(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025014868
(43)【公開日】2025-01-30
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20250123BHJP
G03G 21/20 20060101ALI20250123BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20250123BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20250123BHJP
【FI】
G03G21/16 104
G03G21/20
G03G21/16 176
G03G21/16 190
G03G15/08 390Z
G03G15/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023117794
(22)【出願日】2023-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】弁理士法人あーく事務所
(72)【発明者】
【氏名】門脇 英明
【テーマコード(参考)】
2H077
2H171
2H200
2H270
【Fターム(参考)】
2H077AA02
2H077BA08
2H077BA09
2H077BA10
2H077GA02
2H077GA04
2H171FA06
2H171FA13
2H171FA17
2H171FA28
2H171GA23
2H171JA06
2H171JA10
2H171JA23
2H171JA27
2H171JA29
2H171JA31
2H171JA48
2H171JA59
2H171KA09
2H171KA16
2H171NA05
2H171QA04
2H171QA08
2H171QA24
2H171QB32
2H171QB35
2H171QC22
2H171QC24
2H171QC36
2H171SA11
2H171SA14
2H171SA15
2H171SA22
2H171SA26
2H171WA07
2H171WA10
2H171WA11
2H171WA21
2H200FA01
2H200GA12
2H200GA23
2H200GA47
2H200GB22
2H200GB23
2H200GB41
2H200JA02
2H200JC03
2H200JC12
2H200LB01
2H270SA09
2H270SB13
2H270SC06
(57)【要約】
【課題】定着装置の近傍に配置される部材の温度の上昇を抑制する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、シートP上に形成されたトナー像を熱定着させるための熱源を有する定着装置12と、トナーを内部に保持して保持したトナーを搬送するクリーニング装置9と、定着装置12からクリーニング装置9への熱を遮熱する遮熱部10と、を備え、遮熱部10は、通風路94と、空洞を有するダクト93と、を有し、互いに対向配置された定着装置12及びクリーニング装置9の間に、遮熱部10が配置され、クリーニング装置9、通風路94、ダクト93、定着装置12の順に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体上にトナー像を形成し、前記記録媒体上に形成されたトナー像を定着させることで前記記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、
前記記録媒体上に形成されたトナー像を熱定着させるための熱源を有する定着装置と、
トナーを内部に保持して保持したトナーを搬送するトナー搬送装置と、
前記定着装置から前記トナー搬送装置への熱を遮熱する遮熱部と、を備え、
前記遮熱部は、通風路と、空洞を有するダクト部と、を有し、
互いに対向配置された前記定着装置及び前記トナー搬送装置の間に、前記遮熱部が配置され、
前記トナー搬送装置、前記通風路、前記ダクト部、前記定着装置の順に配置されている、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載された画像形成装置であって、
前記トナー搬送装置は、画像形成装置本体から着脱可能であり、
前記画像形成装置本体から前記トナー搬送装置を着脱することに伴い、前記画像形成装置本体から着脱される、前記ダクト部の一部である第1ダクト分離部を備え、
前記画像形成装置本体は、前記ダクト部の一部である第2ダクト分離部を有し、
前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体に装着されることにより、前記第1ダクト分離部及び前記第2ダクト分離部を含む前記ダクト部が構成される、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項2に記載された画像形成装置であって、
前記トナー搬送装置は、前記画像形成装置本体に対して水平方向に移動されることで着脱可能であり、
前記第1ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第1リブと、前記第1リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第2リブと、前記第1リブ及び前記第2リブを連結する底面部と、を有し、
前記第2ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第3リブと、前記第3リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第4リブと、前記第3リブ及び前記第4リブを連結する天井部と、を有し、
前記第2リブは前記第1リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、
前記第4リブは前記第3リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、
前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着する際に、前記第1リブ及び前記第4リブは互いに干渉しないように配置され、
前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着した際は、前記第1リブは前記第3リブに近接配置され、かつ、前記第2リブは前記第4リブに近接配置されて前記ダクト部が形成されている、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項2に記載された画像形成装置であって、
前記トナー搬送装置は、前記画像形成装置本体に対して水平方向に移動されることで着脱可能であり、
前記第1ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第1リブと、前記第1リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第2リブと、前記第1リブ及び前記第2リブを連結する底面部と、を有し、
