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特開2025-14699利用制御装置、利用制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014699
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】利用制御装置、利用制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20250123BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117468
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】500128723
【氏名又は名称】株式会社ホスピタルネット
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武田 利信
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を確保しつつ、種々の利用契約に応じて適切に電気機器の利用を制御する。
【解決手段】利用制御装置は、電気機器と接続される接続手段と、前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取る読み取り手段と、現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算する計算手段と、前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込む書き込み手段と、前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とする制御手段とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器と接続される接続手段と、
前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取る読み取り手段と、
現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算する計算手段と、
前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込む書き込み手段と、
前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とする制御手段と
を有する利用制御装置。
【請求項2】
前記記録媒体が、前記電気機器の利用契約の種別を表すデータを記憶し、
前記読み取り手段は、前記読み取り位置にある記録媒体から読み取られた前記種別が第1種別であった場合、当該記録媒体から前記有効期間を読み取る
請求項1に記載の利用制御装置。
【請求項3】
前記記録媒体が、前記電気機器の利用に関する有効日数及び最終利用日を示すデータを記憶し、
前記読み取り手段は、前記読み取り位置にある記録媒体から読み取られた前記種別が第2種別であった場合、当該記録媒体から前記有効日数及び前記最終利用日を読み取り、
前記計算手段は、前記有効日数から1を減算した値を新たな有効日数として計算し、
前記書き込み手段は、現在日時を前記最終利用日とするデータを当該記録媒体に書き込み、
前記記録媒体から読み取られた最終利用日が現在日時に相当する場合、前記制御手段が、前記電気機器の利用を可能とする
請求項2に記載の利用制御装置。
【請求項4】
前記接続手段が、異なる複数の電気機器と接続され、
前記記録媒体が、前記複数の電気機器のうち前記利用契約の対象となる電気機器を特定するデータを記憶し、
前記読み取り手段は、前記読み取り位置にある記録媒体から前記対象となる電気機器を特定するデータを読み取り、前記制御手段は、前記複数の電気機器のうち前記対象となる電気機器を利用可能とする
請求項2に記載の利用制御装置。
【請求項5】
前記電気機器と、当該電気機器の機能のうち予め定められた機能の利用可否を示す情報を記憶する記憶手段を有し、
前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記利用可否を示す情報に基づいて、前記電気機器における前記予め定められた機能の利用を制御する
請求項1に記載の利用制御装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記現在日時が日付変更時刻を経過した時点で、前記現在日時と、前記記録媒体の前記利用終了日とを照合し、現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とする
請求項1に記載の利用制御装置。
【請求項7】
電気機器と接続されるコンピュータが、
前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取るステップと、
現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算するステップと、
前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込むステップと、
前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とするステップと
を有する利用制御方法。
【請求項8】
電気機器と接続されるコンピュータに、
前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取るステップと、
現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算するステップと、
前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込むステップと、
前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とするステップと
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器の利用を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
電気機器の利用を制御する技術が知られている。例えば特許文献1は、カードに有効期限を設けるプリペイドカードタイマー装置において、カードに発券日情報を記録し、タイマー装置が発券日情報に基づいてカードの有効期限を計算する技術を開示している。
【0003】
特許文献2は、電気機器の利用制御に関するものではないが、博覧会、テーマパーク、及び遊戯施設等の入場処理を行う際に、有効期限を設けたカードの処理又は回数券相当の処理を行うカード式入場処理装置の技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6638929号公報
【特許文献2】特許3044925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の発明は、あくまで有効期限を設けたカードの処理だけに留まるものであった。また、特許文献2の発明は、回数利用のカードでは施設への再入場ができない仕様になっており、利用機会が制限されるため、ユーザにとって利便性のあるものではなかった。
【0006】
上記の背景に鑑み、本発明は、ユーザの利便性を確保しつつ、種々の利用契約に応じて適切に電気機器の利用を制御する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様は、電気機器と接続される接続手段と、前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取る読み取り手段と、現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算する計算手段と、前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込む書き込み手段と、前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とする制御手段とを有する利用制御装置を提供する。
