(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025148718
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】流路デバイスの準備方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/08 20060101AFI20251001BHJP
G01N 37/00 20060101ALI20251001BHJP
【FI】
G01N35/08 A
G01N37/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024048977
(22)【出願日】2024-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(74)【代理人】
【識別番号】100156177
【弁理士】
【氏名又は名称】池見 智治
(74)【代理人】
【識別番号】100130166
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】金巻 泰仁
(72)【発明者】
【氏名】大橋 康隆
【テーマコード(参考)】
2G058
【Fターム(参考)】
2G058DA07
(57)【要約】
【課題】流路デバイスの使用前の準備で流路部を液体で効率よく満たす。
【解決手段】本体部を備えた流路デバイスの準備方法は、第2A工程と第2B工程を含む第2工程と、第3工程とを有する。第2A工程では、第3排出孔から本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第1開状態として、第1導入孔と第3流路を介して第1流路に液体を供給して、第1導入孔から第1流路を経て第3排出孔に至る第1領域を液体で満たす。第2B工程では、第3排出孔から本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられた第1閉状態に設定し、第1導入孔と第3流路を介して第1流路に液体を供給して、第1導入孔から第1流路を経て第1排出孔に至る第2領域を液体で満たす。第3工程では、第1導入孔と第3流路を介して第1流路に液体を供給しつつ、第2排出孔および複数の第2流路を介して第1流路から液体を吸引して、第1流路から各第2流路を経て第2排出孔に至る第3領域を液体で満たす。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路デバイスの準備方法であって、
第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しており、
前記流路デバイスは、流路部と複数の孔とを有する本体部を備えており、
前記流路部は、前記本体部の外面において開口しておらず、
前記複数の孔のそれぞれは、前記流路部に通じており且つ前記外面においてそれぞれ開口しており、
前記流路部は、第1流路と、複数の第2流路と、第3流路と、第4流路と、第5流路と、を含み、
前記第1流路は、第1上流部と、該第1上流部とは逆側の第1下流部とを有し、
前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路のうちの前記第1上流部と前記第1下流部との間において前記第1流路に接続しており、
前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路よりも細く、かつ前記第1流路とは逆側の第2下流部を有し、
前記第3流路は、前記第1上流部に接続しており、
前記第4流路は、前記第1下流部に接続しており、
前記第5流路は、前記第1下流部に接続しており、
前記複数の孔は、第1導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含み、
前記第1導入孔は、前記第3流路を介して前記第1上流部に接続しており、
前記第1排出孔は、前記第4流路を介して前記第1下流部に接続しており、
前記第2排出孔は、前記複数の第2流路のそれぞれにおける前記第2下流部に通じており、
前記第3排出孔は、前記第5流路を介して前記第1下流部に接続しており、
前記第1工程において、前記流路デバイスを配置し、
前記第1工程を実行した後に前記第2工程を実行するとともに、前記第2工程を実行した後に前記第3工程を実行し、
前記第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有し、
前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行するか、あるいは前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行し、
前記第2A工程において、前記第3排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第1開状態に設定して、液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第5流路を経て前記第3排出孔に至る第1領域を前記液体で満たし、
前記第2B工程において、前記第3排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第1閉状態に設定して、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第4流路を経て前記第1排出孔に至る第2領域を前記液体で満たし、
前記第3工程において、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給するとともに、吸引機構によって前記第2排出孔および前記複数の第2流路を介して前記第1流路から前記液体を吸引することで、前記第1流路から前記複数の第2流路のそれぞれを経て前記第2排出孔に至る第3領域を前記液体で満たす、流路デバイスの準備方法。
【請求項2】
請求項1に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第2A工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第2閉状態に設定し、
前記第2B工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第2開状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項3】
流路デバイスの準備方法であって、
第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しており、
前記流路デバイスは、流路部と複数の孔とを有する本体部を備えており、
前記流路部は、前記本体部の外面において開口しておらず、
前記複数の孔のそれぞれは、前記流路部に通じており且つ前記外面においてそれぞれ開口しており、
前記流路部は、第1流路と、複数の第2流路と、第3流路と、第4流路と、第5流路と、を含み、
前記第1流路は、第1上流部と、該第1上流部とは逆側の第1下流部とを有し、
前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路のうちの前記第1上流部と前記第1下流部との間において前記第1流路に接続しており、
前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路よりも細く、かつ前記第1流路とは逆側の第2下流部を有し、
前記第3流路は、前記第1上流部に接続しており、
前記第4流路は、前記第1下流部に接続しており、
前記第5流路は、前記第1下流部に接続しており、
前記複数の孔は、第1導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含み、
前記第1導入孔は、前記第3流路を介して前記第1上流部に接続しており、
前記第1排出孔は、前記第4流路を介して前記第1下流部に接続しており、
前記第2排出孔は、前記複数の第2流路のそれぞれにおける前記第2下流部に通じており、
前記第3排出孔は、前記第5流路を介して前記第1下流部に接続しており、
前記第1工程において、前記流路デバイスを配置し、
前記第1工程を実行した後に前記第2工程を実行するとともに、前記第2工程を実行した後に前記第3工程を実行し、
前記第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有し、
前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行するか、あるいは前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行し、
前記第2A工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第2閉状態に設定して、液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第5流路を経て前記第3排出孔に至る第1領域を前記液体で満たし、
前記第2B工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第2開状態に設定して、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第4流路を経て前記第1排出孔に至る第2領域を前記液体で満たし、
前記第3工程において、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給するとともに、吸引機構によって前記第2排出孔および前記複数の第2流路を介して前記第1流路から前記液体を吸引することで、前記第1流路から前記複数の第2流路のそれぞれを経て前記第2排出孔に至る第3領域を前記液体で満たす、流路デバイスの準備方法。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第1工程において、前記第3排出孔に第1弁を含む第1開閉機構をつなげ、
前記第2A工程において、前記第1弁によって前記第1開状態に設定し、
前記第2B工程において、前記第1弁によって前記第1閉状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項5】
請求項2または請求項3に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記外面は、第1方向の側に位置している第1面と、前記第1方向の逆の第2方向の側に位置している第2面と、を含み、
前記第1排出孔は、前記第1面において開口している開口を有し、
前記本体部は、前記第1排出孔の前記第2方向の側に位置しており且つ前記第2方向に凹んでいる凹状部を含み、
前記第1工程において、前記第1面が上向きとなる形態で前記流路デバイスを配置し、
前記第2A工程において、前記開口を第1所定部材によって塞ぐことで、前記第2閉状態に設定し、
前記第2B工程において、前記開口を前記第1所定部材で塞がないことで、前記第2開状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項6】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第2A工程において、前記第2排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第3閉状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項7】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第2B工程において、前記第2排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第3閉状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項8】
請求項6に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第1工程において、前記第2排出孔に流路切換部を介して前記吸引機構を接続し、
前記第2A工程および前記第2B工程のうちの1つ以上の工程において、前記第3閉状態に設定する場合に、前記流路切換部によって前記第3閉状態に設定し、
前記第3工程において、前記流路切換部によって、前記第2排出孔と前記吸引機構とが通じている吸引可能状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項9】
請求項8に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記流路切換部は、第1流路切換機構と第2流路切換機構とを含み、
前記第1工程において、前記第2排出孔に前記第1流路切換機構が通じているとともに、該第1流路切換機構に前記第2流路切換機構が通じており、かつ該第2流路切換機構に前記吸引機構が通じている状態に設定し、
前記第2A工程および前記第2B工程のうちの1つ以上の工程において、前記第3閉状態に設定する場合に、前記第1流路切換機構および前記第2流路切換機構のそれぞれにおける流路の状態によって前記第3閉状態に設定し、
前記第3工程において、前記第1流路切換機構および前記第2流路切換機構のそれぞれにおける流路の状態によって、前記吸引可能状態に設定する、流路デバイスの準備方法。
【請求項10】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行する、流路デバイスの準備方法。
【請求項11】
請求項1から請求項3の何れか1つの請求項に記載の流路デバイスの準備方法であって、
前記第2工程において、前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行する、流路デバイスの準備方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流路デバイスの準備方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数種の複数の粒子を含む液体から特定の種の複数の粒子を他の種の複数の粒子と分離するために、分岐している複数の微細な流路を有する部分(流路部ともいう)を含んだ流路デバイスがある(例えば、特許文献1の記載を参照)。
【0003】
流路部は、例えば、主流路と、この主流路よりもそれぞれが細く且つこの主流路にそれぞれ接続した複数の分岐流路と、を有する。ここで、例えば、特定の種の粒子の径が他の種の粒子の径よりも大きく、複数の分岐流路のそれぞれの幅が、他の種の粒子の径よりも大きな場合には、他の種の複数の粒子を主流路から複数の分岐流路へ流入させることで主流路を流れる特定の種の複数の粒子と分離することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
流路デバイスについては、流路デバイスを使用する前の準備において、流路部を液体で効率よく満たす点で改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
流路デバイスの準備方法が開示される。
【0007】
流路デバイスの準備方法の一態様は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有する。前記流路デバイスは、流路部と複数の孔とを有する本体部を備えている。前記流路部は、前記本体部の外面において開口していない。前記複数の孔のそれぞれは、前記流路部に通じており且つ前記外面においてそれぞれ開口している。前記流路部は、第1流路と、複数の第2流路と、第3流路と、第4流路と、第5流路と、を含む。前記第1流路は、第1上流部と、該第1上流部とは逆側の第1下流部とを有する。前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路のうちの前記第1上流部と前記第1下流部との間において前記第1流路に接続している。前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路よりも細く、かつ前記第1流路とは逆側の第2下流部を有する。前記第3流路は、前記第1上流部に接続している。前記第4流路は、前記第1下流部に接続している。前記第5流路は、前記第1下流部に接続している。前記複数の孔は、第1導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含む。前記第1導入孔は、前記第3流路を介して前記第1上流部に接続している。前記第1排出孔は、前記第4流路を介して前記第1下流部に接続している。前記第2排出孔は、前記複数の第2流路のそれぞれにおける前記第2下流部に通じている。前記第3排出孔は、前記第5流路を介して前記第1下流部に接続している。前記第1工程において、前記流路デバイスを配置する。前記第1工程を実行した後に前記第2工程を実行するとともに、前記第2工程を実行した後に前記第3工程を実行する。前記第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有する。前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行するか、あるいは前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行する。前記第2A工程において、前記第3排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第1開状態に設定して、液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第5流路を経て前記第3排出孔に至る第1領域を前記液体で満たす。前記第2B工程において、前記第3排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第1閉状態に設定して、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第4流路を経て前記第1排出孔に至る第2領域を前記液体で満たす。前記第3工程において、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給するとともに、吸引機構によって前記第2排出孔および前記複数の第2流路を介して前記第1流路から前記液体を吸引することで、前記第1流路から前記複数の第2流路のそれぞれを経て前記第2排出孔に至る第3領域を前記液体で満たす。
【0008】
流路デバイスの準備方法の一態様は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有する。前記流路デバイスは、流路部と複数の孔とを有する本体部を備えている。前記流路部は、前記本体部の外面において開口していない。前記複数の孔のそれぞれは、前記流路部に通じており且つ前記外面においてそれぞれ開口している。前記流路部は、第1流路と、複数の第2流路と、第3流路と、第4流路と、第5流路と、を含む。前記第1流路は、第1上流部と、該第1上流部とは逆側の第1下流部とを有する。前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路のうちの前記第1上流部と前記第1下流部との間において前記第1流路に接続している。前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路よりも細く、かつ前記第1流路とは逆側の第2下流部を有する。前記第3流路は、前記第1上流部に接続している。前記第4流路は、前記第1下流部に接続している。前記第5流路は、前記第1下流部に接続している。前記複数の孔は、第1導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含む。前記第1導入孔は、前記第3流路を介して前記第1上流部に接続している。前記第1排出孔は、前記第4流路を介して前記第1下流部に接続している。前記第2排出孔は、前記複数の第2流路のそれぞれにおける前記第2下流部に通じている。前記第3排出孔は、前記第5流路を介して前記第1下流部に接続している。前記第1工程において、前記流路デバイスを配置する。前記第1工程を実行した後に前記第2工程を実行するとともに、前記第2工程を実行した後に前記第3工程を実行する。前記第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有する。前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行するか、あるいは前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行する。前記第2A工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第2閉状態に設定して、液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第5流路を経て前記第3排出孔に至る第1領域を前記液体で満たす。前記第2B工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第2開状態に設定して、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第4流路を経て前記第1排出孔に至る第2領域を前記液体で満たす。前記第3工程において、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給するとともに、吸引機構によって前記第2排出孔および前記複数の第2流路を介して前記第1流路から前記液体を吸引することで、前記第1流路から前記複数の第2流路のそれぞれを経て前記第2排出孔に至る第3領域を前記液体で満たす。
【発明の効果】
【0009】
流路デバイスを使用する前の準備において、流路部を液体で効率よく満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る流路デバイスの構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る流路デバイスの構成の一例を模式的に示す正面図である。
【
図3】
図3は、
図1の位置III-IIIにおいて流路デバイスを+Y方向に向かって見た仮想的な断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1部分の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図5】
図5は、第1部分の構成の一例を模式的に示す正面図である。
【
図6】
図6は、
図4の位置VI-VIにおいて第1部分を+X方向に向かって見た仮想的な断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図7】
図7は、
図4の位置VII-VIIにおいて第1部分を+X方向に向かって見た仮想的な断面の一例を模式的に示す断面図である。
【
図8】
図8は、第2部分の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図9】
図9は、第3部分の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図10】
図10は、流路デバイスにおける流路部および複数の孔の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【
図12】
図12は、流路デバイスを用いて第2液体から複数の第1粒子を複数の第2粒子と分離する処理の流れの一例を示す流れ図である。
【
図13】
図13は、準備工程における処理の流れの一例を示す流れ図である。
【
図14】
図14は、第2工程における処理の流れの一例を示す流れ図である。
【
図15】
図15は、準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図16】
図16は、準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図17】
図17は、準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図18】
図18は、準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図19】
図19は、準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図20】
図20は、準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図21】
図21は、準備工程の第2工程のうちの第2A工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図22】
図22は、準備工程の第2工程のうちの第2B工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図23】
図23は、準備工程の第3工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図24】
図24は、第2実施形態に係る第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図25】
図25は、第2実施形態に係る第2A工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図26】
図26は、第2実施形態に係る第2B工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図27】
図27は、第2実施形態に係る第3工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図28】
図28は、第3実施形態に係る準備工程の第1工程の一例を説明するための模式図である。
【
図29】
図29は、第3実施形態に係る第2A工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図30】
図30は、第3実施形態に係る第2B工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図31】
図31は、第3実施形態に係る第3工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図32】
図32は、第4実施形態に係る第2工程における処理の流れの一例を示す流れ図である。
【
図33】
図33は、第4実施形態に係る第2B工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図34】
図34は、第4実施形態に係る第2A工程における流路デバイスの状態の一例を模式的に示す図である。
【
図35】
図35は、流路デバイスの構成の他の一例を模式的に示す正面図である。
【
図36】
図36は、第1部分の構成の他の一例を模式的に示す平面図である。
【
図37】
図37は、第1部分の構成の他の一例を模式的に示す正面図である。
【
図38】
図38は、第3部分の構成の他の一例を模式的に示す平面図である。
【
図39】
図39は、準備工程の第1工程の他の第1例を説明するための模式図である。
【
図40】
図40は、準備工程の第1工程の他の第2例を説明するための模式図である。
【
図41】
図41は、準備工程の第1工程の他の第3例を説明するための模式図である。
【
図42】
図42は、準備工程の第1工程の他の第4例を説明するための模式図である。
【
図43】
図43は、流路デバイスにおける流路部および複数の孔の構成の別の一例を模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
複数種の複数の粒子を含む液体(被処理液体ともいう)から特定の種の複数の粒子(第1粒子ともいう)を他の種の複数の粒子(第2粒子ともいう)と分離するために、分岐している複数の微細な流路を有する部分(流路部ともいう)を含んだ流路デバイスがある。
【0012】
この流路デバイスは、例えば、外面において開口していない流路部と、この流路部にそれぞれ通じており且つ外面においてそれぞれ開口している複数の孔と、を備えている。ここで、例えば、流路部が、主流路と、複数の分岐流路と、第1導入流路と、第2導入流路と、第1排出流路と、第2排出流路と、を含むとともに、複数の孔が、第1導入孔と、第2導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含む構成が考えられる。
