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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2025149110
(43)【公開日】2025-10-08
(54)【発明の名称】体重測定システム及び体重測定方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20251001BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20251001BHJP
   G06T 7/62 20170101ALI20251001BHJP
   G06V 10/766 20220101ALI20251001BHJP
【FI】
A01K29/00 D
G06T7/00 C
G06T7/00 350B
G06T7/62
G06V10/766
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024049562
(22)【出願日】2024-03-26
(71)【出願人】
【識別番号】391016358
【氏名又は名称】東芝情報システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100074147
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 崇
(72)【発明者】
【氏名】三島 隆司
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA13
5L096BA08
5L096CA05
5L096FA32
5L096FA59
5L096FA70
(57)【要約】
【課題】適切に対象動物の体重を計測することが可能とし、飼育について様々な考察を可能とする体重測定システムを提供する。
【解決手段】カメラ26により対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得手段31と、前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得手段33と、前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得手段34と、前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデル41を備え、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記高側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得手段40とを具備する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得手段と、
前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得手段と、
前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得手段と、
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを備え、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得手段と、
前記体重情報取得手段により得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理手段と
を具備することを特徴とする体重測定システム。
【請求項2】
前記出力形態処理手段は、グループごとの前記対象動物の体重の平均値情報及びまたは体重の軽重分布図を作成出力することを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項3】
前記画像取得手段により得られた画像を用いて、前記対象動物に対する個体識別を行い、前記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える動作を行う個別情報管理手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項4】
前記カメラは複数の前記対象動物が存在する場所を撮像するものであり、
このカメラによる撮像により得られる画像から個別の前記対象動物の画像を分離して個別対象動物画像を取得する個別対象動物画像取得手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項5】
前記識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える場合に、適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行う適正画像選択手段を具備することを特徴とする請求項3に記載の体重測定システム。
【請求項6】
前記適正画像選択手段による選択が行われた画像に対して所定の向きとする補正処理を行う補正処理手段を具備することを特徴とする請求項5に記載の体重測定システム。
【請求項7】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩幅情報、前記対象動物の腰幅情報、前記対象動物の尻幅情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項8】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、体長であり、前記対象動物の肩から尻までの長さであることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項9】
前記対象動物の側面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩位置、腰位置、尻位置の少なくとも1つの位置の体高情報であることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項10】