【0008】
前記記録媒体が、前記電気機器の利用契約の種別を表すデータを記憶し、前記読み取り手段は、前記読み取り位置にある記録媒体から読み取られた前記種別が第1種別であった場合、当該記録媒体から前記有効期間を読み取ってもよい。
【0009】
前記記録媒体が、前記電気機器の利用に関する有効日数及び最終利用日を示すデータを記憶し、前記読み取り手段は、前記読み取り位置にある記録媒体から読み取られた前記種別が第2種別であった場合、当該記録媒体から前記有効日数及び前記最終利用日を読み取り、前記計算手段は、前記有効日数から1を減算した値を新たな有効日数として計算し、前記書き込み手段は、現在日時を前記最終利用日とするデータを当該記録媒体に書き込み、前記記録媒体から読み取られた最終利用日が現在日時に相当する場合、前記制御手段が、前記電気機器の利用を可能としてもよい。
【0010】
前記接続手段が、異なる複数の電気機器と接続され、前記記録媒体が、前記複数の電気機器のうち前記利用契約の対象となる電気機器を特定するデータを記憶し、前記読み取り手段は、前記読み取り位置にある記録媒体から前記対象となる電気機器を特定するデータを読み取り、前記制御手段は、前記複数の電気機器のうち前記対象となる電気機器を利用可能としてもよい。
【0011】
前記電気機器と、当該電気機器の機能のうち予め定められた機能の利用可否を示す情報を記憶する記憶手段を有し、前記制御手段は、前記記憶手段に記憶された前記利用可否を示す情報に基づいて、前記電気機器における前記予め定められた機能の利用を制御してもよい。
【0012】
前記制御手段は、前記現在日時が日付変更時刻を経過した時点で、前記現在日時と、前記記録媒体の前記利用終了日とを照合し、現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能としてもよい。
【0013】
本開示の別の態様は、電気機器と接続されるコンピュータが、前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取るステップと、現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算するステップと、前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込むステップと、前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とするステップとを有する利用制御方法を提供する。
【0014】
本開示の別の態様は、電気機器と接続されるコンピュータに、前記電気機器の利用に関する有効期間が記録され、読み取り位置にある記録媒体から当該有効期間を読み取るステップと、現在日時及び前記有効期間から、前記電気機器の利用に関する利用終了日を計算するステップと、前記利用終了日を示すデータを前記記録媒体に書き込むステップと、前記現在日時が前記利用終了日以内であるときは、前記電気機器の利用を可能とするステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ユーザの利便性を確保しつつ、種々の利用契約に応じて適切に電気機器の利用を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】利用制御システム1のシステム構成を例示する図。
図2】利用制御システム1の機能構成を例示する図。
図3】利用制御装置10のハードウェア構成を例示する図。
図4A】利用制御装置10のハードウェアを例示する外観図(表面)。
図4B】利用制御装置10のハードウェアを例示する外観図(裏面)。
図5】種別Aの記録媒体の内部メモリを例示する図。
図6】種別Bの記録媒体の内部メモリを例示する図。
図7】電気機器の利用開始方法を例示するシーケンスチャート。
図8】種別Aの記録媒体における利用方法を例示するフローチャート。
図9】種別Aの記録媒体における内部メモリの書き換えを例示する概要図。
図10】種別Bの記録媒体における利用方法を例示するフローチャート。
図11】種別Bの記録媒体における内部メモリの書き換えを例示する概要図。
図12】電気機器の利用終了方法を例示するシーケンスチャート。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.構成
図1は、利用制御システム1のシステム構成を例示する図である。この例において利用制御システム1(又は単にシステム)は、例えば、病院等の施設で、ユーザ(例えば、入院患者)が自身の病室に設置された電気機器(又は単に機器)を利用するために、その施設での利用契約に基づいて、各種電気機器の利用を制御するためのシステムである。この例において利用制御システム1は、利用制御装置10、記録媒体100、及び電気機器20を含む。この例においてユーザU1は、電気機器を利用するユーザの一例である。
【0018】
この例において利用制御装置10は、ユーザU1の利用に応じて、電気機器20を制御する制御装置/情報処理装置である。この例において利用制御装置10は、ユーザU1が保有する記録媒体100を介して、電気機器20の利用を制御することができる。また、利用制御装置10は、内部時計を有する。この例において利用制御装置10は、予め管理者の設定等によって、現在日時(又は「現在の日付」と表記する)として、現在の「年月日」及び「時刻」を記録する。これによって利用制御装置10は、リアルタイムの日付及び時刻を常時保持することができる。
【0019】
この例において記録媒体100(記録媒体の一例)は、各種データを記憶する不揮発性の内部メモリを備えたカードである。例えば、記録媒体100は、磁気カードを含む(ここで「内部メモリ」は磁気記録媒体の記憶領域を含む)。この例において記録媒体100(又は単に「カード」と言う)は、電気機器20の利用に関する有効期間を記録する。この例において記録媒体100は、電気機器20の利用契約の種別を表すデータを記憶する。この例において利用契約とは、ユーザが電気機器20を利用する頻度に応じて分類される記録媒体100の契約形態を指す。この場合、契約形態は、以下の2つの種別A及び種別Bに分けられる。
【0020】
種別Aは、予め定められた有効期間における電気機器20の利用を何度でも許可する契約形態である。この例において「有効期間」は、所定の開始日(例えばカードを最初に使用した日)を基準として、予め定められた日数(例えば「15日」という日数)が経過するまでの連続した期間を表す。つまり、ユーザがカードを最初に使用した(カードをアクティブにした)後、カードを最初に使用した日に、「有効期間」を加えて算出された日付が、そのカードの期限日(以下「利用終了日」という)として決定することになる。
【0021】
種別Bは、予め定められた有効日数に応じて、その日数を使い切るまで、電気機器20を利用できる契約形態である。この例において「有効日数」は、例えば、予め「10日」と定められる。また、カードを使用した日を「1日」とカウントして、元々の有効日数から減算する処理を、異なる日にユーザがカードを使用する度に繰り返し行う。最終的に、有効日数が「0日」未満になった時点で、カードは利用不可能になる。
【0022】
この例において電気機器20は、利用制御装置10と接続され、ユーザU1に利用される各種電気機器の総称である。この例において電気機器20は、例えば、病室に設置されたテレビ21及び冷蔵庫22等を含む。その他に、電気機器20は、例えば、(任意の)第3機器及び病室外のランドリー等を含む。
【0023】
図2は、利用制御システム1の機能構成を例示する図である。この実施形態では、利用制御装置10は、読み取り手段11、計算手段12、書き込み手段13、接続手段14、記憶手段18、及び制御手段19を有する。この例において記憶手段18は、例えば、データベースを含む各種のデータを記憶する。この例において制御手段19は、各種制御を行う。
【0024】
この例において読み取り手段11は、電気機器20の利用に関する「有効期間」が記録され、読み取り位置にある記録媒体100から「有効期間」を読み取る。この例において読み取り手段11は、読み取り位置にある記録媒体100から読み取られた種別が種別A(第1種別の一例)であった場合、記録媒体100から「有効期間」を読み取る。また、読み取り手段11は、読み取り位置にある記録媒体100から読み取られた種別が種別B(第2種別の一例)であった場合、記録媒体100から「有効日数」及び「最終利用日」を読み取る。