前記第2ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第3リブと、前記第3リブから、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に延びる天井部と、を有し、
前記第2リブは前記第1リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、
前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着した際は、前記第1リブは前記第3リブに近接配置され、かつ、前記第2リブは前記天井部に近接配置されて前記ダクト部が形成されている、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項2に記載された画像形成装置であって、
前記トナー搬送装置は、前記画像形成装置本体に対して水平方向に移動されることで着脱可能であり、
前記第1ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第1リブと、前記第1リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第2リブと、前記第1リブ及び前記第2リブを連結する底面部と、を有し、
前記第2ダクト分離部は、水平方向に延びる天井部を有し、
前記第2リブは前記第1リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、
前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着した際は、前記第1リブ及び前記第2リブのそれぞれが前記天井部と近接配置されて前記ダクト部が形成されている、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
表面にトナー像が形成される像担持体と、
前記像担持体からトナー像が転写され、前記記録媒体にトナー像を形成する無端状の中間転写ベルトと、を備え、
前記トナー搬送装置は、前記中間転写ベルト上に残留する廃トナーを除去するためのクリーニング装置である、ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1から請求項5までの何れか1つに記載の画像形成装置であって、
表面にトナー像が形成される像担持体と、
トナー像を前記像担持体の表面に形成するために、前記像担持体にトナーを供給する現像装置と、
トナーを含む現像剤を収容し前記現像装置へ現像剤を供給する現像剤収容装置と、を備え、
前記トナー搬送装置は前記現像剤収容装置である、ことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、熱源を備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、ファクシミリ装置、プリンタ、複合機等の画像形成装置は、感光体ドラムにより用紙にトナー像を形成し、このトナー像を用紙に定着することで用紙上に画像を形成する。具体的には、トナー像を形成している粉状のトナーを熱で溶かし、加圧ローラで圧力をかけることで用紙に定着させる。また、トナーを溶かすために定着装置は熱源であるヒーターを備えており、高温化している。
【0003】
また、トナーは熱により溶ける性質があることから、トナーを収容している装置等は、定着装置から離して配置することが好ましい。つまり、定着装置以外のこれらの装置において、トナーが溶融すると不具合が生じることとなる。例えば、感光体ドラムの表面にトナー像を形成する現像装置や、中間転写ベルトの表面に残った廃トナーを回収するクリーニング装置等は、加熱されにくいように、定着装置から十分離れた位置に配置されることが一般的である。
【0004】
しかし、近年、画像形成装置の小型化が進んでいることから、各部材の配置についての自由度が低下しつつある。そのため、定着装置の近くにクリーニング装置等を配置せざるを得ない場合がある。このような場合に、定着装置からの熱によりクリーニング装置内が熱くならないように、例えば、定着装置とクリーニング装置との間に遮熱板を配置するといった対策が取られる。しかし、遮熱板では、熱容量が小さく十分な断熱効果が得られないといった問題がある。
【0005】
そこで、さらに高い断熱効果を得るために、例えば、特許文献1には、定着ユニット(定着装置)の定着熱が外部に伝わらないように、遮断することができる画像形成装置が開示されている。特許文献1に開示された画像形成装置によると、定着ユニットまわりに冷却ダクトを設けてその排気口に軸流ファンを取り付け、その軸流ファンを作動して冷却ダクト内に空気を通し、空気で熱を奪って冷却し、さらに、排気口を通過する空気の流れの方向に合わせて、軸流ファンの軸方向を傾けて配置している。これにより、冷却ダクトの排気効率の低下を防ぎ、冷却効率が落ちることを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、遮熱板を設置するだけでは十分な断熱効果を得られないことから、上記特許文献1に開示された画像形成装置が提案されているが、特に長時間にわたって画像形成装置が動作している場合は、定着装置における発熱量が大きく、上記特許文献1に開示された画像形成装置であっても、ダクト内の温度が上昇し、十分に熱を遮断することができないとの問題があった。
【0008】
本開示は、上述の事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、定着装置の近傍に配置される部材の温度の上昇を抑制する画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様に係る画像形成装置は、記録媒体上にトナー像を形成し、前記記録媒体上に形成されたトナー像を定着させることで前記記録媒体に画像を形成する画像形成装置であって、前記記録媒体上に形成されたトナー像を熱定着させるための熱源を有する定着装置と、トナーを内部に保持して保持したトナーを搬送するトナー搬送装置と、前記定着装置から前記トナー搬送装置への熱を遮熱する遮熱部と、を備え、前記遮熱部は、通風路と、空洞を有するダクト部と、を有し、互いに対向配置された前記定着装置及び前記トナー搬送装置の間に、前記遮熱部が配置され、前記トナー搬送装置、前記通風路、前記ダクト部、前記定着装置の順に配置されている、ことを特徴とする。
【0010】
このように、上記画像形成装置は遮熱部を備えることから、熱源を有する定着装置から発せられた熱が、トナー搬送装置に伝わりにくい。これにより、トナー搬送装置の温度上昇が抑制され、トナー搬送装置内のトナーが溶融するといった不具合が生じることを防止することができる。さらに、遮熱部は通風路と、空洞を有するダクト部とを有することから、より確実に、熱の伝達を阻害することができる。また、熱を発する定着装置の近くに、トナー搬送装置を配置しているにもかかわらず、トナー搬送装置は定着装置からの熱の影響を受けにくいことから、トナー搬送装置と定着装置とを離れて設置する等の設計上の制約が少なくなるため、設計の自由度が向上し、画像形成装置の小型化も実現可能となる。