【0013】
この構成の一例では、主流路は、一方向(第1長手方向ともいう)に沿って延びている。複数の分岐流路のそれぞれは、主流路にそれぞれ接続しており且つ主流路よりも細く、主流路における上流部(第1上流部ともいう)と下流部(第1下流部ともいう)との間において、主流路のうちの長手方向に直交している方向(第1幅方向ともいう)の側に位置している側面(第1側面ともいう)において開口している。第1導入流路は、第1導入孔と第1上流部とを接続しているとともに、第1上流部に接続している部分が主流路のうちの第1幅方向とは逆方向(第2幅方向ともいう)の側に位置している側面(第2側面ともいう)において開口している。第2導入流路は、第2導入孔と第1上流部とを接続しているとともに、第1上流部に接続している部分が第1長手方向に沿って延びている。第1排出流路は、第1排出孔と第1下流部とを接続しているとともに、第1下流部に接続している部分が主流路のうちの第1幅方向の側に位置している第1側面において開口している。第2排出孔は、複数の分岐流路のそれぞれの主流路とは逆側の部分(第2下流部ともいう)と通じている。第2排出流路は、第3排出孔と第1下流部とを接続している。
【0014】
上記構成の一例を有する流路デバイスを用いて、第1導入孔から第1導入流路を介して主流路の第1上流部に対して液体(押付用液体ともいう)を供給しながら、第2導入孔から第2導入流路を介して被処理液体を供給する。この場合には、主流路において、第1幅方向の側に位置している第1側面に沿った領域に、被処理液体を複数の分岐流路へ導入する流れ(導入流ともいう)が生じる。ここで、第2粒子の径が複数の分岐流路のそれぞれの幅よりも小さく、複数の分岐流路の幅が、第1粒子の径よりも小さいか、第1粒子の径と同等か、もしくは第1粒子の径よりも若干大きく、第1排出流路の幅が第1粒子の径よりも大きい場合を想定する。この場合には、導入流の幅が、この導入流の領域に複数の第1粒子のそれぞれの重心の位置が含まれない幅であり、且つこの導入流の領域に複数の第2粒子のそれぞれの重心の位置が含まれる幅であれば、複数の第2粒子が複数の分岐流路の何れかに流入し得るとともに、複数の第1粒子が複数の分岐流路には流入せずに主流路の第1下流部まで流れ得る。導入流の幅は、例えば、主流路および複数の分岐流路のそれぞれの断面積および長さの調整と被処理液体および押付用液体の流量の調整とによって設定され得る。また、第1下流部まで到達した複数の第1粒子は、主流路において複数の第2粒子が複数の第2流路の何れかへ導入されたのと同じ作用によって、第2排出流路ではなく第1排出流路へ流入し、この第1排出流路を介して第1排出孔に至る。これにより、被処理液体のうちの複数の第1粒子を含む液体を、複数の第2粒子を含む液体とは分離して回収することができる。また、被処理液体のうちの複数の分岐流路の何れかへ流れた複数の第2粒子と第1排出流路へ流れた複数の第1粒子とを除く組成物(残余の組成物ともいう)は、第2排出流路を介して第3排出孔へ至る。
【0015】
ところで、例えば、主流路の太さが、複数の分岐流路のそれぞれにおける太さよりも大きい場合には、主流路における第1上流部から第1下流部に向けた液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路のそれぞれにおける上流から下流に向けた液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、例えば、主流路のうちの複数の分岐流路のそれぞれが接続している複数の部分(分岐部分ともいう)よりも上流に被処理液体を供給すると、複数の分岐流路では空気の存在によって少なくとも一部の分岐流路において液体が流れ難く、主流路では下流に向けて液体が流れ易い。これにより、例えば、液体が流れ難い分岐流路に対しては、第2粒子が主流路から分岐流路へ導入され難く、流路デバイスにおいて複数の第1粒子と複数の第2粒子とが十分に分離されない不具合が生じ得る。
【0016】
また、第1排出流路と第2排出流路との間においても、太さおよび形状などによって液体の流れに対する抵抗が異なり得る。このため、例えば、主流路の第1下流部から第1排出流路を介した第1排出孔への液体の流れが、主流路の第1下流部から第2排出流路を介した第3排出孔への液体の流れよりも先に生じる場合がある。この場合には、主流路において第1上流部から第1下流部まで流れてきた液体が、第2排出流路における空気の存在によって第3排出孔までは流れず、第1排出孔へ液体が流れて、第1排出孔から回収される複数の第1粒子を含む液体において、複数の第1粒子の濃度の低下ならびに残余の組成物が混入などの不具合が生じ得る。また、例えば、主流路の第1下流部から第2排出流路を介した第3排出孔への液体の流れが、主流路の第1下流部から第1排出流路を介した第1排出孔への液体の流れよりも先に生じる場合がある。この場合には、主流路において第1上流部から第1下流部まで流れてきた液体が、第1排出流路における空気の存在によって第1排出孔までは流れず、第3排出孔へ液体が流れて、第1排出孔から複数の第1粒子を含む液体を回収することができない不具合などが生じ得る。
【0017】
そこで、例えば、流路デバイスにおいて、被処理液体を主流路の上流に供給する前に、流路部を所定の液体(前処理液体ともいう)で満たしておく処理(前処理ともいう)を行うことが考えられる。
【0018】
ここでは、例えば、主流路に前処理液体を供給する場合にも、主流路における上流から下流に向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路のそれぞれにおける上流から下流に向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、例えば、主流路のうちの複数の分岐部分よりも上流に前処理液体を供給すると、複数の分岐流路では空気の存在によって前処理液体が流れ難く、主流路では下流に向けて前処理液体が流れ易い。よって、例えば、主流路に前処理液体を供給することによって複数の分岐流路を前処理液体で満たすことは容易でない。
【0019】
ここで、例えば、流路デバイスがポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)などの特定の素材で構成されている場合には、真空パックに封入された流路デバイスを真空パックから取り出してから所定の許容時間内において主流路の上流に前処理液体を供給することで、複数の分岐流路が前処理液体で満たされ易くなる態様が考えられる。しかしながら、この態様では、所定の許容時間は、例えば、10分から30分程度に設定され、真空パックの開放後の厳格な時間の管理などの煩雑な作業が必要となる。
【0020】
また、ここで、例えば、流路デバイスを使用する直前に、流路デバイスの全体を真空チャンバに入れて、真空ポンプによって真空チャンバ内を減圧して、流路部内を真空にする真空引きを行う態様が考えられる。また、例えば、流路デバイスを使用する直前に、流路デバイスにおける流路部に繋がる一部の開口に真空ポンプを接続するとともに残りの全ての開口を塞いだ状態で、真空ポンプによって流路部内を真空にする真空引きを行う態様も考えられる。しかしながら、これらの流路デバイスを使用する直前に流路部内を真空にする真空引きを行う態様では、大掛かりな装置が必要となる。特に、流路デバイスにおける流路部に繋がる開口の数が多い場合には、装置の大型化および複雑化、ならびに制御の複雑化などを招く。
【0021】
そこで、例えば、被処理液体を主流路の上流に供給する前に、流路部を前処理液体で満たす前処理を行う際には、主流路から複数の分岐流路および第2排出孔を介して前処理液体を吸引することで、複数の分岐流路のそれぞれを前処理液体で満たすことが考えられる。
【0022】
ところが、主流路に前処理液体を供給する場合にも、第1排出流路と第2排出流路との間において、太さおよび形状などによって前処理液体の流れに対する抵抗が異なり得る。このため、例えば、主流路のうちの第1上流部から第1下流部まで前処理液体が供給された後に、第1下流部から第1排出流路を介した第1排出孔への前処理液体の流れが、第1下流部から第2排出流路を介した第3排出孔への前処理液体の流れよりも先に生じる場合がある。この場合には、主流路において第1上流部から第1下流部まで流れてきた前処理液体が、第2排出流路における空気の存在によって、第3排出孔までは流れず、第1排出流路を介して第1排出孔へ向けて流れ続けることで、第2排出流路を前処理液体で満たすことができない不具合が生じ得る。また、例えば、主流路のうちの第1上流部から第1下流部まで前処理液体が供給された後に、第1下流部から第2排出流路を介した第3排出孔への前処理液体の流れが、第1下流部から第1排出流路を介した第1排出孔への前処理液体の流れよりも先に生じる場合がある。この場合には、主流路において第1上流部から第1下流部まで流れてきた前処理液体が、第1排出流路における空気の存在によって、第1排出孔までは流れず、第2排出流路を介して第3排出孔へ向けて流れ続けることで、第1排出流路を前処理液体で満たすことができない不具合が生じ得る。
【0023】
このため、流路デバイスについては、流路デバイスを使用する前の準備において、流路部を液体で効率よく満たす点で改善の余地がある。
【0024】
そこで、本開示の発明者は、流路デバイスを使用する前の準備において、流路部を液体で効率よく満たすことができる技術を創出した。
【0025】
これについて、以下、各種の実施形態について図面を参照しつつ説明する。図面においては同一または類似の構成および機能を有する部分に同じ符号が付されている。下記の説明では重複する説明が省略される。図面は模式的に示されている。
【0026】
図面には適宜的に右手系のXYZ座標系が付記された図が含まれている。以下の説明では+Z方向が鉛直上向き(単に上向きともいう)に設定されている。鉛直下向きは、-Z方向とも表現される。X方向と逆の方向は、-X方向とも表現される。Y方向と逆の方向は、-Y方向とも表現される。
【0027】
以下の説明において「流路」は液体が流れる構造を有する。流路が延びている方向に対して直交する方向における当該流路の長さは、当該流路の幅と称される。流路の幅が相対的に小さいことは、流路が相対的に細いことを意味する。流路の幅が相対的に大きいことは、流路が相対的に太いことを意味する。
【0028】
<1.第1実施形態>
<1-1.流路デバイスの構成の一例>
図1は、第1実施形態に係る流路デバイス100の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図2は、第1実施形態に係る流路デバイス100の構成の一例を模式的に示す正面図である。
図3は、
図1の位置III-IIIにおいて流路デバイス100を+Y方向に向かって見た仮想的な断面の一例を模式的に示す断面図である。
【0029】
図1から
図3に示されるように、流路デバイス100は、本体部1を備えている。本体部1は、外面1sを有する。第1実施形態では、流路デバイス100は、第1液体供給部3と、第2液体供給部2と、を備えている。
【0030】
本体部1は、例えば、板状の形状を有する。外面1sは、例えば、第1方向としての+Z方向の側に位置している第1面としての上面1aと、第1方向の逆の第2方向としての-Z方向の側に位置している第2面としての下面1bと、を含む。換言すれば、本体部1は、例えば、第1面としての上面1aと、この上面1aとは逆側の第2面としての下面1bと、を有する。本体部1は、例えば、第3面としての側面1cを有する。
【0031】
図1から
図3の例では、外面1sは、第1方向に直交している第3方向としての-Y方向の側の面と、第1方向および第3方向のそれぞれに直交している第4方向としての+X方向の側の面と、第4方向とは逆の第5方向としての-X方向の側の面と、第3方向とは逆の第6方向としての+Y方向の側の面と、を有する。
【0032】
図1から
図3の例では、上面1aは、第1方向としての+Z方向の側の面である。別の観点から言えば、上面1aは、第1方向としての+Z方向を向いた面である。例えば、上面1aは、XY平面に沿った面であって、+Z方向に沿った法線を有する。下面1bは、第2方向としての-Z方向の側の面である。別の観点から言えば、下面1bは、第2方向としての-Z方向を向いた面である。例えば、下面1bは、XY平面に沿った面であって、-Z方向に沿った法線を有する。換言すれば、上面1aは、下面1bよりも+Z方向の側に位置している。側面1cは、第3方向としての-Y方向の側の面と、第4方向としての+X方向の側の面と、第5方向としての-X方向の側の面と、第6方向としての+Y方向の側の面と、を含む。別の観点から言えば、側面1cは、第1方向としての+Z方向に対して直交する方向を向いた面である。例えば、側面1cは、第3方向としての-Y方向を向いた面と、第4方向としての+X方向を向いた面と、第5方向としての-X方向を向いた面と、第6方向としての+Y方向を向いた面と、を含む。
【0033】
本体部1の厚さは、例えば、数ミリメートル(mm)から10mm程度に設定される。本体部1の厚さは、例えば、本体部1の第1方向としての+Z方向に沿った長さであってよい。本体部1の幅は、例えば、30mmから100mm程度に設定される。本体部1の幅は、本体部1を平面視した場合における本体部1の第4方向としての+X方向に沿った長さであってよい。以下では、特に説明しなければ、「平面視した場合」とは、第2方向としての-Z方向に向けて平面視した場合を意味する。本体部1の長さは、例えば、30mmから100mm程度に設定される。本体部1の長さは、本体部1を平面視した場合における本体部1の第3方向としての-Y方向に沿った長さであってよい。
【0034】
第1実施形態の一例では、流路デバイス100は、例えば、第1部分101と、第2部分102と、第3部分103と、を有する。第1部分101、第2部分102および第3部分103のそれぞれの素材には、例えば、樹脂が適用される。
【0035】
図4は、第1部分101の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図5は、第1部分101の構成の一例を模式的に示す正面図である。
図6は、
図4の位置VI-VIにおいて第1部分101を+X方向に向かって見た仮想的な断面の一例を模式的に示す断面図である。
図7は、
図4の位置VII-VIIにおいて第1部分101を+X方向に向かって見た仮想的な断面の一例を模式的に示す断面図である。
図8は、第2部分102の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図9は、第3部分103の構成の一例を模式的に示す平面図である。
【0036】
第1部分101は、例えば、板状の部分(第1板状部ともいう)101pを含む。第2部分102および第3部分103のそれぞれは、例えば、板状の形状を有する。本体部1は、例えば、第1部分101の第1板状部101pと、第2部分102と、第3部分103と、を含む。第1板状部101pと、第2部分102と、第3部分103とは積層された状態にある。
【0037】
図1から
図7で示されるように、第1板状部101pは、例えば、面(第1上面ともいう)101aと、この第1上面101aとは逆の面(第1下面ともいう)101bと、第1上面101aと第1下面101bとを接続している面(第1端面ともいう)101cと、を有する。なお、
図6および
図7以外の断面図では、第1部分101について、その構成を省略して示している。
【0038】
図1、
図2および
図8で示されるように、第2部分102は、例えば、面(第2上面ともいう)102aと、この第2上面102aとは逆の面(第2下面ともいう)102bと、第2上面102aと第2下面102bとを接続している面(第2端面ともいう)102cと、を有する。
【0039】
図1、
図2および
図9で示されるように、第3部分103は、例えば、面(第3上面ともいう)103aと、この第3上面103aとは逆の面(第3下面ともいう)103bと、第3上面103aと第3下面103bとを接続している面(第3端面ともいう)103cと、を有する。
【0040】
図1および
図2で示されるように、例えば、第1板状部101pの第1上面101aに第2部分102の第2下面102bが接合されており、第2部分102の第2上面102aに第3部分103の第3下面103bが接合されている。この場合には、本体部1は、例えば、第1部分101の第1板状部101pと、第2部分102と、第3部分103と、によって構成されていてよい。
図4では、第1上面101aのうちの第2下面102bが接合されている領域Ar2の外縁の一例が細い2点鎖線で描かれている。
図8では、第2上面102aのうちの第3下面103bが接合されている領域Ar3の外縁の一例が細い2点鎖線で描かれている。
【0041】
第1上面101aと第2下面102bとの接合は、例えば、第1板状部101pの第1上面101aおよび第2部分102の第2下面102bのそれぞれに対する表面改質と、第1上面101aと第2下面102bとの接触と、によって接着剤を用いることなく実現され得る。第2上面102aと第3下面103bとの接合は、例えば、第2部分102の第2上面102aおよび第3部分103の第3下面103bのそれぞれに対する表面改質と、第2上面102aと第3下面103bとの接触と、によって接着剤を用いることなく実現され得る。表面改質は、例えば、酸素プラズマの照射またはエキシマランプを用いた紫外(UV)光の照射などで実現される。
【0042】
第1板状部101pの厚さは、例えば、2mmから5mm程度に設定される。第1板状部101pの厚さは、第1板状部101pの+Z方向に沿った長さであってよい。第1板状部101pの幅は、例えば、30mmから100mm程度に設定される。第1板状部101pの幅は、第1板状部101pの+X方向に沿った長さであってよい。第1板状部101pの長さは、例えば、30mmから100mm程度に設定される。第1板状部101pの長さは、第1板状部101pの+Y方向に沿った長さであってよい。
【0043】
第2部分102の厚さは、例えば、1mmから3mm程度に設定される。第2部分102の厚さは、第2部分102の+Z方向に沿った長さであってよい。第2部分102の幅は、例えば、20mmから90mm程度に設定される。第2部分102の幅は、第2部分102の+X方向に沿った長さであってよい。第2部分102の長さは、例えば、15mmから80mm程度に設定される。第2部分102の長さは、第2部分102の+Y方向に沿った長さであってよい。
【0044】
第3部分103の厚さは、例えば、1mmから3mm程度に設定される。第3部分103の厚さは、第3部分103の+Z方向に沿った長さであってよい。第3部分103の幅は、例えば、20mmから90mm程度に設定される。第3部分103の幅は、第3部分103の+X方向に沿った長さであってよい。第3部分103の長さは、例えば、15mmから80mm程度に設定される。第3部分103の長さは、第3部分103の+Y方向に沿った長さであってよい。
【0045】
図1から
図3の例では、上面1aは、第1上面101aのうちの第2下面102bと接合していない部分と、第2上面102aのうちの第3下面103bと接合していない部分と、第3上面103aと、によって構成されている。下面1bは、第1下面101bによって構成されている。側面1cは、第1端面101cと、第2端面102cと、第3端面103cと、によって構成されている。
【0046】
<1-1-1.本体部>
図1および
図2で示されるように、本体部1は、流路部11と、複数の孔12と、を有する。
【0047】
<<流路部11>>
図1および
図2で示されるように、流路部11は、外面1sにおいて開口していない。複数の孔12のそれぞれは、流路部11に通じており且つ本体部1の外面1sにおいて開口している。「第1の部分が第2の部分と通じている」との表現は、第1の部分と第2の部分との間で液体などの流体が流通可能な状態で第1の部分が第2の部分と直接つながっている形態、または第1の部分と第2の部分との間で流体が流通可能な状態で第1の部分が他の部分(第3の部分ともいう)を介して第2の部分とつながっている形態を意味する。ここで、第1の部分、第2の部分および第3の部分のそれぞれには、流路または孔などの流体が流れ得る部分が適用される。流路部11は、本体部1の内部に位置している。別の観点から言えば、例えば、流路部11は、上面1a、下面1bおよび側面1cの何れにも開口していない。
図2では、流路部11の構成が簡略化されて示されている。
【0048】
図10は、流路デバイス100における流路部11および複数の孔12の構成の一例を模式的に示す平面図である。
図10では、流路デバイス100の外縁が省略されており、流路デバイス100のうちの流路部11および複数の孔12のそれぞれの外縁が実線で描かれている。
図11は、
図10の矩形の一点鎖線で囲まれた領域XIを示す平面図である。
図11では、主流路111、複数の分岐流路112、第1導入流路114および第2導入流路113のそれぞれの外縁が実線で描かれている。
【0049】
流路部11は、流路デバイス100の外面1sにおいて開口していない、複数の流路が連結された構成を有する。
【0050】
流路部11は、第1流路としての主流路111と、複数の第2流路としての複数の分岐流路112と、第3流路としての第1導入流路114と、第4流路としての第1排出流路115と、第5流路としての第2排出流路117と、を含む。第1実施形態の一例では、流路部11は、第6流路としての第2導入流路113と、第7流路としての第3排出流路116と、を含む。
【0051】
主流路111は、上流部(第1上流部ともいう)111uと、下流部(第1下流部ともいう)111dと、を有する。主流路111において、第1下流部111dは、第1上流部111uとは逆側の部分である。主流路111は、例えば、第3方向としての-Y方向に沿って延びている流路であってよい。この場合には、第1上流部111uは、主流路111のうちの第6方向としての+Y方向の端部に位置している部分である。第1下流部111dは、主流路111のうちの第3方向としての-Y方向の端部に位置している部分である。換言すれば、主流路111は、例えば、第1上流部111uから第1下流部111dに向かって第3方向としての-Y方向に延びていてよい。主流路111は、例えば、第3方向としての-Y方向に沿って直線状に延びていてよい。換言すれば、主流路111は、第1上流部111uから第1下流部111dに向かって第3方向としての-Y方向に沿って直線状に延びていてよい。
【0052】
複数の分岐流路112のそれぞれは、主流路111のうちの第1上流部111uと第1下流部111dとの間において主流路111に接続している。複数の分岐流路112のそれぞれは、主流路111よりも細い。複数の分岐流路112のそれぞれは、主流路111とは逆側の部分(第2下流部ともいう)112dを有する。換言すれば、複数の分岐流路112のそれぞれにおいて、第2下流部112dは、分岐流路112のうちの主流路111とは逆側の端部に位置している部分である。
【0053】
第1実施形態の一例では、複数の分岐流路112のそれぞれは、主流路111のうちの第1上流部111uと第1下流部111dとの間における主流路111の第4方向としての+X方向の側面において開口している。換言すれば、主流路111は、第4方向としての+X方向の側に位置している側面(第1の側面ともいう)を有する。複数の分岐流路112のそれぞれは、主流路111のうちの第1上流部111uと第1下流部111dとの間において、第1の側面において開口している。さらに換言すれば、主流路111は、複数の分岐流路112がそれぞれ接続している複数の部分(接続部ともいう)C1を有する。例えば、複数の分岐流路112のそれぞれは、第3方向としての-Y方向における互いに異なる位置において主流路111から分岐している。換言すれば、複数の分岐流路112がそれぞれ接続している複数の接続部C1が、第3方向としての-Y方向における互いに異なる位置に存在している。
図1、
図9および
図10の例では、複数の分岐流路112のそれぞれは、第4方向としての+X方向に沿って延びている。別の観点から言えば、複数の分岐流路112は、第3方向としての-Y方向に沿って並んでいる。複数の分岐流路112の本数は、例えば、数十本から数百本に設定される。
図1、
図9および
図10では、便宜的に13本の分岐流路112が描かれている。
【0054】
第1導入流路114は、主流路111の第1上流部111uに接続している。第1導入流路114は、例えば、第1上流部111uに接続している部分(第1接続部分ともいう)114cを含む。第1接続部分114cは、第1上流部111uのうちの第5方向としての-X方向の側面において開口している。換言すれば、主流路111は、第5方向としての-X方向の側に位置している側面(第2の側面ともいう)を有する。第1接続部分114cは、第1上流部111uにおける第2の側面において開口している。さらに換言すれば、第1導入流路114は、主流路111の第1上流部111uに対して第4方向としての+X方向に向かって接続している。第1導入流路114は、例えば、複数の分岐流路112のそれぞれよりも太くてよい。第1実施形態の一例では、第1導入流路114は、第1部分101における流路1141と、第1部分101から第3部分103に至る孔部1142と、第3部分103における流路1143と、を有する。例えば、孔部1142は、第1部分101における孔部分11421と、第2部分102の貫通孔11422と、第3部分103における孔部分11423と、がこの記載の順に連結された構成を有する。
図1、
図4、
図5および
図7から
図10の例では、第1部分101における流路1141は、-Y方向に延びている。孔部1142は、+Z方向に延びている。流路1143は、-Y方向に延びている部分と、+X方向に延びている部分とが、この記載の順に接続されたL字状の流路である。
【0055】
第2導入流路113は、主流路111の第1上流部111uに接続している。第2導入流路113は、第1上流部111uに接続している部分(第2接続部分ともいう)113cを含む。第2接続部分113cは、第3方向としての-Y方向に沿って延びている。換言すれば、第2導入流路113は、主流路111の第1上流部111uに対して第3方向としての-Y方向に向かって接続している。第2導入流路113は、複数の分岐流路112のそれぞれよりも太い。第1実施形態の一例では、第2導入流路113は、第1部分101における流路1131と、第1部分101から第3部分103に至る孔部1132と、第3部分103における流路1133と、を有する。孔部1132は、例えば、第1部分101における孔部分11321と、第2部分102の貫通孔11322と、第3部分103における孔部分11323と、がこの記載の順に連結された構成を有する。
図1、
図4から
図6および
図8から
図10の例では、第1部分101における流路1131は、-Y方向に沿って延びている。孔部1132は、+Z方向に沿って延びている。流路1133は、-X方向に沿って延びている部分と、-Y方向に沿って延びている部分とが、この記載の順に接続されたL字状の流路である。
【0056】
第1排出流路115は、主流路111の第1下流部111dに接続している。第1排出流路115は、複数の分岐流路112のそれぞれよりも太い。第1実施形態の一例では、第1排出流路115は、第1下流部111dのうちの第4方向としての+X方向の側面において開口している。換言すれば、第1排出流路115は、第1下流部111dにおける第1の側面において開口している。
図1、
図9および
図10の例では、第1排出流路115は、第1下流部111dから離れるにつれて、+X方向、-Y方向および-X方向の順に延びている。
【0057】
第2排出流路117は、主流路111の第1下流部111dに接続している。第2排出流路117は、例えば、複数の分岐流路112のそれぞれよりも太い。第1実施形態の一例では、第2排出流路117は、第1下流部111dに対して第6方向としての+Y方向に向けて接続している。
図1、
図9および
図10の例では、第2排出流路117は、第1下流部111dから離れるにつれて、-Y方向、-X方向、-Y方向および+X方向の順に延びている。
【0058】
第3排出流路116は、複数の分岐流路112のそれぞれの第2下流部112dに接続している。第3排出流路116は、複数の分岐流路112のそれぞれよりも太い。第1実施形態の一例では、複数の分岐流路112のそれぞれは、第3方向としての-Y方向における互いに異なる位置において第3排出流路116に接続している。
図1、
図9および
図10の例では、第3排出流路116は、複数の分岐流路112における複数の第2下流部112dのそれぞれが接続されており且つ第3方向としての-Y方向に沿って直線状に延びている+X方向に太い部分と、第4方向としての+X方向に沿って短い長さで直線状に延びている+Y方向に狭い部分とが、この記載の順に接続されたL字状の流路である。
