物質を含む。
例えば、保護層140は、SiOやAlなどのような酸化物を含む。
他の例として、保護層140は、SiNのような窒化物やSiONのような酸窒化物を含み得る。
図3及び図4においては、保護層140が単層からなるものとして示したが、これに限定されず、保護層140は、異なる物質を含む多層からなることもできる。
【0051】
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの上に配置される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mと接し、メインチャンネル層132mと電気的に接続される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、第2方向(Y方向)に延長される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、互いに離隔し、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間にメインゲート電極155m及びゲート半導体層152mが位置する。
メインゲート電極155m及びゲート半導体層152mは、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mから離隔される。
例えば、メインソース電極173mは、メインゲート電極155mの一側で、メインチャンネル層132mと電気的に接続され、メインドレイン電極175mは、メインゲート電極155mの他側で、メインチャンネル層132mと電気的に接続される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mのメインドリフト領域DTRmの外側に位置する。
【0052】
一実施形態によるメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの少なくとも一部をリセスした空間内に配置される。
図3及び図4に示すように、メインチャンネル層134mと接するメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの表面は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの下部面及び側面を含む。
メインソース電極173mとメインチャンネル層132mとの間の内側境界面が、メインドリフト領域DTRmの一側縁である。
同様に、メインドレイン電極175mとメインチャンネル層132mとの間の境界面が、メインドリフト領域DTRmの他側縁である。
他の例として、メインチャンネル層132mがリセスされないこともあり、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mをメインチャンネル層132mの上部面の上に配置することもできる。
この場合、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの底面がメインチャンネル層132mの上部面と接する。
【0053】
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと接するメインチャンネル層132mの部分は、高濃度にドーピングされる。
その際、2DEG領域134mを通過したキャリアが高濃度にドーピングされているメインチャンネル層132mの部分、即ち、2DEG領域134mの上部を通過してメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mに伝達される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mが2DEG領域134mと水平方向に接しないこともある。
ここにおいて、水平方向は、メインチャンネル層132m又はバリア層136の上部面に並ぶ方向を意味する。
保護層140及びバリア層136を貫いて、メインチャンネル層132mの上部面をリセスするトレンチが、メインゲート電極155mの両側に互いに離隔するように配置される。
メインゲート電極155mの両側に位置するトレンチ内にそれぞれのメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mが配置される。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、トレンチ内を充填するように形成される。
【0054】
トレンチ内で、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132m及びバリア層136と接する。
メインチャンネル層132mがトレンチの底面及び側壁を形成し、バリア層136がトレンチの側壁を形成する。
従って、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの上部面及び側面と接する。
また、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、バリア層136の側面と接する。
即ち、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132m及びバリア層136の側面を覆う。
【0055】
一実施形態によるメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、保護層140の側面の少なくとも一部を覆う。
例えば、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、保護層140の側面全体を覆う。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの上部面は、保護層140の上部面より突出する。
また、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの内の少なくともいずれか1つが、保護層140の上部面の少なくとも一部を覆う。
但し、これに限定されず、保護層140の残りの一部は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの上部面の上に配置することもできる。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、導電性物質を含む。
例えば、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、金属、金属合金、導電性金属窒化物、金属シリサイド、ドーピングされた半導体物質、導電性金属酸化物、又は導電性金属窒酸化物などを含み得る。
【0056】
例えば、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、チタニウム窒化物(TiN)、タンタル炭化物(TaC)、タンタル窒化物(TaN)、チタニウムシリコン窒化物(TiSiN)、タンタルシリコン窒化物(TaSiN)、タンタルチタニウム窒化物(TaTiN)、チタニウムアルミニウム窒化物(TiAlN)、タンタルアルミニウム窒化物(TaAlN)、タングステン窒化物(WN)、ルテニウム(Ru)、チタニウムアルミニウム(TiAl)、チタニウムアルミニウム炭化窒化物(TiAlC-N)、チタニウムアルミニウム炭化物(TiAlC)、チタニウム炭化物(TiC)、タンタル炭化窒化物(TaCN)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、コバルト(Co)、チタニウム(Ti)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、白金(Pt)、ニッケル白金(Ni-Pt)、ニオブ(Nb)、ニオブ窒化物(NbN)、ニオブ炭化物(NbC)、モリブデン(Mo)、モリブデン窒化物(MoN)、モリブデン炭化物(MoC)、タングステン炭化物(WC)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、金(Au)、亜鉛(Zn)、バナジウム(V)、又はこれらの組み合わせを含み得るが、これに制限されるものではない。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、単層又は多層からなることができる。
メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mにオーミック接触(ohmic contact)する。
メインチャンネル層132m内でメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと接触する領域は、他の領域に比べて相対的に高濃度にドーピングされる。
【0057】
図3及び図4においては、本発明の実施形態による半導体素子が一対のメインソース電極173m及びメインドレイン電極175mを含むものとして示したが、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mの数は、これに限定されるものではない。
例えば、メインソース電極173mは、メインチャンネル層132mの上に垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に順次に積層された複数のソース電極を含み、メインドレイン電極175mは、メインチャンネル層132mの上に垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に順次に積層された複数のドレイン電極を含む。
又は、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mのそれぞれは、3個以上の層を含むこともできる。
【0058】
図には示していないが、本発明の実施形態による半導体素子は、保護層140の少なくとも一部を覆うフィールド分散層をさらに含むことができる。
フィールド分散層は、メインソース電極173mとメインドレイン電極175mとの間に配置される。
フィールド分散層は、メインゲート電極155mを覆う。
フィールド分散層は、メインゲート電極155mと垂直方向(例えば、メインチャンネル層132mの厚さ方向)に重畳する。
フィールド分散層は、メインソース電極173mと電気的に接続される。
例えば、フィールド分散層は、メインソース電極173mと接続される。
フィールド分散層は、メインソース電極173mと同じ物質を含み、メインソース電極173mと同じ層に位置する。
フィールド分散層は、メインソース電極173mと同じ工程で同時に形成され得る(例えば、同じ導電型層のパターン構成であり得る)。
フィールド分散層とメインソース電極173mとの間の境界は、明確ではなく、フィールド分散層は、メインソース電極173mと一体になることがある。
但し、これに限定されず、フィールド分散層がメインソース電極173mと分離された別途の構成要素であり得る。
また、フィールド分散層が、メインソース電極173mと異なる層に配置することもでき、異なる工程で形成することもある。
【0059】
フィールド分散層は、メインゲート電極155mの周辺に集中する電界を分散させる役割を果たす。
具体的には、ゲートオフ状態で、メインゲート電極155mとメインソース電極173mとの間に位置するメインチャンネル層132mの部分と、メインゲート電極155mとメインドレイン電極175mとの間に位置するメインチャンネル層132mの部分には、2DEG領域134mが非常に高い濃度を有して位置する。
この場合、メインゲート電極155m又はゲート半導体層152mに、電界(Electric Field)が集中される。
一方、メインゲート電極155m及びゲート半導体層152mは、電界に弱く電界が集中する時に、漏洩電流(leakage current)が増加し、メイントランジスタ100の降伏電圧(breakdown voltage)が減少する可能性がある。
その際、フィールド分散層により、メインゲート電極155m又はゲート半導体層152mの周辺に集中する電界を分散して漏洩電流が減少でき、降伏電圧VZthが増加される。
【0060】
半導体素子のメイントランジスタ100は、1つのメインソース電極173m、1つのメインドレイン電極175m、及び1つのメインゲート電極155mを含むが、これに限定されるものではない。
例えば、いくつかの実施形態による半導体素子のメイントランジスタ100のメインソース電極173m、メインドレイン電極175m、及びメインゲート電極155mのそれぞれは、複数に具備されることもある。
例えば、メイントランジスタ100は、複数の単位ユニットを含み、複数の単位ユニットのそれぞれは、1つのメインソース電極173m、1つのメインドレイン電極175m、及び1つのメインゲート電極155mを含む。
その際、複数の単位ユニットのメインソース電極173mは、互いに電気的に接続され、複数の単位ユニットのメインゲート電極155mは、互いに電気的に接続され、複数の単位ユニットのメインドレイン電極175mは、互いに電気的に接続される。
これにより、複数の単位ユニットが1つのメイントランジスタ100として機能することができるが、これに限定されるものではない。
【0061】
その際、一実施形態によるサブトランジスタ310及び抵抗素子320は、複数の単位ユニットの内の少なくともいずれか1つに電気的に接続される。
