(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025146785
(43)【公開日】2025-10-03
(54)【発明の名称】車線境界線検出のための評価方法及び評価システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20250926BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20250926BHJP
G06T 7/60 20170101ALI20250926BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G06T7/00 650A
G06T7/60 150G
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2025044788
(22)【出願日】2025-03-19
(31)【優先権主張番号】202410330086.8
(32)【優先日】2024-03-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.PYTHON
(71)【出願人】
【識別番号】513271313
【氏名又は名称】ボッシュ オートモーティヴ プロダクツ(スジョウ) カンパニーリミテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSCH AUTOMOTIVE PRODUCTS(SUZHOU)CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(74)【代理人】
【識別番号】100210099
【弁理士】
【氏名又は名称】遠藤 太介
(72)【発明者】
【氏名】ユ バイ
(72)【発明者】
【氏名】ヅーシアン ガオ
【テーマコード(参考)】
5H181
5L096
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181CC04
5H181CC27
5H181FF27
5H181LL09
5L096AA06
5L096BA04
5L096CA04
5L096DA02
5L096EA15
5L096EA16
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA68
5L096FA69
5L096GA51
(57)【要約】 (修正有)
【課題】車線境界線検出のための評価方法及びシステムに関する。
【解決手段】車両移動データを取得することと、車両から指定された距離において車両境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出することと、車両移動データ及び境界エンベロープラインパラメータを結合し、指定されたファイルに格納することと、現在のフレーム後の指定されたフレームの境界エンベロープラインパラメータを抽出することと、抽出された車両移動データに基づいて、回転行列及び並進変数を取得することと、回転行列及び並進移動変数を使用して、現在のフレームの後の指定されたフレームの点を現在の画像内の点に移動し、グラウンドトゥルース値点として設定することと、グラウンドトゥルース値ラインをさらに形成することと、グラウンドトゥルース値ラインと、車両の車線境界線検出によって出力される車線境界線との間の差を比較して、車線境界線検出を評価する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線境界線検出のための評価方法であって、
車両移動データを取得することと、
車両から指定された距離において、前記車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出することと、
前記車両移動データと前記境界エンベロープパラメータとを、フレームごとに対応する形式で結合することと、
結合された前記車両移動データ及び前記境界エンベロープパラメータを指定されたファイルに格納することと、
前記指定されたファイルから、現在のフレーム後の指定されたフレームの前記境界エンベロープパラメータと、当該境界エンベロープパラメータに結合された前記車両移動データとを抽出することと、
抽出された前記車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得することと、
前記現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの境界エンベロープパラメータに基づいて、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得することと、
前記回転行列及び前記並進移動変数を使用して、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の前記位置情報を回転及び並進移動することと、
前記現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成することと、
前記グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、前記車線境界線検出の評価を実施することと、
を含む、車線境界線検出のための評価方法。
【請求項2】
前記車両移動データは、ヨー角及び車両速度を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項3】
前記境界エンベロープラインパラメータは、水平偏差、進行角度、曲率、及び、曲率の変化を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項4】
