(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014798
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】冊子体スタンド
(51)【国際特許分類】
A47B 65/00 20060101AFI20250123BHJP
A47F 5/12 20060101ALI20250123BHJP
A47F 7/00 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
A47B65/00 601R
A47F5/12
A47F7/00 Z
A47B65/00 601B
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117637
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】田尻 みなみ
【テーマコード(参考)】
3B118
【Fターム(参考)】
3B118AA21
(57)【要約】
【課題】冊子体を載置面に対して起立した姿勢に好適に保持し得る冊子体スタンドを提供する。
【解決手段】冊子体スタンドSは、起立部Aと、起立部Aに設けられた第一端縁e1から当該起立部Aに対して略直交する第一方向に延設された第一延出部Bと、起立部Aの第一端縁e1に対して直交する第二端縁e2から第一方向とは異なる方向に延設された第二延出部Cとを備えている。第一延出部Bを載置面Nに載置させることにより起立部Aを載置面Nに対して略直立させるとともに冊子体Tの一側端部である背表紙部t1を第二延出部Cに対して係止させることにより、当該冊子体Tを載置面Nに対して起立した状態に保持可能な第一使用姿勢(U1)を採り得るように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略矩形状をなす冊子体を載置面に対して起立した姿勢に保持させる冊子体スタンドであって、
前記載置面に対して起立した姿勢をなす起立部と、この起立部に設けられた直線状の第一端縁から当該起立部に対して略直交する第一方向に延設された第一延出部と、前記起立部の前記第一端縁に対して直交する第二端縁から前記第一方向とは異なる方向に延設された第二延出部とを備えてなり、
前記第一延出部を前記載置面に載置させることにより前記起立部を前記載置面に対して略直立させるとともに前記冊子体の一側端部を前記第二延出部に対して係止させることにより、当該冊子体を前記載置面に対して起立した状態に保持可能な第一使用姿勢を採り得るように構成された冊子体スタンド。
【請求項2】
前記第二延出部を前記載置面に載置させ且つ前記第一延出部の端縁部を前記載置面に当接させることにより前記起立部を後傾姿勢に起立させるとともに前記冊子体を前記第二延出部に載置させつつ前記起立部に対して凭れさせた状態に保持可能な第二使用姿勢を採り得るように構成された請求項1記載の冊子体スタンド。
【請求項3】
前記第一延出部を前記載置面に載置させることにより前記起立部を前記載置面に対して略直立させるとともに前記冊子体を前記第一延出部に載置させつつ前記起立部における前記第一延出部側の面に当接させて、当該冊子体を前記第一延出部に対して起立した状態に保持可能な第三使用姿勢を採り得るように構成された請求項1記載の冊子体スタンド。
【請求項4】
前記起立部は、略矩形平板状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンド。
【請求項5】
前記第一延出部は、略矩形平板状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンド。
【請求項6】
前記第二延出部は、部分円筒状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンド。
【請求項7】
前記第二延出部は、当該第二延出部における延出方向に対して直交する方向から見た場合に略コ字状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンド。
【請求項8】
前記第二延出部は、略部分円筒状をなしたものであり、
前記冊子体の下端部が、前記第二延出部における延出方向の中間部に支持される請求項2記載の冊子体スタンド。
【請求項9】
前記第二延出部は、前記起立部の面方向に対して直交する方向から見た場合に、前記第二端縁よりも外側に配設されている請求項1記載の冊子体スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冊子体を起立した状態に保持し得る冊子体スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、書籍や雑誌等の冊子体を斜めに立てかけて展示させる種々の製品が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この種の製品は、冊子体を専ら後傾した姿勢で展示させる構成のものとなっていた。