【0025】
この例において計算手段12は、現在日時及び「有効期間」から、電気機器20の利用に関する利用終了日を計算する。この例において現在日時は、利用制御装置10の内部時計によって、計算手段12に取得させることができる。また、記録媒体100の種別が種別Bの場合、計算手段12は、「有効日数」から1(1日)を減算した値を新たな「有効日数」として計算する。
【0026】
この例において書き込み手段13は、利用終了日を示すデータを記録媒体100に書き込む。また、記録媒体100の種別が種別Bの場合、書き込み手段13は、現在日時を、ユーザが最後にカードを使用した日を表す「最終利用日」として記録媒体100に書き込む。
【0027】
この例において接続手段14は、電気機器20と接続される。また、この例において接続手段14は、異なる複数の電気機器20と接続される。
【0028】
この例において制御手段19は、現在日時が利用終了日以内であるときは、電気機器20の利用を可能とする。また、記録媒体100の種別が種別Bの場合、制御手段19は、記録媒体100から読み取られた「最終利用日」が現在日時に相当する場合、電気機器20の利用を可能とする。
【0029】
図3は、利用制御装置10のハードウェア構成を例示する図である。この例において利用制御装置10は、MPU(Micro Processing Unit)101、メモリ102、ストレージ103、通信IF104、カードリーダ/ライタ105、クロック106、表示装置107、入力装置108、電源ユニット1101、及び電源供給ユニット1102を有する制御装置/情報処理装置である。MPU101は、プログラムに従って各種の演算を行うプロセッサである。メモリ102は、MPU101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置であり、例えばRAM(Random Access Memory)を含む。ストレージ103は、各種のデータ及びプログラムを記憶する補助記憶装置であり、例えばSSD(Solid State Drive)又はHDD(Hard Disc Drive)を含む。通信IF104は、所定の通信規格に従って他の装置と通信する装置であり、例えばNIC(Network Interface Card)を含む。
【0030】
また、カードリーダ/ライタ105は、利用制御装置10の挿入口に差し込まれたカード(記録媒体100の一例)のメモリに記録されたデータの読み込み/書き換えを行うための装置である。クロック106は、利用制御装置10の内部時計を表す。この例においてクロック106は、現在日時、例えば現在の「年月日」及び「時刻」を保持及び出力することができる。表示装置107は、情報を表示する装置であり、例えば、7セグメントディスプレイ、液晶ディスプレイ、又は有機ELディスプレイ等を含む。この例において表示装置107は、各種データをユーザが視認できるように表示することができる。入力装置108は、利用制御装置10に挿入されたカードを取り出したり、表示装置107の表示を切り替えたりするための装置であり、例えば物理スイッチ又は物理ボタンを含む。
【0031】
また、電源ユニット1101は、例えば、電源プラグを経由して、外部の電気設備等から利用制御装置10に電力を供給する。この例において電源ユニット1101は、MPU101といった制御基板、各種ハードウェアの構成要素、及び電源供給ユニット1102に、受電した電力を供給する。電源供給ユニット1102は、外部機器である電気機器20に、例えば、電源プラグを経由して、電力を供給する。この例において電源供給ユニット1102は、例えば、複数の電気機器20に、電力を供給することができる。
【0032】
この例においてストレージ103が記憶するプログラムには、コンピュータを利用制御システム1におけるクライアントとして機能させるためのプログラム(以下「クライアントプログラム」という。)が含まれる。MPU101がクライアントプログラムを実行している状態において、MPU101、メモリ102、ストレージ103、通信IF104、カードリーダ/ライタ105、クロック106、表示装置107、入力装置108、電源ユニット1101、及び電源供給ユニット1102は、利用制御装置10を動作させるための機能の一例である。MPU101は、計算手段12及び制御手段19の一例である。メモリ102及びストレージ103の少なくとも一方は、記憶手段18の一例である。カードリーダ/ライタ105は、読み取り手段11及び書き込み手段13の一例である。電源供給ユニット1102は、接続手段14の一例である。
【0033】
図4A及び図4Bは、いずれも利用制御装置10のハードウェアを例示する外観図である。この例において図4Aは、主として利用制御装置10の外観における一方の面(以下「表面」という)を表す。この例において図4Bは、主として利用制御装置10の外観における「表面」とは異なる他方の面(以下「裏面」という)を表す。なお、これらの外観図は、あくまで一例であり、利用制御装置10のハードウェアに係る設計を限定するものではない。ここでは、各ハードウェア構成について説明する。
【0034】
図4Aにおいて利用制御装置10の挿入口1051は、記録媒体100を利用制御装置10本体に差し込むための物理ポートである。ユーザは、電気機器20を利用する場合、自身が保持する記録媒体100を挿入口1051に差し込んで、記録媒体100内のメモリを利用制御装置10に読み取らせる必要がある。そのため、挿入口1051は、カードリーダ/ライタ105と機能的に接続されている。この例では、カードを挿入口1051に差し込んだ状態が、カードが読み取り位置にある状態である。この例において表示装置1071及び1072は、各種データを表示する7セグメントディスプレイ(所謂「7セグ表示」)である。この例において表示装置1071は、例えば、利用制御装置10に接続されている電気機器20の制御状態を表示する。この例において制御状態は、例えば、電気機器20の利用可否を含む。つまり、表示装置1071は、例えば、テレビ21及び冷蔵庫22の両方の利用可否を表す「ON/OFF」等を表示することができる。また、この例において表示装置1072は、例えば、電気機器20の制御状態に加え、記録媒体100に記録された「有効期間/有効日数」等といった「残日数」のカウントを表示する。なお、この例において表示装置1071及び1072は、例えば、4桁の7セグ表示によって制御状態又はカウントを表示することができる。なお、これらの表示装置1071及び1072は、7セグ表示の点灯/消灯を操作し、表示/非表示を各種設定することができる。
【0035】
この例において入力装置1081及び入力装置1082は、入力装置108の一例である。入力装置1081は、挿入口1051に挿入されている記録媒体100をユーザが取り出すための物理ボタンである。入力装置1082は、表示装置1072の表示自体が消灯、つまり非表示の場合に、「残日数」のカウントを、点灯、つまり表示させるための物理ボタンである。ユーザは、入力装置1082を操作して表示装置1072の表示内容を確認する。
【0036】
この例においてプラグP10は、所定の電気設備(コンセント)から利用制御装置10に直接電気を受電する。この例においてプラグP10は、電源ユニット1101の一例である。この例においてテレビ21及び冷蔵庫22(いずれも電気機器20の一例)は、それぞれプラグP21及びプラグP22を介して電気的に利用制御装置10と接続される。この例において利用制御装置10は、各種制御に応じて、テレビ21及び冷蔵庫22に電力を供給することができる(図示略)。また、この例において通信線L21は、テレビ21と、利用制御装置10とを接続する。この例において利用制御装置10は、通信線L21を介して、テレビ21の機能の少なくとも一部を制御することができる。テレビ21は、病院又はホテルなど、使用者が入れ替わる施設で使用する用途向けに設計されたものであり、ユーザがチャンネルを変えようとすると、利用制御装置10にチャンネル変更可否の問い合わせを送信する。この問い合わせはチャンネルの識別情報を含む。チャンネルの識別情報は、個々のチャンネルを識別する情報であってもよいし、チャンネル群(例えば有料チャンネル/無料チャンネルの別)を識別する情報であってもよい。テレビ21に関して、利用制御装置10は、チャンネル又はチャンネル群についてそのチャンネル又はチャンネル群の視聴可否を示す情報(機能の利用可否を示す情報の一例)を記憶する。そのチャンネルの視聴が許可されることを示す情報が記憶されている場合、利用制御装置10は、チャンネル変更を許可する応答をテレビ受像機に出力する。そのチャンネルの視聴が許可されないことを示す情報が記憶されている場合、利用制御装置10は、チャンネル変更を許可しない応答をテレビ受像機に出力する。この機能により、例えば施設毎又は部屋毎に視聴可のチャンネル群をあらかじめ設定することができる。なお、テレビ21に供給される映像信号は、例えば施設に設けられた受信用アンテナから、施設の部屋の壁に設けられた映像信号出力端子から供給される。利用制御装置10は、カードに記憶されている契約種別又はその他の情報に基づいて、チャンネル群の視聴可否を示す情報を書き替えてもよい。