前記体重情報取得手段は、1つの個体として識別した対象動物について所定時間内に得られた体重情報の平均値を求め、求めた平均値を当該対象動物の体重とすることを特徴とする請求項3に記載の体重測定システム。
【請求項11】
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報に基づき前記対象動物内の種類情報を決定する種類決定手段を備え、
前記個別情報管理手段は、前記種類決定手段により決定された種類情報と共に識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える動作を行い、
前記体重情報取得手段は、体重情報を得る場合に前記種類情報に応じたパラメータを用いて調整を行うことを特徴とする請求項3に記載の体重測定システム。
【請求項12】
複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得ステップと、
前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得ステップと、
前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得ステップと、
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを用い、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得ステップと、
前記体重情報取得ステップにより得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理ステップと
を具備することを特徴とする体重測定方法。
【請求項13】
前記出力形態処理ステップでは、グループごとの前記対象動物の体重の平均値情報及びまたは体重の軽重分布図を作成出力することを特徴とする請求項12に記載の体重測定方法。
【請求項14】
前記画像取得ステップにより得られた画像を用いて、前記対象動物に対する個体識別を行い、前記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える動作を行う個体情報管理ステップを具備することを特徴とする請求項12に記載の体重測定方法。
【請求項15】
前記カメラは複数の前記対象動物が存在する場所を撮像するものであり、
このカメラによる撮像により得られる画像から個別の前記対象動物の画像を分離して個別対象動物画像を取得する個別対象動物画像取得ステップを具備することを特徴とする請求項12に記載の体重測定方法。
【請求項16】
前記識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える場合に、適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行う適正画像選択ステップを具備することを特徴とする請求項14に記載の体重測定方法。
【請求項17】
前記適正画像選択ステップによる選択が行われた画像に対して所定の向きとする補正処理を行う補正処理ステップを具備することを特徴とする請求項16に記載の体重測定方法。
【請求項18】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩幅情報、前記対象動物の腰幅情報、前記対象動物の尻幅情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項12に記載の体重測定方法。
【請求項19】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩から尻までの長さであることを特徴とする請求項12に記載の体重測定方法。
【請求項20】
前記対象動物の側面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩位置、腰位置、尻位置の少なくとも1つの位置の体高情報である体高情報であることを特徴とする請求項12に記載の体重測定方法。
【請求項21】
前記体重情報取得ステップは、1つの個体として識別した対象動物について所定時間内に得られた体重情報の平均値を求め、求めた平均値を当該対象動物の体重とすることを特徴とする請求項14に記載の体重測定方法。
【請求項22】
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報に基づき前記対象動物内の種類情報を決定する種類決定ステップを備え、
前記個体情報管理ステップは、前記種類決定ステップにより決定された種類情報と共に識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える動作を行い、
前記体重情報取得ステップは、体重情報を得る場合に前記種類情報に応じたパラメータを用いて調整を行うことを特徴とする請求項14に記載の体重測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、体重測定システム及び体重測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の豚に対する体重測定装置は給水器の近傍の豚舎の天井に、防塵箱を取付け、この防塵箱内に、格子縞スライドを装着した投光器およびビデオカメラを設置したものである。投光器から投光すると、床および豚の体表面に、格子縞が投影される。この画像をビデオカメラで捉え、捉えられた画像における格子縞のズレに基づき、豚の体高(H)を求める。また捉えられた画像に白黒の2値化処理を施して、豚の投影面積(A)を求める。豚の体高(H),投影面積(A)および体重(W)の間には、W=aHbAcという密接な関係があり、さらにその重回帰式の次元(d=b+2c)が体積の次元(d=3)に近いことから、体高(H)と投影面積(A)とを用いて体重(W)を演算する。
【0003】
特許文献2には、魚の養殖過程又は出荷時に、体長のみ、体長と体重、体重のみの三種の選別基準を設け、その基準を選択して魚を生きたまま弱らせずに能率良く正確に体長及び体重を測定して、多段階に選別できる測定装置を提供することが開示されている。
【0004】
