(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014718
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】エレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
B66B1/18 N
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117499
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】原 八尋
【テーマコード(参考)】
3F502
【Fターム(参考)】
3F502HB02
3F502JA07
3F502JA19
3F502JA26
3F502JA72
3F502JA75
3F502KA11
(57)【要約】
【課題】エレベータの利用者に対して複数のエレベータの中から利用対象のエレベータを割り当てる際に、他の利用者との親密度を考慮して、利用者が利用し易いエレベータを割り当てるエレベータ群管理装置を提供する。
【解決手段】 エレベータ群管理装置は、複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得すると、利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定し、取得した属性情報および割り当てを決定したエレベータの識別情報を割当情報として、割り当てを決定したエレベータの乗りかごが当該階床から出発するまでの間、記憶する。エレベータ群管理装置は、第1利用者の割当情報を記憶しているときに第2利用者の属性情報を取得すると、第1利用者および第2利用者の属性情報に基づいて利用者間の親密度を算出し、算出した親密度に基づいて第2利用者に対して割り当てるエレベータを決定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレベータを群管理し、
所定の階床から、前記複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が前記属性情報を取得すると、前記複数のエレベータの中から、前記利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定部と、
前記割当決定部により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を出力する出力部と、
前記利用者情報取得部が取得した属性情報および前記割当決定部が割り当てを決定したエレベータの識別情報を、前記利用者の割当情報として、前記割り当てを決定したエレベータの乗りかごが前記階床から出発するまでの間、記憶する割当情報記憶部と、を備え、
前記割当決定部は、前記割当情報記憶部が第1利用者の割当情報を記憶しているときに、前記利用者情報取得部が新たに第2利用者の属性情報を取得すると、取得した第2利用者の属性情報および前記割当情報記憶部が記憶している第1利用者の割当情報内の属性情報に基づいて前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出し、算出した親密度に基づいて、前記第2利用者に対して割り当てるエレベータを決定する、エレベータ群管理装置。
【請求項2】
前記割当決定部は、算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が所定の第1閾値以下であるときには、前記第1利用者と前記第2利用者とに対して割り当てるエレベータが異なるように、前記第2利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する、請求項1に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項3】
前記割当決定部は、算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第1閾値よりも高い第2閾値以上であるときには、前記第1利用者および前記第2利用者に対して割り当てるエレベータが同一になるように、前記第2利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する、請求項2に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項4】
前記割当決定部は、算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第2閾値以上であり、且つ前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータが満員状態でない場合には、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当てる、請求項3に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項5】
前記割当決定部は、算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第2閾値以上であり、且つ前記第1利用者の利用対象として既に割り当てたエレベータが満員状態である場合には、前記第1利用者の利用対象とするエレベータの割り当てを他のエレベータに変更し、変更後のエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当てる、請求項3に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項6】