前記グラウンドトゥルースラインと、前記車線境界線検出によって得られた前記車線境界線との差を比較して、前記車線境界線検出の前記評価を実施することは、前記グラウンドトゥルースラインと、前記車線境界線検出により得られた前記車線境界線との水平偏差を同じ長手方向に離隔した位置で比較することであって、前記水平偏差が所定の閾値を超える場合、前記車両の車線境界線検出出力の前記車線境界線が誤っていると評価される、ことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項5】
前記距離は、前記車両から8メートルの距離にある前記車両の指定された距離であることを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項6】
車線境界線検出のための評価システムであって、
車両移動データを取得するための取得モジュールと、
車両から指定された距離において、前記車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出するための抽出モジュールと、
前記車両移動データと前記境界エンベロープパラメータとを、フレームごとに対応する形式で結合するための結合モジュールと、
結合された前記車両移動データ及び前記境界エンベロープラインパラメータを格納するための記憶モジュールと、
前記境界エンベロープラインパラメータと、現在のフレームの後の指定されたフレームの当該境界エンベロープラインパラメータに結合された前記車両移動データとを、指定されたファイルから抽出し、抽出された前記車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得し、前記現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの前記境界エンベロープパラメータに基づいて、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得し、前記回転行列及び前記並進移動変数を使用して、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の前記位置情報を回転及び並進移動し、前記現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成するための移動モジュールと、
前記グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、前記車線境界線検出の評価を実施するための比較モジュールと、
を備える、車線境界線検出のための評価システム。
【請求項7】
前記車両移動データは、ヨー角及び車両速度を含むことを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項8】
前記境界エンベロープラインパラメータは、水平偏差、進行角度、曲率、及び、曲率の変化を含むことを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項9】
前記比較モジュールは、同じ長手方向距離において前記グラウンドトゥルースラインの前記車線境界線と、車両境界線検出出力との水平偏差を比較し、前記水平偏差が所定の閾値を超える場合、前記車両境界線検出出力の前記車線境界線が、不正確として評価されることを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項10】
前記車両からの前記指定された距離は、前記車両から8メートルであることを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項11】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車線境界線検出のための評価方法を実施することを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
記憶モジュールと、プロセッサと、前記記憶モジュール上に格納され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムと、を備えるコンピュータ装置であって、
前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車線境界線検出のための評価方法を実施することを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項13】
コンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムを含み、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車線境界線検出評価方法を実施することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェント運転技術の分野に関し、特に、車線境界線検出のための評価方法及び評価システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ACC(アダプティブクルーズコントロール)又はLKS(車線維持支援システム)などの自動運転機能は、市場において成熟したソリューションであり、いずれも標的物体の選択に有用な車線境界線情報を必要とする。この文脈において、車線境界線検出がソフトウェア品質検証のために正確であるかどうかを評価することが重要となる。
【0003】
特に、車線境界線検出を評価する方法として、先行技術は、典型的には、より高い精度のセンサ及び高解像度マップを使用して、車線境界線情報のグラウンドトゥルースを取得する。このアプローチは、追加の装置、典型的には高価な装置を必要とし、追加の融合アルゴリズムを必要とする。
【0004】
さらに、別の方法は、大型のAIモデルを訓練して偽陽性に関する情報を識別し、それによって車線境界線検出を評価することであるが、複雑な処理方法を必要とし、所望の結果を達成することが困難である。