【0004】
このため、従来の構成のものでは、傾斜部分(斜壁部12)よりも上下寸法が長い冊子体(例えば、雑誌等)を好適に展示させることができない場合があった。
【0005】
すなわち、従来の製品では、後傾した冊子体の上部を適切に支持することができず、冊子体の上部だけを後方に曲げ変形させてしまい、冊子体全体の見栄えを著しく損なわせる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、冊子体を載置面に対して起立した姿勢に好適に保持し得る冊子体スタンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は次の構成をなしている。
【0009】
請求項1に記載の発明は、略矩形状をなす冊子体を載置面に対して起立した姿勢に保持させる冊子体スタンドであって、前記載置面に対して起立した姿勢をなす起立部と、この起立部に設けられた直線状の第一端縁から当該起立部に対して略直交する第一方向に延設された第一延出部と、前記起立部の前記第一端縁に対して直交する第二端縁から前記第一方向とは異なる方向に延設された第二延出部とを備えてなり、前記第一延出部を前記載置面に載置させることにより前記起立部を前記載置面に対して略直立させるとともに前記冊子体の一側端部を前記第二延出部に対して係止させることにより、当該冊子体を前記載置面に対して起立した状態に保持可能な第一使用姿勢を採り得るように構成された冊子体スタンドである。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記第二延出部を前記載置面に載置させ且つ前記第一延出部の端縁部を前記載置面に当接させることにより前記起立部を後傾姿勢に起立させるとともに前記冊子体を前記第二延出部に載置させつつ前記起立部に対して凭れさせた状態に保持可能な第二使用姿勢を採り得るように構成された請求項1記載の冊子体スタンドである。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記第一延出部を前記載置面に載置させることにより前記起立部を前記載置面に対して略直立させるとともに前記冊子体を前記第一延出部に載置させつつ前記起立部における前記第一延出部側の面に当接させて、当該冊子体を前記第一延出部に対して起立した状態に保持可能な第三使用姿勢を採り得るように構成された請求項1記載の冊子体スタンドである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、前記起立部は、略矩形平板状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンドである。
【0013】
請求項5に記載の発明は、前記第一延出部は、略矩形平板状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンドである。
【0014】
請求項6に記載の発明は、前記第二延出部は、部分円筒状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンドである。
【0015】
請求項7に記載の発明は、前記第二延出部は、当該第二延出部における延出方向に対して直交する方向から見た場合に略コ字状をなしたものである請求項1記載の冊子体スタンドである。
【0016】
請求項8に記載の発明は、前記第二延出部は、略部分円筒状をなしたものであり、前記冊子体の下端部が、前記第二延出部における延出方向の中間部に支持される請求項2記載の冊子体スタンドである。
【0017】
請求項9に記載の発明は、前記第二延出部は、前記起立部の面方向に対して直交する方向から見た場合に、前記第二端縁よりも外側に配設されている請求項1記載の冊子体スタンドである。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、少なくとも、冊子体を載置面に対して起立した姿勢に好適に保持し得る冊子体スタンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態(第一使用姿勢)を示す斜視図。
【
図8】同実施形態における一使用状態を示す斜視図。
【
図9】同実施形態における一使用状態を示す平面図。
【
図10】同実施形態(第二使用姿勢)を示す斜視図。
【
図11】同実施形態(第二使用姿勢)を示す右側面図。
【
図12】同実施形態(第三使用姿勢)を示す斜視図。
【
図13】同実施形態における使用姿勢(第一使用姿勢、第二使用姿勢、及び、第三使用姿勢)を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、
