(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014814
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】充電装置および充電設備
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20250123BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J7/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117671
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000000262
【氏名又は名称】株式会社ダイヘン
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(74)【代理人】
【識別番号】100168044
【弁理士】
【氏名又は名称】小淵 景太
(72)【発明者】
【氏名】栂 修平
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA01
5G503FA06
(57)【要約】
【課題】充電プラグの故障および破損を抑制することが可能な充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置A1は、蓄電池91の電力で原動機を駆動して移動する電気自動車9の蓄電池91を充電する。充電装置A1は、蓄電池91の充電電力を出力する電源部11と、電気自動車9に接続されて、充電電力を電気自動車9に供給する充電プラグ13と、電源部11が出力する電力を充電プラグ13に供給する充電ケーブル12と、充電プラグ13の未使用時において、充電プラグ13を収納可能なプラグホルダと、充電プラグ13がプラグホルダに収納されているか否かを判定する判定部31と、判定部31の判定結果に応じて所定の機能を行う処理装置(移動制限設備B1)に、判定結果を出力する出力部33と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池の電力で原動機を駆動して移動する電気移動体の前記蓄電池を充電する充電装置であって、
前記蓄電池の充電用の電力を出力する電源部と、
前記電気移動体に接続されて、前記電源部が出力する電力を当該電気移動体に供給する充電プラグと、
前記電源部が出力する電力を前記充電プラグに供給する充電ケーブルと、
前記充電プラグの未使用時において、前記充電プラグを収納可能なプラグホルダと、
前記充電プラグが前記プラグホルダに収納されているか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果に応じて所定の機能を行う処理装置に、前記判定結果を出力する出力部と、を備える充電装置。
【請求項2】
前記電源部を収容する筐体をさらに備え、
前記プラグホルダは、前記充電プラグの少なくとも一部を嵌入可能な嵌入凹部と、前記充電プラグが前記嵌入凹部に嵌入された状態で前記充電プラグを保持するラッチ部と、を含み、
前記判定部は、前記ラッチ部の状態に基づいて、前記充電プラグが収納されているか否かを判定する、請求項1に記載の充電装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の充電装置と、
前記処理装置と、を備える充電設備。
【請求項4】
前記処理装置は、所定のエリアからの前記電気移動体の移動を制限する移動制限装置であり、
前記移動制限装置は、前記出力部から前記充電プラグが収納されていないとの判定結果が入力されると、前記エリアからの前記電気移動体の移動を制限する、請求項3に記載の充電設備。
【請求項5】
前記エリアは、前記電気移動体を駐車する駐車枠であり、
前記移動制限装置は、前記電気移動体のタイヤの移動を制限するロック板を有し、前記ロック板による制限が有効である状態と前記ロック板による制限が解除された状態とを切り替える、請求項4に記載の充電設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電気移動体の蓄電池を充電する充電装置および当該充電装置を備える充電設備に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電気自動車などの電気移動体の普及に伴い、電気移動体の蓄電池を充電する充電装置の整備が進んでいる。例えば、特許文献1には、従来の充電装置の一例が開示されている。特許文献1に記載の充電装置において、電気自動車の二次電池(蓄電池)への充電を行うときには、充電ケーブルの先端の充電コネクタ(充電プラグ)を電気自動車の充電ポートに接続する。一方、電気自動車の二次電池への充電を行わないときには、充電コネクタ(充電プラグ)および充電ケーブルは、コネクタ保持装置に保持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の充電装置において、電気自動車の充電完了後の充電プラグおよび充電ケーブルの片付けは、充電装置の利用者によって行われる。そのため、利用者が片付けを怠ると、充電プラグおよび充電ケーブルが充電前の状態に戻されることなく、地面に接した状態となることがある。このように、充電プラグが充電装置の所定の位置に戻されることなく、地面に放置されると、充電プラグが浸水する虞があり、充電プラグの故障の原因となる。また、充電プラグが電気自動車に轢かれたり人に踏まれたりする虞があり、充電プラグの破損の原因となる。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みて考え出されたものであり、その目的は、充電プラグの故障および破損を抑制することが可能な充電装置を提供することにある。また、他の目的は、充電プラグの故障および破損を抑制できる充電設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の側面によって提供される充電装置は、蓄電池の電力で原動機を駆動して移動する電気移動体の前記蓄電池を充電する充電装置であって、前記蓄電池の充電用の電力を出力する電源部と、前記電気移動体に接続されて、前記電源部が出力する電力を当該電気移動体に供給する充電プラグと、前記電源部が出力する電力を前記充電プラグに供給する充電ケーブルと、前記充電プラグの未使用時において、前記充電プラグを収納可能なプラグホルダと、前記充電プラグが前記プラグホルダに収納されているか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果に応じて所定の機能を行う処理装置に、前記判定結果を出力する出力部と、を備える。