【0037】
図4Bにおいて利用制御装置10の電源ユニット1101は、プラグP10を含む。この例において電源ユニット1101は、上述した方法で、利用制御装置10に電力を供給する。この例において電源供給ユニット1102は、テレビ21及び冷蔵庫22と電気的に接続するためのコンセントCC21及びコンセントCC22を有する。この例において電源供給ユニット1102は、上述した方法で、電気機器20に電力を供給する。
【0038】
図5及び図6は、いずれも記録媒体100の内部メモリを例示する図である。この例において図5は、種別Aの記録媒体の内部メモリを例示する図を表す。この例において図6は、種別Bの記録媒体の内部メモリを例示する図を表す。この例において利用制御装置10は、カードリーダ/ライタ105によって、記録媒体100の内部メモリに記録されたデータを読み込んだり、書き加え/書き換えたりすることができる。ここでは、内部メモリに記録されたデータについて説明する。
【0039】
図5においてメモリ1001は、種別Aの記録媒体の内部メモリを表す。この例においてメモリ1001に記録されたデータは、記録媒体100の未使用状態における内部メモリのデータを表している。メモリ1001は、固有のカードIDに対し、属性情報(項目)を記録することができる。この例において属性情報は、カード種別、有効期間/有効日数、利用終了日/最終利用日、施設コード、及び利用機器といった項目を含む。
【0040】
この例において「カード種別」の項目には、種別Aを表す「定期(A)」というデータが予め記録されている。利用制御装置10は、この項目のデータを読み込むことで、カード種別を判断・特定することができる。
【0041】
この例において「有効期間/有効日数」の項目は、「カード種別」に応じて決定する項目である。種別Aのカードの場合、この項目は、「有効期間」を表す。この例において「有効期間」の項目には、最初にカードを利用した日を含めて何日後までカードが利用可能かを表すデータ(数値)が予め記録されている。この例において有効期間が、例えば、「15」日の場合を説明する。この例においてユーザが「2023年5月1日(又は「2023/05/01」と表記)」に初めてカードを使用したとする。この場合、カードを読み込んだ利用制御装置10は、当日を含めて「15」日間カードを利用できると判断する。すなわち、利用制御装置10は、「2023/05/15」という日付まで利用可能なカードと判断することができる。
【0042】
この例において「利用終了日/最終利用日」の項目は、「カード種別」に応じて決定する項目である。種別Aのカードの場合、この項目は、「利用終了日」を表す。この例において「利用終了日」の項目には、日付が6桁の数値で記録される。この六桁の数字のうち、上二桁の数字は、西暦の下二桁(「2023年」であれば「23」)を表し、真ん中の二桁の数字は、暦の月(「5月」であれば「05」)を表し、下二桁の数字は、暦の日(「1日」であれば「01」)を表す。すなわち、カードが一度でも使用された状態であれば、「利用終了日」の項目には、上述した方法によって計算された日付を表す六桁の数字(例えば「230515」)が記録される。未使用状態において、「利用終了日」の項目には未使用を示す定数値が予め記録されている。この定数値は、日付を示す値が取り得ない数値、例えば「000000」である。この例において六桁の数字は、例えば、暦の「年月日」を特定するための数字である。
【0043】
この例において「施設コード」及び「利用機器」の項目には、カードの種別に依らず、予め対応するデータが記録されている。この例において「施設コード」の項目には、利用施設固有の識別情報がデータとして記録される。この例において「利用機器」の項目には、各カードによって利用可能な電気機器20のデータが記録される。もしくは、例えば、「テレビ(可)」、「冷蔵庫(可)」、「第3機器(可)」、及び「ランドリー(不可)」といった電気機器20の利用可否を含めたデータが記録される。
【0044】
図6においてメモリ1002は、種別Bの記録媒体の内部メモリを表す。この例においてメモリ1002に記録されたデータは、種別Aの場合と同様に、記録媒体100の未使用状態における内部メモリのデータを表している。この例において種別Bの場合の属性情報は、種別Aの場合と共通しており、カード種別、有効期間/有効日数、利用終了日/最終利用日、施設コード、及び利用機器といった項目を含む。属性情報について、種別Aの場合と同様に説明する。
【0045】
この例において「カード種別」の項目には、種別Bを表す「回数(B)」というデータが予め記録されている。この例において「有効期間/有効日数」の項目は、「カード種別」に応じて決定する項目である。種別Bのカードの場合、この項目は、「有効日数」を表す。この例において「有効日数」の項目には、カードの未使用状態からあと何日間(何回)カードが利用できるかを表すデータ(数値)が予め記録されている。この例において有効日数が、例えば、「10」日の場合を説明する。この例においてユーザが先ほどと同様に、「2023/05/01」に初めてカードを使用したとする。この場合、カードを読み込んだ利用制御装置10は、その時点から日付が変更するまでを「1」日とカウントし、「10」日から「1」日を減算した「9」日を新たな有効日数として計算することができる。なお、より詳細な計算方法については後述する(2-2B節)。
【0046】
この例において「利用終了日/最終利用日」の項目は、「カード種別」に応じて決定する項目である。種別Bのカードの場合、この項目は、「最終利用日」を表す。この例において「最終利用日」の項目には、種別Aの場合と同様に、データを読み取った利用制御装置10に、未使用を示す定数値「000000」が、予め記録されている。一方で、利用制御装置10は、カードを読み込む度に、その時点の日付(定数値)、例えば「230501」を、最終利用日の項目に記録する。
【0047】
この例において「施設コード」及び「利用機器」の項目には、種別Aの場合と同様に、予め対応するデータが記録されている。以上、ここまで種別Bの記録媒体の内部メモリについて説明した。
【0048】
なお、この例において記録媒体100に関し、全く同一のもの(カード)を種別A又種別Bとして使い分けることが可能である。そのため、記録媒体100の内部メモリの項目は、上述したように両者で共通している。この例において記録媒体100のデータを読み取る際、利用制御装置10は、最初に「カード種別」を読み取って、記録媒体100の種別が種別A又種別Bのどちらであるかを判断する。続いて、「有効期間/有効日数」の項目及び「利用終了日/最終利用日」の項目を読み取る際に、各項目のデータが、それぞれどちらのデータを表しているかを、最初に読み取った「カード種別」に応じて、利用制御装置10は、判断することができる。なお、以降の表記に関し、「有効期間/有効日数」の項目を「有効期間」又は「有効日数」と表記し、「利用終了日/最終利用日」の項目を「利用終了日」又は「最終利用日」と表記する場合、それぞれ記録媒体100の種別に応じた表記を表しているものとする。
【0049】
以上、ここまで利用制御システム1の構成を説明した。次に、利用制御システム1の動作を説明する。
【0050】
2.動作
2-1.利用開始方法