この測定装置は、下方に傾斜して一定水量を流す計量シュートを設け、この計量シュートを通過する魚を検出する通過検出器を中程に取り付ける。この検出器の検出信号により魚の静止画像を撮影できる光源及びカメラを計量シュートの上下に設け、一方魚の体重に比例した出力を発信するロードセルの可動部を計量シュートに、固定部を計量器フレームにそれぞれ取り付ける。制御装置に内蔵した画像処理装置と画像メモリにより画像処理し、この画像とロードセル出力とを制御装置内のCPUで体長及び体重データにそれぞれ演算する。制御装置の選別基準設定装置で、入力した体長のみ、体長と体重、体重のみの三種の選別基準と比較して後段に設けた振分装置で多段階に振り分けるよう構成している。
【0005】
特許文献3には、動物の体重測定器および計測施設並びに自動計測装置を提供することが記載されている。
【0006】
この体重測定器は、荷重センサと、その上部に水平に取り付けられ対象動物に応じ所定の大きさを有す計測台と、計測台左右端に略垂直に配設され対象動物に応じ所定の高さと奥行きを有す側面フェンスと、測定台前端側に設置され且つ側面フェンスより高さが低い前端フェンスとで構成される。側面フェンス間後端は開口している構造とする。計測施設は、体重測定器を1個以上環状または横列状に配置し、且つ前端フェンスの前方近傍に給餌器11を配置すると共に、側面フェンスの外側に給餌器側への進入防止用障壁部材を配置して構成する。自動計測装置は、体重測定器と、そのセンサ信号の伝達用ケーブルと、データ収集処理装置とで構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2022-286421号公報
【特許文献2】特開平8-050052号公報
【特許文献3】特開2003-114145号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のものでは、床および豚の体表面に、格子縞を投影させることが難しく、必ずしも適切な測定ができるとは限らない。特許文献2のものは、魚の測定が基本であり、他の動物の体重測定には応用でき難い問題がある。
【0009】
特許文献3のものは、計測台へ動物を導くことが前提であり、これが困難である。養豚農場の最大の課題は高齢化・就労人口の減少である。豚の体重計測には大きな労力が必要である為、体重を計測できず、最適な出荷タイミングで出荷できていないという問題がある。
【0010】
従来の対象動物の体重測定は、基本的に1個体の体重測定に留まっており、どのような飼料を与えることが適切か、或いはどのような育て方が効率的かなど統計的な体重測定の基で、飼育について考察可能な測定は行われていなかった。本実施形態では、適切に対象動物の体重を計測することを可能とし、飼育について様々な考察を可能とする体重測定システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態の体重測定システムは、複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得手段と、前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得手段と、前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得手段と、前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを備え、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得手段と、前記体重情報取得手段により得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
本発明の実施形態の体重測定方法は、複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得ステップと、前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得ステップと、前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得ステップと、前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを用い、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得ステップと、前記体重情報取得ステップにより得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理ステップとを具備することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係る体重測定システムをコンピュータにより構成した場合の構成図。
図2】本発明の第1の実施形態に係る体重測システム置の機能ブロック図。
図3】本発明の実施形態に係る体重測定システムにより取得する平面寸法・広さ情報の説明図。
図4】本発明の実施形態に係る体重測定システムにより取得する側面寸法・広さ情報の説明図。
図5】本発明の第1の実施形態に係る体重測定システムの動作を示すフローチャート。
図5A】本発明の実施形態に係る体重測定システムによって作成出力された、グループAの対象動物の体重の平均値情報と対象動物における体重の軽重分布図。
図5B】本発明の実施形態に係る体重測定システムによって作成出力された、グループBの対象動物の体重の平均値情報と対象動物における体重の軽重分布図。
図5C】本発明の実施形態に係る体重測定システムによる結果を用いて、成長の早い豚と、成長の遅い豚を入れ替えによって実現される豚房内における平準化・利益の最大化の例を示す図。
図5D】本発明の実施形態に係る体重測定システムによる結果を用いて、最適飼料の選定による肥育期間の短縮を図ることの実現例を示す図。
図6】本発明の第2の実施形態に係る体重測定システムの機能ブロック図。
図7】本発明の実施形態に係る体重測定システムによる適正画像選択の説明図。
図8】本発明の実施形態に係る体重測定システムによる補正処理の説明図。
図9】本発明の第2の実施形態に係る体重測定システムの動作を示すフローチャート。システム