【0007】
前記充電装置の好ましい実施の形態において、前記電源部を収容する筐体をさらに備え、前記プラグホルダは、前記充電プラグの少なくとも一部を嵌入可能な嵌入凹部と、前記充電プラグが前記嵌入凹部に嵌入された状態で前記充電プラグを保持するラッチ部と、を含み、前記判定部は、前記ラッチ部の状態に基づいて、前記充電プラグが収納されているか否かを判定する。
【0008】
本開示の第2の側面によって提供される充電設備は、第1の側面によって提供される充電装置と、前記処理装置と、を備える。
【0009】
前記充電設備の好ましい実施の形態において、前記処理装置は、所定のエリアからの前記電気移動体の移動を制限する移動制限装置であり、前記移動制限装置は、前記出力部から前記充電プラグが収納されていないとの判定結果が入力されると、前記エリアからの前記電気移動体の移動を制限する。
【0010】
前記充電設備の好ましい実施の形態において、前記エリアは、前記電気移動体を駐車する駐車枠であり、前記移動制限装置は、前記電気移動体のタイヤの移動を制限するロック板を有し、前記ロック板による制限が有効である状態と前記ロック板による制限が解除された状態とを切り替える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の充電装置によれば、充電プラグの故障および破損を抑制することが可能となる。また、本開示の充電設備によれば、充電プラグの故障および破損を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1実施形態に係る充電設備を示す概要図である。
【
図2】第1実施形態に係る充電設備を示す機能ブロック図である。
【
図3】第1実施形態に係る充電設備の充電装置を示す外観図である。
【
図4】第1実施形態に係る充電設備の移動制限装置を示す側面図である。
【
図5】第1実施形態に係る充電設備の移動制限装置の他の構成例を示す側面図である。
【
図6】第1実施形態の変形例に係る充電設備を示す概要図である。
【
図7】第1実施形態の他の変形例に係る充電設備を示す概要図である。
【
図8】第2実施形態に係る充電設備を示す機能ブロック図である。
【
図9】第2実施形態の変形例に係る充電設備を示す機能ブロック図である。
【
図10】第3実施形態に係る充電設備を示す機能ブロック図である。
【
図11】第3実施形態の変形例に係る充電設備を示す機能ブロック図である。
【
図12】変形例に係る充電装置を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の充電装置および充電設備の好ましい実施の形態について、図面を参照して、以下に説明する。以下では、同一あるいは類似の構成要素に、同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0014】
図1および
図2は、第1実施形態に係る充電設備S1を示している。充電設備S1は、電気自動車9の充電を行うための設備である。電気自動車9は、動力源としての電動機および当該電動機に電力を供給する蓄電池91を備えた自動車であり、電動機のみを動力源とするいわゆる電気自動車だけでなく、内燃機関が併設されたハイブリッド車なども含まれる。なお、充電設備S1の充電対象は、自動車だけでなく、動力源としての電動機および当該電動機に電力を供給する蓄電池を備えた他の電気移動体であってもよい。
【0015】
充電設備S1は、充電装置A1および移動制限装置B1を備える。本実施形態では、充電装置A1および移動制限装置B1は、施設の駐車場などの1つの駐車枠P1に設けられる。充電装置A1および移動制限装置B1はそれぞれ、地面に設置される。
【0016】
充電装置A1は、電気自動車9に充電電力を供給する。充電装置A1は、駐車枠P1の外側であって、
図1に示す例では、駐車枠P1の後方に配置される。なお、駐車枠P1に対する充電装置A1の配置は、図示された例に限定されない。
【0017】
図2に示すように、充電装置A1は、本体部1、処理部3、表示装置4および通信線7を備える。本体部1、処理部3および表示装置4は、通信線7を介した通信を行う。通信線7を介した通信の規格は、何ら限定されないが、例えばCAN(Controller Area Network)通信である。
【0018】
本体部1は、電気自動車9に充電電力を供給し、電気自動車9の蓄電池91の充電を行う。充電電力は、例えば直流電力である。本体部1は、電源部11、充電ケーブル12、充電プラグ13、制御部14、メインブレーカ151および制御ブレーカ152を含む。なお、図示を省略するが、本体部1は、これらの他、電気自動車9と通信を行う車両通信部などを含む。
【0019】
電源部11は、制御部14からの指令に応じて、充電電力を出力する。充電電力は、例えば直流電力であり、電源部11は、メインブレーカ151を介して電力系統Kから入力される交流電力を直流電力に変換して出力する。電源部11は、例えばコンバータおよび平滑回路を備えている。コンバータは、制御部14からの指令に応じて、電力系統Kから入力される交流電力を直流電力に変換する。平滑回路は、コンバータが出力する直流電力を平滑して出力する。なお、電源部11の具体的な構成は限定されず、充電電力(本実施形態では直流電力)を出力できればよい。例えば、電源部11は、電力系統Kから入力される交流電圧を昇圧する変圧器を備えてもよい。電源部11は、充電装置A1の後述の筐体80に収納される。
【0020】
充電ケーブル12には、その内部に電力線および信号線が配置されている。充電ケーブル12内の電力線は、電源部11に繋がる。充電ケーブル12は、充電装置A1の筐体80から延びる。
【0021】
