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特開2025-14761ポストフォーム加工品の製造方法、ポストフォーム加工品及びそれを備えた把手部材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014761
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】ポストフォーム加工品の製造方法、ポストフォーム加工品及びそれを備えた把手部材
(51)【国際特許分類】
   A47K 17/02 20060101AFI20250123BHJP
   B32B 3/30 20060101ALI20250123BHJP
   B32B 37/18 20060101ALI20250123BHJP
   B29C 65/54 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A47K17/02 A
B32B3/30
B32B37/18
B29C65/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117573
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】509326854
【氏名又は名称】株式会社ジュケン
(71)【出願人】
【識別番号】395012617
【氏名又は名称】加藤木材工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076473
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100112900
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 路子
(74)【代理人】
【識別番号】100163164
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 敏之
(72)【発明者】
【氏名】清水 庸平
(72)【発明者】
【氏名】坂本 進二
【テーマコード(参考)】
2D037
4F100
4F211
【Fターム(参考)】
2D037EA05
4F100AB04A
4F100AB04B
4F100AK36C
4F100AK36D
4F100AP03A
4F100AP03B
4F100BA04
4F100BA06
4F100DD05A
4F100DD05B
4F100DD09A
4F100DD09B
4F100DD32A
4F100DD32B
4F100EC182
4F100GB07
4F100GB81
4F100HB00C
4F100HB00D
4F100JB13C
4F100JB13D
4F100JC00C
4F100JC00D
4F100JK01A
4F100JK01B
4F211AD19
4F211AH47
4F211TA03
4F211TC03
4F211TD11
4F211TJ22
4F211TN41
(57)【要約】
【課題】第二芯材の形状設定を自由にできるポストフォーム加工品の製造方法、ポストフォーム加工品及びそれを備えた把手部材を提供する。
【解決手段】両サイド手摺50は、第一芯材60と、第一芯材60内に配される第二芯材80と、第一芯材60の外面を覆う外装部材90と、備える。第一芯材60は、第一分割体62と、第二分割体65と、で構成され、第二芯材80が配される第二芯材配置部61を備える。第二芯材配置部61は、第一分割体62及び第二分割体65の対向面に、それぞれ形成された第二芯材配置部形成凹部63、66により形成され、第一芯材60の軸線方向からみて、第一芯材60の一端側の、第一分割体62と、第二分割体65との継ぎ目部分が、外装部材90で覆われ、第一芯材60の他端側の、第一分割体62と、第二分割体65との継ぎ目部分に、外装部材90の継ぎ目部分が配されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一芯材と、
前記第一芯材の外面を覆う外装部材と、
備えるポストフォーム加工品の製造方法であって、
前記第一芯材は、
前記第一芯材の軸線方向に沿って分割される、第一分割体と、第二分割体と、で構成され、
前記第一芯材より剛性が高い第二芯材を内部に配置可能な第二芯材配置部を備え、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、の少なくとも一方の対向面に、前記第二芯材配置部を形成するための第二芯材配置部形成凹部が形成され、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、前記第一分割体と前記第二分割体との間隔を規定する治具と、を平坦面にセットし、前記平坦面とは反対側の面に前記セットした状態を保持する仮止めテープを貼り、一体化された半完ユニットを形成する第一工程と、
前記外装部材と、前記半完ユニットを構成する前記第一分割体及び前記第二分割体の一部とを、前記仮止めテープとは反対側において接着する第二工程と、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記外装部材を曲げて、前記外装部材と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着する、第三工程と、
前記仮止めテープ、前記治具を撤去する、第四工程と、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうしを接着する工程、を含む第五工程と、
を経て行われることを特徴とするポストフォーム加工品の製造方法。
【請求項2】
第一芯材と、
前記第一芯材より剛性が高く、前記第一芯材内に配される第二芯材と、
前記第一芯材の外面を覆う外装部材と、
備えるポストフォーム加工品の製造方法であって、
前記第一芯材は、
前記第一芯材の軸線方向に沿って分割される、第一分割体と、第二分割体と、で構成され、
前記第二芯材が配される第二芯材配置部を備え、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、の少なくとも一方の対向面に、前記第二芯材配置部を形成するための第二芯材配置部形成凹部が形成され、