図10】対象動物を豚として餌場における滞在時間を識別情報(ID)を調べた結果を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態に係る体重測定システム及び体重測定方法を説明する。各図において、同一の構成要素には同一の符号を付して重複する説明を省略する。図1には、本発明の実施形態に係る体重測定システムをコンピュータにより構成した場合のコンピュータの構成図が示されている。即ち、CPU10が主メモリ11内のプログラムやデータを用いて体重測定システムを構成するものである。CPU10には、バス12を介して外部記憶インタフェース13、入力インタフェース14、表示インタフェース15、データ入力インタフェース16が接続されている。
【0015】
外部記憶インタフェース13には、外部記憶装置23が接続されている。外部記憶装置23には、この体重測定システムが動作を行うためのプログラムやデータが記憶されており、これらはCPU10が主メモリ11に適宜読み出して使用することができる。このため、外部記憶装置23には、後述する機械学習モデルや各手段を実現するプログラムが記憶されているものである。入力インタフェース14には、キーボードやタッチパネル等の入力装置24とマウス等のポインティングデバイス22が接続されている。表示インタフェース15には、LCD等の画面を有する表示装置25が接続されている。データ入力インタフェース16には、カメラ26-1~26-mが接続されており、これらカメラ26-1~26-mは、対象動物を撮像するために機能している。カメラ26-1~26-mの数は任意である。カメラ26-1~26-mにより得られた画像データはデータ入力インタフェース16によりCPU10や表示インタフェース15などの所要の部位に取り込まれる。なお、本実施形態では、対象動物は複数のグループに分けて管理しており、グループでは飼育の飼料が異なったり、飼育の手法(運動量等)が異なったりすることができる。
【0016】
図2には、本発明の第1の実施形態に係る体重測定システムの機能ブロック図が示されている。この実施形態では、カメラ26、画像取得手段31、個別情報管理手段32、平面寸法・広さ情報取得手段33、側面寸法・広さ情報取得手段34、体重情報取得手段40、出力形態処理手段50が備えられる。これらの手段は、CPU10が外部記憶装置23のプログラムを主メモリ11に適宜読み出して実現することができ、また当初から主メモリ11に記憶されているプログラムを用いて実現することができる。図2では、1台のカメラ26が描かれているが、各グループごとに複数台設けられている。
【0017】
カメラ26は、3Dカメラとすることができ、複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能な場所にエリア毎に設けられる。この場所としては、餌場(餌箱付近)とすることができる。対象動物を豚として餌場における滞在時間を調べたところ図10に示すようであった。即ち、餌場における滞在時間はほとんどが1分以内であり、ほぼ3分以内に収まっていることが分かる。また、日中は、どの時間帯でも「2~3回/時間」程度の間隔で餌場を訪れていることが分かる。従って、体重測定用のカメラ26によって撮像場所を餌場とすることで、個体による偏りの少ないデータ取得ができることが期待できる。
【0018】
画像取得手段31は、カメラ26により対象動物を撮像し、上記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得るものである。個別情報管理手段32は、上記画像取得手段31により得られた画像を用いて、上記対象動物に対する個体識別を行い、上記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を上記平面寸法・広さ情報取得手段33、上記側面寸法・広さ情報取得手段34及び上記体重情報取得手段40へ与える動作を行うものである。
【0019】
平面寸法・広さ情報取得手段33は、上記画像取得手段31により得られた上記平面画像に基づき上記対象動物の平面寸法・広さ情報を得るものである。ここに、本実施形態では平面寸法・広さ情報とは、平面幅情報と平面長さ情報とするが、平面における斜め方向等の寸法情報や平面の所定部分の広さ情報を用いてもよいことは勿論である。対象動物の平面幅情報について説明する。対象動物の上方からの画像(ここでは、左向きの画像)が図3の平面画像Uで示すものであるとして、これを図の縦方向に分割して得られたエリアにおいて動物画像の幅(図では上下方向の長さ)を中央から左方向へ計測して行き、最大となった分割エリアの測定値を肩幅とする(図3(B))。また、上記と同じ中央から右方向へ計測して行き、最大となった分割エリアの測定値を、尻幅とする(図3(B))。これらを平面幅情報とすることができる。他に、所定の定義により定めた腰幅情報等を平面幅情報としても良い。平面幅情報は、上記対象動物の肩幅情報、上記対象動物の腰幅情報、上記対象動物の尻幅情報の少なくとも1つとすることができる。
【0020】
次に、平面長さ情報を説明する。上記のように平面幅情報を得る過程で肩の位置と尻の位置が求まるので、肩の位置と尻の位置の間の距離を体長とする。この体長を平面長さ情報とすることができる。肩の位置と腰の位置の間の距離を体長とすることもできる。
【0021】
側面寸法・広さ情報取得手段34は、画像取得手段31により得られた側面画像に基づき上記対象動物の側面寸法・広さ情報を得るものである。本実施形態では側面寸法・広さ情報を体高情報とするが、側面における斜め方向等の寸法情報や側面の所定部分の広さ情報を用いてもよいことは勿論である。上記対象動物の側面寸法・広さ情報は、上記対象動物の肩位置、腰位置、尻位置の少なくとも1つの位置の体高情報であるとすることができる。例えば、図4に示すように対象動物の平面画像Uと側面画像Sを用い、まず、側面画像Sの、上記と同じ分割エリアにおいて一番高いところを長さ方向に求める。画像の中央から左方向へ計測して行き、最大となった分割エリアの高さ測定値を肩の高さとする。画像の中央から右方向へ計測して行き、最大となった分割エリアの高さ測定値を尻の高さとする。他に、所定の定義により定めた腰の高さ情報等を側面寸法・広さ情報としても良い。
【0022】