図7は、利用制御システム1における電気機器の利用開始方法を例示するシーケンスチャートである。この例においてユーザは、自身の保有するカード(記録媒体100の一例)を利用して、所望の電気機器20を利用することができる。なお、各動作の主体としてユーザU1、利用制御装置10、及び電気機器20が含まれる。ステップS101において、ユーザU1は、利用施設(例えば病院等)における電気機器の貸し出し事業者から、電気機器20を利用するためのカードを取得する。この例においてユーザU1は、所望する電気機器20の利用頻度に応じて、種別A又は種別Bのカードを選択することができる。あるいは、この事業者が、種別A及び種別Bのいずれか一方のみのカードを販売してもよい。ここでは、ユーザU1が取得したカードの種別に依らず実行されるステップについて説明する。
【0051】
ステップS102において、ユーザU1は、利用制御装置10の挿入口に取得したカードを挿入する。この例においてユーザU1の所望する電気機器20は、予め利用制御装置10と接続された状態を含む。
【0052】
ステップS103において、利用制御装置10は、挿入されたカードを読み込む。この例において利用制御装置10は、カードを読み込むと同時に、メモリ内における「カード種別」の項目に記録されたデータを読み取って、カードの種別が種別A又種別Bのどちらであるかを判断する。これによって、利用制御装置10は、カード種別に応じた適切な処理を行うことができる。詳細な動作については、2-2A節及び2-2B節で説明する。
【0053】
また、この例において利用制御装置10は、カードを読み込み、カードの内部メモリに記録された各種データを取得する。利用制御装置10は、取得したデータをもとに、接続された電気機器20を利用可能な状態に制御することができる。なお、利用制御装置10は、カードの内部メモリに記録されたデータを取得した際に、例えば、「施設コード」のデータと、利用制御装置10が設置されている施設の施設コードとが一致しているかの認証を行ってもよい。以降のステップに関し、取得したデータをもとに、利用制御装置10が、電気機器20を利用可能と判断した場合について説明する。
【0054】
ステップS104において、利用制御装置10は、電気機器20を有効化する。この例において制御手段19は、接続手段14を介し、接続された電気機器20に電力を供給する。また、この例において接続された電気機器20が複数ある場合、読み取り手段11は、記録媒体100から対象となる電気機器20を特定するデータを読み取る。また、制御手段19は、複数の電気機器20のうち対象となる電気機器20に、電力を供給し、利用可能とする。
【0055】
ステップS105において、ユーザU1は、有効化された電気機器20を利用する。この例においてユーザU1は、予め定められた方法を用いて電気機器20を利用することができる。この例において有効化された電気機器20がテレビ21の場合、ユーザU1は、例えば、病室内に予め備え付けられた専用のリモコンを操作し、電源をつけることができる。もしくは、有効化された電気機器20が冷蔵庫22の場合、ユーザU1は、例えば、冷蔵庫内が十分に冷却されるのを待ってから任意の食品等を入れてもよい。以上より、ユーザU1は、所望の電気機器20を利用することができる。ここまで利用制御システム1における電気機器の利用開始方法を説明した。次に、ユーザU1の取得したカードが、種別A又は種別Bのカード場合の詳細な動作について、それぞれ説明する。
【0056】
2-2A.種別Aの記録媒体における利用方法
図8は、種別Aの記録媒体における利用方法を例示するフローチャートである。ここでは、利用制御装置10が種別Aのカード(記録媒体100の一例)をもとに、電気機器20の利用を有効にする場合の例を説明する。ここで、2-1節で説明した利用開始方法のステップS103において利用制御装置10が挿入されたカードを読み込んだことを契機として、このフローが開始される。この例において利用制御装置10の読み取り手段11は、挿入口1051に挿入された(すなわち読み取り位置にある)カードから各種データを読み取る。この例において利用制御装置10は、読み取った「カード種別」に書き込まれた「定期(種別Aの一例)」又は「回数(種別Bの一例)」のどちらか一方のデータから、それぞれ種別A又は種別Bのどちらであるかを判断することができる。ここでは、ユーザによって挿入されたカードが、種別A(つまり「定期」)を表すカードである場合について説明する。ステップS201において、利用制御装置10は、上述した方法にてカードの種類を種別Aと判断する。
【0057】
ステップS202において、利用制御装置10は、読み込んだ種別Aのカードの「利用終了日」の値(日付)が、未使用状態を示す定数値、例えば「000000」であるかどうかを判断する。カードの「利用終了日」の値が、「000000」である場合(ステップS202:YES)、利用制御装置10は、処理をステップS203に進める。一方で、カードの「利用終了日」の値が、「000000」以外の場合(ステップS202:NO)、利用制御装置10は、処理をステップS204に進める。
【0058】
ステップS203において、カードの「利用終了日」の値が、「000000」である場合(ステップS202:YES)、利用制御装置10は、読み込んだカードを「未使用カード」と判断する。ここで、読み込んだカードが「未使用カード」である場合の例について説明する。
【0059】
ステップS204において、利用制御装置10は、内部時計の現在の日付に、カードに書き込まれた「有効期間」の日数を加算した日付を算出する。この例において利用制御装置10における内部時計の現在の日付が「2023/05/01」であり、「有効期間」の日数が「15」日である場合の計算方法を説明する。利用制御装置10は、利用日当日を「15」日のうちの「1」日と含めて計算(加算)し、最終的に「2023/05/15」という日付を算出する。また、利用制御装置10は、算出されたこの日付をカードの「利用終了日」として記録する。この例において利用制御装置10は、カードの内部メモリのデータの書き換えを行う。ここで、内部メモリのデータの書き換えについて以下に説明する。
【0060】
図9は、種別Aの記録媒体における内部メモリの書き換えを例示する概要図を表す。この例において記録媒体における内部メモリの書き換えは、カードの属性情報を表す各項目のデータ(値)に対して行われる。図9においてメモリ2001は、まだ一度も使用されていない種別Aの未使用カードの内部メモリを表す。この例においてメモリ2001の「有効期間」には、「15」という値が予め記録されている。また、この例において「利用終了日」には、「000000」という定数値が予め書き込まれている。この例においてメモリ2002は、メモリ2001が少なくとも1回使用された直後の使用中カードの内部メモリを表す。この例において上述した例を用いると、メモリ2002の「利用終了日」には、利用制御装置10によって算出・記録された「230515」という数値(日付)が書き込まれる。また、この例においてユーザがこのカードを2回目以降継続して使用する場合であっても、メモリ2002に書き込まれたデータは、保持される。そのため、利用制御装置10は、メモリ2002に書き込まれたデータをもとに、ユーザによる電気機器20の利用を制御することができる。
【0061】
図8に戻る。ステップS207において、利用制御装置10は、カード内に登録された電気機器の制御を有効にする。この例において利用制御装置10は、カードの「電気機器」に書き込まれた利用可能な電気機器20の情報を読み込み、該当する電気機器20(例えば、テレビ21及び冷蔵庫22)に電源供給等を行う。この時点で利用制御装置10は、図8の処理を終了させる。
【0062】
ステップS205において、カードの「利用終了日」の値が、「000000」以外の場合(ステップS202:NO)、利用制御装置10は、読み込んだカードを「利用中カード」と判断する。次に、読み込んだカードが「利用中カード」である場合の例について説明する。
【0063】