充電プラグ13は、充電ケーブル12の先端に取り付けられている。充電電力は、電源部11から充電ケーブル12を介して充電プラグ13に供給される。充電プラグ13は、本体およびコネクタを備えている。充電プラグ13の本体は、利用者が把持する部分であって、ハンドルが形成されている。充電プラグ13の本体の内部には、充電ケーブル12内の電力線に繋がる電力線、および、充電ケーブル12内の信号線に繋がる信号線が配置されている。充電プラグ13のコネクタは、本体の先端部に配置された例えば金属製の筒状部材であり、電気自動車9のプラグインコネクタ92に接続される部分である。充電プラグ13のコネクタの内側には、本体内の電力線に導通する電源端子、および、本体内の信号線に導通する信号端子などが配置されている。充電プラグ13は、本体およびコネクタの他、充電プラグ13をプラグインコネクタ92にロックする機構、および、取り外すためのボタンなどを備えている。なお、充電プラグ13の構成は、これに限定されない。
【0022】
制御部14は、充電装置A1の制御を行う構成であり、例えばマイクロコンピュータなどによって実現されている。制御部14は、電源部11の出力電力を制御する。制御部14は、制御ブレーカ152を介して電力系統Kから交流電力が入力される。例えば、制御部14は、入力される交流電力を直流電力に変換し、当該直流電力により動作する。
【0023】
本体部1は、充電プラグ13が電気自動車9のプラグインコネクタ92に接続されることで、電気自動車9と接続される。そして、充電プラグ13が接続された電気自動車9は、電源部11から供給される充電電力によって、蓄電池91が充電される。また、本体部1(先述の車両通信部)は、充電ケーブル12内の信号線および充電プラグ13内の信号線を介して、電気自動車9と相互通信する。本体部1は、電気自動車9から、蓄電池91の容量、現在の充電率(SoC:State of Charge)、および要求電力値などの情報を受信する。要求電力値は、電気自動車9が蓄電池91を充電するために、充電装置A1に要求する電力値である。なお、本体部1と各電気自動車9との間で送受信される情報は限定されない。
【0024】
図3は、充電装置A1の外観を示しており、
図3(a)は、充電装置A1の正面図であり、
図3(b)は、充電装置A1の側面図である。
図3に示すように、充電装置A1は、筐体80、プラグホルダ81および保持具82を備える。
【0025】
筐体80は、本体部1の一部(電源部11、充電ケーブル12の一部、制御部14、メインブレーカ151および制御ブレーカ152)と、処理部3と、表示装置4の一部とを収容する。筐体80は、例えば金属製である。
【0026】
プラグホルダ81は、充電プラグ13を収納および保持する部位である。図示された例では、プラグホルダ81は筐体80の前面から突き出ている。充電プラグ13の未使用時において、充電プラグ13は、プラグホルダ81に収納される。プラグホルダ81は、嵌入凹部811およびラッチ部812を含む。
【0027】
嵌入凹部811は、充電プラグ13の少なくとも一部(先端部分)を嵌入可能である。充電プラグ13の未使用時において、充電プラグ13は、嵌入凹部811に嵌入されている。本実施形態では、プラグホルダ81は、筐体80の前面から突き出ており、嵌入凹部811は、プラグホルダ81の前面から窪んでいる。この例と異なり、プラグホルダ81は、筐体80に埋設されており、嵌入凹部811は、筐体80の前面から窪んでいてもよい。充電プラグ13が嵌入凹部811に嵌入されることで、充電プラグ13は、プラグホルダ81に収納される。
【0028】
ラッチ部812は、充電プラグ13が嵌入凹部811に嵌入された状態で、充電プラグ13を保持する。ラッチ部812は、内部にスプリングを有する。当該スプリングの弾性力により、ラッチ部812は、嵌入凹部811の内面から突出するように付勢されている。充電プラグ13がプラグホルダ81(嵌入凹部811)に差し込まれると、ラッチ部812は、充電プラグ13の本体によって押し込まれながら、当該本体の側面に形成された凹部に係合する。これにより、充電プラグ13は、プラグホルダ81に保持される。ラッチ部812が充電プラグ13の本体の凹部に係合した状態において、ラッチ部812の先端(嵌入凹部811の内方側の端部)は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていない状態よりも、押し込まれた状態となる。つまり、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていない状態では、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納された状態よりも、ラッチ部812は、嵌入凹部811の内方に大きく突き出る。説明の便宜上、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていない状態での、ラッチ部812の位置を「プラグ未収納位置」といい、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されている状態での、ラッチ部812の位置を「プラグ収納位置」という。
【0029】
保持具82は、充電ケーブル12を収納および保持する部位である。保持具82は、たとえばフックであり、
図3に示す例では、筐体80の側面から突き出る。保持具82は、充電ケーブル12(充電プラグ13)の未使用時において、充電ケーブル12が環状に巻かれた状態で、充電ケーブル12を保持する。
図3に示す例は、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納された状態を示しており、
図3に示すように、充電ケーブル12は、保持具82に正しく収納された状態では、地面GDから完全に浮いた状態となる。一方で、充電ケーブル12は、保持具82に正しく収納されていない状態では、その一部が、地面GDに接触した状態となる。保持具82は、充電ケーブル12を地面GDから完全に浮いた状態で保持可能なものであれば、先述のフックに限定されない。
【0030】
処理部3は、充電プラグ13および充電ケーブル12の収納状態を判定して、当該収納状態の判定結果を出力する。
図2に示すように、処理部3は、2つの判定部31,32および出力部33を含む。
【0031】