【0005】
上述のように、先行技術の解決策は、多くの場合、高いコスト、及び、開発者によるより多くの関与を必要とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述の先行技術の問題に基づいて、本発明は、高精度センサ及び高精度マップを必要とせずに、車線境界線検出の評価を実現することができる車線境界線検出のための評価方法及び評価システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る車線境界線検出のための評価方法は、
車両移動データを取得することと、
車両から指定された距離において、車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出することと、
車両移動データと境界エンベロープパラメータとを、フレームごとに対応する形式で結合することと、
結合された車両移動データ及び境界エンベロープパラメータを指定されたファイルに格納することと、
指定されたファイルから、現在のフレーム後の指定されたフレームの境界エンベロープパラメータと、当該境界エンベロープパラメータに結合された車両移動データとを抽出することと、
抽出された車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得することと、
現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの境界エンベロープパラメータに基づいて、現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得することと、
回転行列及び並進移動変数を使用して、現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の位置情報を回転及び並進移動することと、
現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成することと、
グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、車線境界線検出の評価を実施することと、
を含む。
【0008】
本発明の一態様に係る車線境界線検出のための評価システムは、
車両移動データを取得するための取得モジュールと、
車両から指定された距離において、車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出するための抽出モジュールと、
車両移動データと境界エンベロープパラメータとを、フレームごとに対応する形式で結合するための結合モジュールと、
結合された車両移動データ及び境界エンベロープラインパラメータを格納するための記憶モジュールと、
境界エンベロープラインパラメータと、現在のフレームの後の指定されたフレームの当該境界エンベロープラインパラメータに結合された車両移動データとを、指定されたファイルから抽出し、抽出された車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得し、現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの境界エンベロープパラメータに基づいて、現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得し、回転行列及び並進移動変数を使用して、現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の位置情報を回転及び並進移動し、現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成するための移動モジュールと、
グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、車線境界線検出の評価を実施するための比較モジュールと、
を備える。
【0009】
本出願の前述の目的及び他の目的並びに利点は、添付図面と併せて以下の詳細な説明からより完全に明らかになり、ここでは、同一又は類似の要素が同一の参照番号によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施形態に係る車線境界線検出のための評価方法のフローチャートである。
【
図2】本発明の実施形態に係る車線境界線検出のための評価方法の視覚的概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る車線境界線検出のための評価システムの構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下は、本開示の実施例の一部を説明し、本開示の基本的な理解を提供することを目的としている。本発明の重要な要素又は決定的な要素を特定すること、又は、求められる保護の範囲を限定することを意図するものではない。
【0012】
第一に、本発明に係る車線境界線検出のための評価方法は、現在のフレームの車線境界線を推定するために、将来の連続フレームを使用することが主に想定され、近接車線境界線が十分に良好に検出される場合、グラウンドトゥルースとみなすことができる。この仮説に基づいて、本発明においては、車両から指定された距離(例えば、好ましくは8メートル)で車線境界線点を取り、いくつかのフレームの点を現在のフレームに組み合わせ、その結果を現在のフレームのグラウンドトゥルースとして使用することができる。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る車線境界線検出のための評価方法のフローチャートである。
【0014】
ステップS1:mf4ファイルから車両移動データを読み込み、車両移動データは少なくともヨー角と車速を含む(ヨー角と車速は、その後の回転行列Tと並進ベクトルtの計算に使用される)。