前記第二芯材配置部形成凹部が形成された、
又は、
前記第二芯材配置部形成凹部が形成される前の、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、前記第一分割体と前記第二分割体との間隔を規定する治具と、を平坦面にセットし、前記平坦面とは反対側の面に前記セットした状態を保持する仮止めテープを貼り、一体化された半完ユニットを形成する第一工程と、
前記外装部材と、前記半完ユニットを構成する前記第一分割体及び前記第二分割体の一部とを、前記仮止めテープとは反対側において接着する第二工程と、
少なくとも、前記第一分割体と前記第二分割体の一方に、前記第二芯材配置部形成凹部を形成して、前記仮止めテープ、前記治具を撤去し、
又は、
前記仮止めテープ、前記治具を撤去し、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記外装部材を曲げて、前記外装部材と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着、
すると同時に、又は、した後に、又は、する前に、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうしを接着する工程、を含む接着工程と、
前記接着工程の後に前記第二芯材を、前記第二芯材配置部に配設する、
又は、
前記接着工程において、前記第二芯材を、前記第二芯材配置部形成凹部に配設する、
第二芯材配設工程と、
を経て行われることを特徴とするポストフォーム加工品の製造方法。
【請求項3】
前記外装部材が、熱硬化性樹脂化粧板とされ、
前記第三工程が、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記熱硬化性樹脂化粧板を、加熱し折り曲げて、前記熱硬化性樹脂化粧板と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着し、必要ならば前記外装部材の余り代をトリミングする、工程とされ、
前記第五工程が、前記熱硬化性樹脂化粧板の前記治具が配されていた部分、及びその周辺を加熱して、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体及び前記第二分割体と前記熱硬化性樹脂化粧板、及び、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうし、を接着する工程とされ、
ていることを特徴とする請求項1にポストフォーム加工品の製造方法。
【請求項4】
前記外装部材が、熱硬化性樹脂化粧板とされ、
前記接着工程が、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記熱硬化性樹脂化粧板を、加熱し折り曲げて、前記熱硬化性樹脂化粧板と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着し、必要ならば前記外装部材の余り代をトリミング、
すると同時に、又は、した後に、又は、する前に、
前記熱硬化性樹脂化粧板の前記治具が配されていた部分、及びその周辺を加熱して、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体及び前記第二分割体と前記熱硬化性樹脂化粧板、及び、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうし、を接着する、
工程とされていることを特徴とする請求項2にポストフォーム加工品の製造方法。
【請求項5】
前記第一芯材は、前記軸線方向からみて、外形形状が、矩形状の部分を含み、少なくとも一方の端部が弧状に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のポストフォーム加工品の製造方法。
【請求項6】
第一芯材と、
前記第一芯材より剛性が高く、前記第一芯材内に配される第二芯材と、
前記第一芯材の外面を覆う外装部材と、
備え、
前記第一芯材は、
第一分割体と、第二分割体と、で構成され、
前記第二芯材が配される第二芯材配置部を備え、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、の少なくとも一方の対向面に、前記第二芯材配置部を形成するための第二芯材配置部形成凹部が形成され、
前記第一芯材の軸線方向からみて、前記第一芯材の一端側の、前記第一分割体と、前記第二分割体との継ぎ目部分が、前記外装部材で覆われ、
前記第一芯材の他端側の、前記第一分割体と、前記第二分割体との継ぎ目部分に、前記外装部材の継ぎ目部分が配されていることを特徴とするポストフォーム加工品。
【請求項7】
請求項6に記載のポストフォーム加工品を備えていることを特徴とする把手部材。
【請求項8】
請求項6に記載のポストフォーム加工品と、前記ポストフォーム加工品に取り付けられるとともに建築物に取り付け可能な取付部材と、を備えることを特徴とする把手部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポストフォーム加工品の製造方法、ポストフォーム加工品及びそれを備えた把手部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のポストフォーム加工品として、特許文献1に記載されるものがあり、これによれば、柱状に形成された第一芯材(芯材)と、芯材の扉と対向する面側に形成された有底凹部と、有底凹部内に配される第二芯材(補強パイプ)と、第二芯材と扉とを連結する取付部材と、第一芯材を外側から覆う外装部材と、を有していた(第五実施形態、図15~18参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3230141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記ポストフォーム加工品では、第二芯材が露出する構成であるので、第二芯材を使用する場合においても、露出させないことが望まれていた。その場合、仮に、第一芯材を無垢材で構成して、第二芯材を配置する空間を形成しようとすると、軸線方向に沿ってドリルで孔を形成する加工法以外に適切な方法が無く、中に入れられる第二芯材の形状設定に制約が生じていた。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、第二芯材を露出させない構成としたうえで、第二芯材の形状設定を自由にできるポストフォーム加工品の製造方法、ポストフォーム加工品及びそれを備えた把手部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明では、第一芯材と、