判定部31は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されているか否かを判定する。判定部31は、ラッチ部812の状態を検出するラッチ検出部311を含む。判定部31は、ラッチ検出部311の検出結果により、充電プラグ13が正しく収納をされているか否かを判定する。ラッチ検出部311は、ラッチ部812がプラグ収納位置であるかプラグ未収納位置であるかを検出する。そして、判定部31は、ラッチ検出部311の検出結果がプラグ収納位置であるとき、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていると判定し、ラッチ検出部311の検出結果がプラグ未収納位置であるとき、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていないと判定する。説明の便宜上、判定部31の判定結果を、「プラグ収納判定結果」という。また、このプラグ収納判定結果において、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されているとの判定を「収納判定」といい、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていないとの判定を「未収納判定」という。判定部31は、特許請求の範囲に記載の「判定部」の一例である。
【0032】
判定部32は、充電ケーブル12が保持具82に収納されているか否かを判定する。判定部32は、充電ケーブル12からの荷重を検出する荷重検出部321を含む。判定部32は、荷重検出部321の検出結果により、充電ケーブル12が正しく収納されている適正保持状態であるか否かを判定する。本実施形態では、荷重検出部321は、荷重センサであり、保持具82(フック)にかかる荷重を検出する。充電ケーブル12が保持具82に引っ掛かっている状態では、保持具82に充電ケーブル12の荷重がかかる。このとき、充電ケーブル12の一部が地面GDに接触した状態では、充電ケーブル12が地面GDから完全に浮いた状態である場合と比較して、保持具82にかかる荷重が低減する。判定部32は、荷重検出部321の検出結果に基づいて、保持具82にかかる荷重が、予め設定された判定閾値未満の場合に、充電ケーブル12が正しく収納されていない(すなわち適正保持状態ではない)と判定し、予め設定された判定閾値以上の場合に、充電ケーブル12が正しく収納されている(すなわち適正保持状態である)と判定する。先述の判定閾値は、例えば、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納され、充電ケーブル12が地面GDから浮いている状態(適正状態)での、荷重に基づいて設定される。一例では、適正状態での荷重に対して50%の値を、判定閾値として設定される。説明の便宜上、判定部32の判定結果を、「ケーブル収納判定結果」という。また、このケーブル収納判定結果において、充電ケーブル12が正しく収納され、充電ケーブル12が地面GDに対して完全に浮いているとの判定(適正保持状態であるとの判定)を「収納判定」といい、充電ケーブル12が正しく収納されておらず、充電ケーブル12が地面GDに対して完全に浮いていないとの判定(適正保持状態ではないとの判定)を「未収納判定」という。判定部32は、上記した例に限定されず、保持具82にかかる荷重が所定の範囲内にある場合に、ケーブル収納判定結果を「収納判定」としてもよい。また、判定部32は、電気自動車9の充電のために、充電ケーブル12が引き出される前に保持具82にかかる荷重を都度記憶し、当該荷重を上記適正状態での荷重としてもよい。
【0033】
出力部33は、2つの判定部31,32の各判定結果(プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果)を、出力する。本実施形態では、出力部33は、通信ネットワークNWを介して、移動制限装置B1と通信可能であり、通信ネットワークNWを介した移動制限装置B1との通信により、2つの判定部31,32の各判定結果を、移動制限装置B1に出力する。なお、以下の説明では、通信ネットワークNWを介した出力を、「送信」ということがある。出力部33は、例えば無線通信を行うが、有線通信であってもよい。このとき、出力部33は、2つの判定部31,32の各判定結果(プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果)を、表示装置4に出力してもよい。
【0034】
表示装置4は、表示器41を含む。表示器41には、例えば液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイが用いられるが、表示器41の種類は、何ら限定されない。表示装置4は、充電電力の供給状況を、表示器41に表示する。充電電力の供給状況としては、例えば、供給待機中(充電待機中)であるか、供給実行中(充電実行中)であるか、供給完了(充電完了)であるかなどを表示する。供給実行中については、たとえば、供給実行中である旨に加えて、電気自動車9(蓄電池91)の充電率、充電開始からの経過時間(充電時間)、充電完了までの予想時間(残時間)、および、充電料金などを表示する。出力部33から表示装置4に、2つの判定部31,32の各判定結果(プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果)が出力される場合には、表示装置4は、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果を表示器41に表示してもよい。
【0035】
移動制限装置B1は、所定のエリアからの電気自動車9の移動を制限するものである。
図1に示す例では、所定のエリアは、駐車枠P1である。移動制限装置B1は、所定の条件を満たす場合に、電気自動車9の移動を制限する。本実施形態における所定の条件は、充電プラグ13あるいは充電ケーブル12の少なくとも一方が、所定の収納場所に正しく収納されていないことである。つまり、移動制限装置B1は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていない場合、あるいは、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されていない場合に、駐車枠P1からの電気自動車9の移動を制限する。本実施形態において、移動制限装置B1は、特許請求の範囲に記載の「処理装置」の一例である。