一例として、一実施形態によるサブトランジスタ310及び抵抗素子320は、複数の単位ユニットの内の少なくともいずれか1つのメインソース電極173mに電気的に接続されるが、これに限定されるものではない。
ここにおいて、サブトランジスタ310及び抵抗素子320は、分離構造物160により区分されて、周辺回路領域PAに位置する複数の単位ユニットの内のいずれか1つの一部に構成されるが、これに限定されるものではない。
複数の単位ユニットは、一方向(一例として、第1方向(X方向))に配列される。
その際、一方向に隣接した複数の単位ユニットは、一方向と交差する他方向(一例として、第2方向(Y方向))に基づいて互いに対称的な形状を有するが、これに限定されるものではない。
例えば、複数の単位ユニットは、互いに対称的な形状を有する第1単位ユニットと第2単位ユニットを含み、第1単位ユニットと第2単位ユニットは、第1方向(X方向)に沿って交互に配列される。
第1単位ユニットのメインソース電極173m、メインドレイン電極175m、及びメインゲート電極155mは、第1単位ユニットの第1方向(X方向)に沿った一側から離れる方向に順次に配置され、第2単位ユニットのメインドレイン電極175m、メインゲート電極155m、及びメインソース電極173mは、第2単位ユニットの第1方向(X方向)に沿った一側から離れる方向に順次に配置されるが、これに限定されるものではない。
【0062】
以下、図2及び図5図9をさらに参照して、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300について説明する。
図5は、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路領域を示す平面図であり、図6は、図2のB-B’線に沿って切断した断面図であり、図7は、図2のC-C’線に沿って切断した断面図であり、図8は、図2のD-D’線に沿って切断した断面図であり、図9は、本発明の実施形態による半導体素子を示す図2のD-D’線に対応する断面図である。
図2及び図5図9を参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の周辺回路素子300は、サブトランジスタ310及び抵抗素子320を含む。
【0063】
半導体素子のサブトランジスタ310は、サブチャンネル層132s、サブチャンネル層132sの上に配置されるバリア層136、バリア層136の上に配置されるサブゲート電極155s、バリア層136とサブゲート電極155sとの間に配置されるゲート半導体層152s、及びサブチャンネル層132sの上に配置されるサブドレイン電極175s及び感知電極SEを含む。
サブチャンネル層132sは、周辺回路領域PAに位置するチャンネル層132の部分を意味する。
サブゲート電極155sは、周辺回路領域PAに位置するゲート電極層155の部分を意味する。
サブドレイン電極175sは、周辺回路領域PAに位置するドレイン電極層175の部分を意味する。
サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sと感知電極SEとの間にチャンネルを形成する層として、サブチャンネル層132sの内部には、2DEG領域134sが配置される。
【0064】
具体的には、2DEG領域134sは、サブチャンネル層132sとバリア層136との間の界面で、サブチャンネル層132sに相対的に近接した領域に配置される。
2DEG領域134sは、サブチャンネル層132sのサブドリフト領域DTRs1内に配置される。
2DEG領域134sは、前述の2DEG領域134mと同様に、三次元空間内で二次元の紙(例えば、平面)のような形態で存在するサブチャンネル層132s内の領域である。
2DEG領域134sにおける電子の移動は、二次元電子ガスモデルにより理解及び/又は予測される。
一実施形態によるサブチャンネル層132sは、メイントランジスタ100のメインチャンネル層132mと同じ工程により一体に形成され得る。
サブチャンネル層132sは、メインチャンネル層132mと同じ層に位置する。
サブチャンネル層132sの下部面は、メインチャンネル層132mの下部面と同じレベルに位置し、サブチャンネル層132sの上部面は、メインチャンネル層132mの上部面と同じレベルに位置する。
即ち、サブチャンネル層132sの下部面は、メインチャンネル層132mの下部面と基板110の上部面から同じ距離に位置する。
また、サブチャンネル層132sの上部面は、メインチャンネル層132mの上部面と基板110の上部面から同じ距離に位置する。
サブチャンネル層132sの第3方向(Z方向)に沿った厚さは、メインチャンネル層132mの第3方向(Z方向)に沿った厚さと実質的に同じであるが、これに限定されるものではない。
その際、サブチャンネル層132sとメインチャンネル層132mとの間は、後述する分離構造物160により分離される。
【0065】
一実施形態によるサブチャンネル層132sは、メインチャンネル層132mの一側に位置する。
例えば、図2に示すように、サブチャンネル層132sは、メインチャンネル層132mの第2方向(Y方向)に沿った一側に位置するが、これに限定されるものではない。
その際、サブチャンネル層132sの第2方向(Y方向)に沿った幅は、メインチャンネル層132mの第2方向(Y方向)に沿った幅W1と異なる。
例えば、サブチャンネル層132sの第2方向(Y方向)に沿った幅は、メインチャンネル層132mの第2方向(Y方向)に沿った幅W1より小さい。
一実施形態において、図5に示すように、サブチャンネル層132sは、サブゲート電極155sとサブドレイン電極175sとの間に位置する部分(132s_P1)及びサブゲート電極155sと感知電極SEとの間に位置する部分(132s_P2)を含む。
即ち、部分(132s_P1)は、サブゲート電極155sの一側に位置し、部分(132s_P2)は、サブゲート電極155sの他側に位置する。
ここにおいて、部分(132s_P1)は、サブゲート電極155sとサブドレイン電極175sとの間に位置するサブチャンネル層132sの部分を意味し、部分(132s_P2)は、サブゲート電極155sと感知電極SEとの間に位置するサブチャンネル層132sの部分を意味する。
その際、部分(132s_P1)の第2方向(Y方向)に沿った幅W2は、部分(132s_P2)の第2方向(Y方向)に沿った幅W3より大きい。
【0066】
図6に示すように、サブチャンネル層132sの一端は、サブドレイン電極175sと接する。
サブチャンネル層132sは、サブドレイン電極175sを介してメインドレイン電極175mと電気的に接続される。
サブチャンネル層132sの他端は、感知電極SEと接する。
一実施形態によるサブチャンネル層132sは、メイン素子領域MAに位置するメインチャンネル層132mと同じ物質を含む。
一例として、サブチャンネル層132sは、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
サブチャンネル層132sは、基板110の上に配置され、基板110とサブチャンネル層132sとの間には、シード層121、及びバッファ層120が配置される。
基板110、シード層121、及びバッファ層120は、サブチャンネル層132sを形成するために必要な層であり、場合により省略され得る。
一実施形態による周辺回路領域PAに位置する基板110、シード層121、及びバッファ層120は、それぞれのメイン素子領域MAに位置する基板110、シード層121、及びバッファ層120と同じ工程により一体に形成され得る。
【0067】
バリア層136は、サブチャンネル層132sの上に配置される。
即ち、メインチャンネル層132mの上に配置されるバリア層136は、サブチャンネル層132sの上にさらに延長される。
バリア層136は、サブチャンネル層132sの真上に配置される。
但し、これに限定されず、サブチャンネル層132sとバリア層136との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
バリア層136と重畳するサブチャンネル層132sの領域は、ドリフト領域となる。
具体的には、バリア層136は、サブチャンネル層132sと分極特性、エネルギーバンドギャップ、又は格子定数の内の少なくともいずれか1つが異なるため、バリア層136により相対的に電気分極率が低いサブチャンネル層132sに2DEG領域134sが誘発される。
【0068】
図6に示すように、周辺回路領域PAにおけるサブチャンネル層132sは、感知電極SEとサブドレイン電極175sとの間にサブドリフト領域DTRs1を含む。
即ち、サブドリフト領域DTRs1は、サブドレイン電極175sと接するサブチャンネル層132sの一側から感知電極SEまでのサブチャンネル層132sの領域を意味する。
サブドリフト領域DTRs1は、感知電極SEとサブドレイン電極175sとの間にバリア層136と重畳するサブチャンネル層132sの領域を意味する。
例えば、サブドレイン電極175sとサブチャンネル層132sが交わる境界がサブドリフト領域DTRs1の一側縁であり得、感知電極SEとサブチャンネル層132sが交わる境界がサブドリフト領域DTRs1の他側縁であり得る。
言い換えれば、サブドリフト領域DTRs1は、周辺回路領域PA内でサブドレイン電極175sと接するサブチャンネル層132sの一側と感知電極SEとの間にキャリアが移動する領域を意味する。
一実施形態によるサブドリフト領域DTRs1は、第1方向(X方向)に延長されるが、これに限定されるものではない。
【0069】
サブゲート電極155sは、バリア層136の上に配置される。
サブゲート電極155sは、バリア層136の一部領域と垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳する。
サブゲート電極155sは、サブチャンネル層132sのサブドリフト領域DTRs1の一部と垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳する。
サブゲート電極155sは、感知電極SEとサブドレイン電極175sとの間に配置される。
サブゲート電極155sは、感知電極SE及びサブドレイン電極175sと離隔される。
例えば、サブゲート電極155sは、サブドレイン電極175sより感知電極SEにさらに近く位置する。
即ち、サブゲート電極155sと感知電極SEとの間の離隔距離が、サブゲート電極155sとサブドレイン電極175sとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されるものではない。
【0070】
一実施形態によるサブゲート電極155sは、メイントランジスタ100のメインゲート電極155mと一体なり得る。
即ち、サブゲート電極155sは、メイントランジスタ100のメインゲート電極155mと同じ工程により一体に形成され得る。
サブゲート電極155sは、メインゲート電極155mと同じ層に位置する。
サブゲート電極155sの下部面は、メインゲート電極155mの下部面と同じレベルに位置し、サブゲート電極155sの上部面は、メインゲート電極155mの上部面と同じレベルに位置する。
即ち、サブゲート電極155sの下部面は、メインゲート電極155mの下部面と基板110の上部面から同じ距離に位置する。
サブゲート電極155sの第3方向(Z方向)に沿った厚さは、メインゲート電極155mの第3方向(Z方向)に沿った厚さと実質的に同じであるが、これに限定されるものではない。
サブゲート電極155sは、導電性物質を含む。
サブゲート電極155sは、メインゲート電極155mと同じ物質を含む。
但し、これに限定されず、サブゲート電極155sは、メインゲート電極155mと異なる物質を含むこともできる。
【0071】
ゲート半導体層152sは、バリア層136とサブゲート電極155sとの間に配置される。
ゲート半導体層152s及びゲート半導体層152mは、第2方向(Y方向)に延長され、バリア層136とメインゲート電極155mとの間、及びバリア層136とサブゲート電極155sとの間に位置する同じゲート半導体層の各部分を示す。
ゲート半導体層152sは、バリア層136とサブゲート電極155sとの間に配置される。
ゲート半導体層152sは、サブゲート電極155sと垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳する。
また、ゲート半導体層152sは、メインゲート電極155m及び分離構造物160と垂直方向(例えば、サブチャンネル層132sの厚さ方向)に重畳するが、これに限定されるものではない。
サブゲート電極155sは、ゲート半導体層152sにショットキー接触(Schottky contact)又はオーミック接触(ohmic contact)する。
ゲート半導体層152sとサブゲート電極155sの構造的形状は、ゲート半導体層152sとメインゲート電極155mの構造的形状と実質的に同じである。
但し、これに限定されず、ゲート半導体層152sは、サブトランジスタ310で省略することもあり、この場合、サブゲート電極155sの下部面は、バリア層136と接する。
【0072】
一実施形態によるゲート半導体層152sは、感知電極SEとサブドレイン電極175sとの間に配置される。