前記第一芯材の外面を覆う外装部材と、
備えるポストフォーム加工品の製造方法であって、
前記第一芯材は、
前記第一芯材の軸線方向に沿って分割される、第一分割体と、第二分割体と、で構成され、
前記第一芯材より剛性が高い第二芯材を内部に配置可能な第二芯材配置部を備え、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、の少なくとも一方の対向面に、前記第二芯材配置部を形成するための第二芯材配置部形成凹部が形成され、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、前記第一分割体と前記第二分割体との間隔を規定する治具と、を平坦面にセットし、前記平坦面とは反対側の面に前記セットした状態を保持する仮止めテープを貼り、一体化された半完ユニットを形成する第一工程と、
前記外装部材と、前記半完ユニットを構成する前記第一分割体及び前記第二分割体の一部とを、前記仮止めテープとは反対側において接着する第二工程と、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記外装部材を曲げて、前記外装部材と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着する、第三工程と、
前記仮止めテープ、前記治具を撤去する、第四工程と、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうしを接着する工程、を含む第五工程と、
を経て行われる。
【0007】
これによれば、第二芯材を露出させない構成としたうえで、第二芯材の形状設定を自由にできる。
【0008】
請求項2記載の発明では、第一芯材と、
前記第一芯材より剛性が高く、前記第一芯材内に配される第二芯材と、
前記第一芯材の外面を覆う外装部材と、
備えるポストフォーム加工品の製造方法であって、
前記第一芯材は、
前記第一芯材の軸線方向に沿って分割される、第一分割体と、第二分割体と、で構成され、
前記第二芯材が配される第二芯材配置部を備え、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、の少なくとも一方の対向面に、前記第二芯材配置部を形成するための第二芯材配置部形成凹部が形成され、
前記第二芯材配置部形成凹部が形成された、
又は、
前記第二芯材配置部形成凹部が形成される前の、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、前記第一分割体と前記第二分割体との間隔を規定する治具と、を平坦面にセットし、前記平坦面とは反対側の面に前記セットした状態を保持する仮止めテープを貼り、一体化された半完ユニットを形成する第一工程と、
前記外装部材と、前記半完ユニットを構成する前記第一分割体及び前記第二分割体の一部とを、前記仮止めテープとは反対側において接着する第二工程と、
少なくとも、前記第一分割体と前記第二分割体の一方に、前記第二芯材配置部形成凹部を形成して、前記仮止めテープ、前記治具を撤去し、
又は、
前記仮止めテープ、前記治具を撤去し、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記外装部材を曲げて、前記外装部材と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着、
すると同時に、又は、した後に、又は、する前に、
前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうしを接着する工程、を含む接着工程と、
前記接着工程の後に前記第二芯材を、前記第二芯材配置部に配設する、
又は、
前記接着工程において、前記第二芯材を、前記第二芯材配置部形成凹部に配設する、
第二芯材配設工程と、
を経て行われる。
【0009】
このような製造方法としても、第二芯材を露出させない構成としたうえで、第二芯材の形状設定を自由にできる。
【0010】
また、請求項1記載の発明において、前記外装部材が、熱硬化性樹脂化粧板とされ、
前記第三工程が、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記熱硬化性樹脂化粧板を、加熱し折り曲げて、前記熱硬化性樹脂化粧板と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着し、必要ならば前記外装部材の余り代をトリミングする、工程とされ、
前記第五工程が、前記熱硬化性樹脂化粧板の前記治具が配されていた部分、及びその周辺を加熱して、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体及び前記第二分割体と前記熱硬化性樹脂化粧板、及び、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうし、を接着する工程とされ、
ている製造方法とすることができる。
【0011】
これによれば、外装部材が熱硬化性樹脂化粧板である場合に好適な製造方法となる。
【0012】
また、請求項2記載の発明において、前記外装部材が、熱硬化性樹脂化粧板とされ、
前記接着工程が、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の、前記治具と反対側の端部と対応する部分の前記熱硬化性樹脂化粧板を、加熱し折り曲げて、前記熱硬化性樹脂化粧板と、前記第一分割体及び前記第二分割体とを接着し、必要ならば前記外装部材の余り代をトリミング、
すると同時に、又は、した後に、又は、する前に、
前記熱硬化性樹脂化粧板の前記治具が配されていた部分、及びその周辺を加熱して、前記軸線方向からみて、前記第一分割体及び前記第二分割体の前記治具が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、前記第一分割体及び前記第二分割体と前記熱硬化性樹脂化粧板、及び、前記第一分割体と前記第二分割体の対向面どうし、を接着する工程とされ、