【0059】
<<複数の孔>>
図1および
図2で示されるように、複数の孔12は、第1導入孔122と、第1排出孔123と、第2排出孔124と、第3排出孔125と、を含む。第1実施形態の一例では、複数の孔12は、第2導入孔121を含む。
【0060】
第1導入孔122は、第1導入流路114に接続している。換言すれば、第1導入孔122は、第1導入流路114を介して主流路111の第1上流部111uに接続している。別の観点から言えば、第1導入孔122は、第1上流部111uに通じている。第1導入孔122は、例えば、第1部分101に位置している。換言すれば、第1部分101は、例えば、第1導入孔122を有する。第1導入孔122は、例えば、-Z方向に沿って延びていてよい。第1導入孔122の径は、例えば、第1導入流路114の幅と同等あるいは第1導入流路114の幅以上に設定されている。第1導入孔122は、例えば、本体部1の上面1aにおいて開口している開口(第1導入口とも第1入口ともいう)2oを有する。
図1、
図9および
図10の例では、第1導入孔122から第1上流部111uに向けて、第1導入流路114は、-Y方向、+Z方向、-Y方向および+X方向の順に延びている。
【0061】
第2導入孔121は、第2導入流路113に接続している。換言すれば、第2導入孔121は、第2導入流路113を介して主流路111の第1上流部111uに接続している。別の観点から言えば、第2導入孔121は、第1上流部111uに通じている。第2導入孔121は、例えば、第1部分101に位置している。換言すれば、第1部分101は、例えば、第2導入孔121を有する。第2導入孔121は、例えば、-Z方向に沿って延びていてよい。第2導入孔121の径は、例えば、第2導入流路113の幅と同等あるいは第2導入流路113の幅以上に設定されている。第2導入孔121は、例えば、本体部1の上面1aにおいて開口している開口(第2導入口とも第2入口ともいう)1oを有する。
図1、
図9および
図10の例では、第2導入孔121から第1上流部111uに向けて、第2導入流路113は、-Y方向、+Z方向、-X方向および-Y方向の順に延びている。
【0062】
第1排出孔123は、第1排出流路115に接続している。換言すれば、第1排出孔123は、第1排出流路115を介して主流路111の第1下流部111dに接続している。別の観点から言えば、第1排出孔123は、第1下流部111dに通じている。第1実施形態では、第1排出孔123は、本体部1の上面1aにおいて開口している開口(第1排出口とも第1出口ともいう)3oを有する。第1実施形態の一例では、第1排出孔123は、第3部分103における貫通孔1233と、第2部分102における貫通孔1232と、が連結された構成を有する。第1排出孔123は、例えば、+Z方向に沿って延びていてよい。第1排出孔123の径は、例えば、第1排出流路115の幅と同等あるいは第1排出流路115の幅以上に設定されている。
図1、
図9および
図10の例では、第1下流部111dから第1排出孔123に向けて、第1排出流路115は、+X方向、-Y方向および-X方向の順に延びている。
【0063】
第2排出孔124は、複数の分岐流路112のそれぞれの第2下流部112dに通じている。第1実施形態の一例では、第2排出孔124は、第3排出流路116に接続している。換言すれば、第2排出孔124は、第3排出流路116を介して複数の分岐流路112のそれぞれにおける第2下流部112dに接続している。第1実施形態の一例では、第2排出孔124は、第3部分103における孔部分1243と、第2部分102における貫通孔1242と、第1部分101における貫通孔1241と、がこの記載の順に連結された構成を有する。第2排出孔124は、例えば、-Z方向に沿って延びていてよい。ここで、例えば、第3排出流路116は、複数の分岐流路112のそれぞれよりも太い。これにより、第3排出流路116において、複数の分岐流路112から流入する液体をまとめて第2排出孔124に導くのに十分な容積が確保され得る。第2排出孔124の径は、例えば、第3排出流路116のうちの-Y方向の端部において第2排出孔124に接続されている部分の流路の幅と同等あるいはその流路の幅以上に設定されている。第2排出孔124は、例えば、本体部1の下面1bにおいて開口している部分(第2排出口とも第2出口ともいう)4oを有する。
図1、
図9および
図10の例では、第3排出流路116は、複数の分岐流路112における複数の第2下流部112dがそれぞれ接続されており且つ第3方向としての-Y方向に沿って直線状に延びている部分(第1の流路部分ともいう)と、第4方向としての+X方向に沿って短い長さで直線状に延びている部分(第2の流路部分ともいう)とが、この記載の順に接続されたL字状の流路である。この第3排出流路116では、第1の流路部分における+X方向に沿った幅が大きく、第2の流路部分における+Y方向に沿った幅が小さい。換言すれば、第3排出流路116は、複数の分岐流路112の出口を集約して第2排出孔124に接続する形態で、-Y方向および+X方向の順に延びている。
【0064】
第3排出孔125は、第2排出流路117に接続している。換言すれば、第3排出孔125は、第2排出流路117を介して主流路111の第1下流部111dに接続している。別の観点から言えば、第3排出孔125は、第1下流部111dに通じている。第1実施形態の一例では、第3排出孔125は、第3部分103における孔部分1253と、第2部分102における貫通孔1252と、第1部分101における貫通孔1251と、がこの記載の順に連結された構成を有する。第3排出孔125は、-Z方向に沿って延びていてよい。第3排出孔125の径は、例えば、第2排出流路117の幅と同等あるいは第2排出流路117の幅以上に設定されている。第3排出孔125は、例えば、本体部1の下面1bにおいて開口している部分(第3排出口とも第3出口ともいう)5oを有する。
図1、
図9および
図10の例では、第1下流部111dから第3排出孔125に向けて、第2排出流路117は、-Y方向、-X方向、-Y方向および+X方向の順に延びている。
【0065】
<<第1部分の構成の一例>>
図4から
図7で示されるように、第1部分101は、例えば、第1板状部101pと、第1筒状部31と、第2筒状部21と、を含む。第1筒状部31は、第1液体供給部3の一部を構成している。第2筒状部21は、第2液体供給部2の一部を構成している。
【0066】
第1板状部101pは、例えば、第1導入孔122と、流路1141と、孔部分11421と、第2導入孔121と、流路1131と、孔部分11321と、貫通孔1241と、貫通孔1251と、凹状部1231rと、を有する。換言すれば、本体部1は、凹状部1231rを含む。孔部分11421は、孔部1142の一部を構成している。孔部分11321は、孔部1132の一部分を構成している。貫通孔1241は、第2排出孔124の一部分を構成している。貫通孔1251は、第3排出孔125の一部分を構成している。凹状部1231rは、第2方向としての-Z方向に凹んでいる部分である。この凹状部1231rは、本体部1において、第1排出孔123の第2方向としての-Z方向の側に位置している。この凹状部1231rの内部の空間は、第1排出孔123の内部の空間と接続している。
【0067】
第1導入孔122と、流路1141と、孔部分11421とは、この記載の順に接続している。
図4および
図7の例では、流路1141は、第1板状部101pの内部において、-Y方向に沿って延びている。流路1141の1つの端部(第1の端部ともいう)としての+Y方向の端部に第1導入孔122が接続している。第1導入孔122は、第1上面101aにおいて開口している第1導入口2oから流路1141に接続している部分に向けて-Z方向に沿って延びている。流路1141の第1の端部とは逆の端部(第2の端部ともいう)としての-Y方向の端部に孔部分11421が接続している。孔部分11421は、第1上面101aにおいて第2部分102の貫通孔11422に接続している部分(第1接続口ともいう)11421oを有する。孔部分11421は、流路1141に接続している部分から第1接続口11421oに向けて+Z方向に沿って延びている。第1筒状部31は、第1上面101aから+Z方向に突き出ている。第1部分101を平面視した場合に、第1筒状部31は、第1導入口2oを囲んでいる形態で位置している。
図4の例では、第1部分101を平面視した場合に、第1筒状部31は、第1導入口2oをZ軸周りで囲んでいる状態で位置している。
【0068】
第2導入孔121と、流路1131と、孔部分11321とは、この記載の順に接続している。
図4および
図6の例では、流路1131は、第1板状部101pの内部において、-Y方向に沿って延びている。流路1131の1つの端部(第3の端部ともいう)としての+Y方向の端部に第2導入孔121が接続している。第2導入孔121は、第1上面101aにおいて開口している第2導入口1oから流路1131に接続している部分に向けて-Z方向に沿って延びている。流路1131の第3の端部とは逆の端部(第4の端部ともいう)としての-Y方向の端部に孔部分11321が接続している。孔部分11321は、第1上面101aにおいて第2部分102の貫通孔11322に接続している部分(第2接続口ともいう)11321oを有する。孔部分11321は、流路1131に接続している部分から第2接続口11321oに向けて+Z方向に沿って延びている。第2筒状部21は、第1上面101aから+Z方向に突き出ている。第1部分101を平面視した場合に、第2筒状部21は、第2導入口1oを囲んでいる形態で位置している。
図4の例では、第1部分101を平面視した場合に、第2筒状部21は、第2導入口1oをZ軸周りで囲んでいる状態で位置している。
【0069】
第1部分101は、例えば、第1部材1011および第2部材1012を備えている。第1部材1011は、例えば、板状の部分(第1板状部分ともいう)10111と、第1筒状部31と、第2筒状部21と、を含む。第2部材1012は、板状の部材である。第1板状部分10111と第2部材1012とは、積層された状態にある。換言すれば、第2部材1012は、第1板状部分10111に積層されている。
図6および
図7の例では、第1板状部分10111および第2部材1012は、この記載の順に-Z方向へ向かって、積層された状態にある。
【0070】
第1板状部分10111は、第1主面としての第1板面10111aと、この第1板面10111aとは逆の第2主面としての第2板面10111bと、を有する。第1板面10111aは、第2板面10111bよりも+Z方向の側に位置している。第2部材1012は、第3主面としての第3板面1012aと、この第3板面1012aとは逆の第4主面としての第4板面1012bと、を有する。第3板面1012aは、第4板面1012bよりも+Z方向の側に位置している。
【0071】
第1板状部分10111と第2部材1012とは、例えば、第2板面10111bに、第3板面1012aの一部が接合された状態にある。これにより、第1部材1011と第2部材1012とが、一体的な第1部分101を構成している。第1板状部分10111と第2部材1012との接合には、例えば、超音波溶着、レーザー溶着、熱溶着または拡散溶着などの任意の溶着法が適用され得る。第1部分101の形態では、第1板面10111aが、第1上面101aであり、第4板面1012bが、第1下面101bである。流路1131および流路1141のそれぞれは、第2板面10111bと第3板面1012aとの間に位置している。
【0072】
第1導入孔122、孔部分11421、第2導入孔121および孔部分11321のそれぞれは、第1板状部分10111を貫通している。貫通孔1241および貫通孔1251のそれぞれは、第1板状部分10111および第2部材1012を-Z方向に沿って貫通している。より具体的には、貫通孔1241は、第1板状部分10111を-Z方向に沿って貫通している貫通孔と、第2部材1012を-Z方向に沿って貫通している貫通孔とが、-Z方向に接続された1つの貫通孔である。貫通孔1251は、第1板状部分10111を-Z方向に沿って貫通している貫通孔と、第2部材1012を-Z方向に沿って貫通している貫通孔とが、-Z方向に接続された1つの貫通孔である。換言すれば、第1板状部分10111は、貫通孔1241の一部分を構成している貫通孔と、貫通孔1251の一部分を構成している貫通孔と、を有する。第2部材1012は、貫通孔1241の一部分を構成している貫通孔と、貫通孔1251の一部分を構成している貫通孔と、を有する。
【0073】
凹状部1231rは、例えば、第1板状部分10111の第1板面10111aが凹んでいる部分であってよい。この場合には、第1板状部分10111は、凹状部1231rに対応する凹状部を有する。また、凹状部1231rは、例えば、第1板状部分10111を貫通する貫通孔の内周面と、第2部材1012の第3板面1012aで構成された底面とを有する部分であってもよい。この場合には、第1板状部分10111は、凹状部1231rを構成する貫通孔を有する。
【0074】
第1部材1011および第2部材1012のそれぞれは、例えば、樹脂成型によって作成され得る。第2部材1012は、例えば、樹脂成型で形成された平板状の部材に打ち抜き加工などで2つの貫通孔1241,1251を形成することで作製されてもよい。第1部分101の素材(第1部分101を形成する材料)には、例えば、シクロオレフィンポリマー(cycloolefin polymer:COP)、アクリル樹脂、またはポリカーボネート(polycarbonate:PC)などの樹脂が適用される。アクリル樹脂には、例えば、ポリメタクリル酸メチル樹脂(polymethyl methacrylate:PMMA)が適用される。
【0075】
<<第2部分の構成の一例>>
図8で示されるように、第2部分102は、貫通孔11422と、貫通孔11322と、貫通孔1232と、貫通孔1242と、貫通孔1252と、を有する。貫通孔11422は、孔部1142の一部分を構成している。貫通孔11322は、孔部1132の一部分を構成している。貫通孔1232は、第1排出孔123の一部分を構成している。貫通孔1242は、第2排出孔124の一部分を構成している。貫通孔1252は、第3排出孔125の一部分を構成している。
【0076】
第2部分102は、例えば、樹脂成型によって作製されてもよいし、樹脂成型で形成された平板状の部材に打ち抜き加工などで5つの貫通孔11422,11322,1232,1242,1252を形成することで作製されてもよい。第2部分102の素材(第2部分102を形成する材料)には、例えば、シリコーン樹脂などの樹脂が適用される。
【0077】
<<第3部分の構成の一例>>
図9で示されるように、例えば、第3部分103は、流路部11の一部のパターンに対応する微細な凹凸と、第2排出孔124の一部分を構成している孔部分1243と、第3排出孔125の一部分を構成している孔部分1253と、を第3下面103bに有する。第1実施形態では、第3部分103は、第1排出孔123の一部分を構成している貫通孔1233を有する。貫通孔1233は、第3下面103bから第3上面103aまで第3部分103を貫通している。
図9の例では、流路部11の一部は、主流路111と、複数の分岐流路112と、第1導入流路114の一部分を構成している孔部分11423および流路1143と、第2導入流路113の一部分を構成している孔部分11323および流路1133と、第1排出流路115と、第2排出流路117と、第3排出流路116と、を含む。
【0078】
第3部分103は、例えば、樹脂成型などによって作製され得る。第3部分103の素材(第3部分103を形成する材料)には、例えば、ポリジメチルシロキサン(Polydimethylsiloxane:PDMS)などの樹脂が適用される。PDMSは、鋳型を用いた樹脂成型を行う際における優れた転写性を有する。転写性は、樹脂成型品において鋳型の微細なパターンに応じた微細な凹凸を形成する性質である。
【0079】
ここで、例えば、第3部分103のうちの流路部11の一部のパターンに対応する微細な凹凸を有する第3下面103bを、第2部分102の第2上面102aが覆う形態で、第2下面102bと第3上面103aとが接合されることで、上述した流路部11の一部が形成される。この流路部11の一部は、例えば、XY平面に沿って位置している。
【0080】
ここで、例えば、第2部分102の素材にシリコーン樹脂が適用され、第3部分103の素材にPDMSが適用された場合には、第2部分102および第3部分103の何れも可撓性に富む。ここで、例えば、第1部分101の素材にCOP、アクリル樹脂またはPCなどの高い剛性を有する樹脂が適用されれば、この第1部分101に接合された第2部分102および第3部分103の可撓性が低くなる。これにより、流路デバイス100の機能が損なわれ難い。また、例えば、高い剛性を有する樹脂で構成された第1部分101に第1導入口2oおよび第2導入口1oが存在していれば、第1導入口2oおよび第2導入口1oのそれぞれに対して高い圧力で液体を導入しても、流路デバイス100の機能が損なわれ難い。また、例えば、第1部分101の素材にPCが適用され且つ第3部分103の素材にPDMSが適用された場合に、第1部分101と第3部分103との間に、シリコーン樹脂を素材とした第2部分102が介在していれば、直接的な接合が容易でないPCとPDMSとが間接的に接合され得る。
【0081】
<1-1-2.第1液体供給部>
図1から
図3で示されるように、第1液体供給部3は、本体部1の第1方向としての+Z方向の側に位置している。第1液体供給部3は、例えば、流路部11に第1の液体(第1液体ともいう)L1(
図17から
図20参照)を供給する機能を有する。換言すれば、第1液体供給部3は、例えば、流路部11に第1液体L1を供給する機構を有する。
【0082】
第1液体供給部3は、例えば、第1筒状部31と、第1可動部材32と、を含む。
【0083】
図2、
図3、
図5および
図7で示されるように、第1筒状部31は、本体部1の上面1aから第1方向としての+Z方向に突き出ている。第1筒状部31は、内側の面(第1内周面ともいう)31dを有する。第1筒状部31は、内側の空間(第1内部空間ともいう)31isを有する。第1内部空間31isは、第1内周面31dによって囲まれた空間である。第1内周面31dおよび第1内部空間31isのそれぞれは、第1方向としての+Z方向に沿って延びている。第1筒状部31は、例えば、円筒状、楕円筒状または角筒状などの種々の形態を有する筒状の部分であってよい。
【0084】
第1筒状部31は、第1方向としての+Z方向の端部において、第1内部空間31isが開口している部分(第1開口ともいう)31oを有する。第1内部空間31isは、第1導入口2oに接続している。例えば、第1内部空間31isの-Z方向の端部が、第1導入口2oに接続している。第1内部空間31isの第2方向としての-Z方向に垂直な断面の面積は、第1導入口2oの面積よりも大きい。第1筒状部31のうちの第2方向としての-Z方向の端部は、第1導入口2oに接続している部分を除いて、本体部1の上面1aによって塞がれている。換言すれば、本体部1と第1筒状部31とが、液体を貯留することが可能な有底の容器(タンク)を構成している状態にある。
【0085】
第1可動部材32は、第1筒状部31に対して第2方向としての-Z方向に沿って摺り動かすことが可能な状態で第1筒状部31の内側に嵌まっている。このため、第1可動部材32は、第1内部空間31isに位置している部分を含む。第1可動部材32の+Z方向の一部分が、第1内部空間31isの外側に位置していてもよいし、第1可動部材32の全体が、第1内部空間31is内に位置していてもよい。第1内部空間31isは、第1可動部材32と本体部1との間に位置している空間(第1貯液用空間ともいう)3spを含む。換言すれば、第1貯液用空間3spは、第1内部空間31isのうちの第1可動部材32と本体部1との間に位置している。第1貯液用空間3spは、例えば、第1液体L1を貯留することが可能な空間としての機能を有する。
【0086】
第1可動部材32は、例えば、第1方向としての+Z方向の側に位置している面(第4上面ともいう)32aと、第2方向としての-Z方向の側に位置している面(第4下面ともいう)32bと、第4上面32aと第4下面32bとを接続している外周の面(第1外周面ともいう)32cと、を有する。ここでは、第1貯液用空間3spは、第1内部空間31isのうちの第1可動部材32の第4下面32bよりも第2方向としての-Z方向の側に位置している空間であってよい。
【0087】
第1可動部材32は、例えば、第1弾性部321を含む。第1弾性部321は、弾性を有する部分である。第1弾性部321は、第1筒状部31の第1内周面31dに接している。例えば、第1弾性部321のうちの第1外周面32cを構成している部分は、第1筒状部31の第1内周面31dに密接している。第1可動部材32の全体が第1弾性部321で構成されていてもよいし、第1可動部材32の一部分が第1弾性部321で構成されていてもよい。第1弾性部321の素材には、例えば、シリコーンゴムなどのゴム、あるいはエラストマーなどのゴム弾性を有する樹脂が適用される。第1可動部材32の素材が樹脂であれば、例えば、第1可動部材32は樹脂成型などで製造され得る。第1可動部材32は、第1方向としての+Z方向の側から第2方向としての-Z方向に向けて押されることによって、第1筒状部31の内側に嵌まっている状態で、第1筒状部31に対して第2方向としての-Z方向に沿って摺り動き得る。
【0088】
第1可動部材32は、第1液体導入部322を有する。第1液体導入部322は、流路デバイス100の外部の空間(外部空間ともいう)200から第1貯液用空間3spに第1液体L1を導入するための部分である。第1実施形態の一例では、第1液体導入部322は、例えば、貫通孔(第1貫通孔ともいう)322pである。第1貫通孔322pは、外部空間200と第1貯液用空間3spとを接続している形態で、第1可動部材32を貫通している。別の観点から言えば、第1貫通孔322pは、第4上面32aから第4下面32bにかけて第1可動部材32を貫通している。この場合には、外部空間200から第1貫通孔322pを介して第1貯液用空間3spに第1液体L1を容易に注入することができる。第1貫通孔322pの-Z方向に垂直な断面は、例えば、円形状、楕円形状または多角形状などの種々の形状を有していてよい。
【0089】
第1液体供給部3では、例えば、第1貯液用空間3spに第1液体L1を貯留した状態で、第1液体導入部322を+Z方向の側から塞ぎながら第1可動部材32を-Z方向に向けて押すことによって、第1貯液用空間3sp内の第1液体L1に圧力を加えることができる。これにより、第1貯液用空間3sp内から第1導入孔122を介して第1導入流路114に第1液体L1が供給され得る。その結果、第1貯液用空間3sp内から第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111の第1上流部111uに第1液体L1が供給され得る。換言すれば、第1液体供給部3は、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111の第1上流部111uに第1液体L1を供給することができる。
【0090】
<1-1-3.第2液体供給部>
図1から
図3で示されるように、第2液体供給部2は、本体部1の第1方向としての+Z方向の側に位置している。第2液体供給部2は、例えば、流路部11に第2の液体(第2液体ともいう)L2(
図17から
図20参照)を供給する機能を有する。換言すれば、第2液体供給部2は、例えば、流路部11に第2液体L2を供給する機構を有する。
【0091】
第2液体供給部2は、例えば、第2筒状部21と、第2可動部材22と、を含む。
【0092】
図2、
図3、
図5および
図6で示されるように、第2筒状部21は、本体部1の上面1aから第1方向としての+Z方向に突き出ている。第2筒状部21は、内側の面(第2内周面ともいう)21dを有する。第2筒状部21は、内側の空間(第2内部空間ともいう)21isを有する。第2内部空間21isは、第2内周面21dによって囲まれた空間である。第2内周面21dおよび第2内部空間21isのそれぞれは、第1方向としての+Z方向に沿って延びている。第2筒状部21は、例えば、円筒状、楕円筒状または角筒状などの種々の形態を有する筒状の部分であってよい。
【0093】
第2筒状部21は、第1方向としての+Z方向の端部において、第2内部空間21isが開口している部分(第2開口ともいう)21oを有する。第2内部空間21isは、第2導入口1oに接続している。例えば、第2内部空間21isの-Z方向の端部が、第2導入口1oに接続している。第2内部空間21isの第2方向としての-Z方向に垂直な断面の面積は、第2導入口1oの面積よりも大きい。第2筒状部21のうちの第2方向としての-Z方向の端部は、第2導入口1oに接続している部分を除いて、本体部1の上面1aによって塞がれている。換言すれば、本体部1と第2筒状部21とが、液体を貯留することが可能な有底の容器(タンク)を構成している状態にある。
【0094】
第2可動部材22は、第2筒状部21に対して第2方向としての-Z方向に沿って摺り動かすことが可能な状態で第2筒状部21の内側に嵌まっている。このため、第2可動部材22は、第2内部空間21isに位置している部分を含む。第2可動部材22の+Z方向の一部分が、第2内部空間21isの外側に位置していてもよいし、第2可動部材22の全体が、第2内部空間21is内に位置していてもよい。第2内部空間21isは、第2可動部材22と本体部1との間に位置している空間(第2貯液用空間ともいう)2spを含む。換言すれば、第2貯液用空間2spは、第2内部空間21isのうちの第2可動部材22と本体部1との間に位置している。第2貯液用空間2spは、例えば、第2液体L2を貯留することが可能な空間としての機能を有する。
【0095】
第2可動部材22は、例えば、第1方向としての+Z方向の側に位置している面(第5上面ともいう)22aと、第2方向としての-Z方向の側に位置している面(第5下面ともいう)22bと、第5上面22aと第5下面22bとを接続している外周の面(第2外周面ともいう)22cと、を有する。ここでは、第2貯液用空間2spは、第2内部空間21isのうちの第2可動部材22の第5下面22bよりも第2方向としての-Z方向の側に位置している空間であってよい。
【0096】
第2可動部材22は、例えば、第2弾性部221を含む。第2弾性部221は、弾性を有する部分である。第2弾性部221は、第2筒状部21の第2内周面21dに接している。例えば、第2弾性部221のうちの第2外周面22cを構成している部分は、第2筒状部21の第2内周面21dに密接している。第2可動部材22の全体が第2弾性部221で構成されていてもよいし、第2可動部材22の一部分が第2弾性部221で構成されていてもよい。第2弾性部221の素材には、例えば、第1弾性部321と同じく、シリコーンゴムなどのゴム、あるいはエラストマーなどのゴム弾性を有する樹脂が適用される。第2可動部材22の素材が樹脂であれば、例えば、第2可動部材22は樹脂成型などを用いて製造され得る。第2可動部材22は、第1方向としての+Z方向の側から第2方向としての-Z方向に向けて押されることによって、第2筒状部21の内側に嵌まっている状態で、第2筒状部21に対して第2方向としての-Z方向に沿って摺り動き得る。
【0097】
第2可動部材22は、第2液体導入部222を有する。第2液体導入部222は、流路デバイス100の外部空間200から第2貯液用空間2spに第2液体L2を導入するための部分である。第1実施形態の一例では、第2液体導入部222は、例えば、貫通孔(第2貫通孔ともいう)222pである。第2貫通孔222pは、外部空間200と第2貯液用空間2spとを接続している形態で、第2可動部材22を貫通している。別の観点から言えば、第2貫通孔222pは、第5上面22aから第5下面22bにかけて第2可動部材22を貫通している。この場合には、外部空間200から第2貫通孔222pを介して第2貯液用空間2spに第2液体L2を容易に注入することができる。第2貫通孔222pの-Z方向に垂直な断面は、例えば、円形状、楕円形状または多角形状などの種々の形状を有していてよい。
【0098】
第2液体供給部2では、例えば、第2貯液用空間2spに第2液体L2を貯留した状態で、第2液体導入部222を+Z方向の側から塞ぎながら第2可動部材22を-Z方向に向けて押すことによって、第2貯液用空間2sp内の第2液体L2に圧力を加えることができる。これにより、第2貯液用空間2sp内から第2導入孔121を介して第2導入流路113に第2液体L2が供給され得る。その結果、第2貯液用空間2sp内から第2導入孔121および第2導入流路113を介して主流路111の第1上流部111uに第2液体L2が供給され得る。換言すれば、第2液体供給部2は、第2導入孔121および第2導入流路113を介して主流路111の第1上流部111uに第2液体L2を供給することができる。