【0011】
また、上述の画像形成装置において、前記トナー搬送装置は、画像形成装置本体から着脱可能であり、前記画像形成装置本体から前記トナー搬送装置を着脱することに伴い、前記画像形成装置本体から着脱される、前記ダクト部の一部である第1ダクト分離部を備え、前記画像形成装置本体は、前記ダクト部の一部である第2ダクト分離部を有し、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体に装着されることにより、前記第1ダクト分離部及び前記第2ダクト分離部を含む前記ダクト部が構成されることとしてもよい。
【0012】
このように、トナー搬送装置が画像形成装置本体に装着されることにより、第1ダクト分離部及び第2ダクト分離部を含むダクト部が構成されることから、省スペース化を図りながら、トナー搬送装置の温度上昇を防止できる。
【0013】
また、上述の画像形成装置において、前記トナー搬送装置は、前記画像形成装置本体に対して水平方向に移動されることで着脱可能であり、前記第1ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第1リブと、前記第1リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第2リブと、前記第1リブ及び前記第2リブを連結する底面部と、を有し、前記第2ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第3リブと、前記第3リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第4リブと、前記第3リブ及び前記第4リブを連結する天井部と、を有し、前記第2リブは前記第1リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、前記第4リブは前記第3リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着する際に、前記第1リブ及び前記第4リブは互いに干渉しないように配置され、前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着した際は、前記第1リブは前記第3リブに近接配置され、かつ、前記第2リブは前記第4リブに近接配置されて前記ダクト部が形成されていることとしてもよい。
【0014】
これにより、トナー搬送装置が画像形成装置本体に装着されることによりダクト部が構成される構造を簡単な構成により実現することができる。また、ダクト部の一部である第3リブ及び第4リブは画像形成装置本体に設けられていることから、ダクト部の強度が向上する。
【0015】
また、上述の画像形成装置において、前記トナー搬送装置は、前記画像形成装置本体に対して水平方向に移動されることで着脱可能であり、前記第1ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第1リブと、前記第1リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第2リブと、前記第1リブ及び前記第2リブを連結する底面部と、を有し、前記第2ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第3リブと、前記第3リブから、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に延びる天井部と、を有し、前記第2リブは前記第1リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着した際は、前記第1リブは前記第3リブに近接配置され、かつ、前記第2リブは前記天井部に近接配置されて前記ダクト部が形成されていることとしてもよい。
【0016】
これにより、トナー搬送装置が画像形成装置本体に装着されることによりダクト部が構成される構造を簡単な構成により実現することができる。また、ダクト部の一部である第3リブ及び第4リブは画像形成装置本体に設けられていることから、ダクト部の強度が向上する。
【0017】
また、上述の画像形成装置において、前記トナー搬送装置は、前記画像形成装置本体に対して水平方向に移動されることで着脱可能であり、前記第1ダクト分離部は、鉛直方向に配置された第1リブと、前記第1リブに対して略平行であって鉛直方向に配置された第2リブと、前記第1リブ及び前記第2リブを連結する底面部と、を有し、前記第2ダクト分離部は、水平方向に延びる天井部を有し、前記第2リブは前記第1リブに対して、前記トナー搬送装置が前記画像形成装置本体から取り外される方向側に配置され、前記トナー搬送装置を前記画像形成装置本体に装着した際は、前記第1リブ及び前記第2リブのそれぞれが前記天井部と近接配置されて前記ダクト部が形成されていることとしてもよい。
【0018】
これにより、トナー搬送装置が画像形成装置本体に装着されることによりダクト部が構成される構造を簡単な構成により実現することができる。また、ダクト部の一部である第3リブ及び第4リブは画像形成装置本体に設けられていることから、ダクト部の強度が向上する。
【0019】
また、上述の画像形成装置において、表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体からトナー像が転写され、前記記録媒体にトナー像を形成する無端状の中間転写ベルトと、を備え、前記トナー搬送装置は、前記中間転写ベルト上に残留する廃トナーを除去するためのクリーニング装置であることとしてもよい。
【0020】
これにより、クリーニング装置が定着装置の近くに配置される構成であっても、クリーニング装置内の廃トナーが溶融するとの不具合が生じることを防止できる。また、クリーニング装置を定着装置の近くに配置することができるため、設計の自由度が高く、画像形成装置の小型化が可能となる。
【0021】
また、上述の画像形成装置において、表面にトナー像が形成される像担持体と、トナー像を前記像担持体の表面に形成するために、前記像担持体にトナーを供給する現像装置と、トナーを含む現像剤を収容し前記現像装置へ現像剤を供給する現像剤収容装置と、を備え、前記トナー搬送装置は前記現像剤収容装置であることとしてもよい。
【0022】
これにより、現像剤収容装置が定着装置の近くに配置される構成であっても、現像剤収容装置内に収容されたトナーが溶融するとの不具合が生じることを防止できる。また、現像剤収容装置を定着装置の近くに配置することができるため、設計の自由度が高く、画像形成装置の小型化が可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本開示によると、定着装置の近傍に配置される部材の温度の上昇を抑制する画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