前記割当決定部は、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータの乗りかごの出発時刻の情報を取得し、取得した出発時刻までの時間を算出するとともに、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータの位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、前記第2利用者が、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータの乗りかごに乗り込むまでの時間を算出し、算出した前記出発時刻までの時間が、前記第2利用者が前記乗りかごに乗り込むまでの時間よりも長い場合に、前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出する、請求項1に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項7】
前記割当決定部は、前記出発時刻までの時間が、前記第2利用者が前記乗りかごに乗り込むまでの時間よりも所定値以下の時間分短く、且つ前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が所定の第2閾値以上であるときには、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当て、割り当てたエレベータの出発時刻を所定時間遅くなるように変更する、請求項6に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項8】
利用者の属性情報に基づいて算出される利用者間の親密度が、所定の第3閾値以上である複数の利用者によるエレベータの利用確率が高い時間帯の情報を予め記憶する時間帯情報記憶部をさらに備え、
前記割当決定部は、前記時間帯情報記憶部に記憶された時間帯に該当する時刻に、前記利用者情報取得部が前記複数の利用者のいずれかの属性情報を取得すると、所定時間内に前記複数の利用者内の他の利用者の属性情報を取得すると予測し、予測した情報に基づいて、属性情報を取得した利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する、請求項1に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項9】
複数のエレベータを群管理し、
所定の階床から、前記複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が前記属性情報を取得すると、前記複数のエレベータの中から、前記利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定部と、
前記割当決定部により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を出力する出力部と、
前記利用者情報取得部が取得した属性情報および前記割当決定部が割り当てを決定したエレベータの識別情報を、前記利用者の割当情報として、前記割り当てを決定したエレベータの乗りかごが前記階床から出発するまでの間、記憶する割当情報記憶部と、を備えるエレベータ群管理装置の前記割当決定部が、
前記割当情報記憶部が第1利用者の割当情報を記憶しているときに、前記利用者情報取得部が新たに第2利用者の属性情報を取得すると、取得した第2利用者の属性情報および前記割当情報記憶部が記憶している第1利用者の割当情報内の属性情報に基づいて前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出し、算出した親密度に基づいて、前記第2利用者に対して割り当てるエレベータを決定する、エレベータ群管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、エレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数台のエレベータを群管理するエレベータシステムでは、建物内のエレベータ乗場に、利用者が行先階を指定して乗場呼び操作を行うための乗場行先階登録装置が設置されている場合がある。このようなエレベータシステムでは、乗場行先階登録装置で利用者により行先階を指定する操作が行われる都度、操作した利用者に対して利用対象とするエレベータを割り当て、割り当てたエレベータの識別情報を利用者に報知する。
【0003】
複数台のエレベータを群管理する際には、同一の行先階に移動する等、エレベータの利用形態が近似する複数の利用者に対して同じエレベータを利用対象として割り当てることで、これら複数台のエレベータを効率良く運転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように複数の利用者に対して同じエレベータを割り当てて同乗させることが好ましい場合がある一方で、エレベータの利用形態が近似する人同士であっても、同業他社の人同士、または性別が異なる人同士など、利用者間の関係性によっては同じ乗りかごへの乗車を回避することが好ましい場合がある。そのため、利用者間の関係性による親密度を考慮して、各利用者が利用し易いようにエレベータを割り当てる技術が望まれていた。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、エレベータの利用者に対して複数のエレベータの中から利用対象のエレベータを割り当てる際に、他の利用者との親密度を考慮して割り当て処理を行うことが可能なエレベータ群管理装置およびエレベータ群管理方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための実施形態によればエレベータ群管理装置は、複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得すると、利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定し、取得した属性情報および割り当てを決定したエレベータの識別情報を割当情報として、割り当てを決定したエレベータの乗りかごが当該階床から出発するまでの間、記憶する。エレベータ群管理装置は、第1利用者の割当情報を記憶しているときに第2利用者の属性情報を取得すると、第1利用者および第2利用者の属性情報に基づいて利用者間の親密度を算出し、算出した親密度に基づいて第2利用者に対して割り当てるエレベータを決定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態によるエレベータ群管理装置を用いたエレベータシステムの構成を示す全体図である。
