(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014857
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】化粧シートおよび化粧シートの製造方法
(51)【国際特許分類】
B32B 27/00 20060101AFI20250123BHJP
B32B 27/20 20060101ALI20250123BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
B32B27/00 E
B32B27/20 A
B32B27/30 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117781
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】水上 良平
(72)【発明者】
【氏名】原田 千穂
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AB01D
4F100AB01H
4F100AK15A
4F100AR00B
4F100AR00C
4F100AR00D
4F100AT00A
4F100BA04
4F100BA07
4F100BA10A
4F100BA10D
4F100CA13C
4F100DE01C
4F100DE01H
4F100DE02D
4F100DE02H
4F100GB07
4F100GB81
4F100HB00B
4F100HB312
4F100HB31B
4F100HB31C
4F100HB31D
4F100JN22C
4F100JN22H
(57)【要約】
【課題】立体感を向上させた化粧シートおよび化粧シートの製造方法を提供する。
【解決手段】化粧シート10は、原反層1と、前記原反層1の上側UPに順不同に設けられた、絵柄模様層2と、第一粒子31を含有するパール層3と、平均粒径が前記第一粒子31の0.5倍以下である第二粒子41を含有する金属鱗片層4と、を備える。化粧シート10の製造方法は、絵柄模様層2を形成する絵柄印刷工程と、第一粒子31を含有するパール層3を形成する大径粒子層印刷工程と、平均粒径が前記第一粒子31の0.5倍以下である第二粒子41を含有する金属鱗片層4を形成する小径粒子層印刷工程と、を備え、前記絵柄模様層2と、前記パール層3と、前記金属鱗片層4とを順不同で厚さ方向Vに積層する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原反層と、
前記原反層の上側に順不同に設けられた、
絵柄模様層と、
第一粒子を含有するパール層と、
平均粒径が前記第一粒子の0.5倍以下である第二粒子を含有する金属鱗片層と、
を備える、
化粧シート。
【請求項2】
前記第一粒子は、パール顔料を含み、
前記第二粒子は、金属を含む、
請求項1に記載の化粧シート。
【請求項3】
前記原反層は、ポリ塩化ビニルを含む、
請求項2に記載の化粧シート。
【請求項4】
前記絵柄模様層は、前記原反層の前記上側に設けられ、
前記パール層は、前記絵柄模様層の前記上側に設けられ、
前記金属鱗片層は、前記パール層の前記上側に設けられている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の化粧シート。
【請求項5】
絵柄模様層を形成する絵柄印刷工程と、
第一粒子を含有するパール層を形成する大径粒子層印刷工程と、
平均粒径が前記第一粒子の0.5倍以下である第二粒子を含有する金属鱗片層を形成する小径粒子層印刷工程と、
を備え、
前記絵柄模様層と、前記パール層と、前記金属鱗片層とを順不同で厚さ方向に積層する、
化粧シートの製造方法。
【請求項6】
前記絵柄印刷工程は、原反層の上側に前記絵柄模様層を形成し、
前記大径粒子層印刷工程は、前記絵柄模様層の前記上側に前記パール層を形成し、
前記小径粒子層印刷工程は、前記パール層の前記上側に前記金属鱗片層を形成する、
請求項5に記載の化粧シートの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧シートおよび化粧シートの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家具や建材等に使用される化粧シートにおいて、絵柄が印刷された絵柄模様層と、絵柄模様層が有する絵柄に輝度感を付与する層とを積層することで、立体感を付与した化粧シートがある。
【0003】
例えば、絵柄模様層が有する絵柄に輝度感を付与する層として、パール顔料又は金属を含有することによって高い光輝性を有する層が用いられる。また、従来、絵柄に輝度感を付与する層には、パール顔料又は金属のどちらか一方が使用されることが多い。
【0004】