【0036】
図4は、移動制限装置B1の側面図を示している。
図4(a)は、移動制限装置B1によって電気自動車9の移動が制限されている状態を示しており、
図4(b)は、移動制限装置B1による電気自動車9の移動制限が解除されている状態を示している。移動制限装置B1は、
図2および
図4に示すように、ロック板71および実行部72を有する。
【0037】
図4に示す例では、ロック板71は、電気自動車9の前輪931と後輪932との間に設置される。この例と異なり、ロック板71は、駐車枠P1の前方に設置されていてもよい。ロック板71は、起立した状態と横たわった状態とで変移する。なお、移動制限装置B1は、ロック板71を動かすモータなどの機構を有する。
図4(a)に示すように、ロック板71が起立した状態(すなわちロック板71によりロックされた状態)では、電気自動車9のタイヤ(前輪931および後輪932)の回転(電気自動車9の移動)が制限される。一方、
図4(b)に示すように、ロック板71が横たわった状態(すなわちロック板71によるロックが解除された状態)では、電気自動車9のタイヤの回転の制限(電気自動車9の移動制限)が解除される。
【0038】
図4に示す例とは異なり、移動制限装置B1のロック板71は、例えば
図5に示すように、昇降式であってもよい。
図5(a)は、変形例に係る移動制限装置B1によって電気自動車9の移動が制限されている状態を示しており、
図5(b)は、変形例に係る移動制限装置B1による電気自動車9の移動制限が解除されている状態を示している。
図5に示す例では、ロック板71は、横たわった姿勢のまま上下方向に移動可能に構成されている。この例においては、
図5(a)に示すように、ロック板71が上方に配置されることで、電気自動車9のタイヤの回転(電気自動車9の移動)が制限される。一方、
図4(b)に示すように、ロック板71が下方に配置されることで、電気自動車9のタイヤの回転の制限(電気自動車9の移動制限)が解除される。
【0039】
実行部72は、ロック板71の動作を制御する。実行部72は、通信ネットワークNWと通信可能であり、通信ネットワークNWを介して充電装置A1(出力部33)から、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果をそれぞれ受信する。そして、実行部72は、受信した各判定結果に基づいて、ロック板71の動作を制御する。実行部72は、プラグ収納判定結果が「未収納判定」である場合、あるいは、ケーブル収納判定結果が「未収納判定」である場合のいずれか一方でも満たすと、ロック板71を上げる(起立した状態にする)。実行部72は、プラグ収納判定結果が「収納判定」であり、且つ、ケーブル収納判定結果が「収納判定」である場合に、ロック板71を下げる(横たわった状態にする)。これにより、充電プラグ13および充電ケーブル12のいずれか一方でも収納されていないと、電気自動車9は、ロック板71によって、駐車枠P1からの移動が制限される。電気自動車9への充電時においては、少なくとも充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されていないため、プラグ収納判定結果が「未収納判定」となり、実行部72は、ロック板71を上げて、電気自動車9の移動を制限する。一方で、充電プラグ13および充電ケーブル12の両方が正しく収納されていると、ロック板71が下がって、電気自動車9は、ロック板71によるロックが解除され、駐車枠P1からの移動が可能となる。
【0040】
充電装置A1および充電設備S1の作用および効果は、次の通りである。
【0041】
充電装置A1は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されているか否かを判定する判定部31と、判定部31の判定結果(プラグ収納判定結果)を出力する出力部33を備える。そして、本実施形態では、判定部31の判定結果は、移動制限装置B1に出力され、移動制限装置B1は、出力部33から入力される判定結果(プラグ収納判定結果)に応じて、電気自動車9の移動を制限する。この構成によれば、移動制限装置B1は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されないと、電気自動車9の移動を制限することができる。したがって、充電設備S1は、充電装置A1の利用者に、充電プラグ13を元の位置に収納させることを促し、充電プラグ13が地面GDに放置されることを抑制できる。つまり、充電設備S1では、充電装置A1が、充電プラグ13がプラグホルダ81に正しく収納されているか否かのプラグ収納判定結果を移動制限装置B1に出力し、プラグ収納判定結果が「未収納判定」である場合、移動制限装置B1が電気自動車9の移動を制限するので、充電プラグ13の故障および破損を抑制することができる。
【0042】
充電装置A1では、プラグホルダ81は、充電プラグ13の少なくとも一部を嵌入可能な嵌入凹部811と、充電プラグ13が嵌入凹部811に嵌入された状態で充電プラグ13を保持するラッチ部812とを含む。そして、判定部31は、ラッチ部812の状態に基づいて、充電プラグ13が収納されているか否かを判定する。この構成によれば、充電装置A1は、判定部31によって、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されているか否かを判定することができる。
【0043】
充電装置A1は、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されている適正保持状態であるか否かを判定する判定部32と、判定部32の判定結果を出力する出力部33を備える。そして、本実施形態では、判定部32の判定結果は、移動制限装置B1に出力され、移動制限装置B1は、出力部33から入力される判定結果(ケーブル収納判定結果)に応じて、電気自動車9の移動を制限する。この構成によれば、移動制限装置B1は、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されない(適正保持状態ではない)と、電気自動車9の移動を制限することができる。したがって、充電設備S1は、充電装置A1の利用者に、充電ケーブル12を元の位置に収納させることを促し、充電ケーブル12が地面GDに接することを抑制できる。つまり、充電設備S1では、充電装置A1が、充電ケーブル12が適正保持状態であるか否かのケーブル収納判定結果を移動制限装置B1に出力し、ケーブル収納判定結果が「未収納判定」である場合、移動制限装置B1が電気自動車9の移動を制限するので、充電ケーブル12の断線および破損を抑制することができる。