【
図2】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置及びその周辺の概略構成を示す正面図である。
【
図3】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における定着装置、2次転写装置及び中間転写ベルト装置の取り外し方法について説明するための正面図である。
【
図4】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【
図5】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における定着装置を取り外した状態のクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【
図6】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト装置を取り外す途中のクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【
図7】本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト装置を取り外す途中のクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す斜視図である。
【
図8】本開示の第2実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置及びその周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【
図9】本開示の第3実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置及びその周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本開示に係る実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0026】
(第1実施形態)
本開示の第1実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を透視的に示す正面図である。
【0027】
ここで、以下に示す図に記載された座標において、X軸方向は画像形成装置100を正面から視て左右方向(横方向)を示しており、X軸正方向、X軸負方向はそれぞれ左側、右側を表している。Y軸方向は左右方向であるX軸に直交する奥行方向(前後方向)を示しており、Y軸正方向、Y軸負方向はそれぞれ操作側(正面側)、操作側の反対側である背面側を表している。Z軸方向は上下方向、つまり鉛直方向を表しており、Z軸正方向、Z軸負方向はそれぞれ上側、下側を表している。なお、画像形成装置100を示さず、画像形成装置100の構成部材のみを図示している場合は、当該構成部材が画像形成装置100に組み込まれている状態における座標を示している。
【0028】
画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能を有する複合機であり、画像読取装置102にて読み取った原稿Gの画像又は外部から受信した画像をカラー若しくは単色で用紙等のシートPに画像形成する。また、画像形成装置100は、画像読取装置102によって読み取った原稿Gの画像を外部に送信する。
【0029】
画像読取部130の上側には、画像読取部130に対して開閉自在に支持された原稿送り装置160〔自動原稿搬送装置(ADF)〕が設けられており、画像読取装置102が、原稿送り装置160を備えている。原稿送り装置160は、1枚又は複数枚の原稿Gを1枚ずつ順に搬送する。画像読取装置102は、1枚又は複数枚の原稿Gのうち1枚ずつ原稿送り装置160により搬送される原稿Gを読み取る。
【0030】
画像読取装置102は原稿載置台130aを備え、原稿載置台130a上に載置された原稿Gを読み取る載置原稿読取機能を備えている。画像形成装置100は、原稿送り装置160が開かれると、画像読取部130の上方の原稿載置台130aが開放され、原稿載置台130a上に原稿Gを手置きで置くことができるようになっている。また、原稿送り装置160は、原稿Gを載置する原稿載置トレイ161と、外部に排出された原稿Gを積載する原稿排出トレイ162とを備えている。
【0031】
画像読取装置102は、原稿送り装置160にて搬送された原稿Gを読み取る搬送原稿読取機能を備えている。原稿送り装置160は、原稿載置トレイ161に載置された原稿Gを画像読取部130における原稿読取部130b上に搬送する。画像読取部130は、走査光学系130cを走査して原稿載置台130aに載置された原稿を読み取るか又は原稿送り装置160にて搬送される原稿Gを読み取って画像データを生成する。
【0032】
画像形成装置本体101は、画像転写部50、光走査装置1、中間転写ベルト装置70、2次転写装置11、定着装置12、シート搬送路S、給紙カセット18、シート排出トレイ141を備えている。
【0033】
画像形成装置100では、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各色を用いたカラー画像、又は、単色(例えば、ブラック)を用いたモノクロ画像に応じた画像データが扱われる。
【0034】
画像形成装置100の画像転写部50は、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローの各色に対応する4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdを有している。これら画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdは、それぞれ、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5を備え、これら画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdにより4種類のトナー像が形成される。つまり、現像装置2、感光体ドラム3、ドラムクリーニング装置4及び帯電器5は、4つずつ設けられ、それぞれがブラック、シアン、マゼンタ及びイエローに対応付けられている。
【0035】
また、画像形成装置100において、4つの画像ステーションPa、Pb、Pc、Pdに対応するトナーカートリッジ21を有している。トナーカートリッジ21は、それぞれ対応する色のトナーを含む現像剤を収容する現像剤収容装置であり、対応する現像装置2にトナーを含む現像剤を供給する。なお、トナーカートリッジ21は2の上方に位置している。
【0036】