【
図2】一実施形態によるエレベータ群管理装置が乗場装置から利用者の属性情報を取得したときに実行する処理を示すフローチャートである。
【
図3】一実施形態によるエレベータ群管理装置の割当決定部が実行する割当決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の一実施形態として、複数のエレベータを群管理するエレベータ群管理装置が実行する、利用者間の親密度に基づいて利用者が利用するエレベータを割り当てる処理について、説明する。
【0010】
〈一実施形態によるエレベータ群管理装置を用いたエレベータシステムの構成〉
図1は、一実施形態によるエレベータ群管理装置(以下、「群管理装置」と記載する)を用いたエレベータシステム1の構成を示す全体図である。エレベータシステム1は、建物内に設置された第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30と、この建物内の所定階、例えばエントランスがある1階のエレベータ乗場2に設置された乗場装置40と、群管理装置50とを備える。本実施形態においてはエレベータシステム1内のエレベータが3台の場合について説明するが、この台数には限定されず、2台または4台以上であってもよい。
【0011】
第1エレベータ10は、昇降路3内に設定された巻き上げ機11と、巻き上げ機11に掛け渡されたロープ12と、ロープ12の一端に吊り下げられた乗りかご13と、第1制御盤14と、乗りかご13と第1制御盤14とを接続するテールコード15とを有する。
【0012】
乗りかご13は、かごドア131と、荷重検知装置132とを有する。荷重検知装置132は、乗りかご13の床面にかかる荷重量を検知する。第1制御盤14は、群管理装置50から取得する情報に基づいて第1エレベータ10内の機器、例えば巻き上げ機11等を制御する。また第1制御盤14は、第1エレベータ10の運転状況情報およびテールコード15を介して荷重検知装置132から乗りかご13にかかる荷重量を所定時間間隔で取得し、群管理装置50に送信する。
【0013】
第2エレベータ20および第3エレベータ30は、第1エレベータ10と同様の構成を有するため、詳細な説明は省略する。
【0014】
乗場装置40は、読取部41と、報知部42と、ゲート部43とを有する。読取部41は、第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30のいずれかを利用する利用者の属性情報を保持する媒体、例えばICカードまたは携帯端末から、近距離無線通信等を用いてこの利用者の属性情報を読み取り、群管理装置50に送信する。利用者のICカードまたは携帯端末が、利用者の属性情報を保持するRFIDタグを用いて構成され、読取部41がRFIDタグを読み取るタグリーダで構成されることで、読取部41が利用者の属性情報を読み取るようにしてもよい。
【0015】
報知部42は、例えば表示装置で構成され、読取部41が読み取った利用者の属性情報に基づいて群管理装置50が利用者に割り当てたエレベータの識別情報を出力して、利用者に報知する。
【0016】
ゲート部43は、エレベータ乗場2への利用者の入場を制限するために開閉する扉(図示せず)を有する。ゲート部43は、初期状態として扉の閉状態を維持し、読取部41が読み取った利用者の属性情報に基づいて、群管理装置50によりこの利用者が第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者であることが認証されると、扉を一時的に開状態にする。
【0017】
群管理装置50は、記憶部51とCPU52とを有する。記憶部51は、エレベータ情報記憶部511と、利用者情報記憶部512と、割当情報記憶部513と、時間帯情報記憶部514とを有する。
【0018】
エレベータ情報記憶部511は、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30それぞれの設置位置情報、乗場装置40から第1エレベータ10、第2エレベータ20、第3エレベータ30それぞれまでの距離の情報、または、乗場装置40から第1エレベータ10、第2エレベータ20、第3エレベータ30それぞれまで利用者が歩いた場合にかかる時間の情報を、エレベータ情報として記憶する。
【0019】
利用者情報記憶部512は、第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者として予め設定された利用者の識別情報を記憶する。
【0020】
割当情報記憶部513は、後述するようにCPU52が生成した、乗場装置40で乗場呼び操作を行った利用者の属性情報と、この利用者に対して割り当てを決定したエレベータの識別情報とを紐づけた割当情報を、この決定したエレベータの乗りかごが乗場呼び操作を行った階床から出発するまでの間、記憶する。
【0021】
時間帯情報記憶部514は、親密度が所定の閾値以上である複数の利用者による第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30の利用確率が高い時間帯の情報を記憶する。
【0022】
CPU52は、運転制御部521と、利用者情報取得部522と、認証部523と、割当決定部524と、出力部525とを有する。
【0023】
