IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイホン株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-仕様情報管理システム 図1
  • 特開-仕様情報管理システム 図2
  • 特開-仕様情報管理システム 図3
  • 特開-仕様情報管理システム 図4
  • 特開-仕様情報管理システム 図5
  • 特開-仕様情報管理システム 図6
  • 特開-仕様情報管理システム 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025147501
(43)【公開日】2025-10-07
(54)【発明の名称】仕様情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/08 20120101AFI20250930BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20250930BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024047773
(22)【出願日】2024-03-25
(71)【出願人】
【識別番号】000100908
【氏名又は名称】アイホン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136630
【弁理士】
【氏名又は名称】水野 祐啓
(74)【代理人】
【識別番号】100201514
【弁理士】
【氏名又は名称】玉井 悦
(72)【発明者】
【氏名】森田 和幸
(72)【発明者】
【氏名】山下 咲衣子
(72)【発明者】
【氏名】竹内 基浩
【テーマコード(参考)】
5L050
【Fターム(参考)】
5L050CC07
(57)【要約】
【課題】 建物設備の機能設定に関する情報を含む仕様情報において、該仕様情報を管理できる仕様情報管理システムを提供する。
【解決手段】 本開示の仕様情報管理システム1は、建物設備Fの機能設定に関する情報を含む仕様情報41と、仕様情報を管理する管理部2と、仕様情報41を用いて建物設備Fの機能設定を行う設定部6とを備える。管理部2は、管理部2に仕様情報41を登録する登録部3を含む。管理部2は、クラウドサーバに設けられ、設定部6は、ユーザ端末21に設けられる。設定部6は、管理部2から取得した仕様情報41を用いて、建物設備Fの機能設定を行うように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物設備の機能設定に関する情報を含む仕様情報と、前記仕様情報を管理する管理手段と、前記仕様情報を用いて前記建物設備の機能設定を行う設定手段と、を備え、
前記管理手段が、前記管理手段に前記仕様情報を登録する登録手段を含み、
前記管理手段は、クラウドサーバに設けられ、
前記設定手段は、ユーザ端末に設けられ、
前記設定手段は、前記管理手段から取得した前記仕様情報を用いて、前記建物設備の機能設定を行うことを特徴とする、仕様情報管理システム。
【請求項2】
前記管理手段が、前記管理手段にアクセスするユーザを認証するユーザ認証手段を含む、請求項1に記載の仕様情報管理システム。
【請求項3】
前記クラウドサーバが、前記仕様情報の変更履歴を記憶する記憶手段を含む、請求項1に記載の仕様情報管理システム。
【請求項4】
前記建物設備に設定された前記仕様情報を参照する参照手段を備え、
前記参照手段は、前記ユーザ端末に設けられた、請求項1に記載の仕様情報管理システム。
【請求項5】
前記クラウドサーバが、前記仕様情報の変更履歴を記憶する記憶手段を含み、
前記管理手段が、前記仕様情報及び/又は変更履歴に基づいて前記建物設備の機能設定状況を分析する分析手段を含む、請求項1に記載の仕様情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物設備の仕様情報を管理するための仕様情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物設備の機能設定を行うため、機能設定に関する情報を含む仕様情報を作成し、作成した仕様情報を、建物設備の制御装置等に書き込むことにより、機能設定を一括に行う方法が採用されている。仕様情報は、施工初期や建物設備のユーザ等からの要望により、建物設備のメーカーや施工業者等が担当する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-134236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の人物が仕様情報の作成に関与するため、複数の仕様情報が作成され、どの仕様情報を用いて機能設定すべきであるのか、わからなくなってしまうという問題があった。
【0005】
そこで、本開示の目的は、仕様情報を管理できる仕様情報管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の仕様情報管理システムは、建物設備の機能設定に関する情報を含む仕様情報と、仕様情報を管理する管理手段と、仕様情報を用いて建物設備の機能設定を行う設定手段と、を備え、管理手段が、管理手段に仕様情報を登録する登録手段を含み、管理手段は、クラウドサーバに設けられ、設定手段は、ユーザ端末に設けられ、設定手段は、管理手段から取得した仕様情報を用いて、建物設備の機能設定を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本開示の仕様情報管理システムによれば、管理手段が仕様情報を一元管理し、設定手段は管理手段から取得した仕様情報を用いて建物設備の機能設定を行うため、自動的に正しい仕様情報を用いて機能設定を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】仕様情報管理システムのブロック図である。