【0015】
ステップS2:車両の特定距離における車両の境界点の水平偏差、進行角度、曲率、及び、曲率の変化が抽出される。これらのパラメータは、サンプリング点が位置する車線境界線のステップ数を指す。好ましい方法として、8メートルの距離における車両の境界点は、8メートルがカメラFOV視野角下の画像の底部点に対応する世界座標系下の垂直距離であるため、抽出される。
【0016】
これは、カメラが見ることができる最も近い距離点である。道路がカメラに近いほど、道路傾斜の影響が小さくなり、世界座標系の推定位置がより正確であるため、これは、好ましい方法であり、車両から8メートルの点が採用される。
【0017】
ステップS3:車両移動データ及び境界エンベロープラインパラメータは、各フレームに従って境界付けられ、すなわち、各フレームから抽出された点は、対応するフレーム番号の下で、車両移動データにより1つずつ境界付けられる。境界エンベロープラインパラメータは、ゼロ点での水平偏差、ゼロ点間の角度、ゼロ点での曲率、及び、曲率の変化率を含む、境界車線境界線の各順序の係数を指す。境界エンベロープラインパラメータは、既に世界座標系で記述された曲線方程式であるため、点の位置情報は、曲線方程式、すなわち、事前に決定される異なる長手方向距離における点の水平座標(例えば、例として、10m、15m、20m、25m...)を用いて取得することができる。一方で、速度及びヨー角がリアルタイムで変化するので、各フレームの車両移動データ(すなわち、速度及びヨー角)は異なり、そのため、各フレームの下の点の位置情報は、例えば、フレーム1の点の位置情報をフレーム1の車両移動データに結合し、フレーム2の点の位置情報をフレーム2の車両移動データに結合するなど、車両移動データに1つずつ結合される。
【0018】
ステップS4:結合したデータをCSV(Comma-Separated Values)ファイルにエクスポートする。
【0019】
ステップS5:現在のフレーム後の指定されたフレームの点の位置情報(世界座標の縦座標及び横座標を含む)と、点情報(すなわち、ヨー角及び速度)により結合された車両移動データとを同時に抽出する。ここで、「指定されたフレーム」は、フレームが多すぎたり又はフレームが少なすぎたりすることなく、適当なフレーム番号とすることができる。なぜなら、より多くのフレームが選択されると、グラウンドトゥルースラインが長くなるからである。しかしながら、データが合計1000個のフレームを有すると仮定すると、点の情報を抽出し、グラウンドトゥルースラインを取得するために500個の連続フレームを使用して、グラウンドトゥルースラインを取得することができるフレームは、最初の1、2、3...500個のフレームで取得することができるが、501個のフレーム及びより大きいフレームにおいては、残余のフレーム番号が500個のフレーム未満であるため、グラウンドトゥルースラインは取得することができない。逆に、フレームが少なすぎる場合、グラウンドトゥルース値ラインは、短すぎる。ここで、一例として、50個のフレーム内の点情報が抽出される。
【0020】
ステップS6:回転行列R及び並進ベクトルtを使用して、現在のフレームの後に抽出された指定されたフレームのドットを現在の画像に回転させ、回転行列R及び並進ベクトルtは、ヨー角及び車両速度に従って取得され、特に各フレームの前方8メートルで記録されたドットは、各フレームの車両後方軸座標系に基づいており、車両が並進移動及び回転移動を含む移動状態にあるため、座標系は、リアルタイムで変化する。ここで、n番目のフレームの下のn個のフレーム後に各フレームに記録された点の位置を決定したいと仮定する。これは、回転及び並進動作を必要とする。n番目のフレーム上に投影される(n+1)番目のフレームからの点は、p(n+1)・R(n)+t(n)=p(n+1)(n)によって与えられる。n番目のフレーム上に投影される(n+2)番目のフレームからの点は、(p(n+2)・R(n+1)+t(n+1))・R(n)+t(n)=p(n+2)(n)である。n番目のフレーム上に投影される(n+3)番目のフレームからの点は、((p(n+3)・R(n+2)+t(n+2))・R(n+1)+t(n+1))・R(n)+t(n)=p(n+3)(n)などである。
【0021】
ここで、Rは、回転行列を表し、tは、並進ベクトルを表し、pは、点の世界座標を表す。すなわち、第二の点は、一つの回転及び並進動作(第一の点から第二の点へ)を必要とし、第三の点は、二つのこうした動作(第一の点から第二の点へ、及び、第二の点から第三の点へ)を必要とする。
【0022】
ステップS7:変換された点、すなわち、グラウンドトゥルース値点からグラウンドトゥルース値ラインを形成する。
【0023】
ステップS8:真のラインと現在の車線境界線とを比較する方法により、現在の車線境界線と車線境界線検出出力とを視覚的に表示する。同じ長手方向距離における2本の線の水平偏差が閾値を超えると、現在の車線境界線における車線境界線検出出力は、不正確として評価される。
【0024】
それらのうち、ステップS5において、ヨー角及び車両速度に従って回転行列R及び並進ベクトルtを取得する特定の形式は、以下のとおりである。
【0025】
回転行列Rは、以下の式によって取得される。
【数1】
ここで、θは、ヨー角である。
【0026】
並進ベクトルtは、以下の方程式によって取得される。
【数2】
ここで、vは、車両速度であり、θは、ヨー角であり、Δtは、時間間隔である。
【0027】
上記のプロセスにおいては、一例として、ステップS1乃至S4は、Python(パイソン)を介して実施することができる。
【0028】
ステップS5乃至S8は、シミュレーションツールに埋め込まれ、C++を使用することによって実施することができる。
【0029】
図2は、本発明の実施形態に係る車線境界線検出のための評価方法の視覚的概略図である。