運転制御部521は、第1制御盤14から取得する第1エレベータ10の運転状況情報、第2制御盤24から取得する第2エレベータ20の運転状況情報、第3制御盤34から取得する第3エレベータ30の運転状況情報、および、後述するように割当決定部524が利用者に対して割り当てたエレベータの識別情報に基づいて、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30を制御する。
【0024】
利用者情報取得部522は、乗場装置40から送信された利用者の属性情報を取得する。認証部523は、利用者情報取得部522が取得した属性情報が、利用者情報記憶部512に記憶された識別情報に含まれる場合には、この属性情報に対応する利用者を、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30を利用可能な利用者として認証する。
【0025】
割当決定部524は、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30の中から、認証部523が認証した利用者に対して割り当てるエレベータを決定する。割当決定部524は、認証された利用者の属性情報と、この利用者に対して割り当てを決定したエレベータの識別情報とを紐づけた割当情報を生成して割当情報記憶部513に記憶させる。
【0026】
出力部525は、認証部523による認証結果、および割当決定部524により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を乗場装置40に出力する。
【0027】
〈一実施形態によるエレベータシステムの動作〉
本実施形態によるエレベータシステム1の動作について、説明する。本実施形態において、利用者情報記憶部512は、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30を利用可能な利用者として、第1利用者X1および第2利用者X2の識別情報を予め記憶している。
【0028】
また運転制御部521は、第1制御盤14から第1エレベータ10の運転状況情報および乗りかご13の荷重量を所定時間間隔で取得し、第2制御盤24から第2エレベータ20の運転状況情報および乗りかご23の荷重量を所定時間間隔で取得し、第3制御盤34から第3エレベータ30の運転状況情報および乗りかご33の荷重量を所定時間間隔で取得する。
【0029】
また、運転制御部521は、乗りかご13、23、または33が1階に着床して戸開した後、戸開した乗りかごが次に戸閉して出発する時刻を算出する。例えば運転制御部521は、乗りかご13、23、または33内に最初に乗り込んだ利用者の乗り込み時刻から所定時間経過後の時刻を、この乗りかごが次に戸閉して出発する時刻(以下、出発時刻と記載する)として算出する。
【0030】
1階から第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30のいずれかを利用する第1利用者X1が、エレベータ乗場2への入場および乗場呼びを行うために、読取部41に利用者のICカードY1を乗場装置40の読取部41にかざすと、読取部41が近距離無線等を用いて、ICカードY1に保持されている第1利用者X1の属性情報を読み取る。第1利用者X1の属性情報とは、例えば第1利用者X1の識別情報、属する組織の名称、性別、年齢、行先階情報等を含む。読取部41は、読み取った第1利用者X1の属性情報を、群管理装置50に送信する。
【0031】
図2は、群管理装置50が、乗場装置40から利用者の属性情報を取得したときに実行する処理を示すフローチャートである。
【0032】
群管理装置50では、乗場装置40から送信された第1利用者X1の属性情報をCPU52の利用者情報取得部522が取得する(S1の「YES」)。利用者情報取得部522が第1利用者X1の属性情報を取得すると、認証部523が利用者情報記憶部512に記憶した情報に基づいて、第1利用者X1が第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者として予め設定された利用者であるか否かを判定する。
【0033】
ここでは、利用者情報記憶部512に第1利用者X1の識別情報が記憶されているため、認証部523は、第1利用者X1が第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者であると認証する(S2の「YES」)。
【0034】
認証部523により第1利用者X1が第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者であると認証されると、割当決定部524は、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30の中から、第1利用者X1に対して利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定処理を実行する(S3)。
【0035】
図3は、割当決定部524が実行する割当決定処理を示すフローチャートである。割当決定部524はまず、割当情報記憶部513に記憶されている割当情報があるか、つまりいずれかの利用者に対して割り当て済みであり、且つこの割り当てに対応する出発階から乗りかごが出発前の状態であるエレベータがあるか否かを判定する(S31)。
【0036】
ここでは、割当決定部524は、割当情報記憶部513に記憶されている割当情報がないと判定し(S31の「NO」)、第1利用者X1に対して通常の割当決定処理を行う(S32)。通常の割当決定処理では、例えば、第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30の運転状況、乗りかご13、23、および33の混雑状況、第1利用者X1の行先階等に応じて、各エレベータ10、20、30が効率良く運転しつつ、第1利用者X1がなるべく早く行先階に到着できるように、第1利用者X1に割り当てるエレベータを決定する。
【0037】
割当決定部524は、第1利用者X1に対して例えば第1エレベータ10を割り当てることを決定し、第1利用者X1の属性情報と第1エレベータ10の識別情報とを紐づけて、割当情報として割当情報記憶部513に記憶させる。これにより、第1利用者X1に対する割当決定処理を終了する。