【0044】
充電装置A1では、保持具82は、フックであり、荷重検出部321は、フックにかかる荷重を検出する。そして、判定部32は、荷重検出部321が検出した荷重が上記判定閾値以上である場合に充電ケーブル12が地面GDから完全に浮いていると判定する(すなわち適正保持状態であると判定する)。なお、判定閾値は、先述の通り、充電ケーブル12が正しく保持具82に収納され、地面GDから浮いている状態での荷重を基準に設定される。この構成によれば、充電装置A1は、判定部32によって、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されている適正保持状態であるか否かを判定することができる。
【0045】
充電装置A1では、出力部33は、2つの判定部31,32の各判定結果(プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果)をそれぞれ出力する。この構成によれば、移動制限装置B1は、充電プラグ13がプラグホルダ81に正しく収納されていないか、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されていないかのいずれかを満たした場合に、電気自動車9の移動を制限する。したがって、充電設備S1は、充電装置A1の利用者に、充電プラグ13の収納および充電ケーブル12の収納をそれぞれ促すことができるので、充電プラグ13および充電ケーブル12の双方の破損等を抑制することができる。
【0046】
充電設備S1では、移動制限装置B1は、ロック板71を有し、ロック板71による制限が有効である状態とロック板71による制限が解除された状態とを切り替える。この構成によれば、ロック板71により、電気自動車9のタイヤ(前輪931あるいは後輪932)の回転を制限できるので、移動制限装置B1は、駐車枠P1からの電気自動車9の移動を制限することができる。
【0047】
第1実施形態では、移動制限装置B1は、駐車枠P1からの移動を制限する例を示したが、駐車場からの移動を制限するものであってもよい。すなわち、上記所定のエリアは、駐車枠P1に限定されず、充電装置A1が設置される駐車場であってもよい。例えば、
図6に示すように、移動制限装置B1は、ロック板71の代わりに、例えば駐車場P0の出口に配置された出口ゲート73を有する。
図6は、駐車枠P11で充電していた電気自動車9の利用者が、当該電気自動車9の充電後に充電プラグ13および充電ケーブル12を収納せずに放置したまま、駐車場P0の出口に進行した状態を示している。この時、駐車枠P11に対する充電装置A1は、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果としてそれぞれ「未収納判定」を、移動制限装置B1に出力(送信)する。移動制限装置B1は、この各判定結果「未収納判定」により、出口ゲート73を開かない。このため、電気自動車9の利用者は、充電プラグ13および充電ケーブル12をそれぞれ正しく収納しないと、駐車場P0から退出することができないので、電気自動車9の利用者に充電プラグ13および充電ケーブル12を正しく収納されることを促すことができる。このように、本開示の充電設備は、駐車枠P1からの電気自動車9の移動を制限する構成に限定されず、駐車場P0からの電気自動車9の移動を制限してもよい。なお、
図6に示す構成においては、移動制限装置B1は、図示しないディスプレイあるいはスピーカを有し、当該ディスプレイあるいはスピーカから、充電プラグ13あるいは充電ケーブル12が未収納である旨を報知することが好ましい。これにより、出口ゲート73の手前まで来た利用者に、出口ゲート73が開かない理由を知らせることができる。また、
図6に示す構成においては、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果に追加して、充電装置A1を利用した電気自動車9のカメラ画像を、充電装置A1から移動制限装置B1に出力(送信)することが好ましい。これにより、移動制限装置B1は、充電プラグ13あるいは充電ケーブル12を正しく収納しなかった利用者(電気自動車9)を特定して、出口ゲート73の開閉を制御することができる。
【0048】
第1実施形態では、1つの駐車枠P1に対して1つの移動制限装置B1を設ける例を示した。この例と異なり、複数の駐車枠P1に対して1つの移動制限装置B1を設けてもよい。
図7は、このような変形例に係る充電設備を示している。
図7に示す変形例において、移動制限装置B1は、複数のロック板71と1つの実行部72とを有する。複数のロック板71は、複数の駐車枠P1に対してそれぞれ個別に設置されている。実行部72は、複数のロック板71の各々および複数の充電装置A1の各々と通信可能である。実行部72は、複数のロック板71の各動作を制御する。実行部72は、複数のロック板71の管理装置として機能する。実行部72は、各充電装置A1からプラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果を入力され(受信し)、入力されるプラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果に応じて、対応するロック板71による電気自動車9の移動を制限する。このように、本開示の充電設備は、1つの駐車枠P1に対して1つの移動制限装置B1を設ける構成に限定されず、複数の駐車枠P1に対して1つの移動制限装置B1を設けてもよい。
【0049】
図8は、第2実施形態に係る充電設備S2を示している。充電設備S2は、移動制限装置B1の代わりに、警報装置B2を備える。本実施形態において、警報装置B2が特許請求の範囲に記載の「処理装置」の一例である。