金属を含有する層を備える化粧シートとして、特許文献1に記載のある化粧シートがある。特許文献1に記載のある化粧シートは、化粧シートのベースとなる支持体と、大粒径の金属鱗片および小粒径の金属鱗片を複数含有したメタリック層と、絵柄が形成された絵柄模様層と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、パール顔料を含有する層を備える化粧シートや、特許文献1に記載のある化粧シートのような金属を含有する層を備える従来の化粧シートは、立体感の表現が十分でない虞がある。そのため、立体感を向上させた化粧シートが求められている。
【0007】
上記事情を踏まえ、本発明は、立体感を向上させた化粧シートおよび化粧シートの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の化粧シートは、原反層と、前記原反層の上側に順不同に設けられた、絵柄模様層と、第一粒子を含有するパール層と、平均粒径が前記第一粒子の0.5倍以下である第二粒子を含有する金属鱗片層と、を備える。
【0009】
上記化粧シートでは、前記第一粒子は、パール顔料を含み、前記第二粒子は、金属を含んでいてもよい。
【0010】
上記化粧シートでは、前記原反層は、ポリ塩化ビニルを含んでいてもよい。
【0011】
上記化粧シートでは、前記絵柄模様層は、前記原反層の前記上側に設けられ、前記パール層は、前記絵柄模様層の前記上側に設けられ、前記金属鱗片層は、前記パール層の前記上側に設けられていてもよい。
【0012】
本発明の化粧シートの製造方法は、絵柄模様層を形成する絵柄印刷工程と、第一粒子を含有するパール層を形成する大径粒子層印刷工程と、平均粒径が前記第一粒子の0.5倍以下である第二粒子を含有する金属鱗片層を形成する小径粒子層印刷工程と、を備え、前記絵柄模様層と、前記パール層と、前記金属鱗片層とを順不同で厚さ方向に積層する。
【0013】
上記化粧シートの製造方法では、前記絵柄印刷工程は、原反層の上側に前記絵柄模様層を形成し、前記大径粒子層印刷工程は、前記絵柄模様層の前記上側に前記パール層を形成し、前記小径粒子層印刷工程は、前記パール層の前記上側に前記金属鱗片層を形成してもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の化粧シートおよび化粧シートの製造方法によれば、立体感を向上させた化粧シートおよび化粧シートの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る化粧シートの構成を模式的に示す断面図である。
【
図2】同化粧シートの製造方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態に係る化粧シート10の構成を模式的に示す断面図である。
本実施形態では、
図1に示すように、化粧シート10の厚さ方向を「上下方向V」、化粧シート10の原反層1が設けられた側を上下方向Vにおける「下側LO」、下側LOと反対側を上下方向Vにおける「上側UP」と定義する。
【0018】
化粧シート10は、原反層1と、絵柄模様層2と、パール層3と、金属鱗片層4と、を備える。絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4は、原反層1の上側UPに順不同に設けることができる。ここで、絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4は、原反層1の上側UPにおいて、化粧シート10の厚さ方向(上下方向V)に積層された層である。
【0019】
本実施形態では、絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4を、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4の順に設けた化粧シート10について説明する。
【0020】
原反層1は、化粧シート10の下側LOに設けられた層である。原反層1として、ポリ塩化ビニルを採用できる。原反層1には、ポリ塩化ビニル以外の樹脂材やチタン紙等の繊維質シートを採用してもよい。
【0021】
絵柄模様層2は、原反層1の上側UPに設けられた層である。絵柄模様層2は、例えば、木目、石目又は砂目等の絵柄の印刷を原反層1の上側UPに施すことで形成されている。絵柄模様層2の印刷方法としては、例えば、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷又はインクジェット印刷等の公知の印刷方法を採用できる。絵柄模様層2には、採用する印刷方法に適した公知の印刷インキを採用できる。
【0022】
パール層3は、絵柄模様層2の上側UPに設けられた層である。パール層3には、絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明または半透明な材質を採用するのが望ましい。パール層3の材質は限定されないが、例えば、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂又はそれらの混合物等を採用できる。パール層3には、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等を採用してもよい。