図1~13を参照して説明する。
【0021】
冊子体スタンドSは、書籍や雑誌等の略矩形状をなす冊子体Tを、家具Hである本棚に設けられた棚板の載置面Nに対して起立した姿勢に保持させることができるものである。
【0022】
冊子体スタンドSは、三タイプの異なる使用姿勢である第一使用姿勢(U1)、第二使用姿勢(U2)、及び、第三使用姿勢(U3)を選択的に採り得るものとなっている。
【0023】
以下、冊子体スタンドSの構成について詳述する。なお、説明の便宜上、冊子体スタンドSの前後・上下・左右については、第一使用姿勢(U1)のものに基づいて説明する。
【0024】
冊子体スタンドSは、略水平の載置面Nに対して起立した姿勢をなす薄板状の起立部Aと、起立部Aに設けられた直線状の第一端縁e1である下端縁から当該起立部Aに対して略直交する第一方向である後方に延設された第一延出部Bと、起立部Aの第一端縁e1である下端縁に対して直交する第二端縁e2である左側端縁から第一方向とは異なる方向である前方に延設された第二延出部Cとを備えたものである。
【0025】
この実施形態における冊子体スタンドSは、金属板を変形させることにより作られたものである。すなわち、冊子体スタンドSを構成する起立部A、第一延出部B、及び、第二延出部Cは、一定の厚みを有する金属板によって一体に連続したものとなっている。
【0026】
起立部Aは、第一面m1である前向面、及び、第二面m2である後向面を有した略矩形平板状をなしたものである。この実施形態における起立部Aは、第一使用姿勢(U1)における正面視及び背面視において、上下方向に長い略長方形状をなしている。
【0027】
起立部Aは、第一使用姿勢(U1)及び第三使用姿勢(U3)において載置面Nに対して直立した姿勢をなしている。起立部Aは、第三使用姿勢(U3)において後傾した姿勢をなしている。
【0028】
第一延出部Bは、略矩形平板状をなしたものである。第一延出部Bは、第一使用姿勢(U1)の平面視において、略横長矩形状をなしている。第一延出部Bは、起立部Aの第一端縁e1である下端縁から後方に延設されたものである。
【0029】
この実施形態では、第一延出部Bは、左右方向に長い略長方形状をなしている。第一延出部Bにおける左右方向の幅寸法は、起立部Aにおける左右方向の幅寸法と略同じに設定されている。なお、第一延出部Bが載置面Nに載置された状態とは、第一延出部Bにおける下面の略全体が載置面Nに接した状態を指している。
【0030】
第二延出部Cは、起立部Aの第二端縁e2である左側端縁から前方及び外側方に延設されたものである。第二延出部Cは、部分円筒状をなしている。
【0031】
この実施形態では、第二延出部Cは、約二分の一円筒状すなわち略半割円筒状をなしている。より具体的に言えば、第二延出部Cは、略四分の一円筒状をなす前半部分cfと、当該前半部分cfの後端から一体に連続した略四分の一円筒状をなす後半部分crによって構成されている。
【0032】
第二延出部Cは、起立部Aの面方向に対して直交する方向から見た場合(すなわち正面側又は背面側から見た場合)に、第二端縁e2よりも外側に配設されている。
【0033】
つまり、第一使用姿勢(U1)をなす冊子体スタンドSにおける第二延出部Cの略全体が、正面視において第二端縁e2よりも左側に配設されている。
【0034】
第二延出部Cの前半部分cfは、後方に向かって漸次外側(左側)に位置するように湾曲形成されている。第二延出部Cの後半部分crは、後方に向かって漸次内側(右側)に位置するように湾曲形成されている。第二延出部Cにおける後半部分crの後端は、起立部Aの第二端縁e2(左側端縁)に連続するようになっている。
【0035】
続いて、冊子体スタンドSが採り得る三つの使用姿勢である第一使用姿勢(U1)、第二使用姿勢(U2)、及び、第三使用姿勢(U3)について説明する。
【0036】
第一使用姿勢(U1)は、
図8、
図9、及び、
図13に示すように、第一延出部Bの全体を載置面Nに載置させることにより起立部Aを載置面Nに対して略直立させるとともに冊子体Tの一側端部である背表紙部t1の前後の角部分kdを第二延出部Cの湾曲した内側面nmに対してそれぞれ係止させることにより、当該冊子体Tを載置面Nに対して起立した状態に保持可能なものとなっている。
【0037】
冊子体Tは、背表紙部t1における上下方向に延びた前後の角部分kdが第二延出部Cの内側面に対して係止されることにより、載置面Nに対して直立した姿勢が保持されやすく、前後方向に倒れにくいものとなっている。
【0038】
なお、載置面Nに対して直立した姿勢に保持された冊子体Tの背面側は、起立部Aの前向面である第一面m1に当接することもできるようになっている。例えば、冊子体Tの反綴じ元側(背表紙部t1の反対側)が開いた場合や綴じ元側(背表紙部t1側)よりも反綴じ元側が後に位置するように冊子体Tが配設された場合には、冊子体Tの背面側は、起立部Aの前向面である第一面m1に当接し得るものとなる。このような場合の冊子体スタンドSの起立部Aは、第二延出部Cとの協働により、冊子体Tが載置面Nに対して直立した姿勢で安定するように好適に支持し得るものとなっている。