【0050】
警報装置B2は、通信ネットワークNWを介して、充電装置A1と通信可能である。警報装置B2は、実行部75およびスピーカ76を含む。実行部75は、スピーカ76を介して、警報音あるいは音声を出力する。実行部75は、実行部72と同様に、通信ネットワークNWを介して充電装置A1(出力部33)から、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果をそれぞれ受信する。そして、実行部75は、受信した各判定結果に応じて、スピーカ76から警報音あるいは音声を出力する。実行部75は、プラグ収納判定結果が「未収納判定」である場合、警報音(ビープ音)あるいは「充電プラグを収納してください」などの音声メッセージをスピーカ76から出力し、ケーブル収納判定結果が「未収納判定」である場合、警報音(ビープ音)あるいは「充電ケーブルを正しく収納してください」などの音声メッセージをスピーカ76から出力する。これにより、充電プラグ13および充電ケーブル12のいずれか一方でも収納されていないと、その旨がスピーカ76を介して報知される。一方、実行部75は、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果がそれぞれ「収納判定」である場合に、警報音あるいは音声出力を行わない。あるいは、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果がそれぞれ「収納判定」である場合、充電プラグ13および充電ケーブル12の各収納に対する謝辞などの音声メッセージをスピーカ76から出力してもよい。
【0051】
充電設備S2では、判定部31の判定結果は、警報装置B2に出力され、警報装置B2は、出力部33から入力される判定部31の判定結果(プラグ収納判定結果)に応じて、警報音あるいは音声をスピーカ76から出力する。この構成によれば、警報装置B2は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されないと、充電装置A1の利用者にその旨を知らせる警報音あるいは音声をスピーカ76から出力することができる。したがって、充電設備S2は、充電装置A1の利用者に、充電プラグ13を元の位置に収納させることを促し、充電プラグ13が地面GDに放置されることを抑制できる。つまり、充電設備S2は、充電設備S1と同様に、充電プラグ13の故障および破損を抑制することができる。
【0052】
充電設備S2では、判定部32の判定結果は、警報装置B2に出力され、警報装置B2は、出力部33から入力される判定部32の判定結果(ケーブル収納判定結果)に応じて、警報音あるいは音声をスピーカ76から出力する。この構成によれば、警報装置B2は、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されないと、充電装置A1の利用者にその旨を知らせる警報音あるいは音声をスピーカ76から出力することができる。したがって、充電設備S2は、充電装置A1の利用者に、充電ケーブル12を元の位置に収納させることを促し、充電ケーブル12が地面GDに放置されることを抑制できる。つまり、充電設備S2は、充電設備S1と同様に、充電ケーブル12の断線および破損を抑制することができる。
【0053】
その他、充電設備S2は、充電設備S1と共通する構成により、当該充電設備S1と同様の効果を奏する。
【0054】
上記第2実施形態では、警報装置B2は、充電装置A1の外部に設けられた例を説明したが、警報装置B2は、充電装置A1の内部に設けられていてもよい。この場合、警報装置B2は、
図9に示すように、通信線7に接続され、通信線7を介して、出力部33からプラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果がそれぞれ入力される。このように、充電設備S2において、警報装置B2は、充電装置A1の外部に設けられるか充電装置A1の内部に設けられるかは何ら限定されない。
【0055】
図10は、第3実施形態に係る充電設備S3を示している。充電設備S3は、移動制限装置B1あるいは警報装置B2の代わりに、表示装置B3を備える。本実施形態において、表示装置B3が、特許請求の範囲に記載の「処理装置」の一例である。
【0056】
表示装置B3は、通信ネットワークNWを介して、充電装置A1と通信可能である。表示装置B3は、実行部78および表示器79を含む。実行部78は、表示器79に所定の画像を表示させる。表示器79は、表示器41と同様に、例えば液晶ディスプレイあるいは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイが用いられる。なお、表示器79の種類は、何ら限定されず、例えば、電球などの発光装置であってもよい。実行部78は、実行部72と同様に、通信ネットワークNWを介して充電装置A1(出力部33)から、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果をそれぞれ受信する。そして、実行部78は、受信した各判定結果に応じて、所定の画像を表示器79に表示させる。実行部78は、プラグ収納判定結果が「収納判定」であり、且つケーブル収納判定結果が「収納判定」である場合に、充電料金の割引券あるいは充電装置A1が設置された施設の割引券などのクーポンを表示器79に表示させるか、これに変えて(あるいはこれに加えて)充電プラグ13の収納および充電ケーブル12の収納に対する謝辞のメッセージを表示器79に表示させる。一方、実行部78は、プラグ収納判定結果が「未収納判定」である場合、「充電プラグを収納してください」などのメッセージを表示器79に表示させ、ケーブル収納判定結果が「未収納判定」である場合、「充電ケーブルを正しく収納してください」などのメッセージを表示器79に表示させる。
【0057】