ゲート半導体層152sは、感知電極SE及びサブドレイン電極175sと離隔される。
ゲート半導体層152sは、サブドレイン電極175sより感知電極SEにさらに近く位置する。
即ち、ゲート半導体層152sと感知電極SEとの間の離隔距離が、ゲート半導体層152sとサブドレイン電極175sとの間の離隔距離より小さいが、これに限定されるものではない。
ゲート半導体層152sにより、サブチャンネル層132s内に空乏(depletion)領域DPRsが形成される。
空乏領域DPRsは、サブドリフト領域DTRs1内に位置する。
ここにおいて、空乏領域DPRsは、サブドリフト領域DTRs1内で2DEG領域134sの流れが切れる領域を意味する。
空乏領域DPRsが発生することにより、感知電極SEとサブドレイン電極175sとの間に電流が流れず、チャンネル経路が遮断される。
【0073】
保護層140は、バリア層136の上に配置される。
保護層140の下部面は、バリア層136と接する。
一実施形態による保護層140は、メイン素子領域MAの保護層140と同じ工程により一体に形成される。
即ち、保護層140は、メイン素子領域MAのバリア層136と周辺回路領域PAのバリア層136の上に位置する。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、サブチャンネル層132sの一側及び他側に配置される。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、サブチャンネル層132sと接し、サブチャンネル層132sと電気的に接続される。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、サブドリフト領域DTRs1の外側に位置する。
サブドレイン電極175sとサブチャンネル層132sとの間の境界面は、サブドリフト領域DTRs1の一側縁であり得る。
同様に、感知電極SEとサブチャンネル層132sとの間の境界面が、サブドリフト領域DTRs1の他側縁であり得る。
【0074】
サブドレイン電極175sは、メインドレイン電極175mの一端から第2方向(Y方向)に延長される。
感知電極SEは、抵抗素子320及び感知部500が接続されるノードN4に対応する電極である。
これにより、感知電極SEを介して感知電圧VCSが抵抗素子320及び感知部500に伝達される。
一実施形態によるサブドレイン電極175s及び感知電極SEは、サブチャンネル層132sの少なくとも一部がリセスされた空間内に配置される。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、バリア層136を貫いてサブチャンネル層132sの側面と接する。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、サブドリフト領域DTRs1と電気的に接続される。
但し、これに限定されず、サブチャンネル層132sがリセスされないことがあり、サブドレイン電極175s及び感知電極SEがサブチャンネル層132sの上部面の上に配置することもできる。
【0075】
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、保護層140の上部面の少なくとも一部を覆うが、これに限定されるものではない。
また、サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、保護層140の側面の少なくとも一部を覆う。
例えば、サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、保護層140の側面を覆う。
サブドレイン電極175sの上部面及び感知電極SEの上部面は、保護層140の上部面より突出する。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、導電性物質を含む。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、同じ物質を含む。
また、サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、メインソース電極173m及びメインドレイン電極175mと同じ物質を含む。
サブドレイン電極175s及び感知電極SEは、メインソース電極173m、及びメインドレイン電極175mと同じ工程により形成される。
例えば、メインドレイン電極175m及び感知電極SEは、金属、金属合金、導電性金属窒化物、金属シリサイド、ドーピングされた半導体物質、導電性金属酸化物、又は導電性金属窒酸化物などを含み得る。
メインドレイン電極175m及び感知電極SEは、単層又は多層からなり得る。
メインドレイン電極175m及び感知電極SEは、サブチャンネル層132sにオーミック接触(ohmic contact)する。
サブチャンネル層132s内で感知電極SEと接触する領域は、他の領域に比べて相対的に高濃度にドーピングされるが、これに限定されるものではない。
【0076】
半導体素子の抵抗素子320は、感知電極SEとメインソース電極173mとの間に位置するチャンネルパターン132rを含む。
また、抵抗素子320は、チャンネルパターン132rの上に位置するバリア層136を含む。
抵抗素子320は、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗(図10のRD)、チャンネルパターン132rと感知電極SEとの間のコンタクト界面CI1におけるコンタクト抵抗(図10のRC1)、及びチャンネルパターン132rとメインソース電極173mとの間のコンタクト界面CI2におけるコンタクト抵抗(図10のRC2)から構成される。
チャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間に位置し、周辺回路領域PAに位置するチャンネル層132の一部分である。
チャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間にチャンネルを形成する層として、チャンネルパターン132rの内部には2DEG領域132rが配置される。
具体的には、2DEG領域134rは、チャンネルパターン132rとバリア層136との間の界面でチャンネルパターン132rに相対的に近接した領域に配置される。
2DEG領域134rは、チャンネルパターン132rのサブドリフト領域DTRs2内に配置される。
2DEG領域134rは、前述した2DEG領域(134m、134s)と同様に、三次元空間内で二次元の紙(例えば、平面)のような形態で存在するチャンネルパターン132r内の領域である。
2DEG領域134rにおける電子の移動は、二次元電子ガスモデルにより理解及び/又は予測される。
【0077】
一実施形態によるチャンネルパターン132rは、メイントランジスタ100のメインチャンネル層132m及びサブトランジスタ310のサブチャンネル層132sと同じ工程により一体に形成される。
チャンネルパターン132rは、メインチャンネル層132m及びサブチャンネル層132sと同じ層に配置される。
チャンネルパターン132rの下部面は、メインチャンネル層132mの下部面及びサブチャンネル層132sの下部面と同じレベルに位置し、チャンネルパターン132rの上部面は、メインチャンネル層132mの上部面及びサブチャンネル層132sの上部面と同じレベルに位置する。
即ち、チャンネルパターン132rの下部面は、メインチャンネル層132mの下部面及びサブチャンネル層132sの下部面と基板110の上部面から同じ距離に位置する。
また、チャンネルパターン132rの上部面は、メインチャンネル層132mの上部面及びサブチャンネル層132sの上部面と基板110の上部面から同じ距離に位置する。
チャンネルパターン132rの第3方向(Z方向)に沿った厚さは、メインチャンネル層132mの第3方向(Z方向)に沿った厚さと実質的に同じであるが、これに限定されるものではない。
また、チャンネルパターン132rの第3方向(Z方向)に沿った厚さは、サブチャンネル層132sの第3方向(Z方向)に沿った厚さと実質的に同じであるが、これに限定されるものではない。
その際、分離構造物160は、チャンネルパターン132rとサブチャンネル層132sとの間、及びチャンネルパターン132rとメインチャンネル層132mとの間を分離させる。
【0078】
チャンネルパターン132rは、サブチャンネル層132sの一側に配置される。
チャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間に配置される。
例えば、メインソース電極173mが周辺回路領域PAでさらに延長され、チャンネルパターン132rの一側と接する。
チャンネルパターン132rの一端は、メインソース電極173mと電気的に接続される。
チャンネルパターン132rの他端は、感知電極SEと接する。
一例として、チャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間で第2方向(Y方向)に延長される。
但し、これに限定されず、チャンネルパターン132rは、第1方向(X方向)に延長される部分及び第2方向(Y方向)に延長される部分を含むこともできる。
又は、チャンネルパターン132rは、第1方向(X方向)に延長される複数のパターンを含むこともできる。
これに関する説明は、図25図34を参照して後述する。
【0079】
一実施形態によるチャンネルパターン132rの幅は、サブチャンネル層132sの幅より小さい。
例えば、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、サブチャンネル層132sの第2方向(Y方向)に沿った幅より小さい。
チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、サブチャンネル層132sの部分(132s_P2)の第2方向(Y方向)に沿った幅W3より小さい。
また、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、サブチャンネル層132sの部分(132s_P1)の第2方向(Y方向)に沿った幅W2より小さい。
また、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、メインチャンネル層132mの第2方向(Y方向)に沿った幅W1より小さい。
半導体素子の抵抗素子320が適切な範囲の抵抗値を有するように、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W1が選択される。
【0080】
また、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、メインソース電極173mの第1方向(X方向)に沿った幅と実質的に同じである。
また、感知電極SEの第1方向(X方向)に沿った幅は、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4と実質的に同じである。
但し、これに限定されず、例えば、メインソース電極173mの第1方向(X方向)に沿った幅又は感知電極SEの第1方向(X方向)に沿った幅は、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅より小さいこともある。
他の例として、メインソース電極173mの第1方向(X方向)に沿った幅又は感知電極SEの第1方向(X方向)に沿った幅は、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅より大きいこともある。
この場合、感知電極SEは、分離構造物160と第3方向(Z方向)に重畳することもあるが、これに限定されるものではない。
【0081】
一実施形態によるチャンネルパターン132rは、メインチャンネル層132m及びサブチャンネル層132sと同じ物質を含む。
一例として、チャンネルパターン132rは、III-V族物質、例えば、Al、Ga、In、B、又はこれらの組み合わせを含む窒化物の中から選択される1つ以上の物質を含み得る。
チャンネルパターン132rは、基板110の上に配置され、基板110とチャンネルパターン132rとの間には、シード層121、及びバッファ層120が配置される。
基板110、シード層121、及びバッファ層120は、チャンネルパターン132rを形成するために必要な層であり、場合により省略され得る。
【0082】
バリア層136は、チャンネルパターン132rの上に配置される。
即ち、メインチャンネル層132mの上に配置されるバリア層136は、チャンネルパターン132rの上にさらに延長される。
バリア層136は、チャンネルパターン132rの真上に配置される。
但し、これに限定されず、チャンネルパターン132rとバリア層136との間に所定の他の層をさらに配置することもできる。
バリア層136と重畳するチャンネルパターン132rの領域は、ドリフト領域となる。
【0083】
図7をさらに参照すると、周辺回路領域PAにおけるチャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間にサブドリフト領域DTRs2を含む。
即ち、サブドリフト領域DTRs2は、メインソース電極173mと接するチャンネルパターン132rの一側から感知電極SEまでのチャンネルパターン132rの領域を意味する。