【0099】
<1-1-4.流路部の概略的な機能の一例>
流路部11の機能について、下記において大まかに説明する。
【0100】
ここでは、例えば、流路部11に導入される第2液体L2が、複数の第1粒子P100と、複数の第2粒子P200と、を含む複数種の複数の粒子を含有している液体(被処理液体ともいう)である場合を想定する(
図11参照)。
【0101】
流路部11は、例えば、第2液体L2から特定の種の複数の第1粒子P100を他の種の複数の第2粒子P200と分離して取り出すための機能を有する。ここで、第2液体L2に含まれる複数種の粒子は、3種以上の粒子であってもよい。以下では、第1粒子P100および第2粒子P200のそれぞれが1種の粒子である場合が例示される。
【0102】
流路部11には、第1導入孔122から押付用液体としての第1液体L1が導入される。第1液体L1の具体例および機能については後述する。流路部11には、第2導入孔121から第2液体L2が導入される。
【0103】
例えば、第1導入孔122から流路部11へ導入された第1液体L1は、第1導入流路114を経由して、主流路111の第1上流部111uに流入する。換言すれば、第1導入孔122は、主流路111に第1液体L1を導入するための孔としての役割を有する。第1導入流路114は、主流路111に第1液体L1を導入するための流路としての役割を有する。
【0104】
例えば、第2導入孔121から流路部11へ導入された第2液体L2は、第2導入流路113を経由して、主流路111の第1上流部111uに流入する。換言すれば、第2導入孔121は、主流路111に第2液体L2を導入するための孔としての役割を有する。第2導入流路113は、主流路111に第2液体L2を導入するための流路としての役割を有する。
【0105】
図11において2点鎖線で描かれた矢印Fp1は、第1液体L1が向かう方向を示す。この方向は、第4方向としての+X方向に沿った方向である。
図11において矢印Fp1よりも太い2点鎖線で描かれた矢印Fm1は、第2導入流路113から主流路111内を流れる第2液体L2の主な流れ(主流ともいう)が向かう方向を示す。この主流が向かう方向は、第3方向としての-Y方向に沿った方向である。
図11において細い2点鎖線で描かれた矩形は、第1上流部111uの外縁を仮想的に示している。
【0106】
図11では、第1粒子P100の径が第2粒子P200の径よりも大きい場合において、両者が互いに分離される様子が模式的に示されている。
図11の例では、複数の分岐流路112のそれぞれの幅が、第2粒子P200の径よりも大きく、第1粒子P100の径よりも小さい。ここでは、分岐流路112の幅は、第3方向としての-Y方向に沿った分岐流路112の長さであってよい。換言すれば、第2液体L2は、複数の分岐流路112のそれぞれの幅よりも大きな径をそれぞれ有する複数の第1粒子P100と、複数の分岐流路112のそれぞれの幅よりも小さな径をそれぞれ有する複数の第2粒子P200と、を含む複数種の複数の粒子を含有している。
【0107】
少なくとも主流路111および第2導入流路113のそれぞれの幅は、第1粒子P100および第2粒子P200の何れの径よりも大きい。ここでは、主流路111の幅は、第4方向としての+X方向に沿った主流路111の長さである。第2導入流路113の幅は、主流路111の近傍においては第4方向としての+X方向に沿った第2導入流路113の長さである。第2導入流路113の幅は、この第2導入流路113が第5方向としての-X方向に沿って延びている位置においては第3方向における-Y方向に沿った第2導入流路113の長さである。
【0108】
複数の第2粒子P200のそれぞれは、主流路111を第3方向としての-Y方向へ移動しつつ、第4方向としての+X方向に押し付けられる力を受けることによって、複数の第2粒子P200の殆どが複数の分岐流路112の何れかへ導入される。第2液体L2に含まれた複数の第2粒子P200の殆どは複数の分岐流路112の何れかを経由し、さらに第3排出流路116を経由して第2排出孔124から流路デバイス100の外部へ排出され得る。ここでは、主流路111に接続された複数の分岐流路112のそれぞれの断面積と長さとを調整することによって、複数の第2粒子P200が主流路111から複数の分岐流路112の何れかへ導入されて複数の第1粒子P100と分離される。本開示において、流路の断面は、流路が延びている方向に対して直交する仮想的な平面に沿った流路の仮想的な断面であってよい。第2排出孔124から流路デバイス100の外部へ排出される複数の第2粒子P200を含む液体は、例えば、第2排出孔124に直接もしくは管などの他の1つ以上の部材を介して接続された他のデバイスにおいて、特定の処理に供されてもよいし、単に回収されてもよい。第2排出孔124から流路デバイス100の外部へ排出される複数の第2粒子P200を含む液体は、例えば、直接もしくは管などの他の1つ以上の部材を介して廃棄されてもよい。
【0109】
複数の第1粒子P100は、複数の分岐流路112へは殆ど導入されずに主流路111内を第3方向としての-Y方向へ向けて移動する。複数の第1粒子P100の殆どは、主流路111から第1排出流路115へ流入する。ここでは、第1排出流路115の幅は、第1粒子P100よりも大きい。そして、主流路111において複数の第2粒子P200が複数の分岐流路112の何れかへ導入されたのと同じ作用によって、第1下流部111dに到達した複数の第1粒子P100は、第2排出流路117ではなく、第1排出流路115へ流入する。ここで、例えば、本体部1の上面1aが上向きである形態で流路デバイス100が配置されていれば、主流路111および第1排出流路115を順に経た複数の第1粒子P100を含む液体は、第1排出孔123から凹状部1231r内の空間に排出される。凹状部1231rは、液体が貯留される容器としての機能を有する。凹状部1231r内の空間に溜まった複数の第1粒子P100を含む液体(回収対象液体ともいう)については、例えば、第1排出孔123を貫通する形態でピペットが挿入されて、このピペットによる吸引によって回収対象液体が回収され得る。
【0110】
第2液体L2のうちの複数の分岐流路112の何れかへ流れる複数の第2粒子P200と第1排出流路115へ流れる複数の第1粒子P100とを除く組成物(残余の組成物ともいう)は、第2排出流路117に流入する。この残余の組成物は、第2排出流路117を経由して第3排出孔125から流路デバイス100の外部へ排出され得る。ここで、第3排出孔125から流路デバイス100の外部へ排出される残余の組成物を含む液体は、例えば、第3排出孔125に直接もしくは管などの他の1つ以上の部材を介して接続された他のデバイスにおいて、特定の処理に供されてもよいし、単に回収されてもよい。第3排出孔125から流路デバイス100の外部へ排出される残余の組成物を含む液体は、例えば、直接もしくは管などの他の1つ以上の部材を介して廃棄されてもよい。
【0111】
第1実施形態の一例では、液体を複数の分岐流路112のそれぞれへと導入する流れ(導入流ともいう)が利用される。導入流は、主流路111および複数の分岐流路112による複数の第1粒子P100と複数の第2粒子P200との分離に寄与し得る。導入流は、
図11において、梨地状のハッチングが付された領域Af1によって示されている。
図11において領域Af1によって示されている導入流の様子は、あくまで一例であって、第1導入流路114から主流路111の第1上流部111uに導入される第1液体L1の流速および流量と、第2導入流路113から主流路111の第1上流部111uに導入される第2液体L2の流速および流量との関係に応じて変化し得る。領域Af1を適宜調整することで、第2液体L2から複数の第1粒子P100と複数の第2粒子P200とが効率よく分離される。主流路111において、第1液体L1は、複数の分岐流路112とは反対側から第4方向としての+X方向に、第2液体L2を複数の分岐流路112へ向けて押し付ける。換言すれば、第1液体L1は、主流路111において主流路111の第4方向としての+X方向の側面(第1の側面)に複数種の粒子としての複数の第1粒子P100および複数の第2粒子P200を押し付けるための液体(押付用液体)である。第1液体L1は、導入流の発生に寄与し得る。
【0112】
第1実施形態の一例では、上述したように、主流路111は、第3方向としての-Y方向に沿った方向に延びている。第2導入流路113のうちの主流路111の第1上流部111uに接続している部分が第3方向としての-Y方向に沿って延びている。複数の分岐流路112のそれぞれは、主流路111の第1上流部111uと第1下流部111dとの間において第4方向としての+X方向の側面(第1の側面)において開口している。第1導入流路114は、主流路111の第1上流部111uのうちの第5方向としての-X方向の側面(第2の側面)において開口している。
【0113】
このため、第1導入孔122を介して主流路111に第1液体L1を供給しながら、第2導入孔121を介して複数種の複数の粒子を含む第2液体L2を主流路111に供給することで、主流路111において複数種の複数の粒子を複数の分岐流路112に向けて押し付ける液体の流れが発生し得る。換言すれば、例えば、第1導入孔122から第1導入流路114を介して第1上流部111uに第1液体L1を導入しつつ、第2導入孔121から第2導入流路113を介して第1上流部111uに第2液体L2を導入すると、主流路111において、第2液体L2に含まれている複数種の複数の粒子としての複数の第1粒子P100および複数の第2粒子P200を複数の分岐流路112に向けて押し付けながら第1下流部111dに向けて流すことができる。これにより、例えば、複数種の複数の粒子としての複数の第1粒子P100および複数の第2粒子P200のうちの複数の分岐流路112のそれぞれの幅よりも小さな径の複数の第2粒子P200が複数の分岐流路112に流入し易くなる。その結果、例えば、第2液体L2における複数種の複数の粒子としての複数の第1粒子P100および複数の第2粒子P200のうち、複数の分岐流路112のそれぞれの幅よりも大きな径の複数の第1粒子P100と、複数の分岐流路112のそれぞれの幅よりも小さな径の複数の第2粒子P200との分離が容易となる。
【0114】
さらに、第1実施形態の一例では、上述したように、第1排出流路115は、主流路111の第1下流部111dに接続している部分が第1下流部111dのうちの第4方向としての+X方向の側面(第1の側面)において開口している。このため、例えば、主流路111における導入流の作用によって、複数の第1粒子P100が、第1排出流路115に流入し易くなる。これにより、例えば、複数の第1粒子P100が、第1排出流路115を経て第1排出孔123から凹状部1231r内へ容易に排出され得る。その結果、例えば、複数の第1粒子P100と複数の第2粒子P200との分離が容易となる。
【0115】
図11では、主流路111における導入流の幅が、主流路111から複数の分岐流路112へ分岐する領域の付近において幅(第1幅ともいう)Wd1として示されている。ここでは、主流路111における導入流の幅は、第4方向としての+X方向に沿った導入流の長さである。第1幅Wd1は、例えば、主流路111および複数の分岐流路112のそれぞれの断面積および長さの調整と第1液体L1および第2液体L2のそれぞれの流量の調整とによって設定され得る。
【0116】
図11では、第1幅Wd1は、導入流の領域Af1に複数の第1粒子P100のそれぞれの重心位置が含まれず、複数の第2粒子P200のそれぞれの重心位置が含まれる幅で例示されている。ここでは、第1幅Wd1が、導入流の領域Af1に第2粒子P200の重心位置が含まれる幅であることで、第2粒子P200には導入流によって分岐流路112に第2粒子P200を流入させる力が効果的に作用する。よって、第2粒子P200の径よりも大きな幅を有する分岐流路112に第2粒子P200が流入し得る。これに対して、第1幅Wd1が、導入流の領域Af1に第1粒子P100の重心位置が含まれない幅であることで、第1粒子P100には導入流によって分岐流路112に第1粒子P100を流入させる力が十分には作用しない。よって、例えば、複数の分岐流路112のそれぞれの幅が第1粒子P100の径よりもいくらか大きい場合でも、第1粒子P100は、複数の分岐流路112には流入することなく、主流路111を流れていくことができる。
【0117】
第2液体L2の一例として、複数種の複数の粒子を含む液体である血液が採用される。この場合には、第1粒子P100が白血球であり、第2粒子P200が赤血球である例が採用される。この場合には、第1液体L1の一例として、リン酸緩衝生理食塩水(Phosphate-buffered saline:PBS)が採用される。流路部11の使用目的などに応じた機能を第1液体L1に持たせるために、第1液体L1には、PBSに他の成分が加えられた液体が適用されてもよい。この他の成分には、例えば、第2成分としてのエチレンジアミン四酢酸(ethylenediaminetetraacetic acid:EDTA)が適用されてもよいし、第3成分としてのウシ血清アルブミン(Bovine Serum Albumin:BSA)が適用されてもよい。ここでは、流路部11に含まれる主流路111および複数の分岐流路112は、血液中の粒子を分離するための流路として機能する。換言すれば、流路部11は、血液中の粒子を分離するための主流路111および複数の分岐流路112を含む。
【0118】
赤血球の重心位置は、例えば、赤血球の外縁部から2マイクロメートル(μm)から2.5μm程度の位置である。赤血球の最大径は、例えば、6μmから8μm程度である。白血球の重心位置は、例えば、白血球の外縁部から5μmから10μm程度の位置である。白血球の最大径は、例えば、10μmから30μm程度である。血液中の赤血球と白血球とを分離する観点から、導入流の第1幅Wd1としては、例えば、2μmから15μm程度の値が採用される。
【0119】
主流路111のXZ平面に沿った仮想的な断面の断面積は、例えば、400平方マイクロメートル(μm2)から3000μm2程度であってよい。主流路111の第4方向としての+X方向に沿った長さ(幅ともいう)は、例えば、20μmから40μm程度であってよい。主流路111の第1方向としての+Z方向に沿った長さ(高さともいう)は、例えば、20μmから100μm程度であってよい。主流路111の第3方向としての-Y方向に沿った長さは、例えば、0.5mmから20mm程度であってよい。
【0120】
複数の分岐流路112のそれぞれのYZ平面に沿った仮想的な断面の断面積は、例えば、100μm2から500μm2程度であってよい。複数の分岐流路112のそれぞれの第3方向としての-Y方向に沿った長さ(幅ともいう)は、例えば、8μmから10μm程度であってよい。複数の分岐流路112のそれぞれの第1方向としての+Z方向に沿った長さ(高さともいう)は、例えば、20μmから80μm程度であってよい。複数の分岐流路112のそれぞれの第4方向としての+X方向に沿った長さは、例えば、3mmから25mm程度であってよい。
【0121】
主流路111における単位時間当たりの液体の流量は、例えば、10マイクロリットル毎秒(μl/s)から100μl/s程度であってよい。第1導入孔122から第1導入流路114を介して主流路111に導入される単位時間当たりの第1液体L1の流量は、例えば、7μl/sから70μl/s程度であってよい。第2導入孔121から第2導入流路113を介して主流路111に導入される単位時間当たりの第2液体L2の流量は、例えば、3μl/sから30μl/s程度であってよい。
【0122】
<1-2.流路デバイスの使用例>
流路デバイス100の一使用例について説明する。
【0123】
図12は、流路デバイス100を用いて第2液体L2から複数の第1粒子P100を複数の第2粒子P200と分離する処理の流れの一例を示す流れ図である。ここでは、
図12で示されるように、ステップS1における流路デバイス100の準備を行う工程(準備工程ともいう)と、ステップS2における流路デバイス100を用いた粒子の分離を行う工程(分離工程ともいう)とが、この記載の順に実施される。
【0124】
<1-2-1.準備工程>
準備工程は、分離工程を実施する前に、流路デバイス100に事前の準備を施すための工程である。
図13は、準備工程における処理の流れの一例を示す流れ図である。
図13で示されるように、準備工程では、ステップS11の第1工程と、ステップS12の第2工程と、ステップS13の第3工程とが、この記載の順に実施される。換言すれば、流路デバイス100の準備方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程とを有する。準備工程では、第1工程が実行された後に第2工程が実行され、この第2工程が実行された後に第3工程が実行される。
図14は、第2工程における処理の流れの一例を示す流れ図である。
【0125】
<<第1工程>>
図15から
図20は、準備工程における第1工程の一例を説明するための模式図である。
図15および
図18から
図20のそれぞれには、流路デバイス100のうちの
図3で模式的に示された断面図に対応する部分が示されている。
【0126】
<<<流路デバイスの配置>>>
第1工程の一例では、例えば、流路デバイス100が配置される。例えば、
図15で示されるように、第1面としての上面1aが上向きとなる形態で流路デバイス100が配置される。これにより、例えば、主流路111および第1排出流路115を順に経て、凹状部1231r内の空間に溜まる複数の第1粒子P100を含む液体(回収対象液体)については、第1排出孔123を貫通する形態でピペットが挿入されて、このピペットによる吸引によって回収対象液体が容易に回収され得る。ここでは、例えば、流路デバイス100は、保持部300によって保持された形態で配置されてよい。保持部300は、例えば、流路デバイス100の下面1bおよび側面1cが嵌まり込む形状を有する構造体であってよい。
図15では、保持部300の一例が細い二点鎖線で模式的に描かれている。
図15では、保持部300の構成が簡略化されて示されている。
【0127】
保持部300は、例えば、第2排出口4oにおいて第2排出孔124に接続可能な流路などを備えていてもよいし、第3排出口5oにおいて第3排出孔125に接続可能な流路などを備えていてもよい。保持部300の流路は、例えば、保持部300の少なくとも一部を構成している配管の流路を含んでいてもよいし、保持部300の少なくとも一部を構成している1つ以上の部材の貫通孔の流路を含んでいてもよい。ここでは、例えば、流路デバイス100が保持部300に配置されることで、流路デバイス100の第2排出孔124が保持部300の流路に接続されてもよいし、流路デバイス100の第3排出孔125が保持部300の流路に接続されてもよい。
【0128】
<<<吸引機構の準備>>>
第1工程の一例では、例えば、吸引機構8が準備されてよい。第1工程の一例では、例えば、
図16で示されるように、吸引機構8が1つ以上の部材の流路を介して第2排出孔124に接続されてよい。
図16では、流路部11以外の各種の流路は、簡略化された実線で示されている。
図16では、
図10と同じく、流路デバイス100の外縁が省略されており、流路デバイス100のうちの流路部11および複数の孔12のそれぞれの外縁が実線で描かれている。
【0129】
吸引機構8は、例えば、流体を吸引することが可能な機構であってよい。吸引機構8には、例えば、シリンジポンプもしくはダイヤフラムポンプなどのポンプを用いて液体および気体などの流体を吸引することが可能な機構が適用されてよい。ここで、ポンプが吸引する気体は、後述する前処理液体が第2排出孔124に達する前に主に第1導入流路114、主流路111、複数の分岐流路112および第3排出流路116に存在している。この気体は、前処理液体が第2排出孔124に到達した後であって前処理液体がポンプで直接吸引され始める前に、ポンプで吸引される。本開示においては、ポンプを用いて液体を直接吸引する前の段階として流路に存在する気体を吸引することを含めて、「液体を吸引する」と表現する。吸引機構8の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。この場合には、制御部900は、例えば、吸引機構8による流体の吸引の開始および停止、ならびに吸引機構8による流体の単位時間当たりの吸引量(第1吸引速度ともいう)を制御することができてよい。
【0130】
1つ以上の部材は、例えば、流路5cを構成している1つ以上の部材および流路切換部5などを含んでいてよい。換言すれば、第1工程の一例では、例えば、第2排出孔124に流路切換部5を介して吸引機構8が接続されてよい。流路5cを構成している1つ以上の部材は、例えば、保持部300の少なくとも一部を構成している1つ以上の部材を含んでいてよい。流路切換部5は、例えば、流体が流れ得る流路を切り換えることが可能な機構であってよい。例えば、流路切換部5は、第2排出孔124と吸引機構8とが通じている状態(吸引可能状態ともいう)と、第2排出孔124と排液口とが通じている状態(第1開放状態ともいう)との間で、流体が流れ得る流路を切り換えることが可能であってよい。換言すれば、吸引可能状態は、吸引機構8が第2排出孔124から流体を吸引することが可能な状態といってもよい。流路切換部5は、例えば、1つ以上の三方弁などの流路を切り換えることができる機構(流路切換機構ともいう)を含んでいてよい。排液口は、例えば、流路の末端において流路デバイス100の外部空間200に対して開放された開口であってよい。例えば、排液口は、配管の末端部であってよい。排液口は、排気口として機能してもよいし、排気口であってもよい。
【0131】
図16の例では、流路切換部5は、第2排出孔124に対して流体の流通が可能な状態でつなげられる。吸引機構8は、流路切換部5に対して流体の流通の可能な状態でつなげられる。流路切換部5に対して、排液口が流体の流通が可能な状態でつなげられる。流路切換部5は、第1流路切換機構(第1切換機構ともいう)51と、第2流路切換機構(第2切換機構ともいう)52とを含む。
【0132】
第1切換機構51は、例えば、第1A出入口511、第1B出入口512および第1C出入口513を有する。この第1切換機構51は、例えば、第1A出入口511と第1B出入口512との間で流体が流通し得る状態(第1A状態ともいう)および第1A出入口511と第1C出入口513との間で流体が流通し得る状態(第1B状態ともいう)の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。別の観点から言えば、第1切換機構51は、例えば、第1A出入口511と第1B出入口512との間で流体が流通し得る流路の状態、および第1A出入口511と第1C出入口513との間で流体が流通し得る流路の状態の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。この流路の状態は、第1切換機構51において流体が流れ得る流路の状態を意味してよい。第1切換機構51には、例えば、三方弁などが適用される。三方弁には、例えば、3方向電磁弁と称される三方弁が適用されてもよい。第1A出入口511は、第2排出孔124に対して流体の流通が可能な状態でつなげられてよい。第1A出入口511は、流路5cを介して第2排出孔124に接続されてよい。第2排出孔124と流路5cを構成している部材との接続は、コネクタなどを介して実現されてよい。コネクタには、例えば、環状のゴムパッキンが含まれてよい。第1B出入口512は、排液口に通じた状態にされてよい。第1B出入口512は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して排液口に接続されてもよいし、排液口として機能してもよい。第1C出入口513は、第2切換機構52に通じた状態にされてよい。第1C出入口513は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して第2切換機構52に接続されてもよいし、第2切換機構52に直接接続されてもよい。
【0133】
第2切換機構52は、例えば、第2A出入口521、第2B出入口522および第2C出入口523を有する。この第2切換機構52は、例えば、第2A出入口521と第2B出入口522との間で流体が流通し得る状態(第2A状態ともいう)および第2A出入口521と第2C出入口523との間で流体が流通し得る状態(第2B状態ともいう)の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。別の観点から言えば、第2切換機構52は、例えば、第2A出入口521と第2B出入口522との間で流体が流通し得る流路の状態、および第2A出入口521と第2C出入口523との間で流体が流通し得る流路の状態の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。この流路の状態は、第2切換機構52において流体が流れ得る流路の状態を意味してよい。第2切換機構52には、例えば、三方弁などが適用される。三方弁には、例えば、3方向電磁弁と称される三方弁が適用されてもよい。第2A出入口521は、吸引機構8に対して流体の流通が可能な状態でつなげられてよい。第2A出入口521は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して吸引機構8に接続されてもよいし、吸引機構8に直接接続されてもよい。第2B出入口522は、排液口に通じた状態にされてよい。第2B出入口522は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して排液口に接続されてよいし、排液口として機能してもよい。第2C出入口523は、第1C出入口513に通じた状態とされてよい。第2C出入口523は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して第1C出入口513に接続されてもよいし、第1C出入口513に直接接続されてもよい。
【0134】
流路切換部5の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、流路切換部5による吸引可能状態および第1開放状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。より具体的には、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれの動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第1切換機構51による第1A状態および第1B状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第2切換機構52による第2A状態および第2B状態のそれぞれの設定は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。
図16の例では、第1切換機構51が第1A状態に設定されれば、流路切換部5は第1開放状態に設定する。第1切換機構51が第1B状態に設定され且つ第2切換機構52が第2B状態に設定されれば、流路切換部5は吸引可能状態に設定する。
【0135】
第1工程の一例では、例えば、
図16で示されるように、第2排出孔124に第1切換機構51が通じているとともに、この第1切換機構51に第2切換機構52が通じており、且つこの第2切換機構52に吸引機構8が通じている状態に設定されてよい。ここでは、第2排出孔124には、例えば、第1切換機構51が直接接続されてもよいし、第1切換機構51が1つ以上の部材の流路を介して接続されてもよい。第1切換機構51には、例えば、第2切換機構52が直接接続されてもよいし、第2切換機構52が1つ以上の部材の流路を介して接続されてもよい。第2切換機構52には、例えば、吸引機構8が直接接続されてもよいし、吸引機構8が1つ以上の部材の流路を介して接続されてもよい。ここでは、第2排出孔124と第1切換機構51との接続、第1切換機構51と第2切換機構52との接続、および第2切換機構52と吸引機構8との接続は、何れの接続が先に行われてもよいし、同時に行われてもよい。
【0136】