【0039】
第二使用姿勢(U2)は、
図10、
図11、及び、
図13に示すように、水平方向に長手をなすように姿勢変更された第二延出部Cを載置面Nに載置させ、且つ、起立部Aの第一端縁e1から延出した第一延出部Bの端縁部e3を載置面Nに当接させることにより起立部Aを後傾姿勢に起立させるとともに冊子体Tを第二延出部Cに載置させつつ起立部Aに対して凭れさせた状態に保持可能なものとなっている。
【0040】
第二使用姿勢(U2)では、冊子体Tの下端部が、略二分の一円筒状をなし上方に開放された第二延出部Cにおける延出方向の中間部、すなわち、前後方向中間部に支持されている。
【0041】
第三使用姿勢(U3)は、
図12、及び、
図13に示すように、第一延出部Bの全体を載置面Nに載置させることにより起立部Aを載置面Nに対して略直立させるとともに冊子体Tを第一延出部Bに載置させつつ起立部Aにおける第一延出部B側の面に当接させて、当該冊子体Tを第一延出部Bに対して起立した状態に保持可能なものとなっている。
【0042】
冊子体スタンドSは、第三使用姿勢(U3)において、起立部Aの第一面m1及び第二面m2が左右方向を向くものとなっており、且つ、第二延出部Cが、起立部Aよりも前に配設されたものとなっている。第三使用姿勢(U3)では、略二分の一円筒状をなす第二延出部Cが、上下方向に延びるとともに前方に膨出するものとなっている。そのため、第三使用姿勢(U3)では、第二延出部Cの外側面gmが正面視において、あたかも、書籍の背表紙部分に近似した外観を呈するものとなっている。
【0043】
第三使用姿勢(U3)の第二延出部Cは、隣り合う実際の冊子体Tとともに外側面gmが前方に膨出する書籍の背表紙部分に近似した外観を形成し得るものとなっている。このため、第三使用姿勢(U3)の第二延出部Cは、既知のブックエンドには皆無であった外観、すなわち、疑似的な書籍の背表紙部分の外観の形成に資するものとなっている。
【0044】
さらに、第三使用姿勢(U3)の第二延出部Cは、その背面側(内側面nm側)に種々の物品を隠蔽させることができるものとなっている。
【0045】
以上説明したように、本実施形態に係る冊子体スタンドSは、略矩形状をなす冊子体Tを載置面Nに対して起立した姿勢に保持させるものである。
【0046】
そして、冊子体スタンドSは、載置面Nに対して起立した姿勢をなす起立部Aと、この起立部Aに設けられた直線状の第一端縁e1から当該起立部Aに対して略直交する第一方向に延設された第一延出部Bと、起立部Aの第一端縁e1に対して直交する第二端縁e2から第一方向とは異なる方向に延設された第二延出部Cとを備えている。
【0047】
冊子体スタンドSは、第一延出部Bを載置面Nに載置させることにより起立部Aを載置面Nに対して略直立させるとともに冊子体Tの一側端部を第二延出部Cに対して係止させることにより、当該冊子体Tを載置面Nに対して起立した状態に保持可能な第一使用姿勢(U1)を採り得るように構成されている。
【0048】
このため、本実施形態であれば、冊子体Tを載置面Nに対して起立した姿勢に好適に保持し得るものとなる。
【0049】
つまり、冊子体Tの一側端部を、第一使用姿勢(U1)をなす冊子体スタンドSの第二延出部Cに対して係止させることにより、当該冊子体Tは、載置面Nに対して略直立した姿勢に安定するものとなっている。換言すれば、冊子体Tを、第一使用姿勢(U1)をなす冊子体スタンドSの第二延出部Cに対して係止させることにより、冊子体スタンドSは、冊子体Tを載置面Nに対して略自立した姿勢に保持することができるものとなっている。
【0050】
特に、この実施形態であれば、起立部Aよりも背が高い冊子体T、すなわち、雑誌等に代表される上下方向に長尺な冊子体Tであっても、載置面Nに対して略直立した姿勢に安定させやすいものとなっている。
【0051】
冊子体スタンドSは、第二延出部Cを載置面Nに載置させ且つ第一延出部Bの端縁部e3を載置面Nに当接させることにより起立部Aを後傾姿勢に起立させるとともに冊子体Tを第二延出部Cに載置させつつ起立部Aに対して凭れさせた状態に保持可能な第二使用姿勢(U2)を採り得るように構成されたものである。
【0052】
このため、冊子体スタンドSは、第二使用姿勢(U2)を採ることにより、冊子体Tを後傾姿勢に安定させることができるものとなっている。
【0053】
冊子体スタンドSは、第一延出部Bを載置面Nに載置させることにより起立部Aを載置面Nに対して略直立させるとともに冊子体Tを第一延出部Bに載置させつつ起立部Aにおける第一延出部B側の面に当接させて、当該冊子体Tを第一延出部Bに対して起立した状態に保持可能な第三使用姿勢(U3)を採り得るように構成されたものである。