サブドリフト領域DTRs2は、感知電極SEとメインソース電極173mとの間にバリア層136と重畳するチャンネルパターン132rの領域を意味する。
例えば、メインソース電極173mとチャンネルパターン132rが交わる境界がサブドリフト領域DTRs2の一側縁であり、感知電極SEとチャンネルパターン132rが会う境界がサブドリフト領域DTRs2の他側縁である。
言い換えれば、サブドリフト領域DTRs2は、周辺回路領域PA内でメインソース電極173mと接するチャンネルパターン132rの一側と感知電極SEとの間にキャリアが移動する領域を意味する。
一実施形態によるサブドリフト領域DTRs2は、第2方向(Y方向)に延長されるが、これに限定されるものではない。
【0084】
サブドリフト領域DTRs2は、抵抗成分を有する。
即ち、メインソース電極173mから感知電極SEまでのチャンネルパターン132rの領域は、所定の抵抗値を有する。
サブドリフト領域DTRs2は、抵抗素子(図1の320)の抵抗の一部として機能する。
その際、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗(図10のRD)は、正の符号の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)を有する。
例えば、サブドリフト領域DTRs2の温度抵抗係数は、約5(Ω/μm℃)~約15(Ω/μm℃)である。
これにより、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗(図10のRD)は、温度が増加することにより大きくなる。
サブドリフト領域DTRs2は、第2方向(Y方向)に延長される。
その際、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った延長長さLTは、1μm~10μmである。
好ましくは、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った延長長さLTは、3μm~4μmである。
このような範囲において、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子320の抵抗値(図11のRV)が温度に関係なく実質的に一定の値を有することができる。
これに関する詳細な説明は、図10及び図11を参照して後述する。
【0085】
また、一実施形態による感知電極SE及びメインソース電極173mは、チャンネルパターン132rにオーミック接触する。
その際、感知電極SEとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI1、及びメインソース電極173mとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI2は、抵抗成分を有する。
具体的には、2DEG領域134rを過ぎたキャリアがチャンネルパターン132rの少なくとも一部、即ち、2DEG領域134rの上部を通過して感知電極SEに伝達される過程で、感知電極SEとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI1、及びメインソース電極173mとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI2は、所定の抵抗値を有する。
以下、説明の便宜のため、感知電極SEとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI1の抵抗をコンタクト抵抗(図10のRC1)で称し、メインソース電極173mとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI2の抵抗は、コンタクト抵抗(図10のRC2)で称する。
一実施形態によるコンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2は、温度により異なる値を有する。
例えば、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2は、温度が増加することにより減少する。
即ち、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2は、負の符号の温度抵抗係数TCRを有する。
これに関する詳細な説明は、図10及び図11を参照して後述する。
【0086】
一実施形態による周辺回路素子300は、分離構造物160によりメイントランジスタ100と分離される。
即ち、周辺回路素子300とメイントランジスタ100との間には、分離構造物160が配置される。
例えば、図2に示すように、メイントランジスタ100とサブトランジスタ310は、分離構造物160により第2方向(Y方向)に離隔して位置するが、これに限定されるものではない。
一実施形態による分離構造物160は、バリア層136を貫く。
例えば、図8に示すように、分離構造物160は、バリア層136を貫いてサブチャンネル層132sの少なくとも一部をリセスする。
これにより、周辺回路素子300のサブドリフト領域DTRs1は、メイントランジスタ100と電気的に絶縁される。
但し、これに限定されず、他の例として、図9に示すように分離構造物160は、バリア層136のみを貫くこともできる。
また他の例として、分離構造物160は、バリア層136及びサブチャンネル層132sを貫くこともできる。
また他の例として、サブチャンネル層132s及び/又はメインチャンネル層132mの少なくとも一部を貫くトレンチにより、周辺回路素子300とメイントランジスタ100が分離されることもある。
【0087】
また、分離構造物160は、サブトランジスタ310と抵抗素子320との間、及び抵抗素子320とメイントランジスタ100との間を分離させる。
分離構造物160は、サブトランジスタ310と抵抗素子320との間、及び抵抗素子320とメイントランジスタ100との間に配置される。
例えば、図2に示すように、分離構造物160は、サブトランジスタ310のサブチャンネル層132sと抵抗素子320のチャンネルパターン132rとの間、及びメイントランジスタ100と抵抗素子320との間に配置される。
言い換えれば、分離構造物160は、メインチャンネル層132m、サブチャンネル層132s、及びチャンネルパターン132rを分離させる機能を行う。
その際、図7に示すように、分離構造物160は、メインソース電極173mと第3方向(Z方向)に重畳する。
また、分離構造物160は、メインゲート電極155m及びメインドレイン電極175mと第3方向(Z方向)に重畳する。
【0088】
一実施形態による分離構造物160は、メインチャンネル層132m及びサブチャンネル層132sの上にバリア層136を形成し、メイントランジスタ100と周辺回路素子300との間に位置するバリア層136内にイオンインプラント工程を行って形成される。
例えば、バリア層136でイオンインプラント工程が行われた領域と第3方向(Z方向)に重畳するチャンネル層132の領域には、二次元電子ガスがないか、ほとんど形成されない。
その際、バリア層136のイオンインプラント領域と、それに対応するチャンネル層132領域が分離構造物160に相当する。
他の例として、チャンネル層132にイオンインプラント工程を行って分離構造物160を形成することもできる。
チャンネル層132でイオンインプラントされた領域が分離構造物160に相当する。
イオンインプラント工程が行われたチャンネル層132の領域には、二次元電子ガスがないか、ほとんど形成されない。
イオンインプラント工程に使用される物質は、アルゴン(Ar)イオンである。
【0089】
但し、これに限定されず、分離構造物160は、メインチャンネル層132m及びサブチャンネル層132sの上にバリア層136を形成し、バリア層136を貫くトレンチを形成した後に、トレンチ内に絶縁物質を充填して形成する。
分離構造物160を構成する絶縁物質は、保護層140と同じ物質を含む。
例えば、分離構造物160を構成する絶縁物質は、SiOやAlなどのような酸化物を含み得る。
他の例として、分離構造物160を構成する絶縁物質は、SiNのような窒化物やSiONのような酸窒化物を含み得る。
但し、これに限定されず、分離構造物160を構成する絶縁物質は、保護層140と異なる物質を含み得る。
その際、メインチャンネル層132m及び/又はサブチャンネル層132sの少なくとも一部が一緒にリセスされる。
【0090】
以下、図10及び図11をさらに参照して、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子について説明する。
図10は、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図であり、図11は、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子の温度変化による抵抗値を示すグラフである。
図10をさらに参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子320は、所定の抵抗値を有する抵抗成分を含む。
【0091】
一実施形態による抵抗素子320は、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、チャンネルパターン132rと感知電極SEとの間のコンタクト界面CI1でのコンタクト抵抗RC1、及びチャンネルパターン132rとメインソース電極173mとの間のコンタクト界面CI2でのコンタクト抵抗RC2から構成される。
抵抗素子320のコンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2を介して、ノードN4とノードN2が電気的に接続される。
その際、感知電極SEは、ノードN4に対応し、周辺回路領域PAに位置するメインソース電極173m部分がノードN2に対応する。
一実施形態によるコンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2は、直列に接続される。
即ち、ノードN4とノードN2との間で、コンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2は、直列に接続される。
これにより、抵抗素子320の抵抗値RVは、コンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2の合計として定義される。
これは、コンタクト電極CT1とコンタクト電極CT2との間にチャンネルパターン132r及びバリア層136により形成されたサブドリフト領域DTRs2が位置する構造的特性によるものである。
【0092】
図11をさらに参照すると、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子320の抵抗値RVは、温度に関係なく実質的に一定の値を有する。
即ち、ノードN4とノードN2との間に直列に接続されたコンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2の合計は、温度に関係なく実質的に一定の値を有する。
例えば、第1温度における抵抗素子320の抵抗値RVは、第1温度と異なる第2温度における抵抗素子320の抵抗値RVと実質的に同じである。
【0093】
一方、コンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2のそれぞれは、温度により異なる抵抗値を有する。
具体的に見ると、先に、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の温度に応じた抵抗値RV2は、下記に示す数式1の関係を有する。
(数1)
RV2=AT+K [Ω/μm] ・・・数式1
ここにおいて、RV2は、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の抵抗値(Ω)を意味し、Tは、温度(℃)を意味し、Aは、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)を意味する。
また、K1は、定数である。
【0094】
その際、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)は、負の値を有する。
例えば、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の温度抵抗係数TCRは、約-20(Ω/℃)~約-10(Ω/℃)である。
これにより、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2は、温度が増加することにより小さくなれる。
【0095】
次に、サブドリフト領域DTRs2の温度に応じた単位抵抗値(RV1_U)は、下記に示す数式2の関係を有する。
(数2)
RV1_U=AT+K [Ω/μm] ・・・数式2
ここにおいて、(RV1_U)は、単位長さ(um)当たり、サブドリフト領域DTRs2の単位抵抗(Ω)を意味し、Tは、温度(℃)を意味し、Aは、サブドリフト領域DTRs2の温度抵抗係数TCRを意味する。
また、Kは、定数である。
【0096】