【0038】
第1利用者X1に対する割当決定処理が終了すると、
図2に戻り、出力部525が、認証部523による認証結果および割当号機「第1エレベータ10」の情報を乗場装置40に出力する(S4)。乗場装置40では、群管理装置50から取得した認証結果に応じてゲート部43の扉が一時的に開状態になるとともに、割当号機「第1エレベータ10」の情報が報知部42から出力される。
【0039】
第1利用者X1は、報知部42から出力された割当号機の情報を認識し、開状態となったゲート部43からエレベータ乗場2に入場し、第1エレベータ10の乗りかご13に乗り込む。
【0040】
その後、第1エレベータ10の出発前に、第2利用者X2が読取部41に利用者の属性情報を保持する媒体であるICカードY2を乗場装置40の読取部41にかざすと、読取部41が第2利用者X2の属性情報を読み取り、群管理装置50に送信する。
【0041】
群管理装置50では、乗場装置40から送信された第2利用者X2の属性情報を利用者情報取得部522が取得し(S1の「YES」)、認証部523が、第2利用者X2が第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者であると認証する(S2の「YES」)。
【0042】
認証部523により第2利用者X2が第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用可能な利用者であると認証されると、割当決定部524が、第2利用者X2に対して割り当てるエレベータを決定する割当決定処理を実行する(S3)。
【0043】
割当決定部524はまず、割当情報記憶部513に記憶された割当情報があるか否かを判定する(S31)。ここでは、割当情報記憶部513に、第1利用者X1に対して第1エレベータ10を割り当てた割当情報が記憶されており、割当決定部524は、記憶された割当情報があると判定する(S31の「YES」)。
【0044】
次に割当決定部524は、記憶された割当情報に基づいて、割当済みのエレベータのうち、乗りかごの出発時刻までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも長いエレベータがあるか否かを判定する(S33)。
【0045】
具体的には、割当決定部524はまず、現在時刻から、運転制御部521で算出された乗りかご13の次の出発時刻までの時間を算出する。また割当決定部524は、エレベータ情報記憶部511に記憶された情報に基づいて、第2利用者X2が、乗場装置40から移動を開始して割当情報記憶部513に記憶された割当情報に対応する第1エレベータ10の乗りかご13に乗り込むまでの時間を算出する。そして割当決定部524は、算出した乗りかご13の次の出発時刻までの時間と、第2利用者X2が乗りかご13に乗り込むまでの時間とを比較する。
【0046】
ここで割当決定部524は、算出した乗りかご13の次の出発時刻までの時間が、第2利用者X2が乗りかご13に乗り込むまでの時間よりも長いと判定する。つまり割当決定部524は、割当済みのエレベータのうち、乗りかごの出発時刻までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも長いエレベータとして、第1エレベータ10があると判定する(S33の「YES」)。
【0047】
ここでは割当済みのエレベータは第1エレベータ10の1台であるが、複数台のエレベータが割当済みの場合には、これら複数台のエレベータそれぞれに関し、乗りかごの出発時刻までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも長いか否かを判定する。
【0048】
割当決定部524は、割当済みのエレベータのうち、乗りかごの出発時刻までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも長い第1エレベータ10があると判定すると、この第1エレベータ10を、今回乗場呼び操作を行った第2利用者X2に対する割当候補として選択する(S34)。
【0049】
次に割当決定部524は、利用者情報取得部522が取得した第2利用者X2の属性情報と、割当情報記憶部513に記憶された、割当候補の第1エレベータ10が割り当てられた第1利用者X1の属性情報とに基づいて、第1利用者X1と第2利用者X2との親密度を算出する。
【0050】
割当決定部524は、例えば予め設定された属性条件ごとの親密度の評価値に基づいて、同じ組織に属する利用者同士の親密度を2.1、家族の利用者同士の親密度を2.5、同業の異なる組織に属する利用者同士の親密度を0.5、のように、利用者間の親密度を算出する。この親密度は、値が大きい程、親密度合いが高いことを示す。
【0051】
割当決定部524は、算出した第1利用者X1と第2利用者X2との親密度が所定の第1閾値以下である場合には(S35の「YES」)、第2利用者X2に対し、割当候補の第1エレベータ10と異なるエレベータ、例えば第2エレベータ20を割り当てることを決定する(S36)。
【0052】
第1閾値は、判断処理対象の2人の利用者が同じ乗りかごに乗り合わせないように乗り分けした方が良いか否かを判断するための閾値であり、割当決定部524は、第1閾値以下の親密度が算出された2利用者に対し、異なるエレベータを割り当てる。
【0053】
また割当決定部524は、算出した第1利用者X1と第2利用者X2との親密度が所定の第1閾値を超える値であり(S35の「NO」)、且つ第2閾値以上である場合には(S37の「YES」)、運転制御部521が取得した割当候補の第1エレベータ10の乗りかご13の最新の荷重量に基づいて、乗りかご13が満員状態であるか否かを判定する(S38)。
【0054】
割当決定部524は、第1利用者X1と第2利用者X2との親密度が第2閾値以上であり、且つ第1エレベータ10の乗りかご13が満員状態ではないと判定したときには(S38の「NO」)、第2利用者X2に対し、割当候補の第1エレベータ10を割り当てることを決定する(S39)。