図2】集合玄関機のシステム図である。
図3】ナースコールシステムのシステム図である。
図4】仕様情報の例を示す表である。
図5】仕様情報管理システムの模式図及び機能設定の流れを示すフローチャートである。
図6】仕様情報管理システムの模式図及び機能設定の流れを示すフローチャートである。
図7】仕様情報管理システムの模式図及び機能設定の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示を、建物Bに設けられる建物設備Fにおいて、建物設備Fの機能設定に関する情報を含む仕様情報41を管理する仕様情報管理システムに具体化した一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、建物Bは、例えば、集合住宅、病院、介護施設等を含む。
【0010】
図1に示すように、この実施形態の仕様情報管理システム1は、建物設備Fの機能設定に関する情報を含む仕様情報41(図4参照)と、仕様情報41を管理する管理部2と、仕様情報41を用いて建物設備の機能設定を行う設定部6と、建物設備Fに設定された仕様情報41を参照する参照部7とを備える。管理部2はクラウドサーバ11に設けられている。設定部6及び参照部7はユーザ端末21に設けられている。複数の建物設備Fと、複数の建物設備Fを制御する制御装置31とは、建物Bに設けられている。
【0011】
管理部2は、管理部2に仕様情報41を登録する登録部3と、管理部2にアクセスするユーザUを認証するユーザ認証部4と、仕様情報41及び/又は仕様情報41の変更履歴に基づいて建物設備Fの機能設定状況を分析する分析部5とを備える。
【0012】
登録部3は、管理部2に仕様情報41を登録する。具体的には、ユーザ端末21から仕様情報41を受信し、受信した仕様情報41を記憶部12に書き込む。このとき、登録部3は、仕様情報41にシステム情報(図4参照)を書き込む。記憶部12には、全てのバージョンの仕様情報41が保存される。
【0013】
ユーザ認証部4は、管理部2にアクセスするユーザUを認証する。ここで、ユーザUは、第1ユーザU1と第2ユーザU2とを含む。第1ユーザU1は、仕様情報管理システム1にアカウントを有するユーザであり、第2ユーザU2は、仕様情報管理システム1にアカウントを有しないユーザである。第1ユーザU1の例は、建物設備Fのメーカーの営業担当者等であり、第2ユーザU2の例は、建物設備Fの施工業者等である。
【0014】
ユーザ認証部4は、第1ユーザU1をID及びパスワードや生体情報等のアカウント情報に基づいて認証するように構成できる。第1ユーザU1が第2ユーザU2に一時的なID及びパスワードを発行し、ユーザ認証部4が一時的なID及びパスワードに基づいて第2ユーザU2を認証するようにも構成できる。
【0015】
分析部5は、仕様情報41や仕様情報41の変更履歴に基づいて建物設備Fの機能設定状況を分析する。例えば、建物Bの種類や規模毎、仕様情報41の作成時期毎に仕様情報41を分類し、機能設定状況を分析する。分析結果を利用して、同種又は同規模の建物Bに設けられた建物設備Fの仕様情報41を生成したり、将来の仕様情報41の変化を予測したりするための情報として活用できる。
【0016】
設定部6は、管理部2から取得した仕様情報41を用いて、建物設備Fの機能設定を行う。具体的には、設定部6は、機能設定を行う際に管理部2から仕様情報41を取得し、取得した仕様情報41を建物設備Fの制御装置31に書き込む。
【0017】
参照部7は、制御装置31に書き込まれている仕様情報41を参照し、ユーザ端末21の表示部に表示する。制御装置31にユーザ認証部(図示なし)を設け、ID及びパスワード等を使用して参照部7を使用するユーザUを認証するように構成することもできる。
【0018】
クラウドサーバ11は、CPU(Central Processing Unit)13と、記憶部12とを備える。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)とから構成されている。ROMは、不揮発性メモリ等であり、各種プログラムや該プログラムで使用されるファイル及びパラメータ等を記憶している。RAMは、各種プログラムの実行時に使用するデータを一時的に記憶している。例えば、管理部2を、プログラムとしてクラウドサーバ11のROMにインストールすることも可能である。
【0019】
ユーザ端末21は、CPU23と、記憶部22とを備える。記憶部22は、ROMと、RAMとから構成されている。ユーザ端末21は、例えば、PCやタブレット等を含む。また、例えば、設定部6及び参照部7を、プログラムとしてユーザ端末21のROMにインストールすることも可能である。
【0020】
制御装置31は、CPU33と、記憶部32とを備える。記憶部32は、ROMと、RAMとから構成されている。
【0021】