サブドリフト領域DTRs2の単位抵抗値(RV1_U)は、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RDの単位長さ当たりの抵抗値を意味する。
その際、サブドリフト領域DTRs2の温度抵抗係数は、正の値を有する。
例えば、サブドリフト領域DTRs2の温度抵抗係数は、約5(Ω/μm℃)~約15(Ω/μm℃)である。
これにより、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RDは、温度が上昇することにより大きくなる。
一実施形態によるサブドリフト領域DTRs2の温度抵抗係数は、コンタクト抵抗RC1の温度抵抗係数TCRより小さいが、これに限定されるものではない。
【0097】
サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RDは、サブドリフト領域DTRs2の単位抵抗値(RV1_U)にサブドリフト領域DTRs2の長さを乗じて算出することができる。
一例として、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った延長長さLTが1μm~10μmの場合、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RDは、サブドリフト領域DTRs2の単位抵抗値(RV1_U)の1倍~10倍である。
言い換えれば、サブドリフト領域DTRs2の抵抗は、下記に示す数式3で表すことができる。
(数3)
RD=(LT)RV1_U=(LT)AT+(LT)K [Ω/μm]
・・・数式3
ここにおいて、RDは、サブドリフト領域DTRs2の抵抗(Ω)を意味し、LTは、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った長さμmを意味する。
【0098】
即ち、温度の変化量に対するサブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RDの変化量は、サブドリフト領域DTRs2の温度抵抗係数及びサブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った長さLTに依存する。
一方、温度の変化に対するコンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の変化量は、殆どコンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2の温度抵抗係数に依存する。
一実施形態において、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2が、負の温度抵抗係数を有し、サブドリフト領域DTRs2が、正の温度抵抗係数を有する場合にも、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った長さLTが所定の範囲を有する場合は、抵抗素子320の抵抗値RVは、温度に関係なく実質的に一定の値を有する。
例えば、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った長さLTが1μm~10μmである場合、抵抗素子320の抵抗値RVの温度抵抗係数は、約0(Ω/℃)である。
好ましくは、サブドリフト領域DTRs2の第2方向(Y方向)に沿った長さLTは、3μm~4μmである。
【0099】
これにより、本発明の実施形態による半導体素子の抵抗素子320のコンタクト抵抗RC1、サブドリフト領域DTRs2のドリフト領域抵抗RD、及びコンタクト抵抗RC2のそれぞれが温度により異なる抵抗値を有する場合にも、抵抗素子320の抵抗値RVが温度に関係なく実質的に一定の値を有することができる。
これにより、周辺温度に関係なく均一な素子特性(一例として、感知電圧VCSの大きさなど)を示すことができ、本発明の実施形態による半導体素子の信頼性が向上する。
【0100】
以下、図12図19を参照して、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子について説明する。
図12図19は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の周辺回路素子を示す平面図である。
図12図19は、図1図11に示す本発明の実施形態による半導体素子の様々な変形例を示している。
図12図19に示す実施形態は、図1図11に示す実施形態と同じ部分が相当するので、これに対する説明は省略し、差異点を中心に説明する。
また、先の実施形態と同じ構成要素については、同じ図面符号を使用する。
【0101】
図12を参照すると、いくつかの実施形態では、半導体素子のサブトランジスタ310のサブチャンネル層132sの第2方向(Y方向)に沿った幅は、様々に変更することができる。
例えば、サブゲート電極155sとサブドレイン電極175sとの間に位置するサブチャンネル層132sの部分(132s_P1)の第2方向(Y方向)に沿った幅W2は、サブゲート電極155sと感知電極SEとの間に位置するサブチャンネル層132sの部分(132s_P2)の第2方向(Y方向)に沿った第3幅W3と実質的に同じである。
その際、サブチャンネル層132sの部分(132s_P1)の第2方向(Y方向)に沿った幅W2は、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4と実質的に同じであるが、これに限定されるものではない。
【0102】
図13及び図14を参照すると、いくつかの実施形態では、半導体素子の感知電極SEの位置は、様々に変更することができる。
例えば、図13に示すように、感知電極SEは、メインソース電極173mに隣接して配置される。
その際、感知電極SEの第1方向(X方向)に沿った一側面は、分離構造物160と接する。
他の例として、図14に示すように、感知電極SEは、サブゲート電極155sに隣接して配置することもできる。
その際、感知電極SEの第2方向(Y方向)に沿った一側面は、分離構造物160と接する。
これにより、チャンネルパターン132rの形状及び/又はサブチャンネル層132sの部分(132s_P2)の形状も様々に変更することができる。
例えば、図13に示すように、サブチャンネル層132sの部分(132s_P2)は、感知電極SEと接して第2方向(Y方向)に延長される部分をさらに含むか、図14に示すように、チャンネルパターン132rは、感知電極SEと接して第1方向(X方向)に延長される部分をさらに含み得る。
【0103】
図15を参照すると、チャンネルパターン132rは、第1方向(X方向)に延長される第1部分及び第2方向(Y方向)に延長される複数の部分を含む。
例えば、チャンネルパターン132rは、感知電極SEの一側から第2方向(Y方向)に延長される部分及び第1方向(X方向)に延長される部分が交互に位置する。
このような形状は、例えば、与えられた領域内でチャンネルパターン132rの所望の長さを確保するためのものであり得、ここでチャンネルパターン132rの長さは、チャンネルパターン132rの様々な部分の長さの合計である。
但し、これは例示的なものに過ぎず、チャンネルパターン132rの延長方向は、これに限定されるものではない。
一例として、チャンネルパターン132rは、感知電極SEの一側から一方向にのみ延長されるか、複数の切曲部を含むこともできる。
又は、チャンネルパターン132rは、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)と交差する対角線方向に延長される部分を含むこともできる。
【0104】
一実施形態によるチャンネルパターン132rは、所定の長さを有するように延長される。
ここにおいて、チャンネルパターン132rの延長長さは、チャンネルパターン132rが延長される長さの総合計を意味する。
その際、チャンネルパターン132rの幅は、サブチャンネル層132sの第2方向(Y方向)に沿った幅より小さい。
ここにおいて、チャンネルパターン132rの幅は、チャンネルパターン132rの延長方向に直交する方向に沿った幅を意味することができる。
メインチャンネル層132mの幅は、メインチャンネル層132mの第2方向(Y方向)に沿った幅を意味する。
このような範囲におけるチャンネルパターン132rは、一実施形態による抵抗素子320の役割を果たす。
【0105】
図16を参照すると、いくつかの実施形態では、チャンネルパターン132rは、第1方向(X方向)に沿った幅が変化する部分を含む。
例えば、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅は、感知電極SEから離れるほど増加する部分を含む。
また、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅は、感知電極SEから離れるほど減少する部分をさらに含むこともできる。
【0106】
図17を参照すると、いくつかの実施形態では、半導体素子の感知電極SEの幅は、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4と異なる。
例えば、感知電極SEの第1方向(X方向)に沿った幅は、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4より小さい。
【0107】
図18及び図19を参照すると、いくつかの実施形態では、半導体素子のサブチャンネル層132sは、部分(132s_P2)とサブゲート電極155sとの間に位置する第3部分(132s_P3)をさらに含む。
その際、第3部分(132s_P3)の第2方向(Y方向)に沿った幅は、部分(132s_P1)の第2方向(Y方向)に沿った幅と実質的に同じであり、第3部分(132s_P3)の第2方向(Y方向)に沿った幅は、部分(132s_P2)の第2方向(Y方向)に沿った幅より大きい。
いくつかの実施形態では、第3部分(132s_P3)の第1方向(X方向)に沿った一側面は、分離構造物160と接する。
これにより、分離構造物160は、サブゲート電極155sと第1方向(X方向)に離隔して位置する。
【0108】
図19に示すように、いくつかの実施形態では、半導体素子のチャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、メインソース電極173mの第1方向(X方向)に沿った幅より大きい。
また、チャンネルパターン132rの第1方向(X方向)に沿った幅W4は、感知電極SEの第1方向(X方向)に沿った幅より大きい。
その際、メインソース電極173mの第2方向(Y方向)に沿った一側面及びメインソース電極173mの第1方向(X方向)に沿った一側面の一部は、チャンネルパターン132rと接する。
これにより、メインソース電極173mとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面の面積が相対的に増加する。
【0109】
以下、図20図24を参照して、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子について説明する。
図20は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図であり、図21は、図20の抵抗素子を含む周辺回路素子を示す平面図であり、図22は、図20のE-E’線に沿って切断した断面図であり、図23は、図20の抵抗素子を含む周辺回路素子を示す平面図であり、図24は、図23のF-F’線に沿って切断した断面図である。
図20図24の実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_1)は、図1の実施形態の抵抗素子320に対応する。
図20図24を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_1)は、抵抗素子(321、322)を含む。
【0110】
まず、図20を参照すると、抵抗素子(321、322)は、直列に接続される。
即ち、ノードN4とノードN2との間に、抵抗素子321及び抵抗素子322が順次に接続される。
従って、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_1)の抵抗値は、抵抗素子321の抵抗値と抵抗素子320の抵抗値の合計である。
ここにおいて、抵抗素子321の抵抗は、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC1a、ドリフト領域抵抗RDa、及び抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2aを含む。
また、抵抗素子320の抵抗は、抵抗素子320のコンタクト抵抗RC1b、ドリフト領域抵抗RDb、及び抵抗素子320のコンタクト抵抗RC2bを含む。
いくつかの実施形態による抵抗素子321及び抵抗素子320は、温度に関係なく一定の抵抗値を有する。
その際、ドリフト領域抵抗RDa及びドリフト領域抵抗RDbは、正の符号の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)を有する。
これにより、ドリフト領域抵抗RDa及びドリフト領域抵抗RDbは、温度が上昇することにより大きくなる。
【0111】