ている製造方法とすることができる。
【0013】
このようにしても、外装部材が熱硬化性樹脂化粧板である場合に好適な製造方法となる。
【0014】
また、前記第一芯材は、前記軸線方向からみて、外形形状が、矩形状の部分を含み、少なくとも一方の端部が弧状に形成されている。
【0015】
これによれば、軸線方向からみた第一芯材の端部が、ラウンドしているような場合に好適である。
【0016】
また、請求項6記載の発明は、第一芯材と、
前記第一芯材より剛性が高く、前記第一芯材内に配される第二芯材と、
前記第一芯材の外面を覆う外装部材と、
備え、
前記第一芯材は、
第一分割体と、第二分割体と、で構成され、
前記第二芯材が配される第二芯材配置部を備え、
前記第一分割体と、前記第二分割体と、の少なくとも一方の対向面に、前記第二芯材配置部を形成するための第二芯材配置部形成凹部が形成され、
前記第一芯材の軸線方向からみて、前記第一芯材の一端側の、前記第一分割体と、前記第二分割体との継ぎ目部分が、前記外装部材で覆われ、
前記第一芯材の他端側の、前記第一分割体と、前記第二分割体との継ぎ目部分に、前記外装部材の継ぎ目部分が配されている。
【0017】
これによれば、第二芯材を露出させない構成とし、第二芯材の形状設定を自由にすることを可能としたうえで、人の目につく側を外装部材で覆い、人の目につきづらい側を外装部材の継ぎ目を配することで、意匠性と向上させたポストフォーム加工品とすることができる。
【0018】
また、請求項7記載の発明は、請求項6に記載のポストフォーム加工品を備えている把手部材とされている。これによれば、上記ポストフォーム加工品の効果を奏する把手部材とすることができる。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項6に記載のポストフォーム加工品と、前記ポストフォーム加工品に取り付けられるとともに建築物に取り付け可能な取付部材と、を備える把手部材とされている。これによれば、上記ポストフォーム加工品の効果を奏する把手部材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一実施形態のポストフォーム加工品が取り付けられた小便器用手摺の正面図である。
図2】同実施形態の小便器用手摺の平面図である。
図3】同実施形態の小便器用手摺の左側面図である。
図4】同実施形態の通し手摺の正面断面図である。
図5】同実施形態の両サイド手摺の左側面断面図である。
図6】製造方法の概略説明図である。
図7】製造方法の概略説明図で、図6の続きである。
図8】製造方法の概略説明図で、図7の続きである。
図9】製造方法の概略説明図で、図8の続きである。
図10】製造方法の概略説明図で、図9の続きである。
図11】製造方法の概略説明図で、図10の続きである。
図12】両サイド手摺の変形例の正面断面図である。
図13】扉に適用した場合の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明におけるポストフォーム加工品の一実施形態を、図面に基づいて説明する。以下の説明では、各図面に矢印が付される場合は、Fを前、Bを後ろ、Rを右、Lを左、Uを上、Dを下、とする。
【0022】
本実施形態では、把手部材としての小便器用手摺30を構成する、ポストフォーム加工品を、建築物の壁10に取り付ける場合を説明する。壁10は、矩形平板状に形成され、図2、3に示すように、前後方向に貫通した貫通孔10aが配設され、小便器用手摺30を取り付け可能とされている。
【0023】
小便器用手摺30は、図1~5に示すように、固定用ベース40と、ポストフォーム加工品としての両サイド手摺50と、両サイド支柱100と、ポストフォーム加工品としての通し手摺110と、を備えている。
【0024】
固定用ベース40(区別するときは、固定用ベース40A、固定用ベース40Bとする)は、ステンレス製で、ベース板41と、鞘管42と、を備えている。
【0025】
ベース板41は、矩形平板状で、四隅部分に前後方向に貫通する貫通孔41aが形成されている。
【0026】
鞘管42は、ベース板41から前方に延び、前後方向からみて、断面略コの字状に形成され、固定用ベース40Aでは右側を、固定用ベース40Bでは左側を、開口させるように配されている。鞘管42の下壁には、上下方向に貫通する貫通孔42aが二か所配設されている。
【0027】
ポストフォーム加工品としての両サイド手摺50(区別するときは、両サイド手摺50A、両サイド手摺50Bとする)は、図1~4に示すように、第一芯材60と、第二芯材80と、外装部材90と、を備えている。本実施形態では、両サイド手摺50は、縦70mm、横25.2mm、奥行500mmに設定されている。
【0028】
第一芯材60(区別するときは第一芯材60A、第一芯材60Bとする)は、耐水MDF(中密度繊維板)合板で形成されている。
【0029】
第一芯材60は、第一分割体62と、第二分割体65と、で構成され、第二芯材80が配される第二芯材配置部61を備えている。
【0030】
第一分割体62と、第二分割体65は、上下に長い長円状の部材を、左右方向において、二分割して線対称となる形状とされ、対向面から対向面とは反対側に向かう有底孔として形成された第二芯材配置部形成凹部63、66が、それぞれ形成されている。
【0031】
本実施形態では、第二芯材配置部形成凹部63、66は、後述する角パイプ81の形状に対応する四角形状に削り取られた部分と、当該部分より左右方向の幅が狭い四角形状に削り取られ後述する補強部材83の形状に対応する部分と、を有する形状に形成されている。換言すれば、第二芯材配置部形成凹部63、66は、上部に段が付いた形状とされている。
【0032】
第一分割体62と、第二分割体65が組み付けられた状態では、第一芯材60は、外形形状が長円柱状とされ、第二芯材配置部61は、前後方向からみて、略凸形状とされている。
【0033】
第一芯材60の上部には、外周面60aと第二芯材配置部61とが連通するように上下方向に貫通する支柱取付孔67が一か所形成されている。第一芯材60の下部には、外周面60aと第二芯材配置部61とが連通するように上下方向に貫通する、鞘管取付孔68が二か所、支柱取付孔69が一か所、形成されている。