図2に示すように、建物Bが「集合住宅」である場合、建物設備Fは、集合玄関機F1、集合玄関扉F2、集合宅配ボックスF3、居室親機F4、玄関子機F5、住戸前宅配ボックスF6、住宅用火災報知器F7、浴室コールボタンF8、ガス・CO警報器F9、防犯センサーF10、管理室親機F11、エレベータF12等を含む。建物設備Fは、制御装置31とインターホン回線等により接続されている。エレベータF12の仕様情報41は、エレベータ制御機F13に書き込むことも可能である。
【0022】
図3に示すように、建物Bが「病院又は介護施設」である場合、建物設備Fは、ナースコール親機F21、PBX主装置F22、基地局F23、看護師等が携帯する携帯端末F24、廊下灯F25、トイレ呼出ボタンF26、トイレ子機F27、ナースコール子機F28、見守りカメラF29、電子カルテF30、オーダリングサーバF31等を含み、これら全体でナースコールシステムとして機能する。このとき、トイレ呼出ボタンF26、トイレ子機F27、及び、ナースコール子機F28は、廊下灯F25を介して制御装置31とナースコール回線等により接続されている。また、電子カルテF30及びオーダリングサーバF31は、院内ネットワークNを介して制御装置31と接続されている。
【0023】
図4に示すように、仕様情報41は、建設設備Fの各種機能、例えば、火災等の外部移報、外部機器の通信ID等、集合宅配ボックスF3及び/又は住戸前宅配ボックスF6の種別等、居室親機F4のエレベータ機能等を含む。なお、システム情報は、登録部3により書き込まれる。
【0024】
次に、上記構成の仕様情報管理システム1を用いた建物設備Fの機能設定の流れについて図5,6,7に基づいて説明する。以下の説明において、第1ユーザU1は、既にユーザ認証部4により認証されているものとする。
【0025】
仕様情報41を用いた機能設定のパターンは、第1~3のパターンが想定される。
【0026】
図5に示すように、第1のパターンは、第1ユーザU1が仕様情報41を作成し、第2ユーザU2が仕様情報41を制御装置31に書き込むパターンである。まず、第1ユーザU1がユーザ端末21で仕様情報41を作成し(図5(1))、仕様情報41をクラウドサーバ11にアップロードすると、登録部3は仕様情報41を登録する(図5(2))。このとき、登録部3は、仕様情報41にシステム情報を書き込んでもよい。第2ユーザU2がユーザ端末21の設定部6を起動すると、設定部6はクラウドサーバ11から仕様情報41を取得し(図5(3))、取得した仕様情報41を建物設備Fの制御装置31に書き込み、仕様情報41の機能設定を行う(図5(4))。
【0027】
図6に示すように、第2のパターンは、第2ユーザU2から仕様変更の依頼を受けた第1ユーザU1が仕様情報41を作成し、第2ユーザU2が仕様情報41を制御装置31に書き込むパターンである。第2のパターンでは、第1ユーザU1が第1ユーザU1に仕様変更を依頼する(図6(1))。第1ユーザU1がユーザ端末21で仕様情報41を作成する(図6(2))。その後の流れは、第1のパターンと同様である。
【0028】
図7に示すように、第3のパターンは、第2ユーザU2から仕様変更の依頼を受けた第1ユーザU1が第2ユーザU2に一時的なIDとパスワードを発行し、第2ユーザU2が仕様情報41を作成し、仕様情報41を制御装置31に書き込むパターンである。まず、第2ユーザU2が第1ユーザU1に仕様変更を依頼する(図7(1))。第1ユーザU1は、第2ユーザU2に、管理部2にアクセスするための一時的なID及びパスワードを送信する(図7(2))。その後、第2ユーザU2が仕様情報41を作成する(図7(3))。
【0029】
第2ユーザU2は、一時的なID及びパスワードを使用して、仕様情報41を登録部3にアップロードする(図7(4))。ユーザ認証部4は、一時的なID及びパスワードに基づいて第2ユーザU2を認証する(図7(5))。認証が成功した場合には、登録部3は仕様情報41を登録する。第2ユーザU2がユーザ端末21の設定部6を起動すると、設定部6はクラウドサーバ11から仕様情報41を取得し(図7(6))、取得した仕様情報41を建物設備Fの制御装置31に書き込み、仕様情報41の機能設定を行う(図7(7))。
【0030】
以上のように構成された仕様情報管理システム1によれば、管理部2によって仕様情報41が一元管理され、また、設定部6は、建物設備Fの制御装置31に仕様情報41を書き込む際に、必ず管理部2から仕様情報を取得するため、適切な仕様情報41を用いて建物設備Fの設定を行うことができる。
【0031】
本開示は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の構成を任意に変更して実施することも可能である。例えば、設定部6と参照部7とを含むユーザ端末用プログラムを設けることも可能である。また、第1ユーザU1は第2ユーザU2に、ID及びパスワードと共に、ユーザ端末用プログラムを配信するように構成することも可能である。さらに、設定部6及び参照部7をクラウドサーバ11の管理部2に配置することも可能である。
【符号の説明】
【0032】
1 仕様情報管理システム
2 管理部
3 登録部
4 ユーザ認証部
5 分析部
6 設定部
7 参照部
11 クラウドサーバ
12 記憶部(クラウドサーバ)
13 CPU(クラウドサーバ)
21 ユーザ端末
22 記憶部(ユーザ端末)
23 CPU(ユーザ端末)
31 制御装置
32 記憶部(制御装置)
33 CPU(制御装置)
41 仕様情報
N 院内ネットワーク
B 建物
F 建物設備
U ユーザ
U1 第1ユーザ
U2 第2ユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7