【0023】
また、パール層3には、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、可塑剤、体質顔料等の各種添加剤を添加してもよい。パール層3を形成する方法として、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷またはインクジェット印刷等の公知の印刷方法を採用できる。また、パール層3は、公知のコーティング装置を用いて形成されてもよい。
【0024】
パール層3は、第一粒子31を含有している。第一粒子31として、例えば、雲母粒子の表面を二酸化チタンで被覆した公知のパール顔料等を採用できる。パール層3が第一粒子31を含有することで、パール層3は高い光輝性を有する。パール層3には複数の第一粒子31が含有されている。
【0025】
金属鱗片層4は、パール層3の上側UPに設けられた層である。金属鱗片層4には、パール層3を通して絵柄模様層2の絵柄を透視できる程度に透明または半透明な材質を採用するのが望ましい。金属鱗片層4の材質は限定されないが、例えば、熱硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂またはそれらの混合物等を採用できる。金属鱗片層4には、例えば、アクリル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体(塩酢ビ)樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等を採用してもよい。
【0026】
また、金属鱗片層4には、紫外線吸収剤、熱安定剤、光安定剤、界面活性剤、可塑剤、体質顔料等の各種添加剤を添加してもよい。金属鱗片層4を形成する方法として、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、シルクスクリーン印刷またはインクジェット印刷等の公知の印刷方法を採用できる。また、金属鱗片層4は、公知のコーティング装置を用いて形成されてもよい。
【0027】
金属鱗片層4は、第二粒子41を含有している。第二粒子41として、例えば、アルミニウム、金、銀、銅、錫、ニッケル、クロム、真鍮等の金属光沢を有する金属等を採用できる。第二粒子41として、金属光沢が良好なアルミニウム粒子を採用するのが望ましい。金属鱗片層4が第二粒子41を含有することで、金属鱗片層4は高い光輝性を有する。金属鱗片層4には複数の第二粒子41が含有されている。
【0028】
第二粒子41の平均粒径R2は、第一粒子31の平均粒径R1の0.5倍以下である。第二粒子の平均粒径が、第一粒子の平均粒径の0.5倍よりも大きい場合、パール層と金属鱗片層との輝度感の差が不十分となり、化粧シートは、十分な立体感を得ることができない虞がある。
【0029】
第二粒子41の平均粒径R2を、第一粒子31の平均粒径R1の0.5倍以下とすることで、パール層3と金属鱗片層4とが十分な輝度感の差を有する。そのため、化粧シート10は、十分な立体感を表現できる。
【0030】
また、上述したように、原反層1の上側UPには、絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4を順不同に設けることができる。第二粒子41の平均粒径R2が第一粒子31の平均粒径R1の0.5倍以下であれば、絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の積層順に関わらず、化粧シート10は、十分な立体感を有することができる。
【0031】
次に、化粧シート10の製造方法について説明する。
図2は、化粧シート10を化粧シート製造システムにより製造する工程の一例を示すフローチャートである。ここで、化粧シート製造システムとは、化粧シート10の製造を実行するシステムである。
【0032】
まず、化粧シート製造システムは、ステップS1(絵柄印刷工程)を実施する。ステップS1において、原反層1の上側UPに絵柄を印刷して、絵柄模様層2を形成する。
【0033】
次に、化粧シート製造システムは、ステップS2(大径粒子層印刷工程)を実施する。ステップS2において、絵柄模様層2の上側UPにパール層3を形成する。このとき、パール層3は、パール顔料等を含む第一粒子31を含有している。
【0034】
次に、化粧シート製造システムは、ステップS3(小径粒子層印刷工程)を実施する。ステップS3において、パール層3の上側UPに金属鱗片層4を形成する。このとき、金属鱗片層4は、金属粒子等を含む第二粒子41を含有している。また、第二粒子41の平均粒径R2は、第一粒子31の平均粒径R1の0.5倍以下である。
金属鱗片層4を形成して、化粧シート10の製造工程を完了する。
【0035】