体重情報取得手段40は、上記平面寸法・広さ情報と上記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、上記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデル41を備えている。この機械学習モデル41は、本実施形態で得られた平面寸法・広さ情報と上記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、上記対象動物の体重情報を実測して目的変数として機械学習を実行して作成することができる。体重情報取得手段40は、得られた上記平面寸法・広さ情報と上記側面寸法・広さ情報を説明変数として上記機械学習モデル41へ与えて目的変数である体重情報を得るものである。
【0023】
出力形態処理手段50は、上記体重情報取得手段40により得られた体重情報を上記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力するものである。具体的には、出力形態処理手段50は、グループごとの上記対象動物の体重の平均値情報及びまたは体重の軽重分布図を作成出力することができる。
【0024】
図5Aには、グループAにおいて20Kgが5頭、30Kgが10頭、40Kgが20頭、50Kgが30頭、60Kgが20頭、70Kgが10頭、80Kgが5頭で、1頭の平均が50Kgであった場合の、出力形態処理手段50により作成出力された平均値情報と体重の軽重分布図である棒グラフが示されている。図5Bには、グループBにおいて30Kgが5頭、40Kgが10頭、50Kgが20頭、60Kgが30頭、70Kgが20頭、80Kgが15頭で、1頭の平均が59.5Kgであった場合の、出力形態処理手段50により作成出力された平均値情報と体重の軽重分布図である棒グラフが示されている。これにより、グループBにおける飼育飼料や飼育方法が優れているであろうことが一目瞭然である。
【0025】
これにより、図5Cに示すように、成長の早い豚と、成長の遅い豚を入れ替えによって豚房内を平準化し、利益の最大化を実現することも可能となる。本実施形態活用で入替時期と対象個体を正確に予測、平準化により肉質の“上”の比率を大きく上昇させることが可能であり、創出できる利益であるグラム当たりの単価差を上げることが見込めるものである。更に、図5Dに示すように、最適飼料の選定による肥育期間の短縮を図ることができる。本実施形態のシステムを用いて、飼料Aによって30Kgから120Kgとする日数を図5Dの例では5日間短縮できている。飼料代が約200円/日であるとすれば、5日短縮できれば、1,000円/頭の効果を上げることができる。また、豚の成長には、品種・温度・湿度・季節など様々なパラメータが影響するので、体重変化とこれらのパラメータの組み合わせをリンクさせたグループ分けによってどのような飼育が好適であるかを分析可能である。
【0026】
以上の構成の体重測定システムは、図5に示すフローチャートに対応するプログラムによって処理を行う。以下、フローチャートに基づき動作を説明する。カメラ26により対象動物を撮像する(S11)。カメラ26により対象動物を撮像する処理は以降のステップにおける処理においても引き続き継続されている。
【0027】
カメラ26による対象動物の撮像がなされると、CPU10は撮像された画像データを受け取り(S12)、平面寸法・広さ情報、側面寸法・広さ情報を求める(S13)。CPU10は求めた平面寸法・広さ情報、側面寸法・広さ情報を機械学習モデルへ与えて当該対象動物の体重を得る(S14)。斯くして、適切に対象動物の体重を計測することが可能となる。更に、得られた体重情報を上記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する(S15)。
【0028】
次に、第2の実施形態に係る体重測定システムを説明する。図6には、本発明の第2の実施形態に係る体重測定システムの機能ブロック図が示されている。この実施形態では、カメラ26、画像取得手段31までは第1の実施形態と同様である。本実施形態では、個別情報管理手段35、個別対象動物画像取得手段36、適正画像選択手段37、補正処理手段38を備えている。また、本実施形態では、対象動物を豚として説明するが、本発明の対象動物はこれに限定されない。
【0029】
個別情報管理手段35は、上記画像取得手段31により得られた画像を用いて、上記対象動物に対する個体識別(画像認識)を行い、上記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を上記平面寸法・広さ情報取得手段33、上記側面寸法・広さ情報取得手段34及び上記体重情報取得手段40へ与える動作を行うものである。即ち、対象動物が複数で飼育等されている場合に、個々の対象動物に識別情報を付して画像の管理を行うものである。より具体的には、RGB画像を用いてトラッキングし、豚ごとにバンディングボックスを生成する。複数の豚がいる場合は、豚ごとに別々のバンディングボックスとその座標を算出し、ターゲット選定部である個別対象動物画像取得手段36に渡す処理が行われる。
【0030】
本実施形態は、対象動物が複数で飼育等されている場合に対応しており、上記カメラ26は複数の上記対象動物が存在する場所を撮像する。このため、画像では複数の上記対象動物が重なって映し出される。個別対象動物画像取得手段36は、このカメラ26による撮像により得られる画像から個別の上記対象動物の画像を分離して個別対象動物画像を取得するものである。本実施形態では、セグメンテーション手法を採用することができる。本手法を用いると、重なっている豚も見事に分離することができるようになり、1頭ずつのマスク画像を生成し、体重情報取得手段40の処理に用いることとした。
【0031】
適正画像選択手段37は、上記識別情報を付した画像を上記平面寸法・広さ情報取得手段33、上記側面寸法・広さ情報取得手段34及び上記体重情報取得手段40へ与える場合に、適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行うものである。豚の姿勢が曲がっているものは各部位の値が正しく計測できない。そこで、体が曲がった状態の画像をどうするかを検討した。本実施形態では定点カメラを採用しているため、同じ豚を複数回撮影することができるため、体が曲がっている状態のデータは捨てて、良い状態で撮影されたものだけ採用することにした。
【0032】