充電設備S3では、判定部31の判定結果は、表示装置B3に出力され、表示装置B3は、出力部33から入力される判定部31の判定結果(プラグ収納判定結果)に応じて、所定の画像を表示器79に表示させる。この構成によれば、表示装置B3は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されないと、充電装置A1の利用者にその旨を知らせるメッセージを表示器79に表示させることができる。あるいは、表示装置B3は、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されると、充電装置A1に上記クーポンあるいは上記謝辞のメッセージなどを表示器79に表示させることができる。したがって、充電設備S3は、充電装置A1の利用者に、充電プラグ13を元の位置に収納させることを促し、充電プラグ13が地面GDに放置されることを抑制できる。つまり、充電設備S3は、各充電設備S1,S2と同様に、充電プラグ13の故障および破損を抑制することができる。
【0058】
充電設備S3では、判定部32の判定結果は、表示装置B3に出力され、表示装置B3は、出力部33から入力される判定部32の判定結果(ケーブル収納判定結果)に応じて、所定の画像を表示器79に表示させる。この構成によれば、表示装置B3は、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されないと、充電装置A1の利用者にその旨を知らせるメッセージを表示器79に表示させることができる。あるいは、表示装置B3は、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されると、充電装置A1に上記クーポンあるいは上記謝辞のメッセージなどを表示器79に表示させることができる。したがって、充電設備S3は、充電装置A1の利用者に、充電ケーブル12を元の位置に収納させることを促し、充電ケーブル12が地面GDに放置されることを抑制できる。つまり、充電設備S3は、各充電設備S1,S2と同様に、充電ケーブル12の断線および破損を抑制することができる。
【0059】
その他、充電設備S3は、上記充電設備S1,S2と共通する構成により、当該充電設備S1,S2と同様の効果を奏する。
【0060】
上記第3実施形態では、表示装置B3は、充電装置A1の外部に設けられた例を説明したが、この例と異なり、
図11に示すように、表示装置B3として、充電装置A1の内部の表示装置4を用いてもよい。この場合、表示装置4は、実行部78を有し、当該実行部78は、出力部33からプラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果をそれぞれ入力される。そして、表示装置4の実行部78は、表示器79の代わりに、表示器41に上記クーポンや上記謝辞のメッセージを表示させる。このように、充電設備S3は、表示装置B3を充電装置A1の外部に設けるか、表示装置B3として充電装置A1の表示装置4を用いるかは何ら限定されない。あるいは、表示装置B3は、充電装置A1の内部に、表示装置4と別に設けてもよい。
【0061】
上記第1ないし第3実施形態(これらの変形例を含む)から理解されるように、本開示の充電設備において、プラグ収納判定結果およびケーブル収納判定結果の出力先は、次の機能を行う処理装置であればよい。すなわち、充電装置A1の利用者に充電プラグ13および充電ケーブル12を元の位置に収納させることを促す機能を行う処理装置であればよい。
【0062】
第1ないし第3実施形態(これらの変形例を含む)では、充電装置A1のプラグホルダ81は、ラッチ部812の代わりに、物体を検出可能な他のセンサを有していてもよい。当該センサは、例えば、光電センサあるいはレーザセンサなどの光学素子を用いたセンサであってもよいし、カメラを用いた画像センサなどであってもよい。これらの場合であっても、判定部31は、当該センサからの検出結果に基づいて、充電プラグ13がプラグホルダ81に収納されているか否かを判断可能である。
【0063】
第1ないし第3実施形態(これらの変形例を含む)では、充電装置A1の荷重検出部321は、保持具82にかかる荷重を検出するものではなく、充電装置A1の保持具82の下方の地面GDに配置された重量センサであってもよい。
図12は、このような変形例に係る充電装置A2を示している。充電装置A2は、上記充電設備S1~S3において、充電装置A1の代わりに用いられる。
図12に示すように、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されていないと、充電ケーブル12の一部が地面GDに接触する。このように充電ケーブル12の一部が地面GDに接触すると、先述の重量センサ(荷重検出部321)に荷重がかかる。したがって、判定部32は、重量センサ(荷重検出部321)の検出結果に応じて、荷重検出部321に閾値以上の荷重がかかった場合に、充電ケーブル12が保持具82に正しく収納されていない(適正保持状態ではない)と判定することができる(つまり、ケーブル収納判定結果を「未収納判定」とすることができる)。このように、本開示の充電装置の荷重検出部321は、充電ケーブル12の重量を検出可能なものであれば、何ら限定されない。
【0064】
第1ないし第3実施形態(これらの変形例を含む)では、充電装置A1の処理部3は、判定部32を含む例を示したが、この例と異なり、当該判定部32を含んでいなくてもよい。この場合、移動制限装置B1、警報装置B2および表示装置B3はそれぞれ、充電装置A1からプラグ収納判定結果を入力され(受信し)、当該プラグ収納判定結果に応じて、電気自動車9の移動制限、スピーカ出力、画像表示をそれぞれ行えばよい。
【0065】
本開示に係る充電装置および充電設備は、上記した実施形態に限定されるものではない。本開示の充電装置および充電設備の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0066】
S1,S2,S3:充電設備、A1,A2:充電装置、B1:移動制限装置、B2:警報装置、B3:表示装置、NW:通信ネットワーク、P0:駐車場、P1,P11:駐車枠、11:電源部、12:充電ケーブル、13:充電プラグ、31:判定部、311:ラッチ検出部、32:判定部、321:荷重検出部、33:出力部、4:表示装置、41:表示器、71:ロック板、72:実行部、73:出口ゲート、75:実行部、76:スピーカ、78:実行部、79:表示器、80:筐体、81:プラグホルダ、811:嵌入凹部、812:ラッチ部、82:保持具、9:電気自動車、91:蓄電池、92:プラグインコネクタ、931:前輪、932:後輪