【0054】
このため、冊子体スタンドSは、第三使用姿勢(U3)を採ることにより、冊子体Tを第一延出部Bに対して起立した状態に好適に保持し得るものとなっている。
【0055】
起立部Aは、略矩形平板状をなしたものであるため、冊子体Tを当接又は添接させるための好適な構成のものとなっている。
【0056】
第一延出部Bは、略矩形平板状をなしたものであるため、第一使用姿勢(U1)及び第三使用姿勢(U3)において、載置面N上に安定的に載置される好適な構成のものとなっている。しかも、第一延出部Bは、第二使用姿勢(U2)において、端縁部e3が載置面Nに当接し得る好適な構成のものとなっている。
【0057】
第二延出部Cは、部分円筒状をなしたものであるため、第一使用姿勢(U1)において冊子体Tの一側端部を係止させる好適な形状をなしている。
【0058】
すなわち、
図9に示すように、冊子体Tの一側端部が、平面視において前後の角部分kdを有した背表紙部t1である場合には、当該冊子体Tにおける背表紙部t1の前後の角部分kdを、部分円筒状をなす第二延出部Cの内周面に係止させることにより、冊子体Tの起立姿勢を好適に維持させることができるものとなっている。
【0059】
第二延出部Cは、略部分円筒状をなしたものであり、冊子体Tの下端部が、第二延出部Cにおける延出方向の中間部に支持されている。
【0060】
このため、第二延出部Cは、第二使用姿勢(U2)において冊子体Tの下端部が前後方向にずれ動き難い態様で当該冊子体Tを好適に支持し得るものとなっている。
【0061】
第二延出部Cは、起立部Aの面方向に対して直交する方向から見た場合に、第二端縁e2よりも外側に配設されている。
【0062】
このため、起立部Aは、第二延出部Cに係止した冊子体Tを好適に支持し得る箇所に配設されたものとなっている。また、かかる構成のものであれば、第二使用姿勢(U2)において、第二延出部Cを載置面N上に載置させつつ第一延出部Bの端縁部e3を載置面Nに当接させて起立部Aを後傾姿勢に起立させる設計を好適に実現し得るものとなっている。
【0063】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0064】
冊子体スタンドは、上述した実施形態のような金属板を変形させることにより作られた一体形成品に限られるものではない。つまり、冊子体スタンドは、金属板以外の材質のものを含んで構成されたものであってもよい。
【0065】
例えば、冊子体スタンドは、合成樹脂製のものであってもよいし、木製のものであってもよいし、陶製のものであってもよい。冊子体スタンドは、金属、合成樹脂、木材、陶製部品を適宜組み合わせて構成されたものであってもよい。
【0066】
載置面は、棚板の上面に限られるものではなく、天板や床面であってもよいのは言うまでもない。
【0067】
冊子体には、雑誌や書籍や書物を含むことは言うまでもないが、その他冊子に属し得るあらゆるものが広く含まれる。
【0068】
起立部の形状は、矩形板状のものに限られるものではない。
【0069】
第一延出部の形状は、矩形板状のものに限られるものではない。
【0070】
また、第一延出部の延出寸法は、適宜の長さに設定可能であることは言うまでもない。例えば、第一延出部の延出寸法を、上述した実施形態において図示された第一延出部の延出寸法よりも長く設定した場合には、第二使用姿勢における起立部の後傾度合を抑制することができるものとなる。
【0071】
第二延出部の形状は、少なくとも、第一使用姿勢において冊子体の一側端部が係止し得るものであればよく、上述した実施形態に示されたような部分円筒状のものに限られるものではない。
【0072】
例えば、第二延出部は、当該第二延出部における延出方向に対して直交する方向から見た場合(つまり、第一使用姿勢の平面視において)に略コ字状をなしたものであってもよい。
【0073】
第二延出部は、当該第二延出部における延出方向に対して直交する方向から見た場合(つまり、第一使用姿勢の平面視において)に、波形をなしたものであってもよいし、W字状やV字状をなしたものであってもよい。
【0074】
上述した実施形態における第二延出部は、第一使用姿勢において、起立部の面方向に対して直交する正面側から見た場合に、第二端縁よりも左の外側に配設されていたが、反対側に配設されたものであってもよい。すなわち、第二延出部は、第一使用姿勢において、起立部の面方向に対して直交する正面側から見た場合に、第二端縁よりも右の外側に配設されたものであってもよい。
【0075】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0076】
S…冊子体スタンド
A…起立部
e1…第一端縁
e2…第二端縁
B…第一延出部
C…第二延出部
(U1)…第一使用姿勢
T…冊子体
t1…背表紙部(一側端部)
N…載置面