ここで、例えば、第2排出孔124と第1切換機構51との接続は、第2排出孔124に第1切換機構51が通じている状態にすることを含む。より具体的には、第2排出孔124と第1切換機構51との接続は、例えば、第2排出孔124と第1切換機構51の第1A出入口511とを流体の流通が可能な状態で接続することで、第2排出孔124に第1切換機構51が通じている状態にすることを含んでよい。例えば、第1切換機構51と第2切換機構52との接続は、第1切換機構51に第2切換機構52が通じている状態にすることを含む。より具体的には、第1切換機構51と第2切換機構52との接続は、例えば、第1切換機構51の第1C出入口513と第2切換機構52の第2C出入口523とを流体の流通が可能な状態で接続することで、第1切換機構51に第2切換機構52が通じている状態にすることを含んでよい。例えば、第2切換機構52と吸引機構8との接続は、第2切換機構52に吸引機構8が通じている状態にすることを含む。より具体的には、第2切換機構52と吸引機構8との接続は、例えば、第2切換機構52の第2A出入口521と吸引機構8とを流体の流通が可能な状態で接続することで、第2切換機構52に吸引機構8が通じている状態にすることを含んでよい。
【0137】
<<<第1開閉機構の準備>>>
第1工程の一例では、例えば、第1開閉機構4が準備されてよい。第1工程の一例では、例えば、
図16で示されるように、第3排出孔125に第1開閉機構4がつなげられてよい。換言すれば、第3排出孔125と第1開閉機構4とが、流体の流通が可能な状態で接続されてよい。
【0138】
第1開閉機構4は、例えば、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得る状態(第1開状態ともいう)および第3排出孔125から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている状態(第1閉状態ともいう)の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能な機構であってよい。第1閉状態は、例えば、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得ない状態であってもよいし、第1開状態と比較して、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けて流体が流れにくい状態であってもよい。例えば、第1開状態は、第3排出孔125と本体部1の外部の排気口もしくは排液口とが流路を介して通じている状態(第1開通状態ともいう)であってもよい。例えば、第1閉状態は、第3排出孔125と本体部1の外部の排気口もしくは排液口とが流路を介して通じていない状態(第1閉鎖状態ともいう)であってもよい。例えば、第1開状態と比較して第3排出孔125から本体部1の外部へ向けて流体が流れにくい状態には、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けて流体が若干流れ得る状態が含まれてもよい。別の観点から言えば、例えば、第1閉状態は、第1開状態と比較して、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗が大きな状態であってもよい。換言すれば、例えば、第1閉状態における第3排出孔125から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗は、第1開状態における第3排出孔125から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗よりも大きくてもよい。
【0139】
例えば、第1開閉機構4は、第3排出孔125と排液口とが通じている状態、および第3排出孔125と排液口とが通じていない状態うちの何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。換言すれば、例えば、第1開閉機構4は、第3排出孔125と排液口とが通じている状態に設定することで第1開状態に設定してもよいし、第3排出孔125と排液口とが通じていない状態に設定することで第1閉状態に設定してもよい。第1開閉機構4は、例えば、1つ以上の弁(第1弁ともいう)を含んでいてよい。排液口は、例えば、流路の末端において流路デバイス100の外部空間200に対して開放された開口であってよい。例えば、排液口は、配管の末端部であってよい。排液口は、排気口として機能してもよいし、排気口であってもよい。
【0140】
図16の例では、第1開閉機構4は、第3排出孔125に対して流体の流通が可能な状態でつなげられる。第1開閉機構4に対して、排液口が流体の流通が可能な状態でつなげられてよい。第1開閉機構4は、第1弁としての第3流路切換機構(第3切換機構ともいう)41を含む。
【0141】
第3切換機構41は、例えば、第3A出入口411、第3B出入口412および第3C出入口413を有する。この第3切換機構41は、例えば、第3A出入口411と第3B出入口412との間で流体が流通し得る状態(第3A状態ともいう)および第3A出入口411と第3C出入口413との間で流体が流通し得る状態(第3B状態ともいう)のうちの何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。別の観点から言えば、第3切換機構41は、例えば、第3A出入口411と第3B出入口412との間で流体が流通し得る流路の状態、および第3A出入口411と第3C出入口413との間で流体が流通し得る流路の状態の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。この流路の状態は、第3切換機構41において流体が流れ得る流路の状態を意味してよい。
【0142】
第3切換機構41には、例えば、三方弁などが適用される。三方弁には、例えば、3方向電磁弁と称される三方弁が適用されてもよい。第3A出入口411は、排液口に通じた状態にされてよい。第3A出入口411は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して排液口に接続されてもよいし、排液口として機能してもよい。第3B出入口412は、第3排出孔125に通じた状態とされてよい。第3B出入口412は、例えば、流路4cを介して第3排出孔125に接続されてよい。流路4cは、例えば、1つ以上の部材によって構成されてよい。この1つ以上の部材は、保持部300の少なくとも一部を構成している1つ以上の部材を含んでいてよい。第3排出孔125と流路4cを構成している部材との接続は、コネクタなどを介して実現されてよい。コネクタには、例えば、環状のゴムパッキンが含まれてよい。第3C出入口413は、排気口に通じた状態とされてよい。第3C出入口413は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して排気口に接続されてもよいし、排気口として機能してもよい。排気口は、例えば、流路の末端において流路デバイス100の外部空間200に対して開放された開口であってよい。例えば、排気口は、配管の末端部であってよい。
【0143】
第1開閉機構4の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第1開閉機構4による第1開状態および第1閉状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。より具体的には、第3切換機構41の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第3切換機構41による第3A状態および第3B状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。
図16の例では、第3切換機構41が第3A状態に設定されれば、第1開閉機構4は第1開状態に設定する。第3切換機構41が第3B状態に設定されれば、第1開閉機構4は第1閉状態に設定する。換言すれば、第1弁としての第3切換機構41が第1開状態に設定することができる。第1弁としての第3切換機構41が第1閉状態に設定することができる。
【0144】
<<<第2開閉機構の準備>>>
第1工程の一例では、例えば、
図16で示されるように、第2開閉機構6が準備されてよい。第2開閉機構6は、例えば、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得る状態(第2開状態ともいう)および第1排出孔123から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている状態(第2閉状態ともいう)のうちの何れか一方の状態に選択的に設定することが可能な機構であってよい。第2閉状態は、例えば、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得ない状態であってもよいし、第2開状態と比較して、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が流れにくい状態であってもよい。例えば、第2開状態は、第1排出孔123と本体部1の外部の排気口もしくは排液口とが流路を介して通じている状態(第2開通状態ともいう)であってもよい。例えば、第2閉状態は、第1排出孔123と本体部1の外部の排気口もしくは排液口とが流路を介して通じていない状態(第2閉鎖状態ともいう)であってもよい。例えば、第2開状態と比較して第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が流れにくい状態には、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が若干流れ得る状態が含まれてもよい。別の観点から言えば、例えば、第2閉状態は、第2開状態と比較して、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗が大きな状態であってもよい。換言すれば、例えば、第2閉状態における第1排出孔123から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗は、第2開状態における第1排出孔123から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗よりも大きくてもよい。
【0145】
第1実施形態の一例では、第2開閉機構6は、所定の部材(第1所定部材ともいう)としての第1閉鎖部材62と、第1移動機構63とを含む。例えば、第1閉鎖部材62は、第1排出孔123の第1排出口3oを塞ぐことで第2閉状態に設定することが可能であり、第1排出孔123の第1排出口3oを塞がないことで第2開状態に設定することが可能であってよい。第1閉鎖部材62には、例えば、凹状部1231r内の空間に溜まった液体を回収するためのピペットが適用されてもよいし、このピペットに装着されたピペットチップなどの部材が適用されてもよい。第1移動機構63には、例えば、第1閉鎖部材62を移動させることが可能な機構が適用されてよい。第1移動機構63は、例えば、自動化アームまたはロボットアームなどの各種の動作が可能な機構と、歯車式、油圧式、水圧式、ワイヤ式または電動式などの駆動力を発生および/または伝達する機構と、を適宜組み合わせた構成を有していてよい。
【0146】
第2開閉機構6の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第2開閉機構6による第2開状態および第2閉状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。より具体的には、第1移動機構63の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。
図16の例では、第1移動機構63が第1閉鎖部材62によって第1排出口3oを塞ぐことで、第2開閉機構6が第2閉状態に設定してよい。第1移動機構63が第1閉鎖部材62によって第1排出口3oを塞がないことで、第2開閉機構6が第2開状態に設定してよい。
【0147】
制御部900は、例えば、流路切換部5、吸引機構8、第1開閉機構4および第2開閉機構6などの各要素の動作を制御することができてよい。制御部900は、例えば、コンピュータなどであってもよいし、制御回路であってもよい。制御部900は、以下にさらに詳細に述べられるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供するために、少なくとも1つのプロセッサを含んでいてよい。
【0148】
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路(Integrated Circuit:IC)、または通信可能に接続された複数のICおよび/またはディスクリート回路(discrete circuits)で実現されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術に従って実現されてよい。
【0149】
1つの実施形態において、プロセッサは、例えば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1つ以上のデータ計算手続または処理を実行する形態で構成された1つ以上の回路またはユニットを含む。他の1つの実施形態において、プロセッサは、1つ以上のデータ計算手続または処理を実行する形態で構成されたファームウェア(例えば、ディスクリートロジックコンポーネント)であってもよい。
【0150】
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1つ以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、デジタル信号処理装置、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらのデバイスもしくは構成の任意の組合せ、あるいは他の既知のデバイスおよび構成の組合せを含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
【0151】
第1実施形態の一例では、制御部900は、例えば、中央演算装置(Central Processing Unit:CPU)901および記憶部902を備えていてよい。記憶部902は、読み出し専用メモリ(Read Only Memory:ROM)およびRAM(Random Access Memory)などの、CPU901が読み取り可能な非一時的な記録媒体を含んでいてよい。記憶部902は、流路切換部5、吸引機構8、第1開閉機構4および第2開閉機構6などを制御するための1つ以上のプログラムPg1などを記憶していてよい。制御部900の各種機能は、CPU901が記憶部902内の1つ以上のプログラムPg1を実行することによって実現されてよい。
【0152】
なお、制御部900の構成は上記の例に限られない。例えば、制御部900は、複数のCPU901を備えていてもよい。また、制御部900は、少なくとも1つのデジタル信号演算回路(Digital Signal Processor:DSP)を備えていてもよい。また、制御部900の全ての機能あるいは制御部900の一部の機能は、その機能の実現にソフトウェアが不要なハードウェア回路によって実現されてもよい。また、記憶部902は、ROMおよびRAM以外の、コンピュータが読取り可能な非一時的な記録媒体を備えていてもよい。記憶部902は、例えば、小型のハードディスクドライブおよび/またはソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)などを備えていてもよい。
【0153】
<<<液体の準備>>>
図17には、第1工程の一例において第1液体L1が第1容器501から第1供給器601内に吸引される様子の一例ならびに第2液体L2が第2容器502から第2供給器602内に吸引される様子の一例が模式的に示されている。
図18には、第1工程の一例において第1供給器601によって第1液体L1が第1貯液用空間3spに注入されるとともに第2供給器602によって第2液体L2が第2貯液用空間2spに注入される様子の一例が模式的に示されている。
図19には、第1工程の一例において第1貯液用空間3spへの第1液体L1の注入が完了したとともに第2貯液用空間2spへの第2液体L2の注入が完了した様子の一例が模式的に示されている。
図17から
図19では、第1液体L1が存在している領域に左上がりの斜線を用いたハッチングが付されており、第2液体L2が存在している領域に梨地の模様を用いたハッチングが付されている。
図18では、液体が流路デバイス100に注入される様子が細い2点鎖線で描かれた矢印で模式的に示されている。
【0154】
第1工程の一例では、例えば、
図17から
図19で示されるように、第1供給器601が用いられて第1液体供給部3の第1貯液用空間3spに第1液体L1が注入されるとともに、第2供給器602が用いられて第2液体供給部2の第2貯液用空間2spに第2液体L2が注入される。例えば、
図17で示されるように第1容器501に貯留された第1液体L1が第1供給器601によって直接的に吸い上げられて、
図18で示されるように第1液体導入部322を介して第1供給器601によって第1液体供給部3の第1貯液用空間3spに直接的に第1液体L1が注入される。これにより、
図19で示されるように、第1液体供給部3の第1貯液用空間3spに第1液体L1が貯留された状態となる。例えば、
図17で示されるように第2容器502に貯留された第2液体L2が第2供給器602によって直接的に吸い上げられて、
図18で示されるように第2液体導入部222を介して第2供給器602によって第2液体供給部2の第2貯液用空間2spに直接的に第2液体L2が注入される。これにより、
図19で示されるように、第2液体供給部2の第2貯液用空間2spに第2液体L2が貯留された状態となる。
【0155】
第1供給器601および第2供給器602のそれぞれには、例えば、シリンジなどを含む注射器などが適用される。注射器のシリンジは、例えば、樹脂製であってもよいし、ガラス製であってもよいし、金属製であってもよい。第1容器501には、PBSなどを貯留する容器が適用される。第2容器502には、例えば、採血管またはサンプルカップなどの容器が適用される。第1容器501および第2容器502のそれぞれは、例えば、樹脂製の容器であってもよいし、ガラス製の容器であってもよい。
【0156】
ここで、例えば、第1供給器601が注射器である場合を想定する。この場合には、例えば、第1供給器601の一部分である注射針などのノズルが第1容器501内に挿入されて、第1容器501に貯留された第1液体L1が第1供給器601によって直接的に吸い上げられ得る。また、例えば、第1供給器601の一部分である注射針などのノズルが第1液体導入部322に挿入されて、第1供給器601によって第1貯液用空間3spに第1液体L1が注入され得る。
【0157】
ここで、例えば、第2供給器602が注射器である場合を想定する。この場合には、例えば、第2供給器602の一部分である注射針などのノズルが第2容器502内に挿入されて、第2容器502に貯留された第2液体L2が第2供給器602によって直接的に吸い上げられ得る。また、例えば、第2供給器602の一部分である注射針などのノズルが第2液体導入部222に挿入されて、第2供給器602によって第2貯液用空間2spに第2液体L2が注入され得る。
【0158】
<<<液体を供給するための準備>>>
第1工程の一例では、例えば、
図20で示されるように、第1押圧部材701と、第2押圧部材702と、駆動部800とが準備されてよい。第1押圧部材701は、例えば、第1可動部材32の第1液体導入部322を上方から塞いでいる状態で第1可動部材32を下方に向けて押すことができる部材であってよい。第2押圧部材702は、例えば、第2可動部材22の第2液体導入部222を上方から塞いでいる状態で第2可動部材22を下方に向けて押すことができる部材であってよい。駆動部800は、例えば、第1押圧部材701および第2押圧部材702のそれぞれを下方に向けて移動させることができる構成を有していてよい。例えば、駆動部800は、第1押圧部材701を下方に移動させることができる第1駆動部分801と、第2押圧部材702を下方に移動させることができる第2駆動部分802とを含んでいてよい。第1駆動部分801および第2駆動部分802のそれぞれには、例えば、直動型のステッピングモータ、あるいは回転モータとボールねじ機構とが組み合わされた構成などが適用される。
図20で示されるように、第1駆動部分801および第2駆動部分802のそれぞれの動作は、例えば、制御部900によって制御されてよい。換言すれば、例えば、制御部900は、第1駆動部分801および第2駆動部分802のそれぞれの動作を制御することができてよい。ここでは、第1駆動部分801および第2駆動部分802のそれぞれの動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。制御部900は、例えば、第1駆動部分801および第2駆動部分802などの各要素の動作を制御することができてよい。制御部900の記憶部902に記憶された1つ以上のプログラムPg1は、第1駆動部分801および第2駆動部分802などを制御するためのプログラムを含んでいてよい。
【0159】
制御部900は、例えば、第1駆動部分801の動作を制御することで、第1押圧部材701による第1可動部材32を下方に押す動作の開始および停止、ならびに第1押圧部材701によって第1可動部材32を下方に押す速度を制御することができてよい。この場合には、制御部900は、例えば、第1液体供給部3による主流路111に向けた第1液体L1の供給の開始および停止、ならびに第1液体供給部3による主流路111に向けた第1液体L1の単位時間当たりの供給量(第1供給速度ともいう)を制御することができてよい。
【0160】
制御部900は、例えば、第2駆動部分802の動作を制御することで、第2押圧部材702による第2可動部材22を下方に押す動作の開始および停止、ならびに第2押圧部材702によって第2可動部材22を下方に押す速度を制御することができてよい。この場合には、制御部900は、例えば、第2液体供給部2による主流路111に向けた第2液体L2の供給の開始および停止、ならびに第2液体供給部2による主流路111に向けた第2液体L2の単位時間当たりの供給量(第2供給速度ともいう)を制御することができてよい。
【0161】
<<第2工程>>
ステップS12の第2工程では、流路デバイス100の流路部11へ被処理液体としての第2液体L2を導入する前の処理(前処理ともいう)として、液体(前処理液体ともいう)を流路部11内に導入する処理(導入処理ともいう)が行われる。この導入処理は、流路デバイス100の洗浄と、分離工程における流路部11内での被処理液体の円滑な流れとを実現するための処理である。例えば、前処理液体は、押付用液体としての第1液体L1と兼用される。換言すれば、第1液体供給部3は、流路部11に前処理液体を供給する機構(液体供給機構ともいう)としての役割を有する。
【0162】
図14で示されるように、ステップS12で実施される第2工程の一例では、例えば、ステップS121の第2A工程と、ステップS122の第2B工程と、が順に行われる。換言すれば、第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有する。
図14の例では、第2工程において、第2A工程が実行された後に、第2B工程が実行される。第2工程は、例えば、制御部900による各部の制御によって実現され得る。
【0163】
図21は、第2A工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図22は、第2B工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。上述した
図16には、第2工程の開始前における流路デバイス100の状態の一例が模式的に示されている。
図21および
図22では、
図10および
図16と同じく、流路デバイス100の外縁が省略されており、流路デバイス100のうちの流路部11および複数の孔12のそれぞれの外縁が実線で描かれている。
図21および
図22では、
図16と同じく、流路部11以外の各種の流路は、簡略化された実線で示されている。
図21および
図22では、前処理液体が存在する領域が、右上がりの斜線を用いたハッチングによって示されている。
図21および
図22では、前処理液体が流れる方向が細い2点鎖線で描かれた矢印によって示されている。
【0164】
ここで、第1実施形態における第2A工程の一例および第2B工程の一例について説明する。
【0165】
<<<第2A工程>>>
第2A工程において、例えば、第1開状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第1開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図21で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第2排出流路117を経て第3排出孔125に至る領域(第1領域ともいう)A1が前処理液体で満たされる。
【0166】
ここで、第1領域A1には、第3排出孔125が含まれていてもよいし、第3排出孔125が含まれていなくてもよい。例えば、第1領域A1に第3排出孔125が含まれている場合には、第1領域A1が前処理液体で満たされている状態は、第1領域A1の各流路および各孔12において前処理液体が分断されない程度に気泡もしくは空気が存在している状態を含み得る。例えば、第1領域A1に第3排出孔125が含まれていない場合には、第1領域A1が前処理液体で満たされている状態は、第1領域A1の各流路および第1導入孔122において前処理液体が分断されない程度に気泡もしくは空気が存在している状態を含み得る。
【0167】
ここで、第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1開状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1開状態に設定されてよい。この構成によれば、第1開状態に容易に設定され得る。
【0168】
第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第2閉状態に設定されてよい。これにより、第1開状態および第2閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図21で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、第1開状態および第2閉状態に設定されていれば、
図21で示されるように、第1下流部111dから第1排出流路115には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第1領域A1が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0169】
ここで、第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれることで、第2閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞によって、第2閉状態に容易に設定され得る。
【0170】
<<<第2B工程>>>
第2B工程において、例えば、第1閉状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第1閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図22で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第1排出流路115を経て第1排出孔123に至る領域(第2領域ともいう)A2が前処理液体で満たされる。ここでは、第1排出孔123へ向けて前処理液体が供給される際には、第1閉状態に設定されることで、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。これにより、流路デバイス100を使用する前の準備において、流路部11が前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0171】
ここで、第2領域A2には、第1排出孔123が含まれていてもよいし、第1排出孔123が含まれていなくてもよい。例えば、第2領域A2に第1排出孔123が含まれている場合には、第2領域A2が前処理液体で満たされている状態は、第2領域A2の各流路および各孔12において前処理液体が分断されない程度に気泡もしくは空気が存在している状態を含み得る。例えば、第2領域A2に第1排出孔123が含まれていない場合には、第2領域A2が前処理液体で満たされている状態は、第2領域A2の各流路および第1導入孔122において前処理液体が分断されない程度に気泡もしくは空気が存在している状態を含み得る。