【0034】
第二芯材配置部形成凹部63、66には、第二芯材80(区別するときは第二芯材80A、第二芯材80Bとする)が配される。本実施形態では、第二芯材80により、両サイド手摺50は、強度を補強されている。
【0035】
第二芯材80は、ステンレス製で、角パイプ81と、蓋82と、補強部材83と、を備え、後端が開放し、前端が閉塞した扁平な角筒状に形成されている。
【0036】
角パイプ81は、扁平な四角筒状に形成されている。角パイプ81の上壁には、上下方向に貫通する補強部材取付孔81aが五か所、上下方向に貫通する支柱取付孔81bが一か所、形成されている。角パイプ81の下壁には、上下方向に貫通する鞘管取付孔81cが二か所、支柱取付孔81dが一か所、形成されている。
【0037】
蓋82は、矩形平板状に形成され、角パイプ81の前端を覆うように取り付けられている。
【0038】
補強部材83は、角パイプ81より左右方向の幅が狭い四角柱状に形成され、角パイプ81の上壁に取り付け可能とするねじ孔83aが五か所形成されている。
【0039】
補強部材取付孔81aとねじ孔83aを連通させて、固定ねじ84で固定することで、補強部材83が、角パイプ81に取り付けられている。
【0040】
壁10の貫通孔10aに後側から鞘管42を挿通させ、鞘管42に角パイプ81を外側から嵌め込み、貫通孔42aと、鞘管取付孔68と、鞘管取付孔81cを連通させねじで固定することで、両サイド手摺50が壁10に取り付けられる。
【0041】
外装部材90(区別するときは、外装部材90A、外装部材90B、外装部材90Cとする)は、抗菌性、及び、抗ウイルス性、を有したメラミン化粧板が適用されている。メラミン化粧板は、紙に熱硬化性樹脂(メラミン樹脂、フェノール樹脂を含浸させ、高温高圧で成形したものである。
【0042】
本実施形態では、外装部材90は、ポストフォーム加工により、第一芯材60の前後の端部を除いた部分に貼着されている。なお、ポストフォーム加工は、第一芯材60に接着剤を塗布して、外装部材90に熱・圧力をかけ、第一芯材60の形状に合わせて成形するものである。詳細は、後述する。
【0043】
また、本実施形態では、両サイド手摺50は、図4に示すように、第一芯材60の軸線方向からみて、第一芯材60の上端側の、第一分割体62と、第二分割体65との継ぎ目部分が、外装部材90で覆われ、第一芯材60の下端側の、第一分割体62と、第二分割体65との継ぎ目部分に、外装部材90の継ぎ目部分が配されている。
【0044】
第一芯材60、第二芯材80の前端部を覆うように、化粧板91が取り付けられている。
【0045】
両サイド支柱100(区別するときは、両サイド支柱100A、両サイド支柱100Bとする)は、ステンレス製で、段付き円柱状に形成されている。
【0046】
両サイド支柱100は、上端部において雄ねじが形成された雄ねじ部101と、下端部において雌ねじが形成された雌ねじ部102と、を備えている。
【0047】
ポストフォーム加工品としての通し手摺110は、図1~3、5に示すように、第一芯材120と、第二芯材140と、外装部材90と、を備えている。本実施形態では、通し手摺110は、縦50.7mm、横420.0mm、奥行25.2mmに設定されている。
【0048】
第一芯材120は、耐水MDF(中密度繊維板)合板で形成されている。
【0049】
第一芯材120は、第一分割体122と、第二分割体125と、で構成され、第二芯材140が配される第二芯材配置部121を備えている。
【0050】
第一分割体122と、第二分割体125は、上下に長い長円状の部材を、左右方向において、二分割して線対称となる形状とされ、対向面から対向面とは反対側に向かう有底孔として形成された第二芯材配置部形成凹部123、126が形成されている。
【0051】
本実施形態では、第二芯材配置部形成凹部123、126は、後述する第二芯材140の形状に対応する四角形状に削り取られて形成されている。
【0052】
第一分割体122と、第二分割体125が組み付けられた状態では、第一芯材120は、外形形状が長円柱状とされ、第二芯材配置部121は、前後方向において前寄りに位置する矩形状とされている。
【0053】
第一芯材120の左右の端部には、左右の端面からそれぞれ中心方向に向かう有底孔として形成された化粧板固定孔124が形成されている。
【0054】
第二芯材配置部形成凹部123、126には、第二芯材140が配される。本実施形態では、第二芯材140により、強度を補強している。
【0055】
第二芯材140は、ステンレス製で、四角柱状に形成された大径部141と、第二芯材140の左右方向における両端部において、円柱状で大径部141より小径に形成された中径部142と、中径部142において円柱状で中径部142より小径に形成された小径部143と、を備えている。
【0056】
本実施形態では、大径部141が第二芯材配置部121に配され、中径部142、小径部143は、第二芯材配置部121の外側に配される。
【0057】
通し手摺110は、取付部材としての固定用金物160を介して、両サイド支柱100に取り付けられている。
【0058】
固定用金物160(区別するときは、固定用金物160A、固定用金物160Bとする)は、ステンレス製で、円柱状に形成されている。
【0059】
固定用金物160には、固定用金物160の通し手摺110と対向する側の端面から、反対側の端面に向かう有底孔として形成された軸支孔161と、軸支孔161に直交するとともに軸支孔161と固定用金物160の外周面160aとを連通するねじ孔162と、が配設されている。
【0060】
固定用金物160には、ねじ孔162に直交することともに、固定用金物160の一方の外周面160aから他方の外周面160aに向かう有底ねじ孔として形成された支柱取付ねじ孔163が配設されている。
【0061】
両サイド支柱100の雄ねじ部101と、支柱取付ねじ孔163とを、螺合させることで、固定用金物160が両サイド支柱100にそれぞれ取り付けられている。
【0062】
支柱取付孔67と、支柱取付孔81bと、支柱取付孔81dと、支柱取付孔69とを連通させ、両サイド支柱100を上側から挿通させ、雌ねじ部102とねじとを螺合させることで、両サイド支柱100が両サイド手摺50に取り付けられている。
【0063】