ここで、絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4は、原反層1の上側UPに順不同に設けることができる。そのため、化粧シート10の製造方法は、絵柄印刷工程S1、大径粒子層印刷工程S2および小径粒子層印刷工程S3を、順不同に実行してもよい。すなわち、化粧シート10は、積層される順番を問わず、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4が厚さ方向(上下方向V)に積層されることで製造される。
【0036】
例えば、絵柄印刷工程S1、小径粒子層印刷工程S3、大径粒子層印刷工程S2をこの順で実行することで化粧シート10を製造してもよいし、大径粒子層印刷工程S2、絵柄印刷工程S1、小径粒子層印刷工程S3の順で実行して化粧シート10を製造してもよい。
【0037】
本実施形態の化粧シート10および化粧シート10の製造方法によれば、原反層1と、原反層1の上側UPに順不同に設けられた、絵柄模様層2と、パール層3と、金属鱗片層4と、を備える。また、パール層3は、第一粒子31を含有する。金属鱗片層4は、第二粒子41を含有する。さらに、第二粒子41の平均粒径R2は、第一粒子31の平均粒径R1の0.5倍以下である。
【0038】
そのため、化粧シート10は、パール層3と金属鱗片層4との輝度感の差によって十分な立体感を有することができる。
【0039】
また、化粧シート10が備える絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4が原反層1の上側UPに積層される順序は順不同である。第一粒子31を含有するパール層3と、平均粒径が第一粒子31の0.5倍以下である第二粒子41を含有する金属鱗片層4と、を備えるため、各層の積層順が順不同であっても、化粧シート10は、パール層3と金属鱗片層4との輝度感の差によって十分な立体感を有することができる。
【0040】
その結果、立体感を向上させた化粧シート10および化粧シート10の製造方法を提供することができる。
【0041】
以上、本発明の一実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。また、上述の一実施形態および以下で示す変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
【0042】
(変形例1)
上記実施形態において、化粧シート10は、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4をこの順に備えるが、化粧シート10の態様はこれに限定されない。化粧シート10は、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、金属鱗片層4、パール層3をこの順に備えてもよい。
【0043】
(変形例2)
上記実施形態において、化粧シート10は、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4をこの順に備えるが、化粧シート10の態様はこれに限定されない。化粧シート10は、原反層1の上側UPに、パール層3、絵柄模様層2、金属鱗片層4をこの順に備えてもよい。
【0044】
(変形例3)
上記実施形態において、化粧シート10は、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4をこの順に備えるが、化粧シート10の態様はこれに限定されない。化粧シート10は、原反層1の上側UPに、パール層3、金属鱗片層4、絵柄模様層2をこの順に備えてもよい。
【0045】
(変形例4)
上記実施形態において、化粧シート10は、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4をこの順に備えるが、化粧シート10の態様はこれに限定されない。化粧シート10は、原反層1の上側UPに、金属鱗片層4、絵柄模様層2、パール層3をこの順に備えてもよい。
【0046】
(変形例5)
上記実施形態において、化粧シート10は、原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4をこの順に備えるが、化粧シート10の態様はこれに限定されない。化粧シート10は、原反層1の上側UPに、金属鱗片層4、パール層3、絵柄模様層2をこの順に備えてもよい。
【0047】
以下実施例により、本発明を詳細に説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0048】
(実施例1)
ポリ塩化ビニルで形成した原反層1の上側UPに、絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4をグラビア印刷で印刷し、実施例1の化粧シート10を得た。
【0049】
このとき、原反層1の上側UPに積層する絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の順番は、下側LOから、絵柄模様層2、パール層3、金属鱗片層4とした。
【0050】
また、パール層3が含有する第一粒子31の平均粒径R1に対する、金属鱗片層4が含有する第二粒子41の平均粒径R2の比(R2/R1)は、0.50とした。