そこで、背中の曲がっている画像は排除することとした。次に体が曲がっているかどうかの判定は次の通りに行うことができる。平面寸法・広さ情報を得る場合に、図3において示した通り複数の分割エリアを作成し、図7の各分割エリアの高さ方向の一番高いところ結んだ線が背骨に該当する。この背骨の曲がり具合を検出することで豚の姿勢を判定することができる。事前の画像処理で楕円をフィッティングしているので、この楕円の中心線が理想的な背骨の位置である。その線からの乖離が大きいもの曲率が高いと判断し、排除して(図7(B))、その線からの乖離が小さいものを残すことができる(7(A))。例えば、各分割エリアの高さ方向の一番高いところを結んだ線からの距離が所定以上のものを排除することができる。また、正常と判定した豚も若干曲がっているため、この背骨の曲がりを示す理想位置からの乖離データ(例えば、分散)も説明変数に加えることができる。
【0033】
補正処理手段38は、上記適正画像選択手段37による選択が行われた画像に対して所定の向きとする補正処理を行うものである。本実施形態では、セグメンテーション手法を用いた個別対象動物画像取得手段36で抽出した1頭分の3D画像を使って各部位の計測を平面寸法・広さ情報取得手段33と側面寸法・広さ情報取得手段34において行っている。計測する部位は肩幅情報、腰幅情報、尻幅情報、肩から尻までの長さ、体全体の面積等とすることができる。各部位の計測をするためには豚の画像を一定間隔で輪切りにして、既述の通り、頭の方から順に処理すると算出しやすい。しかし、本実施形態では餌を食べにくる豚をそのまま撮影しているので自由気ままな向きの画像を取得することになる。姿勢に関しても一定ではないので工夫が必要である。これらの解決策も含めて補正処理手段38は行う処理を以下に説明する。
【0034】
<補正処理>
3D画像を2値化し、体の境界面に沿って楕円近似を行う豚の画像がきれいに切り出されている場合、体にフィットした楕円を描くことができ、その楕円の中心が体の中心に該当し、楕円の角度がそのまま豚の角度と一致する。
そこで、図8(A)の状態における楕円の角度を算出し、画像を水平にする楕円の角度が水平になるように楕円の中心を回転軸にしてアフィン変換を用いて画像を回転する(図8(B))。
【0035】
以上の構成の体重測定システムは、図9に示すフローチャートに対応するプログラムによって処理を行う。以下、フローチャートに基づき動作を説明する。CPU10は、カメラ26により対象動物を撮像する(S11)。カメラ26による対象動物の撮像がなされると、CPU10は撮像された画像データを受け取り(S12)、重なっている対象動物の画像を1頭の画像に分離する(S21)。
【0036】
次に、CPU10は個体識別(画像認識)を行い、上記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付する(S22)。次に、曲がった状態の画像を捨てて、良い状態で撮影された画像だけ採用する(S23)。また、CPU10は対象動物の体の境界面に沿って楕円近似を行い、楕円の角度を算出し、画像を水平にする楕円の角度が水平になるように楕円の中心を回転軸にしてアフィン変換を用いて画像を回転する補正を行う(S24)。更に、平面寸法・広さ情報、側面寸法・広さ情報を求める(S13)。CPU10は求めた平面寸法・広さ情報、側面寸法・広さ情報を機械学習モデルへ与えて当該対象動物の体重を得る(S14)。斯くして、適切に対象動物の体重を計測することが可能となる。更に、得られた体重情報を上記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する(S15)。このステップS15の処理は第1の実施形態と同じく出力形態処理手段50によって行われるものであり、図5A図5B図5C図5Dによって説明したように対象動物の好適な飼育につなげることが可能である。
【0037】
更に、上記体重情報取得手段40は、1つの個体として識別した対象動物について所定時間内に得られた体重情報の平均値を求め、求めた平均値を当該対象動物の体重とするようにしてもよい。また、対象動物が画角内にとどまっていても姿勢などの条件が悪く、体重推定できないケースがあり、体重測定の回数が少なくなってしまうことがある。取得した体重測定値が設定した閾値以下の場合は、取得したデータは廃棄するようにしてもよい。体重測定が閾値回数以上取得できた場合のみ平均化し、1頭の対象動物の体重測定値として完了するようにしてもよい。
【0038】
更に、上記平面寸法・広さ情報と上記側面寸法・広さ情報に基づき上記対象動物内の種類情報を決定する種類決定手段(図示せず)を実現するプログラムを体重測定システムに備えさせてもよい。この場合、上記個別情報管理手段35は、上記種類決定手段により決定された種類情報と共に識別情報を付した画像を上記平面寸法・広さ情報取得手段33、上記側面寸法・広さ情報取得手段34及び上記体重情報取得手段40へ与える動作を行い、上記体重情報取得手段40は、体重情報を得る場合に上記種別情報に応じたパラメータを用いて調整を行うようにしてもよい。
【0039】
以上の各実施形態によって体重計測を行うための労力を削減することができ、日々の豚体重の管理・データ化実現することができ、出荷時期の最適化により養豚農場の利益最大化につなげることも可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 CPU
11 主メモリ
12 バス
13 外部記憶インタフェース
14 入力インタフェース
15 表示インタフェース
16 データ入力インタフェース
22 ポインティングデバイス
23 外部記憶装置
24 入力装置
25 表示装置
26、26-1~26-m カメラ
31 画像取得手段
32 個別情報管理手段
33 平面寸法・広さ情報取得手段
34 側面寸法・広さ情報取得手段
35 個別情報管理手段
36 個別対象動物画像取得手段
37 適正画像選択手段
38 補正処理手段
40 体重情報取得手段
41 機械学習モデル
50 出力形態処理手段
図1
図2
図3
図4
図5
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2025-08-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得手段と、
前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得手段と、