通し手摺110の第二芯材140の中径部142、小径部143を、固定用金物160の軸支孔161に挿入して、ねじ孔162と小径部143とを連通させ、ねじ144で固定することで、両サイド支柱100に、通し手摺110が、左右方向を軸として回動可能に取り付けられている。
【0064】
また、本実施形態では、通し手摺110は、図5に示すように、第一芯材120の軸線方向からみて、第一芯材120の上端側の、第一分割体122と、第二分割体125との継ぎ目部分が、外装部材90Cで覆われ、第一芯材120の下端側の、第一分割体122と、第二分割体125との継ぎ目部分に、外装部材90Bの継ぎ目部分が配されている。
【0065】
第一芯材120、第二芯材140の左右の端部を覆うように、化粧板92が取り付けられている。
【0066】
ポストフォーム加工品としての両サイド手摺50、通し手摺110の製造方向について説明する。両サイド手摺50を製造する場合について説明する。通し手摺110については、両サイド手摺50と同様であるので説明は省略する。
【0067】
図6に示すように、例えば、定盤のような平坦面Fに、第二芯材配置部形成凹部63、66が形成される前の、第一分割体62と、第二分割体65と、治具200と、を平坦面Fにセットする。
【0068】
詳説すれば、本実施形態では、第一分割体62と第二分割体65と治具200とが互いに平行となるようにセットされる。治具200は、長尺な四角柱状に形成され、外装部材90と第一芯材60の第一芯材60の軸線方向からみた外周面の長さを測定したうえで形状が設定され、第一分割体62と第二分割体65との間隔を正確に規定する。
【0069】
第一分割体62と第二分割体65と治具200の、平坦面Fとは反対側の面(上面)全体に仮止めテープ201を貼り、第一分割体62と第二分割体65と治具200とが、一体化された半完ユニット210を形成する。
【0070】
仮止めテープ201は、半完ユニット210を構成する、第一分割体62と第二分割体65と治具200が、セットされた状態を保持する。換言すれば、第一分割体62と第二分割体65と治具200の、水平を保持したり、第一分割体62と第二分割体65との間隔を正確に保持したりする。
【0071】
以上を、第一工程とする。
【0072】
次に、一例として、図7に示すように、平坦面Fに外装部材90を置き、接着剤を介して、外装部材90と、半完ユニット210を構成する、第二芯材配置部形成凹部63、66が形成される前の、第一分割体62及び第二分割体65の一部とを、仮止めテープ201とは反対側(下側)において接着する。
【0073】
詳説すれば、第一分割体62、第二分割体65の外装部材90と接する面を、外装部材90と接着させる。以上を、第二工程とする。
【0074】
その次に、図8に示すように、第一芯材60の軸線方向からみて、第二芯材配置部形成凹部63、66が形成される前の、第一分割体62及び第二分割体65の、治具200と反対側の端部(第一分割体62では右側の端部、第二分割体65では左側の端部)と対応する部分の外装部材90を、表面温度が170~200度となるように加熱し折り曲げて、外装部材90と、第一分割体62及び第二分割体65とを、接着剤を介して接着し、外装部材90の余り代をトリミングする。なお、外装部材90を、余り代が生じないようなサイズに、予めカットしておくことも可能である。以上を、第三工程とする。
【0075】
さらにその次に、図9に示すように、第一分割体62と第二分割体65に、第二芯材配置部形成凹部63、66を形成して、図10に示すように、仮止めテープ201、治具200を撤去する。以上を、第四工程とする。
【0076】
さらに、図11に示すように、外装部材90の治具200が配されていた部分、及びその周辺を、表面温度が170~200度となるように加熱して、第一芯材60の軸線方向からみて、第一分割体62及び第二分割体65の治具200が配されていた側とは反対側の端部(第一分割体62では右側の端部、第二分割体65では左側の端部)どうしを近づけて、第一分割体62及び第二分割体65と外装部材90、及び、第一分割体62と第二分割体65の対向面どうし、を接着剤を介して接着する。これにより、図5に示すような、第二芯材80が配される前の、両サイド手摺50の外側ができあがる。以上を、第五工程とする。
【0077】
図1~3に参照するように、第五工程の後に第二芯材80を、第二芯材配置部61に配設する。以上を、第二芯材配設工程とする。
【0078】
以上で、ポストフォーム加工品としての両サイド手摺50が完成する。
【0079】
なお、第二芯材配設工程は、第二芯材80の形状により、第五工程の後に第二芯材80を、第二芯材配置部61に配設できないような場合には、第四工程と第五工程との間で第二芯材80を、任意の第二芯材配置部形成凹部63、66に配設することも可能である。
【0080】
また、第一分割体62と第二分割体65に、予め第二芯材配置部形成凹部63、66を形成しておくことも可能である。それに関連して、第四工程を、仮止めテープ201、治具200を撤去するのみの工程とすることができる。
【0081】
また、第五工程を、第一分割体62及び第二分割体65と外装部材90を接着せずに、第一分割体62と第二分割体65の対向面どうしのみ、を接着剤を介して接着する工程とすることができる。
【0082】
上記構成の発明を、予め第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126が形成された第一分割体62と第二分割体65を用いて、第二芯材80、140の配設を除いた製造方法としてみれば、
第一芯材60、120と、
第一芯材60、120の外面を覆う外装部材90と、
備えるポストフォーム加工品としての両サイド手摺50、通し手摺110の製造方法であって、
第一芯材60、120は、
第一芯材60、120の軸線方向に沿って分割される、第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、で構成され、
第一芯材60、120より剛性が高い第二芯材80、140を内部に配置可能な第二芯材配置部61、121を備え、
第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、のそれぞれの対向面に、第二芯材配置部61、121を形成するための第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126が形成され、