【0172】
ここで、第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1閉状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1閉状態に容易に設定され得る。
【0173】
第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第2開状態に設定されてよい。これにより、第1閉状態および第2開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図22で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、第1閉状態および第2開状態に設定されていれば、
図22で示されるように、第1下流部111dから第2排出流路117には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0174】
ここで、第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2開状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれないことで、第2開状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞の解除によって、第2開状態に容易に設定され得る。
【0175】
<<第3工程>>
図23は、第3工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図23では、
図10および
図16と同じく、流路デバイス100の外縁が省略されており、流路デバイス100のうちの流路部11および複数の孔12のそれぞれの外縁が実線で描かれている。
図23では、
図16と同じく、流路部11以外の各種の流路は、簡略化された実線で示されている。
図23では、
図21および
図22と同じく、前処理液体が存在する領域が、右上がりの斜線を用いたハッチングによって示されている。
図23では、
図21および
図22と同じく、前処理液体が流れる方向が細い2点鎖線で描かれた矢印によって示されている。
【0176】
ここで、第1実施形態における第3工程の一例について説明する。
【0177】
第3工程において、例えば、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引される。これにより、
図23で示されるように、主流路111から複数の分岐流路112のそれぞれを経て第2排出孔124に至る領域(第3領域ともいう)A3が前処理液体で満たされる。
【0178】
ここで、第3領域A3には、第2排出孔124が含まれていてもよいし、第2排出孔124が含まれていなくてもよい。例えば、第3領域A3に第2排出孔124が含まれている場合には、第3領域A3が前処理液体で満たされている状態は、第3領域A3の各流路および第2排出孔124において前処理液体が分断されない程度に気泡もしくは空気が存在している状態を含み得る。例えば、第3領域A3に第2排出孔124が含まれていない場合には、第3領域A3が前処理液体で満たされている状態は、第3領域A3の各流路において前処理液体が分断されない程度に気泡もしくは空気が存在している状態を含み得る。
【0179】
第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1液体供給部3によって第1導入孔122を介して主流路111に向けて第1供給速度で前処理液体が供給されてよい。例えば、吸引機構8によって主流路111から複数の分岐流路112および第2排出孔124を介して第1吸引速度で前処理液体を吸引してよい。第1吸引速度は、第1供給速度以下に設定される。
【0180】
ここで、第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1切換機構51が第1B状態に設定され且つ第2切換機構52が第2B状態に設定されることで、流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてよい。
【0181】
ここで、第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1閉状態に設定されてもよいし、第1開状態に設定されてもよい。例えば、第1実施形態の第3工程の一例において、第1閉状態に設定されれば、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1閉状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1閉状態に容易に設定され得る。
【0182】
ここで、第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第2閉状態に設定されてもよいし、第2開状態に設定されてもよい。例えば、第1実施形態の第3工程の一例において、第2閉状態に設定されれば、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれることで、第2閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞によって、第2閉状態に容易に設定され得る。
【0183】
第1実施形態の第3工程の一例では、例えば、吸引可能状態、第1閉状態および第2閉状態に設定された状態で、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引されてよい。これにより、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0184】
<1-2-2.分離工程>
ステップS2の分離工程では、流路デバイス100の流路部11に対して、押付用液体としての第1液体L1が第1導入孔122から導入されるとともに、被処理液体としての第2液体L2が第2導入孔121から導入される。ここでは、例えば、第1液体L1は、第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を順に介して主流路111の第1上流部111uに供給される。例えば、第2液体L2は、第2液体供給部2によって第2導入孔121および第2導入流路113を順に介して主流路111の第1上流部111uに供給される。このとき、
図11で示されたように、第2液体L2に含まれている複数種の複数の粒子のうちの複数の第2粒子P200は、主流路111から複数の分岐流路112の何れかへ導入されて、複数の第1粒子P100と分離され得る。第2液体L2に含まれている複数種の複数の粒子のうちの複数の第1粒子P100は、複数の分岐流路112へは殆ど導入されずに、主流路111および第1排出流路115を順に経由して第1排出孔123から凹状部1231rへ排出される。
【0185】
<1-3.その他>
例えば、上記の第2A工程の一例において、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている状態(第3閉状態ともいう)に設定されてもよい。これにより、第1領域A1が液体で容易に満たされ得る。例えば、上記の第2B工程の一例において、第3閉状態に設定されてもよい。これにより、第2領域A2が液体で容易に満たされ得る。
【0186】
第3閉状態は、例えば、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得ない状態であってもよいし、上記の第1開放状態と比較して、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けて流体が流れにくい状態であってもよい。例えば、第1開放状態は、第2排出孔124と本体部1の外部の排気口もしくは排液口とが流路を介して通じている状態(第3開通状態ともいう)であってもよい。例えば、第3閉状態は、第2排出孔124と本体部1の外部の排気口もしくは排液口とが流路を介して通じていない状態(第3閉鎖状態ともいう)であってもよい。例えば、上記の第1開放状態と比較して第2排出孔124から本体部1の外部へ向けて流体が流れにくい状態には、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けて流体が若干流れ得る状態が含まれてもよい。別の観点から言えば、例えば、第3閉状態は、第1開放状態と比較して、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗が大きな状態であってもよい。換言すれば、例えば、第3閉状態における第2排出孔124から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗は、第1開放状態における第2排出孔124から本体部1の外部へ向けた流体の流れに対する抵抗よりも大きくてもよい。
【0187】
ここでは、例えば、上記の流路切換部5が、第3閉状態に設定することができる機構であってよい。より具体的には、例えば、流路切換部5は、上記の吸引可能状態、上記の第1開放状態および上記の第3閉状態の何れか1つの状態に選択的に設定することが可能な機構であってよい。流路切換部5は、例えば、第2排出孔124から排液口に至る流路および第2排出孔124から吸引機構8に至る流路のそれぞれを閉鎖することで、第3閉状態に設定することができてよい。
【0188】
図16の例では、第1切換機構51が第1B状態に設定され且つ第2切換機構52が第2A状態に設定されることで、流路切換部5は第3閉状態に設定してよい。例えば、流路切換部5による第3閉状態の設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてもよい。例えば、流路切換部5は、制御部900からの信号に応じて、吸引可能状態、第1開放状態および第3閉状態のそれぞれに設定されてもよい。
【0189】
ここでは、例えば、上記の第2A工程および上記の第2B工程のうちの1つ以上の工程において、第3閉状態に設定される場合に、第1流路切換部5によって第3閉状態に設定されてもよい。より具体的には、例えば、上記の第2A工程および上記の第2B工程のうちの1つ以上の工程において、第3閉状態に設定される場合に、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれにおける流路の状態によって第3閉状態に設定されてもよい。また、ここでは、例えば、上記の第3工程において、第1流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてもよい。より具体的には、例えば、上記の第3工程において、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれにおける流路の状態によって、吸引可能状態に設定されてよい。これにより、第3閉状態および吸引可能状態のそれぞれに容易に設定され得る。
【0190】
<1-4.第1実施形態のまとめ>
第1実施形態に係る流路デバイス100の準備方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程とを有する。第2工程は、第2A工程と第2B工程とを有する。第1工程では、流路デバイス100が配置される。第2A工程では、第3排出孔125から流路デバイス100の本体部1の外部へ向けて流体が流れ得る第1開状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第2排出流路117を経て第3排出孔125に至る第1領域A1が前処理液体で満たされる。第2B工程では、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第1閉状態に設定されて、第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第1排出流路115を経て第1排出孔123に至る第2領域A2が前処理液体で満たされる。第3工程では、第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引される。これにより、主流路111から複数の分岐流路112のそれぞれを経て第2排出孔124に至る第3領域A3が前処理液体で満たされる。ここでは、第1排出孔123へ向けた前処理液体の供給が行われる際には、第3排出孔125から流路デバイス100の本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第1閉状態に設定されることで、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。これにより、流路デバイス100を使用する前の準備において、流路部11が前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0191】
ここで、例えば、第3排出孔125へ向けた前処理液体の供給が行われる第2A工程において、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第2閉状態に設定されれば、第1領域A1が前処理液体で容易に満たされ得る。これにより、流路デバイス100を使用する前の準備において、流路部11が前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0192】
<2.他の実施形態>
本開示は上述の第1実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更および改良などが可能である。
【0193】
<2-1.第2実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、
図24で示されるように、第2開閉機構6がなくてもよい。より具体的には、上記第1実施形態における第1工程の一例では、例えば、
図24で示されるように、第2開閉機構6が準備されなくてもよい。上記第1実施形態における第2A工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態に設定されなくてもよい。上記第1実施形態における第2B工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2開状態に設定されなくてもよい。上記第1実施形態における第3工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態および第2開状態の何れにも設定されなくてよい。換言すれば、第1排出孔123については、常に、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得る状態(第2開放状態ともいう)にあってもよい。さらに換言すれば、第1工程、第2A工程、第2B工程および第3工程の何れの工程においても、第2開放状態にあってもよい。
【0194】
この構成が採用されても、例えば、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123に向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125に向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも大きな場合には、第2A工程の一例において、第2閉状態に設定されなくても、第1領域A1に前処理液体が容易に満たされ得る。
【0195】
図24は、第2実施形態に係る第1工程の一例を説明するための模式図である。
図24は、
図16から第2開閉機構6が削除された図である。
図25は、第2実施形態に係る第2A工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図25は、
図21から第2開閉機構6が削除された図である。
図26は、第2実施形態に係る第2B工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図26は、
図22から第2開閉機構6が削除された図である。
図27は、第2実施形態に係る第3工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図27は、
図23から第2開閉機構6が削除された図である。
【0196】
ここで、第2実施形態に係る第2工程における第2A工程の一例および第2B工程の一例ならびに第3工程の一例について説明する。
【0197】
<<第2A工程>>
第2実施形態の第2A工程において、例えば、第1開状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第1開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図25で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第2排出流路117を経て第3排出孔125に至る第1領域A1が前処理液体で満たされる。
【0198】
ここで、第2実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1開状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1開状態に設定されてよい。この構成によれば、第1開状態に容易に設定され得る。
【0199】
第2実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されてよい。第2実施形態の第2A工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図25で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123に向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125に向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも大きい場合を想定する。この場合には、
図25で示されるように、第1下流部111dから第1排出流路115には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第1領域A1が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0200】
<<第2B工程>>
第2実施形態の第2B工程において、例えば、第1閉状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第1閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図26で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第1排出流路115を経て第1排出孔123に至る第2領域A2が前処理液体で満たされる。ここでは、第1排出孔123へ向けて前処理液体が供給される際には、第1閉状態に設定されることで、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。これにより、流路デバイス100を使用する前の準備において、流路部11が前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0201】
ここで、第2実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1閉状態に設定されてよい。より具体的には、第2実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1閉状態に容易に設定され得る。
【0202】
第2実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第2実施形態の第2B工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されていてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図26で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、第1閉状態に設定されていれば、
図26で示されるように、第1下流部111dから第2排出流路117には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0203】
<<第3工程>>
第2実施形態の第3工程において、例えば、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引される。これにより、
図27で示されるように、主流路111から複数の分岐流路112のそれぞれを経て第2排出孔124に至る第3領域A3が前処理液体で満たされる。
【0204】
第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1液体供給部3によって第1導入孔122を介して主流路111に向けて第1供給速度で前処理液体が供給されてよい。例えば、吸引機構8によって主流路111から複数の分岐流路112および第2排出孔124を介して第1吸引速度で前処理液体を吸引してよい。第1吸引速度は、第1供給速度以下に設定される。
【0205】
ここで、第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてよい。より具体的には、第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1切換機構51が第1B状態に設定され且つ第2切換機構52が第2B状態に設定されることで、流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてよい。
【0206】
ここで、第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1閉状態に設定されてもよいし、第1開状態に設定されてもよい。例えば、第2実施形態の第3工程の一例において、第1閉状態に設定されれば、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1閉状態に設定されてよい。より具体的には、第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1閉状態に容易に設定され得る。
【0207】
第2実施形態の第3工程の一例では、例えば、吸引可能状態、第2開放状態および第1閉状態に設定された状態で、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引されてよい。これにより、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0208】
<<その他>>
例えば、第2実施形態の第2A工程の一例において、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第3閉状態に設定されてもよい。これにより、第1領域A1が液体で容易に満たされ得る。例えば、第2実施形態の第2B工程の一例において、第3閉状態に設定されてもよい。これにより、第2領域A2が液体で容易に満たされ得る。ここでは、例えば、流路切換部5によって、第3閉状態に設定されてよい。
【0209】
ここでは、例えば、第2実施形態の第2A工程および第2B工程のうちの1つ以上の工程において、第3閉状態に設定される場合に、第1流路切換部5によって第3閉状態に設定されてもよい。より具体的には、例えば、第2実施形態の第2A工程および第2B工程のうちの1つ以上の工程において、第3閉状態に設定される場合に、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれにおける流路の状態によって第3閉状態に設定されてよい。また、ここでは、例えば、第2実施形態の第3工程において、第1流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてもよい。より具体的には、例えば、第2実施形態の第3工程において、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれにおける流路の状態によって、吸引可能状態に設定されてよい。これにより、第3閉状態および吸引可能状態のそれぞれに容易に設定され得る。
【0210】
<2-2.第3実施形態>
上記第1実施形態において、例えば、
図28で示されるように、第1開閉機構4がなくてもよい。より具体的には、上記第1実施形態における第1工程の一例では、例えば、
図28で示されるように、第1開閉機構4が準備されなくてもよい。上記第1実施形態における第2A工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1開状態に設定されなくてもよい。上記第1実施形態における第2B工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1閉状態に設定されなくてもよい。上記第1実施形態における第3工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1開状態および第1閉状態のいずれにも設定されなくてよい。換言すれば、第3排出孔125については、常に、第3排出孔125から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得る状態(第3開放状態ともいう)にあってもよい。さらに換言すれば、第1工程、第2A工程、第2B工程および第3工程の何れの工程においても、第3開放状態にあってもよい。
【0211】
この構成が採用されても、例えば、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125に向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123に向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも大きな場合には、第2B工程の一例において、第1閉状態に設定されなくても、第2領域A2に前処理液体が容易に満たされ得る。
【0212】
図28は、第3実施形態に係る第1工程の一例を説明するための模式図である。
図28は、
図16から第1開閉機構4が削除された図である。
図29は、第3実施形態に係る第2A工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図29は、
図21から第1開閉機構4が削除された図である。
図30は、第3実施形態に係る第2B工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図30は、
図22から第1開閉機構4が削除された図である。
図31は、第3実施形態に係る第3工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図31は、
図23から第1開閉機構4が削除された図である。
【0213】
ここで、第3実施形態に係る第2工程における第2A工程の一例および第2B工程の一例ならびに第3工程の一例について説明する。
【0214】
<<第2A工程>>
第3実施形態の第2A工程において、例えば、第2閉状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第2閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図29で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第2排出流路117を経て第3排出孔125に至る第1領域A1が前処理液体で満たされる。ここでは、第3排出孔125へ向けて前処理液体が供給される際には、第2閉状態に設定されることで、第1領域A1が前処理液体で容易に満たされ得る。これにより、流路デバイス100を使用する前の準備において、流路部11が前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0215】