光走査装置1は、感光体ドラム3の表面を露光して静電潜像を形成する。現像装置2は、感光体ドラム3の表面の静電潜像を現像して、感光体ドラム3の表面にトナー像を形成する。ドラムクリーニング装置4は、感光体ドラム3の表面の残留トナーを除去及び回収する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。上述した一連の動作によって、各感光体ドラム3の表面に各色のトナー像が形成される。
【0037】
中間転写ベルト装置70は、中間転写ローラ6、無端状の中間転写ベルト71、中間転写駆動ローラ72、中間転写従動ローラ73及びクリーニング装置9を備えている。中間転写ベルト71は、周回移動可能な無端状のベルトであり、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73に巻きかけられている。つまり、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73は、中間転写ベルト71を張架している。中間転写ローラ6は、各色に応じた4種類のトナー像を形成するようにそれぞれ4つずつ中間転写ベルト71の内側に設けられている。中間転写ローラ6は、感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト71に転写する。
【0038】
画像形成装置100は、各感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像を順次転写して重ね合わせて、中間転写駆動ローラ72及び中間転写従動ローラ73に張架された中間転写ベルト71の表面にカラーのトナー像を形成する。中間転写ベルト71上に形成されたトナー像は、2次転写装置11においてシートPに転写される。ここで、中間転写ベルト71上に形成されたトナー像の一部は、シートPに転写されずに、廃トナーとして中間転写ベルト71の表面に残るが、この廃トナーはクリーニング装置9によって除去及び回収される。
【0039】
クリーニング装置9は、中間転写ベルト71の表面に残った廃トナーを除去するものであり、定着装置12の近傍に配置されている。クリーニング装置9は、中間転写ベルト71の表面に残った廃トナーを除去するクリーニングブレード91と、除去された廃トナーを搬送する廃トナー搬送スクリュー92と、を備えている。クリーニングブレード91は、中間転写ベルト71に当接して固定配置され、中間転写ベルト71が駆動することにより、中間転写ベルト71の表面に残った廃トナーを掻き取る。クリーニングブレード91により中間転写ベルト71の表面から掻き取られた廃トナーは、回転駆動する廃トナー搬送スクリュー92により搬送されて、図示していない廃トナー収容部に送られる。
【0040】
なお、詳細は後述するが、クリーニング装置9に隣接して、熱の伝達を阻害する遮熱部10が設置されている。ここで、遮熱部10は、通風路94及びダクト93を備えている。具体的には、通風路94は、クリーニング装置9の廃トナー搬送スクリュー92を囲うように配置されている(
図2を参照)。この通風路94が配置されていることにより、外部から熱が伝わってきても廃トナー搬送スクリュー92の温度上昇が防止される。さらに、空洞であるダクト93が、クリーニング装置9の廃トナー搬送スクリュー92に対して定着装置12側に配置されている。なお、ダクト93は前後方向(Y軸方向)に沿って延びる形状を有している。これにより定着装置12からの熱を遮断して廃トナー搬送スクリュー92(クリーニング装置9)の温度上昇を抑制することができる。
【0041】
2次転写装置11は、2次転写ローラ11aと中間転写ベルト71との間に転写ニップ領域TNを形成しており、シート搬送路Sを通じて搬送されてきたシートPを転写ニップ領域TNに挟み込んで搬送する。シートPは、転写ニップ領域TNを通過する際に、中間転写ベルト71の表面のトナー像が転写されて定着装置12に搬送される。
【0042】
定着装置12は、シートPを挟んで回転する定着ローラ31及び加圧ローラ32を備えている。定着装置12は、定着ローラ31及び加圧ローラ32の間にトナー像が転写されたシートPを挟み込んで加熱及び加圧し、トナー像をシートPに定着させる。図示していないが、定着ローラ31の内部に熱源であるヒーターが配置されており、ヒーターの発熱によりトナー像が転写されたシートPに接触する定着ローラ31の表面を加熱する。
【0043】
給紙カセット18は、画像形成に使用するシートPを蓄積しておくためのカセットであり、光走査装置1の下側に設けられている。シートPは、ピックアップローラ16によって給紙カセット18から引き出されて、シート搬送路Sに搬送される。シート搬送路Sに搬送されたシートPは、2次転写装置11や定着装置12を経由し、排出ローラ17に搬送され、排出部140におけるシート排出トレイ141に排出される。シート搬送路Sには、搬送ローラ13、レジストローラ14及び排出ローラ17が配置されている。搬送ローラ13は、シートPの搬送を促す。レジストローラ14は、シートPを一旦停止させてシートPの先端を揃える。さらに、レジストローラ14は、一旦停止したシートPを中間転写ベルト71上のカラートナー像のタイミングに合わせて搬送する。中間転写ベルト71上のカラートナー像は、中間転写ベルト71と2次転写ローラ11aとの間の転写ニップ領域TNでシートPに転写される。
【0044】
なお、
図1では、給紙カセット18が1つとされているがこれに限定されず、複数の給紙カセット18を設けた構成とし、それぞれに異なる種類のシートPを積載してもよい。
【0045】
また、画像形成装置100は、シートPの表面だけでなく、裏面に画像形成を行う場合は、シートPを排出ローラ17からシート反転経路Srに逆方向に搬送する。画像形成装置100は、逆方向に搬送されたシートPの表裏を反転し、レジストローラ14に再度導く。また、画像形成装置100は、レジストローラ14に導かれたシートPを表面と同様にして裏面に画像形成し、シート排出トレイ141に搬出する。
【0046】
次に、クリーニング装置9の構成及びその周辺の構成の詳細について図面を参照しながら説明する。
図2は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置及びその周辺の概略構成を示す正面図である。
【0047】
クリーニング装置9は、上述したように、中間転写ベルト71が駆動することにより、中間転写ベルト71の表面に残留した廃トナーを掻き取るクリーニングブレード91と、掻き取った廃トナーをY軸に沿った方向(前後方向)に搬送する廃トナー搬送スクリュー92と、を備えている。廃トナー搬送スクリュー92は、例えば、Y軸負方向である背面側(後側)に廃トナーを搬送する。そして、廃トナー搬送スクリュー92の端部は廃トナーの収容部(図示せず)に連結しており、廃トナーは収容部に溜められる。
【0048】
さらに、
図2に示すように、クリーニング装置9に隣接して、遮熱部10が設置されている。遮熱部10は、通風路94及びダクト93を備えている。