第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、第一分割体62、122と第二分割体65、125との間隔を規定する治具200と、を平坦面Fにセットし、平坦面Fとは反対側の面にセットした状態を保持する仮止めテープ201を貼り、一体化された半完ユニット210を形成する第一工程と、
外装部材90と、半完ユニット210を構成する第一分割体62、122及び第二分割体65、125の一部とを、仮止めテープ201とは反対側において接着する第二工程と、
軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の、治具200と反対側の端部と対応する部分の外装部材90を曲げて、外装部材90と、第一分割体62、122及び第二分割体65、125とを接着する、第三工程と、
仮止めテープ201、治具200を撤去する、第四工程と、
軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の治具200が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、第一分割体62、122と第二分割体65、125の対向面どうしを接着する工程、を含む第五工程と、
を経て行われる、とみることができる。
【0083】
これによれば、第二芯材80、140を露出させない構成としたうえで、第二芯材80、140の形状設定を自由にできる。
【0084】
また、外装部材90が、メラミン化粧板とされ、
第三工程が、軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の、治具200と反対側の端部と対応する部分のメラミン化粧板を、加熱し折り曲げて、メラミン化粧板と、第一分割体62、122及び第二分割体65、125とを接着し、メラミン化粧板の余り代をトリミングする工程とされ、
第五工程が、メラミン化粧板の治具200が配されていた部分、及びその周辺を加熱して、軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の治具200が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125とメラミン化粧板、及び、第一分割体62、122と第二分割体65、125の対向面どうし、を接着する工程とされ、
ている。
【0085】
これによれば、外装部材90がメラミン化粧板である本実施形態において好適な製造方法といえる。
【0086】
また、第一芯材60、120は、軸線方向からみて、外形形状が、矩形状の部分を含み、少なくとも一方の端部が弧状に形成されている。
【0087】
これによれば、軸線方向からみた第一芯材60、120の端部が、ラウンドしている本実施形態において好適であるといえる。
【0088】
また、物の発明としてみれば、ポストフォーム加工品であって、
第一芯材60、120と、
第一芯材60、120より剛性が高く、第一芯材60、120内に配される第二芯材80、140と、
第一芯材60、120の外面を覆う外装部材90と、
備え、
第一芯材60、120は、
第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、で構成され、
第二芯材80、140が配される第二芯材配置部61、121を備え、
第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、のそれぞれの対向面に、第二芯材配置部61、121を形成するための第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126が形成され、
第一芯材60、120の軸線方向からみて、第一芯材60、120の一端側の、第一分割体62、122と、第二分割体65、125との継ぎ目部分が、外装部材90で覆われ、
第一芯材60、120の他端側の、第一分割体62、122と、第二分割体65、125との継ぎ目部分に、外装部材90の継ぎ目部分が配されている。
【0089】
これによれば、第二芯材80、140を露出させない構成とし、第二芯材80、140の形状設定を自由にすることを可能としたうえで、人の目につく側を外装部材90で覆い、人の目につきづらい側を外装部材90の継ぎ目を配することで、意匠性と向上させたポストフォーム加工品とすることができる。
【0090】
また、扉21のドアハンドル22等に適用する場合には、図13に示すように、扉に取り付けられる取付部材23と、通し手摺110と、を備える把手部材とすることができる。さらにいえば、ポストフォーム加工品を備えている把手部材とすることができる。
【0091】
本発明のポストフォーム加工品及びそれを備えた把手部材は上記構成に限定されるものではない。即ち、本発明の要旨を逸脱しない限り各種の組み合わせ、設計変更等が可能である。
【0092】
例えば、本発明のポストフォーム加工品、把手部材は、同様の作用効果を奏するものであれば、建築物の壁面、建築物に付属する設備、制御ボックス等の設備の扉、等、に適用することができる。
【0093】
また、両サイド手摺50において、図12に示すように、第二芯材配置部形成凹部63、66は、上部に段がつかない形状とすることもできる。補強部材83を使用しない場合に好適なものとなる。
【0094】
また、第一芯材60、120は、外形形状が、三角、五角柱状等の多角柱状、楕円、長円柱形状、オーバル柱状、その他の形状に適宜変形させて形成することができる。
【0095】
また、第一芯材60、120に対応させて外装部材90の形状を形成することもできる。
【0096】
また、第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126の形状を適宜変更することで、第二芯材80、140の形状を対応する形状に変更することが可能である。
【0097】
また、ポストフォーム加工品と取付部材、ポストフォーム加工品と扉等の取付物、取付部材と扉等の取付物、との取り付け態様は、適宜変更することができる。
【0098】
また、外装部材90は、メラミン化粧板の他に、熱硬化性を有する樹脂化粧板、塩化ビニルシート、オレフィンシート、アクリル、紙等を適用することができる。