抵抗素子321のコンタクト抵抗RC1a、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2a、抵抗素子320のコンタクト抵抗RC1b、及び抵抗素子320のコンタクト抵抗RC2bは、負の符号の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)を有する。
これにより、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC1a、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2a、抵抗素子320のコンタクト抵抗RC1b、及び抵抗素子320のコンタクト抵抗RC2bは、温度が上昇することにより小さくなる。
温度が上昇することにより、抵抗素子321のドリフト領域抵抗RDaの増加は、コンタクト抵抗(RC1a、RC2a)の減少により相殺され得、従って、抵抗素子321の全体抵抗は、実質的に一定に維持され得る。
同様に、抵抗素子322のドリフト領域抵抗RDbの増加は、コンタクト抵抗(RC1b、RC2b)の減少により相殺され得るので、抵抗素子322の全体抵抗は、実質的に一定に維持され得る。
これにより、抵抗素子321及び抵抗素子322のそれぞれが、温度に関係なく一定の抵抗値を有するので、抵抗素子(321、322)を接続する場合にも、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_1)が温度に関係なく実質的に一定の抵抗値を有する。
従って、抵抗素子(321、322)を様々な方式で接続して、温度に関係なく実質的に一定の抵抗値を有する素子を容易に設計することができる。
【0112】
次に、図21及び図22を参照すると、抵抗素子(320_1)は、メインソース電極173mと感知電極SEとの間でチャンネルパターン132rの上に位置するコンタクト電極CTをさらに含む。
いくつかの実施形態によるチャンネルパターン132rは、メインソース電極173mと感知電極SEとの間に配置されるチャンネルパターン132r1、及びコンタクト電極CTと感知電極SEとの間に配置されるチャンネルパターン132r2を含む。
チャンネルパターン(132r1、132r2)は、一方向に沿って配列される。
チャンネルパターン(132r1、132r2)の配列方向は、チャンネルパターン(132r1、132r2)の延長方向と実質的に同じである。
例えば、図21に示すように、チャンネルパターン(132r1、132r2)のそれぞれは、第2方向(Y方向)に延長され、チャンネルパターン(132r1、132r2)は、第2方向(Y方向)に配列されるが、これに限定されるものではない。
いくつかの実施形態において、チャンネルパターン132r1及びチャンネルパターン132r2は、図1図11のチャンネルパターン132rと同じ配置、形状、構造、及び物質などを有し得る。
【0113】
いくつかの実施形態によるチャンネルパターン132r1は、ドリフト領域DTR1を有し、チャンネルパターン132r2は、ドリフト領域DTR2を有する。
チャンネルパターン132r1のドリフト領域DTR1の抵抗は、図20の抵抗素子321のドリフト領域DTR1の抵抗RDaに対応する。
チャンネルパターン132r2のドリフト領域DTR2の抵抗は、図20の抵抗素子322のドリフト領域DTR2の抵抗RDbに対応する。
抵抗素子321のコンタクト抵抗RC1aは、メインソース電極173mとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI2の抵抗に対応する。
抵抗素子322のコンタクト抵抗RC2bは、感知電極SEとチャンネルパターン132rとの間のコンタクト界面CI1の抵抗に対応する。
いくつかの実施形態において、チャンネルパターン132r1とチャンネルパターン132r2が第2方向(Y方向)に延長される長さは、実質的に同じである。
例えば、メインソース電極173mと接するチャンネルパターン132r1の一側と、コンタクト電極CTと接するチャンネルパターン132r1の他側との間の長さは、コンタクト電極CTと接するチャンネルパターン132r2の一側と、感知電極SEと接するチャンネルパターン132r2の他側との間の長さと実質的に同じである。
【0114】
いくつかの実施形態によるコンタクト電極CTは、チャンネルパターン132rの上に配置される。
コンタクト電極CTは、メインソース電極173mと感知電極SEとの間に配置される。
コンタクト電極CTは、チャンネルパターン132rと接し、チャンネルパターン132rと電気的に接続される。
コンタクト電極CTは、チャンネルパターン132rが少なくとも一部がリセスされた空間内に配置される。
例えば、図22に示すように、コンタクト電極CTは、チャンネルパターン132rが少なくとも一部がリセスされた空間内を完全に充填することができるが、これに限定されるものではない。
コンタクト電極CTは、バリア層136を貫くことができる。
いくつかの実施形態によるコンタクト電極CTは、メインソース電極173m及び感知電極SEと同じ層に位置し、メインソース電極173m及び感知電極SEと同じ工程で同時に形成され得る。
コンタクト電極CTは、メインソース電極173m及び感知電極SEと同じ物質を含む。
【0115】
コンタクト電極CTは、チャンネルパターン132rにオーミック接触する。
その際、コンタクト電極CTとチャンネルパターン132r1との間のコンタクト界面CI3、及びコンタクト電極CTとチャンネルパターン132r2との間のコンタクト界面CI4は、抵抗成分を有する。
いくつかの実施形態において、コンタクト電極CTとチャンネルパターン132r1との間のコンタクト界面CI3の抵抗は、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2aに対応し、コンタクト電極CTとチャンネルパターン132r2との間のコンタクト界面CI4の抵抗は、抵抗素子322のコンタクト抵抗RC2bに対応する。
【0116】
抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2a及び抵抗素子322のコンタクト抵抗RC2bは、温度により異なる値を有する。
例えば、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2a及び抵抗素子322のコンタクト抵抗RC2bは、温度が上昇することにより減少する。
即ち、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2a及び抵抗素子322のコンタクト抵抗RC2bは、負の符号の温度抵抗係数TCRを有する。
いくつかの実施形態において、抵抗素子(321、322)のそれぞれの抵抗値は、温度に関係なく実質的に一定の値を有する。
即ち、抵抗素子(321、322)のそれぞれの温度抵抗係数TCRは、約0である。
但し、これに限定されず、抵抗素子(321、322)のそれぞれの抵抗値は、温度が上昇することにより増加するか、減少し、抵抗素子(321、322)の抵抗値の総合計が温度に関係なく実質的に一定の値を有する。
他の例として、抵抗素子(321、322)のそれぞれの抵抗値は、温度が上昇することにより増加するか、減少することもできる。
【0117】
図23及び図24を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による抵抗素子320のコンタクト電極CTは、コンタクト電極CT1及びコンタクト電極CT2を含む。
その際、コンタクト電極CT1とコンタクト電極CT2との間に位置する接続部CPをさらに含む。
いくつかの実施形態において、コンタクト電極CT1とコンタクト電極CT2は、一体に形成され得る。
即ち、コンタクト電極CT1とコンタクト電極CT2は、同じ工程で一体に形成され得る。
その際、コンタクト電極CT1とコンタクト電極CT2との間に分離構造物160及び保護層140が配置され、保護層140の上に接続部CPが配置される。
接続部CPは、コンタクト電極CT1とコンタクト電極CT2との間を電気的に接続する。
接続部CPは、保護層140の上に配置される。
接続部CPは、保護層140の上部面を覆う。
接続部CPは、保護層140及び分離構造物160と第3方向(Z方向)に重畳する。
【0118】
以下、図25図34を参照して、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子について説明する。
図25は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図であり、図26は、図25の抵抗素子を含む周辺回路素子を示す平面図であり、図27は、図26の抵抗素子を拡大して示す平面図であり、図28は、図27のG-G’線に沿って切断した断面図であり、図29は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子の図27のG-G’線に対応する断面図であり、図30は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す平面図であり、図31は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図であり、図32は、図31の抵抗素子を拡大して示す平面図であり、図33は、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子を示す回路図であり、図34は、図32の抵抗素子を拡大して示す平面図である。
【0119】
図25図34を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_2)は、複数に具備される。
複数の抵抗素子(321~324)は、一方向に沿って配列される。
複数の抵抗素子(321~324)の配列方向は、複数の抵抗素子(321~324)のそれぞれのチャンネルパターン(131a~131d)の延長方向と異なる。
即ち、抵抗素子321のチャンネルパターン132r1、抵抗素子320のチャンネルパターン132r2、抵抗素子323のチャンネルパターン132r3、及び抵抗素子324のチャンネルパターン132r4は、第1方向(X方向)に延長され、抵抗素子321~抵抗素子324は、第2方向(Y方向)に沿って配列される。
【0120】
図25図34の実施形態による抵抗素子321~抵抗素子324のそれぞれは、図1図11の実施形態の抵抗素子320に対応する。
即ち、抵抗素子321のチャンネルパターン132r1、抵抗素子320のチャンネルパターン132r2、抵抗素子323のチャンネルパターン132r3、及び抵抗素子324のチャンネルパターン132r4は、図1図11のチャンネルパターン132rと同じ配置、形状、構造、及び物質などを有し、抵抗素子321のコンタクト電極(CT1a、CT2a)、抵抗素子320のコンタクト電極(CT1b、CT2b)、抵抗素子323のコンタクト電極(CT1c、CT2c)、及び抵抗素子324のコンタクト電極(CT1d、CT2d)は、図1図11のコンタクト電極(CT1、CT2)と同じ配置、形状、構造、及び物質などを有する。
【0121】
いくつかの実施形態において、複数の抵抗素子(321~324)のそれぞれのチャンネルパターン(131a~131d)が第1方向(X方向)に延長される長さは、実質的に同じである。
一例として、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aと接するチャンネルパターン132r1のコンタクト界面と、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aと接するチャンネルパターン132r1のコンタクト界面との間の長さは、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと接するチャンネルパターン132r2のコンタクト界面と、抵抗素子320のコンタクト電極CT2bと接するチャンネルパターン132r2のコンタクト界面との間の長さと実質的に同じである。
即ち、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aとコンタクト電極CT2aとの間のチャンネルパターン132r1の第1方向(X方向)に沿った長さは、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bとコンタクト電極CT2bとの間のチャンネルパターン132r2の第1方向(X方向)に沿った長さと実質的に同じである。
このような点は、抵抗素子323及び抵抗素子324についても同様に適用される。
但し、これに限定されず、複数の抵抗素子(321~324)のそれぞれのチャンネルパターン(131a~131d)が、第2方向(Y方向)に延長される長さは異なることもある。
【0122】
いくつかの実施形態において、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)のそれぞれの幅は、チャンネルパターン(131a~131d)の幅より大きい。
例えば、図27及び図28に示すように、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)のそれぞれの第2方向(Y方向)に沿った最大幅は、チャンネルパターン(131a~131d)の第2方向(Y方向)に沿った幅より大きい。