【0030】
図2のgtにより示される実線は、
図1に示す車線境界線検出のための評価方法によって得られたグラウンドトゥルース値ラインである。Pにより示される破線は、車線境界線検出出力によって検出された車線境界線である。同じ長手方向距離における2本の線の水平偏差が閾値を超えると、車線境界線検出出力による車線境界線は、不正確として評価される。
図2から、同じ長手方向距離における車線境界線検出によって出力される、グラウンドトゥルース値ラインと車線境界線間の水平偏差との間に距離があることが分かる。
【0031】
図3は、本発明の実施形態に係る車線境界線検出のための評価システムの構造図である。
【0032】
図3に示すように、本発明に係る車線境界線検出の評価システム100は、
車両移動データを取得するための取得モジュール110と、
車両から指定された距離において、車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出するための抽出モジュール120と、
各フレームに従って、車両移動データと境界エンベロープラインパラメータとを結合するための結合モジュール130と、
結合された車両移動データ及び境界エンベロープラインパラメータを格納するための記憶モジュール140と、
境界エンベロープラインパラメータと、現在のフレームの後の指定されたフレームの当該境界エンベロープラインパラメータに結合された車両移動データとを、指定されたファイルから抽出し、抽出された車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得し、現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの境界エンベロープパラメータに基づいて、現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得し、回転行列及び並進移動変数を使用して、現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の位置情報を回転及び並進移動し、現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成するための移動モジュール150と、
グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、車線境界線検出の評価を実施するための比較モジュール160と、
を備える。
【0033】
車両移動データは、ヨー角及び車両速度を含む。境界エンベロープラインパラメータには、水平偏差、進行角度、曲率、及び、曲率の変化が含まれる。
【0034】
比較モジュール160は、グラウンドトゥルース値ラインと車両車線境界線とを比較して、車線境界線出力の同じ長手方向距離における水平偏差を検出する。水平偏差が規定の所定の閾値を超える場合、車両車線境界線検出の車線境界線出力は、不正確として評価される。
【0035】
車両までの距離は、車両から8メートルの指定された距離にあることが好ましい。
【0036】
本発明はまた、コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体を提供し、当該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、車線境界線検出のための評価方法が実施される。
【0037】
また、本開示は、記憶モジュールと、プロセッサと、記憶モジュール上に格納され、プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムと、を備え、プロセッサがコンピュータプログラムを実行するときに、車線境界線検出のための上記評価方法を実施するコンピュータ装置を提供する。
【0038】
本発明に係る車線境界線検出の評価方法及び車線境界線検出の評価システムによると、車線境界線検出の車線境界線の出力品質は、追加のセンサ及び高解像度マップなしで評価され得る。
【0039】
上記の説明は、本出願の特定の実施形態のみについてのものであり、本出願の保護の範囲は、それに限定されるものではない。当業者は、本出願に開示される技術範囲に従って他の実行可能な修正又は置換を企図することができ、そのような修正又は置換の全ては、本出願の保護の範囲内にある。矛盾がない場合、本出願の実施形態及び実施形態内の特徴はまた、相互に組み合わせられ得る。本出願の保護の範囲は、特許請求の範囲の保護の範囲に従う。
【手続補正書】
【提出日】2025-05-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線境界線検出のための評価方法であって、
車両移動データを取得することと、
車両から指定された距離において、前記車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出することと、
前記車両移動データと前記境界エンベロープラインパラメータとを、フレームごとに対応する形式で結合することと、
結合された前記車両移動データ及び前記境界エンベロープラインパラメータを指定されたファイルに格納することと、
前記指定されたファイルから、現在のフレーム後の指定されたフレームの前記境界エンベロープラインパラメータと、当該境界エンベロープラインパラメータに結合された前記車両移動データとを抽出することと、
抽出された前記車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得することと、
前記現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの境界エンベロープラインパラメータに基づいて、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得することと、