図2には示はされていないが、クリーニング装置9は定着装置12と対向して配置されている。具体的には、クリーニング装置9と定着装置12との間に遮熱部10(通風路94、ダクト93)が配置され。クリーニング装置9、通風路94、ダクト93、定着装置12の順に配置されている(
図4参照)。
【0049】
通風路94は、廃トナー搬送スクリュー92の周りを囲うように形成されている。通風路94は半円形の窪みを有し、その窪みに廃トナー搬送スクリュー92が嵌まるように構成されている。通風路94は上側外壁用リブ87、第3リブ83、第1リブ81、下側外壁用リブ86等により囲まれた空間であり、Y軸に沿った方向(前後方向)に延びて形成されている。この通風路94には、図示していないファンにより風が送られている。例えば、この風はY軸正方向側である正面側(前側)から、Y軸負方向側である背面側(後側)へと流れている。このように、廃トナー搬送スクリュー92の周りを囲むように配置された通風路94が空洞であり、かつ、風が流れていることから、定着装置12からの熱が遮断されて、廃トナー搬送スクリュー92周辺の温度の上昇が抑制される。また、通風路94は、上記ファンにより正面側の上部から画像形成装置100の外部の空気を取り込んで、後側へと流すこととすればよい。このように、画像形成装置本体101内よりも比較的温度の低い外部の空気を取り込むことにより、通風路94における遮熱効果を向上させることができる。
【0050】
また、通風路94の定着装置12側(X軸負方向側)には。ダクト93が形成されている。ダクト93は、第1リブ81、底面部95、第2リブ82、第4リブ84、天井部96及び第3リブ83等により囲まれた空間であり、Y軸に沿った方向(前後方向)に延びて形成されている。このように、定着装置12と廃トナー搬送スクリュー92との間には、空洞であるダクト93と、空洞であり風が流れている通風路94と、が設置されていることから、定着装置12から廃トナー搬送スクリュー92への熱は十分に遮断されることとなる。つまり、廃トナー搬送スクリュー92の温度上昇は十分に抑制されることとなる。
【0051】
上述した第3リブ83、第4リブ84及び上側外壁用リブ87は、いずれも板状であり、上側から下側へと延び、さらに、前後方向に延びる構成である。
また、これらは画像形成装置本体101に固定設置されている。つまり、第3リブ83、第4リブ84及び上側外壁用リブ87は、YZ平面に略平行である板状の構成である。また、第3リブ83及び第4リブ84は天井部96により連結され、所定の間隔だけ離れて設置されている。また、第3リブ83及び第4リブ84は天井部96からZ軸負方向である下側に向かって延びる形状である。なお、この天井部96も画像形成装置本体101に固定設置されている。
【0052】
また、上述した第1リブ81及び第2リブ82は、いずれも板状であり、下側から上側へと延び、さらに、前後方向に延びる構成である。つまり、第1リブ81及び第2リブ82は、YZ平面に略平行である板状の構成である。また、第1リブ81及び第2リブ8は底面部95により連結され、所定の間隔だけ離れて設置されている。また、第1リブ81及び第2リブ82は底面部95からZ軸正方向である上側に向かって延びる形状である。また、下側外壁用リブ86は、第1リブ81及び第2リブ82対して傾斜しているが、これらと同様に板状であり、下側から上側へと延び、さらに、前後方向に延びる構成である。つまり、YZ平面に対して傾斜した板状の構成である。
【0053】
ここで、第1リブ81及び第3リブ83、第2リブ82及び第4リブ84がそれぞれ、端部で近接配置されることによりダクト93が構成されている。なお、第1リブ81及び第3リブ83、第2リブ82及び第4リブ84は、それぞれ端部で当接していることが好ましいが、
図2に示すように、これらはそれぞれ近接配置されていればよい。また、下側外壁用リブ86及び上側外壁用リブ87、第1リブ81及び第3リブ83がそれぞれ、端部で近接配置されることにより通風路94が構成されている。なお、下側外壁用リブ86及び上側外壁用リブ87、第1リブ81及び第3リブ83は、それぞれ端部で当接していることが好ましいが、
図2に示すように、これらはそれぞれ近接配置されていればよい。
【0054】
詳細は後述するが、画像形成装置100において、中間転写ベルト装置70は画像形成装置本体101から取り外すことができるが、その場合でも、第3リブ83、第4リブ84、天井部96及び上側外壁用リブ87は画像形成装置本体101に固定設置されており、移動することはない。これに対して、中間転写ベルト装置70を画像形成装置本体101から取り外す際には、第1リブ81、第2リブ82及び下側外壁用リブ86は中間転写ベルト装置70及び中間転写ベルト装置70に設けられたクリーニングブレード91と共に移動することとなる。ここで、
図2に示す状態は、中間転写ベルト装置70は画像形成装置本体101に装着されている状態であり、この場合には、ダクト93及び通風路94が形成されている。しかし、画像形成装置本体101から中間転写ベルト装置70が取り外されると、ダクト93及び通風路94はそれぞれ分離されて形成されることはない。
【0055】
次に、画像形成装置本体101から中間転写ベルト装置70を取り外す手順について、図面を参照して説明する。
図3は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における定着装置、2次転写装置及び中間転写ベルト装置の取り外し方法について説明するための正面図である。
図4は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す正面図である。
図5は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における定着装置を取り外した状態のクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す正面図である。
図6は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト装置を取り外す途中のクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す正面図である。
図7は、本開示の第1実施形態に係る画像形成装置における中間転写ベルト装置を取り外す途中のクリーニング装置周辺の構成を透視的に示す斜視図である。
【0056】
図3に示すように、画像形成装置本体101の右側の面には開放可能な本体扉101aが設けられている。本体扉101aは
図3に示すように、下端を回転軸として開放可能であり、本体扉101aを開放することにより、画像形成装置本体101内が露呈し、画像形成装置本体101内に設置されている、定着装置12、2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を右側方向(X軸負方向)にスライドさせて、画像形成装置本体101から取り外すことができる。
【0057】