具体的には、チャンネルパターン(131a~131d)の少なくとも一部がリセスされた空間内に位置する複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の部分の第2方向(Y方向)に沿った幅は、チャンネルパターン(131a~131d)の第2方向(Y方向)に沿った幅と実質的に同じであり、チャンネルパターン(131a~131d)の上部面から突出した複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)部分の第2方向(Y方向)に沿った幅は、チャンネルパターン(131a~131d)の第2方向(Y方向)に沿った幅より大きい。
これにより、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の少なくとも一部は、分離構造物160と第3方向(Z方向)に重畳する。
【0123】
但し、これに限定されず、他の例として、図29に示すように、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)のそれぞれの第2方向(Y方向)に沿った最大幅は、チャンネルパターン(131a~131d)の第2方向(Y方向)に沿った幅より小さいか、実質的に同じであり得る。
この場合、第2方向(Y方向)に隣接した複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の間にバリア層136がさらなる配置される。
即ち、第2方向(Y方向)に隣接した複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の間に分離構造物160が配置され、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)と分離構造物160との間にバリア層136が配置される。
【0124】
一例として、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aと分離構造物160との間、及び抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと分離構造物160との間にバリア層136がさらに配置される。
これにより、分離構造物160は、抵抗素子321のコンタクト電極CT1a及び抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと第2方向(Y方向)に離隔して配置される。
また、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)は、分離構造物160と第3方向(Z方向)に重畳しなく、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の少なくとも一部は、バリア層136と第3方向(Y方向)に重畳するが、これに限定されるものではない。
【0125】
いくつかの実施形態において、複数の抵抗素子(321~324)は、分離構造物160により分離される。
例えば、分離構造物160は、チャンネルパターン132rと並んで配置され、複数のチャンネルパターン(131a~131d)が分離構造物160により分離される。
いくつかの実施形態において、分離構造物160は、チャンネルパターン132rの少なくとも一部をリセスするが、これに限定されるものではない。
例えば、分離構造物160は、チャンネルパターン132rを完全に貫いて保護層140と接する。
他の例として、分離構造物160は、チャンネルパターン132rを貫かないこともある。
即ち、分離構造物160の下部面は、バリア層136の下部面と実質的に同じレベルに位置することができる。
分離構造物160は、メインチャンネル層132m及びチャンネルパターン132rの上にバリア層136を形成し、複数の抵抗素子(321~324)の間に位置するバリア層136内にイオンインプラント工程を行って形成され得る。
【0126】
いくつかの実施形態による分離構造物160は、メインチャンネル層132m及びチャンネルパターン132rの上にバリア層136を形成し、半導体ユニット100と抵抗素子320との間に位置するバリア層136内にイオンインプラント工程を行って形成される。
但し、これに限定されず、分離構造物160は、メインチャンネル層132m及びチャンネルパターン132rの上にバリア層136を形成し、バリア層136を貫くトレンチを形成した後に、トレンチ内に絶縁物質を充填して形成することもできる。
分離構造物160を構成する絶縁物質は、保護層140と同じ物質を含む。
例えば、分離構造物160を構成する絶縁物質は、SiOやAlなどのような酸化物を含む。
他の例として、分離構造物160を構成する絶縁物質は、SiNのような窒化物やSiONのような酸窒化物を含み得る。
但し、これに限定されず、分離構造物160を構成する絶縁物質は、保護層140と異なる物質を含むこともできる。
その際、メインチャンネル層132m及び/又はチャンネルパターン132rの少なくとも一部が一緒にリセスされ得る。
【0127】
いくつかの実施形態において、複数の抵抗素子(321~324)のそれぞれは、抵抗成分を有する。
例えば、抵抗素子321の抵抗は、抵抗素子321のコンタクト抵抗RC1a、ドリフト領域抵抗RDa、及び抵抗素子321のコンタクト抵抗RC2aを含み、抵抗素子320の抵抗は、抵抗素子320のコンタクト抵抗RC1b、ドリフト領域抵抗RDb、及び抵抗素子320のコンタクト抵抗RC2bを含む。
また、抵抗素子323の抵抗は、抵抗素子323の第1コンタクト抵抗RC1c、第3ドリフト領域抵抗RDc、及び抵抗素子323の第2コンタクト抵抗RC2cを含み、抵抗素子324の抵抗は、抵抗素子324の第1コンタクト抵抗RC1d、第4ドリフト領域抵抗RDd、及び抵抗素子324の第2コンタクト抵抗RC2dを含む。
その際、複数の抵抗素子(321~324)は、互いに電気的に接続される。
【0128】
例えば、図25図29を参照すると、複数の抵抗素子(321~324)は、直列に接続される。
従って、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_2)の抵抗値は、抵抗素子321の抵抗値~抵抗素子324の抵抗値の合計である。
一例として、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aがノードN4としてメインソース電極173mで構成され、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aと抵抗素子320のコンタクト電極CT2bが電気的に接続され、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと抵抗素子323のコンタクト電極CT1cが電気的に接続され、抵抗素子323のコンタクト電極CT2cと抵抗素子324のコンタクト電極CT2dが電気的に接続され、抵抗素子324のコンタクト電極CT1dがノードN2として感知電極SEで構成されるが、これに限定されるものではない。
いくつかの実施形態においては、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aがメインソース電極173mに対応するものと説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aは、別の電極を介してメインソース電極173mと電気的に接続されることもある。
【0129】
いくつかの実施形態において、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aと抵抗素子320のコンタクト電極CT2bは、一体的に形成される。
即ち、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aと抵抗素子320のコンタクト電極CT2bは、同じ工程で一体に形成され得る。
その際、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aと抵抗素子320のコンタクト電極CT2bを接続する第1接続部CP1は、分離構造物160及び保護層140と第3方向(Y方向)に重畳する。
第1接続部CP1は、保護層140の上部面を覆う。
このような点は、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと、抵抗素子323のコンタクト電極CT1cとの間、及び抵抗素子323のコンタクト電極CT2cと、抵抗素子324のコンタクト電極CT2dとの間についても同様に適用される。
即ち、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと抵抗素子323のコンタクト電極CT1cは、一体的に形成される。
また、抵抗素子323のコンタクト電極CT2cと抵抗素子324のコンタクト電極CT2dは、一体的に形成される。
その際、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと、抵抗素子323のコンタクト電極CT1cを接続する第2接続部CP2、及び抵抗素子323のコンタクト電極CT2cと、抵抗素子324のコンタクト電極CT2dを接続する第3接続部CP3は、分離構造物160及び保護層140と第3方向(Y方向)に重畳する。
【0130】
以下、一体に形成された複数のコンタクト電極をコンタクトグループと称する。
即ち、いくつかの実施形態において、抵抗素子321のコンタクト電極CT2a、抵抗素子320のコンタクト電極CT2b、及び第1接続部CP1を第1コンタクトグループと称し、抵抗素子320のコンタクト電極CT1b、抵抗素子323のコンタクト電極CT1c、及び第2接続部CP2を第2コンタクトグループと称し、抵抗素子323のコンタクト電極CT2c、抵抗素子324のコンタクト電極CT2d、及び第3接続部CP3を第3コンタクトグループと称する。
いくつかの実施形態において、複数のコンタクトグループは、平面上でチャンネルパターン132rの一側、及び他側に交番して配置される。
例えば、第1方向(X方向)及び第2方向(Y方向)からなる平面上において、第1コンタクトグループは、チャンネルパターン132r1の一側、及びチャンネルパターン132r2の一側に配置され、第2コンタクトグループは、チャンネルパターン132r2の他側、及びチャンネルパターン132r3の他側に配置される。
また、第3コンタクトグループは、チャンネルパターン132r3の一側、及びチャンネルパターン132r4の一側に配置されるが、これに限定されるものではない。
これにより、第1~第4抵抗素子(321~324)は、直列に接続される。
【0131】
図27図29においては、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の内の少なくとも一部が接続部(CP1~CP3)を介して一体的に形成されるものと示しているが、これに限定されるものではない。
例えば、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)を先に形成した後に、接続部を別途に形成することもできる。
他の例として、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)を形成し、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)を覆う絶縁層を形成した後に、絶縁層を貫く電極を形成することもできる。
この場合、絶縁層を貫いて複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)と電気的に接続される電極を介して複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)の内の少なくとも一部が電気的に接続される。
【0132】
いくつかの実施形態において、抵抗素子321~抵抗素子324のそれぞれは、温度に関係なく一定の抵抗値を有する。
これにより、抵抗素子321~抵抗素子324のそれぞれが、温度に関係なく一定の抵抗値を有するので、複数の抵抗素子(321~324)を直列又は並列に接続する場合にも、いくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_2)が温度に関係なく一定の抵抗値を有することができる。
従って、温度に応じた抵抗値の変化を考慮する必要なく、複数の抵抗素子(321~324)を様々な方式で接続して、温度に関係なく一定の抵抗値を有する素子を容易に設計することができる。
但し、これに限定されず、複数の抵抗素子(321~324)の内の少なくとも一部は、正の温度抵抗係数TCRを有し、他部は、負の温度抵抗係数TCRを有することもできる。
但し、この場合にも、複数の抵抗素子(321~324)の全体の抵抗は、温度に関係なく実質的に一定の抵抗値を有することができる。
【0133】
例えば、図30に示すように、抵抗素子321は、負の温度抵抗係数TCRを有し、抵抗素子320は、正の温度抵抗係数TCRを有する。
その際、抵抗素子323及び抵抗素子324は、温度に関係なく実質的に一定の抵抗値を有する。