ここで、第3実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態に設定されてよい。より具体的には、第3実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれることで、第2閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞によって、第2閉状態に容易に設定され得る。
【0216】
第3実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第2閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第3実施形態の第2A工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図29で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、第2閉状態に設定されていれば、
図29で示されるように、第1下流部111dから第1排出流路115には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第1領域A1が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0217】
<<第2B工程>>
第3実施形態の第2B工程において、例えば、第2開状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。これにより、第2開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図30で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第1排出流路115を経て第1排出孔123に至る第2領域A2が前処理液体で満たされる。
【0218】
ここで、第3実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2開状態に設定されてよい。より具体的には、第3実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれないことで、第2開状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞の解除によって、第2開状態に容易に設定され得る。
【0219】
第3実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第2開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第3実施形態の第2B工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図30で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125に向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123に向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも大きい場合を想定する。この場合には、
図30で示されるように、第1下流部111dから第2排出流路117には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0220】
<<第3工程>>
第3実施形態の第3工程において、例えば、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引される。これにより、
図31で示されるように、主流路111から複数の分岐流路112のそれぞれを経て第2排出孔124に至る第3領域A3が前処理液体で満たされる。
【0221】
第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1液体供給部3によって第1導入孔122を介して主流路111に向けて第1供給速度で前処理液体が供給されてよい。例えば、吸引機構8によって主流路111から複数の分岐流路112および第2排出孔124を介して第1吸引速度で前処理液体を吸引してよい。第1吸引速度は、第1供給速度以下に設定される。
【0222】
ここで、第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、流路切換部5によって吸引可能状態に設定されていてよい。より具体的には、第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1切換機構51が第1B状態に設定され且つ第2切換機構52が第2B状態に設定されることで、流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてよい。
【0223】
ここで、第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、第2閉状態に設定されてもよいし、第2開状態に設定されてもよい。例えば、第3実施形態の第3工程の一例において、第2閉状態に設定されていれば、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態に設定されてよい。より具体的には、第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれることで、第2閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞によって、第2閉状態に容易に設定され得る。
【0224】
第3実施形態の第3工程の一例では、例えば、吸引可能状態および第2閉状態に設定された状態で、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されるとともに、吸引機構8によって第2排出孔124および複数の分岐流路112を介して主流路111から前処理液体が吸引されてよい。これにより、第3領域A3が容易に前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0225】
<<その他>>
例えば、第3実施形態の第2A工程の一例において、第2排出孔124から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第3閉状態に設定されてもよい。これにより、第1領域A1が液体で容易に満たされ得る。例えば、第3実施形態の第2B工程の一例において、第3閉状態に設定されてもよい。これにより、第2領域A2が液体で容易に満たされ得る。ここでは、例えば、流路切換部5によって、第3閉状態に設定されてよい。
【0226】
ここでは、例えば、第3実施形態の第2A工程および第2B工程のうちの1つ以上の工程において、第3閉状態に設定される場合に、第1流路切換部5によって第3閉状態に設定されてもよい。より具体的には、例えば、第3実施形態の第2A工程および第2B工程のうちの1つ以上の工程において、第3閉状態に設定される場合に、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれにおける流路の状態によって第3閉状態に設定されてよい。また、ここでは、例えば、第3実施形態の第3工程において、第1流路切換部5によって吸引可能状態に設定されてもよい。より具体的には、例えば、第3実施形態の第3工程において、第1切換機構51および第2切換機構52のそれぞれにおける流路の状態によって、吸引可能状態に設定されてよい。これにより、第3閉状態および吸引可能状態のそれぞれに容易に設定され得る。
【0227】
<2-3.第4実施形態>
上記各実施形態において、例えば、
図32で示されるように、ステップS12で実施される第2工程では、ステップS121Aの第2B工程と、ステップS122Aの第2A工程と、がこの記載の順に行われてもよい。換言すれば、第2工程では、第2B工程が実行された後に、第2A工程が実行されてもよい。すなわち、本開示では、第2工程では、第2A工程が実行された後に、第2B工程が実行されてもよいし、第2B工程が実行された後に、第2A工程が実行されてもよい。換言すれば、本開示では、第2工程において、第2A工程が実行された後に第2B工程が実行されるか、第2B工程が実行された後に第2A工程が実行されてよい。
【0228】
図32は、第4実施形態に係る第2工程における処理の流れの一例を示す流れ図である。
図32で示されるように、
図13のステップS12で実施される第4実施形態の第2工程の一例では、例えば、ステップS121Aの第2B工程と、ステップS122Aの第2A工程と、がこの記載の順に行われる。換言すれば、第4実施形態の第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有する。
図32の例では、第4実施形態の第2工程では、第2B工程が実行された後に、第2A工程が実行される。この第2工程は、例えば、制御部900による各部の制御によって実現されてよい。
【0229】
第4実施形態に係る第2工程の一例は、例えば、上記第1実施形態に係る第2工程が基礎とされて、第2A工程および第2B工程の実施の順番が入れ替えられた工程であってよい。第4実施形態に係る第2工程の一例は、例えば、上記第2実施形態に係る第2工程が基礎とされて、第2A工程および第2B工程の実施の順番が入れ替えられた工程であってもよい。第4実施形態に係る第2工程の一例は、例えば、上記第3実施形態に係る第2工程が基礎とされて、第2A工程および第2B工程の実施の順番が入れ替えられた工程であってもよい。
【0230】
ここで、第4実施形態に係る第2工程の一例として、上記第1実施形態に係る第2工程が基礎とされて、第2A工程および第2B工程の実施の順番が入れ替えられた工程の一例を挙げて説明する。
【0231】
図33は、第4実施形態に係る第2B工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。
図34は、第4実施形態に係る第2A工程における流路デバイス100の状態の一例を模式的に示す図である。ここでは、第2工程の開始前における流路デバイス100の状態の一例は、例えば、
図16で示された流路デバイス100の状態の一例であってよい。
【0232】
図33および
図34では、
図21および
図22などと同じく、流路デバイス100の外縁が省略されており、流路デバイス100のうちの流路部11および複数の孔12のそれぞれの外縁が実線で描かれている。
図33および
図34では、
図16と同じく、流路部11以外の各種の流路は、簡略化された実線で示されている。
図33および
図34では、
図21および
図22と同じく、前処理液体が存在する領域が、右上がりの斜線を用いたハッチングによって示されている。
図33および
図34では、前処理液体が流れる方向が細い2点鎖線で描かれた矢印によって示されている。
【0233】
<<<第2B工程の一例>>>
例えば、第4実施形態の第2B工程の一例では、上記第1実施形態の第2B工程の一例と同じく、第1閉状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されてよい。この場合には、第1閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図33で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第1排出流路115を経て第1排出孔123に至る第2領域A2が前処理液体で満たされる。ここでは、第1排出孔123へ向けて前処理液体が供給される際には、第1閉状態に設定されることで、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。これにより、流路デバイス100を使用する前の準備において、流路部11が前処理液体で効率よく満たされ得る。
【0234】
ここで、第4実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1閉状態に設定されてよい。より具体的には、第4実施形態の第2B工程の一例では、第1弁としての第3切換機構41によって第1閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1閉状態に容易に設定され得る。
【0235】
第4実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第2開状態に設定されてよい。これにより、第1閉状態および第2開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第4実施形態の第2B工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図33で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、例えば、第1閉状態および第2開状態に設定されていれば、
図33で示されるように、第1下流部111dから第2排出流路117には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第1排出流路115を介して第1排出孔123へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第2領域A2が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0236】
ここで、第1実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2開状態に設定されてよい。より具体的には、第4実施形態の第2B工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれないことで、第2開状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞の解除によって、第2開状態に容易に設定され得る。
【0237】
<<<第2A工程の一例>>>
例えば、第4実施形態の第2A工程の一例では、上記第1実施形態の第2A工程の一例と同じく、第1開状態に設定されて、液体供給機構としての第1液体供給部3によって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されてよい。この場合には、第1開状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。その結果、
図34で示されるように、第1導入孔122から第1導入流路114、主流路111および第2排出流路117を経て第3排出孔125に至る第1領域A1が前処理液体で満たされる。
【0238】
ここで、第4実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1開閉機構4によって第1開状態に設定されてよい。より具体的には、第1実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1弁としての第3切換機構41によって第1開状態に設定されてよい。この構成によれば、第1開状態に容易に設定され得る。
【0239】
第4実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第2閉状態に設定されてよい。これにより、第1開状態および第2閉状態に設定された状態で、第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給される。第4実施形態の第2A工程の一例では、例えば、流路切換部5によって第1開放状態に設定されてよい。ここでは、主流路111の太さが、複数の分岐流路112のそれぞれにおける太さよりも大きく、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗が、複数の分岐流路112のそれぞれにおける上流から下流(第2下流部)112dに向けた前処理液体の流れに対する抵抗よりも小さい。このため、
図34で示されるように、第2導入流路113を介した第2導入孔121へ向けた前処理液体の流れと、主流路111における第1上流部111uから第1下流部111dへ向けた前処理液体の流れが生じる。さらに、例えば、第1開状態および第2閉状態に設定されていれば、
図34で示されるように、第1下流部111dから第1排出流路115には前処理液体が流入しにくく、第1下流部111dから第2排出流路117を介して第3排出孔125へ向けて前処理液体が流れる。その結果、第1領域A1が前処理液体で容易に満たされ得る。
【0240】
ここで、第4実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第2開閉機構6によって第2閉状態に設定されてよい。より具体的には、第4実施形態の第2A工程の一例では、例えば、第1排出孔123の第1排出口3oが第1閉鎖部材62によって塞がれることで、第2閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第1排出孔123の上面1aにおける第1排出口3oに対する上方からの第1閉鎖部材62による閉塞によって、第2閉状態に容易に設定され得る。
【0241】
<2-4.その他の形態>
上記各実施形態において、例えば、
図35で示されるように、第1排出孔123の第1排出口3oは、本体部1の下面1bにおいて開口していてもよい。この場合には、例えば、分離工程において、第1排出口3oから複数の第1粒子P100を含む液体(回収対象液体)が滴下されてもよい。この第1排出口3oから滴下される回収対象液体は、例えば、エッペンチューブなどの回収用の容器(回収用容器ともいう)によって受けられることで回収されてもよい。ここでは、例えば、第1工程の一例において流路デバイス100が配置される保持部300は、回収用容器の配置が可能な構造を有していてよい。
【0242】
図35は、流路デバイス100の構成の他の一例を模式的に示す正面図である。
図35は、
図2が基礎とされて、凹状部1231rが削除されるとともに第1排出孔123の形態が変更されて、符号3oの位置が変更され且つ符号6oが追加された図である。
図36は、第1部分101の構成の他の一例を模式的に示す平面図である。
図36は、
図4が基礎とされて、符号1231rが符号1231に変更されるとともに符号3oが追加された図である。
図37は、第1部分101の構成の他の一例を模式的に示す正面図である。
図37は、
図5が基礎とされて、凹状部1231rが貫通孔1231に変更された図である。
図38は、第3部分103の構成の他の一例を模式的に示す平面図である。
図38は、
図9が基礎とされて、符号3oが符号6oに変更された図である。
図39は、準備工程の第1工程の他の第1例を説明するための模式図である。
図39は、
図16が基礎とされて、符号6oが追加され、第2開閉機構6の構成が変更された図である。
【0243】
例えば、
図35から
図38で示されるように、第1排出孔123は、本体部1の上面1aから下面1bまで貫通していてもよい。この場合には、第1部分101は、例えば、
図36および
図37で示されるように、上記各実施形態の凹状部1231rの代わりに、貫通孔1231を有していてよい。貫通孔1231は、第1上面101aから第1下面101bまで貫通している。第1排出孔123は、第3部分103における貫通孔1233と、第2部分102における貫通孔1232と、第1部分101における貫通孔1231と、が連結された構成を有していてよい。例えば、第1排出孔123のうちの下面1bにおいて開口している開口は、第1排出口3oであってよい。また、第1排出孔123のうちの上面1aにおいて開口している開口は、第4排出口(第4出口ともいう)6oであってよい。例えば、
図36で示されるように、第1部分101の貫通孔1231のうちの第1下面101bにおいて開口している開口は、本体部1の第1排出口3oに相当する。例えば、
図38で示されるように、第3部分103の貫通孔1233のうちの第3上面103aにおいて開口している開口は、本体部1の第4排出口6oに相当する。
【0244】
ここで、上記第1実施形態、上記第3実施形態および上記第4実施形態のそれぞれにおいて、第2開閉機構6は、例えば、
図39で示されるように、上記の第1閉鎖部材62および第1移動機構63の代わりに、第1所定部材としての第1A閉鎖部材62Aと、第1A移動機構63Aと、第1B閉鎖部材62Bと、第1B移動機構63Bと、を含んでいてよい。例えば、第1A閉鎖部材62Aは、第1排出孔123の第1排出口3oを塞ぐことで第2閉状態に設定することが可能であり、第1排出孔123の第1排出口3oを塞がないことで第2開状態に設定することが可能であってよい。第1B閉鎖部材62Bは、例えば、第1A閉鎖部材62Aによって第1排出口3oが塞がれる際に、第1排出孔123の第4排出口6oを塞ぐことで第2閉状態に設定することが可能であってよい。第1B閉鎖部材62Bは、第1A閉鎖部材62Aによって第1排出口3oが塞がれない際に、第1排出孔123の第4排出口6oを塞いでも、第1排出孔123の第4排出口6oを塞がなくても、第2開状態に設定され得る。第1A閉鎖部材62Aおよび第1B閉鎖部材62Bのそれぞれには、例えば、柔らかいゴム弾性を有する部材などが適用され得る。第1A移動機構63Aには、例えば、第1A閉鎖部材62Aを移動させることが可能な機構が適用されてよい。第1B移動機構63Bには、例えば、第1B閉鎖部材62Bを移動させることが可能な機構が適用されてよい。第1A移動機構63Aおよび第1B移動機構63Bのそれぞれは、例えば、自動化アームまたはロボットアームなどの各種の動作が可能な機構と、歯車式、油圧式、水圧式、ワイヤ式または電動式などの駆動力を発生および/または伝達する機構と、を適宜組み合わせた構成を有していてよい。第1A移動機構63Aおよび第2B移動機構63Bのそれぞれの動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。
【0245】
図39の例では、例えば、第1A移動機構63Aが第1A閉鎖部材62Aによって第1排出口3oを塞ぐとともに、第1B移動機構63Bが第1B閉鎖部材62Bによって第4排出口6oを塞ぐことで、第2開閉機構6は第2閉状態に設定してよい。少なくとも、第1A移動機構63Aが第1A閉鎖部材62Aによって第1排出口3oを塞がないことで、第2開閉機構6は第2開状態に設定してよい。
【0246】
ここでは、例えば、第2A工程の一例において、第1排出口3oが第1A閉鎖部材62Aによって塞がれることで、第2閉状態に設定されてよい。また、例えば、第2B工程の一例において、第1排出口3oが第1A閉鎖部材62Aによって塞がれないことで、第2開状態に設定されてよい。例えば、第3工程の一例において、第1排出口3oが第1A閉鎖部材62Aによって塞がれることで第2閉状態に設定されてもよいし、第1排出口3oが第1A閉鎖部材62Aによって塞がれないことで第2開状態に設定されてもよい。
【0247】
ここで、例えば、第1排出孔123は、本体部1の上面1aにおいて開口していなくてもよい。換言すれば、第4排出口6oがなくてもよい。この場合には、第2開閉機構6は、第1所定部材としての第1A閉鎖部材62Aと、第1A移動機構63Aと、を含み、第1B閉鎖部材62Bと、第1B移動機構63Bと、を含んでいなくてもよい。
【0248】
ここで、第1工程の一例では、例えば、
図40で示されるように、上記の第2開閉機構6の代わりに、第2開閉機構6Aが準備されてもよい。第1工程の一例では、例えば、
図40で示されるように、第1排出孔123に第2開閉機構6Aがつなげられてよい。換言すれば、第1排出孔123と第2開閉機構6Aとが、流体の流通が可能な状態で接続されてよい。第2開閉機構6Aは、例えば、上記の第2開閉機構6と同じく、第1排出孔123から本体部1の外部へ向けて流体が流れ得る状態(第2開状態)および第1排出孔123から本体部1の外部へ向けた流体の流れが妨げられている状態(第2閉状態)のうちの何れか一方の状態に選択的に設定することが可能な機構であってよい。
【0249】
図40は、準備工程の第1工程の他の第2例を説明するための模式図である。
図40は、
図16が基礎とされて、第2開閉機構6が第2開閉機構6Aおよび流路6cに変更された図である。例えば、第2開閉機構6Aは、第1排出孔123と排液口とが通じている状態、および第1排出孔123と排液口とが通じていない状態うちの何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。換言すれば、例えば、第2開閉機構6Aは、第1排出孔123と排液口とが通じている状態に設定することで第2開状態に設定してもよいし、第1排出孔123と排液口とが通じていない状態に設定することで第2閉状態に設定してもよい。第2開閉機構6Aは、例えば、1つ以上の弁(第2弁ともいう)を含んでいてよい。排液口は、例えば、流路の末端において流路デバイス100の外部空間200に対して開放された開口であってよい。例えば、排液口は、配管の末端部であってよい。排液口は、排気口として機能してもよいし、排気口であってもよい。
【0250】
図40の例では、第2開閉機構6Aは、第1排出孔123に対して流体の流通が可能な状態でつなげられる。第2開閉機構6Aに対して、排液口が流体の流通が可能な状態でつなげられてよい。第2開閉機構6Aは、第1弁としての第4流路切換機構(第4切換機構ともいう)61を含む。
【0251】
第4切換機構61は、例えば、第4A出入口611、第4B出入口612および第4C出入口613を有する。この第4切換機構61は、例えば、第4A出入口611と第4B出入口612との間で流体が流通し得る状態(第4A状態ともいう)および第4A出入口611と第4C出入口613との間で流体が流通し得る状態(第4B状態ともいう)のうちの何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。別の観点から言えば、第4切換機構61は、例えば、第4A出入口611と第4B出入口612との間で流体が流通し得る流路の状態、および第4A出入口611と第4C出入口613との間で流体が流通し得る流路の状態の何れか一方の状態に選択的に設定することが可能であってよい。この流路の状態は、第4切換機構61において流体が流れ得る流路の状態を意味してよい。
【0252】
第4切換機構61には、例えば、三方弁などが適用される。三方弁には、例えば、3方向電磁弁と称される三方弁が適用されてもよい。第4A出入口611は、排液口に通じた状態にされてよい。第4A出入口611は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して排液口に接続されてもよいし、排液口として機能してもよい。第4B出入口612は、第1排出孔123に通じた状態とされてよい。第4B出入口612は、例えば、流路6cを介して第1排出孔123に接続されてよい。流路6cは、例えば、1つ以上の部材によって構成されてよい。この1つ以上の部材は、保持部300の少なくとも一部を構成している1つ以上の部材を含んでいてよい。ここでは、例えば、流路デバイス100が保持部300に配置されることで、流路デバイス100の第1排出孔123が保持部300の流路に接続されてもよい。第1排出孔123と流路6cを構成している部材との接続は、コネクタなどを介して実現されてよい。コネクタには、例えば、環状のゴムパッキンが含まれていてよい。第4C出入口613は、排気口に通じた状態とされてよい。第4C出入口613は、例えば、チューブなどの管状の部材を介して排気口に接続されてもよいし、排気口として機能してもよい。排気口は、例えば、流路の末端において流路デバイス100の外部空間200に対して開放された開口であってよい。例えば、排気口は、配管の末端部であってよい。
【0253】
第2開閉機構6Aの動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第2開閉機構6Aによる第2開状態および第2閉状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。より具体的には、第4切換機構61の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第4切換機構61による第4A状態および第4B状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。