前記回転行列及び前記並進移動変数を使用して、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の前記位置情報を回転及び並進移動することと、
前記現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成することと、
前記グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、前記車線境界線検出の評価を実施することと、
を含む、車線境界線検出のための評価方法。
【請求項2】
前記車両移動データは、ヨー角及び車両速度を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項3】
前記境界エンベロープラインパラメータは、水平偏差、進行角度、曲率、及び、曲率の変化を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項4】
前記グラウンドトゥルースラインと、前記車線境界線検出によって得られた前記車線境界線との差を比較して、前記車線境界線検出の前記評価を実施することは、前記グラウンドトゥルースラインと、前記車線境界線検出により得られた前記車線境界線との水平偏差を同じ長手方向に離隔した位置で比較することであって、前記水平偏差が所定の閾値を超える場合、前記車両の車線境界線検出出力の前記車線境界線が誤っていると評価される、ことを含むことを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項5】
前記車両からの前記指定された距離は、前記車両から8メートルの距離であることを特徴とする、請求項1に記載の車線境界線検出のための評価方法。
【請求項6】
車線境界線検出のための評価システムであって、
車両移動データを取得するための取得モジュールと、
車両から指定された距離において、前記車両の左右の境界点から境界エンベロープラインパラメータを抽出するための抽出モジュールと、
前記車両移動データと前記境界エンベロープラインパラメータとを、フレームごとに対応する形式で結合するための結合モジュールと、
結合された前記車両移動データ及び前記境界エンベロープラインパラメータを指定されたファイルに格納するための記憶モジュールと、
前記境界エンベロープラインパラメータと、現在のフレームの後の指定されたフレームの当該境界エンベロープラインパラメータに結合された前記車両移動データとを、前記指定されたファイルから抽出し、抽出された前記車両移動データに基づいて、回転行列及び並進移動変数を取得し、前記現在のフレームが抽出された後の指定されたフレームの前記境界エンベロープラインパラメータに基づいて、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得し、前記回転行列及び前記並進移動変数を使用して、前記現在のフレームの後の指定されたフレームの点の位置情報を取得して、現在の画像内の点の前記位置情報を回転及び並進移動し、前記現在の画像内の点をグラウンドトゥルースとして形成し、次いで、グラウンドトゥルースラインをさらに形成するための移動モジュールと、
前記グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出によって得られた車線境界線との間の差を比較して、前記車線境界線検出の評価を実施するための比較モジュールと、
を備える、車線境界線検出のための評価システム。
【請求項7】
前記車両移動データは、ヨー角及び車両速度を含むことを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項8】
前記境界エンベロープラインパラメータは、水平偏差、進行角度、曲率、及び、曲率の変化を含むことを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項9】
前記比較モジュールは、同じ長手方向距離において前記グラウンドトゥルースラインと、車線境界線検出出力の前記車線境界線との水平偏差を比較し、前記水平偏差が所定の閾値を超える場合、前記車線境界線検出出力の前記車線境界線が、不正確として評価されることを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項10】
前記車両からの前記指定された距離は、前記車両から8メートルの距離であることを特徴とする、請求項6に記載の車線境界線検出のための評価システム。
【請求項11】
コンピュータプログラムを記憶したコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車線境界線検出のための評価方法を前記プロセッサに実施させるためのものである、ことを特徴とするコンピュータ可読媒体。
【請求項12】
記憶モジュールと、プロセッサと、前記記憶モジュール上に格納され、前記プロセッサ上で実行可能なコンピュータプログラムと、を備えるコンピュータ装置であって、
前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサが前記コンピュータプログラムを実行するときに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車線境界線検出のための評価方法を前記プロセッサに実施させるためのものである、ことを特徴とするコンピュータ装置。
【請求項13】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されるときに、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の車線境界線検出のための評価方法を前記プロセッサに実施させるためのものである、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【外国語明細書】