【0055】
第2閾値は、判断処理対象の2人の利用者が同じ乗りかごに乗った方が良いか否かを判断するための閾値であり、割当決定部524は、第2閾値以上の親密度が算出された2利用者が同時に乗り込み可能であれば、この2利用者に同一のエレベータを割り当てる。
【0056】
ステップS33において、割当済みのエレベータのうち、乗りかごの出発までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも長いエレベータがないと判定したとき(S33の「NO」)、ステップS37において算出した第1利用者X1と第2利用者X2との親密度が第1閾値を超えて第2閾値未満である場合(S37の「NO」)、または、ステップS38において、乗りかご13が満員状態であると判定したとき(S38の「YES」)には、ステップS32に移行して、第2利用者X2に対して通常の割当決定処理を行う(S32)。
【0057】
ステップS36、S39、またはS32により、割当決定部524が第2利用者X2に対して割り当てるエレベータを決定すると、第2利用者X2の属性情報と、決定したエレベータの識別情報とを紐づけて、割当情報として割当情報記憶部513に記憶させる。これにより、第2利用者X2に対する割当決定処理を終了する。
【0058】
第2利用者X2に対する割当決定処理が終了すると、出力部525が、認証部523による認証結果および割当号機情報を乗場装置40に出力する(S4)。乗場装置40では、群管理装置50から取得した認証結果に応じてゲート部43の扉が開状態になるとともに、割当号機情報が報知部42から出力される。
【0059】
第2利用者X2は、報知部42から出力された割当号機の情報を認識し、開状態となったゲート部43からエレベータ乗場2に入場し、認識した割当号機の乗りかごに乗り込む。
【0060】
上述した処理により、第1利用者X1が乗り込んだ乗りかご13が1階から出発すると、割当決定部524は、割当情報記憶部513に記憶された第1利用者X1に関する割当情報を削除する。また、第2利用者X2が乗り込んだ乗りかごが乗りかご13以外の場合には、第2利用者X2が乗り込んだ乗りかごが1階から出発すると、割当決定部524は、割当情報記憶部513に記憶された第2利用者X2に関する割当情報を削除する。
【0061】
以上の実施形態によれば、群管理装置は、乗場で行先階を指定して乗場呼び操作を行った利用者に対し、複数のエレベータの中から、他の利用者との親密度に応じて利用し易いエレベータを割り当てることができる。具体的には、親密度が低く、乗り分けを行うべき複数の利用者に対しては異なるエレベータを割り当て、親密度が高く、乗りかごに同乗させることが好ましい複数の利用者に対しては同じエレベータを割り当てる。このように割り当て処理を行うことで、利用者が安心してエレベータを利用することができる。
【0062】
上述した実施形態において、割当決定部524は、既に第1エレベータ10を割り当てた第1利用者X1との親密度が第2閾値よりも高い第2利用者X2に対して割当決定処理を行う際に、第1エレベータ10が満員状態であり第2利用者X2に対して割り当てを行うことができない場合には、第1利用者X1に対して他のエレベータ、例えば第2エレベータ20を割り当てるように変更するとともに、第2利用者X2に対してもこの変更後の第2エレベータ20を割り当てるようにしてもよい。
【0063】
この場合、第2利用者X2に対する割り当てを第2エレベータ20に変更した旨の情報を、群管理装置50の出力部525が乗場装置40に出力し、乗場装置40が例えば近距離無線通信等を用いて、第1利用者X1が所持する携帯端末に送信することで、報知してもよい。
【0064】
このように割当の変更処理を行うことで、親密度の高い第1利用者X1および第2利用者X2に対し、利便性の高い割当決定処理を行うことができる。
【0065】
また上述した実施形態において、ステップS33で、割当済みのエレベータのうち、乗りかごの出発までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも長いエレベータがないが(S33の「NO」)、乗りかごの出発までの時間が、第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間よりも短く、且つ乗りかごの出発までの時間と第2利用者X2が乗り込むまでにかかる時間との差分が所定値以下、例えば5秒以内のエレベータがある場合には、このエレベータを割当候補としてステップS34以降の処理を実行してもよい。
【0066】
この場合、第1利用者X1と第2利用者X2との親密度が第2閾値以上であることにより、ステップS39において第2利用者X2に対し、上述したように割当候補としたエレベータを割り当てた場合には、割当決定部524は、この割り当てたエレベータの出発時刻を所定時間遅くする指示を運転制御部521に送出する。このように処理を行うことで、親密度が高い利用者同士をなるべく同じ乗りかごに同乗させつつ、効率良くエレベータを運転することができる。
【0067】
また上述した実施形態において、利用者の属性情報に基づいて算出される利用者間の親密度が、所定の第3閾値以上である複数の利用者による第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30の利用確率が高い時間帯は、割当決定部524は、複数の利用者の中の1人の属性情報を取得すると、所定時間以内にこの複数の利用者内の他の属性情報を取得すると予測し、予測した情報に基づいて、属性情報を取得した利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定してもよい。この第3閾値は、判断処理対象の複数の利用者が例えば同じ組織に属するか否かにより、同じ時間帯に同じ行先階に向かって移動するか否かを判断するための閾値である。
【0068】