図40の例では、第4切換機構61が第4A状態に設定されれば、第2開閉機構6Aは第2開状態に設定する。第4切換機構61が第4B状態に設定されれば、第2開閉機構6Aは第2閉状態に設定する。換言すれば、第2弁としての第4切換機構61が第2開状態に設定することができる。第2弁としての第4切換機構61が第2閉状態に設定することができる。
【0254】
このような構成が採用される場合には、第2A工程の一例では、例えば、第2開閉機構6Aによって第2閉状態に設定されてよい。より具体的には、第2A工程の一例では、例えば、第2弁としての第4切換機構61によって第2閉状態に設定されてよい。この構成によれば、第2閉状態に容易に設定され得る。第2B工程の一例では、第2開閉機構6Aによって第2開状態に設定されてよい。より具体的には、第2B工程の一例では、例えば、第2弁としての第4切換機構61によって第2開状態に設定されてよい。この構成によれば、第2開状態に容易に設定され得る。
【0255】
なお、第2開閉機構6Aの第4切換機構61は、例えば、流路6cと排液口との間における流路の開閉を行う二方弁であってもよい。この場合には、例えば、第4切換機構61としての二方弁が流路を閉じることで第2閉状態に設定してもよいし、第4切換機構61としての二方弁が流路を開くことで第2開状態に設定してもよい。第2開閉機構6Aは、1つの第2弁としての第4切換機構61のみによって第2閉状態および第2開状態のそれぞれに設定することが可能な機構に限られない。第2開閉機構6Aは、例えば、1つ以上の第2弁によって第2閉状態および第2開状態のそれぞれに設定することが可能な機構であればよい。
【0256】
上記第1実施形態、上記第2実施形態および上記第4実施形態のそれぞれにおいて、
図41で示されるように、第1開閉機構4は、第3切換機構41の代わりに、所定の部材(第2所定部材ともいう)としての第2閉鎖部材42と、第2移動機構43と、を含んでいてもよい。例えば、第2閉鎖部材42は、第3排出孔125の第3排出口5oを塞ぐことで第1閉状態に設定することが可能であり、第3排出孔125の第3排出口5oを塞がないことで第1開状態に設定することが可能であってよい。
【0257】
図41は、準備工程の第1工程の他の第3例を説明するための模式図である。
図41は、
図16が基礎とされて、第1開閉機構4の構成が変更された図である。第2閉鎖部材42には、例えば、柔らかいゴム弾性を有する部材などが適用され得る。第2移動機構43には、例えば、第2閉鎖部材42を移動させることが可能な機構が適用されてよい。第2移動機構43は、例えば、自動化アームまたはロボットアームなどの各種の動作が可能な機構と、歯車式、油圧式、水圧式、ワイヤ式または電動式などの駆動力を発生および/または伝達する機構と、を適宜組み合わせた構成を有していてよい。
【0258】
第1開閉機構4の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。例えば、第1開閉機構4による第1開状態および第1閉状態のそれぞれの設定は、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。より具体的には、第2移動機構43の動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。
図41の例では、第2移動機構43が第2閉鎖部材42によって第3排出口5oを塞ぐことで、第1開閉機構4が第1閉状態に設定してよい。第2移動機構43が第2閉鎖部材42によって第3排出口5oを塞がないことで、第1開閉機構4が第1開状態に設定してよい。
【0259】
ここでは、例えば、第2A工程の一例において、第3排出口5oが第2閉鎖部材42によって塞がれないことで、第1開状態に設定されてよい。また、例えば、第2B工程の一例において、第3排出口5oが第2閉鎖部材42によって塞がれることで、第1閉状態に設定されてよい。例えば、第3工程の一例において、第3排出口5oが第2閉鎖部材42によって塞がれることで第1閉状態に設定されてもよいし、第3排出口5oが第2閉鎖部材42によって塞がれないことで第1開状態に設定されてもよい。
【0260】
上記各実施形態において、例えば、流路デバイス100は、第1液体供給部3を備えていなくてもよいし、第2液体供給部2を備えていなくてもよい。
図42は、準備工程の第1工程の他の第4例を説明するための模式図である。
図42は、
図16が基礎とされて、第1の液体供給機構(第1液体供給機構ともいう)3A、第2の液体供給機構(第2液体供給機構ともいう)2A、流路2cおよび流路3cが追加された図である。
図42では、
図16と同じく、流路部11以外の各種の流路は、簡略化された実線で示されている。
【0261】
ここでは、例えば、
図42で示されるように、第1工程の一例において、第1液体供給機構3Aが第1導入孔122に接続されてもよい。例えば、
図42で示されるように、第1液体供給機構3Aは、流路3cを構成している1つ以上の部材を介して第1導入孔122に接続されてよい。この1つ以上の部材は、例えば、保持部300の少なくとも一部を構成している1つ以上の部材を含んでいてもよいし、チューブなどの管状の部材を含んでいてもよい。第1導入孔122と流路3cを構成している部材との接続は、コネクタなどを介して実現されてよい。コネクタには、例えば、環状のゴムパッキンが含まれていてよい。コネクタの接続のために、例えば、流路デバイス100の上面1aには、平面視した場合に第1導入孔122をZ軸回りで囲んでいる状態で位置しており且つ+Z方向に突出している筒状の部分が存在していてもよい。ここで、例えば、第1導入孔122の第1導入口2oは、下面1bに位置していてもよい。この場合には、例えば、流路デバイス100が保持部300に配置されることで、流路デバイス100の第1導入孔122が保持部300の流路に接続されてもよい。また、コネクタの接続のために、例えば、流路デバイス100の下面1bには、+Z方向に向けて平面視した場合に第1導入孔122をZ軸回りで囲んでいる状態で位置しており且つ-Z方向に突出している筒状の部分が存在していてもよい。
【0262】
第1液体供給機構3Aには、例えば、シリンジポンプもしくはフランジャーポンプなどのポンプを用いて押付用液体もしくは前処理液体としての第1液体L1を供給することが可能な機構が適用される。第2A工程、第2B工程および第3工程のそれぞれの一例において、液体供給機構としての第1液体供給機構3Aによって第1導入孔122および第1導入流路114を介して主流路111に向けて前処理液体が供給されてよい。第1液体供給機構3Aの動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。この場合には、制御部900は、例えば、第1液体供給機構3Aによる主流路111に向けた押付用液体もしくは前処理液体としての第1液体L1の供給の開始および停止、ならびに第1液体供給機構3Aによる主流路111に向けた第1液体L1の単位時間当たりの供給量(第1供給速度)を制御することができてよい。
【0263】
また、ここでは、例えば、
図42で示されるように、第1工程の一例において、第2液体供給機構2Aが第1導入孔122に接続されてもよい。例えば、
図42で示されるように、第2液体供給機構2Aは、流路2cを構成している1つ以上の部材を介して第2導入孔121に接続されてよい。この1つ以上の部材は、例えば、保持部300の少なくとも一部を構成している1つ以上の部材を含んでいてもよいし、チューブなどの管状の部材を含んでいてもよい。第2導入孔121と流路2cを構成している部材との接続は、コネクタなどを介して実現されてよい。コネクタには、例えば、環状のゴムパッキンが含まれていてよい。コネクタの接続のために、例えば、流路デバイス100の上面1aには、平面視した場合に第2導入孔121をZ軸回りで囲んでいる状態で位置しており且つ+Z方向に突出している筒状の部分が存在していてもよい。ここで、例えば、第2導入孔121の第2導入口1oは、下面1bに位置していてもよい。この場合には、例えば、流路デバイス100が保持部300に配置されることで、流路デバイス100の第2導入孔121が保持部300の流路に接続されてもよい。また、コネクタの接続のために、例えば、流路デバイス100の下面1bには、+Z方向に向けて平面視した場合に第2導入孔121をZ軸回りで囲んでいる状態で位置しており且つ-Z方向に突出している筒状の部分が存在していてもよい。
【0264】
第2液体供給機構2Aには、例えば、シリンジポンプもしくはフランジャーポンプなどのポンプを用いて被処理液体としての第2液体L2を供給することが可能な機構が適用される。分離工程の一例において、例えば、第2液体供給機構2Aによって第2導入孔121および第2導入流路113を介して主流路111に向けて被処理液体としての第2液体L2が供給されてよい。第2液体供給機構2Aの動作は、例えば、制御部900からの信号に応じて制御されてよい。この場合には、制御部900は、例えば、第2液体供給機構2Aによる主流路111に向けた被処理液体としての第2液体L2の供給の開始および停止、ならびに第2液体供給機構2Aによる主流路111に向けた第2液体L2の単位時間当たりの供給量(第2供給速度)を制御することができてよい。
【0265】
ここで、例えば、流路部11および複数の孔12は、第2導入口1o、第2導入孔121および第2導入流路113を有していなくてもよい。
図43は、流路デバイス100における流路部および複数の孔の構成の別の一例を模式的に示す平面図である。
図43では、
図10と同じく、流路デバイス100の外縁が省略されており、流路デバイス100のうちの流路部11および複数の孔12のそれぞれの外縁が実線で描かれている。例えば、
図43で示されるように、第1導入流路114のうちの流路1143は、主流路111と同じく、第3方向としての-Y方向に沿って延びていてもよい。ここでは、例えば、第1導入孔122が、前処理液体の供給および被処理液体の供給の双方に用いられてもよい。例えば、準備工程の際には、第1導入孔122に第1液体供給機構3Aが接続され、準備工程の完了後には、第1導入孔122に第2液体供給機構2Aが接続されてもよい。そして、分離工程において、例えば、第2液体供給機構2Aから主流路111に向けて被処理液体を供給しながら、吸引機構8による液体の吸引を行ってもよい。
【0266】
上記第1実施形態、上記第2実施形態および上記第4実施形態のそれぞれにおいて、例えば、第1開閉機構4の第3切換機構41は、流路4cと排液口との間における流路の開閉を行う二方弁であってもよい。この場合には、例えば、第3切換機構41としての二方弁が流路を閉じることで第1閉状態に設定してもよいし、第3切換機構41としての二方弁が流路を開くことで第1開状態に設定してもよい。第1開閉機構4は、1つの第1弁としての第3切換機構41のみによって第1閉状態および第1開状態のそれぞれに設定することが可能な機構に限られない。第1開閉機構4は、例えば、1つ以上の第1弁によって第1閉状態および第1開状態のそれぞれに設定することが可能な機構であればよい。
【0267】
上記各実施形態において、第1部分101の素材と第3部分103の素材とを直接的に接合させることが容易である場合には、流路デバイス100は、第2部分102を含むことなく、第1部分101と第3部分103とが直接的に接合された構成を有していてもよい。この場合には、例えば、第3部分103のうちの流路部11のパターンに対応する微細な凹凸を有する第3下面103bを、第1部分101の第1上面101aが覆う形態で、第1上面101aと第3下面103bとを接合することで、流路部11を形成してもよい。第1上面101aと第3下面103bとの接合は、例えば、第1部分101の第1上面101aおよび第3部分103の第3下面103bのそれぞれに対する表面改質と、第1上面101aと第3下面103bとの接触と、によって接着剤を用いることなく実現されてよい。表面改質は、例えば、酸素プラズマの照射またはエキシマランプを用いた紫外(UV)光の照射などで実現されてよい。
【0268】
上記各実施形態において、例えば、第1押圧部材701および第2押圧部材702のそれぞれは、駆動部800によって-Z方向に向けて移動されたが、これに限られない。第1押圧部材701は、例えば、手動で-Z方向に向けて、押されてもよいし、移動されてもよい。この場合には、第1押圧部材701は、例えば、-Z方向に向けて移動可能な形態でガイドレールによって支持されていてもよい。第2押圧部材702は、例えば、手動で-Z方向に向けて、押されてもよいし、移動されてもよい。この場合には、第2押圧部材702は、例えば、-Z方向に向けて移動可能な形態でガイドレールによって支持されていてもよい。
【0269】
上記各実施形態において、例えば、流路デバイス100は、第1液体L1を主流路111に供給するために、1組の第1液体供給部3、第1導入孔122および第1導入流路114を有していたが、これに限られない。例えば、流路デバイス100は、第1液体L1を主流路111に供給するために、2組以上の第1液体供給部3、第1導入孔122および第1導入流路114を有していてもよい。この場合には、例えば、1つ目の第1導入流路114および2つ目の第1導入流路114は、1つの共通の第1接続部分114cを含んでいてよい。ここで、例えば、1つ目の第1液体供給部3の第1可動部材32を-Z方向に押すための1つ目の第1押圧部材701と、2つ目の第1液体供給部3の第1可動部材32を-Z方向に押すための2つ目の第1押圧部材701と、が準備されてもよい。さらに、例えば、駆動部800は、1つ目の第1押圧部材701を-Z方向に向けて移動させることができる1つ目の第1駆動部分801と、2つ目の第1押圧部材701を-Z方向に向けて移動させることができる2つ目の第1駆動部分801と、を備えていてもよい。さらに、例えば、制御部900は、1つ目の第1駆動部分801および2つ目の第1駆動部分801のそれぞれの動作を制御してもよい。
【0270】
上記各実施形態において、例えば、第2排出流路117は、上述した形状の流路に限らず、種々の形態を有する流路であってもよい。例えば、第2排出流路117は、流路の幅が拡がっており且つ液体を一時的に貯留することができる部分(第1液溜め部分ともいう)を有していてもよい。ここでは、例えば、第2排出流路117は、第3部分103における孔部分1253と、第2部分102における貫通孔1252と、第1部分101における貫通孔1251のうちの第1上面101a側の部分とを含んでいてもよい。そして、この貫通孔1251のうちの第1上面101a側の部分は、例えば、幅が拡げられて、第1液溜め部分とされてもよい。この場合には、例えば、平面視した場合に、第3部分103における孔部分1253および第2部分102における貫通孔1252の位置に対して、貫通孔1251のうちの下面1b側の部分の位置がずれていてもよい。
【0271】
上記各実施形態において、例えば、第3排出流路116は、上述した形状の流路に限らず、種々の形態を有する流路であってもよい。例えば、第3排出流路116は、流路の幅が拡がっており且つ液体を一時的に貯留することができる部分(第2液溜め部分ともいう)を有していてもよい。ここでは、例えば、第3排出流路116は、第3部分103における孔部分1243と、第2部分102における貫通孔1242と、第1部分101における貫通孔1241のうちの第1上面101a側の部分とを含んでいてもよい。そして、この貫通孔1241のうちの第1上面101a側の部分は、例えば、幅が拡げられて、第2液溜め部分とされてもよい。この場合には、例えば、平面視した場合に、第3部分103における孔部分1243および第2部分102における貫通孔1242の位置に対して、貫通孔1241のうちの下面1b側の部分の位置がずれていてもよい。
【0272】
上記各実施形態において、例えば、第1排出流路115は、上述した形状の流路に限らず、種々の形態を有する流路であってもよい。
【0273】
上記各実施形態において、第2排出孔124および第3排出孔125は、それぞれ下面1bにおいて開口していたが、これに限られない。例えば、第2排出孔124は、上面1aにおいて開口していてもよいし、第3排出孔125は、上面1aにおいて開口していてもよい。
【0274】
上記各実施形態において、例えば、第1導入流路114、第2導入流路113、第1排出流路115および第2排出流路117のそれぞれの幅は、上流から下流にかけて一定でなくてもよい。例えば、第1導入流路114は、主流路111に近づくにつれて、幅が連続的もしくは段階的に小さくなっている部分を有していてもよい。例えば、第2導入流路113は、主流路111に近づくにつれて、幅が連続的もしくは段階的に小さくなっている部分を有していてもよい。例えば、第1排出流路115は、主流路111から第1排出孔123に近づくにつれて、幅が連続的もしくは段階的に大きくなっている部分を有していてもよい。例えば、第2排出流路117は、主流路111から第3排出孔125に近づくにつれて、幅が連続的もしくは段階的に大きくなっている部分を有していてもよい。
【0275】
上記各実施形態において、例えば、被処理液体としての第2液体L2は、血液以外の複数種の複数の粒子を含む液体であってもよい。この場合には、例えば、前処理液体および押付用液体としての第1液体L1には、被処理液体に合わせた種々の液体が適用されてもよい。種々の液体には、例えば、水などが適用され得る。
【0276】
以上のように、流路デバイスの準備方法は詳細に説明されたが、上記した説明は、全ての局面において例示であって、この開示がそれに限定されない。また、上述した各種の例は、相互に矛盾しない限り組み合わせて適用可能である。そして、例示されていない無数の例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得る。
【0277】
本開示には、以下の内容が含まれる。
【0278】
一実施形態において、(1)流路デバイスの準備方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しており、前記流路デバイスは、流路部と複数の孔とを有する本体部を備えており、前記流路部は、前記本体部の外面において開口しておらず、前記複数の孔のそれぞれは、前記流路部に通じており且つ前記外面においてそれぞれ開口しており、前記流路部は、第1流路と、複数の第2流路と、第3流路と、第4流路と、第5流路と、を含み、前記第1流路は、第1上流部と、該第1上流部とは逆側の第1下流部とを有し、前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路のうちの前記第1上流部と前記第1下流部との間において前記第1流路に接続しており、前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路よりも細く、かつ前記第1流路とは逆側の第2下流部を有し、前記第3流路は、前記第1上流部に接続しており、前記第4流路は、前記第1下流部に接続しており、前記第5流路は、前記第1下流部に接続しており、前記複数の孔は、第1導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含み、前記第1導入孔は、前記第3流路を介して前記第1上流部に接続しており、前記第1排出孔は、前記第4流路を介して前記第1下流部に接続しており、前記第2排出孔は、前記複数の第2流路のそれぞれにおける前記第2下流部に通じており、前記第3排出孔は、前記第5流路を介して前記第1下流部に接続しており、前記第1工程において、前記流路デバイスを配置し、前記第1工程を実行した後に前記第2工程を実行するとともに、前記第2工程を実行した後に前記第3工程を実行し、前記第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有し、前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行するか、あるいは前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行し、前記第2A工程において、前記第3排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第1開状態に設定して、液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第5流路を経て前記第3排出孔に至る第1領域を前記液体で満たし、前記第2B工程において、前記第3排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第1閉状態に設定して、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第4流路を経て前記第1排出孔に至る第2領域を前記液体で満たし、前記第3工程において、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給するとともに、吸引機構によって前記第2排出孔および前記複数の第2流路を介して前記第1流路から前記液体を吸引することで、前記第1流路から前記複数の第2流路のそれぞれを経て前記第2排出孔に至る第3領域を前記液体で満たす。
【0279】
(2)上記(1)の流路デバイスの準備方法においては、前記第2A工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第2閉状態に設定し、前記第2B工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第2開状態に設定してもよい。
【0280】
一実施形態において、(3)流路デバイスの準備方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有しており、前記流路デバイスは、流路部と複数の孔とを有する本体部を備えており、前記流路部は、前記本体部の外面において開口しておらず、前記複数の孔のそれぞれは、前記流路部に通じており且つ前記外面においてそれぞれ開口しており、前記流路部は、第1流路と、複数の第2流路と、第3流路と、第4流路と、第5流路と、を含み、前記第1流路は、第1上流部と、該第1上流部とは逆側の第1下流部とを有し、前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路のうちの前記第1上流部と前記第1下流部との間において前記第1流路に接続しており、前記複数の第2流路のそれぞれは、前記第1流路よりも細く、かつ前記第1流路とは逆側の第2下流部を有し、前記第3流路は、前記第1上流部に接続しており、前記第4流路は、前記第1下流部に接続しており、前記第5流路は、前記第1下流部に接続しており、前記複数の孔は、第1導入孔と、第1排出孔と、第2排出孔と、第3排出孔と、を含み、前記第1導入孔は、前記第3流路を介して前記第1上流部に接続しており、前記第1排出孔は、前記第4流路を介して前記第1下流部に接続しており、前記第2排出孔は、前記複数の第2流路のそれぞれにおける前記第2下流部に通じており、前記第3排出孔は、前記第5流路を介して前記第1下流部に接続しており、前記第1工程において、前記流路デバイスを配置し、前記第1工程を実行した後に前記第2工程を実行するとともに、前記第2工程を実行した後に前記第3工程を実行し、前記第2工程は、第2A工程と、第2B工程とを有し、前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行するか、あるいは前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行し、前記第2A工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第2閉状態に設定して、液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第5流路を経て前記第3排出孔に至る第1領域を前記液体で満たし、前記第2B工程において、前記第1排出孔から前記本体部の外部へ向けて流体が流れ得る第2開状態に設定して、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給することで、前記第1導入孔から前記第3流路、前記第1流路および前記第4流路を経て前記第1排出孔に至る第2領域を前記液体で満たし、前記第3工程において、前記液体供給機構によって前記第1導入孔および前記第3流路を介して前記第1流路に向けて前記液体を供給するとともに、吸引機構によって前記第2排出孔および前記複数の第2流路を介して前記第1流路から前記液体を吸引することで、前記第1流路から前記複数の第2流路のそれぞれを経て前記第2排出孔に至る第3領域を前記液体で満たす。
【0281】
(4)上記(1)または上記(2)の流路デバイスの準備方法においては、前記第1工程において、前記第3排出孔に第1弁を含む第1開閉機構をつなげ、前記第2A工程において、前記第1弁によって前記第1開状態に設定し、前記第2B工程において、前記第1弁によって前記第1閉状態に設定してもよい。
【0282】
(5)上記(2)または上記(3)の流路デバイスの準備方法においては、前記外面は、第1方向の側に位置している第1面と、前記第1方向の逆の第2方向の側に位置している第2面と、を含み、前記第1排出孔は、前記第1面において開口している開口を有し、前記本体部は、前記第1排出孔の前記第2方向の側に位置しており且つ前記第2方向に凹んでいる凹状部を含み、前記第1工程において、前記第1面が上向きとなる形態で前記流路デバイスを配置し、前記第2A工程において、前記開口を第1所定部材によって塞ぐことで、前記第2閉状態に設定し、前記第2B工程において、前記開口を前記第1所定部材で塞がないことで、前記第2開状態に設定してもよい。
【0283】
(6)上記(1)から上記(5)の何れか1つの流路デバイスの準備方法においては、前記第2A工程において、前記第2排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第3閉状態に設定してもよい。
【0284】
(7)上記(1)から上記(6)の何れか1つの流路デバイスの準備方法においては、前記第2B工程において、前記第2排出孔から前記本体部の外部へ向けた流体の流れが妨げられている第3閉状態に設定してもよい。
【0285】
(8)上記(6)または上記(7)の流路デバイスの準備方法においては、前記第1工程において、前記第2排出孔に流路切換部を介して前記吸引機構を接続し、前記第2A工程および前記第2B工程のうちの1つ以上の工程において、前記第3閉状態に設定する場合に、前記流路切換部によって前記第3閉状態に設定し、前記第3工程において、前記流路切換部によって、前記第2排出孔と前記吸引機構とが通じている吸引可能状態に設定してもよい。
【0286】
(9)上記(8)の流路デバイスの準備方法においては、前記流路切換部は、第1流路切換機構と第2流路切換機構とを含み、前記第1工程において、前記第2排出孔に前記第1流路切換機構が通じているとともに、該第1流路切換機構に前記第2流路切換機構が通じており、かつ該第2流路切換機構に前記吸引機構が通じている状態に設定し、前記第2A工程および前記第2B工程のうちの1つ以上の工程において、前記第3閉状態に設定する場合に、前記第1流路切換機構および前記第2流路切換機構のそれぞれにおける流路の状態によって前記第3閉状態に設定し、前記第3工程において、前記第1流路切換機構および前記第2流路切換機構のそれぞれにおける流路の状態によって、前記吸引可能状態に設定してもよい。
【0287】
(10)上記(1)から上記(9)の何れか1つの流路デバイスの準備方法においては、前記第2工程において、前記第2A工程を実行した後に前記第2B工程を実行してもよい。
【0288】
(11)上記(1)から上記(9)の何れか1つの流路デバイスの準備方法においては、前記第2工程において、前記第2B工程を実行した後に前記第2A工程を実行してもよい。
【符号の説明】
【0289】
1 本体部
100 流路デバイス
11 流路部
111 主流路(第1流路)
111d 第1下流部
111u 第1上流部
112 分岐流路(第2流路)
112d 第2下流部
114 第1導入流路(第3流路)
115 第1排出流路(第4流路)
117 第2排出流路(第5流路)
12 孔
122 第1導入孔
123 第1排出孔
1231r 凹状部
124 第2排出孔
125 第3排出孔
1a 上面(第1面)
1b 下面(第2面)
1s 外面
200 外部空間
3 第1液体供給部(液体供給機構)
3A 第1液体供給機構(液体供給機構)
3o 第1排出口(開口)
4 第1開閉機構
41 第3切換機構
42 第2閉鎖部材
43 第2移動機構
5 流路切換部
51 第1切換機構
52 第2切換機構
6,6A 第2開閉機構
61 第4切換機構
62 第1閉鎖部材
62A 第1A閉鎖部材
63 第1移動機構
63A 第1A移動機構
8 吸引機構
A1 第1領域
A2 第2領域
A3 第3領域
L1 第1液体