取り外す順番としては、まず、定着装置12を取り外し、その後、2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を一体として取り外すことができる。なお、図示はしていないが、クリーニング装置9は中間転写ベルト装置70に含まれることになるが、上述したように第3リブ83、第4リブ84、天井部96及び上側外壁用リブ87は画像形成装置本体101に固定設置されていることから、クリーニング装置9を含む中間転写ベルト装置70を取り外す際に、これら第3リブ83、第4リブ84、天井部96及び上側外壁用リブ87は画像形成装置本体101から取り外すことはできない。ただし、クリーニング装置9を含む中間転写ベルト装置70を画像形成装置本体101から取り外す場合、又は、装着する場合において、これらを移動させる際には、これらの移動に伴い、第1リブ81、第2リブ82、底面部95及び下側外壁用リブ86も移動する。
【0058】
図4に示すように、定着装置12、2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を取り外す前の通常の画像形成装置本体101において、クリーニング装置9を含む中間転写ベルト装置70の右側には2次転写装置11が配置されていて、中間転写駆動ローラ72の近傍には2次転写ローラ11aが配置されている。また、クリーニング装置9の右上側には熱源であるヒーターを内部に有する定着ローラ31を含む定着装置12が配置されていて、廃トナー搬送スクリュー92と、定着ローラ31との間には、ダクト93及び風が流れる通風路94が配置されている。上述したように、ダクト93及び通風路94が設置されていることから、定着ローラ31の発熱による廃トナー搬送スクリュー92の温度上昇が抑制される。
【0059】
このダクト93は、第1リブ81及び第3リブ83の端部同士が近接配置され、かつ、第2リブ82及び第4リブ84の端部同士が近接配置されることにより、空洞が形成されることで構成される。また、通風路94は、第1リブ81及び第3リブ83の端部同士が近接配置され、かつ、下側外壁用リブ86及び上側外壁用リブ87の端部同士が近接配置されることにより空洞が形成されることで構成されている。なお、図示していないファンにより、通風路94には風が送られ、通風路94内には前側から後側へと空気の流れが生じている。
【0060】
定着装置12、2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を画像形成装置本体101から取り外す場合は、
図4において画像形成装置本体101の右側に設置された本体扉101aを開放する。そして、まず、定着装置12を右側へとスライドさせて画像形成装置本体101から取り外す。これにより、
図5に示す状態となる。
【0061】
図5には、本体扉101aは開放され、さらに、定着装置12は取り外されている状態が示されている。この状態から、さらに、一体となった2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を右側にスライドさせていくと、
図6に示す状態となる。
【0062】
図6に示すように、一体となった2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を右側にスライドさせた状態では、第3リブ83、第4リブ84、天井部96及び上側外壁用リブ87は移動することなく、クリーニングブレード91、廃トナー搬送スクリュー92、第1リブ81、第2リブ82、底面部95及び下側外壁用リブ86が、右側に移動している。なお、この際に、第1リブ81が第4リブ84と干渉しないように、これらの配置及び上下方向の長さが設定されている。
【0063】
なお、
図7も、一体となった2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70を右側にスライドさせた状態を示している。ただし、
図7は、
図6に比べて、2次転写装置11及び中間転写ベルト装置70の右側へのスライド量が少ない状態である。
【0064】
このように、画像形成装置100において、中間転写ベルト装置70が画像形成装置本体101に装着されている状態では、クリーニング装置9に隣接して遮熱部10であるダクト93及び通風路94が形成されているが、中間転写ベルト装置70が画像形成装置本体101から取り外されると、ダクト93及び通風路94は分割されてこれらを構成しないようになる。
【0065】
なお、画像形成装置本体101から取り外された状態の中間転写ベルト装置70、2次転写装置11及び定着装置12を画像形成装置本体101に装着して、画像形成装置100を動作できる通常の状態にするには、上述した、これらを取り外す工程の逆の工程を行えばよい。つまり、画像形成装置本体101において本体扉101aが開放された状態で、まず、一体である中間転写ベルト装置70及び2次転写装置11を画像形成装置本体101の右側(X軸負方向側)から挿入し、左側(X軸正方向側)方向へとスライドさせて画像形成装置本体101内へと移動させる(
図6及び
図7を参照)。
【0066】
中間転写ベルト装置70が画像形成装置本体101に装着されることにより、画像形成装置本体101に固定配置された第3リブ83、第4リブ84及び上側外壁用リブ87のそれぞれに対して、第1リブ81、第2リブ82及び下側外壁用リブ86が近接配置されることとなり、ダクト93及び通風路94が形成される(
図5を参照)。なお、上述したが、ダクト93及び通風路94の密閉性の点からは、第3リブ83、第4リブ84及び上側外壁用リブ87のそれぞれと、第1リブ81、第2リブ82及び下側外壁用リブ86のそれぞれとは当接していることが好ましい。しかし、中間転写ベルト装置70を画像形成装置本体101に装着した際に、第3リブ83、第4リブ84及び上側外壁用リブ87のそれぞれと、第1リブ81、第2リブ82及び下側外壁用リブ86が近接配置されることとで、ダクト93及び通風路94が形成されていれば十分である。
【0067】
画像形成装置本体101に、中間転写ベルト装置70及び2次転写装置11を装着した後に、定着装置12を画像形成装置本体101の右側(X軸負方向側)から挿入し、左側(X軸正方向側)方向へとスライドさせて画像形成装置本体101内へと移動させて装着し、本体扉101aを閉じればよい(
図4を参照)。これにより、中間転写ベルト装置70、2次転写装置11及び定着装置12の装着が完了する。
【0068】
第1実施形態に係る画像形成装置100によれば、上述したように、ダクト93及び通風路94が設けられていることから、熱源を有する定着装置12の近傍にクリーニング装置9を配置したとしても、クリーニング装置9は定着装置12からの熱による影響を受けにくい。そのため、クリーニング装置9により、中間転写ベルト71から除去された廃トナーがクリーニング装置9内において熱により溶融するといった不具合が生じることを防止することができる。
【0069】