この場合、例えば割当決定部524が、過去の所定期間に実行した割当決定処理の内容を機械学習することで、親密度が第3閾値以上の複数の利用者による第1エレベータ10、第2エレベータ20、および第3エレベータ30の利用確率が高い時間帯を算出し、算出した時間帯の情報を予め時間帯情報記憶部514に記憶させる。そして割当決定部524は、時間帯情報記憶部514に記憶された情報に基づいて、この時間帯に該当する時刻にこの複数の利用者の中の1人の属性情報を乗場装置40から取得したことを検知すると、この利用者と親密度が高い他の利用者が後続して第1エレベータ10、第2エレベータ20、または第3エレベータ30を利用する可能性が高いと判断して、乗りかごがなるべく空いているエレベータを割り当てる。
【0069】
このように割当決定処理を行うことで、さらに効率良く、エレベータシステム1内のエレベータ10、20、および30を運転することができる。
【0070】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1…エレベータシステム、2…エレベータ乗場、3…昇降路、10…第1エレベータ、11、21、31…巻き上げ機、12、22、32…ロープ、13、23、33…乗りかご、14…第1制御盤、15…テールコード、20…第2エレベータ、24…第2制御盤、30…第3エレベータ、34…第3制御盤、40…乗場装置、41…読取部、42…報知部、43…ゲート部、50…群管理装置、51…記憶部、52…CPU、131…かごドア、132、232、332…荷重検知装置、511…エレベータ情報記憶部、512…利用者情報記憶部、513…割当情報記憶部、514…時間帯情報記憶部、521…運転制御部、522…利用者情報取得部、523…認証部、524…割当決定部、525…出力部
【手続補正書】
【提出日】2024-11-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のエレベータを群管理し、
所定の階床から、前記複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が前記属性情報を取得すると、前記複数のエレベータの中から、前記利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定部と、
前記割当決定部により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を出力する出力部と、
前記利用者情報取得部が取得した属性情報および前記割当決定部が割り当てを決定したエレベータの識別情報を、前記利用者の割当情報として、前記割り当てを決定したエレベータの乗りかごが前記階床から出発するまでの間、記憶する割当情報記憶部と、を備え、
前記割当決定部は、前記割当情報記憶部が第1利用者の割当情報を記憶しているときに、前記利用者情報取得部が新たに第2利用者の属性情報を取得すると、取得した第2利用者の属性情報および前記割当情報記憶部が記憶している第1利用者の割当情報内の属性情報に基づいて前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出し、
算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が所定の第1閾値以下であるときには、前記第1利用者と前記第2利用者とに対して割り当てるエレベータが異なるように、前記第2利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定し、
算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第1閾値よりも高い第2閾値以上であるときには、前記第1利用者および前記第2利用者に対して割り当てるエレベータが同一になるように、前記第2利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定し、
算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第2閾値以上であり、且つ前記第1利用者の利用対象として既に割り当てたエレベータが満員状態である場合には、前記第1利用者の利用対象とするエレベータの割り当てを他のエレベータに変更し、変更後のエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当てる、エレベータ群管理装置。
【請求項2】
複数のエレベータを群管理し、
所定の階床から、前記複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が前記属性情報を取得すると、前記複数のエレベータの中から、前記利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定部と、
前記割当決定部により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を出力する出力部と、
前記利用者情報取得部が取得した属性情報および前記割当決定部が割り当てを決定したエレベータの識別情報を、前記利用者の割当情報として、前記割り当てを決定したエレベータの乗りかごが前記階床から出発するまでの間、記憶する割当情報記憶部と、を備え、
前記割当決定部は、前記割当情報記憶部が第1利用者の割当情報を記憶しているときに、前記利用者情報取得部が新たに第2利用者の属性情報を取得すると、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータの乗りかごの出発時刻の情報を取得し、取得した出発時刻までの時間を算出するとともに、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータの位置情報を取得し、取得した位置情報に基づいて、前記第2利用者が、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータの乗りかごに乗り込むまでの時間を算出し、算出した前記出発時刻までの時間が、前記第2利用者が前記乗りかごに乗り込むまでの時間よりも長い場合に、取得した第2利用者の属性情報および前記割当情報記憶部が記憶している第1利用者の割当情報内の属性情報に基づいて前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出し、算出した親密度に基づいて、前記第2利用者に対して割り当てるエレベータを決定する、エレベータ群管理装置。