以下、第一粒子31の平均粒径R1に対する第二粒子41の平均粒径R2の比(R2/R1)を、平均粒径比R2/R1とも称する。
【0051】
(実施例2)
平均粒径比R2/R1を0.23とした以外は実施例1と同様の方法により実施例2の化粧シート10を得た。
【0052】
(実施例3)
平均粒径比R2/R1を0.10とした以外は実施例1と同様の方法により実施例3の化粧シート10を得た。
【0053】
(実施例4)
原反層1の上側UPに積層する絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の順番を、下側LOから絵柄模様層2、金属鱗片層4、パール層3とし、平均粒径比R2/R1を0.23とした以外は実施例1と同様の方法により実施例4の化粧シート10を得た。
【0054】
(実施例5)
原反層1の上側UPに積層する絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の順番を、下側LOからパール層3、絵柄模様層2、金属鱗片層4とし、平均粒径比R2/R1を0.23とした以外は実施例1と同様の方法により実施例5の化粧シート10を得た。
【0055】
(実施例6)
原反層1の上側UPに積層する絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の順番を、下側LOからパール層3、金属鱗片層4、絵柄模様層2とし、平均粒径比R2/R1を0.23とした以外は実施例1と同様の方法により実施例6の化粧シート10を得た。
【0056】
(実施例7)
原反層1の上側UPに積層する絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の順番を、下側LOから金属鱗片層4、絵柄模様層2、パール層3とし、平均粒径比R2/R1を0.23とした以外は実施例1と同様の方法により実施例7の化粧シート10を得た。
【0057】
(実施例8)
原反層1の上側UPに積層する絵柄模様層2、パール層3および金属鱗片層4の順番を、下側LOから金属鱗片層4、パール層3、絵柄模様層2とし、平均粒径比R2/R1を0.23とした以外は実施例1と同様の方法により実施例8の化粧シート10を得た。
【0058】
(比較例1)
第一粒子の平均粒径に対する第二粒子の平均粒径の比(平均粒径比)を0.62とした以外は実施例1と同様の方法により比較例1の化粧シートを得た。
【0059】
(比較例2)
金属鱗片層を設けず、原反層の上側に絵柄模様層を設け、絵柄模様層の上側にパール層を設けて比較例2の化粧シートを得た。
【0060】
(比較例3)
パール層を設けず、原反層の上側に絵柄模様層を設け、絵柄模様層の上側に金属鱗片層を設けて比較例3の化粧シートを得た。
【0061】
(試験1)
実施例1-8および比較例1-3の化粧シートに立体感評価試験を実施した。立体感評価試験では、10人の試験員で化粧シートの表面(上側の面)における立体感についての官能試験を実施し、立体感を感じる程度について評価した。
評価基準は3段階とし、〇以上を合格とした。
〇(Good):立体感が優れていると評価した人が8人以上である。
△(Fair):立体感が優れていると評価した人が4人以上7人以下である。
×(Poor):立体感が優れていると評価した人が3人以下である。
【0062】
(試験結果)
試験1の結果を表1に示す。
表1に示す「平均粒径比」は、第一粒子の平均粒径に対する第二粒子の平均粒径の比を示す。例えば、平均粒径比が0.5の場合、第二粒子の平均粒径は、第一粒子の平均粒径の0.5倍である。また、比較例2-3は、パール層又は金属鱗片層のどちらか一方を備えていないため、表1における平均粒径比は示していない。
【0063】
また、表1に示す「層構成」は、原反層の上側に設けた各層の積層順を示す。表1に示す層構成は、表1の左側が化粧シートの下側に対応し、右側が上側に対応している。
例えば、表1の実施例1における層構成は、原反層1の上側UPに絵柄模様層2が設けられ、絵柄模様層2の上側UPにパール層3が設けられ、パール層3の上側UPに金属鱗片層4が設けられていることを示す。
【0064】
絵柄模様層2と、第一粒子31を含有するパール層3と、第二粒子41を含有する金属鱗片層4とを備え、第一粒子31に対する第二粒子41の平均粒径比R2/R1が0.5以下である実施例1-8の化粧シート10は、試験1において良好な結果を示した。
【0065】
平均粒径比が0.5よりも大きい比較例1の化粧シートは、実施例1-8の化粧シート10よりも立体感が劣り、試験1において不合格であった。また、パール層又は金属鱗片層のどちらか一方を備えない比較例2-3の化粧シートは、立体感がより劣るため試験1において不合格であった。
【0066】
【符号の説明】
【0067】
10 化粧シート
1 原反層
2 絵柄模様層
3 パール層
31 第一粒子
4 金属鱗片層
41 第二粒子
V 上下方向、厚さ方向
UP 上側
LO 下側
R1、R2 平均粒径
S1 絵柄印刷工程
S2 大径粒子層印刷工程
S3 小径粒子層印刷工程