また、定着装置12の近くに配置しても定着装置12からの熱の影響を受けにくいことから、クリーニング装置9を定着装置12から離れた位置に設置する必要があるわけではなく設計の自由度が向上することから、画像形成装置100の省スペース化を実現できる。また、ダクト93及び通風路94は、複数の部材により構成されており、中間転写ベルト装置70が画像形成装置本体101に装着されることにより、ダクト93及び通風路94が形成される構成であることから、さらに設計の自由度が向上する。
【0070】
また、ダクト93が設けられていることから、通風路94内に送る風の量を減少させても十分な断熱効果を得ることができる。そのため、通風路94内に風を送るファンの動作を抑制することができる。
【0071】
また、画像形成装置本体101に固定設置された第3リブ83及び第4リブ84は、ダクト93及び通風路94の構成部品の一部であることから、ダクト93及び通風路94の強度が高いとの効果も奏する。
(第2実施形態)
本開示の第2実施形態に係る画像形成装置は、ダクト93及び通風路94を構成する部材が第1実施形態に係る画像形成装置100とは異なっているが、その他の構成は第1実施形態に係る画像形成装置100と同様である。そこで、第1実施形態とは異なる点について説明する。また、第1実施形態と同様の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0072】
本開示の第2実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図8は、本開示の第2実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置及びその周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【0073】
図8に示すように、第2実施形態において、第1実施形態では設置されていた第4リブ84が設置されていない。また、底面部95により第1リブ81と連結されている第2リブ82aは、上部側へと延び天井部96の右側端部と近接配置されている。このような構成であることから、ダクト93は、第1リブ81、底面部95、第2リブ82a、天井部96及び第3リブ83を含んで構成されている。
(第3実施形態)
本開示の第3実施形態に係る画像形成装置は、ダクト93及び通風路94を構成する部材が第1実施形態に係る画像形成装置100とは異なっているが、その他の構成は第1実施形態に係る画像形成装置100と同様である。そこで、第1実施形態とは異なる点について説明する。また、第1実施形態と同様の部材については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0074】
本開示の第3実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図9は、本開示の第3実施形態に係る画像形成装置におけるクリーニング装置及びその周辺の構成を透視的に示す正面図である。
【0075】
図9に示すように、第3実施形態において、第1実施形態では設置されていた第3リブ83及び第4リブ84が設置されていない。また、底面部95により連結され、上部側へと延びている第1リブ81a及び第2リブ82aは、いずれも上部側へと延び天井部96の下面部及び右側端部と近接配置される。このような構成であることから、ダクト93は、第1リブ81a、底面部95、第2リブ82a及び天井部96を含んで構成されている。
【0076】
上述したように、本実施形態1~3に係る画像形成装置100によれば、遮熱部10であるダクト93及び通風路94が設けられていることから、熱源を有する定着装置12の近傍にクリーニング装置9を配置したとしても、クリーニング装置9は定着装置12からの熱による影響を受けにくい。そのため、クリーニング装置9により、中間転写ベルト71から除去された廃トナーがクリーニング装置9内において熱により溶融するといった不具合が生じることを防止することができる。したがって、クリーニング装置9を定着装置12から離れた位置に設置する必要があるわけではなく設計の自由度が向上することから、画像形成装置100の省スペース化を実現できる。また、ダクト93及び通風路94は、複数の部材により構成されており、中間転写ベルト装置70が画像形成装置本体101に装着されることにより、ダクト93及び通風路94が形成される構成であることから、さらに設計の自由度が向上する。
【0077】
また、本実施形態1~3に係る画像形成装置100によれば、クリーニング装置9及び定着装置12との間に遮熱部10であるダクト93及び通風路94が設けられている構成としたが、クリーニング装置9以外に、トナーを内部に保持して搬送する装置の近傍に定着装置12が配置された構成であれば、これらの間にダクト93及び通風路94が設置された構成とすればよい。例えば、画像形成装置100において、
図1に示す構成ではなく、クリーニング装置9が中間転写従動ローラ73の近傍にある場合は、トナーカートリッジ21の容量を増やす等の目的で、トナーカートリッジ21が定着装置12側へと延伸し、トナーカートリッジ21が定着装置12の近傍に配置される構成としてもよいが、そのような場合は、定着装置12及びトナーカートリッジ21の間にダクト93及び通風路94が設置された構成とすればよい。
【0078】
本開示は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、かかる実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0079】
1 光走査装置
2 現像装置
3 感光体ドラム(像担持体)
4 ドラムクリーニング装置
5 帯電器
6 中間転写ローラ
9 クリーニング装置(トナー搬送装置)
10 遮熱部
11 2次転写装置
11a 2次転写ローラ
12 定着装置
13 搬送ローラ
14 レジストローラ
16 ピックアップローラ
17 排出ローラ
18 給紙カセット
21 トナーカートリッジ(現像剤収容装置、トナー搬送装置)
31 定着ローラ
32 加圧ローラ
70 中間転写ベルト装置
71 中間転写ベルト
72 中間転写駆動ローラ
73 中間転写従動ローラ
81、81a 第1リブ(第1ダクト分離部)
82、82a 第2リブ(第1ダクト分離部)
83 第3リブ(第2ダクト分離部)
84 第4リブ(第2ダクト分離部)
86 下側外壁用リブ
87 上側外壁用リブ
91 クリーニングブレード
92 廃トナー搬送スクリュー
93 ダクト(ダクト部)
94 通風路
95 底面部(第1ダクト分離部)
96 天井部(第2ダクト分離部)
101a 本体扉
100 画像形成装置
101 画像形成装置本体
102 画像読取装置
130 読取部
130a 原稿載置台
130b 原稿読取部
131 走査光学系
140 排出部
141 シート排出トレイ
160 原稿送り装置
161 原稿載置トレイ
162 原稿排出トレイ
G 原稿
P シート(記録媒体)
Pa、Pb、Pc、Pd 画像ステーション
S シート搬送路
Sr シート反転経路
TN 転写ニップ領域