【請求項3】
前記割当決定部は、前記出発時刻までの時間が、前記第2利用者が前記乗りかごに乗り込むまでの時間よりも所定値以下の時間分短く、且つ前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が所定の第2閾値以上であるときには、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当て、割り当てたエレベータの出発時刻を所定時間遅くなるように変更する、請求項2に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項4】
複数のエレベータを群管理し、
所定の階床から、前記複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が前記属性情報を取得すると、前記複数のエレベータの中から、前記利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定部と、
前記割当決定部により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を出力する出力部と、
前記利用者情報取得部が取得した属性情報および前記割当決定部が割り当てを決定したエレベータの識別情報を、前記利用者の割当情報として、前記割り当てを決定したエレベータの乗りかごが前記階床から出発するまでの間、記憶する割当情報記憶部と、
利用者の属性情報に基づいて算出される利用者間の親密度が、所定の第3閾値以上である複数の利用者によるエレベータの利用確率が高い時間帯の情報を予め記憶する時間帯情報記憶部と、を備え、
前記割当決定部は、前記割当情報記憶部が第1利用者の割当情報を記憶しているときに、前記利用者情報取得部が新たに第2利用者の属性情報を取得すると、取得した第2利用者の属性情報および前記割当情報記憶部が記憶している第1利用者の割当情報内の属性情報に基づいて前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出し、算出した親密度に基づいて、前記第2利用者に対して割り当てるエレベータを決定し、
前記時間帯情報記憶部に記憶された時間帯に該当する時刻に、前記利用者情報取得部が前記複数の利用者のいずれかの属性情報を取得すると、所定時間内に前記複数の利用者内の他の利用者の属性情報を取得すると予測し、予測した情報に基づいて、属性情報を取得した利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する、エレベータ群管理装置。
【請求項5】
前記割当決定部は、算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第2閾値以上であり、且つ前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータが満員状態でない場合には、前記第1利用者の利用対象として割り当てたエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当てる、請求項1に記載のエレベータ群管理装置。
【請求項6】
複数のエレベータを群管理し、
所定の階床から、前記複数のエレベータのいずれかを利用する利用者の属性情報を取得する利用者情報取得部と、
前記利用者情報取得部が前記属性情報を取得すると、前記複数のエレベータの中から、前記利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定する割当決定部と、
前記割当決定部により割り当てが決定されたエレベータの識別情報を出力する出力部と、
前記利用者情報取得部が取得した属性情報および前記割当決定部が割り当てを決定したエレベータの識別情報を、前記利用者の割当情報として、前記割り当てを決定したエレベータの乗りかごが前記階床から出発するまでの間、記憶する割当情報記憶部と、を備えるエレベータ群管理装置の前記割当決定部が、
前記割当情報記憶部が第1利用者の割当情報を記憶しているときに、前記利用者情報取得部が新たに第2利用者の属性情報を取得すると、取得した第2利用者の属性情報および前記割当情報記憶部が記憶している第1利用者の割当情報内の属性情報に基づいて前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度を算出し、
算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が所定の第1閾値以下であるときには、前記第1利用者と前記第2利用者とに対して割り当てるエレベータが異なるように、前記第2利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定し、
算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第1閾値よりも高い第2閾値以上であるときには、前記第1利用者および前記第2利用者に対して割り当てるエレベータが同一になるように、前記第2利用者の利用対象として割り当てるエレベータを決定し、
算出した前記第1利用者と前記第2利用者との間の親密度が前記第2閾値以上であり、且つ前記第1利用者の利用対象として既に割り当てたエレベータが満員状態である場合には、前記第1利用者の利用対象とするエレベータの割り当てを他のエレベータに変更し、変更後のエレベータを前記第2利用者の利用対象として割り当てる、エレベータ群管理方法。