ステップS206において、利用制御装置10は、内部時計の現在の日付が、読み込んだカードの「利用終了日」以内かどうかを判断する。この例において利用制御装置10は、内部時計の現在の日付(例えば、年月日)と、カードの「利用終了日(例えば、年月日)」とを比較することで、「利用終了日」以内かどうかを判断することができる。この例において利用制御装置10の内部時計の現在の日付が、読み込んだカードの「利用終了日」以内の場合(ステップS206:YES)、利用制御装置10は、処理をステップS207に進める。一方で、利用制御装置10の内部時計の現在の日付が、読み込んだカードの「利用終了日」を超過した日時(日付)を表す場合(ステップS206:NO)、利用制御装置10は、読み込んだカードを「期限切れカード」と判断し、処理を終了させる。この例において利用制御装置10は、読み込んだカードを「期限切れカード」と判断した場合、挿入口からカードをユーザに返却する。
【0064】
ステップS207において、利用制御装置10の内部時計の現在の日付が、読み込んだカードの「利用終了日」以内の場合(ステップS206:YES)、利用制御装置10は、上述した方法を用いて、カード内に登録された電気機器の制御を有効にする。この時点で利用制御装置10は、図8の処理を終了させる。
【0065】
以上より、利用制御装置10は、読み込んだカードが種別Aである場合、上述した方法によって、電気機器20の利用を有効にすることができる。なお、この例において利用制御装置10は、カードを保持した状態で、適宜ステップS206に戻り、図8に示された処理を繰り返し実行する。この例において利用制御装置10は、例えば、現在日時が日付変更時刻「00時00分」を経過した時点で(又は、毎日決められた時刻の到来時に)、ステップS206に戻り、内部時計の現在の日付が、カードの「利用終了日」以内かどうかを判断する。もしくは、任意のステップ、例えば、ステップS201又はステップS202等に戻り、利用制御装置10は、随時カードの状態を確認してもよい。これによって、利用制御装置10は、カードを保持した状態で、保持したカードの状態を確認し、電気機器20の利用可否の判定を行うことができる。次に、カードが種別Bである場合の動作について説明する。
【0066】
2-2B.種別Bの記録媒体における利用方法
図10は、種別Bの記録媒体における利用方法を例示するフローチャートである。ここでは、利用制御装置10が種別Bのカード(記録媒体100の一例)をもとに、電気機器20の利用を有効にする場合の例を説明する。ここで、このフローの契機及び「カード種別」の判断方法は、2-2A節で説明した種別Aの記録媒体における利用方法と同様の処理を適用するものとする。ステップS301において、利用制御装置10は、上述した方法にてカードの種類を種別B(つまり「回数」)と判断する。
【0067】
ステップS302において、利用制御装置10は、読み込んだ種別Bのカードの「最終利用日」の値(日付)が、未使用状態を示す定数値、例えば「000000」であるかどうかを判断する。カードの「最終利用日」の値が、「000000」である場合(ステップS302:YES)、利用制御装置10は、処理をステップS303に進める。一方で、カードの「最終利用日」の値が、「000000」以外の場合(ステップS302:NO)、利用制御装置10は、処理をステップS305に進める。
【0068】
ステップS303において、カードの「最終利用日」の値が、「000000」である場合(ステップS302:YES)、利用制御装置10は、読み込んだカードを「未使用カード」と判断する。ここで、読み込んだカードが「未使用カード」である場合の例について説明する。
【0069】
ステップS304において、利用制御装置10は、内部時計の現在の日付を記録する。この時、利用制御装置10は、記録した現在の日付を、読み込んだカードの「最終利用日」として記録する。また、この例において利用制御装置10は、内部時計の現在の日付を記録するとともに、例えば、読み込んだカードの「有効日数」を表す「10」日から「1」日を減算した値、つまり「9」日を、新たな「有効日数」として算出する。ここで、利用制御装置10は、「最終利用日」を表す現在の日付と、「有効日数」を表す「9(減算した値)」とを、それぞれ読み込んだカードに紐づけて記録する。この例において利用制御装置10は、カードの内部メモリのデータの書き換えを行う。ここで、内部メモリのデータの書き換えについて以下に説明する。
【0070】
図11は、種別Bの記録媒体における内部メモリの書き換えを例示する概要図を表す。図11においてメモリ3001は、まだ一度も使用されていない種別Bの未使用カードの内部メモリを表す。この例においてメモリ3001の「有効日数」には、「10」という値が予め記録されている。この例において「最終利用日」には、「000000」という定数値が予め書き込まれている。この例においてメモリ3002は、メモリ3001が1回使用された直後の使用中カードの内部メモリを表す。この例において上述した例を用いると、メモリ3002の「有効日数」には、メモリ3001における「10」から「1」を減算した「9」というデータが書き込まれる。また、メモリ3002の「最終利用日」には、利用制御装置10の内部時計の現在の日付として記録された日付、例えば、「230501」というデータが書き込まれる。なお、この例においてユーザがこのカードを2回目以降継続して使用する場合、処理に応じて、「有効日数」及び/又は「最終利用日」の項目は、その都度書き換えられる。なお、カードを使用した日と、「最終利用日」とが同日の場合、減算処理は行われない(カードは書き換えられない)。つまり、その日のうちであれば、ユーザは、何度でもカードを使用することができる。
【0071】
図10に戻る。ステップS308において、利用制御装置10は、上述した方法を用いて、カード内に登録された電気機器の制御を有効にする。この時点で利用制御装置10は、図10の処理を終了させる。
【0072】
ステップS305において、カードの「最終利用日」の値が、「000000」以外の場合(ステップS302:NO)、利用制御装置10は、読み込んだカードを「利用中カード」と判断する。次に、読み込んだカードが「利用中カード」である場合の例について説明する。
【0073】
ステップS306において、利用制御装置10は、内部時計の現在の日付と、読み込んだカードの「最終利用日」とが同じかどうかを判断する。この例において利用制御装置10は、内部時計の現在の日付と、カードの「最終利用日」とを比較することで、「最終利用日」が同じかどうかを判断することができる。この例において利用制御装置10の内部時計の現在の日付と、読み込んだカードの「最終利用日」とが同じ場合(ステップS306:YES)、利用制御装置10は、処理をステップS309に進める。一方で、利用制御装置10の内部時計の現在の日付と、読み込んだカードの「最終利用日」とが異なる場合(ステップS306:NO)、利用制御装置10は、処理をステップS307に進める。
【0074】
ステップS309において、利用制御装置10の内部時計の現在の日付と、読み込んだカードの「最終利用日」とが同じ場合(ステップS306:YES)、利用制御装置10は、上述した方法を用いて、カード内に登録された電気機器の制御を有効にする。以上より、カードを使用した日と、「最終利用日」とが同日の場合、減算処理は行われず、その日のうちであれば、ユーザは、何度でも電気機器を使用することができる。この時点で利用制御装置10は、図10の処理を終了させる。
【0075】
ステップS307において、利用制御装置10の内部時計の現在の日付と、読み込んだカードの「最終利用日」とが異なる場合(ステップS306:NO)、利用制御装置10は、読み込んだカードの「有効日数」から「1」を減算する処理を行い、新たな有効日数として記録する。この例においてカードの「有効日数」が、例えば「9」の場合、利用制御装置10は、「9」から「1」を減算する処理を行い、「8」と記録することができる。この例において利用制御装置10は、「有効日数」の残りが「8」日であると判断することができる。同様に、カードの「有効日数」が、残り「1」日の場合、利用制御装置10は、「1」から「1」を減算する処理を行い、「0」と算出することができる。これはつまり、カードがその日限り利用できることを表している(後述)。
【0076】