具体的には、抵抗素子321のチャンネルパターン132r1の第1方向(X方向)に沿った延長長さは、抵抗素子323のチャンネルパターン132r3の第1方向(X方向)に沿った延長長さより短い。
これにより、抵抗素子321の抵抗は、チャンネルパターン132r1のドリフト領域による抵抗成分の影響が減少し、抵抗素子321の抵抗は、負の温度抵抗係数TCRを有する。
また、抵抗素子320のチャンネルパターン132r2の第1方向(X方向)に沿った延長長さは、抵抗素子323のチャンネルパターン132r3の第1方向(X方向)に沿った延長長さより長い。
これにより、抵抗素子323の抵抗は、チャンネルパターン132r3のドリフト領域による抵抗成分の影響が増加し、抵抗素子323の抵抗は、正の温度抵抗係数TCRを有する。
但し、この場合にも、抵抗素子321の抵抗と抵抗素子320の抵抗の合計は、温度に関係なく実質的に一定の値を有する。
他の例として、いくつかの実施形態による抵抗素子324は、コンタクト電極CT1dとコンタクト電極CT2dとの間に、中間コンタクト電極をさらに含むこともできる。
【0134】
また、他の例として、図31図32に示すように、複数の抵抗素子(321~324)は、並列に接続され得る。
抵抗素子321のコンタクト電極CT1a、抵抗素子320のコンタクト電極CT1b、抵抗素子323のコンタクト電極CT1c、及び抵抗素子324のコンタクト電極CT1dがノードN4としてメインソース電極173mに電気的に接続され、抵抗素子321のコンタクト電極CT2a、抵抗素子320のコンタクト電極CT2b、抵抗素子323のコンタクト電極CT2c、及び抵抗素子324のコンタクト電極CT2dがノードN2として感知電極SEに電気的に接続される。
その際、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aは、メインソース電極173mで構成され、抵抗素子324のコンタクト電極CT2dは、感知電極SEで構成されるが、これに限定されるものではない。
【0135】
いくつかの実施形態において、抵抗素子321のコンタクト電極CT1a、抵抗素子320のコンタクト電極CT1b、抵抗素子323のコンタクト電極CT1c、及び抵抗素子324のコンタクト電極CT1dは、一体的に形成される。
即ち、抵抗素子321のコンタクト電極CT1a、抵抗素子320のコンタクト電極CT1b、抵抗素子323のコンタクト電極CT1c、及び抵抗素子324のコンタクト電極CT1dは、同じ工程で一体に形成され得る。
その際、抵抗素子321のコンタクト電極CT1aと、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bとの間、抵抗素子320のコンタクト電極CT1bと、抵抗素子323のコンタクト電極CT1cとの間、及び抵抗素子323のコンタクト電極CT1cと、抵抗素子324のコンタクト電極CT1dとの間は、接続部により接続される。
接続部は、分離構造物160及び保護層140と第3方向(Y方向)に重畳する。
接続部は、保護層140の上部面を覆う。
【0136】
また、抵抗素子321のコンタクト電極CT2a、抵抗素子320のコンタクト電極CT2b、抵抗素子323のコンタクト電極CT2c、及び抵抗素子324のコンタクト電極CT2dは、一体的に形成される。
即ち、抵抗素子321のコンタクト電極CT2a、抵抗素子320のコンタクト電極CT2b、抵抗素子323のコンタクト電極CT2c、及び抵抗素子324のコンタクト電極CT2dは、同じ工程で一体に形成され得る。
その際、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aと、抵抗素子320のコンタクト電極CT2bとの間、抵抗素子320のコンタクト電極CT2bと、抵抗素子323のコンタクト電極CT2cとの間、及び抵抗素子323のコンタクト電極CT2cと、抵抗素子324のコンタクト電極CT2dとの間は、接続部により接続される。
接続部は、分離構造物160及び保護層140と第3方向(Y方向)に重畳する。
接続部は、保護層140の上部面を覆う。
【0137】
図32においては、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)が接続部と一体的に形成されるものと示しているが、これに限定されるものではない。
例えば、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)を先に形成した後に、接続部を別途に形成することもできる。
他の例として、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)を形成し、複数のコンタクト電極(CT1a、CT1b、CT1c、CT1d、CT2a、CT2b、CT2c、CT2d)を覆う絶縁層を形成した後に、絶縁層を貫く電極を形成することもできる。
【0138】
いくつかの実施形態において、抵抗素子321~抵抗素子324は、温度に関係なく一定の抵抗値を有する。
これにより、いくつかの実施形態による半導体素子の抵抗素子(320_2)が、温度に関係なく実質的に一定の抵抗値を有することができる。
従って、複数の抵抗素子(321~324)を様々な方式で接続して、温度に関係なく一定の抵抗値を有する素子を容易に設計することができる。
いくつかの実施形態において、複数の抵抗素子(321~324)は、図25に示すように、直列に接続されるか、図31に示すように、並列に接続される。
但し、これに限定されず、様々な組み合わせ及び変更が可能である。
例えば、複数の抵抗素子(321~324)の少なくとも一部は、直列に接続され、残りの一部は、並列に接続されることもある。
例えば、図33及び図34に示すように、抵抗素子321と抵抗素子320は、並列に接続され、抵抗素子323及び抵抗素子324は、抵抗素子321と直列に接続されることもある。
【0139】
一例として、抵抗素子321のコンタクト電極CT2a及び抵抗素子320のコンタクト電極CT2bが、ノードN4としてメインソース電極173mに電気的に接続され、抵抗素子321のコンタクト電極CT1a及び抵抗素子320のコンタクト電極CT1bが、抵抗素子323のコンタクト電極CT1cと電気的に接続され、抵抗素子323のコンタクト電極CT2cと抵抗素子324のコンタクト電極CT2dが、電気的に接続され、抵抗素子324のコンタクト電極CT1dが、ノードN2として感知電極SEと電気的に接続される。
いくつかの実施形態において、抵抗素子321のコンタクト電極CT2aは、メインソース電極173mで構成され、抵抗素子324のコンタクト電極CT1dは、感知電極SEで構成されるが、これに限定されるものではない。
【0140】
以下、図35及び図36を参照して、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子について説明する。
先に、図35を参照すれば、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子は、メイントランジスタ100及び抵抗素子320を含み、サブトランジスタ310を含まない。
メイントランジスタ100のドレイン電極Dには、電源電圧VDが供給される、メイントランジスタ100のソース電極Sは、ノードN6を介して抵抗素子320と電気的に接続される。
また、メイントランジスタ100のソース電極Sは、ノードN6を介して感知部500と電気的に接続される。
抵抗素子320は、ノードN6を介してメイントランジスタ100のソース電極Sと電気的に接続される。
即ち、抵抗素子320の一端は、ノードN6を介してメイントランジスタ100のメインソース電極(図36の175s)と電気的に接続される。
また、抵抗素子320の一端は、ノードN6を介して感知部500と電気的に接続される。
抵抗素子320の他端は、電源電圧VSを有する第2電源に接続される。
これにより、抵抗素子320の他端に電源電圧VSが供給される。
電源電圧VSは、例えば、グラウンド電圧である。
【0141】
これにより、メイントランジスタ100がターンオンされる場合、電流は、メイントランジスタ100のドレイン電極Dでソース電極Sに流れ、ノードN6を通過して抵抗素子320を通過して流れる。
その際、メイントランジスタ100を通過して流れる電流の大きさに比例して、抵抗素子320で電圧降下となる。
即ち、メイントランジスタ100を通過して流れる電流の大きさに比例して、ノードN6の感知電圧VCSが決定される。
従って、感知部500は、感知した感知電圧VCSの大きさに基づいて、メイントランジスタ100に流れる電流の大きさを算出することができる。
即ち、感知部500は、予め貯蔵された範囲の感知電圧VCSより大きい範囲の感知電圧VCSが検出される場合、メイントランジスタ100に過剰な電流が流れるか否かを検出することができる。
【0142】
図36を参照すると、本発明のいくつかの実施形態による半導体素子のメインドレイン電極175mは、図35のメイントランジスタ100のドレイン電極Dに対応し、メインゲート電極155mは、図35のメイントランジスタ100のゲート電極Gに対応し、メインソース電極173mは、図35のメイントランジスタ100のソース電極Sに対応する。
また、感知電極SEは、図35のノードN6に対応する地点である。
図35及び図36の実施形態においては、メイン素子領域MAと周辺回路領域PAとの間に、分離構造物160が配置されない。
メイン素子領域MAと周辺回路領域PAにメインチャンネル層132mが配置される。
メインチャンネル層132mは、メイン素子領域MAの第2方向(Y方向)に沿った一側から他側まで、及び周辺回路領域PAの第2方向(Y方向)に沿った一側から他側まで第2方向(Y方向)に延長される。
【0143】
いくつかの実施形態において、メインドレイン電極175m、メインゲート電極155m、及びメインソース電極173mは、第2方向(Y方向)に沿って延長される。
例えば、メインドレイン電極175m及びメインゲート電極155mは、メイン素子領域MAの第2方向(Y方向)に沿った一側から他側まで、及び周辺回路領域PAの第2方向(Y方向)に沿った一側から他側まで第2方向(Y方向)に延長される。
メインソース電極173mは、メイン素子領域MAの第2方向(Y方向)に沿った一側から他側まで、及び周辺回路領域PAの少なくとも一部を過ぎるように第2方向(Y方向)に延長される。
メインソース電極173mの第2方向(Y方向)に沿った長さは、メインドレイン電極175mの第2方向(Y方向)に沿った長さ、及びメインゲート電極155mの第2方向(Y方向)に沿った長さより短い。
【0144】
いくつかの実施形態によるチャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間に配置される。
チャンネルパターン132rは、感知電極SEとメインソース電極173mとの間に配置されるメインチャンネル層132m部分を意味する。
即ち、チャンネルパターン132rとメインチャンネル層132mは、一体的に形成され得る。
これに関する説明は、図1図11の実施例と実質的に同じであるので省略する。
周辺回路領域PAにおいて、メインソース電極173mとメインゲート電極155mとの間に、分離構造物が配置されない。
即ち、メインソース電極173mとメインゲート電極155mとの間に、メインチャンネル層132m及びバリア層136が配置される。
また、チャンネルパターン132rとメインチャンネル層132mとの間に、分離構造物が配置されない。
但し、これに限定されず、例えば、周辺回路領域PAでメインソース電極173mとメインゲート電極155mとの間、及びチャンネルパターン132rとメインチャンネル層132mとの間に、分離構造物を配置することもできる。
【0145】
いくつかの実施形態において、チャンネルパターン132rは、サブドリフト領域DTRs2の抵抗を含む。
その際、サブドリフト領域抵抗は、正の符号の温度抵抗係数(Temperature Coefficient of Resistance:TCR)を有する。
一実施形態において、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2は、温度により異なる値を有する。
例えば、コンタクト抵抗RC1及びコンタクト抵抗RC2は、温度が上昇することにより減少する。
また、感知電極SEとチャンネルパターン132rとの間の第1コンタクト界面の抵抗、及びメインソース電極173mとチャンネルパターン132rとの間の第2コンタクト界面の抵抗は、負の符号の温度抵抗係数TCRを有する。
【0146】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0147】
100 メイントランジスタ
110 基板
120 バッファ層
121 シード層
124 超格子層
126 高抵抗層
132m メインチャンネル層
132r チャンネルパターン
132s サブチャンネル層
134 二次元電子ガス
136 バリア層
140 保護層
152 ゲート半導体層
155m メインゲート電極
155s サブゲート電極
160 分離構造物
173m メインソース電極
175m メインドレイン電極
175s サブドレイン電極
300 周辺回路素子
310 サブトランジスタ
320 抵抗素子
500 感知部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36