【0099】
また、第三工程、第五工程は、外装部材90を加熱しなくても曲げて接着可能な場合にも適用できる。
【0100】
また、第一芯材60、120は、耐水MDF(中密度繊維板)合板の他に、パーティクルボード(PB)、合板(PW)等を適用することができる。
【0101】
また、第二芯材配置部61、121は、第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、のいずれか一方の対向面に、形成された第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126と、いずれか他方の対向面により形成することも可能である。またそれに関連して、少なくとも、第一分割体62、122と第二分割体65、125の一方に、第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126のいずれかを形成して、仮止めテープ201、治具200を撤去する第四工程とすることもできる。
【0102】
本願発明を、上記の実施形態、変形例をふまえ、第二芯材80、140の配設を含む製造方法としてみて、
第三工程、第四工程、第五工程に相当する工程を、第三工程、第五工程を同時行う、順不同とする等の、一まとまりの工程ととらえると、
第一芯材60、120と、
第一芯材60、120より剛性が高く、第一芯材60、120内に配される第二芯材80、140と、
第一芯材60、120の外面を覆う外装部材90と、
備えるポストフォーム加工品の製造方法であって、
第一芯材60、120は、
第一芯材60、120の軸線方向に沿って分割される、第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、で構成され、
第二芯材80、140が配される第二芯材配置部61、121を備え、
第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、の少なくとも一方の対向面に、第二芯材配置部61、121を形成するための第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126が形成され、
第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126が形成された、
又は、
第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126が形成される前の、
第一分割体62、122と、第二分割体65、125と、第一分割体62、122と第二分割体65、125との間隔を規定する治具200と、を平坦面Fにセットし、平坦面Fとは反対側の面にセットした状態を保持する仮止めテープ201を貼り、一体化された半完ユニット210を形成する第一工程と、
外装部材90と、半完ユニット210を構成する第一分割体62、122及び第二分割体65、125の一部とを、仮止めテープ201とは反対側において接着する第二工程と、
少なくとも、第一分割体62、122と第二分割体65、125の一方に、第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126を形成して、仮止めテープ201、治具200を撤去し、
又は、
仮止めテープ201、治具200を撤去し、
軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の、治具200と反対側の端部と対応する部分の外装部材90を曲げて、外装部材90と、第一分割体62、122及び第二分割体65、125とを接着、
すると同時に、又は、した後に、又は、する前に、
軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の治具200が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、第一分割体62、122と第二分割体65、125の対向面どうしを接着する工程、を含む接着工程とすることができる。
【0103】
そして、接着工程の後に第二芯材80を、第二芯材配置部61、121に配設する、
又は、
接着工程において、第二芯材80を、第二芯材配置部形成凹部63、66、123、126に配設する、
第二芯材配設工程と、
を経て行われる、とすることができる。
【0104】
このような製造方法としても、第二芯材80を露出させない構成としたうえで、第二芯材80の形状設定を自由にできる。
【0105】
また、上記製造方法において、外装部材90が、熱硬化性樹脂化粧板とされ、
接着工程が、軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の、治具200と反対側の端部と対応する部分の熱硬化性樹脂化粧板を、加熱し折り曲げて、熱硬化性樹脂化粧板と、第一分割体62、122及び第二分割体65、125とを接着し、必要ならば外装部材90の余り代をトリミング、
すると同時に、又は、した後に、又は、する前に、
熱硬化性樹脂化粧板の治具200が配されていた部分、及びその周辺を加熱して、軸線方向からみて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125の治具200が配されていた側とは反対側の端部どうしを近づけて、第一分割体62、122及び第二分割体65、125と熱硬化性樹脂化粧板、及び、第一分割体62、122と第二分割体65、125の対向面どうし、を接着する工程とされ、
ている製造方法とすることができる。
【0106】
このようにしても、外装部材90が熱硬化性樹脂化粧板である場合に好適な製造方法となる。
【符号の説明】
【0107】
50 両サイド手摺
60 第一芯材
61 第二芯材配置部
62 第一分割体
63 第二芯材配置部形成凹部
65 第二分割体
66 第二芯材配置部形成凹部
80 第二芯材
90 外装部材
110 通し手摺
120 第一芯材
121 第二芯材配置部
122 第一分割体
123 第二芯材配置部形成凹部
125 第二分割体
126 第二芯材配置部形成凹部
140 第二芯材
200 治具
201 仮止めテープ
210 半完ユニット
F 平坦面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13