前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得手段と、
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを備え、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得手段と、
前記体重情報取得手段により得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理手段と
前記画像取得手段により得られた画像を用いて、前記対象動物に対する個体識別を行い、前記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える動作を行う個別情報管理手段と、
前記識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える場合に、背骨の曲がり具合を検出することで前記対象動物の姿勢を判定し、この判定結果に基づき適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行う適正画像選択手段と、
前記適正画像選択手段による選択が行われた画像に対して対象動物の体の境界面に沿って楕円近似を行い、楕円の角度を算出し、画像を水平にする楕円の角度が水平になるように楕円の中心を回転軸にしてアフィン変換を用いて画像を回転する補正処理を行う補正処理手段と、
を具備することを特徴とする体重測定システム。
【請求項2】
前記出力形態処理手段は、グループごとの前記対象動物の体重の平均値情報及びまたは体重の軽重分布図を作成出力することを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項3】
前記カメラは複数の前記対象動物が存在する場所を撮像するものであり、
このカメラによる撮像により得られる画像から個別の前記対象動物の画像を分離して個別対象動物画像を取得する個別対象動物画像取得手段を具備することを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項4】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩幅情報、前記対象動物の腰幅情報、前記対象動物の尻幅情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項5】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、体長であり、前記対象動物の肩から尻までの長さであることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項6】
前記対象動物の側面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩位置、腰位置、尻位置の少なくとも1つの位置の体高情報であることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項7】
前記体重情報取得手段は、1つの個体として識別した対象動物について所定時間内に得られた体重情報の平均値を求め、求めた平均値を当該対象動物の体重とすることを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項8】
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報に基づき前記対象動物内の種類情報を決定する種類決定手段を備え、
前記個別情報管理手段は、前記種類決定手段により決定された種類情報と共に識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える動作を行い、
前記体重情報取得手段は、体重情報を得る場合に前記種類情報に応じたパラメータを用いて調整を行うことを特徴とする請求項1に記載の体重測定システム。
【請求項9】
複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得ステップと、
前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得ステップと、
前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得ステップと、
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを用い、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得ステップと、
前記体重情報取得ステップにより得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理ステップと
前記画像取得ステップにより得られた画像を用いて、前記対象動物に対する個体識別を行い、前記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える動作を行う個別情報管理ステップと、
前記識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える場合に、背骨の曲がり具合を検出することで前記対象動物の姿勢を判定し、この判定結果に基づき適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行う適正画像選択ステップと、
前記適正画像選択ステップによる選択が行われた画像に対して対象動物の体の境界面に沿って楕円近似を行い、楕円の角度を算出し、画像を水平にする楕円の角度が水平になるように楕円の中心を回転軸にしてアフィン変換を用いて画像を回転する補正処理を行う補正処理ステップと、
を具備することを特徴とする体重測定方法。
【請求項10】
前記出力形態処理ステップでは、グループごとの前記対象動物の体重の平均値情報及びまたは体重の軽重分布図を作成出力することを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【請求項11】
前記カメラは複数の前記対象動物が存在する場所を撮像するものであり、