ステップS308において、利用制御装置10は、ステップS307において減算処理が行われた新たな「有効日数」の値が、基準値以上かどうかを判断する。この例において利用制御装置10は、例えば、予め基準値を「0」と設定することができる。この時、利用制御装置10は、減算された新たな「有効日数」の値(例えば「8」)と、基準値である「0」とを比較することで、「有効日数」の値が、基準値以上(「0」以上)かどうかを判断することができる。この例において「有効日数」の値が、基準値以上の場合(ステップS308:YES)、利用制御装置10は、処理をステップS309に進める。一方で、「有効日数」の値が、基準値未満の場合(ステップS308:NO)、利用制御装置10は、読み込んだカードを「期限切れカード」と判断し、処理を終了させる。この例において利用制御装置10は、読み込んだカードを「期限切れカード」と判断した場合、挿入口からカードをユーザに返却する。
【0077】
ステップS309において、読み込んだカードの「有効日数」の値が、基準値以上の場合(ステップS308:YES)、利用制御装置10は、上述した方法を用いて、カード内に登録された電気機器の制御を有効にする。この時点で利用制御装置10は、図10の処理を終了させる。
【0078】
以上より、利用制御装置10は、読み込んだカードが種別Bである場合、上述した方法によって、電気機器20の利用を有効にすることができる。なお、この例において利用制御装置10は、カードを保持した状態で、適宜ステップS306に戻り、図10に示された処理を繰り返し実行する。この例において利用制御装置10は、例えば、現在日時が日付変更時刻を経過した時点で、ステップS306に戻り、内部時計の現在の日付と、カードの「最終利用日」とが同じかどうかを判断する。もしくは、任意のステップ、例えば、ステップS301、ステップS302、又はステップS308等に戻り、利用制御装置10は、随時カードの状態を確認してもよい。これによって、利用制御装置10は、カードを保持した状態で、保持したカードの状態を確認し、電気機器20の利用可否の判定を行うことができる。
【0079】
ここまで、種別A又は種別Bのカードである場合の動作について、それぞれ説明した。これによって、利用制御装置10は、異なる契約形態(利用契約)が混合する場合であっても、それぞれを区別して適切に処理を実行することができる。
【0080】
2-3.利用終了方法
図12は、利用制御システム1における電気機器20の利用終了方法を例示するシーケンスチャートである。ここでは、ユーザが電気機器20の利用を終了する場合の動作について説明する。なお、各動作の主体としてユーザU1、利用制御装置10、及び電気機器20が含まれる。ステップS401において、ユーザU1は、利用制御装置10の取り出しボタン(例えば、入力装置1081)を入力する。この例においてユーザU1は、物理的な入力を行うことで、自身のカードを回収することができる。
【0081】
ステップS402において、利用制御装置10は、各種のデータ処理を行う。この例においてデータ処理は、電気機器20を利用停止させるための処理を含む。もしくは、カードを排出するための処理を含む。この例において利用制御装置10は、データ処理に異常がなければ次のステップに進める。
【0082】
ステップS403において、利用制御装置10は、電気機器20の利用を停止する。この例において制御手段19は、接続手段14を介し、接続された電気機器20に対する電力の供給を停止する。これによって利用制御装置10は、カードを排出する前に、全ての電気機器20を利用不可能にすることができる。
【0083】
ステップS404において、利用制御装置10は、カードを排出する。この例においてカードは、挿入口からユーザU1の元に返却される。以上より、利用制御装置10は、電気機器20の利用を終了させるとともに、カードの排出を行うことができる。
【0084】
なお、ユーザU1は、再度電気機器20を利用する場合、上述した2-1節に戻る。また、利用制御システム1は、これまで説明してきた方法と同じ手順を繰り返すことで、電気機器20を利用可能にする。この例においてユーザU1は、例えば、同じ病院内で病室を移ったとしても期限内であれば、自身が所有するカードで電気機器20を利用することができる。また、ユーザU1は、病室内のテレビ・冷蔵庫だけでなく、例えば、同じ病院内の他の部屋にあるランドリー(電気機器20の一例)等を、自身のカードを用いて利用することができる。以上より、本発明によれば、ユーザの利便性を確保しつつ、種々の利用契約に応じて適切に電気機器の利用を制御することができる。
【0085】
3.変形例
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する事項のうち2つ以上の事項が組み合わされて適用されてもよい。
【0086】
(1)利用制御システム1
利用制御システム1におけるハードウェア構成、ネットワーク構成、及び機能構成は、実施形態において例示したものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、利用制御システム1はどのようなハードウェア構成、ネットワーク構成、及び機能構成を有していてもよい。例えば、物理的に複数の装置が協働して利用制御システム1として機能してもよい。なお、図1が表す主体、構成、及びシステム構造は、あくまで一例であり、システムの概要を表すに過ぎない。そのため、例えば、利用制御装置10及び/又は電気機器20は、インターネット等のコンピュータネットワークに接続されてもよい。
【0087】
(2)利用制御装置10
利用制御装置10における機能構成の形態は、実施形態において例示したものに限定されない。要求される機能を実現できるものであれば、利用制御装置10はどのような機能構成の形態を有していてもよい。また、機能要素とハードウェアとの対応関係は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、実施形態において、利用制御装置10に実装されるものとして説明した機能の少なくとも一部が他の装置又はシステムに実装されてもよいし、反対に、他の装置又はシステムに実装されるものとして説明した機能の少なくとも一部が利用制御装置10に実装されてもよい。この例において利用制御装置10は、電気機器20の機能のうち、少なくとも一部を有してもよい。この例において利用制御装置10は、電気機器20の機能の少なくとも一部を制御する機能を有してもよい。
【0088】
また、利用制御装置10は、電気機器20の使用履歴のデータを取得・記録してもよい。また、利用制御装置10は、記録媒体100の内部メモリのデータ、例えば「施設コード」のデータを書き替えるといった処理を行ってもよい。また、利用制御装置10の表示装置107は、どのような情報を表示してもよい。この例において表示装置1071が表示する電気機器20の制御状態は、例えば、利用可否以外に、起動状態又は機能制限等を含んでもよい。また、この例において表示装置1071は、例えば、1つの電気機器20に対し、単数/複数の制御状態を表示してもよい。また、表示装置1072は、記録媒体100に記録された「有効期間/有効日数」に加え、「利用終了日/最終利用日」等を表示してもよく、どのようなデータを表示してもよい。また、利用制御装置10の入力装置108は、ユーザからどのような操作を受け付けてもよい。この例において入力装置1082は、表示装置1072(又は表示装置1071)が表示する表示内容を切り替えるための物理ボタンとして機能してもよい。これによってユーザは、表示装置1072が1つの場合でも複数のカード情報を視認することができるようになる。
【0089】
また、利用制御装置10は、記録媒体100の内部メモリに記録されたデータをユーザU1に表示する表示手段を有してもよい。もしくは、記録媒体100を介してユーザU1に表示させてもよい。この例において利用制御装置10は、例えば、記録媒体100の外観に、内部メモリに記録されたデータを印字するための印字手段を有してもよい。
【0090】
(3)記録媒体100
記録媒体100は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において記録媒体100は、利用制御装置10によってデータの読み出し/書き込み/書き換えが可能なものであれば、どのような構成を有してもよい。記録媒体100は、磁気カードでなくてもよい。この例において記録媒体100は、内部メモリを有するディスク又はフラッシュメモリ等であってもよい。また、記録媒体100の記録形態は、磁気記録に限定されない。例えば、ICチップ等でもよい。
【0091】
また、この例において記録媒体100は、内部メモリに記録されたデータを記録媒体100の外観に表示してもよい。この例において記録媒体100は、リライト可能な印字部を有してもよく、この印字部は、専用の機械、例えば利用制御装置10によって印字されてもよい。また、印字方式としてどのような方法が採用されてもよく、例えば、ロイコ方式が採用されてもよい。この例においてロイコ方式は、特殊なロイコ染料が塗られているカードの表面に低温を加えることで情報を消去し、さらに、高温を加えることで新しい情報を印字する方式を含む。これによってユーザU1は、記録媒体100の内部メモリに記録されたデータ、例えば、カードの利用終了日等を目視で確認することができるようになる。
【0092】
(4)電気機器20
電気機器20は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において電気機器20が有する機能の少なくとも一部が、利用制御装置10によって制限されてもよい。もしくは、利用制御装置10による制御を行わなくても電気機器20が有する機能の少なくとも一部が、常時利用できる状態であってもよい。
【0093】
(5)2-1節:利用開始方法
図7に示すシーケンスチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、利用制御システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。
【0094】
(6)2-2A節:種別Aの記録媒体における利用方法
図8に示すフローチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、利用制御装置10の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS204にて、利用制御装置10が内部時計の現在日時に、有効期間の日数を加算した日付(つまり「利用終了日」)を算出して記録する場合、利用制御装置10のデータベース及び/又は記録媒体100の内部メモリに記録する処理を行ってもよい。もしくはどちらか一方のみであってもよい。
【0095】
(7)2-2B節:種別Bの記録媒体における利用方法
図10に示すフローチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、利用制御装置10の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS304にて、利用制御装置10が内部時計の現在日時を「最終利用日」として記録する場合、利用制御装置10のデータベース及び/又は記録媒体100の内部メモリに記録する処理を行ってもよい。もしくはどちらか一方のみであってもよい。
【0096】
また、この例においてステップS307にて、利用制御装置10が減算処理を行った新たな「有効日数」の値を、利用制御装置10のデータベース及び/又は記録媒体100の内部メモリに記録する処理を行ってもよい。もしくはどちらか一方のみであってもよい。また、減算処理が行われた新たな「有効日数」の値が「0」以上の場合のみ、上述した処理が実行されてもよい。
【0097】
(8)2-3節:利用終了方法
図12に示すシーケンスチャートはあくまで動作の一例を示すものであり、利用制御システム1の動作はこれに限定されない。図示した動作の一部が省略されてもよいし、順番が入れ替えられてもよいし、新たな動作が追加されてもよい。この例においてステップS402にて、利用制御装置10のデータベース及び/又は記録媒体100の内部メモリのデータを必要に応じて書き換える処理を行ってもよい。この例において利用制御装置10は、カード種別が種別A/種別Bに応じて、もしくは、カードが未使用/使用中に応じて、利用制御装置10のデータベース及び/又は記録媒体100の内部メモリのデータを書き換えてもよい。
【0098】
なお、これまで説明してきた動作(2-1節~2-3節)において、利用制御装置10は、種別A又は種別Bのどちらか一方のみのカードに対応した装置であってもよい。この場合、カードに種別は記録されていなくてもよい。
【0099】
(9)その他の動作
利用制御システム1の動作に関し、例えば、ユーザU1による電気機器20の利用中に、現在日時が日付変更時刻を経過した場合の処理について以下に説明する。この例において記録媒体100のカード種別が種別Aの場合、利用制御装置10の制御手段19は、現在日時が日付変更時刻、つまり「00時00分」を経過した時点で、現在日時と、記録媒体100の利用終了日を表す「利用終了日」とを照合する処理を行う。この例において照合の際に、読み取り手段11は、記録媒体100から「利用終了日」を読み取ってもよい。もしくは、利用制御装置10のデータベースに記録されているデータを取得してもよい。現在日時が「利用終了日」以内であるときは、制御手段19は、継続して電気機器20の利用を可能とする。現在日時が「利用終了日」を超過したときは、制御手段19は、電気機器20の利用を停止させる。
【0100】
また、この例において記録媒体100のカード種別が種別Bの場合、制御手段19は、現在日時が日付変更時刻を経過した時点で、例えば、2-2B節で説明したステップS306と同じ処理を行ってもよい。すなわち、現在日時が日付変更時刻を経過した時点で、利用制御装置10は、内部時計の現在日時と、記録媒体100の「最終利用日」とが異なると判断することができる(ステップS306:NO)。以降は、図10のフローチャートに従い、処理を進めてもよい。以上より、利用制御装置10は、現在日時が日付変更時刻を経過した場合でも、電気機器20の利用を継続するかどうかを判断することができる。
【0101】
(10)メモリ
図5図6図9、及び図11に示す記録媒体100の内部メモリは、実施形態において例示したものに限定されない。この例において内部メモリに記録されるデータはどのようなものでもよく、例えば、属性情報のうち、施設内の特定のエリアに所属する電気機器20の利用を制限するデータが記録されてもよい。また、内部メモリは、カードを固有に識別する識別情報(ID情報)を記録していなくてもよい。さらに、この例において内部メモリに記録されるデータの形式・形態はどのようなものでもよい。この例において「利用終了日/最終利用日」の項目に記録される定数値(数値)は、例えば、西暦(例えば2023年)の下二桁ではなく、全ての桁数を含む合計8桁の数値でもよく、何桁でもよい。
【0102】
(11)種別
種別は、実施形態において例示したものに限定されない。この例において利用契約の種別は、種別Aのみ又は種別Bのみのどちらか一方であってもよい。もしくは、単数/複数の種別がさらに併存してもよい。この例において「有効期間」及び「有効日数」といった利用契約ではなく、例えば、「有効時数」、つまり時間単位の利用契約を表す種別C(第3種別の一例)がさらに採用されてもよい。
【0103】
(12)その他
MPU101等によって実行される各種プログラムは、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供されるものであってもよいし、DVD-ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。なお、各プロセッサは、MPUに代えて、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はGPU(Graphics Processing Unit)であってもよい。
【符号の説明】
【0104】
1…利用制御システム、10…利用制御装置、100…記録媒体、U1…ユーザ、20…電気機器、21…テレビ、22…冷蔵庫、11…読み取り手段、12…計算手段、13…書き込み手段、14…接続手段、18…記憶手段(DB)、19…制御手段、101…MPU、102…メモリ、103…ストレージ、104…通信IF、105…カードリーダ/ライタ、106…クロック、107/1071/1072…表示装置、108/1081/1082…入力装置、1101…電源ユニット、1102…電源供給ユニット、1051…挿入口、P…プラグ、L…通信線、CC…コンセント、1001/1002/2001/2002/3001/3002…メモリ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12