このカメラによる撮像により得られる画像から個別の前記対象動物の画像を分離して個別対象動物画像を取得する個別対象動物画像取得ステップを具備することを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【請求項12】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩幅情報、前記対象動物の腰幅情報、前記対象動物の尻幅情報の少なくとも1つであることを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【請求項13】
前記対象動物の平面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩から尻までの長さであることを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【請求項14】
前記対象動物の側面寸法・広さ情報は、前記対象動物の肩位置、腰位置、尻位置の少なくとも1つの位置の体高情報である体高情報であることを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【請求項15】
前記体重情報取得ステップは、1つの個体として識別した対象動物について所定時間内に得られた体重情報の平均値を求め、求めた平均値を当該対象動物の体重とすることを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【請求項16】
前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報に基づき前記対象動物内の種類情報を決定する種類決定ステップを備え、
前記個別情報管理ステップは、前記種類決定ステップにより決定された種類情報と共に識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える動作を行い、
前記体重情報取得ステップは、体重情報を得る場合に前記種類情報に応じたパラメータを用いて調整を行うことを特徴とする請求項9に記載の体重測定方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
本発明の実施形態の体重測定システムは、複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得手段と、前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得手段と、前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得手段と、前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを備え、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得手段と、前記体重情報取得手段により得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理手段と、前記画像取得手段により得られた画像を用いて、前記対象動物に対する個体識別を行い、前記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える動作を行う個別情報管理手段と、前記識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得手段、前記側面寸法・広さ情報取得手段及び前記体重情報取得手段へ与える場合に、背骨の曲がり具合を検出することで前記対象動物の姿勢を判定し、この判定結果に基づき適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行う適正画像選択手段と、前記適正画像選択手段による選択が行われた画像に対して対象動物の体の境界面に沿って楕円近似を行い、楕円の角度を算出し、画像を水平にする楕円の角度が水平になるように楕円の中心を回転軸にしてアフィン変換を用いて画像を回転する補正処理を行う補正処理手段とを具備することを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本発明の実施形態の体重測定方法は、複数のグループに分けて管理している対象動物について、各グループに属する対象動物のみを撮像可能なエリア毎に設けられたカメラにより対象動物を撮像し、前記対象動物の上方からの平面画像と側方からの側面画像を得る画像取得ステップと、前記平面画像に基づき前記対象動物の平面寸法・広さ情報を得る平面寸法・広さ情報取得ステップと、前記側面画像に基づき前記対象動物の側面寸法・広さ情報を得る側面寸法・広さ情報取得ステップと、前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数とし、前記対象動物の体重情報を目的変数とした機械学習により得られた機械学習モデルを用い、得られた前記平面寸法・広さ情報と前記側面寸法・広さ情報を説明変数として前記機械学習モデルへ与えて目的変数である体重情報を得る体重情報取得ステップと、前記体重情報取得ステップにより得られた体重情報を前記グループに対応して分けて比較可能な形態の情報として作成出力する出力形態処理ステップと、前記画像取得ステップにより得られた画像を用いて、前記対象動物に対する個体識別を行い、前記対象動物の個体毎の画像に識別情報を付すると共に、この識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える動作を行う個別情報管理ステップと、前記識別情報を付した画像を前記平面寸法・広さ情報取得ステップ、前記側面寸法・広さ情報取得ステップ及び前記体重情報取得ステップへ与える場合に、背骨の曲がり具合を検出することで前記対象動物の姿勢を判定し、この判定結果に基づき適正処理が可能な画像のみを選択する処理を行う適正画像選択ステップと、前記適正画像選択ステップによる選択が行われた画像に対して対象動物の体の境界面に沿って楕円近似を行い、楕円の角度を算出し、画像を水平にする楕円の角度が水平になるように楕円の中心を回転軸にしてアフィン変換を用いて画像を回転する補正処理を行う補正処理ステップとを具備することを特徴とする。